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【bibi】大学生:矢沢にこ「よ〜し、プロアイドルになるわよ!ニコッ♪」【冬がくれた予感】

1 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:40:07.01 ID:WLsLrhSs.net
音ノ木坂女子大学

入学式

にこ「う〜ん、このにっこにーも、晴れて女子大生ニコッ♪」

にこ「こうなったら新規一転、やるっきゃないわよね!?」

???「何をかしら?」

にこ「アイドルよ?アイドル!!」

にこ「決まってんでしょ!?」

にこ「高校ではラブライブ優勝を果たしたが、こんなんで満足するにこにーじゃないわ!?」

にこ「夢は大きく全国制覇!」

にこ「見てなさい……
必ずトップアイドルになってやるんだから!!」

にこ「……」

にこ「で?あんたはどうすんのよ?」

???「私?私は……」

???「にこに付いて行くわ」

にこ「……」

2 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:43:18.23 ID:WLsLrhSs.net
矢沢→矢澤

しょっぱなからしくじっちまった……許してくださいなんでもしますから

3 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:44:24.45 ID:WLsLrhSs.net
にこ「そう?それは助かるわ希」

にこ「と、言いたい所なんだけど」

にこ「すっかり忘れてたわ……」

にこ「希は今、神道学部のある大学に入ったんだっけ」

???「将来はプロのスピリチュアリストになるそうよ?」

にこ「そう?
ご丁寧にどうも」

にこ「って言うか、忘れてたわ」

にこ「いつものクセで
希に話しかけてたつもりだったけど」

にこ「何であんたがここに来てんのよ!?
絵里!!」(指)

絵里「卒業式以来ね♪」

絵里「ふふ」

にこ「むぅ〜っ!」

にこ「あんたならもっと良い所狙えたでしょ!?」

絵里「そうねぇ……」

絵里「北○道大学の推薦は取れてたし」

絵里「模試では、上○の外国語学部もA判定が出てたわ」

にこ「あんた喧嘩売ってんの!?」

にこ「てか、普通はそっち行くでしょうが!」

絵里「まあまあ
そうカリカリしないで」

絵里「それに……
ここもとても良い学校でしょ?」

4 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:46:49.12 ID:WLsLrhSs.net
絵里「東京の中心部に創建された伝統校」

絵里「中堅私大の中では穴場中の穴場」

絵里「これでも結構有名人も出てるみたいだし」

絵里「就職でも有利だとか」

絵里「ここ数年
人気は急上昇してるそうよ?」

にこ「良く調べてるわねぇ……」

絵里「実際競争率も、今年かなり高かったでしょ?」

にこ「まあ、今だから言うけどさ」

にこ「ラブライブ優勝者と言う肩書きで
一芸入試トップ合格してなければ」

にこ「にこは多分……補欠だったわよ」(冷や汗)

5 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:48:49.83 ID:WLsLrhSs.net
絵里「でも、真姫が教えてくれたんでしょ?」

絵里「にこの受験勉強」

にこ「なんてあんたがそこまで知ってんのよ!?」(ジト目)

絵里「私が教えようかって言ったら」

絵里「にこ断ったでしょ?」

にこ「あんたの差し金だったのね?」

絵里「それはどうかしらね?」

絵里「ひょっとしたら希かも知れないわ?」

絵里「ふふ」

にこ「むぅ〜っ!」

にこ「フンッ!」(プイッ)

にこ(スタスタ)

絵里「あっ、にこ!」

絵里「ちょっと待って……」(タッタッタッタッ)

6 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:51:53.41 ID:WLsLrhSs.net
クラス

(ザワザワ)

絵里「大学ともなると、教材もかなり高度になるわね」

絵里「付いていけるかしらね」

絵里「ねぇ、にこ?」

絵里「専攻はどれにするの?」

にこ「何で私の隣に座ってんのよ?」(ジト目)

絵里「そう邪険にしなくても」

絵里「同じ学校の……ミューズの仲間でしょ?」

絵里「ふふ」

にこ「随分と嬉しそうじゃないのよ」(ジト目)

絵里「そうね」

絵里「高校入学時の希、そしてミューズ成立後の真姫」

絵里「そのポジションを今は私がせしめられたかしらね?」

にこ「別に頼んだ覚えないんですけど!?」

絵里「まあまあ、にこ」

絵里「これから四年間、仲良くしましょ」

にこ「むぅ……せっかく輝かしい大学生活が始まるかと思ったのにぃ」

にこ「とんだお目付役が付いたものよね」

にこ「にこはつぐつぐ運に恵まれてないわ」

にこ「ハァ……」

絵里「ホントにね♪」

7 :名無しで叶える物語(京浜急行)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:53:24.25 ID:v0zjNTkD.net
期待せざるを得ない

8 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:54:22.08 ID:A0qHLw6C.net
にこにこ

9 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:54:24.53 ID:WLsLrhSs.net
学生寮

にこ「んまぁ〜それでも」

にこ「何だかんだ言って、憧れの1人暮らし」

にこ「しかも都心のど真ん中で!」

にこ「これって中々恵まれてるわよねぇ〜」

にこ「やっぱ、学生は、こうでなくっちゃ」

にこ「ママやこころ達に気兼ねせず、好きな事出来るし」

にこ「食べたいモノも自分で作れる」

にこ(カーテンシャッ)

にこ「う〜ん、中々良い夜景よねぇ……」

にこ「何だかロマンチックな気分になって来たわ」

にこ「と、言いたい所だけど」

にこ「な〜んであんたがここに居るのよ?」(ジト目)

絵里「ここ相部屋よ?」

絵里「にこがルームメートで良かったわ」

にこ「むぅ……」

にこ「あんたと私生活まで共有しろってのぉ!?」

にこ「どう言う巡り合わせよ!?」

にこ「フンッ」(プイッ)

10 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:54:52.04 ID:OKd/UXXL.net
>>2
おう、完結させたら許してやるよ

11 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 00:57:37.49 ID:WLsLrhSs.net
絵里「あのさ、にこ?」

絵里「個室じゃ高すぎるから相部屋を求めたのは
あなたじゃなかったかしら?」

にこ「むぅ〜、そりゃまぁ、そうだけどさ」

にこ「これじゃあ毎日が、合宿か修学旅行みたいじゃないのよぉ」

絵里「ホントにね♪」

にこ「……」

にこ「あんたは随分楽しそうよねぇ?」(ジト目)

絵里「これで寂しい思いをしなくて済みそうだわ」

絵里「ふふ」

にこ「むむぅ……」

にこ「あんた高校卒業したら、いっそう丸くなったわねぇ〜」

絵里「そうかしらね」

にこ「試しに認める訳にはいかないわって言ってみなさいよ」

絵里「認める訳にはいかないわ」(真顔)

にこ「……」

にこ「少しだけ昔の面影が残ってるわねぇ?」

にこ「安心したわ」

絵里「さすがにこね?」

にこ「……」

にこ「やっぱ、ちょっと不安かも」

絵里「何かしら?」

にこ「何でもないわ」

12 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:00:46.74 ID:WLsLrhSs.net
絵里「それじゃ、早速晩御飯作らないとね」(エプロン)

にこ「作れるの?」

にこ「あんたが!?」

絵里「あら、意外?」

にこ「いや……まぁ、確かに作れるんだろうけどさ」

絵里「じゃ、にこはそこに座っててね」

にこ「……」

にこ「むぅ……昔対立していた娘に料理作ってもらうとは」

にこ「何だか妙な気分よねぇ……」

(ドンガラガッシャーン)

にこ「ニコッ!?」(ガタタッ)

にこ「な……何?」

にこ「キッチンの方からだ」

13 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:04:47.22 ID:WLsLrhSs.net
キッチン

絵里「イタタタタタァ……」

にこ「んなっ……」

にこ「何よ、これ」

にこ「お皿が散乱してるじゃない……」

絵里「にこ、危ないから近寄っちゃダメよ?」

にこ「一番危なっかしいのはあんたでしょうが!」

絵里「ハァ……このお皿、お婆様から貰った
大事なモノなのにぃ」(クスン)

にこ「ケガはないみたいね」

にこ「てか、どうやったらこんな派手な事になるのよぉ」

絵里「ダンスしながら食器並べようとしたら」

絵里「ついうっかり……」

にこ(絶句)

にこ「わ、分かった、分かったわ」

にこ「とりあえずあんたはリビングに居なさい」

にこ「今日はにこが作ったげるから」

絵里「でも、それじゃ、にこが大変だわ?」

絵里「私も手伝い……」

にこ「だーっ!あんたは何もしなくていいのっ!!」

にこ「片付けもにこがしとくから!」

にこ「とにかくリビングで待ってなさい!命令!!」

にこ「これ以上やらせたらケガじゃ済まないわ!」

14 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:07:30.91 ID:WLsLrhSs.net
絵里「そ、そう?」

絵里「じゃ、私は行ってるから」(ソソクサ)

にこ「ったくもぅ〜」(ビニール)

にこ「亜里沙から聞かされてたけど
こりゃ相当な天然よねぇ〜」(ガシャッガシャン)

絵里「に、にこ?」(ヒョイッ)

にこ「あによ?」(ジト目)

絵里「怒ってる?」

にこ「……」

にこ「別に?怒っちゃいないわ」

にこ「少し将来に不安を抱きはしたけどね」

絵里「そう?奇遇ね」

にこ「?」

絵里「私も気持ちは同じなの」

にこ(絶句)

絵里「ふふ」

絵里「それじゃ、私は戻ってるね?」

にこ(エプロンズリッ)

にこ(先が思いやられるわ)

15 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:12:16.07 ID:WLsLrhSs.net
ダイニング


テーブル(料理ホカホカ)

絵里「うわぁ……」

絵里「これ全部、にこが作ったの?」

にこ「私しかいないでしょうが……」

絵里「食べて良い?」

にこ「どうぞ」

絵里(パクッ)

絵里「ハラショー」

絵里「スッゴく……美味しいわ」

絵里「さすがにこね」(ニッコリ)

にこ「んなっ……///」

にこ「あ、あったり前でしょ?」

にこ「この位にこにーかかれば」

にこ「ら、楽勝ニコッ!」

絵里「……」

にこ「どうしたの?」

絵里「何か食べるのが、もったいないわね」

にこ「下げるわよ!?」

絵里「ご、ごめんなさい。ちゃんと食べるわ」

にこ「……」

にこ「ねぇ、絵里」

にこ「あんた、家の中じゃ、いっつもこんな感じだったの?」

絵里「そうだと思うけど」(モグモグ)

にこ「試しに、アイドル何か素人にしか見えないって言ってみなさいよ」

絵里「私から見れば
アイドル何て素人にしか見えない」(真顔)

にこ「あ〜、昔の絵里だわ」

絵里「?」

にこ「ゴメンゴメン、さ、食べましょ?」

16 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:15:41.91 ID:WLsLrhSs.net
寝室


にこ「それじゃ、寝るわよ」

絵里「ま、待って!?」

にこ(消灯)

絵里「ヒヤアアァァァ!!」

にこ「ニコオオォォォ!?」

絵里「ヒイイィィィ」(抱きっ)

にこ「イダダダダダ!あんた、何すんのよ!?」

にこ「なんっつーバカ力……とりあえず離れなさい」

絵里「電気付けて……」(ビクビク)

絵里「暗いの苦手なのよぉ」(ウルウル)

にこ「あっ……」

にこ「そうだったわね」(パチッ)

絵里「ふぅ……心臓止まるかと思った」

にこ「危うくこちらは窒息しそうだったわよぉ」(ジト目)

にこ「しっかし困ったわねぇ……」

にこ「付けっぱで寝るのも、電気代もったいないし」

絵里「難しいわね♪」

にこ「アンタホント楽しそうねぇ」

絵里「こう言うのも共同生活っぽくて、良いかなと思ってね」

にこ「むぅ……」

にこ「そうだ!」

17 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:18:29.08 ID:WLsLrhSs.net
にこ(カーテンシャッ)

絵里「にこ」

絵里「どうしたの?」

にこ「これで電気を消せば」(パチッ)

にこ「ほらっ♪」

絵里「うわぁ……」

にこ「どう?夜景の光が入って来るでしょ?」

絵里「何て素敵な眺め……」

絵里「ハラショー……」

にこ「これなら暗闇も気にならない」

にこ「なかなかの妙案ね♪」

絵里「さすがにこね」

にこ「そうでしょ?」

にこ「それじゃ、お休み」

絵里「お休みなさい」

18 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:21:13.32 ID:WLsLrhSs.net
絵里「にこ……ねぇ、にこ?」(布団)

にこ「あによ?」(布団)

絵里「私達、やれるかしら」

にこ「何が?」

絵里「アイドル……」

絵里「ラブライブでは優勝出来たけど」

絵里「プロとして通用するかしら」

絵里「天下取れるのかしらね」

にこ「……」

にこ「アンタこそ、ホントに良いの?」

にこ「にこなんかに付いてきて」

にこ「にこだって、本当に成功出来るのか、自信があるわけじゃない」

にこ「ラブライブだって、穂乃果や希や」

にこ「あの9人でいたから勝ち取る事が出来た」

にこ「にこはね?自分がやりたいから、この道を目指しているだけ」

にこ「悪いけど、あんたの分まで責任持てないのよ?」

絵里「……」

絵里「そうね」

絵里「構わないわ」

絵里「それを言うなら私だって」

絵里「自分で望んで夢を叶えたいだけ」

絵里「あなたと同じよ?」

にこ「……」

19 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:21:21.02 ID:/WrCVAtJ.net
やっぱりにこえりは最高だぜ!

20 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:21:59.69 ID:H7XYLWJa.net
きたい

21 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:23:49.80 ID:WLsLrhSs.net
にこ「そう」

にこ「だとしたらお互い、勝手な女同士って事になるわね」

絵里「ホントにね」

にこ「まぁ、悪くはないけど」

にこ「変な理想やしがらみにとらわれるよりは」

にこ「後腐れが無い分、余程マシよ」

絵里「恨みっこ無しって事か」

絵里「さすがにこね?」

にこ「むぅ……」

にこ「あんた、その言い回しホンット好きねぇ〜」

絵里「そうかしらね」

にこ「あんた今日何回さすがにこ、って言ったのよぉ〜」

絵里「忘れたわ」

にこ「……」

絵里「お休みなさい」

にこ「はい、お休み」

22 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:26:05.06 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」

絵里「……」

絵里(あれから……三年か)

絵里(最初この娘に会った時)

絵里(私は……いったん夢を諦めて)

絵里(それでも自分を捨てきれずにいた)

23 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:30:31.53 ID:WLsLrhSs.net
(絵里の回想)


音ノ木坂女学院 生徒会室

(ガラッ)

一年生にこ「にっこにっこに〜♪」

にこ「アイドル研究部部長、スーパーアイドルこと矢澤にこにこがぁ〜」

にこ「本日ぅ、た〜いせつなお願いがあって参りましたぁ〜」

にこ「ニコッ♪」

一年生絵里「!?」

絵里(何?この娘)

絵里(ふざけてるの!?)ギリッ

絵里「何ですかあなたは!?」

にこ「ニコッ!?」

絵里「ここは生徒会室。全校生徒の範たらねばならぬ場所で」

絵里「良くもそんなふざけたマネ出来たものね!?」

絵里「あいにく、あなたみたいな娘に開くべき門戸を
我が生徒会は持ち合わせておりません」

絵里「出直しなさい」

24 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:32:39.55 ID:WLsLrhSs.net
にこ「……」

にこ「はぁ?何よそれ」

にこ「あんた……喧嘩売ってんの!?」

にこえり「む〜っ!」(ギロッ)

にこえり「ふんっ」(プイッ)

25 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:36:14.61 ID:WLsLrhSs.net
絵里「……」

絵里「だけど」

絵里「時の生徒会長は、やたらにこを気に入り、買っていたわね」



(絵里の回想)

生徒会室

絵里「会長、お話しがあります」

生徒会長「矢澤にこさんの事ね?」

絵里「彼女がアイドルに熱心なのは結構」

絵里「ですが……だからと言って」

絵里「学校内で好き勝手やる根拠にはならないです」

生徒会長「嫌いなの?」

絵里「……」

絵里「理解出来ないのです」

生徒会長「良いじゃない。あんな娘が1人位居たって」

絵里「会長」

生徒会長「学校が面白くなるとは思わない?」

生徒会長「ふふっ」

絵里「……」

生徒会長「ねぇ、綾瀬さん」

生徒会長「この学校……あとどの位保つと思う?」

絵里「えっ?」

生徒会長「少子化の為、年々入学者は減少してるでしょ?」

生徒会長「お陰で、今や生徒数は最盛期の半分にも満たない」

生徒会長「特にUTX学園……あれが出来てからはね」

生徒会長「公立校の私達は、正直押され気味になっている」

絵里「……」

26 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:40:02.51 ID:WLsLrhSs.net
生徒会長「だからね絢瀬さん、私は期待しているの」

生徒会長「あの娘がアイドル活動やって、この学校の知名度が上がれば」

生徒会長「ともすれば……廃校が回避出来るんじゃないかと」

絵里「……」

生徒会長「あなたはこう言うやり方、好きじゃないでしょうけどね」

絵里「それは……」

生徒会長「だからね絢瀬さん」

生徒会長「あの娘と仲良くしろとは言わないわ」

生徒会長「けど……しばらくの間そっとしてやって欲しいのよ」

生徒会長「もしも本当に来年以降の入学者を増やしてくれたら」

生徒会長「校則を無視して勝手にピンクのカーディガン着込む位、些細な欠点でしょ?」

絵里「会長……」

27 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:43:05.43 ID:WLsLrhSs.net
絵里「……」

絵里「今にして思えば、会長はとてつもなく聡明な人だった」

絵里「あの年にして、学院の将来を正確に見通していたのだからね」

絵里「そして……恐らくはにこの真価も」

絵里「あの頃の私は、まだまだ未熟で」

絵里「それが分からなかった」

絵里「会長がなぜにこだけえこひいきしてるのか」

絵里「多少嫉妬した事すらあったわ」

28 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:46:14.29 ID:WLsLrhSs.net
(絵里の回想)


音ノ木坂女学院 廊下



絵里(カツカツカツカツ)

(タッタッタッタッ)

絵里「?」

???(タッタッタッタッ)

絵里「あっ……」

???「げっ……」

絵里「こんな時間まで部活だったの?」

絵里「廊下はあまり走らない方が良いと思うけど」

にこ「あんたこそ、生徒会随分忙しかったみたいねぇ」

にこ「フンッ」(プイッ)

絵里「……」

絵里「ねぇ、矢澤さん」

にこ「あによ」

絵里「アイドルって、楽しいの?」

にこ「はあ?」

絵里「頑張っても報われるとは限らない、そう言う世界でしょ?」

絵里「たった1人の勝者に大勢の敗者」

絵里「これが現実なんでしょ?」

絵里「夢を追い求めて、それでも叶えられなくて」

絵里「もしかしたら、一生日の目を見る事すら出来ないかも知れない」

絵里「こうまでして……本当にやる意義があるのかしら?」

29 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:49:09.22 ID:WLsLrhSs.net
にこ「……」

にこ「あっそ、それがあんたの考えなんだ」

絵里「……」

にこ「バッカじゃないの」

絵里「!?」

にこ「あんたの言ってる事なんか、とっくに分かってるわよ」

にこ「で?それが何?」

にこ「そんなんで諦めるわけ!?」

にこ「お金やチャンスや能力が足りない」

にこ「そんな人はどこにでも居る」

にこ「戦っても戦ってもなかなか勝てない」

にこ「そんなの当たり前でしょ?」

にこ「にこはね、アイドルが大好きなの」

にこ「有名になるとか勝ち負け何て、それと比べたら些細な問題」

にこ「そりゃ本音を言えば勝ちたいわよ」

にこ「けど……大好きな事目指して、やっとそれが出来る様になって」

にこ「何で今更そんな事、気にしなきゃなんないの!?」

にこ「そんなのはアイドルに対する冒涜、恥だわ」

絵里「……」

絵里(この娘)

にこ「下らない話聞かせてもらってありがとう」

にこ「もう行くわ」

30 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:51:40.26 ID:WLsLrhSs.net
絵里「ねぇ、矢澤さん」

にこ「まだ何か!?」

絵里「にこ、って呼ばせてもらって良いかしら」

にこ「はあっ!?」

にこ「……」

にこ「か、勝手になさいよ!」

(スタスタスタスタ……)

絵里「……」

絵里「あれが、アイドル」



(スタスタスタスタ)

にこ「……」

『頑張っても報われるとは限らない
そう言う世界でしょ?』

『たった1人の勝者に大勢の敗者
これが現実なんでしょ?』

にこ「そうね、間違いないわよね」

にこ「絵里、あんたは言う事いちいちムカつくんだけど」

にこ「どれも間違ってはいないわ」

にこ「こうまで臆せず正論吐くなんて」

にこ「生意気だけど……やってくれるじゃないの」

にこ「……」

にこ「あんたには、負けない」

にこ「絶対に……負けないんだから」

31 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:55:58.94 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」

絵里「……」

絵里「それから、私とにこは」

絵里「事あるごとにいがみ合って衝突して」

絵里「良く周囲をハラハラさせたものだった」



(絵里の回想)


音ノ木坂女学院

生徒会室


絵里「予算の増額!?」

にこ「そうよ」

にこ「これから音ノ木坂スクールアイドル部は、勝負に打って出る」

にこ「その為には、今のお金じゃ足りないの」

絵里「……」

絵里「試みに問うけど、いくら欲しいの?」

にこ「そうねぇ……」

にこ「まあ、控え目に見積もって、50万」

絵里「50万円……」

絵里(絶句)

にこ「当然OKしてくれるわよね?」

にこ「してくれるんでしょ!?」

絵里(ワナワナ)

絵里「だれかこの……大馬鹿娘を、つまみ出しなさいっ!!」(指)

にこ「はぁっ!?」

にこ「馬鹿とは何よ!?」

絵里「他人が聞いたら、誰でもそう思うわ!」

絵里「あなたはしばらく、生徒会出入り禁止です!!」

にこ「あんた……このにこにーの人気に、嫉妬してんでしょ!?」

にこ「見苦しいわね」

32 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 01:57:33.56 ID:WLsLrhSs.net
絵里「ぐぬぬ……ぐぬぬぬ」(ギリギリッ)

絵里「誰か塩持ってきて下さい!!」

役員達「絢瀬さん落ち着いて……」

にこ「何よ、ドケチにも程があるわ」

にこ「フンッ」(プイッ)

33 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:01:34.22 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「けど、そんな時はいつも」(布団)

絵里「間にあの娘が入ってくれたのよね」

絵里「まあ、さもないと」

絵里「私達いつまでも、喧嘩し続けるばかりだったでしょうしね」

絵里「ふふ」(布団)



(絵里の回想)

音ノ木坂女学院


希「絵里ち」

希「また喧嘩したん?」

絵里「……」

絵里「そんなんじゃないわ」

絵里「ただね……いくらにこがアイドルに真剣だとしても」

絵里「その為に学校のルールを曲げる事を、認めるわけにはいかないの」

絵里「それがどうして理解出来ないのかしらね」

希「そうなん?」

希「にこっち、そんなにアホに見えるん?」

絵里「そうではないんだけど」

絵里「何かね……何であんなにムキになるのかしらとね」

絵里「本人だって、頭では分かっている筈なのにね」

希「……」

絵里「全く……黙ってれば可愛いし、賢くも見えるのに」

34 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:04:08.50 ID:WLsLrhSs.net
希(クスッ)

絵里「?」

希「絵里ちも案外鈍感やね?」

絵里「どう言う意味?」

希「負けたくないんやろ?」

希「絵里ちにだけは」

絵里「私に?」

希「にこっちな?普段大らかでどちらかと言えばドライやけど」

希「ああ見えて、かなりの負けず嫌いで意地っ張りなんよ」

希「気になるんやろ?絵里ちの事」

絵里「……」

希「それだけ絵里ちが認められてるって事やん?」

絵里「私は別に、あの娘と張り合う気なんて……」

希「にこっちなりに、対等の相手と考えてる」

希「だから、弱味を見せたくない」

希「絵里ちにだけは、強くありたいんね?」

希「ほんに、意地っ張りやね?」

絵里「……」

希「ふふ」

35 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:07:53.75 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「そんなにこが、奇跡を起こした」(布団)

絵里「希と一緒に始めたスクールアイドル」

絵里「公立校と言うハンデを乗り越えて、学園祭、内外の観客で」

絵里「あの講堂を満員にさせると言う、無名のスクールアイドルには不可能と言われた
偉業を成し遂げた」

絵里「にこの宣言、UTXの向こうを張り、アライズに挑戦状を叩き付ける」

絵里「あの娘は、遂にそんな無謀な夢を、現実の物とした」(布団)

36 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:10:58.02 ID:WLsLrhSs.net
(絵里の回想)



音ノ木坂女学院

生徒会室


(ガラッ)

にこ「失礼します!」

絵里「……」

にこ「なんだ、あんたしかいなかったの」

絵里「何の用?」

にこ「別に?生徒会長に話があるだけなんだけど」(ジト目)

にこ「あんたに話す事何か、何もないしね」

にこ「フンッ」(プイッ)

絵里「これは嫌われたモノね」

絵里「ねぇ、にこ」

絵里「この前の学祭ライブ、盛り上がったみたいね」

にこ「まあね」

絵里「おめでとう」

絵里「前から思ってたけど」

絵里「あなた……色々やらかすけど」

絵里「努力は惜しまないし、好きな事には決して手を抜かない」

絵里「だからこそ、成果を上げた」

絵里「さすがにこね?」(ニッコリ)

37 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:14:04.27 ID:WLsLrhSs.net
2015/04/09 01:03
にこ「んなっ……」

にこ「あんた……何か変な物でも食べたのぉ?」

にこ「早めに胃薬でも飲むことね」

絵里「人の賞賛は、素直に受けても良いんじゃないかしら?」

にこ「むーっ!」

にこ「まあ良いわ……生徒会長への用件ってね」

にこ「来年開催される、全国大会についてなのよ」

絵里「全国……大会?」

にこ「言わば、スクールアイドルの甲子園」

にこ「日本一決定戦よ?」

絵里「……」

絵里「ハラショー」

絵里「でも、そんな大きなイベントなら」

絵里「新聞やテレビに乗りそうなものだけど」

にこ「まだ計画段階なのよ」

にこ「明らかには出来ないけど、さる有望な筋から仕入れた話だから、信憑性は高い」

にこ「名前すら決まってないけどね……」

絵里「……」

にこ「早ければ年内に、正式な発表があると、にこはにらんでるわ」

にこ「ついては学校側に、その大会出場の許可と」

にこ「出来れば、支援体制を整えてもらいたいの」

にこ「スクールアイドルの人気は、今やうなぎ登りだし」

にこ「上手く行けば学校の宣伝にもなる」

にこ「あんた達生徒会に取っても、悪くない話でしょ?」

38 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:17:02.41 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「……」(布団)

絵里「にこの話した夢物語」

絵里「その全国大会こそ、ラブライブだった」

絵里「そして……そんな極秘情報を真っ先に彼女に伝えたのが」

絵里「綺羅ツバサ」

絵里「UTX学園の誇るアイドルユニット、アライズのリーダー」

絵里「第一回ラブライブの覇者」

絵里「押しも押されぬスクールアイドルのトップだった」

絵里「……」

絵里「まあ、これは、私と希の推測だけどね」

絵里「でも、私達は、この考えは正解だと思っている」

絵里「にこは決して語ろうとしないけれどね」(布団)

39 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:20:31.05 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「だけど」(布団)

絵里「その大会で一番になる事に」

絵里「勝ち上がって全国制覇する事にとらわれてしまったにこは」

絵里「だんだん自分を見失ってしまい」

絵里「そして……破局は訪れた」(布団)




(絵里の回想)


音ノ木坂女学院

生徒会室

絵里「部員が倒れた!?」

生徒会長「そんな……」

アイドル研究部員:B美「そうです」

B美「矢澤部長……にこにーの異常なしごき、過酷な練習のせいで」

生徒会長「……」

絵里「……」

生徒会長「その娘の様態は?」

絵里「大丈夫なの!?」

B美「今入院していますが、命に別状はありません」

B美「ですが……この1か月に渡って」

B美「私達アイドル研部員は、にこにーに長時間拘束され」

B美「好きな事も出来ず、友達とも会えぬまま」

B美「ひたすら苦しい練習を課せられ」

B美「精神的にも肉体的にも、限界まで追い詰められました!」

生徒会長「……」

絵里「……」

40 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:23:10.49 ID:WLsLrhSs.net
B美「正直に言いますが、あれは練習なんてモノじゃない」

B美「まるで軍隊……」

B美「いえ、刑務所だわ!!」

生徒会長「……」

絵里「……」

B美「生徒会長!こんな事がまかり通ってるんですよ!?」

B美「許せると思いますか!?私は絶対許せません!!」

B美「こんな部活……今すぐ廃部にして下さい!!」

生徒会長「!」

絵里「……」

B美「……」

生徒会長「そうですか」

生徒会長「B美さん、良く教えて下さいました」

生徒会長「これは学校側としても、無視出来得ぬ事態」

絵里「会長……」

生徒会長「真否を問いただす為、アイドル研究部部長矢澤にこさんの
査問会を開きます」

絵里「!!」

生徒会長「絢瀬さん、すみませんが」

生徒会長「明日放課後、生徒会室に来るよう」

生徒会長「矢澤さんに伝えてくれますか?」

絵里「会長……」

絵里「分かりました」

41 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:26:31.49 ID:WLsLrhSs.net
音ノ木坂女学院 生徒会室

査問会

生徒会長「アイドル研究部部長矢澤にこさん」

生徒会長「あなたの部員から告発があってね」

生徒会長「あなたが彼女達に過酷な練習を課し、その為にみんな交友関係は愚か」

生徒会長「私生活まで拘束されていると聞かされたんだけど」

生徒会長「本当かしら?」

絵里「……」

にこ「間違いありません」

生徒会長「そうですか」

にこ「今更言い訳はしません」

にこ「全ては私の責任、過失です」

にこ「だけど……」

生徒会長「だけど?」

にこ「副部長……東條希は、この件には関与していません」

にこ「むしろ止めようとしました」

にこ「ですから……彼女には累が及ばない様に」

にこ「お願いします」

生徒会長「……」

生徒会長「矢澤さん、責任を一身に引き受けようとするその姿勢は」

生徒会長「立派ではありますけど」

絵里「会長」

絵里「にこには寛大な裁定を」

絵里「彼女ももう、十分反省していますし」

生徒会長「絢瀬さん?まだ話は終わってません」

絵里「すみませんでした」

42 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:28:44.10 ID:Q5L7h2Du.net
昨年の今頃も似たようなスレタイ建ってたけどそれの続編?

43 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:28:56.35 ID:WLsLrhSs.net
生徒会長「いずれにしても、部員が入院してしまったのは事実」

生徒会長「これは処分にかけねばなりません」

生徒会長「矢澤さん、良いですね?」

にこ「……」

にこ「はい」

絵里「……」

生徒会長「それでは役員の皆さん」

生徒会長「今回のアイドル研究部の件」

生徒会長「3日間の活動停止」

生徒会長「部長及び副部長は、その間私達の活動を手伝ってもらうと言う事で」

生徒会長「いかがでしょうか?」

絵里「賛成の方は挙手を」

一同(挙手)

絵里(挙手)

生徒会長「全会一致みたいね?」

生徒会長「それでは矢澤さん」

生徒会長「何か言うことはありますか?」

にこ「……」

にこ「いえ、ありません」

生徒会長「では、これにて閉会します」

絵里「みなさんお疲れ様でした」

44 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:32:12.16 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「生徒会長の措置は寛大だった」(布団)

絵里「正直ホッとしたわ」

絵里「でも……」

絵里「これは破局のほんの始まりに過ぎなかった」



(絵里の回想)


音ノ木坂女学院

生徒会室


絵里「にこと喧嘩?」

希「……」

絵里「いつも一緒だったあなた達がねぇ」

絵里「確かに、何かあったんじゃないかとは、思っていたけど」

希「にこっち、部員がみんな辞めちゃって」

希「自暴自棄になってるんよ」

希「それでつい……殴っちゃった」

絵里「ハラショー……」

希「ウチは結局……にこっちを支えるフリして」

希「自分が独りぼっちになるのがイヤなだけやったんよね」

希「アイドル始めたのもそう」

希「結局……にこっちから離れたくないからってだけで」

希「本気でアイドル目指すにこっちの覚悟を」

希「ウチは理解出来てなかった……」

絵里「……」

45 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:34:45.55 ID:WLsLrhSs.net
希「そんなウチが副部長なんかやってたって」

希「にこっちの夢が叶う筈なんてない」

希「そんなの最初から分かってたのに……」

絵里「……」

絵里「これからどうするつもり?」

希「……」

絵里「ねぇ、希」

絵里「もし、にこと顔を会わすのが辛いのなら」

絵里「ほとぼりが冷めるまで、しばらくここに来ない?」

希「ええのん?」

絵里「もうじき会長達も引退でね」

絵里「引き継ぎ始め、やるべき仕事は山ほどあるの」

絵里「正直猫の手も借りたい位だわ」

希「……」

絵里「あなた達の事は、あなた達で解決すべきなんだろうけど」

絵里「いずれにしても、時間が必要なんだとは思うしね」

希「……」

希「絵里ちが……そう言ってくれるなら」

絵里「じゃあ、決まりね?」

絵里「明日からお願いね?希」

希「うん」

希「ありがとう絵里ち」

46 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:37:42.76 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

にこ「ニコォ……Zzz」

絵里「希を気遣っての申し出だったけど」(布団)

絵里「今にして思えば、私なりに」

絵里「希を独占したかったのかも知れない」

絵里「少なくとも、にこはそう受け取った」(布団)




(絵里の回想)


音ノ木坂女学院 生徒会室

にこ「これはどう言う事よ?」

のぞえり「……」

にこ「何で希がここに居るのよ?」

希「にこっち」

にこ「あんたの差し金だったのね?」

にこ「答えなさい絵里!!」

絵里「生徒会室で騒がないで」

絵里「とにかく落ち着きなさい」

にこ「あんたが希をたぶらかしたのか」

にこ「そんなに、にこの事が気に入らないか!」

希「にこっち……」

希「止めて」

にこ「あんたは黙ってなさい」

にこ「コイツとはいつかこうなると思ってた」

にこ「こうまでにこの面子潰して、どうなるか分かってるんでしょうね!?」

にこ「上等じゃないの」

にこ「屋上来なさい」

47 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:39:36.12 ID:WLsLrhSs.net
屋上

にこ「どうして希を奪ったのよ!?」

にこ「返答次第では承知しないわよ」

絵里「……」

にこ「答えなさいよ!」

絵里「希から聞かせてもらったわ」

にこ「……」

絵里「あなたのアイドルへの情熱、意地とプライド」

絵里「見上げたものだわ」

にこ「それが何よ」

絵里「私はね?あなたよりずっとずっと手前で」

絵里「夢を諦めたわ」

絵里「だからどれだけ犠牲を払っても、最後までやり遂げようとするあなたが」

絵里「正直羨ましい」

にこ「……」

にこ「はあっ!?」

にこ「あんたね……そんなんで言い逃れ出来ると思ってんの!?」

にこ「私はあんたが何で希を奪ったのか聞いてんの!!」

にこ「あんた如きに……希の何が分かるってのよ!?」

にこ「調子に乗るんじゃないわよ!!」

48 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:41:34.54 ID:WLsLrhSs.net
絵里(ギリッ)

絵里「だったら何であなたは希の気持ちを……」

絵里「もっと考えてあげなかったの!」

にこ「!」

絵里「希は泣いてるわ?私の前では気丈に振る舞っているけど」

絵里「心の中で泣いてるの」

絵里「何であなたを支えてあげられなかったのか」

絵里「どうしてアイドル研崩壊を食い止められなかったのか」

絵里「あなたと同じく、いえ、あなた以上に苦しんでいるわ」

絵里「それを分かってあげられなかったのは誰?」

絵里「それは矢澤にこ、あなたなのよ」

にこ「……」

絵里「そうでなければ希だって、わざわざ私の所なんかには来なかった」

絵里「私に怒りをぶつけるのは構わない」

絵里「けど……これ以上希を悲しませないで」

にこ「……」

にこ「クッ……」

(タッタッタッタッ)

(ガチャッ)

(バタン)

絵里「……」

49 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:44:17.25 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「こうしてにこと希は離れ離れになって」(布団)

絵里「先代会長の指名により、私が生徒会を引き継いだ」




(絵里の回想)


音ノ木坂女学院 生徒総会後

生徒会室

会長「おめでとう絵里さん」

絵里「ありがとうございます」

会長「あなたなら安心して後を委ねられるわ」

絵里「いえ……そんな」

絵里「でも、先輩方の思いが詰まったこの母校」

絵里「全力で守って行きます」

会長「頼もしいわ」

会長「……」

会長「所で……絵里さん」

会長「矢澤にこさん、最近元気かしら?」

絵里「はい、正直元気とは言い難いですが」

絵里「何とかやってはいます」

会長「そう……」

会長「絵里さんは、私があの娘に肩入れするの」

会長「快くは思ってなかったでしょうね」

絵里「……」

50 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:46:44.34 ID:WLsLrhSs.net
会長「生徒不足を解決する為、あの娘のアイドル活動には期待していた」

会長「応援もした」

会長「でもね……それがかえって」

会長「あの娘に余計な気負いを強いてしまったんじゃないかと
思ってね」

絵里「……」

会長「本当はあの娘だって」

会長「もっとのびのびとやりたかったんじゃないかと」

会長「最近そう思えてくるのよ」

絵里「会長……」

絵里「会長、にこは恨んでなんかいませんよ」

絵里「自分を責める事はあっても……」

絵里「にこはそう言う娘です」

絵里「分かりました、悪い様にはしません」

絵里「にこは私に取っても……大切な友達ですから」

会長「そう言ってもらえると、少し気が楽になるわ」

会長「ありがとう絵里さん」

会長「ああ、それと」

会長「これはもう、私が口を挟む話じゃないけれど」

会長「決まったみたいね?新しい副会長」

絵里「はいっ。私より優秀です」

絵里「ふふっ」

51 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:49:49.01 ID:WLsLrhSs.net
にこ「マキチャン……幸せニコォ」(布団)

にこ「Zzz……」

絵里「私が是非にと乞うた副会長こそ」(布団)

絵里「東條希……」

絵里「かつてのにこの親友で、崩壊したアイドル研の副部長だった」(布団)




(絵里の回想)



音ノ木坂女学院

生徒会室


希「これからよろしくお願いします、会長」

希「ふふ」

絵里「こちらこそ」

絵里「……」

絵里「それにしても」

絵里「良くにこが認めたものね」

絵里「絶対あなたを手放したがらないと思ってたけど」

希「にこっちな?」

希「沈みゆくアイドル研でくすぶるのは自分だけで十分だと」

希「ウチにはウチが存分に腕を振るえる場に飛び出すべきだと」

希「快く送り出してくれたんよ」

52 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:51:43.84 ID:WLsLrhSs.net
絵里「……」

希「助けてくれなんて、口が裂けても言えない」

希「ホンに……意地っ張りやね?」

絵里「そう……」

絵里「なら……にこの分も学校のため」

絵里「精一杯頑張らないとね」

希「そうやね」

53 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:54:25.91 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「……」(布団)

絵里「希を失ったにこは、一挙に凋落し」

絵里「学内で彼女のアイドル活動を応援する娘もいなくなった」

絵里「対するに、希の助力を得て、私の生徒会運営は順風満帆」

絵里「しばらくして、アイドル活動が先細りになったにこは」

絵里「次第にやさぐれて行った」(布団)

54 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:56:28.19 ID:WLsLrhSs.net
(絵里の回想)


音ノ木坂女学院

生徒会室


絵里「にこ……いえ、矢澤さんが」

希「課題放棄?」

学級委員「そうなんです」

学級委員「ここ1ヶ月矢澤さん」

学級委員「掃除もしないし、行事の分担も半ば無視」

学級委員「何度か注意したんですが、本人は聞いても聞かぬふり」

学級委員「こんな状態がほぼ毎日続いていて……」

絵里「……」

希「これはアカンね」

絵里「委員長」

絵里「この件、先生には伝えましたか?」

学級委員「いえ、まだ」

絵里「……」

絵里「分かりました」

絵里「とりあえず矢澤さんには、詳しく事情を聞かせて貰います」

絵里「お話しして頂いてありがとうございます」

55 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 02:58:49.37 ID:WLsLrhSs.net
希「絵里ち」

希「どないするん?」

絵里「……」

絵里「にこには敵が多いわ」

希「ウチ等が知らない間に」

希「いじけるようになったんかね」

絵里「……」

絵里「にこはそんなに弱くないわ」

希「絵里ち……」

絵里「けど……教職員の耳に入ったら、最悪処分されて部活動は廃止」

絵里「少なくとも内申には響くでしょう」

希「……」

希「意外やね」

希「絵里ちがそこまで心配するなんて」

絵里「そんなんじゃないわ」

絵里「彼女にはほんの少し借りがある」

絵里「それだけよ」

希「絵里ち……」

絵里「とにかく、B美とか元アイドル研部員が嗅ぎ付けたら、大事になる」

希「せやけど、呼び出したかて」

希「素直に来るかな?」

絵里「……」

絵里「私に考えがあるわ」

56 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:01:07.81 ID:WLsLrhSs.net
中庭 花壇

絵里「……」(ジョウロ)

絵里「よし、この辺りはこんなモノでしょう」

絵里「後は……雑草むしりか」



にこ「何やってんのよ、あんた」

絵里「にこ?久し振りね」

絵里「元気にしてた?」

絵里「もう秋も深まってるけど、今日は日差しも強くて暑い位ね?」

絵里「お陰で大分汗かいたわ」(腕まくり)

にこ「……」

にこ「私は何をしているのか聞いてるんだけど」

絵里「別に?気にしないで」

絵里「会長になってからね……毎日毎日デスクワークばかりでしょ?」

絵里「たまには体を動かしたくもなって来る」

絵里「どちらかと言えば、私はこの方が性に合うわ」

にこ「むぅ……」

にこ「そこ、にこの持ち場なんだけど」(ジト目)

絵里「あら、邪魔だったかしら?」

にこ「イヤなヤツに自分の持ち場でのさばられてたら、そりゃ不快にもなるわ」

絵里「これは嫌われたモノね?」(苦笑)

57 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:03:17.53 ID:WLsLrhSs.net
にこ「希の差し金ね!?」

にこ「余計な事を!」

絵里「いえ、これは私の一存」

絵里「希は関係ないわ」

にこ「……」

にこ「アンタ……何がしたいのよ?」

絵里「花壇に水やり位、一々変な思惑何て必要ないでしょ?」

絵里「さっき言った通りよ?私は体を動かしたいだけ」

絵里「だからね、にこ」

絵里「あなたが忙しいのなら、私が代わりにやってあげるわ」

絵里「気にしないで。本当に息抜きがしたいだけなんだから」

にこ「うぅ〜っ!」

にこ「敵に塩を送ってるつもりなの!?あんた」

にこ「どこまでもいけ好かないヤツね!?」

にこ「ふんっ!」(プイッ)

(スタスタスタ)

絵里「……」

絵里「元気は取り戻したみたいね」(苦笑)

58 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:07:17.29 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「それ以来、にこのサボリはピタッと止んだ」(布団)

絵里「けど……」

絵里「今度窮地に立たされるのは、私達の番だった」(布団)



(絵里の回想)


新年度

音ノ木坂女学院

生徒会室

二年生:希「国有化!?」

二年生:絵里「そうよ」

絵里「年々の生徒数減少がたたってね、この学校は存続の意義が問われている」

絵里「だから……国有化の上」

絵里「有識者を集めてね、理事会が設置されるの」

希「……」

絵里「理事会の目的は、この学校の抜本的な改革と」

絵里「場合によっては、整理統廃合」

絵里「つまり……廃校よ」

希「そんな……」

絵里「来るべきモノが来たわね」

希「どないしよ」

絵里「とにかく……ヤツらの言うがままにはさせないわ」

希「せやけど……相手は有識者なんやろ?」

希「経験豊富な大人達相手に、ウチ等だけで勝てると思うん?」

絵里(ギリッ)

絵里「だったらどうすれば良いと言うの!?」

絵里「唯々諾々と従うつもり!?」

絵里「それこそヤツらの思う壺」

絵里「尻尾を巻いて逃げたければそうすれば良いわ!」

59 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:09:19.91 ID:WLsLrhSs.net
希「絵里ち……」

絵里「ごめんなさい……希が悪いわけじゃないのにね」

絵里「少し興奮してしまったわ」

絵里「正直言うとね、私だって怖いの」

絵里「けど……このままなにもせず廃校なんて、やっぱり納得出来ない」

絵里「出来るだけの事はしたいのよ」

希「……」

希「分かった」

希「ウチは絵里ちを支えるよ」

60 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:11:49.21 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「お婆様の学ばれたこの母校」(布団)

絵里「そうやすやすと明け渡す訳には行かなかった」

絵里「けど……希の心配通り」

絵里「理事会は手強かった」

絵里「南理事長は悪い人ではなかったけれど」

絵里「それでも……交渉相手としては、とてもやりにくかったわ」

絵里「そして……」

絵里「いよいよ破局が訪れた」(布団)

61 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:14:41.78 ID:WLsLrhSs.net
(絵里の回想)

新学期

音ノ木坂女学院

理事長室


三年生:のぞえり「廃校!?」

理事長「そうよ」

理事長「このまま生徒数が確保出来なければ」

理事長「残念ながら、我が音ノ木坂女学院は」

理事長「来年度より新規入学者の受付を停止する」

理事長「理事会でね……正式な決定が出たの」

希「そんな……」

絵里(ギリッ)

理事長「ごめんなさいね」

理事長「私も、この判断は、いささか時期尚早じゃないかと思うけど」

理事長「理事会員のほとんどがそうだと言う以上、私だけ反対する訳にも行かなくてね」

62 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:16:59.39 ID:WLsLrhSs.net
絵里「なる程ね」

絵里「結局……こうするつもりだったのね」

希「……」

絵里「前向きに善処するだの、あなた達の意をくんで行きたいだの、きれい事を並べて」

絵里「要するに騙していたわけですね?」

希(絵里ち)

理事長「……」

絵里「結局、あなたも、利益の為には大勢の生徒を踏みにじる側だったと」

絵里「そう言う事だったのですね?」

希「絵里ち……」

理事長「ごめんなさい、力になれなくて」

絵里「口では何とでも言えるわ!?」

絵里「少しでもあなたを信じようとした、私がバカだった!」

希「絵里ち」

理事長「弁解がましいかも知れないけれど」

理事長「この学校には、私の娘も通っている」

理事長「私だって辛いのよ」

絵里「そう言いつつ、学校潰す側に手を貸しているんでしょ!?」

絵里「ふざけないで」

絵里「私の目もそこまで節穴じゃないわ」

希「絵里ち!」

63 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:19:34.28 ID:WLsLrhSs.net
理事長「理事長と言っても、精々メンバーのまとめ役と言うのが実態でね」

理事長「大した権限もない」

理事長「今私が異を唱えても、大多数の総意には逆らえない」

理事長「同意してとは言わないけれど……そこは理解して欲しいの」

絵里「御自身の怠慢を棚に上げて、逃げ口上を図るとは」

絵里「こんな大人にはなりたくないわ」

希「絵里ち!やめや!!」

絵里「希……」

希「理事長かて、ウチらの為に全力で折衝に当たってる」

希「その苦労を分かってあげなくて、ただ責め立てる」

希「相手を汚い大人と罵るなら、絵里ちはどうなん?」

希「子供が駄々こねてるのと同じやないん!?」

絵里「それは……」

希「申し訳ありません理事長」

希「絵里ちにはウチから厳しく言って置きますんで」

希「とりあえず失礼させて頂きます」

理事長「……」

理事長「本当にごめんなさい」

理事長「まだ挽回の余地はあるから、もう少し粘ってみるわ」

のぞえり(ペコリ)

(ガチャッ)

(バタン)

64 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:22:29.47 ID:WLsLrhSs.net
にこ「ママァ……」(布団)

にこ「Zzz……」

絵里「廃校の危機に接して、遂に三人の二年生が立ち上がった」(布団)

絵里「穂乃果達であるのは、言うまでもないわ」(布団)




(絵里の回想)


音ノ木坂女学院

生徒会室

希「絵里ち?」

希「絵里ちは何で穂乃果ちゃん達を、目の敵にするん?」

絵里「そんなんじゃないわ」

絵里「ただ……学校を救う為に」

絵里「スクールアイドルを始めるなんて荒唐無稽な話」

絵里「私が認められると思う?」

希「……」

希「それなら絵里ちは」

希「何をすれば満足出来るん?」

絵里「廃校阻止は遊びじゃないわ」

絵里「歌って踊って、やりたい事をやって」

絵里「自分達が好きな様にすれば夢が叶うのなら」

絵里「誰も苦労はしない」

希「正論や思うよ」

希「せやけど、最後までやりとげるべきだからこそ」

希「やりたい事をやるのが一番やない?」

絵里「……」

65 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:24:54.45 ID:WLsLrhSs.net
絵里「こんな言い方したくはないけど」

絵里「同じ夢を追求して、にこはどうなったかしらね」

希「……」

絵里「仲間も失い、学校内での支持も無くなり」

絵里「ほとんど諦めかけている」

希「絵里ちにはそう見えるん?」

絵里「違うとでも?」

希「苦境や逆境は誰にでもある」

希「それを堪え忍べる強さは、どこから来るのかしらね」

絵里「希……」

希「ウチな?まだアイドル研の副部長でもあるんよ」

希「ウチは今は絵里ちと一緒だけど」

希「気持ちの一部は、まだあの部室に置いている」

希「少なくともにこっちは、一名の部員からは見捨てられてはいない」

66 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:27:37.96 ID:WLsLrhSs.net
にこ「アンタネェ……」(布団)

にこ「Zzz……」

絵里「……」(布団)

絵里「希の見識にはいつも助けられ、そして驚かされるけれど」

絵里「その時も、彼女の考えは的中した」(布団)




(絵里の回想)


音ノ木坂女学院

生徒会室

(ニッコニッコニー ニッコニッコニー)

希「にこっち……」

希「やっぱりにこっちは、アイドルが良く似合う」

希「ふふ」

希「見てみ絵里ち」

希「雨、止んだよ?」

(カラーン)

希「絵里ち?」

希「ボールペンが……」

絵里「何で?」

絵里「何で!?」

絵里「どうして穂乃果達が、いえ、あのにこが」

絵里「あの人の風下には絶対立ちたがらない娘が」

絵里「穂乃果達の仲間になってるのよ!?」

絵里「ありえない……」

絵里「希、あなた」

絵里「本当にスピリチュアルな力でも使ったの!?」

67 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:29:57.50 ID:WLsLrhSs.net
希「穂乃果ちゃんな?」

希「ああ見えて、スクールアイドル最後までやり遂げようとしてる」

希「本気で学校を救おうとしてる」

希「にこっち、意地っ張りやから、口ではああ言ってても」

希「そんな穂乃果ちゃんに見たんやろ」

希「過去の自分を」

絵里「……」

希「賭けようと思ったんやろ?」

希「ミューズに……穂乃果ちゃんに」

絵里「だとしても、にこが穂乃果達と上手くやれるとは限らないわ」

希「かも知れないね」

希「せやけど……穂乃果ちゃんかて、あれで中々」

希「にこっちの喧嘩相手に不足ない」

絵里「いずれにしても、こんな夢物語」

絵里「叶うはずがないわ」

絵里「廃校阻止所か、かえって逆効果でしょうよ」

68 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:33:46.87 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

絵里「目が曇ってたのは私の方だった」(布団)

絵里「にこを加えた穂乃果は」

絵里「そのにこからもリーダーと認められ」

絵里「気付けば、音ノ木坂女学院アイドル研究部ミューズは」

絵里「七人までメンバーを拡大して、着々と陣容を充実させていた」

絵里「そして……」

絵里「次第にとある事実がはっきりしつつあった」

絵里「結局……にこを否定し穂乃果を見下していた私こそが」

絵里「自分自身から逃げ続けていた……」(布団)

69 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:35:36.20 ID:WLsLrhSs.net
(絵里の回想)



音ノ木坂女学院

生徒会室

希「練習教える事になったみたいね?」

希「ふふ」

絵里「勘違いしないで」

絵里「あの娘達に、自分の実力がいかに足りないか」

絵里「自分達がやっている事が、どれだけ未熟なのか」

絵里「思い知らせるだけよ」

希「それも良いと思うよ」

希「アイドルに挫折は付き物」

希「これはにこっちからの受け売りやけどね?」

希「この程度で諦めるのなら、ウチの見立てが外れた事になる」

希「絵里ちの好きにしたらええ」

70 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:37:55.73 ID:WLsLrhSs.net
その数日後

放課後 教室

絵里「……」

(ガラッ)

希「絵里ち?どないしたん?」

希「もう授業も生徒会も終わってるやん」

絵里「希」

絵里「私はね……小さい頃からバレエをやっていてね」

絵里「お婆様の援助の下、レッスンに通って、色んなコンクールに出場し」

絵里「優秀な成績を収めた事もあるわ」

希「……」

絵里「けどね……それ以上は行けなかった」

絵里「なぜだか分かる?」

希「なぜかしらね」

絵里「私よりも幼い時から練習を始めて」

絵里「私の家よりもたくさんお金をかけた娘達とは」

絵里「どうしても埋められない差があったの」

絵里「簡単な話でしょ?」

絵里「だから私は、バレエの夢を諦めた」

絵里「どれだけ才能があろうと、胸の内で激しい情熱が燃えたぎっていても」

絵里「最初から全寮制の専門校に通うサラブレッド達には」

絵里「努力だけでは勝てっこなかった」

絵里「そりゃ私のお婆様も、出来るだけの投資はしてくれたわ?」

絵里「けど……私1人なんかの為に」

絵里「まさか身代潰す訳にもいかないでしょ?」

71 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:40:15.72 ID:WLsLrhSs.net
希「そうかも知れんね」

絵里「その判断に間違いはない」

絵里「後悔もしていない」

絵里「とにかく今は……廃校を食い止めなきゃならない」

絵里「その為に……ミューズを利用」

希「絵里ち!」

絵里「!?」

希「本当にそれが、絵里ちのやりたい事なん!?」

絵里「希……」

希「生徒会長として、学校の為に何とかしたいのは分かる」

希「ウチかてそうよ?」

希「せやけど……絵里ちはそれだけで本当に良いの?」

絵里「どう言う意味!?」

希「絵里ち言うたよね?好きな事だけやって、それで上手く行く何て虫が良すぎると」

希「せやけど、絵里ちみたいに」

希「使命感や義務感だけで、何とかしようとする」

希「それかて無理があるんやないん?」

希「所詮人間なんて、そう簡単に割り切れるモノやない」

希「いくら絵里ちでも、そんなんで、たった1人で
全てを背負おうとするなんて」

希「傲慢やないん!?」

72 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:41:56.64 ID:WLsLrhSs.net
絵里「それ以外に方法がないからそうしている」

絵里「あなただって分かってる筈でしょ?」

希「絵里ち……分かってるのは絵里ちの方やん」

希「本当は……もう分かってるんやろ?」

希「穂乃果ちゃんの事、にこっちの事」

希「そして……自分が今何をすべきなのか」

希「いえ、何を求めてるのかを」

絵里「!」

絵里(ガタッ)

絵里(スタスタスタスタ)

(ガラッ)

(ピシャッ)

希「……」

希「もう限界なんやろ?絵里ち」

73 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:44:35.47 ID:WLsLrhSs.net
にこ「Zzz……」(布団)

にこ「コラァ……虎太郎……」

絵里「いずれにしても私は」(布団)

絵里「希の言うとおり限界が来ていた」

絵里「そして……」




(絵里の回想)


音ノ木坂女学院

教室

(ガラッ)

(スタスタ)

絵里「……」(ガタッ)

絵里「私の……やりたい事」

絵里「……」

絵里「!」

絵里「あなた達」

穂乃果「生徒会長、いえ、絵里先輩」

穂乃果「お願いがあります」

絵里「練習?それなら昨日言った課題を全部こなして」

穂乃果「ミューズに入って下さい!」

74 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:46:53.56 ID:WLsLrhSs.net
絵里「そんな……出来るわけないでしょ」

穂乃果「希先輩から聞きました」

絵里(他の娘達はともかく)

絵里(あのにこが……私なんかを受け入れる訳がない)

絵里(だって……あれだけ対立して来たのよ?)

にこ「……」

にこ「やりたいなら最初から言いなさいよねぇ〜?」

絵里(にこ……)

にこ(四の五の言ってると、希返してもらうわよぉ〜?)

希(そう言う事やん)

絵里(あなた達……)

海未(抱きっ)

穂乃果(手)

絵里(これを握れば……もう後には退けない)

絵里(けど……やっぱ私は)

ほのえり(握手)

一同「うわぁ……」

穂乃果「これで8人!」

希「いえ」

希「9人や、ウチを入れて」

一同「えぇ〜っ!?」

希「カードのお告げに出たんよ」

希「このグループは9人揃った時に成功する」

希「だから名付けたんよ?」

希「9人の女神を意味するミューズと」

穂乃果「それじゃ希先輩が名付け親だったんだ!」

絵里「希……あなた」

絵里「呆れた」

75 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:49:00.37 ID:WLsLrhSs.net
にこ「アイドル……」(布団)

にこ「Zzz……」

絵里「それからはあっと言う間だったわ」(布団)

絵里「わずか一年足らずで、私達ミューズは」

絵里「アライズを撃破し、第2回ラブライブ優勝を果たし」

絵里「廃校の危機は免れた」

絵里「けど……程なくして」

絵里「別れの時も迫って来ていた」

絵里「言うまでもなく、卒業が間近に迫っていたからよ」(布団)

76 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:51:11.85 ID:WLsLrhSs.net
(絵里の回想)


音ノ木坂女学院

卒業式前日

部室

にこ「ここも明日でお別れかぁ……」

希「そうやね」

絵里「感慨深いわね」

にこ「あんた達、進路は?」

希「それ以前に、にこっち?」

希「卒業出来るん?」

にこ「出来るわよ!しっつれいね?」

にこ「この前も言ったでしょ?」

にこ「音ノ木坂女子大に受かってんの!」

希「そうなん?」

にこ「まぁ……一芸入試がなければ」

にこ「ギリギリだったけど」(冷や汗)

77 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:51:51.53 ID:kro11kfq.net
にこえり支援!

