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絵里「私達が?」真姫「高級クラブ?」海未「はまるわけないじゃないですか」

563 :名無しで叶える物語:2017/04/27(木) 10:22:56.44 ID:35iJquLu.net
L

564 :名無しで叶える物語:2017/04/27(木) 18:47:32.86ID:8j/RbOjN.net


565 :名無しで叶える物語:2017/04/27(木) 22:57:31.32ID:rLg4h3/w.net
絵里ちゃんの過去の恋愛気になるなぁ…

566 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 03:13:53.40ID:hVSiEdXf.net


567 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 11:31:03.32ID:O83b8bZ+.net


568 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 13:27:26.70ID:vKUiDISn.net
>>565
お前らの嫌いなビッチどよ

569 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 13:28:14.50ID:XvjREA3A.net
絵里ちゃんならビッチでも余裕で愛せる

570 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 13:48:57.55ID:aLmd2J/M.net
絵里は天然たらしなだけでビッチじゃないから!

571 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 15:41:22.45ID:+6AFB86I.net
ピッチとは言わないがヤリチンとは呼ぶぞ

572 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 22:32:27.19ID:nE032bM+.net


573 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 23:47:06.61ID:anifpyJx.net
〜事務所〜


ツバサ「ーーと、言うことだから」

真姫「へえ、判決は14年ね…」

ツバサ「正確には懲役14年と6か月ね」

海未「お疲れ様でした。ありがとうございます」

にこ「ほんと、お疲れ様」

ツバサ「いえいえ」ニコ

希「…」

希 (結局あのストーカー犯はえりちを階段から突き落としたことによって、…殺人未遂罪として扱われることになった)

希 (うちのストーカーだけならそんなにならんかったのに…)

希 (14年も、刑務所に…) ゾク

海未「…」チラ

海未「大丈夫ですか?希」

希「えっ?う、うん…」

574 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 23:49:10.45ID:anifpyJx.net
真姫「あなたが気に病むことはないわ。犯人はエリーを被害者とした事件のもとで裁かれたんだから」

ツバサ「それに、ストーカーだけじゃ頑張っても懲役一年未満で刑務所に入れてもすぐに出て来てしまうからね…再犯を防げると100%は言い切れないの」

ツバサ「ストーカーの被害者が出来ることと言えば遠くへ避難するか、もしくは最悪シェルターに入るか…なんてこちらが面倒なことになるからね」

希「そっか…」

海未 (本当に、絵里が怪我をしてこう言うことを言ってはなんですが…良かった)

ツバサ「余談と言えば…まあ余談なんだけど。犯人のことで」

真姫「何かあったの?」

ツバサ「…」

ツバサ「…希さん。この名前に見覚えはない?」ピラ

希「え?…」

海未 (やはり、知り合いだったのでしょうか…)チラ

575 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 23:51:07.74ID:anifpyJx.net
希 (…普通にある名前すぎて…)ジッ

希「いや、すいません。…ほんまに、分からないです」アセ

ツバサ「そう」パサ

海未「どう言うことですか?」

ツバサ「この人、あなたの中学、高校の同級生らしいわ」

希「えっ」

海未「…」

ツバサ「ずっとあなたのこと、知ってたみたいね。『応援してた。本当はこんなことするつもりじゃなかった』って…裁判であなたとそれから絵里へ泣いて謝っていたわ」

にこ「…」(んなこと言ったら希が責任感じるでしょうに…ったく) ハァ

海未「…」

希「そ、そんな…」

576 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 23:52:04.23ID:anifpyJx.net
にこ「それでもこいつは一人、人を殺しかけてるんだからね」

真姫「謝れば済む問題なら、私達だって必要なくなる」

海未「…犯罪者に変わりは、ありません」

希「…!」

海未「…」(希…)

ツバサ「ごめんなさい。伝えて欲しいと言われたものだから…希さんは気に留める必要はないのよ」

希「は、はい…」

真姫 (まあ、けしかけたのはエリーだしね)

ツバサ「…色々聴取して感じたけれど、希さん。あなたももう少し自分に自信を持って、自分を大切にした方が良さそうね」

希「えっ…」

ツバサ「思っている以上に、人は自分のことを見てくれて、想っていてくれているものよ」ニコ

577 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 23:53:57.55ID:anifpyJx.net
海未「…」(なんだか…余計なことまで言ってるような…)イラ

にこ (全部持ってってるわねこいつ…)

真姫 (この人ちょっとエリーに近いものがあるのよねぇ…)ハァ

希「は、はあ…//」

海未「はいっ。もう結構ですので、ツバサさんは送っていきますから」クワ

ツバサ「あらあら」ニコニコ


ガチャ


にこ「あ」

海未「あっ」

絵里「あ、来てたのね」ヒョコ

ツバサ「絵里…久しぶりね」

578 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 23:56:19.48ID:anifpyJx.net
絵里「久しぶり…」

絵里(あれ、なんか事務所が変な空気じゃない…?)

絵里「今回は助かったわ。ありがとう、さすがツバサね」チラ

ツバサ「…大したことないのよ。それよりボロボロだったって聞いたけど、もう退院したのね」

絵里「ええ。すっかり」

ツバサ「どう?最近は裁判所でも会うことがあまりないけれど…ちゃんと仕事してるの?」

絵里「してるわよ。相変わらず何が言いたいのかしら」

ツバサ「民事の弁護ばかりで……平和ボケで体がなまってるんじゃない?」ニコ

海未「っ!」キッ

真姫「…っ」

にこ「…」

絵里「はぁ。言っておくけど、今日は挑発には乗らないわよ?」

ツバサ「別にそんなつもりはないの。ただ、こちらに帰って来ないのかなって」

579 :名無しで叶える物語:2017/04/28(金) 23:58:50.99ID:anifpyJx.net
希 (こっち?)

絵里「…」ハァ

にこ「…」

にこ「こらこら、二人ともそう言うのは外でやんなさい」


ツバサ「そうね、ごめんなさい。空気を悪くしたみたいね」フフ

にこ「まったく…あんたもあんじゅも、良い具合にひっかき回してくれるわよね〜。ここを検察側のストレスの捌け口にしないでよね」

ツバサ「悪かったってば。それじゃ、帰るわね。海未さん、送りは大丈夫よ」

海未「……気をつけて」

絵里「じゃあね。今回はありがとう」

ツバサ「…ええ」

580 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:00:22.00ID:+YSYTaLs.net
バタン


希 (どういうことやろ…)

絵里「…あー、希。ごめんね?私達いつものことだから」ハハ

希「あ、うん」(そうなんや…ちょいバチバチやったけど)

にこ「はあ…じゃーまあ、私もあっちの事務所に帰るわ」

絵里「えっ!」

絵里「なんで、もう帰っちゃうの?私来たばっかりなのに…ボス」ジッ

にこ「あのね、私だって遊びに来たわけじゃないっつーの!」クワ

絵里「皆いるしご飯でも行かない?♪」

にこ「えー?…ったく」

581 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:03:03.60ID:+YSYTaLs.net
にこ (こいつなりに気使ってんのかしら…)

真姫「じゃあ、今回の奢りはエリー」

真姫「……あと、にこちゃん」

にこ「ぬぁんでよ!」

絵里「ま、私は迷惑かけたしね」

絵里「…」チラ

絵里「海未達はどうする?」ニコリ


海未「そうですね…」


にこ「高級焼き肉?!はあ?!」

絵里「まあまあボス!二人で割り勘よ割り勘」

真姫「凜がいないだけ今日はきっとマシよ」

真姫「あ、穂乃果も呼ばなきゃ」ポチ

にこ「おい」

絵里「あはは」

582 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:03:37.80ID:+YSYTaLs.net
ワイワイ


海未「…希はどうしますか?」ヒソ

海未「疲れているのなら、無理はする必要ありませんよ」ニコ

海未「ただ……希が来てくれると、…私は嬉しいです…//」

希(……海未ちゃん)クス


希「うん…」

希 (海未ちゃんやえりち達を怖いな…って思ってたけど)

希「…うちもお邪魔しよっかな」


希 (仕事の時はそれだけ真剣で容赦ない人達なんやろうな…、でも根はみんな…)

〜〜

583 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:05:47.65ID:+YSYTaLs.net
〜〜控え室〜〜


ことり「ん〜…」


ガチャ


穂乃果「おっつかれさまー!復帰初日終了〜〜!」ワーイ

ことり「…穂乃果ちゃん。お疲れ様♡」

穂乃果「あれーことりちゃん、まだ着替えてなかったの?どしたの?」

ことり「あっ。今から着替えるよ〜」

ことり「考え事してて、ぼーっとしちゃってた」アハハ

穂乃果「あ〜〜」

穂乃果「わかった!ずばり絵里ちゃんのことだね!」ギュッ

584 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:07:24.21ID:+YSYTaLs.net
ことり「わっ」ギュ

ことり(穂乃果ちゃん結構酔ってるなぁ〜〜。でも、久しぶりだなこう言うのも♪)

ことり「さすが穂乃果ちゃんにはバレバレかぁ〜♡」

穂乃果「えへへ〜でしょでしょ!伊達に幼なじみ長くやってないからねぇ」ニコニコ

穂乃果「どうしたのー?」

ことり「この前ね、絵里ちゃんが退院した時お迎えに行って、帰りにことりの家に来たのね」

穂乃果「ぅえっ?」

ことり「?」

穂乃果(展開が早いなぁ。あれ、でも私も同棲始めたし…そうでもないのかな)

585 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:08:51.84ID:+YSYTaLs.net
穂乃果「二人ともデートってまだアフターに一回行っただけじゃなかった?」

ことり「あ、確かにそうだね…」アハハ

ことり(もう出会ってから随分知ってるような気になってたけど…)

ことり(実際話をよく耳にするからそう思ってただけなのかも)

穂乃果「ごめんごめん、それでー?」

ことり「それで、おうちで一緒にご飯作って、食べて、お酒も飲んで…」

ことり「楽しくてちょっと飲み過ぎちゃって」

穂乃果「うんうん」(良い感じのお家デートだ♪)


ことり「そこから…記憶がなくて」

穂乃果「」

586 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:09:59.42ID:+YSYTaLs.net
ことり (何か大事な話してたかと思うんだけど…)ウーン


穂乃果「こ、こ、ことりちゃん…?それって」

ことり「?」


穂乃果「絵里ちゃんと…一線越えちゃった…ってこと?いわゆる、その、酔った勢いで…みたいな」


ことり「へっ?!///」カアッ

ことり「ち、ちがうよ〜!!!///」ダンッ

穂乃果「そ、そっか!…あーびっくりしたぁ」

ことり「ちゃんと服きてたもん…///」(起きた時そう言う感じは全くなかったし…)


穂乃果「あはは、ごめんごめん〜」

ことり「も、もう〜…///」

587 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:10:54.75ID:+YSYTaLs.net
穂乃果「それにしてもことりちゃん、よっぽど気抜いてたんだね。そんなに酔っちゃうなんて」

ことり「う、うん…家だったし…」

穂乃果 (お客様の前ではそんな事絶対にならないからなぁ)

穂乃果(それに、絵里ちゃんだからかな…)ニコ

ことり 「うーん…絵里ちゃんに恋人がいるかを聞いて…それでいないって言われて」

ことり(ちょっと安心しちゃったんだよね…)

穂乃果「うーん。多分、恋愛話してたんだろうね?」

穂乃果「絵里ちゃんは覚えてるんじゃないかな?聞いてみたら?」

588 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:13:02.35ID:+YSYTaLs.net
ことり(何かでも…聞いちゃいけないことを聞いちゃったような…)

ことり(そんな記憶だけ、あるんだよね)

ことり「う、うん。ありがとう、穂乃果ちゃん。今度また、話してみるね」ニコ

穂乃果「うん!じゃあ私達もそろそろ帰ろっ!」

穂乃果 (あ、真姫ちゃんどうしてるかな〜)

ことり(とりあえず…っ)

ことり(帰ったら、イベント用の最後の仕上げしなきゃ)


〜〜

589 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:14:42.64ID:+YSYTaLs.net
つづく

590 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 00:34:46.61ID:jGOl6Teg.net
おつぽ

591 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 01:24:12.22ID:IahmpLVn.net
おつ〜

592 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 01:33:15.40ID:CU9e2tiI.net
更新おつおつ

593 :名無しで叶える物語:2017/04/29(土) 23:49:38.04ID:KPv9lFAO.net


594 :名無しで叶える物語:2017/04/30(日) 08:06:30.68ID:1OhcvjIw.net


595 :名無しで叶える物語:2017/04/30(日) 13:06:46.36ID:29VXOE7I.net
保守

596 :名無しで叶える物語:2017/04/30(日) 22:31:27.88ID:9jgu34+e.net


597 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:23:32.61ID:6OWetsn8.net
〜x年前 某大学 キャンパス〜

スタスタ…

「おいあれって…」
「ああ、ミスコン優勝者の…!」
「優木あんじゅちゃんでしょ?すげ〜かわいいなあ〜」
「二年連続優勝だからなァ」
「しかも会社経営してるんでしょ?学生社長とか才能ありすぎだよなぁ…羨ましい」


ザワザワ

スタスタ…


あんじゅ「…」

あんじゅ「はあ…」

あんじゅ (もう全然連絡ないし…絶対他にも女作ってるパターンよね…これ)

あんじゅ(なーんで私って男見る目ないのかしら……って、違う違う)

598 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:25:49.60ID:6OWetsn8.net
あんじゅ(私は悪くないのよ。浮気する方が悪いんじゃない…)ハァ

あんじゅ (男ってホント…結局私みたいな外見の女は信用してくれないのよね)

あんじゅ(恋愛って面倒臭い…その点、商売は数字に現れて分かりやすいのよね)


ドンッ


絵里「うわっ」ドサッ

あんじゅ「あっ…ごめんなさい」

あんじゅ「大丈夫…?ちょっと余所見してて」ニコリ

あんじゅ「はい、落としたわよ」

絵里「ああ、ありがとう」ヨイショ

絵里「こちらこそ急いでたの。ごめんなさいね」

あんじゅ「…」(外人…留学生かしら。日本語は上手いけど)

あんじゅ(スタイル良いしかなり美人じゃない…ミスコンにも出てなかったわよね…こんな人)

599 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:27:25.04ID:6OWetsn8.net
絵里「?」

絵里「じゃあね」ニコ

絵里 (ヤバイ、海未と食堂で約束してたのすっかり忘れてたわ…怒られるっ)イソイソ


タッタッタ…


あんじゅ「あ」(速い…)

あんじゅ (今の六法全書…よね。法学部か…案外地味ね)


「あれ絢瀬さんじゃん!」
「相変わらず今日もお美しい…チクショー、彼氏いんのかなぁ」
「やめとけよ、相手にされないから」
「良いんだよ、妄想くらいさせてくれ」


あんじゅ「…」

あんじゅ (へぇ、…結構有名なのね)

あんじゅ (綺麗って……確かにそうだけど、何だか面白くない)

600 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:29:21.32ID:6OWetsn8.net
男子学生「あっ!」

男子学生「あんじゅちゃん!今夜のパーティ参加するの?」ワクワク

あんじゅ「ああ…」

あんじゅ (確かクラブでイベントがあるのよね…うちの学生ばかり集めた)

あんじゅ (行く気はなかったけど…)

あんじゅ「そうね」ニコ

男子学生「おお〜!」

男子学生「俄然テンションがあがる!」ヒュー

あんじゅ(なーんか嫌な予感しかしないわね…)ハァ



601 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:30:58.34ID:6OWetsn8.net
〜〜クラブ パーティ会場〜〜

〜〜♪♪
ガヤガヤ
ワイワイ


海未「〜〜っ」

海未「え、絵里!」

絵里「なに?」

海未「も、もう帰りませんか!」

海未 (人も多くて音楽もうるさくてたまりません!!!)

絵里「え?来たばかりじゃない」

海未 (こんなチャラチャラした所!破廉恥です!不純です!)クッ

絵里「しょうがないじゃない。教授に参加知ろって言われたら、それはもう断れないし…」

絵里(うちの教授も若いのよね〜…)ハハ

602 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:32:57.50ID:6OWetsn8.net
絵里「うちのゼミの女の子はタダだしね♪海未も今年からうちのメンバーなんだから、我慢しなさい」

海未「はぁ…」

海未 (勉学ではレベルの高いゼミなのですが…如何せんこう言う所が…)ハァ

トントン

男子学生「お姉さん、奢るからあっちで飲もうよ。めーっちゃタイプ!」ニヤニヤ

海未「うっ…」

海未「け、結構です!!!!」カッ

男子学生「おーーこわっ」アハハ

男子学生「残念。まったね〜〜」


ワイワイ


海未「はぁ…何なんですか…」

海未「って…え、絵里?」キョロキョロ

海未「絵里?!」(は、はぐれた…?!)

603 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:34:50.57ID:6OWetsn8.net
〜〜

ワイワイ

あんじゅ(結構凄い人ね…)キョロ キョロ

あんじゅ(え…あれって…)


「彼女は大丈夫なの?」
「うん。もう別れたから大丈夫大丈夫、ほんとだって」
「ほんと?嬉しい♡」イチャイチャ


あんじゅ「あっ…!」

あんじゅ(あいつ…やっぱり他に女作って〜〜っ!)イライラ

あんじゅ(別に大して本気で好きじゃなかったけど、目の前で浮気現場見せつけられると腹立つわね…!!)

あんじゅ (…別れたなんて一言も言ってないんだけど?)イライラ

604 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:36:06.74ID:6OWetsn8.net
カツカツカツ…

トントン


元彼「へっ」

あんじゅ「こんばんわ♡」ニコリ

元彼「う、…うへ…こ、こんばんわ〜…」ビク

あんじゅ「元気そうね?」ニコニコ

元彼「あ、あははは…」ガタガタ

女子大生「えっ?ねえ、なに?この人誰?」

あんじゅ「この人とたった今、元恋人になった人です」ニコ

元彼「…」

女子大生「えっ……なにそれ。別れたって言ってたよね」

あんじゅ「へえ。ま、この通りの嘘つき男だから、あなたも気を付けてね?」ニコ

女子大生「え…」ジト…

605 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:37:38.72ID:6OWetsn8.net
元彼「何のことだか…」ハハ

あんじゅ「地獄に落ちなさい」ヒュッ


ビシャ!!


元彼「げっ!冷たっ…!!!」


「うわっ、なんだあれ?酒かけられてるぞ!ウケる!」
「痴話喧嘩かー?いいぞ!やれやれ!」ヒュー
「えっ、あれ優木あんじゅじゃね?怖え〜」ケタケタ


あんじゅ「じゃあね」ニコリ

あんじゅ「…」クルッ

元彼「ま、待ってあんじゅ!これは…」


スタスタ…


女子大生「…さいてー…」


スタスタ…


元彼「……うう」

606 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:39:09.97ID:6OWetsn8.net
〜〜

絵里「あれ?海未?」キョロキョロ

絵里 (新しいお酒もらいに行ってる間に完全にはぐれちゃったわね…)

絵里 (とりあえず外に行ってみようかしら…、海未なら外で休んでるって可能性もありそうだし) スタスタ


ガチャ

シーン


絵里 (外は静かね…)フゥ

絵里「……」

絵里「…ん?」チラ


あんじゅ「…」


絵里 (あそこにしゃがみこんでるのは…確か昼間に会った女の子…)

607 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:40:42.75ID:6OWetsn8.net
あんじゅ「……」

あんじゅ「…」グス

絵里「…」


スタスタ


絵里「…こんな所に一人でいたら危ないと思うけど」

あんじゅ「…」チラ

あんじゅ「あなた…」グス

絵里「こんな場所で泣いてるんだもの…気になるじゃない」

あんじゅ「…」

あんじゅ「…最低な男を振ってきたの」

あんじゅ「ウォッカぶっかけてきたわ」グス

絵里「…へぇ、よくやったじゃない」クスリ

608 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:43:35.24ID:6OWetsn8.net
絵里「ふふ、何だかそう言う台詞がよく似合うわ」

あんじゅ「…」

あんじゅ「なによ、それ…」クス

絵里「負けっぱなしが似合わないなって思っただけよ」

あんじゅ「あなたに何が分かるのよ…」ハァ

あんじゅ (誰も本当の私なんて分かろうとも知ろうともしないくせに…)

絵里「まあ、たしかに分からないけど…」アハハ

絵里「お酒をぶっかけるくらいの事をして、ここで一人で隠れて泣いてるんだもの」

絵里「誉めてあげたくなるじゃない?」ニコ

あんじゅ「…」ドキ

609 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:45:12.47ID:6OWetsn8.net
あんじゅ(なによそれ…)

絵里「ミスコン優勝者で若手社長をヒモにするなんて良い度胸よね」

あんじゅ(え…この人、私のこと知ってたの?)


あんじゅ「…ほんとよ」

絵里「ふふ」

あんじゅ「あーーーもう、ほんと何であんな男!!振ってやって正解だったわ」

絵里「うんうん」

あんじゅ (なんか、スッキリした…)

あんじゅ(誰かの前でこんな自分見せたの初めてかも…)

あんじゅ「…って言うかあなた、ほんと何様なのよ」クスクス

絵里「ん?」

610 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:46:23.79ID:6OWetsn8.net
絵里「あ。それよ、あなたはそう言う悪そうな笑顔がすごく似合うわ」ウンウン

あんじゅ「ええ?誉めてるの?それ」

絵里「もちろん」

絵里 (良かった。泣き止んだみたいね) スクッ


あんじゅ「…はあ、無駄な時間を過ごして、無駄に貢いでたのね…私」

あんじゅ「車のキーでボンネットに傷つけるくらいしておこうかしら」ハァ

絵里「…まあ出会いなんてそこらじゅうに転がってるんだから、そんな男で自分の価値下げることないわよ」


あんじゅ (いちいちこの人は…)

611 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:50:12.85ID:6OWetsn8.net
あんじゅ (でも……なにかしら…この人には素の自分で話せてる)

あんじゅ (この、感覚…っ)


プルルルル…


絵里 (あ、…海未から着信!)

