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それいけ!アンパンマンアンチスレ
- 1 :風の谷の名無しさん@\(^o^)/:2014/07/11(金) 16:49:29.18 ID:MPoXbL5n.net
- ガキ向け糞アニメアンパンマンのアンチスレです
- 1214 :風の谷の名無しさん:2018/06/20(水) 22:39:35.04
- 俊吉はその小屋を覗いて見て、殆独り言かと思ふやうに、「寝てゐる。」
- 1215 :風の谷の名無しさん:2018/06/20(水) 22:50:52.30
- 「玉子を人に取られた鶏が。」――
- 1216 :風の谷の名無しさん:2018/06/20(水) 23:02:08.72
- 信子は草の中に佇んだ儘、さう考へずにはゐられなかつた。……
- 1217 :風の谷の名無しさん:2018/06/20(水) 23:13:24.29
- 二人が庭から返つて来ると、照子は夫の机の前に、ぼんやり電燈を眺めてゐた。
- 1218 :風の谷の名無しさん:2018/06/20(水) 23:24:40.56
- 青い横ばひがたつた一つ、笠に這つてゐる電燈を。
- 1219 :風の谷の名無しさん:2018/06/20(水) 23:36:57.36
- 翌朝俊吉は一張羅の背広を着て、食後々玄関へ行つた。
- 1220 :風の谷の名無しさん:2018/06/20(水) 23:48:15.81
- 何でも亡友の一周忌の墓参をするのだとか云ふ事であつた。
- 1221 :風の谷の名無しさん:2018/06/20(水) 23:59:31.38
- 午頃までにやきつと帰つて来るから。」――
- 1222 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 00:10:48.05
- 彼は外套をひつかけながら、かう信子に念を押した。
- 1223 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 00:22:03.61
- が、彼女は華奢な手に彼の中折を持つた儘、黙つて微笑したばかりであつた。
- 1224 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 13:43:53.60
- 子供の時の愛読書は「西遊記」
- 1225 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 13:55:24.61
- これ等は今日でも僕の愛読書である。
- 1226 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 14:18:25.97
- 名高いバンヤンの「天路歴程」
- 1227 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 14:29:56.56
- なども到底この「西遊記」
- 1228 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 14:41:27.23
- も愛読書の一つである。
- 1229 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 14:52:57.96
- これも今以て愛読してゐる。
- 1230 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 15:04:28.60
- の中の一百八人の豪傑の名前を悉く諳記してゐたことがある。
- 1231 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 15:15:59.36
- その時分でも押川春浪氏の冒険小説や何かよりもこの「水滸伝」
- 1232 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 15:27:30.11
- だのといふ方が遥かに僕に面白かつた。
- 1233 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 15:39:00.66
- 中学へ入学前から徳富蘆花氏の「自然と人生」
- 1234 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 15:50:31.27
- や小島烏水氏の「日本山水論」
- 1235 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 16:02:01.98
- 同時に、夏目さんの「猫」
- 1236 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 16:13:32.71
- だから人の事は笑へない。
- 1237 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 16:25:03.31
- の中にあるやうな「トルストイ、坪内士行、大町桂月」
- 1238 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 16:59:35.39
- ところが、高等学校を卒業する前後から、どういふものか趣味や物の見方に大きな曲折が起つて、前に言つたワイルドとかゴーチエとかといふ作家のものがひどくいやになつた。
- 1239 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 17:11:06.20
- ストリンドベルクなどに傾倒したのはこの頃である。
- 1240 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 17:22:36.80
- その時分の僕の心持からいふと、ミケエロ・アンヂエロ風な力を持つてゐない芸術はすべて瓦礫のやうに感じられた。
- 1241 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 17:34:07.51
- これは当時読んだ「ジヤンクリストフ」
- 1242 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 17:45:38.08
- などの影響であつたらうと思ふ。
- 1243 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 17:57:08.88
- さういふ心持が大学を卒業する後までも続いたが、段々燃えるやうな力の崇拝もうすらいで、一年前から静かな力のある書物に最も心を惹かれるやうになつてゐる。
- 1244 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 18:08:39.57
- 但、静かなと言つてもたゞ静かだけでも力のないものには余り興味がない。
- 1245 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 18:20:10.39
- スタンダールやメリメエや日本物で西鶴などの小説はこの点で今の僕には面白くもあり、又ためにもなる本である。
- 1246 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 18:31:40.98
- 序ながら附け加へておくが、此間「ジヤンクリストフ」
- 1247 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 18:43:11.57
- を出して読んで見たが、昔ほど感興が乗らなかつた。
- 1248 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 18:54:42.20
- あの時分の本はだめなのかと思つたが、「アンナカレニナ」
- 1249 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 19:06:12.87
- を出して二三章読んで見たら、これは昔のやうに有難い気がした。
- 1250 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 19:29:14.36
- 彼女が早晩作家として文壇に打つて出る事は、殆誰も疑はなかつた。
- 1251 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 19:40:45.02
- 中には彼女が在学中、既に三百何枚かの自叙伝体小説を書き上げたなどと吹聴して歩くものもあつた。
- 1252 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 19:52:15.71
- が、学校を卒業して見ると、まだ女学校も出てゐない妹の照子と彼女とを抱へて、後家を立て通して来た母の手前も、さうは我儘を云はれない、複雑な事情もないではなかつた。
- 1253 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 20:03:47.78
- そこで彼女は創作を始める前に、まづ世間の習慣通り、縁談からきめてかかるべく余儀なくされた。
- 1254 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 20:15:18.56
- 彼女には俊吉と云ふ従兄があつた。
- 1255 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 20:26:49.21
- 彼は当時まだ大学の文科に籍を置いてゐたが、やはり将来は作家仲間に身を投ずる意志があるらしかつた。
- 1256 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 20:38:20.00
- 信子はこの従兄の大学生と、昔から親しく往来してゐた。
- 1257 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 20:49:53.36
- それが互に文学と云ふ共通の話題が出来てからは、愈親しみが増したやうであつた。
- 1258 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 21:01:23.98
- 唯、彼は信子と違つて、当世流行のトルストイズムなどには一向敬意を表さなかつた。
- 1259 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 21:35:56.91
- が、彼女は怒りながらも俊吉の皮肉や警句の中に、何か軽蔑出来ないものを感じない訳には行かなかつた。
- 1260 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 21:47:28.07
- だから彼女は在学中も、彼と一しよに展覧会や音楽会へ行く事が稀ではなかつた。
- 1261 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 21:59:02.16
- 尤も大抵そんな時には、妹の照子も同伴であつた。
- 1262 :風の谷の名無しさん:2018/06/21(木) 22:10:33.18
- 彼等三人は行きも返りも、気兼ねなく笑つたり話したりした。
- 1263 :1001★:Over 1000 Comments
- このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
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