78 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:53:55.05 ID:WLsLrhSs.net
絵里「希は神道学部だったっけ?」

希「そうやん」

希「ウチはプロのスピリチュアリストになるんよ?」(エッヘン)

にこ「あやし〜い宗教とか始めないでよぉ?」

にこ「んでもって……絵里は?」

絵里「わ、私!?」

絵里「い、一応……北○道大学の推薦は取れたんだけど」

にこ「取れたんだけどって、どう言う意味よ?」(ジト目)

絵里「え、ええとぉ……」

希「とある私大にも受かってるんよね?」

希「ふふ」

絵里「ま、まあね」(冷や汗)

にこ「あ〜そうかそうか」

にこ「あんたの事だから、さしずめI○Uか東京外○大辺りね?」

にこ「相変わらず頭良いわねぇ」

絵里「ハハハ……」(苦笑)

希「案外にこっちと近い所かもよ?」

にこ「……」

にこ「まぁ、どちらも同じ都内だからねぇ」

79 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:56:24.03 ID:WLsLrhSs.net
校門

絵里「それじゃ、また明日」

希「卒業式でね♪」

にこ「そうか……後1日ね」

にこ「あんた達とも、明日でお別れか」

絵里「にこ……そんな寂しい事」

にこ「けど、みんなバラバラになるんでしょ?」

にこ「今だから言うけどさ」

にこ「あんた達と過ごした三年間、悪くなかったわよ?」

にこ「もう会うことも無いでしょう……じゃあね」

(スタスタスタスタ)

のぞえり「……」

希「相変わらず意地っ張りやね」

絵里「ホントにね」

希「プッ……クックックッ」

希「にこっちあんな事言って」

希「もうひと月もしたら……きっと驚くよ?」

絵里「まだ感づいてはいないみたいね」

希「ぬぅあんでアンタがここに来てんのよぉ!?」

希「きっとこう言うね!?」

絵里「拒まれなければ良いんだけどね」

絵里「学生寮の申請も出したけど」

絵里「ミューズのメンバー同士でアイドル活動したいと」

絵里「書き添えといたのよ」

80 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 03:59:07.05 ID:WLsLrhSs.net
絵里「だからかなりの確率で、にこと相部屋になるわ」

希「てか……にこっちもそれを志望してるって」

希「絵里ちウソ付いたんやろ?」

希「ブッ……クックックッ」

希「これはますます面白くなって来た」

絵里「たまにはにこの裏をかくのも、悪くないモノね」

希「……」

希「せやけど、絵里ちは本当にそれで良いん?」

希「まさか、にこっちと、アイドルやるつもりだったなんて」

希「ウチ思わんかった」

絵里「……」

絵里「結局ね、自分にウソは付けなかった」

絵里「無論、夢ばっかり追い求め続けるわけにもいかないわ」

絵里「けど……若い内にやりたい事もやらないで」

絵里「ただガマンするだけじゃ……きっと後悔する」

絵里「そんな気がするの」

希「……」

希「絵里ちも強くなったね」

絵里「希こそ本当に良いの?」

絵里「当初はにこと同じ所に行くって……」

81 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 04:01:19.27 ID:WLsLrhSs.net
希「ウチな?」

希「ミューズ結成の為に、色々と支援して助言して」

希「みんなと一緒にアイドル活動やって来たけど」

希「やっぱ……仲間と居場所が欲しかったんよね」

絵里「……」

希「せやから、ウチはアイドルにこだわる必要はない」

希「ウチに取って一番大切なのは、絵里ちやにこっち」

希「ミューズのメンバーみんななんよ」

希「だから、これからも、みんなの為に力を貸すつもりよ?」

希「やる事や通い先は違っても」

希「心は一緒……みんなといつも繋がってる」

絵里「……」

絵里「そうね?そうよね!?」

絵里「私達、いつも一緒よね」

希「そうやん」

希「それじゃ、もう遅いから帰ろっか」

絵里「そうね」

絵里「じゃ、また明日ね?希」

希「うん」

希「また学校でね♪」

82 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 04:04:06.87 ID:WLsLrhSs.net
にこ「ピョンピョンピョン……」(布団)

にこ「Zzz……」

絵里「にこと一緒にアイドルをやる」(布団)

絵里「自分でもこんな思い切った決断を下すとはね」

絵里「一年前の私なら、絶対思い付きもしなかった」

絵里「……」

絵里「これが正しいのかまだ自信は無い」

絵里「正直不安でもあるわ」

絵里「けど……勝つにしろ負けるにしろ、悔いの残らない様精一杯やらなきゃ」

にこ「Zzz……」(布団)

絵里「少なくとも彼女は、そう腹を決めてるんでしょうしね」(布団)

絵里「ふふ」

絵里(トロン)

絵里(眠いわ)

83 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 04:06:52.44 ID:WLsLrhSs.net
翌朝

(チュンチュン、チュンチュン)

にこ「絵里?コラァ絵里!」

(ペチンッ)

絵里「イタッ……」

絵里「亜里沙……もう少し優しく起こして」(おでこヒリヒリ)

にこ「アンタねぇ……いつまで寝てんのよぉ」

絵里「ん……にこ」

絵里「ゴメンナサイ……少し寝るのが遅くなってね」(ガバッ)

にこ「なんっつー顔してんのよぉ」

にこ「目真っ赤じゃないの」

絵里「顔洗って来るわ」(スック)

絵里「味噌汁の匂い……」

絵里「にこ?ひょっとして……」

にこ「作っといたわよ。朝ご飯」

絵里「それは悪いわ」

絵里「じゃあ今晩は私が……」

にこ「だーっ!アンタはやらなくても良いっ!!」

絵里「私のご飯……不味いかしら」(シュン)

にこ「食べた事ないから分かんないけど」

にこ「てかそれ以前の問題よ」

にこ「とにかく、しばらくにこが料理当番やるから」

絵里「そう……済まないわね」

84 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 04:12:01.32 ID:WLsLrhSs.net
絵里「じゃ、洗面所行ってくるわ」

にこ「……」

にこ「さて、布団片付けますかねぇ」(ヒョイッ)

絵里「にこ、にこ」(ドア口)

にこ「あによ?」(ジト目)

絵里「納豆って……食べなきゃいけないの?」

にこ「……」

にこ「別に嫌なら無理に食べなくても良いわよ」

絵里「……」

絵里「ハラショー♪」(グーサイン)

(スタスタスタスタ……)

にこ(布団ボトリ)

にこ「こんなんで大丈夫なのかしら」(シクシク)





もう限界なんで寝ます

昨年書いた 新入生:矢澤にこ「よ〜し、スクールアイドルやるわよニコッ♪」【のぞにこえり】
の続編です


穂乃果達のライバル(アライズの後釜)にオリキャラが出ます

85 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 04:19:30.41 ID:OzU3fUZs.net

続き楽しみにしてる

86 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 06:23:51.47 ID:8Dln4xgj.net
http://i.imgur.com/WaRGEMC.jpg

87 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 06:28:10.18 ID:iYNOqTQw.net
乙です! 読みやすいし内容も良かったです! 続きも期待!

88 :名無しで叶える物語(もも)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 07:56:57.83 ID:v1xxJ2JC.net
どこかで見たことあると思ったらにことのぞみがアイドルやってたの続編か
期待

89 :名無しで叶える物語(京浜急行)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 09:49:27.36 ID:v0zjNTkD.net
これは素晴らしいな 支援

90 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 10:58:05.62 ID:WKK8X0kj.net
前スレからもう一年経ってたのか
今回も期待

91 :名無しで叶える物語(京浜急行)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 11:11:24.95 ID:v0zjNTkD.net
前スレ読んできた 期待しかないなこれ

92 :名無しで叶える物語(禿)@\(^o^)/:2016/02/28(日) 12:15:37.92 ID:FOCD1PO0.net
寝る前にどんだけ自分語りしてんだよこの絵里

93 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:23:23.64 ID:DhLu4YWi.net
再開

翌朝

音ノ木坂女学院

入学式

雪穂「う〜ん、この雪穂も、晴れて女子高生かぁ」

亜里沙「そうだね」

雪穂「お姉ちゃん達の活躍で、存続かなった学校に通えるなんて」

雪穂「何だか感無量だ」

亜里沙「うんっ♪」

雪穂「絵里先輩達が卒業して、ミューズ自体は無くなったけど」

雪穂「アイドルグループはまだまだ健在」

雪穂「これからは私達が盛り上げなきゃね」

亜里沙「そうだね」

雪穂「よ〜し、とりあえず講堂に行かなきゃ」

94 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:28:59.68 ID:DhLu4YWi.net
講堂

理事長「みなさん達の協力もあって」

理事長「我が音ノ木坂女学院は存続がかない」

理事長「更に今回、前年を遥かに上回る入学者を迎える事が出来ました」

理事長「来年卒業を控える三年生のみなさん、そして、新たに来られた新入生のみなさんに」

理事長「これまでの尽力、そして当学院を選んで頂いた事に」

理事長「感謝の気持ちを述べさせてもらうと共に」

理事長「みなさんの一層の活躍と健勝を祈らせてもらう事で」

理事長「挨拶の言葉とさせて頂きます」

(パチパチパチパチ)

雪穂(パチパチパチパチ)

亜里沙(パチパチパチパチ)

95 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:32:13.81 ID:DhLu4YWi.net
ヒデコ『以上、南理事長からでした』(マイク)

ヒデコ『それでは、続いて生徒会長:高坂穂乃果さんから』

ヒデコ『新入生のみなさんへの挨拶の言葉』(マイク)

(パチパチパチパチ)

演壇(カラーン)



亜里沙(あれ?)

雪穂(お、お姉ちゃん!?)

ゆきあり(ま、まさか!!)

96 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:33:30.90 ID:DhLu4YWi.net
ステージ裏

副会長:園田海未「穂乃果とはまだ連絡が付かないのですか!?」

生徒会会計:南ことり「そ、それがぁ」

ことり「ついさっき、急いで向かってるってメールが来てから」

ことり「それっきりぃ……」

海未「むーっ!」

海未「新学期早々遅刻とは!」

海未「一体、何を考えているんだか」

海未「だから先日、早く寝るようにあれだけ言ったのです!」

ことり「穂乃果ちゃん、この式バッチリ決めようって」

ことり「テンション上がりまくってたもんね」

海未「そう言う時の穂乃果は大体こうなるのです」(ため息)

97 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:35:03.34 ID:DhLu4YWi.net
ヒデコ「海未、ことり」

ヒデコ「どうする?」

フミコ「みんな訝しがり始めてるし」

ミカ「このままじゃ、式典に滞りが出るし」

ミカ「手順繰り上げる?」

ことうみ「……」

海未「そうですね。待たせるわけにもいかないし」

海未「とりあえず新入生代表の挨拶辺りを、先にやって置きましょうか」

ことり「そうだね」





(ザワザワザワザワ)

亜里沙「ねぇ、雪穂」

亜里沙「これって……」

雪穂「あ〜もぅ……こんなんじゃないかと思ってた」

雪穂「生徒会長が入学式遅刻するなんて」

雪穂「前代未聞だよ」

雪穂「もぅ……」

98 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:37:31.67 ID:DhLu4YWi.net
(ザワザワザワザワ)

ヒデコ『それでは予定を変更して』(マイク)

ヒデコ『新入生代表:高坂雪穂さんと絢瀬亜里沙さんの挨拶』

ゆきあり(私達の番だ)

ゆきあり(スック)

(タッタッタッタッ……)

???「あわわわわわわ」(ダッダッダッダッ)

???「お〜っとっとっと、間に合ったぁ〜」

(ゴツンッ)

???「いったぁ〜」

???「足の小指演壇にぶつけちゃったよぉ〜 ><」

???「くぅ〜 ><」

ゆきあり「」

(ザワザワザワザワ)

99 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:38:47.39 ID:DhLu4YWi.net
舞台裏

海未「むぅ〜、何ですかあれは!?」

ことり「ギリギリセーフだねっ♪」

海未「こんなんじゃ、音ノ木坂女学院の評判が、ガタ落ちになってしまいます」

ことり「まぁまぁ、海未ちゃん」

ことり「でも、こう言う所も、らしいとは思わない?」

海未「……」

海未「確かに」

海未「お陰でいつも、ハラハラのし通しですがね」(ジト目)

100 :名無しで叶える物語(関西地方)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:39:51.98 ID:rgyGLVD3.net
いいね

101 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:41:23.68 ID:DhLu4YWi.net
ヒデコ『それでは改めまして、生徒会長:高坂穂乃果さんから新入生のみなさんへの挨拶です』(マイク)

穂乃果「みなさ〜ん!こんにちは〜!」(マイク)

(ピーガガッ)

(ドッwwwww)





ステージ裏

海未「何をやっているのですかっ!」

ことり「まぁまぁ、海未ちゃん」(苦笑)





演壇

穂乃果「失礼しました」

穂乃果「みなさんこんにちは!生徒会長の高坂穂乃果です!!」

穂乃果「みなさんが私達の学校を選んでくれた事、心から感謝しています」

穂乃果「だから退学とかはしないで下さいね?」

(ドッwww)

雪穂「お姉ちゃん」(ゲンナリ)

亜里沙「ハラッショー!」



穂乃果「私は見ての通り、ホントに何で生徒会長を務めていられるのか」

穂乃果「不思議な位適当で大ざっぱで」

穂乃果「かなりだらしない女の子ですが」




ステージ裏

海未「何を言っているのですか」(ワナワナ)

ことり「大丈夫だよ。穂乃果ちゃんならきっと」

ことり「た、多分だけど」(苦笑)

102 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:43:12.52 ID:DhLu4YWi.net
穂乃果「けど……大勢の友達や仲間達の助けを得られて」

穂乃果「ここまでやって来れました!」

穂乃果「アイドル活動もそうです!」

穂乃果「メンバーみんなの協力、そしてファンの方々の暖かい応援があったからこそ」

穂乃果「ラブライブ優勝の栄誉を手に入れ、こうして学院存続の念願がかないました!」




雪穂「……」

亜里沙「……」



穂乃果「この学校は設備の老朽化も激しく」

穂乃果「その点、私立と比べれば、まだまだ課題は山積していますが」

穂乃果「その代わり……私のお母さんやお祖母さん」

穂乃果「ここを母校として、ここから巣立った沢山の人達の夢と思い出が詰まっています」

穂乃果「そして何より……こんな私でも喜んで応援してくれた、大勢の仲間達」

穂乃果「そんな素晴らしい先輩や同級生が、沢山通っています」

穂乃果「だから私はこの学校が大好きです!」

穂乃果「これだけは自信を持って言えます!」

103 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:44:42.66 ID:DhLu4YWi.net
穂乃果「みなさんは新しい環境、見知らぬ人達と一緒になって」

穂乃果「多少不安かも知れません」

穂乃果「ですが、そんな心配はありません!」

穂乃果「どんどん友達を作って、新しい事にチャレンジして下さい!」

穂乃果「そんなみなさんを、私達生徒会も、全力で応援して行きたいと思います!」

穂乃果「何かあったら、遠慮せずに先輩方に相談して下さい」

穂乃果「私は……あまりアテにならないって言われたりするからアレかも知れないけど」

穂乃果「ハハハ……ハハハハ」




雪穂「うぅ……もう見てらんない」

亜里沙「穂乃果先輩、頑張ってぇ」

104 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:47:17.92 ID:DhLu4YWi.net
穂乃果「と、とにかく、みんな良い人達ばかりなので」

穂乃果「すぐに仲良くなれます!」

穂乃果「だから安心して、学園生活を楽しんで下さい」

穂乃果「あ、あと」

穂乃果「赤点だけは取っちゃダメだよ?」

穂乃果「追試は結構辛いからね?」



(ドッwww)



ヒデコ『以上、高坂穂乃果さんからでした』(マイク)

(パチパチパチパチ)

雪穂(パチパチパチパチ)

亜里沙(パチパチパチパチ)

105 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:49:00.32 ID:DhLu4YWi.net
放課後

私 小泉花陽 高校二年生

私達音ノ木坂女学院は

昨年度廃校の危機を迎えたが

穂乃果ちゃん達が結成したミューズの活躍によって

ラブライブ優勝を果たし

今年度 昨年を上回る入学者を迎える事が出来た!

そして私は


花陽「いやぁ〜この花陽も、晴れて高校二年生」

花陽「廃校も免れて、なんだか感無量だねぇ」

花陽「ね?凛ちゃん?」

凛「だよねぇ〜」

花陽「私達が一生懸命アイドル活動やってきた」

花陽「その成果が認められて、ホント良かったよ」

凛「今年は何と」

凛「新入生だけで3クラスも出来たにゃあ!」

花陽「う〜ん、これはますます楽しみになって来たぁ!」

凛「かよちん、頑張ってね」

花陽「もちろんだよ、凛ちゃん」

花陽「さ〜て、とりあえず部室に行って」

花陽「今後の方針について、にこちゃん達と相談しないとね」

凛「……」

106 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:52:40.76 ID:DhLu4YWi.net
凛「あのさぁ、かよちん」

凛「にこちゃん達……とっくに卒業したんだけど」

花陽「!?」

凛「かよちん。今はかよちんが部長なんだよ?」

花陽「えっ?ええっ……エエェェェ!?」

花陽「ダレカタスケテェ〜」

凛「かよちん……」

凛「ちなみに……凛は、リーダー」

凛「こんなんで大丈夫なのかなぁ……」

107 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:54:21.28 ID:DhLu4YWi.net
部室



(ガチャッ)

花陽「みなさんおまたせ〜」

凛「お待たせにゃ」

副部長:西木野真姫「遅いわよ」(髪クルクル)

花陽「ゴメンゴメン……って、あれ?」

花陽「にこちゃん達は?」

花陽「それに……穂乃果ちゃん達も」

凛「もうっ、かよちん!」

花陽「あぁ……ゴメン」

真姫「まだ言ってるの?花陽」

真姫「ミューズはとっくに過去のモノでしょ?」

花陽「う、うん……」

真姫「穂乃果達は生徒会で遅れるわ」

真姫「これからは私達二年がしっかりしないとね」

花陽「……」

花陽「そうだね」

108 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 06:57:42.57 ID:DhLu4YWi.net
生徒会室

穂乃果「いやぁ〜それにしても凄いねぇ」

穂乃果「今年度入学者100人超えかぁ」

穂乃果「これでようやく、絵里ちゃん達の時の水準まで回復したねぇ」

穂乃果「ね?ことりちゃん」

ことり「うんっ♪」

海未「全く……私はあの危なっかしい入学式の挨拶」

海未「あれでどれだけの新入生が転校を考え出してるか」

海未「そっちの方が心配なのですが」(ジト目)

穂乃果「やだなぁ海未ちゃん、縁起でもない」

ことり「大丈夫だよ」

ことり「多分……」

海未「とにかく、この生徒数増加も」

海未「来年以降に繋げられるかは、私達三年生の活動如何にかかっています」

海未「後々までちゃんと残る成果を示さないと」

海未「結局は再興も一瞬だけの尻すぼまり」

海未「廃校問題がまた再燃します」

海未「聞いているのですか?穂乃果」

穂乃果「聞いてるよ!」

穂乃果「もぅ……海未ちゃん、今年はいつになく厳しいなぁ」

109 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 07:01:19.09 ID:DhLu4YWi.net
海未「当たり前です」

海未「これまでは絵里達先輩方が助けてくれましたが」

海未「今からは私達がその役目を引き継がなければならないのですから」

海未「いつも以上にしっかりしないと、花陽達に迷惑がかかります」

穂乃果「……」

ことり「ほのかちゃん?」

ことり「まだ気にしてるの?」

穂乃果「いやぁ、そうじゃないんだけどさ」

穂乃果「本当に、いなくなっちゃったんだと思うとねぇ……」

海未「確かに……まだ何となく」

海未「実感が沸きませんよねぇ」

一同「……」

ことり「そ、そうだ。みんな」

ことり「もうじき勧誘活動だよね?」

穂乃果「ハッ!そうだった!!」

ことり「イッパイ来るんじゃない?新入部員」

海未「そうですね」

海未「アイドル研は前回ラブライブの覇者」

海未「入学者増加も、それによる知名度が大きな要因」

海未「当然アイドルに憧れる娘達が、それ目当てに大量にここを志望してる筈」

110 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 07:03:15.82 ID:DhLu4YWi.net
ことり「だとしたら、もの凄い数になるかもね?新入部員」

穂乃果「こうしちゃいられないっ!」(ガタッ)

穂乃果「早速勧誘活動だ!」

穂乃果「部室に行こっ!?ことりちゃん」

ことり「うんっ♪」

海未「ま……待って下さい」

ことほの「?」

海未「それは花陽達の仕事です」

海未「私達はまず、この生徒会を固めないと」

海未「忘れてるかも知れませんが、私達生徒会も」

海未「勧誘活動に力を入れなければなりません」

海未「一挙に入学者が増えました……当然ながら仕事量もこれまでとは違います」

海未「また……もうじき私達も」

ことり「海未ちゃん。それはまだ」

海未「……」

海未「とにかく、私達が生徒会活動を疎かにしては」

海未「全校に迷惑がかかります」

ことり「まずはここをしっかり守ってから、だね?」

海未「そうです」

111 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 07:03:58.84 ID:DhLu4YWi.net
穂乃果「う〜っ。何かそれって冷たくないかなぁ?」

ことり「穂乃果ちゃん」

ことり「海未ちゃんだって、みんなの事心配して言ってるんだから」

ことり「ここは聞いてあげよ?ね?」

穂乃果「むぅ……分かった」

112 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 07:05:39.84 ID:DhLu4YWi.net
翌日 学校

雪穂「それじゃ、行こうか」

亜里沙「うんっ」



アイドル研部室前

雪穂(コンコン)

(ドゾー)

ゆきあり「失礼しま……」

ゆきあり「!?」

(ザワザワザワザワ)

雪穂「何これ!?」

亜里沙「凄い人だかり」

雪穂「これ全員……入部希望者なの!?」

113 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 07:08:36.08 ID:DhLu4YWi.net
花陽「そ、それじゃみなさん」

花陽「この用紙に記入をぉ……」

花陽「って……奪い合いしないでぇ!」

真姫「用紙は幾らでもあるから」

真姫「後、一週間以内に、保護者の同意書持参の事」

(キャァー)

真姫「って……聞いてんの!?」

凛「軽く30人は越えてるにゃあ」

花陽「うぁぁ……とにかくみなさん落ち着いてぇ」

花陽「ダレカタスケテェ〜 ><」



ゆきあり「……」

雪穂「花陽先輩達、大変そうだ」

亜里沙「出直そうか?」

雪穂「そうだね」

114 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 07:11:12.66 ID:DhLu4YWi.net
放課後 部室

花陽「はぁぁ……何でこんな事にぃ」

真姫「今日だけで37人も集まるとはね」(書類)

凛「大盛況だね」

花陽「にこちゃんは賑やかな部活にしてって言ってたけどぉ」

花陽「賑やか過ぎだよぉ……」(ゲンナリ)

真姫「確かに、今年の新入生のかなりの部分が」

真姫「ミューズ目当てにやって来たって言っても、過言じゃないから」

真姫「アイドル部に殺到するのは、ある程度予想してたけど」

花陽「あれだけ大勢管理出来るかなぁ……」

真姫「それ以前に、問題は別にあるわ」

凛「問題?」

真姫「私達ミューズは、例えば学園存続の為、素人からアイドル始めた穂乃果始め」

真姫「たった1人で部活を守り続けたにこちゃんとか」

真姫「みんなそれぞれ、気概とか信念とか覚悟があったでしょ?」

真姫「その気持ちを、あの娘達が共有出来るかしらね」

凛「真姫ちゃん。それは先輩風だよ」

115 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 07:13:37.44 ID:DhLu4YWi.net
真姫「私が言いたいのは、量が増えても質が維持できるかって事よ」

凛「質かぁ……」

真姫「これだけ大所帯になったら、楽して良い思いしようとする連中も、何人か出て来る」

真姫「ラブライブ以前に……ちゃんと練習に付いて来れるのか」

凛「真面目にやらない娘が出て来るって事?」

真姫「こう言う言い方はアレだけど」

真姫「アイドル舐めてる娘もいるかも知れないわ」(髪クルクル)

凛「真姫ちゃん。先輩風吹かせたいだけじゃないのぉ?」

真姫「そうだと良いんだけど」

花陽「……」

花陽(上手くやってけるのかなぁ)




とりあえずここまで

116 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 09:17:03.10 ID:T/aLbsFO.net
支援

117 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 13:04:41.54 ID:cyJCo/bb.net
おっ

118 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 13:24:16.57 ID:Pbet96eA.net
真姫ちゃんの先輩風思いっきり身体いっぱいに吸い込みたい

119 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 15:16:12.05 ID:9Kzr4myT.net
おおお
期待

120 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 15:27:13.68 ID:6GyrpMeG.net
(布団)でじわる

121 :名無しで叶える物語(京浜急行)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 19:09:37.34 ID:tyQ65CPe.net
いいね

122 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:25:29.41 ID:DceaNLR4.net
再開

生徒会室

(ガラッ)

雪穂「お姉ちゃん!」

亜里沙「穂乃果先輩。みなさん」

亜里沙「お久しぶりですっ!」(ペコリ)

穂乃果「あ、いらっしゃい」

穂乃果「何か飲んでく?」

雪穂「お姉ちゃん。家じゃないんだからさぁ」(ジト目)

雪穂「てか、お姉ちゃん!何でここに居るのよ!?」

雪穂「今アイドル研、大変なんだよ?」

亜里沙「物凄く沢山の新入部員でごった返していて」

穂乃果「お!良かったねぇ」

雪穂「お姉ちゃんさぁ……花陽先輩達、大変だったよ?」

亜里沙「本当は、今日中に手続きしようと思ったんだけど」

亜里沙「みんな忙しそうだったから、私達は気を使って」

穂乃果「……」

雪穂「行ってあげないの?」

穂乃果「ほら、私は生徒会長だし」

雪穂「それは分かるけどさ」

雪穂「音ノ木坂のアイドル盛り上げたのは、お姉ちゃん達でしょ?」

123 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:28:18.67 ID:DceaNLR4.net
海未「雪穂達の言いたい事は分かります」

雪穂「海未姉……」

ことり「だけど、今はアイドル研の主役は、花陽ちゃん達だし」

海未「私達がやたら干渉するのは良くないのではないかと」

雪穂「花陽先輩達がそんな風に考えるとは、思えないけど?」

海未「それに正直……ここも大変な状況なのです」

ことり「一挙に仕事量が増えちゃったからね」

海未「ここを差し置いてアイドル研に梃入れする余裕は」

海未「当面無いのではないかと」

ゆきあり「……」

穂乃果「そう言う訳なんだ」

雪穂「むぅ……分かったよ」

雪穂「でもさ、お姉ちゃん」

雪穂「本当にそう考えているの?」

穂乃果「それは……」

雪穂「いつものお姉ちゃんなら、後先考えずに」

雪穂「よ〜し花陽ちゃん達助けるぞぉ〜って」

雪穂「すっ飛んで駆けつけてると思うんだけど」

雪穂「何となく……お姉ちゃんらしくないんじゃないの」

ほのうみこと「……」

124 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:30:56.20 ID:DceaNLR4.net
亜里沙「雪穂」

亜里沙「穂乃果先輩達も、今は学校の代表者なんだし」

亜里沙「立場も責任も伴うんだから」

亜里沙「その辺り分かってあげないと」

雪穂「……」

雪穂「確かに亜里沙の言う通りだ」

雪穂「ゴメンね?お姉ちゃん」

雪穂「雪穂、その辺りの事情、良く分かんなかったから」

雪穂「とにかく、無理しないでよ?」

雪穂「行こう。亜里沙」

亜里沙「失礼しました」(ペコリ)

(ガラッ)

(ガララッ)


ほのうみこと「……」

125 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:32:50.08 ID:DceaNLR4.net
数日後 部室

真姫「あぁ、もぅ〜、どうしようもないわよ!コレ」

真姫「イミワカンナイ!!」

花陽「まぁまぁ、真姫ちゃん」(冷や汗)

真姫「アイドルに真剣とか……それ以前の問題よ」

真姫「見てみなさいよ。この部室」

凛「これは酷いにゃあ……」

真姫「飲み散らかしたジュースやお菓子の山!」

真姫「ゴミだらけじゃないのよ!!」

真姫「花陽も良くこんなのに我慢出来るわよね!?」

真姫「何も思わないわけ!?」

花陽「わぁ、私だって!」

花陽「こう言うのは、良くないかとぉ……」

真姫「全く、アイドル以前に、人としてどうかって話よ」

凛「……」

凛「みんなちゃんと練習もしてくれないしね」

真姫「そうよ?」

真姫「基礎トレーニングもろくにしないで」

真姫「誰がセンターとか、衣装はこんなのが着たいだとか」

花陽「た、確かにぃ」

花陽「ちゃんと鍛えとかないと、いざって時に」

凛「怪我でもされたら困るよね?」

126 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:34:13.06 ID:DceaNLR4.net
真姫「まぁ、良いわ」

真姫「素行の悪いのは大体目星付けたから」

真姫「近い内ガツンと言ってやるわよ」

花陽「ま、真姫ちゃん」

花陽「余り、過激な事はぁ」

真姫「そんなんだから花陽は舐められるのよ!」

花陽「うぇぇ?そ、そんなぁ……」

真姫「凛も!」

凛「私もぉ!?」

真姫「こんな体たらく、にこちゃん達が知ったら」

真姫「不甲斐ないって嘆くわよ!?」

花陽「そ、それはぁ……」

凛「そうだけどぉ」

真姫「今は穂乃果達三年生は、生徒会で忙しいんだから」

真姫「アイドル研を守るのは、私達しかいないわ」

真姫「もっとしっかりしないと」

りんぱな「……」

真姫「分かった!?」

花陽「は、はいっ!」

凛「う、うんっ」

127 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:35:42.39 ID:DceaNLR4.net
翌日 放課後

教室

雪穂「た、大変です!花陽先輩!!」

花陽「ん?」

凛「どうしたにゃ?」

雪穂「真姫先輩が……真姫先輩が」

雪穂「新入部員の娘達と」

亜里沙「つかみ合いの大喧嘩をぉ……」

花陽「えっ?えっ!?」

花陽「エエェェェー!?」

花陽「真姫ちゃんとうとう、オッパジメチャッタノオォォォー!?」

凛「これはマズイにゃあ」

亜里沙「真姫先輩、練習時間になってもだべってばかりいる娘達に
前々から腹が立っていたらしくて」

雪穂「あなた達、やる気ないの?って」

花陽「ど、ど、どうしよう」

凛「とにかく屋上へ行こう?かよちん」

花陽「うぇ!?わ、私がぁ!?」

凛「もうっ、かよちん!」

凛「かよちんは部長なんだよ!?」

凛「ここはしっかりしないと!」

雪穂「そうですよ」

亜里沙「私達も一緒に行きますから」

128 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:37:00.08 ID:DceaNLR4.net
花陽「いやぁ……でもぉ」

花陽「こう言うのはぁ、やっぱ穂乃果ちゃん達の方がぁ」

凛「あぁ、もうっ!!」

凛「とにかく、行くよ!?」(腕ガシッ)

花陽「ダレカタスケテェ〜」(ズルズルズルズル)

129 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:37:58.66 ID:DceaNLR4.net
屋上

花陽「ハァ……ハァ……ハァ……」

凛「真姫ちゃん!」

凛「かよちん連れてきた!!」

花陽「な、何が有ったの!?」

真姫「どうもこうも無いわ!!」

真姫「この娘達……練習もしないで」

真姫「お菓子食べてたのよ!?」

花陽「ほ、本当に!?」

E香「部長!酷いんですよ!?」

F子「いきなり私達の胸倉をつかんで」

G奈「これは暴力ですよ!暴力!!」

花陽「た、確かにぃ」

花陽「暴力はぁ、良くないよねぇ」

凛(かよちん!どっちの肩持つつもり!?)ヒソヒソ

花陽(いやぁ……だけどぉ、一応は聞いとかないとぉ)

130 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:39:08.03 ID:DceaNLR4.net
真姫「否定はしないわ」

真姫「確かに私は、この娘達に手を挙げた」

真姫「許せないと思ったからだけど」

真姫「軽率な振る舞いだったのは間違いない」

花陽「真姫ちゃん……」

E香「ほら、私達の言った通りでしょ?」

F子「見てください。胸倉つかまれた痕!」

F子「こんなに赤く晴れ上がって!」

G奈「とりあえず謝って欲しいです」

花陽「……」

凛「かよちん」

花陽「そうだね。これは謝らなきゃいけないよね?」

凛「かよちん!」

花陽「真姫ちゃん」

真姫「……」

真姫「分かったわ」

131 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:40:53.74 ID:DceaNLR4.net
真姫「あなた達に手を挙げた事は謝るわ」

真姫(ペコリ)

雪穂「……」

亜里沙「……」

凛(かよちん!)

凛(こんなんで良いの!?)

E香「これからは気を付けて下さいね」

F子「幾ら先輩でも、ちょっとやり過ぎなんじゃないですかぁ?」

G奈「部長?西木野さんには、当然処分が下るんでしょうね?」

(クスクス……ザマーミロ)

真姫「……」

花陽「そうだね。確かに何もしないわけには行かないよね」

凛「かよちん……」

花陽「真姫ちゃん。悪いけど」

花陽「3日程謹慎してもらうよ」

真姫「……」

真姫「分かったわ」

E香「さすが部長」

F子「分かってらっしゃるぅ」

G奈「やっぱ小泉さんは公平で、何より優しいよね?」

G奈「西木野さんと違って」

(プーックスクス)

真姫「……」

亜里沙「あの、花陽先輩」

雪穂「待って」

凛(かよちん!本当にこんなんで良いの!?)

132 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:42:45.92 ID:DceaNLR4.net
花陽「あぁ、後……あなた達3人なんだけど」

花陽「今日をもって辞めてもらうから」

EFG「」

花陽「真姫ちゃんのやった事は、不適切だったかも知れないけど」

花陽「気持ちは私も同じだよ」

花陽「あなた達みたいにふざけた存在に」

花陽「これ以上、アイドル研にいてもらう必要は無いから」

EFG(ワナワナ)

花陽「てか……どこ行っても」

花陽「そんなんじゃ続かないと思うけど」

花陽「だから部長として言わせてもらう」

花陽「あなた達は退部です」

花陽「あぁ、それと、今真姫ちゃんを笑った娘達」

花陽「何がおかしいのか、花陽に説明してもらいたいんだけど」

部員達(……)

花陽「アイドルは人を笑顔にする仕事だけど」

花陽「人をせせら笑うなんて……アイドル以前に人として色々疑うよ」

花陽「花陽からすれば……あなた達も考え直して欲しい」

花陽「でないと練習……付いていけないよ?」(ギロッ)

133 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:43:58.31 ID:DceaNLR4.net
花陽「私の言った事に不満があるなら、明日から来なくて結構です」

花陽「今日は色々有りすぎたから、練習はもう止めよう」

花陽「みなさん解散して下さい」

部員達「……」

花陽「あぁ、後」

花陽「真姫ちゃんと凛ちゃん」

花陽「雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんは、部室に来て」

凛「……」(冷や汗)

花陽「凛ちゃん」

凛「う、うんっ」

凛「解散!」

134 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:45:18.21 ID:DceaNLR4.net
部室

花陽「はあぁ〜緊張したよぉ〜」

花陽「まだドキドキが止まらないねぇ」(冷や汗)

真姫「花陽。ゴメンね」

真姫「あなたにまで迷惑かけて」

花陽「ううん。花陽がしっかりしてなかったから」

花陽「真姫ちゃんにこんな事させる羽目になっちゃったんだよ」

花陽「花陽こそ……謝らないと」

雪穂「いやぁ、でもスカッとしたよ!」

亜里沙「普段温厚な花陽先輩だからこそ」

亜里沙「言う事に重みがありますよね」

凛「凛はこっちのかよちんも好きだにゃあ」

花陽「……」

花陽「あぁ、そうだ」

花陽「まだ入部届すら受け取って無かったよね」

花陽「ゴメンね?色々バタバタしちゃって」

雪穂「これからアイドル研でお世話になります。高坂雪穂です」

亜里沙「同じく、絢瀬亜里沙」

亜里沙「誰にも負けないハラッショーなアイドルを目指します!」

135 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:49:49.67 ID:DceaNLR4.net
凛「それじゃ、改めて」

凛「私がアイドルグループリーダー、星空凛」

真姫「そして、副部長の西木野真姫」

りんまき「そして……私達の部長を務めるのが」

花陽「私、小泉花陽です」

花陽「雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん」

花陽「私も至らぬ所が色々あると思うけど」

花陽「これからよろしくね」

雪穂「はいっ、こちらこそ!」

亜里沙「ハラショー!」

真姫「そう言えば私」

真姫「3日間謹慎だったわよね」

花陽「うぇ!?」

真姫「花陽そう言ったじゃない」

花陽「別にぃ、気にしなくても良いよ」

真姫「でも、一応守っとかないと」

真姫「部長の裁定に重みが無くなるでしょ?」

花陽「そりゃあ……そうだけどぉ」

真姫「心配しないで」

真姫「ちょうど作曲に時間割きたかったから、良い機会よ」

花陽「なら良いけどぉ」

凛「じゃあ当面、凛とかよちんと雪穂ちゃん達でやって行く事になるね」

花陽「そ、そうだね」

真姫「それじゃ、もう遅いし」

真姫「みんな帰りましょ」

136 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:52:27.91 ID:DceaNLR4.net
数日後

音ノ木坂女学院 学生寮

(アナタヘノハッピーアトゥクーアトゥクー♪)

にこ「?」

(ピッ)

にこ「花陽?」

にこ「珍しいわね」

『……』

にこ「花陽?」

花陽『た……助けて』

にこ「助けて?」

花陽『部員が……アイドル研の部員達が』

花陽『みんな辞めちゃった……』

にこ「……」

にこ「は?はあっ!?」

にこ「ぬぁんでよ!?」

137 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:55:48.81 ID:DceaNLR4.net
翌日

音ノ木坂女学院 登校口前

絵里「で、とりもなおさず駆けつけた、と」

にこ「私達を驚かす為の狂言……」

にこ「な訳無いわよね」

絵里「……」

にこ「……」

絵里「とにかく、行きましょ?」

138 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:57:21.08 ID:DceaNLR4.net
アイドル研部室前

にこえり「……」

絵里「本当に誰もいないのかしら」

にこ「穂乃果や真姫ちゃんまで辞めた、となると」

にこ「とんでもない事件があったとしか」

にこ「……」

絵里「まぁ、ここで考え込んでも仕方ないわよね」

(ガチャッ)

にこえり「!?」

凛「にゃん?」

にこえり「……」

凛「あ、絵里ちゃん。にこちゃん!」

凛「お久しぶり」

絵里「凛。元気そうね」

にこ「あんたは相変わらずねぇ」

にこ「じゃなくって!」

にこ「アイドル研、一体どうしたのよ!?」

139 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:58:28.77 ID:DceaNLR4.net
凛「いつも通りだよ」

凛「今日も練習頑張るにゃあ」

にこ「そう。それは感心」

にこ「じゃないでしょ!?」

にこ「あんた達……みんな辞めたって聞いたわよ!?」

絵里「まぁ、にこ」

絵里「とりあえず中に入りましょ」

140 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 20:59:23.57 ID:DceaNLR4.net
部室

にこ「とりあえず説明してもらえるかしら」

絵里「花陽の話だと、ここ数日でみんな居なくなったって」

凛「……」

凛「あぁ……その話しかぁ」

凛「……」

絵里「?」

凛「実はね?かよちんが」

(ガチャッ)

花陽「あっ……」

真姫「あなた達」

絵里「2人とも、お久しぶりね」

絵里「ふふ」

花陽「……」

花陽「ゴメンにこちゃん、絵里ちゃん」

花陽「何だか心配かけちゃって」

真姫「花陽は悪くないわ」

真姫「遅かれ早かれこうなったのよ」

凛「うぅ……」(冷や汗)

141 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:00:50.03 ID:DceaNLR4.net
にこ「イマイチ話が読めないんだけど」(ジト目)

絵里「とりあえずみんな座りましょ」






にこえり「……」

絵里「そうだったの」

絵里「大変だったのね」

まきりんぱな「……」

凛「それで、かよちんが」

花陽「真面目にアイドルやるつもりがないなら、辞めて結構って」

真姫「そしたらね、それを機に」

真姫「新しく入った娘、どんどん来なくなったのよ」

凛「雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんを残してね」

にこえり「……」

花陽「ゴメン、にこちゃん」

花陽「もっともっと、賑やかな部活にしようと思ってたのに」

花陽「その約束……守れなかった」

真姫「花陽は悪くないわ!」

真姫「先に手を挙げたのは私の方だし」

凛「真姫ちゃんは間違ってない!」

凛「あんないい加減な新入部員」

凛「こっちから願い下げだよ」

にこえり「……」

142 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:03:17.81 ID:DceaNLR4.net
にこえり「……」

まきりんぱな「うぅ……」(ビクビク)

にこ「花陽」

花陽「ぴゃっ!?」

花陽「は、はいっ」

にこ「あんたは良くやったわ」

花陽「にこちゃん……」

にこ「私があんたでも、全く同じ事をやった」

にこ「いえ……あんた達の話通りだとしたら」

にこ「初日からそうしてたかも知れない」

にこ「凛の言った通り、そんなしょうもない娘にアイドルは務まらない」

にこ「やっぱ私の考えは間違い無かった」

にこ「あんたはもう、立派な部長よ。花陽」

花陽「にこちゃん……」(ウルウル)

絵里「本当にね」

絵里「私達のラブライブ優勝に惹かれて、大勢やって来たのだろうけど」

絵里「華やかなライブ一回やる為に、どれだけ苦労と努力が必要なのか」

絵里「それすらも考えようとしないのなら」

絵里「仕方無い判断だったわね」

真姫「エリー……」

絵里「雪穂ちゃんと亜里沙まで巻き込まれる前に」

絵里「良く決断してくれたわ」

絵里「花陽。ありがとう」

143 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:04:13.43 ID:DceaNLR4.net
にこ「所で、この話」

にこ「穂乃果達は知ってんの?」

花陽「それはぁ」

凛「ううん、穂乃果ちゃんには伝えてない」

真姫「私達だけで決めたのよ」

にこえり「……」

絵里「そう」

絵里「いずれにしても、あなた達には感謝してるわ」

にこ「こんなんで気を落とすんじゃないわよぉ〜」

絵里「それじゃ、凛達も忙しいだろうし」

にこ「そうね」(ガタッ)

真姫「もう行くの?」

にこ「また来るわよ」

絵里「じゃ、そう言う事で」

(ガチャッ)

(バタン)

まきりんぱな「……」

144 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:05:18.60 ID:DceaNLR4.net
廊下

絵里「ねぇ、にこ」

絵里「これ程の大事件なのに、穂乃果達が知らないって」

にこ「そうね」

にこ「いささか腑に落ちないわよね」

絵里「確かに穂乃果達は生徒会だし、色々と忙しいのは分かるけど」

にこ「そんなの言い訳にもならないわよ」

にこ「私達は仲間なのよ!?」

にこ「同じ苦楽を共にして、色んな困難を乗り越えて」

にこ「だからこそ、ラブライブ優勝出来たんじゃないの」

絵里「……」

絵里「そうね」

絵里「これは少し、言っとかないといけないかしらね」

にこ「ったく……しょうがないわねぇ」

145 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:06:17.77 ID:DceaNLR4.net
生徒会室

(ガラッ)

絵里「穂乃果。みんな」

絵里「久し振りね」

絵里「ふふ」

にこ「あんたもぜんっぜん変わってないわねぇ」

穂乃果「あっ、絵里ちゃん。にこちゃん!」

穂乃果「来てたんだ」

海未「お二人とも、お久しぶりですね」

ことり「いらっしゃい」

ことり「ゆっくりして行ってね」

穂乃果「今、お茶用意するから」

にこ「その前に、穂乃果」

穂乃果「?」

にこ「あんたねぇ……今アイドル研がどうなってんのか、知ってるの!?」

海未「何かあったのですか?」

絵里「本当に何も知らないのね」

146 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:09:14.13 ID:DceaNLR4.net
ほのことうみ「……」

穂乃果「ま、マジで!?」

海未「そんな事態になっていたとは」

ことり「知らなかったよ」

にこえり「……」

絵里「新入生の増加で、生徒会が忙しくなってるのは分かるわ」

にこ「けど……冷たいと思わないの?」

ほのことうみ「……」

海未「申し訳有りません」

穂乃果「花陽ちゃん、何も言わなかったから」

にこ「あんた、花陽の性格良く知ってるでしょ」

ことり「花陽ちゃん、きっと気を使って」

海未「何も言わなかったのですね」

絵里「ねぇ、みんな」

絵里「あなた達を責めてる訳じゃないわ」

絵里「私だって、穂乃果に気づかされるまで」

絵里「誰の力も頼らず、廃校阻止の為、自分1人だけで何とかしようと思ってた」

絵里「そして、にこも……」

にこ「まぁね」

にこ「アイドルは1人でも出来るけど」

にこ「けど……結局誰も笑顔には出来なかった」

ほのことうみ「……」

147 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:12:21.78 ID:DceaNLR4.net
絵里「私達9人、色々ぶつかったり、すれ違ったりもしたけれど」

絵里「それでも1つでいられたから」

絵里「学園も救えたし、ラブライブにも優勝出来た」

絵里「その気持ちだけは、忘れて欲しくないのよ」

ほのことうみ「……」

穂乃果「それは、分かるよ」

にこえり「?」

穂乃果「けど、いや、だからこそ」

穂乃果「私達9人で手に入れた成果」

穂乃果「ちゃんと後々まで残したい」

にこ「穂乃果……」

穂乃果「私達3人も、後一年で卒業する」

穂乃果「今のにこちゃん達みたいにね」

穂乃果「この一年で、どれだけの物が残せるか」

穂乃果「私なりに考えて、やっぱ私、生徒会長だから」

穂乃果「まずはこの場をしっかり守りたいんだ」

にこえり「……」

穂乃果「それに来年は……花陽ちゃん達が三年生になる」

穂乃果「いつまでも、私がリーダー面して、口を挟んで」

穂乃果「そんなんで……本当に良いのかな?」

にこえり「……」

148 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:13:34.69 ID:DceaNLR4.net
校門前

『今のアイドル研の主役は花陽ちゃんと凛ちゃん』

『そして真姫ちゃんだよ』

『私は、花陽ちゃん達を信じてる』

『それで失敗する事もあるかも知れない』

『でもそれで良いんじゃないかな』

『にこちゃん達だって、きっと私達を』

『そんな風に見守ってくれてたんだよね?』

にこえり(カツカツカツカツ)

にこ「ったく……しばらく見ない間に」

にこ「生意気な事言うようになったわねぇ」

絵里「それにしては嬉しそうじゃない?」

絵里「花陽は部長。穂乃果は生徒会長」

絵里「みんな、らしくなって来たわね?」

絵里「ふふ」

にこ「親は居なくても子は育つ、か」

絵里「これなら任せても安心よね」

にこ「老兵は死なず」

にこ「ただ去りゆくのみ」

にこ「誰の言葉だったかしらね」

絵里「さっ、私達も頑張りましょ?」

149 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:16:46.17 ID:ZjjILuah.net
放任と放置はちゃうやろ

150 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:16:47.92 ID:DceaNLR4.net
一週間後

音ノ木坂女学院 アイドル研部室

(ガチャッ)

花陽「ハァ……ハァ……ハァ……」

真姫「花陽?」

凛「かよちん?」

ゆきあり「部長?」

花陽「た、助けて」

一同「助けてぇ!?」

凛「ま、まさか」

真姫「また廃校とか言うんじゃないでしょうねぇ?」

ゆきあり「マジで!?」

花陽「ち、違います」

花陽「じ、実はぁ」

一同「実は!?」

花陽「とにかく、パソコンを」(マウス)

151 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:18:11.19 ID:DceaNLR4.net
一同「ラブライブぅ!?」

花陽「そうなんです」(マウス)

花陽「アイドルの祭典、第3回ラブライブが」

花陽「早くも開催される事が決定したのです!」(カタカタ)

一同(ゴクリ)

花陽「開催日は夏休み。8月15日」

花陽「それにあわせて、早くも6月には第一次予選が始まります」

花陽「エントリー受付は一週間後」(カタカタ)

凛「こんなに早く来るなんてぇ」

真姫「それだけ人気って事ね」

雪穂「私達がアイドルやって、初めてのラブライブ」

亜里沙「ハラショー」

花陽「ですが今回は、今までとは大幅に条件が異なります」

凛「どう言う風に?」

真姫「今まで私達ミューズは、あくまでも挑戦者だった」

真姫「けど今回は……我がアイドル研は第2回ラブライブの覇者」

真姫「追われる側になるって事よ」

152 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:18:58.58 ID:DceaNLR4.net
花陽「それだけ仲間内の期待も大きい反面」

花陽「ライバル達から狙われる立場にある」

凛「凄いプレッシャーだよねぇ……」

ゆきあり「……」

真姫「この件、穂乃果達には伝えたの?」

花陽「それが、まだなんだ」

真姫「早く伝えないと」

凛「全員一丸で立ち向かわないと」

真姫「ラブライブには勝てないわ」

花陽「分かりました」

花陽「それじゃ、早速」

雪穂「それなら私達が!」

雪穂「お姉ちゃんに話したい事もあるし」

雪穂「行こう?亜里沙」

亜里沙「うん」

153 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:20:10.83 ID:DceaNLR4.net
生徒会室

(ガラッ)

ゆきあり「失礼しまーす」

穂乃果「あっ、雪穂」

ことり「亜里沙ちゃん」

海未「2人とも、いらっしゃい」

穂乃果「ゆーきほー」

穂乃果「次の中間考察」

穂乃果「追試なんかになんないでよぉ?」(ニタァ)

雪穂「う゛ぇ……お姉ちゃんじゃないんだからさぁ」

穂乃果「いわれたっ ><」

一同(ドッww)

ことり「で、今日は」

海未「どんな御用件ですか?」

154 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:20:50.31 ID:DceaNLR4.net
雪穂「お姉ちゃんさぁ、ラブライブ決まったんだよ」

ほのうみこと「!」

ほのうみこと「えぇ〜っ!?」

亜里沙「本戦は8月だそうです」

ほのうみこと「……」

雪穂「知らなかったの?」

海未「今初めて聞きました」

ゆきあり「……」

雪穂「もちろん、出るよね?」

ほのうみこと「……」

雪穂「出るんでしょ!?」

穂乃果「いやぁ〜それがさぁ」

155 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:22:07.33 ID:DceaNLR4.net
ゆきあり「えぇ〜っ!?」

雪穂「出ないのぉ!?」

ほのうみこと「……」

雪穂「何で!?」

雪穂「何でよ!?」

亜里沙「私達、穂乃果先輩達とライブ出来るの」

亜里沙「楽しみだったのに」(シュン)

ことり「ゴメンね?亜里沙ちゃん」

雪穂「……」

雪穂「お姉ちゃん。何で出ないのよ」

穂乃果「私達、もう三年だし」

穂乃果「生徒会長だし」

雪穂「それなら」

雪穂「絵里先輩や希先輩何か、まんまそうだったじゃん!」

穂乃果「今のアイドル研は、花陽ちゃん達が」

雪穂「それも聞いてる」

穂乃果「去年は廃校危機で、本当余裕無かったし」

雪穂「それも聞いてる!」

穂乃果「せっかく生徒数も増えた事だし、その成果を来年以降にも」

雪穂「それも何度も聞いた!!」

亜里沙「雪穂」

156 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:23:08.02 ID:DceaNLR4.net
雪穂「私が言いたいのは、お姉ちゃん達抜きで」

雪穂「ラブライブに勝てるかって事!」

ほのうみこと「……」

雪穂「そりゃ、花陽先輩は、誰よりもアイドルに一生懸命だし」

雪穂「入学以前に抱いてたイメージより、ずっとずっと頼りになる人だよ?」

雪穂「けどさ……ただでさえ絵里先輩達が卒業しちゃった今」

雪穂「お姉ちゃん達3人まで居なくて……これで本当に勝てると思ってるの!?」

海未「無論生徒会として」

ことり「全力でサポートするよ?」

雪穂「……」

雪穂「お姉ちゃんはどう思ってんのさ」

穂乃果「私!?」

雪穂「本当は出たいんじゃないの?」

雪穂「て言うかさ……出なきゃいけないって考えてるんじゃないの!?」

穂乃果「それは」

雪穂「お姉ちゃん」

157 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:23:58.42 ID:DceaNLR4.net
亜里沙「雪穂」

亜里沙「穂乃果先輩だって、今は責任があるんだから」

亜里沙「私は分かるよ?」

亜里沙「せっかく今まで廃校阻止の為にやって来たんだもの」

亜里沙「私達……ひいてはずっとずっと後まで」

亜里沙「この学園を残したい……そう言う事ですよね?」

穂乃果「亜里沙ちゃん……」

亜里沙「だからさ雪穂」

亜里沙「ここは私達が花陽先輩達を支えて、しっかりしないと」

158 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:24:48.57 ID:DceaNLR4.net
雪穂「……」

雪穂「分かったよ」

雪穂「けどねお姉ちゃん。少なくともミューズは」

雪穂「メンバーも学校も、もちろんファンの人達も」

雪穂「みんなが夢を持ち合って固い絆で結ばれたからこそ」

雪穂「不可能を可能に出来たんだと思ってる」

雪穂「それを一番知ってるのは、お姉ちゃんなんだから」

雪穂「それだけは……忘れないでよね」

穂乃果「……」

雪穂「じゃ、私達はもう行くから」

亜里沙「失礼しました」(ペコリ)

(ガラッ)

雪穂「あまり無理しちゃダメだよ?」

雪穂「お姉ちゃん思い込んだら、歯止めきかないんだから」

雪穂「じゃ」

(ガララッ)

159 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:26:07.48 ID:DceaNLR4.net
5月

音ノ木坂女子大学寮

絵里「……」

にこ「……」

にこ「またしても、ダメか」

絵里「本当にね」

にこ「……」

にこ「全く」

にこ「いつもいつも最終オーディションまでは行けるのに」

にこ「何で必ず落とされるのよ……」

絵里「これで5件目ね」

にこ「……」

にこ「前回ラブライブの覇者」

にこ「人気も実力も負けてない筈なのに」

絵里「……」

絵里「確かに」

絵里「受かった娘達の面子を見る限り」

絵里「決して勝てない相手では無い気がするわね」

にこ「てか、絶対私達の方が上でしょ!?」(テーブルドンッ)

160 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:27:14.31 ID:DceaNLR4.net
絵里「まぁ、にこ。そう興奮しないで」

にこ「てか、何であんたはそう冷静でいられるのよ?」

絵里「仮に実力では私達が上だったとしても」

絵里「それだけで受かった娘達を見下すのは、傲慢だと思うわ」

にこ「……」

絵里「とにかく、敗因を分析しないとね」

にこ「むぅ……」

絵里「どうする?ここでスクールアイドル始める?」

にこ「そんなんじゃいつまで経っても、アマチュアじゃないのよ」

にこ「にこはね、アイドルになりたいの」

にこ「その為に、ここに入ったんだから」

にこ「この位で妥協する何て」

絵里「アイドルへの冒涜、恥よね?」

絵里「ふふ」

にこ「むぅっ!」

にこ「分かってんならあんたも考えなさいよねぇ」

絵里「そうねぇ……」

絵里「そうだ!」

161 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:28:20.02 ID:DceaNLR4.net
翌日

希の大学


希「絵里ち」

希「久し振りやね」

希「ふふ」

絵里「あなたも元気そうね」

絵里「けど……キャンパス内にて巫女姿とはね」

希「宣伝効果も狙ってるんよ?」

希「ウチは今や、スピリチュアル研究会の部長やん」

絵里「そう」

希「で、今日はどんな用なん?」

絵里「実はね」

162 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:32:28.02 ID:DceaNLR4.net
スピリチュアル研究会 部室

希「オーディションに受からない!?」

絵里「そうなのよ」

絵里「私が言うのもなんだけど」

絵里「にこと私、それなりには実力があるつもりだったんだけど」

絵里「現実って……厳しいわね」

希「……」

希「そう言えば、にこっちは?」

絵里「ねぇ、希」

絵里「卒業式後、にこが私達にかけた言葉、覚えてるでしょ?」

『あんた達ともこれでお別れね』

『今だから言うけれど、この三年間』

『そう悪く無かったわよ』

『じゃあね。もう会う事も無いでしょう』



希「……」

絵里「……」

希「その片割れとは一緒に暮らしてるやん」

絵里「本当にね」(クスッ)

希「言った手前来れないとか」

希「相変わらず意地っ張りやねぇ」

希「絵里ちも苦労してないん?」

絵里「そうねぇ」

絵里「意外と面白いわよ」

絵里「あれで結構、私の事心配してるみたいだしね?」

163 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:33:34.61 ID:DceaNLR4.net
希「なぜ受からないか、かぁ」(ウーン)

希「とりあえず久々に占ってみるん?」

絵里「お得意のカードね?」

希「ほいっ」(水晶)

希「今はこっちの方が、ウチの波長と合うみたいやん」

絵里「ハラショー」

希「それじゃ、早速」(手かざし)

希「ウーン、ムムムゥ」

絵里「どうかしら」

希「絵里ちはしばらく彼氏出来んね」

絵里「……」

絵里「少しずれてないかしら」

希「あぁ、ゴメンゴメン」

希「ムムムゥ……これは!」(ピキーン)

絵里「!?」

希「分かったよ」

希「どうしてプロになれないのか」

164 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:35:01.09 ID:DceaNLR4.net
希「水晶にはこう出ています」

希「にこっちには信念があって運が足りない」

希「絵里ちは有り余る実力を持ってるけど、それを上手く表現出来てない」

絵里「なかなか鋭い分析だと思うわ」

希「そこで」

希「2人の運気を上昇させ、更にスムーズな表現力を与えられる」

希「第3の人材が必要みたいやね」

絵里「……」

絵里「トリオを組めと?」

希「そうみたいやん」

絵里「そう……」

絵里「けど……それ程の逸材」

絵里「そう簡単に見つかるかしら」

希「……」

希「意外と身近におるかも知れんよ」

絵里「ひょっとして……」

絵里「3人や。ウチを入れて、とか?」

希(クスッ)

希「絵里ちも冗談上手くなったね」

希「ウチはな?もうアイドルはしない」

希「ミューズのみんなの、そしてにこっち達の」

希「語り部として生きるつもりなんよ」

165 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:36:12.97 ID:DceaNLR4.net
絵里「語り部って……」

絵里「随分年寄りじみた事を言うのね」

希「そうとも限らんよ?」

希「ミューズは必ず伝説になる」

希「誰か1人、歴史を伝えるメンバーが必要やん」

絵里「……」

希「ウチはいずれ、プロのスピリチュアリストになる」

希「ミューズのみんなは……そうなった時」

希「ウチがどうすべきか指し示す、原典になる」

希「そう思うんよ」

絵里「……」

絵里「相変わらず深い事言うわねぇ」

絵里「でも、あなたに会えて、本当に良かったわ」

絵里「ありがとう、希」

希「どういたしまして」

希「もう帰るん?」

絵里「えぇ」

絵里「夕方またオーディションが入っててね」

希「体に気を付けてね」

絵里「ありがとう」

絵里「またね」

(ガチャッ)

(バタン)

166 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:37:40.63 ID:DceaNLR4.net
希「……」

希「最後に加わる3人目は……」

希「これからうんとうんと迷うね?」

希「せやけど……グループ名はもう決まっている」(メモ)

希(サラサラ)

【bibi】





今夜はここまで

167 :名無しで叶える物語(京浜急行)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:40:24.11 ID:tyQ65CPe.net


168 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 21:41:12.10 ID:EX3qabrB.net
でもさ、2人とも自宅から通えるよね

169 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 22:38:44.41 ID:9Kzr4myT.net
乙乙
明日も楽しみじゃ

170 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 22:41:25.99 ID:oFhgwTlg.net
まきちゃん

171 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/02/29(月) 23:04:03.69 ID:c/FYyoch.net
二番煎じだけどいいね

172 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 00:14:02.73 ID:UwDhTIbq.net
なんとも言いにくいつまらなさ

173 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 02:06:18.46 ID:azvOBUm0.net


174 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 02:26:07.65 ID:Y4pWr44e.net
乙です