絵里「じゃあね、私そろそろ行かなきゃいけないみたい」

絵里「優木さん。思っていたよりもさっぱりした性格なのね」

絵里「噂よりも凄く好印象」ニコ

あんじゅ「だから、なんでそんなに上から目線なのよっ」

絵里「え?ごめんなさい。…そんなつもりはなかったんだけど…」

あんじゅ「…もういいわ。ねえ、あなた名前は?」

絵里「私は、絢瀬絵里よ。絵里でいいわ。またどこかで会えたらいいわね」ニコ

あんじゅ「…絢瀬、絵里 」

〜〜

612 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 00:50:43.40ID:6OWetsn8.net
つづく

613 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 01:52:44.22ID:A6WbFTTv.net
う〜む、この天然たらし…

614 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 02:22:00.15ID:DSvyq0R7.net
あんじゅは元はノーマルだったのか

615 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 03:32:35.13ID:T4PumXxr.net
絵里って美人を見ると口説く呪いでもかかってんの?ってくらいタラシだな・・・
ことりは毎日、絵里の服着ててもはっきり見えるところにキスマークくらいつけとかないとな。

616 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 10:56:38.29ID:RAd0qVZM.net
ことりのキスマークってやっぱり8なのかな

617 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 11:07:33.90ID:g/QneIeA.net
絵里の首に8っていっぱいあっても誰もキスマークだとは気づかないな

618 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 21:31:10.93ID:2gWWYdEt.net


619 :名無しで叶える物語:2017/05/01(月) 23:49:28.82ID:eQ5Wx3R1.net
しゅ

620 :名無しで叶える物語:2017/05/02(火) 00:35:40.38ID:rT8fZ/Nc.net
うまい

621 :名無しで叶える物語:2017/05/02(火) 01:37:02.73ID:nOYyXMQb.net
こわい

622 :名無しで叶える物語:2017/05/02(火) 09:49:59.08ID:j0elepEy.net


623 :名無しで叶える物語:2017/05/02(火) 15:37:54.77ID:bVdU8G6/.net


624 :名無しで叶える物語:2017/05/02(火) 16:52:34.40ID:rb0I7J5O.net


625 :名無しで叶える物語:2017/05/02(火) 18:26:01.89ID:lvEf1CwI.net


626 :名無しで叶える物語:2017/05/02(火) 19:42:40.00ID:rT8fZ/Nc.net


627 :名無しで叶える物語:2017/05/02(火) 19:42:47.31ID:lGkg8oNF.net


628 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 02:43:44.19ID:5uKRgR6y.net


629 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 07:36:23.02ID:IhSu24YL.net


630 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 14:48:43.74ID:aT2LKVb7.net


631 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 14:57:43.36ID:8VMPT7ui.net


632 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 16:25:27.84ID:ZVk9x5j1.net


633 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:31:36.27ID:ZrlmY1zq.net
〜〜某 イベント会場〜〜


トントン


絵里「…あんじゅ」

絵里「…ちょっとっ」

あんじゅ「…」ハッ

あんじゅ「ああ…、絵里♡来てくれたのね、花陽ちゃんも」ニコリ

絵里「何かぼうっとしてたけど…」

あんじゅ「ごめんなさい、ちょっと考え事してたのよ」フフ



あんじゅ「すぐに入場出来たでしょう?」

絵里「ええ、助かったわ」

花陽「あ…ありがとうございます。今日は宜しくお願いしますっ」

あんじゅ「楽しんでいってね」ニコ

あんじゅ (この前の花見にいた子ね。可愛い♡)


花陽 (まさかあんじゅさんがこのイベントを主催した会社の社長さんだったなんて…)

634 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:32:21.08ID:ZrlmY1zq.net
花陽(巨大なフリマイベント…関係者入り口から並ばずに入れるなんてありがたいです…!)


ザワザワ


絵里「それにしても大きな会場ね〜。花陽、好きなところあれば見てきても良いのよ?」

絵里「私がいると色々自由に見辛いでしょ?」

花陽「え?そんなこと…」

花陽「一緒に見ませんか?絵里ちゃんとこうして二人で出掛けるの初めてだし」エヘヘ

絵里「…」

絵里「欲しいものがあれば言うのよ?何でも買ってあげるから」ニコ

花陽「エェッ?そんな…」

絵里 (はー。花陽、やっぱり可愛いわ。女子大生ってほんと良いわね…) ワシャ ワシャ

花陽「わ、わぁあ…絵里ちゃんくしゃくしゃしないでぇ…」ァアア


あんじゅ (ほんっとこの人、年下に甘いわよね〜)ハァ

635 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:34:13.27ID:ZrlmY1zq.net
あんじゅ「じゃ、何かあったら適当に声かけてね♪」

あんじゅ「私は挨拶回りに行ってくるから。テレビ局の取材もあるみたいだしね♡」

絵里「相変わらずせわしないわね…」

絵里「それよりぼうっとしてたけど大丈夫?寝不足なんじゃないの?」ジッ

絵里 (いつもより顔色悪い気がするけど…)

あんじゅ「あら、心配してくれるの?優しいのね♡」ギュッ

絵里「い、いや…別に普通に聞いただけよ。くっつかない」バッ

あんじゅ「ふふ、大丈夫よ♪」

あんじゅ「こう見えてベンチャー企業の社長だからね、忙しいの♪」


あんじゅ (ちょっと思い出してただけよ…昔のことをね)

636 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:35:08.76ID:ZrlmY1zq.net
〜〜

ワイワイ

絵里「定価から値下げした普通の商品があったり、一般の人が作った品なんかもあるのね」ヘェ

花陽「うん、ファッションアイテムがほとんどなんですけど。普段は携帯のアプリで売買ややり取りをしてるんです」

花陽「でもこう言うリアルイベントだと直で商品が見れるので、やっぱりいいなあって」

絵里「そうね。私も服や靴なんかはネットで買うのにやっぱり抵抗があるもの…」

絵里 (最近は何でもかんでもネットで済ませてしまうのねぇ)ハァ

絵里「それでも需要があるから、そう言うアプリが流行ってるのね」

花陽「うん、そうみたい」


テクテク


絵里「何か買いたいものはあるの?」

花陽「特にこれって言うのはないんだけど…」

637 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:36:22.67ID:ZrlmY1zq.net
花陽「あっ、そうだ。そのアプリでお気に入りのクリエイターさんがいるんですけど、その人の作る洋服だったりアクセサリーだったりがすっごく可愛いんです!」

絵里「そうなのね」(花陽が熱くなってるわね)

花陽「それが出展してる場所がたしかこの辺りで…」キョロキョロ

絵里「…」(確かにぎっしりと売り場で埋め尽くされてるけど)キョロキョロ

絵里 (あそこは何だか人が凄く並んで…)

絵里「…」チラ

絵里 (…ん?!)




客「ことりちゃーん、来たよ〜♡」

ことり「あ!ありがとうございますっ」ニコ

客「これ下さい!」

ことり「それ女の子のお洋服ですよー?」クスクス

客「いやあ売上に貢献したいからさ!!」

ことり「あはは…男性用の小物もあるので見ていって下さいね♪」



絵里(こっ…)

絵里(ことり…?!?!?!)ドキ

638 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:37:33.13ID:ZrlmY1zq.net
絵里「な、…そっくりさんじゃ、ないわよね…」ドキドキ


花陽「あっ!絵里ちゃん」

花陽「あそこです!あれが今この業界で注目されている…ミナリンスキーさんです!」

花陽 (まさか花見の時にご本人にお会いできるとは思ってなかったけど…)

絵里「えっ?ミ、ミナリ…なに?」

花陽「ことりさん、売れっ子のクリエイターさんなんです」キラキラ

絵里「へ、へぇ……っ」(そうだったの…?!)

花陽「私もお花見の時に知ったんです。ことりさんがつけていたアクセサリーがきっかけだったんですけど」

花陽「あ〜〜〜…!新作がたくさんあるっ…絵里ちゃんいきましょう!♡」


タッタッタ…


絵里「あっ、ちょ…花陽」バッ

639 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:38:58.78ID:ZrlmY1zq.net
絵里(ぜ、全然知らなかった…ことりがこんな事をしていたなんて…)

絵里「…」


ことり「わあ、ありがとうございます」ニコニコ


絵里 (凄くいきいきしてる…)ジッ

絵里 (ことりはこっちの仕事をやりながら…)

絵里 (夜の仕事をしていたのね)




VIP客「ことりちゃん」ソッ

ことり「わ…!わざわざ来てくれたんですか?!」

VIP客「うん、約束してたからね」

VIP客「…でも、凄い賑わいだ。僕が買い占めるまでもないみたいだね…」ハハ

ことり「あ、ありがたいです…ほんとに」テレ

VIP客「このジッポ、ひとつ下さい」

スッ


ことり「…ありがとうございます」ニコ

640 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:41:31.21ID:ZrlmY1zq.net


641 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:42:20.66ID:ZrlmY1zq.net
ことり「お仕事、忙しいですか?アメリカで…大変ですよね」

VIP客「…」

VIP客「うん。ほんとに、大変だった。でもことりちゃんに今日会えただけで、全部ふっきれた気がするよ」

ことり「ふふ、お上手ですね」ニコ

VIP客「…ことりちゃん、凄く楽しそうだ」

ことり「はいっ」

VIP客「…良かった。頑張るんだよ」

ことり「あ、はい!」(…なんだか、すごく)

ことり (お店に来てくれていた時より、やつれたような…)


「ミナリンスキーさん!♡」
「これ下さいー」
「ずっと応援してました〜〜」
「このピアスかわい〜♡これ買いますっ」


ことり「あっ、すいません。少々お待ち下さいっ」アセアセ

VIP客「うん…じゃあね」

ことり「あっ」

642 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:44:20.58ID:ZrlmY1zq.net
スタスタ


ことり(ああ、行っちゃった…もう少し挨拶したかったけど…)


ワイワイ


花陽「す、すみません」グイ

ことり「あっ」

ことり「花陽ちゃん!♡」

花陽「えへへ♪来ちゃいました…」テレ

ことり「嬉しいよ〜〜♡」

ことり (この間分かったことなんだけど…花陽ちゃん、私がこれを初めた頃からの常連さんだったんだよね)

花陽「うわぁ…今回の新作も凄く、か、かわいいです…!」キラキラ

ことり「ありがとう〜〜」(花陽ちゃん可愛いなぁ) ニコニコ

花陽「これとこれと、これと…これ下さい!」

ことり「わっ、ありがとう!」アハハ

643 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:47:27.28ID:ZrlmY1zq.net
ことり「はい、どうもありがとうございます」ガサガサ

花陽「わあ♪」ニコニコ

ことり「あれ、今日はひとりで来たの?」

花陽「あっ、いえ。そうだ、絵里ちゃんも来てます」

花陽「多分、慣れてないからか…ここに入れてないみたいで…」チラ

ことり「えっ?!絵里ちゃん来てるの?!」ドキ

絵里「…」ソワソワ

絵里 (波に乗り遅れた…)

ことり(うわ……ど、どうしよう。凄い予想外だ〜〜…///)

ことり (でも何か呆然としてる…かわいいな) ジッ…


絵里「あ…!」(こ、ことり!目があった …)

絵里「…」

絵里(ええい、突っ込め!)グイ

絵里「ことりっ」

644 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:48:48.57ID:ZrlmY1zq.net
ことり「絵里ちゃんっ」

絵里「し、知らなかったわ。ことりにこんな一面な、あっただなんて」

絵里「その…す、凄く素敵。ことり、キラキラしてる…っ」

ことり「あ、ありがとう///」ドキッ

ことり (はぁ〜〜///集中できなくなっちゃう〜…)

ワイワイ

絵里「うわっ…人が結構並んでるから…あの。とにかく何か、買わせて?」

ことり「え?」

ことり「いいの?」

絵里「もちろんっ」


ことり「じゃあ…」

ことり (私が一番初めに作った型の…一番気に入ってるネックレス…)スッ

ことり「あのね…絵里ちゃんの瞳の色と同じで」

645 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:51:18.27ID:ZrlmY1zq.net
ことり「絵里ちゃん色白いし首もすらっと長いから…似合うかなって、思うの」

絵里「わ…可愛い…」ドキ

絵里「ん、わかった、買うわ!…これ、足りる?」バンッ

ことり「ぇ?!お、多すぎだよっ」

ことり「お釣り…」

絵里「いいの!」(う、凄い人の波が…)

絵里「ことりは忙しいし、皆の人気者でしょう?」

絵里「また、二人で会う約束取り付けたいから、その予約代!」

絵里 (って、誰か足踏んでる…っ痛い痛い!)ピキッ

絵里「いたた…っ」

ことり「ぇえ???大丈夫?」アセ

646 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:53:03.62ID:ZrlmY1zq.net
絵里「は、花陽はそっち大丈夫ー?」チラ

花陽「うん!もう買えたよ〜っ!ありがとうことりちゃん♡」


絵里「ことり、頑張ってね」ニコ

絵里 (ここにいたらまた足がやられちゃう…)イタタ

ことり「うん、二人ともありがとう!」


ザワザワ
ワイワイ


ことり (な、なんか一瞬の出来事だったけど)

ことり (絵里ちゃんに、直接言う前に知られちゃった)アハハ…

ことり(でも、誉めてくれた…んだよね)

ことり(嬉しいな…//)

〜〜

647 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:54:05.69ID:ZrlmY1zq.net
〜〜某 飲食店〜〜


海未「…え?」カタ

希「うん。実は引っ越ししようと思ってて」

希「今のところの契約が丁度終わるんよ」

海未「そ、そうなんですね」

海未 (引っ越し…急、ですね)

希「にこっちにも言われててん。ストーカーのことがあった時に、まず住みかを移した方がええって」

希「…もう、その犯人は捕まったんやけどね」アハハ…

希「防犯とかちょろい建物やったから、これを気にセキュリティのあるところにって思って…」

海未 (にこから…)

海未「で…どこに、引っ越しを考えているんですか?」

648 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:56:16.58ID:ZrlmY1zq.net


649 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:57:32.94ID:ZrlmY1zq.net
希「ん〜…具体的にはこれからかな」

海未「犯人も捕まっているんですから、急ぐ必要はないのでは…」

希「う、うん。まあ、そう言うことになるんやけど…その件でうちが今日話したかったのは…」

海未「…?」

希「海未ちゃんも…もう、お見送り…する必要、ないんよ?」

希(毎晩毎晩…いつも海未ちゃんだって仕事があるのに…来てくれて)

希(…恋人でも、なんでもないのに)

海未「……え」

希(さすがにもううちだって、我が儘言えへんし、わかるよ…)

希(うちらはもう、進展はないんやろなって…)

650 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:59:01.11ID:ZrlmY1zq.net
海未「な、どうしてですか」

海未「何か希にとって、まずいことでも…私はしたのでしょうか…っ」

希(海未ちゃん…)

希「ううん、そんなんちゃうよ。でも、もう実際…犯人は捕まってて、今うちは特になんも被害は受けてない」

希「さすがに海未ちゃんにこれ以上迷惑はかけられへんもん…」

海未「迷惑だなんて、私は」

希「…」

希「海未ちゃんがそう思ってても、こんなうちでもやっぱり、気ぃつかうんよ?」ヘラ

海未「…」


希「海未ちゃんも心配するやろうと思って、そう言うちょっと良いマンションにしようと思てるし」ニッ

海未「希…」

651 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 20:59:03.53ID:HiC5BHMN.net
キテター
支援

652 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 21:00:05.91ID:ZrlmY1zq.net
海未「希…」

海未 (ああ……一緒にいる理由が…あったから)

海未 (私は今まで一緒にいられて…その理由につけこんで…)

海未「私は…」

希(大切とか、心配とか…海未ちゃんは死ぬほどうちに優しくしてくれるけど)

希(うちは…それだけじゃ嫌やなって、思い始めてる)

海未「…」

希「…海未ちゃん、実家から…誰か後継ぎ見つけないとって、言われてるんよね」


海未「!」ハッ

海未「どうしてそれを…」

希(真姫ちゃんが話してたこと、穂乃果ちゃんから…聞いちゃったんよね)

653 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 21:01:59.56ID:ZrlmY1zq.net
希「…」

希「…」

希「お店は続けるつもりやから」ニコリ

海未「えっ…」

希「また、来てくれたらいつも通り歓迎するし、うちも嬉しい」ニコ


海未 「な、何ですか…それ」

希「うち、海未ちゃんとはずっと、仲良くしていきたいよ」

海未 (また、お客とホステスの関係に…)

希「それは…ほんまやから」

海未 (違う……それは私がぬるぬるとこの中途半端な関係のまま)

海未 (希の優しさに甘えきっていたから…)

希「…」

654 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 21:07:42.45ID:ZrlmY1zq.net
希「ごめんな、忙しいのに呼び出して…」

希「毎晩欠かさず送ってくれて、ありがとう」

希(仕事があるはずやのにちゃんと時間も守って待っててくれたし、あの日から毎晩…)

海未「そんなこと、全然…たいしたことでは…ありませんっ」

海未「…」

海未 (私はどうすれば…)ジワ…

希「ん…」チラ

希「今日…めっちゃ良い天気やんね」

希 (あのビール祭りでデートした日みたい)クス

海未「はい…」


希(なんや切ないなぁ…)ジワ

希(でも…これもいつも通り、かな。うちらしいエンディングなんかな…)ハハ…


希「じゃあそろそろ、出よっか…」


〜〜

655 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 21:08:28.65ID:ZrlmY1zq.net
つづく

656 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 21:49:30.62ID:8VMPT7ui.net
紫煙

657 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 22:21:16.08ID:vH+1vibc.net
海未ちゃん頑張ってくれー

658 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 23:16:17.69ID:S2uvoxaG.net
うみちゃんおせおせ

659 :名無しで叶える物語:2017/05/03(水) 23:44:30.86ID:2A9ZbvBA.net
予想とかやぼかもだがなんだかVIP客が正直きな臭い雰囲気

660 :名無しで叶える物語:2017/05/04(木) 00:24:07.85ID:0qQtTtcK.net
時間にしたら短いんだろうけどことえりの完全にふたりきりの世界な雰囲気よ

661 :名無しで叶える物語:2017/05/04(木) 03:38:34.39ID:ewQJxZn/.net
海未今が勇気を出す時だぞ。真姫に続け!

662 :名無しで叶える物語:2017/05/04(木) 09:06:28.08ID:mOXXxTz5.net
金髪ロシアンレズ、好き(直球)

663 :名無しで叶える物語:2017/05/04(木) 22:52:19.69ID:SIX6k699.net
ほしゅ

664 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:37:56.73ID:BgQRINrc.net
〜イベント会場 隣接ホテル〜


あんじゅ「お疲れ様〜絵里♡」ドンッ

絵里「わ!ビックリした…」

あんじゅ「あれ?花陽ちゃんは?」

絵里「明日朝から授業があったらしくて今帰ったわ。あんじゅにお礼を言っておいて下さいって」

あんじゅ「え〜そうなの?せっかく3人分のルームサービスを部屋に頼んでおいたのに」

あんじゅ「もったいないし、絵里がちゃんと食べてね?」ニコ

絵里「はー…結局こうなるのね。ちょっとだけよ?私も明日があるしすぐ自分の部屋に戻るから」

絵里「お願いだからあんまり飲みすぎないでよ?」スタスタ

あんじゅ「大丈夫♪良いワイン貰ってきたから安心して♡」

絵里「それ安心出来ないわよ…」

絵里「あなた昔から酒癖悪いじゃない…そんなに強くないくせに」

あんじゅ「そう?絵里が強すぎるのよ」クス

絵里「まあ、ロシアの血が入ってるからね」

665 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:39:07.96ID:BgQRINrc.net
あんじゅ「ふふ♪…」

あんじゅ (あ……やばっ)

あんじゅ「…」クラッ


絵里「え」

絵里「ちょっとっ…」ガシ


あんじゅ「あ…あはは、高いヒール履いてたから躓いちゃった…」

絵里「あなた、…体調悪いんでしょう」ジロ

あんじゅ「何言ってるの?」ニコ

絵里「はぁ…もう。飲んでる場合じゃないでしょう」(貧血気味じゃない…)

絵里「ほら、とにかく部屋入って」ガチャ


あんじゅ「な、なによ〜」シブシブ

666 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:41:37.45ID:BgQRINrc.net
スタスタ



ことり (今日は色々あった1日だったなぁ)テクテク

ことり (色んな人から色んなお話を頂いて…頭がまだ混乱してる…)

ことり (でもホテル取っておいて良かった〜流石に今から電車乗り継いで帰るのはちょっとしんどいかな)


ウィーン


ことり「すいません、予約していた南です」

アリガトウゴザイマス
ショウショウオマチクダサイ


ことり「綺麗なホテル、だな」キョロ

ことり (…!イベントステージで見た人達も結構いる)

オマタセイタシマシタ
ジュウニカイ ニナリマス

ことり「ありがとうございます」ニコ

667 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:42:38.35ID:BgQRINrc.net
ことり (12階、か…高いな) ポチ

ウィーン

ガチャ


ことり「…」


「…昔から酒癖悪いじゃない…そんなに…」

「大丈夫♪…」


ことり (……え、この声)

ことり (絵里ちゃん…?)タタッ

ことり「…っえ…」


「…大丈夫よ…」ヒソ

「…ダメよ…明日もあるのに」ヒソ

「…」

「…ええ」


ガチャ

バタン…


ことり「」ハッ

ことり (あんじゅさんと、部屋に…)

ことり(え、り…ちゃん)

ことり「……」

668 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:43:56.53ID:BgQRINrc.net
ことり「…」スタ…スタ…

ことり (あぁ…そっか)

ことり「…」

ことり (そっか) ジワ…


ポロポロ…


ことり「あはは…どうしよう。泣いちゃった…」


ガチャ

シーン


ことり (そっか…失恋って初めてなんだ、私)

ことり (絵里ちゃんのこと…私、やっぱり、好きだったんだね)

ことり「…」

ことり「ううん、やっぱり、なんかじゃ…ないよ」ポロ ポロ

ことり(綺麗で何でも出来ちゃうのに、格好つけで、ちょっと抜けてて、それでも優しくて…)

ことり「…ぅっ…っ」ポロポロ

ことり (どうして、絵里ちゃん…正直に、言ってくれなかったんだろう…っ)グス

ことり「つらいよ…っ」


〜〜

669 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:44:51.34ID:BgQRINrc.net
〜ホテル あんじゅの部屋〜


