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女子大生海未「穂乃果。セックスを前提に結婚してください」穂乃果「いやだ」
- 1 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/04/07(金) 15:24:11.18 ID:uTBftApx.net
- 海未「なんでですかー!?」
穂乃果「私たちまだ18歳なんだよ?」
海未「法的には何の問題もありません!」
穂乃果「でも、未成年の結婚には親の同意が必要だしさ」
海未「それは……」
穂乃果「………やっぱり学生の内に結婚するなんて無茶だよ。非現実的すぎる」
穂乃果「この4月から大学生活が始まるんだし、お互いに現実を見ないとね」
海未「………」
- 851 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 08:31:57.13 ID:PpzXqZPg.net
- 待ってる
- 852 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 16:41:22.92 ID:mjlE4WnB.net
- ほしゅ
- 853 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:14:43.40 ID:utVi++gK.net
- ほ
- 854 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:31:50.86 ID:J4ssmaSN.net
- #29
この日も、雨が降っていた。
休日だったが、私はレポート提出のために大学まで足を運んでいた。
研究室にいる教授にレポートを押し付け棟を出た私は、傘を差し、大学の正門へと向かった。
6月下旬。雨は一向に止む気配を見せなかった。
水たまりを避けるように跳ね、帰り道を辿っていると、いつ以来かの声に呼び止められた。
亜里沙「海未さんー!」
海未「亜里沙…!それに雪穂も!どうしてあなた方が大学に…?」
亜里沙「いやだなあ、海未さん。今日は音ノ水女子大学のオープンキャンパスの日だよ?」
雪穂「そういうこと。だから私たちがこの場所に居たって、何らおかしなことはないの」
海未「ああ、そうでしたね。オープンキャンパス………」
オープンキャンパスの日にしては、キャンパス内はやけに静かで、閑散としていた。
雨だから参加者が少ないのだろうと、私は一人で納得した。
海未「……あの。二人はこれから、少し時間がありますか?」
亜里沙「うん。時間ならいっぱいあるよ」
海未「では、もしよければ、一緒にお昼を食べませんか?私の奢りで」
雪穂と亜里沙はお互いの顔を見合い、それから、大きく頷いた。
私は二人を連れ、食堂に入った。
- 855 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:34:38.81 ID:J4ssmaSN.net
- 音ノ水女子大学 食堂
券売機で、私は炒飯の食券を買った。
雪穂と亜里沙は券売機の前で、何を買おうか悩んでいる様子だった。
迷っていた二人は、私に尋ねてきた。
雪穂「ねえ、海未ちゃん。海未ちゃんは塩か醤油、どっちがいいと思う?」
海未「な、何ですか、それは…」
亜里沙「何って、ラーメンのことだよ!」
雪穂「そう、ラーメン!塩か醤油、どっち!?」
二人の熱に圧倒された私は、思わず味噌と答えてしまった。
二人は鋭い目で凄んできたが、「味噌もありだね」と言い、二人して札幌味噌ラーメンの食券を購入した。
海未「二人はどうして、そうもラーメンにこだわるのですか?」
亜里沙「練習終わりに、よく凛ちゃんにラーメン屋へ連れて行ってもらってたからね」
雪穂「そのおかげで私たちもラーメンが大好きになったんだ」
海未「やはり、二人を洗脳したのは凛でしたか…」
- 856 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:36:11.49 ID:J4ssmaSN.net
- 私たちは昼食を取った。
私が食べた炒飯は、程よく水分を含んでいて口の中でベタつかず、パラパラとした食感で、とても美味しかった。
凛の弟子達(雪穂と亜里沙のこと)は札幌味噌ラーメンをツルツルと啜っていた。
一口食べる毎に感想を言い合い、ラーメンが残り半分を切ったあたりからは味噌ラーメンの歴史について語り始めていた。
私は二人のラーメン語りを片耳で聞きながら、お冷やを啜った。
亜里沙「たかが食堂のラーメンと侮っていたけど、すごく美味しい!」
雪穂「だよね〜。こんな美味しいものが毎日食べられるなんて、この大学の生徒は幸せ者だね」
海未「二人も音ノ水に入れば、毎日美味しいラーメンが食べられるんですよ」
亜里沙「あー………うん。そうだね…」
海未「……歯切れの悪い物言いですね。二人は、音ノ水に入学しないんですか?」
雪穂「うん、私はこの大学じゃない、別の進路を目指すことにしたよ」
亜里沙「海未さんやお姉ちゃんと同じ進路もいいけど…。やっぱり、亜里沙は雪穂と同じ道を歩みたいから」
海未「そ、そうですか…。今までμ'sのほとんどが音ノ水を志願していたので、てっきり雪穂達も同じだと思っていましたよ」
雪穂「うん。私も、そう思ってたよ」
雪穂はラーメンの残り汁を啜った。
- 857 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:38:20.16 ID:J4ssmaSN.net
- 雪穂「私もさ、高校を卒業したら音ノ水に進学して、海未ちゃんやμ'sの先輩達と楽しい大学生活を送るものだと思ってたよ」
雪穂「みんな同じサークルに入って、くだらない話で盛り上がったりして…。そんな未来が来るんだって、信じてた」
雪穂「でも、お姉ちゃんが"ああ"なってから、私の未来予想図は狂った」
雪穂「ずっと憧れだった姉が病に侵され、私は進むべき針路を見失った。そして私は、自分すら見失ってしまった…」
雪穂「何をすればいいのか分からなくて…。とにかく、お姉ちゃんから離れたかった。お姉ちゃんのいない世界へ行きたかった」
雪穂「お姉ちゃんの面影が残るこの町が、息苦しくてしょうがないんだ…。だから、私は、誰も高坂穂乃果を知らない世界へ、いくことにしたよ」
亜里沙「亜里沙も…。雪穂と一緒に、その世界へいくよ」
