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梨子(ルビィちゃん……、やっぱり可愛いなぁ)
- 1 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/03/03(金) 04:40:47.27 ID:tbeSUpeE.net
- 学校の帰り道。
電柱の陰に身を潜めて、こそこそと桜内梨子は、赤毛の少女の後を追い掛けていた。
「〜〜♪」
ハミングで気分を盛り上げながらとてとてと可愛らしい擬音が付きそうな足取りで歩くその少女の名前は、黒澤ルビィ。
その幼い外見からは想像もできないが、これでもれっきとした高校生である。
(うん、今日も一日ルビィちゃんは可愛い)
まじまじと熱視線を送るが、ルビィは全く気付く様子がない。
この子は少し鈍い……、というよりはとても警戒心が薄い。
(ま、そういう無警戒なところも可愛いけど……)
そんなことを思いながら、こそこそと後を追っていると、不意にちょんちょんと肩を叩かれた。
「ん?」
振り向くと、そこには黒髪の先輩が鬼神の如き形相で立っていた。
「またですか、あなたは! 本当いい加減にしなさいな!」
このひとは黒澤ダイヤ。桜内梨子の将来の義姉になる予定の女性である。
「お義姉さん……」
「誰が義姉さんですか!」
- 359 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/06(木) 02:26:11.88 ID:oFo6ZOZy.net
- ほ
- 360 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/06(木) 02:26:51.45 ID:oFo6ZOZy.net
- ほ
- 361 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/04/06(木) 06:20:21.35 ID:vk6z4owb.net
- も
- 362 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2017/04/06(木) 12:39:48.09 ID:yB03t5OQ.net
- 保守
- 363 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/06(木) 12:50:49.68 ID:oFo6ZOZy.net
- ほ
- 364 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2017/04/06(木) 19:36:46.76 ID:M8o9Fz0w.net
- 保守梨子ちゃん
- 365 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/06(木) 21:23:50.83 ID:oFo6ZOZy.net
- 桜内
- 366 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 00:04:20.87 ID:CWDftOIg.net
- ヨーソロー
- 367 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 06:00:13.82 ID:5xxfAbW9.net
- ・
- 368 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 08:46:15.18 ID:cKoOWb3+.net
- 保守ピギィ
- 369 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 13:11:44.42 ID:fug94b/t.net
- |c||σ.-σ||
- 370 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 16:56:00.05 ID:iwq+bIlG.net
- 「それは……」
言葉に詰まる。
姉妹として他にも色々と話すことはあったはずなのに、どうしてか梨子のことだけがルビィの思考を埋め尽くしていた。
(どうして……?)
分からない。
ただ、気になっただけというわけでもなく、かといって会話を続ける為の適当に出した問いでもない。
不意に口から零れた、大きな想いの残滓。
ルビィは沈思し、その問いへの答えを自己の想いに照らし合わせて、反芻する。
が、やはり答えを出すことはできない。
「き、気になったから」
ルビィは己を偽り、上辺だけで答える。
感情が乗らず、どこか冷たさも孕んだ小さな声に、ダイヤはため息をつき、視線を後ろに流す。
「本当にそれだけ?」
「う、ん、それだけだよ」
ルビィは再び手を動かす。が、どこか集中を欠いている。
「それで、どうなの、お姉ちゃん」
「……」
直ぐには答えず、ダイヤは黙考する。
(そのまま答えるべきか、それともお茶を濁すべきか)
ルビィの問いの、本人も認めない無自覚の真意を、その変移を、そして往々たる想いの有り様を、知り得たダイヤは、どう答えるのがルビィの為になるのかを、それだけを考える。
