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【TRPG】ギルドアドベンチャー【ファンタジー】

1 :メルティ:2014/03/21(金) 05:35:35.83 0.net
ジャンル:ファンタジー
コンセプト:何でも屋ギルドの一員となって冒険
期間(目安):シナリオによりけり
最低参加人数:3
GM:あり※シナリオを担当したい場合は交代します。
決定リール:あり
○日ルール:七日
版権・越境:ナシ
敵役参加:基本ナシ
避難所の有無:あり

この王国には金さえ払えば何でもやるギルドがある!
ベビーシッター!ハイッよろこんで!
輸送車の護衛!まかせとけ!
ダンジョン攻略!合点だ!
夕飯の支度!カレーでいいじゃん!
暗殺依頼!・・・そういうのはちょっと

とにかく、汚れ仕事以外なら何でもやるギルドが存在する。
その名も何でも屋ギルド「銀の杯団」!
ここで君は平凡からかけ離れた日常を送ることになるだろう

ギルドアドベンチャーここに開幕!

404 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/02/18(水) 23:09:46.12 0.net
 メアリが喜々として持ってきた本を見て、フロウの顔から血の気が徐々に引いていく。
こういう場合、子供が自信満々に持ってきた物に間違いはない。基本的に。
 取水亭に戻ってきた際に案の定絵本のコーナーへ向かい、通り過ぎて更に
奥へ行ったので妙だとは思っていたのだが、疑念が解決するのと入れ替わりに
判明した現実に気が遠くなったのだ。

『運命の女神ノルン』 各神話において看板となる三人娘ならぬ三人女神の一つである。
高位の神官が実際に神々と邂逅を果たすことは珍しいことではない。それどころか
様々な宗教が存在しているのは、本当に人間が色々な神様と出会ったせいである。

一説にはやり口が似ているため同一神と見なした神官が不敬として「バチ」を当てられたというものがある。

「はは、なるほど……これはたしかに……」
 乾いた笑いがフロウの口から溢れた。元は三人で、今は双子、大勢の妖精の仕業を
たったそれだけの人数でこなせる力、辻褄は合う。元より事件の理由は神のみぞ知るというわけだ。

405 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/02/18(水) 23:22:37.97 0.net
さて、一応これでも取水亭はフロウの根城であり、取り扱う書物にも一通り目を通してある。
これにも辞書を片手にではあるが読んだことはある。が、内容はうろ覚え。
 まさかここで要求されるとは思っても見なかった。彼は棚から辞書を幾つか持ってくると
『運命の女神ノルン』と併せて調べていく。

「魔法文字の書物は一般向けじゃない分稀少でしてね、しかも学術書でもないということで
買い取らせて頂いたのですが……どれどれ」
 単語の辞書と文法の辞書に首っ引きとなる。

「エアハルトさんもお願いします。翻訳と校閲は両輪の輪ですから。ああ、でもなるべく
通しで読んではいけません、どこが呪文になっているかも分かりませんからね」

エアハルトに注意と助力を呼びかけながら、フロウは作業に取り掛かった。

【知識60+辞書+5=65で判定】

406 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/02/18(水) 23:23:53.93 0.net
「あれ?前こんな文章だったっけ?」
 読むのにはけっこう時間がかかりそうである。

407 :ティア ◆zlaomeJBGM :2015/02/21(土) 23:49:08.12 0.net
さて、今からティアが行おうとしていることははっきり言って分の悪い賭けだ。
しかし気になってしまった以上、頼りない保険程度に事をこなして行こうと決めて。
晩のうちに一通りの仕込を終えたティアは、樹に寄りかかって目を閉じていた。

とはいえ如何せん条件が悪い。
まず、ピクシーが上手くこちらに来てくれなければならない。
メアリとフロウは苦も無く遭遇したが、次もそう上手くいくとは限らない。
次に、ピクシーに悪戯に恐怖を植えつけてはならない。
ピクシーたちが出て行ってしまいかねないから。エアハルトの気遣いはここでティアの負荷となる。
最後に、手際よくやったとして目標が現れるかが判らない。
そもそもからして正体不明、考えなど見透かせるはずも無いのだ。

かといって今更退くわけには行かないのも事実で。
トラップを仕掛けてしまった以上は消化しなければならない。後続による事故を防ぐために。
夜通しの作業の疲労を一身に受けつつ、寝てしまわない程度に意識を薄れさせた。

408 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/02/22(日) 11:10:58.57 0.net
全員で報告し、話し合った翌日。
帰ると決めたら俄然姉が心配になってきたエアハルトは、メアリとフロウよりも一足早くギルドの自室に戻っていた。

「……やっぱり、一度も帰ってない」

予想はしていたが、自分が出て行った後、同室の姉が部屋に帰ってきた痕跡はない。
きっと今も研究室に缶詰なのだろう。食事もろくにとっていないに違いない。
毎度の事ながら、研究に対するその執念に心底呆れると同時に、もう一周回って感動すら覚える。
エアハルトは大きなため息を吐きつつ、市場で買ってきた食材を手に朝食の準備を始めるのだった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「元は三人で一つの双子?」

エアハルトの作った粥をモグモグと租借しながら、エメラルダは頭に疑問符を浮かべ首をかしげる。
エメラルダが研究室から離れるのを嫌がったため、今は研究室の一角でのお食事タイムだ。
話し合い(という名の兄弟喧嘩)の末、食事をとり、区切りが付きしだい睡眠を取るということで落ち着いた現在。
エアハルトは自身も同じ食事を取りながら、牧場でのあらましを簡単に説明した上で、問題にあがった双子についてエメラルダに心当たりがないか尋ねていた。

「ふぅむ。ミルクで働く妖精ならブラウニーとかが思い当たるが……。三つ子や双子というだけなら、それこそいくらでも逸話があるしなぁ。
妖精ならばアロエの三姉妹とか、小人であればルーベンスのイタズラ双子なんてのもあるな。
三つ子から双子になるというと、ガンブーダ神話のワリウスか?いや、あれはたしか最後にはみんないなくなるんだったか」

行儀悪く匙を口にくわえたまま、エメラルダが次々と自身の記憶にある知識を口にする。
それを聞きながらエアハルトはそのあまりの候補の多さに腕を組んで唸った。

「つまり、心当たりが多すぎて特定することは難しい、と」

「まぁ、ぶっちゃけて言えば無理だな」

特定は不可能という返答を受け、とうとう頭を抱えてしまったエアハルト。
そんな弟の姿に今度はエメラルダが呆れたようなため息をつく。

「そもそも、お前が妖精に遭遇したわけじゃないんだろ?そんな少ない手がかりで何かわかるはずもないじゃないか」

「うぅ。姉ちゃんなら何かわかるかと思ったのにぃ」

手がかりをつかむために戻るといった手前、収穫なしでは気まずいことこの上ない。
未練がましく、せめて膨大な候補をメモに書きとめようとするエアハルトに、エメラルダは変わりに何か役に立つものがあっただろうかと辺りを見回した。

【アイテム入手判定 使用ステータス:(エアハルトの幸運+エメラルダの知識/2)=(55)】

409 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/02/22(日) 11:27:03.37 0.net
【アイテム入手判定 失敗】

