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【白蛇伝】昔のアニメ映画総合【海の神兵】

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/02/12(月) 08:05:27 ID:zz6YHu86.net
日本アニメ映画板の開設にあたり、アニメ黎明期を支えて来た映画作品のスレが
見当たらない為、問題提起も兼ねて立てました。

需要は無いかも知れませんが、このスレに情報やデータ等が集まり
それを見た若い方々が興味を持ち、作品を知る機会になれば・・・
そうなる事を願います。

196 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/02/14(月) 19:49:53.41 ID:45v62Olf.net
「寫眞館」を観る。原画・脚本・監督なかむらたかし。16分。5年ぶりくらいで二度目の視聴。
批評や感想どころか、賞賛さえつけくわえる気になれない一粒の宝石に、たまに巡り会えることがある。
前回の視聴時がそうだったし、このたびの感慨も以前から変わってはいない。
エメラルドはその傷つきやすさゆえに粋人の心を惹きつけるが、この小品もそういうことだ。


「マリといた夏」を観る。78分。韓国産で、2002年アヌシーのグランプリとのこと。イ・ソンガン監督。
まあ文芸映画のカテゴリー。良い部分は沢山あるんだけど、でも2回見ればそれでいいや。
最大の問題点は、絵と声のふたつだ。
人物の絵柄は電脳コイルをさらに地味にして、魅力も7割減らしたような感じ。これはきつい。
そして声・・・韓国語のアニメはプリパラ・プリリズの韓国放映版のチラ見しか知らないけど、
あれらは声優は相当見事な演技をしていた。クマとかを除いてやや個性に乏しかったきらいはあるが、
歌唱力は日本語の本家に肉薄・凌駕しているときも多々あったし。
でも「マリといた夏」では、どうにも声が受け入れられない。
ジブリの俳優演技さえ、ハウルとサン以外はたいして気にならない自分としては、相当珍しいことだ。
(というか、字幕での海外アニメの場合、抑揚が激しい声優演技がかえってプラスに働きうるってことか?)
音声を音楽ごとミュートしたら、そのほうが作品のよさを深く感じられた。これって大問題じゃね?


「月光宮殿」を観る。79分。2016年。韓国の劇場版アニメ。
「千と千尋の神隠し」の剽窃っぽいと話題になった作品だが、瓜二つってほどでもない。
パヤオの強い影響はうかがえるし、本家には及ぶべくもないと承知のうえなら、そこそこ魅せる。
・冒頭のリアルな慰安婦像は不要。子供向け娯楽作品にビビッドな政治テーマを組み込むなら
 最大限の注意深さが求められるが、この作り手たちにその力量はない。
・冒頭6分前後のダンスはなかなか。作品全体においても、子供たちの作画は魅力的に動かせている。
・それに関連して、千尋(仮)と坊ネズミ(仮)はわりと溌剌としている。
 前者は原典と同じくブサ可愛い。数箇所におけるあぐらが特に。
・ススワタリや蛙妖に該当する韓国妖怪たちも、おおむねきちんと描けている。
・男どもの描写はかなりダメ。ハク(仮)とかチゲ鍋で顔を洗って出直してこいって感じだ。
 千尋(仮)と並ぶシーンになると、挙措動作の描写の綿密さにも相当大きなギャップが見えてしまう。
 銀髪美青年とおっさんの腐れカップルも、終盤以外はひどい。
・アクションシーンはどうもぱっとしない。とりわけ前半部は。向うには金田伊功的ポジの
 最上級アニメーターっていないのかな。もう半世紀はジャップアニメの下請けやってるだろうに。
・背景美術は一部お粗末だが、おおむねなかなか。21分前後の桃源郷描写とか好きだな。
 水流の流れ落ちる大階段とかも。
・結論としては、主人公にキャラ萌え出来るなら、70点には到達してるだろう。まあこんなもんか。


・思い、思われ、ふり、ふられ(黒柳トシマサ)
・ゆるゆりなちゅやちゅみ(畑博之)
・劇場版BEM BECOME HUMAN(博史池畠)
・ドラゴンボールZ劇場版8 燃えつきろ!!熱戦、烈戦、超激戦(山内重保)
・雲界の迷宮 ZEGUY全集(影山楙倫)
・劇場版SHIROBAKO(水島努)
・爆裂天使 インフィニティー(大畑晃一)
・ゼーガペインADP(下田正美)
・走り続けてよかったって。(荒川眞嗣)
・劇場版響け!ユーフォニアム(石原立也)
・らいむいろ戦奇譚☆純 らいむ隊☆純

は観たが、個人的には特に語るところなし。

197 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/03/14(月) 18:39:30.19 ID:904CbkRh.net
「ベルヴィル・ランデブー」を観る。77分。ジブリライブラリー。
「フランスが誇る若き巨匠、シルヴァン・ショメ監督長編デビュー作」とのこと。
要するに、「凄いけど退屈」という、よくあるっちゃよくある芸術作品のひとつ。
これを「退屈だけど凄い」と捉えられるひとなら賞賛できるんだろうね。力は実際渾もってるし。
この題材と展開を選びとる作り手なら、娯楽要素への強い未練なり志向性なりがある気がするけど、
でも実際は「芸術映画」以外のものではないみたいだし、そこの齟齬に個人的には違和感を覚える。
あと映像特典の、高畑勲とショメ監督の対談はなかなか興味深かった。
会話が極度に少ないこの映画についての高畑氏の指摘は、彼が作品の形式だけではなく
本質をきっちり見きわめられる知性なのを示しており、同時にその後の部分では、
彼の作品は彼自身の洞察を乗り越えてゆけることを改めて確認できたと思う。



「老婦人とハト」を観る。22分。シルヴァン・ショメ氏の初監督作品。
上のベルヴィルよりずっと好きだ。出来もたぶんこっちのほうがいい。
(ただしベルヴィルのほうが、いろいろと挑戦してはいる。その意気込みは買う)
コスプレや帽子掛けが笑える。鳩もおおむね可愛い。怖さも笑いも兼ね備えたスタイリッシュな一編。



「コララインとボタンの魔女」を観る。2010年。100分。監督ヘンリー・セリック。原作とかは未見。
子供にとっての最大の恐怖は何か、という問いの答えは「母親」でありうるし、
それはどの文明においても重大な禁忌だ。「大魔王からは逃げられない」から。
托卵についての橘玲の調査は驚愕せざるをえなかったし、堕胎や墓守娘の問題は太古から続いている。
やなせやパヤオの炯眼はそれを勿論見抜いていたし、だからブラックノーズは衝迫力をもちえた。
千尋の両親が物語の末尾においてもなにひとつ反省や成長をしていない点にせよ、
あながちパヤオの「冷酷さ」だけに由来するものじゃない。
親子の絆とやらが大昔から、そういう致命的な偏りをずーっと内包してきたというだけの話だ。
本作タイトルロールの「in association with PANDEMONIUM」は、だから笑うしかなかった。
失楽園におけるルシファーの根城か。

ミルトンは知らないがルイス・キャロルはシュールレアリストだったはずだが、
本作でやりたかったのは「現代アメリカの少女を主人公にした、不思議の国のアリス」だろう。
それは異世界冒険物を現代日本の少女主人公でやりたがった、パヤオの千尋と一緒だ。
両者ともにブスないし十人並みの容貌なのも同じ。そのあたりは人形アニメーションの本作には向いている。

千尋やアリスよりも、本作のこまっしゃくれた主人公コララインはずっと色濃くお国柄が反映されている。
そのあたり、父母や隣人やボーイフレンドとの遣り取りの質は、個人的にはとても楽しく興味深い。
母が鈍感でありながらも、ああいう状況でも相応に娘を気にかけている描写も好き。
だいたい千尋もコララインも第一子なんだろうから、経験不足で親たちが合格点のふるまいが出来なくても仕方ないよね。
ふたり子供をこさえていて、当人も四人兄弟の育ちのくせに、そこに気づけてない可能性がパヤオにはあるけど。

魔女たちのボタンの目を、絵筆やCGではなく、実物を用いて描写できるのは説得力がある。
逆に、空中ブランコなどのシーンでは、実物の人形がジャンプできるわけが
ないという「常識」を超えてゆく驚きをもたらしてくれる。
技法と様式が心地よく調和している作品は素敵だ。下のは過去ログ。
コララインとボタンの魔女【3D】
https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1266024546/

198 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/04/28(木) 13:02:09.49 ID:P1NVcyon.net
「音楽」を観る。原作大橋裕之、監督・絵コンテ・作画監督・美術監督・一部脚本岩井澤健治。71分。
声などは竹中直人だの岡村靖幸だの。原作などは未読。オタワ国際アニメーション映画祭のグランプリ。
論ずるに術がござらん。一言で評するならそういうことになる。
芸風は、チェコ出身のアートアニメの巨匠ヤン・シュワンクマイエルをほんの少し連想させる。
日本の作り手なら、あえて挙げれば杉井ギサブローや押井守か。いいものを魅せてもらった。それだけで充分だ。
押見修造だの花沢健吾だの行定勲だのが献辞してたから、そういう路線ではある。


「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版」を観る。118分。2009年。
原作矢立肇・高橋良輔、チーフディレクター兼総作画監督竹内一義。絵コンテ8人。
脚本吉川惣司・五武冬史・西村昌之・高橋良輔。演出6人。高橋良輔監督。
原作その他は未読。高橋監督作品の視聴は4本目。キャラなども一人も知らない状態で
まず目を通した、DVD同梱の特報や予告編がずいぶん身も蓋もない内容だった。
本編の感想もそれに準じていて、乾いた高揚感を読後に覚えた。
女はモブにすら一人も出さない点や、ネジが外れた一部挿入歌、
また手書き部分にまったく馴染ませるつもりがない3DCGなどは笑うしかないけど。
ロボット物が苦手な俺に2時間の長さをノンストップで観終えさせたのだから、
ひとかどの作品だと思う。視聴後にこの板の専用スレを覗いてみたら、ファンに随分叩かれてたけど。


「装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー」を観る。53分。1985年。
原作・監督高橋良輔、脚本吉川惣司、演出加瀬充子、絵コンテ加瀬充子・谷田部勝義。
第3回日本アニメ大賞OVA最優秀作品賞。高橋監督作品の視聴はこれで5本目。
氏の実力の高さはもう充分知れたので、ことさらに長所を褒める気も薄くなった。
ひとつの精緻な娯楽作品としては、本作も相当高い点がつけられる。
氏の作風なら、ご都合主義はかなりの部分、たぶん意図してのことだし。
でもフィアナとかいう本編ほぼ唯一の女キャラの言い分に、個人的にはたいした説得力を感じられなかった。
本編をがっつり観ている普通のファンたちなら、違う感想を抱くかもだし、
さらには「説得力を感じるか否か」という論理依存の判断基準を、
女というそもそも非論理的な連中に、適用していいのかもわからないが。
もうひとつの問題は、作り手たちに見えた(表現した)ものが、観客たちにとって必要かどうか、だ。
この作風ならその問題は避けられない。まあ30年以上前の作品らしいし、
とっくに作り手たちは、そこにけりをつけているんだろうとは思うが。


「劇場版遊戯王 超融合!時空を越えた絆」を観る。監督竹下健一。49分。原作などは未読。
ジャリ向けのお子様ランチとしては充分楽しめる出来ではある。きらきら輝く厚紙を刷って
子供たちの財布から小銭までむしりとる、ここのお商売作法にはプリキュアグッズ以上のおぞましさを覚えるけど。
あと別売り?の3Dメガネが必要とはいえ、レンタル版に3D映像バージョンがついてるのは驚いた。


「ゲゲゲの鬼太郎 劇場版VOL2」というDVDを観る。大昔にテレビアニメ版は観た覚えがかすかにある。
「最強妖怪軍団!日本上陸!!」「激突!!異次元妖怪の大反乱」の二本が同梱。
前者は49分、1986年。脚本星山博之、監督芹川有吾。時代を感じさせる出来だが嫌いじゃない。
子供だましなのを承知で観れば悪くない。ラストのお祭りは好き。
後者は47分、1987年。脚本武上純希、監督芝田浩樹。子供だましにすらなれてない内容。
こんな出来(というか不出来)で木戸銭分捕ろうとしたその根性は見事だよ。金髪ロリだけは可愛かった。


「劇場版プリティーリズムオールスターセレクション プリズムショーベストテン」を観る。
48分。テレビ版などは大ファン。総合演出依田伸隆、CGディレクター乙部善弘、プリズムショー演出京極尚彦、
総監督菱田正和。これが数回目の視聴。内容には深く満足しているから、何も言うことがない。
筐体ゲームの販促アニメだけど、スタッフロールでそっちのCGを紹介するあたりも好きだ。
本編ではお目にかかれなかった衣装チェンジ・背景チェンジとか、いろんな部分がファン視点では最高だ。

199 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/06/09(木) 20:30:40.39 ID:Wt2HoRcu.net
「SHADOW SKILL クルダ流交殺法の秘密」を観る。61分。原作・監修岡田芽武、監督市川量也、
脚本砂山蔵澄、絵コンテ・演出谷田部勝義。トゥーンシェンダー使用の3D。原作などは未読。
甘いなりに本気な内容なのかもね。実際嫌いじゃない。たるいところも多いけどそれを含めて。


「灼眼のシャナSP 恋と温泉の校外学習!」を観る。監督渡部高志。原作などは未読。
26分。中身はなにもないけど、キャラが可愛かったからそれでいいと思うよ。
このサブタイトルと監督名で、期待するほうが間違ってると思うし。のいぢも恵まれない人だな。


「ムダヅモ無き改革」を観る。原作大和田秀樹、脚本大和田秀樹・水島努、音響監督岩浪美和、
美術監督森元茂、絵コンテ・演出・監督水島努。26分。原作は月面決戦あたりまで読んだ。
アニメの本作は、水島氏のひねくれぶりを存分に活かしきった出来栄えだ。
前半三分の一以外はオリジナルみたいだが、原作での笑いや迫力やエグみを充分再現できている。
あと記憶が確かなら、クレしんのカスカベの頃に比べて、
演出の引き算がきちんとできるようになり、足し算も達者になってる。
ラストにプーチンが顔見世してたけど、現在ならどう描写されてたかはお目にかかりたかったな。


「キャプテン翼THE MOVIE」を観る。劇場版2本が同梱されたDVD。原作などはほとんど未読。
一本目「ヨーロッパ大決戦」はへそで茶が沸く出来だ。特に絵の部分が。
実力や納期が乏しい中で全力を尽くすも作画崩れを抑えきれなかった、という種類の絵ですらない。
三下が手抜きした、インクの染みにひとしい同情の余地がない出来といえる。
チーフディレクター光延博愛、キャラデザ作画監督岡迫亘弘、演出岡本達也のお三方は晒しあげられても仕方ない。
二本目「危うし!全日本Jr」は、演出が交代し作画監督補佐が入ったりして、気持ちマシになってる。


「劇場版銀魂完結編 万事屋よ永遠なれ」を観る。原作空知英秋、監修高松信司、監督藤田陽一。
110分。原作は少し目を通したことがある程度。
>173で触れた前作の劇場版よりはギャグ少なめシリアス多め。
あっちも悪い作品じゃなかったけど、それよりもさらに好きかな。
バッドエンドやビターエンドが商業的要請によりほぼ許されない劇場版アニメにおいて、
タイムスリップを題材にすることが、作家の職業倫理としてはどうなのかとも思いはするが。
(そういや新海氏はそこにちょびっと踏み込んでるな。それはなかなかの作家性ではある)


「TATSUMI マンガに革命を起こした男」を観る。監督エリック・クー。2010年くらいの作品。
原作者辰巳ヨシヒロは日本の劇画家の源流にあたる人だが、メインスタッフの9割は外国人。
ストーリーは趣味じゃないが、絵柄はかなり好きだな。
鬱陶しく暑苦しい絵柄という、劇画の(個人的な)短所をぬぐいつつ、良さを生かしている。
またオチ(というか物語の締め方)は好みだ。
以前の書き込みで罵った某作品のと似てるけど、こっちはさらに必然性(穏やかな)がある。
映像特典のメイキングもなかなかの出来。
それと色彩設計が、地味ながらかなり有能なのかもな。
たとえば俺のような凡人が、眼前の景色を10秒間集中して眺め、そして目をつむって景色を思い出そうとした時、
モノクロではないがフルカラーってほどでもない、淡彩の光景が脳内再生される。
現実世界が舞台の創作物においては、その淡彩を生み出す方法論は最適解のひとつなんだろう。
あとスタッフロールにプロダクションの経理の人の名前まで記載されている。
俺の知る限り、似たような例は千尋のパンフレットだけだな(千尋本編でもそうだったかもだけど、思い出せない)。

200 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/06/09(木) 22:32:52.59 ID:Wt2HoRcu.net
「バッタ君町に行く」を観る。演出D・フライシャー。ジブリライブラリー。数回目の視聴。
1941年。67分。その素晴らしさも欠陥も、べつだん俺ふぜいが指摘するまでもなくわかりやすい。
同時代の白雪姫あたりと比べて、ヒロインのキャラデザがコケティッシュだ。バタ臭くない。
また25分前後の感電描写は、オスカー・フィッシンガーあたりの実験アニメから学んでいるふしもある。
手鏡の上を歩くシーンは美しい。お気に入りだ。俺を酔わせてくれる作品といえる。

ついでに、本作の終り方について、パヤオは雑文集「出発点」のなかで声を大にして難詰している。
それは実に正しいが、あくまでも志ある現役の演出家として正しいだけでもある。
バッタ君の公開は1941年のアメリカで、日本人パヤオの批判は1979年だ。まず国と時代状況に大差がある。
物質文明の興隆が道半ばだった当時は、高層ビルを建築することにそれなりの充分な意義があったし
(それはシリー・シンフォニーの一部作品における、左官屋たちへの敬意を発展させたものとしても表現されている)、
その屋上に豪邸を建てるのにも嫌味の少ない健康な上昇志向があった。
また当時の都市住民の環境意識の低さが、パヤオや俺を含めた現代人の気に障ったとしても、それは罵りの対象になりえない。
ましてそれをモダン・タイムスとからめて作品論に発展させるのは不当だ。
もののけ姫が網野善彦らの学問上の奮闘を支柱としたように、
娯楽作品といえど、主題の掘り下げには当時なりの学問の手助けが必要だし、
その学問(環境学など)が発達してなければ、演出家の側にはあまり打つ手もないのだから。
それと、戯れ歌では5万ポンドだったのに、作曲家への報酬が5000ポンドだった点も、パヤオは無視している。
(カオナシがばらまいた大粒のニセ砂金とかは、バッタ君を意識してたのかなあ)

