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【再】真姫「水無月の 夜雨に散りゆく 深縹」

1 :名無しで叶える物語:2017/06/14(水) 00:05:46.56 ID:ux/fMQmC.net
真姫「中学で数学を教えていた」

真姫「先生先生と慕ってくれる子どもたちは本当に可愛くて、成長を見届けることが楽しみだった」

真姫「しかし…」

真姫「突然、気がついてしまった」

真姫「私は人を育てることには向いていなかったことに」

43 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/16(金) 21:14:55.92 ID:we4CPZcm.net
真姫「あっ…!」

真姫「そっか…だからあんなに慌てたのね…残酷なことしようとして悪かったわ…」

真姫「でもいつか見せてくれないと私が悲しい…」

海未「お先に失礼しました…どうしたのですか?」

真姫「ん?ああっなんでもないわ。じゃあ私入ってくる。布団置いてあるから自分で敷いてよ」

海未「わかりました。準備しておきます」

44 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/16(金) 21:32:29.25 ID:we4CPZcm.net
海未「すーすー…」

真姫「寝ちゃってる。今日疲れたのかしらね」

真姫「…ごめんね、やっぱ背中見せてもらうわ」

真姫「………酷いわね」

真姫「痣だらけで真っ青じゃない…」

真姫「誰がここまで執拗に傷つけるの…」

真姫「やる方は気楽でいいわね。やられた方の気も知らないで…!」

真姫「これ新しい傷ね…軟膏塗っといてあげましょ」

海未「っ…!いた…い…」

真姫「ごめん!すぐ効くから…

海未「もう、やめてください…どうして私ばかり…」

真姫「可哀想に…夢の中にも出てくるのね…」

真姫「大丈夫、あなたは1人じゃないわ…」ギュッ

45 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/16(金) 22:37:50.83 ID:we4CPZcm.net
海未「…おはようございます」

真姫「おはよう。どうしたの?」

海未「悪い夢を見ました…」

真姫「うっ…」ズキ

真姫「所詮は夢だから、あんまり気にしちゃダメよ」

真姫「今日楽しみにしてたんでしょ?もう忘れちゃいなさい」

海未「はい、引きずっても良いことはないですからね」

真姫「ええ、そうよ…」

真姫「顔洗ってきなさい。朝ごはん食べて準備出来たら行くわ」

海未「わかりました。今行きます」

46 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/16(金) 22:39:43.93 ID:we4CPZcm.net
真姫「着いたわ。古い学校ね」

海未「伝統校だそうです」

真姫「ライブ何時から?」

海未「午後の部は1時からです」

真姫「それならまだ時間あるから校内見て回りましょ」

海未「そうします」


真姫「制服が中々可愛いわね。どう?」

海未「私が着ても似合いませんよ」

真姫「またそう自分を卑下しても良いことないわよ」

海未「すいません…」

真姫「そうやってすぐ謝らないの」

海未「はい!」

ザワ...

海未「うう…恥ずかしいです…!」

真姫「初めて?お腹から声出したのは」

海未「はい…」

真姫「別に誰かに迷惑かけたわけじゃないなら大きな声を出すことは悪いことじゃないわ。ちょっとスッキリしたでしょ?」

海未「まぁ、少しは…」

真姫「明るく生きなきゃ…難しいことかもしれないけど」

47 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/17(土) 18:51:55.44 ID:sFrVAB7U.net
がんばれ

48 :名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/:2017/06/18(日) 12:10:16.78 ID:0Ue97pHZ.net


49 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/19(月) 03:31:34.33 ID:3wo+WL2k.net
花陽「私たち、音ノ木坂学院スクールアイドルです!」

凛「今日は学祭に来てくださってありがとうございました!」

にこ「最高のライブにするので、応援よろしくお願いしまーす!」

にこ「最初はこの曲…これからのsomeday!」

海未「これから…」

海未「私はどうなっていくのでしょうかね…」

50 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/19(月) 03:43:50.97 ID:3wo+WL2k.net
凛「ありがとうございましたー!」

