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【SS】善子と千歌の楽しい一日

1 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 09:45:52.97 ID:0JqjdI50.net
代行
ちかよし流行れ

37 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:47:58.36 ID:ef68TlkC.net
こんなに平和なちかよしりこ初めて見た
野菜世界

38 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:50:47.61 ID:wVDIrwGb.net
***

「それじゃ、チカたちそろそろ行くね!」

「洗い物まで手伝ってくれてありがとう」

「当然よ。材料と下準備までしてもらったんだもの」

「次は誰のところに行くの?」

「果南ちゃんとこだよ!」

「その後マリーのホテルに寄ってから、曜のところよ」

「結構ハードスケジュールなのね。今からそんな風にしたら、曜ちゃんのところに着くの夜になっちゃうんじゃないの?」

「そしたら泊まるからだいじょーぶだよ!」

「ちゃんと前もってそのこと連絡しておくのよ?」

「だいじょーぶだよ〜、よーちゃんのお母さんとも仲いいから!」

「…善子ちゃん、お願いね」

「わかってるわよ。…っていうか私は曜のとこから家近いし、千歌さんだけ預けて帰るわ」

「ええー?! 善子ちゃん一緒に泊まらないの?!」

「二人も泊まったら迷惑じゃないの」

「だいじょーぶだよー!」

「それはあなたが決めることじゃないでしょ…」

39 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:51:35.97 ID:wVDIrwGb.net
「ねーねー、善子ちゃんも一緒に泊まろーよー」グイグイ

「ちょっ、やめなさい! ああもう、曜のお母様が許可してくださったらそうするから! 引っ張るのやめて!」

「ほんと?! やったー!」ピョンピョン

「もう、強引なんだから」

「それが千歌ちゃんだから」

「尊敬するわよ、リリーも曜も」

「よーちゃんに連絡しとこーっ」

「こういう根回しは速いのね…」

「それが千歌ちゃんだから…」

「じゃー行こっか、善子ちゃん!」

「連絡するなら終わってからにしなさい。歩きながらスマホいじっちゃだめよ」

「えー…はーい」

「リリー、お母さんみたいね…」

「手の掛かる娘よ」

***

40 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:52:11.86 ID:wVDIrwGb.net
***

「果南ちゃん家にしゅっぱーつ!」

「おー」

「果南ちゃんとはなにして遊ぶのかな〜」

「さあね。あの人のことだから、海に行くんでしょ。きっと」

「別に果南ちゃんだって一日じゅう海にいるわけじゃないよ?」

「でも一日に20時間くらいはいるじゃない」

「まあそうだけど」

(そうなの?)

「私、あの人が楽しそうに遊んでるのってドッチボールの印象しかないのよね」

「あー…あの一年生がこてんぱんにやられたやつ?」

「そうあれ。以来ボールがちょっとしたトラウマよ。できれば対戦型のスポーツは避けてほしいわね…」

「三人だから、チーム分けしなきゃいけないことはやらないんじゃないかな」

「二対一でちょうどいいとか言いそうじゃない」

「二対一でもハンデ足りないけどね」

「やっぱりスポーツ以外がいいなあ…」

***

41 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:53:10.62 ID:wVDIrwGb.net
***

「待ってたよ! さ、水着に着替えて! ビーチバレーやるからね! ああ、チカと善子がチームでいいよ。後輩二人くらい、私一人で充分だからね!」

「うわああああんっ、やっぱりそうじゃないのーー!」ビエエッ

「さすが果南ちゃん」

「インドアな遊びばっかりやってないで、たまには太陽浴びながら汗かかなきゃね! 魅力的な女になれないぞ〜」

「ひえええ…全身筋肉になっちゃう…」ガクブル

「普通ほとんど筋肉だと思うけど」

(ボールがっていうより果南ちゃんがトラウマに見える)

「か、果南ちゃん! 提案がありますっ!」バッ

「ん? どした? チカ」

「チカたちさっきお昼食べたばっかりで、今すぐ運動するのはちょっときついかな〜…なんて。ビーチバレーは人が集まったときにして、なにかもう少し落ち着いたことしない?」

(ち、千歌さん……!!)パアアッ

「うーん、そうだねえ…食後にビーチバレーは確かに激しいか…う〜〜ん………うん、じゃあ、ナシ!」

「………………」

「………………」

「「え?」」ナシ?

