手塚治虫が若手記者に贈ったトキワ荘直筆天井板、東京・豊島区に贈呈「貴重な歴史の証」

ひよこ ★

http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/200226/lif20022616090036-n1.html
2020.2.26 16:09

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手塚治虫直筆の天井板を受け取る豊島区の高野之夫区長（右）＝26日、警視庁（松崎翼撮影）

　漫画の巨匠たちがかつて暮らした２階建てアパート「トキワ荘」（現・東京都豊島区南長崎）の解体時に、手塚治虫が自身の作品のキャラクターなどを描いて若手記者たちに贈った天井板が２６日、豊島区に贈呈された。区は、３月２２日にオープンする復元施設「トキワ荘マンガミュージアム」での公開を検討。数少ないトキワ荘の貴重な史料として、展示の目玉にしたいという。（松崎翼）

　手塚や石森（後の石ノ森）章太郎、赤塚不二夫らが青春時代を過ごし、「漫画の梁山泊」とも呼ばれたトキワ荘は、昭和５７年に老朽化で解体。解体現場を訪れた手塚が２階の部屋の天井の一部を取り外して即席で絵を描き、同区の池袋署にあった警視庁の５方面記者クラブに在籍していた記者たちに送った。

　天井板は縦約９０センチ、横約３０センチ。漫画作りに励む若き日の自身の姿や、代表作「リボンの騎士」の主人公サファイアが描かれ、「五方面記者クラブのみなさんへ」と書き添えられている。

　当時５方面を担当していた元産経新聞記者の安藤徹さんによると、解体現場に駆け付けた記者が５方面記者クラブについて「呉越同舟で、みんな集まって記者としてしのぎを削り合っているんです」と手塚に説明すると、「トキワ荘と同じだね」と笑顔で応えたという。天井板は代々、警視庁の記者クラブで保管されてきた。

　この日の贈呈式では、当時５方面記者クラブに常駐していた産経新聞など７社の代表者らが出席し、天井板が同区の高野之夫区長に手渡された。

　高野区長は「トキワ荘で残っているものは何一つなかった。天井板は手塚先生の当時の思いが込められた大切な作品で、貴重な歴史の証。多くの人に見てもらいたい」と笑顔をのぞかせた。