絵里「お酒は無しね。今日は薬飲んで、大人しく寝なさい」

あんじゅ「むぅ…ワイン勿体ないじゃない」

絵里「はぁ、そんなのいつでも飲めるでしょう」

絵里「明日もあなたは色々あるんでしょう?ほら、寝なさいって」

あんじゅ「…」

あんじゅ「…はぁ」ゴロン

絵里「今の仕事、そんなに休む暇もないの?」

あんじゅ「…別に、自分でスケジュール管理してるから、自由なものよ」

絵里「まあ、そうよね…」

あんじゅ「働いてないと、暇になっちゃうでしょ」

絵里「そんなこと言って…。あなたは色んな人から引く手数多なんでしょう」クス

あんじゅ「…」

あんじゅ「絵里のそう言う所…昔から大嫌い」ハア

絵里「…」

670 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:46:04.38ID:BgQRINrc.net
あんじゅ「この忙しい私が意味もなく絵里に付きまとってるんじゃないってこと、いい加減分かってるくせに」

絵里「…」


あんじゅ「何で…私にまでまだこうやって優しくするわけ?」

あんじゅ「ほんと…絵里は最低よ…」

絵里「あんじゅ…」

絵里「そんなの、お互い様でしょう…当たり前じゃない…」

絵里「あんじゅは私が崩れかけてた時に、救ってくれた一人よ」

あんじゅ「…はぁ」

あんじゅ「じゃあ、あの頃と同じ感情で私と接してるの?」

絵里「…」

絵里「ううん。あの頃だって、あなたの優しさに私は逃げてただけ…」

あんじゅ「ま、確かに好きじゃなくても良いって言ったのは、私よね」

671 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:46:58.30ID:BgQRINrc.net
あんじゅ「ほんと…馬鹿よね…」グイッ

絵里「わっ、ちょっと!」 ドッ

絵里「……」(ち、近い…)


シーン


あんじゅ「で…どうする?」

絵里「…」(あんじゅは……私のことを真っ直ぐに…)


絵里「これまでの私だったら…あなたのことを、この場ですんなりと抱く事も出来たと思う」ジッ


絵里「でも…今は出来ない…したくない」

絵里「…今さら最低かもしれないけど、そんなに簡単にあなたの気持ちを踏みにじりたくない…っ」グッ

あんじゅ「…」

あんじゅ「そんなにあの子のこと好きなの?」ジッ

絵里「そ…それもあるけど、そうじゃなくて」

絵里「…」

672 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:48:21.25ID:BgQRINrc.net
絵里「そう言う気持ちじゃなくても、あんじゅのことも、やっぱり大切には変わりないからよ」ハァ

あんじゅ「…」

あんじゅ (そう言うこと、言わないでよ…ほんとに…)


あんじゅ「本当…最低ね」クス

絵里「…ごめんなさい」

あんじゅ「ううん。もう離れて良いわよ」

絵里「…」スッ

あんじゅ「最近の絵里はまた変わったなって、思ってたの」

絵里「え?」

あんじゅ「出会った頃は、特定のひとりを好きになったりしないで、来るもの拒まずで万人を好きになる、みたいな感じだったじゃない?」

絵里「うっ、…そんなこと」

673 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:51:09.62ID:BgQRINrc.net


674 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:51:52.85ID:BgQRINrc.net
絵里「うっ、…そんなこと」

あんじゅ「だけどあれからあなたは一度だけ本気で好きな人が出来て、…盛大に失恋して」

絵里「…」

あんじゅ(そこで崩れきってる絵里につけ込んだのが……私)

あんじゅ「絵里はもう特定の誰かを好きになることなんてないと思ってたのに」ハァ

絵里「…それは…、私もよ」

あんじゅ「ま、昔のあなたの方がもっと最低で魅力的だったから、今の一途を気取ってるあなたじゃ恋人には物足りないわ」ニコ

絵里「ええ?なによ…それ」


あんじゅ (…一途な絵里にはもう言い訳が効かなくなるからね)

あんじゅ(こっちに振り向いてくれないのは、絵里のタラシなせいだって…昔は言い訳出来たのにね)

絵里「はー、もう分かんないわ。とにかく最低なのね、私は」アハハ…


あんじゅ「ふふ、そうね。だからもうこの話は終わりね♡」ニコ

絵里「…」

675 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:52:52.36ID:BgQRINrc.net
絵里「でも、ありがとう」

あんじゅ「?」

絵里「ちゃんと向き合ってくれなかったら…あなたとはあやふやなままだったから」

あんじゅ「…ほんとにねぇ」

あんじゅ「そう言う所はヘタレよねぇ」

絵里「うっ…」

あんじゅ「ああそれから、そのタラシの根本的な考えと生活習慣と仕草と発言を直していかなきゃ、ことりちゃんには振られると思うから」

絵里「?!」ガタッ

絵里「え、…ほんとに?」


あんじゅ「ふふ♡」クス

あんじゅ「ばーか♡」

あんじゅ「もう寝るから、さっさと出ていってちょうだいな」

676 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:54:07.18ID:BgQRINrc.net
絵里「じゃ、戸締まりはしっかりするのよ」


あんじゅ「はーい」

ガチャ

バタン…



あんじゅ(なんか…体調悪かったはずなのに)

あんじゅ(凄くスッキリしたかも)

あんじゅ(ほんと、私も何で絵里なんか好きになったのかしら…)

あんじゅ(…ま、多分後悔なんて全然してないんだけどね…)クス


〜〜

677 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 00:54:41.78ID:BgQRINrc.net
つづく

678 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 01:36:22.56ID:xCgNTpa7.net
あーもうこの女たらしめ!

679 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 02:12:30.09ID:jQK1pd7a.net
乙です

絵里ちの直すところって、これもう全部じゃない?

680 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 10:01:39.99ID:GUGFBozx.net


681 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 19:41:51.13ID:Z1KTbexx.net
学習しねえな天然タラシは

682 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 20:22:30.20ID:zi1arkDt.net
近いうちに誑かされた被害者たちにとって刺されそう

683 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 21:08:25.61ID:KrP3fL/N.net
えりち被害者の会

684 :名無しで叶える物語:2017/05/05(金) 21:19:35.45ID:+WthMfmA.net
・絵里に誑かされた被害者の会
会長:あんじゅ
副会長:ことり
会員:音ノ木坂坂高校OB多数

685 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 02:46:24.99ID:ZRaKTPlL.net
>>684
音ノ木だとOGだろ。
あとあんじゅ以外にも同じ大学に多数いるはず。

686 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 15:48:57.53ID:dJjq1xjD.net


687 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 20:58:21.80ID:P938mPiW.net
ことえりまたしてもすれ違い
この誤解どう解くえりち

688 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 21:57:59.12ID:FMhoIBc2.net
〜ホテル ことりの部屋〜


ことり (今、何時だろう…)

ことり「…」グス

ことり (ひとりだけど、お酒…飲んじゃおうかな)

ことり(確か上階にbarがあるってフロントに書いてあった)

ことり「…」スクッ

ガチャ

テクテク

ウィーン

『20階』

ことり(確かこの階だ)


ウィーン


絵里「あ…っ」

ことり「…!」


絵里(なんでこんな所にことりが…?) ドキッ…

絵里「ぐ、偶然ね」

絵里(もしかしてここのホテルに泊まる予定なのかしら…)

689 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 21:58:45.95ID:FMhoIBc2.net
ことり「…」

ことり「…」スッ


テクテク


絵里「え…っ、」

絵里「ちょ、ちょっとっ」アセ

ことり「…」

絵里「ことりっ?…ど、どこか行くの?」

ことり「…うん」ピタッ

ことり「ごめん、絵里ちゃん…」

絵里「え?」


ことり「もう…私、絵里ちゃんに会いたくない…話したくない…から」

690 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:00:20.80ID:FMhoIBc2.net
絵里「え…」ズキッ


絵里「な…、なんで…」

絵里「どう、して」オロ オロ


ことり「絵里ちゃんにとってことりは、片手間の恋愛だったのかもしれないけど」

ことり「私は絵里ちゃんと、そんな恋愛してたつもり…なかったっ」グッ


絵里「」

絵里「……え?…な、…なに、それ」

絵里 (なんで…ことり、泣いて……)ズキ ズキ

ことり「でも……私がそれを伝えたこともないし、そんな約束もしてたわけじゃないから…」

ことり「…絵里ちゃんが悪いわけじゃないよ」


絵里「…ことり、どういうこと?私が…」

691 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:01:54.89ID:FMhoIBc2.net
ことり「私達、最初から縁が無かったん…だよね」


絵里「…っ」ズキッ


ことり「…」

ことり「でも絵里ちゃんとこれ以上一緒にいるのは…っ、辛いから」

ことり「…」

ことり「…ばいばい」


スッ

テクテク…


絵里「…」

絵里「…」

692 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:03:16.29ID:FMhoIBc2.net
絵里 (これは…また…同じ)

絵里 (あの時と、同じ感覚)

絵里「………片手間…の恋愛」

絵里「そんなの…」ジワ

絵里「…そんなわけ……無かったのに」


ポロ…ポロ…


絵里 (でも、私が悪いのよ…ね)

絵里 (そっか…私に人を好きになる資格なんて、そもそも…)

絵里「でも…どうして」

絵里「…」



〜〜

693 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:04:04.58ID:FMhoIBc2.net
〜〜ホテル最上階 bar〜〜


ことり「…あ、このカクテル美味しい……」

VIP客「…よかった」

VIP客「ことりちゃんがこんな所に一人でいるなんて…しかも、泣いてるから…」

ことり「…えへへ」

ことり「何だか…色々、あって」

ことり「ちょっと、疲れちゃいました」

VIP客「…」

VIP客「…そっか」

VIP客「それなら、僕と一緒だね」

ことり「…?」

ことり「大丈夫、ですか?」

ことり(やっぱりこの人…日本に住んでいた頃より、酷くやつれて、疲れきった顔になってる…)

694 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:05:09.40ID:FMhoIBc2.net
VIP客「…」

VIP客「ことりちゃんは、生き甲斐ってある?」

ことり「え?生きる…活力、みたいなものですか?」

VIP客「うん」

ことり「…私は、やっぱりかわいい小物や洋服をつくって…お客さんに喜んでもらうこと…」

ことり (…くらい、なのかな)

ことり (でも絵里ちゃんと出会ってからは…毎日ちょっとしたことに喜んだり)

ことり (どきどきしたりして、…楽しかった)

ことり (でも…それも…もう終わっちゃった)

ことり(あ…泣きそう。すこし、酔ってきた…のかな)フワフワ


VIP客「うん…そっか」

695 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:06:09.50ID:FMhoIBc2.net
VIP客「今は何かあったのかもしれないけど、今日のことりちゃん店で働いてる時より良い笑顔してたよ」

ことり「…えへへ」


VIP客「…」

VIP客「僕はさ。両親ももう亡くなって、独身で、守る家族もいない」

VIP客「言ってしまえば、仕事だけが本当に生き甲斐だったんだ」

ことり「…はい」

ことり (そうだったんだ…)フワフワ


VIP客「楽しかったよ…」

VIP客「本当に…良い夢を見させてもらった」


ことり「え…?」

VIP客「…それから」

696 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:06:46.64ID:FMhoIBc2.net
VIP客「今日は泊まらずに、帰った方が良い」

ことり「え、と。どうして」

VIP「…」

ことり(どうしよう、何も食べないままで一気に飲んだから…眠い…)

ことり(聞きたいことは、まだある、のに)

VIP客「…ことりちゃん。ごめんね」

VIP客「ーーーもう会うことは無いけど」

ことり「…」ウト ウト

ことり (お客さんの声が…聞こえなく…)

VIP客「ーーーーことりちゃんも僕の生き甲斐のひとつだったよ」

ことり「…」スヤ…

VIP客「…」カタ

697 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:07:18.37ID:JtoqlmYx.net
アーッ!

698 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:07:57.22ID:FMhoIBc2.net
VIP客「すいません。チェックで…この子の分も」

店員「かしこまりました」

VIP客「…僕が行ったら、必ず起こしてやって下さい」

店員「は、はあ」

店員 (お連れ様じゃなかったのかな…?)

VIP客「…」スッ

店員「ありがとうございました」



スタスタ



VIP客「…無事に逃げてね、ことりちゃん」ボソ


〜〜

699 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:09:33.27ID:FMhoIBc2.net
〜ホテル あんじゅの部屋〜

ザワザワ…


あんじゅ「ん…?」パチ

あんじゅ(どれくらい眠っていたのかしら…何だか廊下が騒がしいわね)


ドタドタッ
ザワザワ


あんじゅ「…」ムクリ

あんじゅ(あ…薬のおかげか、体が軽い)


ドンドン!


あんじゅ「えっ?な、なに!」ビク

「おーい!起きろー!」

あんじゅ「な、なに?!」

700 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:10:50.72ID:FMhoIBc2.net
「火事だ!ホテルの屋上から火が回ってる!」

「とにかく早く避難しろー!」


あんじゅ(は?!)

あんじゅ(か、火事?!嘘でしょ!)バッ

あんじゅ「…っ」

あんじゅ (確かに窓からの煙が…みえる!)

あんじゅ「本当に…火事が…っ」ゾク


あんじゅ(そうだっ…絵里は)


ガチャ
ダダッ


あんじゅ「はあ、はあ…っ」

あんじゅ「絵里!絵里!」ドンドン

701 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:12:05.97ID:FMhoIBc2.net
あんじゅ (あー!もう!…あの人寝ると中々起きないからっ)

あんじゅ「もう!起きてよ!冗談抜きでやばいのよっ」ドンドン


ドンドン…!


絵里「…ん」パチ

絵里 (えっ、なにかしら…)

絵里 (あんじゅの声…って言うか、何だか…)

絵里 (外が騒がしい…?)ムクリ


ガチャ


絵里「…あんじゅ?」

あんじゅ「絵里!よかった…」

絵里「どうしたの…?えっ…あなたすっぴんじゃない…久しぶりに見たわ」

あんじゅ「う…うるさい/// って、そんなこと言ってる場合じゃないのよ!」

702 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:14:29.36ID:FMhoIBc2.net
あんじゅ「上の階の屋上から火があがって…!火事らしいのっ」

絵里「え…」

絵里 (確かに廊下が煙たい…っ、人が慌ただしく行き交って…!)

あんじゅ「早く避難して」

絵里「…」

絵里 (ことりは…)

絵里 (ことりは確か…あの時、上の階へ上がって行っていた…)アセ

絵里 (私が…心配なんてする…立場でも、ないことは分かってるのに…)

絵里「…っ」グ


あんじゅ「私は他の社員の安否確認してくるから」

絵里「ちょ、ちょっと!あなたも避難しなさいっ。なにしてるの」ガッ

703 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:16:02.61ID:FMhoIBc2.net
あんじゅ「でも…私の部下がまだ何人も、泊まってて…」

絵里「それは救助隊や消防士に任せるべきでしょう。あなたがまず無事でないと、…他の人が心配して逃げられないわ」

絵里「落ち着きなさい。あなたが会社のトップなんでしょう」

あんじゅ「…っ」


「こっちに急いで避難して下さいー!」
「避難経路はこちらです!」
「非常階段はーーー」


絵里「ほら、はやくっ」ドン

あんじゅ「絵里は…」

絵里「私も今荷物すぐに持って行くわ」

あんじゅ「もうっ、はやく」


絵里 (外に、…外にことりがいれば…)ドキ ドキ

絵里 (安心できる…)

絵里(それにしても…どうして屋上から出火だなんて…)

704 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:16:48.51ID:FMhoIBc2.net
あんじゅ「行きましょう」グイ

ダダッ
ワーワー


「屋上が燃えてる…」
「下の階にまでどんどん燃え移ってるぞ!」
「全員逃げ切れたのか?!」


あんじゅ「…っ」ゾッ

あんじゅ「はぁ…外、すごい人…」キョロ キョロ

あんじゅ「私、皆いるか…とりあえず社員だけは、確認とってくる」

絵里「え、ええ」

絵里「でも、無理しないのよ」

あんじゅ「…分かってるわよ」


ダダッ

705 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:18:56.45ID:FMhoIBc2.net
絵里「…」

絵里(いない…いない…)キョロキョロ

絵里(この大勢の中じゃ、ことりが…っ)


ワーワー
ザワザワ


絵里 (携帯も、繋がらない…!)ピピ


絵里「…」ハッ

絵里「そうだ…ことりから買った…ネックレスが」

絵里「洗面台に…置きっぱなし…」

『ーーー絵里ちゃんに似合うと思ったの』

絵里「…」

絵里 (ことり…っ)グッ


〜〜

706 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:19:55.34ID:FMhoIBc2.net
つづく

707 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:20:13.57ID:JtoqlmYx.net
は?

708 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 22:58:44.14ID:X6c44+WR.net
失うものがない奴は何しでかすかわからんな…

709 :名無しで叶える物語:2017/05/06(土) 23:11:40.44ID:l24v4GT5.net
ひえっ

710 :名無しで叶える物語:2017/05/07(日) 01:15:55.78ID:27b7A80/.net
ことりが刺されるんじゃないかと心配してたが、別方向にヤバイ展開になった・・・

711 :名無しで叶える物語:2017/05/07(日) 07:47:06.90ID:9qMrIKgQ.net
はよはよよよやよ

712 :名無しで叶える物語:2017/05/07(日) 07:54:07.26ID:Pgyh48gI.net
斜め上のまさかの展開w

713 :名無しで叶える物語:2017/05/07(日) 09:33:46.74ID:jUS4m4Kn.net
ことえりだけ妙に話が濃くてずるい

714 :名無しで叶える物語:2017/05/07(日) 11:18:38.19ID:vMfEkc1I.net
じゃあ見るのやめるる

715 :名無しで叶える物語:2017/05/07(日) 11:53:38.16ID:GhRKNTEr.net
VIP客なにしてくれてんだ…

716 :名無しで叶える物語:2017/05/07(日) 17:26:42.42ID:gzrU5Hv1.net
これだからVIPPERは…

717 :名無しで叶える物語:2017/05/07(日) 20:36:05.71ID:FIjJCZv1.net
ビルの屋上で火つけても燃え広がるもんなのかな

718 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 08:42:01.45ID:c0fvfbjT.net
ho

719 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 10:09:08.25ID:civiLtfC.net
ちょろ真姫とちょろ海未だから仕方ない

720 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 19:16:01.16ID:mGwUQ1Q3.net


721 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 20:56:20.66ID:1Ga9+tL4.net
〜ホテル 20階〜


ことり「はぁ…はぁ…」カタ

ことり (目が覚めたら…こんな大騒ぎになってて…)

ことり(火事…っ) フラリ


ザワザワ

ワーワー…


ことり (頭がまだふわふわする……、それに、あのお客様もいなくなっちゃって…大丈夫、かな)

ことり(…絵里ちゃんは…っ)

ことり(…)


ことり「に…荷物…っ」

ことり(荷物だけは取りに行かなきゃ)

ことり(あれがなきゃ…仕事が…これからが…)

ドン

宿泊客「何してるんだっ、逃げろ」ダダッ

ことり「うっ…」

ことり(煙が回ってきてる…部屋、部屋が分からないよっ)ウロ…ウロ…

ことり「…」ウルッ

〜〜

722 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 20:57:54.88ID:1Ga9+tL4.net
〜西木野 宅〜

ガチャ


真姫「ただいま」

穂乃果「あっ」

穂乃果「真姫ちゃんおかえり♡」タッタッタ

穂乃果「おつかれさま!」ギュッ

真姫「…」ナデナデ

真姫「…それより、テレビ観てた?リモコン貸して」


ポチッ


穂乃果「え、え?」

真姫「…」

『ーー緊急速報ですーーー区のイベント会場に隣接したホテルからーー原因不明のー出火騒動が』

『現在、消防隊によるーーー避難をー』

穂乃果「か、火事?」

723 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:00:20.97ID:1Ga9+tL4.net
真姫「ここ…花陽とエリーが行ったあんじゅの会社のイベントなのよ…ね」

穂乃果「え…そうなの?!て、この…イベント会場」ハッ

穂乃果 (そ、そういえばことりちゃん、このイベント会場に行くって…)

穂乃果「ま、真姫ちゃん…っ…これ」

穂乃果「こ、ことりちゃんも行ってるんだよ!」アセ

穂乃果(ホテルに泊まってるのかどうかは分からないけど)


真姫「え?何よそれ…連絡はつくの?とりあえず連絡してみなさいよ」

穂乃果「…!」

穂乃果「う、うん」ダダッ


『ワーワー!』


真姫 (屋上から原因不明の出火って……)ジッ

真姫 (放火…ね)

724 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:03:53.97ID:1Ga9+tL4.net
穂乃果「まさかとは…思うけど、どうだろう…ことりちゃん」ポチポチ

真姫「あんじゅにはメールで連絡がついて、エリーもあんじゅも避難したって来たんだけど…」

真姫(エリー本人から返事が来ないのが……嫌な予感しかしないのよね…)


真姫「…」チッ


穂乃果 (ま、真姫ちゃんがイライラしてる…でも、そりゃ心配だよね)

穂乃果「ことりちゃん、大丈夫かな」ソワソワ

真姫「ことりも参加してただなんて…なんの偶然よ」

真姫「…」イライラ

真姫「あー…もう」


プルルルル…


真姫「電話?」ピク

真姫 (あんじゅ…?)

〜〜

725 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:06:50.60ID:1Ga9+tL4.net
〜〜ホテル 外周辺〜〜

ガヤガヤ
ワイワイ

あんじゅ(…あれっ?…)キョロ キョロ

あんじゅ(絵里がいない…)

あんじゅ「…」

あんじゅ(驚いた…さっき確認したホテルの参加者関係者名簿に、ことりちゃんが載ってた……)

あんじゅ(しかも、まだ避難済みのチェックはされていなかった…っ)

あんじゅ(絵里…)

あんじゅ(まさかとは…思うけど…っ)バッ

あんじゅ「…っ」


ゴォォォ
ガヤガヤ…


あんじゅ「…もう!」ポチポチ

726 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:08:25.30ID:1Ga9+tL4.net
プルルルル…

プルルルル

プルルルル

ーー


絵里「こほっ…」

絵里「あ、あったわ!ネックレス…!」カラ…

絵里「はは…」(これひとつの為に…すごい階段のぼっちゃった…)

絵里 (もうそんな義理…ないはずなのに)

絵里「…」

ドタドタ

ガヤガヤ

「にげろ!」
「上から火が回ってくるぞー!」
「まだ外階段は煙が回ってないみたいだっ」

絵里 (花陽が泊まっていなくて本当に良かった…)

絵里(もう…人生って本当、なにが起こるのかわからないわね)ハハ…

727 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:10:28.92ID:1Ga9+tL4.net
絵里「これもまた、あの人の言っていた罰なのかしら…」

絵里「…まだ許してもらえないのね」

絵里(でも…!)

プルルルル

絵里(……で、電話?)

