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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら19泊目

133 :109:2014/07/23(水) 01:28:44.37 ID:jBNjq4Qy0.net
>>132
湿気が霧を生み前方の視界はあまり良くなかった。この一本道、いったいどこまで続くのだろうか。
急にエルフが声を上げた。
「見て!」
「どうした?」オレは訊いた。
「家が見えるわ」
「家?霧があるしそんなもの何も見えないけど」オレは憮然として言った。
「私たちエルフの視力は人間とは違うのよ」クスリと笑って彼女が反論した。
そんなもんかと半信半疑で目を凝らしながら足を早める。が、どう見ても見えるのはどこまでも続く道と岩だけだ。
ひたすら歩いていると前方の霧の一部が濃くなった。いや、何かがある。家だ。どうやらエルフの視力は確かなようだ。
その木造の家屋に近づくと、看板がぶら下がっているのがわかった。

INN

宿屋か!失敗した。宿屋があるなら、いのりの指輪を使わなければ良かった。

その宿屋は道の行き止まりに鎮座し、その手前で左右に道が伸びていた。
ひょっとするとこの左右に伸びる道は、先ほどの分かれ道とつながっているのか?

エルフは左右の道を交互に見渡しながら言った。「左側に黒い塔が見えるわ。中まではわからないけど」

オレには見えないが、エルフが指差した塔に向かう前に、オレたちはとりあえず目の前の宿屋を確認することにした。
静まりかえる室内に入ると、少し奥にカウンターが見えた。

「いらっしゃいませ」

背後から男の声がした。振り返ってみると、なんとその声の主はあの宿屋のオヤジだった。
オレがこのドラクエ世界に来た時にいた宿屋の主人。

「あ!オヤジ!コノヤロォ!」オレは思わず声を上げた。

小太りなオヤジはオレに向かってニヤリと笑うと、カウンターの裏に回ってオレたちを出迎えた。

「こんにちは。 旅人の宿に ようこそ。一晩300ゴールドですが お泊まりに なりますか?」

「泊まり来たわけじゃない!」オレは怒りを押し殺して言った。300Gだと?ふざけるな!
「宿屋、どうして逃げた?」おれは宿屋のオヤジに即効で詰問した。

「そんないきなり。逃げも隠れもしませんよ。ここにこうしているじゃないですか」オヤジは切り返した。
「隠したって無駄だ!上の宿屋はルイーダの酒場で今は空き家だってこと、もうわかってるんだぞ!」
「おやおや、そんなに怒鳴らなくっても」
「不法営業の上に、オマエが書いた地図のおかげで、さんざん苦労した。どういうつもりなんだ?
からかっているのか?」
「からかってなんていませんよ、お客さん。知っている通りに書いただけで・・・・・・」オヤジはやれやれと言わんばかりだ。

オレはオヤジの言葉をさえぎった。
「ルイーダはもういない。だが、オレは彼女に魔王ハーレムを倒し娘たちを救い出すと約束したんだ!」

「おや、そうなんですか・・・・・・」オヤジは俯いて机の上の宿帳をパラパラとめくり始めた。その声は淡々としていた。

「この洞窟のどこかにハーレムがいるはずなんだ。オヤジ、知っているなら教えろ。魔王はどこにいる?」
オヤジののらりくらりとした態度にイラついて、オレは大声を上げた。

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