175 :名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 02:55:28.91 ID:52alBCaV.net
俺「おつおつ」(布団)

176 :名無しで叶える物語(わんこそば)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 07:11:55.84 ID:v+o0i7hH.net
いいね

177 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 19:44:23.79 ID:FeHxrWt4.net
ここでスレタイか!
乙!です

178 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 20:28:32.20 ID:sokwRFoN.net
あと2年間芽が出ないの確定しちゃうってのもなんだかなぁ
キンクリするならともかく、それもなさそうだし

179 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 22:38:03.78 ID:ox63Pd1r.net
>>42の記憶力wwwwwwwwwwwwww
 
 歩くレス倉庫かな


    

180 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2016/03/01(火) 23:02:14.06 ID:vQytjuiW.net
乙!
この流れでどうまきちゃんが入るのか楽しみ

181 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:19:22.98 ID:maCkoh35.net
乙!
>>178
プロデビューは高校生でも出来るわけだし、2年間芽が出ないと決め付けるのはまだ早い

182 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:22:21.25 ID:5fIfkPpU.net
再開

数日後

音ノ木坂女子大学寮

スマホ(ナニソレイミワカンナイ オコトワリシマス メンドウナヒト♪)

にこ「……」(スマホ)

にこ(ピッピッ)

にこ「……」

スマホ(アイハタイヨウ オオキナタイヨウ♪)

にこ(ピッ)

にこ「もしもし穂乃果?久し振りね」(スマホ)

真姫『あなたねぇ!私の番号、今着拒にしたでしょ!?』

にこ「んなっ!?」(冷や汗)

にこ「……」

にこ「ま、真姫ちゃ〜ん?」(スマホ)

にこ「久し振りだねぇ〜」

にこ「にこ、と〜っても会いたかったぁ」

にこ「ニコッ♪」

真姫『嘘おっしゃい!!』

にこ「ニコォ……」(顔面蒼白)

183 :名無しで叶える物語(九州地方)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:25:01.60 ID:Kufxj4Ut.net
期待

184 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:25:37.35 ID:5fIfkPpU.net
真姫『む〜っ!』

にこ「穂乃果は?そこにいるの!?」(スマホ)

真姫『居るわよ』

にこ「出しなさい」

穂乃果『あっ、にこちゃん』

穂乃果『元気してる?』

にこ「相変わらずよ、って……あんたねぇ」(スマホ)

にこ「何で真姫に電話貸すのよ」(ヒソヒソ)

穂乃果『いやぁ〜、真姫ちゃんがさぁ』

穂乃果『どうしても、にこちゃんと連絡付けたいって』

にこ「むぅ……」

穂乃果『てかさ、にこちゃん』

穂乃果『真姫ちゃん曰わく、これまで百回以上電話したけど』

穂乃果『にこちゃん全然出てくれないって』

穂乃果『どうしたの?喧嘩でもしたの?』

にこ「そんなんじゃないわよ」

穂乃果『……』

にこ「……」

にこ「まぁ良いわ。真姫に代わって」(スマホ)

185 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:27:45.14 ID:5fIfkPpU.net
真姫『……』(ムスッ)

にこ「ま、真姫ちゃん」

にこ「ひょっとして……怒ってる?」(スマホ)

真姫『怒ってるけど?』

真姫『悪い!?』

にこ「ええとぉ……そのぅ」

にこ「にっこにー、卒業しちゃったらぁ」

にこ「何か真姫ちゃんと会うのが、照れくさくてぇ」

真姫『……』

真姫『だとしても、着拒の説明にはなってないわね』(ジト目)

にこ(相変わらず鋭いわねぇ)冷や汗

にこ「そ、それはねぇ」

にこ「あ、アイドルに専念したかったからよ!」(スマホ)

真姫『……』

真姫『むぅ……』

にこ「うぅ……」(ビクビク)

真姫『にこちゃん』

にこ「はいっ!」(ビクッ)

真姫『そんなこったろうと思ってたわ』

186 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:29:06.48 ID:5fIfkPpU.net
真姫『全く、にこちゃんらしいと言えばそうだけど』

真姫『相変わらず意地っ張りね?』

真姫『ふふ』

にこ(どうやら機嫌直してくれたみたいね)

真姫『で?順調なの?アイドル活動』

にこ「そ、それはぁ……」

にこ「も、もっちろんニコ!」(スマホ)

真姫『順調じゃないみたいね』

にこ(バレてるぅ)ガーン

にこ「ま、真姫ちゃ〜ん?」

にこ「どうしてそう思うのか」

にこ「にこ分かんないなぁ〜」

187 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:32:23.40 ID:5fIfkPpU.net
真姫『それはね。にこちゃん』

真姫『あなた達の経歴を見れば分かるわ』

にこ「?」

にこ「何それ意味分かんない」(スマホ)

真姫『……』

真姫『話続けて良い?』

にこ「はい」

真姫『にこちゃんと絵里は、前回ラブライブ優勝者』

真姫『スクールアイドルとして、十分な力量と実績を誇っている』

にこ「そうでしょ?」

にこ「それなのにさ。どこのオーディションにも引っかかんないのよ」

真姫『私が事務所側だとしても、同じ事すると思うわ』

にこ「はぁ?」

にこ「何でよ」

188 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:34:31.22 ID:5fIfkPpU.net
真姫『それはね。にこちゃん』

真姫『あなた達が既に、アイドルとしてある程度、成長してしまってるからよ』

にこ「成長?」(スマホ)

真姫『そう』

真姫『成熟しているが故、即戦力になる反面』

真姫『自分なりの価値観や信念を作り上げている』

真姫『向こうからしたら、作り上げちゃってる、でしょ?』

にこ「それは……」

真姫『使う側としては、やりにくいって事よ』

真姫『しかも、絵里はバレエダンサーとしての経歴もあるし』

真姫『にこちゃんに至っては……アイドルかくあるべしみたいなこだわりがあるでしょ』

にこ「それは」

189 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:37:03.42 ID:5fIfkPpU.net
真姫『多分、いえ、間違い無く』

真姫『にこちゃん達が受けたオーディション』

真姫『もっと実力の無い娘達が採用されたと思うわ』

にこ「そうなのよ」(スマホ)

にこ「全てとは言わないけどさ」

真姫『それはね。結局』

真姫『プロデュースする方としては、自分達で育てやすい人材を選択した』

真姫『そう言う事情だと思うわ』

にこ「……」

にこ「にこはそんなわがままじゃないと思うけどな」

真姫『じゃあさ、にこちゃん』

真姫『歌やダンス何かどうでも良いから』

真姫『とりあえずお色気だけ見せてろと言われて』

真姫『あなた耐えられる?』

にこ「その位出来るわよ」

190 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:44:43.05 ID:5fIfkPpU.net
真姫『どれだけにこちゃん達が、誰にも負けないアイドルへの思い入れがあったからって』

真姫『笑顔よりも売上』

真姫『その為に、アヤシいカメラマンにヌード撮ってもらえって命令されて』

真姫『にこちゃん我慢出来るの?』

にこ「それはぁ……」

にこ「その時になってみないと分からないけど」

にこ「いざとなったら、脱ぐわよ」

真姫『じゃあ、絵里は?』

にこ「……」

真姫『あなたと一緒に、ヘアヌード見せろと言われて』

真姫『仕事だからって、割り切れる?』

真姫『にこちゃんは、アイドル業界の事を知り尽くしているからそれでも良い』

真姫『けど……仮に絵里が嫌がったら』

真姫『あなた説得出来る?』

にこ「それは」

真姫『やっぱりね』

191 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:46:24.10 ID:5fIfkPpU.net
真姫『それを見抜いたからこそ、プロの目からして』

真姫『にこちゃん達を採用する事は出来ないと判断されたのよ』

にこ「……」

真姫『大体向こうも、私達ミューズについては念入りに調べているでしょうしね』

真姫『スクールアイドルとしてはトップを極めたとしても、だからと言って』

真姫『お金が絡むプロの世界で、通用するとは限らない』

真姫『仮ににこちゃんが我慢出来たとしても』

真姫『絵里の方はもっと大変でしょうしね』

にこ「……」

にこ「絵里だって分かってるはずよ」(スマホ)

192 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:48:06.12 ID:5fIfkPpU.net
真姫『もしにこちゃん達がどうしてもプロになりたいのなら』

真姫『まずそのプライドを捨てないと』

真姫『少なくとも、まともな所は相手してくれないわ』

にこ「……」

にこ「厳しい事言うのね」(スマホ)

真姫『てかにこちゃん達』

真姫『仮に受かったとしても、今度は事務所や先輩何かと』

真姫『衝突起こしそうで、ハラハラするのよね』

にこ「にこはそんな物分かり悪くないニコ」

にこ「てか、それじゃ」

にこ「にこ達デビュー出来ないんだけど」

真姫『そうねぇ』

193 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:49:08.46 ID:5fIfkPpU.net
真姫『新興のプロダクションなら、即戦力欲しがるだろうから』

真姫『潜り込めるチャンスもあるだろうけど』

真姫『中には危ない業者も混じってる事だろうし』

にこ「粘り強くやるしかないわね」

にこ「分かったわ、真姫ちゃんありがと」

(プツッ)

(ツーッ ツーッ ツーッ)

真姫「……」

194 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:50:34.72 ID:5fIfkPpU.net
穂乃果「どうだった?にこちゃん」

真姫「相変わらずね」

真姫「ちょっと弱気になってたけど」

花陽「やっぱプロって、厳しいんだね」

真姫「今の分析してくれたのは花陽でしょ?」

花陽「はい」

花陽「やっぱり業界の方からすれば、自分達の信条を叩き込みたいでしょうから」

花陽「にこちゃんや絵里ちゃんみたいに、自分をしっかり持ってる娘は」

花陽「正直敬遠されるかと」

凛「いっそ真姫ちゃんが加わっちゃえばいいにゃあ」

真姫「ヴェ!?」

凛「三人寄れば文殊の知恵って言うしね」(抱きっ)

凛「にこちゃんきっと、喜ぶよ?」(スリスリ)

真姫「むーっ!」

真姫「ていっ!」(チョップ)

凛「にゃっ!?」(尻餅)

凛「いたたたたぁ……うぇ〜ん、酷いよぉ」(ウルウル)

真姫「私は脳外科志望」

真姫「アイドル活動は高校でもう終わり!」

真姫「何度も言ったでしょ!?」(プイッ)

195 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:51:20.47 ID:5fIfkPpU.net
西木野邸

(ガチャッ)

真姫「ただいま」

真姫ママ「お帰りなさい」

真姫「ママ……」

真姫ママ「この前の中間考査、見せてもらったわ」

真姫ママ「いつもより頑張ったみたいね」

真姫ママ「パパも喜んでたわ」

真姫「……」

真姫「まあ、この位当然よ」

真姫ママ「所で、あなたに話したい事があるんだけど」

真姫「何?」

真姫ママ「ここでも何だから、リビングにいらっしゃい」

196 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:52:10.89 ID:5fIfkPpU.net
リビング

真姫ママ「今のあなたの成績なら、現役医学部合格はほぼ確実」

真姫「そうかしら?」

真姫ママ「まぁ、東大クラスにもなれば、塾か家庭教師が必要になるかも知れないけれど」

真姫ママ「その辺りは、どう考えてるの?」

真姫「それは三年になってからでも遅くないでしょ?」

真姫ママ「そうね」

真姫「そんな話をするために、わざわざ呼び出したわけ?」

真姫「ちゃんと勉強するなら、アイドル活動はやって良いって」

真姫「パパ達とは話つけたでしょ?」

197 :名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:53:25.00 ID:PDyEYdbZ.net
ゴクリ

198 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:53:30.39 ID:5fIfkPpU.net
真姫ママ「ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったんだけどね」

真姫(ジト目)

真姫ママ「このまま順当に行けば、あと8年もしたら、あなたも医師になるでしょ?」

真姫ママ「それから医療に携わって……10年程キャリアを積んだら」

真姫ママ「あなたは35才……」

真姫「だから何?」

真姫ママ「その頃、私とパパは定年間近よね」

真姫ママ「その辺りを見越して、この病院」

真姫ママ「あなたに託したいと思ってね」

真姫「……」

真姫「随分先の話よね」

199 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:56:25.51 ID:5fIfkPpU.net
真姫ママ「でも、医者になるのは25才前後でしょ?」

真姫「……」

真姫ママ「ねぇ、あなた」

真姫ママ「好きな人は居るの?」

真姫「急に何よ?」

真姫ママ「実はね。パパから話があったんだけど」

真姫ママ「今年ウチの病院に入ったばかりの新米医師で」

真姫ママ「特に目をかけている人が居るそうなの」

真姫「……」

真姫ママ「今年27才……あなたよりはやや上だけど」

真姫ママ「あなたが医師免許を取る頃には、間違い無くこの病院の柱になっている」

真姫ママ「その人と一緒なら……この病院も安泰だし」

真姫ママ「もちろん、あなたも絶対幸せになれるだろうって」

真姫「……」

真姫「ヴェ?」

真姫「ヴエェェ!?」

真姫「それって……」

200 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:57:45.34 ID:5fIfkPpU.net
真姫ママ「もちろんこれは、強制とかじゃないわ」

真姫ママ「もう一度聞くけど、あなた」

真姫ママ「本当に好きな人はいないのね?」

真姫「……」

真姫「居るわけないでしょ?」(髪クルクル)

真姫ママ「そう」

真姫ママ「まぁ、まだまだ先の話だし」

真姫ママ「あまり固く考えずに」

真姫ママ「こんな話もあった位に、胸に留めといて」

真姫「……」

真姫「分かったわ」

真姫「じゃ、私、部屋に行くから」

201 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 00:59:34.77 ID:5fIfkPpU.net
真姫の部屋

真姫「……」

真姫「何これ、意味分かんない」

真姫「そりゃ、私の志望は脳外科医だし」

真姫「この病院を継ぐのも、別に不服じゃない」

真姫「結婚の話も……親心がゆえ。それも分かってる」

真姫「分かってるけど……」

『あなた、本当に好きな人は居ないのね?』

真姫「恋愛相手なら、居ないわ」

真姫「それは嘘じゃない」

真姫「けど……」

『あんた、笑ったわねぇ?』

『にこちゃんねぇ。プロのアイドル何て、そう簡単になれると思ってるの?』

『なれないわよ』

『ヴエェ?』

『なれなくてもなるの!』

『にこはずっと前からそう決めてたんだから!』

『何よそれ。理屈にもなってないわ』

真姫「……」

真姫「全く、いつもムチャばかりして」

真姫(クスッ)

202 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:01:07.24 ID:5fIfkPpU.net
翌日

音ノ木坂女子大

スマホ(Darling Darling イマカラチョウセンシャ♪)

にこ「……」

にこ(ピッピッ)

にこ「ふぅ……」

スマホ(アナタヘノハッピー アトゥクー アトゥクー♪)

にこ(ピッ)

にこ「もしもし花陽?久し振りね」(スマホ)

にこ「部活はどう?凛達は元気?」

真姫『元気よ!!』

にこ「ニコォッ!?」(ビクッ)

真姫『む〜っ!』(ワナワナ)

真姫『にこちゃんねぇ……』

真姫『また着拒にしたわねぇ!?』

にこ「ニコォ……」(冷や汗)

203 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:02:45.52 ID:5fIfkPpU.net
にこ「ち、違うのよ……これは」(スマホ)

にこ「手が滑って」

真姫(ギリッ)

にこ「と、とにかく、花陽を出しなさい」

花陽『あ、にこちゃん?』

にこ「花陽……何で真姫にスマホ貸すのよ」(ヒソヒソ)

花陽『……』

花陽『にこちゃん。最近真姫ちゃんさあ』

花陽『凄く寂しそうにしてるんだよ』

花陽『にこちゃん構ってくれないって』

花陽『真姫ちゃんも意地っ張りだから、決して口には出さないけどさ』

花陽『その位、花陽にも分かるよ』

にこ「……」

花陽『にこちゃん』

にこ「真姫を出しなさい」(スマホ)

204 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:03:36.08 ID:5fIfkPpU.net
真姫『……』

にこ「真姫ちゃん」

にこ「ゴメンニコォ」(スマホ)

真姫『もう良いわ。どうせにこちゃんはアイドル第一だからね』

真姫『今日はちょっと聞いて欲しい事があるのよ』

にこ「相談かしら」

真姫『実はね?にこちゃん』

205 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:05:30.95 ID:5fIfkPpU.net
にこ「婚約ぅ!?」(スマホ)

真姫『まだ決まったわけじゃないけど』

真姫『パパ達は相当乗り気なのよ』

にこ「……」

真姫『ねぇ、にこちゃん。どう思う?』

真姫『私、どうすれば良い?』

にこ「……」

にこ「あっそ。良かったじゃない」

真姫『……』

真姫『それだけ?』

真姫『それだけなの!?』

にこ「……」

にこ「あんたねぇ。甘えてんじゃないわよ」(スマホ)

にこ「才色兼備で家は金持ち」

にこ「既に進路も決まってて、将来も安泰」

にこ「結婚相手だって……将来を嘱望されてる医師」

にこ「あんたの両親の事だから、きっと人柄も立派なんでしょう」

にこ「これだけ約束されてて……何が不満なの?」

真姫『……』

にこ「逆ににこの方が聞きたいわ」

にこ「あんたこれで、何が気に入らないってのよ!?」

206 :名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:07:42.48 ID:PRCBaqwC.net
にこは何がしたいんだ?

207 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:07:45.61 ID:5fIfkPpU.net
真姫『それは』

真姫『にこちゃんの言う事も分かるわ?』

真姫『けど』

にこ「けど?」

真姫『このままで私……本当に良いのかって』

にこ「あっそ。金持ちってのも、案外悩みは尽きないみたいねぇ」(スマホ)

にこ「こっちからしたら、バカバカしいワガママにしか聞こえないけどね」

真姫『……』

真姫『そんな言い方』

にこ「あるでしょうよ!」

にこ「あんたねぇ。いい加減気付きなさいよ」(スマホ)

にこ「こんな下らない電話一々寄越してくる」

にこ「そんなあんたがいい加減、重荷なのよ!!」

真姫『!!』

にこ「こっちからしたら、遊び半分でお遊戯してるとしか見えないわ」

にこ「じゃ、そう言う事だから」

にこ「もう金輪際、にこには連絡しないで」(スマホ)

(プツッ)

(ツーッ ツーッ ツーッ)

にこ「……」

208 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:08:38.85 ID:D0e0USie.net
>>206
真姫ちゃんとの関係はこれから明けるだろ多分

209 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:09:05.42 ID:5fIfkPpU.net
絵里「ごめんなさいにこ。待たせたかしら」

にこ「いえ、大丈夫よ」

絵里「そう?なら良かったわ」

絵里「じゃ、買い物して帰りましょ」

絵里「と、その前に……少し怒って良いかしら?」

にこ(ギクッ)

にこ「聞いてたの?」

絵里「てか、花陽からメールがあったわ」

絵里「真姫が泣いてるって」

にこ「……」

絵里「ねぇ、にこ」

絵里「あなたと真姫が喧嘩するのは、いつもの事だけど」

絵里「だとしても、今回ばかりは、かなり酷い事を言ったみたいね?」

にこ「……」

絵里「大体、卒業してから」

絵里「あなた真姫に、随分冷たく接してるじゃないの」

にこ「……」

210 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:10:15.89 ID:5fIfkPpU.net
絵里「でも、あなたが理由もなく、そんな事するとは思えない」

にこ「……」

絵里「訳を聞かせてもらえるかしら?」

にこ「それはぁ……」

にこ「絵里ちゃ〜ん?ひょっとして」

にこ「にっこにーと真姫ちゃんの仲にぃ、ヤキモチやいてんのかなぁ〜?」

にこ「ニコッ♪」

絵里「お願い、聞かせて」

絵里「あなただけは本気で怒りたくないの」(真顔)

にこ「うぅ……」

にこ(これはミューズ加入前の絵里だぁ)

にこ「分かったわ」

211 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:12:13.94 ID:5fIfkPpU.net
にこ「未練を残したくないのよ」

絵里「未練?」

にこ「卒業して、にこ達はアイドル」

にこ「真姫は脳外科医」

にこ「それぞれの未来がある」

にこ「だからこそ、もうお互いに、余計な未練や迷いは断ち切らなければならないの」

絵里「……」

絵里「それは、分かるわ」

絵里「けど……だとしても」

絵里「やり方がいささか、厳し過ぎやしないかしら?」

にこ「そうね。でも」

にこ「あの娘が……真姫が本気でアイドルやりたいって言い出したら」

にこ「多分誰にも止められない」

にこ「あの娘……私よりもずっとずっと頑固で一本気だから」

にこ「下手に思い込ませたら、大事になる」

にこ「ずっと一緒だったから、良く分かるのよ」

絵里「……」

212 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:13:44.14 ID:5fIfkPpU.net
絵里「そう言えばあなた」

絵里「真姫は一年の頃の自分に良く似てるって、言ってたわよね?」

にこ「そうよ。だからこそ」

にこ「周囲と衝突し、自分で自分を追い込まない様、いつも側に居たの」

絵里「だから真姫を突き放したのね」

にこ「そうよ。あの娘は」

にこ「医者になれば沢山の命を救う事が出来る」

にこ「にこにはとても、そんな事は出来ない」

にこ「アイドルだって、大勢を笑顔にする事が出来るけど」

にこ「あの娘は絶対……医師になった方が良いの」

にこ「こっち側にこさせちゃ……いけないのよ」

絵里「……」

絵里「それは考え過ぎじゃ」

にこ「これは私への自戒でもあるわ」

213 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:15:04.29 ID:5fIfkPpU.net
にこ「もしも真姫がアイドルになれば」

にこ「あれだけの美貌と知性、そして声質と作曲の才」

にこ「喉から手が出る程の逸材になるわ」

にこ「だからこそ、きっぱり袂を分かたないとね」

絵里「……」

絵里「そう」

絵里「ごめんなさい。そこまであなたが思い詰めていたとはね」

にこ「いえ、絵里の言う通り」

にこ「真姫には酷く当たり過ぎたわ」

にこ「いずれ機会を見て、謝らないとね」

にこ「その為にも、早くデビューの目処をつけないと」

絵里「そうね」

絵里「さ、帰りましょ」

214 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:16:28.06 ID:5fIfkPpU.net
秋葉原

真姫(トボトボ)

真姫「……」

(プップー)

真姫「!?」

???「運転手さん。ここで止めて」

(ガチャッ)

真姫「!」

真姫「あなたは……」

???「久し振りね。西木野真姫さん」

真姫「……」

真姫「ツバサ」

ツバサ「三年生の卒業以来ね」

ツバサ「乗ってく?」

ツバサ「せっかくだから、つもる話もあるし」

ツバサ「色々聞かせて欲しいしね」

ツバサ「ふふっ」

真姫「……」

真姫「まあ、構わないけど」

(バタンッ)

ツバサ「それじゃ運転手さん」

ツバサ「この辺り適当に回ってくれる?」

215 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:18:03.88 ID:5fIfkPpU.net
車の中

真姫「……」

ツバサ「……」

真姫「相変わらず豪勢なリムジンね」

真姫「あなたの持ち物なの?」

ツバサ「違うわ。学校が手配してくれたの」

ツバサ「アイドルには夢が必要だからってね」

真姫「……」

ツバサ「私としては、自分で動き回った方が、性に合うんだけど」

真姫「そう」

真姫「確かあなた、プロデビューしたのよね」

ツバサ「正確には来月からよ」

ツバサ「色々と準備が混んでしまってね」

ツバサ「あなたも知ってると思うけど」

ツバサ「私はどこのプロダクションにも属さない」

ツバサ「無論、フリーってわけでもないけど」

真姫「……」

216 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:19:39.85 ID:5fIfkPpU.net
ツバサ「UTXグループがね。前々から構想してた」

ツバサ「アーティスト養成の専門学校」

ツバサ「UTX総合学院……」

ツバサ「それが今年度から始動したからね」

真姫「その第一期特待生として、あなた達アライズが入学」

真姫「学校の看板となった。そうよね?」

ツバサ「良く調べてるわね」

真姫「花陽から教えてもらったのよ」

ツバサ「そう?」

ツバサ「おかげで私達は、厄介な駆け引きやしがらみを被らずに、アイドルに専念出来る」

ツバサ「その点は感謝してるわ」

真姫「……」

217 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:20:14.08 ID:5fIfkPpU.net
ツバサ「みんな元気?」

真姫「おかげ様でね」

ツバサ「穂乃果は?」

真姫「今は生徒会に専念してるわ」

真姫「実質音ノ木坂アイドルグループの責任者は、花陽よ」

ツバサ「……」

ツバサ「あなたの相方は?」

真姫「……」

ツバサ「真姫?」

真姫「それがね」

218 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:21:25.36 ID:5fIfkPpU.net
ツバサ「二度と連絡するなって!?」

真姫「そうよ」

ツバサ「あなたとにこが喧嘩するのは、いつもの事みたいだけど」

ツバサ「随分冷たい仕打ちするのねえ」

真姫「……」

ツバサ「実はね。UTX総合学院新設に当たって」

ツバサ「にこも誘ったのよ。一緒にやらないっ?て」

ツバサ「そしたら」

『お断りよ!』

『あんたねぇ……敵に塩を送ってるつもり!?』

『このにっこにーを甘く見ないで』

『良いこと?あんた達なんか』

『一年で叩き潰したげるから』

『首を洗って待ってなさい!』

真姫「……」

真姫「ハァ……イミワカンナイ」

ツバサ「ね?随分な言いようでしょ?」

219 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:23:17.51 ID:5fIfkPpU.net
ツバサ「あなたがにこに話した事、私も説明したのよ」

ツバサ「アイドル志望者が単独で動いても」

ツバサ「生き馬の目を抜く芸能界、下手をしたら悪い連中にカモにされる」

ツバサ「増してやにこ達は、前回ラブライブ優勝者」

ツバサ「大手からしたら、扱いづらそうって、かえって敬遠材料になるかも知れない」

ツバサ「だからこそ、ウチみたいに」

ツバサ「面倒な仕事は組織がやってくれた方が、良いんじゃないかって」

真姫「そしたら?」

ツバサ「そしたらねえ」

『黙りなさい!!』

『臆したの!?あんた』

『寄らば大樹みたいな後ろ向きな発想で』

『アイドル務まると思ってんの!?』

『そんなのは』

真姫「アイドルへの冒涜、恥よ、とでも言ったんでしょ?」

ツバサ「その通りよ」(クスッ)

220 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:24:16.99 ID:5fIfkPpU.net
真姫「全く……あなたにまで啖呵するなんて」

真姫「脳筋にも程があるわ」

真姫「こんなんじゃ、穂乃果の方が余程大人じゃないの」(溜め息)

ツバサ「まあ、にこらしくはあるけどね」(苦笑)

(キキッ)

ツバサ「見て」

ツバサ「あれが私達の通うUTX総合学院よ」

真姫「……」

真姫「凄い。まるで未来のビルディングじゃない」

ツバサ「新築だけはあるでしょ?」

221 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:25:38.86 ID:5fIfkPpU.net
ツバサ「ねえ、真姫」

ツバサ「あなたはこれからどうするの?」

真姫「これから?」

ツバサ「脳外科医になって、ゆくゆくは病院継ぐとは聞かせてもらったけど」

真姫「……」

ツバサ「私から見れば」

ツバサ「あなた程の個性と才能の持ち主なら」

ツバサ「もしもアイドルを目指せば、プロとして十分通用する」

ツバサ「いえ……トップを狙う事も夢じゃない」

真姫「……」

真姫「そうかしら」

ツバサ「もしもあなたの気が向いたら、私に連絡よこして」

真姫「それって誘ってるの?」

ツバサ「そう言う選択肢もあるんじゃないって、提案しただけよ」

222 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:26:49.26 ID:5fIfkPpU.net
ツバサ「アイドル目指す者として、あなたみたいな娘を見て声もかけないなんて」

ツバサ「モグリにも程があるでしょ?」

真姫「……」

ツバサ「最も、あなたがもしもアイドル続けるとしたら」

ツバサ「どこに行くのかは決まってるみたいだけど♪」

ツバサ「ふふ」

真姫「どう言う意味?」(ジト目)

ツバサ「寄ってく?」

ツバサ「英玲奈とあんじゅも、きっと喜ぶと思うわ」

真姫「今日は良いわ」

ツバサ「そう?」

ツバサ「じゃ、私はここで降りるから」

ツバサ「運転手さん。彼女を駅まで送ってあげて」

(ガチャッ)

(バタンッ)

223 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:27:57.08 ID:5fIfkPpU.net
車の中

真姫(んもぅ……にこちゃんたら)

真姫(ツバサにまで意地を張るなんて)

真姫(こんなんじゃ、さぞ絵里も苦労してるでしょうね)

真姫(……)

真姫(そうね)

真姫(今の私が集中すべきは、次のラブライブ)

真姫(優勝目指して、全力投球しないと)

真姫(余計な事は考えるべきじゃないわよね)

真姫(……)

真姫(見てなさい?にこちゃん)

真姫(私達だけの力で、次回も全国制覇して)

真姫(絶対見返してやるんだから!)

224 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:29:23.43 ID:5fIfkPpU.net
音ノ木坂女学院

アイドル研究部 部室

一同「……」

花陽「それでは、これから」

花陽「第3回ラブライブ最大のライバルになるであろう」

花陽「私立UTX学園看板ユニット」

花陽「アライズの資料が手に入ったので、みんなで検討したいと思います」

花陽「雪穂ちゃん」

雪穂「了解」(DVD)

PC(ガチャッ)

(ピッ)

一同(ドキドキ)

225 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:31:43.54 ID:5fIfkPpU.net
PC『よい子のみんな〜、おっまちかね〜♪』

PC『私達、あら★いずのキャピキャピ体操』

PC『はっじまるよぉ〜♪』

PC『キャピッ♪』

一同「」

PC『はいっ、せ〜のっ♪』

PC『キャピキャピキャピキャピキャピッ キャピッ キャピキャピッ フワッ♪』

PC『キャピキャピキャピキャピ フワッ フワッ フワッフワッ』

PC『キャピッ♪』

一同「……」

一同「ファッ!?」

226 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:33:23.94 ID:5fIfkPpU.net
PC『わったし〜か〜らあっなたへ〜♪』

PC『あっなたか〜ら〜わったしへ♪』

PC『恋の毒針刺しちゃうぞ〜♪』

PC『キャピッ♪』

一同(ワナワナ)

PC『蜜蜂はちさん刺しちゃうぞ〜♪』

PC『フワッ♪』

一同「ファッ?……ファッ!?」

PC『みんな〜これからも私達あら★いずを』

PC『よっろしくねぇ〜♪』

PC『キャピッ♪』

一同「……」

227 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:35:00.20 ID:5fIfkPpU.net
雪穂「ななななな……何よこれぇ」(ワナワナ)

亜里沙「ハラショー」(顔面蒼白)

凛「これは酷いにゃあ」

真姫「ナニコレイミワカンナイ」(冷や汗)

真姫「このブリッ娘ぶり……にこちゃんより酷いじゃない」

花陽(眉毛ヒクヒク)

凛「かよちん」

真姫「花陽?」

花陽「ピャッ!?は、はいっ」

真姫「アイドルマニアとして、どう思うの?これ」

花陽「そ、それはぁ……」

228 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:36:56.41 ID:5fIfkPpU.net
花陽「私の調べた限りではぁ……」(パソコンカタカタ)

花陽「先代のツバサさん達の引退に伴い、UTX学園では、新たなメンバーでアライズを編成」

花陽「ですが……そのツバサさん達3人が、新設されたUTX総合学院にて
引き続きユニットとして活動する事となり」

花陽「そのままアライズの名前は持ち越され、言わば永久欠番扱い」

花陽「ですから……今年からは名前も変えて、完全に1から作り直す」

花陽「そう聞かされてたんですが」

凛「そのリニューアルされたのが」

雪穂「あんなとんでもないのなのぉ?」

真姫「そうは言っても、向こうも戦略練っての上だろうし」

真姫「油断は大敵って……言いたいんだけど」

亜里沙「2人とも、蜜蜂のコスプレしてたよね?」

229 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:38:12.69 ID:5fIfkPpU.net
花陽「ええとぉ……新生あら★いずのメンバー」(パソコンカタカタ)

花陽「今年は2人からなるんですが」

花陽「一方の早乙女弥生さんも、もう片方の中野春菜さんも」

花陽「芸能学科特待生の中でも、十年に一度の逸材だそうです」

雪穂「う゛ぇ……その逸材にさ」

雪穂「蜜蜂の格好させちゃうなんて」

真姫「それだけ先方も必死って事」

真姫「だと思うんだけど」

凛「ふざけてるとしか思えないにゃあ」

亜里沙「私はとっても可愛いと思うけど」

一同「……」

真姫「花陽はどう思うの?」

花陽「うぇ?わ、私!?」

230 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:40:04.20 ID:5fIfkPpU.net
花陽「ええとぉ……これは」

花陽「多分、向こうは、専門チームによる分業制が確立してると聞いてるから」

花陽「恐らく……ファン層を徹底的に分析して」

花陽「最も大量に獲得出来るグループにターゲットを絞って」

花陽「こんな事したんじゃないかとぉ」

凛「難し過ぎて分かんないよぉ」(涙目)

花陽「うぇ?ご、ゴメン……」

真姫「要するに、萌え豚に媚びたらこうなったって事よ」(髪クルクル)

一同(ドン引き)

真姫「な、何よ?」

雪穂「真姫先輩さぁ……けっこー容赦ないよねぇ」(冷や汗)

亜里沙「ハラショー……」(冷や汗)

真姫「そ、そうかしら?」

231 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:41:51.86 ID:5fIfkPpU.net
真姫「で?これに対して、花陽はどうすんの?」

真姫「どんな作戦で臨むつもり?」

花陽「うぇ?わ、私!?」

凛「かよちん部長なんだよ?」

花陽「そうだなぁ……」

花陽「私は……このままで良いと思う」

一同「……」

花陽「相手がどんな手で来ようとも、アイドルとして、日々の積み重ねは決して裏切らない」

花陽「確かにUTXの情報力は凄いよ?でも」

花陽「あからさまに媚びた所で、本当にファンが喜ぶのかなぁ……」

一同「……」

花陽「無論油断は禁物だけど、私達は、誰にも負けないアイドルへの情熱がある」

花陽「今一度みんなの夢と気持ちを集めて、次のラブライブにぶつけたい」

花陽「それが音ノ木坂の……ミューズ以来の私達のやり方だと思う」

花陽「みんなはどう?」

232 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:43:45.22 ID:5fIfkPpU.net
真姫「そうね」

真姫「今更小手先の術策に頼った所で、たかが知れてるしね」

凛「凛はこっちのかよちんも好きだにゃあ」

雪穂「なんか結構、体育会系なんですね。アイドル研」

真姫「そう?」

真姫「にこちゃんが一年の頃は、もっと凄かったらしいわよ」

雪穂「マジで!?」

亜里沙「でも、こう言うのも良いと思います!」

亜里沙「何かこう……いかにも青春してる感じがして」

雪穂「そうだね。やっぱ女子高生っぽくて良いかもね」

凛「あまり根拠になってないし」

真姫「凛に言われたくないけど」

(ハハハハハ……)

真姫「でもまあ……確かにこう言うのも良いんじゃない?」

真姫「行き当たりばったりかも知れないけど」

真姫「何だかんだミューズの頃から、私達こんな風に、当たって砕けろでやって来たからね」

凛「真姫ちゃんがこんな事言うなんて、意外だにゃあ」

233 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:45:31.94 ID:5fIfkPpU.net
花陽「それじゃ、決まりだね」

真姫「この事、穂乃果達には話すの?」

花陽「うぇ?そ、そうだなぁ……」

花陽「……」

花陽「いずれ伝えるけど」

花陽「今は生徒会も忙しいみたいだし」

花陽「しばらくは私達だけでやってこうかと」

ゆきあり「……」

真姫「そうね」

真姫「来年は、私達だけでやってかないといけないしね」

真姫「極力自分等の事は、自分達で何とかしないとね」

凛「そうだよ」

凛「いつまでも穂乃果ちゃんにおんぶにだっこじゃ」

凛「心配で卒業出来ないだろうしね」

凛「雪穂ちゃん達もそう思うよね?」

雪穂「ぶぁっ!?う、うんっ」

亜里沙「……」

凛「それじゃ早速練習」

凛「はっじめ〜るにゃあ〜♪」

まきぱな「お〜っ!」

ゆきあり「……」

234 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:47:04.75 ID:5fIfkPpU.net
亜里沙「ねぇ、雪穂」

雪穂「ん?」

亜里沙「この話、本当に穂乃果さん達には伝えなくても良いの?」

雪穂「ぶぇ?そ、そうだなぁ」

亜里沙「これからのラブライブに向けた、私達の基本方針なんだよ?」

亜里沙「とっても大事な話でしょ?」

雪穂「ま、まあね」

亜里沙「……」

雪穂「まぁ、そのうち……伝えとくよ」

亜里沙「雪穂」

亜里沙「そんなんじゃ遅れを取ると思うけど」

雪穂「だよね」(苦笑)

亜里沙「早く言っとかないといけないんじゃないの?」

雪穂「まぁ、そうなんだけどさ」

亜里沙「雪穂……」

235 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:49:09.26 ID:5fIfkPpU.net
亜里沙「遠慮してんの?」

亜里沙「花陽先輩とかに」

雪穂「……」

亜里沙「いつもの雪穂なら、何でお姉ちゃんも聞いとかないのさって」

亜里沙「胸倉つかんででも連れてくるはずだよね」

雪穂「……」

雪穂「だよねぇ」

雪穂「正直……亜里沙の言う通りかも」

雪穂「花陽先輩達、みんな優しいし」

雪穂「私達の意見も良く聞いてくれるけど」

雪穂「やっぱ、前回ラブライブ優勝者って重みもあるし」

雪穂「その人達が言うの遮って、意見するのも……なんかね」

亜里沙「……」

雪穂「部活内で決まった事を、私がお姉ちゃんにしゃべってさ」

雪穂「蒸し返しちゃうんじゃないかって……何か気後れしちゃうんだよねぇ」(苦笑)

亜里沙「……」

亜里沙「それ、雪穂らしくない」

236 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:50:27.04 ID:5fIfkPpU.net
雪穂「……」

雪穂「そうだよね」(苦笑)

亜里沙「ううん、私こそ、少し言い過ぎたかも」

雪穂「……」

雪穂「確かに、こうさ」

雪穂「まどろっこしいってのは、正直感じてる」

亜里沙「……」

雪穂「みんな頑張ってるのは分かるけど」

雪穂「何かこう……空回り感はあるよね」

亜里沙「……」

雪穂「生徒会とアイドル研に別れてさ」

雪穂「意志の疎通が図れてない」

雪穂「お姉ちゃんはお姉ちゃんで、今は来年以降の入学者増を狙って動いてるし」

雪穂「そんなお姉ちゃん達の姿を見て」

雪穂「花陽部長も……自分達でやらなきゃって思ったんだと思う」

雪穂「それに……」

亜里沙「お互い面子もあるしね」

237 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:51:55.27 ID:5fIfkPpU.net
雪穂「下手に私達が動いて」

雪穂「お姉ちゃん達と花陽先輩達とがさ」

雪穂「ギクシャクしちゃったらどうしようかなあって」

雪穂「何かね……億劫になるってのはあるよね」(苦笑)

亜里沙「……」

亜里沙「うん」

雪穂「お姉ちゃん達に限って、そんな事はないのは分かってるんだけどさ」

雪穂「気を回し過ぎなのも分かってるんだけどさ」

亜里沙「……」

亜里沙「そうだね」

雪穂「でも、亜里沙の言う通りだよ」

雪穂「時期を見計らって、お姉ちゃんには必ず伝えとく」

雪穂「やっぱそうしないといけないだろうしね」

亜里沙「……」

亜里沙「うん。分かった」

238 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:54:14.45 ID:5fIfkPpU.net
音ノ木坂女学院寮

(キャピキャピキャピキャピキャピキャピキャピキャピフワッフワフワッフワ)

(キャピッ♪)

にこ「……」(スマホ)

にこ「ぐぬぬ」(スマホ)

絵里「お待たせ」(冷茶)

絵里「これは……あぁ」

絵里「新生アライズね?」

にこ「あら★いず、よ?あら★いず」(スマホ)

にこ「アライズの名称は、卒業したツバサ達が独占する事になった」

にこ「だから、今のユニットは去年までとは全くの別物」

にこ「1から作り直されたと考えるべきね」

絵里「ふーん」(スマホ)

(アーナタカーラワーターシヘ ワーターシカーラアーナータヘ♪)

(コーイノドクバリサシチャウゾー♪)

(フワッ♪)

絵里「ハラショー」(冷や汗)

239 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:55:13.05 ID:5fIfkPpU.net
にこ「どう思う?」

絵里「そうね……」

絵里「この蜜蜂の格好しろって言われたら」

絵里「私……多分泣いてるわ」(真顔)

にこ「あっ……昔の絵里だわ」

にこ「じゃなくて!」

にこ「アイドルとしてどうなのって聞いてんの」

絵里「あぁ、ごめんなさい」

絵里「そうね……」

絵里「このパフォーマンス……一見いい加減な様に思えるけど」

絵里「基礎が完璧じゃないと、こう言う動きは出来ないわね」

240 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:56:19.20 ID:5fIfkPpU.net
絵里「この水準をマスターするには、かなりの蓄積が必要になる」

絵里「裏で血のにじむ様な努力をしている筈だわ」

にこ「やっぱりね」

にこ「あんたなら、そう言うと思ったわ」

にこ「正直言うとね……最初このライブを見たとき」

にこ「これは恐ろしいと思ったもん」

絵里「……」

にこ「素人がこんな振り付けをしたら、間違い無くケガをする」

にこ「それをおふざけみたいに余裕綽々でやってのけるこの2人」

にこ「本人達の才能もあるでしょうけど……プロ顔負けのレッスンを」

にこ「毎日長時間受けているわ」

241 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:57:42.34 ID:5fIfkPpU.net
絵里「そうね」

絵里「ねぇ、にこ」

絵里「私も子供の頃、バレエをやっていた事は話したわよね?」

絵里「私の場合は、割と和やかな教室だったし」

絵里「先生も、1から丁寧に教えてくれる優しい方だったけれど」

絵里「やっぱり……本当に厳しい講師は、毎日毎日泣きながら必死にやらせるし」

絵里「競争の激しい所だと、プロとして不適格と判断されれば」

絵里「すぐに弾かれる」

絵里「正直ね。私の性格じゃ、ここまでやるのは無理だと思い知らされたわ」

にこ「……」

にこ「過酷なのね」

にこ「でも、絵里の言う通り」

にこ「この2人……裏ではそこまでやってるのかもね」

242 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 01:59:42.93 ID:5fIfkPpU.net
絵里「けど、もしこれが本当だったとしたら」

絵里「大丈夫かしら?穂乃果達」

にこ「今は花陽よ」

『アイドルは真剣勝負。適当な気持ちで始めるのも、いい加減な心構えで続けるのも』

『にこは許さない』

『そうですね。そうですよね』

『花陽どんくさいから、みんなに迷惑かけないかなぁ……』

『けどね、花陽』

『アイドルは人を楽しませるのが仕事』

『誰かを楽しませたければ、まずは自分が楽しまなきゃ』

『軍隊でも刑務所でもないんだから』

『陰気臭いのは無し無し』

『例え失敗しても上手く行かなくても』

『そこはチームなんだから』

『みんなで乗り越えるわよ!』

『ニコッ♪』

『うわぁ……』(パアァ……)

『はいっ!』

『にこ先輩が良いこと言ってる何て』

『明日雪が降るにゃあ』

『凛っ!ぬあぁんどぅぇあんたは、いつもいつも最後に釘を刺すのよぉ!!』(頬ツネリツネリ)

『イタタダダ……うえぇ〜んかよちん助けてぇ〜』(涙目)

243 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:01:05.20 ID:5fIfkPpU.net
にこ「……」

絵里「にこ?にこ!?」

絵里「大丈夫?」(ユッサユッサ)

にこ「ぬぁ!?う、うんっ」

にこ「大丈夫……じゃないかしら」

にこ「多分」

にこえり「……」

にこ「UTX学園はラブライブの為、音ノ木坂女学院の百倍ものお金をかけている」

にこ「それが、前回の大会で、まさかの最終予選敗退」

にこ「今度こそ勝たないと、正直後が無いんでしょうね」

絵里「……」

にこ「恐らくプロ……いえ、プロ以上の体制を築いて勝負に臨んでいる」

にこ「向こうも本気って事よ」

絵里「……」

絵里「ハラショー」

244 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:03:13.07 ID:5fIfkPpU.net
絵里「だったらなおのこと気を付ける様、花陽達に伝えといた方が良いんじゃないかしら?」

にこ「そうね……いえ」

にこ「この前の新入部員騒動で、私達は直接乗り込んで」

にこ「花陽や穂乃果にまで口出しした」

にこ「その余韻が冷めぬ内、事ある毎に余計な介入をするのも」

にこ「何か、ね」

絵里「……」

絵里「そうね」

絵里「私達は私達で、デビュー目指さなければならないしね」

にこ「花陽の事だから、先方の体制については十分調べているでしょうし」

にこ「何かあったら、すぐ連絡寄越すでしょう」

絵里「ほんとにね」

245 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:04:24.54 ID:5fIfkPpU.net
翌日

私立UTX学園

芸能学科 特待生クラス

えれつばあん(ガチャッ)

えれつばあん「……」

講師「それでは、今回の全体考査の結果を発表します」

講師「その前に、出席番号11・16・22・27・35・39・40・43の方は」

講師「今日から特待生ではないので、今すぐ下階の一般生クラスに移動して下さい」

(ザワザワザワザワ)

えれつばあん「!?」

講師「私物を忘れない様に」

英玲奈「これは……」

ツバサ「随分厳しくなったのね」

あんじゅ「こんなに簡単にポンポン飛ばす何て」

246 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:06:05.80 ID:5fIfkPpU.net
講師「……」

講師「以上、発表を終わります」

講師「先程も言いましたが、次回の考査でトップから30位に入れなかった方は」

講師「直ちに特待生の資格を喪失します」

(ザワザワザワザワ)

講師「当然、学費免除初め、それまでの特典も喪失」

講師「そうなりたくなければ、もっと努力して下さい」

講師「以上です。それでは5分後に全体練習を始めます」

講師「みなさん屋内練習場に移動して下さい」

(ゾロゾロゾロゾロ)

えれつばあん「……」

英玲奈「講師の面々も変わったんだな」

ツバサ「私の知っている人、ほとんど残ってないみたいね」

あんじゅ「なんだか寂しいね」

247 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:08:01.93 ID:5fIfkPpU.net
芸能学科 全寮生クラス

えれつばあん「……」

英玲奈「ここが今年から新設された、超エリートコースか」

ツバサ「特待生でもトップ10しか入れない選りすぐりね」

あんじゅ「なんだかもう……厳しそうな雰囲気が」

えれつばあん(ゴクリ)

えれつばあん(ガチャッ)

特別講師「はい1・2・3・4・5・6・7・8!」

(サッサッサッサッサッサッサッサッ)

特別講師「はいストップ……ストップ!!」

特別講師「ええと、あなた……7番の方」

7「はいっ」

特別講師「昨日私、あなたに何て言った!?」

7「キレが悪い……と」

特別講師「そうですよね?何で改まらない!?」

7「それは……」

特別講師「理由も考えないで、ご飯食べて寝て、ただ来たのですか」

7「……」

特別講師「もう良いです。2番さん」

2「はい」

特別講師「この前の怪我、まだ尾を引いているみたいですね」

特別講師「あなた、回復までに二週間と言いましたが、まだ完治していない」

2「……」

248 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:09:44.74 ID:5fIfkPpU.net
特別講師「もう一度聞きますが、後何日で治るのですか?」

2「3日以内には」

特別講師「治るのですか?治るのですね!?」

特別講師「では3日後にまだメドが立ってなかったら、あなたには辞めてもらいます」

特別講師「これ以上足を引っ張られたら、他の娘が可哀想なんで」

2(涙目)

特別講師「分かりましたね」

2「はい……」

特別講師「体調管理は自己責任」

特別講師「みなさんもキツいと感じたら、すぐに元のクラスに戻りたいとおっしゃって下さい」

特別講師「やる気の無い娘をレッスンするのは、こちらも苦痛なので」

一同「……」

一同「はい」

特別講師「では再開します」

えれつばあん「……」

英玲奈「ちょっと、これは」

ツバサ「私達の頃も厳しいと言えばそうだったけど」

あんじゅ「ここまでじゃ……無かったよね」

えれつばあん「……」

249 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:11:18.73 ID:5fIfkPpU.net
あら★いず専属クラス

えれつばあん(……)

英玲奈「全寮生であの厳しさだから」

ツバサ「今のトップユニットともなれば、どんだけ凄まじい練習してるのかしらね」

あんじゅ「もう何を見ても驚かない」

あんじゅ「そう……決めてはいるんだけど」

えれつばあん(ゴクリ)

ツバサ「い、行くわよ?」

ツバサ(ガチャッ)

専属講師「はい。フワッフワッフワフワッ」

あら★いず「フワッフワッフワフワッ♪」(サッサッサッサッ)

専属講師「はいダメダメ!なってないじゃない!!」(手パンパンッ)

専属講師「昨日出来てた事が、何で今出来ないの!?」

専属講師「はいっ。キャピキャピキャピキャピッ!!」

あら★いず「キャピキャピキャピキャピッ♪」(サッサッサッサッサッサッサッサッ)

専属講師「はいダメダメ!間違ってる!!」

専属講師「お前らバカかよ!?ホント覚え悪いな!!」

えれつばあん(冷や汗)

250 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:12:47.13 ID:5fIfkPpU.net
専属講師「はい!恋の毒針刺しちゃうぞ〜♪」

あら★いず「恋の毒針〜♪」

専属講師「お前らいい加減にしろよ!!」(机バンッ)

あら★いず(ビクッ)

えれつばあん(ビクッ)

あんじゅ(少し……ちびったわ)

専属講師「おいお前らふざけてんのか!?ふざけてんのかよ!!」

専属講師「やる気ないの?辞めたいの!?」

あら★いず「あります」

専属講師「ならやれよ!!口だけじゃなくてよ」

専属講師「俺にはお前ら本気だとは思えんわ」

専属講師「こんな物覚えの悪いボンクラ預かったの初めてだよ?な?」

専属講師「辞めるか?別に構わないぞ」

専属講師「換えはいくらでも居るんだからよ」

えれつばあん「……」

ツバサ「感じ悪いわね」

ツバサ(スタスタ)

英玲奈(肩ガシッ)

英玲奈「それはダメだツバサ」

英玲奈「ここにはここのやり方がある」

あんじゅ「なんか……可哀想」

251 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:13:34.15 ID:5fIfkPpU.net
あら★いず「やります」(ウルッ)

あら★いず「絶対やります」(ウルウル)

あら★いず「やらせて下さい。お願いします」(ポロッ)

あら★いず「お願いします!!」(ポロポロ)

専属講師「じゃあ10分休憩入れるから」

専属講師「その間に準備を整えといて下さい」

専属講師(スタスタ)

えれつばあん「……」

専属講師(ガチャッ)

(バタンッ)

えれつばあん「……」

252 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:14:40.08 ID:5fIfkPpU.net
えれつばあん(カツカツカツカツ)

早乙女弥生「!」

中野春菜「あなた達は!!」

やよはる「お疲れ様ですっ!」(ペコリ)

英玲奈「随分頑張ってるみたいだな」

あんじゅ「ホント……凄いんだね」

ツバサ「……」

ツバサ「初めまして。弥生さん、春菜さん」

ツバサ「こんなにハイレベルなパフォーマンス、見た事ないわ」

ツバサ「物凄く努力してるのね」

春菜「そんな……」

弥生「アライズの皆さんに比べたら、まだまだ足下にも及ばないです」

253 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:16:13.87 ID:5fIfkPpU.net
弥生「私……アライズの皆さん方に憧れて、アイドル始めたんです」

弥生「それまではホント、極普通の中学生でした」

ツバサ「そうなんだ」

あんじゅ「じゃあ、私と同じだね」

あんじゅ「私も、何となくこの学校に入って、運良く特待生に潜り込んだけど」

あんじゅ「それから結構……苦労したからね」

弥生「そうだったんですか!?」

春菜「私は子供の頃から、歌やダンスの教室に通わされて」

春菜「子役の事務所に在籍したり、ちょっとだけどモデルやってみたり」

春菜「最初からスクールアイドルやるとは、考えてはいなかったのですが」

英玲奈「ほう」

ツバサ「英才教育を受けてきたのね」

あんじゅ「英玲奈とおんなじだ」

254 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:17:24.05 ID:5fIfkPpU.net
英玲奈「それにしても、今時ありえない位激しいしごきを受けているんだな」

あんじゅ「大丈夫?辛くない?」

ツバサ「そうよね」

ツバサ「私から見ても、ちょっと行き過ぎじゃないかと思うわね」

やよはる「……」

弥生「確かに辛いです。怖いです。正直、疲れもします」

弥生「けど……」

春菜「私達……これがやりたかったから」

えれつばあん「……」

255 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:19:05.94 ID:5fIfkPpU.net
弥生「今の先生……これまで何人ものトップアイドルを育て上げた方だそうです」

春菜「ハリウッド初め、海外のスーパースターに演技指導した事もあるとか」

春菜「それを、この学校が、莫大な契約料を支払って招聘したそうです」

弥生「確かに正直スパルタだし、しばしば横暴にも受け取れる言動をする人ですが」

春菜「言ってる事に……間違いは無いと思います」

ツバサ「……」

ツバサ「手を上げられたりはしてない?」

弥生「それはありません」

春菜「最も、このユニット結成時に」

春菜「レッスンやライブでどんな事態が起こっても」

春菜「私達は一切学校側の責任を問わないと」

春菜「誓約書を交わされましたが」

あんじゅ「そこまでやるの!?」

ツバサ「……」

英玲奈「……」

256 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:20:32.48 ID:5fIfkPpU.net
弥生「ですが、こうして看板ユニットとして、学校の顔となって」

弥生「トップアイドルとして育てて貰えるなんて、千載一遇のチャンスなんです」

春菜「この立場を手に入れるべく、恐らく何万人もの娘達が必死に努力して」

春菜「涙を流す結果になった」

弥生「それを思えば……この位でめげるのは、彼女達にも申し訳が立ちません」

えれつばあん「……」

ツバサ「偉いわねえ」

弥生「私と春菜、レッスンが終わったら、毎日お互い誓い合ってるんです」

春菜「どれだけ辛い事があっても、食らいついて行こう、って」

弥生「絶対最後までやりとげるんだ、と」

えれつばあん「……」

257 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:21:56.60 ID:5fIfkPpU.net
ツバサ「あなた達の気持ちが聞けて、とっても嬉しいわ」

英玲奈「何かあったら、いつでも相談に乗るぞ」

あんじゅ「無理しないでね?」

春菜「はいっ」

弥生「ありがとうございます!」

(ガチャッ)

専属講師「すみません。練習を再開したいのですが」

えれつばあん「……」

ツバサ「これは失礼したわね」

ツバサ「それでは、私達は帰ります」

英玲奈「また会おう」

あんじゅ「じゃあね♪」

やよはる(ペコリ)

えれつばあん(カツカツカツカツ)

(ガチャッ)

(バタン)




今夜はここまで

258 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:23:21.02 ID:x4ylzx4V.net
おつおつ
読んでるよ

259 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 02:25:38.04 ID:UkBM+9qf.net


260 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 07:11:18.66 ID:D0e0USie.net
くそ面白い

261 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 07:44:17.66 ID:vJvSgSI+.net
穂乃果は昔の絵里化してるのか

262 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:00:11.36 ID:vwa9HF45.net
再開


秋葉原

えれつばあん(カツカツカツカツ……)

ツバサ「……」

英玲奈「……」

あんじゅ「……」

英玲奈「ツバサ」

英玲奈「何か思う所があるのか?」

あんじゅ「浮かない顔してるね」

ツバサ「……」

ツバサ「そうね」

263 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:01:21.43 ID:vwa9HF45.net
ツバサ「私達が居ない間に、UTXも随分変わったもんだ、ってね」

英玲奈「……」

あんじゅ「……」

あんじゅ「私達アライズが、前回のラブライブで敗退したから」

英玲奈「次こそは、意地でも勝ちたいのだろうな」

英玲奈「だからこそ、全校一丸となって、最強ユニット育成に血道を上げている」

ツバサ「……」

ツバサ「だとしたら……私達の責任でもあるわね」

264 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:02:40.06 ID:vwa9HF45.net
ツバサ「ミューズに勝てなかったのを恥だとは思ってない」

ツバサ「むしろ、彼女達と同じ舞台で戦えた事を、誇りに思っている」

ツバサ「けど……やっぱりUTXは私学だからね」

ツバサ「学校の知名度が生徒数、引いては経営に直接響く」

ツバサ「幸い、今の所、入学者が減少したって話は聞いてないわ?」

ツバサ「けど」

英玲奈「上層部は危機感を持っている」

あんじゅ「だからこそ、勝つ事に必死なんだよね?」

265 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:03:48.27 ID:vwa9HF45.net
ツバサ「スクールアイドルとて、ラブライブを目指す以上は」

ツバサ「そこに競争が生まれるのは仕方がない」

ツバサ「それも……分かってるつもりなんだけどね」

英玲奈「ツバサとしては、気に入らないわけだ」

ツバサ「……」

ツバサ「そう言う訳では無いけど」

あんじゅ「でも、腑に落ちなくはあるんでしょ?」

ツバサ「……」

266 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:05:17.02 ID:vwa9HF45.net
ツバサ「……」

『あんたね。アイドルになりたいんでしょ!?』

『お金や才能がなければアイドルになれない!?』

『にこはそうは思わない』

『仮に他の全てが完璧であっても、ファンのみんなを笑顔にする事が出来なければ』

『そんなのアイドルとして認めるつもりはない』

ツバサ(カツカツカツカツ……)

『上を目指して、その為に厳しい練習をみんなに課した』

『それは後悔してはいない』

『けどね……結局、みんなを笑顔にすると言っておきながら』

『一番身近な仲間達すら笑顔に出来なかった』

『アイドルは厳しい……けどそれ以上に楽しい』

『それを伝えられもしないで、居丈高に競争を強いたのだから』

『見放されて当然』

『同情には値しないわ』

『全てはにこの責任。過ちなんだから』

ツバサ(カツカツカツカツ……)

267 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:07:58.23 ID:vwa9HF45.net
ツバサ「そうよね」

えれあん「!?」

英玲奈「ツバサ?」

あんじゅ「どうしたの?」

ツバサ「ふふっ」

えれあん「?」

ツバサ「ねぇ、みんな」

ツバサ「昔々、とあるアイドルが」

ツバサ「アイドルへの情熱ゆえ、一時は仲間からすら見捨てられたけれど」

ツバサ「最後まで己の夢だけは捨てなかった」

ツバサ「不器用かも知れないけれど……私はそんな彼女が好きよ?」

えれあん「……」

ツバサ「私達も結局……私達らしくあるしか無い」

ツバサ「アライズはアライズ」

ツバサ「間違ったやり方で仮初めの勝利を得るよりも」

ツバサ「自分達のスタイルを貫いてこそ、輝けるんじゃないのかしら」

ツバサ「私達も……そして、ファンのみんなもね?」

えれあん「……」

英玲奈「そうだな。そうかも知れないな」

あんじゅ「きっとそうだよ!」

ツバサ「あんじゅ……」

268 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:09:55.79 ID:vwa9HF45.net
あんじゅ「私も特待生になりたての頃は」

あんじゅ「余りの競争の凄まじさに……ついて行けそうにないって、ほとんど諦めかけてたもん」

えれつば「……」

あんじゅ「けど……ツバサや英玲奈と出会って、いつも支えて励ましてもらえて」

あんじゅ「一緒にアライズ初めて……やっとここまで来れたんだもん」

あんじゅ「ツバサ達とじゃなければ、きっと私」

あんじゅ「とっくに挫折してたよ」

あんじゅ「そんなアライズが、私は大好きだよ」

あんじゅ「ミューズには負けたけれど……それでも」

あんじゅ「私には今のアライズしか、考えられない」

ツバサ「……」

英玲奈「私とて、今更スタイルを変えられる程、器用なつもりじゃない」

英玲奈「あんじゅの言う通りだと思う」

ツバサ「英玲奈……」

ツバサ「そうよね」

ツバサ「やっぱりそう言うと思ったわ」

ツバサ「あなた達とで……本当に良かった」

ツバサ「本格デビューまで後3日」

ツバサ「今度は勝ちに行きましょう」

ツバサ「全力でねっ!」

英玲奈「もちろんだ」

あんじゅ「頑張ろうねっ♪」

269 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:12:24.90 ID:vwa9HF45.net
数日後

某テレビ局

音楽番組

司会「それでは、本日正式にプロデビューを果たした、アライズのみなさんです」

(キャァーカッコイィー)

(パチパチパチパチ)

司会「アライズのみなさんは、知る人ぞ知る、第1回ラブライブの覇者」

司会「私立UTX学園の看板ユニットとして、在学時代から」

司会「プロ顔負けの知名度とパフォーマンスを誇っていらっしゃいましたね」

司会「リーダーのツバサさん。どうですか?プロデビューしての感想は?」

ツバサ「そうですね。直前までは凄く緊張して、足の震えも止まらなかったけれど」

ツバサ「こうしてカメラの前に出ると、すぐに収まりました」

司会「さすが大物の貫禄がありますねぇ」

ツバサ「いえ。ただ天然なだけです」

(ドッww)

司会「こちらの藤堂英玲奈さんは、幼少期からアイドルになるべく」

司会「英才教育を受けられたとか」

英玲奈「残念ながら、余り役には立たなかったです」

英玲奈「アイドルは流行り廃れも激しく」

英玲奈「常に最新の情報で戦わないと、すぐに遅れを取ってしまうので」

270 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:14:39.42 ID:vwa9HF45.net
司会「どうですか?この意識の高さ」

司会「日本アイドル界の勢力地図を塗り替えると言う前評判に」

司会「偽りはありませんね」

司会「ねえ?あんじゅさん」

(キャァーアンジュー)

あんじゅ「私、難しい話は良く分からないです」

あんじゅ「けど……絶対、ファンのみんなを失望はさせません!!」

(オォォォォー)

司会「物凄い気迫でね。私も汗ビッショリですよ」

司会「それではこれから、アライズのみなさんにはライブステージに移って頂いて」

司会「プロデビュー初の新曲を歌って頂きます!!」

(キャァアァァァ)

271 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:18:01.05 ID:vwa9HF45.net
ライブステージ



女性アナンウサー「こちらライブステージも、始まる前から、異様な盛り上がり振りです」

女性アナンウサー「ここに詰めかけたお客様以外にも」

女性アナンウサー「場外には……何と、一万人以上のファンが集まって」

女性アナンウサー「このテレビ局がぐるっと取り囲まれてしまいました!」

女性アナンウサー「日本の新人デビューで、こんな事態になったのは」

女性アナンウサー「ホント何年振りでしょうか!!」

司会『今アライズの皆さんが到着しましたね』

女性アナンウサー「はいっ」

(キャァアァァァー ツバサー エレナァー)

(アンジュー!)