辺りを見回したエメラルダの目に映ったのは、今回の実験で使えそうな素材をほぼほぼ使い切った研究室の姿だった。

「……あきらめろ」

エメラルダはそう声をかけると、うんうん唸るエアハルトを尻目にのんびりと食事を再開した。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

結局、メモが二頁目に移った辺りからその無謀さに気付いたエアハルトはメモを取ることをあきらめ、仲間には手がかりをつかめなかったと潔く謝ることに決めた。
そんな情けない決意を固めつつ、メアリとフロウがいる取水亭へとやってきたエアハルトは、店の奥まった区画で二人の姿を発見した。
ちょうどメアリが目的の本を探し当てたところだったらしく、ニコニコとフロウに向かって本を掲げている。
二人と挨拶を交わし、エアハルトも本の絵柄を確認して――驚きに目を見開く。

「え、これって神話の?」

幼いころに読んだことのある御伽噺。
そこにでてきた三人の女神と同じような姿が描かれた表紙をみてエアハルトは固まった。
謎の正体が予想外に大物すぎて、そんなことがあるものなのかと、おもわず元聖職者であるフロウを窺う。
が、顔を青ざめさせながら乾いた笑いを溢すフロウの表情から、それがありえることであると知ったエアハルトは、自身も腰が引けた様子でその本を眺める。
魔法文字で書かれているらしいその本の内容はさっぱり分かる気がしない。
しかし、辞書を取り出して翻訳にとりかかるフロウからの要請に、そうも言っていられなくなった。

>>「エアハルトさんもお願いします。翻訳と校閲は両輪の輪ですから。ああ、でもなるべく
通しで読んではいけません、どこが呪文になっているかも分かりませんからね」

「は、はい。わかりました」

わからないとはいえ、理解する努力はするべきだろう。
どこかが呪文になっているかも知れないというフロウの言葉にびくびくしながら、エアハルトも辞書を片手に本と真剣に向き合った。

【解読ロール 知識(50)】
【慣れない文字と作業のため辞書を使いこなせず補正はなし】

410 :GM(林) ◆IC7RKFJkf6 :2015/02/22(日) 22:53:50.32 O.net
「やめて!」
「嫌だよ、嫌だよ!」
「焼かないで!」
準備をすませたティアには、何もない場所から声が聞こえただろう。
それはまさに仕掛けを使う寸前、三人分の女の子の声だ。
「お願いだよ、牧場をダメにしないで」
「お願いだよ、動物をいじめないで」
「お願いだよ、ここから追い出さないで」
三人は心配している、誰でもそう感じただろう。
エアハルトの心配は、杞憂だったのかもしれない。

411 :GM(取水亭) ◆IC7RKFJkf6 :2015/02/22(日) 23:11:33.18 O.net
運命の女神ノルン、複数形ではノルニルと呼ばれる彼女達は三人で一揃いである。
長女のウルドは過去を司り
次女のヴェルダンディは現在を司り
三女のスクルドは未来を司る
しかし、ノルンは善きノルンと悪いノルンがいる。
そう、彼女達は一人しかいない神ではなく、あまねく神々の血筋のなかにいる、何族とも限らない存在なのだ。
ただ、彼女たちにはムラがあるのは確かだ。極端によい人生、悪い人生を歩ませるのはノルンの気まぐれにも近い。
実際に出会うことなどそうはないだろう、だがもしも出会いたいならば世界樹にまつわるものを…トネリコを手に歩むとよい。

412 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/02/22(日) 23:33:59.22 O.net
「二人ともすごーい!」
未だに一人、事の重大さを理解していないメアリは二人がかりの解読に目を輝かせていた。
彼女にとっては人間以外は恐怖の対象になっていない、それは間違いだと気づくのはいつになるやら…
「でもなんで今は双子なんだろ?不思議だよねえ?」
三人で一つなはずなのに今は違う…そこは、実際に会わなければわからないのだろうか。
会うために必要なのは、トネリコ。
葉にしろ枝にしろ、魔術では有名な物らしいが、さて、売っているだろうか?
もしくは採集でもいいかもしれない、どんなものかわかれば探し出せる。
だんだんワクワクしてきたメアリは、そわそわと二人の行動を待つのであった。

【二人の判断についてゆく】

413 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/02/24(火) 23:29:37.63 0.net
「そうですねー、不思議ですねー」
 上の空で相槌を打つフロウ。一つ分かることはトネリコを手に入れて牧場に戻ることなのだが、
大丈夫だろうか。何がとはっきり形にできない漠然とした不安が思考を追い出す。

「ともかく、こほん、トネリコですか。この街でも探せば木の一つや二つ見つかるでしょう。
もしかしたら牧場の近くにもあるかも、トネリコを加工したものなら店で売っている
物があるでしょう」

 心当たりは主に魔法の杖だ。使う木材によって性質が微妙に異なるため、杖選びは
魔法使いにとって付いて回る問題だ。言い換えれば魔法使いの店やギルドの同業者を当たれば
見つかるはず。しかし……

「私は街の中を探して見ます。メアリ、あなたには牧場に戻って欲しいのですが」
 嘘ではない。彼に悪意や敵意がないとしてもバチを当てられてしまう可能性があるのだ。
もちろん本当に神様がいればの話だが、いたらいたときの危険を考えないといけない。

「エアハルトさんにはこれをトネリコの探索を手伝っていただきたい」
 そう提案してからもう一度、『運命の女神ノルン』 を見る

「他にあれば、今のうちに洗い出してしまいましょう」 
最後まで読んだほうがいい気がするがそんな時間はなさそうだった。

414 :ティア ◆zlaomeJBGM :2015/02/26(木) 02:47:09.74 0.net
ティアはピクシーの声を認め、ピタリと動きを止めて振り返る。
牧場を、動物を傷付けてくれるなと。ピクシーたちは確かにそう言った。

思えば仲間たちが次々に飽きていくなかで、力及ばずとも留まった三匹なのだ。
施しへの義務感や使命感だけではやっていけない。そこには愛着か、類する感情があったのだろう。
そう思い至ったティアは微笑を浮かべた。牧場の主と、エアハルトに向けて。
無用な心配だったな。『妖精さん』たちは居なくなったりはしなさそうだぜ?

