2ちゃんねる スマホ用 ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

FFDQバトルロワイアル3rd PART19

1 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2015/10/27(火) 20:17:07.13 ID:B1nZ++VF0.net
━━━━━説明━━━━━
こちらはDQ・FF世界でバトルロワイアルが開催されたら?
というテーマの参加型リレー小説スレッドです。
参加資格は全員、
全てのレスは、スレ冒頭にあるルールとここまでのストーリー上
破綻の無い展開である限りは、原則として受け入れられます。

sage進行でお願いします。
詳しい説明は>>2-15…ぐらい。

前スレ
FFDQバトルロワイアル3rd PART18
http://wktk.2ch.net/test/read.cgi/ff/1377534553/l50

656 :時間稼ぎ 8/9:2020/07/11(土) 00:47:03.44 ID:6aC6irt7V
「行かせねえよ!」
「アービン! 目を覚ませ!」
「ボビィ、気をしっかり持って!」

セフィロスたちの前にサイファーらが立ちふさがるという構図は先ほどまでと同じ。
だが、状況は180度入れ替わった。
セフィロスは、アーヴァインを奪う側から奪われる側に。
サイファーらは、アーヴァインを守り抜く側から取り戻す側に。


この場に向かっている3人の来訪者、アーヴァインが連れてきた招かれざる来訪者。
怪しく光る闇の宝玉、神々しい光を放つ竜の宝玉。
状況が塗り替わる要素はいくらでもある。戦況は未だ予断を許さない。

【セフィロス (カッパ HP:2/5)
 所持品:ルビーの腕輪(E、半壊)、村正、ふういんマテリア、奇跡の剣、いばらの冠、プレデターエッジ、筆記具、ドラゴンオーブ、
     弓、木の矢の残骸、コルトガバメントの弾倉×1、ユウナのドレスフィア、アンジェロの遺体
 第一行動方針:アーヴァインを利用して【闇】の力を得たジェノバとリユニオンする
 第二行動方針:カッパを治して首輪を外す
 第三行動方針:進化の秘法を使って力を手に入れる/ドラゴンオーブの力を手に入れる
 第四行動方針:旅の扉へ向かう
 第五行動方針:アンジェロの蘇生を試す
 第六行動方針:黒マテリアを探す
 最終行動方針:生き残り、力を得て全ての人間を皆殺しにする(?)】

657 :時間稼ぎ 9/9:2020/07/11(土) 00:47:44.00 ID:6aC6irt7V
【サイファー (透明状態、MP3/4、右足微傷)
 所持品:E破邪の剣、G.F.ケルベロス(召喚不能)、正宗、スコールの伝言メモ、メガポーション
 第一行動方針:セフィロスを倒す
 第ニ行動方針:旅の扉へ向かう
 基本行動方針:全員の生存を優先/マーダーの撃破(セフィロス優先)
 最終行動方針:ゲームからの脱出】

【リュック(パラディン)
 所持品:メタルキングの剣、ロトの盾、クリスタルの小手、ドレスフィア(パラディン)、
 マジカルスカート 、ドライバー×4、未完成のドライバー×1、ロトの剣
 第一行動方針:セフィロスを足止めする
 第ニ行動方針:皆の首輪を解除する
 最終行動方針:アルティミシアを倒す
 備考:パラディンのドレス着用時のみ闇化耐性があります】

※ティーダの所持品:ユウナのザック(官能小説2冊、ライトブリンガー、スパス、ビーナスゴスペル+マテリア(スピード))、ガイアの剣

【アーヴァイン (MP1/4、呪いによって混乱中、半ジェノバ化(中度、進行中)
 右耳失聴、一時的失声、呪い(時々行動不能or混乱or沈黙)
 所持品:ビームライフル 竜騎士の靴 手帳、G.F.パンデモニウム(召喚×)、リュックのドレスフィア(シーフ)、
     ちょこザイナ&ちょこソナー、ランスオブカイン、スプラッシャー、変化の杖、祈りの指輪(ヒビ)
     チョコボ『ボビィ=コーウェン』、召喚獣ティーダ、飲料水入りの瓶×9、ウィンチェスター(みやぶる+あやつる)
 第一行動方針:【闇】から逃げる???
 第ニ行動方針:旅の扉へ向かう
 第三行動方針:脱出に協力しない人間やセフィロスを始末したい/ユウナを止めてティーダと再会させる
 最終行動方針:魔女を倒してセルフィや仲間を守る。可能なら生還してセルフィに会う
 備考:・ジェノバ細胞を植え付けられた影響で、右上半身から背中にかけて異形化が進行しています。
     MP残量が回復する前にMP消費を伴う行動をするとジェノバ化が進行します。
    ・セフィロスコピーとしてセフィロスに操られる事があるかもしれません。
    ・ユウナ?由来の【闇】の影響で呪い効果を受けています。会場内にいる限り永続します】

【現在位置:希望のほこら北西の茂み】

658 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2020/07/15(水) 00:08:52.19 ID:qmhig1kN3
FFDQ3  746話(+ 3) 19/139 (- 0) 13.7

659 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2020/07/22(水) 18:52:47.61 ID:udvrgIbej
欲しい枚数を宣言する競り系カードゲーム「翡翠の商人」。シンプルながらジレンマもある
https://bodoge.org/2019/05/20/hisuinosyonin/
「街コロ」はカードゲームに興味ありな初心者の入門用に最適、サイコロを振って
カードを集めどんどん自分の街を発展させて勝利を目指せ
http://news.livedoor.com/article/detail/10962802/
経済が巡る!! 労働者と職場のマネジメントが癖になるワーカープレイスメント「ナショナルエコノミー」
http://bged.info/national-economy
シノミリアを徹底解説!ギャンブル漫画の主人公になれる2人用ボードゲーム!
https://futariasobi.com/shinomiria_rule/
風刺画「顧客が本当に必要だったもの」がアナログゲームに
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180513-00000005-it_nlab-life
かわいいひつじを増やして増やして増やしまくれ! “一人用”カードゲーム『シェフィ』
http://www.moguragames.com/entry/shephy/
ゲムマ2018大阪・春での話題作「Liqueur the GAME (リキュール・ザ・ゲーム)」
http://www.comonox.com/entry/boardgames/open/Liqueur-the-GAME
あり得ないほど革命する、 ありそうで無かった大富豪!「太陽と月の王国」
http://boardgame-replay.com/archives/52545717.html
大富豪(大貧民)のようなカードゲーム「ReCURRRing(リカーリング)」
http://www.tk-game-diary.net/recurrring/recurrring.html
『モノポリー』と「人喰いサメ」が融合した『サメポリー』がクラウドファンディングを達成、
5月のゲームマーケットで販売へ。市民を犠牲にしサメの脅威から生き残れ
https://news.denfaminicogamer.jp/news/190412d

660 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2020/08/23(日) 21:29:52.68 ID:WN2/bKClb
ほかの趣味で忙しいのでしばらく保守

661 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2020/09/16(水) 00:08:47.14 ID:a8+lrNETv
FFDQ3  746話(+ 0) 19/139 (- 0) 13.7

662 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2020/11/01(日) 13:14:16.62 ID:IaqdfrpRs
ほしゅ

663 :抵抗 1/8:2020/11/03(火) 19:35:29.26 ID:l2GRVURfv
「スロウガ! 絶対に逃がさねえぞ!」

チョコボを駆り、コピーを抱えたまま突っ切ろうとする私に対して、死にぞこないの男、ティーダが魔法を撃つ。
この私に何度も同じ手は通用しない。
ましてや、スロウはかつてクラウド達に苦渋を味わわされた魔法だ。
たとえ眠っていたとしても、この魔法を通すなどありえない。
もっとも、コピーやチョコボにも耐性を求めるのは酷だった。

乗車中に急ブレーキがかかったときのごとく、身体が前につんのめる。
腕に抱えていたコピーが私の身体を圧迫し、強烈なGがかかったかのような錯覚を受ける。
チョコボとコピーがスロウの魔法の影響下に置かれ、私と空間的な意味で切り離されたのだ。

いかに私といえど、物理法則を完全に無視して行動できるわけではない。
摩擦、空気抵抗、これらが突如狂いだせば当然体勢も崩れてしまう。


サイファーとリュックがこのような隙を見逃すはずがない。
上半身のバネを活用し、身体を大きく後ろに倒せば、案の定、先ほどまで私の頭があった空間を、閃熱が、剣閃が通り過ぎていく。
炎を宿す剣の一閃は顎のすれすれを通り過ぎ、閃光魔法は前髪を軽く焼く。
やつらの精一杯の抵抗だ。


「止まれええぇぇぇ!!!」

その隙にティーダが横からチョコボに飛び移ってこようとするが、それを裏拳で手で叩き落とす。

「うわあっぷっっっ!!」

ティーダはベクトルをずらされて、ダイブするように地面へと激突する。
マット運動のように受け身を取る余力は残っているようだ。
身体を丸めて地面に手をつき、前転してすぐに立ち上がる。
ただちに追跡を再開したようだが、大きく距離は引き離している。

スロウをかけられてもチョコボはチョコボ。
ただの人間とは素の脚力が違う。
ヘイストがかかっていても、その距離は縮まらない。
このままならば、スロウの魔法が切れるほうが早いだろう。

664 :抵抗 2/8:2020/11/03(火) 19:37:32.82 ID:l2GRVURfv
さあ、昨夜の続きだ。コピーの身体を、より強固で完全なものへと作り替える。
コピーの腕をツメで突き刺し、血を、意志を与えていく。
二度と、私に抗うことがないように教育し直していく。

今度は逃げられるわけにはいかない。
旅の扉をくぐるだけなら余裕だが、希望のほこらで色々と試してみたいことがある。
あの祠を覆うチカラは、ドラゴンオーブと同質のチカラではないかと確信に近い推測を立てているのだ。

【闇】が無いはずの私に、なぜ【闇】を扱う下地が発現したのか。
【闇】のチカラを発する宝玉を持って、【闇】のチカラが最も集まる場所にとどまったからだ。
無論、それがすべてと言い切りはしない。
単純に精神を消耗していた。【闇】がないという言葉の意味するものが違っていた。考えられるものはいくつかある。
だが、ピースの一つではあったはずだ。

さて、【光】のチカラに高い親和性を有しているコピーを連れ、ドラゴンオーブを持って希望のほこらにとどまればどうなる?