絵里「はいっ」ポチ

あんじゅ『はい、じゃなくて!!』

あんじゅ『どこにいるのよ!』キーン

絵里「…部屋よ、ごめんなさい。忘れ物をしたの」

あんじゅ『部屋?!まさか20階?!』

絵里「え?」(20階?!…ことりはそんな上にいるの?)


あんじゅ『ことりちゃん、探しに行ってるんでしょう…っ。彼女はいたの?!て言うか、どうして人には偉そうに行っておいて、救助隊に任せないの!?』

728 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:13:04.35ID:1Ga9+tL4.net
絵里「……どうしてそれを…でも、違うわ」

あんじゅ『…?』

あんじゅ(なんか…やけに落ち着いてるけど)

絵里「ことりは…見てない」

絵里「それに、ことりには…きっぱり、拒絶…嫌われちゃったから…」アハハ…

あんじゅ『え…?!』

あんじゅ(何があったのよ…)

あんじゅ『…』ハッ

ゴォォォ…

ガヤガヤ…

あんじゅ『…ねえ、馬鹿なこと考えてないでしょうね』

絵里「え?」

あんじゅ『…もう!フラれたくらいでしっかりしなさいよ!』

729 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:14:09.56ID:1Ga9+tL4.net
あんじゅ『…どうせ上にいるなら、ことりちゃん見つけ出してくるくらいしなさいよ!』

あんじゅ『死んだらもう何も残らないし、何も感じない、何も楽しめないのよ!』グッ

絵里「あ、あんじゅ…いやいやちょっと死ぬ気なんて私」

あんじゅ『あほー!』

ブチ

ツー,ツー

絵里「…」

絵里(切られた…)

絵里「…って」

絵里 (20階なんて、聞いたら…!)ダッ

〜〜

730 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:16:54.25ID:1Ga9+tL4.net
〜〜クラブ 店内〜〜


店員「いらっしゃいませ、ようこそお越し下さいました」スッ

店員「園田様、ご指名ございますか」

海未「…」

海未「…」コホン

海未「希を、お願いします」

店員 (雰囲気が随分…)

店員「かしこまりました」ニコ

タッタッタ

海未「…」

海未 (この店に来るのも…もしかすると、これが、最後になるやもしれませんね…)


カツカツカツ…


希「…」

希「海未ちゃん」スッ

希「お疲れ様です」ニコ

731 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:18:38.31ID:1Ga9+tL4.net
海未「…希」

海未「…」

希「ほんなら…席、いこっか」スッ


スタスタ…


海未「…」(希…昼間ぶりのはずなのに)

海未(何だか、とても久しぶりのように感じますね)


希「海未ちゃん」

海未「は、はい」

希「どうぞ?座って。ここやで」ニコ

海未「あっ…はい」スッ

希「…?」

希「…」クスクス

希 (なんや、よそよそしいなあ…って、当たり前か)

732 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:19:58.18ID:1Ga9+tL4.net
海未「…」フゥ

希「じゃあ、うちも失礼しますね」スッ

希「何にする?」ニコ

海未「あの」ガタ

海未「お酒を飲む前に伝えたい事がありまして」

希「…!」

希「うん」

海未「私は…」

海未「希とは、もうホステスと客との間柄にはなりたく…ありません」

希「!」

希「うん…」

海未「ですが私は今日の午前中、希に言われるまで動けずにいた、…臆病者です」

海未「…」

733 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:24:34.14ID:1Ga9+tL4.net
海未「確かに私の実家は道場です。園田には他に子がいないので、存続するか否かは私にかかっています」

希「…うん」

海未「…私は弱い人間です。これまでも、父におおよそ言われるがまま従順に真面目に生きてきました」

海未「それを否定するわけではありません…」

海未「そして何より、自分の一番大切なものを大切に出来ないかもしれない、と言う懸念から…判断を先延ばしにして来たんです」

希「…」(弱い…なんて)

海未「でも…」

海未(自分の大切なものは、自分で道を切り開いていかなければならないのですよね…)

海未(正しいとされる道から外れてしまうからと言ってそれを諦めるのではなく、変わっていく努力をしなければならない)

海未「私は…」

希「うん」ドキ

海未「私はこれからも希の傍で、あなたの幸せの為に生きていきたい…んです」

希「…うん」

734 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:27:23.61ID:1Ga9+tL4.net
希 (海未ちゃんがやっと、言うてくれた…)

希(もう諦めかけてたのに…)

海未「希は私にとって、唯一無二の、特別な人です」

希「…ぅ///」

希「う、海未ちゃんは弱い人間なんかやないと思うよ…少なくとも、うちはそう思う」

希「うちだって、そんなんずっと、海未ちゃんの傍におりたいよ…」

希「出来たら、ずっと、ずっと」

希「ずっと…」アハハ…

海未(……希…!)

海未「…良かった」ハァ

希「…やっと言うてくれたね」ニコ

海未「す、すみません…//」

希「なんかめっちゃ今の数秒、緊張した〜」フー

海未「はは…」

希(でも…実際)

希「このままやと、許してもらえるかは…わからんのよね」シュン

735 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:28:58.61ID:1Ga9+tL4.net
海未「ええ」コク

希「…」

海未「…だから」

海未「明日、父に正直にその事を話します。大切な人がいて、その人は女性ですが、その人と共に生きていきたいと」

希「…」

希「えっ///」

希「うわぁ…」

海未「ええ、早い方がいいじゃないですか」

海未「そ、それとも希は…やっぱり」

希「ううん、そうやないよ」フルフル

希「ただ…」

希「なんか、お嫁さんに行くみたいやなぁって♡」エヘー

736 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:31:04.16ID:1Ga9+tL4.net
海未「…///」

海未 (実父に娘の私が嫁を貰いに行くのもおかしな話ですけど…)

海未 (はあ…よかった。そもそも希に断られてしまったら…なんて内心かなり焦りました…)

海未「あ。希、それでひとつどうしても聞いてほしいお願いがあるんですが」

希「ん?」

海未「もしも二人で生きていくことが許されたとしたら…」

海未「…一緒に暮らしてもらえませんか?」

希「えっ!♡」

海未「それで、無理にとは言いませんが、出来れば…出来ればですが…この、仕事も…」

海未「私は辞めてほしいです…//」シュン


希「…!!///」ガタ

希 (うわヤバい…めっちゃ、ぐっときた…♡♡♡) キュン

希「な、なあ海未ちゃん」

737 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:33:46.63ID:1Ga9+tL4.net
希「もっかい言うて…!」

海未「へっ!?き、聞こえたでしょう?!///」カァッ

希「えへへ、わかったって。じゃあ……何で、辞めてほしいん?」グイ

海未「…っそれは」ウッ

海未「…」

海未「いやだからです…」

海未「希が他の男性と話しているのを見るのは、例え仕事でも、いやだからです……//」カァッ

希「!!」ドキッ

希 (うわ〜〜めっちゃかわいい〜〜!!!♡♡)キュウン

希 (はー…やばい、なんか連続で落とされ過ぎて恐怖すら感じるわ…なにこれ、夢?詐欺?)

海未「で、でも、仕事は本人のやり甲斐があったりすると思うので…無理にとはいいません」

738 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:34:57.55ID:1Ga9+tL4.net
希「……」

希「いや、辞めるよ」

海未「!」

希「海未ちゃんがそうやって思ってくれてるんやったら、大切な人が嫌がることはしたくないもん」

希「家計が厳しいなら、海未ちゃんが働いてる間だけ、うちも別のふっつーの仕事探してみる」ニコ

海未「の、希……!」パアァ

海未「まあ…でも。私が全部養うので、その辺はおまかせしますよ」

希(うわっ…のほほんとした顔で凄いこと言うてるなぁ…//)

希「ただすぐに辞めるってわけには…お店にも迷惑かけるかもしれへんから、今夜辺り支配人に話してみるね」

希「でもうちはもう、その気やから…」

希「頑張ってな?♡」ニコ

739 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:37:04.75ID:1Ga9+tL4.net
海未「…///」

海未「…はい」ニコ

希「それで…お父さんには何て言うん?」

海未「私は…道場を継ぐ気はないと伝えます。希のこともそうですが、こっちの世界で将来的にやっていきたいと思っていますから」

海未「…」

希「お父さん、怖いん?」

海未「怖いと言うか…」

海未「過保護…ですかね」

希「あ…そうなんや」ハハ

海未「だから正直に言えば、道場のこともそんなに目くじら立てる程、後世に残していく事にこだわりはないんだと思ってます」

海未「ただ、女性だけでは生きていけないと考えているタイプの人ですから」ハァ

海未「私が外で働くことにも昔は反対していました。女性は家にいて、家事をする。支える側であり守られる立場であると、……古い考えですよね」

740 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:42:38.16ID:1Ga9+tL4.net
希「あー…なるほど。だから海未ちゃんには婿さんをもらって、傍で守ってあげて欲しいんやね」

海未「その辺りが…心配です」

希「そうなんや…今から一緒に、考えよっか」

海未「…!」

海未「ありがとう、ございます」ニコ

希「それに…」

希「今日がもしかしたら、海未ちゃんを接客する最後の日になるかもしれんしね……」

希「…乾杯しよっか」ニコ

海未「それは、私も同じ事を思っていました」

海未「このお店に来たおかげで、希と出会うことが出来ました」

海未(そんなこと、夢にも思っていませんでしたが…)

カチャカチャ
コトッ…

希「うん、そうやね」

海未「ありがとうございます。少し気が早すぎるかもしれませんが…これからも、宜しくお願いします」

希「えへへ…そやね。どうぞ、宜しくお願いします」

カランッ


〜〜

741 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:43:11.27ID:1Ga9+tL4.net
つづく

742 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:53:40.70ID:qiCBdJVr.net
おつ

743 :名無しで叶える物語:2017/05/08(月) 21:57:39.21ID:GLH7cZEk.net
乙です

はーい、売れっ子一人お持ち帰り来ました。
残り2人も時間の問題だね。

744 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 00:07:23.48ID:zh3rv5K2.net

温度差にワロタわw

745 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 00:26:32.51ID:JZ2VK4jR.net
海未ちゃんはこれからあの巨乳を独り占めするのか

746 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 01:23:26.36ID:qhHA8AYn.net
どっちも熱々だから温度的には同じじゃないか?

747 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 03:00:09.83ID:I7bVdOGs.net
熱々どころか炎上してるんですけどね

748 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 09:53:01.23ID:9hSESBmS.net
確かに温度差は違うなアツアツと熱々とイライラだからな。

749 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 15:55:32.37ID:RYCfvyJZ.net
三組ともアツアツになると信じてる

750 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:20:37.41ID:iYfDyNhb.net
〜ホテル 階段〜


ことり「白い…視界がわるくて、よく…わからない」ハァ…

ことり (部屋は12階…)

ジワッ

ことり「ぅ…、あつい…」ズル ズル

ことり「…っ」

ことり (もう誰もいなくなっちゃったのかな…)

ことり(どうしよう、救助隊のひと、ここまで来てくれるのかな)


ことり「この高さまで…」ゾッ


ことり(少し、やすもう…)ストンッ

ことり「…」

ことり(どうなるんだろう、私)

ことり(明日はイベント…さすがにないよね)アハハ…


ことり「今回も、がんばったんだけどな…」ハァ…ハァ

ことり「お母さんに、顔向け出来ないよ…」

〜〜

751 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:21:33.52ID:iYfDyNhb.net
真姫「まったく、無茶言うわよね…あんじゅは」ピピ…


真姫「と言うことだから、私出てくるわ」カタ

穂乃果「ま、真姫ちゃん!現場にいくの?!…だったら私もいくよ!」


真姫「だめ」

真姫「…穂乃果は家にいなさい」


穂乃果「だって!」グッ

穂乃果「ことりちゃんと絵里ちゃん、…それに真姫ちゃんだって心配だよ…っ」


穂乃果 (ことりちゃんはずっと小さい頃から一緒にいた幼なじみなんだ)

穂乃果 (返事が返ってこないなんて…そんなの、心配だよっ)


真姫「気持ちは分かるけど…人が多すぎても混乱するだけよ」ハァ

752 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:22:27.65ID:iYfDyNhb.net
真姫「私はあんじゅと連絡を取らなくてはならないから、…行くだけ」

真姫「穂乃果は…他に出来ることをしておいて」ニコ


穂乃果「…」

穂乃果「う、うん。わかったよ」コク

穂乃果「で、でも」

穂乃果「真姫ちゃん、無理しないでね」ギュ


真姫「…!」

真姫「ふふ。私は可能な限り無理はしたくないタイプよ」

真姫「それが可能だった。…なぜなら」

穂乃果「?」


真姫「私が西木野の家に生まれて良かったと思ってる一番の点はなんだと思う?」

753 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:24:29.55ID:iYfDyNhb.net
真姫「それはね、財力よ」

穂乃果「…」

穂乃果「???」(ど、どういうことだろ…わかんないや)

真姫「それだけは感謝してる。世の中お金で結構何とか出来ることの割合の方が多いからね」

穂乃果「そ、そっか」

真姫「それから。きっと、ことりはエリーがいるから大丈夫」

真姫 (長年の直感だけど)

穂乃果 (…真姫ちゃん)

穂乃果 (何だろう…この信頼感。すごいな)

真姫「じゃ、ちょっと行ってくるわね」ピピ…


プルルルル

ピッ


真姫「もしもし。…ああ、海未。メールした通りよ。お願いね」

〜〜

754 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:26:39.65ID:iYfDyNhb.net
〜〜

絵里「はぁ…はぁ」

絵里「遠いわよ…20階」ゼェ、ゼェ


《12階》


絵里 (あと8階もあるのね…)

絵里 (なるべく煙は吸わないようにって這ってきたけど)

カツ カツ…

絵里 (上に行くにつれて温度が上がってる…本格的に煙も回ってきてる)

絵里 (もはや誘導灯がぼんやり見えるくらい)

タッタッ

絵里「…っ」ハァ ハァ

シーン

絵里(救助隊もまだここまではこれていないのかしら…)

絵里「…」キョロ キョロ

755 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:28:19.90ID:iYfDyNhb.net
絵里「はぁ」

絵里「…」カツ…

ガッ

絵里「っ!!」ドテッ

絵里「っ〜…」イタタ…

絵里 (足ひっかけちゃった…って、階段になにかがある…?)


ことり「…っ」

ことり「ん…」グタ


絵里「…あ」

絵里(人が…壁にもたれて……、まさか)チラ

絵里 (こ、ことりっ…!) ガッ

絵里「ちょ、ちょっと…っ、しっかり」ユサユサ…

ことり「ぅーん…」


絵里 (ぐったりしてるし…この感じ) アセ

絵里 (お酒の匂い……もしかして、酔ってるんじゃ…)

756 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:32:01.00ID:iYfDyNhb.net
絵里「ことりっ!」ペシッ

絵里 (ああ……顔がすすで汚れて…)ゴシゴシ

絵里「ねえ、ことりっ」パシ パシ!

ことり「んっ」ハッ…

ことり「…?」

絵里 (起きた…!)


ことり「…へやに…いかなきゃっ」ムク

絵里「え?!…へ、部屋だなんて!いいから、早く逃げないとっ」ガシ

ことり「…」チラ

ことり「えりちゃん…?なんで……」

ことり (まぼろし…かな)


ことり「いかなきゃ…」

ことり「荷物が…携帯が…っ」ズイ


絵里「…何言ってるの、荷物や携帯なんて必要ないでしょ!命がかかってるのにっ」

ことり「…ゃめてっ」グッ

757 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:34:40.67ID:iYfDyNhb.net


758 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:35:44.32ID:iYfDyNhb.net
絵里「何言って…」

ことり「…っ」

ことり「必要だもん…っ、必要なんだもんっ…」ジワッ

ことり「大切、な物なの…!」


絵里「こ、ことり」

絵里 (どうして…)


絵里「…そんなに大切なもの、なの?」

ことり「…っ」グス

ことり「わたしは…っ」

ことり「あれがないと、…お母さんが、また…」

絵里 (え…?)

ことり「はなして…」

ことり「…1207号室、に」


絵里「えっ…」

絵里 (1207号室…?私たちと同じ階…しかも、ここからかなり近い)チラ

759 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:37:57.86ID:iYfDyNhb.net
絵里「…っ」

絵里「待ちなさい、…分かったから、私も行くから、ほら…手」スッ

ことり「…えりちゃん」

ことり「…こほっ、こほっ」ギュ

絵里 「…」ホッ


スタ スタ


絵里 (あった、1207号…!)チラ

ことり「…これ」ハァ ハァ

絵里「鍵、ね」カチャ


絵里 (もうこんなに近くまで辿り着いていたのに気付かなかったのね…まあこんな煙であの状態じゃ…)


ガチャガチャ
カチャ…


絵里(…部屋も熱くなってる。これ、本当に)

絵里(戻れるのかしら)

タタッ

ことり「あ…っ」

ことり「あっ、た…良かった」ハァ…ハァ

ことり「…」ギュ

760 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:41:14.53ID:iYfDyNhb.net
絵里「…」チラ

絵里 (このタイミングを逃したら…もしかしたら…)

絵里 (私は…)


絵里「…っことり」


ことり「…?」チラ

絵里「…」

絵里「…ごめんね」

ことり「…え」

ことり「…」

絵里「あなたの事を、知らない間に傷付けてしまって…っ」ジワ

ことり「え…、え…っ」

ことり (やっぱり…幻、なんかじゃなくて)

ことり (これ、えりちゃんなんだ…)


絵里「…っ」

絵里「でも、あなたにきらわれても、私はやっぱりっ…」

761 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:42:56.26ID:iYfDyNhb.net
ブルルルル…


絵里 (け、携帯が…。メール?……なにこれ、どういう…)


カタ…カタ…


絵里(え、窓が…風圧で揺れてる…)

ことり「え…」ゾク


カタ…カタ…カタ…


絵里(え…っ、なに)

絵里(近付いてくる…けど、)

絵里(って…あれ…?!?!)ハッ



絵里「ことり!伏せて!」ガバッ

ことり「きゃっ!」ドサッ

絵里「…!」ギュッ



ガッッッ

バリーーーーーーーーン!!!!!

762 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:46:29.75ID:iYfDyNhb.net
ことり「?!?!」ビクッッ

ことり (………ぇ…窓ガラスが…割れ…?!)

ことり (えりちゃんが…近い…っ)ドキドキ


パラ… パラ…


ことり(救助の、ヘリ…。…助けが、きたの?)

ことり(あれは…)フラッ


バババババ…


ことり「…ーー」スヤ

絵里「…て、手荒過ぎるわよ…」ムク

絵里 (ヘリコプターとは…)


絵里「…でも、助かった」チラ

絵里「って、ことりー?!しっかりしてよ、大丈夫?!」ユサユサ


ガラッ

真姫「エリー!」

海未「さっさと乗って下さいっ」

絵里「!」

真姫「出来るだけ近づける?」


操縦者「かしこまりました」

763 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:47:47.98ID:iYfDyNhb.net
バババババ…

絵里「真姫、海未!!」

絵里 (即座にドクターヘリを手配できる西木野家ってほんと…!)

バッ

救助隊「どうぞ、こちらへ」スッ

絵里「この子がビックリして気絶しちゃって…多分大丈夫だと思うんだけど…」

救助隊「わかりました」ダダッ

真姫「その子先に乗せてもらえる?先に見てあげてほしいの」

救急隊員「はい!」ダダッ

真姫「ほんと、何で避難してないのよ…二人とも」

真姫「あんじゅが言ってくれなきゃ来れなかったわよ」

海未「大慌てで来ました…絵里も、ほら捕まってください」

絵里「…ありがとう」(あんじゅが…)

764 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:49:24.14ID:iYfDyNhb.net
絵里「しかし大きなヘリね…さすが」ヨイショ

真姫「当たり前でしょう」

絵里「『窓割るから伏せて』って真姫からのあのメール見てなかったら、どうなってたか…」

絵里「ガラスぶち破るだなんてどこのアクション映画よ…」

真姫「しょうがないじゃない。中から割ったら外に破片が落ちるでしょう。外にいる何千人とエリーの背中くらいなら…まあ外から割るわよね」

絵里「…そうね」

絵里「でも、本当にありがとう、やっぱり頼りになるわね。あなた達は」

真姫「…鼻が利いてしまうようになったのよ」

真姫「私達昔からどうしていつもこう面倒なことに巻き込まれるのかしら」ハァ

海未「本当ですね。まあもう慣れました」

絵里 「あはは…」

765 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:50:25.60ID:iYfDyNhb.net
操縦者「真姫さん、準備が整った様です」コソ

真姫「ああ、じゃあ…」チラ

真姫「…」

海未「絵里、あの床にある荷物は…」

絵里「あ、それも。一緒に持っていくわ、何だかことりの…大切なものらしくて」

海未「わかりました」ヒョイ

真姫「もしかしてその為に…」

絵里「大事なものみたい…私には分からないけれど」


絵里 (ことり…良かった)ハァ


バタン!

バババババ…


絵里「これ目立つし、もしかして大騒ぎになるんじゃ」

海未「今にこが私達のことは報道に載せないようにと、色々と手回ししてくれているらしいです」

766 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:52:37.93ID:iYfDyNhb.net
海未「まあ、一般客からの拡散はあるやもしれませんが…」

真姫「まあね…」

絵里「…」

真姫「それよりエリー、海未はクラブにいて希と取り込み中だったのにわざわざ来てくれたのよ?」ニヤ

真姫「何だか良いことがあったらしいわね」クス

海未「うっ//」

絵里「そうなの?!ごめんなさい…」

海未「いえ大丈夫です…まだわからないので」

海未「ただ、父と対決することになりました…」ハァ

絵里「え?!そ、そうなの…」キョトン

真姫「意味わかんないわよね」プッ



真姫「まあ、とにかくもう帰りましょう。流石に疲れたわ」ハァ

絵里「ほんとに、今度皆にお礼するわ」

真姫「ふふ」

767 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:53:28.74ID:iYfDyNhb.net
海未「それにしても、何だかこうして三人揃うのは…久しぶりですね」

絵里「そうね」

真姫「こんな所で揃ってもね」クス


絵里「…」

絵里 (それにしても…生きてるのね…私も、ことりも)チラ

ことり「…」スヤスヤ

絵里「…」(だったら…)

絵里 (戻ったらもう一度、彼女へ誠実に…向き合って、伝えなきゃいけない)

絵里 (そうなると…嫌でも思い出すわね、本当に)

絵里「…」


〜〜

768 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 20:54:05.71ID:iYfDyNhb.net
つづく

769 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 21:08:52.92ID:RYCfvyJZ.net
おつおつ
まさかのヘリ出動
でもことえりが無事で良かった

770 : :2017/05/09(火) 21:18:05.54ID:x3rwm2Mp.net
【自治】地震なし及び荒らしに対する議論スレ
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1494199898/

板の設定変更に関わる重要な話を展開しています。良かったら目を通してください

771 :名無しで叶える物語:2017/05/09(火) 22:51:06.59ID:Vpew9RmV.net
お!
手当たり次第金髪ロシアンレズエリーチカがやっと廃業か!?