「そう逸るな。何も牧場をどうしようって訳じゃあ無いんだ。
 お前たちが心配するようなことは何も無いんだから」

その微笑をそのまま、ティアはピクシーに向かい合う。
もちろん計画を取り止めたのではない。理由の一つは会話によってピクシーをこの場所に縛るため。
そして次にピクシーの心に隙を生み、精神的負荷を増大させるため。
一度目にした希望を、奪い去ってやることによって。

「そもそも俺にとってもな、あの牧場はお得意先だからな。
 無為に手を出す理由もない。ただ......」

浅く積まれた干し草。薄く振り掛けられたウィスキー。
そして手にした発火晶。後ろ手に隠し持ったそれを落とし、踵で後方へ蹴りとばす。
森にある木々は生きている。多少炙られたところで延焼などしない。
ただ見た目大きく燃え広がる、炎の壁を産み出すに過ぎないのだ。

持続は一瞬。その一瞬で与える精神的負荷で、事の成否は変わる。
もっとも『双子』の気まぐれの方が重要な要素ではあるだろうが。
逃れられぬと錯覚させた炎の壁の中、ターゲットは顕れてくれるだろうか。

「...ちょっとばかし、囚われて貰うだけだからさ。」

アルコールと枯れ葉が火炎を受けて、林の昼時を橙に染めた。

415 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/02/26(木) 23:58:32.15 0.net
なんとか翻訳に成功し、女神に関する情報を知り得たものの、まだ疑問が残る。

>>「でもなんで今は双子なんだろ?不思議だよねえ?」

そう、なぜ今は双子なのか?
ノルンとは三人で一揃いの女神のはずだ。本の内容にも、双子の場合があるなんてことは書かれていない。
この差によってなにが起こりえるのか。
エアハルトには考えも付かない。が、恐れていることはある。

「今回の件に関わっているのは、善きノルンと悪いノルン、どっちなんでしょうか?」

妖精達に協力したことから善きノルンの方なのだろうと思いたい。
牧場の一件は、三人揃っていなかったせいで本来の力が出せなくてあんなことになったのだと。
しかし、もし悪いノルンが親切のふりをしてイタズラ半分で混乱させたのだとしたら。

>>「私は街の中を探して見ます。メアリ、あなたには牧場に戻って欲しいのですが。ティアが危ないかもしれない」

フロウの言葉にエアハルトもうなずく。
一人牧場で実験をしているティアは今回の原因の正体をしらない。なるべく早く伝えたほうがいいだろう。
そしてエアハルトはフロウと共にトネリコを入手し後から追いかける。

「トネリコなら姉の使う素材を買いに行ったときに素材屋でみたことがあるので、そこを当たってみます!」

急いで出かけようと焦るエアハルトだったが、『運命の女神ノルン』を見るフロウの言葉にしばし考える。

>>「他にあれば、今のうちに洗い出してしまいましょう」

「なにか、女神に気に入られる方法とかアイテムって、ないですかね?」

【解読発見ロール 使用ステータス:(知識+幸運)/2】
【判定値:(50+10)/2=30】

416 :GM(林) ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/01(日) 00:34:37.18 O.net
枯れ草に火がつき、アルコールで燃え上がるのは一瞬のはず、だった。
なのに上がった炎は固形のように固まり、風すら吹かない。
なんの声も聞こえぬ中、ティアは自分の罠が予定以上に危険を生んだと気づいただろう。
何もかも動かない世界が出来上がっていたのだから…
しかし、遠目には動く動物や流れる雲が見えた。
ここだけが、止まっている。
「「…生意気な人間、大嫌い」」
無限にも思える時の中、突如現れた人…いや、双子らしき少女は、冷淡な声で告げた。
「「…殺しちゃおうか」」
そして、一人が手を上げた…
…しかし、そこへ駆け付けた者がいたのだった。

417 :GM(街) ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/01(日) 00:39:04.76 O.net
結局、本からわかったことは、今いる双子とやらが、現在と未来を司る者だろうということだった。
うまくトネリコを手に入れ、双子を無条件で呼び出した上で拘束…出来るのかは不明だが、何かしら屈させる事で止められるだろう。
もしくは枝の力で長女を見つけ出すことも、また解決になるだろう。
なんせ長女ウルドは過去を司る。彼女ならば双子の力に逆らい、止めることが出来るのだから。
…なんにせよ、トネリコが必要だ。

418 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/01(日) 00:51:35.38 O.net
エアハルトから受け取った小さな袋を持ち、メアリは走っていた。
中身は魔力入りのラピスラズリと補強のクリスタル。なんでも怒りなどを払いのけ、危険を回避してくるらしい。
獣人の本気の走りは、牧場、ひいては林まであっというまに辿り着くレベルだった。
だが、肝心のティアが見つからない。近くにいた匂いだけ感じるのに、姿が見えない。
焦って予定していたはずの罠の近くへよるが、途中で異変に気がつく。
匂いが、つまりは風の流れがおかしい部分がある。
そこから全てが切り取られたかのように、何も感じられない。
「…ここ?なら!」
臆すことなくメアリはその空間へ飛び込む。それと同時に、袋の内側から目映い光がほとばしり…何かの砕ける音がした。
そして、光が落ち着いてから見えたのは、呆然としたティアと、燃え付きそうな火だけだった。

419 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/03/02(月) 22:04:06.53 0.net
メアリはエアハルトから僅かな宝石を受け取ると、取水亭を飛び出していった。
本を急いで流し読みして「喜ぶ」や「笑う」といった類の表現を探し、その前後の名詞
から割り出した物だ。初めてのことに対してどこまで効果があるか分からないのが世の
常とはいえ、今は信じるしかない。

「さあ、次は私達でトネリコを持っていきましょう!」
>>「トネリコなら姉の使う素材を買いに行ったときに素材屋でみたことがあるので、
そこを当たってみます!」
 空元気で己を奮い立たせるフロウに、エアハルトの頼もしい言葉がかけられる。

「私も他の団員に聞いたり、お店を当たってみますね」
 そう言うとまた牧場で落ち合おうと決めてから、二人は別れた。

(有れば有るにこしたことはないけど……)
 フロウはエアハルトの姉、エメラルダのことを思い出していた。彼女の性格を考えると、材料
は商いのために仕入れたものではないだろう。あるものは順番に全部使う人間のように思える。
つまり、楽観視はできないということである。

(しかし)
 そこまで考えて、フロウは自分の中に強い好奇心が湧いてくるのを感じた。神官を務めて数十
年、お世辞にも徳が高いとは言えない自分が、まがりなりにも神と会えるかもしれない。そう考
えると不謹慎であるとは分かりつつも、逸る気持ちを抑えられないでいた。

(……やぱり会ってみたい。本当に神様だというのなら)
 ギルドの中を、小さな人影が走った。

【ここで判定:容姿+いいひと:達成値95】

「すいません!ちょっといいですか!」

420 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/03/02(月) 22:11:18.60 0.net
フロウはカウンターにいた副団長マックスに声をかけた。単刀直入に用件を伝え、
トネリコが使われたアイテムの貸してもらえないかを頼んだのだ。

マックスはカウンターの奥に引っ込むと、トネリコで作られた木靴を持ってきた。
「ありがとうございます!お借りします!」
ひったくる様に木靴を掴むと、フロウは牧場へと向かった。

421 :ティア ◆zlaomeJBGM :2015/03/03(火) 21:31:04.16 0.net
橙の光が四方から肌を照らす中、ただ自身の心音のみが聞こえる空間。
胸元の秒針さえも音を刻むことはなく、しかし固まった陽炎の向こうで靡く葉が覗く。
異質。即ちシナリオ通り。既知たる未知との遭遇に、ティアはダガーに手をかけて待った。