「あーらよっとぉ!」


私がそれに気づいたのは、あまりに遅すぎた。
殺すためではなく、かすめ取るための一手。それも、最初から私ではなくコピーに向けられた一手。

追撃を振り切れると確信した私は、コピーへ意志を注ぐことに注力してしまった。
故に盗賊の接近に気づくのが遅れた。

殺気があればすぐに気づいただろう、だが、その気配はなかった。
自己の気配を極限まで抑え、最小限の動きでモノを盗む。
盗賊はミッドガルのスラムでもよく見かけたものだが、これほどの腕前を持つものは私の知る限りいたかどうか。
盗賊は先ほど祠の周辺ですれ違った銀髪の男・ロック。その手に握られているのはウィンチェスター。


「へっ、こいつが悪さをしてるってんならよ……」

ウィンチェスターを上空に放り投げて剣を抜き……。

「こうしてやるさ!」

ロックは宙に舞うウィンチェスター目がけて、クリスタルソードを弧を描くように振り降ろす。
切れ味鋭い水晶の剣が、銃にはまったマテリアの見事中心をとらえた。
ぱきり、と小さな音が鳴り響いたかと思うと、宝玉はひび割れ、内包されていた魔力もろとも風に吹かれるようにさらさらと飛び去っていった。
「クエ?」という一鳴きと共に、ボビィの目に理性の光が戻る。
それに呼応し、脚も止まった。

665 :抵抗 3/8:2020/11/03(火) 19:39:20.79 ID:l2GRVURfv
「アービン! 俺だ、ティーダだ! つかまれ!!」
「〜〜、〜〜〜……!」

必死で追いかけてきたティーダが、コピーに呼び掛けて腕を伸ばす。
もはや声にならない声をあげているコピーだが、条件反射のように、ティーダに腕を伸ばしていた。
その腕を起点に、ラグビーボールを奪うかのように、ティーダが私の手からコピーをもぎ取り、抱えて、走り去っていく。

「大丈夫ッスよ、あいつは俺がなんとかする。だから負けんな!」
「ティー…ダ……?」

コピーは未だ私の支配に抵抗している。
何かを求めるかのように必死に腕を伸ばし、死にぞこないの名を呼んでいる。



私は追撃に移ることはできなかった。

「おやおやこれはこれはセフィロスくん。
 こんなところで会うとは思いませんでしたよ。ぼくちんとても心配していたんですよ?
 いやあ、初めて会ったときからずっと変わらない凛々しいお・す・が・た。
 ひっひっひ! ひゃっひゃっひゃ!! アーッヒャッヒャッヒャ!!!」

祠の方向からさらなる乱入者、ギードとケフカの姿が見えたからだ。


ギードの背に乗っているということは、ある程度の懐柔も成功させたということだろう。
他が御しやすいというつもりはさらさらないが、それでもケフカを野放しにしてコピーのほうに向かうのはリスクが高すぎる。


チョコボは正気に戻ったようだが、状況を飲み込めず、あたふたしている。
このボビィとかいうチョコボがはからずも人質として機能しているのか、ロックが突っ込んでくることはない。

あやつるという手段を失ったのは痛恨の極みだ。
……もっとも、私が直接追うことはできずとも、コピーの半身はすでにジェノバ細胞の影響下にある。それは私の支配下と同義。
ケフカやロックに注意を払いながら、私はコピーの半身に、ティーダを排除するよう命令を下そうと試みる。

666 :抵抗 4/8:2020/11/03(火) 19:40:39.26 ID:l2GRVURfv
「あ………?」
ティーダが呆けた声をあげる。
続いて、どさりと重いもの、すなわちコピーの肉体が地面に転げ落ちる音が響く。
後ろ目で見れば、ティーダが膝を付き、動作も緩慢になり、ついには意識を失ったかのように動かなくなる。
ティーダの身体から螺旋を描くように、白く淡い光が放出されているように見える。
一方でコピーの身体からはやはり黒く粘つくような霧が放出されているように見える。
おおよそ期待通りの展開だ。私がまだ排除の命令はくだしていないことを除けば。


「おいティーダ、どうした! クソ野郎! テメェ、何しでかしやがった!?」
「サイファーよ、落ち着け! おそらく、そやつとは別の要因じゃ!」
「ヒャヒャヒャ……。私もこればかりは同意見です。だから、そこのカッパは遠慮なくぶっ殺しちゃって構いませんですことよ?」

ようやく追いついてきたサイファーが吼えるが、ギードやケフカが言うことが正しい。

見当はついている。
ティーダとコピーの身体からそれぞれ放出される黒白の淡い光。
私の見立てだが、ドラゴンオーブと【闇】のチカラがぶつかっている。
実際、今朝から私のザックの中では、ドラゴンオーブと【闇】マテリアが光を放ち、反発しあっている。
似たようなことが、それらに関係の深い二人にも起きているのだろう。
その結果が融合なのか、中和なのか、増幅なのか、変質なのか、そこまでは分からないが。


【闇】と化して纏わりついてきた女は、元々コピーのしぶとい理性を折るのに利用するつもりだった。
放っておけばいつまでも、いつまでも、アーヴァイン、アーヴァインと五月蠅い羽虫のようにぶんぶんと付きまとうだろう。
厄介払いできた上に、向こうの戦力と引き換えにできるのならこれ以上ない手放しどころだ。


個々の展開は悪くない。ただ、やはり状況は悪い。
単純に敵が増えすぎた。

動けるのがサイファー、リュック、ロック、ギード、ケフカの五人。
戦闘不能となっているのがティーダとコピーの二人。
リュックとはまだ距離があるが、他は一息で詰められる距離。


――――。
――――。
――――。


時が止まったかのような静寂が場を支配する。

667 :抵抗 5/8:2020/11/03(火) 19:47:40.78 ID:l2GRVURfv
「クェ? クェ! クェ〜!」
けたたましい鳴き声が静寂を破る。
チョコボがコピーのほうに首を向け、ようやく状況を理解したのだ。
背に乗っているのが私だと気付いたのか、バタバタと暴れて振り落とそうとする。
正気に戻った以上、私もチョコボを移動手段とは別の用途に使うことにした。
チョコボの脚の付け根へと痛打を加え、飛び降りた。


「クェッ!? クェエエエエ!!」
「ボビィ!?」
「テメェ!」



追撃の構えを見せれば、割って入ってこざるを得まい。
ロックとサイファーは私の意図通りに、チョコボを守るための位置へと動き出す。


チョコボは悶絶し、うずくまっているが、使えない脚などもはやどうでもよい。
サイファーやケフカを正面に見据えたまま、後方へ一跳び。再度コピーの確保へ向かう。
追撃に移れば、あるいはそのまま突っ立っていれば、ちょうど直撃していたであろう位置へ、ケフカが氷柱を放ってくるが、いずれも不発に終わった。


ギードは私の意図――チョコボの命をブラフに、再度コピーに接近する――にすぐに気づいただろう。
しかしそのためにケフカに注意を割いてしまった。

ケフカは足手まといと判断した同行者は容赦なく切り捨てるだろう。
取り入っていたはずのルカを直ちに殺害したように。
やつにとってもまだ大いに利用価値のあるであろうコピーや、ただ召喚されているだけのティーダとは違う。
チョコボは切り捨てても割り切れる程度には価値が低く、ゆえに死ねば取り返しはつかない。
だからこそ、ケフカに注意を払わずにはいられなかったはずだ。



果たして、私は何の障害もなくコピーの元へと再度たどり着いた。
ここで終わるなど受け入れられるか。
ようやく、すべてを手に入れる算段がついたというのに。

668 :抵抗 6/8:2020/11/03(火) 19:50:16.50 ID:l2GRVURfv
「ドロー。フリーズ」

想定外の一声だ。
そう、私は見落としていたのだ。
対象から魔法を引き出し使用する未知の技術。
サイファーだけではなく、コピーもそれを使えるということに!


反射的に右腕をかざして身を守ったが、私の右腕は凍り付き、痛覚が、感覚が急速に衰えていく。
劣化しているといえど、フリーズの魔法は私の右腕を凍り付かせるには十分な威力があった。

状況を飲み込む間もなく、直感を信じて右腕をそのままあげて頭を保護する。
衝撃が伝わる。
食い込まんとする剣ごと、ベクトルをずらすように腕を外側へと払いのけた。
現状を認識する前に下手人――透明ではあったものの、確かにそこにいたサイファー――の腹に蹴りを入れ、吹き飛ばす。

肉、そして骨が切断される鈍い音が耳の中に残っている。
私の右腕は半ばから切り落とされていた。
腕から先、水かきの付いた手が、ルビーの腕輪ごと宙を舞い、ジェノバの半身の元へと落下する。



「ざま、み゛ろ……」
コピーが笑う。
心の底から安堵したように笑う。

一瞬で痛覚までマヒしたため、痛みは鈍い。
だが、腕はもう戻らない。

サイファーへのダメージはほぼノーダメージといったところだろう。手ごたえが軽かった。
リュックが追い付き、ロックも前に出てきている。
ケフカは口角を耳まで吊り上げ、るんるんと再び魔力を練りあげる。
ギードは私を怪訝な目でにらみつける。


コピーがシニカルに笑う。
「もう、終わり゛、だね……。ドロー」

コピーは再び魔法を引き出して、私に向かってそれを放った。

669 :抵抗 7/8:2020/11/03(火) 19:51:40.01 ID:l2GRVURfv
【セフィロス (カッパ HP:1/5、右腕喪失)
 所持品:村正、ふういんマテリア、奇跡の剣、いばらの冠、プレデターエッジ、筆記具、ドラゴンオーブ、
     弓、木の矢の残骸、コルトガバメントの弾倉×1、ユウナのドレスフィア、アンジェロの遺体
 第一行動方針:アーヴァインを利用して【闇】の力を得たジェノバとリユニオンする
 第二行動方針:カッパを治して首輪を外す
 第三行動方針:進化の秘法を使って力を手に入れる/ドラゴンオーブの力を手に入れる
 第四行動方針:旅の扉へ向かう
 第五行動方針:アンジェロの蘇生を試す
 第六行動方針:黒マテリアを探す
 最終行動方針:生き残り、力を得て全ての人間を皆殺しにする(?)】


【サイファー (透明状態、MP3/4、右足微傷)
 所持品:E破邪の剣、G.F.ケルベロス(召喚不能)、正宗、スコールの伝言メモ、メガポーション
 第一行動方針:セフィロスを倒す
 第ニ行動方針:旅の扉へ向かう
 基本行動方針:全員の生存を優先/マーダーの撃破(セフィロス優先)
 最終行動方針:ゲームからの脱出】

【リュック(パラディン)
 所持品:メタルキングの剣、ロトの盾、クリスタルの小手、ドレスフィア(パラディン)、
 マジカルスカート 、ドライバー×4、未完成のドライバー×1、ロトの剣
 第一行動方針:セフィロスを倒す
 第ニ行動方針:皆の首輪を解除する
 最終行動方針:アルティミシアを倒す
 備考:パラディンのドレス着用時のみ闇化耐性があります】