海未「……二人が決めた道であれば、私がとやかく言う権利はありません。どんな道であれ私は応援しますよ」
雪穂「ありがとう…。やっぱり、ここに来て正解だった」
海未「え…?」
雪穂「最後に、お姉ちゃんが来るはずだった場所に来れてよかったよ」
雪穂と亜里沙はラーメンの汁を飲み干し、顔をテカらせて言った。
雪穂「海未ちゃん、ごちそうさま!」
亜里沙「海未さん、ごっつぁんです!」
海未「あなたはルメール騎手ですか」
- 858 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:45:15.21 ID:J4ssmaSN.net
- 二人は、学科説明会を受けることなく帰って行った。
雨は上がり、空には数日ぶりの太陽が顔を覗かせていた。
二人の先には、空へと架ける七色の虹が、淡く輝いていた。
私は二人を眺めながら、先程交わした会話を繰り返した。
そして、先日テレビで特集されていた、がん患者とその家族の話を思い出した。
がん患者を支える家族は患者当人と同等の精神的負荷が掛かるらしく、そのことから『第二の患者』と呼ばれるそうだ。
穂乃果の病気を誰にも打ち明けられず、一人支えてきた雪穂も、第二の患者と呼べるのかもしれない。
雪穂がどれ程のストレスを抱えているのか、私には分からなかった。
これから穂乃果の病気と向き合って行く中で、私も雪穂と同じようになってしまうのではないかと、一抹の不安が頭をよぎった。
そういえば、ことりもまた、穂乃果を支えていた第二の患者であった。
ことりが病んでいく姿を、私は見てきた。どういう経過を辿り精神が参っていくのか、私はよく知っていた。
私の中にある不安の種は、少しずつ膨らんでいた。
- 859 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:47:47.67 ID:J4ssmaSN.net
- ここまで
キリのいいとこまで進んだら次スレいきます
- 860 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:57:35.04 ID:AtSjJrtx.net
- おつです
夕方にはなんなのか気になる
- 861 :名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 23:58:37.78 ID:prHOlKLb.net
- なんか凄い文才を感じる。>>1は普段から本とか読んでそう。
- 862 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/06/25(日) 00:19:27.61 ID:OAi7mj+K.net
- 長期連載
- 863 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/25(日) 07:02:54.83 ID:oNVW5YLd.net
- ほ
- 864 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/25(日) 17:21:30.30 ID:oNVW5YLd.net
- しゅ
- 865 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/25(日) 22:27:46.19 ID:FqiAECNk.net
- ほ
- 866 :名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/:2017/06/25(日) 23:18:56.93 ID:TMwTUCHe.net
- 雪穂…
- 867 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/26(月) 02:21:44.58 ID:ToUh6/Kn.net
- 楽しみなんだ
- 868 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/26(月) 05:18:16.25 ID:ky+BEzAM.net
- ほ
- 869 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/26(月) 12:21:32.90 ID:X/YH/KUp.net
- ほ
- 870 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/26(月) 15:34:36.21 ID:fZYNVoc/.net
- も
- 871 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/26(月) 23:09:00.99 ID:klJaIpqp.net
- ほぁ
- 872 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 02:57:44.37 ID:rLGWflpU.net
- ほ
- 873 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 05:16:54.08 ID:gsS4lC1d.net
- しゅ
- 874 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 06:48:55.16 ID:rLGWflpU.net
- ほ
- 875 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 12:43:40.57 ID:R5dd3yRR.net
- しゅ
- 876 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 13:51:34.14 ID:YnAneJhc.net
- ゲ
- 877 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 21:46:54.46 ID:EzqUjlgI.net
- ぽ
- 878 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 23:50:11.08 ID:JZsxuGnr.net
- ほ