「逢いたかったぜ......『双子ちゃん』」

どうやら相当な情をピクシーに傾けているようだ。少し煽れば出向いてくれる。
だが、ここからがティアの計算ミスだった。彼女たちはあまりにピクシーに関心が強すぎた。
ティアの前には怒りをもって顕れ、一方的な態度を以て接触したのだ。
引きずり出しさえすれば対話に持ち込めると高を括っていたティアは、そのズレを認識するとダガーを抜いた。

それは、圧力だった。
敵対して初めて、ティアは彼女たちの雑じり気のない殺意に触れた。
止まった世界のなかで右頬を一筋の汗が伝って落ちて行く。
殺しちゃおうか。いっそ無邪気なその言の葉に緊張が張りつめたその瞬間。

世界がひび割れる、そんな光景を幻視した。

422 :ティア ◆zlaomeJBGM :2015/03/03(火) 21:45:20.67 0.net
砕け散った世界に残ったのは、ティア自身と燻る橙のみだった。
秒針の音も小鳥の囀りも甦るなか、先の光景には無い違和感を見つける。
見れば小さな麻袋をもったメアリがどこか夢心地な視線でこちらを見ている。
とにかく彼女の乱入のせいか否か、『双子ちゃん』をひとまず撃退したようだ。

「あー......」

行き場を失ったダガーナイフの切っ先をあてどもなく彷徨わせ、何事もなかったかのように鞘へと納める。
ばつの悪そうに頭を掻いて浮かんだ思考。それは時計がズレたのを直さなければ、などという栓ない事だった。

「逃がしたか」

違う。逃がされたにすぎない。とてもじゃないがあの二人を押し止めることは出来なかっただろう。
それほどまでの威圧だった。気づかぬうちに入っていた力がふと抜けていくのを感じた。
そのまま草地に腰を落とす。気もそぞろ、メアリも意識に入らずティアは次を思案する。
結果だけ見れば前向きと言えるが、要は彼は動転していたのだ。動き出した世界が鼓動を加速させたかのような錯覚を覚える。
誰に語るでもなく、ティアは表向き平然と、心の裏では呆然と。目を見開いてただ座り込んでいた。

423 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/03/04(水) 15:18:55.97 0.net
二人と別れた後、エアハルトは急いでなじみの素材屋へ向かった。
街中を走りぬけ裏通りにある一軒の店舗に駆け込む。
ドアに来客を告げる呼び鈴はなく、乾いた開閉音だけが店内に響く。
エアハルトは全力で走ったことで上がった息を落ち着かせながら、辺りを見回した。
店中至る所に張りめぐらされた紐には干した木の根や草花が吊るされ、棚には瓶詰めにされた魔物の爪や鱗、色とりどりの鉱石などが所狭しと並べられている。
魔術や錬金術に使う素材から用途のわからない珍品まで、各種雑多に取り扱っているこの店は姉(エメラルダ)のお気に入りだ。
カウンターに座って記帳していた女性が、エアハルトに気付いて声をかける。

「やぁエアハルト。今日はどうしたんだい?ずいぶん急いでいるようだが、また姉さんに無茶言われたのかな?」

「あはは、今日は姉の用事ではなく個人的に探し物がありまして。トネリコって今あります?切り出した枝でもなんでもいいんですけど」

【物品購入ロール 使用ステータス:幸運(10)】
【補正:+5 なじみの店。多少は融通を利かせてくれるだろう】

424 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/03/04(水) 15:19:54.48 0.net
【物品購入ロール 失敗】

「トネリコかぁ、悪いけど今ちょうど切らしてるんだよ。あと三日くらいしたらそれ系の素材が入ってくる予定なんどけど……」

申し訳なさそうに言う女性。
エアハルトは当てが外れて残念に思うも、すぐに気を取り直し笑顔で返す。

「そうですかぁ、じゃあ結構です。また今度寄らせてもらいますね」

店員の見送りの言葉を背にその場を後にする。
ティアとメアリの身が心配なため、あまり時間をかけたくはないが、フロウが無事にトネリコを手に入れられているかはわからない。

「ギリギリまで手当たり次第に店を回るか……」

エアハルトは次の店へと駆け出した。

【スキル発動:『折れない心』1シナリオ中1回のみ、幸運判定をやり直すことができる】
【物品購入ロール 使用ステータス:幸運(10)】
【補正:+10 直前の連続購入失敗回数=1回】

425 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/03/04(水) 15:20:30.24 0.net
【物品購入ロール 失敗】

「ここも駄目、か……」

エアハルトは店から出るとがっくりと項垂れた。
あの後、トネリコを扱っていそうな店を数件回ったが、どこも品切れだったのだ。

「仕方ない。もう時間も経ったし、牧場に行かなくちゃ」

エアハルトは自分の運のなさを嘆きながらも牧場に向かって走り出した。

426 :GM ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/06(金) 13:39:53.10 O.net
神、それは一言で表せないほどの性質や意味、力があるだろう。
それでも多くの者は言う、神なんて敵に回したくない、と。
…今回ティアは難を逃れた、だが二度目はあるだろうか?
四人は考えなくてはいけない、神と呼ばれる存在とどう相対するべきか。
手段としては逃げることも間違いではない、誰も臆病者と笑うことなどない。
さあ、どんな道を選びとる?
きっとこれが、最後のチャンスだ。

427 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/06(金) 13:49:33.97 O.net
ぎゅーっ!
と擬音が聞こえてきそうなほどに、メアリはティアに抱きついていた。
結果的になんとかなったようだが、もしかしたら、間に合わなかったら?
「…良かったよぅ…」
涙目でしがみつくメアリにも、一瞬恐ろしい圧力が感じられていたのだ。
しかし何時までもしがみついてはいられない、ティアに引き剥がされたメアリは、身長さですっかり持ち上げられてしまう。
ぱたぱた、と手足をふりながら、取水亭で聞いた話を伝えた。
「それで、ティアが危ないかもしれないから、ってあたしだけ先に来たの。二人ももうすぐ来るだろうし、一旦戻って話そう?」
最早粉が入っているに過ぎない袋を振りながら、彼女にしては一般的な提案をしたのであった。

428 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/03/07(土) 22:55:31.84 0.net
「なるほど……危機一髪でしたね」

 時は移ってフロウたち一同は合流した後、牧場の一室にてティアたちから報告を受けたところだった。
やはり相手は本物の女神だったようで、メアリを先行させたのは正解だったようだ。嬉しくない。
ついでに取水亭で分かったことをティアに伝えた。

「そうそう、こちらも一応探し物が見つかりまして……よいしょ」
 そう言ってカバン(これも借り物)から何足かの木靴をバラバラと床に放り出す。
未舗装の敷地やぬかるみで何か工作をする際に、滑り止めとして木靴を用意している団員が思いのほか
多かったことが幸いした。この数日は雨も降らず誰も使っていなかったので借りられるだけ借りた。

「使い方は分かりませんが、とりあえず後でお爺さんに履いてもらいましょう」
 そこで一度言葉を切ると、彼は一度外を眺めた。眉間を軽く揉んでから、神妙な面持ちで切り出した。

「で……機嫌を損ねたノルンの件ですが、一応対処の方法がないわけでもない」
 良いノルン、悪いノルンの判断はこちらに非があるあるため判断に困るが、敵対しつつあるのは確かだ。
しかしフロウは元神職である。こと神様へのアプローチに関しては覚えがあった。

