妖精帝國 35

ななしいさお＠オマエモナゆりかご会

妖精帝國のライヴ「式典」では、独特なパフォーマンスがある。
ヴォーカル「妖精ゆい様」が男のファン「臣民」をステージに呼び込み、
男根を食いちぎるのだ。

ゆい様の号令で、下半身裸の臣民たちが一列に並び、順番に
股間を差し出すのだ。モノを露出させたファンのそれを、
ひざまづいたゆい様が咥える…一瞬、エロチックなものを感じる
のだが、その印象はすぐに阿鼻叫喚へと変わる。

目をギラつかせたゆい様が、鬼の形相でモノを噛み千切るのだ。
「うぎゃああああああ！！！！！」股間から出血し、その場に
倒れこむファン、いや臣民。

「次！」「よ、よろしくお願いします」「うわああああ！！！！」「次！」
一体、何がおこっているのか理解できず、頭の中が真っ白になる。
ふとステージに目をやれば、血まみれの股間を押さえうずくまる者、
その場に倒れこむ者、中腰のまま耐える者…

そんな光景がしばらく続いたと思ったら、式典は唐突に終わりを告げた。
ゆい様以下バンドメンバーはいつの間にか消え、灯りがつき、ステージ上
には血の海が…どうやら股間を噛み千切られた臣民たちはすでに救急車
で病院に搬送されたと言う。

そんな恐ろしい行為だが、なんと志願者が後を断たないと言うのだ。
志願制だったことも驚きではあるが、それを望む者がいることはもっと驚きだ。

最近、バンドのメンバーが2名増えたことをご存知だろうか？その理由は、
以前からのメンバーである橘尭葉の股間にあるというのだ。
橘は最初にモノを食い千切られた男であり、以降はまるで宦官のようにゆい様に
仕えてきたが、ゆい様がさらなる奉仕を求めた結果、2名を加入させたと言うのだ。

そんな2人の股間も、当然のように何もない…なんとも理解しがたい世界である。