- 879 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 05:31:01.12 ID:XQ3pvH2N.net
- しゅ
- 880 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 12:32:50.34 ID:PoAFmPQp.net
- ほ
- 881 :名無しで叶える物語(禿)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 15:18:45.60 ID:GOc5/nax.net
- ほ
- 882 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 23:35:40.19 ID:xs/uF4kc.net
- 保守
- 883 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 01:38:25.03 ID:5Lmo5bhI.net
- ほ
- 884 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 05:58:30.67 ID:zpx2I5Os.net
- しゅ
- 885 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 12:23:09.02 ID:zpx2I5Os.net
- ほ
- 886 :名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 12:27:36.34 ID:QOGTskt/.net
- ほ
- 887 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 19:18:33.83 ID:rcdTYmJs.net
- ほ
- 888 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 20:50:56.48 ID:bqiYl5Yq.net
- ほ
- 889 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 23:54:27.72 ID:y1NwVVqO.net
- ほ
- 890 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/30(金) 04:43:27.72 ID:X9+Yhcf+.net
- ほ
- 891 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/30(金) 07:34:56.03 ID:Q+NwARnL.net
- ほ
- 892 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/30(金) 13:31:57.17 ID:uOZxkQ7U.net
- ほ
- 893 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/30(金) 18:36:26.22 ID:LVs1oxjx.net
- しゅ
- 894 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/30(金) 23:29:55.44 ID:B2lNtzeO.net
- 保守
- 895 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/01(土) 06:30:38.92 ID:0uMJ29c2.net
- ほ
- 896 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/01(土) 12:30:04.53 ID:YaJFbZdS.net
- しゅ
- 897 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/01(土) 19:31:35.50 ID:LFW2QUPm.net
- ほ
- 898 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/01(土) 22:40:42.68 ID:GLJEq12X.net
- ほ
- 899 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 00:06:26.71 ID:Dbg+M0r9.net
- #30
前期試験を終え、いよいよ夏休みが始まった。
その初日、私は絵里に呼び出されていた。
絵里が指定してきた場所は、駅の側にあるビルの二階に店を構える、ファミレス。
店に入り、駆け寄ってきた店員に「待ち合わせをしている」と伝え、絵里が待つ席へと案内してもらった。
案内された席には、絵里と、ことりがいた。
絵里「来たわね、待ってたわ」
海未「は、はい…」
ことり「……おはよう、海未ちゃん」
海未「……おはようございます」
絵里「何してるのよ?早く座りなさい」
片側がソファ席で片側が椅子の、6人掛けの席だった。
絵里とことりは横並びに座っていた。私はその反対側の席に着いた。
- 900 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 00:07:59.66 ID:Dbg+M0r9.net
- テーブルには、お冷やとおしぼりが6つずつ置かれていた。
私はその内の一つを取り、自分の前に置いた。
絵里「注文はみんな揃うまで待っててちょうだい」
海未「はい。今日は私たち以外にも誰か来るんですね」
絵里「ええ、もうじき来ると思うわ」
絵里「……で、海未はテストの方、どうだったの?」
海未「手応えはありました。恐らくA以上の評価でしょう」
絵里「あら、そう?去年までの海未なら単位取得ギリギリのボーダーラインを低空飛行していたのに、見違えたわね」
海未「私だってやればできるんですよ。絵里はどうでしたか?」
絵里「私はいつも通り、平常運転よ」
海未「ということは良い点数が期待そうなんですね」
ことり「……私には訊かないの?」
海未「あ…。こ、ことりはどうでしたか?」
ことり「うん、いい感じだったよ」
絵里「ことりは頑張ってるわよね〜。さぞ、GPAも高いんでしょう?」
ことり「まあね。私は実習があるから、少しでも内申を良くしておかなきゃいけないんだ」