女性アナンウサー「ようこそお越し下さいました!」

ツバサ「私達の為に、こんな素敵なステージを用意して頂いて」

ツバサ「本当に感謝します」

ツバサ「そして……ここに集まったファンのみなさん」

英玲奈「これから私達の曲を聞いてくれる、視聴者のみんな」

あんじゅ「あなた達の為に、精一杯頑張るからねっ♪」

(オォォォォ オォォォォー)

272 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:20:03.85 ID:vwa9HF45.net
女性アナンウサー「アライズのみなさんは、プロになって、最初に何をしたいでしょうか?」

ツバサ「……」

ツバサ「それは決まっているわ」

英玲奈「私達の望み……」

あんじゅ「それはもちろん」

アライズ「トップになる事!!」

(オォォォォー!)

ツバサ「私達はアライズ。立ち止まる事も」

英玲奈「振り返る事も、そして」

あんじゅ「負ける事も……絶対許されない」

ツバサ「それはアイドルへの冒涜、恥よ?」

ツバサ(ペロッ)

(キャァアァァァ キャァキャァー)

女性アナンウサー「何といきなりトップ制覇宣言ですよ!?」

司会『そんじょそこらのアイドルじゃありませんね。ホント』

女性アナンウサー「ここから見ても、怖い位の凄まじいオーラが打ち付けて来るんですよ!」

司会『黒い制服みたいなコスチュームと合わせて、正に戦闘集団ですね!』

273 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:20:57.39 ID:vwa9HF45.net
女性アナンウサー「それでは準備整いました!!」

女性アナンウサー「先月末発売されたばかりのシングル。プロデビューを果たした新生アライズ最初の曲です!!」

(キャァアァァァ)

女性アナンウサー「black fire!」

274 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:23:18.37 ID:vwa9HF45.net
深夜 小泉家



花陽の部屋

テレビ『black fire 全てを焼き尽くす♪』

テレビ『black fire あなたを焼き焦がす♪』

テレビ『見せ掛けの奇麗事より 燃え盛るホンネでしょ♪』

テレビ『上辺だけの飾りはもう飽き飽きよ♪』

テレビ『生温い聖水はnon non♪ アツイ アツイ火花を頂戴♪』

テレビ『あなたの胸に燃え盛る black fire♪』

テレビ『欲望にかられるのも悪くない 獣性に委ねるのもアリじゃない♪』

テレビ『だからお願い 私に見せてみてよ♪』

テレビ『及び腰の駆け引きならgood bay♪ だから 見せてみてよblack fire♪』

テレビ『キャァアァァァ!!』

花陽「うわああぁぁぁ……」(ウルウル)

花陽「凛ちゃん。良いよ〜これぇ」(恍惚)

花陽「やっぱアライズって……凄いよぉ」

花陽「こんなカッコイィ歌……聞いた事ないよ」

花陽「断言します。今の日本で」

花陽「こんなパフォーマンスを見せられるユニットは、他には絶対無いって」

275 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:25:05.54 ID:vwa9HF45.net
凛「かよちん。今日は語るにゃあ」

凛「でも……凛から見ても」

凛「絶対真似出来ないよね」

花陽「そうなんです」

花陽「アライズはアイドルとして、自分達のスタイル」

花陽「引いてはそれを支持してくれるファンを大切にして」

花陽「余計なブレを取り払って、徹底的にそれを追求した」

花陽「これがアライズの本気……アライズの底力なんだよ、凛ちゃん!!」(肩ユッサユッサ)

凛「う〜ん、凛、難しい話は分からないけど」

凛「凛はこんなかよちんも好きだにゃあ」

花陽「うぁ?凛ちゃん」

花陽「つい興奮しちゃった……ゴメンね?」

凛「大丈夫だよ。かよちん」

凛「けど……ホントに凄い曲だね」

凛「これならオリコン……一位行くかも」

花陽「行くだろうね」

276 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:26:33.71 ID:vwa9HF45.net
花陽「もしかしたら……デビュー1年目で有線」

花陽「場合によっては……紅白まで出ちゃうかも!!」

凛「紅白!!」

凛「それは凄いにゃあ」

花陽「……」

凛「かよちん?」

花陽「それに比べて、今のあら★いずは」

花陽「見ていられません。邪道です」

凛「かよちん……」

花陽「お客さんに対するあからさまな媚びへつらい」

花陽「小細工と詐術で表際だけの人気と数字を得ようとする」

花陽「邪な算段が見え隠れするよ」

凛「……」

凛「それは言い過ぎじゃ」

花陽「あの2人も……今頃周囲やにわかファンにちやほやされて」

花陽「何か勘違いしてるんじゃないかなあ……」

凛「かよちんっ!」(肩ガシッ)

凛「そんな言い方良くないよ」

花陽「凛ちゃん……」

277 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:28:16.15 ID:vwa9HF45.net
花陽「そ、そうだね。凛ちゃんの言う通りだ」

花陽「ゴメン……」

凛「かよちんは誰よりもアイドルに熱心だから」

凛「そんな気持ちを抱くのも、何か分かるけど」(苦笑)

凛「でも、何かかよちん」

凛「にこちゃんっぽくなって来たかも」

花陽「わぁ……私が!?」

花陽「私はあそこまで……押しが強くは無いと思うけどぉ」

花陽「でもそうだね……にこちゃんならそう言うかもね」

りんぱな「……」

凛「かよちん。必ず勝とうね」

凛「第3回……私達のラブライブ」

花陽「……」

花陽「うん。もちろんだよ」

花陽「もう遅いから寝よっか」

凛「凛はかよちんの隣で寝るにゃあ!!」

花陽「り、凛ちゃん……シングルベッドじゃ狭すぎるよぉ」

278 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:30:23.90 ID:vwa9HF45.net
(消灯)

凛「Zzz……」

花陽「……」(布団)

花陽(今のあら★いずに、アイドルへの覚悟や気概は全く感じられない)

花陽(多分私達の方が、圧倒的に上)

花陽(……)

花陽(どうせなら……ツバサさん達と闘いたかったなぁ)

花陽(そうなれば……絶対素晴らしい勝負になったのに)

花陽(……)

花陽(ラブライブも、商業主義になっちゃったのかなぁ)

279 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:31:43.11 ID:vwa9HF45.net
数日後


希の大学

スピリチュアル研究会



(カツカツカツカツ……)

???(……)

???(コンコン)

(ドゾー)

???(ガチャッ)

希「来ると思ってたよ」

希「ふふ」

???「……」

???「初めまして」

希「……」

希「あのなあ、にこっち?」

希「もう5月やん」

希「そんなサングラスとコート身にまとったままで、暑くないん?」

???「……」

280 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:33:15.70 ID:vwa9HF45.net
???「に、にこっち!?」

???「だ、誰の事ニコ!?」(椅子)

希「あのなあ、にこっち」

希「卒業前に啖呵切ったからって」

希「今更そんな事気にする何て」

にこ「にこっち言うな!」(ガタッ)

にこ「うぅ……」(ジト目)

希「相変わらず意地っ張りやね」(苦笑)

希「心配なんやろ?花陽ちゃん達の事」

希「次のラブライブ、勝てるかどうか」

にこ「……」

にこ「そんなんじゃないわよ」

にこ「あれは穂乃果や花陽が決める事」

にこ「今更私や絵里が口出しするのは」

にこ「お門違いだしね」

希「……」

希「本気でそう言ってるん?」

281 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:34:13.65 ID:vwa9HF45.net
希「UTXの体制が刷新されて」

希「徹底的なプロ化路線を採用」

希「ウチから見ても……今の新生あら★いず」

希「正直脅威やん」

にこ「……」

にこ「そうよ」

にこ「素人目にはふざけてる様に見えても」

にこ「あれはその道の専門家達が、徹底的な計算の元」

にこ「練りに練り上げて、計画的にやってる」

にこ「完全にプロの仕事よ」

希「……」

282 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:38:01.90 ID:vwa9HF45.net
希「これで花陽ちゃん達に勝ち目はあるのか」

希「それが気になるんよね?にこっちは」

にこ「……」

にこ「そうよ」

希「占って見るん?」

にこ「あんたの意見が聞きたいの」

希「……」

希「そうやねぇ」

希「なあ、にこっち」

希「ミューズって……何で勝てたんやろね?」

にこ「?」

希「普通に考えたら……廃校寸前の公立校が」

希「資質も目的もまちまちな寄せ集めで……全国の強豪を相手にして」

希「トップになれる筈ないやん」

にこ「……」

にこ「あんたの口からそんな言葉が出るとはね」

283 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:41:11.89 ID:vwa9HF45.net
にこ「そうね……なんでかしらね」

にこ「常識で考えたら、有り得ない奇跡」

希「それを引き起こした原動力」

希「ウチな。こうも思うんよ」

希「ミューズは確かに……全員個性も能力も経歴もバラバラで」

希「活動した期間も……一年に満たなかったよ?」

希「けど……気持ちでは、みんなつながってた」

希「周囲やファンのみんなも含めて」

希「どこよりも強く、強くね」

希「そんな固い繋がりが出来上がったからこそ、不可能を可能にした」

希「そうやないん?」

にこ「……」

にこ「そうね」

希「ミューズを立ち上げ、リーダーとなったのは穂乃果ちゃん」

希「せやけど……その穂乃果ちゃんの言った通り」

希「みんなで叶える物語。誰がこうだからでは無い」

希「同じ奇跡でも……起こるべくして起こった」

希「そうやろ?」

にこ「……」

284 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:43:28.96 ID:vwa9HF45.net
にこ「そこまで分かってんなら、あんたが言ってやれば良いじゃないの」

希「今な?ウチ思うんやけど」

希「みんな……お互い気を使いあってるよね?」

にこ「……」

希「穂乃果ちゃん達は生徒会として学校存続を図らなければならない。
花陽ちゃん達はアイドル研だから、ラブライブ優勝を目指してる」

希「それは間違ってないよ。せやけど」

にこ「らしくないのよ。何か」

希「にこっち」

にこ「頭では正しいと分かってる。けど」

にこ「それが私達の本当の気持ちだったか」

にこ「こんなのが私達がやりたい事だったのか」

希「……」

にこ「いつもの穂乃果なら、後先考えず、さあ、やろうってみんなを引っ張ってた筈」

にこ「花陽だって……部長として成長してるのは嬉しいけど」

にこ「部活と生徒会を切り分けて……何かね」

にこ「必要以上に気を使ってるんじゃないかと」

希「いつもなら、花陽ちゃんも」

希「何かあったら、大変ですって穂乃果ちゃんの所に飛び込むもんね?」

285 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:45:23.84 ID:vwa9HF45.net
希「そして……そんな2人にガツンと言ってやらないにこっちも」

希「ふふ」

にこ「むぅ……」

にこ「そうね」

希「ウチもなんよ」

にこ「?」

希「本来なら、とっくのとうに」

希「お節介と思われようと……穂乃果ちゃん達の前に現れて」

希「幾らでもアドバイスしてる筈なんやけど」

にこ「……」

希「何かね……いつも一緒だったミューズの頃と比べてな」

希「みんなそれぞれ、立場も出来たし、行き先も別れたから」

希「それは仕方ない……成長したとも言えるし、大人になったととらえるべきと思うんやけど」

希「何かね……本当にこれで良いのかと」

希「ウチも思うんよ」

にこ「……」

にこ「珍しいわね。あんたが迷う何て」

希「こればっかりは、カードや水晶に頼っても、なかなか結論が出せなくてね」

にこ「……」

286 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:46:36.64 ID:vwa9HF45.net
希「けど……にこっちがここに来たのは、それだけやないよね」

希「ふふ」

にこ(ギクリ)

希「絵里ちの事やろ?」

にこ(冷や汗)

希「絵里ちは容姿も才能もずば抜けてるけど」

希「生き馬の目を抜くプロの世界で、本当にやってけるのか」

希「いや……本当にそんな所に連れ込んで良いものかどうか」

希「にこっちとしては、まだ躊躇ってるよね?」

にこ「……」

にこ「スクールアイドルとは違うのよ」

287 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:48:09.63 ID:vwa9HF45.net
にこ「ミューズでやっていた頃は、みんないたし」

にこ「まだ未成年で学生だから、社会的にも色々と守ってもらえた」

にこ「けどね。もしプロになったら」

にこ「どんだけ理不尽な事が起こるか分からない」

にこ「ううん。絵里がそんな弱い娘だとはにこも思ってないわ」

にこ「けど……正直悩むのよ」

にこ「これしか出来ないにこと違って」

にこ「絵里ならもっと他の分野でも成功出来る」

にこ「下手をすれば、スキャンダルや不祥事でボロボロになりかねないこの業界で」

にこ「汚しちゃって良いものかどうかと……」

希「……」

希「だからデビューが遅れてるのね?」

288 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:51:03.34 ID:vwa9HF45.net
希「ウチそうだと思ってたよ」

希「にこっちなら、どんな小さな事務所でも自分で乗り込んで」

希「大きくしてやる位の気概で動く筈」

希「それをやらんのは」

にこ「1人でならそれでも良いの」

にこ「失敗しても、自己責任だからね」

にこ「けど……」

希「絵里ちには、信用ある所に所属して欲しい」

希「だから大手ばかり受けているけど、向こうも青田買いしたがるから、なかなか決まらない」

希「やっぱ……そう言う事やったんね?」

にこ「……」

希「にこっちも優しくなったんね」

にこ「ぬあっ!?そ、そんなんじゃないわよ!!」

にこ「にこだって……どうせデビューするなら」

にこ「大手の方が……良いと思ってるもん」

希「ふふ」

289 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 13:56:47.03 ID:vwa9HF45.net
にこ「絵里はね。先週、モデルの応募には受かったの」

にこ「結構有名な所よ」

にこ「早ければ来月にも、ファッション誌に載るでしょう」

にこ「上手く行けば、年内に表紙を飾る事になるかも知れない」

希「そうなん?」

にこ「にこはね。だから言ってるの」

にこ「せっかくのチャンスなんだから、いっそそっちに向かえば?って」

希「……」

にこ「別に、アイドルにこだわる必要はないでしょ?ってね」

290 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:07:38.06 ID:vwa9HF45.net
希「絵里ちは、何て言うたん?」

にこ「どうしても私とアイドルになるって」

にこ「モデルはあくまでもバイトよ。って」

にこ「私は、絵里の身まで責任負えないし」

にこ「プロなんだから、余計な仲間意識よりも成功でしょ?って、何度も言ってるんだけど」

にこ「私なんか良いから、チャンスが見つかったら、とっとと先に進むべきなのよ」

希「ふふ」(微笑)

にこ「あに笑ってんのよ」(ジト目)

希「ロシアの人は、身内には情が熱いらしいやん」

にこ「そう言う問題じゃないでしょ」

291 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:10:34.71 ID:vwa9HF45.net
希「なあ、にこっち」

希「絵里ちも確かに、にこっちと比べたら、芸能界に疎いかも知れない」

希「汚い世界を見せたくないのも分かる」

希「せやけどな。絵里かて」

希「そんな生半可な気持ちで、一緒にプロになろうとしてる訳じゃない」

にこ「……」

希「絵里ちも余り言わない方やけど、ウチには分かる」

希「今更挫折や汚辱を恐れるとは思わない」

希「ぶつけてみたらええんやないん?にこっちの気持ち」

希「お互い腹のさぐり合いする何て、ウチ似合わないと思うんよ」

にこ「……」

にこ「そうね」

希「いずれは必ずそうしなければいけない時が来る」

希「ミューズに入る前のウチらみたいに、ね?」

にこ「気が重いわね」

にこ「けど……あんたの話は分かったわ」

にこ「それじゃ、もう行くわ」(ガタッ)

希「もうなん?」

にこ「これ以上あんたと居ると、余計な事言いそうで」

にこ「正直怖いのよ」

にこ「じゃあね」(ガチャッ)

希「……」

にこ「むぅ……」(クルッ)

にこ「は、話聞いてくれて……感謝してるわよぉ」

(バタン)

希「……」

希「ホンに意地っ張りやねぇ」

希「ふふ」

292 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:11:24.97 ID:vwa9HF45.net
一週間後

秋葉原

ラブライブ 第一次予選会場



(ザワザワザワザワ)

凛「うわぁ……」

真姫「凄い人だかりね」

雪穂「こんなに大勢……」

亜里沙「何か緊張して来た」

花陽「みんな、落ち着こう」

花陽「前回ラブライブ本戦に比べたら」

花陽「まだまだ大丈夫」

ゆきあり「……」

凛「そうだね」

真姫「花陽の言う通りね」

花陽「それに……」

293 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:13:01.44 ID:vwa9HF45.net
???「みんな〜お待たせ」

???「遅れてしまって申し訳ありません」

???「道が混雑していて」

一同「おぉ〜っ!」

花陽「穂乃果ちゃん、海未ちゃん。ことりちゃん!」

凛「待ってたにゃあ!」

真姫「遅刻よ?全く」(髪クルクル)

穂乃果「ゴメンゴメン」

海未「だから私は、あんな時にジュースがぶ飲みするなと言ったのです!」

海未「ここに来るまでに一体何回トイレに行ったと思うのですか」

ことり「まぁまぁ、海未ちゃん」

雪穂「う゛ぇ……またお姉ちゃんおしっこ行ってたの?」

雪穂「そう言う所、相変わらずだよね」

穂乃果「もぅ〜雪穂までぇ」

294 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:15:04.96 ID:vwa9HF45.net
亜里沙「けど……これでようやくみんな勢ぞろいしましたね」

花陽「穂乃果ちゃん達も忙しかったから、新年度から今日まで、ちゃんと会えたの」

花陽「一週間にも満たなかったからね」

真姫「まぁ、第一次予選は、上位五組以内に入れれば良いから」

凛「前回のラブライブよりは、難易度が下がってるんだけどね」

雪穂「下馬評じゃ、私達」

雪穂「ぶっちぎりで勝てる、みたいだけど」

亜里沙「油断は禁物だよ。雪穂」

花陽「そうです」

花陽「とは言え……五位以内に入れればオッケーですから」

花陽「余り気負わない様に」

一同「うんっ!」

295 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:20:48.14 ID:vwa9HF45.net
雪穂「最も、私達は今回、参加はしないんだけど」

亜里沙「一校につき、エントリー出来るのは1グループまでだからね」

穂乃果「なあんだ。もったいない」

穂乃果「どうせなら、雪穂達も一緒にやれば良かったのにぃ」

雪穂「お姉ちゃんこそ」

雪穂「本当に参加しなくて良かったの?」

雪穂「私と亜里沙は、まだまだ始めたばかりだから」

雪穂「花陽先輩達とステージで合わせる力はないと思ってるけどさ」

海未「まあ、真姫達なら、十分勝てるでしょう」

ことり「衣装とかは、私とヒデコちゃん達で、用意しといたから」

穂乃果「そうだよ」

穂乃果「大船に乗ったつもりで」

雪穂「本当にそうかなあ」

296 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:23:24.14 ID:vwa9HF45.net
観客席



(ザワザワザワザワ)

絵里「しかし、このとんでもなくハラショーな大群衆」

絵里「それだけラブライブも世間に認知されたと言う事ね」

絵里「ねぇ?にこ」

にこ「ふんっ」(プイッ)

絵里「そう言えば、あなた」

絵里「花陽達に合わないのと聞いたら、断ったけど」

絵里「本当に良いの?ここまで来て」

にこ「今更私達が先輩面見せに行った所で」

にこ「先方がやりにくいだけでしょうよ」

絵里「本当にそう思ってるの?」

にこ「別に?あんたが行くのは止めやしないけど」

絵里「そうねぇ」

絵里「じゃあ、ちょっとだけ挨拶して来るわ」

(ザワザワザワザワ)

にこ(今回は、前回よりも通過枠が1つ増え、その分チャンスが多くなった)

にこ(けど……音ノ木坂女学院は前回の覇者)

にこ(どこのアイドルグループも、徹底的に対策を練って、追いすがろうとしている筈)

にこ(そう簡単に勝てないわね)

297 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:24:55.35 ID:vwa9HF45.net
にこ(増してや……UTX学園が起死回生を図って立ち上げた新ユニットプロジェクト)

にこ(その主力たるあら★いずのパフォーマンスは、他を圧している)

にこ「下手をしたら……寝首をかかれるのはこっちよ」

???「かも知れないわねぇ」

にこ「……」

にこ「これは奇遇ね?いえ、むしろ必然か」

にこ「敵情視察なら、にこよりも穂乃果達に当たった方が、実入りがあるんじゃないかしら」

にこ「ねぇ?ツバサ」(ジト目)

ツバサ「あら、私も今回は、1観客に過ぎないけど」

ツバサ「無論、あら★いず2人への挨拶は済ませといたわ」

にこ「あっそ」

ツバサ「相変わらず素っ気無いわねぇ」(苦笑)

ツバサ「一応、今を時めくトップアイドル候補なんだけど」

にこ「そんなの一年でひっくり返してやるわよ」

298 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:25:37.98 ID:vwa9HF45.net
ツバサ「あのねぇ、にこ」

ツバサ「この私にそんな挑戦状、ホイホイ叩きつけられるの」

ツバサ「この日本ではあなた位しかいないわよ」

にこ「言葉に気をつけろっての?」(ジト目)

ツバサ「いえ、何かあなたらしいなあってね」(苦笑)

299 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:27:48.11 ID:vwa9HF45.net
絵里「穂乃果、花陽」

絵里「久し振りね」

穂乃果「あっ、絵里ちゃん!」

花陽「来てくれたんだね」

ことり「絵里ちゃん、お久しぶり♪」

海未「元気そうで何よりです」

雪穂「わざわざ応援に来てくれたんだ」

絵里「亜里沙、緊張してる?」

亜里沙「……」

亜里沙「してないって言ったら、嘘になる」

絵里「そう」

絵里「大丈夫よ。穂乃果や花陽初め」

絵里「百戦錬磨の強者ぞろいだから」

絵里「気にせず良くみんなのパフォーマンスを見ときなさい」(ナデナデ)

亜里沙「うんっ♪」

穂乃果「そうだよ!」

穂乃果「こう言うのは案ずるより生むが易しだから!」

海未「穂乃果はもう少し注意して下さい」

雪穂「そうだよ。お姉ちゃん」

300 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:29:13.45 ID:vwa9HF45.net
希「みんな、ウチも来たよ」

一同「おぉ〜っ!」

雪穂「希先輩!」

亜里沙「巫女さんスタイルだ」

希「ふふ」

希「いよいよやね。第3回ラブライブ」

絵里「希……来るんだったら」

絵里「連絡してくれれば良かったのに」

希「ちょっとしたサプライズやん」

希「と、言いたい所だけど」

希「明神さんの手伝いがたまたま重なって」

希「急いでここに駆け付けて来たんよ」

花陽「そうだったんだ」

穂乃果「ねぇねぇ、希ちゃん。私達勝てるかな?」

穂乃果「久々に占ってみてよ」

希「……」

希「ほな」(水晶)

一同「えぇ〜っ!?」

亜里沙「ハラショー!」

希「それじゃ、行くよ!?」

希「ナムナム……ナムナム」

希「ほぅ……これは」

希「努力次第、運次第やね」

一同「うえぇ〜っ!?」

穂乃果「な、何か……希ちゃんの占いにしては」

花陽「適当な様な気がぁ……」

301 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:32:23.09 ID:vwa9HF45.net
海未「いえ……希の言う通りです」

海未「所詮、占いは占い」

海未「他力本願では勝てる戦いでも負けますからね」

ことり「みんな、頑張って」

希「そう言う事やん」

真姫「……」

絵里「真姫?」

花陽「真姫ちゃん?」

希「どないしたん?」

真姫「な……何でもないわ!」(プイッ)

絵里「にこなら来てるわよ」

絵里「呼ぶ?」

真姫「別に!?そんなんじゃないから」

花陽「そう言えば、にこちゃん」

花陽「最近真姫ちゃんに冷たいんだよねぇ」

穂乃果「もうっ、あんなに仲良かったのにぃ」

穂乃果「急に素っ気なくするなんて、意地っ張りにも程があるよ!」

穂乃果「よ〜し。胸ぐらつかんでもしょっぴいて来よう!」(スタッ)

真姫「余計な事しないで!!」

一同(ビクッ)

花陽「ま、真姫ちゃん!?」

雪穂「もうっ、お姉ちゃん」

穂乃果「ご、ゴメン真姫ちゃん」

302 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:32:49.51 ID:vwa9HF45.net
真姫「……」

真姫「いえ、穂乃果のせいじゃないわ」

絵里「ごめんなさい、真姫」

絵里「あなたの気持ちも考えずに」

海未「とにかく、今は予選に集中するべきです」

凛「かよちん」

花陽「うんっ」

花陽「みんな、力を合わせて勝ちに行こう!」

303 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:35:15.90 ID:vwa9HF45.net
第一次予選 一週間後

音ノ木坂女学院

アイドル研究部


一同「……」

花陽「いよいよですね」

一同(ゴクリ)

花陽「第3回ラブライブ第一次予選」

花陽「待ちに待った結果発表日」

雪穂「あぁ〜、緊張して来たぁ ><」

凛「もしも落ちてたら……どうしよう?」

真姫「もうっ。変なプレッシャーかけないでよ」

亜里沙「大丈夫ですよ。あれだけ好評だったんだから」

花陽「まぁ、今回は、入賞枠が5つもあるから」

花陽「引っかからない筈は……ないんだけど」

真姫「てか……穂乃果達は?」

凛「今日も生徒会。忙しいんだって」

雪穂「んもぅ〜。とっても大事な時なのにぃ」

花陽「まぁ……穂乃果ちゃんも」

花陽「私達なら一次予選突破は心配ないから」

花陽「結果出たら連絡だけ寄越してね、と」

真姫「そう言う油断が命取りになるわよ?」(髪クルクル)

304 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:36:39.47 ID:vwa9HF45.net
花陽「それじゃ、そろそろ」(PC)

一同「……」

花陽(カタカタ カチッ)



(ラブライブ公式ホームページ)

(第一次予選 東京地区 結果発表)



花陽「それでは、行きます」

一同(ゴクリ)

花陽「予選突破第一位……」

花陽「私立UTX学園アイドルユニット」

花陽「あら★いず」

一同「……」

一同「えぇ〜っ!?」

花陽「ぴゃっ?ピャアアァァアァ!?」

花陽「な、な……何ですか?これは!?」

花陽「有り得ないです……こんな事」

真姫「花陽、花陽?」

真姫「選ぶのはお客さん」

真姫「結果は結果として受け入れないと」

一同「……」

花陽「そうでしたね。スミマセン」

雪穂「まだ枠は4つ残ってるし」

凛「大丈夫だにゃあ」

305 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:39:15.57 ID:vwa9HF45.net
花陽「第2位 ミュー……」(PC)

一同「ミュー?」

真姫「ミューズはもう解散したでしょ?」

凛「だよねぇ……」

花陽「ミュータントガールズ」

一同「……」

花陽「第3位……純情乙女組」

花陽「第4位……スパークリング・シリウス」(PC)

一同(冷や汗)

花陽「……」

真姫「第5位は?」

真姫「花陽」

花陽「……」(冷や汗)

凛「かよちん」

雪穂「花陽先輩」

花陽「は、はいっ」

花陽「予選通過第5位……」(PC)

花陽「こ、これは!?」

一同「これは!?」

花陽「……」

花陽「新宿連合アイドルユニット……SJK19」(PC)

一同「……」

306 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:40:56.69 ID:vwa9HF45.net
雪穂「これって……」

亜里沙「まさか……」

凛「そんな」

真姫「負けたって事ね」(髪クルクル)

花陽(ガクッ)

亜里沙「花陽先輩!」(ダッダッダッダッ)

亜里沙「大丈夫ですか?」(ユッサユッサ)

凛「こんなの……おかしいよ」

凛「いかさまだにゃあ!!」(机ドンッ)

真姫「凛!取り乱すのは止めて!!」

雪穂(ワナワナ)

亜里沙(クスン)

凛「じゃあ、真姫ちゃんは悔しくないの!?」

凛「私達、負けたんだよ!?」

凛「前回ラブライブ優勝の看板背負って、最有力との下馬評までもらって」

凛「一次予選すら通過出来なかったんだよ!?」

凛「何で真姫ちゃんは冷静でいられるのよ!?」

真姫「私だって悔しいわよ」

真姫「けど、だからって」

真姫「今更騒いでもどうにもならないわ」

真姫「それよりも……」

307 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:41:32.68 ID:vwa9HF45.net
凛「大体、曲を作ったのは真姫ちゃんじゃんか」

凛「真姫ちゃんにも責任あるでしょ!?」

真姫(ギリッ)

真姫「何ですってぇ!?」(ガタッ)

亜里沙「2人とも止めて下さい!」

308 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:43:20.43 ID:vwa9HF45.net
凛「……」

凛「分かってるよ」

凛「凛が悪いんだ」

凛「リーダーとして……凛がちゃんとしてなかったから」(ウルッ)

凛「みんなをしっかり引っ張っていけなかったから」

凛「こんな事に……」(ウルウル)

凛「所詮……凛なんか、そんな器じゃないんだよ」(ポロッ)

凛「穂乃果ちゃんの代わりなんて、凛には無理なんだよ」(ポロポロ)

凛「そんな事……グスッ……やる前から……エグッ……分かってたんだ……ヒック」

凛「グスッ……ヒック……うえぇぇえ〜ん」(ポロポロ)

凛「みんな……グスッ……ゴメンナサイ……ヒック……」

凛「うえぇぇえ〜ん」(ポロポロ)

真姫「凛……」

亜里沙「凛先輩。大丈夫ですから。ね?」(ナデナデ)

雪穂(ギリッ)

雪穂(スック)

亜里沙「雪穂?どこ行くの?」

雪穂「私、生徒会室行ってくる」

(ガララッ)

(ピシャッ)

309 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:44:18.54 ID:vwa9HF45.net
生徒会室

(ガララッ)

雪穂「……」

穂乃果「あ、雪穂」

海未「久し振りですね」

ことり「いらっしゃい♪」

雪穂「……」

穂乃果「予選、どうだった?」

海未「今回は全体のレベルがかなり上がっていましたから」

ことり「トップ入選は出来ないかもってね」

ことり「話し合ってたんだ」

雪穂「……」

穂乃果「まさか雪穂〜、落ちたとか言うんじゃないだろうねぇ〜」(ニヤニヤ)

雪穂「そうだよ」

一同「」

310 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:46:13.13 ID:vwa9HF45.net
雪穂「この顔見てさ。突破出来たと本当に思ってたの?」

穂乃果「それは……」

海未「まさか、そこまでとは思ってなくて……」

ことり「ゴメンね」

雪穂「お姉ちゃんさ……お姉ちゃん今、何をしてるの?」

穂乃果「何って……今生徒会の」

雪穂「そうじゃないっ!」

一同(ビクッ)

雪穂「お姉ちゃん。今一番何をするべきか」

雪穂「自分が今一番何をやりたいのか」

雪穂「本当に分かってんの!?」

穂乃果「……」

雪穂「学校の将来とか、会長の責任感とか、そんな理屈どうでも良いでしょ!?」

雪穂「花陽先輩や凛先輩達も……お互いがお互い気を使い過ぎて」

雪穂「結局バラバラになっちゃって……」

雪穂「みんな言いたい事も言えないで」

雪穂「自分にも仲間にも嘘ついたままで」

雪穂「私から見ても分かるよ!みんながどんどんみんならしくなくなってるって」

311 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:50:19.26 ID:vwa9HF45.net
雪穂「こんなんで勝てると、本当に思ってたの!?」

雪穂「ねぇ!お姉ちゃん!!」

穂乃果(ギリッ)

穂乃果「雪穂にアイドルの事で、言われたくないっ!!」(ガタッ)

海未「穂乃果!」

ことり「穂乃果ちゃん」

穂乃果「私だって、前回ラブライブの覇者なんだよ?」

穂乃果「何とも思わないわけないじゃんか!!」

穂乃果「悔しいに決まってるよ!!」

穂乃果「花陽ちゃん達にばかり押し付けて、申し訳ないと思ってる!」

穂乃果「けど……クッ」

穂乃果「心配なんだよ……これから先」(ウルウル)

穂乃果「この学校……また無くなるんじゃないかって」(ポロッ)

穂乃果「穂乃果一代で……終わらせたくなかったんだよ」(ポロポロ)

穂乃果「それが間違ったやり方だって、今思い知らされたけど……グスッ」

穂乃果「その考えすら疑われたら……グスッ……穂乃果……立つ瀬ないじゃんか……エグッ」(ポロポロ)

穂乃果「グスッ……エグッ……ヒック」

312 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 14:51:55.97 ID:vwa9HF45.net
雪穂「……」

雪穂「ゴメン……お姉ちゃん」

雪穂「そうだろうとは思ってたけど」

ことり「穂乃果ちゃん」(ナデナデ)

海未「雪穂、私達も穂乃果と気持ちは同じです」

海未「あなた達ばかりに任せきりで、生徒会を口実に」

海未「確かに逃げてたのかも知れません」

海未「今回の事……必ずや償いはさせてもらいます」

海未「ですが……今は、穂乃果が落ち着くまで待ってあげて下さい」

海未(ペコリ)

雪穂「海未姉……」

雪穂「お姉ちゃん……みんな」

雪穂「学校も生徒会も、私だって大事だと思うよ?」

雪穂「けど……一番頼りにすべきは、やっぱ仲間だと思う」

雪穂「花陽先輩達と……もっと話し合って欲しいです」

雪穂「それでは私は戻ります」

雪穂(ペコリ)

(ガララッ)

(ピシャッ)



とりあえずここまで

313 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 16:18:54.22 ID:D0e0USie.net
期待しかない

314 :名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 17:59:14.90 ID:PDyEYdbZ.net
おつ

315 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 21:47:04.39 ID:gZ4Frw/F.net
この投下速度  ドイツと同等かな

316 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/02(水) 23:55:33.67 ID:D0e0USie.net
今夜また来るかな

317 :名無しで叶える物語(わんこそば)@\(^o^)/:2016/03/03(木) 03:15:27.24 ID:syBLSLHi.net

さてこれからどうなる‥…

318 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/03(木) 17:09:40.88 ID:dfi3Na4Z.net
今日はいつだ
わくわく

319 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:08:44.29 ID:QuTG4HLB.net
再開

数日後

音ノ木坂女子大学

カフェテラス

にこ「……」

絵里「……」

絵里「まさか……こんな結果に終わるとはね」

にこ「……」

にこ「そうね」

絵里「残念だったわ……なんかで、済まされないわね」

にこ「……」

にこ「まあね」

絵里「花陽も真姫も」

絵里「以前にも増して、努力したでしょうしね」

にこ「……」

にこ「そうかも知れないわね」

にこえり「……」

320 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:10:28.36 ID:QuTG4HLB.net
絵里「結局……周囲のライバル達も、メキメキ力を付けているから」

絵里「簡単にはいかないだろうとは覚悟していたけれど」

にこ「……」

にこ「そんな所よね」

にこ「なまじ前回の優勝校なだけ、狙われやすい上に」

にこ「色々と模倣もされる。研究もされる」

にこ「第一、あのUTXが」

にこ「潰された面子の仇を討ちに来ない方がおかしいわ」

絵里「……」

絵里「甘かったのかしら。私達」

にこ「……」

にこ「前にも言ったけど、向こうはその道のプロを集めて」

にこ「徹底的な組織化路線で勝負に臨んでいる」

にこ「あの一見あからさまにファンに媚びたあら★いずのスタイルも」

にこ「専門家によるマーケティングや流行りの傾向調査を積み重ねての上」

にこ「ちゃんとした根拠があったのよ」

絵里「……」

321 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:12:06.71 ID:QuTG4HLB.net
絵里「そんな巨大組織に、いくら一度はトップに立ったと言え」

絵里「素人集団が立ち向かっても、かないっこないのかしら」

にこ「……」

にこ「今の音ノ木坂……穂乃果も居れば花陽も居る」

にこ「新たに入った雪穂や亜里沙も、スクールアイドルとして、ミューズのメンバーと遜色無い」

にこ「じゃあ、何で勝てなかったと思う?」

絵里「……」

絵里「それは言うまでもない事よね」

絵里「みんなで叶える物語」

絵里「今回、果たして」

絵里「みんながみんなでいられたかどうか」

絵里「みんならしくあれたのかしら」

322 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:13:21.73 ID:QuTG4HLB.net
1ヶ月後

音ノ木坂女学院

アイドル研究部

(PC)『栄えある第3回ラブライブ優勝者は』

(PC)『東京地区代表、私立UTX学園アイドルユニットあら★いず!』

(PC)『パチパチパチパチパチパチパチパチ』

花陽「……」

凛「……」

真姫「……」

雪穂「……」

亜里沙「……」

323 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:15:01.58 ID:QuTG4HLB.net
PC)『早乙女弥生さん。中野春菜さん』

(PC)『本当におめでとうございます』

(PC)『ありがとうございます!』

(PC)『パチパチパチパチパチパチパチパチ』

花陽「……」

凛「……」

真姫「……」(髪クルクル)

雪穂「……」

亜里沙「……」

(PC)『まずはお二人の感想からうかがいましょう』

(PC)『早乙女弥生さん。今回のラブライブ、いかがでした?』

(PC)『はいっ。私達も初めての参加で、とっても緊張しました』

(PC)『中野春菜さん。優勝した今の気持ちはどうですか?』

(PC)『この日を目指して、今まで頑張って来ましたが』

(PC)『正直まだ実感が沸きません』

324 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:16:26.62 ID:QuTG4HLB.net
(PC)『今回お二人は、全国的にも有名なUTXの顔として、優勝候補の声も高かったですが』

(PC)弥生『はい。それがとってもプレッシャーでしたが』

(PC)弥生『期待に応えられて、本当に良かったです』

(PC)『そして今回は、前回ラブライブ優勝校』

(PC)『音ノ木坂女学院アイドル研究部と、予選で当たりましたよね?』

(PC)春菜『それが一番の脅威でもあり、目標でもありましたが』

(PC)春菜『私達のスタイル……これが最強のライバルにも通用出来た』

(PC)春菜『この事実が、大きな自信になりました』

花陽(ドンヨリ)

凛(シュン)

真姫(ギリッ)

雪穂(キッ)

亜里沙(クッ)

325 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:17:54.49 ID:QuTG4HLB.net
(PC)『それでは最後に、ここまで応援してくれたファンの皆様に一言』

(PC)弥生『今回、私達が夢を叶えられたのは、本当にみなさんのお陰です』

(PC)弥生『本当にありがとうございます。そして』

(PC)弥生『これからもよろしくお願いします!』

(PC)『パチパチパチパチパチパチパチパチ』

(PC)春菜『ついこの間まで、アイドルに憧れる中学生に過ぎなかった私が』

(PC)春菜『こうして、晴れの舞台で大勢の方々から声援をもらえる』

(PC)春菜『今まで暖かく応援して下さったみなさま。本当に感謝しています』

(PC)春菜『これからも私達は、そんな皆様の為に、頑張って歌って踊ります!』

(PC)春菜『まだまだ駆け出しの私達ですが』

(PC)やよはる『これからもよろしくお願いします!』

(PC)『パチパチパチパチパチパチパチパチ……』

花陽「……」

凛「……」

真姫「……」

雪穂「……」

亜里沙「……」

326 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:19:41.03 ID:QuTG4HLB.net
花陽「……」

花陽「間違ってました」

凛「……」

真姫「そうね」

真姫「彼女達の実力、正直甘く見てたわよね」

花陽「違います」

一同「?」

花陽「私は……花陽は」

花陽「彼女達を……アイドルとして、バカにしてたんです」

花陽「こんなおちゃらけたスタイル、正直アイドルとしてロクなもんじゃない」

花陽「どうせおふざけ半分、甘い気持ちでやってるんだろうと」

花陽「ナメてかかってたんです」

一同「……」

花陽「でも、今のインタビューを聴いて、間違いに気付かされました」

花陽「私が……花陽がバカだった」

花陽「結局……彼女達を見下して、その真価も恐ろしさも見抜けずに」

花陽「アイドルとしての覚悟も気概も認めないまま馬鹿にして」

花陽「でも……本当に、一途にアイドルを追求していたのは、彼女達の方だった」(ウルッ)

327 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:22:04.29 ID:QuTG4HLB.net
花陽「こんなんじゃ、いい加減にやっていたのは……私の方だったじゃないか」(ポロッ)

花陽「今の自分を殴ってやりたいよ」(ポロポロ)

花陽「みんなを引っ張る立場でいながら……グスッ」

花陽「肝心の肝心で……初歩的なミスを犯すんだもん……グスッ」

花陽「みんな……エグッ……本当にごめんなさい……ヒック」(ポロポロ)

亜里沙「部長……」

雪穂「花陽先輩……」

凛「そ、そんな……かよちんは悪くないっ!」(ガタッ)

凛「予選であっけなく負けたのは」

凛「リーダーとしての凛の責任だよ!」

真姫「そうよ。1人で全てを背負いこむのは良くないわ」

真姫「確かに前回のライブ……作曲がいささか陳腐だったんじゃないかと」

真姫「私も気に病む所もあるし」

雪穂「そうですよ!」

雪穂「勝敗は兵家の常って言いますし」

雪穂「だよね?亜里沙」

亜里沙「うんっ」

亜里沙「まだ次もありますから」

亜里沙「元気出して下さい。花陽先輩」

328 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:23:14.25 ID:QuTG4HLB.net
(バタン)

一同「!?」

穂乃果「うわああぁぁ〜ん花陽ちゃああぁぁ〜ん ><」(ダッ)

穂乃果「今まで放っといて、ホントゴメンよぉぉ〜 ><」(抱きっ)

花陽「ぴゃっ!?」

海未「私からも謝らなければなりません」

ことり「みんなで一丸にならなければいけなかったのに」

ことり「生徒会とかアイドル研とか、そんな枠にこだわりすぎて」

ことり「一番大切な事……忘れてたよ」

一同「……」

329 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:24:40.31 ID:QuTG4HLB.net
海未「結局、ミューズこそ解散しましたが」

海未「私達は8人で1つですから」

穂乃果「うえぇぇ〜ん、花陽ちゃあぁん……グスッ ><」(スリスリ)

雪穂「あのさ、お姉ちゃん」

雪穂「鼻水つくから、もう離してあげなよ」(ジト目)

穂乃果「うえぇ!?ご、ゴメン」

海未「花陽、許してもらえるでしょうか?」

花陽「?」

真姫「どうすんの?花陽」

花陽「ぴゃっ?」

花陽「わ、私!?」

凛「かよちん部長なんだよ?」

花陽「あ、あぁ……そうだったね」

330 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:25:46.50 ID:QuTG4HLB.net
花陽「こ、こちらこそ」

花陽「何か生徒会大変そうだったから、迷惑かけちゃいけないかなぁ、って」

花陽「余計な遠慮をしちゃってぇ……」

花陽「でも、本当はぁ……多分」

花陽「私達だけで成果を挙げてみせる」

花陽「正直ぃ……穂乃果ちゃん達に負けたくない」

花陽「そんな気持ちも無かったと言えば、きっと嘘になる」

花陽「だから、そのぅ……色々とぉ」

花陽「ゴメンナサイ」(ペコリ)

一同「……」

穂乃果「そうだったんだね」

331 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:27:43.03 ID:QuTG4HLB.net
穂乃果「花陽ちゃん、みんな」

穂乃果「確かに、私はミューズの発起人だし、リーダーやらせてもらってたけど」

穂乃果「今まで私の力が大した事だなんて、思った例は無いよ」

穂乃果「海未ちゃんやことりちゃん。ミューズのメンバー」

穂乃果「それに何より、大勢のファンの支えがあったからこそ、あそこまでやれた」

穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「は、はいっ」

穂乃果「ファーストライブの時、誰も講堂に集まらなくて」

穂乃果「みんなで泣きそうになって、正直諦めかけて」

穂乃果「でも、そんな時、花陽ちゃんが来てくれたからこそ」

穂乃果「あそこで辞めないで、歌い始める事が出来た」

穂乃果「でなきゃ、ミューズ自体……あの時点で終わってた」

穂乃果「始まりすらしなかった……当たり前の事だったんだよ」

花陽「穂乃果ちゃん」

332 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:29:21.47 ID:QuTG4HLB.net
穂乃果「穂乃果忘れっぽいかも知れないけど、あの時の事は、今でもありありと思い出せる」

一同「……」

穂乃果「みんな、やろう」

穂乃果「もう終わりかも知れないけれど、チャンスがあるのなら、もう一度賭けよう!!」

一同「!?」

一同「えぇ〜っ!?」

真姫「それって、まさか」

亜里沙「ラブライブぅ!?」

穂乃果「そうだよ!」

花陽「で、でもぉ……まだ予定は」

海未「あるかも知れません」

海未「まだはっきりとはしてませんが」

ことり「去年から、ほぼ半年おきに開催してるでしょ?」

ことり「もしかしたら、あるんじゃないかって」

ことり「クリスマス辺りに」

一同「……」

真姫「つまり」

凛「第4回……か」

333 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:30:59.00 ID:QuTG4HLB.net
真姫「で?どうすんの?花陽は」

花陽「ぴ、ぴゃっ!?」

花陽「私?」

凛「かよちん!部長なんだよ!?」

花陽「あ、あぁ……そうだったね。ゴメン」

花陽「わかりました」

花陽「やります」

花陽「アイドル研、いえ、音ノ木坂女学院の総力を挙げて」

花陽「次のラブライブに向けて、頑張りましょう」

花陽「つきましてはみなさんの協力をお願いします」

花陽(ペコリ)

一同「……」

真姫「当たり前よ」

真姫「こんな程度で引き下がったら、元ミューズの名が廃れるわ」

真姫「そうでしょ?」

凛「もっちろんにゃあ!」

凛「絶対リベンジするんだから」

雪穂「だよね?こうでなくちゃね?」

雪穂「ね?亜里沙」

亜里沙「うんっ!」

亜里沙「今度こそ、ハラッショーな成果を見せないとね」

334 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:32:23.19 ID:QuTG4HLB.net
海未「私もみんなと気持ちは同じです」

海未「言うまでもなく……ですよね?ことり」

ことり「うんっ♪」

穂乃果「よ〜し、決まりだ!」

亜里沙「で、でも、生徒会は?」

海未「それは問題ありません」

ことり「ヒデコちゃん達が心配してくれてね?」

ことり「当面実務は引き受けてくれるって」

穂乃果「だから大丈夫だよ」

真姫「いっそそっちの方が、はかどるかも知れないけど」(髪クルクル)

ことほのうみ「それってどう言う意味ぃ!?」(涙目)

335 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:33:12.67 ID:QuTG4HLB.net
雪穂(クスッ)

穂乃果「雪穂?」

雪穂「ううん?何かやっと、お姉ちゃんらしくなって来たなぁ〜って」

雪穂「正直今まで心配してたんだから」

穂乃果「ゴメンゴメン」

凛「でもこれで安心にゃ」

凛「じゃあ今日からリーダーも穂乃果ちゃんが」

穂乃果「凛ちゃんがリーダーだよ」

凛「にゃあぁあぁぁ!?」

336 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:34:24.50 ID:QuTG4HLB.net
凛「えぇ〜?」

凛「穂乃果ちゃんがやってくれるんじゃないのぉ!?」(涙目)

凛「正直凛じゃ、務まらないよぉ」

真姫「む〜っ!」

真姫「ていっ!」(チョップ)

凛「いたっ……」(ドテッ)

真姫「あなたねぇ。まだそんな事言ってんの?」

凛「だってぇ……クスン」

真姫「これからのアイドル研は、私達二年が引っ張って行く」

真姫「でなきゃ穂乃果達だって、いつまでたっても卒業出来ないでしょ?」

凛「そりゃ、そうだけど」

花陽「凛ちゃん。花陽だって、こんなんでも部長務まってるんだから」

花陽「一緒に頑張ろ?ね?」

凛「う、うん」

337 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:35:45.82 ID:QuTG4HLB.net
穂乃果「そうだよ」

穂乃果「これからの主役は、凛ちゃん達なんだから」

海未「そうです」

海未「あの穂乃果にですら出来た事ですから」

海未「凛に出来ない筈がありません」(すまし顔)

穂乃果「もうっ、海未ちゃん!」

ことり「大丈夫だよ。ことり達も支えるから」

穂乃果「でも、みんなが歌ってみんながセンター」

穂乃果「誰かが大変だったら、みんなで助ければ良い」

穂乃果「リーダーだからって、気を張らなくても良いよ?凛ちゃん」

凛「……」

凛「うん」

凛「わかったにゃあ!」

凛「じゃあ早速、明日から練習頑張るにゃあ〜♪」

真姫「今日からよ」

凛「えぇ〜!?」

338 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:36:54.16 ID:QuTG4HLB.net
一週間後

書店

花陽「……」

???(コツコツコツ)

???「!」

???(サササッ)

花陽「……」

???「あ、あの〜ぅ」

花陽「ぴゃっ!?」

花陽「は、はいっ」(クルッ)

花陽「邪魔でしたか?スミマセン」

花陽「今どきますんで」

???「い、いえぇ」

???「音ノ木坂女学院の、小泉花陽さんですよね?」

花陽「?」

花陽「うあぁ……うあぁぁ」(ワナワナ)

花陽「あなたはぁ……」

早乙女弥生「初めまして。UTX学園一年生、早乙女弥生と申します」(ペコリ)

花陽(冷や汗)

花陽「こ、こちらこそぉ」(冷や汗タラタラ)

339 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:38:26.13 ID:QuTG4HLB.net
ファーストフード

弥生「すみません。急に声をかけたりして」

花陽「い、いえぇ……」

花陽(何を話したら良いんだろう)

花陽(ダレカタスケテエェェ)

弥生「それにしても、やっぱりこうして間近で見ると」

弥生「ずっとずっと可愛いし、アイドルとしてのオーラがありますよね?」

弥生「やっぱ凄いなぁ……」

花陽「!?」

花陽「わぁ、私が!?」

弥生「はい」(ニッコリ)

花陽「そ、そんなぁ……私なんか」

花陽「声も小さいし、運動も苦手だしぃ」

花陽「いっつもみんなに迷惑かけてばっかりでぇ……」

花陽「私なんかよりぃ……穂乃果ちゃんや真姫ちゃんの方が」

弥生「いえ、アイドルとしての花陽さんは、一番輝いてます!」

花陽「ぴゃっ?」

340 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:39:37.30 ID:QuTG4HLB.net
弥生「私達UTX内でも言われてるんです」

弥生「将来アイドルとして一番の強敵になりそうなのは」

弥生「小泉花陽さんだって」

花陽「ぴゃっ?」

花陽「ピャアァァァ!?」

花陽「わぁ、私がぁ!?」(ガタッ)

弥生「……」

弥生「実は、私」

弥生「ミューズのライブを見て、花陽さんに憧れて」

弥生「スクールアイドルになろうと決心したんです」

花陽「ままま、マジでぇ〜!?」(ガタタッ)

花陽(ドテッ)

花陽「アイタタタタァ」

弥生「だ、大丈夫ですか?」(手)

花陽「うぇ?あぁ……ありがとう」

341 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:41:44.26 ID:QuTG4HLB.net
弥生「中学の頃に、花陽さん達の存在を知って」

弥生「私なりに色々あって、かなり凹んでいたんですけど」

弥生「ミューズのお陰で、スッゴく元気付けられて」

弥生「それから、よし、私も頑張ろうって、一念発起して」

弥生「UTXに入ったんです」

花陽「そうなんだ……苦労したんだねぇ」

弥生「これ……私の宝物なんです」(かよちんバッジ)

花陽(ハ、ハズカシィ……)赤面

弥生「同じスクールアイドルになれて、尊敬する花陽さんに、一度は挨拶しようって思ってたんですが」

花陽「そ、そんな……尊敬だなんてぇ」

花陽「花陽はそんな大した存在じゃ」

弥生「いえ、アイドルへの誰にも負けない情熱と真剣さ」

弥生「とても凄いと思います」

弥生「それに……部長としても!」

弥生「いい加減な新入部員達をバッサリ切り捨てたのは、大英断だと思います!」

弥生「とても優しい方なのに、やるときはやるんだなって」

弥生「ホント花陽さんは強いですよ!」

花陽(ダレカタスケテエェェ)

342 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:43:45.29 ID:QuTG4HLB.net
弥生「でも、ファンとして、本人とお話出来て」

弥生「とても光栄です!」(ニッコリ)

花陽「……」

花陽(ワナワナ)

弥生「どうかしました?」

花陽「ゴメンナサイ」(ペコリ)

弥生「?」

花陽「花陽は、あなた達を認めていなかった」

花陽「あからさまにファンに媚びるパフォーマンスをして何て、と」

花陽「正直……バカにしてた」

弥生「……」

花陽「でも、今……弥生ちゃんに会えて」

花陽「その話と人柄に触れて」

花陽「負けるべくして負けたんだと、思い知らされたよ」

弥生「花陽さん……」

花陽「私は、花陽は……表際の姿やスタイルだけしか見ないで」

花陽「本当のあなた達を……アイドルとしてのあなた達の真価を」

花陽「見ていなかった……見ようともしなかった」

弥生「……」

花陽「だから、私は……あなた達の尊敬に値する人間なんかじゃない」

花陽「今ここで嘲笑されても、文句は言えないよ」

343 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:45:34.67 ID:QuTG4HLB.net
花陽「前にも仲間達に言ったけど、こんな自分を……殴ってやりたいよ」

弥生「そんな」

花陽(スック)

花陽「本当に……ゴメンナサイ!」(ペコリ)

弥生「は、花陽さん!顔を上げて下さい」(ガタッ)

弥生「私は、恨んで何かいません」

弥生「私だって、今のやり方が本当に正しいのか、時々迷いますし」

弥生「それに……予選でのあなた達のパフォーマンスを見て」

弥生「これで落ちるのは、本当におかしいと思ってるんです」

弥生「きっと運が無かっただけです」

弥生「次当たれば、今度負けるのは、私達かも知れない」

弥生「こんなんで、花陽さん達のやって来た事が、損なわれるわけがありません」

弥生「だから、泣くのはもう止めて……ね?」

花陽「うぅっ……グスッ……優しいんだね」

344 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:47:16.04 ID:QuTG4HLB.net
秋葉原

花陽「今日は情け無い所ばかり見せてしまったねぇ」

花陽「埋め合わせは必ずするよ」

弥生「いえ、こちらこそ」

弥生「生の花陽さんに触れられて、とても勉強になりました!」

弥生「今日はありがとうございます!」(ペコリ)

花陽「ホント良い娘なんだねぇ」(ジーン)

弥生「そう言えば、ツバサさんから良く聞かされるんですが」

弥生「花陽さん達にアイドル魂叩き込んだ、凄い師匠がいらっしゃるとか」

花陽「あっ……」

花陽「にこちゃんだね」

弥生「何でも、あの高坂穂乃果さんを、いきなり襲撃したり」

弥生「リーダーから引きずり降ろそうとしたり」

弥生「やる気を無くしそうになると……二度に渡って制裁を加えようとしたり」

弥生「かなりおっかない先輩だと聞きましたが」

花陽「うぇ?あ、あぁ……」

花陽「大体、合ってるよ?それ」(苦笑)

345 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:48:39.95 ID:QuTG4HLB.net
花陽「あぁ、そうだ。弥生ちゃん」

弥生「はい」

花陽「こんな事、言えた義理じゃないんだけど」

花陽「もしも……もしもだよ?」

花陽「第4回……次のラブライブが開催されたら」

花陽「また一緒に……同じ舞台で踊りたいなぁ〜って」

弥生「!」

弥生「はい!こちらこそお願いします!」

花陽「ただし、今度は」

花陽「私達が勝ちます」

花陽「弥生ちゃん達に尊敬されるだけの、意地と根性を見せないと」

花陽「さすがに全国のスクールアイドルに、示しがつかないからね」

弥生「うわぁ……」(パアァ)