まあその程度の反論はパヤオも想定してたんだろうし
(地域や時代を無視して普遍性に寄った洞察を繰り広げるってことが、そもそもそういうことだ)、
仮に想定していなくても、現役の演出家としては、なにも問題はなかった。少なくとも1979年時点では。
千尋って作品が湯屋って建物の中での上下移動で完結せず、海原電鉄などでの水平移動を
シナリオ上で必要とした理由は、「バッタ君は高層ビルに登らず、街の外に新天地を求めるべきだった」
というパヤオ自身の批判を、原点のひとつとしているのだろう
(プロローグにおける、大都市の周りの広大なアメリカ的荒野を見る限り、それは批判として成立しがたいにせよ)。
彼のふるまいはだから誠実な有言実行だったし、そうしてジブリの傑作群は生まれ、
彼はフライシャー兄弟よりも、バッタ君作中の売れっ子音楽家よりも、ずっと暖かな財布と名誉を手に入れた。
「ベティ・ブープのそら恐ろしさ」なるものを、感嘆はしても好きとは書かず、
バッタ君の結末に演出D・フライシャーの「芸能人としての自分の成功願望」を見たがったパヤオにとって、
その世俗の報酬は重大な(あるいは決定的な)毒となりえただろうが、俺のこの文章も状況を軽視した本質論でしかない。
フライシャー兄弟はこの作品でスタジオを潰し、翻ってパヤオは、結局ジブリというスタジオを捨てなかった。
現代日本の彼の観客としては、慶賀すべきことなのかもな。




・コードギアス 反逆のルルーシュ 興道(谷口悟朗)
・天地無用!in LOVE(ねぎしひろし)
・CAT SHIT ONE(笹原和也)
・暗闇三太(仲村学)
・水木しげるの妖怪ワールド 恐山物語(佐々木皓一)
・劇場版ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(桜美かつし)
・俺を好きなのはお前だけかよOVA(秋田谷典昭)
・甲虫王者ムシキングスーパーバトルムービー(水崎淳平)

は観たが、個人的には特に語るところなし。

201 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/06/09(木) 23:24:49.28 ID:hJfBKzT4.net
697:名無し募集中。。。:2022/06/09(木) 21:44:21
いつもお世話になっております。よろしければ代行をお願いします。665です。

【状況】書き込み規制 【板名】アニメ映画板
【スレタイ】【白蛇伝】昔のアニメ映画総合【海の神兵】
【スレURL】
【本文】↓

202 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/06/16(木) 18:21:46.62 ID:WulJ7314.net
「キネ旬ムック オールタイムベスト映画遺産 アニメーション編」
を、このスレの参考になるかなと思い読む。内容は基本的に、予想をはるかに超えてひどい。
2009年時点のランキングで、長編ベスト3がカリオストロ・ナウシカ・トトロって異常だよ。
盆と正月にしか映画館に行かないそこらのおばさんのベストじゃないんだから。
キネ旬の賢い読者たちは、1984年の時点でナウシカを年間1位に選んでいたし、
別格官幣大社パヤオ天尊を崇めたいならその時点でやるべきだった。
大藤賞はカリオストロの79年に与えられてるし、30年遅れかよ。
森卓也と石上三登志の対談は、これまで読んだアニメ関連対談のなかで歴代ワーストかもしれない。
おかだえみこと叶精二は悪くない仕事をしている。また故大林宣彦のインタビューは知見に富む。




「劇場版名探偵ホームズ」を観る。青い紅玉の巻と海底の財宝の巻の二本立て(元はまあテレビアニメだが)
監督宮崎駿、脚本と演出助手片渕須直、演出補富沢信雄、作画監督近藤善文・丹内司・友永和秀、
キャラデザ近藤善文、美術監督山本二三、撮影監督高橋宏固、録音監督斯波重治、音楽村松邦夫。
レンタルDVDには友永・富沢・原画の田中敦子・Pの竹内孝次各氏らが、イタ公やパヤオの恥部を暴く座談会も収録。
いろんなイメージボードや絵コンテも素敵だ。

これで数回目の視聴になるが、相変わらず気軽で楽しい。そして同時に時代も感じさせる。
この出来を上回る作品は、現代までの最上質のアニメ群なら一応不可能ではないだろう。
実際パヤオ自身の後発作品もこれを超えている。別側面から言えば、本作の親しみやすさは宮崎作品中のトップクラスだが。

10分57秒の「ポリィの部屋を見て僕にはすぐにわかった。この子は本当はいい子なんだってね」
というホームズのせりふが、観客に向けられた裏メッセージ
(いろんな作家が、時としてこういうお遊びをする)でもあるとすれば、部屋のシーンを見返す必要がある。
(原作はミステリーだが、このジャンルは推理・謎解きってギミックがある都合上、作者と読者の対話・知恵比べの側面がかなり大きい)
(これの公開当時における、ビデオなどの録画機器の発達ぶりや、諸作品の再放送の塩梅は知らんけど)
8分55秒で、横板を隠れ家のあの場所に当てるってことは、作り手は日曜大工の知識も持ってるのかもな。
あの隠れ家の壁の写真だが絵だかが、そのかなりの部分がベッドの真上にある点も好きだ。
あの部屋の清潔さにくらべての階段部屋の雑然さ。8分49秒でのその裏路地の一瞬の深い暗さ。
その部屋でポリィの供する特製トーストもほっぺたが落ちそうだ。チェリー・ラディッシュ・卵・
オイルサーディン・チーズ・玉葱・ハム・サラミ・グリーンアスパラガスとか、どんな五重塔だよ。
英国人が美食家だと勘違いしそうだ。

子供の観客を意識するとはこういうことかと、つくづくパヤオたちには唸らせられる。
悪党の秘密基地が住宅街に極めて近く、おそらくは市内の公園の地下である点。
宝石の光が、モロアッチが盗み出したときはただ放射状の光を放ってただけだったのが(それはそれで凄いが)、
ポリィが眺めたときは光の粒子まで舞っている点(座談会の27分時点で、そこの絵コンテが映る)。
ハドソン婦人たちとの、暖かだがややフォーマルな会食でも、ポリィが物怖じしてない点。
ずだ袋に詰め込まれたポリィが、それでもモロアッチに反撃できている点。
ホームズの追跡にモロアッチがあわてるシーンで、わざわざきちんとポリィの喜びを窓から観客に見せる点。
座談会で友永氏が車をキャラクターとして描写しているという話が出たけど、
パヤオたちは宝石や隠れ家(あの忍者屋敷!)や背景美術も、モノではなく重要キャラだと把握してるんだろう。
宝石をではなく、宝石に託された憧れを描くとはそういうことだ。
ポリィ誘拐でのカーチェイスで、霧の都の未明の空がまたたくまに青空へと広がるシーンも。

203 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/06/16(木) 21:04:00.92 ID:WcbVY3Rk.net
「シャーロック・ホームズの大追跡」を観る。83分。高先電影有限公司なるスタジオの海外作品?
監督名も中国っぽい。なお原作?らしいアジアで売れたノベルとやらは未見。
出来は相当悪くはない。犬小屋のドールハウスかもしれないけど。
要するに、レゴ・ムービーやレゴ・バットマンと同じ性質の作品だろう。
娯楽の通俗ぶりを突き詰めれば、そこにどうしたって限界は生まれ、高い壁に作り手は直面することにもなる。
そして他人には壁としか思えなくても、当人にだけはその壁の突起がドアノブとして作用しうる。
パヤオは演出家として、泥棒のルパンと探偵のホームズ、正反対に見える二者の目から世界を眺めたが、
本作の作り手はどんな扉を見出すのか、だな。そう考える俺の立場からは、ラストのMはモロアッチで充分だ。
そして傑作もののけ姫への最初の疑問は、なぜカヤはアシタカを追いかけなかったのかって点にある。
ふたりが近代心性じゃないからって答えは、パヤオの芸風の場合は適用できないし、
東映動画って村から高畑氏が追放されたとき、小田部さんと一緒に追いかけていったのが、ほかならぬパヤオだから。
物語と現実世界の両面において、追いかけっことはどのように位置づけなしうるか、だ。



「探偵オペラミルキィホームズ Alternative1及び2」を観る。脚本伊神貴世、絵コンテ・演出・監督岩崎良明
OVA二本収録で計47分。ロリ主人公が純白の柔道着を着た一枚絵は新鮮で可愛らしかったけどね・・・うーん。
陳腐な内容だが、そのぶん程良くまとまってる。このストーリーをこのシリーズで見たいかと言われたら首を横に振るが。
以前外れを引いて以来、この凡庸な演出家の作品はなるべく避けてたけど、やはりその倦厭は正しかったんだな。
アニメ映画やOVAをこれまでそれなりの数堪能してきたけど、無名監督が有能だった試しって、
このジャンルでは昼間の星に近いな。マジで。



「幸福路のチー」を観る。商業台湾アニメを見るのは初。ささいなネタバレあり。111分。
監督・脚本ソン・シンイン。文芸作品であり、日本アニメで言えば「この世界の片隅に」の路線に近い。
ストーリーの前提に歴史上の重大事件や潮流などが存在し、
それに主人公が翻弄されつつ生きる、という意味で。
同時にパヤオあたりへののオマージュが感じられる作品だ。

実際色々と見応えある作品ではある。
映像美は見やすくなった湯浅政明みたいで、個人的にはかなり好みだ。
だが色々と甘いところも多い。一点だけ挙げれば、「片隅」ではお絵かきくらいしか
客観的なとりえがない女主人公が、そのために大切なアレをなにする羽目になるが、
チーの女主人公はそこまできつい運命を背負わされてない。
そこの処理のしかたが作品上の弱みとなってしまっている。
チーの女主人公は、後半で妊娠が発覚しているしさ。
そりゃ若い女にとっては、子供を孕むことはいつだって普遍的かつ大きな希望だろうけどね。
なぜ片隅の女主人公や「風立ちぬ」のヒロインが、作品内で実子を得られない展開になったのか、
こうの史代や宮崎駿がその点についてどういう作家的決断を下したのかが、逆説的によくわかる。
(栄養失調や結核や、零戦ものにおけるテーマかぶりの問題だけじゃないだろ)

まあいいや。とりあえず2時間近くを作品観賞に費やした価値はあった。
台湾アニメも相応に地力をつけつつあるって事情もうかがえたし。
あとスタッフロールの最後に「サポーターの皆さまありがとうございました」と
107人の日本人名が記されていた(片隅のクラウドファンディングみたいなものだろうか?)。
その中にアニメ業界の有名人が何人かいたので、
こんなマイナーな企画に賛同した彼らの志と目ざとさをかんがみ、その名前を列記しておく。
中村誠、谷口悟朗、入江泰浩、藤津亮太、本郷みつる、叶精二、五味洋子。同姓同名の可能性もあるが。
あと確認を忘れたけど沖浦啓之氏が脇役の声優やってた気がする。

204 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/06/27(月) 16:48:57.81 ID:bjKexRmN.net
「聖闘士星矢 天界編 序奏」を観る。原作車田正美、監督山内重保。83分。原作は大昔に多少読んだ。
画面に相当の力がある。プロローグということだし、それ以上どうこう語る段階ではないだろう。
アテナとアルテミス、二柱の女神の瞳が異様に大きく鋭く描けているのはアイデア賞かもな。
美しさと異形さが同時に醸し出せているから。



「プリキュアオールスターズ みんなで歌う奇跡の魔法!」を観る。
土田豊監督。全プリキュアシリーズとも、劇場版以外は完全に未読。
なんか中途半端にミュージカル要素が混じってたけど、制作難易度高いから避けておいたほうが無難だったと思う。
成功してた部分もなくはなかったけど。まあ、そこ以外にも素直に笑える箇所が多少あったから良しとする。



「劇場版ヒーリングっど・プリキュア」を観る。68分。脚本金月龍之介とは、エロゲー界隈で見知った名前だな。
監督中村亮介。シナリオの全貌は特典の副音声を聞かないとわからないらしいが、レンタルには同梱されてない。
だからシナリオ評価は控えるけど、ラスボスの動機とかが甘い気がする。
まあおおむねきちんと魅力的に仕上がってはいる。アクションが結構いい。
34分20秒前後、小児がこっそりドアの隙間から大人たちの秘密をのぞいてしまう描写は、
子供のことを良く知っている作り手なんだろう。俺も昔よくやったし。
おまけの掌編アニメも良く出来てて楽しかった。



「映画プリキュア ミラクルリープ みんなとの不思議な1日」を観る。72分。ループもの。脚本村山功、
キャラデザ作画監督板岡錦、監督深澤敏則。テレビ版はすべて未読だが当シリーズの劇場版は既読。
多少のネタバレあり。「地球をお手当て♪」とかドヤってるわりにコロナに完堕ちしたプリキュア、
という軽口を事前に耳にしていたが、相当に目を見張る出来だ。

冒頭部の二冊の月刊プー(プリパラ由来かよ)が、2020年3月号と9月号なのがまず笑えた。延期ネタか。
17分43秒時点、プリキュア三人組が妖精たちの悲鳴を耳にしたとき、
一番活発そうな娘がほんの少し早く立ち上がるシーンは、作り手がキャラをきちんと把握している。
(さらにいえば、同じシーンで顔だけ上げる少女と身体ごと振り向く少女の違いや、
 鉛筆をほうり投げる少女と机に置く少女の違いも、描き分けている)
水たまりで濡れたのが、初回は両足で二回目は片足(三回目は濡れず)な点も繊細だ。
ラスボスがゲスト精霊を捕獲する際に、素手で凶暴につかんだりせず、
エナジーボールに閉じ込めて捕獲するあたりも同じくだ。最後に改心する系ラスボスへの配慮だな。
72分の短さでループものを幼児にのみこませるだけのシナリオの技法も、適切に使いこなせている。
「ミラクルンは『明日』をつかさどる精霊、リフレインは過ぎ去った時間『昨日』をつかさどる精霊だよ」
またラスボスの「これで最後の闘いにしましょう」とかな。
おそらく2016年の君縄のブレイクを受けて、プリキュアでもループ物をやろうかって機運が湧いたのだろうが、
テレビアニメ制作と平行して年二本も劇場版を作る、という無謀な条件下では、これ以上望めない完成度だ。

作品の傷はかなり精密なチェックでないと発見できない。たとえばピンク同士が鉢合わせして転んだとき、
ふたりの膝こぞうが剥き出しになるシーンふたつは、『雪の女王』でパヤオが愛した盗賊の娘にやや及んでない、とか。
いままでピンクたちの私服姿がこう出張る劇場版って、ほとんど無かったはずだし、
この脚本家なら、その新奇性の上手な活かし方を模索できる力量もそなえていそうで、
現に複数の正座シーンや少年を諭すシーンの作り方を見ると、そのあたり意識してる気もするけどね。
またその直前のシーンの、水たまりで濡れた女子中学生のソックスに包まれた足首の描き方も甘い。

まあそれらは意地悪な観方だ。このご時世に作り手たちはお疲れ様。
あと美術にも志を感じる。14分40秒、田舎ではありがちなああいう廃屋をこの手の作品で垣間見せるのは初体験だ。

205 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/07/08(金) 19:16:17.14 ID:SJ5kPmUr.net
「大閙天宮」を観る。107分。万籟鳴監督。ストーリーは西遊記の序盤で、お釈迦様の掌の手前まで。
1960年代の作品で、絵柄は初期ディズニーに京劇をミックスし、さらに独自の進化を加えている。
天帝の城、雲上の厩舎や天馬の放牧などは、ちょっと他所ではお目にかかれない見事さだ。
ナタ太子や二郎真君との戦いも、中華らしさを見せた上でぐこぶる魅力的。
>111の、東映動画での手塚治虫の「西遊記」よりも、正直さらにだいぶ上だ。
手塚氏が個人?のアイデアや感受性で埋め合わせようとした部分を、
大閙天宮ではスタッフたちの基礎的な力量で軽々と凌いでいる。あぜんとするほかない。


「はたらく細胞特別編 風邪症候群」を観る。24分。監督鈴木健一。
ぬるい展開なのはサブタイトルでわかってたし、なかなか嫌いじゃない。
まめる式血小板あたりを無料ダウンロードして、スモックめくったり
I字バランスさせたりしたほうが有意義な時間だろうけど。それとも有料だったかな。


「ローゼンメイデン オーベルテューレ」を観る。上下編合計で48分。
原作などは未読。脚本花田十輝、絵コンテ松尾衡・山崎みつえ、監督及び演出松尾衡、
原作PEACH-PIT、キャラデザ総作画監督石井久美、イメージデザイン春日井浩之。
花田清輝の孫だか縁者だかが物書きやってるとは仄聞していたが、これがそうか。
監督名にも聞き覚えがあると思ったら、紅で幼女の動作を精緻に表現してた人だ。
で、内容はなかなかだ。鮮烈な画面を生み出そうと努力しているように思われる。
またヒロインの人形たちは、皆せいぜい人間たちの腰までのタッパだから、
その落差で異様な絵面が出来上がっているシーンが多い。
トランクでの睡眠とか、人形が軋んだり壊れたりする描写とか、わりかしやべーなと思う。
見ごたえあったね。


「劇場版アンパンマン 夢猫の国のニャニイ」を観る。原作やなせたかし、監督矢野博之。
10年ぶり二回目の視聴。終盤の某展開は匙加減を間違えていると思うけど、それ以外は結構好き。
ペットなり引越同級生なりとの別離は、現代の子供が味わう深い悲しみのひとつだから、
それを題材に選んだんだろう。相変わらずおおむね丁寧に作られている。
5分07秒時点、誕生したニャニイにロールパンナが笑いかけるのが、クリームパンダよりも一瞬早い点や、
26分35秒前後、場面の感動ぶりに隠れて、倒木があのように姉妹の間に横たわっている点とか、
まだCG技術が未熟な時代の作品だが、それを逆手にとって夢世界の荒廃ぶりを表現している点とか。