海未「この夏休み中に行くんですよね?いつから始まるんですか?」
ことり「7月末から8月の第1週までだよ」
絵里「あら、それってもうすぐじゃない。ことりならできるわ、頑張って」
ことり「……うん、ありがと」
- 901 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 00:09:57.60 ID:Dbg+M0r9.net
- 海未「あの。机の上にお冷やが6つありますが、これからここに後3人来るということですか?」
絵里「ええそうよ。大体誰が来るのか察しはつくでしょ?」
海未「二人は分かりましたが、残りの一人が誰なのか分かりません…」
ことり「二人は、真姫ちゃんと凛ちゃんのこと?」
海未「はい。凛と真姫は同じ音ノ水ですし、今日の会合にも誘っていることは予想できたのですが…。絵里は他に誰を誘ったんですか?」
絵里「あら、忘れちゃったの?去年もこうやってファミレスに集まったでしょ。その時にいた、彼女よ」
海未「え…?いや、でも、そんなまさか…」
にこ「私はお呼びじゃなかった?」
海未「にこぉぉ!」
私は驚きのあまり声を上げた。その声は店内に響き渡った。
他のテーブルに座っている客がこちらをチラチラと伺ってる様子が、こちらからも伺えた。
にこ「ちょっ、しぃー!大声で私の名前を呼ぶな!」
海未「す、すみません…」
にこは絵里に促され、絵里の隣の椅子に座った。
海未「今日はいつもみたいに、マスクや濃いサングラスを着けていないんですね」
にこ「変装って、なんだか有名人気取ってるみたいで嫌なのよ」
- 902 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 00:12:18.39 ID:Dbg+M0r9.net
- 絵里「にこ!やっぱり来てくれたわね」
にこ「あんたらに会う機会もめっきり減っちゃったもの。こうして定期的に顔を見ておかないと、誰が誰だか忘れちゃいそうになるわ」
絵里「忙しいのによく都合を合わせてくれたわ。撮影の方は順調なの?」
にこ「ドラマはもうとっくにクランクアップしてるわよ。今は番宣でバラエティに出てるぐらいでそんなに忙しくないわ」
海未「今やテレビで見ない日は殆どないぐらいの有名人となったにこが私たちに会いに来てくれて、私は感激しています!流石にこですね!」
にこ「ちょっと、やめてよそういうの。恥ずかしいでしょ」
海未「何を恥じらうことがあるのですか!事務所に所属して3年目で連続ドラマに大役で出演したんです。にこにはそれだけの素質があったんですよ」
にこ「違うわよ。私がここまで有名になれたのは、プロデューサーや社長、周りの人達の力添えがあったから。私一人の力じゃない」
にこ「アイドル業が鳴かず飛ばずで、テコ入れとして受けたドラマのオーディションに偶々受かって、気づいたら有名人扱いされるようになってて…。私にもよく分からないわ」
海未「ああ、そういえば本業はアイドルでしたね。しかし演技の才能を見出されてなお天狗になろうとしないにこの姿に、私は感銘を受けましたよ」
にこ「そう、ありがと」
- 903 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 00:12:42.87 ID:Dbg+M0r9.net
- ことり「ねえねえ、にこちゃん!にこちゃんが探偵さんの助手役で出演しているドラマ『流石にこの謎は解けない』、毎週欠かさず観てるよ!」
ことり「毎週、探偵さんとにこちゃんとの掛け合いが面白いよね!回を重ねるごとに親密になっていってるけど、二人は最後どうなるの?」
にこ「そうね〜………って、最終回のネタバレになっちゃうけど大丈夫?」
ことり「うんうん、大丈夫!どうぞ、ネタバレでも何でも!」
海未「何言ってるんですか、ダメに決まってます!私はネタバレをする人と食事マナーの悪い人が嫌いなんです!」
ことり「じゃあにこちゃん、海未ちゃんには聴こえないよう耳打ちして?」
海未「ダメです!私だけ除け者にしないでください!」
絵里「ちょっと!あんまり騒ぐと店員さんに怒られちゃうわ!」
にこ「………あんた達、ほんと変わらないわね」
にこはお冷やに口を付けた。
- 904 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 00:15:56.62 ID:Dbg+M0r9.net
- 暫くして、凛と真姫が来た。
凛「お待たせ〜。あれ?もう私たち以外は揃ってる感じかな?」
絵里「ええ、凛達が最後よ」
真姫「ごめんなさい、待たせちゃったわね。えっと注文は…」
絵里「今からまとめて注文するわ。私たちはもう決めてあるから、二人も何を頼むか決めちゃいなさい」
凛「うん。あ、海未ちゃん。隣座っていい?」
海未「ええ、どうぞ」
凛「さて、何を頼もうかな〜?………ってにこちゃんんん!?」
凛は目を点にし、店内に響き渡る声を上げた。
離れたテーブルに座っている客がこちらの様子を気にしていたが、私は「自分は関係まい」と目を逸らした。
にこ「だから大声で私の名前を呼ぶなあ!」
凛「だからって何!?」
絵里はベルで店員を呼び、私たちの注文を並べていった。
絵里ことりにこ私は、肉を頼んだ。
ことりとにこは、野菜も頼んだ。
凛と真姫は、ラーメンを頼んだ。
真姫も既に洗脳済みであったことに、私は驚きを隠せなかった。
そして最後に、6人分のドリンクバーを頼んだ。
- 905 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 00:17:26.11 ID:Dbg+M0r9.net
- 一旦ここまで
また今日中に更新します
- 906 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 00:46:28.40 ID:eWQz4pA3.net
- おつ
続き待ってます
- 907 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 01:27:31.39 ID:VjxfvsGd.net
- 本当に久々この感覚
待ってる
- 908 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 01:33:18.42 ID:fcqopIEe.net
- 乙
そろそろ次スレでやってもいいのでは?