「だから、ナシ! 私との時間は終わりだよ。次は鞠莉のとこだっけ? よし、行っておいで!」

「「え………えええええええええっっ??!!」」

「さ、二人とも。行った行った」ハイハイ

***

42 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:54:52.03 ID:wVDIrwGb.net
***

テクテク


「……ねえ千歌さん」

「……なあに善子ちゃん」

「助け船を出してくれたのは嬉しいんだけど、ここまで予想してた?」

「まさか…予想外だよ。あの遊びたがりの果南ちゃんが、まさかなにもせずにチカのこと見送るなんて…」

「遊びたがりなの?」

「遊びたがりだよ。昔っからね。小学生の頃なんか、学校にマイドッチボール持ってきてたくらいだもん」

「なにそれ。持ってこなくても学校にあったんでしょ」

「果南ちゃんのマイドッチボールは、お昼休み用じゃなくて下校用なの」

「下校…用…?」

「下校する時間も遊びたがって仕方ないから、帰りながらドッチボールしてたんだよ」

「だいぶ危なくない?」

「車に轢かれ掛けたのは一回や二回じゃないね…」ウンウン

(狂気の沙汰じゃないの…)

「だから、まさかあんな風に引き下がるなんて思わなかったなあ」

「実はお店のほうが忙しかったのかもしれないわね」

「そうだね。果南ちゃん面倒見もいいし付き合いもいいから、結構自分の用事を後回しにしたりしてくれちゃうんだよね」

「あと遊びたがりだしね」

「あはは。それが一番の理由かも」

「ま、こうなったものは仕方ないわ。センパイとはまた今度遊ぶことにしましょう」

「うん、そうだね〜」


(連絡したときにはひまだって言ったって、千歌さん言ってたと思うんだけどな…)

***

43 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:55:59.45 ID:wVDIrwGb.net
***

「ハァイ、ちかっち! 善子!」

「こんにちはー、鞠莉ちゃん」

「こんにちは。相変わらず元気ね」

「モッチロン。元気じゃないとなんだってできないからね!」

「鞠莉ちゃんその格好なんだかオトナだね〜」

「あら、そう? 練習着とは雰囲気が違うわよね、確かに」シャラーン

「…ここにいてそんな格好してるって、つまり忙しいんじゃないの? 私たちと遊ぶために無理してない?」

「wao. 気を遣ってくれてるの? 善子。ほんとに善い子だね」ヨシヨシ

「んなっ、はあ?! そーゆーんじゃないけど?! 善子ゆーなし…んにゃあ撫でるなーーっ!」ウガーッ

(それでも払いのけたりしない善子ちゃんかわいい)

「don't worry. 気にしないで。たとえどれだけ忙しかったとしても、かわいい後輩たちのために時間を割けないようじゃ、マリィは務まらないもの。さ、こっちよ」カモン

「うぎゅー……うちの三年生はこんな人ばっかりなのね」

「みんな優しいからね〜。行こ、善子ちゃん」

「ええ」

***

44 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:56:56.29 ID:wVDIrwGb.net
***

「ねー鞠莉ちゃん、今からなにするの?」

「ウーーン…決めてないのよね」しれっ

「マリの好きなことってなに?」

「スポーツはなんでも好きよ。あと歌うのも好きだし、動物も好きね。ダイヤと果南も好き」

「えーーー、チカのことは好きじゃないのー?」

「なに言ってるの! ちかっちも善子も、Aqoursの仲間はみーんな大好きだよ!」ムギューッ

「きゃー、鞠莉ちゃんが大胆だよーっ」キャッキャ

「ほんと、いつも楽しそうよね…あなたたち…」

「ここに来るまではなにしてたの?」

「えっとね、まず花丸ちゃんのところで本読んで、ダイヤさんとお琴の稽古して、ルビィちゃんとメダカのお世話して、梨子ちゃんとサンドイッチ作って、
あ、果南ちゃんとはビーチバレーやろうとしたんだけど、ごはんの後だから…って言ったら、『私と遊ぶのはナシ』って追い返されちゃった…」シュン