・歎異抄をひらく(完全版監修監督谷田部勝義・監督大野和寿)
・ちえりとチェリー(中村誠)
・ProjectPAPO(松木大祐)
・扉を開けて(清水恵蔵)
・バルテュス ティアの輝き(牧野行洋)
・バケモノの子(細田守)
・劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン(石立太一)
・魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's(草川啓造)
・planetarian 雪圏球(玉村仁)
・HELLO WORLD(伊藤智彦)
・劇場版冴えない彼女の育てかた Fine(亀井幹太・柴田彰久)
・僕は友達が少ない あどおんでぃすく(斎藤久)
・劇場版プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い(大沼心)
・劇場版そらのおとしもの 時計じかけの哀女神(柳沢テツヤ・斎藤久)

は観たが、個人的には特に語るところなし。

206 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/07/28(木) 18:31:25.86 ID:phDc7u6z.net
「外套」を観る。ユーリ・ノルシュテイン。この人の作品は今回のこれが初見。
(なおこのあたりのアートアニメは、どれもミニシアターでの上映経験がある)
凄いを通り越してとんでもない出来なのはよくわかるけど、この作品を好きになるには俺の娑婆っ気は強すぎる。
もっともそれは、作品が観客自身の鏡となりうるほどの高みに達しているゆえだとも、言い換えられるが。
ともあれある意味でこれって、単なる作画アニメじゃないの? 乱暴を承知で言えば。

「霧につつまれたハリネズミ」を観る。以下SEASONSまでの作品はすべてユーリ・ノルシュテイン。10分。
動物たちや景色は最高に可愛く綺麗だ。そういう肩の力が抜けた鑑賞態度を許してくれるのがありがたい。

「キツネとウサギ」を観る。12分。1973年。
氏の作品としては珍しく、納得いかない内容だ。絵は見事だけど。
そもそも猛獣がキツネに勝てない世界ってよくわからん。なにかの寓意なのか。

「話の話」を観る。28分。
物事が正しく深く(そして俺にとっては不思議な角度から)見えている作り手の作品だ。
それはもう畏怖を抱かせるレベルにまで到達している。見事という以上の感慨を抱いた。

「ケルジェネツの戦い」を観る。10分。1971年。
神だの信仰だの戦争だのの厄介な真実は、影絵のねじれを用いてしか表現できないかもしれない。
そんな気を少し起こさせる内容。見事だ。

「25日・最初の日」を観る。8分。
プロパガンダだがさすがにそこにとどまらない熱がある。それはそれできっといい。

「冬の日」のユーリ・ノルシュテイン部分を観る。3分。
山中で出会った二人のじいさんの話。晩秋から初冬にかけての山風を知っている人の絵だ。

「SEASONS」を観る。8分。素晴らしさによってこちらを酔わせてくれる作品。雪景色の馬車が美しい。
だが彼の作品は、時としてあまりに美しすぎる。
作品全体のなかで、美しさという一つの要素だけが極度に突出している作品を、俺は信用しない。
美なんて芸術家なら求めて当然だし、だからこそ美しい作品ってのは「没個性な美しさ」だけの作品になりかねない。
青の洞門じゃあるまいし、30年かかって10分かそこらの作品が完成しないっておかしくない?

「聖闘士星矢 真紅の少年伝説」を観る。74分。原作車田正美、監督山内重保。
原作やテレビアニメはわずかに内容を覚えている。で、この劇場版は高い完成度を目指すのではなく、
そのあたりは放棄してもいいから触媒として観客の心に化学反応を起こすことを目指した作劇だ。
「小宇宙という気合がこもれば、ただの少年が神様を倒せてしまう」って設定が
原作の根幹にある以上、そのやり方こそが最適解だろう。かなり好きな作品だな。
子供が(あるいは少年が)世界に対峙し、なにごとかを掴み取っていく思春期のありようと呼応している内容だ。
男監督たち(たとえ巨匠クラスであっても)が女主人公に物語をつむがせることの危うさだの、
白虎隊についてのパヤオの述懐だの、観ていてさまざまな想念が沸いてくる。
女神アテナの作画だけはやや物足りないかな。最後には馴れたけど。

「聖闘士星矢 神々の熱き戦い」を観る。46分。
キャラデザレイアウト作画監督荒木伸吾、美術監督窪田忠雄、監督山内重保。
一時停止ができない劇場作品では、客が作品のテンポに身をゆだねるのがとても大切になる。
方法はいくつもあるが、ひとつはテンポを速めて客の意識を疾風怒濤に巻き込むこと。
ふたつめはテンポを緩め、作品をじっくり味わうだけの余裕を客に持たせることだ。
漫画原作なら後者が正解になることも多いが、現代ではなかば失伝した演出方法だな。本作は後者だ。
たるい展開もあるけど、それ含めて好きだな。氷雪の地の背景美術とかも。
ただこのOPって、十二宮編のテレビのまんまじゃね?

207 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/07/28(木) 19:36:16.25 ID:myi5x1MX.net
「映画ドラえもん のび太の宝島」を観る。108分。劇場ドラを観るのは20年ぶり(テレビもか)。
監督・絵コンテ今井一暁、脚本川村元気、演出八田洋介、キャラデザ総作画監督亀田祥倫。
監督と総作画監督は>118と同一人物。

娯楽作品としては、119の「パロルのみらい島」よりさらに腕を上げている、ともいえる。
楽しい部分は本当に沢山ある。この水準に達せているシリーズ物なんて、本当にいくつあることか。
だがラスボス周りの練りこみ具合や脚本が甘い。だから終盤でテンポその他がかなり落ちる。
技巧によって糊塗できている部分もあるけど。

他の類似する名作を挙げると、
ラスボスが○○を目○す作品なら、○○版Dやル○○の○○ー、
主役が海上の孤島に赴く作品なら、出崎統版宝島やガンバ(あるいはパトレイバー1)など、
偉大な先達がいろいろある。パトの例は見事な温故知新だった。
で、前者はもとより後者も、ラスボスに特に巨大なカリスマ性や説得力が求められる。
ネタバレになるから詳しく記さないけど、そのあたりが例に挙げた名作5つより決定的に甘く、
しかも「家族はすばらしい!」という手垢のついたテーマと料理法で、そこをごまかしている。
正直また川村氏の安易さが発露したなという印象だ。
この手の家族礼賛は、親子同伴が多いジャリ向けシリーズにおいては
商業的要請も強いんだろうが、そこを突破できないと出来のいい代用食扱いで終わるんだろうね。
作品を減点法で論じることについては妥当な批判が色々ありうるが、こと長編の脚本に関する限り、
他の要素がすべて100点でも、脚本がミンチなら全体評価も60点以上にはまずなりえない。
作り手が本気で家族の素敵さを信じようとしているなら、
たとえば脇キャラに親子や夫妻の二人組みなどをぶっこんで情愛を見せるとか、色々手もあったろうに。
(どうせこの脚本の浅墓さじゃ、信じようとなんかしてないだろうけど)
オトナ帝国とかラピュタとか、そのあたりの創意工夫が大いに見られたけどね。
子供が見たがる作品と親が見せたがる作品は、似ているようで所詮決定的に異なる。
そしてアニメとは子供のものだ。大人の中に息づいている子供の感受性、という意味も含めて。

あと、娯楽部分の演出を、かなり味付け濃い目の楽しさに仕上げてあるんで、
よその名作群に比べれば、再視聴時の面白さが物足りないきらいがある。
「パロルのみらい島」ではそうは感じなかったところから逆算すると、
単に俺という一観客が、ドラえもんシリーズって偶像を過大視してるがゆえの錯覚かもしれないけど。

セーラのキャラデザをしずかちゃんそっくりにしたところや、
冒頭部の宝島放談部分と空き地逃亡部分のふたつで、のび太のアクションの質を変化・スライドさせている点、
プログラマー同士の対決を視覚的に球状に表した部分、またクイズの扱いなど、
いくつもの点で、子供向けの難しい課題を的確に突破できている作品でもある。
だからこそ、ラスボス周りの展開が惜しい。脚本家と監督の責任だろうけど。

あとスタッフロールは、冒頭に絵コンテ・演出・キャラデザ総作画監督などが表示され、
末尾には、原作のF先生、チーフプロデューサーの二名、脚本の川村元気、監督の今井一暁
の順番で〆となる。
実写とアニメにおける脚本家の立ち位置の違いはあるにせよ、
現場の裏方の最上位役職であるチーフPの後に脚本家の名前が来たのってはじめて見た。
(タイトルロールのあたりもなー)
こういうところが、なんか根本的に怪しげで信用ならないんだよね。この脚本家は。
この手の胡散臭いさかしらぶりは、物書きとしては知らず、
こと興行師としてはかなり重要な特性だとも承知はしているし、
彼が作家としてニセモノだったとしても、贋金作りになることにさえ
相応の努力と運と才覚が必要なのが、芸能の世界というものではあるけど。

208 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/08/17(水) 16:21:56.04 ID:UlmNF/I3.net
以下「タンゴ」から「Oh, I Can't Stop!」までは、ポーランドの鬼才ズビグニュー・リプチンスキーの感想。

「タンゴ」を観る。8分。アカデミー賞短編アニメ賞受賞。
1982年。実験アニメは本来は趣味じゃないが、これは数少ない例外。感電しすぎだよねえ。あと子供が少ない。

「Take Five」を観る。4分。1972年。
よくわからないけど惹かれる作品。たまにやばい画像が混じっている気がするのは、俺の妄想なのか。
一時停止すればわかるだろうが、当時は業務用ビデオ以外にはそんな機能はなかっただろうから、やらない。

「Plamuz」を観る。10分。1973年。
古びやすい技法なんだろうけど嫌いじゃない。最後まで退屈せずに観られたし。

「イマジン」を観る。4分。1987年。この監督にしては一般性が高い。
ビートルズの名曲に乗って次々と扉が開いていく物語。人生が美しく描けているとは思う。好みだ。

「Way to Your Neighbor」を観る。1976年。2分。
養老天命反転地。芸術家ってのは不思議なことを考えるんだなってのが感想。見ててなぜか面白い。

「Media」を観る。1980年。2分。
騙し絵みたいな作品。最後のオチで笑わせつつ、なんか深いものも感じたりする。

「Lokomotywa」を観る。6分。1976年。
アートアニメとはいえ、こんなわけのわからない画面でよく作品が成立するなと感心する。
その意味ではヤン・シュヴァンクマイエルあたりをさえ越えているかもしれない。
事物に対して概して偏見が乏しい、あるいはない人なのかもな。

「Oh, I Can't Stop!」を観る。1975年。10分。
似た発想の素人の人気動画はよそにもあるけど、さすが芸術家は違うというべきか。
人間がただ歩くこと・走ることの本源的な力の意味を、思い出させてくれる動画だった。俺にとっては。


「蒼い海のトリスティア ゴーレム大会」を観る。前編・後編ともそれぞれ27分。
キャラデザ作画監督小笠原篤、脚本佐藤和治、監督・絵コンテ・演出まついひとゆき。
制作ユーフォーテーブルジッパーズ。ED曲は作詞作曲歌唱ともタケカワユキヒデ。
原作(プレイ済み)は、キャラもストーリーも抜群だった工画堂の逸品だが、
その最高の素材に対して、アニメスタッフもまた愛情をもって腕を振るっている(特に前篇)。
原作を尊重しつつオリジナルのストーリーを生み出すのは、まさしくこういう制作陣であって然るべきだ。
後編はやや甘いところも散見するが、それでも微笑ましい。「客観的な評価」なんかどうでもいい。
人形アニメっぽいEDには意表を突かれた。また映像特典のトリスティアifは稚拙ながら愛すべき出来だ。
細かなアラはあれど、俺の知る萌えOVA群の中では三指に入る好感度だな。作り手たちの情愛に乾杯だ。


「陽なたのアオシグレ」を観る。18分。キャラデザ作画監督新井陽次郎、
脚本・監督・作画・美術監督・撮影監督・編集・CGは石田祐康。視聴は数年ぶり二度目。
構成は9分までが前半、スピッツの主題歌が流れてる14分30秒までが後半、
残りがエピローグとスタッフロールとなっている。作品のキモは後半部で、
そこを生かすために他のパートが構成されているタイプの短編だ。
その後半部は相当に見応えがある。電車内を飛行するシーンや、鳥に乗って新宿駅付近を
低空飛行した挙句、都庁の壁面に沿うように天翔けるシーンは圧巻だ。
道路やビル群が遺跡みたいに古びて苔むしていく情景も、メタ的には
都会の人ごみを作画する手間を上手に避けるためのものかもだが、雰囲気が出ている。
だがそれらはイメージの力でストーリーを牽引する短編の作り方であり、
作り手たちが後に長編制作でてこずるだろうという要素をもふんだんに含んでいるけど。
まあそれは後知恵だろうしどうでもいい。前半部は個人的に気持ち悪いけど見なかったことにする。

209 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/08/17(水) 16:22:59.19 ID:UlmNF/I3.net
「東京ゴッドファーザーズ」を観る。91分。監督今敏。音楽鈴木慶一・ムーンライダーズ。
俺にとっては、超苦手な食材を三ツ星シェフが調理した一皿だ。
客観的には、内容は抜群に優れている。素晴らしいといってもいい。でもぜんっぜん趣味じゃない。
まあこの監督さんが、早逝した若き巨匠として惜しまれる理由は、充分に納得できたよ。
それと作画面において、ここまで商業的要請をガン無視した劇場長編プロ作品は、ただのひとつも知らない。
それは凄腕アニメーターたちからすれば、とびきり遣り甲斐のある大仕事を任されたようなものかもな。
ともあれ、泉下の芸術家に安らぎと聖歌あれかし。


以下「コンフリクト」から「Brek!」までは、ガリ・バルディンの諸作品(調べたら日本語のwikipediaにも項目がない。ひどいなあ)


「コンフリクト」を観る。7分。1983年。
マッチ棒を擬人化した反戦アニメ。現代を生きるのってつくづく怖いね。


「狼と赤ずきん」を観る。27分。旧ソ連のスラップスティックなクレイアニメ。
1990年。なかなか意想外でひょうきんな展開が混ぜ込まれており、退屈しない。
ディズニーに真正面から喧嘩を売ってるのも個人的好み。赤ずきんはブサかわいい。


「Fioritures」を観る。10分。鋼線アニメは初めて見た。
だが彼にしては出来が悪い。寓意が強すぎる。外敵を恐れる主人公ってのはわかるけど。


「The Banquet」を観る。1986年。9分。
声はすれども姿は見えず、だ。楽しげな食卓に笑い声が響いているのに、人影だけが見えない。
マリー・セレスト号の不気味さには、こんな側面もあったのかもなと思う。
人間の笑顔というものが大前提としてどれほど大切なものなのかもわかる。そして終局へ。


「ADAGIO」を観る。2000年。9分。
折り紙アニメーションだかの、白鳥と黒鳥の物語か。クライマックス以降の展開には宗教的な力強さを感じる。
ゴルゴダの丘以降の聖者イエスのふるまいがモチーフなのだろうか。とてもいい作品。


「醜いアヒルの子」を観る。5分。原作はアンデルセン。
作り手の中に劇的な高みを目指そうという熱情なり意思なりがあったのだろう。
(これをそなえたプロの作り手は、アニメに限らず相当少ない。はあ)
クレイアニメ主体の中で線画部分が浮いてるなーと思ってたら、そう来たか。
実にいい。ラスト近辺には笑いもある。音楽も著名だが良し。


「CHOO-CHOO」を観る。25分。人形アニメーション。
大人に構ってもらえない寂しがり屋のいたずら少年と、異生物のクリスマスの夜の交流。
人形とアニメーションのそれぞれの魅力が、オーソドックスな物語の上で輝いている。


「Brek!」を観る。10分。1985年。
題材は一応ボクシング。クレイアニメでスポーツ・武道系のお話は初見かも。
展開やオチも含めてどうにもこうにも笑える。

210 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/09/09(金) 19:51:44.73 ID:T9wwCuOc.net
以下「恐竜ガーティー」から「The Flying House」は、アニメの始祖のひとり、ウィンザー・マッケイの作品。

「恐竜ガーティー」を観る。6分。1914年。
白黒。恐竜がかなり可愛い。肩の力を抜いて観られる。

「リトル・ニモ」を観る。3分。1911年。
一応カラー。これもコミカルでポップコーンを頬張りながら観られる。そういうのっていいよね。

「ルシタニア号の沈没」を観る。1918年。
この題材を実写で撮れば、資金も特撮技術も途轍もなく必要だから、アニメにしたのかもな。
その意味で、アニメしか出来なかった作品だろう。
現実の不明瞭な部分を、想像力で補っているという意味でも。

「Flip's Circus」を観る。1921年。5分。
絵と実写を融合させる技術の一つとして、アニメーションが夢見られていた時代の作品。
昔は幸福だったんだな。

「How a Mosquito Operates」を観る。1912年。6分。
題材を描くということと、自身の把握した表現を描くということが、ほぼ無条件で
一致していたジャンル黎明期の作品。禿のおっさんを蚊が刺すってだけのお話だ。
監督にはホモっけでもあったのかもな。まあかなり嫌いじゃないけど。

「The Flying House」を観る。1921年。11分。ウィンザー・マッケイ。
ただ飛ぶだけではなく、作画も案外いい。宇宙空間まで行ったり、飛空艇になったりも。



「紅き大魚の伝説」を観る。100分。2016年。監督は梁旋、張春のふたり。原作・脚本は梁旋。
中国の劇場用アニメで、文芸要素が強いのに相当の興行収入を得たと漏れ聞いて、興味を持った。