- 909 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 01:37:20.80 ID:ekANw1FY.net
- おつおつ
にこちゃん一年の間にすっかり売れっ子に
- 910 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 07:25:05.47 ID:0yt+DU/N.net
- 和むわ
- 911 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 07:28:34.53 ID:EjX0TqL9.net
- 乙
流石 にこ の謎は解けないw
- 912 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 12:35:27.70 ID:2CayXXCj.net
- 保守
- 913 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 17:04:08.29 ID:vJCS3Htd.net
- さすにこ
- 914 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 17:31:57.54 ID:V8Qv4sEu.net
- さすにこ
- 915 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 22:57:27.51 ID:JDI1hYXL.net
- さすにこ
- 916 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 23:41:34.88 ID:0yt+DU/N.net
- ほ
- 917 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 23:55:28.21 ID:Dbg+M0r9.net
- 絵里が言うところの"女子会"は、食事を楽しみながら会話も弾み、和気藹々と進行していた。
そして、話題は真姫の大学生活の話へと移っていた。
絵里「真姫は大学に入ってからどう?何か良いことでもあった?」
真姫「……特にないわね、今のところ」
絵里「え?あ、そうなの…」
ことり「一応サークルには入ってるから、まあ、その…まだチャンスはあるよ!」
真姫「気を遣って言葉選ぶのやめなさいよ!」
にこ「相変わらずぼっちしてるのね。スクールアイドルやってたのに対人スキルが改善されないなんて、ある意味才能よ、それ」
絵里「真姫は勉強やピアノは得意だけど、そっちに一辺倒なのよね。ゲームで例えるとステを攻撃に全振りしてて他のステが軒並ゴミってところかしら」
凛「………」
海未「真姫は人見知り、ということですよ」
凛「おー、そういうことか、なるほど。確かに真姫ちゃんはそういうとこ弱いよね」
真姫「私から誰かに近付くのは気が引けるけど…、相手の方から親しく接してくれたら、ちゃんと友好な関係を築けるわ」
真姫はラーメンを啜った。
真姫「それに、大学生活はあまりぱっとしない私だけど、私生活では結構充実した日々を送ってるのよ」
真姫「実はね、最近、アルバイトを始めたの」
海未「そうですか、あの真姫がバイトを…。何のバイトを始めたんですか?」
真姫「私にしか、できない仕事よ」
それ以上質問をしても、真姫から答えは帰ってこなかった。
- 918 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/07/02(日) 23:59:10.47 ID:XuRzrMfF.net
- ゴミww
私にしか出来ないって穂乃果の診断とかか?
とりま期待
- 919 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 00:00:38.76 ID:ejCiBnGN.net
- ことり「あ、そういえば海未ちゃん、今年の水コンに出場するんだってね?」
海未「ギクッ」
凛「ねえ海未ちゃん。水コンって何?」
海未「えーと…。水コンは、水のコントラストの略ですよ。絵画の表現技法として主にルネサンス期に用いられてた手法で…」
絵里「違うでしょ。水コンは音ノ水大学のミスコンのことよ。毎年音ノ水で行われる徽音祭の名物行事なの」
凛「へ〜。……って海未ちゃん、その水コンに出るの!?」
真姫「あの恥ずかしがり屋さんの海未が?まさかね」
海未「いや、えっと、それはですね…」
絵里「残念♪ 言質は取ってあるし、それに既に出場登録を終えてるから、もう逃げられないわよ?」
海未「そんな!?モチベーションが無くなったから出場取消…とはいかないのですか?」
絵里「当たり前じゃない。もう既に周りの大人達は準備を進めているの、私たちの勝手な都合でそれを狂わせるわけにはいかないでしょ」
海未「ですが…」
- 920 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 00:01:12.23 ID:ejCiBnGN.net
- 凛「海未ちゃんがミスコンにねぇ、ふむふむ…」