「果南が? 珍しいわね。遊びたがりなのに」

(やっぱり遊びたがりなんだ)

「それにしても、色んなことしたのね。マリィも参加したかったわ」

「次は鞠莉ちゃんも一緒にやろうね!」

「モチロン!」

45 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:57:43.51 ID:wVDIrwGb.net
「さて、なにしましょうか」

「チカたちはなんでもいいよ! 鞠莉ちゃんのしたいこと!」

「そ。今日はそういう目的だからね」

「そうねえ、だったらーー」





「あ、ごめんなさい。なにか来たみたい」

「気にしないで、読んで」

「thank you. んん……」

「ねね、チカいーこと思い付いたよ」

「なに?」

「鞠莉ちゃん、ドレスとかたくさん持ってそうでしょ。だから、」

「却下よ」

「えーーー! まだなんにも言ってないじゃん!」

「どうせファッションショーでもしようって言うんでしょ」

「あれ。なんでわかったの?」

「あなたの考えることなんてお見通しよ」

「さすが善子ちゃん…いつもチカと一緒にいるだけのことあるね」

「ま、まあね…」//

「でも、ファッションショーはなんでだめなの?」

「文字だけじゃほとんど伝わらないからよ」

「へ?」

46 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:58:40.32 ID:wVDIrwGb.net
「ごめんなさい、善子。ちかっち。今から遊ぶのは無理そうだわ」

「あら、お仕事のメールかなにかだったの?」

「そんなところ。sorry... それでね、提案なんだけど。遊ぶ代わりと言ったらなんなんだけど、パーティ会場の飾り付けを一緒にやらない?」

「パーティ会場?! 鞠莉ちゃんパーティやるの?!」

「ええ、今夜ここにちょっとしたお客さんを呼ぶことにしたの。それで、簡単に会場を作る必要があるのよ…どうかしら」

「おもしろそー! ね、善子ちゃん、いいよね!」

「…私は別に構わないわよ」

「really?! 助かるわ、ありがとう! それじゃ、会場まで案内するわね」

「鞠莉ちゃんとこでやるパーティか〜、すごいんだろうな〜」

「必ずしも豪華なパーティばっかりをするわけじゃないわよ。大切な相手と静かに過ごすパーティもあるんだから」

「屋上に上がるよ。ついてきて」

「は〜い!」タタタ

「………………」テクテク

(自分のとこでやるパーティの準備の手伝い? をさせられるの? なんか…あんまりマリらしくないわね…)

***

47 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 11:59:46.91 ID:wVDIrwGb.net
***

「うわーー、広っろーーーーい! 初めて来たーー!」

「ほんと。この建物の面積がはっきりわかるわね…」

「向こうは客室用のシーツを干すスペースで、あっちに並んでるのはガスエアコンの本体機ね。その隣が貯水タンクで、こっちの一帯だけ空きスペースなの」

「今日はここでパーティするの?」

「そうよ!」

「へえ…パーティやるには手狭な感じがするけど」

「今夜のお客さんは10人弱だから、こんなもので充分なのよ」

「そう。飲めや騒げをするわけじゃないなら、確かにそこまで不足する感じでもなさそうね」

「そうでしょ。安心してね! …あ、飾り付けの道具来たみたい」


ザッザッザッ ドサドサドサッ ペコッ ザッザッザッ…


「軍隊みたいな人たちが控えてるのね…」

「みんな、昔からここに仕えてくれてる方々なの。給仕はプロ級よ」

「いいな〜。チカのとこにも給仕さん雇おうかな〜」

「いや、あなたの旅館には合わないでしょ…」

「それじゃ始めるわよ!」

***

48 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 12:01:01.28 ID:wVDIrwGb.net
***

