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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら19泊目

152 :109:2014/08/18(月) 19:44:48.49 ID:6b/RGGg90.net
>>151
どのくらい気を失っていたのだろう。気が付くとオレは落下した地面と一階の壁の間にできた三角形の隙間にいた。
どうやらドラクエの法則は健在で落ちてもひどい怪我がないようだ。

落ちた地面のひび割れから外の様子を覗くと、ハーレムゾンビの姿が見えた。
その巨体の骨を振り回しながら誰かを追いかけている。追っている先を見ると、そこにはオレがいた。
身軽に逃げ回るのはまぎれもなくオレだ。ハーレムゾンビの攻撃をかわしながら右へ、左へと逃げている。
どういうことだ?

その時、耳元で囁く声がした。
「勇者さま」
声の方を見ると、いつのまにか美しい女性が天井と壁の空間にいるオレの傍にいた。

「勇者さま。私はルイーダ。あなたのおかげで『永遠の宿屋』の時間から開放されました。しかし、「時の砂」の力で
この塔の主、ハーレムの怨念もゾンビとして蘇ってしまいました。今こそこの勇者の剣と盾をお使い下さい」

彼女はその剣と盾をオレに差し出した。先ほどまで石像だった彼女のそばにあった錆びた剣と盾が時を遡り蘇ったのだ。
オレは頷き、その金属の輝きを取り戻した頑丈な剣と盾を受け取った。

「キャー!」エルフの悲鳴が聞こえた。
いや、悲鳴をあげているのは、遠くにいるもうひとりのオレだった。
どうやら彼女はモシャスでオレに化けてハーレムゾンビをひきつけ、時間を稼いでいたようだ。
だが、その彼女もついには壁際に追い詰められていた。ハーレムゾンビは彼女目掛けてその腕を振り上げる。

「ハーレムゾンビ!本物はこっちだ!」
オレは壁の間から抜け出し、勇者の剣を高々と上げて叫んだ。

巨大な骨の塊がこちらを振り返った。奴の空洞にある赤い目玉がぎょろりとオレを見た。
奴が大股でその骨をガタガタと鳴らしながらこちらに向かって来る。

オレはひるむことなく跳躍し、その目玉に剣を突き刺した。さらにオレは手の甲を返しながら剣の刃で奴の目玉を切り裂く。
ハーレムゾンビは苦悶し、その巨体をのけぞらせた。オレは剣を引き抜くと、そのままもう片方の目を狙った。
奴はオレの攻撃を振り払おうと新たな一打を繰り出す。オレはすかさず盾で身を守った。
今までの盾とはその強度がまるで違う。易々と奴の攻撃を跳ね返す。オレは間髪いれず、
盾の隙間から奴の残りの目を潰した。

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