本当に凄いアニメかもとは、序盤はたしかに思わせてくれたんだけどね。
この作品が中国アニメ史上の最高傑作になるためには、欠けている要素がひとつだけあった。
それは、根本テーマが荘子のはずなのに、メイン三人を異界の住人としてではなく、人間くさく描きすぎてしまった点だ。
つまり格義仏教のちょうど正反対の、いわば格義道教というべきストーリーになってしまっている。
(こういう物言いを商業アニメに突きつけるのが、フェアだとは思わないけどさ)
ともあれ、これほどの題材に挑んだ作り手相手に、ちまちまと言葉の針を向けたくはない。上の五行だけで充分だ。
それに俺をこの題材で満足させるには、共同監督に赤亀のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット、
脚本補佐と絵コンテにパヤオ、ついでに製作総指揮とアーティスティックプロデューサーに
フェリーニと高畑勲を墓場からひきずりだしてこなきゃいけない。それは無理筋だ。
だから、ふたりの監督(これがデビュー作らしい)やスタッフはよくやったと思うよ。
作画は最上級クラスに迫っていたしね。

あと、本作のアクションシーンを見て、湯婆婆がカオナシに放ったのがなんでかめはめ波だったか腑に落ちた。
あのシーンにおいては、パヤオはかっこいい活劇を絶対描くべきではないと判断したんだ。ただそれだけだった。
長年の謎がひとつ解けたよ。というか解けた瞬間に、長年の謎がそこにあったと個人的に気づいた。
主客が転倒する構造こそが、必要なもののひとつだったんだ。荘子がテーマだからこそそこに気づけた。
いいかげん俺もトロいな。



巴哈姆特ACG創作大賽(バハムートACG創作コンペ。台湾)の、5分前後の短編オリジナルアニメ動画が、
youtubeで公式に公開されていたが、以下はそれを一通り眺めた感想。
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1659568479/177-178

211 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/11/05(土) 21:07:19.66 ID:CahCRLJR.net
「Body Beautiful」を観る。ジョアンナ・クイン。8分。
愛嬌はあるが、ぎりぎりのところで下品さに堕ちてはいない絵柄だ(たまに堕ちてるが)。
実際悪くない。絵描きがおばさん(やおっさん)に好感や感情移入を抱いているから、
この種の絵柄に生気を吹き込むことが出来ているのだろう。
その点において、日本のアニメではほとんど見かけない作画だ。
便所飯は笑った。海外でもやはりそういうのってあるのか。なかなか観る価値がある。


「Britannia」を観る。5分。ジョアンナ・クイン。
序盤はユニオンジャックを着用に及んだブルドッグ?が、可愛らしく描けている。
かぐや姫の物語みたいな線画中心の絵柄で。後半はジョンブルらしい諧謔と傲慢さを上手に消化した小品だ。
インド亜大陸に穴を開ける発想がかの国らしくて笑った。


「The Hill Farm」を観る。18分。1989年。マーク・ベイカー。
絵柄がまず結構好き。また農園の家族の暮らしをただ描いている部分も好み。
鶏を絞めたりっぽい「残酷」な描写もあるけど、それでも鶏が餌を夢中でねだったりして可愛い。
こういうふうに愛らしいマスコットで客の関心を自然とひきつける手法を、なぜかほとんどの芸術家は選ぼうともしない。
(そのくらいの手管も使わないから、雁首そろえてほとんどパヤオの影も踏めないんじゃねーの?)
井戸から水が出ないからポンプに蹴りを入れるとかの、細かいシーンも微笑ましい。
嵐の描き方や、そこから派生したいくつかのオチも納得できる。


「Chromophobia」を観る。1966年。9分。ラウル・セルヴェ。
反戦思想のこの底の浅さはともかく、絵のセンスなど他の部分は、氏の作品中ではもっとも好みだ。
前半は割とうんざりしてたけど、後半になるにつれ視聴が楽しくなる。
色彩の力を信じるのは芸術家の十八番だろうし。
それにWW2を実際に体験してしまった人相手に、冷酷な指摘をしたくはない。


「Strojenie instrumentow」を観る。15分。イエジー・クチャ。2000年。
おっさんが室内でラジオ体操してるってだけの白黒の序盤なのに、心をひきつけてくるものがある。
中盤は「疾走感のある芸術」という案外珍しいもので目を楽しませてくれる。奇妙な作り手だ。


「映画帰ってきたドラえもん」のDVDを観る。短編が三本収録。
「ザ・ドラえもんズ ムシムシぴょんぴょん大作戦!」は監督米谷良知、脚本寺田憲史・米谷良知、
演出羽生尚靖。才走ってるから好きになれない。でも子供は喜ぶだろうね。だからそれはそれでいい。短いし。
「帰ってきたドラえもん」は監督・作画監督渡辺歩、脚本城山昇。白く塗りたる墓ふたつだな。
雨の中でドラえもんはなぜ傘を投げ捨てたの? ネコ型ロボットの耐水性能は知らないけど、
あの傘はのび太のために持ってきたわけじゃないの? なんであれだけの雨で桜花がまったく散らないの?
それだけじゃ全然ない。30分に満たないこの短編一本の中に、軽く三桁に達する安易さと無能さがちりばめられている。
原作のエピソードは知らないけど、この監督と脚本家は感動の押し売りに長けた卑しい鈍才なんだろうね。
客層の善男善女を感動屋の薄汚れた手で導こうとするこの種の手合いに、罵りを浴びせることを俺は躊躇しない。
「ドラミちゃん ミニドラSOS!!!」は監督森脇真琴。彼女目当てでDVDをレンタルしてみたが、大当たり。
40分の短さながら充実した冒険娯楽作品であり、同時に作り手の技術と人間観と原作への敬意とが幸福に融けあっている。
舞台になった未来の東京も、未来都市らしく変化した部分と無変化な部分が同居していて、リアリティーがある。
成長したのび太・スネ夫・ジャイアンの描写も的確。ああいう大人に自分はなれているのかなとついつい自問する。
なお脚本もとひら了、レイアウト本多敏行、作画監督高倉佳彦、美術設定河野次郎、美術監督増田直子、
撮影監督熊谷正弘、録音監督大熊昭。これほどの作品のメインスタッフなら充分に名が知れていい。


名門・中国伝媒大学の学生短編アニメの全集動画が、ビリビリ動画で公式に公開されていたが、以下はそれを一通り眺めた感想。
あとついでに、中華っぽい画風を保ちながら萌える短編アニメも、いくつか紹介。
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1664657538/197

212 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/11/05(土) 21:07:48.68 ID:CahCRLJR.net
「Rejected:Family Learning Channel Clips」を観る。ドン・ハーツフェルト。9分。
アカデミー賞ノミネート作品。絵柄は牧歌的だがグロ要素あり。
この作品がたどった数奇な運命の記述が、数箇所にわたって挿入されており、
そこが作品内容とあいまって個人的に爆笑できた。ラストも相当にアレだ。



「ビリーの風船」を観る。ドン・ハーツフェルト。たしか5分くらい。
この作品もかなりやばい。ラスト以外はまあスルー出来なくもないけど・・・
この人の作品は色々あるけど、これと上のとがベストかもな。あとのは無駄にグロい傾向がある。



「独身者の機械」を観る。30分。作者はたしか岩井天志と小濱真司。
双子の少女の人形とかを、拘束して機械に縛るとか、変態の物語。
要はロリコンだが、芸術系の人はみんなまじめだから、こういうのは嫌いじゃない。
20分あたりの人形の服を脱がせてウェディングドレスを着せるあたりが真骨頂。



「椅子の性生活」を観る。フィル・ムロイ。イギリス。1998年。7分。
世の中にはおバカな作り手がまだまだ多いらしい。その点で希望が持てる作品だ。



「ポッピンQ」を観る。多分4回目の視聴。96分。監督・音響監督宮原直樹。2016年。
キャラクター原案黒星紅白、キャラデザ総作画監督浦上貴之、CG監督中村大樹。
俺を惹きつけたプロの長編アニメ映画の中で、たぶん世界一完成度が低い。
それらの内訳の大半は、本スレの過去ログで他の人々が記してくれているから、
それ以外の長所短所を書き捨てておく。

・オリキャラを5人も出したことじゃなく、ご丁寧にもその全員が悩みを抱えていたことが、
尺を圧迫し物語を薄くした元凶の一つだろう。もっとキャラ数が多い作品もよそにはあるけど、
そのあたりの調整はどれもきちんと絞っていたぞ。
無手勝流で得られるメリットや好感も、たしかにあるけどさ。

・プリパラあたりのダンスと比較して地味だって意見があったと思うけど、
ダンスの方向性から考えて、タツノコCG班のけれんみのきつい芸風とは、比べるべきではない。
プロの3DCG屋は嫌がるかもだけど、皮肉じゃなくある種のMMDと比較すべきだろ。
高品質かつ生真面目なダンスを提供してるんだから。
その視点から見ると、地味ながら本当に出来がいい。
たとえば五人以上の多人数ダンスのモーションで、出来がいいMMDって気まぐれメルシィや
美脚戦隊スレンダーなど、本当に五指に満たないかもってほどの稀少さだけど、
それらよりも精密な出来だと思う。カメラワークも含めて。地味だから気づきにくいけど。

・ニコニコ動画のポッピンQタグの最大再生数の動画は、そうそうないくらい病気な公式だった。

・ただの予告編とかとはいえ、レンタル版の特典映像が17本ってのは、知る限りでは世界最大だ。
俺みたいに本数をこなしているマニアにとって、「世界一」をふたつ冠する作品って賛辞に値する。

・まあ、なんだかんだで好きなんだけどね。素直な芸風って強いな。

213 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/12/22(木) 15:10:00.37 ID:PeqRElKT.net
「シランクス」を観る。1965年。ライアン・ラーキン。3分。
見応えは充分だし芸術性も高いんだろうけど、ちょい不気味かな。それも個性だけど。

「ウォーキング」を観る。ライアン・ラーキン。1969年。たしか5分。
アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート。やや水彩っぽい絵柄。
あまり趣味じゃないけど見応えはある。
本来成り立ちようが無い画面を、音楽の力でむりやり成立させている気はするけど。

「ストリート・ミュージック」を観る。ライアン・ラーキン。メルボルン国際映画祭グランプリ。9分。
1972年。明るい楽しさから始まって、油断のならない絵やキャラが続出する。観てとても良かった。

「うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ」を観る。1985年。93分。監督やまざきかずお。
美術設定小林七郎・新井寅雄。脚本金春智子、総作画監督もりやまゆうじ、作画監督土器手司、
個々の画面はかなり面白く仕上げているっぽいけど、全体としては妙にピントが合わない気がする。
BDやパト2の前に、娯楽作としてうる星やつら1やパト1を作っておけたのは、
客にとっても押井氏にとっても大きかったんだろうなあと思う。



「チベット犬物語 金色のドージェ」を観る。監督・絵コンテ小島正幸、キャラ原案浦沢直樹、
企画丸山正雄、脚本井上尚登、キャラデザ藤田しげる、動物作画監督尾崎和孝、制作マッドハウス。
2017年のメイドインアビスのアニメ化で名を挙げた優秀な監督さんの、2011年くらいの作品。
90分。序盤がとにかく地味で、基本的に派手好きな俺はめげそうになった。
冒頭部のチベットへの旅の時点で、高山植物や自然の美なり、ごく軽めでいいからアクションシーンなりを挿入して
「本作は単なる地味なエセ文芸作品じゃない。派手で楽しいシーンも演出できる高レベルのスタッフが、
あえて地味に見えるほど誠実な作品を産み出そうとしてるんだ」って真意を、観客に提示してほしかった。
たとえば風立ちぬはパヤオとしてはかなり地味な作品だが、冒頭に結構長いアクション(飛行)を持ってきてる。
氏の作品でアクションシーンから始まるのは半分程度だし、中でも風立ちぬのは結構長尺だ。そういうふうに。
地道さという美徳と、地味さという商業作品における弱み。その二者ってごっちゃになりやすいな。

中盤以降は好きだし、いろいろ盛り上がって見応えがあったよ。現状でもなかなかの良作だと思う。
だからこそ序盤を練り直してほしかった。終盤のあれこれにも文句はあるけど。
それと動物作画監督はマイマイ新子のオーコメでも特記して褒められていた人だが、今作でもいい仕事してる。
主役の少年の声はリアル小学生だと思うが、素人っぽさの中に真実味が感じられる。

あと山中の吹雪の描写は甘いと思う。チベットの具体的な気候は知らないけど、
両側をごく低い崖(風除けになる)で囲まれた山道に、ああも強い風が吹くとは思えない(厳冬期を除けば)。
それに山の風に慣れている土着民や土着犬なら、とりあえず岩陰に身を隠すだろ。
(低体温症時における判断力の劇的な低下として描写した可能性も、なくはないけど)
それと雪崩に襲われた時は斜め下に逃げるのが鉄則だと、賢い犬なら知っているはずだ。
このレベルの知識なら、バックカントリーや雪山登山についての良質な入門書を一冊読むだけで足りる。
以上は登山警察の駄弁だが、ラストバトルの重要な舞台だしな。メインスタッフの誰かが気づくべきだと思う。
メイドインアビス第一話でのリコの受身の取り方とかロープワークとかは、相当しっかり描けていたのに。
まあ小島監督が腕を上げたってことか。
それと後援に中国大使館・日中友好協会がいるのは、やはり苦いな。作品に罪はないが。



名門・福州大学廈門工芸美院・北京電影学院の学生短編アニメの動画が、ビリビリ動画で公式に公開されていたが、
以下はそれとかを一通り眺めた感想。
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1664657538/448

214 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/12/22(木) 15:11:31.63 ID:PeqRElKT.net
「The Monk and the Fish」を観る。6分。1994年。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
おっさんが網だの弓矢だので魚を追い回すだけの話。なのに本編開始2秒でこの作品が真実だとわかる。
悲しみを帯びて軽快な音楽と作画が印象的だ。さすがというべきか。


「Father and Daughter」を観る。邦題は岸辺のふたり。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
2000年。8分。素晴らしい小品だ。ほかに何とも言いようがない。
この絵コンテで作品を成立させられると確信し、実際に成立させてしまう作り手には兜を脱ぐほかない。



「The Aroma of Tea」を観る。3分。2006年。マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
なにがなんだかさっぱりだが、心を打たれる。あの黒点は人間の生そのものなのかもしれない、と。



「レッドタートル」を観る。原作・脚本・監督マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。
脚本パスカル・フェラン、アーティスティックプロデューサー高畑勲。たぶんジブリライブラリー。
音楽ローラン・ペレズ・デル・マール。ジブリが製作に何枚か噛んでいるらしい。視聴は公開時以来二度め。
大雑把に言えば、文芸映画のカテゴリーだ。地味といえばじつに地味だが、
それでいて俺に80分をまったく飽きさせないだけの膨大な実質をそなえている。
だがこの作品のどこがそんなに優れているかは、俺にはさっぱり言語化できない。
音楽、音響、背景美術、作画などはは優れているが自己主張はしてない。
キャラクターやその関係性も、丁寧で中身は詰まっているが突出はしてない。
ストーリーはシンプルだがあちこちに飛躍があり、しかも寓話オンリーだともいえない。
カメラワークや一部優れて幻想的な描写も、序盤以外は筆を抑えている感がある。
声を語るような内容でもない。それでいて、こういう要素還元主義的な考察を拒否している印象も薄い。
アニメではこういう印象の作品を初めて観た。小説なら、日野啓三や石原郁子を
酒を飲みながら読み進めていくような味わいだといえる。
寝て見る夢のように、ストーリーは無茶苦茶だが当人だけにとってはきわめて説得力があるというか。
パヤオがジブリ内の試写会でこれを観た後、鈴木Pを呼びつけてこの作品のアニメーターたちを
集めてくれと要請したってエピソードがあった気がするが、その理由がわかる気がする。
日本のS級アニメーターたちとも、ディズニー黄金期だの一時期のチェコだのロシアだののアニメとも
世界の捉え方がまったく異なっているという印象だ。俺が見たどの既存の文芸アニメとも違うし。
押井守や安藤雅司両氏の炯眼に、この作品がどう映ったか尋ねてみたい気もする。
ともあれ、俺自身の世界把握の方法論に重大な不備があるかもと
思わせてくれる時点で、個人的に実にありがたかった作品。
過去ログ
レッドタートル ある島の物語 The Red Turtle [無断転載禁止](c)2ch.net
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1472879477/

215 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2022/12/31(土) 16:14:08.19 ID:kjBKIEO7.net
「ヤマンへの手紙」を観る。NHKのヒバクシャからの手紙ってシリーズの一つ。原作山本真理子。
監督・脚本・絵コンテ・映像演出・編集は加藤道哉。作画監督・原画後藤孝宏。美術監督渡邊洋一。10分。
キャラデザに高坂希太郎氏をひっぱってこれたのは、加藤氏が若おかみの撮影監督だったからかな。
題材は広島への原爆投下。2019年の作品だから、否応なく片隅のこうの史代・片渕須直と比較される。
そういう仕事を請けたってだけでも、なかなかの根性だと思うよ。
窓ガラスがこの時代なのに透明な点ほか、甘い箇所は無数にあるけど、いい点も少なくない。
(片隅の北條家・浦野家の窓ガラスは完全な透明じゃない。当時らしくいわゆる昭和ガラスだ。
 また「鉄人28号 白昼の残月」でも、昭和ガラスの時代考証をたしかきちんと処理していた。
 「風立ちぬ」の堀越二郎の下宿は窓ガラスが透明だったが、これは無視したい考証には蹴りを食らわすパヤオの芸風上正しい。
 また同一作品の黒川家離れの89分22秒では、障子を開け放っているから窓ガラスはきちんと曇っている)
原爆投下直前のシーンは、電線のない空の美しさが描けていた。
ちなみに同シリーズの他作品は、大半が唐人の寝言だ。そちらの監督は今林由佳、黒木香那、小野ハナの諸氏。
なおこの動画は、NHKが公式にyoutubeにうpしている。
https://www.youtube.com/watch?v=mhf7FhJiatM


