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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら19泊目
- 154 :109:2014/08/18(月) 19:46:56.42 ID:6b/RGGg90.net
- >>153
ルイーダさんはみんなに向かって言った。「さあ、旅の扉を抜け、上の世界に急いで戻りましょう」
オレたち一行は、塔から出た。塔の外は別世界だった。赤黒かった洞窟には青空が広がり、
荒涼とした大地には草木があった。
オレたちは元来た道を旅の扉を目指して歩いた。娘たちは喜びのあまり歌を歌う者もいた。
その澄んだ声に合わせるかのように小鳥たちがさえずる。パーティーではないものの、まさにハーレム状態だ。
まさに勇者の勝利だな。そう思いながら娘たちを見渡す。ん?そういえばエルフの姿が見えない。
いや、遠くで見えなかったが、娘たちの集団の一番後ろから付いてきている。
なんか元気がないな。怪我でもしてるのか?
オレはエルフのそばに行き声をかけた。
「大丈夫か?」
「ええ」エルフが頷く。
「終わったな」
「そうね」
なんか会話が続かない。オレはふと心に沸いた疑問を口にした。
「なあ、不思議だと思わないか?」
「え?何が?」ようやくエルフが顔を上げた。
「あんなにたくさんの時の砂を浴びたのに、オレとお前は変わらないからさ」
「だって、エルフの寿命は人間より遥かに長いから。あのくらいじゃ私は・・・・・・」
「オレは?」
「あなたは勇者だから・・・・・・勇者の分身、魂だから・・・・・・」そういう彼女の声は消え入りそうだった。
「魂・・・・・・?」その言葉を口にするとオレは黙った。
「勇者さま、早く!」一人の娘がオレの手を取った。促されるまま、オレはまた歩き始めた。
分かれ道を何本か通り、最初にルイーダさんの魂と出会った旅の扉についた。
岩に囲まれていたその場所にも、今は草が生えている。
「この扉を抜ければ、もとの街に戻れるわ」ルイーダさんに促され、娘たちがひとりずつ旅の扉に足を踏み入れていく。
皆、オレに礼を言いながら一人、また一人と旅の扉に入って行った。
そして最後の娘が入り、残ったのはオレとエルフとルイーダさんだけになった。
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