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凛(19)「変わらないもの」

1 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:06:03.29 ID:RMMruyW6.net
※凛しか喋りません


凛「…あ、いらっしゃい、待ってたよ」

凛「もう待ちくたびれてたよ、入って」

凛「寒かったでしょ」

凛「だと思って、お鍋にしたよ!」

凛「え? 機嫌がいいって……まあね」

凛「久しぶりに高校の時の友達に会ってきたんだー」

凛「あの頃は、毎日見てたはずなのに、すごい久しぶりだった…」

凛「そうそう、μ's」

凛「あの日から…μ'sはおしまい」

凛「でも、凛、さみしいとは思ったけど、悲しいとは思わなかった」

凛「だって、μ'sの…みんなとの関係は変わらないから」

凛「……ああ、ごめん。立ち話もあれだね。とりあえず…あ、お風呂?いいよ、あ、でも着替えが…」

凛「…持ってきた?」

凛「……ふーん」

ーーー

凛「いただきまーす」

凛「…あ、見て、テレビ」

凛「そう。アイドル研究部部長だった、矢澤にこ先輩。にこちゃん」

2 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:11:02.79 ID:RMMruyW6.net
凛「にこちゃんはいつ見てもにこちゃん」

凛「全然変わってない」

凛「ただ、前と少し違うのは、あんまり楽しそうじゃないところ」

凛「憧れのアイドルになって、理想の人生送ってると思う」

凛「でも、あんまり楽しそうじゃないの」

凛「『知りたくないこともあった』」

凛「そう言ってた」

凛「ずっと、スクールアイドルの気分じゃいられなかったんだって」

凛「仕事、だから」

凛「どう言い繕っても、あれは仕事なんだって」

凛「変わるしかないって」

3 :名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:11:15.48 ID:kK7C9mLu.net
スレタイであらだと分かってしまったなぜだろう

4 :名無しで叶える物語(鮒寿司)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:12:53.74 ID:upnjNbRW.net
期待

5 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:14:32.94 ID:OHhmvkfb.net
いいぞ

6 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:15:08.03 ID:RMMruyW6.net
凛「他のみんなも、ばらばらになった」

凛「それでも、凛達は、仲間で、友達なんだ」

凛「それだけは変わらないよねッ、って話し合ったの」

凛「それでも、やっぱり会う機会は少し減っていくの」

凛「穂乃果ちゃん達が卒業してからは、尚更」

凛「……最近もあんまり会ってないなぁ」

凛「かよちんとは会えるけど、真姫ちゃんは忙しいみたいだし」

7 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:20:06.68 ID:RMMruyW6.net
凛「私達の友情は変わらない」

凛「だけど、それ以外、何かは変わっちゃうのかなって…」

凛「それぞれの道に歩んでいって、そこで新しい友達、もしかしたら、恋人だって出来るかもしれない」

凛「その新しい環境の人達との関わりが重要になりすぎて、過去の凛たちはだんだん薄れていっちゃうんじゃないかって…」

凛「…凛?」

凛「…重要だよ。重要だと思ってる、今も、こうして……」

凛「…でも、ちがう。これはもう、わがままみたいなもの」

凛「…忘れたく、ないの」

8 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:27:15.72 ID:RMMruyW6.net
凛「ずっと一緒なんて、綺麗事だってわかってる」

凛「それでもずっと、忘れたくないの…」

凛「……変わるの」

凛「…凛もさ、ほら。髪、伸びたでしょ?少しだけど」

凛「なんでかわかる?」

凛「あなたが長いほうが好きって言ったからだよ」

凛「……μ'sの頃は、かよちんに、髪が短くても凛ちゃんは可愛いよっ、言ってくれたから、凛は短めにしてた……けど」

凛「あなたにそう言われただけで、髪型をさらって変えよう、って思うあたり、どうなのかなって…」

凛「考え過ぎ?…うん、だよね」

9 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:34:59.32 ID:RMMruyW6.net
凛「最近は3年生の絵里ちゃんと希ちゃんに関してはなにしてるかわかんないし」

凛「ことりちゃんは留学しに行くし」

凛「みんなが離れていくの」

凛「どんどん」

凛「怖いの」

凛「あの頃みたいには、もう戻れないんじゃないかって」

凛「みんなで笑いあってた、あの頃に」

凛「……離れたく、ないのに」

凛「…!」

凛「な、なにさ、頭わしゃわしゃ……うぬ…」

凛「…みんなもそう思ってる?」

凛「…どうだろう」

10 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:41:33.14 ID:RMMruyW6.net
凛「…人生、だから?」

凛「…たまに難しいこと言うね」

凛「……目を閉じると、今でも思い出せるよ」

凛「あの時過ごした、日常を」

凛「…もう、今じゃ、それも……え?」

凛「…ひとつだけ、確実に変わっていないもの?」

凛「なにそれ」


凛「…凛の、みんなへの想い…?」

11 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:50:05.55 ID:OHhmvkfb.net
見てるよ

12 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:50:27.95 ID:6jhuEMW5.net
凛ちゃんが話すとより一層つらい

13 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:53:11.35 ID:R/BGBkUN.net
これは心にくる

14 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:56:21.15 ID:RMMruyW6.net
凛「…うん」

凛「そうだね、それだけは変わらない」

凛「たとえ、みんなが、もしも凛の事を忘れていても」

凛「こっちから『大好き』だって、伝えに行く」

凛「いつになっても」

凛「皆の事が、大好きだから」

凛「…会えなくなっても、大好き」

凛「……μ'sが、大好き、だったから」

ーーー
(・8・)チュンチュン…


凛「う、ううん…」

凛「…ちょっと、それ凛の枕……」

凛「…ん……!あっ、やっば、こんな時間…!」

凛「ご、ごめん、鍵閉めておいて!?じゃあね!」

ーーー

凛「待ってー!のせ、乗せ…あ」

凛「あ〜……」

ハアハアハア…

凛「あー…連絡入れておかないと…ん?」

アアッ!バスイッチャッター!

ホノカガイツマデタッテモオキナイカラデスッ!

凛「……」クスッ

ほんの少しの、寂しさも、必要なのかもしれない。
でも、ここには確かに。
変わらないものも、ある。
大好きな、人達は、いるんだ。


凛「…おーい、穂乃果ちゃーん、海未ちゃーん!」


今は噛み締めて、生きるんだ。
変わらないものを抱きしめて。


おわり

15 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2016/04/03(日) 23:59:09.73 ID:R/BGBkUN.net
なかなかに染みた
乙でした

16 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2016/04/04(月) 00:01:46.44 ID:gaq7/rwv.net
よかった
乙乙ぴー

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