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凛「…気のせい?」にこ「にこっ」

1 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 02:59:58.50 ID:q4xZbwNA.net
【四月・中庭】

凛「木登り!?」

穂乃果「うん。小さい頃は、こーんな大きい木に登ったりもしたんだよー♪」

凛「本当ですかー?」

穂乃果「ホントだよー。今も頑張れば、この木にだって登れるよ!」

凛「手や足を引っ掛けるところがないと難しいんじゃないですかー?」

穂乃果「あの枝のところにつかまれば何とかなりそうだよ。ね、登れたら私たちのライブ見に来てくれる?」

凛「無理だと思いますけど…」

穂乃果「大丈夫だって!…よーし、見てて」グッ

凛「待って、先輩!」

穂乃果「わぁ!?」ズルッ

穂乃果「いったーい!」

凛「だ、大丈夫ですかー?><」

穂乃果「うぅ…急に呼び止めないでよー」

凛「ご、ごめんにゃ…でも登ったりしたら木を傷つけちゃうと思って…」

穂乃果「あ…そうだね。…やめとこっか」

凛「うん」

凛(…凛も昔、かよちんに言われたことがあったんだよね)

『あ…枝、折れちゃったにゃ』

『だ、ダメだよぉ…木がかわいそうだよ…』

穂乃果「ライブ見に来てねー!」フリフリ

凛「気が向いたら行きます」ボソ

「ありがとう…」

凛「えっ。…誰?」

花陽「凛ちゃん。…どうしたの?」

凛「なーんだ、かよちんかぁ…びっくりしたにゃ」

花陽「?」

2 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:03:27.27 ID:q4xZbwNA.net
【放課後】

にこ「にこにーっておぼえてラブにこっ★」

ヒソヒソ ナニアレ?

にこ(…木を相手に練習してもつまらないわね。宇宙ナンバーワンの実力も披露する場がないと…)

「…」

にこ「ん?…誰かいるの?」

にこ(誰もいない…気のせいか)

【翌日】

凛(かよちんは…西木野さんかアイドル部の先輩のところかにゃ?)

凛(つまんないにゃー。最近かよちん、学校でもアイドルアイドルって…)

凛(まあいいや。一人でお弁当食べよーっと…)

「りんちゃん」

凛「え?」

「にこっ」

凛(…三年生?)

凛「凛に何かご用ですかー?」

「りんちゃん。お昼、にこと一緒に食べない?」

凛「はあ。別にいいですけど…」

にこ「ありがとー。にこっ★」

凛(にこ先輩っていうのかな?…今まで話したことないはずだけど)

凛「あのー。凛のこと知ってるんですか?」

にこ「知ってるよー。いつも見てたから♪」

凛(いつも…って、まさか…この子、凛のこと…?)

凛(そ、そんなことないよね。凛なんて…)

にこ「お弁当おいしそうだね。お料理好きなの?」

凛「ううん。お弁当はお母さんが作ってくれるんです。凛は料理は全然できないし…」

にこ「そっか。きっと素敵なお母さんなんだね♪」

凛「…先輩も」

にこ「んー?」

凛「にこ先輩も…可愛いですよ///」

3 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:06:00.48 ID:q4xZbwNA.net
にこ「りんちゃん…えへへ。ありがと♪ りんちゃんも可愛いよー♪」

凛「えー!?…凛は可愛くないですよ><」

にこ「かわいいよー♪」

凛「そ、それより…にこ先輩はお弁当食べないんですかー?」

にこ「えっ。…お弁当?」

凛「はい。…お昼、一緒に食べようって…」

にこ「あ…あー。にこ、もうお弁当食べちゃったの忘れてたニコ★」

凛「えぇ…大丈夫ですかー?><」

にこ「えへへ。まあ、そんな日もあるよねっ」

凛「普通はないと思うけどにゃ…」

凛(ちょっと変な子だけど…にこ先輩、やっぱり可愛いにゃ♪)

にこ「じゃあね、りんちゃん。今日はお話できて楽しかったニコ♪」

凛「はい。…あの、よかったらまた…」

凛「あ、あれー?…にこせんぱーい?」

凛(食べ終わったお弁当箱しまってる間に、いなくなっちゃった…)

キーンコーンカーン…

凛(凛も行こっと…にこ先輩には、そのうち会えるよね)

タタタ…

にこ「…またね。りんちゃん♪」

ザァ…

【五月】

凛「ゴールデンウィークも終わっちゃったにゃー」

花陽「うん。(…でも、もうすぐμ'sのライブ…楽しみだなぁ♪)」

「お願いしまーす!」

花陽(あ…先輩たちがチラシ配ってる…もらいに行こうかな?)