花陽「みなさんのおかげで今日も最高のライブにすることができました!」

にこ「次も絶対来てよね!にこからのお・ね・が・い♪」

真姫「なにあれ…よくやれるわね…」

真姫「まぁそれはいいとして…海未、どうだった?」

海未「みんなキラキラ輝いていて、自信に満ち溢れていて、とても可愛らしかったです」

絵里「もしかして、入学を希望されていますか?」

海未「あっえっと…考え中です…」

絵里「そうですか。でしたら是非うちの学校も選択肢の一つに入れてくれたら嬉しいです」

海未「あなたは…?」

絵里「この学校の生徒会長であり、彼女たち”にこりんぱな”のプロデュースを担当する絢瀬絵里です。っとこんな堅苦しいと厳しい学校だと思われちゃうわね…よろしくね。あなたは?」

海未「最寄りの中学に通っている園田海未です…」

絵里「海未ちゃん、よろしくね。これ、私の幼馴染みのお店のお饅頭。よかったら食べて」

海未「あ、ありがとうございます」

海未「美味しい…」

絵里「気に入ってくれた?後でお店教えてあげるわ」

51 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/19(月) 04:11:48.18 ID:3wo+WL2k.net
絵里「今日は誰かと一緒に来たの?」

海未「はい…えっと…親戚と」

絵里「そうなんだ、わざわざありがとう!そのリボンからして2年生よね。音ノ木坂への入学を考えているわけではないみたいだから、今日はスクールアイドル目当てだったり?」

海未「ええ、はい。実は私はスクールアイドルの存在自体ごく最近まで知らなかったのですが…」

絵里「なるほどね。学祭はこの音ノ木坂のプロパガンダが一番の目的なんだけど、彼女たち目当てに来たというのもプロデューサーを兼任している立場上すごく嬉しいわ」

海未「絵里先輩は、スクールアイドルとして活動しないのですか?」

絵里「生徒会長であってプロデューサーであっていつも忙しいから…それに、うちのスクールアイドルはにこと凛と花陽、この3人であることが大事なのよ」

絵里「私の好きなにこりんぱな、その中に私の姿はないの。元々裏方の仕事が好きだから丁度いいわ」

絵里「私は私にしか出来ないことをするの…それで彼女たちを支えていられるから十分満足。だからこれ以上望むことはない」

海未「裏方…」

絵里「そう、縁の下の力持ちよ。自分がサポートしてきた子たちがこうして大勢のお客さんたちを笑顔にするのはすごく誇らしいわ。0から始まったんだから…あ、でも、他にもスクールアイドルをやりたいって子がいるみたいだし、そろそろ増員もありかもしれないわね」

絵里「そうしたら海未ちゃんスクールアイドルになってくれないかしら?あ、別に音ノ木坂に無理に入学しろってわけではないわ…」

海未「私は…人前に出ることが苦手ですので…応援していられたらそれでいいです」

絵里「そっか。少し残念だわ。せっかく可愛いのに」

海未「可愛い…?」

52 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/19(月) 04:32:37.66 ID:3wo+WL2k.net
海未「私が…?」

絵里「ええ、日本人形みたいでとっても素敵よ」

海未「可愛い…」

海未「そんなこと…」ポロ...ポロ...

絵里「えっ?ご、ごめんなさい!気にさわるようなこと言っちゃったかしら」

海未「そんなこと…初めて言われました」グスン

絵里「………どうして?」

海未「今まで…うざい、死ね、消えろ、そんな言葉しか言われたことなかったです…先生と話すまで」

絵里「先生?学校の?」

海未「学校の先生ではないです…普段は心の窓口という場所でメンタルサポートの活動をしているそうです。私は…偶然知り合いました…」

海未「教育委員会の職員に身を置きながら個人で子どもと向き合っていると聞きました」

海未「ごめんなさい…私は嘘をつきました。本当は先生と一緒に来ました」

絵里「そうだったのね、本当のことを教えてくれてありがとう」

絵里「私の妹がね、あなたと同じ学校の2年生なの。もしよかったら仲良くしてあげて。亜里沙っていうんだけど、知ってる?」

海未「多分隣のクラスです…」

絵里「少し抜けているところはあるけど、やる時はやる子だからきっと何か役に立ってくれるわ」

海未「ありがとうございます。今日は…楽しかったです」

絵里「こちらこそ本当にありがとう。亜里沙のこと、よろしくね」

53 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2017/06/19(月) 23:46:15.79 ID:tDx77LlQ.net


54 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/20(火) 19:01:50.47 ID:IIq9TSX0.net


55 :名無しで叶える物語(地震なし)@\(^o^)/:2017/06/21(水) 19:01:04.72 ID:brTmh95D.net
うん

56 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/22(木) 01:58:31.32 ID:c2cnb9ew.net
悩んだ結果話を分岐させることにしました