(ルビィはきっと、私の否定を貰いたいんでしょうね)
もしも万が一、梨子が姉のことを好きだった場合、ダイヤがその想いを否定することで、ふたつの気持ちは交差することはなく、梨子からの一方通行のものになる。
もちろん、梨子の気持ちを知っているダイヤは、そんなこと有り得ないのは承知の上だが、そのことを知らないルビィにとっては、
姉の存在も心に芽生えた幾つかの不安の種のひとつで、
それを姉からの否定の言葉を受けることで、摘み取りたいということだろう。
(それもいいけど、私としては、正々堂々としてほしいですわ)
いつかのように、とダイヤは思う。
だから、
「梨子さんのこと、好きですわよ」
そう答える。もちろん、友愛の意味で。いや、本来そう捉えるのが普通である。
ルビィも花丸や善子に「好き」と告白されたところで、直ぐに「ありがとう、わたしも好きだよ」と返すことができるだろう。
同性同士で、お互いに女の子だ。
友愛の意味であることは、至極当然の話である。
しかし、ルビィはそうは捉えなかったようで、その表情が暗い翳りに侵された。
- 371 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 17:30:15.29 ID:iwq+bIlG.net
- 「そ、そっか」
ルビィは笑みを取り繕い、その手を動かす。
上手く笑えているだろうか。
笑顔を作るも、どこか堅苦しい。
悲喜の混ざった複雑な表情だ。
「そ、それなら、ルビィは」
心無い言葉を淡々と紡いでいく。
「ルビィは……」
ルビィの手が再び止まる。
(どうしてこんなに、苦しいのかな)
理由は分かってる。
(分からない)
ただ、認めたくない。
(ルビィはどうすればいいのかな)
いや、ただ認めるわけにはいかない。
(この気持ちを)
これを認めてしまうと、今までの全てが変わってしまう予感があった。
(この気持ちを消すには)
きっと誰もが認めてくれない。祝福もしてくれない。悲哀の結末を辿ることは間違いない感情だ。
あってはならない想いでもある。
ルビィの手に力が込められた。
(振り払うには、どうすればいいのか、ルビィには分からないよ)
無意識に手が、唇が震えていた。
(お姉ちゃんなら多分割り切れるのに、どうしてルビィなんだろ。それになんでよりにもよって、同じ女の子の梨子さんに……)
ルビィは悩乱し、否定の限りを想い続ける。
その、妹の様子にダイヤは嘆息する。
「ルビィ、ありがとう。もういいですわよ」
だが、その苦悩に対する答えは与えない。
ルビィは否定と肯定の思いの板挟みになりながらも「わかった」と力のない声だけを残し、ふらふらと浴室を出ていった。
(ルビィ、何があっても私はあなたの……、いいえ、あなた達の味方ですわ)
- 372 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 18:01:32.55 ID:iwq+bIlG.net
- ルビィは浴室を出た後、覚束無い足取りのまま梨子の元に向かった。
「ルビィちゃん!? ど、どうしたの?」
ルビィの顔色を見た瞬間、梨子は駆け寄ってきた。
その表情は心底心配をしているようだった。
(り、こさん)
認めたくはない。
認めるわけにはいかない。
でも、体が、心が梨子のことを求めてることが、分かった。
梨子に心配されるだけで、その誰にでも振るわれるようなただの心遣いが、それだけなのに、総身に電流が駆け抜ける。
ぴりぴりと頭から爪の先まで。
痺れるように熱くて蕩けそうな、激しい何か。
「っ!」
その、蕩けた表情に、梨子は固まった。
「る、ルビィ、ちゃん、どうしたの?」
爆発し、溢れそうな感情を必死に押し殺しつつも、梨子は話し掛ける。
「何か、あった?」
ルビィは顔を伏せると、轟々と荒れ狂う熱情が表出するように徐々に呼吸が乱れて、熱を帯びていく。
(……そういうこと。そういうことなんだね、もう)
そこで、ようやくルビィは自覚する。
(もう見ているだけじゃ、話しているだけじゃ、ダメなんだ。それだけじゃ、もう……、満足できないんだ)
その秘めた想いを。
ひとつ、ひとつ、紐解くように受け入れていく。
(お姉ちゃんは梨子さんのことが好き。だけど、ルビィだって)
ダイヤに問われて、自身の想いについて心を巡らせたからこそ、至った答え。
(きっと梨子さんのことが好きなんだ)
恋愛感情。
もう。もはや認める他ないだろう。
少しでも気を抜くと溢れてしまいそうなほどに膨れ上がったそれは、耐え続けるにはあまりにも育ち過ぎていた。
- 373 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 18:10:20.91 ID:Yn+TVMj/.net
- 焦らしるびぃ
- 374 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 18:29:11.48 ID:CWDftOIg.net
- ルビィちゃん、がんばるびぃ!
- 375 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 18:48:41.64 ID:+0OJ+FrE.net
- ルビィちゃんファイト!