「古来より神様には三つの倒し方というものがあります。今回はそれを全てこなした上で、
正直に事情を話し、牧場主のお爺さんに私たちをフォローしてもらうことで勘弁して頂くのが上策かと」

429 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/03/07(土) 23:04:57.34 0.net
そこで指を一本立てる。

「まず……謝り倒す!意地も体面もかなぐり捨てて、有無を言わさず謝ります!」

そこで指をもう一本立てる。

「次に……褒め倒す!神様ですから何でもいいです、息も吐かせず褒めちぎります!」

そこで指をもう一本立てる。

「最後に……拝み倒す!万一邪神だったとしても勝手なご利益を付けて祀り上げます!」

指を畳んで握りこぶしを作って、フロウは力説した。

「古今東西謙られて無事だった神様はいません!いざという時は、皆さんもこれを忘れないでください」
必死の形相で額に玉の汗を浮かべる神官の顔は真剣そのものであった。
彼の勤続年数に対して今一徳が低いのは、こういうものの言い方にあることを、彼は知らない。

430 :ティア ◆zlaomeJBGM :2015/03/12(木) 20:04:01.43 0.net
茫然自失のティアの意識をメアリの抱擁が呼び覚ましたあと。
湿っぽいのは性にあわないとばかりにメアリを抱えあげ、ひとしきり言葉を交わし。
フロウ、エアハルトと合流した先の部屋でまたげんなりとした気分になっていた。

「神か......あんなやつらが.........」

出来合いの罠に掛かる程度に短慮で、気に食わないと見れば殺しに掛かる程度に軽率で。
今なお人がこれだけ崇め奉る存在が、これ程までに単純な性質のものだったとは。

「いや確かに、威圧は半端じゃあ無かったけどさぁ...」

割り切れない感情を呟きながら、フロウの演説を聞く。
そして彼の言う『対処方法』に、再びもやもやとした感情を抱くことになるのだ。
謝って褒めて拝んでいれば機嫌を直すだって?
ある意味爽快なまでの単純さに、ティアは神へ幻滅を抱くことになるのであった。

「でもまあ、言葉も聞かずに殺しに掛かる連中だからな...
 実にシンプルな対応、それで十分なんだろうな。連中は」

兎にも角にもやるしかないのだ。少なくともティアの身は危ないのだから。
呆れると同時に、神と言うものの性格の明快さに心のなかで手を合わせて感謝したティアであった。

431 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/03/15(日) 01:54:23.63 0.net
結局トネリコを手に入れることができなかったエアハルトだが、フロウがトネリコ製の木靴を手に入れてくれたし、ティアも無事だったことに胸を撫で下ろす。
だが問題はノルンへの対処法だ。

>>「神か......あんなやつらが.........」

直接ノルンと相対したティアのげんなりとした様子で、遭遇した存在が、エアハルトが『神様』といわれて思い浮かべるような慈悲深く神々しいものではないことは容易に想像できる。
正直このままだと、たとえもう一度双子に会えたとしても無事でいられる気がしない。
どうすればいいのか悩むエアハルトだが、フロウの切り出した対処法という言葉に顔をあげた。

>>「古来より神様には三つの倒し方というものがあります。今回はそれを全てこなした上で、
正直に事情を話し、牧場主のお爺さんに私たちをフォローしてもらうことで勘弁して頂くのが上策かと」

「なるほど!確かに、彼女たちは牧場主さんに好意的な妖精に肩入れしてるわけですし、彼の言葉になら耳を傾けてくれるかもしれませんね!」

やっぱり神様相手に元聖職者は頼りになるなぁ、と思うエアハルトだが。続いて説明された対処方法に目が点になった。
――謝り倒し、褒め倒し、拝み倒す。
おもわず「え、倒すってそっち?というか、もうちょっとオブラートに包むとかごにょごにょ」とか思ってしまった。
思っただけで決して口には出さないが。

「な、なるほど。わかりました、肝に銘じます」

フロウの真剣な顔に、エアハルトも神妙な顔でうなずいておく。
そして、話を聞くうちに思いついたことを口にしてみた。

「双子のノルンに会う前に欠けた姉妹を探してみませんか?駄目元ですけど、もし見つかればこちらが有利になりますし」

まだ会ったことのない未知の存在だが、さっきの方法で頼めば協力してくれるかもしれない。
あまり期待はしない方がいいかもしれないが、成功する可能性があるのならやってみても損はないだろうと考えたエアハルトは、みんなにそう提案するのだった。

432 :GM ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/15(日) 12:43:08.50 O.net
双子への対応が、なんとなくだが決まりそうになったとき、窓から音が聞こえた。
「「「助けてよう…」」」
姿も隠さずに訪れたピクシー達、取り敢えず窓を開けて入れてやると、泣きながら話し出す。
「面白くないから壊すって」
「面白くないから殺すって」
「面白くないから消えろって」
「「「お願い助けて!」」」
わんわんと泣きわめくピクシー達、双子は妖精を助けたのではなく、暇を潰したかった…ただそれだけだったようだ。
ティアへの殺意も、思い通りにいかない人間に苛立ったからかもしれない。
しかし、だからといって動かないわけにはいかない。
三つの倒す、長女を見つける。今の四人にはそれしか手段はないだろう。
「私たちじゃここのお兄さんしか守れない」
「牧場も林も守れない」
「トネリコと魔法で呼べるだろうけど、怖くてできない」
そして、ピクシーの力もあるのだ。

433 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/16(月) 13:10:07.99 O.net
「な、泣かないで、大丈夫だよ!」
泣いているピクシーは、見ていてとても辛い気持ちにさせた。
一緒に楽しくお菓子を食べた仲だ、怖がっているのを見て何もせずにはいられない。
「やめてもらうよう言ってみるから!泣かないで、ね?」
人間ではないからか、直ぐに仲間意識を持ったピクシー達を助けたい。
そうでなくても可愛い子達や動物を苦しめるなんて許せない。
フロウの三つの倒すが通用しなかったら…その時は…
「…供物…」
自分に出来ることならなんでもしてみせようじゃないか。

434 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/03/18(水) 22:47:53.83 0.net
説明が一段落したと思いきや、運命というものは早くも次の一手を打ってくる。
フロウは部屋に雪崩込んできたピクシーたちと、もたらされた情報にぴたりとその動きを止めた。
時が止まったかのように微動だにしない。

(落ち着けフロウ。ここで慌ててはいけない。ある程度予想はできていたことだ)
彼は自分に言い聞かせる。このパーティは幸運の絶対量が絶対的に足りていない。
放置しておくと運命が雪だるま式に悪い方へと転がっていくのだ。追い詰められてもヘタれる
ことなく対処することが不運に飲み込まれない対抗策だ。

>>「トネリコと魔法で呼べるだろうけど、怖くてできない」

このピクシーたちの言葉から三人目の姉妹を呼ぶことはできる。
三人目の性格が分からないから不安だが、それでも呼んだ方がいいだろう。
女性が三人も集まれば表向きはどうあれ内心では必ず半目し合う。一人味方にできれば
かなり事情が変わってくる。

整理すると

・フロウの3倒を分担する人員を割り振る
・ピクシーたちを説得して三人目の女神を呼ぶ

(誰にどの役を任せるべきか……!)