ここからルートAです

57 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/22(木) 02:17:37.02 ID:c2cnb9ew.net
真姫「おかえり、何話してきたの?」

海未「えっとまぁ、いろいろです」

真姫「そう、何か得るものがあったなら良かったけど」

真姫「まだ見たいところある?」

海未「いえ、特にはないです」

真姫「じゃあ早いけど帰りましょ」

─────

真姫「わかってると思うけど今日も私のとこ来なさい」

海未「すいません、度々ご迷惑をおかけします」ペコ

真姫「ふん」

真姫「馬鹿ね、仕事の上でって訳じゃなくて私個人が未成年放っておくことなんて出来ないし許せないの。だから何も遠慮とかはいらないわ」

海未「わかりました…私今日はもう寝たいです」

真姫「わかったわ。明日少し早めに起こすから」

海未「………」

真姫(私の見てないうちに何かあったみたいね…)

58 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/22(木) 03:04:27.10 ID:c2cnb9ew.net
真姫「ふあぁ…眠い…」

真姫「海未、起きて。学校よ…海未⁉」

真姫「おかしいわね…いつもしっかり起きてくるのに」

フ-ッ...フ-ッ...ゼェ...ゼェ...

真姫「海未…?どうしたの⁉」

海未「はぁっ…はぁ…!」

真姫「あっ!大丈夫よ、落ち着いて…ゆっくり繰り返すのよ。そう…ゆっくり吸って、はい、1,2,3,4…うん、で次はゆっくり吐くのよ…はい、1,2,3,4…よしよし偉いわ」サスサス

海未「ふぅーっふぅーっ」

真姫「まだゆっくり呼吸しなさい…よし、落ち着いたわね」

海未「ごめん…なさい…」

真姫「駄目じゃない、1人で抱えこんじゃ嫌よ…!」ギュ

海未「はい…」

真姫「…話してくれる?何があったのか」

海未「う…っ…!」ポロポロ

真姫「大丈夫。私はずっと待ってるから。言えたらでいいの」

海未「実は…」

59 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/23(金) 01:57:11.87 ID:OaIjfO36.net
海未「昨日、音ノ木坂の生徒会長に会ったんです」

真姫「そうだったのね」

海未「とても良い方でした…」

真姫「うん、続けて」

海未「私と同い年の妹さんがいるそうで…」

真姫「……⁉」

海未「名前、聞いたんですよ……」

真姫「うそ………」

海未「音ノ木坂生徒会長、絵里先輩の妹は……私を虐めてくる主犯にあたる、あの…綾瀬亜里沙だったのです……」

真姫「そんなこと…あるのね……」

海未「もう誰を信じていけばいいのかわからなくなりました」

真姫「でも…まだそうとは限らないじゃない?」

海未「私はあの時絵里先輩に少しだけ憧れに近い感情を抱いたのに…その妹が今世界で一番憎い人間なんですよ…!」

海未「私は…私はっ…!」ダッ!

真姫「待ちなさい!行く宛はあるの?」

海未「っ…!知りません!何もかも!もう私なんていなくなればいいんです‼」

真姫「馬鹿言うんじゃないわよ‼」

真姫「マズイわね…どっち曲がったかわからない…」

60 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/23(金) 19:52:58.44 ID:ZGq0349y.net
シリアスやね

61 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/23(金) 23:55:57.20 ID:OaIjfO36.net
海未「はぁっはぁっ…」

海未「酷いです!みんな私を騙して…陰で笑っていたのですね」

海未「はぁ…はぁ…」

海未「どうしたのでしょうか…胸が…く、苦しい…!」

海未「はぁ…!はぁ…!」

大丈夫ですか?息が荒いですよ?

海未「ぁ…ありがとうございます…すこし休めば治りますから…!」

どうして下向いてるんですか?顔色がわからないから見せてください

海未「す、すいません…今気分が悪いので…」

わかりました。落ち着いたら顔上げてください!

海未「ふぅ…よくなってきました。本当にありがとうございます」

よかったぁ…顔見せてください

海未「わかりました………⁉」

亜里沙「え…海未…」

海未「いやぁぁぁあああ‼」

62 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 00:02:52.82 ID:mBTR74Al.net
亜里沙「海未!待って!」

海未「来ないでください!」

亜里沙「私海未と1回話さなきゃいけないの!」

海未「金輪際私とは関わらないでください‼」

亜里沙「海未……⁉止まって!行っちゃダメっ!」

海未「もう私は騙されませんから!」

亜里沙「横から車来てるって!止まって!」

亜里沙「ダメーーーっ‼」

海未「あっ…」

グシャ...