- 376 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 20:45:21.01 ID:Kf9dJrH4.net
- りこるび〜!しまむらさんはよう……
- 377 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 21:52:49.05 ID:GF3KCJGh.net
- りこルビは文学
- 378 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 22:06:02.66 ID:iwq+bIlG.net
- それを意識した途端、その想いは再現無く加速する。
(これが、恋)
初めての気持ち。
親にも、姉にも、友達にも、今まで誰にも抱いたことのない、不思議な気持ちだ。
どこか恥ずかしくて、だけど、どこか居心地がいい。
ルビィは胸に手を当てる。
と、総身を蝕むような熱の中でも、心音は穏やかに脈動していた。
(……これが、恋)
もう一度、しっかり確認するように心の中で繰り返す。
と、ゆっくり顔を上げて、目の前にある梨子の顔を見る。
「ほ、本当に大丈夫?」
そこにはルビィ同様、恥ずかしそうな赤面があった。
(……これが、恋なんだね)
三度目の確認を終えて、
ルビィは抗うことを諦め、本心のままに身を委ねる。
- 379 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 22:11:15.04 ID:iwq+bIlG.net
- 「梨子さん」
「!」
ただ、名前を呼ばれただけ。
たったそれだけだ。
それだけなのに、
どうしてか目を離せない。
まるでメデューサに魅入られたかのように視線が固まった。
ルビィは柔らかく笑う。
幼い容貌の中に、含まれる凄艶。
それと同じく垣間見得る、強い決意と覚悟。
(な、に……)
見たことも無いような、力強くも艶やかな表情だ。
梨子は必死に崩れそうな体幹を守りつつも、平静を装い、そのまま息を吐き出すように言う。
「どう、したの?」
「……あのね、梨子さん」
「……うん」
ルビィは一息つくと、一歩。梨子のパーソナルスペースに踏み込み、体に張り付くようにその身を寄せる
「っ!」
梨子は思わず一歩。近付い分だけ後ろに離れようと、
「動かないでください」
下がる足をルビィの一声で止められた。
反射行動だったが、ルビィの声はそれを上回り、梨子の脳に届いた。
「ル、ビィちゃん」
ルビィは呼吸の触れ合う至近まで唇を寄せると、口を開く。
「嫌なら、その、突き飛ばしてくれていいですから」
「えっ……」
ゆっくり。
ゆっくりとルビィの顔が、徐々に近付いてくる。
「!」
ここまできて、未だに悟れぬほど梨子は鈍くはない。
ルビィは目を閉じて、足りない背丈を補うように少しだけ背伸びをして、梨子の唇に……、
「やっぱりダメだよ、ルビィちゃん」
届かなかった。
「……」
そして、それが何を意味するかもルビィは分かっていた。
- 380 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 22:31:56.27 ID:iwq+bIlG.net
- (そっか、そう、だよね)
ルビィの心中の熱が急に冷めて、同時に後悔だけが心の中に浸透を始めた。
(分かってたのに、うん、だって女の子同士だもん)
視界が滲み、世界がぼやける。
目に熱いものが溜まるのを、どこか遠くに感じていた。
喉が、胸が、締め付けられる。
息をするだけで決壊してしまいそうで、必死に奥歯を噛み締めて、迫り来る何かに耐える。
(……)
耐える。が、耐えられそうになかった。
すると、そんなルビィの悲哀と絶望が複雑に絡み合ったような表情に梨子は慌てて、
「あ、違、ルビィちゃん、勘違いしないでね。これは拒絶というわけじゃなくて、その」
あわあわと身振り手振りに説明する。
が、今のこの状況では、振った相手を慰めてるだけにしか見えないだろう。
(ど、ど、どうしよう。私はただ、好きを通い合わせてからそういうことをしたかったんだけど)
すとんとルビィの腰が抜けて、その場にへたりこんだ。
「……」
急に弱々しくなったルビィの姿に梨子は、
(……仕方ないよね。覚悟を決めよう)
しゃがみこみ、ルビィの小さな肩を掴み、顔を上げさせる。
と、
「好きです」
そう告げた。
想いの全てを乗せて。
- 381 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 23:39:09.01 ID:fug94b/t.net
- おおぉ……!
