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【Aqours昔話】花丸「うらし丸」

1 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:36:10.32 ID:dssItdNl.net
昔昔ある村に、心の優しいうらし丸と言う少女が住んでいました。

花丸「ずら〜」ノンビリ

ある日うらし丸が海辺を通りかかると、子供達が亀を虐めていました。

花丸「なにをしているずら!」

千歌「うるさいなぁ」

曜「私達が捕まえたから好きにしていいんだよ」

梨子「ということですので」

花丸「違うずら」









花丸「甲羅に傷を付けたら売値が下がるよ!」

2 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:38:55.12 ID:dssItdNl.net
あれ……?
うらし丸って心が優しかったのでは?
きっと気のせいですね、では今の状況を――

千歌「どゆこと?」

花丸「皆はその亀を売るつもりでしょ?」

曜「うん、だからこうやって殺そうと」

ピギィ!?

花丸「甲羅に傷が付いていて、尚且つ死んでたら売値はだいぶ下がるずら。もう既に傷がある状態だから結構低いよ?」

ああ……見間違いでは無かったのですね……

3 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:41:08.95 ID:dssItdNl.net
梨子「そうなんだ……じゃあどうする?」

千歌「高く売れないなら要らなーい」

曜「私も」

ホッ

花丸「じゃあオラが貰っていい?勿論お金は少し出すよ」

梨子「ホント!?」

千歌「やったぁ!」

子供達は大喜びでうらし丸と取引をしました。

哀れ亀……

4 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:44:03.09 ID:dssItdNl.net
ようちかりこ「じゃあねー!」

子供達は元気に去っていきました。
残ったうらし丸はと言うと……

花丸「どうやって食べようかなぁ……」ジュルリ

亀を食べるつもりのようです。

ルビィ(亀)「止めてぇ!」

花丸「ずら?」

なんと亀が喋りました。

ルビィ「私を食べても美味しくないよぉ……」シクシク

花丸「そんなの食べないと分からないずら」

なんという鬼畜。

5 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:47:09.51 ID:yIIpjz6o.net
ズラ丸なら...いや、うらし丸ならやりかねんな

6 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:48:10.16 ID:dssItdNl.net
ルビィ「そうだ!料理作ってお迎えするから数日待ってくれる?」

花丸「……どれくらいの量があるの?」

ルビィ「えっと……10人でも食べきれないくらい!」

花丸「それなら良いずら。絶対に帰ってくるんだよ?さもないと……」

ルビィ「うううううん!絶対戻ってくるから!じゃあ!!」

亀は海に帰っていきました。
ですが鬼畜ですねぇ。

花丸「戻って来なくても何が出来るわけじゃないずら。嘘は上手く使わないとね」

策士……

7 :名無しで叶える物語(浮遊大陸)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:49:11.16 ID:Fp/zaYPd.net
待ってた

8 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:52:12.18 ID:dssItdNl.net
数日後……うらし丸が海辺に行くと亀がいました。

ルビィ「じゃあ出発だよ!」

花丸「どこに?」

ルビィ「あ、言ってなかったっけ?竜宮だよ。海の底にあるんだ」

花丸「それ人間のオラでも行けるずら?」

ルビィ「問題無いよ。乗って乗って」

花丸「うん」

亀の背中に乗せてもらったうらし丸。
海の中には真っ青な光が差し込み、コンブがユラユラと揺れ、赤やピンクのサンゴの林がどこまでも続いています。

花丸「綺麗ずら……」

9 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:55:04.06 ID:dssItdNl.net
うらし丸がウットリしていると、やがて立派な御殿へ着きました。

ルビィ「着いたよ。この御殿が竜宮だよ!こっちに来て」

亀に案内されるまま進んでいくと、この竜宮の主人の美しい乙姫さまが、色とりどりの魚たちと一緒にうらし丸を出迎えてくれました。

鞠莉「Welcome!! 私は、この竜宮の主人の乙姫よ。このあいだはルビィを助けてくれてありがとね。お礼に竜宮を案内するから、ゆっくりしていって」

うらし丸は、竜宮の広間ヘ案内されました。

10 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 22:57:47.38 ID:dssItdNl.net
うらし丸が用意された席に座ると、魚たちが次から次へと素晴らしいご馳走を運んできます。

花丸「美味しいずらぁ〜!!」モグモグ

ふんわりと気持ちのよい音楽が流れて、鯛やヒラメやクラゲたちの、それは見事な踊りが続きます。

ダイヤ(鯛)「鯛や〜」

果南(ヒラメ)「ヒラメが〜」

善子(クラゲ)「舞い踊る〜」

ここはまるで、天国のよう。

花丸「良い気分になれるずら〜」

11 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:00:04.56 ID:dssItdNl.net
そして――

鞠莉「もう1日いない?」

花丸「分かったずら」

鞠莉「もう1日いない?」

花丸「分かったずら」

――と、乙姫さまに言われるまま竜宮で過ごすうちに、3年の月日が経っていました。

花丸「もうここに来て3年かぁ……」

その時、うらし丸ははっと思い出しました。

花丸「(家族や友達はどうしてるのかな……?)」

12 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:01:53.17 ID:dssItdNl.net
そこでうらし丸は乙姫さまに言いました。

花丸「乙姫さま、オラもう帰らないといけないずら」

鞠莉「Oh……それはどうして?」

花丸「だって――」



















花丸「暫く陸の食べ物食べてないずら!!」

鞠莉「」

うらし丸はやっぱりうらし丸でした。

13 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:04:54.48 ID:dssItdNl.net
すると乙姫さまは寂しそうに言います。