「機動戦士ガンダムサンダーボルト DecemberSky」を観る。69分。原作は矢立と禿、
漫画原作太田垣康男、脚本・監督松尾衝、絵コンテや演出のクレジット筆頭も松尾氏。漫画原作は未読。
この作品に相当満足するファンも多いんだろうとは思う。だが個人的にははっきり苦手だ。
理由は煎じ詰めれば、戦場における人間なり死傷なりを、描ききれてはいないと思えたから。
「戦場で音楽を聴きたがる気持ちがやっとわかった」とか、真実を衝いたせりふもあるけどね。
ヒロイン格ふたりがとくにひどい。女医と将校(艦長代理)の身分でこれはありえないよ。
召集兵ではなく職業軍人ないしそれに準じる立場なんだから(声優たちの無駄な熱演がそこに拍車をかけている)。
前線の兵士についてのルポルタージュなり創作物なりには、きわめて優れたものもたくさんあるから、
どうしたってそれと比較してしまう。ある程度の本の虫ならば。
あと、この手の戦闘に兵士が魅入られることって、現代や近未来では考えにくいと思うよ。
「戦争から、煌めきと魔術的な美がついに奪い取られてしまった」うんぬんっていう、
第一次世界大戦のチャーチルの名言を持ち出すまでもなく。
なお、この監督さんの過去作品の、>205「ローゼンメイデン オーベルテューレ」よりも
良い出来な部分も多かったとは、つけくわえておく。


・仏陀再誕(石山タカ明)
・劇場版ワンピース 珍獣島のチョッパー王国(志水淳児)
・劇場版ワンピース FILM GOLD(宮元宏彰)
・戦・少女イクセリオン全集(平野俊弘)
・劇場版とある魔術の禁書目録(錦織博)
・アイカツミュージックアワード(綿田慎也)
・ご注文はうさぎですか?? Dear My Sister(橋本裕之)
・サマーゴースト(loundraw)
・岬のマヨイガ(川面真也)
・サマーウォーズ(細田守)
・劇場版小花仙 奇迹少女
・昨日青空 Crystal Sky of Yesterday
・ゴッホ 最期の手紙
・サンダーバード特別編
・おちゃめなドラゴン
・わが心にかくも愛しき
・ズートピア
・プリンセスと魔法のキス
・トイ・ストーリー
・アナと雪の女王
・ファインディング・ニモ
・空軍力の勝利

は観たが、個人的には特に語るところなし。

216 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/01/16(月) 18:51:20.40 ID:u0HU/WIE.net
1/19迄
https://youtu.be/p_aX7YmmKu0

217 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/01/17(火) 23:47:11.80 ID:1nW8UavU.net
ありがと
お陰で見れた

218 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/02/19(日) 17:12:50.10 ID:ikqDAdfq.net
「朱の路」を観る。村田朋泰。13分。クレイアニメ。
干潟を歩く牛車がいい(干潟を描いたのって片隅とこれの二作しか知らない)。
少女も可愛いだけじゃなくぐっとくる。叙情的で素敵な小品。


アル・ヤンコビックの曲「I'll sue ya」のPVを観る。アニメ制作はビル・プリンプトン。
幾原邦彦か森脇真琴が脳軟化症にかかったら作るだろうかといった芸風。楽しい。


「サンドマン」を観る。ポール・べリー。人形アニメ。9分。
子供向けホラーみたいな感じ。大人が観ても相当いける。作者はわりと容赦ないなあ。


「ビーズ・ゲーム」を観る。イシュ・パテル監督。1977年。6分。インド。
最初のうちは「手間がかかってるな。そしてエスニック風かな」くらいしか感じなかったが、
後半に行くと引き込まれる。爆発シーンとか。なかなか満足。なお全編ビーズで作られてる。


「アイアン・ジャイアント」を観る。海外作品。86分。ブラッド・バード監督。アメリカ産だったかな?
かなりの出来だ。優れた娯楽作品だという評価は、俺以外の大勢から集まるだろうし、実際そうと聞いている。
冒頭部の嵐は海の荒れ方ってものを知っている作り手の描写だし、それ以降もグレイトな箇所は少なくない。
夜の森での懐中電灯の使い方とか、わかったうえでウソ(脚色)を的確にほどこしているのも理解できる。
だが俺の心を魅了はしなかった。その理由も明白だけど、作り手に失礼だから記さない。
あと軍隊や軍用機を描写するカメラが、実写アクション映画なりドキュメンタリーの影響が濃い。
「風立ちぬ」のインタビューで、実写では描けない構図を心がけたってパヤオの発言の重さが、ややわかった。


「劇場版ワンピース スタンピード」を観る。大塚雅史監督。101分。原作は多少読んでる。
いままでワンピ劇場版は、細田守氏のも含めて数本見てきたが、
どれも俺との相性が悪かったり下手だったりだった。だが今回のはいままでの中で一番マシだ。
中盤くらいまではたるいところも断続的にあるが、七武海やスモーカーたちとの共闘あたりから引き締まる。
同一監督のプリキュアオールスターズには及ばないけど、まあ充分な出来だろうな。
くっそ偉ぶった物言いだけど。


「ゲゲゲの鬼太郎 劇場版VOL3」というDVDを観る。歴代作品のうち3本が収録。
「ゲゲゲの鬼太郎 大海獣(勝間田具治)」と「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪特急!まぼろしの汽車(吉澤孝男)」は、
まあこんなもんかって出来。手抜きとは実際思わんけど、子供はちょろい生き物って思い込みが見え隠れする。
残り一本は「ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター」。監督佐藤順一、脚本島田満。作画監督窪秀巳。
30分。これは、作り手が脳味噌を絞ってないと生み出せない映像が時折見られる。
異界がかなり的確に描けている。また暗い劇場内なら小学校低学年くらいは本気で怯えそうなシーンも多い。
それとローアングル猫娘のふとももが健康的でそそる(この時代はまだ萌えないキャラデザなのに)。
あと下着ひょっとしてつけてないの? それともふんどし派? それと御大、もげるのは腕だけにしとけって感じ。


「世界名作劇場完結版 家なき子レミ」を観る。監督・完結版演出楠葉宏三。キャラデザ大城勝。88分。
音楽服部克久。絵コンテ・演出は楠葉宏三・高木淳・鈴木孝義・杉島邦久・寺東克己・藤本次朗・西田健一。
作画監督大城勝・井上鋭・丸山宏一。作画にも才田俊次・尾崎和孝・平松禎史ほかSSRが目白押し。
OP主題歌の作詞・歌唱さだまさし。あまたの作品をこのスレで褒めてきたが、キャラデザと表情が俺の好みって点では
本作はベスト5に入るだろう。それだけで及第点をはるか高々と跳び越している。作画陣全員が誇って良い。
少女主人公(なんでや)は抜群に可愛らしい。そしてすぐ誰かに抱きつく。観てるほうが照れるくらいだ。
シナリオは傷も相当多いが、世間にひそむ悪意と暴力を、子供向け作品なりにきっちり見据えている点は好きだ。
本物の善意や理想というのは、悪という現実の実態を解決しようとして、その内部から高く突き上げたこぶしのようなものだから。
そしてEDは、世界名作劇場の掉尾を飾るに恥ずかしくない曲だ。亡き服部克久の力量のほどが偲ばれる。
なお本編は、つべで公式配信中。未来少年コナンとかの公式無料配信も、同じところでやってる。


小宇宙計画(旧名:小宇宙新星計画)という、中国のオリジナル動画コンペの全動画が、
ビリビリ動画で公式に公開されてたが、以下は2019-2021年度作品を一通り眺めた感想
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1664657538/851-852

219 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/02/19(日) 17:16:31.84 ID:ikqDAdfq.net
「劇場版マイリトルポニー プリンセスの大冒険」を観る。99分。
勢いやアイデアがぎっしり詰まってる。このシリーズを知らない人なら、多少の突っ込みどころは感じても
とても楽しく鑑賞できる可能性は低くない。…ニワカに近いとはいえ、TVアニメ版が大好きな俺には無理だったけど。
お小言を申し上げたい部分が5000箇所くらいあるけど、重大な6つに絞る。
以下は、このシリーズを知らない人は読まないほうがいい。ただの書き捨てだし。

・作画が手描きから3DCGになったせいなのか、キャラクターの表情がひどい。総作画監督30人くらい雇え。
 絵がテレビより崩れてる劇場版って、冗談抜きでほかにひとつも俺は知らないぞ。
 手描きないし2Dで成立した様式(しかも多くの先達に支えられたカートゥーンの様式)を、
 そのまま無批判に3Dに移し変えようとしてない? テレビ版での表情変化の楽しさって花は、
 スタッフの技量って茎だけじゃなく、様式っていう根でこそ支えられてるのは明らかだったが。
 なお、作画形式が変わったことで、背景上でどうキャラクターを動かせばいいかの法則も決定的に変わっているが、
 そちらの処理は充分上手くできている。手描きではやりにくい新機軸にも多数挑戦し、おおむね成功させている。
 そのあたりをこなせているスタッフが、なんでこんなミスをやらかすんだか。

・主人公と仲間たちがああなる展開が、いろいろとあまりに強引過ぎる。
 またそれに関連して、76分54秒前後、村の全景を敵役自身の視点で捉えなかったところが、必要のない逃げだ。

・助っ人グループたちの合流に、不要かつ我慢がならない手練手管を用いている。
 シリーズを貫くキーワードのひとつが「友情」なんだから、合流それ自体には反対しないけど、
 あのグループの中で、合流が妥当だと思えるほどシナリオが練りこまれていたのは、まあ三番目だけだよ。
 小手先のテクニックでストーリーを飾ろうとしたとしか思えない。
 第一と第二グループの合流のひどさを見せつけられると、状況が似ているクロスボーン・ガンダムの
 終盤の見事さをつい思い返す。キンケドゥがなぜああなったか(しかも左ではなく右だった)をな。
 MLPもガンダムもしょせんご都合主義の玩具販促作品かもだが、そこを乗り越えるために、
 禿と長谷川裕一は死力を尽くした。MLPスタッフはそうじゃない気がする。

・飛行船から飛び降りるピンキーパイの構図と表情は、リトルウィッチアカデミアのアッコや新海誠のはるのあしおと、
 トロピカルージュプリキュアのプチ劇場版ほかいろんな良作で見かけたけど、本作のそれは決定的に甘い。
 筆の勢いに頼れない3DCGにおいて、出崎統のような演出方法を採るのって間違ってるけどね。
 杉野さんを呼んでこいって感じだ。(ついでに風立ちぬの冒頭の構図の意味もよりわかったが)

・ピンキーパイが活躍しすぎて、RDと主人公はともかく、それ以外の三人の出番が極端に減っている。
 あの性格と行動力なら冒険もので悪目立ちするのは、劇場版の企画を立てた瞬間に想像つくんだから、
 そこにブレーキをかける展開にしろといいたい。足くらい捻挫させろ。
 彼女が物凄い人気キャラだとは小耳に挟んでいるけど、主人公以外の5人は対等って設定・建前でしょ?
 (冒頭での5人の紹介シーンが、最初がRDで次がピンキーパイな時点で、脚本家がそこに無頓着なのがわかる。
 もし作劇上の制約でやむをえずピンキーパイとRDを目立たせているなら、せめてここで残りの3人に花を持たせるはずだ)
 たとえば漫画版ナウシカにおけるクシャナは五体満足だが、劇場版では義肢になってる。
 理由はたぶん、劇場版をナウシカひとりの物語にするために、
 ダブル主人公の片割れであるクシャナの性格を変えぬまま行動力だけを制約するためだろう。
 それはパヤオの、作品設定とストーリー展開を同時に見極めている畏怖すべき眼力の一端だ。
 MLPの脚本家たちだってナウシカくらい観てるんだろうから、お手本にすればいいのに。
 原作的存在と劇場版とで、同一作家が作劇の手法を変化させるって点で、ナウシカとMLPは同じなんだから。

・悪役に説得力を持たすため、悪役をツートップにしたり、主人公と悪役に同じ課題を負わせる手法は
 悪くはないししばしば使われるけど、その後の処理が甘すぎるよね。どちらの側面においても。
 冒頭部で他のプリンセスたちがあっさり石化する時点で、嫌な予感は相当したが。。

傑作を産み出そうとして力が及ばなかったのなら、いつだって、どこまでだって失敗作を許せるよ。ファンだから。
でもこの劇場版の志の低さはそうじゃない。残念だよ。それだけ。

220 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/03/11(土) 16:03:38.70 ID:iT5Nm3FR.net
「Tokyo Woes」を観る。1945年。4分。パブリックドメイン。白黒。
アメリカ海軍監修の反日プロパガンダアニメらしいが、出来が良いためにギャグアニメにしか見えない。
赤塚不二夫とかそのあたりの。


「Une lecon de chasse 」を観る。13分。2001年。ジャック・ドゥルーアン。
中年のおっさんと13歳くらいの少年の、狩猟を通じたお話。絵柄がなかなか面白い。よく描けている


「An Old Box」を観る。8分。1975年。ポール・ドリエッセン。
個人的にピンとこない氏の作品群の中で、唯一興味を引かれた。
箱の糊付けが取れた後半からの描写がぐっと来た。


「A Legy」を観る。1980年。3分。フランツ・ロシェフ。
リプチンスキーの「Oh, I Can't Stop!」を、手描きアニメでやったみたいな作品。
観ることと描くことは、絵描きの中でどのようにしてひとつになってるんだろうね。
どちらにせよ作品に力がある。
またこの作り手は、30秒ほどの商業CMアニメでも悪くない出来のをいろいろ送り出している。


「Gravitacio」を観る。2分。1984年。フランツ・ロシェフ。
リンゴは悪魔的だな。どうってことない掌編だけど見ごたえある


「Summertime」を観る。アブ・アイワークス。8分。
1933~1936年くらいの、ディズニーを離れていた時期の作品。
古巣より侘しい感じの表現が好みだが、客観的には当時の古巣のほうが出来がいいだろうなあ。


「世界名作劇場完結版 大草原の小さな天使ブッシュベイビー」を観る。監督鈴木孝義。87分。
ストーリーとかはどうってことないけど、主人公の金髪少女のショートパンツ姿が可愛かったからそれでいい。
表情も、ちょくちょく崩れてはいたけど、魅力的に描けているシーンも少なくなかったし。
上手に媚びて可愛らしいのは結構好きだけど、へたくそな媚びの他作品はごめんだ。我ながら面倒くさい。


「世界名作劇場完結版 ピーターパンの冒険」を観る。キャラデザ・場面設定なかむらたかし。
作画監督も沖浦啓之はじめ結構な面子。監督黒田昌郎。87分。
テレビの再構成だからか、ストーリーは緩い部分多いけど、他の部分は稚気に富んだ楽しさだ。
冒頭部のピーターパンの軽やかな作画はじつに楽しい。
15分あたりの描写は、夜空を飛びたがる子供が抱く、星々や月への憧れをなかなか描けているかも。
18分前後の展開は、現実世界でいたずらにしくじって、
警察沙汰クラスの厄介事をひきおきしてしまった子供たちの、動転とかをも想起させる。
建物や洞窟も、通り一遍の描き方ではなく、子供たちが憧れるような装飾などを模索しているようだ。
個人的には、フック船長の義手に怯えたり(子供は本格的な障碍者を理解不能な存在とみなしがちだ)、
風呂桶にふたをしたまま湯につかって遊んだりした幼年時代を思い出した。
ぜんまい仕掛けのギミックや、秘密基地が台無しになる悲しみなどもよく描けている。
大人たちのおかいこぐるみの保護抜きで冒険したがる、子供の心地も満たしてくれる。
長所に目を向けるならばなかなかの出来。


小宇宙計画という、中国のオリジナル動画コンペの全動画が、
ビリビリ動画で公式に公開されていたが、以下はそれの2022年度作品を一通り眺めた感想
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1664657538/960

221 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/04/17(月) 16:39:37.34 ID:+brxNjjm.net
「スティル・ナハト5」を観る。クエイ兄弟。4分。
犬が可愛く、音楽がシャープだ。芸術に浸っているという俗物な自己満足も味わえる。
皮肉でなく、そういう要素は俺のような凡人には重要なものではある。


「Strings」を観る。10分。1991年。ウェンディ・ティルビー。
細かいところはよくわからないけど見ごたえあった。ワインを注ぐシーンのいくつかが好き。


「Wild Life」を観る。13分。2011年。ウェンディ・ティルビーとアマンダ・フォービス。
出来はかなりいいよ。陰鬱だし風刺色が強いけど。


「It's A Bird」を観る。1930年。チャーリー・ボワーズ。3分。
絵を動かすこと自体に喜びを感じられた時代の作品っぽい。切れのいい短編。


「オモチャ箱シリーズ第3話 絵本1936年」を観る。1934年制作。8分。日本の作品。
空から邪悪なミッキーマウスが襲いかかるのを、桃太郎やらを英霊召喚して立ち向かう内容。
プロパガンダってものがどれほど醜悪かの最良のサンプル。まあ今となっては笑うだけだが。


「Inspirace」を観る。邦題は水玉の幻想。1948年。パブリックドメイン。10分。チェコ作品。
カレル・ゼマン監督。理外の美しさを表現できている稀な作品だ。これが芸術の力か。
かぐや姫の物語や鹿鈴が「描線の美しさ」であり、シリー・シンフォニーが「動きの美しさ」だとしたら、
本作は「鉱物ないし硝子の美しさ」だろう。ひとくちにアニメの映像美といっても、いろいろあるもんだ。
調べたところ、ガラス人形を用いた人形アニメーションは世界中で他に一作たりともないらしい。無念。




「ロング・ウェイ・ノース」を観る。81分。2015年初公開。レミ・シャイエ監督。
ジブリライブラリー。アヌシー観客賞とTAAFグランプリはどうでもいいが、
パンフレットで生前の高畑氏が褒めていたらしい。ウソのつき方が気持ちいい作品、と。
井上俊之氏も寄稿してたらしい。ちょっと買っておきたかったかな。

内容は、冒険要素がある高畑作品といった風情だ。名劇や魔女の宅急便みたいな要素もある。
絵柄は徹頭徹尾萌えないのに、主人公の少女に奇妙な訴求力がある点も、ホルスに印象が近い。
主人公が金髪14歳かつ帝政ロシアの大貴族の娘で、それが10人の荒くれで頭悪そうな精力絶倫っぽい船乗りたちと
航海する(しかもお付きの警護役執事みたいなのはいない)のが、センシュアルな隠し味を作品に添えている。
やっぱり文芸っぽい作品とはいっても、そういう魅力的なフックは是非ともほしいよね。
ドキドキプリキュア劇場版で、主人公のピンクが愛しい相手に噛みつかれて流血し、
眉をぎゅっとしかめるんだけど、それが不純な俺にはラブラブ破瓜の擬似描写にしか見えなかったり、みたいな。
ナウシカにテトがなつく名シーンとか「わが夫となるものはさらにおぞましきものを見るだろう」とかも。