435 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/03/18(水) 23:02:01.33 0.net
まず謝ること。これは自分が行くしかない。
他のメンバーを検討してみるが、まずティアは論外だ。相手の気性が荒いと
分かった今、逃げた獲物をもう一度放り込むのは無謀だろう。

エアハルト、メアリ両名は若すぎる。謝ることと逃げることを両立するのは
まだ難しいだろう。エメラルダのような性格なら場をややこしくして気勢いを
削ぐことはできただろうが。最悪途中で逃げ出すことになった際に、スムーズにそれが
できる図太さを期待するのは酷だ。

次に、褒め倒す
これはエアハルトだ。消去法で考えれば彼しか適任はいない。恐らく無茶ぶりされても
なんとか動けるのは彼だ、姉のおかけで変わった女性にいくらか慣れがあることを期待したい。

最後に拝み倒す。この段になってティアとメアリを秤にかけるとティアのほうが真実味が出せそうだが、
女神のイメージからメアリにひたすら拝んでもらったほうが危険は少ないように思える。

となればティアにはお爺さんを読んでもらい、事情を話してピクシーたちを説得してもらい
女神を呼んでもらうよう交渉役に当たらせるしかない。ピクシーたちとの確執はあるが、
それでもなんとかやってもらうしかない。

(こうか……!)
フロウは意を決して皆に向き直る。

436 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/03/18(水) 23:16:55.05 0.net
「皆さん、今から私の言うことをよく聞いてください」
 静かに、しかしよく聞こえるようにはっきりと言う。そして今考えた方策を伝える。


「……というわけでエアハルトとメアリは私と一緒に来てください。ピクシー、
できればあなた達の一人に案内をお願いしたい」

次にティアへと声をかける。

「ティア、あなたは依頼主をここに呼んで、それからピクシーたちが魔法で女神を呼ぶ間
彼女たちの護衛をお願いしたい」」

最後にピクシーたちを見る。

「ごめんなさい。知らなかったとはいえ、私たちが来なければあなた達を危険に晒すことはなかった。
厚かましいとは思いますが、今はこの場をなんとかするため、力を貸してはくれないだろうか」
そう言って深々と頭を下げる。

少なくともフロウには今はこれしか思いつかない。彼は久しぶりに心のどこかで何者かへと祈っていた。

437 :ティア ◆zlaomeJBGM :2015/03/22(日) 21:55:37.20 0.net
フロウが言った方策。それはティアの耳にも実に的確であるように聞こえた。
神経を逆撫でしかねない繊細な場面に対して、フロウの穏和な気質。
臨機応変を求められうる複雑な場面に対して、エアハルトの適応力。
ひたすらな無垢が必要な単純な場面に対して、メアリの持つ純朴さ。
ティアと『双子』の接触はタブーだ。この前提と方針において、ティアから言うことは何もなかった。

横目でちらりとピクシーたちを見やる。ティアと目を合わせた一匹はあからさまに縮こまってしまった。
狙って恐怖を植え付けたのだから当然の反応だが、これからのことを考えると不都合だ。
フロウの言うようにティアがピクシーたちの護衛に入る場合、ティアの存在そのものが障害になりかねない。
仮に今のフロウの言葉にピクシーが頷いたとして、それでうまくいくとはあまり思えなかった。

「ああ。行ってくる」

故に言葉少なに場を後にする。ここで交わす言葉に意味は無いだろう。
『期待を裏切る』ことで恐怖を植え付けたティアに、発するべき言葉は残されていないのだ。
たった三匹になってなお此処に居着いたピクシーたちの、牧場への感情の大きさを願い。
恐怖をより大きな目的意識で塗りつぶすべく、牧場の主の元へと駆けた。

438 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/03/24(火) 21:15:09.40 0.net
泣きながら飛び込んできたピクシー達の言葉に、理不尽な神に対する怒りがわいてくる。
面白くないから壊す、殺す、消えろだなんて。
きまぐれで自分本位なのは姉も一緒だが、さすがにこれは酷過ぎだ。
しかも、なまじそれを実行する力があるだけに性質が悪い。

>>「皆さん、今から私の言うことをよく聞いてください」

フロウの方針と対策を聞いて、それに賛成しながらもエアハルトは不安だった。
こんな、女神に対して負の感情を抱いている自分が、はたして役目を果たすことができるのだろうか?
だが、すぐに思い直す。
やれるか、ではない。やらなければならないのだ。
牧場主の男性を問い詰めたときの、彼の顔を思い出す。
彼には覚悟があった。
動物たちの異変をそのままにはしておけないと行動し、その結果、結末を受け入れる覚悟が。
そんな悲しい覚悟を決めさせるのが嫌で、寂しい結末なんて迎えさせないと、そうエアハルトは決意したのだ。
ならば不安だなどとは言っていられない。自分のできることを、全力でやりとげなければ。
今だぐずぐずと半泣きな妖精たちの様子を窺う。
双子の脅しに逃げることなく、牧場主のために行動した妖精たちならば、きっと協力してくれるだろう。

「とりあえず、これを食べて元気を出してください」

エアハルトは先ほど、これまでの報告をしていた際、口休めにとフロウからもらったお菓子を取り出した。
妖精を慰めているメアリも含めて、一人一人に手渡しながら言葉を紡ぐ。

「ここにいる人たちはみんな凄いんですよ。
メアリさんはすばしっこくて力持ちで、牧場の動物たちとも仲良しなんです。
フロウさんはとっても物知りな魔法使いで、生活に便利な魔法も沢山使えます。
ティアさんは凄く手先が器用で、君たちとは、まぁ色々あったかもしれないですが、本当は優しくて責任感も強い頼れる人です」

今回の依頼で初めて会った人たちだが、それでもエアハルトにとって、信用できる大切な仲間だ。

「みんな優しい良い人たちです。みんな、俺だって、この牧場が、牧場主さんが大好きなんですよ」

妖精の見た目が小さいせいで幼い子供に話すみたいになってしまったが、わかってくれただろうか。
これでこちらを好意的に見てくれたらいいな、なんて打算も含みつつ、それでも本心からエアハルトは言い募る。

「絶対に、俺たちがなんとかしてみせます。だから一緒に頑張りましょう」

439 :GM ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/25(水) 22:00:17.69 O.net
こうして三人は双子の元へ、ティアは依頼主とピクシーの説得へと動きます。

三人は一匹のピクシーを先頭に、双子に会えるだろう地点へ向かいました。
運が良いのか悪いのか、一瞬風が吹き抜けたかと思うと時の止まった空間に閉じ込められてしまいます。
三人は上手く「倒せる」のでしょうか?

