墓場まで持っていく話を書き込むスレ第25話

238 ：おさかなくわえた名無しさん＠＼(^o^)／：2015/08/20(木) 17:20:34.53 ID:uOZplvi8.net

梨が店頭に並ぶ頃になるとつい思い出す事がある。
親も思い出すのか時々ぽつりと言う事がある比較的近所に住んでいた気のいいおばさんの事
長年そこに住んでいて周囲の人々との軋轢やなんかも無く過ごしてた。
近くの農家では梨の時期になると車で梨を買いにくる位の片田舎。
でもある時を境にそのおばさんが不安定扱いされる様になった。
そのおばさん曰く飼い犬を毒殺されたとかお婆さんに監視されているとの事。
周囲の人々はそんな事ないよ〜。気のせいだよー。ワンちゃん寿命だったんだよとか他人事。
正直それを親からその話を聞かされた時は監視とか気のせいだろ？位にしか思ってなかった。
でも現実って残酷だな。たまたまその家の前を通りかかった時に見てしまったんだ。
空になって寂しげに庭の隅っこに置かれている薄汚れた犬小屋が置かれたその家の
道路に面した歩道からじーっと見詰めるお百姓姿の老婆の事を。
その内区画整理が始まってそのおばさんはどっかに引っ越してった。
梨畑もどんどん小さくなっていって終いには全部住宅になった。
そのお婆さんが梨畑の持ち主だった事は親にも言えていない。