【ケフカ (HP:3/4 MP:1/3)
 所持品:魔法の法衣、E:ソウルオブサマサ、やまびこの帽子、魔晄銃、アリーナ2の首輪、ラミアの竪琴、対人レーダー、拡声器、波動の杖
 第一行動方針:セフィロス・ソロを初めとする、邪魔な人間を殺す/脱出に必要な人員を確保する
 第二行動方針:"タバサ"を手駒として確保する
 第三行動方針:旅の扉へ向かう
 第四行動方針:アーヴァイン/"タバサ"らを使って首輪を解除する
 基本行動方針:「できるだけ楽に殺す方法」を考えつつ主催者含む全員を殺す
 最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】

670 :抵抗 8/8:2020/11/03(火) 19:53:39.65 ID:l2GRVURfv
【ギード(HP2/3、MP:1/3)
 所持品:首輪、アラームピアス(E、対人)、りゅうのうろこ(E)、ひそひ草、ジ・アベンジャー(爪)、スタングレネード、ねこの手ラケット、血のついたお鍋、雷鳴の剣、風魔手裏剣(3)
 第一行動方針:セフィロスが【闇】のチカラを手に入れようとするなら阻止する
 第二行動方針:ケフカを監視下におく
 第四行動方針:旅の扉へ向かう
 第五行動方針:首輪の研究をする】

【ロック (MP3/4、左足軽傷)
 所持品:キューソネコカミ クリスタルソード 魔石バハムート、皆伝の証、かわのたて
 レッドキャップ、2000ギル、メガポーション×2
 デスキャッスルの見取り図
 第一行動方針:セフィロスを倒す
 第二行動方針:ケフカを警戒する
 基本行動方針:生き抜いて、このゲームの目的を知る】

【アーヴァイン (MP1/4、呪い、半ジェノバ化(重度)
 右耳失聴、一時的失声、呪い(時々行動不能or混乱or沈黙)
 所持品:ビームライフル 竜騎士の靴 手帳、G.F.パンデモニウム(召喚×)、リュックのドレスフィア(シーフ)、
     ちょこザイナ&ちょこソナー、ランスオブカイン、スプラッシャー、変化の杖、祈りの指輪(ヒビ)
     チョコボ『ボビィ=コーウェン』、召喚獣ティーダ、飲料水入りの瓶×9
 第一行動方針:セフィロスを???
 第二行動方針:旅の扉へ向かう
 最終行動方針:魔女を倒してセルフィや仲間を守る。可能なら生還してセルフィに会う
 備考:・ジェノバ細胞を植え付けられた影響で、右上半身から背中にかけて異形化が進行しています。
     MP残量が回復する前にMP消費を伴う行動をするとジェノバ化が進行します。
    ・セフィロスコピーとしてセフィロスに操られる事があります。
    ・ユウナ?由来の【闇】の影響で呪い効果を受けています。会場内にいる限り永続します】

※ウィンチェスターとマテリア(みやぶる+あやつる)は破壊されました。
※ルビーの腕輪は破損しました。
※ティーダの所持品:ユウナのザック(官能小説2冊、ライトブリンガー、スパス、ビーナスゴスペル+マテリア(スピード))、ガイアの剣
【現在位置:希望のほこら北西の茂み】

671 :キミの毒気にあてられて 1/10:2020/11/03(火) 19:55:10.50 ID:l2GRVURfv
彼は青年を見ていた。
彼女は彼を見ていた。
彼は彼女を見なかった。

彼女は青年を見ていた。
彼は彼女を見ていた。
彼女は彼を見なかった。



光と闇が重ならないように、彼と彼女もどこまでもすれ違う。
かつては隣で同じものを見ていたはずなのに。


光と闇、相反する二つの要素。

光が強まれば、闇は弱まる。
闇が強まれば、光は弱まる。

元の世界の最も聖なる地で、存分に力をたくわえた光のチカラを宿すオーブ。
この世界の最も邪悪な地で、存分に力をたくわえた闇のチカラを宿すオーブ。

それは太陽の名を持つ彼につながる。
それは夜の名を持つ彼女につながる。


彼は青年を見ている。
彼女は青年を見ている。
お互いがすぐ近くにいることを知らず、青年を見ている。
彼が青年に手を伸ばし、彼女が青年に手を伸ばす。


光が闇に混ざり合う。
闇が光に混ざり合う。
青年に向かって伸ばされた彼と彼女の手は、青年を介して重なる。


過剰な【闇】は光のチカラに中和され、なお過ぎた【闇】は青年に流れ込む。
過ぎた【闇】は青年の身体に取り込まれ、彼と同化する星の支配者に流れ込む。


青年が彼女を狂わせている【闇】を奪いつくし、二人っきりの世界を作る。
青年が昨夜計画するも、道化師の策によって霧散した状況だ。
はからずも今一度、それに近い状況が作り上げられたのは偶然か。
それとも青年が生きている限りは、いつかは起きる出来事だったのか。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

672 :キミの毒気にあてられて 2/10:2020/11/03(火) 19:56:19.52 ID:l2GRVURfv
アーヴァインの精神にはいくつもの異物が入り込んでいる。

アーヴァインほどジェノバと相性のよい肉体であれば、本来リユニオンは一瞬で終わる。
そうならなかったのは、異物があまりに多かったためだ。


セフィロスに植え付けられたジェノバ細胞だけではない。
精神の領域を間借りするガーディアン・フォースと呼ばれる召喚獣。
この世界を漂う怨念、凄まじい量の【闇】。
ケフカによって実験半分に注入された魔導のチカラ。
超魔道師ノアからドーガに与えられ、闇のドラゴンを通して摂取した膨大な魔力。
希望を冠する地に蓄えられた竜神のチカラ。
そして【闇】と化した■■■の意志と、魔女の意志と、セフィロスの意志。
アーヴァインの肉体と精神を舞台に、互いに領域を広げようとせめぎ合う。


常人ならすでに廃人になっていてもおかしくない。
一刻ごとに肉体も魂もぼろぼろにされていく。
それでも生きようと必死で前に進む。
快活だけど、どうしようもなく鈍感で、危なっかしい親友と未来を紡ぎたい。
どうしようもない大馬鹿な自分に手を差し伸べてくれた仲間たちに報いたい。
笑顔のすてきな、あの太陽のような娘にもう一度言葉を伝えたい。

■■■■■■という聞こえるはずのない音が、アーヴァインの背後からはっきりと聞こえる。
こちらへ来るのだ、とアーヴァインを招く言葉が、彼方から聞こえる。
生きるため、生きるために、声のする方向へと近づいていく。
その声が聞こえるたびに、背後から迫る■■■の声が小さくなる。
そして、声に身を委ねようとしたそのとき……。

――アービン! 俺だ、ティーダだ! つかまれ!!

暗闇の洞窟をさまよう冒険者が、入口から差し込む太陽の光に導かれるように、聞こえた声に向かって手を伸ばした。
がっちりと腕をつかまれ、おぼろげになっていた意識を引き戻される。


ティーダは■■■をみて、一瞬だけ驚いた表情を見せる。選択に迷う。
しかし、アーヴァインと無言の会話をかわして、すぐに覚悟の決まった引き締まった顔つきで■■■に向き合った。
アーヴァインの背後からおっかぶさる■■■を呪いごと、ティーダが代わりに請け負っていく。
黒い水底に沈み、溺れていたアーヴァインの意識は水面へ到達し、現実世界へと帰還する。

673 :キミの毒気にあてられて 2/10:2020/11/03(火) 19:59:57.08 ID:l2GRVURfv
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

想いを持った魂が、聖水に溶けこんで形となった。
召喚獣ティーダの成り立ちは、スフィアの組成に近しい。

――ベベルのお祭り騒ぎと孤独。
――夕日に煌めく幻光河と川岸の萌動。
――ビサイド島の穏やかな日々。

――消えた父親の背中を追う日々。
――平穏が崩れ去り、異世界で一人もがき続ける日々。
――ビサイド島の穏やかな日々。


スフィアに目を凝らせば過去を見て取れる。
スフィアに耳を寄せれば過去を聞き取れる。

――召喚士になれた日と、彼に出会った日。
――キーリカの港、キノコ岩の戦場、その惨状。
――望まない婚約とその終焉。

――彼女に出会った日と、ガードになった日。
――キーリカの港、キノコ岩の戦場、その惨状。
――望まない婚約とその終止符。


彼女の記憶は奔流に乗り、その先に在る彼に流れ込む。
彼の記憶は奔流に乗り、その先に待つ彼女に流れ込む。

――反逆者として追われる日々、絶望、そして決意。
――旅の終焉、決断。
――彼との物語の終わり。

――彼女を救う奮闘の日々、そして決意。
――旅の終焉、決断。
――彼の物語の終わり。


彼女の想いは奔流に乗り、その先に在る彼に流れ込む。


――平和になった世界、ビサイド島の賑やかな日々。
――彼の姿を追う日々、彼の手がかりを見つけた日。
――おもしろおかしい日々、彼の痕跡を追い求めて、そしていつもの日々が返ってくる。

――。
――。
――。

――彼を見つけながらも、何を話せばいいかわからなくて、目の前のことだけを見てきた一日目。
――彼と再会して、理想と現実の差に困惑し、それでも理想を追い求めた二日目。
――理想が現実に塗り替えられ、見たくないものを見せ続けられるその苦しみを思い知らされ、絶望した三日目。

――現実に打ちのめされ、目の前のことだけで精いっぱいだった一日目。
――友と出会い、彼女と再会して、現実だって捨てたものじゃないと感じて、理想を追い求めた二日目。
――現実を理想で塗りつぶし、見たいものだけを見続けたその愚かさを思い知らされ、懺悔した三日目。

彼が、彼女が、互いの記憶を以って、互いを認識する。

674 :キミの毒気にあてられて 4/10:2020/11/03(火) 20:01:03.08 ID:l2GRVURfv
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



もしかしなくても、これは夢だ。
ガガゼト山で、祈り子像に触れたときのような、精神の空間だ。
例えるなら、『シン』の体内に広がっていた悲しみの海、その夜景。いわば、明るい暗闇。

本当は迷った。
セフィロスがいる以上、すぐに目を覚ましたほうがいいのではないかと。
けれども、アーヴァインはティーダの迷いを見通したかのようにささやいた。
僕は大丈夫、彼女と言葉をかわしてほしいと、そう言っているのをティーダは理解できた。