「端っこ持ってちょうだい。よし、ひろげるわよ」

「うわ〜! こんなふわふわの絨毯初めて見たーー!」

「ほんと…寝っ転がったら気持ちよさそう…」


「カラフルなクッションだね。かわい〜」

「一目惚れしちゃってね。つい買っちゃったのよ」

「いち、にい、さん…………ふうん」


「鞠莉ちゃーん。これどこに置くー?」

「それは隅に置いておいて。誰かさんが蹴飛ばすといけないからね」

「はーい」


「…うん! 上出来ね」

「お〜っ、かわいいパーティ会場になったね!」

「マリ。やっておきながらこんなこと言うのもどうかと思うんだけど、その…ほんとにこれでいいの?」

「why? 完璧だよ。今日のお客さんは堅苦しいのより、こうやってわいわいできるほうがいいはずだからね」

「…そう。マリがいいって言うなら、きっとそうなのね」

「鞠莉ちゃん! そのうちチカたちも誘ってパーティやってね!」

「任せて。近いうちに、必ずね」

***

49 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 12:02:06.10 ID:wVDIrwGb.net
***

「ここまででいいわよ。やっぱり、本当は忙しいんでしょ」

「善子は気を遣ってくれすぎよ。でも、ありがとね」

「鞠莉ちゃんこれからなにするの?」

「おもてなしするための料理を作らなくちゃいけないからね。その指揮と、私自身も手伝うよ」

「鞠莉ちゃんお料理できるんだ〜!」

「モッチロン! ほら、一般常識ってやつ? ちかっちたちは料理しないの?」

「料理本ならたまに読むけど…実践には至ったことないわね…」

「チカの得意料理はサンドイッチかな!」ドヤッ

「excellent. いつか食べさせてね」

「うん! それじゃ鞠莉ちゃん、またね!」

「お邪魔したわね」

「ええ。曜たちによろしくね〜」チャオ!

***

50 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 12:03:14.77 ID:wVDIrwGb.net
***

プシュー バタン ブゥゥゥン…


「最後はよーちゃんのとこだね」

「そうね……」

「善子ちゃん? どうかした?」

「えっ。いや、別に。やっぱり結構遅くなっちゃったなと思って」

「そうだね。疲れちゃった?」

「私は平気だけど。曜のとこ、迷惑じゃないかしら」

「だいじょーぶだと思うけどな〜。一応連絡してみるね」

「うん、お願い」

「それにしても、今日一日楽しかったね」

「ほんと、色んなことしたわね。私たち二人じゃ絶対に思い付かなかったようなことばっかり」

「善子ちゃんはなにが一番楽しかった?」

「もう一日が終わったかのような話をするわね。早くない?」

「今聞いても後で聞いても、答えは変わらないかなーって」

「あら、まるで曜と遊ぶのが一番になることはないって言ってるみたいね」

「そういうつもりじゃないけど…今で一番のことはそのまんまかなって、ね」

「それなら私も言っておくけど、その話をするのはまだ早いと思うわ」

「そうかなあ」

「きっとそうよ」


ブゥゥゥン…

***

51 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 12:04:11.77 ID:wVDIrwGb.net
***

「いらっしゃい、ちかちゃん。善子ちゃん」

「さっきぶりずら〜」

「やっほー、よーちゃん。花丸ちゃん。遅くなっちゃってごめんね」

「平気だよ。ママも今日は泊まっていけばいいって言ってるし」

「ほんとに?! やったー! ほらね善子ちゃん、チカの言ったとおりでしょ!」

「まるも泊まっていっていいの?」

「うん、もちろん! 何人でもオッケーだよ。ま、その分狭くなっちゃうのは勘弁してね」アハハ

「花丸ちゃんとお泊まりするのって珍しいよね」

「AZALEAだけど、よろしくお願いしますずら」ペコ

「善子ちゃんもギルキスだからだいじょーぶだよ! ね、善子ちゃん。気にしないよね!」

「そりゃもちろん、ユニット以前にずら丸だから気にしないけど」

「よーし! じゃーさっそく遊ぼーっ!」

「「おーーーっ!!」」

「ちょっと待ちなさーーーーーい!!!」

52 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 12:05:24.08 ID:wVDIrwGb.net
「おっとお! ここで善子ちゃんからタイムが入ったよ」