一方、ティアの話を意外なほどにすんなり受け入れた依頼主は、ピクシーと対話をします。
そして、彼女達に女神の長女を召喚してもらうことななりました。

…呼び出した相手は双子より少しだけ年上に見える女性。
現れた瞬間
「申し訳ございません!」
…土下座をしてきました。
唐突すぎてついていけませんが、彼女はとにかく双子を止めにいきたがっているようです。
長女であるウルドは、双子よりは良い性格に感じられました。

440 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/03/28(土) 23:12:53.32 0.net
「では行きましょう」
 フロウはティアの後ろ姿を見送ると、残った人員を促した。

「彼は怖い人ですが、それは敵に対してです。もうあなた達に危害を加えたりはしません。
だから落ち着いて、魔法を使ってください」

 そうピクシーに言ってから、三人の内の一人に案内されて建物を出る。まだ目立った異変は見当たらない、
しかし空気が奇妙に張り詰めている。重く、それでいて押し退けるような緊張感がどこからか
伝わってくる。動物たちも静まり返っている。

(段取りは二人に伝えておいてはいるけど)
 フロウは不安だった。自分が謝罪している最中、相手の出方を伺い褒めるようエアハルトに、
女神を見つけ次第拝むようメアリにそれぞれ言い含んでおいた。だが、そのためには
フロウが先手を打てるかにかかっていたのだが。

(先に気づかれてしまった……!)
 違和感に気づいたのはピクシーが動きを止めたからだ。血の気が引いている。彼は辺りを観察し、そして
遠く見える海原を眺めて理解する。波が、いや、時が止まっているらしい。

と同時に、急に自分たちだけが空間ごとぶつ切りにして切り離されたことにより、フロウは奇襲して
出鼻を挫いて謝り倒すという淡い希望が失くなったことも理解した。

(もはや是非も無い……!)

 手にしていた装備を足元に置くと、彼は厳かな仕草でその場に正座し、膝のやや先に
三つ指をついて三角系を作るようにすると、その上に額を下ろして顔を大地に伏せる。

「申し訳ございません!」
 それは奇しくも今まさに依頼主たちの前に現れた女神ウルドと全く同じ姿勢。
謝罪という技術における奥義『土下座』であった。

「この度はうちの若い者がとんだご無礼を働きまして、本ッ当に申し訳ありませんでしたあ!」
 どこからこれだけの声が出るのかという程の大音声。まだ姿は見えていないが、見えてからでは遅い、
そう判断して謝る。せめてもの後の先、苦し紛れ。

「気をつけて!もう”います”!」
 ちらりと振り向いてエアハルトとメアリに小声で合図を出す。こうなれば無茶でもやるしかない。
三人の奇妙な戦いは始まってしまったようだ。

441 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/03/30(月) 23:25:29.80 0.net
>>「気をつけて!もう”います”!」

フロウの言葉に無言のまま頷きを返す。
時が止まった空間の中、その双子は気が付けばそこにいた。
――この二人が、女神ノルン。
どうやらフロウの謝罪は成功したらしい。
少なくとも、問答無用で攻撃してくる様子はないし、話を聞く態勢になっているようだ。
エアハルトは頭の中でスイッチを切り替える。
訳あって取得した対特定貴族用の会話術。それがエアハルトの知る中で最上級の目上の褒め方だ。
緊張のあまり喉が異様に乾く。
カラカラにはりついた口内を、唾を飲み込むことで無理矢理湿らせてから、エアハルトは口を開いた。

「お初に御目文字仕ります。女神様方の麗しきご尊顔を拝する機会を得ましたことに感謝を。また憐れな僕へ釈明の機会をお与えくださり、その寛大なる御心、感激に絶えません。
輝く美貌に慈悲深き御心、その上類稀なる御力までお持ちとは、貴女様方はまさに女神の中の女神であらせられる」

ここまで一息である。
大げさなまでの美辞麗句をならべたて、相手に息つく間をあたえない。
フロウにも事前に言われていたことだ。
褒めて褒めて褒めちぎる!

「その御力を持ってすれば、今までの奇跡の数々など、いとも容易いことなのでしょう。
流石は女神様方! 卑しい我が身にはどうしようもなかったことも、簡単に解決してしまわれる!
しかし、女神様方の奇跡は人の身には過ぎたる幸運。
ああ、どうか矮小なる身を憐れみ下さい!しょせん神の身技も理解しきれぬ愚物なのです!」

(意訳:牧場の動物に使った魔法とかマジパネェっす。俺たちにできないことを平然とやってのけるっ!そこにしび(以下略)
でも自分とか人って馬鹿なんで、凄すぎてドン引きっていうか?
あ、マジで凄いと思ってますよ? 思ってますけど理解できないアホなんです可愛そうなやつなんです仕方ないんです)

思い浮かべるのは姉の姿。女神に向かって、舞台役者のように身振り手振りで言い募る。
――エアハルトは、恥を捨てた。

442 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/03/31(火) 19:28:31.85 O.net
ちゃんと目にするのはこれで初めて、それでも異質な空気から、この双子が女神であることは確かだ。
フロウの謝り倒しとエアハルトの誉め倒し、それは有効なようで女神達は静かにこちらをうかがっている。
後は自分の番。
メアリは地面に膝立になり、両手を組んでお祈りのポーズをとった。
そして双子を見上げ、潤んだ瞳(恐怖で、だが)でうったえた。
「ああ…女神様、そのお力は時間を操り、運命すら変えるとお聞きしました!この牧場への…御利益も貴女様方のお陰なのですね。
どうかその守護を無知な人間達にも与えてくれませんでしょうか?
いえ、その姿をお見せするだけでも、人には栄えある光栄となるでしょう!
供物ならばまずあた…私を捧げましょう、どうか哀れな人々にお力を!」
拝むとは乞い願うこと、変わりに何かを差し出すこと…そう考えたメアリの精一杯の拝みだ。
神には捧げ物を、その考えは村にいた頃からあったから、だから自分に差し出せる一番の物を提示した。
フロウの言う拝み倒しになっているか不安で仕方ないが、とにかく祈りのポーズのまま敬い、願い続けた。

443 :ティア ◆zlaomeJBGM :2015/04/04(土) 02:13:26.67 0.net
説得に応じて3人目の女神を呼びにかかったピクシーたち。
ティアの姿が目に入ると気が散るだろうからと、木陰に身を隠しながら周囲を警戒し。
ひときわ光が強く瞬いたところで、顔を出して振り替えると。

>「申し訳ございません!」
「お、おぅ......」

最大級の平謝りでもって迎えられたティアは、引いていた。
一方的な癇癪を示した双子の女神とは別のベクトルで、ティアは再び神に幻滅することとなったのだ。
そんな思考を首を振って払う。出てきて早々に謝罪から入ったと言うことは...?