夜空の下、なげきの園の雄大な光景を背景に立つ影は、ティーダがいつかは向き合わなければならなかった相手だ。


「なあ、話、しないか?」
「……今さら、何の話?」
  「また私を惑わそうというの?」
    「愛を踏みにじる、この偽物めぇ!」


意を決して声をかければ、いくつもの声が同時に聞こえてくる。
会話に応じる声も、怒りのままに罵倒する声も、もはや何も聞き入れない怨嗟の声も。

「っ!」

何重にも重なった感情をたたきつけられ、ティーダは思わず息を呑む。
以前見たときよりもその影はいささか薄く、輪郭がはっきりと見える。
緑と青のオッドアイが怪しく光る、ユウナと思わしき黒い人影。
それ以上に目を引くのは、まるで水晶のような質感。
魔女の城にあるという黒いクリスタルのような異質な姿。


目の前にいる■■■は、ユウナと定義するにはあまりに多くの異物が混ざり合ってしまったのだろう。
だが、そんなことは百も承知だったではないか。
分かったうえで、心を奮い立たせてティーダは■■■に声をかけたのだ。


「その……謝らなきゃいけないこととかたくさんあるし、逆に聞きたいことだって山ほどある。
 今さら何言ってるんだって言われても仕方ないけどさ。
 けど、言っておかなきゃ、聞いておかなきゃ、またどれだけ後悔するか分からない。
 そんなの、もうたくさんだ。だから、腹を割って、話をしよう」


「もう遅いよ……。私は戻れなくなっちゃったから……」
  「それもこれも■■■■■■、お前が、お前が、お前がいるからぁああ!!」
    「絶対に許さない、絶対に許さないから、■■■■■■!!!!!」

675 :キミの毒気にあてられて 5/10:2020/11/03(火) 20:02:01.24 ID:l2GRVURfv
かつて、彼は『シン』の体内で父親と再会した。
エボン=ジュに支配され、滅ぼされることを望んだ父親には、もはや理性が残っていないはずだった。
巨大な隕石を召喚し、豪快に投げかけようとする絶対絶命の状況。
そのさなか、彼は父親に思いの丈をぶつけた。
もう、あんたには負けねえと心の底から叫んだ。
ほんのワンテンポだけ、父親の動きが止まった。その一瞬が決め手となった。
隕石が投げつけられることはなく、ティーダの剣は究極召喚の胸を貫き、戦いは終わった。
理性を失ったはずの父親、その魂に、声が届いたのだ。
胸を貫かれた究極召喚の最期の表情は、どこか満足げな、穏やかな表情だった。


目の前の■■■にユウナとしての意識はあるのか、それとも怨念や魔女の意志に乗っ取られてしまっているのかは分からない。
けれども、彼女の魂さえ残っていれば、きっと声は届くのだと、ティーダはそう信じている。


「ごめん、ユウナのこと全然見てなかった。
 ユウナのことを後回しにしても、きっと許してもらえるって、小ずるいこと思ってた。
 オトナぶって、カッコつけて、ユウナの心を勝手に推し量って決めつけた。
 ユウナの優しさに付け込んで甘えきった。
 本当に、ごめん」

「言い訳なんて聞きたくないよ……。そんな話、キミの口から聞かされたくなかったよ……」
  「私のこと、どうでもよかったの? 私はこんなにキミを愛しているのに、キミは私のこと、眼中になかったの!?」
    「■■■■■■……! また偽物を作って、私を笑ってるんでしょ? 残念だけど、もうその手は見飽きてるんだ」


ティーダがユウナを見ていなかった。その懺悔は、■■■にとって聞かされたくない事実。
分かっていても、受け入れ難かった事実。
何もかもアーヴァインのせい――そんな偽りの希望を木端微塵に打ち砕く残酷な告白。
それを突き付けられて、それを受け入れるか、激高するか、否定するか……すべて彼女の気持ちなのだろう。


「ああ、何を言われても、受け止める。昨日までの俺はバカだった。
 それでも、ちゃんと謝らないと次に進めないから。
 ――ユウナと話せたら、絶対に言おうと思ってたことがもう一つあるんだ」

676 :キミの毒気にあてられて 6/10:2020/11/03(火) 20:03:04.70 ID:l2GRVURfv
覚悟を決めて、ゆっくりとティーダは近づいていく。
すぐそこにいる彼女のもとへ、近づいていく。

「俺はユウナを、愛してる」

彼女の瞳孔が広がる。
すでに固い水晶の身体が、重ねて硬くなる。

「ここじゃ、言葉しか伝えられないし、愛のカタチとか、証明とか、そういうのできない。
 でも、この気持ちは本当だ」


一歩、一歩、一歩。そして触れる。
背筋まで凍るような冷たい身体。
闇に呑み込まれていくのではないかという錯覚。
それでも、彼女に触れる。抱きしめようと、腕を伸ばす。

「これからは私だけを見てくれるの? そんなわけないよね? 言葉だけじゃ信じられないよ」
  「すぐにほかの人に浮気するよね? どうせ口だけだよね? もう騙されない」
    「嘘つき。大法螺吹き! ■■■■■■が逃げる時間を稼ぐために、調子のいいこと言ってるだけだろうが!」

■■■に伸ばした腕は、■■■にわしづかみにされる。
不信の言葉とともに、これ以上立ち入らせまいという意志を示される。
ティーダは逡巡し、言葉を紡ぐ。
次の言葉は彼女を激昂させるかもしれない。それが分かっていても、言葉を紡ぐ。

「ユウナだけを見る、ユウナしか見ない……それはできない」
腕をつかむ力が強くなる。

「ほら、やっぱり、愛してるなんて嘘だったんじゃない」
  「私の事、適当に言いくるめて、ゴミみたいに捨てる気だったんだね」
    「もうちょっとがんばれば、私も信じてあげたかもしれないのに。馬脚を露しちゃったね」


夜の闇が深まっていく。
冷たい声が返ってくることは覚悟していた。
失望されることは覚悟していた。
だから、ここからが正念場だ。

677 :キミの毒気にあてられて 7/10:2020/11/03(火) 20:04:06.40 ID:l2GRVURfv
「ユウナにウソ言うなんて、できっこない。
 ユウナだけを選んで、他は全部捨てるなんてウソはつけっこない。
 俺は欲張りだ。ユウナを愛してる。でも、友達だって大切にしたいし、仲間にだって囲まれていたい。
 ブリッツボールで結果を残し続けたい、選手としててっぺんに立ちたい、ファンだってたくさんほしい。
 世界中をまわりたいし、いろんな景色を見てみたいし、なんなら平和な異世界にだって行ってみたい。
 俺は欲張りだから、可能性があるなら、全部ほしい!
 オトナぶって、カッコつけて、最初からあきらめるなんてしたくない!
 ユウナを助けたい。仲間にだって生きてほしい。ここは、曲げない」


ウネやロックは、優先順位をつけろとティーダに言った。
ぐうの音も出ない正論だ。
アーヴァインを救う、ユウナを救う、仲間もみんな救う。清々しいまでの欲の張り方だ。
けれども、ティーダはやはりそこで妥協をしたくはなかった。

『シン』を倒す、『シン』を復活させない、ユウナを救う――あのときは足掻いて足掻いて、針の穴を通すようなわずかな可能性をつかみ取った。
ユウナだって、同じ想いだったはずだ。
すべての希望を断つリスクを分かっていながら、わずかな可能性にかけて、最良の未来をつかみ取ることを選んだのだ。


「ユウナにさ、言っておきたいことがあるんだ」
今までは懺悔の時間だった。
けれども、それだけじゃ対等じゃない。

「俺を見ろよ!
 目を逸らすなよ!
 俺はここにいるだろ!」


ティーダは腹に力を込めて、思いの限りを声に乗せる。
一歩間違えれば傲慢で、ナルシストと言われても仕方がない尊大な考え方だ。
でも、これでダメならもう脈はない。不退転の気持ちで彼女に語り掛ける。


「アービンを憎んでいればそりゃ楽さ。何も変わらない。
 あいつをユウナは許さない。あいつは謝り続ける。堂々巡りだ!
 あいつを罵って、傷つけて、憑り殺して、それでユウナの気持ち、変わるのか?
 ナギ節みたいに、たとえその一瞬だけ感情が収まっても、すぐに溢れるんじゃないのか?
 だってさ、ユウナの気持ちは、どこに向いてるんだよ……。
 アービンなのか? 違うだろ!
 溜め込んだこと、飲み込んだこと、全部俺にたたきつけろよ!」

678 :キミの毒気にあてられて 8/10:2020/11/03(火) 20:05:42.00 ID:l2GRVURfv
強い口調のはずなのに、涙の混じる音がする。
糾弾でも叱責でもない、これは懇願の色だ。
ティーダの腕をつかむ■■■の力が緩み、弱弱しく口を開く。

    「なんで、私を見てくれなかったの」
「……ごめん」

反逆者として追われた日、マカラーニャの泉での一夜を思い出す。
張り詰めた糸がぷつりと切れて、弱さをさらけ出した彼女の姿。

  「どうして、私に気づいてくれなかったの」
「ごめん」

もしあのとき、彼女が胸の内を明かせずに溜め込んだままだったら。
いったい、あの旅はどうなっていたことだろう。

「なぜ、私を止めてくれなかったの」
「ごめん」

今の彼女は、そのときのIFなのではないか。
そんな、とりとめのない考えがティーダに浮かんだ。

「「「なぜ、私を置いていなくなっちゃったの?」」」
「本当に、……ごめん」


本当に、不条理な問いだ。
彼にだって彼女にだって、どうしようもなかったことくらい分かっている。
それでも問いかけるしかなく、謝り倒すしかない。
沈黙が二人の間を支配する。


「こうなっちゃったのは、紛れもない私自身が選択した結果なんだよ……」
  「私は戻らない。もう戻ることはできない」
    「殺し続ける。殺して、殺して、殺して、キミへの愛を取り戻す」

「……そっか、じゃあ止めに行かないとな」


ティーダは今一度、■■■へ近づいていく。
腕を広げて、背にまわし、引き寄せて、彼女の体を自分の体に沈み込ませる。

679 :キミの毒気にあてられて 9/10:2020/11/03(火) 20:06:35.94 ID:l2GRVURfv
「俺のしぶとさ、見くびんなよ。
 このくらいで諦めるわけがないっつーの」

一度は消えたが、ティーダは再びユウナの元へ舞い戻った。
一度は死んだが、ティーダは蘇ってユウナの元へたどり着いた。
そんなのは結果論だ。偶然だ。だから、この言葉だってただの勢いだ。
けれども、不条理に振り回され、蓄積し、ついには爆発した感情を塗り替えるのは、場の空気と勢いだ。
ティーダの姿をして、ティーダの記憶を持った男が、ユウナの元に絶対にたどり着くと宣言する。
その意義は果てしなく大きい。