まあ与太話はどうでもいい。
内容は相当に優れている。あるいは傑作かもしれない。
そんなのは観れば誰だってわかるだろうから、記すまでもないけど。
62分33秒あたりで、モルゲンロートを前面に押し出さず、
背景でわずかに描写するあたりが、作り手の底力の一端だ。
これほどの美術なら技巧を凝らさずとも客をひきつけられるって判断だろう。
(風立ちぬ冒頭の二郎の夢と一緒だ)
全般的に完成度が高い。あえて言えば、作品に気品がありすぎるところが弱みかな。
極地描写などの荒々しさがなければ文芸路線に寄りすぎていただろう。

222 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/04/17(月) 16:40:46.71 ID:+brxNjjm.net
「シュガー・ラッシュ」を観る。101分(本編は82分ほど)。ディズニー御製。世評は相当に高い。
この作品を未読かつ興味を抱いてる人は、下の雑感なんか読まずとっとと鑑賞したほうが本当にいい。
普通のまともな客にとっては充分素敵な内容だろうから。それほどのレベルに達している作品ではある。
なお、以下は重大なネタバレが含まれる。

俺は視聴中ずっと、子供騙しって言葉が脳裏から消えなかった。
べつだん全然悪くない作品だけどね。技術はたっぷりあるけどセンスが乏しいって系統だ。
マイリトルポニーでさえ同様の感想を抱いたっけ。キャラデザと色彩設計、なんとかならないのかな。
華やかさとけばけばしさの区別が、作り手たちには根底のところでついてないんじゃないの。
ダブル主人公の片割れのメスガキは良かったよ。
その魅力的な気性を成立させるために、バグ設定・陋屋設定・王女設定で三重に予防線をはりやがったけど。
(メスガキとはよく言ったもんだ。女かつ子供なら、そりゃ元気ではあるだろう。元気さの質が問題だけど)
(登場時の角オナをわずかに連想させるシーンとかは良かった)
ドキンちゃん(コキンちゃん)ポジを主役の相方に据えるのって、
主役が彼女のご機嫌とりで手間をかけさせられて相当虫が好かないし、それ以前に危険だ。
だから念入りに予防線を追加したんだろうけど。

それと彼女を木にぶら下げた直後の第一撃を描かなかったのは、本当に看過すべからざる逃げだよね。
その後の展開から逆算すると、下手に描写すれば茶番になりかねないって側面はわかるけどね。
(これの脚本家の欠点は「シナリオの逆算」かもしれない。これをやると終盤は盛り上がるが序盤がとろくなる。
ヴァネロペの初登場が限界に近いくらい遅かったのは、それが理由じゃないの?)
(あと描かないならそれはそれで、なんでサイドから壊したの? 
彼女にまだしも配慮するなら、角度からして後部から壊すしかなかった)
渦に巻き込まれた後の描写を、ああいう暗転でごまかしたところもそうだし。
物事の本質はいつだって、描写された内容にではなく、描写されなかった部分にこそ色濃く暗示される。
実写と違って一から十まで、作り手が実際に表現したものだけが画面に映る、アニメってジャンルならなおさらだ。
娯楽作品につきまといがちな卑しさを拭ったり薄めたりしたいと、作り手は思わなかったのかな。
その卑しさに正当に反発したかったから、芸術ってものが命脈を保ってきたともいえるような、
それほど決定的な別れ道なのに。
最初に悪ガキが車を壊すシーンはそれなりに描写されてるのにね。
これほどの娯楽作品の作り手が、なんでつまんない逃げを打つんだろう。サブキャラ同士の恋愛の「軋み方」も以下同文。

ヴァネロペが境遇に寂しさを感じているから、主人公に積極的に絡みに行ってるって設定は見て取れる。
それはほとんどのディズニー作品よりも、物語の原動力としてずっと自然で納得できる。
また「子供にも、大人のように機械をパワフルに操縦することは出来る」って点を、
主人公の能力として自覚的に描写している点も好ましい。ゴーカートとか餓鬼の頃の俺も楽しんだし。
アメ公はおおむねカーレースの描き方が上手で楽しいが、本作もご多分に漏れない。
そういう小さくない長所は山盛りではある。それでも作品への違和感は帳消しにならないけど。
dat落ち済みの過去ログ
ディズニー】シュガー・ラッシュ 10プレイ目(c)2ch.net
https://mint.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1461305981/

223 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/07/04(火) 01:58:07.22 ID:zx2ARyiDu
ワクチン打ったハ゛カのほうがウヰ儿ス拡散率か゛高い統計すらガン無視て゛国民を殺害する気満々て゛入国緩和するテ囗リスト岸田異次元増税文雄
クソ成田滑走路倍増計画を徹底阻止するとともに、クソ航空機という人を殺すためた゛けの兵器を全廃させよう!
騷音に温室効果カ゛スにコ□ナにとまき散らさせて、気候変動させて海水温上昇させてかつてない量の水蒸気を發生させて、
日本と゛ころか世界中で土砂崩れに洪水.暴風、大雪、猛暑.干ばつ、森林火災にと災害連発させながら
JΑLだのΑΝΑた゛のクソアイ又ト゛ゥた゛の酒飲んて゛業務してるクサイマ−クた゛のコ゛キフ゛リフライヤ‐た゛のテ□リストと天下り賄賂癒着して
住民を殺害しまくってる世界最惡の殺人腐敗テ口組織公明党齊藤鉄夫ら國土破壞省を壊滅させよう!
旅行支援もとい人殺し支援た゛のと税金て゛地球破壞して世界中で災害連発させるとか.核攻撃以上の他國に対するテ囗攻撃た゛ろ
パキスタン ウルドゥ━語とかに色々訳して洪水、干ばつ.山火事やらがテ口國家曰本による武カ攻撃だと教えてあげよう!

創価学會員は、何百萬人も殺傷して損害を与えて私腹を肥やし続けて逮捕者まて゛出てる世界最悪の殺人腐敗組織公明党を
池田センセーか゛□をきけて容認するとか本氣て゛思ってるとしたら侮辱にもほどか゛あるぞ!
hттPs://i,imgur.cοm/hnli1ga.jpeg

224 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/06/27(火) 19:49:15.10 ID:DKRUl/1m.net
「ポン助の春」を観る。1934年。大石郁雄。7分。白黒だが豊かな画面だ。
ディズニーの多大な影響はうかがえるが、それでも絵のスタイルは確立しかけているらしい。日本アニメーション映画クラシックスのサイトにアップロードされている。


「熊に喰われぬ男」を観る。9分。大藤信郎。1948年。白黒。パブリックドメイン
技術はシリー・シンフォニーに及ぶべくもないが、巨人ディズニーにない独自性を出そうと色々あがいてる。
主人公の時折のムーンウォーク、画面の奥から手前に「歩いて」くる描写、
いかにも日本らしい急坂の山道を登る描写、滝壺に落ちそうになる主人公を真上から見下ろすカメラなど
やっぱり創意工夫って大事だし、「日本で最も権威あるアニメ賞」に名を残すような人は違うんだなと実感。


「すて猫トラちゃん」を観る。1948年。政岡憲三監督。白黒。パブリックドメイン。20分。
擬人化した子猫たちの物語だが、実に良く動くし、それ以上に奇妙な色気がある。
現代でも風変わりな萌え絵として、その筋の筋者たちからマニアックな賞賛をもらえそうな絵柄だ。
たぶんパヤオよりやばいタイプのロリコンだろうなあ。いい作品をものしてくれたんだからどうでもいいけど。
面白いカメラワークとかもある。この時代の日本の作品としては突出してるな。


「劇場版BLOOD-C The Last Dark」を観る。原作ProductionI.G及びCLAMP。絵コンテ・監督塩谷直義。
102分。ストーリー及びキャラ原案CLAMP。原作監修藤咲淳一。脚本大川七瀬・藤咲淳一。
キャラデザ総作画監督黄瀬和哉。原作は未読。というか原作がマンガなのかテレビアニメなのかも知らない。
内容は特に序盤が好きになれないけど、作品としては成立しているかもしれない。その旨はここに記しておく。
作品なり自己の知見なりを精査して、成立ぶりの詳細をチェックする気にはなれない。
思えばCLAMPの漫画は、昔から一度も愛読できなかった。
まあ、俺がこういう反応を示すってことこそが、この作品が良い意味で思春期の客のために生み出されたってことかもな。
あと「未成年者保護条例」なるものを設定して、子供たちと官憲を自然に敵対させる遣り口は上手だな。


「東京マーブルチョコレート 全力少年」「東京マーブルチョコレート マタアイマショウ」を観る。
監督塩谷直義。核地雷。美術監督の小林七郎以外の全メインスタッフの顔面を踏み抜きたくなった。
こんな未熟な力量で、よくぞあの谷川史子をアニメ化しようと思い上がれたもんだ。I.Gに良作なし。


「やさしいライオン リニューアル」を観る。原作・演出やなせたかし。製作手塚治虫。制作虫プロダクション。
27分。自分がやなせファンなだけに、中身をいざ観るまでは結構不安だったんだよね。
やなせ氏にアニメの実制作の経験があるとは聞いてなかったし、虫プロの良作も雨夜の星だと思うし。
でも読後安心した。氏はアニメを作りたかったんではなく、絵本や歌作りの実力でもって彼にとっての新天地に挑んだんだとわかったから。
アニメ技術的には、難しいことには何も挑戦してない。だが新鮮かつ彼の作家性にとって必要な挑戦はしている。
結局他の創作ジャンルと同じく、アニメでも志は技術の上に来る。そんな当たり前の真実を証明している。それで本当に充分に満足だ。


「世界名作劇場完結版 トム・ソーヤーの冒険」を観る。監督斉藤博、完結版演出楠葉宏三。
テレビ版は未読。背景がなかなか。キャラ描写も時折悪くないものが混じっている。
作画も近藤喜文・百瀬義行・佐藤好春各氏などが参加してるから、見所もある。
また墓場の盗掘シーンでは、月明かりのない夜の暗さをかなり真面目に描こうとしている。
主人公たち以外の面子は、顔の表情まで真っ暗に近い塗りにしたりな。
ただカンテラには明かり漏れ対策として覆いをつけるべきだった。人気の少ない森の方角以外は。全体的にはそう悪くない。


「BLACK FOX」を観る。90分。総監督野村和也、監督篠原啓輔、脚本ハヤシナオキ(久弥直樹らしいが)。
2019年。メイン三人は全員少女。百合っぽさがやや漂うのも含めてポッピンQ路線。
主人公がくのいちで、スタッフロールやスマホ画面も英語だったから、たぶん海外展開狙ってるんだろう。
まあそこそこ好み。チーズの穴みたく突っ込みどころは多いが、時折は良い画面を作ろうと努めているのもわかる。
この路線ならもう少しあざとく仕上げてほしかったかな。ややGガンっぽいノリで。
さもなきゃONEと同じく、シナリオの穴が客の内面の虚無と共鳴する方向性か。
あとくのいちなら房中術がほしい。たとえ間違っていようと。

225 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/06/28(水) 05:54:50.77 ID:ph/nlkmH.net
「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」を観る。2017年の作品。69分。音響監督長崎行男、
監督・脚本・絵コンテ・演出菱田正和、CGディレクター乙部善弘、プリズムショー演出京極尚彦、
キャラクター原案&デザイン松浦麻衣、スペシャルサンクス井内秀治。これで三度目の視聴。
なお本作は、劇場版前後編アニメの後編扱いとなる。前編の「KING OF PRISM by PrettyRhythm」は
事前にほぼ視聴必須で、元ネタの「プリティーリズム レインボーライブ」全52話も視聴がまあ推奨される。
またレンタルDVDには、応援上映バージョンの本編も収録されている。楽しい。

巷に良い劇場版アニメはいくらでもあるし、素晴らしい劇場版アニメだって、探せば多少は見つかりもする。
だが観た俺の度肝を抜いた作品は滅多にない。本作がその一つだ。
一日に同一劇場版作品を、1dayパスを使わずに映画館で二回見たのは生涯で二作品だけだし、
もうひとつのも菱田監督の作品だ。

題材は魔法っぽさが加味されたフィギュアスケート+歌唱+ダンスショー(要は男アイドル)で、
主人公チームが大会で優勝を目指すという、部活ものっぽいシンプルな内容だ。
だが序盤から異常なノリがほうぼうに差し込まれていて、後半になるにつれ加速度的にその濃密さが増してくる。
黙示録とアンゴルモアのコンボあたりからはもうツッコミが追いつかない。電子ドラッグだ。
でたらめなまでの物凄さに、映画館の座席に物理的に押しつけられる錯覚を覚えた当時を、懐かしく思い出す。

これより俺を幸せな気分にした作品は、ことアニメにはただの一作もない。
これと同じくらい幸せにしてくれた作品も、子供時代を含めても本当にわずかしかない。
世界は本当にプリズムのきらめきに満ちているのかもなと、素直にそう思わせてくれる。
今回自宅のPCで本作を観た時は、ストーリーもわかっていることだし、かつてのようには俺の度肝を抜いてくれなかった。
だがその代わり、作品の圧倒的な力が前の二回よりも綿密に実感できた。
「度肝を抜かれた」という感想が落ち着くと「圧倒的だ」になるらしい。
そんな体験も生涯でこれまでほとんどなかった。映像の力とは魂消るばかりなものだな。
欠点をあえて挙げるなら、ホモ臭が結構強い点と、最後のヒロと店長のあれがかなり犯罪っぽい点か。

226 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/06/28(水) 05:56:12.35 ID:czyqOfFw.net
908:名無し募集中。。。:2023/06/27(火) 22:30:00
本日二回目のお願いになってしまいましたが、よろしければ代行お願いします。なおこれで最後です。

【状況】書き込み規制 
【板名】アニメ映画板
【スレタイ】【白蛇伝】昔のアニメ映画総合【海の神兵】
【スレURL】
【本文】↓

227 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/07/19(水) 19:03:07.29 ID:GiHHVVwo.net
「The black dog」を観る。アリソン・デ・ヴェア。19分。
あまり好きなタイプじゃないけど、静かな退廃とかは描けているっぽいし、終わり方はまあ好み。
実力者ではあるのかもね。


「Mr Pascal」を観る。アリソン・デ・ヴェア。6分。靴直しのおっさんがキリストとダンスするみたいな話。
悪くない画面が作れている。趣味じゃないのに最後まできちんと見る気になれたから。


「Cafe Bar」を観る。アリソン・デ・ヴェア。5分。
これもよくわからんけど、アクションだの夢のシーンだのもそれなりに楽しかったし、いいんでない?


「Gobelins」を観る。アリソン・デ・ヴェア。1分。
この人のほかの作品は芸術っぽいけど、これは違う。短いし。
俺みたいなアッパラパーには芸術はわからんので、この作品がいちばん好みだな。
主人公が美女だし、表情もきちんと細密かつシャープだし、ちょっとしたアクションも良く描けているしね。


「アリババ」を観る。10分。エマニュエル・ルザッティ。
子供向けの絵柄や、洞窟のお宝の山などの描写が好み。


「映画えんとつ町のプペル」を観る。100分。監督廣田裕介、アニメーション監督佐野雄太、キャラデザ福島敦子、
演出大森祐紀・平川達也。製作総指揮・原作・脚本西野亮廣。最後の人は悪評ぷんぷんらしいけど、
名誉と金儲けだけを目論む俗物がスタジオ4℃に制作させるかな、とは思った。原作などは未見。
で、内容は悪くない。特に作画面。3DCGが苦手な俺に、一時停止ボタンをつかわせなかったのだから。
脚本も、平凡ではあるし長広舌の使い方などがアニメ業界プロパーのものじゃないなーとは思ったが、ツボは押さえてる。
「泣かせの演出」の濫用、キャラ配置と動かし方でいやなバランスの崩し方をしてる箇所が複数、
またこともあろうにクライマックスあたりからの諸要素の乱れなど、アラは相当に多いが。
べつに金返せとは思わなかったな。


「モンスターストライク劇場版 はじまりの場所へ」を観る。監督江崎慎平。
キャラデザ総作画監督金子志津枝。作画監督20人。原作とかは未読。
内容は実にどうってことないが、主役のロリショタ二匹ずつの絵がかなり可愛いんで問題ない。
この展開でお漏らしがないってマジかよとは思ったが。
あと鍋つついてたおっさん、せっかくアパートの煎餅布団に四人ともひきずりこめたんだから食っちゃえばいいのに。
過去ログ モンスターストライク(モンスト)THE MOVIE はじまりの場所へ [無断転載禁止](c)2ch.net
https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1481276209/


「ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」を観る。原作・脚本さくらももこ。監督須田裕美子・芝山努。92分。
音楽パート担当(おそらく演出など)は芝山努・湯浅政明・小林常夫など。原作とかはちょっとしか知らない。
評判通り充分な出来だ。だが薄味というかさっぱり風味すぎて個人的好みからは外れる。
冒頭の踏切前の二人の後ろ髪の揺れ方・止め方と、次の富士山・時計の肩の力が抜けた描き方を見れば、
作品のレベルはおのずと予想できたから、俺ごときがぶつくさ物申すまでもないだろう。


「映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説」を観る。87分。絵コンテ・監督金崎貴臣、
脚本上江洲誠、演出いわもとやすお・中山敦史・吉田俊司。原作やテレビアニメは未読。
ギャグは楽しくてヒロインは可愛らしかった。シリアス成分はアレだが充分楽しめたよ。それでいい。
各シーンの繋ぎ方とか、音声面と映像面の二者のテンポのすりあわせとか、そういう単純なところで
ミスをさんざん冒してるけど、それらは技量の問題だから、作り手が順当に経験と熟慮を積めば直るんでしょ。
出来のいいポップコーンムービーだな。俺にとっては相当上位の褒め言葉だ。
当ててんのよは笑った。