772 :名無しで叶える物語:2017/05/10(水) 09:12:12.50ID:T6IW4zTZ.net


773 :名無しで叶える物語:2017/05/10(水) 12:07:39.35ID:zeau9YBh.net
ラブライブはギャク

774 :名無しで叶える物語:2017/05/10(水) 22:58:41.82ID:Idm9lBTJ.net


775 :名無しで叶える物語:2017/05/11(木) 08:00:06.56ID:JSk1K3L3.net


776 :名無しで叶える物語:2017/05/11(木) 12:53:35.95ID:oySqLvkR.net
ホストのやつも面白かったがこっちも楽しみー

777 :名無しで叶える物語:2017/05/11(木) 13:46:11.10ID:J+0xU3LG.net


778 :名無しで叶える物語:2017/05/11(木) 19:49:34.72ID:1NlQqlzj.net


779 :名無しで叶える物語:2017/05/11(木) 22:27:58.79ID:tZTvG/Hx.net
しゅ

780 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 01:43:39.33ID:nAfDlFld.net
おやすみ

781 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 13:30:33.75ID:nAfDlFld.net
暑い

782 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 18:56:07.31ID:CCwr3n4j.net
ほす

783 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:33:48.94ID:iMuHtbez.net
『三日前に起きたーー区のホテルの火災ーーホテルに宿泊していた宿泊客の内、死者1名、他ーー名がやけどなどの重傷で緊急搬送ーーー放火の疑いがあると見られーーー』


ピッ


にこ「真夜中のあのレベルのぼやで死者が一名だなんて、ほんと奇跡ね」

真姫「…警察は、犯人がこの亡くなった男性じゃないかって疑ってるんでしょう?」

にこ「みたいね。詳しいことは分からないけど、亡くなったのは先日倒産したあの大手企業の社長よ」

真姫「ええ」コク

にこ「屋上から放火に使われたんじゃないかって言うジッポが見つかったらしいじゃない」

真姫「…ジッポねぇ」

にこ「ま。ぼろぼろでよく分からないくらい焦げちゃってたらしいんだけど」

にこ「…」

にこ「死に場所なら…もっと人の迷惑にならない場所を選んで欲しいところよね」ハァ

784 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:35:21.10ID:iMuHtbez.net
真姫「まあ良いじゃない。ことりもエリーも、あんじゅも無事だったしね」

にこ「そーね。絵里はまた病院に戻されたってぼやきそうだけど、しばらくしたら出られるでしょ」

真姫「ああ…」

にこ「今日は海未が希と様子を見に行ってくれてるらしいの」

真姫「ああ、そうなの?」

にこ「…ことりが、例の亡くなった社長と面識があったらしくて」

にこ「聴取を受けなきゃいけないみたいでね」ハァ

真姫「は?なんで…って、もしかして」

真姫「ことりの指名客だったってこと?」

にこ「ええ、しかもVIPルーム仕様のかなり大きいお客さんだったみたい」

にこ「事件当日の放火直前にね、…ホテルのバーでことりと会っていたところを目撃されてたらしくて…」

785 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:37:04.83ID:iMuHtbez.net
真姫「なに…それ」

真姫 「面倒臭いことに巻き込まれたわね…」

にこ「ほんとにね」

真姫「じゃあ、エリーも同じ病院にいるんだから、ことりの聴取に同席させましょうよ」

にこ「ん…確かに、何かあった時にあいつの口があった方が、何かと便利だけど」

にこ「…」

にこ「ことりが…本当に何も関わってなければ、ね」

真姫「…」

真姫「…やめてよ」ハァ

真姫「とにかく私が海未には伝えておく」

真姫「でも私はこれから依頼人と打ち合わせがあるから。病院には行けないわ」スッ

にこ「はいはい、ご苦労様」

にこ「…」

にこ (ほんと、面倒なことにならなきゃいいけどね)


〜〜

786 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:39:22.12ID:iMuHtbez.net
〜総合病院 病室〜

コンコン


ことり「あっ…」

海未「え…」

あんじゅ「どうも♡」

海未 (なんでまたあんじゅがことりの病室へ…)

海未「どうしたんです?」

あんじゅ「ことりちゃんに話があってね、まあお見舞いよ。別に冷やかしに来た訳じゃないから安心して?」ニコリ

あんじゅ「良かった、元気そうね」

ことり(あんじゅさん…)

ことり「あの…!先日は、助けて頂いて…ありがとうございます」ペコ

あんじゅ「…いえいえ♡」

あんじゅ「でも、実際助けたのはそこにいる海未ちゃんと、真姫ちゃん、それに絵里よ」

あんじゅ「私はあなたがまだホテル内にいると知っていても、上に戻ろうとはしなかったもの」

海未「…」(素直じゃないですね…)

787 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:41:01.93ID:iMuHtbez.net
ことり「でも、聞きました。あんじゅさんがいなかったらって」

ことり(それに、あんな火の中戻る人なんて、普通いないよ…)

あんじゅ「…ふふ」

海未「で、ことりに話とは何なんですか?」

海未「必要であれば席を外しますが」ガタ

あんじゅ「ううん、いいのいいの」

ことり「…?」

あんじゅ「ただ…今隣の病室で呑気に寝てるあの人がね」

あんじゅ「ことりちゃんにフラレたって泣いてたから……ざまあみろ、何かあったのかなって」ニコ

ことり「えっ…」

海未「」ガタッ

海未「そ、その話…私はいない方がいいんじゃないですかね…」

海未 (三角関係怖いです…)チラ

788 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:42:50.24ID:iMuHtbez.net
ことり「…」

海未(何があったか知りませんが……特に絵里とあんじゅが絡んでるものなんて関わりたくありません…)ハァ

海未「あの」

あんじゅ「何か腑に落ちない点があるなら、お互いここで腹を割って話した方がいいでしょう」

ことり「…はい」コク

あんじゅ「…最初に言うけど、私は別にあなたに敵意を持ってるわけじゃないから」

海未(タイミングを逃した……希、早く帰ってきてください!)

ことり「あの…」

ことり「絵里ちゃんは…どうして私を助けに来てくれたんでしょうか」

ことり「私が我儘なだけだと思うんです。でも、絵里ちゃんが分かりません…」

あんじゅ「…それは、あなたも分かってると思うけど」

あんじゅ (まあこれは私が言うべきことじゃないか)

ことり「きっと絵里ちゃんは皆にそうなんだと思うんです…皆に優しくて、…だから」

789 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:44:30.89ID:iMuHtbez.net
ことり「今回の件も、私の八つ当たりです…。私が勝手に恋をして、勝手に裏切られてフラれただなんて思って」

ことり「良い歳して、絵里ちゃんに酷いことを言っちゃって…」

あんじゅ(もしかして…この子)

あんじゅ「…」

あんじゅ「ねえ、ちなみに私の存在を気にしているのなら、謝るわ」

ことり「えっ?」

あんじゅ「私はもうあの人とは何もないわ。…まあ、と言うのもね。あの火事の日にすっぱりね♡」クス


海未(えっ…そんなことが…)アセ

ことり「えっと…」オロ

あんじゅ「ああ、もういいの。そこは本当にね」ニコ

あんじゅ「まあ、私の存在抜きにしても…絵里はちょっと…どうしようもないわよね、ほんと」ハァ

ことり「…あはは」

あんじゅ「どっちつかずと言うか…はっきりしないと言うか…そりゃことりちゃんが怒るのもしょうがないと言うか…」ブツブツ

790 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:48:53.34ID:iMuHtbez.net


791 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:49:30.87ID:iMuHtbez.net
海未「…あの、いいですか?」

ことり「?」

あんじゅ「ん?」

海未「別に、絵里の擁護を軽率にするわけではありませんが…」

海未「絵里には…以前ひどい失恋…と言うか、トラウマのような出来事がありまして」

海未「その方と、ことりは…どことなくよく似ています」

ことり「えっ…?」

ことり(なんだろう…それ。そんな話…初めて聞いた)

あんじゅ(…海未ちゃん)

あんじゅ「それは今のことりちゃんに関係ないでしょう。引きずってる絵里が悪いのよ」

ことり「えっと…」

海未「た、確かに別人ですが…人の感情と言うものは厄介です。特に…恋愛感情は」

海未「法では裁ききれませんし、人によって考えが異なります」

海未「私はようやく最近になって、それを理解出来ましたから」ハハ…

ことり「何があったんですか…?」

792 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:50:59.19ID:iMuHtbez.net
ことり(私は…聞きたい)

ことり(私は知らなきゃ、このままじゃやっぱり納得出来ないもん…)

あんじゅ「…はあ」

あんじゅ(知らないわよ〜もう)

海未「当時検事として二年目だった絵里が担当した事件がありました」

ことり「え、絵里ちゃん。検事さんだったんだ…」

海未「はい。女性が夜の街で強姦されたと被害届を出したことから始まりました」


海未「絵里はその被害者となっていた女性の担当検事になった後、そのまま恋愛的な好意を抱いてしまったわけです」

ことり「好きになっちゃったんだ…」

あんじゅ「あの絵里が騙されちゃったのよ。ま、相手も相当な玄人だったからね〜」

あんじゅ「その女、嘘をついていたのよ。本当は自分から誘い出して、そう言う現場を協力者に目撃させたわけ」

793 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:54:28.14ID:iMuHtbez.net
ことり「えっ…?!」

海未「確かに絵里はその当事者の男性を強制わいせつ罪の容疑者として裁いてしまいましたが…」

海未「その裁判からすぐ、被害者女性と目撃者の証言が嘘だったと言うことで、被疑者となっていた男性は釈放されています」

ことり「そうなんだ…良かった」ホッ

ことり「でも…どうしてその女の人はそんな嘘を…」

あんじゅ「慰謝料目当ての常習犯だったのよ」

ことり(いわゆる…美人局…?) ゾク

海未「絵里とも恋愛関係にあったそうですが、それも彼女を検事として利用していただけだったんです」

海未「絵里は結局彼女に会いに行ったみたいですが…その人は多分、捕まってなかったかと思います…」

海未「その時何があったかは私も知りません」

あんじゅ「ほんと…許せない」ハァ

あんじゅ (今だってのうのうと生きているんだもの…どうしようもないわね)

ことり(酷い…)

794 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:56:14.62ID:iMuHtbez.net
海未「虚偽告訴罪、または偽証罪として扱われたようですが…実際起訴はされなかったのだと思います…」

あんじゅ「まあその件があって、絵里は自分のやるべきことをやってから、すぐに検事を辞めたのよね…」

海未「はい」

ことり (絵里ちゃんに…そんなことが)

ことり (それで…)

ことり (あの時、あんなに悲しそうな目をしてたんだ…)ズキ

あんじゅ「まあ…シリアスはここまでね。それからが大変だったのよ?」

ことり「えっ?」

あんじゅ「絵里がふらっとどこかへ行っちゃったのよね…私たちの前からいなくなっちゃったのよ」ハァ

ことり「えっ、どこに行っちゃったんですか!?」

あんじゅ「さぁ…」

海未「探し当てるのに二年もかかりましたから」ハァ

795 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 20:58:57.54ID:iMuHtbez.net
ことり「ど、どこで見つかったの?大丈夫…だったの?」

海未「ええ。たまたま絵里が空港にいたところを、にこが見つけたんです」

海未「何をしていたのかは知りませんが、きちんと働いていたみたいですよ」

あんじゅ「亜里沙ちゃんへの仕送りはきちんとしてたみたいだし」

海未 (免罪を受けた男性へつい最近まで仕送りをしていたみたいですし…)

海未「…まあ、そんなところ…ですかね」

あんじゅ「ほんと、子どもよね」

あんじゅ「にこが飛行機で逃げようとする絵里を取っ捕まえた話は面白かったわね〜〜」クスクス

あんじゅ「にこはね、昔から色々と小さいのにかっこいいのよ♡」

ことり (にこってあの社長さんだよね、花見にいた)

海未「はぁ…まあいいです、それはまたで」

あんじゅ「それでその後に、にこが絵里を弁護士の世界にまた引き込んだのよね」

ことり「そうだったんだ…」

796 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:01:42.44ID:iMuHtbez.net
あんじゅ「海未ちゃんも、真姫ちゃんもかなり尽力したのよ」

あんじゅ「さすがよね♡」フフ


海未「まあ、私は…あまり甘やかすような言葉はかけられませんでした」

海未「当時は…恋愛でそんな風に真実を見抜けないまでになるだなんて、あり得ないと思っていましたから…」

海未「悪いのは恋愛にうつつを抜かした絵里だと…」

あんじゅ「…」

ことり「…海未ちゃん」

海未「言い訳になりますが、絵里を尊敬していたというのもあります。だから余計、腑抜けた彼女を見たくなかったのだと思います」ハハ…

あんじゅ「…良いんじゃない?優しい言葉だけじゃ、絵里は戻ってこなかったかもしれないし」

海未「…」

海未「あの事務所に絵里を甘やかすような人はいませんが…まあ、あなたは随分甘やかしてましたからね」チラ

ことり「…っ」ドキ

あんじゅ「あ、」

海未「…」ジッ

あんじゅ「…ふふ」

797 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:03:32.45ID:iMuHtbez.net
あんじゅ「そうそう。前置きが長くなったけど、そもそもその話がしたくて、ことりちゃんに会いに来たのよね」

ことり「…あんじゅさん」グッ

あんじゅ「余計な心配させたみたいだけど」

あんじゅ「私が絵里と交際をしていたのは絵里が戻ってきてからの、凄く短い期間よ」

海未(……)

海未(それでもあの時の絵里は、あんじゅのお陰で、随分明るくなりました)

あんじゅ「あのときね。私も好きじゃないし、絵里も好きじゃなくていいから、花嫁修業のつもりで恋人ごっこに付き合って下さいって」

あんじゅ「しつこくしつこく言ったのよね」フフ

ことり「…そうだったんですか」

あんじゅ「……だから、私はもう絵里と何もないわ。元々やり直せるだなんて思ってなかった。確かに…未練がなかったと言えば嘘になるけれど」

ことり(やっぱり…あんじゅさんも)

あんじゅ「さっきも言ったけど、あの火事の日にきっぱりと振られたから♡」ニコ

あんじゅ「今は、本当に、全然スッキリしてるわ」フフ

798 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:07:32.99ID:iMuHtbez.net


799 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:08:26.42ID:iMuHtbez.net
あんじゅ「それに、火事の日も絵里とそう言うことはしてないから、安心してね♡」ニコ

ことり「…ぅ…///」

海未「…///」

海未 (火事やらなんやら…知らぬうちに色々あったんですね…)アセ

ことり「…」

ことり(あの日か…私が絵里ちゃんにあった時には、じゃあもう…ふたりは)

あんじゅ「でも、絵里がまた人を本当に好きになるだなんて…思ってなかったのよ」

あんじゅ「だから…一番居心地の良い位置にいたけれど、あなたとあなたを見る絵里を見て、それもやめた」

ことり「そうなんですか?」

あんじゅ「ま。私もそんな器の小さい女のままじゃ、駄目だと思ったしね♪」

ことり「あ、あんじゅさん…」

ことり (…でも)

ことり「私…何も知らないからって、やっぱり私、絵里ちゃんに酷いことを言いました」グッ


ことり「多分…本当に、私、絵里ちゃんが好きだったんです」

800 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:11:38.55ID:iMuHtbez.net
あんじゅ「…」

海未「…っ」


海未「…えーと、ことり?///」

ことり「……え?」


海未「私達に想いを伝えられても、困ります…//」コホン

あんじゅ「ふふ。そうね、それはもうあなた達の問題だから♡」

あんじゅ「まあはっきりしない絵里も悪いと思うけどね」ニコ

海未「まあ、それは多いにありますね」

ことり「あ、……うう///」

海未「そうです。良い歳をした大人なのですから」

あんじゅ「障害が特にないって分かっただけ、随分楽じゃない?」

ことり「…はい」

海未「…ふふ」ニコ

あんじゅ「…はあ〜私もほんと歳ねぇ。人のこと構ってる暇ないのにぃ」ハァ

ことり (…そっか)

801 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:13:14.58ID:iMuHtbez.net
ことり (自分から踏み出す、変わる努力をしなくちゃいけなかったのは)

ことり (私も…そうだったんだ)

ことり「あの」

ことり「二人とも、本当に…ありがとう」キュッ

海未「…いえ、私はなにも。二人が無事で何よりです」

あんじゅ「いいえ♡」



あんじゅ「…あ!!!」パッ

あんじゅ「ねえ、ことりちゃん?」ニコ

ことり「?」

あんじゅ (それとは別に…ことりちゃんとはお仕事の話をしたいと思ってたのよね〜〜♡)ニコニコ

海未(不気味な顔してますね…)

802 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:14:45.64ID:iMuHtbez.net
海未「ことり、おかしな話に飛び付いてはいけませんよ!この人はすぐ金儲けに結びつける人ですから」

ことり「え、え?」アセ

あんじゅ「失礼ね〜〜そんなことないわよ、れっきとしたビジネスの話よ!」プン


ワイワイ

コンコン


「失礼します」

海未「え…」


「南ことりさんですね。お話し中の所申し訳ありませんが、少しお話を伺っても宜しいですか?」


ことり(え…?)

あんじゅ「警察…?」

〜〜

803 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:20:13.51ID:iMuHtbez.net
〜〜X年前〜〜


絵里『やっと見つけた…』ハァ ハァ

絵里『…どうして』

女性『…』ジッ

絵里『ど、どうして…連絡取れなくなったの?あれから…なにか、あったの?』

女性『…』クル

女性『ううん、絵里が心配するようなことは、ひとつも』

絵里『そう…』

絵里『じゃあ、なぜ』

女性『もう裁判は終わったわ。あなたと私には何も繋がりがなくなった。もう、終わりよ』

絵里『な…』

絵里『…どういう』

女性『ねえ、絵里。ひとつ聞いて良い?』

女性『ずっと聞きたかった』ニコ

絵里『え…な、なに?』

女性『絵里は誰かのことを本気で愛したこと、ないでしょう?』

804 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:21:58.23ID:iMuHtbez.net
絵里『え…』

絵里『な、…なんでそんなこと、聞くの?』

絵里 (私は…)

絵里 (私は…本当に、あなたのことが…っ)

絵里『私はっ』

女性『うん…多分、私のことは初めて本気で入れ込んじゃってるんでしょう?』

女性『そして…ごめんね。私は絵里のことを好きじゃなかった。私はあなたを騙していた』

絵里『』

女性『恋人だって言うのも、あなたには利用価値があったから』

絵里『…?』ズキ

絵里『…え?』ズキ

女性『あなたが検事で、私はその検事のあなたを利用したに過ぎない』

絵里『………利用……?』

女性『…』

女性『まさかここまで入れ込んでくれるとは、予想外だったけど』

805 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:23:26.63ID:iMuHtbez.net
女性『それは絵里がお人好しであるのと同時に、本気で恋をしたことが無かったからよね』

絵里『……っ』

女性『私はあなたみたいな人のことをよく知ってる。幼い頃から感じてた…あなたみたいな人気者で魅力的な人はね…私とは別世界の人間なの』

絵里『……?』

女性『感じてたもの…この人、無意識に色々な人から好意を寄せられてしまうんだろうな…って』

女性『ねえ、色んな人の行為をその気がないのにその場で受け入れて、傷付いている人が沢山いるって言うこと、理解してなかったでしょう?』


絵里『……そんなっ』


女性『自分は手を出していない、そんなつもりはなかった、自分は来るもの拒まず、なんて本当に都合の良い言葉よね。本気で絵里に恋をした人が今までどれだけ傷付いて来たか』


女性『私は、あなたと同じ事をあなたにしたまで』

絵里『……っ…』

絵里『そんな……私は』


女性『もう警察にも足がついてるし、逃げるつもりだから言ってしまうけど』

女性『絵里が裁いたのは、罪のないむしろ被害者だった男性よ』

806 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:25:44.66ID:iMuHtbez.net
絵里『……え?』

女性『私が話した事件のほとんどは嘘。強姦だなんて、むしろ私は他の人間と共謀して…彼をターゲットに企てた』

絵里『な、……嘘でしょう。あなたは、そんな人じゃない…っ』

女性『……』

女性『絵里に話した家庭事情やこれまでの経歴なんかは全てに本当。でも』

女性『あなたは私の何をしってる?実際、私の真意なんてひとつも見えていなかった』

絵里『……っうそよ』ジワ…

女性『嘘じゃない、私は犯罪者よ』

絵里『っ…!』ズキ

女性『…私は常習犯だから。生きていく為にこうすることしか出来ない私みたいな人間も世の中にはいるの』

女性『あなたみたいな恵まれた…何をしても上手くやれてしまう頭の良い人間には、分かるはずもないのだろうけど』

絵里『…』ポロ ポロ

女性『頭が良くても、恋ってのはね。一度脳をやられてしまったらマニュアルも教科書もなにも、通用しないのよ』

女性『それを逆手にとって、私達は生きるために、低俗に欲のままに弱者へと食い付いてくる奴らを標的に動いてる…』

女性『…』

807 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:27:51.46ID:iMuHtbez.net
絵里『…っ』

絵里『…やめて、もう。やめてよ…っ』

女性『事実は変わらない。絵里、私は犯罪者よ』


絵里『…っ!!!』グッ

絵里『…』

絵里(私は……なにも見えていなくて…)

絵里 (とんでもない、ことを…)カタ


女性『…』

女性『絵里と過ごしたのはたった半年程度だったけど、助かった。…本当に計画通り働いてくれたから』

女性『確かにあなたは法の世界において才能もあるし、技術だって、話術も飛び抜けてる』

絵里『……』

女性『でも、あなたは無意識に人を傷付けてる。その責任のない優しさでね』

808 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:29:15.95ID:iMuHtbez.net
女性『私には元々学も才能もお金だってなかったけど…』

女性『だからこそ、人の心だけは嫌でもこうしてよく見えてしまうのよ』キッ

絵里『……』

女性『恋は盲目って言うけれど、世の中にはあなた以上にタチが悪い、悪女もいるってこと』

女性『よく、…覚えておいた方がいいと思う』

女性『…』

絵里『…っ』カタ、カタ

女性『もう会うことはないと思う』ザッ

女性『私のことを警察に話すのは自由よ。ただ、私は絶対に捕まらないと思う』

女性『それに』

絵里『………!』

女性『あなたが私のことを訴えるなんて、出来ない。そうでしょう?』ニコ

絵里 (ああ……そう、ね)

809 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:29:31.38ID:M919ZjwO.net
男カワイソス

810 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:31:58.14ID:iMuHtbez.net
絵里 (私、全然彼女のこと、わかってなかったのね)


絵里 (でも私は馬鹿だから、まだ、あなたのことを愛しているもの)

絵里(訴えれるわけないじゃない)

絵里『…』

絵里 (何だか…もう何も考えられない)

スタスタ…

絵里 (心臓が…可笑しいくらい…悲鳴をあげてるわ) アハハ


絵里 (そうね。今まで…の…罰かもしれないわね)


絵里 (私は)

絵里 (真実を見抜けずに…)フラッ



絵里(無実の人を…裁いてしまった…)ゾク

〜〜

811 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:32:48.28ID:iMuHtbez.net
つづく

812 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:33:10.30ID:h+yHnheW.net
ことりちゃんの誤解も解けてめでたしかと思ったが…絵里ちゃんのトラウマ再燃してしまったのか?

