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今までにあった修羅場を語れ 36話目
- 133 :息子サイド:2017/11/04(土) 23:18:45.39 ID:rFaWcjxJ.net
- 私の実の両親は、運命的な出会いから大恋愛の末、
数多の困難を乗り越えて結ばれたといいます。
資産家の一人娘であった母と対照的に、父の家庭環境は恵まれたものではありませんでした。
そのような2人の結婚に周囲は猛反対しましたが、
勤勉誠実な父の人柄と、母の愛ゆえの覚悟が理解されると、親族知人の全てが2人を祝福したといいます。
その後、私が産まれました。大変な難産だったといいます。
私の誕生は、両親にとって生涯で最も幸せな瞬間だったといいます。
そんな幸せの絶頂は、皮肉にも、父の人生最大の哀しみに繫がります。
母は私を産んだ翌日、父を残して天に召されました。
その時の父は、悲壮のあまり、母の後を追うことさえ頭を過ぎったといいます。
しかし、そうはしませんでした。
哀しみの最中、母の残してくれた、大いなる遺産を相続したことに気付いたのです。このことは、私が成人した日、母の墓前で父が申し訳なさそうに告白してくれました。
資産家の令嬢でもあった母の遺産には、莫大な金額に相当する不動産や金融資産がありました。
しかし、それらは全て、母の遺産の付属品にすぎないのだと、父は語りました。
母の全ては父に受け継がれました。
父の全ては母であり、それは母の残した私という遺産なのだといいます。
ー省略ー
いま、私の手の中にある銀のナイフは、亡き母の輝きです。
そしてそれは、闇に捕らわれかけた父の魂を照らし救う、唯一なる祝福の光です。
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