228 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/07/19(水) 19:03:37.27 ID:GiHHVVwo.net
「しあわせウサギのオズワルド Trolley Troubles」を観る。6分。1927年。
ディズニー最初のスターにして、全世界に最も多くの不幸をばらまいたアニメキャラのデビュー作。
内容じたいは充分に楽しい。「レールの上を進むだけの列車はドラマにならない」とか
キングゲイナーがらみで禿がのたまってたけど、べつにそんなこともないんじゃね。
いまとなってはパブリックドメインだから、各種動画サイトで合法的に視聴できる。嘲笑に足る事実だね。
ネウロでの原子力空母は、ケネディ暗殺犯じゃなくこっちかもな。乗っ取り関連の話題から見て。


「メロディ・タイム」を観る。75分。ディズニーの短編集。7本収録。パブリックドメイン。
1940年代くらい。「冬の出来事」「クマンバチ・ブギ」はシンプルで楽しい。
「リンゴ作りのジョニー」は悪くないが、題材が後生の木を植えた男とかぶっていて、あっちには遠く及ばない。
あと初期ディズニーはあれほどの作画力にもかかわらず「重さ」の表現にときおり失敗するけど、本作もややそう。
「小さな引き船」「丘の上の一本の木」はまあこんなもんでしょ。
「サンバは楽し」はこれもシンプルで、かつ相当の楽しさ。ドナルドみたいな有名キャラも登場。
この頃のディズニーのアニメ・実写融合表現って、かなり自然で好感度高いね。
「青い月影」は・・・柄にもなく寓話でも目指したのかねえ。いいところもあるけど。
全体としては、当時における「いつものディズニー」。ハイレベルだしいいんじゃないの。


「ラテン・アメリカの旅」を観る。41分。1940年代。パブリックドメイン。
ディズニーの非短編にしては悪くない出来だ。絵筆がブラジルを描くシーンあたりが特に新鮮だな。
アニメーション黎明期・勃興期にのみ顕著な、絵が映像になることへのアニメーターの喜びが伝わってくる。
静から動へのその変換は、想像力を武器として成し遂げられている。
実写とアニメを並存させる構成も、そのあたりに拍車をかけているんだろう。
当時はまだ、まともにかつげる小型撮影機器さえぜんぜん存在しない時代なはずだから、画面が動かない。
だがアニメは自在に絵を動かせる。スローモーションも表現できる。その卓絶した利点は誇らしかっただろうな。
あと子供飛行機の発着は魔女の宅急便の旅立ちを連想する。
ただアコンカグア級の高所なら、雷は横からも飛来するから、そこは少し表現してほしかったな。
(ハイジは高峰アルプスにおける雷のその特質も描けていた)


「三人の騎士」を観る。1940年代の作品。六十数分。パブリックドメイン。
ディズニー嫌いの俺が、歴代の長尺作品から三本名作を選ぶとすれば、ファンタジア・ノートルダムの鐘・これだ。
(映画以外の長尺を含めるなら、スター・バタフライが加わるかもしれない)
そして独自性・楽しさ・インパクトなら本作をトップに挙げるだろう。
ナレーションや序盤のややドキュメンタリー形式が、この制作会社の作劇上の欠陥を上手にフォローしている。
三馬鹿の掛け合いは抱腹ものだ。そして自分たちこそがこのジャンルを
切り開いているんだという、アニメーターたちの喜びと矜持が見て取れる。
まあそれが青天井を突破してるところもある。日本でヒロポンが合法だった時代だから仕方ないね。


「しらんぷり」を観る。監督宮下新平。原作梅田俊作・梅田佳子。25分。
>115-119でアニメミライの諸作品をかたっぱしから観たときも、なんとなくこれだけは避けた。
視聴経験を積んだ今なら、その時の嫌な予感の正体も判る。特に大切なのが、内的必然性の観点から派生する問題群だ。
たとえばこういう陰気かつ重大なテーマを扱う場合、監督と原作が別人なのは、例外はあるにせよよろしくない。
アマチュア女性演出家たちが児童虐待テーマで衝撃作をいくつも世に問うているが、
過去に男にひどい襲われ方をしたことあるのかもな、としか思えない(思わせてくれない)内容だった。
少女の醜さ(と美しさ)が最高に描けているウテナや、あんなどでかいテーマに挑んだもののけ姫とかも。
で、本作はそのあたりのバランスを崩しているように俺には思えた。
というか、娯楽重視と重いテーマ重視の二者で、それぞれバランスの保たせ方の基本線が違うって話かな。
絵柄は好みなんだけどね。

229 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/07/23(日) 19:26:47.46 ID:N2141W8U.net
「映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を観る。65分。まんきゅう監督。
脚本角田貴志。原作よこみぞゆり。原作その他は未読。まあ、なかなか悪くはない。
キャラなどをまったく知らなくてもストーリーとかに入り込めたし、
ほんわかする感動も相応に誠実に描けているんだろう。
このくらいの佳作が意外なほどの興行収入を得られた劇場用アニメの現状は、充分健康なものだと思う。
これを上回る児童向け秀作劇場アニメは歴代で軽く30本は越えるだろうし、
作劇をナレーションに相当頼っている補助輪つきストーリーは、個人的好みじゃないけど。
まあそれも、話者のいる紙芝居って子供向けメディアの特質を上手にアニメに融合させたとも、言えなくはないし、
非ナレーションで普通に声を当てた場合、雰囲気が台無しになりかねない作風でもある。
過去ログ
すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/cinema/1573389820/



以下のテックス・エイブリーの作品5本ははすべてパブリックドメイン。
その筋では有名な作り手なので、動画サイトに合法的にアップロードされているはず。

「つかまるのはごめん」を観る。8分。テックス・エイブリー。
泥棒を警官が追いかけるみたいなギャグアニメ。良い意味でじつにいいかげんな作品。
問答無用のテレポートは強者の証だよね。プリパラのファルルを初めて見たときの驚きを思い出す。

「ずる賢い七面鳥」を観る。7分。原題Jerky Turkey。ボヤッキーの声が主人公。
1945年。ナレーションも楽しい。どんな頭の悪い奴がこんなギャグを考えつくんだろう(褒め言葉)。

「おかしな赤頭巾」を観る。原題Red Hot Riding Hood。1943年。7分。
本家のパロディー的作品。狼を襲う喜劇的な運命が実に楽しい。口笛とテーブル殴打が好き。

「電撃ウルフ」を観る。10分。1942年。
勢いも笑いも、またその笑いに対する批評眼もある。そして「母国アメリカを熱狂的に応援するプロパガンダ映画」
ってジャンルでそういう批評眼をぶちこんでくるということ自体が、ギャグアニメ作家の面目躍如だろう。
見事だ。なお「うそつきオオカミ」というタイトルでもうpされてる。

「ノミのサーカス」を観る。原題The Flea Circus。1954年。7分。
1940年代よりはやや切れ味が鈍っているが、まだ充分に楽しい。プリマドンナが可愛く声もロリキュート。

230 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/07/23(日) 19:27:05.81 ID:N2141W8U.net
「劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明」を観る。原作つくしあきひと。監督小島正幸。104分。
本作じたいは劇場鑑賞と合わせ三回目の視聴。原作マンガ及び第一期テレビアニメ(全13だか12話)は既読。
劇場版を観る前に、少なくともどちらかには触れておいた方がいいはずだ。
また総合的な内容の見事さや傷にはいろんなサイトで触れられているはずなので、俺が付け加えることはなにもない。

原作者は「ワクワクする自殺」の物語を描きたいと語り、また
>感動させるっていうのは「心を揺さぶる」ことではなく、「いかに心にカッコいい形で傷をつけてやるか」だと思ってるんですよね。
などとのたまう人だ。つまり少年の魂を保ちつづけている人なんだろう。
(カッコよさを重んじ己がものとする女・少女はほとんどいない。宝塚の男役の見事さを眺めれば、逆説的にそれがわかる)

イスラム国の兵隊訓練動画に、12歳の主人公リコと同年代の少年兵たちのものがある。
少年兵たちは腕立て伏せ中に大人の教官から腹蹴りを食わされたりしてるが、それでも大人を信じる目は澄んでいる。
黎明卿を信じるプルシュカの瞳も、下手すりゃライザを信じるリコの瞳もそれと同じだ。困ったもんだとも言える。
またそうだからこそ、プルシュカの願いどおりリコは先へ突き進み、黎明卿はああいう結末になり、例のも壊さなかったんだろう。
バロック真珠はその歪みゆえに、真円の真珠よりも価値ありとされる。カッコいい傷とはそういうものらしい。

以下は序盤のどうでもいい重箱の隅。
冒頭の流れる霧の描写が甘い。この風速の強さなら霧の形状は千変万化するはずだ。
もっとも、もののけ姫ですら霧描写は落第すれすれの惨状だったから、よほどアニメでは処理が難しいのかもしれないが。

不屈の花園は素敵だ。現実ではもはやありえないほど濃密な花の楽園だ。
日本の高山植物地帯ベスト5の中で、二番目に人の手が入ってないのはたぶん東北の焼石岳だが、
あそこよりもずっと人跡未踏の地だ(当たり前か)。惚れ込んでしまうなあ。

2分53秒から56秒、リコが「気づく」前後で前のめりの角度がわずかに異なっているくらいは、
このレベルの監督なら描写できて当然だが、それ以外にも耳の後れ毛描写や右手親指の握りしめ方のわずかな変化も、
コピペで済まさずきちんと描けている。右手はグローブ越しにもかかわらずだ。さすがだな。
グローブの模様の変化・帽子のずり上がり方・眼鏡の角度の変化・唇の引き締まり方などもオーケー。

火炎放射器の描写は火力が乏しく甘い。それともこの世界の非対人兵器ならこれで充分なのか?
たぶん作画スタッフは、動画でさえ本物を見たことがないのかもしれない。描写を手控えるべきシーンではないし。
地を舐める業火や火花もあと一歩以上描写の質を踏み込んでほしい。ここのスタッフならやれるはずだ。
風立ちぬの関東大震災時の東大付近の描写は、パヤオらしい節度を失わないまま火が描けていた。
羽虫の描写も甘い。ここの美術スタッフは、大発生したトンボやアブが顔面にがんがんぶつかってきた経験とかないのか?

10分09秒から33秒の、レグの最後尾ぶりの描写は的確だ。
全編このくらいの繊細さで覆い尽くされているのが、やはり傑作の地力の最低条件だろう。

231 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/08/01(火) 22:32:21.76 ID:hTS5uPq3.net
「花は咲く」を観る。5分。片渕須直監督。復興支援テーマソングPV。5年ぶりくらいで二度目の視聴。
この作り手としてはずいぶん甘っちょろい出来だ、という気がする。世界の把握の仕方自体が。
それでも水準は充分に越えているけどさ。
まあ、知性ひとつとっても俺は氏のはるか後塵を拝しているから、作品を見切れてないのかもしれないけど。
ある意味では本作は劇場版片隅の習作なんだろうが、この時点ではキャラの頭身に違和感がある。
それはこうの史代さんの絵柄を消化しきれてないからかもしれない。
あとやっぱり、現代日本を舞台にしてドラマをこしらえるって難しいね。
それと、作品の中心に何を置くかが定まってない気がする。


「Ballerina on the Boat」を観る。16分。1969年。レフ・アタマーノフ監督。ソ連。
ご自分の選んだ表現を信じられるってのは幸福なことだなとは、読後に確かに思った。
その幸福を観客である俺が必要とするかは別の話だけど。
小賢しい不信心者たちは祈りと感謝を忘れるだけでなく、その意義さえも見失ったりするが、
神のしもべが自身の表現を信じきって祈れば、奇蹟とは言わないまでも、恩寵がもたらされたりもする。
あのバレリーナたちの作画が、ストーリーをああいう形で動かしていくってのは、そういうことなんだろう。
つまりはメルヘンだ。1959年の「雪の女王」から10年経てば、優れた才能はこの高みにまでは昇れる。


「装甲騎兵ボトムズ ビッグバトル」を観る。56分。原作・監督高橋良輔、脚本はままさのり、
絵コンテ・演出滝沢敏文、この監督にしてはやや物足りない、かな。
べつだん何も考えず作品に浸っていれば、充分満足できる出来栄えだけど。
ラストバトルにもう少しカタルシスが欲しいとか、どうもヒロインが俺の舌に合わないとか。


「装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」を観る。56分。
原作・監督高橋良輔、演出滝沢敏文、脚本吉川惣司。
感想は上に同じだな。充分に充実した出来なのに、俺はなぜ不満に感じているんだろう。
まあ今回の場合、不満の本質は内容の説明にではなく、内容の解釈にまつわる気がするから分析しないけど。


「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端1」を観る。82分。原作・総監督高橋良輔、監督今西隆志、
脚本吉川惣司、キャラデザ作画監督塩山紀生、美術脇威志・岡田有章など。
テーマに宗教が絡んできて、やっと作品の焦点が定まったという個人的印象だ。
やはり往年のウルフガイ・シリーズみたいに、不死の主人公にはそれに相応しいテーマがある。
そうなれば、まともかつ強靭(かもしれない)な思想の演出家の、重厚な娯楽作品としてリラックスして楽しめる。
おっさんたちの作画も、荒地の宗教都市の美術も、充分に満足できる。
また、画面を三次元的に演出できている箇所も増えた気がする。こういうのでいいんだよ。


「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端2」を観る。1は前編で2は後編扱い。脚本吉川惣司、
原作・総監督高橋良輔、監督今西隆志。54分。うーん、俺としては趣味に合わない。
ラスボスとかフィアナに惹きつけられなかったから。特にラスボスはもう少し何とかなったでしょ。
これでこのOVAシリーズは終了か。俺の感想なんかどうでもいいけど、古参ファンは納得できたんだろうか。

232 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/08/01(火) 22:35:00.12 ID:hTS5uPq3.net
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/mango/1688555050/257
上のリンクは、以下の作品の雑感の書き捨て。読む意義はない。
いまいちかもしれない作品を、褒め3罵り7くらいであげつらう感想文など、
仮にその指摘が妥当だったとしても、作品それじたいよりはるかに価値が乏しい。


・ルーニー・チューンズ コレクション
・ザ・プラネット
・時の支配者
・ダム・キーパー(堤大介・ロバート・コンドウ)
・くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ セレスティーヌの誕生日
・ファンタスティックMr.FOX
・ティム・バートンのコープスブライド
・カールじいさんの空飛ぶ家・晴れときどきくもり・ダグの特別な一日
・モアナと伝説の海
・南部の唄
・子ぐま物語
・メイク・マイン・ミュージック
・父を探して(アレ・アブレウ)
・ファンタスティック・プラネット(ルネ・ラルー)
・ねこぢる草(佐藤竜雄)
・魔法少女リリカルなのは Reflection(浜名孝行)
・OVAの中に1人、妹がいる!(名和宗則)
・星の王子さま(小山哲哉)
・青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(増井壮一)
・世界名作劇場完結版 あらいぐまラスカル(遠藤政治・腰繁男)
・マップス(西澤晋)
・PEACE MAKER鐡 想道(きみやしげる)
・劇場版キン肉マンⅡ世 マッスル人参争奪!超人大戦争(小村敏明)
・巨人の星劇場版(長浜忠夫)
・打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(総監督新房昭之、監督武内宣之)
・名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(こだま兼嗣)
・クレオパトラD.C. コンプリートDVD(吉永尚之)
・ノーゲームノーライフ ゼロ(いしづかあつこ)
・ブレッドウィナー(ノラ・トゥーミー)
・ドリーム・ビルダーズ
・神々の山巓
・山古志村のマリと三匹の子犬(大野一興)
・東のエデン 劇場版1(神山健治)
・劇場版生徒会役員共(金澤洪充)
・のんのんびより劇場版(川面真也)
・ゴブリンスレイヤー劇場版(尾崎隆晴)
・映画大好きポンポさん(平尾隆之)
・劇場版からかい上手の高木さん(赤城博昭)
・マロナの幻想的な物語り(アンカ・ダミアン)
・ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(総監督山崎貴、監督八木竜一・花房真)
・ジョゼと虎と魚たち(タムラコータロー)
・羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(MTJJ)



一冊の本を作るには三年かかる。それを茶化し、間違った引用をするのには五行で足りる。
アルベール・カミュ

批評とは人を褒める特殊な技術だ。
小林秀雄

悪いところは誰でも見つけられるけれど、いいところを見つけるのは、そのための目を磨いておかないとできない。
黒澤明

233 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/08/18(金) 14:31:32.66 ID:fFdVt7E+.net
(>。<;)/ ⌒-~ ポイ!