- 382 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 23:51:48.01 ID:+0OJ+FrE.net
- 梨子ちゃんやったぜ!
- 383 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 01:13:21.02 ID:qmqhLrYh.net
- ヨーーーーーソローーーーー(゚∀゚)ーー‼‼‼‼
- 384 :名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 02:12:45.96 ID:DR4WOxGs.net
- |c||^.- ^|| えんだあああああああ
- 385 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 02:20:52.24 ID:qmqhLrYh.net
- 完全勝利
- 386 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 02:39:34.89 ID:w/GMTGNx.net
- その告白に、その真剣な眼差しに、ルビィの後悔に凍え固まったその心は、再び熱を取り戻し、日射を兆す雪路のようにじんわりと溶け広がっていく。
「す、き?」
ルビィは梨子の告白の意味するところを口の中で転がし、それを咀嚼し、何度も脳裏に繰り返す。
(……す、き。すき、今、好き……、聞き間違い? 好き、好き……、好きーーー)
徐々に実感が芽吹き、悲哀は枯れていく。
そして、縋るように梨子の裾を掴むルビィに、もう一度。
後押しの為に。
今度も、最大の愛を込めて。
「ルビィちゃん、好きです」
簡潔に伝える。
「……」
ルビィは何も言わない。いや、言えない。
喉が詰まって言葉が出てこない。
だから、こくこくと頷き、何度も頷き、その喜悦と感銘を全面に表して、告白に応じる。
それに今まで梨子が胸中に押し殺していた想いが、溢れ出して、
「好きです」
再び告白の言葉に変わる。
それにルビィは涙を目尻に溜めながら頷いて、応じる。
「……好きです」
諾々と溢れ続ける想いが、さらに告白の言葉に変わる。
それにルビィは、一雫の涙を零し、頷いて応じる。
「好き……、好きです」
まだまだ想いは途切れず、それどころか激流のように勢いを増し、言葉以上の衝動に変えて、気が付いた時にはルビィのことをがばっと力強く抱き締めていた。
「ぅん……うん」
何度も何度も何度も何度もーーー。
ルビィは頷いた。
その瞳からは、もはや我慢の堰を切り、止めどなく涙が零れ落ちる。
そして、最後に。
梨子はルビィを抱きながら、その耳元で囁くように言葉を置く。
「好き」
ルビィは頷き、最後はしっかりと自分の言葉で。
「ルビィも……好きだよ」
そう伝えた。
- 387 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 02:48:18.49 ID:ELfW1BLW.net
- キマシ|c||^.-^||タワー‼︎
- 388 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 02:49:15.58 ID:mNuDyltx.net
- |c||^.-^|| いい話ですわぁ
- 389 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 02:54:14.52 ID:qmqhLrYh.net
- 桜色に染まりし紅き宝石…美しい…
- 390 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 03:24:13.99 ID:w/GMTGNx.net
- 二つの視線が交わり、結び付き、そこに込められた互いの想いが交差する。
「ルビィちゃん」
「梨子さん」
それは直前のやり直し。
というよりは正しい順序を経て、ようやく至った行為。
そっとルビィの頬に手を添わせ、梨子はごくりと息を呑む。
「……」
ルビィは微かに顎を上げて、ゆっくりと目を閉じ、梨子のキスを待つ。
「……っ、や、やっぱりまだこれは、は、早いよフギャッ」
が、やはり梨子には無理だった。
しかも、慌てて飛び上がったからか足が縺れて、後ろに倒れ、尻餅をつく。
とても締まらない。
「ぁうう」
そんな梨子に、いつの間にか目を開けていたルビィから一言。
「……へたれ」
その言葉を貰った。
が、先程キスを拒まれた時とは違って、今度は晴れやかな表情で、しかも微笑を含める余裕もあった。
「ご、ごめんね。でも、こういうことはやっぱりもう少し大人になってからじゃないと」
ごにょごにょと言い訳をするが、その姿さえも愛おしい。
これが恋。
ルビィはそれを強く実感し、そして、自覚しながら、ゆっくりと梨子に近付き、その頬に唇を押し当てた。
「!」
驚く梨子に、ルビィは笑う。
(今はこれだけ、でもいつか、必ず……)
その笑顔は、紅玉のように赤く煌めき、幸福が満面に満ち満ちていた。
とても美しい笑顔だ。
それに釣られて、梨子も思わず笑顔を零す。
お互いに笑い合い、ぴったりと親愛を示すようにぴったりとおでこをくっつけた。
そんな二人の姿を遠目に眺めて、ダイヤは一人。
(おめでとう、ルビィ)
妹が離れていく寂寥感を抱きつつも、笑った。
- 391 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 03:39:45.56 ID:qmqhLrYh.net
- 自分、涙いいっすか?