「善子ちゃん。人のおうちで大きな声を出しちゃだめだよ」

「どうかした? 善子ちゃん」

「よ、善子善子連発しないで…っ! じゃなくて、なんでずら丸がいるのよ?! さも当然のように!」

「えー。善子ちゃん、千歌ちゃんと二人きりになりたいわけじゃなくて、まるのこと嫌いなだけずら?」

「えっ? ちかちゃんと二人きり? なにそれ、なんの話??」ワクワク

「そ、その話は今いいから!」

「後で聞かせてね」

「ずらっ」

「そこ、密約を交わすな! さっき別れた友達が再登場したら驚くでしょ、普通! 曜はまだしも、なんで千歌さんまでそうあっさりしてるの?!」

「へ? だって花丸ちゃん呼んだのチカだもん」キョトン

「でえええっ?! いつの間に?!」

「梨子ちゃん家出るとき」

「やけに長いことケータイいじってると思ったら…」

「よーちゃん、準備できてる?」

「ばっちりだよ!」ゞ

「え、もうなにするか決まってるの? ……なにするの…?」

「あはは、やだなあ善子ちゃん。まるたち三人と善子ちゃんで、やることなんか一つしかないよ」ニコォ

「な、なに…」タジ

「メンバーのプロフィールはしっかり抑えとかなきゃだめだよ、善子ちゃん!」ニコッ

***

53 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 12:06:04.86 ID:wVDIrwGb.net
再び外す
次の投下祭りで完結するので!

54 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 12:14:00.74 ID:eBVG3XPT.net
つまらないから自分のブログででもやってどうぞ

55 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 12:41:31.06 ID:a6DjzYLY.net
まだ読んでないけどあんた最高だよ

56 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 14:23:38.25 ID:76qCJKIY.net
よっいゃちかよしやんけ!!

57 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:08:46.47 ID:wVDIrwGb.net
***

「ぎにゃーーーーっ、放してーー! 放せーーー!! 放しなさーーーいっ!!!」ジタバタ

「よくこんなにたくさん用意できたずらね」

「親戚のおじさんがみかん農家やってるからね。よく送られてくるんだ」

「だからよーちゃん家いつもみかんの匂いするよね」クンクン

「言われてみたらそうだね」クンクン

「あはは…天然のお香ってことで」

「和んで会話してるんじゃないわよ! ほどきなさいよコレ!」

「ほどいたら善子ちゃん逃げちゃいそうだから」

「そりゃ逃げるわよ! あんた目の前に牛乳500リットル置かれて縛られてみなさいよ! 気絶できるならしてるとこだから!」

「いつにも増して荒れてるね〜、善子ちゃん」

「他人事みたいに言うなーーーっ!」ジタバタジタバタ

「う〜ん…善子ちゃんも構ってほしそうだし。そろそろ始めよっか」

「えっ」ジタバ… ピタッ

「うん、今日もみかんが旨い!」

「そもそも善子ちゃんがいけないずら。こんなに美味しいのに苦手なんて言うから」モグ

「こんなに美味しいみかん、善子ちゃんに分けてあげないわけにいかないもんね」

「えっ、や…いいから……そういうの、いいからあ…」


ギャーーーーーーーーーーーー………ッッ

***

58 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:09:30.53 ID:wVDIrwGb.net
***

「 」←善子(!DEAD!)

「いやー、よーちゃんとこのみかんほんと美味しいよね〜」

「ほんとに。甘味がぎゅっと詰まってるずら」

「いくらでも食べられちゃうよね」

「善子ちゃーん、いつまで死んでるのー? みかんなくなっちゃうよー」

「す、好きに食べればいいじゃないの…」グッタリ

「でも善子ちゃん何粒か食べれたずら」

「あんだけ詰め込まれ続ければ舌も麻痺するっての!」

「でも美味しいよね!」

「う、…まあ。他のやつよりは少し食べやすかったけど」

「こうやって食べる前に手で揉むと、甘味を感じやすくなるからね」ギュギュ

「さすがよーちゃんだよね。チカも酸っぱいの引いちゃったらそれやろーっと」パクパク

「まるもー」モグモグ


ワイワイ パクパク キャッキャ モグモグ


「………………」ヒョイ パク

「…悪くないわね、みかん」モグ…

***

59 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:10:03.94 ID:wVDIrwGb.net
***