凛「なんか面白いことないかにゃー。ね、かよちん…あれ?」

凛「いなーい…どこ行っちゃったのかにゃ…かよちーん?」

凛(最近こういうこと多いにゃ…そういえば凛、にこ先輩にしばらく会ってないけど…)

【中庭】

凛(さすがにいないよね…中庭に来るなんて、お弁当食べる時くらいしか…)

4 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:07:48.41 ID:q4xZbwNA.net
「りんちゃん、みーつけた♪」ギュ

凛「にゃ!?…だ、誰ー?><」

「えへへ。だーれだっ?」

凛「その声は…にこ先輩!」

にこ「正解にこっ★…よくわかったねー?」

凛「うん。…凛、にこ先輩に会いたいなって思ってたから…」

にこ「えっ。…ホント?」

凛「本当ですよ。連休の間は全然会えなかったし…」

にこ「そうだね。…にこも、ちょっとだけ寂しかったかなー♪」

凛「あのとき、今度また一緒にお昼食べませんかって言おうと思ったのに…にこ先輩いなくなっちゃうんだもん」プクー

にこ「そっか。えへへ…ごめんねっ★」

凛「でも、また会えてよかったです♪…にこ先輩、中庭で一人で何してたんですかー?」

にこ「えっ。えーと…にこも、りんちゃんに会いたいなーって思っててー♪」

凛「えー?…本当ですかー?」

にこ「ほ、ホントだよ。…あと、笑顔の練習かなー?」

凛「笑顔の…練習?」

にこ「そうだよー♪…えっとね、確か…こうやって」

にこ「にっこにっこにー♪」

凛「」ポカーン

にこ「にこにーっておぼえてラブにこっ★」

凛「…な、なんですか?…それ」

にこ「何って、笑顔の練習だよー?><」

凛「ちょっと寒くないかにゃー?」

にこ「え?…もう五月だし、少し暑いくらいだよー?」

凛「そういう意味じゃなくて…まあいいですけど…」

にこ「りんちゃんも、にこも…みーんな笑顔になれるおまじない♪」

凛「はあ」

にこ「りんちゃんも一緒にやろうよー♪」

凛「えぇ…いや、凛そういうのはちょっと…」

にこ「やってくれないのー?…くすん」

5 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:09:40.71 ID:q4xZbwNA.net
凛(うーん…まあいいか。周りに誰もいないっぽいし…)

凛「じゃあ…ちょっとだけ…」

にこ「ありがとー♪…じゃあ、せーのでいくよー」

凛「は、はい」

にこ「せーのっ」

にこ「にっこにっこにー♪」
凛「にっこにっこにー」

にこ「ダメだよ、りんちゃん。もっと笑顔、笑顔♪」

凛「そんなこと言われても…」

にこ「にこは、りんちゃんに会えて…一緒に居られて嬉しいよ。だから笑顔にこっ♪」

凛「それは…もちろん凛も嬉しいですけど」

にこ「じゃあ、その気持ちで笑顔♪…はいっ」

凛「にっこにっこにー♪」

花陽「…り、凛ちゃん…?」

凛「か、かよちん!?…いつからいたのー?><」

花陽「向こうで先輩たちとちょっと話してて…(凛ちゃんのこと、すっかり忘れてたの思い出して)戻ってきたの」

凛「先輩かぁ…凛も今、にこ先輩と…あ、あれ?」

花陽「にこせんぱい?」

凛「にこせんぱーい?…またいなくなっちゃった…」

花陽「イエニカエッチャッタノ?」

凛「そうかも…こういうの、なんて言うんだっけ…新機種水没?」

花陽「ああっ、買ったばっかりの新しいスマホをお風呂に…ダレカタスケテー!」

にこりん「チョットマッテテー」

花陽「…じゃなくて、それを言うなら神出鬼没…かな?」

凛「そうそう、それだよー!」

凛「…ん?(今、一瞬にこ先輩の声が聞こえたような…)」

花陽「それより早く帰ろう。遅くなっちゃうから…」

凛「そうだね。帰ろ♪」

凛(…まあ、今日も会えたんだし…また会えるよね)