「絶対にユウナの元にたどり着いてやる。
 黒いクリスタルぶっ壊して、その身体覆ってる闇っての? それごと元の場所に還してやるからさ!
 だから、そこで待っててほしい」

這ってでも、蘇ってでも、召喚されてでも、自分はユウナの元に向かう。
精神の世界でダイレクトにつながった二人は、今だけはそれを確信している。


ティーダの胸の中に、■■■が頭を沈み込ませる。
その刹那、スフィアを覗いたかのように、ティーダの脳裏に一つの光景が浮かび上がった。

荒れ果てた広間。
散乱した分厚い魔導書。
壊れた黒いクリスタル。
白い光を放つ黒いオーブ。
壁に埋め込まれた棺と水晶に眠る仮面の男。

ティーダはこの光景を見たことはない。
けれども、これがきっと魔女の城――ユウナの見ている景色なのだろうと、ティーダはそう思った。

【闇】を全部取り払って、ユウナの心を救い出す。
いや、それだけじゃない。みんなの心を救い出す。ユウナも、犠牲になったみんなも。
それが、ただ一人舞い戻った自分に課せられた使命なのだと言い聞かせる。

「待ってる。うん。待ってるよ……」
哀しみと絶望に染まっていたはずの■■■の目に、希望の光が見えたような気がした。
嘆きの園に朝日が訪れたかように、あたりが明るくなる。


そして、抱擁が解かれ、
身体を突き飛ばされた。

680 :キミの毒気にあてられて 10/11:2020/11/03(火) 20:10:39.80 ID:l2GRVURfv
「あ………?」

ティーダは突然のことに受け身を取れず、尻もちをついてしまった。
状況が飲み込めないまま顔をあげると、そこにはいつしか二人の女性の姿があった。
一人は先ほどまで話していた■■■。
そしてもう一人は、表面は無数の血管と触手で覆われていて、悪趣味で奇怪な翼を背負った銀髪の女性だ。
そして、その手……と呼んでいいのかどうかも疑わしい器官に■■■を捕らえていた。


ティーダはその姿に戦慄する。
アーヴァインの魔物化した左半身と酷似した、それ以上におぞましい何か。
アーヴァインの夢の世界、夜の大都市でアーヴァインを追いかけまわしていた怪生物にほかならない。

【闇】を吸収しているのだろうか。
■■■の輪郭が薄くなる。
それと引き換えに、景色は夜明けが来たように徐々に明るくなっていき、怪物の存在感が強まっていく。

夜闇が薄まり、朝日が昇る。
希望を象徴するその光景は、ジェノバが見せる偽りの希望。
昇る朝日は太陽では決してない。
それは、ジェノバが操る星の箱舟。

「ユウナ!」
ティーダは■■■の名を叫び、怪物に斬りかかる。
たとえそこにいる■■■が本体でなくとも、見過ごす選択肢はない。


大地の名を冠する剣が、襲い掛かる触手を切り裂く。
邪魔な一本、二本と切り裂いて、本体と思わしき銀髪の女性の脳天めがけて振り降ろす。
その瞬間、まるで電線のコードが抜けてしまったかのように、ぶつりと接続が切れ、ティーダは暗闇へと放り出された。


召喚士が、召喚獣を戻した。
その結果だった。

681 :キミの毒気にあてられて 11/11:2020/11/03(火) 20:11:51.66 ID:l2GRVURfv
【アーヴァイン (MP1/4、呪い、半ジェノバ化(重度)
 右耳失聴、一時的失声、呪い(時々行動不能or混乱or沈黙)
 所持品:ビームライフル 竜騎士の靴 手帳、G.F.パンデモニウム(召喚×)、リュックのドレスフィア(シーフ)、
     ちょこザイナ&ちょこソナー、ランスオブカイン、スプラッシャー、変化の杖、祈りの指輪(ヒビ)
     チョコボ『ボビィ=コーウェン』、召喚獣ティーダ、飲料水入りの瓶×9
 第一行動方針:セフィロスを???
 第二行動方針:旅の扉へ向かう
 最終行動方針:魔女を倒してセルフィや仲間を守る。可能なら生還してセルフィに会う
 備考:・ジェノバ細胞を植え付けられた影響で、右上半身から背中にかけて異形化が進行しています。
     MP残量が回復する前にMP消費を伴う行動をするとジェノバ化が進行します。
    ・セフィロスコピーとしてセフィロスに操られる事があります。
    ・ユウナ?由来の【闇】の影響で呪い効果を受けます。会場内にいる限り永続します】

※ティーダの所持品:ユウナのザック(官能小説2冊、ライトブリンガー、スパス、ビーナスゴスペル+マテリア(スピード))、ガイアの剣
※ティーダはアーヴァインの呪いを引き受け、軽減しました
【現在位置:希望のほこら北西の茂み】

682 :Reverse Sephiroth:2020/11/03(火) 20:12:49.07 ID:l2GRVURfv
召喚獣と召喚士は特別な絆でつながっている。
でも、それがなくとも、ティーダのやるべきことくらい、はかりとれる。
ティーダに彼女を任せたのは、きっと正しい。


アーヴァインは■■■の悪意にひとえに晒されてきた。
だからこそ、降りかかっていた彼女の悪意が薄らいできたのが分かる。
聞こえないはずの耳鳴りが収まっているのだ。
自分の手に重ねて置かれた手が消えているのだ。
どうして? そんなの決まってる。
アーヴァイン、ユウナ、ティーダの三人を破滅へと導く死の三角螺旋は逆巻いて、希望の未来へと動き出すのだ。

スコールが動いている。班長は、今度も作戦をきっと成功させる。
ユウナの心が救われる未来があるのだと、信じることができた。
そしてセフィロスはもはや絶体絶命の状況にまで追い込まれた。


安堵してしまった。
安堵してしまった。
――安堵してしまった。


一瞬の心の隙だった。
ぴんと張り続けてきた緊張が、この瞬間だけ緩んだ。
まだ、ジェノバの件は何も解決していないのに。


(あとはカッパだ……)


【闇】の破壊衝動か、散々セフィロスにささやきかけられてきたその反動か、それとも自身の恨み辛みがそれほどまでに深かったのか。
セフィロスへの思いを抑えきれない。


「もう、終わり゛、だね……。ドロー」

相手にゆかりのある魔法を抽出する技術。

「あひゃ? なんじゃこりゃ?」

アルティミシアにさえ通じるのだ。初見の者に防げるはずがない。
本能に突き動かされるように、セフィロスへ向かってドローした魔法を放つ。





「カッパー」





口角のないはずのセフィロスが、口角を上げたのが見えた。

683 :Reverse Sephiroth:2020/11/03(火) 20:13:30.51 ID:l2GRVURfv
【アーヴァイン (MP1/4、呪い、半ジェノバ化(重度)、コピー
 右耳失聴、一時的失声、呪い(時々行動不能or混乱or沈黙)
 所持品:ビームライフル 竜騎士の靴 手帳、G.F.パンデモニウム(召喚×)、リュックのドレスフィア(シーフ)、
     ちょこザイナ&ちょこソナー、ランスオブカイン、スプラッシャー、変化の杖、祈りの指輪(ヒビ)
     チョコボ『ボビィ=コーウェン』、召喚獣ティーダ、飲料水入りの瓶×9
 第一行動方針:セフィロスを???
 第二行動方針:旅の扉へ向かう
 最終行動方針:魔女を倒してセルフィや仲間を守る。可能なら生還してセルフィに会う
 備考:・ジェノバ細胞を植え付けられた影響で、右上半身から背中にかけて異形化が進行しています。
     MP残量が回復する前にMP消費を伴う行動をするとジェノバ化が進行します。
    ・セフィロスコピーとしてセフィロスに操られる事があります。
    ・ユウナ?由来の【闇】の影響で呪い効果を受けます。会場内にいる限り永続します】


【セフィロス (HP:1/5、右腕喪失)
 所持品:村正、ふういんマテリア、奇跡の剣、いばらの冠、プレデターエッジ、筆記具、ドラゴンオーブ、
     弓、木の矢の残骸、コルトガバメントの弾倉×1、ユウナのドレスフィア、アンジェロの遺体
 第一行動方針:アンジェロの蘇生を試す
 第二行動方針:アーヴァインを利用して【闇】の力を得たジェノバとリユニオンする
 第三行動方針:進化の秘法を使って力を手に入れる/ドラゴンオーブの力を手に入れる
 第四行動方針:旅の扉をくぐる
 第五行動方針:首輪を外す
 第六行動方針:黒マテリアを探す
 最終行動方針:生き残り、力を得て全ての人間を皆殺しにする(?)】

684 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2020/11/03(火) 23:28:32.43 ID:feBkkrD92
投下乙!
ティーダが見事ティーダらしい告白をぶつけてこれにはU菜様もデレ不可避
でもせっかくフラグが立ったのに早くもセフィロス復活で暗雲がやばいですね…
ケフカがるんるん唱えてる魔法も不穏だし、誰が落ちるか目が離せなくて楽しみです!

685 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2020/11/14(土) 23:49:03.90 ID:wNIlzdqTA
FFDQ3  749話(+ 3) 19/139 (- 0) 13.7

686 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2020/12/26(土) 00:13:27.11 ID:bF8qROBTZ
保守

687 :First Priority 1/13:2021/01/04(月) 22:41:54.88 ID:HrzxOofio
「あぎゃああああああああぁぁぁぁっっっっ!!」

ケフカにできたのは、わずかに身をよじることだけだった。
投げつけられたプレデターエッジは、ケフカの心臓へ吸い込まれるように飛んでいき、直前でわずかに身を逸らしたケフカの左上腕を貫いた。
だが勢いはまったく衰えず、それどころか空を割いて飛んでいく広刃剣にケフカは引きずり倒され、後方へとバウンドしていく。


カッパーの使い手はことごとく会場から死滅し、離脱した。
ロックも内側に取り込んだ。
カッパーの解除は不可能。


そんな当初の予測をあざ笑うかのように目まぐるしく変化していく状況は、現状に食らいついていた彼をもついに振り落とし、代わりに脱落が追いついてくる。
セフィロスを確実に葬るために紡いでいた魔法、その詠唱は結実することはない。
プレデターエッジが後方へと一直線に飛んでいき、ケフカはずざざざっと地面を引きずられていく。
どこで間違ったのか、逆恨みもままならぬまま、ケフカはプレデターエッジと共に後方の毒沼へダイブした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

688 :First Priority 2/13:2021/01/04(月) 22:42:25.24 ID:HrzxOofio
「ぼ、ぼくは何をした……?」
カッパのいた場所に入れ替わりに現れたのは、流れるような銀髪を持つ背の高い男だった。
どうして、ケフカからカッパーをドローしたのか。
どうして、セフィロスを元の姿に戻すことになったのか。
どうして、ティーダとのつながりを解除してしまったのか。
自分の事が、分からない。
何もかもが、分からない。