813 :名無しで叶える物語:2017/05/12(金) 21:34:21.20ID:h+yHnheW.net
あぁ…こんな良いところで
おつです

814 :名無しで叶える物語:2017/05/13(土) 01:01:20.08ID:E0NSLzD0.net

再燃はないんじゃね?
それよりもことりがヤバそうな

815 :名無しで叶える物語:2017/05/13(土) 01:13:08.47ID:dKAqao6w.net
痴漢も冤罪結構あるんだろうな。
でも、この場合は目撃者が居たんだから、共犯と分からなければ有罪にしちゃうよなぁ・・・

816 :名無しで叶える物語:2017/05/13(土) 01:14:09.27ID:7PEo7GjA.net
ああ...すごく気になる...

817 :名無しで叶える物語:2017/05/13(土) 10:53:57.66ID:S9mtHRC8.net
ジッポの件でことりが自分を責めるような事が無ければいいけど…

818 :名無しで叶える物語:2017/05/13(土) 17:31:13.34ID:H4MbBGYz.net
保守

819 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 06:59:16.35ID:zBnWPwFv.net
保守

820 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 12:03:51.65ID:Nsh78DpR.net


821 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:27:10.14ID:COvXZEaq.net
〜〜

『絵里、私は犯罪者よ』


絵里(う…っ)

絵里(そんなわけ…)


「おねーちゃん!」


絵里「…ん」

絵里「は…っ」パチ


亜里沙「お姉ちゃん!…大丈夫??」

亜里沙「うなされてたよ…?」

絵里「あ、…亜里沙」

絵里(夢…か。なんでまたこんな…)

絵里「うん、大丈夫…ごめんね?わざわざお見舞い来てくれてたの?」ニコ

亜里沙「うん…にこさんに連れてきてもらったんだよ」コク

絵里「そうなの?後でお礼いわなきゃね」ナデナデ

822 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:27:51.87ID:COvXZEaq.net
亜里沙「うん。それで、今はことりさんの病室に…いるよ」

絵里「そ、そう。ことりの……」

絵里「…」(私も寝たり起きたりであれから一度も顔を合わせてないけれど)

絵里「ことりは無事なの…?」

亜里沙「うん!お姉ちゃんよりも起きてる時間は長いって、看護師さんが言ってたよ」ニコ

絵里「あ、はは。そう…」ホッ

亜里沙「…」チラ

亜里沙「あのね。お姉ちゃん。今ことりさんの所に、警察の人が来てるの…それで」オロ

亜里沙「証拠品のジッポ…ことりさんの」

絵里「え……」

絵里「…なに、それ…」

絵里「どうしてことりの元へ警察が来てるの…?」ガタ

亜里沙「お、お姉ちゃん。待って、安静にしてなきゃダメだよっ」アセ

823 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:29:08.63ID:COvXZEaq.net
絵里「放火にことりが関係してるって言うの…?どういうことよ」ガバ…


亜里沙「お姉ちゃん!落ち着いて。まだ勝手に起き上がったら…っ」グイッ

亜里沙 (どうしよう…)


絵里(やめてよ…何で、そんな)


ガチャ


にこ「亜里沙ー?帰るわよっ…って」

にこ「絵里!起きてたのね」ハッ

亜里沙「に、にこさん…、ごめんなさい。お姉ちゃんにことりさんのこと話したら」

亜里沙「ちょっと、取り乱しちゃって…」

絵里「…」ゾク…ゾク


にこ(真っ青な顔して…息も荒い)

にこ「…」

にこ「絵里、どうしたの」スッ

にこ「まだ安静にしてなさいって。点滴外れちゃうでしょう」ハァ

絵里「に、にこ…」

824 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:30:23.41ID:COvXZEaq.net
絵里「…ことりが…どうして警察に。なんで…あの子が…」

絵里「放火に…関わって、いたの…?」ブルッ

にこ「落ち着きなさい、そんなこと」

絵里「わ…」

絵里「私はまた、は、犯罪をーー」ジワ


にこ「絵里!!!!いい加減にしなさいよ!!!」グイッ


絵里「っ!」ポロ…

亜里沙(にこさん…!む、胸ぐら掴んじゃった…)アワアワ

にこ「…そんな事、あるわけないでしょ」

にこ「あんた弁護士のくせに、言葉も選べないの」キッ

絵里「…っ」グッ

にこ「馬鹿なこと考えるんじゃないの…あんた、あの子のことそんな風に思いたいの?」

絵里「…」

絵里「…そんな、わけ…ないわ」グス

にこ「…でしょう。それに、私が見ても誰が見ても、ことりは無実」パッ

825 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:31:30.11ID:COvXZEaq.net
にこ「あのジッポはことりが例のイベントで売り出して、あの男が購入した。それだけよ」

にこ「被害者の男はね、例の詐偽グループにお金を全部取られて会社をまるまる潰されたみたいなの」

絵里「!」(あの詐偽の…!)

にこ「自殺に追い込まれたのね…起きた騒ぎを考えると同情は出来ないけれど」

にこ「ただ…ジッポを調べたら、石が磨り減ってない状態だったらしいの」

絵里「え?…」

にこ「まだ詳しいことは分からないけどね。
ともかく、ことりは関係ないわ。むしろ放火に巻き込まれた被害者よ」

絵里「…そう」

絵里「…」ホッ

にこ「…」ジッ

にこ (絵里も突然どうしたのよ……ほんとに。あれから何年もこんなに取り乱すような事なかったのに…)

にこ(やなことでも、思い出したのかしら)

にこ「…」ハァ

826 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:33:13.71ID:COvXZEaq.net
亜里沙「お姉ちゃん、ごめんね…びっくりさせたよね」

絵里「亜里沙…」

絵里「私こそごめんね…?本当に迷惑かけて…格好悪いところ、見せちゃって」ナデ ナデ

亜里沙「…ううん」フル フル

亜里沙 (亜里沙は…お姉ちゃんが辛そうな顔を我慢する時が、一番つらいよ…?)


にこ「…」

にこ「絵里。あんた…あの時の彼女とことりとを重ねてしまってどうにもならないなら…」

にこ「今後ことりに関わるのは止めなさい。彼女にとっても失礼だし、迷惑な話よ」キッ

絵里「…」

亜里沙「に、にこさん…」

絵里(そんなつもりは…ないのに)

絵里(でも…確かに、にこの言うとおりなのかもしれない)

にこ「…」

にこ「ま。それで諦めるなら、その程度だったってこと」

827 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:34:39.43ID:COvXZEaq.net
絵里「……」

にこ「ほら、亜里沙。一緒に乗ってくなら、帰るわよー」カタ

亜里沙「あ…は、はい!」

亜里沙「お姉ちゃん。安静にしててね。亜里沙、また来るからね」

絵里「…うん」ニコ

亜里沙「…大丈夫だからね」

亜里沙「昔の事、亜里沙は分からないけど……お姉ちゃんはそんなに自分を責めなくても、良いんだよ…?」

絵里「…え」

亜里沙「皆、お姉ちゃんの味方だよ」ニコ


絵里(亜里沙…)

にこ「…」

にこ (ったく。まーたにこが一人悪者になっちゃったじゃない)ハァ

にこ(ま、しょうがないわね)

ガチャ
バタン

828 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:38:08.91ID:COvXZEaq.net


829 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:38:55.79ID:COvXZEaq.net
コンコン


絵里「…え」

海未「絵里。大丈夫ですか…?」ヒョコ

絵里「海未…来てたの?」

海未「ああ…顔色が良くありませんね。ゆっくり休んで下さい」

海未(にこに呼ばれてこちらに来ましたが…)

海未(あの人も素直じゃありませんね…本当は心配なくせに)クス

海未「絵里、…ことりの容態は、何も心配はいりませんよ」ニコ

絵里「…よかったわ」

絵里「…」


絵里「海未…私、またあの時の夢を見たの」

海未「えっ、あの時のって」

海未「…そうですか」

830 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:41:24.02ID:COvXZEaq.net
絵里「…まだ、夢に」ゾク

海未「絵里、私はもう良いんだと思います」グッ

絵里「…っ」

海未「そんなに難しい顔をしなくとも、あの時の事はそれはそれで絵里が変われた何かになったんじゃないですか」

絵里「…」

海未「実際、あの事件の男性は、もう絵里を許していると言ってくれています」

絵里「…」

絵里「…本当に、もう良いのかしら」

絵里「でも、このままだとまた自分のせいで、今度は本当に必要な人を失ってしまいそうで…」

海未「…ええ」

海未「充分悩んだじゃないですか…。だったら、もう良いんじゃないですか」

絵里「海未…」

絵里「…」

絵里「…あなたも、変わったわね」クス

海未「少なくとも私は、そう思っています」

海未「あの時絵里にかけた言葉を、私は希に出会って後悔しましたから…」

絵里「…そんなの。良いのよ」

831 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:42:44.07ID:COvXZEaq.net
海未「本当に、人は色々なことを経験して、色々な環境に恵まれなければ…人の気持ちを理解することが出来ないと言うことが分かりました」ハハ…


絵里「…その通りね」

海未「…私も」

海未「やっと私も父親に、面と向かって反抗をしてみようと思うんです」

絵里「あら…」クス

絵里「随分遅い反抗期ね」

海未「ふふ…仕方ありません。これは私の人生において重要な分岐点になるはずですから」

絵里 (海未も随分、考え方が柔軟になったわね…)

絵里(これも多分、希のおかげなのよね)

絵里「海未のお父様はきっと大丈夫よ。海未のことが大好きなだけで、話が分からない人ではないわ」

海未「だと良いんですが…」

海未「なんせ、話が話ですからね」ハハ…

832 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:43:55.39ID:COvXZEaq.net
海未「あと…仕事の話で言うと、実は相談したいこともあるんです」

絵里「仕事?」

海未「ええ。実はにこから…司法修習生の現場で教官をやらないかと…話を頂いてまして」

絵里「へぇ…!」

海未「まあ、まだ話だけなんですけど。また話を聞いて下さい」

海未「それから、事務所にも仕事が溜まり放題です」

海未(だから、ここでまた絵里にへこたれられては困るんですよね)

絵里「分かったわ…。呑気にこんなところで寝てられないってことね」アハハ…

海未「そうです」コク

絵里「…」

絵里「お父様との結果、楽しみにしてるわね」

海未「任せてください。絵里も容態が治ったら、自分の本当にやりたいことを、実行して下さいね」

833 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:44:39.06ID:COvXZEaq.net
絵里「…」

絵里「ええ」ニコ

海未 (ずいぶん穏やかな顔つきになりましたね…)

絵里「…」ウトウト

海未「…今日はもう。休まれたらどうですか」

海未「例のその夢は、終わりです。絶対に見ることはありませんから」

絵里「…ふふ。そうだと良いわね…」

絵里「少し、ねむるわね…」

絵里「…」


海未「…」

海未(さて、これだけ大口を叩いたら、後戻りは出来そうにも、ありませんね…) フフ

海未(私も気合いをいれなければ…)スタッ


〜〜

834 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:45:36.88ID:COvXZEaq.net
〜〜総合病院 ことりの病室〜〜


ツバサ「ーーーなので遺留品ね…これは。火を着けたのはもうひとつの別のものになると踏んでるわ」スッ

ことり「こ、このジッポ…」ドキ

あんじゅ「じゃあこれで火を着けたわけじゃないってこと?」

ツバサ「恐らくそうね。ケースに入ったままで、火をつけた痕跡がなく、いわば中は新品の状態だったの」

ツバサ「屋上にガソリンを撒いていたみたいだから、そこの電機盤を割ったか、倉庫の蛍光灯を割ったか…いずれにせよ、まだ調べは続いてるの」

ことり「そう、だったんですね…」


ことり (やっぱりあの人はあの時、思い詰めてたんだ…)

ことり(全然、気付くことが出来なかった)ゾク


あんじゅ「ことりちゃん、大丈夫?」

あんじゅ「変なことを考えてはだめよ」

ことり「は、はい」ニコ…

835 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:46:50.04ID:COvXZEaq.net
ツバサ「で、自宅で見つかった遺書には、あなたの事も書いてあったの」

ことり「遺書が…あったんですか…?!」

ことり(なら、あのイベントにはもう…命を落とすつもりで…)

ことり「…」ジワ

あんじゅ「…」

ツバサ「あなたの事だけは『他の誰も信用出来なくなった今でも、信用している。ことりちゃんと言うひとりの人間の生き方に惹かれた、大切な存在だから』と」

ことり「そんな…」

ツバサ「『でも自分の死を気にしてはいけない。大丈夫。来世でも必ずことりちゃんにお金を落としに行く、一番の客になるから』と。書いてあったわ」


ことり「…」ポロッ

ことり「なんですか…っ、それ。…わたし、来世でもホステス、やるかなんて…わからないのにっ」ボロ ボロ

ことり(死んじゃったら…来世だって、もう会えるかなんて、わからないのに…)ポロ ポロ

あんじゅ「ことりちゃん…」

836 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:48:17.01ID:COvXZEaq.net


837 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:48:50.90ID:COvXZEaq.net
ツバサ「あなたに伝えるかどうかとも思えたけれど、流石にあなたのことばかり書いていたから」

ツバサ (死んだ人の気持ちを代弁してやるのが、検事の仕事でもあるしね)


ことり「ありがとう、ございます」グス

ことり (あのお客様は…最後まで私のことを、応援してくれていた…っ)

ことり(私のジッポを、身に付けたまま…最後まで…)ギュッ

あんじゅ (凄いわね…ことりちゃん)

あんじゅ(普通だったら、恐ろしくて…耐えられないわ)


ツバサ「詐欺グループ以外にも色んな人があの人を追い回してたみたいでね。金銭以外にも何か企業データのような機密情報を欲しがってたみたいなんだけど…」

ツバサ「それもこれも全部綺麗に燃えて塵になってしまった……と言うわけ」ハァ

ツバサ「詐欺グループやその他の関わった人間も、まさか放火されるとは驚いたでしょうね。まあ、当人達には逃げられて、捜査はあやふやなままだけど」

ことり(そうだったんだ…)

あんじゅ「…ま、あの人は…本当に商才に関してはその業界でも一目置かれるほどに凄かったから……」

838 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:49:35.09ID:COvXZEaq.net
あんじゅ「色んな人が近寄って来ては、……裏切られ続けてたのかもね」

あんじゅ「…」

あんじゅ「て言うか!その悪いやつらって、捕まらないの?私も商売してる身分では無関係とは思えないんだけど〜?」ジッ

ツバサ「え、あんじゅなら大丈夫じゃない?」

あんじゅ「え?」

ツバサ「むしろあなたにまんまと喰われやしないかって、他の会社が怯えてそうだわ」クス

あんじゅ「ちょっとー!ツバサー!あなた昔からそうよね、ほんと言葉に思いやりがないって言うか!」プン

あんじゅ(頭良いくせに発言が自由すぎるのよね!変に自信あるし…ほんと)

ツバサ「大丈夫よ、何かあったら私に言えばいいじゃない」

あんじゅ「頼むわよ…全く」

ツバサ「ふふ」

ことり「…?」キョトン

ことり「あの、あんじゅさん達は…昔からの知り合いなんですか?」

839 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:50:32.09ID:COvXZEaq.net
ツバサ「ええ、そうよ」

あんじゅ「ツバサとは…高校が一緒だったの」ハァ

ことり「そうなんですか…っ」

あんじゅ「修習生の絵里にくっついてたら、何の因果かまた遭遇しちゃったわけ」

ツバサ「どうして嫌そうに言うのよ、失礼ね」クス

あんじゅ「高校時代から振り回されてきたからよっ。全く」

ツバサ「あんじゅは面倒見がいいから。じゃあ、ついでに今日この後ご飯でも行きましょうか?」ニコ

あんじゅ「え?」

ツバサ「何だか寂しそうな顔してたから。絵里にでも振られたの?」ニコ

あんじゅ「〜っ!!」

あんじゅ (ほんと、なんなのかしらこの人…変な所で勘が良いのが凄く腹立つ!)

あんじゅ「…もう。そんな急なの、行かないわよ〜?」

ツバサ「まあまあ。じゃ、予約しておくわね」

あんじゅ「ちょ、ちょっと!」

840 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:51:13.83ID:COvXZEaq.net
ことり「あはは…」

ことり(仲良さげだけどなあ…)


ツバサ「じゃ、お大事にね。南ことりさん」

あんじゅ「ええ。あ、それからまたお話しましょうね♡」

あんじゅ「今更だけど名刺どーぞ♡」スッ

ことり「わっ、あ、ありがとうございます」

ことり「あの…私は名刺がなくて。クラブのならあるんですけど…///」

あんじゅ「いいわよ。むしろ面白いからそっちをちょうだい♪」スッ

ことり「は、はい」

ことり(わ。ほ、ほんとにあの会社の社長さんなんだ…凄い)


あんじゅ「じゃあね、ことりちゃん」

あんじゅ「色んな意味で、私も応援してるからね」ニコリ

ことり「…!」

841 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:52:18.22ID:COvXZEaq.net
ことり「はい!」

あんじゅ「隣にはあの人の病室もあるし、寂しくなったら手っ取り早く駆け込んじゃいなさい♡」フフ

ことり「ぅぇっ…?!///」

ガチャ
バタン

ことり「…」

ことり (あのお客様にどんな辛い出来事があったのかは分からないし、私は気付いてあげられなかった…)

ことり(でも…ここで私がくよくよ落ち込むのも違うんだよね。あのお客様のことを忘れずに、あの人の分も強く生きていく)

ことり(それが…きっと)

ことり(きっと…)

ことり(私に出来る…ことのひとつ、かな)

ことり「お母さん、もう私。お母さんにばかり頼るの、やめる…よ」

〜〜

842 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 19:52:47.76ID:COvXZEaq.net
つづく

843 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 21:22:36.48ID:7sBBB0X4.net
おつ

844 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 21:54:51.98ID:Ju6fsBX7.net
男がどいつも可哀想すぎてすんげえ気になる
まさかこれが…恋?

845 :名無しで叶える物語:2017/05/14(日) 22:07:33.16ID:jncNKS12.net
あ…コッティ狙われフラグが立ちました
壮大だなぁ

846 :名無しで叶える物語:2017/05/15(月) 01:35:54.11ID:63sLljjS.net
傷心あんじゅにキッチリフォロー入れる辺りツバサもやり手だな

847 :名無しで叶える物語:2017/05/15(月) 02:10:05.39ID:8hI8sxTO.net
ツバサかっこいいな。さすが。

これで詐欺グループとことりに繋がりができたから、タラシ弁護士軍団が本気モードで対決か?

848 :名無しで叶える物語:2017/05/15(月) 14:50:59.95ID:GFobYi3R.net
ほしゅ

849 :名無しで叶える物語:2017/05/15(月) 19:58:07.60ID:YVmlR1tI.net
これこのスレで終わらんよな

850 :名無しで叶える物語:2017/05/15(月) 22:20:16.07ID:jH3z6BKG.net


851 :名無しで叶える物語:2017/05/15(月) 22:33:28.46ID:EW3NuQbn.net
>>849
次スレにいけばいいじゃないか

852 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 02:37:45.26ID:gmTYepSc.net
ホストクラブの話もスレまたいで続けたしな

853 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 15:02:35.62ID:2dXmQNK0.net


854 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:08:57.64ID:Xn4HTZSG.net
〜〜園田家 玄関前〜〜


希「…」

海未「…」ハア

希「やっぱり、今日はやめとく?」アハハ…

海未「い、いえ。そろそろ行きましょう。うだうだしてても仕方ありませんし!」スタ

海未「一応母には電話で事情を全て話してはいるんですが…」

海未「希こそ、平気ですか?心の準備だとか…」

希「あ、うん。うちは大丈夫よ」ニコ

海未「そ、そうですか…」

海未 (なんだか情けないですね…本当)


ガラッ


海未「!!!」ビク
希「!」

855 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:10:08.54ID:Xn4HTZSG.net
海未母「あら」ヒョコ


海未「…あ」

海未「お、お久しぶりです、お母様」

海未母「海未さん。こんなところでどうされたの。久しぶりねぇ」ニコ

海未「はは…」

希「は、はじめましてっ」ペコ

海未母「まあまあ、はじめまして」

海未母 (この子が例の…) ジッ

希「…」ドキドキ

希(め、めっちゃ見られてる!て言うかほんまに綺麗やし海未ちゃんそっくり!!)