63 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 00:52:02.28 ID:mBTR74Al.net
真姫「海未…どこかしら…」

真姫「あの子が行く宛なんて全くわからない…母親のとこってことはないし…」

真姫「救急車…なんだか胸騒ぎがするわね…」

真姫「結構近くに停まったわね。野次馬根性は嫌いだけど見に行きましょ」



真姫「事故ですか?」

なんだか女の子が信号無視して飛び出したみたいでね、思いっきりトラックに跳ねられちゃったんだよ

真姫「…その女の子の特徴は…?」

んー髪が長くてストレート?だね、後服は上下ジャージで…あれ?どうしたのかな

真姫「…!海未!海未‼」

真姫「すいません、どいてください!」

ちょっと!近づかないでください!

真姫「海未…どうして…」

離れてください‼

真姫「私はこの子の保護者です‼」

なら一緒に乗ってください!

救急車出します‼周囲の確認‼

真姫「…わかりました」

64 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 15:26:55.11 ID:90PlQ7qP.net


65 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/24(土) 22:59:24.42 ID:KaluZwQr.net


66 :名無しで叶える物語(神々の温泉街)@\(^o^)/:2017/06/25(日) 06:06:00.39 ID:C3o+Xcbe.net


67 :名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/:2017/06/25(日) 16:11:46.69 ID:Rr/HFhz3.net


68 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/25(日) 23:38:13.41 ID:mmP8ysrz.net


69 :名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/:2017/06/26(月) 12:28:02.82 ID:AtCw5GDJ.net
海未さん呼びじゃない亜里沙って新鮮

70 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 01:27:42.87 ID:cnTUHcDp.net


71 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/27(火) 18:52:31.24 ID:xDlRnIlu.net
>>69
確かに

72 :名無しで叶える物語(神々の温泉街)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 03:15:00.52 ID:CF7enfPH.net


73 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 11:33:00.46 ID:IYgODoBS.net
真姫「海未…どうして…」

真姫「1人で抱え込まないで、なんでも言ってって言ったじゃない…」

海未「ん…」

海未「先生…ごめんなさい」

真姫「馬鹿!心配したんだから…!」

真姫「あなたは1人じゃないってこと、もっと自覚しなさい」

海未「すいません…」

真姫「謝るの禁止よ」

海未「じゃあどうすればいいのですか」

真姫「決めたんでしょ?やりたいこと」

真姫「スクールアイドルを応援したいんでしょ?」

真姫「だったら、もっと笑う、もっと我が儘を言う」

真姫「応援する人が笑顔じゃなかったらステージに立つ子たちも嬉しくないわ」

海未「そうですよね、全部私に足りないです」

真姫「足りない物をどう補うかは自分で考えなさい。それがわかった時何をすべきか気がつくはずよ」

74 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 12:12:24.81 ID:IYgODoBS.net
海未「先生、思ったんです」

真姫「何か見つけた?」

海未「ファンとして応援すること以外にもやりたいことがあるのでは、と」

真姫「それはいいわ」

海未「えーと…私…作詞とかやれたらなって…」

真姫「ふふっ」

真姫「やってみなさい。なんでも挑戦するに越したことはないわ」

真姫「自分が作った歌が誰かに愛されるって中々素敵じゃない」

海未「でも…その…やっぱり恥ずかしいです」

海未「私なんて句でも詠んでいればいいです」

真姫「またそうやって…」グイッ

真姫「…⁉」

真姫「海未の手…冷たい」

75 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 22:41:20.10 ID:IYgODoBS.net
海未「昨日、音ノ木坂の生徒会長に会ったんです」

真姫「そうだったのね」

海未「とても良い方でした…」

真姫「うん、続けて」

海未「私と同い年の妹さんがいるそうで…」

真姫「……⁉」

海未「名前、聞いたんですよ……」

真姫「うそ………」

海未「音ノ木坂生徒会長、絵里先輩の妹は……私を虐めてくる主犯にあたる、あの…綾瀬亜里沙だったのです……」

真姫「そんなこと…あるのね……」

海未「もう誰を信じていけばいいのかわからなくなりました」

真姫「でも…まだそうとは限らないじゃない?」

海未「私はあの時絵里先輩に少しだけ憧れに近い感情を抱いたのに…その妹が今世界で一番憎い人間なんですよ…!」

海未「私は…私はっ…!」ダッ!