真姫「応援に行くから、目が合ったらステージ上から投げキッスしてちょうだいね」
海未「後輩にまで揶揄われて、最悪です…。あの時、何故出場するなんて口走ってしまったのでしょう…」
にこ「いいじゃない。私も海未のステージ、楽しみにしてるわよ。去年の覇者である絵里と、その系統を受け継ぐ海未の戦い、目が離せないわ」
ことり「あ、にこちゃんは去年も徽音祭に来てくれてたよね。今年も来てくれるの?」
にこ「ええ、去年の私のパフォーマンスが盛況だったみたいで、今年もまた大学からオファーが来てるわ」
凛「絵里ちゃんと海未ちゃん、女の戦いか〜。面白そう!私も絶対に観に行くからね!」
海未「もう、わざわざ観に来なくていいですよ…」
- 921 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 02:02:11.74 ID:ejCiBnGN.net
- 料理を平らげ、ドリンクバーの飲み過ぎでお腹が重くなり、そろそろお開きムードとなった頃。
ことりは突然、その話を切り出した。
ことり「私ね、この夏からフランスに留学するんだ」
絵里「………へ?」
あまりにも突然の話で、そこにいた者は皆、口を開け呆然としていた。
しかし、ことりは私たちなどお構い無しに話を続けた。
ことり「私はフランスの大学に留学して、保育の勉強がしたいの」
ことり「フランスは世界的に見ても幼児教育に力を入れている国で、そこで勉強できたら、きっと私自身の力にもなるなって、ずっと思ってたんだ」
海未「こ、ことり…?何を訳のわからないことを…。それにこの夏って、いくらなんでも急すぎます!」
ことり「ごめんね。でもずっと前から留学することは考えてたの。勉強を頑張って成績を稼いでたのも、本当は留学生奨学金を貰うためだったんだ」
海未「夏休みの実習はどうするんですか?」
ことり「もちろん、実習を終えてからフランスに行くよ。日本の保育の現場も知らずに渡仏なんて、笑い話にもならないからね」
ことり「私はね、フランスの先進教育を日本にも導入できたら、もっといい社会になると思うんだ。これは私の夢であり、野望なの」
ことり「理解は受けられないかもしれないけど、せっかくの門出だから、私のことを応援して欲しいな」
- 922 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 02:03:51.12 ID:ejCiBnGN.net
- 真姫「……まあ、ことりが自分で選んだ道なら間違いないでしょうし、反対なんてしないわ。応援してあげる」
絵里「そうね。ことりは自分の歩みたい道を歩めばいいのよ。例えそれが、みんなとは違う道でも、自分を信じて歩み続けなさい」
ことり「真姫ちゃん、絵里ちゃん…!」
海未「ことり。一つ訊かせてください」
海未「………あなたは、逃げるわけではないのですね?」
ことり「………どうだろうね。でもたぶん、私はどうやったって逃げられないと思うよ。海未ちゃんも、ね」
海未「そう、ですか…」
- 923 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 02:04:40.48 ID:ejCiBnGN.net
- 凛「ことりちゃん…!もうこれで、今生の別れになっちゃうの?」
ことり「大丈夫だよ凛ちゃん。留学といっても一年だけだから、来年の夏には日本に帰ってくるよ」
凛「そっか、よかった〜。ことりちゃんまで消えちゃったらどうしようって、心配してたんだ」
にこ「……9人いたはずなのに、二年で7人になって、また6人になって…」
にこ「ことりが留学したら、今度は5人になる。………もうμ'sが揃うことはないのかしらね」
絵里「それぞれが、それぞれの道を進んでるんだから良いことじゃない。希は相変わらず、得体の知れない大学で怪しいことをしてるみたいよ」
にこ「穂乃果と花陽はどうなの?元気にやってる?」
海未「穂乃果は私と定期的に連絡を取っていますし、………元気、ですよ」
凛「かよちんも休日には電話くれるし、元気そうだよ。みんなと離れ離れだから少し寂しそうだけどね」
海未「この場にいない人も、こうして繋がっています。私たちはいつかまた、一つになれる日が来ますよ」
ことり「……うん、そうだね。その日が来ると、信じよう」
海未「ええ!」
もちろん、そんな日が訪れることはないと、私は知っていた。
それから、私たちはにこの御馳走となり、解散した。
- 924 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 02:05:03.77 ID:ejCiBnGN.net
- 数日後。
寮の郵便受けに私宛ての手紙が入っていた。
送り主は、例の施設からだった。手紙は、"ほのか"からのものだった。
私は部屋に戻り、そこで手紙を読むことにした。
- 925 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 02:05:33.42 ID:ejCiBnGN.net
- 返信遅くなっちゃってごめんなさい
海未ちゃんへ。
海未ちゃん、お久しぶりです。お元気ですか?