弥生「はいっ!その勝負、喜んで受けさせてもらいます!」

弥生「一緒に頑張って、最高のライブをしましょう!」

弥生「それでは、私はこれで」

(タッタッタッタッ)

346 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:49:40.64 ID:QuTG4HLB.net
花陽「……」

花陽「うあぁぁ〜どうしよう」

花陽「私ぃ……大きい事言っちゃったよぉ」(ポロポロ)

花陽「こんな暴挙しでかして、もしまた負けでもしたら」

花陽「恥ずかしくて……表歩けなくなるよぉ」(ポロポロ)

花陽「なんだろう……私、穂乃果ちゃんに似てきたのかなぁ」

花陽「それとも、にこちゃんに?」

花陽「うぅ……グスッ」

花陽「ダレカタスケテエェェー ><」

347 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:51:05.60 ID:QuTG4HLB.net
数日後

音ノ木坂女学院

アイドル研究部

(ガチャッ)

花陽「みなさん!大変です!!」

花陽「な、何と……ラブライブが……ラブライブがぁ」

花陽「またしても開催されると!!」

一同「……」

真姫「知ってる」

凛「今告知見たよ」(PC)

花陽「うぇ?」

花陽「は、はぁ」(椅子ガタッ)

亜里沙「でも、これでまた、再チャレンジ出来る」

亜里沙「本当に良かったですね」

雪穂「お姉ちゃん達も、すぐ来るって」(スマホ)

348 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:52:57.63 ID:QuTG4HLB.net
(ガチャッ)

穂乃果「みんな〜おっまたせぇ〜」

穂乃果「いよいよだね?ラブライブ!」

海未「本当はもう開催されないんじゃないかと心配でしたが」

海未「この前の雪辱……遂に果たす時が来ました」

ことり「みんな、頑張ろうね♪」

一同「うわぁ……」

一同「はいっ!」

海未(コホン)

海未「で、それに合わして……なんですけど」(チラッ)

穂乃果「うんっ!」

穂乃果「これからラブライブ終わるまで」

穂乃果「私達もずっと、みんなと一緒にやる事にしたんだ!」

一同「!?」

一同「えぇ〜っ!?」

ことり「その間生徒会は、ヒデコちゃん達が代行してくれるって」

雪穂「お姉ちゃんさ。ヒデコ先輩達に頼り過ぎじゃない?」

真姫「これじゃ乗っ取られても、文句言えないわよ」(髪クルクル)

凛「あ〜っ、真姫ちゃんだってぇ」

凛「ついさっきまで、穂乃果ちゃん達いつ来るのかって、やきもきしてたクセにぃ」(ニタァ)

真姫「イワナイデ」(赤面)

349 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:54:14.93 ID:QuTG4HLB.net
真姫「で?どうすんの?花陽」

雪穂「花陽先輩」

花陽「うぇ?」

花陽「わぁ……私!?」

凛「もうっ、かよちん!」

凛「かよちん部長なんだよ!?」

花陽「うぇ?あ、あぁ……そうだったね」

花陽「穂乃果ちゃん。みなさん」

花陽「こちらこそお願いします」

花陽「次のラブライブ。今度こそ全員一丸でいかないと」

花陽「絶対勝てません」

花陽「みんなの力を今一度合わせて、必ず優勝しましょう!」

穂乃果「よ〜し、決まりだ!」

海未「みなさん、全力で行きましょう!」

ことり「悔いのない様に、ね?」

一同「お〜っ!」

350 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:56:25.27 ID:QuTG4HLB.net
凛「いやぁ〜、でもこれで安心にゃあ」

凛「じゃあ、リーダーは再び穂乃果ちゃんに」

真姫「凛っ!あ・な・た・ねぇ」(ガタッ)

凛「!?」

真姫「まだそんな往生際の悪い事を!!」(ガタタッ)

凛「ヒイィィ……」

真姫「良い?もし本当にリーダー降りたりしたら」(ズイッ)

真姫「あなた一生軽蔑するわよ!?」(ギロッ)

凛「真姫ちゃん怖いにゃあ」(冷や汗)

ことり(苦笑)

雪穂「大丈夫です。凛先輩なら出来ますよ」

雪穂「お姉ちゃんでさえ務まったんだから」

雪穂「ね?亜里沙」

亜里沙「はいっ!凛先輩なら大丈夫です」

穂乃果「ゆーきほー」(ジト目)

海未「前にも言いましたが、これからは二年生が主役」

ことり「私達は全力で支えるから」

ことり「心配しなくていいから、ね?」

凛「う、うん……」

花陽「大丈夫、凛ちゃんなら出来るよ」(手ギュッ)

花陽「凛ちゃん。花陽がミューズに加わる時、色々勇気づけてくれたでしょ?」

花陽「今度は花陽が、凛ちゃんを元気づけてあげるからね?」

351 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 00:57:41.94 ID:QuTG4HLB.net
真姫「そん時私も居たんですけど」(ジト目)

花陽「うぇ?も、もちろん、真姫ちゃんもだよ」

凛「……」

凛「分かったにゃ!」

凛「こうなったら、凛がみんなをラブライブに連れて行く!」

凛「再び本戦の舞台に立って、お客さんをいっぱい盛り上げよう!」

一同「おぉ〜っ」

海未「凛もリーダーらしくなって来ましたね」

凛「よ〜し、早速明日からがんっばるにゃあ〜!」

真姫「だから今日から!!」

凛「えぇ〜!?」

352 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 01:03:09.44 ID:QuTG4HLB.net
屋上

雪穂「よ〜し、ストレッチはここまで、と」

雪穂「じゃ、振り付けのチェックだ」

亜里沙「その前に、筋トレでしょ?」

雪穂「そうだったね」



(スタスタスタスタ)

穂乃果「ゆ〜きほ、亜里沙ちゃん」(スタスタ)

穂乃果「はかどってる?」

雪穂「あ……お姉ちゃん」

雪穂「後で教えてもらいたい所があるんだけどさ」

穂乃果「良いよ。けどその前に」

穂乃果「実はまた、合宿に行く事になってね」

雪穂「合宿?」

亜里沙「もうじき夏休みも終わるのに?」

353 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 01:07:29.67 ID:QuTG4HLB.net
穂乃果「私たちが離れてから、ずいぶん日が経つし」

穂乃果「次回優勝目指すためには、どうしても必要だってね」

穂乃果「ついさっき、みんなで決めたんだ」

ゆきあり「……」

雪穂「そっかあ」

雪穂「じゃあ、二学期までは、私と亜里沙だけになるんだね。アイドル研」

亜里沙「気を付けて行って下さい」(ペコリ)

穂乃果「何……言ってるの?」

ゆきあり「?」

354 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 01:09:54.52 ID:QuTG4HLB.net
穂乃果「雪穂と亜里沙ちゃんも、一緒に行くんだよ」

穂乃果「同じアイドルグループじゃんか」

ゆきあり「!!」

雪穂「ぶぁっ……ぶぁっ!?」

雪穂「いきなり何言ってんのさ!?」

亜里沙「ハラショー」(冷や汗)

355 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 01:14:55.75 ID:QuTG4HLB.net
雪穂「お姉ちゃん、言ったよね?私と亜里沙は、ミューズには入らないって」

穂乃果「聞いたよ」

雪穂「お姉ちゃん達とは別々にやって行くって」

穂乃果「知ってるよ」

雪穂「じゃあ、何で私たちも一緒に?」

穂乃果「でもそれじゃ、ラブライブに出られないじゃないか。雪穂達」

雪穂「ぶぁっ?」

穂乃果「知ってるでしょ?ラブライブにエントリー出来るのは、一校から1グループまで」

穂乃果「私たちが出ると、雪穂と亜里沙ちゃんは出られない」

穂乃果「出たいでしょ?ラブライブ」

356 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 01:19:22.08 ID:QuTG4HLB.net
雪穂「いやいやいやいや、私達、まだ一年だし」

穂乃果「真姫ちゃん達は、一年の一学期からミューズに参加して」

穂乃果「ラブライブ目指したんだよ?」

雪穂「まだまだ私達、未熟だし」

雪穂「ね?亜里沙」

亜里沙「う、うん」

穂乃果「そんな事言ったら、穂乃果なんか、ズブの素人だったじゃんか」

雪穂「……」

雪穂「私なんかじゃ、参加したって……足を引っ張るに決まってる」

亜里沙「雪穂。そんな言い方は」

357 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 01:25:04.21 ID:QuTG4HLB.net
穂乃果「大丈夫だよ。みんなでしっかり教えるから」

穂乃果「ね?」(手)

雪穂「……」(ワナワナ)

穂乃果「雪穂?」

亜里沙「雪穂」




雪穂「ゴメン、お姉ちゃん!」(ガバッ)

雪穂「やっぱその話は無しでえぇぇぇっ」(バビュウゥゥゥゥゥン)

穂乃果「うえぇ〜!?」

亜里沙「雪穂!?」

雪穂(ダッダッダッダッ)

(ガチャッ)

(バタンッ)




ほのあり(ポカーン)

穂乃果「むぅ〜っ、これは手こずりそうだ」




今夜はここまで

358 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 01:33:18.80 ID:OGeDgXF4.net


359 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 01:54:06.53 ID:5w121tVe.net
おつおつ

360 :名無しで叶える物語(関東・甲信越)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 08:45:05.36 ID:bSakcAV9.net
保守

361 :名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 14:41:57.29 ID:qnR7PFXo.net
なんかアニメみてるようだ

362 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 19:06:38.27 ID:EUGyGH2l.net
熱い展開だな
乙!です

363 :名無しで叶える物語(九州地方)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 20:02:14.63 ID:l5dZE55x.net
もっと!もっと続きが欲しいのん!

364 :名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/:2016/03/04(金) 21:46:38.28 ID:I7mJojLP.net
期待してるよ〜

365 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 02:16:36.08 ID:yNmXOmti.net
待ってる

366 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:22:47.05 ID:g4k2H3vb.net
再開

部室



雪穂「……」(ムスッ)

亜里沙「雪穂」

花陽「雪穂ちゃん」




雪穂「行かない」

海未「ラブライブに出るには、みんなの力が必要なのです」

ことり「雪穂ちゃん」

367 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:27:43.80 ID:g4k2H3vb.net
雪穂「私が出ても、足手まといになるだけだよ」

雪穂「お姉ちゃんみたいに、カリスマがあるわけじゃないし」

雪穂「あら★いずみたいに天才じゃないし」

穂乃果「もぉ〜っ、雪穂!」

穂乃果「みんな1つじゃないと勝てないって言ったのは、雪穂じゃないかあ」

雪穂「……」

雪穂「そりゃ、そうだけど」

真姫「あなた達のパフォーマンス、いつも見ていたけど」

真姫「私達と、そう遜色ないわ」

凛「みんなで練習した方が、ずっとずっと上達するよ」

ことり「ね?」

雪穂「……」

368 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:30:49.69 ID:g4k2H3vb.net
雪穂「やっぱ、行かない」

雪穂「自信ないもん」

亜里沙「雪穂!」

穂乃果「もぉ〜っ、雪穂の意気地なし!」

ことり「待って、穂乃果ちゃん」

ことり(実はね?)ヒソヒソ




雪穂(ムスッ)

ことり「雪穂ちゃん」

ことり「これ見てみて」(紙袋)

369 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:33:52.50 ID:g4k2H3vb.net
雪穂「これは……?」(紙袋)

ことり「開けてみて」

雪穂「?」(紙袋ガサゴソ)

雪穂「!」

雪穂「新しい練習着……!」

ことり「亜里沙ちゃんのもあるよ」(亜里沙)

亜里沙(紙袋ガサゴソ)

亜里沙「ハラショー」(練習着)

ことり「気に入ってくれた?」

370 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:36:27.16 ID:g4k2H3vb.net
ことり「2人のステージ衣装も考えてみたんだ」(イラスト)

ゆきあり「うわあ……可愛い」(イラスト)

雪穂「ことり姉……これ本当に作ってくれるの?」

ことり「うんっ♪」

雪穂「……」

371 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:41:21.98 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「あ〜、見てみたいなあ。雪穂の晴れ姿」(チラッ)

海未「そうですね」

海未「これは今までの、ことりの最高傑作ですっ。はいっ」(ニッコリ)

真姫「全く、私達が欲しいくらいだわ」(髪クルクル)

凛「こんな可愛い衣装着てライブしたら」

凛「ファンがいっぱいつくにゃあ♪」

凛「ね?かよちん」

花陽「うん。そうだね」

花陽「きっと雪穂ちゃん達に、似合うと思うよ」

ゆきあり「……」

372 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:45:04.94 ID:g4k2H3vb.net
亜里沙「雪穂」

亜里沙「私……これ着て踊ってみたい」

亜里沙「雪穂と……みんなと一緒に」

亜里沙「雪穂だってそうでしょ?」

雪穂「……」




穂乃果「雪穂」

ことり「雪穂ちゃん」




雪穂「……」

雪穂「分かった。行くよ」

雪穂「みんなと一緒にやる」

雪穂「けど……上手く出来なかったら、ちゃんと教えてよ?」

一同「うわぁ……」(パアァ)

373 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:49:13.04 ID:g4k2H3vb.net
海未「はいっ。もちろんです」

真姫「まあ、それほど差があるとは思えないけど」

真姫「合宿中に全体ライブが出来るくらいには持ってかないとね」

花陽「雪穂ちゃん。亜里沙ちゃん」

花陽「アイドル始めたころは、花陽の方がもっとひどかったから」

花陽「2人なら、すぐに覚えられる」

花陽「だから心配はいらないよ」

穂乃果「そうだよ!」

穂乃果「これだけ仲間がいるんだから」

374 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:54:53.76 ID:g4k2H3vb.net
凛「エヘヘ♪」(ゆきあり抱きっ)

ゆきあり「!?」

ゆきあり「はいっ!」

ゆきあり「よろしくお願いします!」



穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「うんっ」

花陽「みなさん。新生アイドル研、いよいよスタートです」

花陽「目指すはラブライブ」

花陽「必ず出場して……必ず優勝しましょう!」

花陽「凛ちゃん」

凛「うんっ」

凛「よぉ〜し、明日から、がんっばるにゃあ〜 ><」

一同「お〜っ!」

真姫「ダメ!今日からよ!」

一同「えぇ〜!?」

375 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:57:22.10 ID:g4k2H3vb.net
音ノ木坂女学院アイドル研究部

合宿

とある離島

(ザザーン ザザーン)

真姫「……」

『真姫?この前の話なんだけど』

『合宿から帰ってきたら、一目会ってみたらどうかしら?』

『無論、話を急いでるわけじゃないの』

『けど……こう言うのは、早めに相性とか確かめといた方が良いでしょ?』

真姫(将来を嘱望された新米医師、か)

真姫「ハァ……」

???(フッフッフ)

???(ソロリソロリ)

???(胸ガシッ)

真姫「う゛えぇ!?」(ビクッ)

???「う〜ん、これは」

???「順調に発育してるみたいやね」(モミモミ)

真姫「あ・な・た・ねぇ!」(ワナワナ)

376 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 03:59:50.03 ID:g4k2H3vb.net
希「ふふ」

真姫「むぅ……」

真姫「これはアイドル研究部の合宿なんですけど」(ジト目)

希「そう邪険に扱わんでも」

希「それに、ウチはウチなりに、大学スピリチュアル研の研究旅行」

希「真面目にやってるつもりなんよ」

真姫「そうは見えないけど?」

希「せやねぇ……例えば」

希「今みんなで楽しくバーベキューやってんのに」

希「誰かさん1人だけ、黙って海にたたずんでるとか」

希「十分興味の対象になるやん」

真姫「……」

真姫「あなたには関係の無い事よ」(プイッ)

希「……」

希「これは、あの時の真姫ちゃんやね?」

希「ええよ。ウチ、めんどくさいの大好きだから」

希「ふふ」

真姫「むぅ……」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


377 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:01:47.13 ID:g4k2H3vb.net
真姫「話した所で、あなたに何が出来るの?」

真姫「私の肩代わりが出来るのかしら?」

希「多分、無理やろうね」

真姫「だったら……」

希「せやけど、真姫ちゃんの気持ちなら、言い当てる事が出来る」

希「占いってな?所詮、当たるも八卦当たらぬも八卦なんよ」

希「診断を欲しがる人って、実は九割以上、自分で結論を出している」

希「ウチはただ……その後押しをしてあげるだけやん」

真姫「興味深い話ね?」

真姫「けど」

希「今の真姫ちゃんに何の関係があるのか、やね?」

真姫「むぅ……」

希「ただの無駄話に過ぎんよ?」

希「これと言って意味はない」

希「ただ、真姫ちゃんが、下らないなら下らないなりに、胸の片隅に挟んで置いてくれれば
それで良い」

希「いざという時の、常備薬みたいな物やん?」

希「ふふ」

378 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:04:02.71 ID:g4k2H3vb.net
真姫「相変わらず回りくどい言い方するのね」

真姫「結局、何が言いたいわけ?」

真姫「あなたの目的は、一体何なのよ!?」

希「真姫ちゃん。決めるまでまだまだ時間はある」

希「あせる必要はない」

希「せやけど……最後は自分で考えて、自分で決めるのが一番」

希「真姫ちゃんの才能なら、どっちに転んでも、かならず大成する」

希「だから……一番大切な所、人任せにしないようにね?」

希「ウチが言いたいのは、これだけなんよ」

真姫「……」

真姫「何それ、意味分かんない」

真姫「本当下らない話ね」

希「だから先に断ったやん?」

希「下らないなりに、って」

真姫「むぅ……」

真姫「下らない話聞かせてもらってありがとう」

真姫「もう戻るわ」(スタスタ)

希「……」

真姫「むぅ……」

真姫(クルッ)

真姫「バーベキュー終わっちゃうから、早く来なさいよね」

(スタスタ)

希「ほんに、にこっちと同じで、意地っ張りやね」

希「ふふ」

379 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:06:04.86 ID:g4k2H3vb.net


西木野家別荘

テラス

真姫「……」(天体望遠鏡)

『それだけ恵まれてて、何が不満なのよ!?』

『そう……金持ちは金持ちなりに、悩むものなのね』

『そんなあんたが正直、重荷になってんのよ!!』

真姫「……」(ポロッ)

真姫(ゴシゴシ)

???「ま〜きちゃん♪」

真姫「う゛えぇ!?」

???「まだ起きてたんだね」

真姫「むぅ……あなたこそ」

真姫「騒ぐだけ騒いで、真っ先に寝てたくせに」(ジト目)

???「言われてみればそうだったよね」

???「エヘヘ♪」

真姫「……」

380 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:08:37.60 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「天体観測?」

真姫「そうよ」

穂乃果「見ても良い?」

真姫「どうぞ」

穂乃果「おおっ!土星の環がくっきりと!!」(天体望遠鏡)

穂乃果「教科書と同じだ」

穂乃果「この辺りが白くなってる。はっきり分かるんだね」(天体望遠鏡)

真姫「そんなに驚く事かしら?」(髪クルクル)

穂乃果「でもね、真姫ちゃん」

穂乃果「このレンズ……何か濡れてるね」

真姫「!?」

穂乃果「これに目を当てた人……どんな気持ちで星を眺めてたんだろうね」

真姫(ギリッ)

真姫「それがわざわざ眠い目こすって」

真姫「ここに上ってきた目的?」(ジト目)

穂乃果「エヘヘ……バレたか」

真姫「希もそうだったけど……そう言うの、本当迷惑なんですけど」

穂乃果「……」

381 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:10:31.19 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「ねぇ、真姫ちゃん」

穂乃果「幸い、年内にラブライブ開催される事になったけど」

穂乃果「私達三年に取って、次の第4回が、多分最後になる」

穂乃果「真姫ちゃん達とこうして合宿出来るのも、これが最後」

真姫「……」

穂乃果「ミューズは先輩後輩禁止だけど、三年に上がってさ。やっぱ思うよ」

穂乃果「先輩って大変だ、って」

穂乃果「絵里ちゃんや希ちゃん」

穂乃果「にこちゃん達って、やっぱ凄いんだなぁ、って」

真姫「……」

穂乃果「だからさ、穂乃果だって、今くらい先輩らしい事しなきゃいけないと思うんだ」

真姫「?」

穂乃果「にこちゃんの事だよね?」

真姫「……」

穂乃果「にこちゃんが何を思ってそう言ったのか。穂乃果も良く分からないけど」

穂乃果「お互い……逃げるのは良くないんじゃないかな」

382 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:12:02.20 ID:g4k2H3vb.net
真姫(ギリッ)

真姫「何ですってぇ!?」

真姫「私のどこが逃げてんのよ!?」

穂乃果「……」

穂乃果「にこちゃん、きっと、自分のアイドル活動に、真姫ちゃん巻き込みたくないから」

穂乃果「あんな冷たい態度取ってるんだよね」

真姫(ギリッ)

穂乃果「分かるよ……穂乃果だって」

穂乃果「あの雨の日、屋上でライブ強行した為に」

穂乃果「結局倒れちゃって……その間、ことりちゃんが留学の件であんなに悩んでたの」

穂乃果「全然気付いてあげられなかったもん」

真姫「……」

383 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:13:49.40 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「よ〜し、決めた!」

穂乃果「次のラブライブ、必ず優勝して」

穂乃果「そん時にこちゃんを、必ず真姫ちゃんの所に連れてくるよ!」

真姫「?」

真姫「ヴェ?」

真姫「ヴエェェェ!?」

穂乃果「その時に真姫ちゃん。にこちゃんに言いたい事をぶつけてやれば良い!」

穂乃果「にこちゃんも、私達が見事優勝すれば、話を聞かざるをえなくなる!」

穂乃果「うんっ。我ながらこれは名案だ!」

真姫「ちょっ……余計な事」

穂乃果「腹を決めたら安心して、何だか眠くなって来たよ」

穂乃果「じゃ、私、下降りてるから」

(カンカンカン……)

真姫「むぅ……」

真姫「誰もそんな事頼んでないのにぃ」

384 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:14:18.87 ID:g4k2H3vb.net
9月

第4回 ラブライブ

第一次予選会場

(ザワザワ)

一同「……」

真姫「凄い人だかりね」

凛「……」

雪穂「……」

亜里沙「……」

穂乃果「……」

海未「……」

ことり「……」

385 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:16:08.84 ID:g4k2H3vb.net
海未「ですが……そのぅ」

海未「本当に……こんな格好しなきゃいけないんですか?」(モジモジ)

穂乃果「もうっ、海未ちゃん!」

穂乃果「こうするってみんなで決めたでしょ!?」

海未「うぅ……もう9月なんですよ?」

穂乃果「まだ9月だよ!」

穂乃果「ね?花陽ちゃん」

花陽「はいっ」

花陽「だからこそ、今回は全員ビキニで勝負に出ます」

花陽「アイドルの使命はお客さんを喜ばせる事」

花陽「その原点に戻り、つまらぬこだわりやスタイルは捨てる」

花陽「今までのミューズの殻を自ら打ち破らない限り」

花陽「これ以上の進歩は望めませんから」

一同「……」

海未「ビキニは夏色でやったからもう良いじゃないですか」

穂乃果「もうっ、海未ちゃん!ホント往生際悪いんだから!!」

386 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:17:43.05 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「ラブライブ優勝した時、人前で踊るの癖になったって言ったの海未ちゃんでしょ!?」

海未「あの時は……こんなに肌は露出してませんでしたし」

穂乃果「むぅ……」

穂乃果「あ、海未ちゃん最近、良く食べてたからねぇ〜」

穂乃果「あ、そうか。スタイル自信なくなったから水着イヤなんだぁ〜」(ニタァ)

海未「んなっ!?」

海未「や、やりますよ!やりますとも!!」

海未「さあみんな。もうじき私達の番ですよ!?」

海未「今度こそ突破して、私達の実力を認めてもらうのですから!」(スタスタ)

穂乃果(作戦成功♪)

387 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:19:11.69 ID:g4k2H3vb.net
一週間後

音ノ木坂女学院

アイドル研究部

一同(ドキドキ)

花陽「……」

凛「……」

真姫「……」

雪穂「……」

亜里沙「……」

穂乃果「……」

海未「……」

ことり「……」

花陽「さて、いよいよ今日、第一次予選の結果発表なのですが」

凛「緊張するにゃあ」

真姫「まだ第一次予選よ?」

凛「真姫ちゃんだって足震えてるくせに」

真姫「イワナイデ///」

雪穂「大丈夫だよ」

雪穂「多分……」

亜里沙「いえ、絶対突破してますよ!」

穂乃果「……」

海未「やっぱ水着は、過激過ぎたんじゃないかと」

穂乃果「うーみちゃん」(ジト目)

ことり「……」

388 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:20:57.11 ID:g4k2H3vb.net
ことり「花陽ちゃん。そろそろ」

花陽「わぁ……私?」

凛「かよちん!何度も言うけど」

凛「かよちん部長なんだよ!?」

花陽「そ、そうでした。スミマセン」

花陽「では……」(PC)



『第4回ラブライブ公式ホームページ』

『第一次予選 東京地区 結果発表』



花陽(カタカタ、カチッ)

花陽「……」

一同(ドキドキ)

花陽「第4回ラブライブ。第一次予選 東京地区大会」

花陽「今回も上位5組までが入選となってます」

一同「……」

花陽「では、行きます」(カタカタ、カチッ)

花陽「第一位 UTX学園アイドルユニット あら★いず」

一同「……」

真姫「まぁ、仕方ないわね」

雪穂「まさかの浴衣でぶつけて来たからね」

亜里沙「お客さんも大盛り上がりだったからね」

一同「……」

389 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:21:47.90 ID:g4k2H3vb.net
花陽「では……第二位」(カタカタ、カチッ)

一同「うぅ……」(ビクビク)

花陽「……」

花陽「!?」

花陽(ワナワナ)

真姫「花陽?」

凛「かよちん?」

雪穂「花陽先輩?」

亜里沙「どうしたのですか?」

海未「まさか」

ことり「お、落ちたとか?」

穂乃果「……」

穂乃果「花陽ちゃん」

穂乃果「とにかく結果だけでも言おう。ね?」

390 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:22:54.33 ID:g4k2H3vb.net
花陽「みなさん、落ち着いて聞いて下さい」

一同「……」

花陽「第一次予選突破 第二位は」

花陽「第二位は……第二位はぁ……」

花陽「ハァ……ハァ……」(脂汗)

凛「かよちん!」

雪穂「花陽先輩!」

亜里沙「頑張って下さい!」

ことり「花陽ちゃん。とりあえず深呼吸しよ?」

花陽「スゥ……ハァ……スゥ……ハァ……」

海未「落ち着きましたか?」

花陽「は、はぃ……スミマセン」

花陽「それでは、改めて」(PC)

391 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:24:17.99 ID:g4k2H3vb.net
花陽「予選突破第二位は」

一同「うぅ……」(ビクビク)

花陽「音ノ木坂女学院アイドル研究部」

花陽「私達です!」

一同「……」

一同「えっ?」

一同「えぇ〜っ!?」

雪穂「本当にぃ!?」

亜里沙「私達、入選したんですか!?」

ことり「そうみたいだね」

海未「ほら、見なさい」

海未「私達が団結すれば、まだまだやれるのです」

穂乃果「海未ちゃんあれだけ水着渋ってたくせに」(ジト目)

凛「かよちん。本当だよね?」

凛「夢じゃないよね……イタタタ」

真姫「これが夢に思える?」(頬ツネリツネリ)

凛「真姫ちゃんつねらないでぇ」(涙目)

392 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:26:24.11 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「花陽ちゃん。おめでとう」

花陽「はいっ。ありがとうございます!」

花陽「これも穂乃果ちゃん達が、協力してくれたお陰です」

穂乃果「そんな事ないよ」

穂乃果「花陽ちゃん達の力だよ」

凛「そうだよ」

凛「かよちん、もう立派な部長さんだにゃあ」

真姫「その内にこちゃんみたいに、寒いパフォーマンスとか強要しないでよね?」(髪クルクル)

凛「でもこれで安泰にゃ!」

穂乃果「凛ちゃんも、私達をまとめて率先してライブに当たってたし」

海未「そうですね」

海未「穂乃果よりも、よっぽどリーダーらしかったですよ」

穂乃果「もうっ、海未ちゃん!」

ことり(苦笑)

海未「雪穂達も、前よりも更に見違えましたね」

海未「ミューズ時代の9人と比べても、もう全く見劣りしません」

雪穂「この前の敗退悔しかったから」

雪穂「結構頑張ったからね」

雪穂「ね?亜里沙」

亜里沙「うんっ!」

393 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:27:02.59 ID:g4k2H3vb.net
(キンコンカンコーン)

ヒデコ『本日、我が音ノ木坂女学院アイドル研究部が』

ヒデコ『第4回ラブライブ第一次予選を、見事突破しました』

(ザワザワ)

(キャアーヤッタァー!)

一同「!」

穂乃果「さすがヒデコちゃん達だ」

穂乃果「よ〜し、理事長に報告だ!」

一同「お〜っ!」

394 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:28:39.49 ID:g4k2H3vb.net
理事長室

理事長「さっき放送で聞きました」

理事長「本当に良く頑張りましたね。おめでとう」

一同「はいっ。ありがとうございます!」

理事長「それで……なんだけど」

一同「?」

理事長「穂乃果さん。正直言って」

理事長「アイドルグループと生徒会長の兼務は、難しいんじゃないのかしら」

穂乃果「!?」

穂乃果「うえぇ〜!?」

理事長「確かに、昨年度は絢瀬絵里さんが」

理事長「そしてその後、彼女を引き継いだあなたは立派に務めを果たしてくれたわ」

理事長「けどあの時は、廃校危機と言う非常時だったし」

理事長「絵里さんが穂乃果さんにバトンタッチしたのも、まだあなたが二年生だったからでしょ?」

穂乃果「……」

395 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:29:52.71 ID:g4k2H3vb.net
理事長「それにそろそろ、生徒会も役員選任の時期だし」

理事長「あなた達三年も、受験を控えているしね」

穂乃果「受験っ!?」

ことり「ほのかちゃん?」

海未「まさか……忘れてたのですか?」

穂乃果「いやぁ……ラブライブの事で頭がいっぱいでぇ」

海未(ワナワナ)

ことり(苦笑)

理事長「現在、生徒会の執務は、ヒデコさん達が代行してくれていますが」

理事長「彼女達もやはり三年……いつまでも負担させる訳にもいきません」

理事長「そろそろ考えないと。今の内にね」

一同「……」

396 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:30:58.24 ID:g4k2H3vb.net
廊下

一同(カツカツカツカツ)

穂乃果「ハァ……すっかり忘れてたよ」

花陽「……」

凛「……」

真姫「……」

雪穂「……」

亜里沙「……」




海未「どうするのです?」

ことり「確かに
ヒデコちゃん達も進学するんだし」

ことり「そろそろ抜本的な決断をしないと」

一同(カツカツカツカツ)

穂乃果「……」

ことり「穂乃果ちゃん?」

397 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:33:06.55 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「よ〜し、そうだ!」

一同「!?」

穂乃果「それってぇ、後継者を決めるって事だよね!?」(クルッ)

海未「はぁ、まあ……そうですが」

穂乃果「じゃあ」(チラッ)

まきりんぱな(ビクッ)

花陽「ムリムリムリダレカタスケテェー」(ジタバタ)

凛「リーダーとの兼務何て」

凛「凛には出来ないよ!」(涙目)

真姫「お断りよ」(髪クルクル)

真姫「大体、私も」

真姫「来年医学部目指さなきゃならないんだから」

穂乃果「まだ何も言ってないよ」

ことり(苦笑)

398 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:34:49.82 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「じゃなくて!」

穂乃果「一年生なら、まだ時間もあるでしょ?」

穂乃果「ね?雪穂」

雪穂「!?」

雪穂「ぶぁ?ぶぁっ!?」

雪穂「お姉ちゃん。何言ってんのよ!?」

雪穂「出来るわけないじゃん!!」

海未「なるほど……雪穂が次期会長ですか」

海未「悪くない話ですね」

雪穂「海未姉まで!」

真姫「確かに、雪穂の方がしっかりしてそうだし」

真姫「私も良いアイデアだと思うわ」

雪穂「真姫先輩ぃ!」

凛「凛も賛成にゃ!」

ことり「私も、せっかくなら」

ことり「雪穂ちゃんに受け継いでもらいたいな」

ことり「私達の生徒会」

雪穂「……」

399 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:37:50.85 ID:g4k2H3vb.net
雪穂「部長!何か言ってやって下さいよ」

真姫「そうそう。あなたはどう思うわけ?」

凛「かよちん」

花陽「わぁ……私!?」

凛「かよちんさぁ……部長なんだよ?」

花陽「あ、あぁ……そうだったよね」

ことり(苦笑)

花陽「え、ええとぉ……」

一同(ジーッ)

花陽「う、受けても……良いんじゃないかなぁ」

穂乃果「じゃ、決まりだね」

凛「決定にゃ!」

ことり「ことりも応援してるから」

雪穂(ワナワナ)

亜里沙「雪穂?」

花陽「雪穂ちゃん?」

雪穂「無理だよ」(ボソッ)

雪穂「私には絶対無理だああぁぁ〜」

(ダッダッダッダッ)

花陽「ぴゃっ!?」

穂乃果「うえぇ〜!?」

海未「雪穂!?」

ことり「雪穂ちゃん!?」

一同「……」

一同「に、逃げられたぁ!?」

400 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:39:59.95 ID:g4k2H3vb.net
翌々日

部室

海未「結局……今日も雪穂は来ませんでしたね」

ことり「よほどショックだったみたいだね」

花陽「今まで一度も休んだ事なんてないのに」

一同「……」

凛「次の生徒総会で発表するんだよね?」

凛「いつ頃だっけ?」

亜里沙「確か……一週間後です」

凛「!?」

凛「じゃあ、早くしないと」

真姫「それよりも、最終予選まであとひと月よ」

真姫「もたもたしてると、雪穂だけ遅れを取るし」

真姫「他のライバルに追い抜かれるわ」

一同「……」

穂乃果「……」

海未「穂乃果。家ではどうなのです?」

穂乃果「それがさあ。部屋に閉じこもりきりで」

穂乃果「たまに顔合わせても、話もしてくれないんだ」

一同「……」

401 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:41:49.07 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「私が、悪かったのかなぁ」

一同「……」

海未「確かに、唐突過ぎだったかも知れません」

ことり「もう少し、時間をかけて説得した方が」

亜里沙「違います!」(ガタッ)

一同「!?」

真姫「亜里沙!?」

花陽「亜里沙ちゃん?」

亜里沙「雪穂は甘え過ぎです!」

亜里沙「確かにいきなり生徒会長やれと言われれば、誰だって戸惑います」

亜里沙「でも、イヤならイヤで、自分の口でハッキリと言うべきです!」

亜里沙「それすらしないで、ただ気まずいから逃げ隠れするなんて」

亜里沙「雪穂らしくありません。卑怯です!!」

亜里沙「分かりました」

亜里沙「私が雪穂をしょっぴいて来ます」(キッ)

穂乃果「あ、亜里沙ちゃん?」

花陽「余り……手荒な事は」

亜里沙「大丈夫です。私に任せて下さい」

亜里沙「どこに居るか、大体見当は付いていますから」

亜里沙「それでは行って来ます」(スック)

(ガチャッ)

(バタン)

402 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:43:22.57 ID:g4k2H3vb.net
私立UTX学園前




雪穂「……」

???(スタスタスタ)

???「あら、久し振りね」

雪穂「!?」

雪穂「あなたは……」

???「こんな所で待ち合わせ?」

雪穂「いえ……」

???「最近ろくに休みが取れなくてね」

???「今日やっと取れたんだけど」

雪穂「……」

雪穂「デビュー以来、大ブレイクですもんね」

???「そうねぇ」

???「……」

???「この前のラブライブ、残念だったわね」

雪穂「!」

ツバサ「本来なら、UTXのユニットを応援すべきなのは分かってるんだけど」

ツバサ「やっぱ、あなた達も気にかかっててね」

雪穂「……」

雪穂「そうですか」

雪穂「何か……お恥ずかしい、と言うべきか」

403 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:45:45.07 ID:g4k2H3vb.net
ツバサ「どうして?」

雪穂「どうして、って……」

雪穂「負けたからです」

ツバサ「そう」

ツバサ(クスッ)

雪穂「!?」

ツバサ「ごめんなさい。あなたも結構負けず嫌いな娘なのねえ」

ツバサ「そう言う所、やっぱ穂乃果の妹なのね」

雪穂「むぅ!」

雪穂「お姉ちゃんと比較しないで下さい!」

ツバサ「ふふ。これは失礼」

ツバサ「でもねえ、雪穂さん。あなたの持論に従うなら」

ツバサ「私は……あなた達の何倍恥ずかしがれば良いのかしら?」

雪穂「!」

雪穂「それは……」

404 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:47:46.63 ID:g4k2H3vb.net
ツバサ「普通に考えたら、最新鋭の設備と豊富な人材を擁したトップクラスの強豪校が」

ツバサ「廃校寸前の公立校に負ける訳がない」

ツバサ「逆から言えば、第2回ラブライブ最終予選で敗退したのは」

ツバサ「私達の怠慢?それとも油断?」

雪穂「それは……」

ツバサ「けどね、雪穂さん。私はあの敗北を恥だと思っていないわ」

ツバサ「無論勝ちたかったのは当たり前だし、悔しくないと言ったら嘘になる」

ツバサ「けどね……あの時の穂乃果達相手に勝つのは、多分何度やっても不可能」

ツバサ「だからこそ私は、アライズとして闘って、アライズとして敗れた」

ツバサ「その事実に一点の恥も無いわ」

雪穂「……」

405 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:49:15.01 ID:g4k2H3vb.net
雪穂「私達は……そのう」

雪穂「そこまで考えては……」

ツバサ「そう?」

ツバサ「けど、全力でぶつかったんでしょ?」

ツバサ「それとも違うのかしら?」

雪穂(キッ)

雪穂「いえ。全力で闘いました!」

雪穂「でも……やっぱり」

ツバサ「悔しいのね?」

雪穂「はい」

ツバサ「それで良いわ」

ツバサ「アイドルに勝ち負けは付き物。一度の敗退でいつまでもくよくよしていたら」

ツバサ「先には進めないもの」

雪穂「ええ」

ツバサ「……」

雪穂「どうかされたのですか?」

ツバサ「いえね……私達」

ツバサ「プロアイドルとしてデビューして、10年に一度の逸材とか言われてるけど」

ツバサ「正直ね。このままで良いのかしらとね」

雪穂「?」

406 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:51:14.82 ID:g4k2H3vb.net
ツバサ「いえ。私達は今の所順調よ?」

ツバサ「けどねえ……ねえ、あなた」

ツバサ「今の日本のアイドル業界って、どう思う?」

雪穂「それって……」

ツバサ「そう。プロアイドルよ」

ツバサ「このまま行けば、後三年もしたら」

ツバサ「私達がトップに立ってるかも知れない」

雪穂「……」

ツバサ「けどね。所詮アイドルは水物」

ツバサ「旬の時期は短いわ」

ツバサ「仮に私達の人気が衰えたら、多分日本のアイドル業界は一挙に衰える」

ツバサ「代わりになれる存在がいないのよ」

雪穂「……」

雪穂「そこまで考えてるのですか?」

ツバサ「そうねえ。本来なら」

ツバサ「有力なライバルが居れば、助かるんだけどねえ」

雪穂「ライバル?」

雪穂「何でですか?」

雪穂「私なら、むしろ独占体制の方が、楽だと思うんですけど」

407 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:53:04.90 ID:g4k2H3vb.net
ツバサ「そう思うでしょ?」

ツバサ「けどね……たった独りで、誰も居ない頂点に立ってみると」

ツバサ「結構……辛いものよ」

雪穂「!」

雪穂(ツバサさんがこんな顔をするなんて)

ツバサ「だからね雪穂さん。あなたのお姉さんが、スクールアイドルとして名乗りを上げてくれて」

ツバサ「本当に感謝してるのよ」

ツバサ「ミューズは強敵だったけど、だからこそ私達に取って、この上ない励みになってくれた」

ツバサ「彼女達が居たからこそ、私はここまで来れた」

雪穂「……」

ツバサ「約一名、プロとして私に対抗し得る娘がいるんだけど」

雪穂「居るんですか?」

ツバサ「これがかなり意地っ張りでねえ」

ツバサ「詰まらぬこだわりなんか、早く捨ててしまえば良いのに、なかなか表に現れてくれないのよ」(苦笑)

ツバサ「私としては、一日も早く、同じ舞台で競い合いたいと思ってるのに」

雪穂「……」

408 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:54:56.75 ID:g4k2H3vb.net
ツバサ「でも、あなたのお姉さんは、多分プロまではやりたがらないでしょうし」

雪穂「あっ……」

雪穂「ですよねぇ。あれはプロ向きじゃないや」(横目)

雪穂「基本追い込まれないと、いつまでたってもぐうたらなタイプですし」

ツバサ「お互い悩みは尽きないみたいね?」

ツバサ「ふふっ」

亜里沙「ゆーきほー」(タッタッタッタッ)

ツバサ「あら、あなたのお友達ね?」

ツバサ「ごめんなさい。引き留めてしまって」

ツバサ「しかも、愚痴まで聞いてもらって」

雪穂「いえ。おかげで自分の悩みがちっぽけなものだと分かりました」

雪穂「ありがとうございます」(ペコリ)

亜里沙「ハァ……ハァ……雪穂。探したよ」

亜里沙「みんな心配してる」

雪穂「うん、そうだよね。ゴメン」

雪穂「亜里沙、私決めたよ」

亜里沙「えっ?」

雪穂「とにかく、学校戻ろ?」

409 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 04:58:55.48 ID:g4k2H3vb.net
一週間後

音ノ木坂女学院

生徒総会

穂乃果「みなさまのお蔭をもちまして、私達生徒会も運営が軌道に乗り」(講壇)

穂乃果「来年以降のメドが立ちました!」

穂乃果「本当にありがとうございます!」

ことほのうみ(ペコリ)

(パチパチパチパチ)

穂乃果「そして、私達は、今日を持って、生徒会を引退させて頂きます!」 (講壇)

(エェェェェー!?)

穂乃果「ですが、ご心配なく!」

穂乃果「既に後任は決めています!」

穂乃果「私よりもずっとずっとしっかり者で」

穂乃果「とても頼りになる娘達です!」

ヒデコ『それでは、次期会長及び副会長に指名された、高坂雪穂さんと絢瀬亜里沙さん!』

ヒデコ『講壇へどうぞ!』

(パチパチパチパチ)

ゆきあり(カツカツカツカツ)

410 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:01:29.60 ID:g4k2H3vb.net
雪穂「みなさん初めまして。次期会長に指名された高坂雪穂です」(講壇)

雪穂「最初、私が後継者に据えられた時、正直戸惑い、逃げ腰になってしまいました」

雪穂「ですが、ここにいる亜里沙始め、アイドル研のみんなや、大勢の方々の励ましや応援に接して」

雪穂「この学校って、本当に愛されてるんだなって、改めて思いました!」

雪穂「ですから私、引き受けさせて頂きます!」

雪穂「絵里さんやお姉ちゃんみたいに、上手く出来るかまだ分からないけど
それでも全力でやらしてもらいます!」

(パチパチパチパチ)

雪穂「ですが、私が後を継ぐに当たって、1つだけ条件があります」(講壇)

雪穂「ここにいる絢瀬亜里沙が、私と一緒に副会長になる事」

雪穂「でなければ私、受けません!」

411 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:04:12.47 ID:g4k2H3vb.net
亜里沙「みなさん今日は。副会長に指名された絢瀬亜里沙です」(講壇)

亜里沙「私も、お姉ちゃん達みたいにちゃんと運営出来るか少し不安ですが」

亜里沙「ですが……雪穂となら、絶対に出来ます」

亜里沙「最後までやり遂げます!」

亜里沙「お姉ちゃんや穂乃果さん達が、体を張ってまで守ろうとしたこの学校の為に」

亜里沙「私も全力を尽くします!」

ゆきあり「どうかよろしくお願いします!」(ペコリ)

ヒデコ『それでは、賛成の方は温かい拍手を!』

(パチパチパチパチ)

(パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ)

ヒデコ『では、全会一致をもって、次期生徒会長及び副会長は、高坂雪穂さんと絢瀬亜里沙さんに決定しました』

ツバサ『今一度盛大な拍手をお願いします!』

(パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ)

ゆきあり(ペコリ)

412 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:06:10.92 ID:g4k2H3vb.net
舞台裏




一同「……」

穂乃果「いやぁ〜。一時はどうなるかと思ったけど」

ことり「本当、上手くまとまって良かったね?」

海未「全く……本来なら、雪穂を不安がらせないようにですね」

ことり「まあまあ、海未ちゃん。丸く収まったんだから」

真姫「でも、今回ばかりは本当ヒヤヒヤしたわ」

凛「ギリギリセーフだったもんね」

花陽「もし、今回の総会に間に合わなかったらと思うと」

真姫「そんな事になったら、生徒会の面目丸つぶれよ」

413 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:08:18.24 ID:g4k2H3vb.net
海未「でも、亜里沙の説得のお陰で雪穂も前向きになれましたし」

真姫「これで壁は1つクリアーかしら?」

花陽「……」

凛「かよちん?」

ことり「どうしたの?」

花陽「もうそろそろ手を付けなきゃ」

一同「?」

真姫「何?まだ課題があるわけ?」

花陽「穂乃果ちゃん。今年に入ってからすっかり忘れてたけど」

穂乃果「?」

花陽「ミューズ以来の伝統、守らないと」

穂乃果「伝統?」

花陽「私達はアイドル研と言う部活ですが」

花陽「それ以前に……アイドルグループなんです」

花陽「雪穂ちゃん達が加入してから、それをすっかり疎かにしてました」

一同「!」

穂乃果「うえぇ〜?しまったぁ!」

真姫「確かにそうだったわね」

ことり「良く良く考えてみたら、私達、全然その事に気付いて居なかったよ」

凛「これはまずいにゃあ」

海未「確かに……すっかり既成の枠組みが当たり前だと思い込んでました」

海未「ですが……雪穂はともかく」

ことり「亜里沙ちゃん。かなり戸惑いそうかもね?」

414 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:09:08.77 ID:g4k2H3vb.net
凛「どうする?かよちん」

花陽「とにかく、やらないと」

花陽「でないと……私達、これ以上の進歩は望めないから」

花陽「亜里沙ちゃんには少々、重い負担になるかも知れないけど」

花陽「これはアイドルとして、潜らねばならない関門だから」

415 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:10:02.75 ID:g4k2H3vb.net
翌日 音ノ木坂女学院

屋上





花陽「と、言う訳で」

花陽「今日から先輩後輩は禁止にします」

ゆきあり「!?」

ゆきあり「えぇ〜っ!?」

雪穂「マジで!?」

亜里沙「ハラショー」

416 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:11:55.75 ID:g4k2H3vb.net
花陽「私達はただの部活ではなくてアイドルグループ」

花陽「これはミューズ以来の方針だったんだけど」

ゆきあり「……」

真姫「てか、あなた達も知ってる筈なんだけど?」

穂乃果「そう言う訳で、これからはお互い対等のメンバーなんだから」

雪穂「お姉ちゃん」

穂乃果「雪穂。お姉ちゃんじゃなくて、穂乃果」

穂乃果「はい」

雪穂「……」

雪穂「ほ、穂乃果」

雪穂「プッ……クックックッ」

穂乃果「もうっ、何で笑うの!?」

雪穂「何かこう言うの、改めてやってみると、変な感じだよね」

凛「はい、亜里沙ちゃんも」

亜里沙「こ、ことり……ちゃん?」(オズオズ)

ことり「はいっ♪」

海未「まぁ、そう言う事で、これからもよろしく」

雪穂(ワナワナ)

一同「?」

雪穂「やっぱ私には……無理だああぁぁぁぁ」(ダッダッダッダッ……)

一同「ああっ!?」

一同「また、逃げたぁ!?」

417 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:13:40.24 ID:g4k2H3vb.net
部室




雪穂「……」

雪穂「ハァ……」

雪穂「私って……こんなに弱かったのかなぁ」

雪穂「……」

(ガララッ)

雪穂「!?」

雪穂「亜里沙」

雪穂「ゴメン……」

亜里沙(椅子ガタッ)

亜里沙「……」

雪穂「何か私、ダメだよね?」

雪穂「自分達でアイドルやるって決めて、ここに入ったのに」

雪穂「この位の事は……覚悟していた筈なのにさ」

雪穂「いざやってみると、これだもん」

亜里沙「……」

雪穂「考えてみたら、高校上がってから」

雪穂「私、良いところ無しだ」

雪穂「……」

亜里沙「……」

雪穂「亜里沙?」

418 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:14:50.64 ID:g4k2H3vb.net
亜里沙「そんな事ない!」(ガタッ)

雪穂「!?」

雪穂「亜里沙?」

亜里沙「雪穂は凄いよ。あれだけ大変な事に揉まれても、ちゃんと自分を見失ってない」

亜里沙「もし私、雪穂が居なかったら」

亜里沙「アイドル何か、とっくに挫折してる」

雪穂「……」

亜里沙「雪穂のお陰で私もここまでやれて来た」

亜里沙「ねぇ、雪穂」

亜里沙「雪穂は何だかんだ言って、穂乃果先輩達の事」

亜里沙「すっごく尊敬してるもんね?」

雪穂「……」

雪穂「まあね」

419 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:16:44.39 ID:g4k2H3vb.net
亜里沙「私だってそうだよ」

亜里沙「たった一年で廃校を阻止したのみならず」

亜里沙「全国トップにまで登り詰めるんだもん」

亜里沙「でもね。雪穂」

亜里沙「その一年前は、穂乃果先輩達って、どんな人だった?」

雪穂「ええっとぉ……」

雪穂「お姉ちゃんなら、いっつもぐうたらだったなぁ」(横目)

亜里沙「そうでしょ?みんなそうだと思うよ」

亜里沙「私達と変わらないよ」

亜里沙「だから……これからそうなれば良いんじゃないかな」

雪穂「……」

雪穂「これから、かあ」

亜里沙「雪穂だって、こんなんで諦めるつもりはないでしょ?」

雪穂「……」

雪穂「もちろん」

雪穂「ちょっと、逃げ腰になっちゃったけど」

雪穂「私だって、生半可な気持ちでアイドル始めたわけじゃない」

雪穂「そんないい加減な心で、亜里沙を誘った覚えもない」

420 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:18:48.90 ID:g4k2H3vb.net
亜里沙「分かってるよ」

亜里沙「雪穂なら出来る」

雪穂「……」

雪穂「良し、分かった」(スック)

雪穂「いつまでも情けない姿ばかり見せるわけにも行かないしね」

亜里沙「うんっ」(スック)

雪穂「良し、行こう!」




屋上

花陽「やっぱぁ、いきなり過ぎたのかなぁ」

真姫「そんな訳ないでしょ?」(髪クルクル)

真姫「むしろ遅過ぎたくらいよ」

凛「雪穂ちゃん。今頃どうしてるのかなあ」

海未「亜里沙が探しに行きましたから」

海未「心配ないとは思うのですが」

ことり「雪穂ちゃんって、あれで結構」

ことり「繊細な所あるからね」

穂乃果「子供の頃はね」

穂乃果「けど、大丈夫。必ず戻って来るよ」



(ガチャッ)

一同「!?」

421 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:20:49.28 ID:g4k2H3vb.net
ゆきあり「……」

花陽「あっ」

凛「雪穂ちゃん」

真姫「どこ行ってたのよ」

海未「心配しましたよ」

ことり「でも、戻って来てくれて良かったね」

ことり「ね?穂乃果ちゃん?」

穂乃果「そうだね」



雪穂「……」

穂乃果「雪……穂?」

雪穂「みなさん、ご迷惑おかけしました」(ペコリ)

雪穂「以後こんな事の無いように、いっそう気合い入れて行きます」

一同(ニッコリ)

雪穂「と、言うわけで、凛!」

凛「にゃあ!?」(ビクッ)

雪穂「さっそく練習!遅れを取り戻さないと」

凛「は、はいっ」

花陽「そ、そうだね」

真姫「何はりきってんのよ」

雪穂「花陽!真姫!しゃべってる暇無いわよ!!」

雪穂「最終予選。何としても突破するんだから」

花陽「ぴゃっ!?」

真姫「ヴエェ!?」

422 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:22:48.28 ID:g4k2H3vb.net
雪穂「ことり!次の衣装の原案、もう出来てるんでしょうね!?」

ことり「ひ、ひゃいっ!?」(ビクッ)

ことり「い、一応は」(冷や汗)

海未「すっかり元気になった様ですね」

雪穂「海未!」

海未「は、はいっ!?」(裏声)

雪穂「またあんな格好恥ずかしいとかだだこねたら」

雪穂「承知しないからね!?」

海未「わ、分かりましたぁ」(冷や汗)

穂乃果(苦笑)

雪穂「穂乃果!!」

穂乃果「うえぇ〜!?私もぉ〜!?」

雪穂「最近まただらしない体型になって来たよね!?」

雪穂「今日からお菓子は全面禁止!」

雪穂「最終予選までに最低5Kgは絞ってもらうからね!」

雪穂「返事は!?」

穂乃果「はいぃ……」(涙目)

亜里沙「……」

亜里沙「やっと雪穂らしくなった」




雪穂「それじゃ、花陽。さっそく指示を」

花陽「ぴゃっ!?わ、私?」

雪穂「花陽は部長でしょ!?」

花陽「は、はいっ!そうでした」

花陽「そ、それじゃあまずぅ、柔軟から……行くよ?」

一同「お、おぉ〜っ」

423 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:26:54.57 ID:g4k2H3vb.net
クリスマス

第4回ラブライブ

最終予選会場





(ザワザワ)

一同「……」

雪穂「うわぁ……」

亜里沙「もの凄い数のお客さんが」(冷や汗)

雪穂「さすがラブライブ」

亜里沙「これでまだ、予選だなんてぇ」




ステージ前

花陽「……」

凛「か〜よちん♪」

真姫「ここに居たのね」

花陽「……」

凛「かよちん?」

花陽「今回は、雪は降らなかったね」

真姫「天気予報通りよ」

真姫「いくらクリスマスだからって、そう何回も降られたら」

真姫「たまったもんじゃないわ」

424 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:29:09.59 ID:g4k2H3vb.net
控え棟




海未「私達に取っては、これで2回目になりますが」

ことり「やっぱり、何度やっても」

ことり「緊張するよね?」

穂乃果「……」

海未「穂乃果?」

ことり「穂乃果ちゃん?」

穂乃果「ん?あぁ……」

海未「どうかしたのですか?」

穂乃果「うん……ちょっとね」

穂乃果「よくよく考えたら、私達、これで最後なんだよね」

穂乃果「ラブライブ」

ことり「穂乃果ちゃん」

海未「穂乃果。今はその事は」

穂乃果「うん。分かってるよ」

穂乃果「けどさ、色々と感慨深いなあって」

ことうみ「……」

海未「確かに。穂乃果がスクールアイドルやるって言い出してから」

海未「本当色々ありましたからね」

海未「最初私は、冗談だと思ってましたよ?」

ことり「一時は、アイドルとしてどんどん大きくなって行く穂乃果ちゃんを見て」

ことり「ことりだけ置いてかれるんじゃないかって、不安にもなったけど」

ことり「今はこうして、みんなで同じ舞台に立てる」

ことり「ことりはもう……これだけで十分だよ」

425 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:30:21.81 ID:g4k2H3vb.net
穂乃果「穂乃果さ。やっと分かったよ」

ことうみ「?」

穂乃果「私が残すべき物って、やっぱこれなんだって」

穂乃果「結局私は、これしか出来ないんだなあって」

ことうみ(クスッ)

海未「何ですか?私はとっくに知っていると思ってましたよ」(済まし顔)

ことり「やっぱり穂乃果ちゃんは、歌って踊ってる時が」

ことり「一番輝いているからね」

穂乃果「みんな……」

穂乃果「よ〜し、行こう!」

穂乃果「花陽ちゃん達が待ってる」

ことり「うんっ」

426 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:31:59.64 ID:g4k2H3vb.net
ステージ前




ことほのうみ「お待たせ〜」

真姫「遅いわよ?全く」(髪クルクル)

穂乃果「ゴメンゴメン」

凛「これで全員そろったね」

ことり「うんっ♪」

雪穂「今度こそは絶対勝たないとね」

雪穂「ね?亜里沙」

亜里沙「もちろん」

海未(キョロキョロ)

雪穂「海未?」

穂乃果「どうしたの?」

海未「あぁ……いえ」

海未「花陽の姿が」

427 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:32:51.45 ID:g4k2H3vb.net
控え棟

トイレ前




花陽「はぁ^〜スッキリしたぁ」(ハンカチ)

???「今日は」

????「お久しぶりです」

花陽「ぴゃっ!?」

花陽「あぁ……あなた達はぁ」(ワナワナ)

428 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:34:51.10 ID:g4k2H3vb.net
弥生「いよいよ最終予選ですね」

春菜「あなたが伝説のミューズのメンバーだった方ですか」

春菜「ツバサさん達から、良く話はうかがっています」

花陽「あぁ……いやぁ、そんなぁ、伝説だなんてぇ」

弥生「そうだよ?春菜」

弥生「まだ伝説なんかじゃない」

弥生「音ノ木坂女学院アイドル研は、まだまだ現役」

弥生「そして……最強のライバルなんだから」

花陽「……」

弥生「花陽さん。今回は胸をお借りしたい」

弥生「と言いたい所ですが」

弥生「全力で叩き潰しに行かせてもらいます」

弥生「本来なら、色々と教えを乞いたい所なのですが」

弥生「私達も……ラブライブ優勝のためだけに」

弥生「ここまでやって来ましたから」

花陽「……」

春菜「や、弥生……」

弥生「春菜は違うの?」

春菜「……」

春菜「いえ、私も気持ちは同じよ」

春菜「ここで怯んだら、今までの辛い練習が無駄になる」

花陽「……」

春菜「お互い恨みっこ無しの勝負をしましょう」(手)

429 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:36:48.06 ID:g4k2H3vb.net
花陽「そうだよね。お互いアイドルだもんね」

花陽「こうなる事は覚悟して入ったんだもんね」

花陽「必ず通らねばならない道だもんね」

花陽「弥生さん春菜さん。わざわざ挨拶ありがとう」

花陽「あなた達の気持ちは良く分かった」

花陽「こんな素晴らしいアイドルと同じ舞台で踊れる事を」

花陽「花陽は誇りに思う」

やよはる「……」

花陽「そして、私達も負けないよ」

花陽「私達も……あなた達に劣らないだけの意地と信念がある」

花陽「勝たなければいけないだけの理由もある」

花陽「だから私も……全力で行かせてもらう」

花陽「容赦は……しないからね?」(手)

やよはる「……」

やよはる「はいっ!」

はるはな(握手)

花陽「この最終予選……私達がどうしてミューズでいられたのか」

花陽「あなた達に見せてあげるからね」

花陽「それじゃ」

(スタスタスタ……)

やよはる「……」

春菜「やっぱ、凄いね」

弥生「うん」

弥生「カッコいい……」

430 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:38:58.62 ID:g4k2H3vb.net
ステージ前




雪穂「本番15分前か……」

亜里沙「雪穂。脚震えてる」

雪穂「ぶぁっ!?」

穂乃果「ゆ〜きほ〜。ビビッてんのぉ?」

雪穂「穂乃果こそ。今の内トイレ行っといた方が良いんじゃないのぉ?」

雪穂「本番中に漏らされたら大変だからね」(フンッ)

穂乃果「穂乃果はそんな子供じゃないよ!」

ことり(苦笑)

凛「あっ」

真姫「絵里、希」

絵里「お久しぶり」

希「元気やった?」

花陽「絵里ちゃん希ちゃん」

凛「来てくれたんだね」

雪穂「……」

雪穂「にこ先輩、いえ」

雪穂「にこにーは?」

亜里沙「雪穂」

絵里「にこは今、プロダクションと折衝していてね」

絵里「残念ながら、ここには来れないの」

雪穂「……」

雪穂「本当に、そうなのかな?」

亜里沙「雪穂」

雪穂「このアイドル研を創設したのは、にこにーでしょ?」

雪穂「一番アイドルに熱心な人だったじゃない」

雪穂「何か……冷たくないかな」

431 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:40:42.14 ID:g4k2H3vb.net
亜里沙「雪穂!今はそれは言わない」

希「いえ、雪穂ちゃんの言うとおりやん」

希「良し。分かった」

希「ラブライブ本戦には、ウチが必ずにこっち連れて来たる」

真姫「余計な事しないで」

希「真姫ちゃん。今は通う所は違えど、ウチらは同じアイドル」

希「アイドル同士余計な遠慮をする方がおかしいやん」

絵里「ホントにね」

絵里「私からも次こそはみんなに会うよう」

絵里「説得するわ」

真姫「その前に、まずは最終予選でしょ?」

雪穂「そうだよ」

雪穂「絶対勝たなきゃ!」

亜里沙「うんっ」

海未「私達の出番5分前ですね」(スマホ)

穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「うんっ」

432 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:42:25.98 ID:g4k2H3vb.net
花陽「みんな、いよいよ正念場だけど」

花陽「まずは目の前のお客さん達に笑顔になってもらう事に全力を尽くそう!」

花陽「アイドルに勝ち負けはつき物だけど」

花陽「やっぱアイドルは楽しくなくっちゃね!?」

一同「はいっ!」

花陽「それじゃ……1」

凛「2!」

真姫「3」

雪穂「4!」

亜里沙「5」

海未「6」

ことり「7」

穂乃果「8!」

のぞえり「9!」

一同「えぇ〜っ!?」

希「9人や。ウチ等を入れて」

絵里「私達も、気持ちは同じ舞台よ」

一同「うわぁ……」

一同「はいっ!」

穂乃果「凛ちゃん」

凛「うんっ」

凛「よ〜しみんな、凛に続くにゃあ〜♪」

一同「おぉ〜っ!」

433 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:44:41.26 ID:g4k2H3vb.net
ステージ




(キャアアァァー)

(オォォォォォー)

一同「……」

花陽(今回は、勝ちに行く)

花陽(なりふり構っちゃいられない)

花陽(お客さんを最高に楽しませる。それがアイドル)

花陽(どうせやるなら、思い切って行かなきゃね)

真姫(とは言え、これは本当に思い切ったモノね)

凛(まさか猫耳に付けひげ)

凛(尻尾まで付けるなんて)

亜里沙(でも、これって、アイドルらしくて良い!)