真姫「待ちなさい!行く宛はあるの?」

海未「っ…!知りません!何もかも!もう私なんていなくなればいいんです‼」

真姫「馬鹿言うんじゃないわよ‼」

真姫「マズイわね…どっち曲がったかわからない…」

76 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 22:51:44.94 ID:IYgODoBS.net

なんかエラー多い…
この前は投稿反映されなかったのに今度は勝手に過去レスが飛んでいる

77 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 22:57:44.22 ID:IYgODoBS.net
海未「難しいですね…何も思いつきません」

真姫「焦らなくていいのよ。ゆっくり考えなさい」

海未「はい……」

真姫「どうしたの?」

海未「すごく眠たいです」

真姫「疲れてるのよ。一回ゆっくり休みなさい」

78 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 23:03:39.52 ID:IYgODoBS.net
真姫「おはようう…寝てたか」

真姫「ふぅ…最近ずっと寝てるわね」

真姫「起きるまでどのくらいかしら…」



真姫「今日はそろそろ仕事行かなきゃ…」

真姫「ごめん、帰るわ。また明日ね」

海未「待って…ください」

真姫「あら!起きたの」

海未「一つ、お願いしてもよろしいでしょうか?」

真姫「いいわよ、何?」

海未「私の着物…ここに持ってきてもらえますか?」

真姫「わかったわ。明日起きたらここに置いてあるようにするから」

海未「…お願いします」

79 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 23:18:35.51 ID:IYgODoBS.net
真姫「今日は起きてるのね」

海未「はい。これ、ありがとうございます」

真姫「別にいいのよそれくらい」

真姫「それにしてもすごく綺麗ね。久しぶりに袖通す?」

海未「私の唯一大切にしているものですから…あ、少し着てみたいです」

真姫「ふふっ可愛いじゃない!写真撮ってあげる」パシャ

海未「うう…恥ずかしいです!」

真姫「海未にぴったりの色ね」

海未「深縹というそうです。紺色の中でも濃く勇ましい色合いで、男物の衣装によく用いられると聞きました」

海未「私もこの色のように…強くなれるでしょうか」

真姫「きっとなれるわ。だから、夢を持つのよ」

海未「夢、ですか?」

真姫「そうよ。私にもあるわ。あなたを自信持って前に進むことができるようにすること!」

海未「先生…」

真姫「海未!あなたも一つ夢を持ちなさい。目標だっていいわ。明日必ず聞かせてよ。久しぶりの私からの課題、しっかりね」

海未「はい、考えておきます」

真姫「じゃあね。また明日…」

海未「ありがとうございました」ニコッ


真姫「笑ってたわね…よかった」

真姫「明日どうかしら」

80 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 23:31:19.90 ID:IYgODoBS.net
真姫「私の夢は、叶わなかった」

真姫「あまりに突然であまりに悲しい現実だった」




真姫「ちょっと遅くなっちゃった…」

真姫「ちゃんと考えたかしら」コンコン

真姫「あれ?誰も出ないなんておかしいわね」

園田さんの知り合いの方でしょうか

真姫「ええ、そうです」

残念ながら、園田さんは今朝亡くなりました

真姫「………⁉」

真姫「どういうことよ⁉」

朝食を運びに行った時には既に亡くなっていたようです

真姫「何してんのよ…‼あの子昨日も私と喋っていたのよ⁉」

事故後、衰弱が止まらなかったそうです

真姫「…!そういえば…ここ数日よく寝てた…」

ですから、残念ですが…

真姫「そこをどうにかするのがあんたたちの仕事でしょ‼こんなに若い子が…日に日に弱っていくのをどうしてっ…」

真姫「どうして…私は気がつかなかったのよ…‼」

真姫「ううっ…本当…情けないわ‼何が保護者よ…!」

真姫「結局身近にいた子を助けることも出来ないじゃない…!」ポロ

真姫「馬鹿よ…偉そうなことばっかり言って…何もしてあげられなかった」

真姫「…ごめんね、海未」ポロポロ

81 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 23:34:56.33 ID:IYgODoBS.net
真姫「葬儀はひっそりと行われた」

真姫「来たのは私の同業者数人」

真姫「海未の…友人はおろか、母親すら来なかった」


真姫「全て終わったのは、あの日…初めて海未と出会った時と同じ」


真姫「6月の終わり、夜雨の降る、深縹の紫陽花に囲まれた場所だった」

82 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 23:36:01.37 ID:IYgODoBS.net
おしまい

ここからルートBです

83 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/28(水) 23:59:26.47 ID:IYgODoBS.net
亜里沙「おはよう!」バシ-ン

海未「ひゃっ⁉」ビクッ!