- 392 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 03:55:36.91 ID:w/GMTGNx.net
- この先、二人には障害が、試練が、乗り越えなくちゃならない壁が幾つも迫り来るだろう。
名家の生まれということもあって、
黒澤の両親はまずルビィの想いを認めることはないだろう。
まず直面する第一の問題が恐らくこれだ。
それも致し方ないことではある。
名家に生まれた者には、それ相応の責任が人生についてまわるからだ。
だからまずは両親を説得する必要がある。
が、これはルビィが己の想いを受け入れることよりも、遥かに難しい問題である。
このまま梨子と共に歩み続けたいのならば、勘当されることも覚悟しなくてはならないかもしれない。
それにもし仮に父と母に認められたとしても次は、その先の世間の壁がある。
幸い世間は、同性愛を容認する社会に傾きつつあるが、それでも未だ個人としては、同性愛者への偏見は根強く残っているだろう。
さらに子供が出来ないということもあり、老後などの心配もある。
他にも色々と、問題や障害を上げれば限りがないほどに。
二人が歩もうとしているのは、そういう茨の道である。
だからダイヤは思う。
(いつか破局を迎えるかもしれない。でも、その時に今日の選択を良かったと思えるように、姉として、先輩として、心より祈ってますわ)
未だに仲睦まじく笑い合う二人を遠目に眺めながら、そう強く確かに思うのだった。
- 393 :名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 03:57:45.57 ID:w/GMTGNx.net
- 一応これにて完結
最初はストーカーから始まったのにどうしてこうなった
- 394 :名無しで叶える物語(ぎょうざ)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 04:02:55.63 ID:207s57Uh.net
- 乙乙
ガチの文学作品のように素晴らしかったほんと
無事りこるびに目覚めましたわ
ところで一応完結ってことはここからも期待してていいんですかね
- 395 :名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 04:05:17.05 ID:Cr8U3ZAn.net
- 乙乙
確かにあそこからのこの展開はすごい
しかし素晴らしいSSだったので問題ないですね
- 396 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 04:06:28.26 ID:RDp8s1MC.net
- 乙
素晴らしい
- 397 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 04:54:44.32 ID:/QVKeh+E.net
- おつおつ
勇気を振り絞った梨子ちゃん、ルビィちゃんも良かったけど陰ながら二人を支えたダイヤちゃんグッジョブ!!
- 398 :名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 05:45:08.67 ID:bL6mKk35.net
- 最高ですわあ〜
- 399 :名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 06:10:03.45 ID:SoEqk9mJ.net
- 乙
とても良かったです
- 400 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 06:14:05.06 ID:dHcCj6o1.net
- 400 ←梨ルビが相合傘して雨の内浦の慕情を楽しんでるように見えね?
- 401 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 06:56:13.08 ID:RKNjAheN.net
- 乙
完結まで書ききってくれてありがとう、ありがとう……
- 402 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 07:26:52.85 ID:EGRZml2N.net
- 恋を自覚してからのルビィちゃんが強すぎる…乙乙
- 403 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 08:26:26.24 ID:ljCTihSr.net
- おつ
りこルビは文学だな
- 404 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 09:35:42.25 ID:N9uJZiwd.net
- 乙でした
りこるび〜
ダイヤさんええなあ
- 405 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/08(土) 17:21:36.70 ID:qmqhLrYh.net
- りこルビはいいぞ
- 406 :名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/:2017/04/09(日) 10:54:06.57 ID:VoRNNcNa.net
- 乙
最高だったわ
- 407 :名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/:2017/04/09(日) 16:03:02.42 ID:zfPPxZT4.net
- 本当に良かった
素晴らしい
- 408 :名無しで叶える物語(おいしい水)@\(^o^)/:2017/04/09(日) 23:26:47.13 ID:BVuFiK1n.net
- 最高
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