にこ「ふふ…またね。りんちゃん♪」

6 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:16:12.53 ID:q4xZbwNA.net
【新入生歓迎会当日】

凛「陸上部、見に行こっ♪」

花陽「え!?…いや、その…」

\ダレカタスケテー!/

【グラウンド】

凛「あのサッカーゴールって、片付けないんですかー?」

花陽「そういえば、サッカー部は廃部になったって…」

凛「音ノ木坂のグラウンドは結構広いけど…あれって大きいし、邪魔になりませんか?」

モブ陸上部「まあ、そうなんだけど…あれは世界記録のサンプルだから」

凛「世界記録?」

花陽(ど、どうしよう…ライブ始まっちゃうよ…)ソワソワ

にこ「…」

花陽(ん?…あれは)

モブ陸上部「そう。男子の記録なんだけど…走り高跳びで2メートル45cm。それが、だいたいあれくらいの高さなの」

にこ(こっち、こっち。今なら大丈夫だよー)

花陽(…凛ちゃん、ゴメン!)ダッ

凛「走り高跳びって…棒を使わないやつですよね?」

モブ陸上部「うん。そうだよ」

凛「すっごいにゃー!あんな高さを人間が、道具も使わずに跳び越えちゃうなんて…」

モブ陸上部「女子には、ちょっと無理だけどね…でも、あれは世界中の陸上選手たちが目指す夢の高さなんだ!」

凛「いつか届くかもしれない、夢の高さかぁ…ねえ、かよちんも…あ、あれ?」

凛「もーっ、またなのー? かよちーん!どこー?><」

にこ「りんちゃん」

凛「あ、にこ先輩!」

にこ「はなよちゃんは講堂へ行ったよ」

凛「そっか。ありがとうございます♪」タタッ

にこ(…そろそろ限界、かな?)

ザァ…

7 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:17:58.96 ID:q4xZbwNA.net
【六月】

凛ママ「なあに、凛ったら…急にどうしたの?」

凛「お、おにぎりくらい凛だって作れるもん」

凛ママ「そう?…じゃあ任せるけど…無理しないでね?」

凛「大丈夫にゃ!」ピョーン

凛(そうだよ。こんなの簡単、簡単♪)ギュー

凛「…あ、あれっ?」グチャァ

凛(おにぎりって意外と難しいにゃ…もっと簡単だと思ってたのに)

凛ママ(花陽ちゃんにお弁当作ってあげたいのかしら?…ふふ、頑張れ。凛♪)

【神田明神】

にこ「とっとと解散しなさい!」

【昼・音ノ木坂中庭】

凛(うわー、雨降りそう…でも、にこ先輩いるかなー?)

にこ「りんちゃん♪」

凛「にこ先輩!…よかったぁ。また会えたにゃ」

にこ「ふふ…にこも、りんちゃんに会えて嬉しいニコ♪」

凛「あ、あのね…実は今日…」

にこ「んー?」

凛「笑わないでくださいね?…凛、お弁当作ってきたんです!」

にこ「お母さんじゃなくて、凛ちゃんがお料理したの?」

凛「は、はい。…でも、あんまり上手にできなくて…エヘヘ」

にこ「全然やったことないなら、しょうがないよ。でも頑張れば、きっとりんちゃんもお料理上手になれると思うよ♪」

凛「そうかにゃ…そ、それで今日は…にこ先輩にも食べてもらおうかなって、思ったんだけど…」

にこ「え。…にこ?」

凛「はい。…こんなので、恥ずかしいですけど…」

にこ(おにぎりと…何だろう、たまご焼き?)