海未「だ、誰…ですか…?」

亜里沙「誰って私だよ、亜里沙だよ?」

海未「あっ…絵里先輩の妹さんの…」

亜里沙「そう!…ってあ!そっか初めてだったんだ!」

亜里沙「ごめんなさい‼私絢瀬亜里沙!よろしくね」

海未「えと、よろしくお願いします」

亜里沙「ねぇ今日の放課後暇?」

海未「暇…ですが」

亜里沙「ならさ、私と遊びに行こうよ!いいよね?」

海未「うえぇ…わかりました」

亜里沙「決まりね!じゃあ放課後公園にしゅーごー!」

海未(なんだか少し苦手なタイプかもしれません)

84 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 00:22:33.46 ID:MletbU7u.net
海未「彼女がもたらした幸運でしょうか、今日は本当に何事もなく1日終わりました…考えられません」

海未「集合場所に到着しましたが…少し早かったかもしれませんね」

亜里沙「ごめ〜ん!待ったかな?」

海未「いえ、その、私も今来たところです」

亜里沙「そっか、じゃあ早速行こっか!」

海未「わわっ待ってください!」


亜里沙「いたいた!お〜い!」

雪穂「あっ亜里沙!と…そっちの子は?」

亜里沙「海未だよ!今日から友達!」

雪穂「はぁ?また適当なこと言ってない?…あっどうも、高坂雪穂です。よろしくね」

海未「よろしく…お願いします」

海未(亜里沙とは対照的…と言っては彼女に悪いですが、しっかりした方です)

亜里沙「今日雪穂の家行っていい?」

雪穂「まぁ、そんなことだろうと思って綺麗にしといたよ。どうぞ」

亜里沙「大体いつも綺麗じゃん雪穂の部屋」

海未「あの、私は…」

亜里沙「行くの!当然だよ〜」

海未「すいません、よろしくお願いします」

雪穂「まぁまぁそんな丁寧にしなくてもいいって」

雪穂「それじゃ、行こっか」

85 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 00:34:13.46 ID:MletbU7u.net
雪穂「上がって上がって〜」

海未「お邪魔します…」

亜里沙「ふふふふ!」

海未「…?」

亜里沙「なんだかコソコソして海未泥棒みたい!」

海未「なっ…す、すいませんでした」

雪穂「こら亜里沙!冗談キツいよ」

亜里沙「あーそうだったかも…ごめんね、悪く言った訳じゃないの!」

海未「いえ、大丈夫です…」

あれっ?うち来るの初めてじゃない⁉

雪穂「あっお疲れ〜」

海未「あっはい、初めまして。園田海未と申します」ペコ

穂乃果「しっかりしてて偉いねぇ!私穂乃果!雪穂の姉だよ〜」

雪穂「海未ちゃん、面倒だと思ったらスルーしていいからね」

穂乃果「ちょっとそれ酷くない⁉もっと海未ちゃんとお話ししたいのに!」

穂乃果「あっ亜里沙ちゃんもいらっしゃい!」

亜里沙「お邪魔してます〜」

雪穂「はぁ…ホントにこの姉は…」

海未「私は別に嫌じゃないですから」

穂乃果「あぁ〜本当良い子!うちの冷めた妹とは大違い‼」

雪穂「何を〜!」

亜里沙「あはは…まあまあ」

海未「…ふふ」

亜里沙「あ!海未ようやく笑った!」

海未「賑やかで…楽しいです」

雪穂「…そっか、よかった。ゆっくりしてってね」

86 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 00:46:33.49 ID:MletbU7u.net
亜里沙「あはは!それでね〜」

雪穂「またやったの?本当懲りないねぇ…」

亜里沙「ね、海未はどう思う⁉」

海未「わっ私は…」

亜里沙「ねぇ、海未ってさ…」

海未(マズいです!私がはっきり物を言わない所為で…)