海未母「…」

海未母「綺麗な方ねぇ〜、凄く綺麗」ニコニコ

希「えっ」ドキ

海未「ちょっ、お母様…//」アセ

856 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:11:26.44ID:Xn4HTZSG.net
希「と、東條希と言います」ホッ

海未母「希さん、宜しくお願いしますね…海未さんもえらく美人な方を捕まえたのねぇ…」シミジミ

海未「お、お母様…//」

希(普通に照れる…///)


海未母「これから海未さんを宜しくお願いしますね」ニコ

希「あ、はいっ」ペコ

希 (めっちゃ歓迎姿勢や…女性同士とか全然気にせぇへんお母さんなんかな…すごい)


海未母「希さん、早く上がってくださいな。ほら、海未さん。お父さんが待ってますよ」クス

海未「なんでそんなに嬉しそうなんですか…」ハア

海未母「だって海未さん全然家に帰ってこないから」

海未「すみません…それは」

海未母「まあそれはいいから、ほら二人とも上がって」ニコ

希「はい!」

857 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:12:30.92ID:Xn4HTZSG.net
ガラッ

スタスタスタ


海未父「海未」ノソ

海未「!!!」ビク

海未(い、いきなり…)

希 (おお…っ)

希(海未ちゃんパパ……ダンディやな)

希「は、はじめましてっ。東條希と言います」ペコ

海未父「…」ジッ

希「…」ドキドキ

海未父「……どうも、海未がお世話になっております」ペコ

海未「…」

海未 (お父様のこの態度…)

希「いえ、と、とんでもないです。おじゃまします」ペコ

希 (え?全然思ったより…優しいんやけど)チラ


海未父「早く上がりなさい」クル

スタスタスタ…

858 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:13:47.11ID:Xn4HTZSG.net
海未母「ふふふ」クスクス

希「えっと…」

海未「あれは…照れてますね」

希「えっ」ギョ

海未母「ええ、照れてるわねぇ。今朝起きた時からそわそわしていたし」

海未母「若い女の子なんて久しぶりに見たんじゃないかしら」

海未「絵里と真姫以外で連れてきて会わせたことはないですし…何より中学生でしたからね、絵里が来た頃なんて」

海未母「今回は恋人だもの。そりゃあ照れるわよ」クスリ

希「そうやったんですか…」

希(ちょっと怖そうな人やけど…やっぱりいい人そう) ホッ


海未「さて」フゥ

海未「ではさっそく、私が先に父へ話してきますね」

海未「…希は適当に寛いでいて下さい」

希「…うん!ファイトやで海未ちゃん!」グッ

859 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:15:31.41ID:Xn4HTZSG.net
海未母「希さん、一緒にお茶でもしましょう」ニコニコ

希「あ、はーい♪」クル

タッタッタ…

海未「…」

海未「何だか馴染むのが早いですね…うちの母は…」ハハ



〜別室〜

海未「ーーーーー…と言うわけなんです、お父様」ジッ

海未「…」

海未父「…」

海未父「…お前の言いたいことは分かった」フム

海未「えっ…」(アッサリ…)

海未父「家のことも元より無理に継がせる気はなかったからな。嫌々継がれても歴代の方に失礼だろう」

海未「…すみません」

860 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:18:03.88ID:Xn4HTZSG.net
海未父「まず私に謝る癖を止めなさい。そして彼女と暮らしていくのであれば、それなりの誠意を見せてもらわなければ、私は納得が出来ない」

海未「せ、誠意ですか?!」

海未「…」

海未父「女性同士で生きていくのは大変なんだ。お前が大丈夫でも彼女を幸せに出来なければその責任を持つ資格すらないんだぞ」

海未「…ぐ」

海未 (はあ…確かに正論ですが…そんなこと分かっています)ムス

海未「こうして話すだけでは駄目と言うことですか?」ジッ


海未父「…」

海未父「…私と剣道の試合だ」

海未「は」

海未父「私はお前に何かひとつでも良いから極めなさいと、教えてきたはずだ」

海未「た、確かに剣道は続けてきましたが…」

海未「それで…勝てば良いんですか?」

海未父「そうだな」

海未「…」

海未「あまり無理をされてはいけませんよ。もう還暦を迎えて…最近はもっぱら子供たちの剣道を眺めているだけなんですよね、聞きましたよ?」

海未父「…ぐ」

海未父「だ、大丈夫だ…余計な心配はするな」

海未父 (口だけが達者になりおって…)

861 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:21:41.46ID:Xn4HTZSG.net


862 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:22:13.13ID:Xn4HTZSG.net
海未「ええぇ…」

海未「…」ハァ

海未(…どうしましょうか…)フム

海未(出来れば怪我はさせたくないのですが…)

海未(希がかかっているとなると、思わず本気で父をやりにいってしまいそうで) ウーン


海未父「ほら、さっさと支度しなさい!」スク

海未「え!今からですか?!」

海未父「当たり前だろう。道具は一色揃えてあるから、早く来なさい」

海未「ほ、本気ですか…お父様」アセ


海未「仕方ありませんね…」スクッ

海未父「ふふふ…」

クルッ

スタスタスタ


海未「…」ジッ


海未(何だかどこか嬉しそうですね…ただ単に私で楽しんでいるだけなんじゃ)



〜〜〜

863 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:23:53.98ID:Xn4HTZSG.net
〜某レストラン〜


あんじゅ「ところで…」

ツバサ「ん?」モグモグ


あんじゅ「…なんでそんなに悠長なの?警察は何してるのかなって」

ツバサ「ああ…」モグ…

ツバサ「例のグループのこと?」

ツバサ「一応気にしてるのね、あなたも」クス

あんじゅ「もう、当たり前じゃない」

あんじゅ「身近な人間で何件も被害にあったんだから…当然よ」グビ

あんじゅ「金銭目当ての詐欺だけかと思いきや…人一人死んじゃってるのよ?」

ツバサ「そうね」グビ


あんじゅ「穂乃果ちゃんの件も聞いたわ。あれってどう見てもその手の人らの暴行、恐喝でしょう?」ハア

ツバサ「そうね」

864 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:25:29.09ID:Xn4HTZSG.net
ツバサ「高坂さんの件は、むしろあれで被害を軽減出来た方なのよ」

あんじゅ「なにそれ、どう言うこと?」

ツバサ「あの詐欺グループが動き始めたのは三、四年前のこと。警察だって呑気そうに見えるけれどね、一部の人間はちゃんと動いていたのよ」

あんじゅ「そうなの…?」


あんじゅ「て言うか…こんなこと私に話して良いの?」キョトン

ツバサ「まあ、あなたも狙われそうな人間の一人だからね」

ツバサ「下手に他言するような馬鹿な人でもないと思ってるから」

ツバサ (さっきは茶化してしまったけれど…あんじゅもターゲットに成りかねない)


あんじゅ「言い方がいちいちね、あなた」

あんじゅ「まあ…私は詐欺なんて絶対に引っ掛からないけど…?」フフン

ツバサ「そんなこと言ってる人が一番危ないのよ?」クス

あんじゅ「またそう言うこと言って〜…!」

865 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:26:56.58ID:Xn4HTZSG.net
ツバサ「実はね…その詐欺グループにひとり信頼出来るこちらの人間を忍ばせてるのよ」ニコ

ツバサ「三年前からね」

あんじゅ「え…?!」

あんじゅ「そんなこと…あるの?」

ツバサ「あるのよ」

ツバサ「私の独断だけどね。まあばれたら私の立場もどうにかなってしまうとは思うけれど、その時は…」

ツバサ「きっと悪人は全員捕まっているはずよ」ニコリ

あんじゅ「何でそんなこと…」

ツバサ「何としてでも捕まえるためよ」

ツバサ「…三年前に絵里が検事として最後に担当した誤認逮捕の事件ね。あの時絵里を陥れたあの女こそ、今の主犯核となっている人物なの」


あんじゅ「え…!?」カタ

あんじゅ「嘘でしょう…?!」

866 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:29:12.12ID:Xn4HTZSG.net
ツバサ「世間って案外狭いわよね」クス

ツバサ「もちろん私は今まで全くその事件は知りません、みたいな顔をしてたけれど」

ツバサ「ずっと影で探ってはいたの」

あんじゅ「…そうなの」

ツバサ「私はあの事件が起きた時に決めたのよ。その女を絶対に刑務所にぶちこんでやろうって」

あんじゅ「そんな…」

あんじゅ (きっとツバサは…自分と常に同等の位置で競いあってた絵里がそんな形でいなくなってしまったのが)

あんじゅ(プライドが許せなかったのね…絵里とは決着がついていない分も、悔しかったのね)

あんじゅ(どこの戦闘民族よ…)


あんじゅ「…で、どうなの。そのスパイとやらは順調に成果をあげてるの?」

ツバサ「ええ」ニコ


ツバサ「今回の放火事件のおかげでぼろがでたと言っても良いわね」

ツバサ(無くなった例の社長さん、随分詐欺グループについての手掛かりを残しておいてくれてたのよね…)

ツバサ(彼らの欲しいデータは全部、私達警察がすべて回収させてもらったから)フフ


ツバサ「多分、時間の問題かしら」グビ

ツバサ「芋づる式で捕まえていくわ」

867 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:30:12.66ID:Xn4HTZSG.net
あんじゅ「ほんとなの〜?」アセ

ツバサ「ただ、変に勘違いをされているとしたら…やっぱり南さんの身の危険が少し心配ね」

あんじゅ「え?」

ツバサ「奴等がもしも南さんと社長さんが深い関係にあったと勘違いをしたとすれば、必ず南さんを何かしら狙う筈よ」

あんじゅ「ちょ、ちょっと…それマズイんじゃ!」

ツバサ「まあ、だからとりあえずしばらくは入院しててもらうことにしてるの。病院にも警官や機動隊を張り付けておくし」

あんじゅ「そう……」

あんじゅ「今度ことりちゃんに何かあったら、絵里は何するか分からないもの…しっかりしてよね」

ツバサ「…フラれたのに健気ね」

あんじゅ「別にそんなんじゃないわよ。でももう今更他人とは言えないもの」

ツバサ「まあそうよね」ニコ

868 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:32:11.38ID:Xn4HTZSG.net
ツバサ「ちなみに西木野さんいるでしょう」

あんじゅ「?」

ツバサ「彼女が一人幹部らしき人物を捕まえて刑務所に送り込んだらしいわ」

ツバサ「どんな手を使ったかはわからないけれど」フフ

あんじゅ「そうなの!?…へえ」

あんじゅ (真姫ちゃん、きっと穂乃果ちゃんの件で大事な穂乃果ちゃんに手を出されたことでプッツンきてたのね…)


ツバサ「ふふ」グビ

ツバサ (園田さんには教官を引き受けてもらえるかもと言う話だし)

ツバサ「あの弁護士三人は本当に面白いわ」

ツバサ「上に矢沢さんがつくことでより上手くバランスが取れてるわよね」クス

あんじゅ「あら、絵里には検察側に戻ってきて欲しかったんじゃないの?」

869 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:35:02.02ID:Xn4HTZSG.net


870 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:35:45.56ID:Xn4HTZSG.net
ツバサ「ふふ。まあ、弁護士としての絵里も中々面白そうだし…」

ツバサ「今度は法廷で勝負してみたいなって」ニコ

ツバサ「あと他の三人もね」ニコ

あんじゅ(めちゃくちゃ笑顔…)


あんじゅ「あなたはよく分からないわね…はは。頭痛い…」ハァ

ツバサ「…」

ツバサ「飲み過ぎじゃない?」

あんじゅ「違うわよ!//」

ツバサ「とにかくまあ、良い流れなのよ…」クス

ツバサ「大丈夫、あんじゅは守ってあげるから」ニコリ


あんじゅ(大丈夫なのかしら本当に…)


〜〜

871 :名無しで叶える物語:2017/05/16(火) 23:36:24.78ID:Xn4HTZSG.net
つづく

872 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 00:17:43.65ID:Ma+Ma6C6.net
海未パパ娘と剣道したいだけだろ
可愛いとこあるな

873 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 00:20:09.07ID:EJaTNdhm.net
あつおつ

874 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 02:26:21.09ID:r/VOaf1B.net
キャラがキチンと確立してて会話のテンポが良い感じ
表情とか浮かんでくる

875 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 14:24:54.24ID:nkrreEYj.net


876 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:04:21.69ID:JEZk+5Px.net
ほしゅ

877 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:07:42.80ID:4BXjHF6j.net
〜〜〜

〜〜〜X年前〜〜〜


ことり『おかあさんっ、おかあさん。あのね…』

南母『ん、ごめんね…ことり。お母さんこれから仕事行ってくるから』スクッ

ことり『あ…』

ことり『う、うん…いってらっしゃい』シュン


南母『お利口さんにしてるのよ』ナデ

ことり『うん…おかあさん、どれくらいにかえってくる?』

南母『ことりが良い子にしてたら、すぐに帰ってくるからね』

ことり『わかった。ことり、いい子にしてる…っ』コク

南母『ふふ、じゃあね』


ガチャ
バタン…


ことり『いい子に……』

878 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:08:54.49ID:4BXjHF6j.net
〜〜


南母『ことり、今日から主張でしばらく帰れなくなるから。鍵はしっかり閉めて留守番頼んだわね』

ことり『うん…』

ことり『あっ…お母さん、あのね…ことり。この間中学校の試験でね、満点だったんだよ』

南母『そう。偉いわ、ことり』

南母『一生懸命勉強するのよ。勉強して、そのまま今の学校の大学に入るの』

ことり『…うん』

南母『そうして安定した職につけば、何も困ることはないわ』ニコ

南母『じゃあ、仕事行ってくるわね』

ことり『…あ』

ことり『お母さん、今回も…遅くなりそうなの…?』

南母『…ことりがお利口さんにしていれば、すぐに帰ってくるからね』

879 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:10:20.25ID:4BXjHF6j.net
南母『…ふふ。ことりがお利口さんにしていれば、すぐに帰ってくるからね』

ことり『うん…大丈夫だよ。分かってるよ』

ことり『ちゃんといい子にしてるから、必ず帰って、きてね…っ』グッ

南母『ふふ…じゃあね』

ガチャ

〜〜
〜〜〜


南母『もしもし?ことり?』

ことり『もしもし……っ』

ことり『…』

ことり『ご、ごめんなさい…うっ、…ごめん、なさい。お母さんっ…』グス

ことり『わたし、仕事辞めちゃって…』

南母『…そう、辞めてしまったのね』

ことり『ごめんなさい…っ、お母さんの言うとおり、できなくて…』

南母『泣かないのよ。それはもうしょうがないわ』

ことり『いい子に出来なくて…っごめんなさい』

ことり『ごめんなさいっ…ぐす…ごめんなさい…っ』

ーーー
ーー


880 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:12:03.80ID:4BXjHF6j.net
〜〜

〜総合病院 ことり病室〜


絵里「ことり…?」

絵里 (泣いてる……) ギュ

絵里 (眠ってる間くらい手を握っても…怒られないかしら…) ギュッ…


ことり「…」グス グス

絵里「………やめてよ、泣かないでよ」ゴシ ゴシ


ことり「……ん」

ことり「……」ハッ

ことり「……ぁ」

ことり (絵里ちゃんが…隣に座ってる…) チラ


絵里「ご、ごめんなさい。勝手に病室に入ってきて…」パッ

ことり「ううん…」

ことり (今、手握っててくれたの…?) ドキ

絵里「大丈夫…?うなされてたわ。何か怖い夢でも見たの…?」

絵里 (話をしようと思って覗きに来たら、凄くうなされてたから…)

ことり「ううん…ちょっと」

881 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:12:54.60ID:4BXjHF6j.net
ことり「…」ハッ

ことり「あ、あの…絵里ちゃん」

絵里「?」

ことり「…あの時、助けてくれてありがとう…//」

ことり「あんなに私が酷いことを言ったのに…」

絵里「…」

絵里「ううん」フル フル

絵里「どちらも当然のことよ…」

絵里「それに、助けられるかどうかは別として、ことりを置いて自分だけ助かるだなんてこと…出来なかったもの」

ことり「…」

ことり (それは…どういう意味に、捉えたらいいんだろう)


ことり「…」

絵里「…」

882 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:14:23.88ID:4BXjHF6j.net
ことり「でも、もう危ないことはしないでね」

絵里「ええ…でも、それは」

絵里「お互い様な気もするけどね…」クス

ことり「うん、そうかも…」クス

絵里「…」

絵里「ねえ、どうしてそんなに荷物が大事だったの?」

絵里「…もし嫌なら答えなくていいのだけれど」


ことり「ううん…平気だよ」

ことり (絵里ちゃんには…もう言えるような気がする)

絵里「…」

ことり「えっと…」

ことり「幼い頃からお母さん、仕事で家を空けることが多かったの。私お母さんがいなくてすごく、寂しくて」

883 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:15:18.63ID:4BXjHF6j.net
絵里 (お母さん…あのときも確か言ってた…)

ことり「だから、お母さんにいつ帰ってくるの?ってよく聞いてたの」

絵里「ええ」

ことり「そしたらね、お母さんがいつも『お利口さんにしてたらね』って…言ってて」

ことり「私はそれをずっとずっと…馬鹿みたいに守ろうと必死だったの」

ことり「そうすればお母さんはずっと私といてくれるのかなって。思春期になってもそれが抜けなくて」

絵里「そう……」

ことり「お母さんの言うとおりに学校に入って、就職もお母さんが言うならって…」

ことり「でも、せっかく入った大企業をやめてしまった時…初めてお母さんとの約束を破ってしまった気になっちゃって…」

ことり「何回もごめんなさいって…」

絵里「…それでもお母さんは、許してくれないの?」

884 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:17:54.21ID:4BXjHF6j.net


885 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:18:25.29ID:4BXjHF6j.net
ことり「…ううん」フル フル

ことり「今思えば、お母さんが無理に私に強いることって…無かったんだとおもう。あまり会話がなかったから、分からないんだけど…」

ことり「でも…仕事を辞めて、…すぐにお母さんが病気で亡くなってしまって…」

絵里「…っ」


ことり「だから…私が好き勝手なことをしたせいなのかなって…私がいい子にしていなかったから、って」

ことり「凄く、罪悪感と…後悔が残ったの」

絵里「ことり…」

絵里 (そうだったの…ね)

ことり「…うん、でもね。一人になってから、穂乃果ちゃんがずっと励ましてくれて、あのお店にもとりあえずお金の為にやってみたらって誘ってくれたんだ」ニコ


絵里「そう。穂乃果が…」

886 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:32:33.24ID:4BXjHF6j.net
ことり「それで…ふとした時に、昔お母さんが家庭科の時に作ったお洋服やアクセサリーを誉めてくれたことを思い出してね」

ことり「趣味の一環で始めたのが…今のこれだよ」

絵里「趣味の程度が…凄い。本当にあなたには才能があったのね」

ことり「あはは…まだまだだと思うけど」


ことり「…だから、お母さんが小さい頃にプレゼントしてくれた刺繍セットを、いつも大事な時には持ち歩いてるの」

ことり「御守り…みたいなものかな」

絵里 (それでことりは逃げもせずにあれを取りに…戻ったのね)

絵里「そう…」


ことり「今まではこれも全部お母さんの為にって、やってるような所があったの。罪悪感…と言うか、罪滅ぼしのような…」

ことり「でも、やっていく内に色んな人に声をもらって…今回もイベントでたくさん声をもらって」

ことり (VIPのお客様の言葉も…)

ことり「お母さんの為に…って言うのは、少しやめてみようかなって思うようになったの」

887 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:33:11.90ID:4BXjHF6j.net
ことり「まだあの頃のお母さんの夢はたまに見ちゃうんだけどね…」ハハ…

絵里「!」

ことり「自分のやりたいことを始めたはずなのに…これじゃあいつまで経っても違うのかなって」

ことり「…だから、助けてくれてありがとう…絵里ちゃん」エヘヘ

ことり「私まだ、やりたいことが沢山あるの…」ニコリ

絵里「……!」ドキ

絵里「うん、良かった…本当に」

ことり「だ、だから…ごめんね」オロッ

ことり「私、絵里ちゃんに酷いこと言ったけど…」


ことり「縁がないなんて、思いたくない。もう関わりたくないだなんて、うそだよ…」グッ

絵里「え…っ?」

絵里「ことり…」

888 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:34:39.49ID:4BXjHF6j.net
ことり「私頑張るから、それをちゃんと絵里ちゃんだけには…ちゃんとまだ見ていてもらいたいの…//」


絵里 (ことり…)

絵里「…」

絵里「うん。やっぱりことりは、本当に素敵だと思う…」ハァ

ことり「え…?//」

絵里「…私はあなたのそう言うところに、惹かれたんだと思う」

ことり「えりちゃん…?」ドキ

絵里「一人でもひたむきに頑張っている所も、しっかりとした足取りで美しく生きている所も、……少し嫉妬しやすい所も」

絵里「信じてもらえないかもしれないけれど……そんなところ全部を含めたあなたが、私は…好きよ」



絵里「ふふ…//」テレ


ことり「え、えりちゃん……///」カァッ

889 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:37:09.02ID:4BXjHF6j.net
ことり「えっと…//」

ことり「……///」プシュゥ…

絵里「あはは……ごめんなさい、さすがにいきなりすぎたわよね…」

絵里 (つい言ってしまったけど…ここ病室だったわね…個室で良かった) ハハ

ことり「う、ううん…ビックリしただけ」

ことり「…」

ことり「そ、それって…そう言う意味で捉えて良いの…?」

ことり「……」

ことり 「ごめんね、海未ちゃん達から…昔の話を少しだけ聞いたの。絵里ちゃんは人を愛することが…怖くなったって…」

絵里「……!」

絵里「そうだったのね…何だか恥ずかしいわ、情けない話だから」

ことり「そんなことないよ」フルフル


ことり (でも、確かに学生でもない私達みたいな歳の恋は…難しい)

ことり (私や絵里ちゃんみたいな性格の人なんて、特にそう)

890 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:38:53.42ID:4BXjHF6j.net
絵里「…」

絵里「でも…うん、確かに怖いわ」

絵里「ただ…私もことりみたいに、変わっていかなきゃいけないのよ」

ことり「…うん」

絵里「多分ここでことりへの気持ちを抑え込んでやり過ごしたら、今まで以上に後悔すると思うのよ」ハハ…

ことり「……絵里ちゃん//」

絵里「…」ドキドキ


絵里「で、でもね。そう言う恋人だとかの関係にすぐなりたいからって言ったわけじゃないの」

絵里「ただ、気持ちは伝えたくて。信用してもらいたいから。だからゆっくり」

ことり「えっ」

絵里「えっ」

ことり「…や、やだ」

絵里「え?」

891 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:40:42.07ID:4BXjHF6j.net
ことり「私たち、恋人に…ならないの?」

