親父を殴った話

おさかなくわえた名無しさん

これは一部の友人を覗いて、僕がずっと人に隠してきた話だ。だけど、これをどうしても今誰かに聞いてほしいという気持ちが強くなった。
結構長い話になるので、最後まで書くかは反応次第にしようと思う。軽い読み物として、意見や感想をもらえると嬉しい。批判もどんと来いだ。

話は十年前、僕が学生だった頃に遡る。父は当時東京で単身赴任中で、母と二人暮らしだった。
ある日夜遅く、珍しく大阪の家に帰ってきた父。深刻な様子で話す両親の会話を布団の中で僕は聞いていた。
父が会社に責任を取らされ辞めることになるという、よくある話だった。僕は別段驚きもしていなかった。
父がそういうことになるとは思っていなかったが、独り立ちのいい後押しになるくらいに考えていた。

父は勾留され、罪に問われる事になった。これには驚いていた。被害者は個人ではなく会社。
これは難しいところで、学生である僕には父が詐欺のようなことで訴えられた、という印象にしかならなかった。
勾留から帰ってきた父はしばらく大阪で同居することになったが、荒れることも多く、喧嘩の耐えない家から、いつの間にか僕は足が遠のいていた。
しばらくして両親に、二人が距離を置くことにしたと伝えられた。