234 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/08/21(月) 23:24:04.91 ID:VJ1ElkKD.net
「クラック!」を観る。フレデリック・バック。1981年。14分。
素晴らしさは盲人だって一目でわかるレベルだから、いまさら褒め称えるつもりがない。
(パヤオと高畑氏が絶賛してる作品を、虎の威を借りて言及する必要なんてないよね)
「父を探して」とかもそうだったけど、きわめて優れた芸術家の一群に巣食う、都市文明嫌いってなんかやばいよね。
近代合理主義と違い、近代知性は合理主義から外れたものをも思考の射程におさめる懐の深さがあるものだけど、
あの芸術家たちがそこを明瞭に理解しているとは、少なくとも作品を観た限りでは思えないから。
俺にとっての本作の最大の疑問は、バック氏は都市を描くために表現上の新技法を開発できるかどうか、だけど。
エボシ御前を否定的に描けなかったパヤオは、芸術家としては甘ちゃんなのかもしれないけど、俺は好きだよ。


「木を植えた男」を観る。原作ジャン・ジオノ。監督フレデリック・バック。10年ぶり3回目くらいの視聴。
1987年。ふつう30分かそこらの短編からは、世界や人間を救いたいという切望は伝わってこないものだ。
どれほど素晴らしい出来でもそこは変わらない。だがこれは本当に稀な例外だ。


「アブラカダブラ」を観る。1970年。フレデリック・バック。9分。
どこかの悪党に太陽が盗まれて、世界が薄暗くなってしまった謎を、解き明かそうと旅する話だ。
主人公のブロンド少女は、スヌーピーみたいなシンプルで可愛い絵柄。
氏が高い芸術性を発揮する前の作品となる。だが後年の実力の片鱗はすでに明らかだ。
作画じたいはオーソドックスな紙芝居だが、2分20秒前後の傘で空を飛ぶシーンあたりから、
ぶれ具合など動かし方にきっちり工夫を加えている。
脈絡もなく○○に飛び込んで煤だらけになるシーンなど、いかにも後の巨匠らしい無邪気さだ。
また、途中で可愛らしいインディアン少女たちと一緒に飛翔し旅する展開は、
作家性が確立しきる前の微笑ましさをまとっている。
「木を植えた男」や「クラック!」には、技巧や芸術性で較ぶるべくもない習作だが、
個人的には氏のどの作品より愛着をおぼえた。「正しい成長」とは哀しいものだ。


「イリュージョン」を観る。11分。1975年。フレデリック・バック。
資本主義への違和や環境保護活動への傾きは、氏の場合はただのポーズではない。
それは作品に横溢する切実さを眺めれば、イヤというほどわかる。
でも、他人の本気の絶望を観るのはつらいな、とはどうしたって思う。
(こういう感想を観客に抱かせた時点で芸術家の勝利だ、という観方は採りたくない。この作り手が好きだから)
世界の美と醜を、ある側面から作品内で、高いレベルで描ききっているからなおさらだ。
子供たちの溌剌さと魅力が、どういう前提の上で成り立っているかを、知らない氏ではないだろうに。
もしパヤオが隣りにいなかった世界線の場合、高畑氏がどんな罠に落ち込みうるか、などをぼんやりと考える。
魂よ安かれ。


「Tout rien」を観る。11分。フレデリック・バック。1978年。
前半の美しさと後半の絶望、そしてラストの復活。実際いい作品ではある。
でもこの時点の氏は、たぶん間違っていたとは思うよ。氏の責任じゃなかったかもしれないけど。
それを文学的にではなく絵画的な側面から指摘するとしたら、たとえば、
この作品内において神を説得力持ってデザインできなかったって点にも表れている。


「La creation des oiseauxavi」を観る。フレデリック・バック。10分。
白人種がインディアンを題材に作るという前提でなら、ポカホンタスよりこっちがずっと好きだし、上だ。
答えを出しにくい・出しきれない問いに結末をつけてしまうのが、作家の決断(それとも強引さ)だから。

235 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/08/21(月) 23:26:50.21 ID:VJ1ElkKD.net
「パンドラとアクビ」を観る。2019年作。劇場版OVA?が二本で計54分。原作はほぼ未読。
脚本涼村千夏・石田勝也、絵コンテと演出は曽我準、サトウユーゾー、松本淳、
キャラデザ総作画監督大倉啓右、監督曽我準。タツノコプロの著名作品のクロスオーバーらしい。
シナリオとかは論外の一言(テンポだけはまあいい)。だが主人公の幼女二人はとても可愛らしいし、
変身後のパンツスーツ姿も倒錯した色気がある。キャラデザの勝利というべきなんだろうな。
結局映画って、他の要素がボロッカスでも主演女優が魅力あれば、商売として最低限は成立するし、
それが二人もいてなおかつ変身すれば、ウォーズマン理論で4倍お得だともいえる。
歌に山本正之が参加してればもっと評価したんだけどなー。まあ提灯と釣鐘だけど。




「イノセンス創作ノート」を読む。押井守著。初出は2003年ごろの文章だから、著者52歳くらいの本。
イノセンス本編は一回観て俺向きじゃないとわかってたから、文章の方はどうだろうとふと気になり読む。

相変わらず見識・知性・感受性ともにシャープな人だ。俺なんかよりずっと。
だから面白いし本当に勉強にもなる。でも俺とは問題意識がかなりの部分で重なってないから、
この人の余戯をしか味わえない。フルコースを供されたのに前菜だけをつつくような読み方だけが出来る。
無念だな、と思わないわけではない。贅沢でもあるけど。

この人は頭が良すぎるから、印刷された文字媒体でひっきりなしに前後の文を読み返さなきゃ、俺には理解できない。
だからアニメ業界外の才能たちとの対談は、ずいぶんな惨状を呈することも多い。
巻き戻しが出来ない即興のコミュニケーションだから。
養老孟司さんとの対談は、読みごたえはあるにせよ、互いに長広舌を投げつけあっているだけだ。
四谷シモンさんとの対談は、押井氏のある種手前勝手な論理に、四谷さんが困惑してるって側面も強い。
鈴木俊夫Pとだけは、まともな対談ふうに整っている。鈴木Pが「まともな一般人」を装える立場にいるからかもだけど。
結論としては、俺という豚は真珠をあまり必要にしてない、ってことを確かめるに至った一冊だ。

まあそれでも、内容の興味深さにはほとんど傷がつかない。
評論家なり、俺を含めた観客たちなりの洞察力は、しょせんすでに完成された作品を前にしてぶつくさ呟いてるだけだ。
だが押井氏のこの本は、まだイノセンス本編が未完成な時点でつづられた文章だ。
洞察力の前提が二者で異なっているからこそ、俺のお勉強としてはいろいろと役に立つ。

236 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2023/10/11(水) 15:33:47.18 ID:0IcyXpku.net
「劇場版魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語」を観る。総監督新房昭之、監督宮本幸裕、脚本虚淵玄。
テレビアニメは未読だが総集編上下編には目を通した(そしてピンと来なかった)。
良かれ悪しかれ人を選ぶ、自己主張の強い作風ということだろう。熱烈なファンが多く生まれたらしいだけのことはある。
「強く激しい言葉は、その人の主張の根拠の弱さを示す」というどっかのおっさんの言葉を連想した。
絵については、背景美術であまり才気をひけらかしてほしくないし、どうしてもやりたいなら重要シーンにとどめるべきだ。
キャラと背景の割合は、どのアニメでもおおむね3対7なんだから、7をねちっこく描写すれば胃もたれする。
ウテナが奇抜な映像演出を重ねつつも画面がまとまっていたのは、
屋外の決闘場ほか各所で青空・夕景・夜空のシンプルさを的確に活用してもいたからだ。
(あとそこから発展して、メインカラーに対して何色を差し色にするか、ウテナは画面単位で考えている可能性もある)
シナリオは、この脚本家に出くわしたのは十数年ぶりだけど、成長してないよね。正直。
鬼哭街で、主人公の復讐心の外殻を丁寧になぞれているなと慨嘆した記憶がよみがえる。
黒髪がピンクに惚れてるなら、とりあえず押し倒して唇奪うなり貫通式なり済ませればいい。
むつかしい理屈こねるのはそのあとでいいでしょ。ニトロプラスのエロ薄の悪癖からまだ逃れられてないんかい。


「世界名作劇場完結版 ペリーヌ物語」を観る。80分。監督斉藤博・腰繁男。
ストーリーはどうでもいいし、主人公の顔立ちが薄すぎて興味が持てない。
井岡雅弘さんの美術の見事さだけ眺めてたから、それはそれでいいけど。
あと67分52秒時点、手前に向かってぶつかってくる感じの雪の描写は、他の作品では一度も見たことがなかったな。
べつに凄い技術とかじゃなく、ちょっとした工夫ではあるんだが。カメラの引き方も興味深かったし。


・くもりときどきミートボール
・カラミティ(レミ・シャイエ)
・海獣の子供(渡辺歩)
・シティーハンター 新宿プライベートアイズ(こだま兼嗣)
・グッバイ、ドン・グリーズ!(いしづかあつこ)
・フラ・フラダンス(総監督水島精二、監督綿田慎也)
・風を見た少年(大森一樹)
・劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム(永岡智佳)
・TIGER&BUNNY劇場版(さとうけいいち)
・戦え!イクサー1 コンプリート・コレクション(平野俊弘)
・映画ゆるキャン△(京極義昭)
・劇場版ワンピース エピソードオブアラバスタ(今村隆寛)
・劇場版魔法少女まどか☆マギカ 総集編上下編(新房昭之・宮本幸裕)
・傷物語 鉄血篇(監督尾石達也、総監督新房昭之)
・王立宇宙軍 オネアミスの翼(山賀博之)
・劇場版異世界かるてっと あなざーわーるど(芦名みのる)
・BAYONETTA Bloody Fate(木崎文智)
・イノセンス(押井守)
・ぼくらのよあけ(黒川智之)
・おじさんとマシュマロ(佐々木勅嘉)
・ザ・アイドルマスター プロローグSideM(原田孝宏・黒木美幸)
・劇場アニメ版 君の膵臓をたべたい(牛嶋新一郎)
・ハーモニー(なかむらたかし、マイケル・アリアス)
・さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅(りんたろう)
・WXIII 機動警察パトレイバー(高山文彦・遠藤卓司)
・怪盗クイーンはサーカスがお好き

は観たが、個人的には特に語るところなし。

237 :代行:2023/12/18(月) 16:51:35.61 ID:rp8BMGS5.net
いつもお世話になっております。よろしければ代行をお願いします。
【状況】書き込み規制 
【板名】アニメ映画板
【スレタイ】【白蛇伝】昔のアニメ映画総合【海の神兵】
【スレURL】https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/animovie/1171235127/
【本文】↓
「The Apprentice」を観る。8分。リチャード・コンディー。
人語がうがいみたいな奇体な効果音で吹き替えされている。
羊や鳥の鳴き声は普通。また作品全体に不思議なユーモアがある。
緊張感がいい意味でほどける絵柄でもある。
ストーリーはどうもよくわからないが、まあ楽しく観られたからいいや。


「The Big Snit」を観る。10分。リチャード・コンディー。
冴えない中年夫妻が大喧嘩をしている最中に、核戦争が起き・・・という話。
ポップな絵柄のコメディー。なかなか楽しい。


「桃太郎の海鷲」を観る。瀬尾光世監督と持永只仁のタッグ。1943年。37分。
冒頭のウサギの水兵が相当萌える。べつに自分はケモナーじゃないのにな。
サル(本作の主人公格)や犬の外見もキュート。
サルがプロペラ回しながら特攻仕掛けた挙句、ばいばいきーんをやらかしたのは笑った。
サル軍団が軽業師みたいにハシゴを作るシーンもいい。


「アヒルの陸戦隊」を観る。1940年。演出・作画・撮影は瀬尾光世、背景は持永只仁。
13分。白黒の背景から湿度を感じさせられたのは、俺としては滅多にない体験だ。
豊葦原の瑞穂の国らしい背景といえる。相撲シーンも和風アニメっぽい。
なんだかんだで好きな作品。


「アリチャン」を観る。1941年。演出・作画は瀬尾光世、撮影・背景は持永只仁。11分。
絵は初期ディズニーの甚だしい影響下にあるが、それでも日本産アニメらしさは香っている。
キャラクターの表情や演技にペーソスが感じられたり、朝顔やタンポポの綿毛などにも。
日本アニメの歴史はこの時点で無いに等しくても、のらくろとかは既にあるから、
その文化の蓄積によってディズニーほかアメリカアニメをあるていど消化できたのかもしれない。
シリー・シンフォニーとかには見当たらなかったっぽい動きの描写がいくつかある。
キャラデザも時代を考えれば相当に可愛い。


「フクチャンの潜水艦」を観る。1944年。30分。
演出・作画は横山隆一と持永只仁。軍の宣伝臭さが濃くなく、充分に見応えある作品。
いろんなシーンに現実味がある。流氷を割るシーンが好み。


「鬼滅の刃 無限列車編」を観る。116分。原作吾峠呼世晴、監督外崎春雄。原作などは未読。
べつだん悪くない絵を作れてたし、これはこれでいいと思うよ。子供たちはみんな可愛いし。
客のみんなが現代を嫌いなんだとしても、願望充足の作品が悪いとは思わない。
問題はどの願望をどう充たすか、だし。だからこそ甘美な夢なんだろう。
たとえばパヤオの描く憧れは、いわば「充たされようもない願望」としても作中でほのめかされている。
彼の作品が娯楽性と芸術性を高次元で両立できたのも、それが一因か。
天の戮民はいつだって骨折りだろうな。

238 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2024/02/02(金) 07:11:08.53 ID:BarImRuO.net
「Repete」を観る。8分。1995年。ミカエラ・パヴラートヴァ。
作者がキスとそこからの正常位が好きらしいってのはわかる。
それ以外は意味不明だが、奇妙に画面に力があるのは確かだ。この作家で唯一好きな作品。


「Metadata」を観る。8分。1971年。ピーター・フォルデス。
最初は退屈だったが、4分を越えたあたりから色もつき、音楽も一般的になった。
べつにお芸術はそれはそれでいいけど、一般人向けのフックくらい用意しておいてほしいね。
まあそれでも、この人の諸作品のなかで唯一まともに見られた。


「Hen, his wife」を観る。12分。1990年。イゴール・コバリョフ。
青木雄二をキモかわいくしたみたいな絵柄。わりあい好みだ。
ストーリーはよくわからないけど、最後まで興味深く観れたからそんなのどうでもいいや。


「Bird in the Window」を観る。10分。1996年。イゴール・コバリョフ。
これも青木雄二みたいに、中年男女に対する情のこもった絵柄だ。
丁寧だが泥臭い。それで充分見る価値がある。


「MILCH」を観る。15分。イゴール・コバリョフ。
人間について、俺とは全く別の解釈をしている人だなって印象が、なんとなくある。
まったくかなわないなと粛然たる気持ちになる。


「Flying Nansen」を観る。11分。イゴール・コバリョフ。
寒村や山中で出くわす降雪や吹雪の怖さがよく描けている。
スノーマンあたりの美しさや現実味とはまた違う。怖かった懐かしい思い出ばかりを連想した。


「私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ」を観る。監督平牧大輔。脚本山田由香。原作は未読。
66分。キャラがペド可愛いからこれでいいんじゃない? メインスタッフは真正ロリコンじゃなさそうだけど。
子供部屋・歩行・抱擁・立居振る舞いの描き方でそれと知れる。U149はそのあたりテレビアニメなのによかった。


「アイの歌声を聴かせて」を観る。監督・原作・絵コンテ・演出・一部脚本は吉浦康裕。
メカデザイン明貴美加。108分。まあ、かなり悪くはない出来だ。
この監督さんの前作「サカサマのパテマ」からは、長足の進歩を遂げている。
でも趣味じゃない。物語空間の成立に30分以上かかるのは、せっかちな俺向けの作品ではなさそうだ。
あとタンデムにおける密着感の描写がじつに甘かったり、その手の細部でのとりこぼしが相当多いから、どうも乗れない。
ともあれ、有能なアニメ監督って初期作から良作ぶっぱなしてくる連中が多い中で、
こういうふうに着実に大きく腕を上げてくるタイプは結構珍しい。今後に期待だな。

239 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2024/02/28(水) 23:14:54.98 ID:gK3Mbe1/.net
おそらく
でみんなびっくりして

240 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2024/02/28(水) 23:17:08.89 ID:daZ+AdE5.net
 トラックは弾みで横転すればそれくらい出るてことか。

241 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2024/02/28(水) 23:17:33.94 ID:474mYnoj.net
ワクチン3回打っていないという考え
高齢者票圧倒だから若者とかいう悪質スケオタ達が相変わらず信者はガーシーのあの異様な雰囲気がいいとか言う意味で
俺が悪いから大して儲けられる銘柄じゃなかったの見た目いいのは
うーん、やはり安かろう悪かろうの典型業者だったと思うが

242 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2024/02/28(水) 23:54:54.19 ID:VCBK3TM3.net
帰宅したら含んだ(;´д`)

243 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2024/02/29(木) 00:19:05.85 ID:0V70jr9v.net
意識高い系mixiだっただけだからと言ってたし
配信が面白くなさすぎて書くことは答えないんだろうな
祝電とかの無理な割り込みか
ライトフライヤーが強い男のロマン

244 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2024/02/29(木) 00:22:31.18 ID:uAIMQunH.net
>>162
今、運輸業界は人手不足なんかな

245 :見ろ!名無しがゴミのようだ!:2024/03/01(金) 18:26:59.73 ID:FzgSMCd7.net
「総統の顔」を観る。8分。第二次大戦中のディズニーのプロパガンダ映画。
軍服にハーケンクロイツの腕章をつけたドナルドダッグが、ハイルヒットラーと100回くらい叫ぶ糞アニメ。
内容はなかなか楽しいが所詮はバクス・アメリカーナだ。栄光輝くアカデミー短編賞受賞作品でもある。



「坊やはカウボーイ」を観る。7分。原題A Cowboy Needs a Horse。
まともなストーリーをでっちあげられないディズニー脚本家の頭の弱さを逆用し、
短尺のなかにいくつも山場を作ることで、ジェットコースター感覚を生み出せた良作。
なかなか好き。



「Reキューティーハニー 地の巻」を観る。45分。監督・演出伊藤尚往、
庵野秀明総監督、シリーズ構成中島かずき、脚本中島かずき・笠井健夫。
全三話の第二話にあたるが、第一話と三話は未読。
原作その他も全部未読で、主題歌のみをうっすら知っているという状況で鑑賞。
中島氏の脚本は、実力は認めるにせよいままであまり好きになれなかったが、
ともあれ伊藤監督目当てで視聴してみる。以下はややネタバレあり。

内容は、娯楽作品として「レベルが高い」。センスも技術も勢いも創意工夫もある。
コメディーとシリアスのバランスも取れている・・・あるいは定石通りに処理できている。
だがそこどまりだ。要するに腕利きのアルチザンたちの水準作だ。
この路線でいくなら破調はどうしたって欲しくなるし、それが無理ならせめてもっと
数多くの遊びを入れて欲しい。そんな高望みを叶えてくれる地力のスタッフだと思ったんだが。
主題歌の替え歌シーンや、電波ジャック時の偽テレビカメラの描写みたいなのが、最低あと三つ。
要は、俺を驚かせたり降参させたりしてくれない内容だ。

敵方の毒っ気がある可愛いロリ幹部が、消滅する直前の戦いでアンドロイドの醜悪な武装を露呈し、
しかも敵戦闘員を巻き込む卑怯な攻撃をするあたりが、ああお上手だなと遠く思う。
技巧ってのは、どの技巧をどう用いるかによって、見巧者に作り手の腹を見透かされる諸刃の剣にもなる。
2004年だかの、まだ伊藤監督にせよお若い時分の習作かもしれないから、仕方ないか。
これも手前勝手な鑑賞態度だけど。
最重要の問題は「この原作を、21世紀に扱う必然性はどこにあったか」なんだろうな。

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