海未「あわわわ…」

亜里沙「本当可愛いよね‼綺麗な髪!お雛様みたい!」

雪穂「うん!私も、そう思うよ」

海未「あの…恥ずかしいです!」

亜里沙「あ…そう?良いことだよ」

海未「実は絵里先輩にも同じように褒められて…恥ずかしかったです」

海未「でも…この前も、今も、すごく嬉しいです」

雪穂「へへ、流石姉妹ってとこだね」

亜里沙「うん、海未は笑った方が可愛いよ」

海未「またそんな…」

雪穂「あ、そういえばだけどさ、海未ちゃんは何か好きなことある?」

雪穂「突然でごめんね」

海未「私は…」

海未(今までと同じように殻に閉じ籠っていてはいけません!)

海未(自分を変えるのは…自分です!)

海未「私は、スクールアイドルが好きです」

87 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 01:07:36.98 ID:MletbU7u.net
穂乃果「本当っ⁉」バタン!

海未「きゃっ⁉」

雪穂「もう!びっくりしてるじゃん‼」

穂乃果「ごご、ごめん!海未ちゃんスクールアイドル好きなの⁉」

海未「ええ、はい。この前音ノ木坂の学祭で、スクールアイドルのライブを観に行きました。みんなキラキラ輝いていて…とても眩しかったです」

穂乃果「ふっふーん♪」ドヤ

海未「穂乃果さん…?」

穂乃果「あの時の衣装ね、穂乃果と友達のことりちゃんと2人で作ったんだ‼」

海未「そうだったんですか…すごく、可愛いです…!」

穂乃果「ありがとう‼なにせ穂乃果の幼馴染がプロデューサーだからね!是非協力させてって頼んだんだよ。自信作だったから嬉しいなぁ〜!」

海未「すごいです!いつも作っているのですか?」キラキラ

穂乃果「えへへ、そうだよ!昨日ね、丁度次のライブの為の衣装が1着完成したんだよ!海未ちゃん、よかったら着てみて‼」

海未「わ…私が、ですか?」

亜里沙「もちろん!」

雪穂「似合うと思うよ!」

海未「ありがとうございます…!」


穂乃果「うぅ〜んやっぱ可愛いー!海未ちゃん絶対スクールアイドルになりなよ!」

亜里沙「ハラショー!すっごく良いよ!」

雪穂「うんうん!」

海未「これが…私…」

海未(恥ずかしいですが…すごく心地いい気がします…)

海未「やはり、スクールアイドルはすごいです」

海未「こんな私でさえも、キラキラ輝いている…」

穂乃果「元々輝いているんだよ、今迄気がつかなかっただけで!」

穂乃果「誰かの魅力を最大限引き出す、スクールアイドルはとっても素敵なものだよ」

穂乃果「自分が笑顔に、誰かを笑顔に!そうやってみんなを幸せにするんだよ」

海未「みんなを…幸せに…」

海未「私は…どうなのでしょうか」

88 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 01:10:29.57 ID:MletbU7u.net
海未「私も、もっと前に出てもいいんですか?」

真姫「ふふ、当然よ」

海未「みんなを笑顔に出来るでしょうか?」

真姫「当たり前じゃない。みんな誰だって可能性に満ち溢れているんだから」

海未「先生…ありがとうございました」

89 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 01:16:04.86 ID:MletbU7u.net
海未「みなさんこんにちは!私は音ノ木坂学院のスクールアイドルμ'sのリーダー、園田海未です‼」

海未「今日も最後まで楽しんでいってください‼」



真姫「ふふっやってるやってる」

真姫「あれからもう2年も経つのね…月日が経つのは本当早くて嫌になるわ」

真姫「まぁ、嫌なことばかりじゃあないんだけど」

真姫「あんなに暗い目をしていた女の子が、今はみんなを明るくしているとはね…」

真姫「今日は気持ちのいい晴れの日」

真姫「だけど雨の日と同じように、紫陽花は綺麗な深縹に染まり、元気に咲き誇っている」

90 :名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 01:17:12.43 ID:MletbU7u.net
終わりです
不具合中も保守ありがとうございました

91 :名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 01:18:56.67 ID:I5xRaQC2.net
乙です
もうちょっと見ていたかったけど、良かったよ

92 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/:2017/06/29(木) 02:44:19.84 ID:391h2zan.net

海未ちゃんが元気になって良かった

ところで勘違いだったら悪いんだが>>74から>>77の間ミスってないか
話が飛んでる気がするんだが

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