すっかり夏本番になりましたね。私は最近、食欲も落ち、少し夏バテ気味のようです。京都の夏は暑くて堪りません。
東京も暑い暑いと思っていたけれど、今は東京がどれだけ涼しい場所だったのかが身に沁みて感じられます。(でも夜は東京の方が蒸し暑いです。)
水分補給等忘れないよう、熱中症に充分注意してください。
それから、返事ありがとう。じっくり読ませてもらいました。
海未ちゃんも二回生になったんですね。なんだか、時間が過ぎるのはあっという間だなぁ、とノスタルジックな気持ちになるこの頃です。
あ、最近知った面白い豆知識があって、学生が大学に所属している年数を、関東では 年生 と言うのに対し、関西では 回生 と呼ぶそうです。
でも、私たちはカントー育ちなのに、何故か 回生 を使っていますよね。フシギダネ
- 926 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 02:05:55.06 ID:ejCiBnGN.net
- 思ったことをそのまま字に起こしてるせいで、いつも話に相関性のない支離滅裂な手紙となっています。ごめんね?
海未ちゃんなら私の想いを解読してくれると信じています。
最後に、本題です。
施設の方から、面会の許可が下りました。これでようやく海未ちゃんと会うことができます。
この手紙に、施設がある所までの地図を添付しておきます。
山道で歩きも多くて大変だと思うけど、海未ちゃんは山登り好きだし大丈夫だと思います。
海未ちゃんの予定はわからないけど、こちらには宿泊できる設備が整っています。好きなだけ滞在していってください。
海未ちゃんに会えるのを心待ちにしています。
穂乃果より。
- 927 :ここまで(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 02:10:52.30 ID:ejCiBnGN.net
- 手紙を読み終えた私は、携帯のカレンダーを確認した。
そして、京都訪問の日程を決めた。
八月一日。
この日、私は穂乃果に会いに行く。
- 928 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 02:27:54.41 ID:xOp70gPs.net
- 乙です
そろそろ次スレの準備した方が良いのでは?
- 929 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 03:00:54.78 ID:CKrhVzKX.net
- どうなるんかな
- 930 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 05:17:00.78 ID:I+xRjjkN.net
- そろそろこのスレも終わりか
- 931 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 05:34:22.25 ID:8LqsOc1T.net
- おつおつ
ことりちゃんは一歩前にって感じなのかな
穂乃果ちゃん手紙では普通に元気そうだけど、どうなるんだろう…
- 932 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 12:25:03.36 ID:kYr92Yh5.net
- ほ
- 933 :名無しで叶える物語(ぎょうざ)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 15:35:24.91 ID:533MsvIv.net
- 穂乃果ちゃんも歩きで山登ったん?
- 934 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/03(月) 23:17:06.77 ID:zNmZ8PFi.net
- ほ
- 935 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/04(火) 05:29:35.31 ID:NOW2O2oC.net
- しゅ
- 936 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/04(火) 14:49:13.01 ID:ZLUK848u.net
- ほ
- 937 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2017/07/04(火) 23:09:17.79 ID:ta0rN5EN.net
- ほ
- 938 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/05(水) 05:58:19.31 ID:OJtmq61H.net
- ほ
- 939 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/05(水) 15:48:23.24 ID:p1FCn1Hh.net
- しゅ
- 940 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/05(水) 23:35:56.87 ID:kQv7vBhp.net
- ほ
- 941 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 05:14:12.29 ID:7VLyW1NU.net
- しゅ
- 942 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 16:30:10.40 ID:6VEiINvL.net
- ほ
- 943 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 18:27:37.48 ID:gVtWiN9r.net
- ほ
- 944 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 23:49:54.55 ID:h9ViBOvX.net
- #31
穂乃果からの手紙を受けた翌日。
私は京都に行く前にしておくべき支度を整えようと思い、寮を出た。
まず向かった場所は、私のバイト先。
