2ちゃんねる スマホ用 ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら19泊目

136 :109:2014/07/23(水) 01:32:10.61 ID:jBNjq4Qy0.net
>>135
魔王は木造の家屋を踏み潰すと、その巨体で左側の道を塞いだ。確かその先には黒い塔が・・・・・・!
「ここまで良く来たな。褒めてやろう。だが、ここまでだ。この先を通すわけにはいかぬ」
そう言うとハーレムは淀んだ巨大な三つの目でオレを見下ろした。

「娘たちは塔にいるのか?」オレはハーレムに自分の疑問を投げかけた。
「ほほう。良くわかったな」ハーレムはオレの横にいるエルフに気が付くと目を細めた。
「なるほど。そうか、エルフ、おまえが見たのだな。オマエのような美しい生き物を見逃していたとは・・・・・・フフフ」
ハーレムはその三つ目でエルフの肢体を舐めまわすように見詰めた。オレは奴の視線から彼女を庇った。

「フン!わしを倒さぬ限り塔に入ることはできぬわ。わしを倒さぬ限りハーレムパーティはこの世に存在しないのだ。
ハハハハハァァ!!!」

魔王ハーレムは強敵だった。その醜い巨体はその顔面まで青白い金属の鱗でびっちりと覆われており隙間がなかった。
その頭部には太く鋭利な黒い角が不規則に生え、隆々たる筋肉の魂である二本の腕の先には丸々とした四本の指があり、
それには鋭く黒い爪が生えていた。

「メラミ!」エルフが呪文を唱えた。だが彼女が得意な火炎の呪文は効かなかった。
「小うるさいやつめ!」ハーレムが鋭い爪で彼女を引き裂こうとする。身軽な彼女はそれをうまくかわした。
「これならどう! ルカニ!」振り返りざま再びエルフが唱える。ハーレムの体を黄色い光が包みかけた。
が、それも束の間で消え失せた。

「ハハハ!馬鹿め!そんな呪文がこのわしに効くと思うか!」ハーレムは太い尻尾を左右に揺らしながらほくそ笑んだ。
金属の鱗がこすれ不協和音が洞窟に響く。

「ミスリルだわ」
エルフが愕然とした震え声で言った。「ハーレムの鱗は幾重にも重なった強力なミスリルでできているのよ」
ミスリル?聞いたことがあるな・・・・・・もしかしてメタルスライムとかの金属?だとすると、魔法は効かない。打撃のみ?
だが、相手はボスキャラ。HPは相当高いぞ。

オレは意を決して、やつの尻尾に鋼の剣で切りつけてみた。案の定、無傷だ。
会心の一撃でも出ろ!オレは渾身の力を込めて剣を振り下ろした。その瞬間、鈍い金属の音と共に鋼の剣が真っ二つに折れた。

剣先の無い剣を呆然と見詰めるオレにハーレムの豪腕が容赦なく振り落とされた。オレは反射的に目を閉じた。
潰れる音がする。だが痛みは無かった。目を開けると、目の前に見えたのは、二つになったうねうねだった。

「うねうね!」オレは叫んだ。

オレを庇いハーレムの爪で二つに割れたうねうねは、それでも笑っていた。「ウニュうぅぅゥ・・・・・・」
うねうねはスライムを倒したときのように、今や泡になって地面に消えていこうとしていた。

「うねうね!しっかりしろ!ダメだ!消えるな!うねェェェ!!!」オレの叫びは絶叫になっていた。

うねうねの泡は地面に溶けて消えた。跡には賢者の石が転がっていた。

総レス数 297
161 KB
新着レスの表示

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver 2014.07.20.01.SC 2014/07/20 D ★