「...事情は知ってる、か。
 だったら話が早い、お宅の姉妹さんを手早く止めてやってくれ」

相手の腰が引けていることもあり、やや高圧的ないつもの話法でもって用件を伝える。
ここまで来ればティアに出来ることはないのだ。目の前の彼女に希望を託す以外には。

444 :GM ◆IC7RKFJkf6 :2015/04/04(土) 21:07:05.92 O.net
双子は、三人の言葉に興味を持った。
捧げる供物も甘美なものだった。
その命をもらい受け、人間を加護する。悪い話ではない…何故なら本来の仕事なのだから。
笑顔の双子は、魂を喰らおうと少女へ近づく。

しかし、空間が突如割れた。

「お止めなさい!愚妹達!」
三人目のノルン、ウルドだ。
ティアやピクシーもついてきている、いないのは依頼主だけ。
過去の力には、現在も未来もかなわない。
双子は、蒼白な顔をして震え出した…

445 :メアリ ◆IC7RKFJkf6 :2015/04/04(土) 22:23:03.45 O.net
双子が暗闇だとしたら、今現れた女神は光だ。
同じ見た目でも、彼女が威厳ある姿で歩くと力の差があるのだと感じる。
双子も怯え、すっかり人のように震えている。このあとに何が起こるのか、酷く怖がっているのだろう。
彼女達がしたことが、神にとってどの程度のことかはわからないが、良いことではなかった。
そういうことなのだろうと1人納得する。
「…女神様、ってこういう感じだよね」
土下座を見ていないからこその感想だが、知らない方が良いことだってあるのだ…

446 :フロウ ◆aGab3MEKhY :2015/04/06(月) 23:35:18.50 0.net
同じペースで謝ること2ループ。エアハルトとメアリの息継ぎやセリフの詰りに被せることで
実質彼だけ微妙に手番が多い。そして早3ループ目に突入しようというとき、動きがあった。
辺りの雰囲気から何かが近づいてきていることは分かった。二人の女神だろう。フロウは顔を伏せたままなので
その姿をまだ見ていない。

(ま、まだか……このままでは……!)
 後ろで二人の声が止んだことで、フロウも謝罪を止める。二人の命には代えられない。
彼は正真正銘”奥の手”の準備にかかる。額にびっしりと汗を浮かべたまま、魔力を急速に煮詰める……
女神の足音が耳元を通り過ぎた辺りで撃てるようになり、観念と覚悟が頂点に達したのと同時に、
初めて聞く女性の声と共に、空気に再び引き裂かれるような感触が伝わり、直後に風が戻ってくる。

ちらり、と、ここでフロウはようやく面を上げて彼女たちを見た。3人の女神、これがノルン。
長い神官生活で本当に神様を見るのはこれが初めてだった。

>>「…女神様、ってこういう感じだよね」
「ええ、どうやら皆さん、やり遂げたようですね」

 駆けつけた女神ウルドの助力を得たことで、フロウは大きく息を吐き出すと、その場に
へたりこんでしまった。何度目かの命拾いだが、何度経験しても慣れない。

「申し訳ない。できることなら、この牧場の方たちは見逃して頂きたい」
最後にそれだけを、両者に聞こえるように彼は呟いた。

447 :名無しになりきれ:2015/04/09(木) 23:51:27.85 0.net
ばーすたー

448 :ティア ◆zlaomeJBGM :2015/04/15(水) 00:04:29.77 0.net
平謝りの後に掻き消えるように居なくなった女性。
その行き先はほぼ確実に双子の女神の下だろう。
ここでの役目が済んだ今、ティアに取れる選択肢というのはあまり残されていなかった。
もとより、獲物であったティアが出向くと事態を混乱させかねないのだ。

「...これで、後は仲間がやってくれるはずだ。
 後は天に......いや、カミサマに身を任せるかな」

二人と三匹が取り残された空間で、投げやりにそう呟く。
一度突き放してしまった牧場の主を前に声をかけるのは、どうにも決まりが悪かった。
さらに一度脅したピクシーに労いの言葉をかけるのも、なんとも憚られるような思いだった。
あてどもなくこぼした言葉は、誰に向けるでもなく消えていく。
誰とも目線を合わせぬまま、それで居てその場を動くこともないまま。ティアは不釣合いな居場所に頭をかいた。

449 :エアハルト ◆Sg5djUdds2 :2015/04/16(木) 12:38:37.54 0.net
ノルン三姉妹の長女ウルドが現れたことによって状況は一気に変わった。
エアハルトはくずおれそうになるのを堪えてゆっくりと詰めていた息を吐き出す。
そっとメンバーを見回すと、それぞれ大なり小なりほっとしたような表情を浮かべていた。
メアリが自身を差し出すと言い、それに応えるように双子が手を伸ばしたときには肝が冷えたが、なんとか全員無事にすんだらしい。
長女に怯え、震えている双子を見る限り、これ以上被害がでることはないだろう。
敵(?)の敵は味方だ。一概にそうといえない場合もあるが、今回はそれでいいはずだ。

≫「申し訳ない。できることなら、この牧場の方たちは見逃して頂きたい」

緊張から解放された影響か、ぼんやりと周囲の会話を聞くともなしに聞いていたエアハルトは、フロウの言葉に慌てて自身も言葉を続ける。

「お手を煩わせたことはお詫びいたします。ですが、私たちも必死だったことをご理解いただきたい。なにとぞ寛大な御沙汰を。
 そして叶うなら、牧場主やピクシーや動物たちを以前のような穏やかな暮らしに返してあげてください」

長女が善きノルンであることは感じる。
だがどの程度こちらに協力してくれるかはわからない以上、最大限下手にでておくにこしたことはないだろう。
エアハルトは上げていた頭を再び深く下げて懇願した。

450 :GM ◆IC7RKFJkf6 :2015/04/16(木) 13:56:57.69 O.net
>>「申し訳ない。できることなら、この牧場の方たちは見逃して頂きたい」

>>「そして叶うなら、牧場主やピクシーや動物たちを以前のような穏やかな暮らしに返してあげてください」

「いえ…謝るべくは私達です。修行中の身でありながら、好き勝手に力を振るうなど…詫びて詫びきれるものではありません」
凛とした声で告げ、深く頭を下げ謝罪の形をとるウルド。
双子も苦々しい顔をしながらも、それに倣う。
「それに見逃すもなにも、こちらが平穏を破ったもの。祝福をもちまして謝罪の品として贈ります」
そう述べると、ウルドは不思議な言葉を呟き、強い魔力を放つ。
「…三匹のピクシーの力を高めました、これにより牧場を守ることもできるでしょう」
そして、最後に、と一行を見て…
「ギルドへも少々金銭を贈ります、あなた方の手に渡るよう手はずしておきますので、こちらの依頼主の代わりとして受け取りください」
自分達のせいでこれ以上の損害を出させない、はっきりとした意思表示だった。

こうして四人は『時』の危機をのりきり、牧場に今までより少し幸せな時間を与えることとなりました。

451 :名無しになりきれ:2015/09/02(水) 23:06:12.31 O.net
ここは次スレに移動済みです
http://same.ula.cc/test/r.so/kanae.2ch.net/charaneta2/1429643442/l10?guid=ON

452 :名無しになりきれ:2016/05/05(木) 12:21:49.14 ID:zeJ/xuBNX
設定が穴だらけで笑う

453 :名無し:2016/05/20(金) 16:23:32.86 ID:gYulF3N3G
【女優】樹木希林さん、新聞広告で終活宣言≠ノ大反響 【産経】
「死ぬときぐらい好きにさせてよ」

http://www.sankei.com/life/news/160107/lif1601070024-n1.html

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