先輩達に挨拶を済ませてから事務室へと入り、8月分のシフト希望を書いて、京都へ行くための日程調整をした。
店長はそのシフト表を見て、頭を掻き、都合の悪そうな表情を浮かべていた。
「海未ちゃん、8月のシフト全然入ってないけど…。何か外せない用でもあるの?」
海未「離れた場所にいる友達に、会いに行く予定なんです」
「そっか。だけどここまで休みを入れなくてもいいんじゃないかな?夏休みは稼ぎ時なんだけれどなあ」
海未「店に迷惑が掛かるのは申し訳ありませんが、それでも、バイトより友達を優先させてもらいます」
私がこれまでよく働いていたこともあって、店長は私の希望を承諾してくれた。
店長は椅子に腰掛け、シフト表を睨みながら、また頭を掻いていた。
私は礼を言い、そして店を出た。
- 945 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 23:52:15.18 ID:h9ViBOvX.net
- 次に、向こうで必要になるであろう物資を揃えるため、近くのショッピングモールに向かった。
向こうに何泊するかはまだ決めていなかったが、とりあえずお泊りの際に必要になるであろう日用品を幾つか買った。
他にも生理用品や正露丸などを買い、お泊りに必要な物をすべて揃えた。
用も済まし、これ以上長居する理由もなかったので、私は帰ることにした。
真姫「え、海未…?」
私がモールを出ようとしたところで、私の名を呼ぶ声が聴こえた。
振り返ると、そこには紙袋を提げた真姫の姿があった。
海未「おや、こんな所で会うなんて偶然ですね」
真姫「本当ね…。海未は今帰るとこ?」
海未「はい、もう用は済みましたので。真姫は何をしていたのですか?」
真姫「ちょっと、買い出しをね」
真姫はそわそわして、何か急いでいる様子だった。
真姫「……ねえ、歩きながら話しましょう」
- 946 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 23:54:33.40 ID:h9ViBOvX.net
- ショッピングモールから帰る道は二人とも同じだったので、私たちは横に並んで歩いた。
海未「真姫が提げているその紙袋には何が入っているんですか?」
真姫「さっき楽器店で買ってきた、クラシックの教則本や空のスコアよ」
海未「何故スコアを?もしかして真姫は、今も作曲を続けているのですか?」
真姫「……まあ、そんなところかしらね」
真姫は手を打ち、話題を変えた。
真姫「そうだ。12月にね、うちのサークルが主催のピアノコンサートがあるの。で、そのコンサートに私も出演することになったわ」
海未「そうですか。頑張ってくださいね」
真姫「あ、それでね。ぜひ海未にもコンサートに来てもらいたいの」
海未「いいですよ。また真姫のピアノが聴けるのですね、楽しみです」
真姫「これがコンサートチケットよ。この一枚で2人まで入場できるんだけど………誰か誘う人はいる?」
誰か一人を誘うのなら、あの人しかいないと…、私は強く思った。
- 947 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 23:55:06.63 ID:h9ViBOvX.net
- 真姫「もし一緒に来る人がいないのなら…。このコンサート、ご家族の方と一緒に観に来たら…?」
海未「………私の家族のことは放っておいてください。どうせ誘ったところで来やしませんよ」
真姫「まだ喧嘩してるのね…。いい加減仲直りしたら?もう海未も大人なんだから」
海未「………」
真姫「私は両親と、ちゃんと向き合ったわ。話し合って、そして反対されていた音ノ水への入学を許してもらえた」
真姫「海未も一度、親と話し合う機会を作りなさい。そしたら、そう…。今の現状から、少しは進歩するはずよ」
海未「……余計なお世話ですよ」
- 948 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 23:58:30.21 ID:h9ViBOvX.net
- 会話が途絶えたまま歩く帰り道。
途中の曲がり角に差し掛かると、真姫は突然に別れを告げた。
海未「え…。真姫の家は、まだ真っ直ぐですよね?」
真姫「うん、そうだけど…。私、今からバイト先に行くのよ」
海未「バイト?ああ、前にそんなことも言っていましたね。真姫は結局のところ、何のバイトをしているんですか?」
真姫「ピアノの先生よ。いや、ピアノの家庭教師かしら」
真姫「私の生徒の子がいて、その子の家にピアノを教えに行くバイトをしているの」
海未「好きを仕事にしたわけですか。その紙袋の中身も、バイトで使う教材というわけですね」
真姫「ええ、そういうこと」
真姫は空を見上げた。
その口元には、自然と笑顔が込み上げていた。
- 949 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/06(木) 23:58:45.38 ID:h9ViBOvX.net
- 真姫「今私が持ってる生徒は中学三年生の女の子一人だけなんだけれど…」
真姫「すごく努力家な子なの。私が出した課題も次の日には完璧に仕上げてくるし、分からないところは積極的に質問してくれるし、上達しようという意気込みが感じられてとても気持ちいいわ」
真姫「その子、高校は音ノ木坂に入学するみたいなの。ゆくゆくはアイドル部に入って作曲をしたり…そんな期待を密かにしてるわ。先生失格かしら?でも、そうなってくれるといいわね」
真姫はとても楽しそうに話した。
まるでその子の存在が、自分の生きがいであるかのように。
真姫と別れた私は、部屋で明日の支度を整えた。
京都はすぐそこまで迫ってきていた。
- 950 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/07/07(金) 00:00:07.68 ID:qe1HSibA.net
- ここまで
土日に次スレ
- 951 :名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/:2017/07/07(金) 00:00:42.41 ID:24XBR/1e.net
- 繋がるのか・・・?
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