凛「あ、アハハ…でも無理しなくていいですから」

にこ「…ごめんね。りんちゃん…本当は食べたいんだけど…」

凛「あ…お、おなかいっぱいですか?」

にこ「あのね…今日はお別れを言いに来たの」

8 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:21:06.59 ID:q4xZbwNA.net
凛「え」

にこ「ありがとう。りんちゃんに会えて、いろいろお話できて…とっても楽しかった♪」

凛「お別れって…にこ先輩、どこか遠くへ行っちゃうんですか?」

にこ「にこちゃんは、まだいるよ。…でも私は、こうやってりんちゃんとお話できなくなっちゃうから」

凛「?…それって、どういう…」

にこ「本当のにこちゃんは、私とはちょっと違うけど…でも、いい子だから。にこちゃんに優しくしてあげてね♪」

凛「え?…ちょっ、にこ先輩!お別れなんて、そんなこと…」

にこ「りんちゃん。笑顔♪」

凛「え…?」

にこ「せーのっ」
凛「あ…は、はいっ」

にこりん「にっこにっこにー♪」

ザァ…

凛「って、何なんですか…もう」

凛「あっ…いない!?」

凛(な、なんだろ…今度は本当に、もう会えなくなるような気がするにゃ…)ゾク

凛「にこせんぱ…い」

凛「ん?…なにこれ、折れた木の枝…?」

『木がかわいそうだよ…』

『そ、そうだよね…ごめんにゃ』

『切り株から新しい芽が…』←TV

『折れた枝…土に埋めたら芽が出たりしないかにゃ?』

ポン ポン

『折っちゃって、ごめんなさい…新しい木に生まれ変われますように…』

サラサラ…

凛「あっ!?(…枝、消えちゃったにゃ)」

『にっこにっこにー♪』

凛「…?」

花陽「おいしい♪」モグモグ

凛「ちょっ…かよちん!?…なんで凛のお弁当食べてるのー?><」

花陽「あ…ごめんね。おいしそうだったから、つい…エヘヘ」

9 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:23:26.46 ID:q4xZbwNA.net
凛「えへへじゃないよ…今日のは凛が作ったから、お母さんのより全然おいしくないでしょ?…見た目もひどいし…」

花陽「凛ちゃんの手作り!?…もしかして、私のために…?」キラキラ

凛「えっ…あれ、そうだったかにゃ?」

花陽「ありがとう…凛ちゃん、大好き!」ギュー

凛(…誰か、ほかの人のために作ったような…ううん、気のせいだよね。凛が一番喜んでほしい人は、かよちんだもん♪)

【翌日】

にこ「おぼえてラブにこっ★」

真姫「…私、無理…」

凛「ちょっと寒くないかにゃー?」

凛(…あれ?…今の、どこかで…?)

10 :名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:24:59.81 ID:q4xZbwNA.net
【さらに翌日・屋上】

にこ「にっこにっこにー!…はい」

六人「にっこにっこにー」

『りんちゃんも、にこも…みーんな笑顔になれるおまじない♪』

凛(にこちゃん…思い出した。…凛、どうして忘れてたのー?><)

真姫「はぁ…やっと終わった…」ゲンナリ

凛「にこ先輩!」

にこ「ん、なに?」

凛「お昼!明日から凛と一緒に食べましょうよ♪」

にこ「はぁ?…ぬぁんでよ」

凛「晴れたら中庭でお弁当食べるから、にこ先輩も来てください♪」

にこ「いや、だからなんで私があんたと…」

凛「絶対、来てくださいね!…来ないとへし折りますよ?」

にこ「ちょっ…怖いこと言わないでよ!?…気が向いたら行くわよ。気が向いたら」

凛「えへへ。にこせんぱーい♪」スリスリ

にこ「や、やめなさいよ!ああもう、わかったから!行くから!」

【翌日・中庭】

凛「にこ先輩、おそーい!」

にこ「晴れたらって言ってたじゃない…曇りよ。今にも雨降りそうだし」

凛「そんなときは、笑顔のおまじないで雨雲を吹き飛ばしちゃうにゃ♪」

にこ「いや、無理だと思うけど…」

「…ふふっ」

凛「じゃあ、いっくよー♪」

にこ「勝手にあんたが仕切ってんじゃないわよ。それは私の役目よ!…せーのっ」

にこりん+?「にっこにっこにー♪」



おわり

11 :名無しで叶える物語(ぎょうざ)@\(^o^)/:2016/08/22(月) 03:26:31.23 ID:v3ugvkV7.net
乙乙

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