本来、アーヴァインの意識はとっくになくなっているはずだったのだ。
昨日の夜、セフィロスにジェノバ細胞を植え付けられたそのときに。
希望のほこらの場力とティーダの意志によって、均衡は保たれていた。
セフィロスがさらなる意志を送り込んだことで、均衡はついぞ崩れた。

アーヴァインがはっきりと理解したのは、最低の裏切者に堕ちたということだけで。
アーヴァインの半身から色素が消え、輪郭がブレて、壊れかけた古いテレビのディスプレイのように横線がぶつぶつと入る。
瞳の色が魔晄の色へと染まっていく。


『受け入れろ。絶望を』


かつて聞いた、甘美な声がもう一度、アーヴァインの中に響きわたった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

689 :First Priority 3/13:2021/01/04(月) 22:42:47.80 ID:HrzxOofio
「うぅ、うぁぁあ、うあああああァァュュィギィィァァュュュォォォォオオオオオ!!!!」
「アーヴァイン!?」

アーヴァインから、彼のものとは思えない悲鳴とも怒号ともつかない叫びがあがる。
半身が自由意志を持つかのようにうごめく。
それはジェノバの胎動であり、その絶叫は産声だ。


(これが、これがセフィロスの狙いだというのか……! どこまでがやつの思惑だというのだ……!?)
(う〜、どゆことなのさ〜!? 何が起こってるの!? 慌てちゃダメ、慌てちゃダメだって、いったん冷静にならなきゃ!)
(どうみてもセフィロスのせいだよな……。なんとかして、アーヴァインのやつをセフィロスから引きはがせないか……?)
(セフィロスは強い……! だが腕一本は奪ってるんだ。勢いを取り戻される前に叩くしかねえ!)
(クェ、クェェ……)

セフィロスの出現と、アーヴァインの変貌にうろたえる一同、それぞれの内心は一枚岩とは程遠い。


「ぼやっとしてんじゃねえ! セフィロスは病み上がりだ! 今のうちに一気に押し切るぞ!」
サイファーが仲間たちに目を向けて、怒声を上げる。
動揺を察したのかそうでないのか、ともかく強引に作り出した勢いに任せて、状況を取り戻そうとする。
そしていの一番にセフィロスに向かって斬りかかっていくのだ。

690 :First Priority 4/13:2021/01/04(月) 22:43:58.19 ID:HrzxOofio
有事において、冷静な判断をくだし、班員に周知できることは指揮官の必須条件だろう。
セフィロスはつい先ほど片腕を失い、バランスを崩している。
全員で速攻すれば押し切れるという推測は間違っていないのだ。

ただし、その作戦を阿吽の呼吸で実行できる仲間がこの場にいるのかどうか、
そして、その作戦の穴を埋められるような相棒がこの場にいるのかどうかは別の話だ。
その拙速こそが、サイファーがSeedに匹敵する実力と戦闘センスを持ち併せながらも、落第し続けた理由。



スコールがいれば、あるいは風神や雷神がこの場にいれば、この条件下でも即座に連携ができただろう。
しかし、この場にいる歴戦の戦士たちは、あるいは出会ってまだ日も浅く、あるいは共闘の経験も少ない。
まして、サイファーの仕草も感情も仲間の視覚だけでは捉えられない。
なぜなら、彼はまだ透明だから。


結果、サイファーだけが突出してしまった。
リュックはサイファーに遅れて駆け出すが、打ち合わせなしの完全ぶっつけ本番でこの場に立ち会っているギードは明確に出遅れた。
それゆえに、ギードはサイファーが交戦するタイミングに合わせてサポートできるように、遠距離攻撃に切り替える。

そしてロックは、駆け出さなかった。
顔色を変え、サイファーに向けてできる限りの速さで詠唱をおこなっていた。

691 :First Priority 5/13:2021/01/04(月) 22:45:06.30 ID:HrzxOofio
サイファーの怒号が発せられるほんの少し前。
秒でいえば、一秒にも満たない、本当にほんの少し前のことだ。
セフィロスはサイファーらから一度距離を取り、村正を掲げていた。
村正にはめられていたふういんのマテリアから、コピーの肉体へと光が吸い込まれていったのだ。


「クェッ!! クェ〜〜ッッ!!」
ボビィがいち早く気づき、サイファーに警告する。
ドローが完了したときには、既にサイファーは駆け出しており、今さら止まれば大きな隙をさらしてしまう。
ロックが顔色を変え、いちはやく透明を解こうと魔法を詠唱し始める。


アーヴァインの豹変、カッパの解除、ケフカへの無情な不意打ち、サイファーの先行。
これらの出来事が10秒たらずのうちになだれ込んできたのは事実だ。
けれどもカッパが解けた瞬間に、サイファーにケアルでもヘイストでも、なんでもいいから魔法をかけておくべきだったのだ。
なぜアーヴァインの魔法がサイファーらに向かないと思ったのか。
後悔は先に立たない。

「間に合ってくれ……!」
ロックの願いは、しかし虚しく散る。
ドローの光を見てから魔法の詠唱をおこなった。
ロックに早詠みの技能などない。故にこの時点でもう間に合わない。
もっとも、この残酷な事実を知っているのは、魔法とドロー、両方を知るリノアとアルティミシアだけであろうが……。


「うおらああああぁぁっ!!」
サイファーは、回避できないのならばいっそとさらにスピードを上げ、セフィロスへと進撃する。


「あ…あ゛あ゛……だ、メだ……! サイファー、避げて」
身体は澱みなく行動するも、アーヴァイン本人の意思だけは残るという悪辣さ。
いっそ、意志のない完全な化け物であれば迷いなく敵対できただろう。
彼の意識が生きているという事実、それは救い出さんとする側への枷となる。


「あ゛、あ゛……」
サイファーは剣を突き出したポーズのまま、ひとつの立派な石像となっていた。
石像となっても勢いは衰えず、セフィロスへと突き込んだ。
だが、セフィロスは石像ではない、意志を持つ一人の参加者だ。
どれだけ速くとも、愚直な突進を何もせずにくらうなどありえない。
セフィロスの身体をかすめて浅い傷を残し、地面に落ち、ずざざと泥をえぐり、しばらく滑り、そして止まった。

692 :First Priority 6/13:2021/01/04(月) 22:46:24.57 ID:HrzxOofio
「ククク……。ようやく姿を見せてくれたな。もっとも、私の知る姿とは多少異なっているようだが、な」

石化魔法ブレイク。
対象を大きく傷つけ、その傷跡から石化の呪いを振りまく封印魔法。
セフィロスが持っている魔法の中では、最も強烈な行動制限をかけられる。
だが、コピーが放ったブレイクは、ただ相手を石化するだけの魔法へとランクダウンしていた。
コンマ秒の差でロックの放ったヘイストがサイファーにかかるが、もはや何の意味もない。


「やはり効力は落ちるらしい。まあ、予想していた通りの制約というわけだ」
フリーズ、トルネドとてそうだった。フレアもおそらくはそうなるだろう。
魔法の効能を検証し、セフィロスはつぶやく。

その目はサイファーへと向けられてるも、視界の隅からギードたちを外してはいない。
そしてセフィロスは突如、掲げた村正を上空へと放り投げた。


「!?」
「えっ、何してんの?」
ロックとリュックはその奇行に呆気にとられる。
そして村正が弧を描く軌道の頂点に達すると同時に、その地点に雷が現れた。


「どうした? ギード?」
セフィロスの視線は後方へ、ロックとリュックを飛び越えてギードへと向かう。
苦虫を噛み潰したようにギードはセフィロスをにらみつけていた。


ギードにはクイックのような大技を使えるほどの魔力は残っておらず、攻撃魔法を使うにしても魔力は心もとない。
多方、アイテムに関しても、猫の手ラケットは以前の戦いでセフィロスに割れている。
スタングレネードはセフィロスが以前利用していた。
だからこその雷鳴の剣の選択で、そして失策だった。


「残念だったな。その雷の出る武器は一度見た。
 恨むなら、着ぐるみの女を恨め」


村正は雷の収束点を貫き、雷は刀身を辿って拡散する。
肉体はカッパ、得物は矢という、より難易度の高い条件ですら、同じ手段でセフィロスは雷鳴を回避したのだ。
馴染みの肉体を取り戻し、相性のよい武器を携えていて、再現できないはずがない。

693 :First Priority 7/13:2021/01/04(月) 22:47:10.39 ID:HrzxOofio
散らされた雷はあたり一面にめちゃくちゃに降り注ぎ、リュックは思わず足を止める。
「けど、武器がないんだったら!
 これくらいの雷はもうへっちゃら! このまま突き進んじゃうよ!」

ロトの盾で雷撃を弾き、メタルキングの剣で雷撃を斬り払って進撃する。
雷平原でおこなった地獄のキャンプ一週間に比べれば子供だましだ。


村正は雷の膨大なエネルギーを一手に引き受け、未だ宙を舞っている。
当分、セフィロスの手元に戻ることはないだろう。
だが、セフィロスは動じない。不敵な笑みは消えない。
セフィロスはサイファーの石像から、導かれるように、そして確信を持って中の武器を引き抜いた。


「さて、ずいぶん待たせた。
 ようやく私の手に戻ってきたな」

その手に握られているのは刃渡り二メートル近い異様な長さを誇る刀。
セフィロスの身長に匹敵する刀身は人が持つにはあまりにアンバランスで、しかしセフィロスが持てばなぜか絵のように美しい。
セフィロスは腰だめに構えた愛刀から、神速の突きを繰り出す。


「やっば!」
それは直感だっただろう。
リュックが盾を正面に構えた瞬間、すさまじい衝撃が盾から腕を通じて、肩まで突き抜けていく。
ロトの盾でガードしていなければ、あるいはこの盾でなければ、そのまま正宗で串刺しにされ、宙ぶらりんになっていたことが容易に想像できた。
冷や汗が止まらない。


「あれっ?」

盾に対し、直角に突き立てられた正宗を弾くことができない。
それどころか、正宗を突き出したままセフィロスが前進し、リュックが後ろに押されていく。
適度に湿った地面は摩擦を減らし、かつてパウロがセフィロスと切り結んだまま彼を押し出したのをなぞるように、地面に足を付けたリュックを押し出していく。

694 :First Priority 8/13:2021/01/04(月) 22:48:45.75 ID:HrzxOofio
「クエエエ!!?」
「わっ、これほんとヤバいって!」
リュックの真後ろには脚を痛めたボビィ。
このまま押され続ければ最後にはボビィを巻き込んで、リュックは確実に転倒する。