雪穂(亜里沙は意外とこう言うのお気に入りで良かったよ)

雪穂「海未。今回は駄々こねなかったわね」

海未「当然です」

海未「私に言わせれば、衣装云々よりも」

海未「負ける方がよっぽど恥ずかしいですから」

穂乃果「う〜みちゃん」

穂乃果「昨日までもう少し控え目な仕様に出来ないかって」

穂乃果「ことりちゃん困らせてたくせに」(ジト目)

海未「んなっ!?ほ、穂乃果!?」

ことり(苦笑)

ことり「でもみんな。スッゴく可愛いよ?」

(キヤアァァァー)

穂乃果「よ〜し、いよいよだ!」

一同「ミュージックスタート!」

434 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:46:25.12 ID:g4k2H3vb.net
某プロダクション




プロデューサー「矢澤にこさん。何度も言うようですが」

プロデューサー「あなた単独、と言うわけではいけないのでしょうか」

にこ「……」

プロデューサー「我がプロダクションは、プロアイドルとしてのあなたの資質を
高く評価しております」

プロデューサー「社長も、あなたなら、プロの世界で十分やって行けると期待しております」

にこ「……」

プロデューサー「ですが、正直あなたの相方は」

にこ「絢瀬絵里のどこが悪いのですか?」

プロデューサー「そうですね……申し上げ難いのですが」

プロデューサー「アイドルとしてデビューして、順調な時は結構」

プロデューサー「ですが……仮に」

プロデューサー「一時的にしろスランプとかに陥ったりしたら」

プロデューサー「絢瀬さんはどうされますか?」

にこ「……」

435 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:52:55.76 ID:g4k2H3vb.net
プロデューサー「絢瀬さんは現在、モデルとして、十分な実績を挙げていますよね」

プロデューサー「本腰を入れれば、彼女はプロとして、独り立ち出来る」

プロデューサー「それはとても良い事ではありますよ?」

プロデューサー「私達はいったん新人を在籍させたら、最後まで面倒を見させて頂きます」

プロデューサー「責任も取ります。ですが」

プロデューサー「先方から逃げられたら、正直困るのです」

にこ「……」

プロデューサー「私達とて多大な投資をさせて頂くのです」

プロデューサー「困難や挫折に見舞われたとき、別の道があるからと、途中で投げ出されはしないかと」

プロデューサー「それが不安材料なのです」

プロデューサー「これは……ビジネスですから」

にこ「……」

にこ「絵里はそんな弱い娘じゃないわ」

プロデューサー「気分を害してしまったのなら、お詫びします」

プロデューサー「とにかく、いったんその線で考えてみて下さい」

プロデューサー「私共としては、いつでも受け入れさせて頂く所存ですので」

にこ「……」

436 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:55:37.31 ID:g4k2H3vb.net
秋葉原




にこ(コツコツコツコツ)

にこ「……」

にこ「ハァ……」

『スクールアイドルとしてあなた方が素晴らしい成功を収めているのは存じ上げております』

『とても評価すべき業績です』

『ですが……この世界は、サラブレッドだからと言って成功するとは限らない』

『無論それは大きな利点ではありますよ?』

『しかし……大抵の方は下積みから始めて頂きますので、色々と嫌なモノも見させられるでしょう』

『果たして絢瀬さんに、それが耐えられるでしょうか?』

にこ「耐えられるわよ。決まってんじゃないの」(ボソッ)

にこ「にこはね。そんなヤワな娘をパートナーにした覚えはない」

にこ「確かに、私と比べれば、絵里はお嬢様育ち」

にこ「容姿や経歴はともかく、アイドルへの意地と覚悟は、まだまだ未知数に見えるかも知れない」

『矢澤さん単体なら、丁度、我がプロダクションで企画中の』

『新規アイドルユニットのメンバーとして、デビューして頂く考えがありまして』

『良ければリーダーに……』

437 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 05:58:07.63 ID:g4k2H3vb.net
にこ「お断りよ」

にこ「続ける意思がある限り、見捨てるべきじゃないわ」

にこ「それこそアイドルへの冒涜、恥よ?」

にこ(コツコツコツコツ)

『にこっちも優しくなったんね』

にこ「……」

にこ「いえ、違うわ」

にこ「絵里にはアイドルの素質があるの」

にこ「今はともかく、いずれ必ず化けるわ」

にこ「私の目はあのプロデューサーよりは、確かなつもりよ」

にこ「……」

にこ「彼女をデビューさせないなんて」

にこ「もったいないだけなのよ」





とりあえずここまで

438 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 07:45:31.06 ID:YoajE8qu.net
いいね
ゆきありもまぜてアニメの続編見てるみたいだほんと

439 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 09:03:04.62 ID:tYUG/A/n.net
一気に読んだ。いいね、こういうのが読みたかった。

440 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 09:20:43.63 ID:xGe3TxuJ.net
凄く続きが気になる
本編アフターはここではあまり見なくて
渋に転がってるイメージだったから敬遠してたけど
食わず嫌いだったかな

441 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 12:28:20.50 ID:Fn8bHmvU.net
>>1
うわぁ だけやめてくれ

昔女子とかにすれ違った時に言われた古傷が疼く あと他校にも言われた 

にこえりいいよね 負け犬のやつとは違って優しい物語 

442 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 13:54:20.87 ID:FZfZDBc0.net
アレイネ北陸の真似してもつまらんぞ

443 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 15:29:45.13 ID:YoajE8qu.net
臭さを目指してるんだろうけど良い臭さを出すのはかなり難しい
ただのつまらないやつになってしまう、北陸はなかなか凄い

444 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 18:48:24.11 ID:Fn8bHmvU.net
保守の代わりにやってるんですが・・・

「ほ」だけのほうがつまらなくないか?

うわぁはまじでやめてくれ 気分がわるくなるんや 

445 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 19:12:47.14 ID:Fn8bHmvU.net
俺生まれつき喘息なんや 配慮してくれたらうれしい

お前に喘息の辛さわかんの?

二日に一回は病院で減感作療法受けてる俺の辛さがわかんの?

その地域表示をなんか崇めてるお前が臭くないか? 

446 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 19:33:38.14 ID:bhI85xuY.net
うわあ…本書きで言ってるならまじでやばいぞ
後で冷静にぬってから読み返してみなよ

447 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 19:35:47.00 ID:bhI85xuY.net
まず俺の誤字の方が恥ずかしかったわ。

448 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 20:03:09.94 ID:Fn8bHmvU.net
わぁ➡わかる

うわぁ・・・➡過呼吸になりそう トラウマ

自分を大事にしすぎて他人との距離がわからないやつならわかるはず

>>446
正解教えて 煽りとかじゃない純粋な疑問

449 :名無しで叶える物語(わんこそば)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 20:18:21.76 ID:XF7alOaT.net


450 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 20:49:04.74 ID:Fn8bHmvU.net
大恩師ドイツなら配慮してくれるだろうな(ボソッ

451 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/05(土) 21:56:55.32 ID:YoajE8qu.net
保守死体だけなら1,2行で短くした方がいいぞ
謎の改行もない方がいい
本当に保守したいだけなら

452 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:31:43.17 ID:t3+ldbuf.net
再開

一週間後

音ノ木坂女学院

アイドル研究部

一同「……」

花陽「それでは、みなさん」

花陽「今日は待ちに待った、第4回ラブライブ最終予選発表日」

花陽「泣いても笑っても、結果は結果」

花陽「どんな事になっても、恨みっこなしで行きましょう」

一同(コクッ)

花陽「それでは」(PC)

花陽(カタカタ、カチッ)

『第4回ラブライブ 公式ホームページ』

『最終予選結果発表』

花陽「……」

花陽「それでは、読みます」

一同「うぅ……」(ビクビク)

花陽「最終予選通過は……」

花陽「道産子ガールズ」

一同「……」

真姫「それって」

ことり「まさか」

海未「そんな」

雪穂「お姉ちゃん。い、いや穂乃果」

穂乃果「落ちたんだね」

凛「そんなぁ」

穂乃果「仕方ないよ。これは勝負なんだから」

海未「そうですね」

海未「頑張ったからって、一位になれるかと言えば別ですよね」

花陽「みなさん。申し訳ありません」

453 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:33:46.51 ID:t3+ldbuf.net
花陽「みなさんをラブライブ本戦に連れて行くと約束して置きながら」

花陽「結局、こんな結果に」

凛「そんな、かよちんは悪くないよ!」(ガタッ)

凛「リーダーとして、凛がしっかりしてなかったから」

真姫「待って」

真姫「責任のなすりつけあいも良くないけれど」

真姫「全てを自分のせいにするのも傲慢よ」

ことり「そうだね」

ことり「ここまで来れただけでも、私はもう満足だよ」

ことり「ね?海未ちゃん」

海未「はい」

海未「これで私達三年生のラブライブは終わりですが」

海未「決して後悔はしてませんよ」

穂乃果「そうだよ!」

穂乃果「みんな、今までありがとう」

雪穂「お姉ちゃん……」

亜里沙「……」

亜里沙「あ、あの〜ぅ」

雪穂「何?」

454 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:36:07.91 ID:t3+ldbuf.net
亜里沙「道産子ガールズって……なんか、違和感が」

一同「?」

亜里沙「あら★いずじゃないんですね」

一同「!」

花陽「そ、そうだね」(PC)

花陽「!?」

花陽「ピャアアァァァ!!」

雪穂「どうしたの?」

真姫「驚かさないでよ」

花陽「ご、ゴメン。じ、実はぁ」

一同「?」

花陽「私が見てたの……北海道予選だった」

一同(ガタタッ)

凛「かよちん!」

真姫「あ・な・た・ねぇ!」

花陽「ご、ゴメン……今度はちゃんと見るよ」

ことり(苦笑)

雪穂「でも、もうワンチャン出来たね」

455 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:36:51.89 ID:t3+ldbuf.net
花陽(カタカタ、カチッ)



『最終予選 東京地区』



花陽「それでは、行きます」

一同(ゴクリ)

花陽「最終予選通過は」

花陽「音ノ木坂女学院……アイドル研究部」

花陽「わぁ……私達です!」

456 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:38:10.10 ID:/TeQ3mYi.net
知ってた

457 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:40:54.73 ID:t3+ldbuf.net
亜里沙「……」

雪穂「それって」

凛「勝ったって事?」

真姫「私達が!?」

海未「みたいですね」

ことり「穂乃果ちゃん」

穂乃果「……」

穂乃果「まだまだ、これからだよ」

一同「!?」

穂乃果「ここまで来れたなら、絶対勝ち取ろう」

穂乃果「優勝旗!」

一同「!」

穂乃果「ね?花陽ちゃん」

花陽「はいっ!」

(キーンコーンカーンコーン)

ヒデコ『たったいま第4回ラブライブ最終予選を』

ヒデコ『我が音ノ木坂女学院アイドル研究部が突破したと、発表がありました』

(キャアー ヤッタァ♪)

海未「さすがヒデコ達ですね」

穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「わぁ……私!?」

凛「かよちん」

花陽「わぁ、分かってる」

花陽「みんな、理事長に戦勝報告に行こう」

一同「お〜っ!」

458 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:42:43.12 ID:t3+ldbuf.net
大晦日

神田明神




穂乃果「みんな〜おっまたせ〜」

海未「遅いですよ。穂乃果」

真姫「そうよ?23時集合って約束したのに」

真姫「もう年が明けちゃうわ」

穂乃果「ゴメンゴメン♪」

ことり「まぁまぁ……みんな健康で、無事でいられたんだし」

凛「そうだよ」

凛「最終予選も突破したんだし」

凛「ね?かよちん」

花陽「わぁ、私!?」

雪穂「かよちんも相変わらずだね」

穂乃果「おっ。かよちん呼び2号だ!」

雪穂「何かさ、花陽って言うより」

雪穂「かよちんって言い方の方が、かよちんらしいかなぁ〜ってさ」

花陽「それってどう言う意味!?」

459 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:45:35.70 ID:t3+ldbuf.net
凛「そう言えば真姫ちゃん」

凛「今年は振袖じゃないんだ」

真姫「何期待してたのよ」(ジト目)

穂乃果「うえぇ〜?振袖じゃない真姫ちゃんなんてぇ〜」

穂乃果「何かもったいないよぉ〜」

穂乃果「今から着替えなおしてきなよ」

真姫「無理に決まってんでしょ?」

真姫「それに……振袖なら」

亜里沙「すみませんみなさん。遅れてしまって」

亜里沙「私は、いつもので良いと言ったんですけど」

亜里沙「お母さんが、せっかくだから着ていけって」(振袖姿)

一同「おぉ〜っ」

凛「可愛いにゃあ♪」

花陽「良く似合うよ。亜里沙ちゃん」

亜里沙「はいっ。ありがとうございます」

穂乃果「むぅ〜っ」

穂乃果「何か私と扱い違うんだけどぉ」(ムスッ)

雪穂(お姉ちゃん。みんな素っ気なさそうにしてるけれど)耳打ち

雪穂(ちゃんとお姉ちゃんには感謝してるよ)

雪穂(今は花陽先輩達が主役だけれどさ)

雪穂(やっぱお姉ちゃん達がしっかり支えてあげたこそ、ここまで来れたんだから)

460 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:47:47.31 ID:t3+ldbuf.net
穂乃果「……」

雪穂「ね?」

穂乃果「うん、分かってるよ」

穂乃果「よ〜し、行こうか!」



境内

希「みんな、よう来たね」(巫女姿)

穂乃果「おおっ、希ちゃん!」

花陽「今年もここでアルバイトしてたんだね」

絵里「そうよ」(巫女姿)

凛「あっ、絵里ちゃんも!」

絵里「ふふ」

雪穂「あ〜りさぁ〜。あんた知ってて黙ってたんでしょ〜」(ニタァ)

亜里沙「ごめんなさい」(ペロッ)

亜里沙「お姉ちゃんが、みんなが驚く顔見たいって」

海未「でも2人とも、元気そうで何よりです」

ことり「そうだね」

真姫「……」

希「あぁ、にこっち?」

希「にこっちなぁ」

真姫「ち、ちがうわ。そんなんじゃないわよ!」

雪穂「そう言えば、にこ先輩」

雪穂「いえ……にこにーはどこに行ったんですか?」

穂乃果「雪穂」

亜里沙「雪穂……にこ先輩も大学生なんだし」

雪穂「じゃあ、なんで絵里先輩は来てるの!?」

461 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:50:14.92 ID:t3+ldbuf.net
海未「雪穂。気持ちは分かりますが」

ことり「今はお目出たい場なんだし」

雪穂「いえ、ここははっきりさせないと」

雪穂「アイドル研を創設して、穂乃果達にアイドル魂叩き込んだ張本人なんだよ?」

雪穂「誰よりもラブライブに執念を燃やし、誰よりも優勝を望んでいた筈なんだよ?」

雪穂「それが……たった1人姿をくらまして」

雪穂「出て来ないなんて……みんなはおかしいと思わないの!?」

真姫「雪穂!余計な事は言わないで」

希「いや、雪穂ちゃんの言うとおりやん」

一同「……」

希「来とるよ。今は販売所に居る」

希「もうじき休憩やから」

(ザッザッザッザッ)

希「ほら、噂をすればなんとやら」

462 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:52:15.40 ID:t3+ldbuf.net
穂乃果「にこちゃん」

花陽「にこちゃん。お久しぶり」

亜里沙「ご無沙汰してます」

海未「どうやら元気そうですね」

にこ「……」

希「丁度新年やん」



1月1日 0時01分


穂乃果「それじゃあ新年を祝して」

海未「明けましておめでとうございます」

一同「おめでとうございます!」

ことり「今年もよろしくね♪」

凛「今年も頑張るにゃあ♪」

亜里沙「絶対ラブライブ優勝しましょうね!」

絵里「ふふ」

希「みんな、その意気やん」

真姫「……」

にこ「……」

希「ほら、にこっちも」

にこ「みんな、ゆっくりして行きなさい」

にこ「にこはまだ仕事があるから」

一同「……」

463 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:54:49.12 ID:t3+ldbuf.net
雪穂(ギリッ)

雪穂「ちょっと、待って」

雪穂「待ちなさいよ!にこにー」

にこ「ぬぁっ!?」(クルッ)

にこ「あんた、まだ一年……」

雪穂「アイドルに先輩後輩はなしとしたのは、あなたでしょ?」

雪穂「いえ、先輩だとしても、今のあなたに文句を言う資格はあるの!?」

にこ「……」

にこ「どう言う意味よ」(ジト目)

雪穂「知ってるくせに、知ってるんでしょ!?」

雪穂「分かり切ってる筈なのに、目の前に居るのにさ」

雪穂「何も言わずに、話そうともしないで背を向けるなんて」

雪穂「ただの逃げだよ。卑怯だよ!」

真姫「雪穂!いい加減に……」

穂乃果「真姫ちゃん。ここは誰かが言わなきゃいけないんだよ」

真姫「穂乃果……」

464 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:56:51.85 ID:t3+ldbuf.net
にこ「何ですってぇ!?」

にこ「私のどこが卑怯なのよ!?」

雪穂「私達の知ってるにこにーなら、例え嫌われても、躊躇うべき事でも」

雪穂「言うべき事はズバッと言ってる筈」

雪穂「本人にね」

にこ(ギリッ)

にこ「あんた……生意気なのよ」(ギロッ)

にこ「言っとくけど私があんたの頃は」

にこ「自分でアイドルグループ引っ張って、講堂満員にさせる位、朝飯前にやってたわよ」

にこ「穂乃果の七光りを自分の実力だと勘違いするんじゃないわよ」

にこ「この小娘」

希「にこっち!」

にこ(ビクッ)

希「もうそろそろええやろ?」

希「いずれはこうせねばアカンと、ウチも思ってた」

希「これ以上先送りにしてどないするん?」

希「誰も救われんよ?」

にこ「希……」

465 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:58:19.60 ID:t3+ldbuf.net
絵里「そうよ。にこ」

絵里「これを機会に、お互い腹を割って良く話し合うべきだわ」

絵里「あなたも薄々そう覚悟していたから」

絵里「今夜は文句も言わずに来たんでしょ?」

にこ「……」

真姫「……」

海未(コホン)

海未「さっ、希、絵里」

海未「私達に、少し案内して頂けませんか?」

亜里沙「そうだね」

亜里沙「日本の神社は、とってもハラッショーだし」

希「ふふ」

絵里「ええ、良いわよ」

にこ「ぬぁっ!?」

真姫「ち、ちょっとぉ……」

希「ほな2人とも、ごゆっくり♪」

(ゾロゾロゾロゾロ)

にこまき「……」

466 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 00:59:46.62 ID:t3+ldbuf.net
にこ「……」

真姫「……」

にこ「……」

にこ「恨んでるでしょうね」

真姫「……」

真姫「どうして?」

にこ「……」

にこ「ごめんなさい」

真姫「……」

真姫「何で……謝るの?」

にこ「……」

真姫「私ね。にこちゃん」

真姫「この前あなたに言われた事、良く考えてみて」

真姫「色々と……身につまされたわ」

真姫「確かに、私は恵まれている」

真姫「医師の進路だって、両親に期待されてるってだけで」

真姫「決して強制なんかじゃない」

真姫「世の中には、その日の食事に事欠く人達も沢山いるってのに」

真姫「私の悩みなんて……それと比べたら」

真姫「取るに足りない。ちっぽけなもんなんだ、って」

にこ「……」

にこ「そうかも知れないわね」

467 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:01:39.51 ID:t3+ldbuf.net
真姫「私には、医師を目指せるだけの才能がある」

真姫「それを実現出来るだけの財力もある」

真姫「これだけそろってて、まだ何か足りないって騒ぐなんて」

真姫「贅沢にも程がある」

真姫「にこちゃんに叱られるのもしょうがないわ」

にこ「……」

にこ「分かってくれれば、良いのよ」

にこ「って言うか、正直心配だったのよねぇ〜」

にこ「あんたの事だから、私もアイドルやるって言い出したら」

にこ「どうしようかと」

真姫(クスッ)

真姫「な〜に言ってんのよ」

真姫「まさかあなた、そんな理由で、私に絶交申し渡したんじゃないでしょうねぇ」(ジト目)

にこ「ゴメンニコ♪」

真姫「もうっ、全く」(ウルッ)

にこ「怒ってる?」

真姫「そりゃ、少しは怒るわ」

真姫「悪い?」

468 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:03:14.26 ID:t3+ldbuf.net
にこ「どうしたら許してくれる?」

真姫「そうねぇ……それじゃ」

真姫「とりあえず今夜一晩、私と一緒に星を眺めてもらおうかしら」

にこ「私、天文あまり得意じゃないんだけど」

真姫「構わないわ」

真姫「私が教えてあげるから」





真姫「私の夢はね。自分で新しい小惑星を発見して」

真姫「自分で名前を付ける事よ」

にこ「そんな事が出来るの?」

真姫「そうよ」

真姫「そして……その名前はもう考えてある」

にこ「どんな名前?」

真姫「聞きたい?」

にこ「もちろん」

真姫「誰にも言わないって約束する?」

にこ「するわ」

真姫「じゃあ……2人だけの秘密よ」

真姫「その名前はね……」




にこ「あっ、流れ星」

にこ「あれ、新しい小惑星かしら?」

真姫「残念ながら違うわ」

469 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:05:00.66 ID:t3+ldbuf.net
にこ「真姫ちゃん……どんな願い事したの?」

真姫「にこちゃんは?」

にこ「それは……」

真姫「言わなくて良いわ」

真姫「言ったら効力無くなるかも知れないからね」




にこ「ねぇ、真姫ちゃん」

にこ「婚約の話は?」

真姫「……」

真姫「この前初めて会ったわ」

真姫「とても良い方よ」

にこ「……」

にこ「そう」

にこ「んまぁ〜あなたの両親が選んだ人なんだから、間違いはないでしょうよ」

にこ「真姫ちゃん」

にこ「自分の人生なんだから、焦らず慌てず、じっくり考えて決めなさい」

にこ「にこも応援してるから」

真姫「///」

真姫「何よ、相変わらず先輩風吹かせちゃって」

にこ「そりゃ、にこは先輩だもん」

にこ「いつまでもね」

470 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:06:49.02 ID:t3+ldbuf.net
明け方 神田明神前




希「良かったやん、真姫ちゃん」

希「にこっちと仲直り出来て」

真姫「別に?まだ許しちゃいないけれど?」

にこ「えぇ〜?」

にこ「真姫ちゃんヒドいニコォ」

一同(ハハハハ)

(カツカツカツカツ)

一同「?」

???達「あっ」

花陽「ぴゃっ!?」

花陽「あぁ……あなた達は」

???A「みなさん、明けましておめでとうございます」

???B「今年もよろしくお願いします」

凛「おおっ!」

真姫(髪クルクル)

海未「これは奇遇ですね」

ことり「考えたら今まで、まともに挨拶する機会も無かったよね」

絵里「ホントにね」

希「神様の御縁かも知れんね」

にこ「……」

穂乃果「こちらこそ。はじめまして」

穂乃果「良い年になると良いね」

471 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:09:29.25 ID:t3+ldbuf.net
弥生「はいっ」

春菜「頑張ります!」

弥生「……」

弥生「あなたが、ミューズのリーダー、高坂穂乃果さんですね」

弥生「こうして直に会うと、やっぱ凄いオーラだなぁ」

穂乃果「そんな、凄いだなんて」

穂乃果「それに、今は元リーダーだよ」

穂乃果「今の私達を引っ張ってるのは、凛ちゃんと花陽ちゃんだから」

弥生「でも、こうしてお会い出来るなんて、感激です!」

弥生「ほら、春菜も」

春菜「わ、私は……」

穂乃果「?」

弥生「すみません。春菜は結構人見知りなもんで」

弥生「彼女、アライズに憧れて、この世界に入ったんですけど」

弥生「もしアイドルになれば、いつかあなたと話してみたいって、いつも言ってたんです」

弥生「ね?」

春菜「よ、余計な事……」

弥生「春菜。こんな機会もうないかも知れないんだよ」

弥生「ほら」(肩押し)

春菜「うぁっ!?」(ズイッ)

472 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:10:33.93 ID:t3+ldbuf.net
春菜「うぅ……」(モジモジ)

春菜「あ、あのぅ……わ、私」(オドオド)

春菜「わ、私は」(ビクビク)

穂乃果「分かるよ」

穂乃果「アイドルが大好きなんだよね」

穂乃果(ニッコリ)

春菜「うわぁ……」

穂乃果「気持ちはおんなじなんだもん」

穂乃果「言わなくても分かるよ」

穂乃果「だって、通じ合ってるんだもん」

穂乃果「ね?」(手)

春菜(ジワァ)

春菜「は、はいっ!」(手)

ほのはる(握手)

弥生(ウルッ)

弥生「気持ちは伝えられた?」

春菜「うんっ」

春菜「これで思い残す事はないよ」

473 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:11:45.73 ID:t3+ldbuf.net
凛「?」

凛「思い残す事?」

真姫「何言ってんの?」

真姫「私はまだ勝ったつもりじゃないんだからね?」

花陽「そ、そうだよ」

花陽「気は早いかも知れないけど」

花陽「第5回ラブライブは、必ずあるだろうしね」

雪穂「そうだね」

雪穂「あなた達も、この位で諦めたわけじゃないんでしょ?」

亜里沙「私も……あら★いずの2人には、まだまだかなわない」

亜里沙「もっともっと上手くなって、次こそはあなた達に負けないハラッショーなパフォーマンスを示したいと思ってる」

やよはる「……」

弥生「もちろんそのつもりです」

春菜「けど」

ことり「けど?」

474 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:13:14.79 ID:t3+ldbuf.net
弥生「春菜。これ以上は」

春菜「そうだね」

海未「悩み事でしょうか?」

穂乃果「せっかく仲良くなったんだし」

穂乃果「この際言ってみなよ」

弥生「いえ、それは」

春菜「ご迷惑になるといけませんし」

にこ「……」

にこ「ったくぅ〜。しょ〜がないわねぇ〜」

にこ「じゃあ、この宇宙ナンバーワンアイドルにっこにーがぁ」

にこ「あなた達の悩み、ニコ〜っと解決しちゃうぞ〜」

にこ「ニコッ♪」(ビシッ)

やよはる「……」

やよはる「すみません。そう言うの間に合ってますんで」

にこ「ぬぅうあぁんどぅぇよ!?」(ビシッ)

475 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:15:11.04 ID:t3+ldbuf.net
にこ「うぅ〜」(クスン)

絵里「にこ。そう気を落とさないで」

弥生「す、すみません。そんなつもりじゃ」

春菜「にこさんがそんな事を言った時には、軽くあしらえって」

春菜「ツバサさんから教わったもので」

にこ「むぅ……アイツめぇ」

にこ「余計な事を」(ジト目)

希「ほなら、ウチに言うてみたらええやん?」

希「確かに、穂乃果ちゃん達はライバルでもある」

希「せやけどウチは、これでもスピリチュアリストやん」

希「ウチになら、忌憚なく話せるんやないん?」

にこ「そう言いつつ、法外な料金取るんじゃないでしょうねぇ」(ジト目)

希「まぁ、話すだけでも、気持ちが楽になるかも知れんよ?」

やよはる「……」

やよはる「わ、分かりました」

476 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:16:27.48 ID:t3+ldbuf.net
弥生「実は私達……次のラブライブ、出れないかも知れないんです」

一同「!?」

一同「えぇ〜っ!?」

春菜「最終予選敗退を受けて、私達の専属講師が」

春菜「もう私達に見込みは無いと」

春菜「学校側にメンバー入れ替すべきと、強く言っているみたいで」

凛「そ、そんな」

ことり「たった一回の敗北で?」

真姫「あり得ないわ」

花陽「アイドルに勝ち負けは付き物」

花陽「そりゃ、勝たなきゃいけないかも知れないけれど」

花陽「こんな簡単に切り捨てるなんて」

雪穂「それが本当だとしたら、酷い話だよね」

亜里沙「うん」

亜里沙「まるで使い捨てみたい」

海未「いくらなんでも厳し過ぎではありますね」

穂乃果「……」

477 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:18:43.96 ID:t3+ldbuf.net
穂乃果「ごめんね」

やよはる「?」

穂乃果「私は一度……自分で立ち上げたミューズを」

穂乃果「自分の都合で辞めようとした事があってね」

やよはる「……」

穂乃果「今になって、にこちゃん達の気持ちがやっと分かったよ」

穂乃果「にこちゃん」

にこ「……」

にこ「何よ、何今更慌ててんのよ」

やよはる「……」

やよはる「すみません」

凛「にこちゃん。いくらなんでもそれはキツすぎるよ」

花陽(待って、凛ちゃん)

弥生「やっぱ私達が甘過ぎたと」

にこ「私が言ってんのは、あんた達の講師の事よ」

やよはる「?」

にこ「どうせ高い報酬惜しさに、保身にでも走ったんでしょうよ」

弥生「そ、そんな」

春菜「あの人はそんな人では」

にこ「あんたらが甘いとしたら、アイドルとしてではなくて」

にこ「人を信じすぎる事よ」

478 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:19:52.59 ID:t3+ldbuf.net
にこ「UTXは命運をかけて、莫大な人手と予算を注ぎ込んだ」

にこ「恐らくは音ノ木坂の100倍以上はね」

にこ「だから彼等としては、勝って当たり前」

にこ「負けるなんてあり得ない……でも負けた」

にこ「内部で責任問題が出てくるのは、むしろ当然」

にこ「私達は廃校阻止の為にやったけど」

にこ「向こうはれっきとしたビジネス……大人の論理で動いてるんだからね」

やよはる「……」

弥生「にこさん、失礼ですが」

春菜「聞いていたより、ずっとまともな事言われるんですね」

にこ「あんた達ねぇ」(ジト目)

479 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:21:20.42 ID:t3+ldbuf.net
にこ「とにかく、組織の論理で、あんた達はトカゲの尻尾扱いされかかってる」

にこ「だから言ったのよ」

にこ「スクールアイドルにプロの流儀を持ち込むと、こうなる、って」

やよはる「……」

弥生「私達」

春菜「どうすれば」

にこ「そうね」

にこ「とりあえず祈るしかないわね」

やよはる「……」

にこ「今の私に、これ以上何もする力はないし」

にこ「そうする義理もないしね」

やよはる「……」

にこ「あら、おかしい?」

にこ「一応は自分の出身母校のライバルに、なんで私が荷担しなきゃいけないのかしらね」

にこ「それこそ本末転倒」

にこ「悪いけど、あんたらもそのシステムの恩恵でここまで来れたんだから」

にこ「自分達で何とかしなさい」

にこ「先帰るわよ」

(カツカツカツカツ)

480 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:22:50.18 ID:t3+ldbuf.net
凛「む〜っ。いくらなんでもヒドすぎるにゃあ!」

海未「確かに。あら★いずが強くなれば」

ことり「大変になるのは私達だけど」

穂乃果「……」

花陽「にこちゃん」

希(プッ、クックックックッ)

一同「?」

雪穂「希先輩?」

希「大丈夫だよ?みんな」

希「にこっちがあんな風に言うときはな」

希「大体どうにかしてくれるから」

希「ね?絵里ち」

絵里「ホントにね」

絵里「将来有望なアイドルの卵を、自分勝手な理由で潰そうとするなんて」

絵里「一番にこの逆鱗に触れる話だからね」

絵里「私達の中で、一番腸が煮えくり返っているのは間違いないわ」

481 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:24:20.61 ID:t3+ldbuf.net
冬休み明け

音ノ木坂女学院

校門前




凛「おっはよー真姫ちゃん、かよちん」

花陽「あっ、凛ちゃん」

真姫「凛にしては、早起きだわね」

凛「ふっふ〜ん♪」

凛「さっ、早速部室に、いっくにゃあ〜♪」




部室



(ガチャッ)

花陽「おはよう、って」

花陽「まだ誰も来てないね」

真姫「まあ、始業式まで、後一時間もあるしね」

凛「そう言えば、今回から」

凛「始業式は雪穂ちゃん達が取り仕切るんだっけ?」

真姫「そうよ。当然でしょ?」

真姫「今はあの2人が、生徒会長と副会長なんだから」

482 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:25:57.71 ID:t3+ldbuf.net
花陽「そう言えば、もう生徒会室、電気が付いていたよね」

まきりん「……」

花陽「手伝わなくて良いかな」

真姫「大丈夫よ」

真姫「穂乃果と違って、雪穂はしっかりしてるから」

真姫「それに……強力な助っ人が居るだろうしね」




生徒会室



雪穂「亜里沙ぁ〜。式場の準備出来てる?」

亜里沙「ちょっと遅れてる」

亜里沙「大丈夫。ギリギリ間に合うから」

亜里沙「多分」

雪穂「!?」

雪穂「ぶぁっ!?しまったぁ!!」

亜里沙「どうしたの?雪穂」

雪穂「式典の挨拶の原稿……私の部屋に置いたままだぁ」

雪穂「どうしよう、亜里沙ぁ〜」(肩ガシッ)

亜里沙「ええとぉ……走って取って来る?」

雪穂「今からじゃ間に合わないよぉ」(涙目)

483 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:27:34.53 ID:t3+ldbuf.net
(ガラッ)

ヒデコ「雪穂ちゃん!」

ヒデコ「今穂乃果から連絡があってさ。雪穂ちゃんの部屋に、大事な書類忘れてるみたいだって」

ヒデコ「中身FAXしてもらったよ」

ヒデコ「これでしょ?」(コピー用紙)

雪穂「!」

雪穂「そうです!それです!!」

雪穂「ありがとうございます!」

フミコ「式典のスケジュール、出来たよー」

ミカ「とりあえず、講堂の準備は終わった」

ミカ「後はお客さん達の案内だね」

フミコ「今回は、保護者達も来るからね」

ヒデコ「じゃ、手分けしてやろう」

雪穂「みなさん。本当にありがとうございます」

雪穂「なんか、頼り切りみたいで」

ヒデコ「構わないよ」

フミコ「今回は、私達に取っても最後の三学期だからね」

ミカ「これは私達の為でもあるんだよ」

ゆきあり「……」

484 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:28:45.62 ID:t3+ldbuf.net
ヒデコ「私達はミューズの誕生から、廃校阻止」

ヒデコ「そして今回のラブライブまで、ずっと穂乃果や雪穂ちゃん達を見てきたんだからね」

フミコ「私達に取っては、娘みたいなものだよ」

ミカ「私達に自慢があるとすれば」

ミカ「あなた達を最初から手助けして来た事だからね」

ミカ「だから私達も……やり遂げるよ。最後まで」

ゆきあり(ジワァ)

ゆきあり「はいっ!ありがとうございます!!」

ヒデコ「応援してるよ?ラブライブ」

(ガララッ)

(ピシャッ)

ゆきあり「……」

亜里沙「雪穂」

亜里沙「絶対優勝しようね?」

雪穂「うん」

485 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:30:13.96 ID:t3+ldbuf.net
部室

真姫「それよりも」

真姫「花陽と凛は考えてるの?」

花陽「?」

凛「何をにゃ?」

真姫「あんのねえぇ〜」(ワナワナ)

真姫「良い?穂乃果と海未とことりは、もうじき卒業よ?」

真姫「後3ヶ月で、この学校から居なくなる」

真姫「あの3人と過ごせるのも、あとわずかなのよ?」

凛「……」

花陽「そうだったね」

花陽「ゴメン」(シュン)

花陽「そ、そうだ。にこちゃんはどう思う?」

真姫「……」

凛「かよちん」

花陽「うぇ?あ、あぁ……ゴメン」

花陽「私が部長だったね」

花陽「それは、分かってるんだけどさ」

花陽「分かってるん……だけどね」

花陽(スック)

花陽(タッタッタッタッ)

(ガララッ)

(ピシャッ)

真姫「あっ」

凛「かよちん!」

486 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:32:09.88 ID:t3+ldbuf.net
屋上

(ギイィ)

(バタン)

真姫「……」

真姫「花陽」(スタスタ)

花陽「グスッ……エグッ……ヒック」(ポロポロ)

真姫「そうよね」(スタスタ)

真姫「気持ちは私も同じよ」

真姫「今まで良く耐えて来たわね」(抱きっ)

真姫「偉かったわ」(ナデナデ)

花陽「ヒック……だって……もうじき居なくなるんだよ?」(ポロポロ)

花陽「にこちゃん達が居なくなった時だって……グスッ……どうにかなりそうだったのに」

花陽「エグッ……今度は穂乃果ちゃん達まで……居なくなるんだよ?」(ポロポロ)

花陽「ミューズだったみんなが……どんどん居なくなるんだよ?」

花陽「こんなのって、ないよ」(ポロポロ)

花陽「わがままなのは分かってるけど……何で花陽から……グスッ……大切な人がどんどん居なくなってくの?」

真姫「みんな将来があるのよ」

真姫「仕方ない事だわ」

487 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:33:46.92 ID:t3+ldbuf.net
真姫「今更時を巻き戻す事は出来ないわ」

花陽「何で私達……巡り会ったんだろうね」

真姫「どうしてかしらね」

花陽「みんな学年が……違わなければ良かったのにね」

真姫「そうかも知れないわね」

真姫「けど……それは些細な事だわ」

真姫「私達は、ずっと一緒よ」

花陽「クスン……一緒?」

真姫「そう、一緒よ」

真姫「例え進むべき道は違っても、私達9人の絆は」

真姫「いつまでも消えないわ」

花陽「……」

真姫「それに、あなたにはまだ、私や凛や」

真姫「雪穂や亜里沙達が付いている」

真姫「あなた1人だけじゃないのよ?」

花陽「……」

花陽「そうだね。いつまでも泣いていられないよね」(ゴシゴシ)

花陽「にこちゃんは、たった独りで」

花陽「この部活を守って居たんだもんね」

花陽「それと比べたら、私にはみんながいてくれるんだもんね」

488 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:34:28.07 ID:t3+ldbuf.net
花陽「分かったよ。真姫ちゃん」

花陽「穂乃果ちゃん達の最後、私達が飾ってあげなきゃ」

花陽「次のラブライブ。必ず優勝しよう」

真姫「そうよ」

真姫「その意気だわ」

489 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:36:08.28 ID:t3+ldbuf.net
再開

2月14日

ラブライブ本戦日

穂むら

穂乃果の部屋



(ガララッ)

雪穂「お姉ちゃーん」

雪穂「じゃなかった……穂乃果」

雪穂「もう朝だよ?」

穂乃果「Zzz……」

雪穂「……」

雪穂「穂乃果」(ユッサユッサ)

穂乃果「ん……うぅ」(ムニャムニャ)

穂乃果「って……うええぇ〜?」(ガバッ)

穂乃果「マズい!マズいよ!!」

穂乃果「もう朝じゃんか!」

穂乃果「こんなんじゃ……間に合わない」(ワナワナ)

雪穂「……」

雪穂「あのさ。お姉ちゃん」

雪穂「ラブライブは午後からだよ」

穂乃果「!」

穂乃果「そうだった」

雪穂「ついでに、今回から部活動で参加する組には単位付くから」

雪穂「授業は無しだし」

穂乃果「そっか。忘れてたよ」

穂乃果「じゃあ、もうしばらく」(布団)

490 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:37:24.16 ID:t3+ldbuf.net
雪穂「だ〜っ!二度寝禁止!!」

穂乃果「何でよ!?」

雪穂「今日は全員集まって行きたいから」

雪穂「9時にここで待ち合わせって言ったのは穂乃果でしょ!?」

穂乃果「あっ。そうだった」

雪穂「全くぅ」(ジト目)

海未「穂乃果〜?」(窓の外)

ことり「穂乃果ちゃん」

雪穂「ほら、早速海未姉達が来た」

雪穂「じゃ、先降りてるからね?」

穂乃果「……」

雪穂「お姉ちゃん?」

穂乃果「うぇ?ううん。何でもないよ」

穂乃果「ありがとう雪穂」

雪穂「……」

雪穂「うん」

491 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:39:17.90 ID:t3+ldbuf.net
穂むら前




凛「か〜よちんっ♪」(抱きっ)

花陽「ぴゃっ!?」

花陽「り、凛ちゃん……こんな所で抱きついちゃダメだよぅ」

真姫「まぁ、良いんじゃないの?」

真姫「今日位」

花陽「ま、真姫ちゃん?」

真姫「……」

真姫「それよりも、みんな」

真姫「覚悟は出来てる?」

真姫「良い?終わるまでは、絶対、ダメだからね?」

りんぱな「……」

花陽「うん、分かってるよ」

凛「今日は最後まで、笑顔で行かなきゃね」

亜里沙「お待たせしましたぁ」

花陽「あ、亜里沙ちゃん」

亜里沙「お姉ちゃん達は、先に会場で待ってるそうです」

真姫「そう」

真姫「亜里沙も前言った話、覚えてるわよね?」

亜里沙「はい」

亜里沙「穂乃果ちゃん達と一緒に出来る、最後のラブライブですもんね」

亜里沙「涙は最後まで……絶対見せない」

真姫「そうよ」

真姫「それは卒業式まで取っとくべきものだからね」

492 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:40:55.13 ID:t3+ldbuf.net
午前10時

穂むら前




穂乃果「それじゃ、みんな行こうか」

一同「はいっ!」

穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「……」

花陽「はい」

花陽「みなさん。泣いても笑っても、今日で全てが決まります」

花陽「全力で行くのは当然……ですが」

花陽「まずは来てくれるお客さんに最高に楽しんでもらいましょう」

花陽「その為に、花陽はアイドルになったんだし」

花陽「みなさんもきっと、気持ちは同じだと思いますから」

一同「はいっ!」

凛「うぅ……かよちん偉いよぉ」(ウルウル)

真姫「こら、凛」

海未「それでは、凛」

凛「うん」

凛「それじゃあみんな、出発にゃあ〜♪」

一同「おーっ!」

493 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:42:52.10 ID:t3+ldbuf.net
ラブライブ会場




(ザワザワ)

一同「うわぁ……」

花陽「今年は一段と、大きいねぇ」

海未「主催者発表では、46000人だそうです」

ことり「今回はテレビ放映もされてるからね」

ことり「視聴率紅白越えもあり得るかも」

亜里沙「ハラショー」

穂乃果「……」

穂乃果「う〜ん。早く来すぎたかなあ」

穂乃果「本戦開始まで、まだ1時間半」

凛「私達の出番は9番目だから、時間は更に伸びるよね」

海未「……」

海未「いえ。そうでもないみたいですよ」

絵里「穂乃果、亜里沙。みんな」

絵里「いよいよね」

穂乃果「あっ、絵里ちゃん!」

希「ウチの見立てによれば」

希「今日はハッピーデーやん」

ことり「希ちゃん。お久しぶり」

希「ふふ」

494 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:44:43.87 ID:t3+ldbuf.net
真姫「……」(キョロキョロ)

希「にこっち?」

真姫「う゛えぇ!?ち……違うわよ!」

絵里「大丈夫よ。一緒に来てるわ」

弥生「みなさんお久しぶりです」

春菜「この前はお世話になりました」

一同「!?」

絵里「あなた達は」

一同「あら★いずぅ!?」

弥生「今日は是非ともみなさんのライブを見たいと思って」

春菜「練習抜けて来ました」

一同「!?」

一同「えぇ〜!?」

希「それって、大丈夫なん?」

弥生「あまり大丈夫ではありませんが」

春菜「私達にアイドルになるきっかけをくれた、花陽さんや穂乃果さん達」

春菜「全員で歌える最後の大舞台ですもん」

春菜「それと比べたら、講師の叱責も恐くはありません」

一同「……」

弥生「春菜」

春菜「ご、ごめんなさい。そう言うつもりでは」

495 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:46:29.50 ID:t3+ldbuf.net
穂乃果(スタスタ)

穂乃果(抱きっ)

やよはる「!?」

やよはる「穂乃果さん?」

穂乃果「ありがとう。2人とも」(ギューッ)

穂乃果「こんなにまでして、見に来てくれたんだもん」

穂乃果「こうなったら、絶対最高のライブにするからね?」

穂乃果「そうだよね?みんな」

海未「はいっ!もちろんです」

ことり「うんっ♪」

真姫「と〜うぜんよ」

凛「頑張るにゃあ♪」

雪穂「まさか学校放ってまで来てくれたなんて」

雪穂「こりゃ勝たなきゃ、面目ないね」

亜里沙「絶対ハラッショーな結果出して見せるからね?」

花陽「弥生ちゃん春菜ちゃん。本当にありがとう」

花陽「今回は今までで最高レベルの強豪が集まってるから、100%勝てるとは言わないけれど」

花陽「あなた達を絶対失望させないと、約束するよ」

やよはる「はいっ!」

496 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:48:38.39 ID:t3+ldbuf.net
にこ(物陰)

にこ「フンッ」(プイッ)

ツバサ「私とあなたに似てる所があるとしたら」

ツバサ「単独行動が大好きな所かしらね」

ツバサ「ふふ」

にこ「むぅ」(クルリ)

にこ「いつからそこにいたのよ?」(ジト目)

ツバサ「別に。見張ってたわけじゃないわ」

にこ「……」

ツバサ「情報提供、ありがとうね」

ツバサ「まさかあの娘達が、そこまで追い詰められていたとは、知らなかったわ」

ツバサ「遅かれ早かれ、あの講師は何とかするつもりだから」

にこ「あっそ」

にこ「さすがUTXグループの出世頭ともなると、顔が利くのね」

にこ「ありがとうとは言わないけどね」

ツバサ「当然よ」

ツバサ「あれ程可能性に満ちたアイドルの卵を、保身なんかで叩き割ろうとするなんて」

ツバサ「私も腸が煮えくり返る思いだからね」

497 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:50:15.84 ID:t3+ldbuf.net
ツバサ「でもにこ。これで分かったでしょ?」

ツバサ「所詮未成年者が単独でこの業界を泳ぎ抜くのは、危険過ぎるって」

にこ「どう言う意味?」(ジト目)

ツバサ「私達だって、大グループの庇護があるから、こうして大手を振って歩けるけれど」

ツバサ「これと言った後ろ盾の無いあなた達は、今だデビューのメドすら立ってないじゃない」

ツバサ「いえ、仮にデビュー出来たとしても」

ツバサ「大人達の都合で、良いように使い捨てにされる可能性もある」

ツバサ「マスコミや心無いファンによって、餌食にされるかも知れない」

ツバサ「それはあなただって、良く知ってる事でしょ?」

にこ「……」

ツバサ「あなたらしくもなく慎重策を取ってるのは、パートナーの事を思ってるからよね?」

にこ「!」

498 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:52:55.32 ID:t3+ldbuf.net
ツバサ「あなたの気持ちは分かるわ」

ツバサ「大事な仲間を、向こう見ずな行動で巻き込みたくない」

ツバサ「それは立派な判断。リーダーに相応しい資質よ」

にこ「そ……そんなんじゃないわよ!!」

ツバサ「私とあなた、陣営は違うかも知れないけれど」

ツバサ「同じアイドルを志す者として、仲間だと思ってるの」

ツバサ「どう?にこ。手を組まない?」

にこ「!!」

ツバサ「別にUTXに所属しろと言ってるわけじゃないの」

ツバサ「けど、今の私達なら、あなた達を安全にデビューさせてあげる事くらい」

にこ「お断りよ!!」

ツバサ「にこ」

にこ「勘違いしないで。にこはね。あんたを力ずくで叩き潰す」

にこ「あんたなんかの手は借りない」

にこ「見くびるのもいい加減になさい」

にこ「今は玉座にふんぞり返っていてもね」

にこ「一年後にはひっくり返したげるわよ」

にこ「この私がね」

499 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:55:03.59 ID:t3+ldbuf.net
ツバサ「ハァ……あなたね。この私がふんぞり返っているように見える?」

ツバサ「あなただって、いつまでも絵里に冷や飯を食わせたくないんでしょ?」

ツバサ「だったら、今は恥を忍んでも良いとは思わない?」

ツバサ「それを負い目に思うなら、出世払いと言う手もあるでしょ?」

にこ「ダメよ」(プイッ)

にこ「にこはね。誰の手も借りない」

にこ「穂乃果に負けて……いままたあんたの手にすがるの?」

にこ「そんなのはアイドルに対する冒涜、恥よ」

ツバサ「あなたね」

にこ「あんたこそ、寝首をかかれないよう、精々気をつけなさいよね」

にこ「もう行くわ」

(スタスタスタスタ)

ツバサ「……」

英玲奈「交渉は失敗か」

あんじゅ「凄い剣幕だったわねえ」

ツバサ「全く……どうしてこうも頑固なのかしら」

ツバサ「困ったものだわ」(溜め息)

500 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:58:13.38 ID:t3+ldbuf.net
英玲奈「確かにあれでは、自分で築き上げたアイドルグループを、崩壊させてしまうわけだ」

あんじゅ「今時珍しいわよね」

あんじゅ「まるで昭和の頑固親父みたい」(髪クルクル)

ツバサ「……」

ツバサ「確かに。考え方は古臭いかもね」

えれあん「……」

英玲奈「それでも、見捨てるつもりはないみたいだな」

ツバサ「まあ、あれでも、私に今のスタイルを教えてくれた、師匠みたいなもんだからね」

ツバサ「それに……見てみたいのよ」

ツバサ「あの娘がデビューしたら、とんなパフォーマンスを見せてくれるのか」

ツバサ「少なくとも私は、面白くなると思ってるわ」

501 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 01:59:41.01 ID:t3+ldbuf.net
(ザワザワ)

花陽「もうじき私達の出番だね」

花陽「……」

花陽「それにしても」

花陽「一世一代の大舞台を、制服で臨むなんて」

ことり「私達はスクールアイドル」

ことり「今回は敢えて、その原点にこだわってみたんだ」

真姫「まあ、多少アレンジはされているけど」

凛「地味過ぎないかな」

雪穂「……」

雪穂「私は、これで良いと思う」

海未「雪穂」

雪穂「みんな同じ学校の生徒なんだもん」

雪穂「これまでも、そして……これからもね」

亜里沙「……」

亜里沙「私も、賛成」

亜里沙「私も一度、みんなと一緒に、制服で歌ってみたかったんだ」

穂乃果「……」

にこ「ごめ〜ん。みんな、今来たわ」

502 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:01:25.75 ID:t3+ldbuf.net
真姫「もうっ。おっそいじゃないのよぉ」

希「もうじき始まるんよ?」

にこ「ごめんニコ」(ペロッ)

にこ「?」

にこ「あんた達」

弥生「お久しぶりです。にこさん」

春菜「ツバサさんから聞きました」

春菜「もし会ったら、ちゃんとお礼言っとけって」

やよはる「ありがとうございます!」

にこ「むぅ……」

にこ「別に?何もした覚えなんかないんだけど?」(プイッ)

希「にこっち。久々に先輩らしい所見せたやん」

にこ「むぅ……」

にこ「と、とにかく、ここまで来たんだから、負けたら承知しないわよ!?」

穂乃果「もちろんだよ」

穂乃果「今は花陽ちゃん達が率いているけど」

穂乃果「私達に取っても……スクールアイドル最後の戦いになるからね」

穂乃果「ね?ことりちゃん。海未ちゃん」

ことり「うんっ♪」

海未「もちろんです」

503 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:03:51.11 ID:t3+ldbuf.net
穂乃果「それじゃ、そろそろ。花陽ちゃん」

花陽「はいっ」

花陽「みなさん。これが最後の勝負」

花陽「私達音ノ木坂女学院アイドル研究部の、総決算になります」

花陽「全力で歌って踊って、悔いのないようにやりましょう!」

一同「はいっ!」

花陽「それじゃ……1」

凛「2」

真姫「3」

雪穂「4」

亜里沙「5」

ことり「6」

海未「7」

穂乃果「8」

のぞにこえり「9!」

希「ふふ」

やよはる「……」

弥生「あ、あの〜う」

春菜「私達も」

一同「!?」

希「ええのん?」

弥生「はいっ!」

春菜「ラブライブへの思いは、私達も同じですから」

穂乃果「花陽ちゃん。どうする?」

花陽「もちろん大歓迎だよ」

絵里「それじゃあ、改めて」

のぞにこえりやよはる「9!」

にこ「これだけ応援もらったんだから、絶対勝ちなさいよねぇ〜」

凛「にこちゃんのは貰っても、かえって滑りそうだにゃあ」

にこ「ぬぅあんですっとうぅえぇ!?」

504 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:05:54.68 ID:t3+ldbuf.net
穂乃果「よ〜し、行こう!」

花陽「凛ちゃん」

凛「みんな〜。凛につっづくにゃあ〜♪」

一同「お〜っ!」

(ドタドタドタドタ)

のぞにこえり「……」

やよはる「……」

絵里「みんな、頼もしくなったわね」

にこ「私達の卒業直後は、どうなるかと心配してたけど」

希「もう……ウチ等が世話を焼く必要は、ないみたいやね」

希「ふふ」

弥生「……」

春菜「……」

絵里「きっとツバサ達も、あなた達を、そんな風に見ているわよ」

弥生「そんな」

春菜「私達は、まだ」

希「でも、良かったやん」

希「次回のラブライブも、出られるんやろ?」

弥生「はい」

春菜「多分」

にこ「まぁ、そん時はそん時」

にこ「また敵と味方に別れるだけ。それがアイドル」

にこ「良いわね?にこが出来るのはここまで」

にこ「後はあんたら次第よ」

弥生「はいっ」

春菜「分かってます」

505 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:07:41.78 ID:t3+ldbuf.net
(ライブ後)

舞台裏




(キャアアァー)

穂乃果「……」

穂乃果「終わったね」

ことり「うん」

海未「思い起こして見ると」

海未「今まで色々とありましたが、ホント、あっと言う間でしたね」

真姫「泡沫の夢って事?」

凛「でも、ホント。夢みたいだよ」

凛「ホンの一年前は、凛なんか、アイドルはおろか」

凛「自分が女の子らしくないって気にしていたのに」

凛「それが今……アイドルの全国大会で、センター張ってるんだもん」

花陽「それは私も同じだよ」

花陽「穂乃果ちゃん達と出会わなければ」

花陽「今だってきっと……アイドルに憧れるだけの普通の女子高生だったんだろうなあ」

雪穂「……」

雪穂「グスッ……」

海未「雪穂?」

雪穂「ううん?何でもないよ」(ゴシゴシ)

亜里沙「雪穂……」

506 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:09:19.57 ID:t3+ldbuf.net
(アンコール アンコール!)

