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階段板でエスカレーターの話題は板違いですか?

6 :名無し百物語:2014/08/01(金) 02:45:23.52 ID:RS9Gja0w.net
あれは忘れもしない、とても暑い夏の深夜のことです
終電とさよならして飲み歩いているとふと目の前のボロいビルの端にエスカレーターが
付いているではないですか

電源が切れて止まっているが街灯の明かりでうっすら見える、こんなボロビルに珍しいなと
一歩足をかけた瞬間にエスカレーターはものすごい勢いで動き出し私は慌てて下り方向に
走ったのです、しかしルールランナー状態になってやがて力尽き上の階へと運ばれて行ったのです

扉が開き放り込まれるように店内に、そこは品の良い隠れ家的なバーでした
「これはいい、飲み直すとするか」と適当に注文しカウンターで飲んでいると
次々と客が入ってきては入れ替わるように別の逆が出て行く「狭いのに客の回転がいいんだな」
最初は何も気付かなかった、でもふとおかしいなと思い始めたのです

店の出入り口は1つだけ、あのエスカレーター以外はエレベーターも階段もない
もしかしたら上からの時はエスカレーターが作動せず普通の階段になるのかもしれない
勘定を済ませていざエスカレーターへ足を一歩かけようとすると登り方向に回転し始める
これでは帰ることができない、店内に戻ってマスターに話すも無言で何も答えてくれない
すると相変わらず客が入ってきては席に着き入れ替わるように他の客が出て行く

私は他の客がどうやって出て行くのかよく観察してみる事にしたのです
そして気付いたのです、扉が開いて一瞬見えるエスカレーターは上向きと下向きがある事に
そしてすーと血の気が引く感覚がしたのです、他の客はみな血色がわるく目つきがおかしいのです
「ああっそういう事か…」

窓の外には普通の街並みが見えることに気付いた私は窓から電柱に伝って決死の思いで降りたのです
それを静止する者はいませんでした、地上に着いたときビルの脇にはエスカレーターも階段もなく
ただ細い路地があっただけなのです、出てきたはずの窓もなくコンクリートの壁でした

もしも電柱を伝うのに失敗して死んでいたら、私はもう一度あのエスカレーターに乗りあの店に行っていた
のかもしれません、そして登りが降りどちらかのエスカレーターで出て行く事になったことでしょう

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