「こっちじゃセフィロス!」
「お前の相手はこっちだ!」
ギードが手足と首を甲羅にひっこめ、その回転する身体を凶器として体当たりをしかける。
ロックがリュックの横から、セフィロスに斬りかかる。

両者の斬りかかったタイミングはほぼ同じ。
奇しくも左右から挟み撃ちする形になる。


ロトの盾を通してリュックにかかっていた圧力は、瞬間的にさらに強い力が加わったかと思うと、それっきり消え失せた。
ギードの体当たりは不発する。
ロックの連撃は一撃目から空を切る。


「クェェェ!!」

遠くから見ていたボビィがいちはやく声をあげる。
正面に遮るもののないロックが、ただちに後ろに退く。
盾で遮ってはいたものの、視界は確保していたリュックがロックに続いて退く。
甲羅に身体をひっこめて、上下の視界を十分に確保できないギードだけが、退くタイミングが遅れた。


「上だギード!」
「ギード、避けて!」

ロックもリュックも地面を蹴って飛びのいている最中だ、だから声を飛ばすしかできない。
ギードは決死の覚悟で甲羅の腹を地面に擦り、地面のわずかな起伏を利用して、転倒するように軌跡を変える。
その瞬間に、ギードの進路上からわずかにそれた地点に、正宗を構えたセフィロスが降ってきた。

「うぉっ!」
「ひゃあっ!」
「ぐぅっ!」

獄門の衝撃は地面に小さなクレーターを作り出し、ギードのみならず、少し離れていたはずの二人まで足元から吹き飛ばす。
地面からの衝撃波はロックやリュックをノックバックさせ、
最も地面に近い位置にいたギードは衝撃波に突き上げられて、泥にまみれてひっくり返る。


「さて、すまないがそろそろ終わりにしたい。
 餞別に、絶望でも送ろうか」


(まずいっ!)
ギードの脳裏に死の一文字が浮かぶ。

そして、サイファーの放ったものとは比べ物にならない風速の竜巻が……疑似魔法ではない、本物のトルネドが吹き荒れた。

695 :First Priority 9/13:2021/01/04(月) 22:50:02.50 ID:HrzxOofio
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

肩口に深く差し込まれたプレデターエッジは、その重みで毒沼の底へとずぶずぶ沈んでいく。
ケフカの肉体も、引きずられるかのように徐々に沈みゆく。
ただでさえ肉と骨を断たれる激痛、そこに沼の毒水が傷口から浸み込むとなれば、『いったあーい!』などとふざける余裕もない。

自らの意志で肉体の一部を切り落とす選択をするしかなかった。
セフィロスがとどめを刺しに来る前に、必死で魔法を総動員して、左腕を斬り落とすしかなかった。
余計な毒が入り込まぬよう、自らの手で傷口を凍らせ、セフィロスと同じような格好をするしかなかった。
左腕を激痛とともに切り離し、みじめなカナヅチのように水面から顔を出し、テレポの魔法を使うしかなかった。


セフィロスの表情を、ケフカははっきりと覚えている。
復讐に燃えるでもない、ケフカを嘲笑するでもない、ただの邪魔な壁を壊すかのような淡々とした表情。
ナルシストの彼にとって、この数分の出来事は屈辱以外の何物でもなかった。


セットした髪型は水に濡れてぐしゃぐしゃになり、汚い沼水がしたたり落ちる。
白い化粧は変色し、メイクではなく汚泥を塗りたくったような汚らしい外見となる。
派手な衣装は濡れそぼり、肌にぺったりと張り付く。
毒沼の異臭は身に纏わりつき、血の匂いをも上書きしてしまう。
なんとか回収した左腕は、とてもくっつけられるとは思えないほど損傷してしまった。

「許さん……絶対に許さん……!」

彼の恨みは夜の闇より深い。
他のすべての参加者を嘲弄していたその眼に、明確に昏い復讐の光が宿る。
今のままでは確実に返り討ちに遭う。
それを分かる頭が残っていても、屈辱を晴らさんとする激情は収まることはない。
かつてカッパが道化に向けていた復讐の光、その向きはついぞ入れ替わった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

696 :First Priority 10/13:2021/01/04(月) 22:53:19.77 ID:HrzxOofio
(初日と同じではないか……)
ギードは苦い記憶を思い返す。怪我人を作り出し、簡単には追えない状況を作り上げてから悠々と撤退する。
脚をやられたボビィ、ひっくり返された自分、そして治療法の限られる石化という状態異常を受けたサイファー。

竜巻が収まったころには、セフィロスもコピーもいなくなっていた。
サイファーは石のまま佇み、ボビィは引かない痛みに涙目をこらえて膝を折っているのみ。


ギードに死の未来は訪れなかった。
代わりに起こったのは、魔力の強奪。
セフィロスコピーに魔力を大きく吸い取られたのだ。


正宗の威力は、セフィロスが万全の状態でなくとも、ギードを切り捨てるに足るものだ。
コピーを操り、ドローをさせて、魔法を一つギードから収奪したということだ。
この場において、賢者ギードからしか奪えない魔法があったということなのだ。

(ワシはあやつに生かされたというのか。何らかの魔法一つのために)




「いたい〜」
「クエエェェ〜」
「すぐ治すからちょっと待っててくれ」
メガポーションを振りまいて、リュックとボビィの傷を治療する。
トルネドが放たれたのは、ロック・リュック・セフィロスを結ぶ三角形の中心の空間だ。
重装備のために比較的動きの遅いリュックが、若干切り傷を作ったものの、命には別条はない。


「見逃された、ってことじゃないよな」
「そんなわけないよ。見逃されたんじゃなくて、あたしたちが追わなかったんだよ……」

竜巻がひいて、セフィロスの姿が見えなかったことに安堵してしまった。
サイファーに続いて死を厭わずに斬りこんでいれば相討ちには持ち込めたかもしれない。
だが、足掻くにしては希望が多すぎた。

アーヴァインとサイファーとで、優劣をつけ、片方を切り捨ててしまったのではないか。
もちろん、このまま放置した場合、先に死ぬのはサイファーだ。
だが、事実としてアーヴァインを追わなかった。
それこそがセフィロスから送られた真の絶望だったのではないかと彼らは思う。

「サイファー治して、急いで追いつくぞ」
「うん……」

己を奮い立たせようにも、覇気が出ない。
心に刻まれた傷跡は、小さいながらも確かに鋭かった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

697 :First Priority 11/13:2021/01/04(月) 22:58:23.27 ID:HrzxOofio
負け癖がつくという。
何らかの敗北をトリガーに、その後坂道を転がり落ちるように敗北を重ねてしまう。
どれほどみじめなことか、セフィロスは昨晩身をもって思い知った。
散々味わわされたからこそ、どうやって復讐するかは考えていた。

「元々は、ケフカに敗北を刻み込んでやるつもりだったがな」

結局のところ、その優先度は大きく下がっている。
まだそのあたりをうろちょろしていればとどめを刺すつもりだったが、
移動がてら捜したものの、ギードらとの戦闘中に逃亡したことは分かった。


そもそも、参加者の殺害すら優先度を落としているのだ。
相手の虚を突いた今のタイミングこそ、殺害のベストタイミングだっただろう。
だが、それをすれば追撃は激しくなるし、何より無駄な時間を食ってしまう。
本意ではない。
先ほどの戦闘とて、3分も経たずに切り上げている。


なぜか。
ドローを使えば魔法を強奪できるのだ。
最優先はアンジェロの蘇生以外にありえない。


リュックを押し出したのは、村正、ひいてはふういんマテリアの落下地点を確保して回収するため。
サイファーを石化させたあと破壊しなかったのは、足手まといを作り出して追撃を遅らせるため。
コピーの意識を完全には塗りつぶさないのは、そうするとドローと擬似魔法の精度が落ちると判断したため。
ギードを殺さなかったのは、彼にしか使えない魔法が欲しかったため。


ギードが高位の回復魔法の使い手であることはアリアハンにて既に認知している。
ケアルガを何度も使用できるのであれば、レイズを使える可能性も十分にあった。
フリーズやブレイクのように威力が劣化するのはリスクだが、ドローできたのはアレイズ。十分だろう。


サイファーから奪ったメガポーションをあおり、さらに入っていた紙切れに目を通す。
今さらサイファーらと手を組むなどないだろうが、彼らが何をおこなっているのかを知った。
成果を奪えるのであれば、それに越したことはないだろう。


コピーたるアーヴァインは絶望の光を青い目に湛えて、セフィロスの後ろを歩む。
セフィロスは柄にもなく、希望を胸に足早に歩む。
希望のほこらはもう目と鼻の先だ。

698 :First Priority 12/13:2021/01/04(月) 22:58:48.80 ID:HrzxOofio
【セフィロス (HP:1/5、右腕喪失)
 所持品:E正宗、村正、ふういんマテリア、奇跡の剣、いばらの冠、筆記具、ドラゴンオーブ、
     弓、木の矢の残骸、コルトガバメントの弾倉×1、ユウナのドレスフィア、アンジェロの遺体
     スコールの伝言メモ
 第一行動方針:希望のほこらでアンジェロの蘇生を試す
 第二行動方針:アーヴァインを利用して【闇】の力を得たジェノバとリユニオンする
 第三行動方針:進化の秘法を使って力を手に入れる/ドラゴンオーブの力を手に入れる
 第四行動方針:旅の扉をくぐる
 第五行動方針:首輪を外す
 第六行動方針:黒マテリアを探す
 最終行動方針:生き残り、力を得て全ての人間を皆殺しにする(?)】

【アーヴァイン (MP1/4、半ジェノバ化(重度)
 右耳失聴、一時的失声、呪い(時々行動不能or混乱or沈黙)
 所持品:ビームライフル 竜騎士の靴 手帳、G.F.パンデモニウム(召喚×)、リュックのドレスフィア(シーフ)、
     ちょこザイナ&ちょこソナー、ランスオブカイン、スプラッシャー、変化の杖、祈りの指輪(ヒビ)
     召喚獣ティーダ、飲料水入りの瓶×9、アレイズ×1
 第一行動方針:セフィロスについていく
 最終行動方針:魔女を倒してセルフィや仲間を守る。可能なら生還してセルフィに会う
 備考:・ジェノバ細胞を植え付けられた影響で、右上半身から背中にかけて異形化が進行しています。
     MP残量が回復する前にMP消費を伴う行動をするとジェノバ化がさらに進行します。
    ・セフィロスコピーとしてセフィロスに操られる事があります。
    ・ユウナ?由来の【闇】の影響で呪い効果を受けています。会場内にいる限り永続します】