一同「!?」

海未「これは……」

花陽「前回と同じだね」

真姫「どうする?」

海未「……」

海未「ですが、前回は私達がトリでしたが」

海未「今回はまだまだ後ろがつかえてます」

ことり「勝手に応じたら、他の娘達に迷惑だよね」

???達「行かないの?」

一同「!」

雪穂「あなた達は」

次の出場者1「行ってあげなよ」

次の出場者2「主催者側には、私達の方からも頼んどくからさ」

一同「……」

海未「ですが」

次の出場者1「スクールアイドルをここまで盛り上げてくれたのは、アライズとミューズでしょ?」

次の出場者2「その創立者最後の大舞台なんだよ?」

次の出場者2「この位してあげてもいいじゃない」

海未「……」

一同「分かりました。ありがとうございます!」

507 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:10:35.80 ID:t3+ldbuf.net
アンコール後

舞台裏




一同「……」

凛「終わったね」

花陽「終わったんだね」

雪穂「そうだね」

亜里沙「……」

穂乃果「……」

海未「……」

ことり「……」

真姫「何よみんな。しんみりしちゃって」

508 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:11:47.74 ID:t3+ldbuf.net
穂乃果「真姫ちゃん」(スタスタ)

穂乃果(抱きっ)

真姫「ちょっ、穂乃果!?」

穂乃果「今まで本当にありがとう」

穂乃果「みんなのお陰で、ここまで来れたんだよ」(ギューッ)

海未「そうですね」

ことり「私達はこれで終わりだけど」

ことり「みんなと一緒にやって来れて」

ことり「本当に幸せだったよ」(ウルッ)

凛「……」

花陽「終わりなんだね」

穂乃果「うん」

海未「残念ですけど」

ことり「終わりなんだよ。みんな」(ウルウル)

509 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:13:38.28 ID:t3+ldbuf.net
凛「……」

凛「グスッ……」

花陽「凛ちゃん」

凛「ううっ、嫌だよ」(ウルウル)

凛「そんな事……言わないでよ」(ポロッ)

凛「嫌だよ……まだ続けるって言ってよ」(ポロポロ)

真姫「凛!わがまま言わないで」

凛「だってぇ……グスッ……凛はまだまだ穂乃果ちゃん達と一緒に居たいよ」

凛「もっともっと……エグッ……一緒にアイドルがやりたいんだよ……ヒック」

凛「穂乃果ちゃん達から教わりたい事……グスッ……まだまだあるのにぃ……ヒック」

凛「グスッ……エグッ……うええぇぇ〜ん」(ポロポロ)

花陽「凛ちゃん。大丈夫だから、ね?」(ナデナデ)

海未「私だって。別れたくないんですよ!」(ポロポロ)

海未「卒業なんてしたくないんです!」(ポロポロ)

海未「ですが……仕方ないじゃないですか」

海未「前から……グスッ……決まっていた事なんです……エグッ」(ポロポロ)

海未「ううっ……うううっ」(シクシク)

ことり「海未ちゃん」(抱きっ)

ことり「グスッ……グスッ」(ポロポロ)

510 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:15:16.56 ID:t3+ldbuf.net
亜里沙「雪穂ぉ」(抱きっ)

亜里沙「グスッ……グスッ」(ポロポロ)

雪穂「……」

穂乃果「雪穂、亜里沙ちゃん。今まで力を貸してくれてありがとう」

穂乃果「これからはあなた達に託すからね?」

雪穂「うぅ……」(ウルウル)

雪穂「お姉ちゃん」(ダッダッダッダッ)

雪穂(抱きっ)

雪穂「うえぇ……うえぇぇん」(ポロポロ)

穂乃果(ポロポロ)

真姫「何よみんな……これじゃ去年と同じじゃないのよ」

花陽「真姫ちゃん」

花陽(抱きっ)

真姫「ダメよ……卒業式まで笑顔で居ようって」(ウルッ)

真姫「グスッ……うえぇ……うわあああ……うわあああ〜ん」(ポロポロ)




今夜はここまで

511 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 02:17:45.31 ID:mxmAPNYU.net
画面が見えない
2年生のラストラブライブまでやってくれて嬉しい

512 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 04:14:40.73 ID:TrzKiTMv.net
これを早く読みたくてこの時間まで起きる癖がついた

513 :名無しで叶える物語(わんこそば)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 04:51:32.74 ID:ltiIycpu.net
素晴らしい青春だなぁ
俺もこういう青春をおくりたかった‥

514 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 08:57:33.98 ID:FlmBOMgJ.net
ぶっちゃけ、にこ何もしてないようなw

にこにーの扱いのひどさは穂乃果に、
大泣き要素は真姫に受け継がれたのね

続きが楽しみ

515 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 16:27:43.58 ID:/TeQ3mYi.net
一日おきに書き溜めて一気に投下すんのが本当にいい レス乞食や放置カスも見習えばいいのに

あと配慮してくれて感謝します 

516 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/03/06(日) 18:17:19.80 ID:IoLt0LtY.net
さて、にこえりはデビュー出来るのかな?やっぱパイセンはパイセンだな
支援

517 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 00:26:02.67 ID:l7G6WdiK.net
まだかえ

518 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 00:48:40.29 ID:x4CtXZsC.net
再開


卒業式当日

音ノ木坂女学院

校門前




花陽「みんな、おはよう」

凛「おはようにゃあ」

真姫「凛は珍しく早起き出来たみたいね」

凛「む〜っ。凛は遅刻した例なんかないけど」

真姫「それも花陽がいてこそでしょ?」

真姫「聞いたわよ?あなたも二度寝の常習犯だって」

真姫「そう言う所、本当穂乃果に似てるわよね?」

凛「む〜っ!そんな所似ても嬉しくないにゃあ!」

花陽(苦笑)

真姫「で?雪穂達は?」

花陽「2人とも、生徒会室だよ」

凛「そっかあ」

凛「卒業式だもんね。今日」

519 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 00:52:10.57 ID:x4CtXZsC.net
生徒会室




雪穂「本当にいつもすみません」

亜里沙「毎回毎回手伝って頂いて」

ヒデコ「いいよいいよ。気にしないで」

フミコ「これは私達の門出でもあるんだからね」

ミカ「穂乃果の言葉を借りれば」

ミカ「やり遂げるよ最後までってね」

雪穂「そっかあ……みなさんも卒業ですもんね」

ヒデコ「穂乃果やあなた達がいたからこそ、この音ノ木坂も、こうして存続叶ったし」

フミコ「この位の恩返しはしとかないと」

ミカ「それに……私達は、ミューズ結成時からみんなの事を見守って
少しだけ支えて来たからね」

ミカ「やっぱ……特別な思いが無いと言えば、嘘になるよね」

亜里沙「少しだけだなんて」

雪穂「フミコ先輩達がいなかったら、あのだらしないお姉ちゃんが天下を取るなんて
有り得ないから」(ジト目)

フミコ「でも、あなた達も本当に良く頑張ってくれたね」

ヒデコ「本当……我が校の誉だよ」

ミカ「これなら私達が卒業しても、安心だね」

ヒフミトリオ「本当におめでとう」

ゆきあり「はいっ!」

520 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 00:56:28.22 ID:x4CtXZsC.net
部室


(第4回ラブライブ優勝旗)






30分後 校門前


穂乃果「おっはよー海未ちゃん。ことりちゃん」

ことり「おはよう♪」

海未「穂乃果!約束の時間を10分も遅刻してますよ」

海未「全く……あなたと言う人は」

海未「こんなんで社会人として通用すると思ってるんですか?」

穂乃果「む〜っ。穂乃果も大学生になるんだよ!」

ことり「まあまあ海未ちゃん。せっかくの卒業式なんだし」

穂乃果「そう言えば、海未ちゃんとことりちゃんは、同じ大学なんだよね」

ことり「うんっ♪」

海未「それより、穂乃果がちゃんと大学に受かった事が」

海未「ラブライブ優勝以上の奇跡に思えるんですが」(ジト目)

穂乃果「もうっ、ちゃんと合格したよ!」

穂乃果「まぁ……そのラブライブ優勝経験者と言う肩書きで」

穂乃果「一芸入試パスしとかなきゃ……危なかったかも知れないけどさ」(横目)

海未「……」

海未「今から思えば、あなたはアイドル始めて、本当良かったんですね」(皮肉)

521 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:03:13.04 ID:x4CtXZsC.net
ことり「そう言えば、穂乃果ちゃんって、どこ受けたんだっけ?」

海未「合格するまで秘密だって言ってましたよね」

穂乃果「そうだよ」

ことり「じゃあ、そろそろ」

穂乃果「へっへ〜ん。まだまだ秘密だよ」

海未「……」

穂乃果「裏口じゃないよ!ちゃんと受験したよ」

穂乃果「けど……みんなを驚かせようと思ってさ」

ことうみ「みんな?」

穂乃果「そうだよ」

穂乃果「私がその大学に行ったら、きっと2人ばかり、喜んでくれるんじゃないのかな」

穂乃果「最も……その内の1人は」

穂乃果「ぬあぁ〜んどうぇあんたがここに来てんのよぉ?って」

穂乃果「訝しがるかも知れないけれどね」

ことうみ「?」

ことうみ「???」





穂むら

穂乃果の部屋



(音ノ木坂女子大 合格通知)

522 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:08:01.65 ID:x4CtXZsC.net
講堂 卒業式

(ザワザワ)

演壇




雪穂「お集まり頂いた卒業生のみなさん。並びに保護者父兄のみなさん」

雪穂「本日をもって、音ノ木坂女学院三年生の課程は修了です」

亜里沙「みなさんが社会に羽ばたいて、より一層御活躍出来るよう」

亜里沙「並びに、幸せな人生を歩まれるよう心から願い、これをもって祝辞とさせて頂きます」

雪穂「音ノ木坂女学院生徒会長 高坂雪穂」

亜里沙「同じく副会長 絢瀬亜里沙」

ゆきあり「みなさん本当に、おめでとうございます!」

(パチパチパチパチ)



ヒデコ『以上、生徒会長及び副会長からの祝辞を終わります』

ヒデコ『続きまして、音ノ木坂女学院南理事長より、卒業生のみなさんへの挨拶です』

(パチパチパチパチ)

理事長(カツカツカツカツ)

理事長(演壇)

523 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:12:40.85 ID:l7G6WdiK.net
今日は更新が遅い

524 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:12:46.06 ID:x4CtXZsC.net
理事長「みなさん今日は。音ノ木坂女学院理事長 南です」(演壇)

理事長「思えば、この学校の存続が危うくなり、国有化の上、私達理事会が設置された時」

理事長「私は、遅かれ早かれ統廃合は免れないと、そう観念しておりました」

理事長「それを前提に、いかに当時の在校生のみなさん方に、影響を及ぼさない様にするのか」

理事長「私達の使命は、そこにあるのだと考えておりました」

穂乃果「……」

海未「……」

ことり「……」

理事長「ですが、可能性はそれだけではなかったと、私達は教えられました」(演壇)

理事長「どれだけ経験があろうとも、優れた有識者達が揃っていても」

理事長「結局……行動する者、最初の一歩を踏み出す者にはかなわないのだと」

理事長「この年になって……改めて思い知らされました」

穂乃果「……」

海未「……」

ことり「……」

525 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:16:10.10 ID:x4CtXZsC.net
理事長「私は、そんな彼女達から、諦めない心、前に進む勇気を見せてもらいました」(演壇)

理事長「今まで目にしたどんな本よりも、どんな専門家が出したデータよりも」

理事長「私は……彼女達から多くの物を学ばせてもらいました」

理事長「本日卒業される高坂穂乃果さん。園田海未さん
そして……私の娘でもある、南ことり」

理事長「並びに、ミューズの……アイドル研究部のみなさん」

理事長「今まで本当にお疲れ様。ありがとうございます」

理事長「そして、卒業おめでとうございます」

穂乃果「……」

海未「理事長」

ことり「お母さん」(ウルウル)

ヒデコ『以上、音ノ木坂女学院 南理事長からの祝辞でした』

フミコ『みなさん。盛大な拍手を!!』

(パチパチパチパチパチパチパチパチ)

花陽(パチパチパチパチ)

凛(パチパチパチパチ)

真姫(パチパチパチパチパチパチパチパチ)

526 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:19:37.18 ID:x4CtXZsC.net
ヒデコ『それでは、卒業生総代 高坂穂乃果さん 園田海未さん 南ことりさん 
演壇へどうぞ!』

(パチパチパチパチパチパチパチパチ)

ことほのうみ(カツカツカツカツ)

ことほのうみ(演壇)

穂乃果「みなさん今日は。卒業生総代を預かりました高坂穂乃果です!」

穂乃果「本日は、このような立派な卒業式の場を設けて頂き、本当にありがとうございます」

ことうみ「ありがとうございます!」

(パチパチパチパチ)

穂乃果「思えば私達が入学してから、色んな事がありました」

穂乃果「ですが……今思うと、あっという間の出来事の様に感じます」

穂乃果「しかし、こんな私ですが、ほんの少し学園のお役に立つ事が出来て」

穂乃果「ちょっぴり嬉しく、また誇りにも思ってます!」

穂乃果「そして……そんな私達の為に力を貸してくれたみなさん」

穂乃果「本当に……ありがとう」

527 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:21:55.28 ID:x4CtXZsC.net
穂乃果「そして、これからは、私達の」(演壇)

穂乃果「私達の……私達」(ウルッ)

穂乃果「クッ……」(ウルウル)

海未「穂乃果」

ことり「穂乃果ちゃん」

穂乃果「えへへ……柄にもない事すると、やっぱ言葉が続かないや」

穂乃果「そうだ。よ〜し!」

穂乃果「みんな、歌おう!」

穂乃果「力一杯歌おうよ!!」

海未「んなっ!?」

ことり「穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「ね?歌おう」

穂乃果「真姫ちゃん達も!」

真姫「ヴエェ!?」

花陽「ぴゃっ!?」

凛「にゃあ!?」

穂乃果「雪穂も。亜里沙ちゃんも!!」

雪穂「お姉ちゃんさあ」(ジト目)

雪穂「もう」(ウルッ)

亜里沙「はいっ!」

亜里沙「やろう!雪穂」

凛(スック)

凛「よ〜しみんな。演壇に集合にゃあ〜♪」

一同「お〜っ!」

528 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:24:08.08 ID:x4CtXZsC.net
ステージ



海未「すみません。穂乃果のわがままに付き合わせてしまって」

ミカ「構わないよ」(ピアノ)

ミカ「大して上手くはないけれど」

ミカ「今日は真姫ちゃんも、踊る側に回ってもらわないとね?」

(ザワザワザワザワ)

穂乃果「凛ちゃん」

凛「よ〜し。1」

花陽「2」

真姫「3」

雪穂「4」

亜里沙「5」

海未「6」

ことり「7」

穂乃果「8」

ヒフミトリオ「9!」

一同「!」

ヒデコ「9人だよ。私達を入れて」

フミコ「これで最後だね」

ミカ「今まで本当にありがとう」

一同(ウルウル)

穂乃果「よ〜し。ミュージックスタート!」

529 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:26:11.02 ID:x4CtXZsC.net
ミカ(タララッララン ラッララン タラララッラララン♪)

一同「I say! hey hey hey start dash!」

一同「hey hey hey start dash!」

ミカ(ズーン タンララッララッラ♪)

ことり「産毛の小鳥達も♪」

海未「いつか空に羽ばたく♪」

穂乃果「大きな強い翼で飛ぶ♪」

花陽「諦めちゃダメなんだ♪」

凛「その日が絶対来る♪」

真姫「キミも感じてるよね 始まりの鼓動♪」

亜里沙「明日よ変われ♪」

雪穂「希望に変われ♪」

穂乃果「眩しい光に 照らされて変われ♪」

一同「dash!」

530 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:28:51.50 ID:x4CtXZsC.net
ミカ(タラララタラララッラララン タラララタラララッラララン タラララタラララッラララン ララララララララ
タラッララッラ ズッズッズズン♪)ピアノ

ことり「悲しみに閉ざされて♪」

海未「泣くだけのキミじゃない♪」

穂乃果「熱い胸きっと未来を切り開くハズさ♪」

一同「喜びを受け止めて キミとボクつながろう♪」

一同「迷い道やっと外へ 抜け出したハズさ♪」

一同「喜びを受け止めてキミとボク進むだろう♪」

ことり「それは♪」

雪穂「それは♪」

凛「遠い♪」

海未「夢の♪」

真姫「かけら♪」

亜里沙「だけど♪」

穂乃果「愛しいかけら♪」

一同「彼方へと ボクは dash!」

ミカ(タッタタラッラッラッララララ♪)ピアノ

一同「hey hey hey start dash!」

ミカ(タッタタラッラッラッララララ♪)

一同「hey hey hey start dash!」

ミカ(ジャーン♪)

一同「みなさん 今まで本当にありがとうございました!!」

(パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ)

(パチパチパチパチパチパチパチパチ パチパチパチパチパチパチパチパチ)

531 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:30:50.11 ID:x4CtXZsC.net
下駄箱前




絵里「穂乃果、ことり、海未」

絵里「みんな卒業おめでとう」

穂乃果「あ、絵里ちゃん」

ことり「来てくれたんだね」

希「ウチもやん」(巫女姿)

海未「希も相変わらずみたいですね」

希「ウチだけやないよ?」

絵里「ほら。にこ」

にこ「ぬ、ぬぅあによ?」

穂乃果「にこちゃん。お久しぶり」

にこ「むぅ……」

にこ「と、とりあえず……ラブライブ優勝は」

にこ「おめでとうって……言ったげるわよ」

希「にこっち素直やないやん」

希「優勝した時は、涙流して喜んでたくせに」(ニヒヒ)

一同「えぇ〜っ!?」

にこ「あぁ……アイドルは、泣かないの!!」

凛「にこちゃんも相変わらずだにゃあ」

532 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:33:04.43 ID:x4CtXZsC.net
花陽「にこちゃん」

花陽「花陽は部長になって、まだ一年だけど」

花陽「こうして色々体験してみて、にこちゃん達がどれだけ大変だったのか」

花陽「そして……どれだけ偉大だったのか、改めて分かったよ」

花陽「私は、真姫ちゃんや穂乃果ちゃん達の支えがあったから
なんとかやって来れたけど」

花陽「にこちゃんは、たった1人で、1からやらなきゃいけなかったんだもんね」

花陽「本当にお疲れ様」(ペコリ)

にこ「むぅ……」

にこ「あんときは希もいたのよぉ〜」

希「照れてる照れてる♪」




花陽「けど……やり遂げたよ最後まで」

にこ「……」

にこ「そうね」

にこ「みんな。本当におめでとう」

533 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:35:13.65 ID:x4CtXZsC.net
雪穂「……」

雪穂「にこ先輩」(ズイッ)

にこ「んなっ!?」(ギクッ)

にこ「何?」(冷や汗)

雪穂「あの時は生意気な事を言って、すみませんでした」(ペコリ)

にこ「……」

にこ「良いのよ」

にこ「あなた達も、もう立派なアイドル」

にこ「これからは対等よ」

ゆきあり「はいっ!」

にこ「ところであんた達、進路はよ?」

海未「私とことりは、都内の私学に通いますが」

希「穂乃果ちゃんは?」

穂乃果「……」

にこ「穂乃果?」

絵里「まさか」(冷や汗)

穂乃果「受かったよ!ちゃんと受かったよ」

にこ「じゃあ、どこの大学に行くのよ」(ジト目)

穂乃果「それがね。まだ秘密なんだ」

にこ「ぬぅあによそれぇ!?」

絵里「ハラショー」

希「ヒントだけでもくれへん?」

穂乃果「一応都内だよ」

にこ「入学早々遅刻とかするんじゃないわよぉ〜?」

穂乃果「エヘヘ♪」(ウインク)

534 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:36:37.26 ID:x4CtXZsC.net
ツバサ「みなさん。おそろいのようね」

英玲奈「ここが最大のライバルの総本山か」

あんじゅ「思えば、正式に訪れたのって」

あんじゅ「今日が初めてね」

一同「!?」

一同「アライズ!?」

ツバサ「私達だけじゃないわ」

弥生「みなさんお久しぶりです」

春菜「ご卒業おめでとうございます!」

穂乃果「おおっ!」

花陽「春菜ちゃん」

535 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:38:21.41 ID:x4CtXZsC.net
ツバサ「……」

ツバサ「そう」

ツバサ「みんなバラバラに別れるのね」

海未「はい。残念ですが」

ツバサ「それじゃ、もうアイドルはやらないのかしら?」

海未「私は、大学卒業後は普通に就職を目指してますし」

ことり「私も、本格的に留学して」

ことり「服飾を学びたいしね」

ツバサ「……」

ツバサ「穂乃果は?」

穂乃果「うぇ?私!?」

穂乃果「私も……大学に行くけど」

ツバサ「どこの大学かしら?」

穂乃果「それがね。まだ秘密なんだ」

ツバサ「この私にも言えないの?」

海未「すみません。さっきからこの一点張りで」

真姫「下手に酷い所行くよりも」

真姫「今の経歴引っ提げて、大手に拾ってもらった方が良かったんじゃないの?」

穂乃果「そこそこ良い大学だよ!」

536 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:38:44.70 ID:RtkB5xMv.net
おつ

537 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:40:57.57 ID:x4CtXZsC.net
真姫「そう言えば、弥生達は?」

真姫「まだあの講師に圧力かけられてるの?」

弥生「はいっ。その件なら」

春菜「ツバサさん達が口を聞いてくれて」

春菜「今年度を持って、契約は打ち切り」

春菜「もうじき新しい方に変わります」

花陽「そうなんだ。良かったねぇ」

春菜「これも、ツバサさんやにこさん達のお陰です」

弥生「本当にありがとうございます」

にこ「……」

希「ほら、にこっち」

にこ「これからはアイドル同士、対等な勝負になるわ」

にこ「これ以上の手助けは期待しない事。良いわね?」

やよはる「はいっ」

凛「またカッコつけちゃってぇ」

にこ「なんか言った!?」(ギロッ)

真姫「……」

希「そう言えば、真姫ちゃんは?」

真姫「私?決まってんでしょ?」

真姫「来年は医学部を受ける」

真姫「子供の頃から、そう決まってるんだからね」

凛「婚約者もいるんだって?」

花陽「きっと素敵な人なんだろうね」

真姫「ま、まあね」(髪クルクル)

にこ「……」




ここで前半終了

次レスから後半に入ります

538 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:42:58.61 ID:x4CtXZsC.net
後半


4月 新年度

音ノ木坂女子大学




私 高坂穂乃果は

晴れて大学生になった!

高校時代は色々あったけど

アイドル始めてミューズを結成して

色んな人に出会えて

ほんの少し大人に成長したと思う!

そして今日は

待ちに待った入学式だ!


だけど……



(ダッダッダッダッ)

穂乃果「あわわわわ…遅刻だぁ〜」(口にパン)

穂乃果「どうしよう。しょっぱなから遅れるなんて……
みっともないよぉ〜」(ダッダッダッダッ)

穂乃果「あ〜あ。いつもなら海未ちゃんやことりちゃんが
起こしてくれんのにぃ〜」(口にパン)

(ダッダッダッダッ)

539 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:45:25.07 ID:x4CtXZsC.net
校門前




穂乃果(ダッダッダッダッ)

???(スタスタスタ)

穂乃果「うぁっ!?」

???「ぬぁあ!?」

(ゴッツーン)

穂乃果(ドテッ)

???(ドサッ)

穂乃果「うぅ〜、イタタタタァ」(涙目)

???(ギリッ)

???「あんたねぇ。どこ見てんのよ!?」(ジト目)

穂乃果「ゴメンゴメン」

穂乃果「って……うあぁ〜?私のランチパックがぁ」

穂乃果「カラスに持ってかれたぁ〜」

カラス(ランチパックパクパク)

???「……」

???「そりゃお気の毒に」

穂乃果(シュン)

???「てか、何であんたそんなに急いでんのよ?」

穂乃果「あ……そうだった」

穂乃果「入学式……急がないと」

???「あんたねぇ。まだ9時よ」

穂乃果「もう9時だよ!」

540 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:47:10.26 ID:x4CtXZsC.net
穂乃果「てか、何でにこちゃんこそそんなにのんびりしてるの!?」

にこ「ここ大学だけど」

穂乃果「そんなの分かってるよぉ」

にこ「ハァ……あんたね」

にこ「入学式午後からなんだけど」

穂乃果「」

穂乃果「うえぇ〜?じゃあ穂乃果、骨折り損のくたびれもうけって事ぉ!?」

にこ「あんたも相変わらずよねぇ」(ジト目)

穂乃果(シュン)

にこ「ったく……しょうがないわねぇ」

にこ「来なさい。とりあえず案内したげるから」

穂乃果「良いの?」

にこ「下手に帰して、二度寝して遅刻でもされたら困るからね」

541 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:49:01.68 ID:x4CtXZsC.net
キャンパス




穂乃果「うわぁ……本当に広いねぇ」(テクテク)

穂乃果「高校とは大違いだ」

にこ「そりゃ、3000人が学んでいるからね」(テクテク)

にこ「で?あんた志望は?」

穂乃果「商学部だよ」

にこ「あんたが?」

穂乃果「ここを卒業したら、とりあえず就職するけど」

穂乃果「ゆくゆくは、お店を見る事になるかも知れないからね」

にこ「あんたなりに考えてんのねぇ」

にこ「って……待ちなさい穂乃果」

にこ「あんた、アイドルはどうすんのよ?」

にこ「やらないの?」

穂乃果「するよ。もちろん」

穂乃果「この大学でね。スクールアイドルは続けたい」

穂乃果「けどね……それ以上はやらない」

穂乃果「穂乃果は、プロとかは向いてないと思うし」

穂乃果「芸能界の事とかも、良く分かんないしさ」

にこ「……」

穂乃果「にこちゃん?」

にこ「あっそ。まあ良いわ」

542 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:50:29.18 ID:x4CtXZsC.net
穂乃果「にこちゃんは、どの学部に入ったの?」

にこ「法学部よ」

穂乃果「」

にこ「ぬぅあによ?その顔は!?」

穂乃果「いや……にこちゃんらしくないチョイスかなぁ〜って」(冷や汗)

にこ「私らしいチョイスの実例を示してみなさいよ!」

穂乃果「ええとぉ……帰宅部?」

にこ「それ学部じゃないでしょ!?」

???「2人とも。早速仲良さそうね」

穂乃果「あ、絵里ちゃん。久し振り」

穂乃果「そっかぁ。絵里ちゃんもここだったもんね」

絵里「そうよ」

絵里「今日は入学式だからね。いつもより早く来たわ」

穂乃果「?」

にこ「穂乃果?絵里ね」

にこ「ここの学生会長務めてんのよぉ〜」

穂乃果「!」

穂乃果「わお!絵里ちゃんスゴい!」

絵里「私は断ったんだけどね」(苦笑)

543 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:52:05.11 ID:x4CtXZsC.net
カフェテラス




穂乃果「海未ちゃんやことりちゃん達と離れて、ちょっぴり心細かったけど」

穂乃果「にこちゃん達がいてくれて、本当良かったよ」

穂乃果「これから四年間よろしくお願いします。先輩」

絵里「ハラショー!」

にこ「あんたね。実質三年でしょ?」

にこ「?」

にこ「……」

にこ(ワナワナ)

にこ「ってか……」

にこ「ぬうぅうあぁんどぅぇあんたがここに来てんのよぉ!?」(指ビシッ)

穂乃果「うえぇ〜?今更ぁ!?」

絵里(苦笑)

穂乃果「い、いやぁ〜。実はさぁ」

穂乃果「一芸入試も含めて、穂乃果が行けるギリギリのレベルがここだって」

にこ「リアルな事情説明ありがと」(ジト目)

544 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:53:46.19 ID:x4CtXZsC.net
音ノ木坂女学院


私 小泉花陽 高校三年生

子供の頃からアイドルに憧れて

この音ノ木坂でミューズに入って

ラブライブ優勝を果たした

けど にこちゃんや穂乃果ちゃんも卒業し

今はもう アイドル研のメンバーも5人だけ

けど 残る一年精一杯やってこうと思う!




花陽「まだまだこれから。ファイトだよ!」

凛「にゃんにゃんにゃ〜ん♪」

凛「つ〜かまえたぁ〜♪」(抱きっ)

花陽「ぴゃっ!?」

花陽「り、凛ちゃん……こんな所で抱き付かれたら、恥ずかしいよぉ」

凛「え〜何でぇ?」

凛「かよちんこんなに可愛いんだよ?」

凛「抱き付かない方がおかしいにゃあ」(スリスリ)

真姫「ていっ」(チョップ)

凛「痛っ……」

凛「痛いよ真姫ちゃん」(涙目)

真姫「入学式日早々なにやってんの?」

真姫「新入生達に誤解されちゃうわ」

545 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:54:57.47 ID:x4CtXZsC.net
雪穂「う〜ん、この雪穂も、晴れて高校二年生」

雪穂「まさかこの私が、生徒会長になって」

雪穂「ラブライブ優勝まで果たすとはね」

雪穂「ね?亜里沙」

亜里沙「そうだね」

雪穂「人間生きてると、色々あるもんだ」

亜里沙「雪穂。それ若い娘が言う事じゃない」

雪穂「ははっ。そうだね」

雪穂「よ〜し。早速新年度初仕事だ」

雪穂「行こう、亜里沙」

亜里沙「うんっ」

546 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:57:40.54 ID:x4CtXZsC.net
講堂




雪穂「進級されたみなさん。並びに新たに我が校に入学されたみなさん」(演壇)

雪穂「本当におめでとうございます」

亜里沙「おめでとうございます」

雪穂「当校は、おかげさまをもちまして、廃校の危機を脱し」

雪穂「今や、都内で通いたい高校ランキング ベスト3に輝きました」

雪穂「これも在校生のみなさん初め、今まで応援して下さった、保護者父兄の方々のお力のお陰です」

亜里沙「本当にありがとうございます」

(パチパチパチパチ)




雪穂「ここ音ノ木坂女学院は、設立以来長い伝統を誇り」(演壇)

雪穂「反面……設備の老朽化が指摘されてはいますが」

雪穂「何かあれば、校内結束して危機に立ち向かい、大きな目標にチャレンジ出来る」

雪穂「そんな素晴らしい校風に満ちています」

雪穂「私の姉 高坂穂乃果」

亜里沙「同じく、私の姉 絢瀬絵里達が」

雪穂「どれだけの事を成し遂げて」

雪穂「そして……どれだけのモノを残してくれたのか」

雪穂「それを引き継ぐ事が、私達の使命だと感じています」

547 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 01:58:59.36 ID:x4CtXZsC.net
雪穂「この学校に入られたみなさんが、それぞれ自分達の目的、そして幸せを見つけ」(演壇)

雪穂「全力をもってそれに邁進出来るよう、私達生徒会も応援していきたいと思います」

雪穂「音ノ木坂女学院生徒会長 高坂雪穂」

亜里沙「並びに副会長 絢瀬亜里沙」

ゆきあり「みなさん。御入学おめでとうございます!」

548 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:01:19.55 ID:x4CtXZsC.net
ゆきあり「引退!?」

理事長「そうなのよ」

理事長「これからの見通しとしてね。音ノ木坂女学院は」

理事長「当面毎年、3クラスは編成出来る見通しが立ってね」

理事長「もう、私達理事会の使命は終わったと」

理事長「そう結論が出されたの」

雪穂「そうなんですか」

亜里沙「ハラショー」

理事長「来年からは、国有化はそのままに、理事会は解散」

理事長「新たに校長が来られて、通常の体制に戻る予定よ」

理事長「まあこれで、整理統廃合の話は、完全に無くなったわね」

ゆきあり「……」

理事長「これも穂乃果さん始め、あなた達の活躍のお陰ね」

理事長「本当に良くやってくれたわ」

雪穂「それでは……理事長は来年からは」

理事長「ここを離れる事になるわね」

亜里沙「寂しくなりますね」

549 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:02:04.89 ID:x4CtXZsC.net
理事長「この前も言ったけど」

理事長「前に進む事を恐れぬ勇気。自ら一歩踏み出す偉大さ」

理事長「あなた達からは多くの事を教わったわ」

理事長「本当……若さって素晴らしいわね」

雪穂「そんな」

550 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:03:03.29 ID:x4CtXZsC.net
5月

音ノ木坂女学院 アイドル研究部 部室




凛「……」

花陽「……」

真姫「……」

雪穂「……」

亜里沙「……」

真姫「まさか」

凛「みんな辞めてしまうとは」

雪穂「当初こそ、新入部員が10人程やって来たけど」

花陽「全員……1ヶ月で消えちゃうなんて」

凛「あっけなさすぎだよねぇ」

亜里沙「ハラショー」(冷や汗)

551 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:04:04.54 ID:x4CtXZsC.net
花陽「おかしいなぁ。そんなに厳しくした覚えはないのに」

凛「ミューズの頃は、倍近くのメニューをこなしてたもんね」

真姫「海未も絵里もにこちゃんも、割とスパルタだったからね」

ゆきあり「……」

真姫「正直根性無さすぎなのよ」

凛「医師志望の真姫ちゃんの口から根性論!?」

凛「これは雪が降るにゃあ」

真姫「ちゃかさないで!」

552 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:05:46.28 ID:x4CtXZsC.net
花陽「ごめんね?雪穂ちゃん。亜里沙ちゃん」

花陽「後輩……欲しかっただろうにね」

雪穂「大丈夫ですよ」

亜里沙「私もしばらく、このメンバーでやって行きたいし」

花陽「いずれにしても、新規受付は継続しよう」

凛「でも、なんで集まらないのかなぁ〜」

真姫「そりゃ、UTXと並んで、ラブライブ二回制覇の強豪だし」

真姫「遊びじゃなくて、真剣にアイドルやってるからと、逆に足がすくむのでしょうよ」

真姫「実際、正規の部活じゃなくて、アイドル同好会ってサークルが出来たらしいしね」

凛「そっかあ」

花陽「……」

553 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:08:19.70 ID:x4CtXZsC.net
三年教室



花陽「ねぇ、凛ちゃん」

花陽「廃校は完全に免れた時点で、私達のスクールアイドル活動の使命は終わった」

花陽「そう言う事なのかな」

凛「かよちん」

花陽「確かに本気で追求すれば、アイドルは厳しい」

花陽「でも、それ以上に楽しい」

花陽「にこちゃんがね?良く言ってたよ」

花陽「私も今にして、その意味が良く分かる」

花陽「でも……確かにね。新しく入学して来た娘達からすれば」

花陽「もうアイドルは必要ないかも知れない」

凛「そんな事ない!」

花陽「凛ちゃん……」

凛「凛はバカだけど、二年間アイドルやって、アイドルがどれだけ楽しいか
どれだけ素晴らしいか」

凛「どれだけ大勢の人を喜ばせ勇気づけられるか、その事は良く学んだよ」

凛「穂乃果ちゃんやにこちゃん達の背中を見てね」

花陽「……」

554 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:09:38.64 ID:x4CtXZsC.net
花陽「そうだね。そうだよね」

花陽「たった1人で、アイドルの灯を守ろうとした人が、この部活の創設者だもんね?」

花陽「凛ちゃん。私達、この一年でさ」

花陽「アイドルとして先輩として」

花陽「何か……雪穂ちゃん達や新入生のみんなにさ」

花陽「心に残る何かを示せれば良いね?」

花陽「花陽はそう思う」

凛「かよちん」

凛「うん。凛もそう思うにゃ」

555 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:11:26.33 ID:x4CtXZsC.net
翌日

放課後

三年教室




真姫「……」

『真姫さん。これはまだまだ先の話かも知れませんが』

『あなたのお父さんとお母さんとも良く話し合った上』

『正式に、結婚を前提にお付き合いさせて頂きたいと』

『無論これは、あなたが大学に入ってからのお話になりますが』

『色好い返事が頂ければ嬉しく思います』




真姫(後一年で、卒業)

真姫(早いものね)

真姫(私は医学部を受けるから、私の音楽活動はもう終わり)

真姫(アイドルもおしまい)

真姫(……)

真姫(医学部を卒業したら、脳外科医になって)

真姫(ゆくゆくは総合病院を引き継ぐ)

真姫(結婚相手は……将来を嘱望された医師)

真姫(薔薇色の人生よね)

真姫(ホント……人もうらやむ輝かしい将来だわね)

真姫「……」

556 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:13:22.96 ID:x4CtXZsC.net
希の大学

スピリチュアル研究会 部室




希「にこっち。もうそろそろはっきり言わんと」

にこ「あによ」

希「絵里ちの事やん」

希「にこっちなら、雑草根性で、例え大手じゃなくても」

希「地下アイドルでもなんでも、デビューするつもりなんやろ?」

にこ「雑草とは失礼ね」

にこ「にこも大手を目指してんの!」

希「せやけど、絵里ちには変な苦労はさせたくない」

希「そうなんやないん?」

にこ「うっさいわねぇ」(ジト目)

希「にこっち」

希「優しさも履き違えると、ろくな事にならんよ」

希「一度絵里ちと、良く話し合わんと」

にこ「してるわよ」

にこ「何度も」

希「……」

希「気を使って、本当の事は言えないままなんやないん?」

にこ「……」

557 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:14:19.75 ID:x4CtXZsC.net
希「この前も言うたけど」

希「絵里ちかて、生半可な気持ちで、にこっちに付いて来たわけじゃないんよ?」

希「相応の覚悟はしてる筈やん」

にこ「わ〜かってるわよぉ」

にこ「とにかく、この話はにこが何とかするから」

にこ「あんたは余計な事しないでよ?」

希「……」

にこ「邪魔したわね」

(ガチャッ)

(バタンッ)

558 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:16:02.35 ID:x4CtXZsC.net
希「……」

希「あの頃と変わってないね」




『にこっち追わんの?』

『あの娘達……本気でにこっちを憎くて退部届出したと思うん?』

『だったら……ウチに出す筈やんか』

『希。もう良いの。もう済んだ事よ』

『全てはにこの責任。過ちなんだから』

『そんなんじゃない!にこっち逃げてるだけやん』




希「……」

希(全てを自分で抱え込み、誰にも相談せず、助けすら求めない)

希「ホンに意地っ張りやねぇ」

希(溜め息)

559 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:16:51.75 ID:x4CtXZsC.net
6月

音ノ木坂女学院

アイドル研究部 部室




花陽「……」

凛「……」

真姫「……」

雪穂「……」

亜里沙「……」

花陽「ごめんなさい」(ペコリ)

雪穂「かよちん?」

亜里沙「何で……謝るの?」

560 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:16:51.86 ID:x4CtXZsC.net
6月

音ノ木坂女学院

アイドル研究部 部室




花陽「……」

凛「……」

真姫「……」

雪穂「……」

亜里沙「……」

花陽「ごめんなさい」(ペコリ)

雪穂「かよちん?」

亜里沙「何で……謝るの?」

561 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:18:00.60 ID:x4CtXZsC.net
花陽「結局、新入部員は1人も来なかった」

花陽「見学者はぁ、大勢いたんだけど」

凛「手応えあったんだけどなぁ」

真姫「……」

真姫「と〜うぜんでしょ?」

ゆきあり「?」

真姫「私達音ノ木坂は、ラブライブ二回制覇の強豪校」

真姫「そんじょそこらの素人じゃ、通用するレベルじゃないわ」

真姫「良いんじゃない?去年みたいにまた、訳の分からない連中にゴチャゴチャやられるよりは」

花陽「真姫ちゃん!そう言う言い方良くないよ!!」(ガタッ)

一同「!?」

真姫「な、何よ急に」

花陽「うぇ?あぁ……ゴメン」

花陽「思わず大声出しちゃって」

562 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:19:28.53 ID:x4CtXZsC.net
雪穂「うぅ……あの内気なかよちんが、こんなにはっきり言うまでになるなんてぇ」(ウルウル)

雪穂「成長したねぇ」(ウルウル)

亜里沙「雪穂。先輩だよ?」

真姫「別に?気にしちゃいないわ」

真姫「けど、どうせラブライブ優勝目指すなら、今のメンバーで行くのがベストなのは
事実でしょ?」

凛「そうだね」

花陽「来年、雪穂ちゃん達に迷惑かけちゃう事になるけど」

ゆきあり「……」

雪穂「私達の事は気にしないで良いよ」

雪穂「私もどうせなら、この5人でやって行きたいから」

亜里沙「そうだよ」

亜里沙「私達なら大丈夫です」

亜里沙「生徒会もやってるから、新規部員募集なら、なんとかなると思う」

花陽「……」

花陽「そうか」

563 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:20:50.60 ID:x4CtXZsC.net
真姫「ところで私達、もっと大事な話で集まったんでしょ?」

花陽「あぁ……そうだったね」

花陽「みなさん。またまたラブライブが開催されます」

雪穂「第五回目か」

亜里沙「もう恒例行事と化してきたね」

花陽「今回は、またしても前回を上回る規模で」

花陽「それに応じて、予選も三回開かれます」

一同「……」

花陽「第一次はこの東京地区。第二次は関東大会」

花陽「そして第三次では、全国対抗で上位7チームを選抜」

花陽「本大会ではその7チームが優勝を争います」

一同「……」

雪穂「ますます競争が激しくなったわけだ」

564 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:22:30.93 ID:x4CtXZsC.net
花陽「ただし」

一同「ただし?」

花陽「前回優勝した我が校は、既に最終予選組にエントリーされています」

花陽「つまり……私達は、第三次予選までは出ません」

一同「えぇ〜っ!?」

亜里沙「ハラショー」

真姫「要するに、他の新参者にチャンスを与えるって訳ね」(髪クルクル)

凛「かよちん。第三次予選の日程は?」

花陽「7月下旬だよ」

一同「……」

亜里沙「随分と間が空くね」

真姫「私はその方がいいけど」

真姫「練習や作曲に当てる時間が増えるし」

真姫「正直勉強もしないと、いけない時期だからね」

565 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:23:45.61 ID:x4CtXZsC.net
私立UTX学園

看板ユニット あら★いず専用クラス




やよはる「……」

早乙女弥生「ねぇ。今日から新しい講師がやって来るのよね?」

中野春菜「うん」

春菜「私達はラブライブ優勝して、ゆくゆくはプロを目指したいから」

春菜「実力ある人が良いけど……正直、前の先生よりは優しい方が良いなぁ」

弥生「そうだね」

弥生「余りだらけるのもいけないけど」

弥生「横暴なタイプはもうNGかなぁ」


やよはる「……」

弥生「あと、5分だね」

春菜「うぅ……緊張してきたぁ」

566 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:24:50.58 ID:x4CtXZsC.net
(キーンコーンカーンコーン)

(ガチャッ)

やよはる(ビクッ)

???1「待たせたわね、あなた達!」(スタスタスタスタ)

???2「みなさん。始めまして」

???2「これから一年よろしくね」

???2「ふふ」

やよはる「あ……あ」(ワナワナ)

やよはる「あのぅ……」(冷や汗)

???1「ん?ぬぅあによ?」

弥生「い……いえぇ。そのぅ」(冷や汗)

春菜「お久しぶり……と言うべきか」(横目)

???達「?」

567 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:25:55.81 ID:x4CtXZsC.net
弥生「そのぅ……見学にいらしたのですか?」

春菜「私達……もうじき授業なんですけど」

???達「?」

???1「っはあぁぁ〜!?ぬぅあに言ってんのよあんた達」

???2「私達が授業しに来たんだけど」

やよはる「……」

やよはる「えぇ〜!?」

???1「な〜んで驚くのよ」(ジト目)

???1「てか、今更自己紹介なんて必要ないと思ったんだけど」

やよはる(ワナワナ)

568 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:27:58.48 ID:x4CtXZsC.net
???1「ったくぅ……しょ〜がないわねぇ」

???1「それじゃ、改めて」(コホン)

にこ「にっこにっこに〜♪あなたのハートににっこにっこに〜の矢澤にこにこがぁ」

にこ「今回ぃ、な、な〜んと、敵地UTX学園の看板ユニットの講師を任されちゃいました」

にこ「う〜ん、にこに出来るか良くわっかんな〜いけどぉ」

にこ「精一杯頑張るからぁ、よろしくネッ♪」

にこ「ニコッ♪」(ビシッ)

やよはる(ポカーン)

春菜「痛い」(ボソッ)

にこ「そこのあんた。今真顔で痛いと言ったわよね?」(ギロッ)

春菜「ヒイィィ〜ゴメンナサイィ」(涙目)

絵里「まあまあ、にこ」

絵里「そして私。元音ノ木坂女学院ミューズの一員、絢瀬絵里」

絵里「バレエダンサーもしていた事もあるから、その辺を活かしたアドバイスが出来ると思うわ」

絵里「よろしくね。ふふ」(ニッコリ)

弥生「こっちはまともそうで良かったね」(ボソッ)

にこ「ぬぅあんでよ!?」

569 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:29:45.37 ID:x4CtXZsC.net
弥生「それにしても」

春菜「何でお二方が?」

にこ「ツバサに頼まれたのよ」

にこ「って言うのは表際の理由で」

にこ「実は、結構実入りの良いバイトになるのよねぇ〜」

やよはる「……」

弥生「ねぇ、まさか」(ヒソヒソ)

春菜「にこさんがツバサさんに話して、前の講師追い出したのって、これ狙いなのかな?」(ヒソヒソ)

にこ「聞こえてるわよ」(ジト目)

絵里「まあ、見返りとして、報酬の他に」

絵里「ここの設備も利用出来るし」

絵里「何より、プロアイドル目指す私達に取って」

絵里「あなた達優秀なアイドルの卵に接せられるのが、何よりの刺激になるからね」

絵里「ふふ」(ニッコリ)

やよはる「はいっ!よろしくお願いします!!」

にこ「ぬぅあんで早速向こうに懐いてんのよぉ!」

570 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:30:39.90 ID:x4CtXZsC.net
にこ「ハァ……まあいいわ」

にこ「早速練習すんわよー」

やよはる「はいっ!」

弥生「振り付けですか?」

春菜「歌唱ですか?」

にこ「違うわ」

にこ「キャラ作りよ」

やよはる「キャラ作りぃ!?」

絵里(苦笑)

571 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:32:11.93 ID:x4CtXZsC.net
にこ「にっこにっこにー♪」

にこ「はいっ!」

やよはる「……」

弥生「あ、あの〜ぅ」

春菜「これは?」

にこ「キャラ作りよ」

にこ「ツバサから聞かされなかった?」

にこ「行くわよ?はい。にっこにっこに〜♪」

やよはる(ワナワナ)

弥生「えぇ〜?」

春菜「こんなみっともない事やんなきゃいけないのぉ〜?」

にこ「ぬぅあぁ!?」

にこ「あんた達だってミツバチダンスしてたでしょうがぁ!」

弥生「いえ、ですが」

春菜「何かこれは……人として何かを捨ててしまってるような」

にこ(ブチッ)

にこ「うぁんとぅあねぇ。随分な事言ってくれるじゃないの
その減らず口動かしてんのはこのほっぺたぁ!?ん?」(ツネリツネリ)

春菜「い、イタイイタイデスゥ」(涙目)

にこ「ったくぅ……あんた凛タイプみたいねぇ」

春菜(ヒリヒリ)涙目

572 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:33:26.56 ID:x4CtXZsC.net
夕方

やよはる「にっこにっこに〜♪にっこにっこに〜♪」

にこ「はいラスト一回!」

やよはる「にっこにっこに〜♪」

やよはる(ハァ……ハァ……)

弥生「私達……何やってんのかな」

春菜「ええとぉ……アイドル?」

にこ「よ〜し。にこも久々に燃えてきたわ」

にこ「後ワンセット30回!」

にこ「全部やり遂げるまで、帰さないんだからぁ〜」

やよはる「えぇ〜?」

弥生「これは……」

春菜「前よりスパルタだぁ〜」(涙目)

にこ「ニコッ♪」

573 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:34:44.12 ID:x4CtXZsC.net
数日後

音ノ木坂女学院 アイドル研究部 部室




(ガチャッ)

花陽「た、大変です!」

花陽「にこちゃんと、絵里ちゃんが」

花陽「UTXに寝返りました!!」

真姫「知ってるわ」(髪クルクル)

凛「さっき弥生ちゃんからメールもらった」

花陽「うぇ?あぁ……そうなんだ」

雪穂「専属講師になったんだってね」

亜里沙「本人達はノリノリで励んでるみたい」

574 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:35:44.48 ID:x4CtXZsC.net
花陽「みんな、以外と冷静なんだね」(椅子ガタッ)

花陽「もっと驚くかと」

真姫「そりゃ、ちょっとは驚いたけど」

真姫「元々にこちゃんはUTX志望だったし」

凛「確かに向こうには、室内練習場やジムとかもあるしね」

雪穂「大学生のバイトにしては、破格の報酬らしいよ」

亜里沙「しかも教えるのは、あの弥生ちゃんと春菜ちゃんだし」

亜里沙「スッゴくやりがいあるだろうなあ」

575 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:36:54.08 ID:x4CtXZsC.net
花陽(ギリッ)

花陽「私は認めません」

一同「!」

花陽「認めないよ」

一同「……」

真姫「花陽」

花陽「逆に花陽は聞きたいんだけど。何でみんなはそんなに平気でいられるわけ!?」

凛「それは……」

花陽「私達裏切られたんだよ?にこちゃんのみならず絵里ちゃんにまで」

花陽「あの2人の実力、知ってるよね!?」

雪穂「まぁ、かよちん」

花陽「下手したらこれ、負けるよ?次のラブライブ」

花陽「もう一度聞くけど、何でみんなそんなのほほんとしてられるのさ!?」

亜里沙(ビクッ)

亜里沙「ごめんなさい」(シュン)

576 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:37:42.47 ID:x4CtXZsC.net
花陽「ハァ……もう良いよ」

花陽「私はあの2人とは絶交するから」

凛「かよちん!」

花陽「次のラブライブで叩きのめして、目にもの見せてやんないと気が済まないよ」

花陽「みんなはそう思わないの?」

雪穂「かよちん」

雪穂「ラブライブは喧嘩の手段じゃないよ」

花陽「うるさい!」

一同(ビクッ)

花陽「喧嘩を売ってきたのは向こうでしょ?」

花陽「もう良い……とにかく練習しなきゃ」

577 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:39:00.62 ID:x4CtXZsC.net
屋上




雪穂「ハァ……どうする?」

亜里沙「あんなに怒ってる花陽ちゃん。見たことないよね」

凛「まぁ、かよちん」

凛「普段穏やかで内気だけど、結構頑固な所あるからなぁ」

真姫「何よ、子供じゃないのよ」(髪クルクル)

真姫「てか、にこちゃんにますます似てきたわよ?あれ」

雪穂「うぇ……にこにーが2人も」(冷や汗)

578 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:40:00.79 ID:x4CtXZsC.net
亜里沙「でも、私、花陽ちゃんの気持ち分かるかも」

一同「?」

亜里沙「尊敬してる先輩が、いきなりライバルの手助けしだしたんだもん」

亜里沙「一言位相談あっても、良かったんじゃないのかな」

一同「……」

雪穂「それは一理あるね」

真姫「でも私達が心配しても、すぐに解決出来る話でもないわよ?」

一同「……」

凛「よ〜し、それなら」

579 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:41:52.57 ID:x4CtXZsC.net
音ノ木坂女子大学 寮




(コイノシグナル リンリンリンガベル♪)

(ピッ)

穂乃果「あ、凛ちゃん。久し振りだね」(スマホ)

穂乃果「みんな元気?」

凛『穂乃果ちゃん。聞きたい事があるんだけど』

凛『にこちゃんと絵里ちゃんが……』

穂乃果「ああ……その話だね」

凛『かよちんスッゴく怒っててさ』

凛『当面口も聞かない勢いなんだ』

穂乃果「そうか……」

穂乃果「焦ってるんだよ2人とも」

凛『……』

穂乃果「にこちゃん良く言うでしょ?アイドルの旬は短いって」(スマホ)

穂乃果「大学入ってプロ目指してから、もう一年経つけど」

穂乃果「芳しい成果は得られてないからね」

凛『……』

穂乃果「やっぱ、ラブライブに優勝し、スクールアイドルとして頂点を極めた事が」

穂乃果「かえって足枷になってるみたいなんだ」

580 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:43:42.30 ID:x4CtXZsC.net
凛『何で?』

穂乃果「業界からすればさ。スクールアイドルはしょせんアマチュア」(スマホ)

穂乃果「そんな所でどれだけ成果を挙げても、プロで通用するとは思わない」

穂乃果「むしろ、変なプライドや我流を持ち込まれても困る」

穂乃果「そう言う事情があるみたいなんだ」

凛『そんな……』

穂乃果「まあ、私達は、廃校を救う為にアイドル始めたけれど」(スマホ)

穂乃果「プロはどうしても、お金が絡むからね」

凛『……』

穂乃果「ツバサちゃん達は、UTXと言う後ろ盾があったから、すんなりプロデビュー出来たけれど」

穂乃果「やっぱね。そう言う組織が無かったら、色々面倒事に巻き込まれてたろうって」

穂乃果「本人が言ってたよ」

凛『……』

581 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:44:43.51 ID:x4CtXZsC.net
凛『穂乃果ちゃんは?』

凛『アイドルやらないの?』

穂乃果「私はやらないよ」(スマホ)

穂乃果「一応大学のアイドルサークルに所属してるから、多少出たりはするけどね」

凛『そうなんだ』

穂乃果「でも、凛ちゃんの心配は良く分かった」

穂乃果「後で私からも話してみるよ」

穂乃果「じゃあね」

582 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:46:06.47 ID:x4CtXZsC.net
翌日 音ノ木坂女子大学

カフェテラス




にこ「何よ?急に呼び出したりして」

穂乃果「ねぇ、にこちゃん」

穂乃果「私達の大学アイドルユニット、手伝ってくれないかな?」

にこ「あんたねぇ」

にこ「この前も言ったけど、お断りよ」

穂乃果「にこちゃん」

にこ「今ここでスクールアイドルやりだしたら、ますますプロになりにくくなるじゃないのよ」

穂乃果「じゃあ……ツバサちゃんに相談してみたら?」

にこ「あんた、何が言いたいのよ?」(ギロッ)

穂乃果「にこちゃんさ。花陽ちゃん怒ってるよ?」

穂乃果「怒ってるだけじゃなく、実際は泣いてるかも知れない」

穂乃果「確かにミューズは解散したけどさ」

穂乃果「あの時の九人の絆……そう簡単に捨てられるものでも無いでしょ?」

にこ「私がどこでバイトしようが、誰に教えようが、勝手でしょうが」

583 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:47:42.56 ID:x4CtXZsC.net
穂乃果「確かにそうだよ」

穂乃果「けど、一言位相談あっても良かったんじゃないかな」

にこ「何で私が一々花陽に断らなきゃなんないのよ」

穂乃果「にこちゃん」

にこ「花陽こそ勘違いしてるわ」

にこ「アイドル目指す以上、昨日の味方が今日の敵にもなるわよ」

穂乃果「にこちゃんそれ本気で言ってんの?」

穂乃果「穂乃果怒るよ?」

にこ「……」

穂乃果「にこちゃんさ。焦るのも分かるけど」

穂乃果「そう言う時こそ、周囲に相談しなきゃ」

穂乃果「私達九人も居るじゃないか」

穂乃果「ツバサちゃんだって心配して言ってるんだよ?」

にこ「何でそこでツバサの名前が出てくるのよ?」(ジト目)

穂乃果「にこちゃん」

にこ「あんたに言われる筋合いはないわ」

にこ「あんたもうリーダーじゃないでしょ?」

にこ「もう行くわ」(ガタッ)

(スタスタスタスタ……)

584 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:49:35.97 ID:x4CtXZsC.net
穂乃果「……」




『にこっちな。ウチや仲間達とスクールアイドル始めた時』

『誰にも相談せず、弱味も見せまいとして』

『それが誤解の積み重ねを生んで、結局グループは崩壊』

『ウチは絵里ちに拾われて、生徒会に入った』

『根はアイドルにひたむきで、仲間思いでも』

『いつも意地を張ってな?』

『みんなの中では絵里ちも含めて、ウチら三年が一番遠回りしてたのかも知れんね』




穂乃果「希ちゃん」

穂乃果「にこちゃん……また悪い癖が出てきたみたいだよ」





今夜はここまで

585 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 02:56:59.09 ID:rSaoG15g.net
おつ

586 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 07:57:03.22 ID:l7G6WdiK.net

強面かよちん

587 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 14:51:17.62 ID:LM9R0fRU.net
大学入学とかそういう単語は受験放棄した僕にとって胸が痛いです。

このいざこざに僕の真姫ちゃんが巻き込まれないように

588 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 20:03:46.85 ID:l9zeIMNV.net
展開読めんから面白い
乙です!