鞠莉「ふぅーん……そう、海の食べ物に飽きたってわけね。ふぅーん」

寂し……そう?
かなりお怒りのようですが……

花丸「飽きたずら」

止めなさい!これ以上火に油を注ぐのは――

鞠莉「あっそ」プイッ

あ……

14 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:07:31.36 ID:dssItdNl.net
鞠莉「そっかー、それはなごりおしいわねー」

物凄い棒読みですね。

鞠莉「おみやげに玉手箱を差し上げましょう」

花丸「玉手箱?」

鞠莉「そ、これなはうらし丸が竜宮で過ごした『時』が入っているの。これを開けずに持っている限り、貴女は年を取らないわ。ずーっと、今の若い姿のままでいられるの。

花丸「夢の様な箱だね」

鞠莉「だけど、一度開けてしまったら今までの『時』が戻って来ちゃうから、決して開けちゃ駄目よ」

花丸「分かったずら」

15 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:09:37.04 ID:dssItdNl.net
乙姫さまと別れたうらし丸は、また亀に送られて地上へ帰りました。

花丸「やっと戻ってきたずら」

ルビィ「じゃ、じゃあルビィはこれで……」ソー

花丸「じゃあね」

ルビィ「……襲わないんだ」

花丸「もう海の食べ物は飽きたずら」

ルビィ「あはは……」

地上に戻ったうらし丸は、周りを見まわしてびっくり!

16 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:11:51.00 ID:dssItdNl.net
花丸「あれ?3年しか経ってないのに随分と様変わりしてるずら……」

確かにここはうらし丸が亀を捕まえ――ゲフンゲフン、助けた場所です。
ですが、何だか様子が違います。

花丸「オラの家も無いずら……」

うらし丸の家はどこにも見あたりません。

花丸「皆知らない人ずら……」

出会う人も知らない人ばかりです。

17 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:15:11.11 ID:dssItdNl.net
花丸「オラの家はどうしたんだろう……。もしかして恨みを買った人達に壊されたとか!?」

そんな心当たりあるんですか?

花丸「あり過ぎて絞り込めないずら」

えぇ……

花丸「けど知り合いがいないのはおかしいずら」

するとうらし丸は老人に話しかけました。

花丸「うらし丸の家は知りませんか?」

老人は首を傾げて答えます。

老人「うらし丸?……あぁ、確かうらし丸という人なら700年ほど前に海に食事に行く、とかとち狂ったことを言って帰らないそうですよ」

事実ですね。

18 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:17:15.23 ID:dssItdNl.net
花丸「えぇっ!?」

老人の話を聞いてうらし丸は驚きます。
当たり前です。
3年しか経ってないはずなのに700年も経っているのですから。

花丸「あの八百屋さんも、お肉屋さんも、パン屋さんも死んじゃったのか……」

ここに来てまで御飯のことですか。

花丸「ずらぁ……」

がっくりと肩を落としたうらし丸は、ふと持っていた玉手箱を見つめました。

19 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:19:23.49 ID:dssItdNl.net
花丸「そう言えば乙姫さまは言ってたずら。この玉手箱を開けると、『時』が戻ってしまうって」

チャオー!

花丸「もしかしてこれを開けると、自分が暮らしていた時に戻るんじゃ……」

そう思ったうらし丸は、開けてはいけないと言われていた玉手箱を――

花丸「嘘ずら」

開けませんでした。

花丸「どうせ食べ物が入っていてオラに食べさせないつもりでそう言ったんだよ」

何その解釈!?

20 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:21:16.59 ID:dssItdNl.net
花丸「だから開けるずら」

あ……

開けてはいけないと言われていた玉手箱を開けてしまいました。

モクモクモク

中から真っ白な煙が出てきました。

花丸「これはっ!」

煙の中からは――













花丸「海鮮の幸ずら〜!」







花丸「――って、飽きたからもう要らないずらぁ!!!」

21 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:21:44.12 ID:dssItdNl.net
その後、うらし丸はもう二度と海へは出なかったそうな。

22 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:24:39.88 ID:dssItdNl.net
―一方その頃の乙姫さま―

鞠莉「ダイヤァ!」

ダイヤ「何でしょうか」

鞠莉「もっと料理の研究よ!」

ダイヤ「分かりましたが何故急に……」

鞠莉「決まってるじゃない!飽きたなんて言わせない為よ!」

ダイヤ「……」

鞠莉「打倒山の幸よ!おー!」

ダイヤ「お、おー……」

23 :名無しで叶える物語(あら)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:25:18.85 ID:dssItdNl.net
めでたしめでたし

24 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:26:58.69 ID:HP5EhSUt.net

鬼畜丸w

25 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:27:17.04 ID:S96qHh22.net

割と好きな作風だったわ、話も上手いしね
まぁ国木田が可愛かった

26 :名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:42:57.65 ID:YFiH1im6.net

ぼっちになったうらし丸は俺が引き取ろう

27 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2017/01/10(火) 23:58:48.68 ID:/8oL1dCy.net
前回のマリーの愚痴が届いたのか今回はちゃんと役あってよかったねw

28 :名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/:2017/01/11(水) 00:16:15.61 ID:jzGZ25wg.net
うらし丸頭おかしくて笑いました。

29 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/01/11(水) 01:20:59.32 ID:sGpCCLFQ.net
かわいい

30 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/01/11(水) 20:58:32.87 ID:3itpGITy.net
http://nayoga.tuyennguoiyeu.jp/pho/t0110.html

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