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【にこまき】矢澤にこ×西木野真姫 デート10回目

474 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ 5f74-IbbR):2017/02/20(月) 18:09:31.18 ID:B/BowAN50.net
秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。

【にこまき訳】
秋の夕暮れ。日が傾き、公園で遊んでいた子供たちが家へと急ぐなか、にこもまた家へと足を進めていた。
「ねぇ、にこちゃん」
隣を歩く真姫がにこに話かけ、「どうしたの? 真姫ちゃん」とにこもゆっくりと聞き返した。
真姫は少し間を置いてから「やっぱりなんでもないわ、ごめんなさい」と頭を振って何事もなかった様に歩き続けた。
「よっと!」
「きゃ!? なに!?」
にこが真姫の空いてる方の手を掴むと、突然のことに吃驚したのか小さく悲鳴をもらした。なんとも可愛らしい。
「ごめんね真姫ちゃん。にこ、真姫ちゃんと手をつないで帰りたくなったにこ」
悪びれもない笑顔でにこは言った。
真姫ちゃんは、また少し間を置いてから
「仕方ないわね」
なんて言いながら口許が少し上がっているのをにこは見逃さない。
やはり彼女も先ほどの光景を見ていたのだ。家へと帰る子供たちの中に手をつなぎながら楽しそうに帰る子たちの姿を。
そんな子たちの声も今ではもう遠くへ行き聴こえなくなっていた。

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