589 :名無しで叶える物語(鮒寿司)@\(^o^)/:2016/03/07(月) 23:19:31.27 ID:HMTqeQlx.net
今更発見したけど面白いな
読むの結構大変だったけど次が楽しみ

590 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 06:16:46.64 ID:fP2dDa1M.net
昨日は今日は来なかったのか残念

591 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:31:10.47 ID:1KHIVOTR.net
再開

7月25日 第五回ラブライブ 最終予選会場(東京ドーム)



にこ「遂に来たわね」

絵里「ええ」

にこ「最も……今回の主役は、あんた達だけどねぇ〜」

弥生「はい」

春菜「頑張ります」

にこ「ここを突破すれば、いよいよ本戦」

にこ「今度は優勝旗を取り戻さなきゃね」

絵里「なんかすっかりUTX陣営みたいになったわね私達」

にこ「だって勝ったら、特別ボーナス出るのよ!?」

やよはる(苦笑)

592 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:32:34.79 ID:1KHIVOTR.net
凛「あっ……にこちゃん。みんな」(スタスタスタスタ)

凛「お久しぶり」

絵里「あら、凛。元気そうね」

絵里「ふふ」

にこ「あんたは相変わらずみたいね」

凛「弥生ちゃんや春菜ちゃんと、また同じ舞台で踊れるなんて」

凛「とっても嬉しいよ」

弥生「はい」

春菜「こちらこそ」

にこ「とは言え、今回はれっきとした勝負よ」

にこ「私達が勝つかあんた達が勝つか」

にこ「そこは恨みっこなしでいかせてもらうわよ」

絵里「けど、今回の最終予選、上位七組が決勝進出だから」

絵里「どちらにもチャンスはあるわ」

絵里「お互い最高のパフォーマンスを示したいものね」

593 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:34:27.21 ID:1KHIVOTR.net
雪穂「みんな、こっち側にいたんだ」(スタスタスタスタ)

亜里沙「みんな、お姉ちゃん」

亜里沙「お久しぶり」

絵里「あら、亜里沙。いらっしゃい」

弥生「お久しぶり」

春菜「みんな元気そうだね」

雪穂「ねぇ、にこにー」

にこ「あんたホントあだ名で呼ぶの好きねぇ」

雪穂「かよちん怒ってたよ」

雪穂「大激怒だよ?」

雪穂「一時は腸が煮えくり返って、おにぎりも喉が通らない有り様だったんだよ?」

弥生「えっ!?」

春菜「花陽ちゃんが!?」

絵里「……」

594 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:36:20.64 ID:1KHIVOTR.net
弥生「……」

弥生「花陽ちゃん……怒ってるんだ」(シュン)

春菜「そうだよね」

春菜「何の相談もなしに、かつてのミューズのメンバーから、指導受けてるんだもんね」

やよはる「……」

亜里沙「春菜ちゃん達が悪い訳じゃないよ」

雪穂「そりゃ、今だに断交続けてるかよちんも頑固かも知れないけどさ」

雪穂「少しはフォローとかした方が良かったんじゃないの?」

凛「それは凛も思うよ」

凛「今は弥生ちゃん達も仲間みたいなものだけどさ」

凛「やっぱかよちん、にこちゃん達の事大好きだったから」

凛「割り切れない気持ちってのはあると思う」

にこ「……」

絵里「ほんとにね」

絵里「いずれ落ち着いたら、良く話し合わないとね」

595 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:38:09.02 ID:1KHIVOTR.net
真姫「あなた達。こんな所にいたの?」(スタスタスタスタ)

花陽「そろそろ始まるよ?」

絵里「あら花陽、真姫」

絵里「2人とも素敵な衣装じゃない」

春菜「お久しぶりです」(ペコリ)

弥生「……」

花陽「あ、弥生ちゃん」(スタスタスタスタ)

花陽「こうしてまたアイドルとして競えるなんて、嬉しいよ」

花陽「お互い悔いのない戦いにしようね」

弥生「は、はいっ!」

真姫「上手く行けば、どちらも本戦に出られるわ」(髪クルクル)

にこ「……」

真姫「とは言え、まさかにこちゃん達が、弥生達の指導を受け持つなんてねぇ」

真姫「一言位あっても良いんじゃない?」

にこ「だって急に決まった話なんだもん」

絵里「ごめんなさい」

596 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:39:35.59 ID:1KHIVOTR.net
花陽「……」

にこ「……」

真姫「ほら、花陽」

雪穂「にこにー。かよちんに謝っちゃいなよ」

亜里沙「そ、そうだね」

亜里沙「花陽ちゃん。寂しい思いしてたからさ」

凛「そうにゃそうにゃ♪」

にこ「あぁ、そうね」

にこ「ったくぅ〜。こんなんで怒るなんて、あんたも子供よねぇ〜」

にこ「けど、相談しなかったのは悪かった……」

花陽(ギリッ)

花陽「みんな、行くよ!!」

花陽「弥生ちゃん達もリハーサルとかあるだろうしさ」(スタスタスタスタ)

凛「あっ、かよちん!」

雪穂「ったく意地っ張りなんだから」

亜里沙「ゴメンね?春菜ちゃん達」

亜里沙「気にしないでね?」

(スタスタスタスタ……)

にこ達「……」

597 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:41:42.96 ID:1KHIVOTR.net
夏休み

音ノ木坂女学院 アイドル研究部 合宿


西木野家山荘


夜 ベランダ




希「で、最終予選はお互い突破出来た、と」

希「おめでとう」

真姫「……」

真姫「てか、何であなたまで来てるのよ?」(ジト目)

希「これは大学スピリチュアル研の研修旅行なんよ」

真姫「何よ?研修旅行って」

真姫「結局手の良い暇つぶしじゃないのよ」

希「まあまあ、そう邪険にせんと」

真姫「とりあえず私達が一位通過」

真姫「あら★いずは二番手」

希「本戦は?」

真姫「9月1日よ」

希「そう」

希「順当に行けば、これが真姫ちゃん達、最後のラブライブになるんね?」

真姫「まあね」(天体望遠鏡)

598 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:43:02.92 ID:1KHIVOTR.net
真姫「……」

真姫「ねぇ、希」

真姫「別に費用がかさむから文句言ってるわけじゃないけどさ」

真姫「今年は更に余計なのが1人増えてるんですけど」(ジト目)

穂乃果「ん?」(ランチパックモグモグ)

真姫「あなたもう部外者でしょ?」

穂乃果「そんな、真姫ちゃん冷たいよ」(ランチパックモグモグ)

真姫「食べながらしゃべらないで!」

希「まあまあ、ええやん」

希「こうしてみんなと合宿出来るのも、今年で最後やし」

希「受けるんやろ?医学部」

真姫「ヴェ?ま……まあね」

穂乃果「とか言って」

穂乃果「にこちゃんとこに駆け落ちとかしないでよぉ〜?」(ニヒヒ)

真姫「余計な事言わない!」(チョップ)

穂乃果「痛っ」(涙目)

599 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:44:46.31 ID:1KHIVOTR.net





花陽「……」

穂乃果「にこちゃん達さ」(スタスタスタスタ)

花陽「?」

穂乃果「にこちゃん達さ。いきなりあんな事するなんて、あんまりだよね」

花陽「穂乃果ちゃん」

穂乃果「けどね。ツバサちゃんに頼まれたんだって」

花陽「ツバサちゃんが?」

穂乃果「結局さ……いきなりプロの論理で売り物にしようとか」

穂乃果「そう言う大人の事情だけで、弥生ちゃん達振り回すのもどうかって」

花陽「……」

穂乃果「本人達がプロに入ったのなら、それも仕方ないかも知れないよ?」

穂乃果「でも結局……みんな私達と変わらない、普通の女子高生なんだからね」

花陽「……」

穂乃果「本当はツバサちゃんが引き受けようとしたんだけどさ」

穂乃果「今、毎日毎日多忙でしょ?」

穂乃果「だから、にこちゃん達に頼んだんだって」

600 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:46:59.62 ID:1KHIVOTR.net
穂乃果「ツバサちゃん。アイドルに関しては、にこちゃんを一番信頼してるからね」

花陽「!?」

花陽「そうなの?」

穂乃果「過去に色々経緯があったみたいだよ」

穂乃果「穂乃果も、全部は知らないんだけどね」

花陽「……」

花陽「私は……良いのかな」

穂乃果「?」

花陽「弥生ちゃんや春菜ちゃんは直接指導して」

花陽「私達の所へは……何で来ないのかな」

穂乃果「……」

花陽「私なんかより……弥生ちゃん達の方が大事なのかな」

穂乃果「花陽ちゃん」

花陽「私なんかより……弥生ちゃん達の方が、アイドルとして育てがいがあるのかな」

穂乃果「それは違うよ」

穂乃果「にこちゃんは花陽ちゃんの事、一番大事に思ってるよ」

穂乃果「あの九人の中でも、アイドル仲間として、後輩として」

穂乃果「花陽ちゃんを一番信頼してたじゃないか」

601 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:48:52.87 ID:1KHIVOTR.net
穂乃果「だからこそ、音ノ木坂に関しては、花陽ちゃんに全てを託してるんだと思う」

花陽「……」

花陽「穂乃果ちゃん。私ももう、部長になって、二年になろうとしてるけどさ」

花陽「部長としてもアイドルとしても、まだまだ未熟だよ」

花陽「本当なら、私の方からにこちゃん達に来てもらいたいのに」

花陽「まだまだ教わりたい事、一杯あるのに」

花陽「何で……向こうに行っちゃうんだろうね」

穂乃果「……」

花陽「九人の絆って……こんな程度なのかな」

602 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:50:02.22 ID:1KHIVOTR.net
9月1日

第五回ラブライブ 本戦会場(日本武道館)




花陽「遂にこの日が来たね」

花陽「泣いても笑っても……これが最後だよ」

花陽「みんな。全力で行こうね」

真姫「当然よ」

凛「もちろんにゃあ!」

雪穂「みんなで踊れる最後の大舞台か」

亜里沙「最高のライブにしようね」

603 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:51:27.11 ID:1KHIVOTR.net
雪穂「今回は、全国から勝ち残った、上位7チームが相手だね」

亜里沙「どのライバルも手強いけど」

凛「やっぱ……本命は」

真姫「あら★いずよね」

一同「……」

花陽「みんな、あら★いずだけじゃないよ」

花陽「どのチームも油断できない」

花陽「みんな最強のライバルであり、最高の仲間達なんだよ」

一同「……」

真姫「花陽、あなた」

真姫「すっかり部長らしくなったわね」

凛「にこちゃんの見立てに、間違いはなかったね」

雪穂「り、凛!?」

亜里沙「その話題は禁句だよ」

凛(しまった)

604 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:52:10.17 ID:1KHIVOTR.net
花陽「ううん。良いんだよ」

花陽「ただし、決着ははっきりつけます」

花陽「それがアイドルなんだからね」

一同「うんっ!」

凛「それじゃ、1」

花陽「2」

真姫「3」

雪穂「4」

亜里沙「5」

605 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:53:31.16 ID:1KHIVOTR.net
希「6」

海未「7」

ことり「8」

穂乃果「9!」

花陽達「!」

穂乃果「9人だよ。私達を入れて」

海未「花陽、真姫、凛。今までお疲れ様」

ことり「ことり達も応援するからね」

希「花陽ちゃん、みんな」

希「これが最後のラブライブになるかも知れないけれど」

希「みんなの気持ちはいつも1つ」

希「ずっと消える事は無いんよ?」

花陽達(ウルウル)

花陽達「はいっ、頑張ります!」



穂乃果「それじゃ、みんな。手を出して」

一同「ミューズ、ミュージック〜スタート!」

凛「よ〜し。凛に続くにゃあ〜♪」

花陽達「お〜っ!」

606 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:55:02.81 ID:1KHIVOTR.net
(ドタドタドタドタ……)

ほのことのぞうみ「……」

穂乃果「みんな、すっごく成長したね」

海未「そうですね」

ことり「あんなに内気だった花陽ちゃんが、今やみんなをしっかり統率しているし」

海未「スカートはくのも恥ずかしがっていた凛が、今や立派にセンターを務めている」

希「そうやね」

希「ウチらもアイドル始めて、挫折や逆境も経験したけれど」

希「こうしてみんなの姿を見て……ウチらのやってきた事は無駄じゃなかった」

希「それが分かっただけでも満足やん」

穂乃果「希ちゃん……」

うみこと(微笑)

海未「さ、穂乃果」

穂乃果「うん」

穂乃果「さあみんな。応援に行こうか」

607 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:56:54.20 ID:1KHIVOTR.net
10月

第五回ラブライブ 表彰式




司会「栄えある第五回ラブライブ 優勝者は」

司会「東京地区代表 UTX学園アイドルユニット あら★いず!」

(パチパチパチパチ)

やよはる(一礼)

司会「そして準優勝は 同じく東京地区代表 国立音ノ木坂女学院アイドル研究部!」

(パチパチパチパチ)

まきりんぱなゆきあり(一礼)

司会「あら★いずのみなさん。おめでとうございます!」

やよはる「ありがとうございます」

司会「第3回に続きまして、2回目の栄冠に輝いたご感想は?」

弥生「はい、これで2回目ですが」

弥生「何度経験しても、本当に緊張するし」

弥生「それ以上に……とってもうれしいです!」

司会「お二人は、あのアライズに憧れて、アイドルを志したんですよね?」

春菜「はい」

春菜「こうして偉大な先輩方と同じ場所に立てるなんて」

春菜「大変光栄です」

608 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 09:59:49.63 ID:1KHIVOTR.net
司会「今回優勝された秘訣は、ズバリ何でしょうか?」

弥生「はい、それは」

弥生「素敵なファン達と、ライバル達の存在だと思います」

春菜「私達を応援してくれた方、私達と共に同じ舞台で共演したみなさんの力」

春菜「その全てが、私達を励まし高めてくれました!」

609 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:00:59.68 ID:1KHIVOTR.net
司会「最後に、応援してくれたファンのみなさんに一言」

弥生「私達あら★いずは、結成間もない未熟なユニットでしたが」

弥生「紆余曲折を経ながらも、こうしてスクールアイドルの頂点に立てました」

弥生「私達が迷い諦めかけた時は、いつもみなさんの励ましが道標となってくれました」

春菜「私は、本当に内気で、自分を表現するのが下手な女の子でしたが」

春菜「アイドルに出会えて、アイドルを始めて、こんな私でも
多くの人達を笑顔に出来る事に気づけました」

春菜「私にそんな力を教えてくれたみなさんにありがとう」

春菜「そして……アイドルをやってきて」

春菜「本当に良かったです」(涙声)

司会「あら★いずのみなさん。本当にありがとうございました!」

司会「最後にみなさん。盛大な拍手を!!」

(パチパチパチパチパチパチパチパチ)

610 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:04:48.04 ID:1KHIVOTR.net
司会「そして、準優勝に輝いた、音ノ木坂女学院アイドル研究部のみなさんです!」

(パチパチパチパチ)

司会「今回は、いや、今回も大接戦でしたね」

花陽「はい、それはもう」

花陽「誰が誰だか分からない位」

司会「今回惜しくも優勝こそ逃しましたが」

司会「やはりミューズの伝統を引き継ぐ音ノ木坂の実力、いささかの衰えも見せてはいませんね」

真姫「私達も日々これ勉強で」

真姫「常に新しい血を取り入れる努力は怠れませんから」

司会「今回で、三年生のみなさんは、恐らく最後となりますが」

凛「少し寂しいけど」

凛「私なりに有終の美は飾れて良かったです」

611 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:05:38.58 ID:1KHIVOTR.net
司会「そして、今の二年生のみなさんが」

司会「来年はこのグループを引っ張る事になりますね」

雪穂「その前に新入部員を勧誘しないとね」

亜里沙「このアイドル研は、初代から素敵な先輩方が沢山いました」

亜里沙「私達も、そんな先輩方に負けない
とってもハラッショーで頼りになるアイドルを目指したいと思います」

612 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:08:49.63 ID:1KHIVOTR.net
司会「最後に、これをもって、スクールアイドルを卒業される
三年生の方々から一言」

真姫「夢はかなうとは限らないけど」

真姫「何もしなければ、結局何も始まらない」

真姫「本当……一時諦めかけてた私が、今こうして栄光の舞台にいる」

真姫「やっぱ生きてる以上、やりたい事はやっておくべきだと」

真姫「この三年間で、良く勉強しました」

凛「凛は、頭も良くないし、何か男っぽい感じで
女の子がやる様な事は似合わないと思ってたけど」

凛「アイドル始めて、色んな人と出会って」

凛「こんな私でも……大好きだって言ってくれる人達がいっぱいいて」

凛「ホント……これ以上望む事は……グスッ」(ポロッ)

花陽「凛ちゃん」

613 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:09:16.08 ID:1KHIVOTR.net
花陽「私は、声も小さくて、性格も弱気で」

花陽「運動神経も無くて、食いしん坊で」

花陽「ホント……この3人の中では、一番アイドルに向いていない」

花陽「アイドルなんかなれない……そう思っていました」

614 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:10:31.97 ID:1KHIVOTR.net
花陽「けど……穂乃果ちゃんやにこちゃん、ミューズのみんな」

花陽「色んな素晴らしい出会いがあって、色々教えられて」

花陽「自分の気持ち……自分が何をしたいのか、何が一番欲しいのか
ようやく気付かされました」

花陽「やっぱアイドルは素晴らしい。アイドルは最高です!」

花陽「色々至らぬ所だらけの私だけど……これだけははっきり言えます」

花陽「これまで応援してくれたみなさん」

花陽「本当にありがとうございました!」

一同「ありがとうございました!」

司会「以上音ノ木坂女学院アイドル研究部のみなさんでした」

司会「最後に盛大な拍手を!!」

(パチパチパチパチパチパチパチパチ)

(パチパチパチパチパチパチパチパチ)

615 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:11:47.12 ID:1KHIVOTR.net
舞台裏




ゆきあり(抱きっ)

まきりんぱな(抱きっ)

希「みんな、ええ挨拶やったね」

穂乃果「三年間お疲れ様」

花陽「希ちゃん、穂乃果ちゃん」

弥生「みなさん、お疲れ様です」

春菜「これまで本当に、ありがとうございました」

真姫「あなた達」

凛「来てくれたんだね」

絵里「本当にね」

亜里沙「お姉ちゃん」

絵里「これで、旧ミューズのメンバーは全員卒業ね」

絵里「でも……あなた達がいるから、将来は安泰ね♪」

雪穂「そうとも限りませんよ」

雪穂「来年からは、私と亜里沙しかいなくなるんだから」

616 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:12:31.49 ID:1KHIVOTR.net
にこ「……」

希「ほら、にこっち」(手)

にこ「ぬあっ!?」(ズイッ)

にこ「の、希ぃ」(冷や汗)

希「誰かさんに、ちゃんと言っとかなきゃいけないんやないん?」

真姫「そうよ?にこちゃん」

花陽「……」

にこ「……」

にこ「花陽、ちょっと来なさい」

花陽「うぇ?う、うん……」

(スタスタスタスタ……)

617 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:15:29.09 ID:1KHIVOTR.net
控室




にこ「……」

花陽「……」

花陽「ごめんなさい」

にこ「……」

花陽「花陽、にこちゃん達が弥生ちゃん達の指導を受け持つと聞いて」

花陽「正直腸が煮えくりかえって、感情的になって」

花陽「大事な判断を……自分勝手な思惑で、多分曇らせていた」

にこ「……」

花陽「ついでに、弥生ちゃん達に、ちょっとだけ嫉妬しちゃった」

花陽「だから、この戦い、私が負けるのはある意味当然だよね」

花陽「私がこんなに、自分勝手で感情的な女だとは、全然思わなかったよ」

にこ「……」

618 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:17:33.80 ID:1KHIVOTR.net
にこ「にこはね」

にこ「にこがアイドルとして、一番恐れているのは、誰だと思う?」

花陽「?」

にこ「確かに、穂乃果やツバサや弥生や春菜も、アイドルとして最高の資質に恵まれている」

にこ「けど……今はともかく」

にこ「もう五年もしたら、どうなると思う?」

花陽「五年後?」

にこ「そん時はね。あんたがトップに立ってるわ」

花陽「わぁ……私!?」

花陽「にこちゃん。こんな時に冗談は」

にこ「こんな時だからこそ、冗談なんか言うと思う?」

にこ「確かにあんたは、運動神経は無いかも知れない」

にこ「容姿だって、もっと美人はいるでしょうよ。けど」

にこ「アイドルへの情熱とひたむきさ、それに基づいた努力」

にこ「この三点で、あんたにかなう娘はいないわ」

花陽「……」

619 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:19:05.47 ID:1KHIVOTR.net
にこ「そんなあんたに、今更にこが教える事なんてあると思う?」

にこ「むしろにこが教わりたいくらいだわ」

花陽「そんな……買いかぶり過ぎだよ」

にこ「確かに今はそう思うかも知れない」

にこ「けどね、花陽」

にこ「にこの見立ては当たるわよ」

にこ「ことアイドルにかけては百発百中。あの希よりも正確にね」

花陽「……」

にこ「だからあんた達の指導はしなかった」

にこ「弥生や春菜の方が、まだまだ未熟だし」

にこ「下手な大人にまた引っ掻き回される位ならと、あえて引き受けたのよ」

花陽「そうだったんだ」

620 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:20:06.27 ID:1KHIVOTR.net
にこ「そう言うわけで、花陽」

にこ「ここらで許してくれると嬉しいんだけど」

花陽「も、もちろんだよ」

花陽「意地ばっか張っちゃって……ホントゴメン」

にこ「じゃ、着拒解除してくれる?」

花陽「あぁ……もちろん」(スマホ)

にこ「良かったわ。正直あんたの声を聞けなくて、寂しかったんだから」

にこ「これからもよろしくね」

花陽「う、うん」

花陽「こちらこそ」

621 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:21:11.49 ID:1KHIVOTR.net
音ノ木坂女子大学 寮




にこ「……」

絵里「……」

絵里「八方塞がりね」

にこ「……」

絵里「ねえ、にこ。私達」

絵里「こんなんでデビュー出来るのかしら」

にこ「あによ」

にこ「何弱気になってんのよ」

622 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:24:31.59 ID:1KHIVOTR.net
にこ「てかあんた……モデルで順調なんだから、そっちでやりなさいよ」

にこ「別に私を気にする必要はないわよ」

絵里「……」

絵里「ねえ、にこ」

絵里「もしかして……私が足かせになっているから」

にこ「!」

にこ「ち、違うわよ!」

絵里「……」

絵里「もしそうだったら、はっきり言って欲しいの」

にこ「気にしすぎよ」

623 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:26:51.68 ID:1KHIVOTR.net
絵里「やっぱ、ツバサに頼ってみては?」

にこ「お断りよ!」(机ドンッ)

にこ「アライズの軍門に下るなんて」

にこ「死んでもイヤだわ」

絵里「……」

絵里「じゃあ、やっぱ……穂乃果と一緒に」

にこ「ダメよ」(プイッ)

にこ「にこはね。アイツにだけは負けたくないの!」

絵里「意地っ張りねぇ」

にこ「てか、たまには」

にこ「あんたも営業とかしてきなさいよねぇ」

絵里「営業?」

にこ「デビューの口を探して来るのよ」

絵里「つまり、仕事を見つけて来いと?」

にこ「そうよ」

にこ「そう言えば、あんた」

にこ「モデル業の伝を頼れば、なにがしか見つかるんじゃないの?」

624 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:28:32.67 ID:1KHIVOTR.net
絵里「……」

にこ「どんな仕事でも良いのよ」

にこ「まずは1人でも多くのお客さんに、見てもらう事が肝心だからね」

絵里「確かにそうね」

絵里「分かった。やってみるわ」

625 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:30:18.98 ID:1KHIVOTR.net
音ノ木坂女子大学 大教室




穂乃果「どうだった?にこちゃん」

絵里「それがね。ますます意地っ張りになっちゃってね」

絵里「ツバサからは、私にも話があったの」

絵里「競争なんて、デビューしてからいくらでも出来るんだから」

絵里「彼女も、純粋に仲間を助けたい思いで、手を差し出してるんだけど」

穂乃果「それがにこちゃんには気に入らないんだ」

絵里「みたいね」

626 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:31:13.80 ID:1KHIVOTR.net
穂乃果「実はさ。絵里ちゃん」

穂乃果「私、にこちゃんに着拒喰らっちゃったんだよ」

絵里「ハラショー」

穂乃果「私があれこれ言うのも、気に入らないみたい」

絵里「これは本格的に怒らないといけないかも知れないわね」

絵里「……」

絵里「最近、希とも連絡したがらないみたいだしね」

穂乃果「……」

穂乃果「にこちゃん。逆境が多かったからね」

穂乃果「自分1人で何とかしようとしてるんだろうけど」

627 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:32:16.27 ID:1KHIVOTR.net
穂乃果「私達、9人もいるのにね」

穂乃果「何でこうも……お互いの気持ちが通じないのかね」

絵里「……」

絵里「とにかく、私が仕事を探して見るわ」

絵里「上手く行けば、私の発言力も増すから」

絵里「その頃合いを見計らって、にことはしっかり話し合うから」

絵里「じゃあね」

(スタスタスタスタ……)



穂乃果「……」

穂乃果(絵里ちゃん、少し疲れてるね)

628 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:34:55.60 ID:1KHIVOTR.net
希の大学

スピリチュアル研究会 部室




(ガチャッ)

真姫「……」

希「あら、いらっしゃい」(フード姿)

希「久しぶりやね。真姫ちゃん」

希「ふふ」

真姫「……」

真姫「むぅ……」

真姫「来るのは分かってた、みたいな顔よね」(ジト目)

希「そんな事はないやん」

希「ウチはね?予言者やないんよ」

希「ただ……人の気持ちを言い当てるのが、ちょっとだけ上手いだけやん」

希「ふふっ」(微笑)

真姫「じゃあ、私の気持ち言い当ててみなさいよ」(椅子)

希「真姫ちゃんにしては、単刀直入やねえ」

真姫「……」

真姫「ふざけないで」

真姫「私が何考えてるのか言ってみなさいって言ってんのよ」

希「怒ってるん?」

629 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:40:32.78 ID:1KHIVOTR.net
真姫「あなたね。いつもいつも先を見越して」

真姫「それを踏まえて、段取りして先回りして」

真姫「思惑通り望みを叶えて」

真姫「黒幕気取りも大概になさいよ」

真姫「今回はどうするつもりなのよ?」

希「何の話?」

真姫「たぶらさかないで!」

真姫「私は、今回は何を企んでるのか聞いてんの!」

希「何をそんなに焦ってるん?」

真姫「むぅ」(ジト目)

希「真姫ちゃんはもうじき卒業」

希「医学部合格も確実」

希「将来は脳外科医。婚約者もおる」

希「順風満帆やん」

希「これで何が不満なん?」

真姫「そうよ」

真姫「だから余計な事はしないで欲しいの」

630 :名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:41:27.38 ID:/07SHyF3.net
しえ

631 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:41:48.17 ID:1KHIVOTR.net
希「ウチな?」

希「にこっち達のアイドルユニット」

希「名前考えてみたんよ」

真姫「名前?」

希「そうやん」(紙)

希(サラサラ)ボールペン

紙(BiBi)

真姫「BiBi……?」

希「ええ名前やろ?」

真姫「……」

希「美美って言う意味なんよ」

希「まだデビューは出来てないけど」

希「ウチはな。難産でも夢はかなうと踏んでる」

希「にこっちの夢は、ウチの夢でもあるんよ」

真姫「だったら、あなたが手を貸してあげなさいよね」

632 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:42:57.07 ID:1KHIVOTR.net
希「それは無理なんよ」

真姫「どうしてよ」

希「そこにウチの席はない」

希「分かるやろ?」

希「真姫ちゃん」

真姫(ブチッ)

真姫(紙ビリビリッ)

希「ああっ」

希「何するん!?」(ガタタッ)

真姫「ふざけないで!」

真姫「あなたねぇ。人の人生が、あなたの思いのままになるとでも考えてんの!?」

真姫「妄想にも程があるわ!」

真姫「あなたの思惑通りに行くと思ったら、大間違いなんだからね!」

(ダッダッダッダッ)

(ガチャッ)

(バタン)

希「……」

633 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:43:41.27 ID:1KHIVOTR.net
希「ウチな?真姫ちゃん」(紙拾い拾い)

希「転校続きの上、こう言う所もあるから」

希「友達がなかなか出来なかったんよ」

希「せやけど……今回ばかりは、ウチも賭けている」

希「ミューズの時以上にな」

希「自分にも真姫ちゃんにも」

希「ウソだけはつきたくないんよ」

634 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:44:30.91 ID:1KHIVOTR.net
11月

音ノ木坂女学院 アイドル研究部




(ガチャッ)

花陽「た、大変です!」

一同「!?」

花陽「ラブライブが……ラブライブがぁ」

花陽「またしても開催されます!」

一同「えぇ〜!?」

亜里沙「ハラショー」(冷や汗)

雪穂「こんな時期に?」

凛「ラブライブは、半年に一回が相場だと思ったから」

真姫「今年はもうないものと」

635 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:45:11.96 ID:1KHIVOTR.net
真姫「で?開催日は?」

花陽「それが」

花陽「今年のクリスマスになると」

一同「マジで!?」

亜里沙「ハラショー」(冷や汗)

凛「あと一月で予選三回に、本大会までやるの?」

雪穂「詰め込み過ぎだよね」

636 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:45:53.94 ID:1KHIVOTR.net
花陽「違います」

一同「?」

花陽「今回のラブライブは、最初から本大会のみ」

花陽「決勝戦しかありません」

一同「……」

花陽「運営の計らいで、特別に選ばれた20チームのみで優勝を争います」

花陽「言わば特別大会です」

凛「春のセンバツみたいなものかにゃ?」

637 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:46:20.85 ID:1KHIVOTR.net
雪穂「ねえ、かよちん」

雪穂「その話を持ってきたって事は」

花陽「もちろんです」

花陽「私達もエントリーされました」

花陽「無論、あら★いずも」

一同「……」

638 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:47:07.12 ID:1KHIVOTR.net
花陽「私達がエントリーに応じれば、自動的に参加、と言う事になります」

花陽「逆に、断れば、補欠から代わりが選ばれる」

花陽「そう言う仕組みです」

一同「……」

639 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:48:42.00 ID:1KHIVOTR.net
花陽「特別大会が開かれると言う事は、次回の」

花陽「正式な第六回ラブライブはもう……私達の在学中は開かれない
と言う事でしょう」

花陽「これがラストチャンス……私達5人で出来る、本当に最後の大舞台だよね」

一同「……」

雪穂「みんな、どうする?」

亜里沙「先輩方は、受験勉強もあるし」

亜里沙「特に真姫ちゃんは……」

真姫「何言ってんの。出るわよ」

一同「!?」

真姫「出るに決まってんでしょ?」

雪穂「マッキー」

亜里沙「無理はしない方が」

真姫「私達はこれまで、アイドルやって来たのよ?」

真姫「わざわざ最後に、こんな大舞台用意してくれたんだから」

真姫「これで出ないでどうすんのよ?」

640 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:49:49.72 ID:1KHIVOTR.net
凛「そうだよ」

凛「きっと弥生ちゃんや春菜ちゃんも出るんだし」

凛「最後はみんなで思いっきり盛り上がろう」

凛「ね?かよちん」

花陽「そうだね」

花陽「私達の事は、気にしなくても良いよ」

花陽「後は2人の意見次第だよね」

ゆきあり「……」

真姫「何遠慮してんのよ」

凛「今度こそ優勝旗。取り戻さないと」

雪穂「うん、分かった」

亜里沙「本当は、最初から」

亜里沙「参加したくてウズウズしてたよ」

真姫「ふふ」(微笑)

凛「じゃ、決まりにゃ♪」

凛「かよちん」

花陽「うん」

641 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:50:47.54 ID:1KHIVOTR.net
花陽「みんな。私達に取って最後のラブライブ」

花陽「優勝に向けて、全力で飛ばしてこうね」

凛「よ〜し。やるにゃあ〜♪」

真姫「負けたら承知しないわよ」

ゆきあり「はいっ!」

亜里沙「最高にハラショーなライブにしようね!」

雪穂「よ〜し。気合い入れて行こう!」

一同「お〜っ!」

642 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:51:35.04 ID:1KHIVOTR.net
西木野邸




真姫ママ「そう?最後のラブライブね」

真姫ママ「出るの?」

真姫「まあね」

真姫ママ「この前の模試、見せてもらったわ」

真姫ママ「順調そうね」

真姫ママ「ふふ」

真姫「……」

真姫ママ「分かったわ。行って来なさい」

真姫ママ「これがあなたに取って、最後のアイドル活動になるんだからね」

真姫「最後の……」

真姫「う、うん」

643 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:52:39.76 ID:1KHIVOTR.net
真姫ママ「ところで、あの人から、こんなのを貰ったわ」(小箱)

真姫ママ「開けてみなさい」

真姫(小箱)

真姫「これは……」

真姫ママ「婚約指輪よ」

真姫「」

真姫ママ「あの人ね?ゆくゆくはあなたと結婚したいって」

真姫ママ「私とお父さんにね。正式に申し出てきたの」

真姫「……」

真姫ママ「私達としては、断る理由なんてないしね」

真姫ママ「あなたも気に入ってるんでしょ?」

真姫「ヴェ!?」

真姫「う、うん……」

644 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:53:35.00 ID:1KHIVOTR.net
真姫ママ「まあ、結婚と言っても、まだまだ先の話だし」

真姫ママ「時間はたくさんあるわ」

真姫ママ「あまり重く受け止めないで、ゆっくり考えなさい」

真姫「う、うん。ありがとう」

真姫(どうしよう……こんなに早く)

真姫(どうすれば良いのよ)

645 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:55:02.44 ID:1KHIVOTR.net
真姫の部屋




真姫「ついに私も、年貢の納め時みたいなのよ」(スマホ)

にこ『良かったじゃない』(スマホ)

にこ『変な男に捕まって、苦労する娘も少なくないんだからさ』

にこ『それと比べれば、恵まれてるわよ』

真姫「……」

真姫「そうよね」

真姫「それは……分かってるんだけどさ」

にこ『いずれ時間が解決するわよ』

にこ『いずれにしても、おめでとう。真姫ちゃん』

にこ『上手く行けば、私達の中で最初のゴールインよねぇ〜』

にこ『結婚式には、ちゃんと招待しなさいよ〜?』

646 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:56:35.14 ID:1KHIVOTR.net
真姫「……」

真姫「ねぇ、にこちゃん」

真姫「アイドルって、楽しい?」(スマホ)

にこ『その答えは、真姫ちゃんの胸の中にあるわ』

真姫「……」

にこ『まさかあんた。まだアイドルに未練があるんじゃないんでしょうねぇ?』

真姫「そんなんじゃないわ」

真姫「ただ……これで終わりなのかなって思って」

にこ『迷いは禁物よ』

にこ『アイドルも医学も、多分そうだと思うから』

真姫「そうね」

真姫「ゴメンね?こんな時間に」

真姫「久々に、にこちゃんの声聞きたくて」

にこ『良いのよ』

にこ『とにかく、おめでとう』

にこ『じゃあね』

(プツッ ツーッ ツーッ ツーッ)

真姫「……」

647 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:58:00.75 ID:1KHIVOTR.net
『にこはね?アイドルがやりたくて、アイドル初めて』

『自分の不手際に気づけなくて、最初の仲間を失って』

『結局……アイドルグループ潰しちゃったわ』

『後悔してる?』

『もっと仲間達の気持ちを理解してあげられなかったのは、私の責任』

『今も悔やんでるわ。けど』

『アイドル始めた事は悔やんでない』

『そんな事言ったら、自分にも、かつての仲間達にも』

『嘘をつく事になるからね』

『それだけはしちゃダメなのよ』

648 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 10:59:20.87 ID:1KHIVOTR.net
真姫「……」



『今はにこはリーダーでもない。センターでもない』

『最初それが、とっても悔しかったわ?』

『けどね?今は、にこやにこ達のファンの為に』

『たった1人でも笑顔に出来るなら、私はその為に全力で歌うわ』

『それこそがアイドル……今はそれで良いわ』

『やっぱね。にこはどうしても、アイドルがやりたい』

『アイドルさえ出来れば、にこはそれで十分なのよ』

『気持ちはいっつもセンターだけどね?』

『ニコッ♪』




真姫「何よ、格好付けちゃって」

真姫「……」

真姫「私の、やりたい事」

649 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:00:07.25 ID:1KHIVOTR.net
クリスマスイブ

ラブライブ特別大会 (東京ドーム)




真姫「遂にこの日が来たわね」

真姫「泣いても笑っても、これが最後のラブライブ」

凛「私達はね」

凛「亜里沙ちゃん達は、まだ来年があるし」

花陽「勝っても負けても、悔いの無いようにやろう」

650 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:09:46.73 ID:1KHIVOTR.net
凛「そう言えば、その雪穂ちゃん達は?」

真姫「弥生達と会ってるわ」

真姫「もうすっかり仲良しね」

花陽「同い年だからね」



控え室



雪穂「じゃあ、卒業したらプロになるんだ」

亜里沙「ハラショー」

弥生「うん」

春菜「私達でどこまで出来るか分からないけど」

春菜「やれるだけやってみる」

雪穂「そっか」

亜里沙「偉いね」

651 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:14:30.40 ID:1KHIVOTR.net
弥生「最初は、そこまでやるつもりまで無かったんだけど」

春菜「結局……私達、こう言うのが大好きなんだって」

春菜「この二年間で良く分かったから」

雪穂「そっか」

亜里沙「春菜ちゃん達なら、きっと物凄いアイドルになれるよ」

亜里沙「あのアライズに並ぶ位のね」

652 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:17:53.55 ID:1KHIVOTR.net
(ガチャッ)

にこ「そうとも限らないわよ」

絵里「雪穂、亜里沙。久し振りね」

絵里「ふふ」

亜里沙「お姉ちゃん」

雪穂「にこにーこそ。上から目線で語ってる場合じゃないんじゃないの?」

雪穂「どうなってんの?アイドル活動は」

雪穂「まだデビュー出来てないの?」

雪穂「こんなんじゃさ。追い抜かれるよ?春菜達に」

絵里「ゆ、雪穂。それ以上は」(冷や汗)

にこ(ブチッ)

にこ「んあ?ぬぅあんくぅあ言った?生憎良く聞こえなかったから
もう一度言ってくれるかしらぁ?」(こめかみグリグリ)

雪穂「ぶあぁ……痛い、イタィ」(涙目)

やよはるあり(苦笑)

653 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:19:52.03 ID:1KHIVOTR.net
にこ「ったくぅ〜。あんたはいつも一言多すぎんのよ」(プイッ)

にこ「黙ってれば可愛いのに」

雪穂「それはお互い様でしょ?」(こめかみヒリヒリ)

雪穂「て言うかさ、にこにー」

雪穂「最近マッキーと全然連絡取ってないんだって?」

にこ「お互い多忙だからよ」

雪穂「でもさ、そのマッキー。目に見えて寂しそうにしているよ?」

雪穂「自分からは何も言わないけどさ」

雪穂「少し考えた方が良いんじゃないの?」

にこ「先方は医学部受験するんだから、そりゃプレッシャーの1つや2つ抱えるでしょうが」

雪穂「そうだと良いんだけど」

絵里「……」

654 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:20:34.78 ID:1KHIVOTR.net
絵里「私達ね。弥生達の講師は、今年度をもって離れるつもりなの」

亜里沙「どうして?」

絵里「雪穂の言った通り、私達の目的はプロデビューだからね」

絵里「いい加減それに専念すべきだと」

絵里「にこと結論を出したのよ」

ゆきあり「……」

655 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:21:42.64 ID:1KHIVOTR.net
亜里沙「それじゃ、来年度からは?」

雪穂「また自分勝手な講師に来られたら」

雪穂「弥生達可哀想じゃん」

弥生「それは心配ないよ」

春菜「絵里さん達が責任をもって、後任を探してくれるそうだから」

にこ「そう言う事よ」

にこ「ついでに、そろそろ出てってもらえる?」

にこ「これから私達、ブリーフィングに入るから」

雪穂「そっか……そうだね」

亜里沙「私達も、もうじき出番だしね」

雪穂「それじゃ。弥生、春菜」

亜里沙「みんな頑張ってね」

弥生「ありがとう」

春菜「お互い最高のライブにしようね」

656 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:24:34.84 ID:1KHIVOTR.net
あら★いず出場前

舞台裏




にこ「あんた達。にこがあんた達に教える事はもうないわ」

絵里「ほんとにね」

絵里「私も、バレエ時代以来」

絵里「あなた達みたいな優秀で」

絵里「何よりも己の目的に全力で邁進する情熱の持ち主は、初めてよ」

弥生「そんな」

春菜「にこさん達の指導があったからこそ、ここまでやれたんです」

657 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:25:11.00 ID:1KHIVOTR.net
にこ「……」

にこ「んまぁ〜、にっこにーにかかれば、この位な〜んでもない」

絵里「2人とも、リラックスしてやりなさい」

絵里「練習は十分積んだのだから、後は自分を好きなだけ表現するのみよ」

やよはる「はいっ!」

絵里「ハラッショー!」(グーサイン)

やよはる「行ってきます!」

(ドタドタドタ……)

にこ「あっ、こらぁ〜」

にこ「んもぅ……」

658 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:26:26.14 ID:1KHIVOTR.net
絵里「大丈夫よ。にこ」(肩ポンッ)

絵里「2人ともああ見えて、あなたの事、とっても感謝してるし」

絵里「尊敬もしてるから」

絵里「あなたのいない所で、彼女達良く言うのよ?」

絵里「さすがにこさんだって」

にこ「本心だと良いんだけど」

にこ「そんな事より、絵里」

にこ「いい加減決着付けないとね」

にこ「これからの事」

絵里「……」

絵里「そうね」

絵里「後一年、いえ」

絵里「半年以内に何がしか成果を挙げないとね」

659 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:27:38.57 ID:1KHIVOTR.net
音ノ木坂女学院アイドル研究部出場前

舞台裏




花陽「みんな、今まで本当にありがとう」

花陽「花陽は、この三年間アイドルやって、色々あったけど」

花陽「辛かった時もあったけど」

花陽「アイドル始めて、後悔した事は一度もないよ」

花陽「だって……こんな素晴らしい仲間達に巡り会えたんだから」

凛「かよちん……」

真姫「何よ。こんな時に」(ウルッ)

雪穂「……」

雪穂「グスッ……」(ポロッ)

亜里沙「ちょっ……雪穂」

亜里沙「大丈夫?」

雪穂「ご、ゴメン。大丈夫」(ゴシゴシ)

660 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:28:41.07 ID:1KHIVOTR.net
真姫「もぅ。花陽が変な事言うから」

花陽「うぇ?あぁ……そんなつもりじゃ無かったんだけど」

凛「よ〜し。じゃあ気を取り直して」

凛「1!」

花陽「2!」

真姫「3!」

雪穂「4!」

亜里沙「5!」

希「6!」

海未「7!」

ことり「8!」

穂乃果「9!」

穂乃果「9人だよ。私達を入れて」

希「これも恒例行事になったやん」

海未「そうですね」

ことり「何だか私達も、踊りたい気分だよね」

661 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:31:26.27 ID:1KHIVOTR.net
凛「よ〜し、それじゃみんな。いっくにゃあ〜♪」

まきぱなゆきあり「お〜っ!」

(ドタドタドタ……)

662 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:31:53.39 ID:1KHIVOTR.net
希「みんな大きくなったね」

海未「そうですね」

海未「私達がスクールアイドル始めたての頃と比べれば」

海未「みんながここまで成長するとは、思いもよりませんでした」

ことり「そうだね」

ことり「今はことりも、雪穂ちゃん達から学ぶ事がいっぱいあるよ」

希「穂乃果ちゃん。お疲れ様」

希「穂乃果ちゃんがまいた種が、ここまで豊かに実ったやん」

穂乃果「ううん。私だけの力じゃないよ」

穂乃果「みんなの協力があればこそ。それに」

穂乃果「この流れの源流となったのはアライズと」

穂乃果「もう1人いるからね」

663 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:33:50.18 ID:1KHIVOTR.net
大会後




まきりんぱな(抱きっ)

花陽「みんな、本当に良いライブだったね」

凛「最高のね」

真姫「そして最後のライブ」

真姫「けど、有終の美を飾れて良かったわ」

ゆきあり(抱きっ)

亜里沙「雪穂。今までありがとう」

亜里沙「何だかんだ言って、雪穂がいなきゃ、私」

亜里沙「ここまでこれなかったよ」

雪穂「うぅ……グスッ……グスッ」(ポロポロ)

亜里沙「ゆ、雪穂?」

664 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:34:23.88 ID:1KHIVOTR.net
雪穂「うわあぁぁ〜ん。かよち〜ん」(ダッダッダッダッ……)

雪穂「ここでお別れなんて、嫌だよぉ」(抱きっ)

花陽「ぴゃっ!?」

花陽「ゆ、雪穂ちゃん?」

雪穂「うぅ……ヒック……だってぇ」

雪穂「来年からどうやってアイドルやればいいのさぁ……」(ポロポロ)

花陽「ええっ?そこぉ!?」

665 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:34:25.15 ID:1KHIVOTR.net
雪穂「うわあぁぁ〜ん。かよち〜ん」(ダッダッダッダッ……)

雪穂「ここでお別れなんて、嫌だよぉ」(抱きっ)

花陽「ぴゃっ!?」

花陽「ゆ、雪穂ちゃん?」

雪穂「うぅ……ヒック……だってぇ」

雪穂「来年からどうやってアイドルやればいいのさぁ……」(ポロポロ)

花陽「ええっ?そこぉ!?」

666 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:35:55.99 ID:1KHIVOTR.net
雪穂「グスッ……エグッ……正直、私と亜里沙だけじゃ自信無いしさ」

雪穂「私達の代でアイドル研潰したら……ヒック」

雪穂「にっこにーに殺されちゃうよぉ」(ポロポロ)

花陽「ええっ?そこぉ!?」

凛「それは心配し過ぎだにゃあ」

真姫「来年の事言うと、鬼が笑うわよ」(髪クルクル)

亜里沙(苦笑)

667 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:37:00.71 ID:1KHIVOTR.net
雪穂「むぅ……マッキー達は仲間がたくさんいたからそんな事言えるんだよ」(ジト目)

真姫「むぅ〜」

真姫「ていっ」(チョップ)

雪穂「痛っ」

真姫「あなたねぇ。卒業したからって、私達の縁が切れる訳じゃないでしょ?」

凛「そうにゃ」

花陽「卒業してからも、ちょくちょく遊びにくるから」

花陽「いつでも連絡取れるしさ」

花陽「ね?」(手)

雪穂「う、うん」(手ガシッ)

668 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 11:39:09.25 ID:1KHIVOTR.net
真姫「さあ、あなたの相方の所へ行ってやんなさい」

真姫「これからのアイドル研は、あなた達が作ってくんだから」

雪穂「う、うん」

雪穂(スタスタ)

亜里沙「雪穂」(抱きっ)



海未「雪穂も、こんな所ありますからね」

ことり「なんだか穂乃果ちゃんみたいだね?」

穂乃果「元々雪穂は、ああ言う娘だよ」

穂乃果「私がだらしなかったから、しっかり振る舞ってるだけで」

希「せやけどこれで、ミューズのメンバーは全員活動終了」

希「完全に世代交代やね」

ことり「そうだね」

希「1つの時代が……終わった」





とりあえずここまで

669 :名無しで叶える物語(鮒寿司)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 13:59:47.39 ID:HIMCMzGJ.net
おつ

670 :名無しで叶える物語(九州地方)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 14:07:08.98 ID:OA/RTqIC.net
ラブライブ東京1強すぎるな

671 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 16:12:10.66 ID:fP2dDa1M.net
これだけの量溜めるのは何ヶ月も掛かりそう

672 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/08(火) 16:37:02.40 ID:Mr0RnKmT.net
いつも深夜書き込んでてどんな生活リズムしてんだって思ったけどやっと安心したわ

673 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:46:14.78 ID:fQoIWwI/.net
再開

大晦日 神田明神下




真姫「……」

凛「ま〜きちゃ〜ん」(ダッダッダッダッ)

凛「にゃん♪」(抱きっ)

真姫「ヴエェ!?ち、ちょっとぉ」

真姫「こんな日に何すんのよ」(チョップ)

凛「てへっ♪」

真姫「全く……凛は相変わらず女子高生らしくないわね」

674 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:46:49.95 ID:fQoIWwI/.net
真姫「大体、あなた。卒業したらどうすんのよ?」

凛「エヘヘ」

凛「凛はね。学校の先生になるんだよ」

真姫「凛が……先生?」

凛「そうだよ」(スリスリ)

真姫「ふうん……」

真姫「案外似合うかも知れないわね」

凛「だから凛は教育学部を受けるにゃあ」

真姫「そう?浪人しないように頑張りなさい」

675 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:50:37.70 ID:fQoIWwI/.net
凛「そう言えば真姫ちゃんは、医学部だったよね」

真姫「ヴェッ!?」

真姫「そ、そうよ」(冷や汗)

凛「?」

676 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:51:37.54 ID:fQoIWwI/.net
花陽「凛ちゃ〜ん、真姫ちゃ〜ん」(ダッダッダッダッ)

花陽「ゴメン遅れちゃった」

花陽「ハァ……ハァ……」

凛「おおっ、かよちん!」

凛「素敵な着物だにゃあ」

花陽「お母さんがね。高校最後の初詣だから」

花陽「ちゃんと振り袖着ていきなさいって」

花陽「おかげで家を出るの、遅れちゃったよ」

凛「スッゴく可愛いにゃあ♪」(抱きっ)

花陽「ぴゃっ!?り、凛ちゃん」

真姫「……」

真姫「花陽。とっても似合うわよ」

花陽「うぇ?う、うん。ありがとう」

677 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:53:25.53 ID:fQoIWwI/.net
真姫「それにしても、本当に雪穂と亜里沙は来ないのかしら」

凛「うん、それがね」

花陽「最後くらい、私達3人、水入らずで過ごして欲しいって」

真姫「何気使ってんのよ」(髪クルクル)

凛「まあ、初詣終わったら」

花陽「どっちみち、穂乃果ちゃん家に集合だし」

真姫「そう?なら早く済ませるわよ」

まきりんぱな(ザッザッザッザッ)

678 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:54:44.60 ID:fQoIWwI/.net
境内




希「あら、みんないらっしゃい」(巫女姿)

絵里「もうじき新年よ」(巫女姿)

凛「あっ、希ちゃん。絵里ちゃん」

花陽「2人とも、凄く綺麗だね」

真姫「あなた達も相変わらずね」

凛「希ちゃんの巫女姿を見ると、ああ、新年なんだって気持ちになるよね」

希「そうなん?」

絵里「年末恒例みたいになってるわよね」

真姫「……」

希「にこっちな」

真姫「ヴェ!?」

絵里「今日は風邪ひいててね」

凛「えっ?にこちゃんでも風邪ひくの?」

花陽「り、凛ちゃん」(冷や汗)

679 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:56:29.37 ID:fQoIWwI/.net
絵里「特別大会辺りから体調崩しがちでね」

絵里「もうじき全快するとは思うんだけど」

真姫「……」

真姫「あ、ああ……そうなんだ」

希「真姫ちゃん寂しい?」(ニタァ)

真姫「べ、別に、そんなんじゃないわ」(プイッ)

希「花陽ちゃん。お洒落な着物やね」

花陽「これ、お母さんのおさがりなんだ」

花陽「今日に備えて、仕立て直してくれたんだけど」

絵里「とっても似合うわよ」

絵里「ふふ」

680 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:57:59.91 ID:fQoIWwI/.net
希「花陽ちゃんもすっかり綺麗になったねえ」

花陽「ぴゃっ?わぁ……私!?」

絵里「気付いてないかも知れないけど」

絵里「背も高くなったし。スタイルも一段と良くなったし」

絵里「すっかり大人びてきたわ」

花陽「そぉ……そんな。そんな事ないよ」

681 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 00:58:28.71 ID:fQoIWwI/.net
真姫「でっしょー?」

凛「かよちんホント美人になったにゃあ」

花陽「そぉ……そんな。こんな時に冗談なんて」

希「胸もおっきくなったし」

希「ねっ♪」(ガシッ)

花陽「ぴゃっ!?の、希ちゃん!?」

希「う〜ん、これは」

希「マシュマロみたいでヤミツキになるわあ」(ワシワシワシワシ)

花陽「ダレカタスケテエェェエエェ

682 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:00:20.75 ID:fQoIWwI/.net
1月1日 午前0時1分



凛「あっ」

真姫「新年よ」

絵里「え〜、それじゃ。気を取り直して」

絵里「新年明けましておめでとう」

一同「おめでとう!」

希「おめでとさん」

凛「今年も張り切って、いくにゃあ♪」

真姫「とーうぜんでしょ?」

花陽「うぅ……クスン」(膝ガクッ)

花陽「胸を揉まれながら越す……私の新年って」(シクシク)

凛「まあまあ、かよちん」

希「そう言えば、花陽ちゃんの進路は?」

花陽「うぇ?あぁ……私?」

683 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:02:09.60 ID:fQoIWwI/.net
花陽「ええとぉ……私はぁ」

花陽「音の木坂女子大に入ろうかと」

一同「?」

一同「えぇ〜!?」

希「絵里ち達とおんなじやん」

絵里「ハラショー」

真姫「意外よね」

真姫「花陽なら、もっと高い所目指すと思ったのに」

凛「そうだよ」

684 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:03:37.81 ID:fQoIWwI/.net
花陽「うん。まあね」

花陽「けど……たまたま推薦枠があってさ」

花陽「今の私の成績なら、特待生になれるって」

花陽「今までのラブライブの実績もあるから、学費は免除されるでしょ?」

花陽「だったら……親に負担かけない方がいいかなぁって」

絵里「そうだったのね」

希「偉いやん」

真姫「まあ、音ノ木坂女子大も、良い大学ではあるしね」

凛「うぅ……かよちん偉いにゃあ」(ポロポロ)

真姫「何泣いてんのよ」

685 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:04:18.48 ID:fQoIWwI/.net
花陽「そう言う訳で絵里ちゃん」

花陽「来年からよろしくお願いします。先輩」(ペコリ)

絵里「こちらこそ」

絵里「にこも穂乃果も喜ぶわ」

絵里「ふふ」

686 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:05:50.33 ID:fQoIWwI/.net
穂むら




雪穂「ぶぁっ!?かよちんが音ノ木坂に?」

亜里沙「ハラショー」

雪穂「じゃあお姉ちゃんと一緒じゃん!」

花陽「う、うん」

真姫「そう言えば穂乃果は?」

雪穂「それがさ。昨日から風邪ひいてんのよ」

凛「穂乃果ちゃんも?」

亜里沙「大学で風邪流行ってるのかな」

雪穂「いや、あれは、冬休み疲れだね」

雪穂「お姉ちゃん毎日夜更かししてるからさ」

凛「相変わらずだにゃあ」

687 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:06:42.60 ID:fQoIWwI/.net
明け方 穂むら




雪穂「エリーとのんたんとマッキーは泊まってかないんだ」

雪穂「遠慮しなくて良いのに」

絵里「ごめんなさい。また別の機会に」

希「穂乃果ちゃんによろしく」

真姫「私も。新年は家族と過ごすから」

雪穂「うん。分かった」

のぞえりまき(ザッザッザッザッ)

688 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:07:41.51 ID:fQoIWwI/.net
秋葉原




のぞえりまき(ザッザッザッザッ)

絵里「……」

希「……」

真姫「……」

絵里(チラッ)

絵里「ごめんなさい。忘れ物思い出したわ」

絵里「先行ってて」

(タッタッタッタッ)

のぞまき「……」

真姫「あによ。取ってつけたみたいに」(ジト目)

希「……」

希「真姫ちゃん。とりあえず駅入ろっか」

真姫「……」

真姫「むぅ」

689 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:08:43.72 ID:fQoIWwI/.net
秋葉原駅 ホーム




希「始発までまだ30分あるね」

希「話でもしてよか」

真姫「むぅ……絵里と言い、あなたねぇ」

真姫「まるで仕組んだみたいじゃないの」(ジト目)

希「それは疑い過ぎやん」

真姫「あなたねえ。何が望みなのよ」

真姫「はっきりいいなさいよね」

希「じゃ、はっきり言うよ」

希「真姫ちゃんは、アイドル活動に未練がある」

希「そうやないん?」

690 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:11:14.77 ID:fQoIWwI/.net
真姫「……」

希「それも、自分が一番信頼出来る仲間と」

希「例えば……にこっちとか」

真姫「……」

真姫「何それ。意味わかんない」

真姫「あなたの言いたい事って、そんな下らない事?」

真姫「悪いけど全然外れよ?」

真姫「何で私が今更、プロになりたがらなきゃならないのよ」

真姫「あなた少しオカルトのやりすぎで、おかしくなってない?」

691 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:11:50.52 ID:fQoIWwI/.net
希「そうなん?」

希「ウチはそうは思わんけど」

真姫「……」

希「真姫ちゃんには将来がある」

希「輝かしい未来が」

希「おまけに伴侶も決まっている。きっとステキな方なんやろ?」

真姫「そうよ」

希「現状に不満は無い。未来はむしろ明るい」

希「そこにどうにかしなきゃと言う思いが介在する余地はない」

真姫「そうよ」

692 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:13:29.32 ID:fQoIWwI/.net
希「せやけど……今ウチが話した事を理由にして」

希「隠そうとしてるんやないん?」

希「本当の気持ち」

真姫「あなたねえ。いい加減になさいよ!」

真姫「はっきり言ってあげるわ」

真姫「今のあなたに必要なのは、スピリチュアルな何かより
ちゃんとしたお医者さんにかかる事よ!」

真姫「何なら私が紹介してあげるわ!」

693 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:13:59.29 ID:fQoIWwI/.net
希「……」

希「キツい事言うんね」

真姫「そう言われても仕方ないでしょ?」

希「真姫ちゃんな。ウチは耳に痛い事言うかも知れんけど」

希「ウソは言わんよ?」

希「分かるんよ。今の真姫ちゃんが、どれだけ悩んでいるか」

希「どれだけ苦しんでるのか。その葛藤が」

真姫「……」

694 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:15:08.47 ID:fQoIWwI/.net
希「ウチな?過去に自分の思いを否定しながら」

希「無理に無理を重ねてボロボロになった娘達を、この目で見て来たんよ」

真姫(ワナワナ)

希「にこっちとか、絵里ちとか」

真姫(ギリッ)

希「そしてまた真姫ちゃんも」

希「真姫ちゃんが本心に向かい合わず、にこっち達みたいになるんが
ウチ耐えられないんよ」

真姫「希!!」

(バシッ)

希「あうっ」(ドサッ)

真姫「ご、ごめんなさい」

真姫「こんなつもりじゃ」

695 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:16:18.10 ID:fQoIWwI/.net
希「構わんよ?真姫ちゃんが怒るのも無理はない」(ヨロッ)

希「ウチな?子供の頃から、こんな感じだったから」

希「気持ち悪がられる事もあった」

希「友達が出来なかったのも、これが原因かも知れん」

真姫「希……」

希「せやけどな?真姫ちゃん」

希「ウチはそんな自分から逃げるつもりはないよ」

希「にこっちや……そして絵里ちが」

希「迷いながらも最後はそうした様に」

希「せやから、真姫ちゃんにも押し殺して欲しくなかったんよ」

希「自分の気持ち」

真姫「……」

696 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:17:04.98 ID:fQoIWwI/.net
希「ゴメンな?真姫ちゃん。変な話聞かせて」

希「新年のたわごとと聞き流したって」

真姫「良いわ。私こそごめんなさい」

真姫「でも、私の気持ちは変わらないわよ」

希「それでええよ」

希「これは真姫ちゃんの決める事やからね」

絵里「2人ともお待たせ」(スタスタスタスタ)

絵里「暖かい飲み物を買ってきたわ」(おしるこ)

真姫「エリー……」

希「おおきに」

絵里「もうじき始発が来るわよ」

697 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:19:44.07 ID:fQoIWwI/.net
元旦夜 西木野邸

リビング




真姫パパ「期末試験の成績見せてもらったよ」

真姫パパ「随分頑張ったようだね」

真姫「まあね」

真姫パパ「正直お前がアイドル始めると聞いて、勉強と両立出来るかどうか心配だったが」

真姫パパ「本当に良くやったね」

真姫「まあ、この位、当然でしょ?」(髪クルクル)

698 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:20:23.10 ID:fQoIWwI/.net
真姫ママ「この調子なら大丈夫みたいね?医学部受験」

真姫パパ「そうだね」

真姫パパ「東大とまでは行かぬにしても、志望校に受かるには十分だろう」

真姫「安心してくれた?」

699 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:23:07.47 ID:fQoIWwI/.net
真姫パパ「まあ、今までのアイドルなり音楽活動も」

真姫パパ「これから生きていくのに、色々と役に立つと思うよ」

真姫ママ「友達もたくさん出来たしね」

真姫「何よ。今まで孤独だったみたいに」

真姫パパ「まあ、これからは」

真姫パパ「お前も医学に専念する事になるが」

真姫「……」

真姫パパ「今までの思い出は、大事な財産になるからね」

真姫「……」

700 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:28:32.14 ID:fQoIWwI/.net
真姫ママ「ああ、そうそう」

真姫ママ「お父さんの所の新任医師の方ね」

真姫ママ「真姫が医学部入ったら、正式に結婚したいって」

真姫パパ「あいつめ。随分気に入ったみたいだな」

真姫「!」

701 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:30:42.76 ID:fQoIWwI/.net
真姫ママ「まあ、私は良いと思うけど」

真姫ママ「真姫は研修期間が終わったら、ウチの病院で勤務してもらえば良いし」

真姫ママ「それから出産すれば、休養を取るにも支障ないでしょ?」

真姫パパ「まあ、それでも構わないがな」

真姫パパ「真姫はどう思う?」

真姫「ヴェ!?」

真姫「私?」

702 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:33:40.86 ID:fQoIWwI/.net
真姫「わ、私……私は」

真姫「パパ達の良い様に」

真姫ママ「なら、決まりね」

真姫パパ「これで心配事は全部無くなったな」

真姫パパ「真姫」

真姫パパ「これからもパパ達はお前を応援するからね」

真姫ママ「お前達を、でしょ?」

真姫「あ、ありがとう」

703 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 01:35:17.55 ID:fQoIWwI/.net
真姫パパ「あいにく、今年は海外には行けなかったが」

真姫パパ「三が日位ゆっくり休みなさい」

真姫ママ「勉強はそれからしっかりやればいいしね」

真姫「わ、わかったわ」

真姫「それじゃ、私……もう眠くなったから」

真姫「部屋にいくわね」




今夜はここまで

容量の都合でいっぱい書き込めなくなってきたので

次から新たにスレを立てます

704 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 02:45:29.42 ID:aTUo05Ek.net
乙乙

705 :名無しで叶える物語(鮒寿司)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 06:53:39.56 ID:SCeCOU71.net
おつ

706 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 08:29:03.85 ID:5eVw5Lu7.net
真姫ちゃんが気の毒だ

707 :名無しで叶える物語(禿)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 13:50:12.14 ID:XlakDSqz.net
まきちゃん・・・

708 :名無しで叶える物語(わんこそば)@\(^o^)/:2016/03/09(水) 22:21:14.85 ID:sFJogyJ0.net

新スレ立てたときは誘導お願いします

709 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/10(木) 01:33:46.44 ID:Mu+6aA2A.net
まだかなまだかな

710 :名無しで叶える物語(空中都市アレイネ)@\(^o^)/:2016/03/10(木) 18:02:13.64 ID:CW8u8dpX.net
信じろ今書き溜めているんだ ドイツのそれを感じるだろ

711 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/03/10(木) 22:40:00.99 ID:Mu+6aA2A.net
信じろって別に疑ってもねえよ

712 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2016/03/11(金) 00:55:27.04 ID:6E50TtxR.net
期待待機

713 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2016/03/11(金) 02:07:01.52 ID:GrV2ju20.net
立てました

【BIBI】大学生:矢澤にこ「よぉ〜し、プロアイドルになるわよ!ニコッ♪」【冬がくれた予感】完結編 [無断転載禁止]©2ch.net

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