アイドルユニット『はんなりキッド』の冒険・1

はんなりキッド

これは、アイドルの卵だけが集まって、結成されたばかりのユニットの、アイドル活動の一端である。。。！

日本のさいたまのどこかにあると言われる、はんなりキッドのアジト！
ここでは、20歳以下の小娘どもが連日、輝く刻を夢見て壮絶なトレーニングを積んでいる！

ﾊﾞｧﾝ!!
アジトのドアが、蹴破られたかのように、開いた！あわてて飛び込んできた小娘が、一人！
はんなりキッドの最年少メンバー、古里井タカミ！うさぎ耳みたいな青のリボンがトレードマークだぜ！！
「まずい事になりましたよ、皆さん！！」
「どうしたのですか、タカミ！まずは、落ち着きなさい！」
そう言った佐垣カルナは、まだ18歳と思えない程落ち着いている！さすがは、副リーダー！！
「実はですね、社長が誘拐されました！これを！！」
タカミの手には、四つ折にされた半紙と封筒が！厭な予感。。。！
『お前達の社長を返して欲しければ、即刻はんなりキッドを解散せよ。
　例え無名のカスであっても、危険な芽は摘み取っておくに越した事はない。
　と、我々の長が言っていました。子供は素直に大人の言う事に従って下さい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ディープスペクターコーポレーション』

「なんと、卑怯な！到底許しておけぬ所業ですよ、これは！！」
怒りに燃えるカルナは、肩を振るわせた！その肩にそっと、手が添えられる！
「助けにいくしか、ないようじゃのう！」
婆さん言葉で喋るイロモノ枠の山彦ミズホもまた、カルナと同様、卑劣な行いが許せないタチのようだぜ！！
「お待ち下さいその方ら！今、アジトにいるのは、うちら三人！
　メンバーが全員集まる日では、ございません！ここは、やはり！」
「てやんでい！」
「私達は、アイドル！一分一秒を、全身全霊真実一路のまま突き進むのみなのです！！」
カルナとミズホは、二人だけでも乗り込むつもりだ！危険極まりなし！しかし、火傷どころじゃすまない事で
あろうとも、やらねばならない時である以上、ためらいはなかった！！！さすがだぜ！！！！
「タカミ、そなたはどうする？」
タカミは、フッ、と笑った！
「やれやれ…先輩方の無茶に地獄まで付き合うとしましょうか！」
「後になってから帰るとか云わないで下さいよ、タカミ！！」
「ディープスペクターコーポレーション…待っておれよ～！」
かくして、三人のアイドルの卵の社長奪還戦争は始まった！！