絵里「え…?!でもことりは…」

ことり(えっ、やっぱり伝わってないの…?ホテルでも少し言ったのに…) ガーン

ことり(本当に鈍感なのかな……)ジッ

絵里「…?」オロ

ことり「わ、私はもう結構前から絵里ちゃんに恋してるよっ」

ことり「好きじゃなきゃ、泣いてあんな酷いこと言わないよ…」

絵里「えっ…本当に?本当に…良いの?」ドキ ドキ

絵里「でも、ことりはあのお店のトップホステスだから…私刺されないかしら」

ことり「ええぇ…それは」

ことり「分からない、けど…」

892 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:44:39.80ID:4BXjHF6j.net


893 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:45:35.51ID:4BXjHF6j.net
ことり「でも。うん…ことりは、ちゃんとお付き合いしたいかな」ハハ…

ことり (それに、じゃなきゃ絵里ちゃんすぐどこかへ行っちゃいそうなんだもん…)


絵里「…!」


絵里 (ど、どうしよう)ドキ ドキ

絵里 (叫びたいくらい嬉しい…)グッ

絵里(〜〜〜〜!!)バタバタ

ことり「…大丈夫?」

絵里「うん…ちょっと、ダメだわ…」

絵里「嬉しくて…うん、そうね、もう刺されても死んでも良いかも…///」ハァ

ことり「ええ!だ、だめだよっ」ピィッ

絵里「は〜…」ニコニコ


ことり (絵里ちゃんが言うと冗談にならないなぁ)


ことり (でもどうしよう)

ことり (私も良い歳して…めちゃくちゃ舞い上がってるよ〜〜…//)


〜〜〜〜

894 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 20:48:00.04ID:4BXjHF6j.net
つづく

895 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 23:16:42.67ID:etYdLLH3.net
ようやく結ばれたか

896 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 23:44:02.19ID:hLAI1XPr.net
俺も叫びたいくらい嬉しい

897 :名無しで叶える物語:2017/05/17(水) 23:58:47.25ID:pIFeXCHG.net
ちゅんちゅはいつですか?(ゲス)

898 :名無しで叶える物語:2017/05/18(木) 02:44:31.84ID:bBzn9M1O.net
タラシのくせに鈍感・・・ことり苦労するな
ことりを手に入れたから絵里のやる気全開になって詐欺集団壊滅フラグ立ったね

899 :名無しで叶える物語:2017/05/18(木) 19:52:40.68ID:UePjRwmB.net
でもラスボスが…絵里ちゃんにとっては強敵だよな

900 :名無しで叶える物語:2017/05/18(木) 23:51:59.86ID:kCjybyUn.net
保守

901 :名無しで叶える物語:2017/05/19(金) 00:06:29.19ID:p/zozG7d.net
ことえり長かったけどようやくやな

902 :名無しで叶える物語:2017/05/19(金) 11:14:04.52ID:NLNyDnk2.net


903 :名無しで叶える物語:2017/05/19(金) 23:30:46.25ID:afcbhmFE.net


904 :名無しで叶える物語:2017/05/20(土) 05:15:29.18ID:bfgmqAmD.net


905 :名無しで叶える物語:2017/05/20(土) 07:39:30.29ID:ooMwXg8z.net


906 :名無しで叶える物語:2017/05/20(土) 09:37:25.05ID:SZfgqi1c.net


907 :名無しで叶える物語:2017/05/20(土) 14:12:39.97ID:OtthMrPo.net


908 :名無しで叶える物語:2017/05/20(土) 17:22:20.53ID:R/MQ0C0j.net


909 :名無しで叶える物語:2017/05/20(土) 21:19:10.26ID:GxhCAsh8.net


910 :名無しで叶える物語:2017/05/20(土) 21:54:30.64ID:3vfX8N9W.net


911 :名無しで叶える物語:2017/05/20(土) 22:14:21.80ID:oBYw70r8.net


912 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 00:10:28.84ID:Rj1jCsRQ.net


913 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 03:11:33.26ID:fmYODa9z.net


914 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 04:21:49.10ID:OQQtlaN2.net


915 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 05:06:58.68ID:FZqqW2OC.net


916 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 09:23:00.26ID:EH7oBibj.net


917 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 09:26:37.24ID:sJT+Kpdo.net
阻止

918 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 12:55:43.53ID:Xvmb/S/c.net


919 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 18:44:41.72ID:a1NRPZ6e.net


920 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 20:18:03.91ID:/2Np5TXW.net
そろそろ次スレかな

921 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:07:14.24ID:jOrmIqlw.net
〜〜園田家道場〜〜


コソッ
スタスタ…


海未母「あらあら。あの二人まだやってるわねぇ…」フフ

希「もう二時間はバシバシやってますよね…あはは」

希「大丈夫かな海未ちゃんも…海未ちゃんのお父さんも」

海未母「大丈夫よ。海未さんに敵うわけないのにねぇ、今のお父さんが」

海未母「けじめもそうだけど…」

海未母「お父さん、海未さんの事が大好きだからね。けじめだとか言いつつこうしてまた子供の頃みたいに剣道がしたかったのよ」

希「そうですか…」


希(そう考えると……)

希 (うちが来たことで安易に道場を継がないって言う話も……なんか、申し訳ないな…)

希 (海未ちゃんの家庭にはちゃんと海未ちゃんの家庭の歴史があったんやから…)

希 (それをうちが…) ズキ

922 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:07:54.81ID:jOrmIqlw.net
海未母「…」チラ

海未母「希さん、気にすることはないのよ」

希「あ、すみません…はは」

海未母「希さんと海未さんには二人の新しい生活を作っていく権利があるのだから」

海未母「親って言うのは、子どもがしっかりと自分の道を決めて幸せに生きてくれることが、一番の望みなのよ」


希「……!」


希「なんか…」

希「こんな話、してもらったことないから…凄く嬉しいです」エヘヘ…

海未母「そうなの…?」

希「うち、家族があんまり仲良くないと言うか…早くにうちも一人立ちしてしまって」

希「親にあんまり誉められたことも、逆に怒られたこともないんです」アハハ…

海未母「…そうなのね」

希「両親が全部悪いんやないと思います。大人だって一人の人間です。余裕がなければ、出来ないことだってあったと思うんです」

923 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:09:20.61ID:jOrmIqlw.net
希「両親は常に生活の為に働き詰めで…うちはその親が稼いだお金で大きくなったんで、感謝せなあかんくらい」フフ

海未母「そう」コクリ

海未母 「良い子ね。海未さんにはしっかりとその辺の懐の深さを教えてあげて下さいね」ニコリ

希「え…いやいや、そんな///」

海未母「希さんもうちにいつでも遊びに来て良いのよ。もう家族なんだから」


希「え…」

希 (か…家族、か)

希 (家族とか…めっちゃ、嬉しい…な)


海未母「それよりあの子は真面目なクセに、いざと言うときちょっと弱気な所があるからねぇ、そこが心配ねぇ」フフ

希「あー…確かにちょっと、そうかもですね」ハハ…

希「あ。でも、海未ちゃんめっちゃ格好いいんですよっ」

希「何か問題が起こっても真面目やから絶対めちゃくちゃなことせんし…振り向けば絶対後ろにおって、文句言いながらも皆を助けてくれるんです」

海未母「そう」ニコ

924 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:10:20.16ID:jOrmIqlw.net
希「その真面目さに、うちは凄く安心するんです…」

希「…」

希「…///」ハッ


海未母「若いって良いわねぇ…素敵だわ」ニコニコ

希「あ〜〜…すいません…///」


希(恥ず……恋人のお母さんにノロけるとかあほやん!)

海未母「いいのよ。海未さんも良い人と出会えたのね」

希「…あはは、嬉しいです」

海未母「でも、最近実家に帰ってこないと思ったら、そう言うことだったのねぇ」

希「…」

希 (最近は特に色々ありすぎたから…火事の真相やらストーカー事件とか知らないんやろなぁ…)

925 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:11:59.09ID:jOrmIqlw.net
バシ! バシ!
カンッ カンッ


海未父「はぁ…はぁ…こんなものか、まだまだだな、海未!」ゼェゼェ

海未 (いやいや、息がすごく切れてますが…)

海未「お父様、もうやめましょう」

海未「どう考えても私が…」

海未父「ならちゃんと、とどめをさしなさい」ハア ハア

海未「お父様に…一本なんて、取れません」

海未 (例えどれだけ私が強くなっても、そんなことは一度もしたことがありません…っ)

海未 (何となく、それをしてしまったら…)

海未(私がそんなことをしていいものか…)

海未父「そんな風に相手の気持ちを考えて消極的になるから、いつも肝心な所で後悔するんじゃないか」

バシ!

海未父「弁護士がそれでいいのか」

海未「…っ」

海未父「法廷では人の人生や命がかかってるんだぞ。弱い人間に人の弁護は出来ないだろう」

926 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:13:16.16ID:jOrmIqlw.net
海未「私は…っ」

海未「人の気持ちが分かる弁護士でありたいんです…お父様にそんな事いわれたくありませんっ」

海未父「…」

海未父「…私から一本も取れないようでは、希さんがいざとなった時頼りないことこの上ないと思うが?」


海未「…っ」

海未父「…お前は本当に情に弱い。そんなことだから、爪が甘いと言われるんだ」

海未「…ぐ」タジッ

海未「…この勝負は見えています。もう降参して下さいっ」

海未父「ダメだ、降参なんて言葉使うんじゃない。ちゃんとけじめはつけなさい」

海未(けじめ…ですか)

海未「…」ジッ

海未父「…」

海未父「人の気持ちが分かりたいと言っていたくせに、お前は私の気持ちが全然分かってないな…」フフ

海未「え…」

927 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:15:13.32ID:jOrmIqlw.net

海未母「ふふふ。海未さんは昔から変わってませんねぇ…」

希「…」ハラハラ

海未母「小さい頃はずっとお父さんに引っ付いている父っ子でしたから」

希「そうなんですか?」

希 (何か想像するとめっちゃかわいいな)

海未母「そもそも、お父さんのまわりをウロウロしているうちに剣道をやりたいと行ったのは幼い頃の海未さんですから」ニコ

希「へぇ…」クス

海未母「そんなお父さんを自分が越えて一人立ちしてしまったら…と可笑しな迷いがでてるのでしょうね」クス クス


希「海未ちゃん…」

希(うん…)


希「…」グッ



希「海未ちゃーーーん!」クワッ

928 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:17:20.25ID:jOrmIqlw.net
.

929 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:19:25.52ID:jOrmIqlw.net
海未「の、希?」ハッ

希「しっかりせーーーーい!!!!」クワ ッ

希 (なんでパパママの気持ち汲んでやれへんのー!せっかくこうして機会を作ってもらってるのに…!)

海未「の…希!」

海未「…!!!」グッ


海未父「ふふふ…」

海未母 (素敵な子ね…)ニコ



ーーーースパンッ



希「あっ…」

希(一本入った…)


海未「…」
海未父「…………」ニッ


希(こんなにアッサリ…はは)

930 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:20:39.74ID:jOrmIqlw.net
海未母「はい、ようやく終わったわねぇ」

海未母「さあ、ご飯にしましょうか。希さん、行きましょう」ニコ

希「えっ!?…あ、はいっ!」ソソ


海未「…すみません。お父様」

お父様「だからその謝る癖を止めなさい」フゥ

お父様「負けてしまったのであれば…約束通り、私はもう何も言わんよ」

お父様「ふふ」


スタスタスタ…


海未 (お父様、楽しそうに、笑っていました…)

海未(知らない間に随分柔らかくなったんですね…父も)

海未「…」

海未 (何だか色んな肩の力が抜けたような…)

海未(希に助けられました…まだまだですかね、私は)ハハ

〜〜〜

931 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:22:31.55ID:jOrmIqlw.net
〜数日後〜


ツバサ「もしもし」

ツバサ「…英玲奈?」クス

英玲奈『ああ』

英玲奈『ここもそろそろ潮時だ』

ツバサ「こちらもようやく火事の被害者の死因が特定出来たところよ」

英玲奈『そうか。予想通りだろう』

ツバサ「ええ」

ツバサ「撲殺ね」

英玲奈『そうか。こちらもかなり準備は整っている。内部もやや焦りが見えているな』

英玲奈『恐らく放火も殺人も、内部にとって予定外の出来事だったんだろう。幹部が突然一人居なくなってしまったこともあるが…』

英玲奈『まったく。その西木野真姫とは何者なんだ』

ツバサ「あそこの事務所の弁護士だからね、信頼出来るの。大丈夫よ」

ツバサ「おもしろいでしょう?」クス

932 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:23:35.87ID:jOrmIqlw.net
英玲奈『弁護士か…法律スレスレのことをやってのけるだけはあるな。恐ろしい限りだ』

ツバサ「そうね」クスリ


ツバサ「それにしても、主格の例の女。殺しに手を染めるだなんて…あまりの大金に目が眩んだのかしらね」

英玲奈『さあな』

英玲奈『殺害された社長には色仕掛けが通用しなかったんだろう。案外それに腹を立てた…なんてくだらない理由かもしれないな』

ツバサ「ありうるわね。…さらに信頼を置いているあなたが裏切りものだと分かれば…絶望ものね」クス

英玲奈『ふふ』

英玲奈『あの女の所在さえ掴めれば問題はないんだが…』

ツバサ「わからないの?」

英玲奈『火事の事件以来、事務所には戻ってきてない』

英玲奈『…何をしているのか』


ツバサ「ふぅん…臭いわね、それ」

英玲奈『まあいい。とにかく、本題に移ろうか』コホン

ツバサ「ええ」

933 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:27:36.98ID:jOrmIqlw.net
英玲奈『やつらには裏の溜まり場がある。都内某所、地下にある会員制のバーだ』

英玲奈『やつらとの話に乗った大きな客だけがそこで取引されると言われているが…まあ、賭博場にもなっている真っ黒な場所だ』

ツバサ「あらあら」

ツバサ「余計なものまで根こそぎ抑えられるかもしれないわね」クスリ


英玲奈『そこに一旦連れ込まれると周りには恐い大人もたくさんいるからな。恐喝やら何やらでターゲットは必ず追い込まれてしまうんだ』

ツバサ「そう。なるほど。手口が古臭くて泥臭いのなんのって話じゃないわね」

英玲奈『まあな。でだ、幹部が一人消えたことで、私はそこのバーの管理者を任されるようになったんだ』

ツバサ「あら。西木野さん、おもわぬファインプレーね」ニコ

英玲奈『ああ』

934 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:28:26.21ID:jOrmIqlw.net
英玲奈『そこで…私達のキーパーソンとなる人物が必要となってくる』

ツバサ『ええ』ニコ

英玲奈『その彼女をおとりに使い、地下での取引が行われている無法地帯を、お前たちがおさえる』

英玲奈『簡単な仕事だろう?』クス

ツバサ「ええ、聞いてるだけならね?」クス


英玲奈『ただし、ツバサや警察に関わる者はは顔が割れているから同行出来ない』

英玲奈『現場の状況を確認しつつ密かに連絡を取り合う誰かを同行させて欲しい』

ツバサ「なるほどね、わかったわ」

英玲奈『私は怪しげな動きが出来ないだろうからな 』

英玲奈『と言うことだ。日付が決まったら私に連絡をしてくれ』

935 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:29:08.78ID:jOrmIqlw.net
ツバサ「本当にご苦労様」ニコ

ツバサ「これでようやくあなたもお役後免ね。これから好きなことが出来るわね」

英玲奈『ふふ…』

英玲奈『それなりの報酬を頂いて…それだけのことをしたまでだ、私は』フフ

ツバサ「自由になったあとはどうするの?」

英玲奈『さあ、そんなことは全てが終わってから考えるさ』

英玲奈『それより、素性のわからない私を使って勝手に捜査を進めていたツバサこそ危ないんじゃないか?』

ツバサ「ふふ、どうかしら。今あなたが言った言葉と同じ言葉を返しておくわ」フフ

英玲奈『そうか』


英玲奈『じゃあ、そちらの大事なキーパーソンによろしく頼む』

ツバサ「多分、あとで凄く怒られるとおもうけど」ニコリ

英玲奈『ふふ。ではまた』

ツバサ「ええ」ニコ

936 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:30:23.96ID:jOrmIqlw.net
ガチャ
ツーツー…


ツバサ「…まあ」カタ

ツバサ「と、言うことだから」ニコリ


一同「………?!」

真姫「これ、私達が聞いて良い会話だったの?わざわざスピーカーで…」

真姫 (絵里の病室で話があるからって皆を集めて…何を言うかと思えば)

海未「……あの、すみません。ちょっとよく理解出来ないんですが。そもそもなぜ私達に…」

あんじゅ「……」

絵里「……キーパーソンって」

ツバサ「ええ、あんじゅよ」ニコ

あんじゅ「やっぱりね…」ハァ

あんじゅ「まあ、話を聞いているうちに私しかいないんじゃないかって思ったわよ」

ツバサ「あら、案外素直に了簡してくれるのね?」

937 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:33:23.65ID:jOrmIqlw.net
.

938 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:34:01.14ID:jOrmIqlw.net
あんじゅ「そりゃあね。それであのグループが捕まるなら…ねぇ。

あんじゅ「それにツバサ達が後ろについてくれてるなら事実上の損害もないわけでしょ?」

ツバサ「もちろん」

海未 (ここまで来て会社の損害を心配しなくとも…)


あんじゅ「ようは、クライアントのふりをしてその地下の溜まり場に潜り込めれば良いわけよね?」

ツバサ「そうそう、賢いわねぇ」フフ

あんじゅ「あーもう。また馬鹿にして〜」ハァ


真姫「…」

海未「…」

真姫「じゃあもしかして、あんじゅの同行人って…」

海未「私達ですか…」ハァ

ツバサ「ええ。理解が早くて本当に助かるわ。出来れば嬉しいのだけれど、お願いできる?」

ツバサ「絵里はあの女に顔が割れてるからね…一応、保険をかけて連れていかない方がいいと思って」

939 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:37:01.92ID:jOrmIqlw.net
絵里「…」

絵里 (あの子が犯罪グループの主格陣のひとりだったなんて…)

絵里 (本当に……世の中狭いわ。またこうして関わることがあるのね)

海未「…」チラ

海未「はぁ…」

真姫「まあ私は穂乃果のこともあったからね。乗り掛かった船だし、協力出来ることはやるわよ」

海未「…」

海未「仕方ありませんね」


ツバサ「そう言ってくれると思ったわ。さすが便りになるわね、ありがとう」

真姫「ちなみにその決行の日はいつなの?」

ツバサ「そうね、こちらも信頼のおける部隊を手配する必要があるから」

ツバサ「一週間後でいいかしら」

940 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:38:27.66ID:jOrmIqlw.net
あんじゅ「はぁ〜〜もう…こんなことになるなんて」ウウウ…

あんじゅ「あ、でも。その例の女は所在がわからないんでしょう」

あんじゅ「その時に現れなければそのまままた逃げられるんじゃ…」

真姫「…確かにそうね」

ツバサ「そうね…彼女の居場所は他の誰も知らないらしいし」


絵里「…」


真姫「…」

真姫「ま、いいじゃない。とりあえず私は仕事があるからお先に失礼させてもらうけど」スクッ

真姫「その日の細かい指令に関してはまた連絡して」

ツバサ「ええ」

海未「私もそろそろ帰ります。病院ですからあまり大勢で居座っても変ですしね」スクッ

あんじゅ「じゃ、私も帰るわ。とんでもないことを引き受けちゃったのかしら…私」


ツバサ「じゃあ私も。あんじゅ、送っていくわ」スクッ

941 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:39:47.74ID:jOrmIqlw.net
ツバサ「大丈夫よ、あんじゅ。絶対守ってあげるって言ったでしょう」ニコ

ツバサ「現場にはあの英玲奈もいることだしね」クスリ

あんじゅ「お陰様で高校時代を思い出すわ」

あんじゅ (…まあ、敵に回すよりは断然マシな面々が後ろについていると思うと、安心かもね)


海未「では絵里、また」ペコ

絵里「ええ、皆気を付けてね」

真姫「退院はいつなの?」

絵里「三日後って言われたわ」ハハ

真姫「早くしなさいよね。仕事溜まってるんだから」

絵里「あはは、ごめんなさい。でもまあ、まかせて」ニコリ

942 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:40:47.01ID:jOrmIqlw.net
真姫「…」

真姫 (何か前回見舞いに来たときよりも憑き物が取れた感じになってるわね)


絵里「退院の日は迎えに来てね」ニコ

海未「まあ、誰も手が放せなかったらちゃんとタクシーで帰って来て下さいよ」

絵里「え〜…」

海未「ほらほら。真姫、出ましょう」スッ

真姫「はいはい」


ガチャ…
バタン


絵里「…」

絵里「居場所が分からない…か」フム

絵里 (もしも本当に彼女が追い込まれているとしたら…)

〜〜

943 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:42:32.77ID:jOrmIqlw.net
つづく

944 :名無しで叶える物語:2017/05/21(日) 22:48:25.53ID:ulwCdPie.net
おつおつ

945 :名無しで叶える物語:2017/05/22(月) 00:33:52.88ID:OajjlJOb.net
乙です
そろそろ次スレの準備もしておかないと

僕ラブカタログチェックしてたら、のぞうみいちゃらぶエッチ本が・・・
なんてgoodタイミングなんだ

946 :名無しで叶える物語:2017/05/22(月) 01:15:17.38ID:fOecRVEP.net
絵里ちゃん会いに行ったらアカンぜよ

947 :名無しで叶える物語:2017/05/22(月) 09:24:13.08ID:4peA5rRC.net


948 :名無しで叶える物語:2017/05/22(月) 21:48:02.69ID:ONi9fgsl.net


949 :名無しで叶える物語:2017/05/22(月) 23:06:13.06ID:kNdCWatX.net
>>1ですが次スレ立ててみます
いけたら続きから書きます

950 :名無しで叶える物語:2017/05/22(月) 23:17:43.58ID:kNdCWatX.net


絵里「私達が?」真姫「高級クラブ?」海未「はまるわけないじゃないですか」2 [無断転載禁止]©2ch.net
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1495462056/

951 :名無しで叶える物語:2017/05/23(火) 02:13:28.11ID:xo6w8II2.net
あざ

952 :名無しで叶える物語:2017/05/24(水) 02:13:02.08ID:7GciWNZM.net
はい次

953 :名無しで叶える物語:2017/05/25(木) 02:13:01.35ID:SY3KyyGm.net
苦しい

954 :名無しで叶える物語:2017/05/26(金) 02:13:02.02 ID:+hhKfODG.net
語ろうか

955 :名無しで叶える物語:2017/05/27(土) 02:13:01.62 ID:0MrK/jyx.net
にゃんこ

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