※ティーダの所持品:ユウナのザック(官能小説2冊、ライトブリンガー、スパス、ビーナスゴスペル+マテリア(スピード))、ガイアの剣
【現在位置:希望のほこら北の平原】

699 :First Priority 13/13:2021/01/04(月) 23:00:18.44 ID:HrzxOofio
■13
【サイファー (石化、右足微傷)
 所持品:E破邪の剣、G.F.ケルベロス(召喚不能)
 第一行動方針:石化を治す
 第ニ行動方針:旅の扉へ向かう
 基本行動方針:全員の生存を優先/マーダーの撃破(セフィロス優先)
 最終行動方針:ゲームからの脱出】

【リュック (パラディン HP:9/10)
 所持品:メタルキングの剣、ロトの盾、クリスタルの小手、ドレスフィア(パラディン)、
 マジカルスカート 、ドライバー×4、未完成のドライバー×1、ロトの剣、チョコボ『ボビィ=コーウェン』
 第一行動方針:サイファーを治す
 第ニ行動方針:皆の首輪を解除する
 最終行動方針:アルティミシアを倒す
 備考:パラディンのドレス着用時のみ闇化耐性があります】

【ロック (MP3/4、HP:9/10、左足軽傷)
 所持品:キューソネコカミ クリスタルソード 魔石バハムート、皆伝の証、かわのたて
 レッドキャップ、2000ギル、メガポーション
 デスキャッスルの見取り図
 第一行動方針:セフィロスを倒す
 第二行動方針:ケフカを警戒する
 基本行動方針:生き抜いて、このゲームの目的を知る】

【ギード(HP1/2、MP:1/5)
 所持品:首輪、アラームピアス(E、対人)、りゅうのうろこ(E)、ひそひ草、ジ・アベンジャー(爪)、スタングレネード、ねこの手ラケット、血のついたお鍋、雷鳴の剣、風魔手裏剣(3)
 第一行動方針:サイファーを治す
 第二行動方針:セフィロスを阻止する
 第三行動方針:旅の扉へ向かう
【現在位置:希望のほこら北西の茂み】


【ケフカ (HP:1/10 MP:残り僅か 左腕喪失・左肩凍結)
 所持品:魔法の法衣、E:ソウルオブサマサ、やまびこの帽子、魔晄銃、アリーナ2の首輪、ラミアの竪琴、対人レーダー、拡声器、波動の杖、左腕
 第一行動方針:セフィロスを殺す
 第二行動方針:邪魔な人間を殺す/脱出に必要な人員を確保する
 第三行動方針:"タバサ"を手駒として確保する
 第四行動方針:旅の扉へ向かう
 第五行動方針:首輪を解除する
 基本行動方針:「できるだけ楽に殺す方法」を考えつつ主催者含む全員を殺す
 最終行動方針:ゲーム、参加者、主催者、全ての破壊】
【現在位置:希望のほこら北西の毒沼】

700 :同じ道 1/4:2021/01/04(月) 23:08:56.32 ID:HrzxOofio
闇の世界の南東部。
日の届かない地底にすら適応し、ぼうぼうに繁殖した背の高い草をかき分けて、二人の男が進んでいく。
爆心地にて進路を変更し、デスマウンテンを正面から右手に眺めながら進む。
その麓で威容を誇っていたはずのデスキャッスルは、今は影も形も見えない。
他方、雑草の隙間からときおり覗いていた架け橋の塔は、徐々に拡大していく。


ラムザとバッツが通過し、おおよそ20分というところだろうか。
彼らが通った道を、ソロとヘンリーも通過していく。



「ソロ。そろそろ例の場所だ。やっぱり、見えるか?」
「……いえ、影が見えません。
 まさか、バッツさんたちについていった、とか?」
「仮にそうなってたとしてだ、何かが起こったなら痕跡の一つや二つはあるんじゃないか?
 それこそ、ほんとにヤバけりゃ一人で無理せずにこっちに戻ってくるだろ」
「それもそうですね。彼らなら何か起こってもそうそうヘタは打たない気がします」

ソロの言葉に動揺は見られない。
ラムザは観察力にも決断力にも長けているし、バッツとて【闇】を操る技術を習得している。
二人がこの程度で窮地に陥ることはそうそうない。この程度の信頼感はソロの中で既に構築済みだ。
だからこそソロは穏やかなトーンで話し、だがふと顔をしかめて、大切なことに気付いたような、はっとした表情を浮かべる。

「そう、僕と違って」

顔をうつむけ、自虐的な言葉を投げ放って関係の決裂を演出するソロ。


「ソロ、別に無理しなくてもいいぞ?」
取って付けたようなその演出に、やっぱり根本的に演技向いてないんだな、とヘンリーの顔に苦笑が浮かぶ。
とはいえソロの性格からしても、つたない演技にはなんの不自然さもない。
仮にラムザと決裂しきれなくても違和感はないのだ。
内部事情的には後で合流するつもりなので、今くらいでちょうどいい。

701 :同じ道 2/4:2021/01/04(月) 23:09:38.38 ID:HrzxOofio
「さぁて、危険がなさそうなら、そのまま突っ切るか」

焼き払われて灰になった茂みと、ちろちろ燃えるボヤ。
ユウナとザックスの遺体が身だしなみを整えられた状態で横たわっている。


「ヘンリーさん、三分だけ、時間をください。
 短い間でしたが、彼とは確かに友人でしたから」
「ああ、そうだな。それくらいなら全然問題ないぞ。
 ちゃんと別れの言葉をかけてこいよ」


タイムリミットまで残り一時間強。
もちろんヘンリーが止めればソロはそれに従うだろうが、
一分たりとも無駄にはできないというほど切羽詰まってもいない。

ソロはザックスとユウナの遺体の前に立ち、十字を切る。
仲間を、友を、必ず元の世界にまで送り届けると胸に誓う。
そして、きょろきょろと辺りを見回し、怪訝な表情のままヘンリーの元へ戻った。


「ヘンリーさん、アンジェロは……」
「俺も気づいた。ひとまず進みながら話そう」
二人の亡骸を後に、彼らは歩を進めていく。

702 :同じ道 3/4:2021/01/04(月) 23:10:40.33 ID:HrzxOofio
「確かに俺はアンジェロも弔った。だから、遺体が残ってないのは不自然だ」
「誰かが持ち去ったんでしょうか? でも、何のために?」
「たとえばケフカなら、死者を操ってけしかけさせるような趣味の悪い術も使えそうだけどな」
だが、その予想はありえない。
ケフカはギードに監視されているからだ。
ギードの監視を逃れて、この場所でアンジェロの遺体を回収するなど不可能だ。
他にありうるのはセフィロスだが、剣士かつ魔法も使えない彼がどうして遺体を持っていくのか。
野生動物はいるようだが、肉食獣や大蛇などは見たことがない。
まったく答えは見えない。


「でだ、俺は別の可能性を考えてる」
「別の可能性? ……なるほど、例の影、ですか?」

そもそもが呪いのような影が佇んでいた場所だ。
強い怨念が死者に結びついて動き出し、ゾンビ系のモンスターとして人を襲う。
この会場ではそのようなものは存在しないはず、というのがザンデの見立てだが、何事もイレギュラーはある。
そもそもすべてが設計通りに動いていれば、彼ら自身が反抗を企てることなどできていないはずなのだから。

「とはいえ、あくまで根も葉もない話だ。
 くさったしたいが動く仕組みだって全然知らないのに、怨念が死者に結びつく理論なんざますますもって分からん。
 だからツッコミ歓迎ってな」
「腐った……死体?」
「おいおい、そこか? 有名なモンスターだろ?」
「……???」
何言ってるんだこのおっさんは、という困惑のトーンに、ヘンリーは数百年の世代ギャップをひしひしと感じずにはいられなかった。

703 :同じ道 4/4:2021/01/04(月) 23:11:24.77 ID:HrzxOofio
「……ひとまず、アンジェロの身体に【闇】が憑りついているという可能性は考慮しておきましょう」
「仮に【闇】に呑まれて復活したとして、まともな意識が残ってるか、だな。
 生きている人間ですら、おかしくなっちまうんだ。
 あまりいい方向には転がらんだろうな」

想定外の事象がいきなり飛び込んでくることと、それが起こることを想定しておくこととでは対応までのスピードが違う。
アンデッドとして復活したとして、不意に噛み付かれて【闇】を直接注ぎ込まれるなんてことがあればとても笑えない。
もちろん、セフィロスや野生の肉食動物が遺体を運んで行ったというケースも想定はしているが、
その場合は倫理的にはどうあれ、脅威は小さいだろう。

「……おっと、そろそろ茂みを抜けるぞ」
「わざわざ魔女が旅の扉を一つしか指定しなかった。
 何かあると考えて、ここからはより慎重にいきましょう」
ヘンリーはうなずいて、よりしっかりとした足取りで希望のほこらへ進む。
世界の崩壊まで、残り一時間を切った。



【ソロ(MP2/5 真実の力を継承)
 所持品:ラミアスの剣(天空の剣、E)、天空の盾(E)、天空の兜(E)、天空の鎧(E)、ひそひ草、ケフカのメモ、着替え用の服(数着)、ドライバーに改造した聖なる矢、メガポーション
 第一行動方針:旅の扉へ向かう
 第ニ行動方針:サイファー・ロック達と合流する
 第三行動方針:ケフカを倒す/セフィロスを説得する?
 基本行動方針:PKK含むこれ以上の殺人を防ぐ
※但し、真剣勝負が必要になる局面が来た場合の事は覚悟しつつあり】

【ヘンリー
 所持品:水鏡の盾(E)、魔法の絨毯、リフレクトリング、銀のフォーク、キラーボウ、グレートソード、デスペナルティ、ナイフ、筆談メモ、
     ザックスのザック(風魔手裏剣(5)、ドリル、ラグナロク、官能小説一冊、厚底サンダル、種子島銃、ミスリルアクス)
     リュックのザック(刃の鎧、チキンナイフ、首輪×2、ドライバーに改造した聖なる矢)、サイファーのザック、
     レオのザック(アルテマソード、果物ナイフ、君主の聖衣、鍛冶セット、光の鎧)、メガポーション
 第一行動方針:旅の扉へ向かう
 基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【現在位置:希望のほこら北東の茂み】

704 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2021/01/15(金) 18:46:37.57 ID:9eC7Xmrrt
FFDQ3  751話(+ 2) 19/139 (- 0) 13.7

705 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2021/02/13(土) 11:27:46.06 ID:I6YjSz6b0
まだ全然書いてないので保守

899 KB
新着レスの表示

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
名前: E-mail (省略可) :

read.cgi ver 2014.07.20.01.SC 2014/07/20 D ★