「…あ、もうこんな時間か」

「ずら。みんなといると時間が経つのが早いね」

「よし。ちかちゃん、善子ちゃん。外に行こっか」

「へ? お散歩?」

「そんなところ!」

「善子ちゃんも。行くよ」

「…はいはい」

「あんまり驚かないずらね」

「なんとなくね、わかってたから」

「…さっすがあ」

***

60 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:10:45.71 ID:wVDIrwGb.net
***

プシュー バタン ブゥゥゥン…


「お散歩なのにバスに乗るんだね」

「歩いていくには少し遠いからね」

「そっか〜…あれ? どこに行くか決まってるの?」

「うん。実はね」

「あっほら見て見て善子ちゃん、海が黒いずら〜!」

「夜の海はいつだって黒いわよ」

「まる、遅い時間に外に出ることほとんどないから…」

「夜のバスって、なんだか不思議な感じだね」

「不思議?」

「うん。外は暗くて、バスの中も明るくはなくて、途中で止まることもなくて、このままどこまでも走り続けるみたい」

「あはは…それは怖いなー。でも、大丈夫だよ。このバスはちゃんと、向かう先があるから」

「…うん!」


ブゥゥゥン…

***

61 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:11:27.95 ID:wVDIrwGb.net
***

「ハァイ、お帰りなさい。善子、ちかっち。ハナマルと曜はいらっしゃい」

「…………???」

「あはは、ちかちゃん混乱してる」

「無理もないわね。それより、善子がわかってました〜ってカオしてるのがかわいくないわ」

「かわいくなくて悪かったわよ」

「善子ちゃんは変なところで察しがいいから困るずら」ヤレヤレ

「なんで私が悪いみたいになってるのよ」

「鞠莉ちゃん、パーティはもう終わったの? あのねよーちゃん、チカたちさっきまでここにいたんだよ。鞠莉ちゃんとパーティの準備してたの」

「うん、そうみたいだね」ニシシ

「私たち、ロビーで立ち話するような仲じゃないわ。上に行きましょう。ちかっちたちで全員だよ」

「全員? なにが?」

「モチロン、パーティのお客様が…よ」

***

62 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:12:11.46 ID:wVDIrwGb.net
***

「あれ?! 果南ちゃん!」

「よっ。遅かったね」

「遅くないよ。チカたちお散歩のついでに来たんだもん」

「あっはっはっは。なに、チカまだ状況よくわかってないの?」

「そうみたいですね。同じ境遇のはずのよっちゃんは驚いてなさ過ぎますけど」

「梨子ちゃんもいる…」

「ダイヤとルビィもいるよ」

「Aqours全員揃ってるの?! すごいね、奇跡みたいだね!」

「奇跡じゃないわよ。マリが言ってたでしょ、私たちでお客さんがみんな揃ったって」ハァ

「へ? お客さんって、ここでパーティする人たちでしょ。あれ? チカたちここにいていいの?」キョロキョロ

「どれだけ鈍いのよ……だから、マリが今夜やるパーティのお客さんってのは私たちAqoursのことで、今からそれをやるのよ」

「え………えーーーー?! そうだったの?!」

「ようやく理解できたようですわね」

「近いうちにちかっちたち誘ってパーティやるって、約束したからね」

「近いよ! 近すぎだよ!」

63 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:13:09.06 ID:wVDIrwGb.net
「善子ちゃんはどこで気付いたずら?」

「ほとんど最初よ。マリが私たちに自分のとこのパーティの準備なんか手伝わせるわけないもの」

「はは…鋭いなあ」

「なにヒトゴトみたいに笑ってるの。企画したのあなたでしょう」

「あれ? そこまでバレてたの?」

「こっちは勘だけどね」

「もう! 果南のせいでバレてたんじゃないの!」プンスカ

「違うでしょ、鞠莉がもっと上手に手伝わせてればバレなかったんだよ」

「ちーがーうー! 果南のせーいー!」ポカポカポカ ←果南たたいてる

「まあいいや。みんな揃ったし、始めよっか」←たたかれてる

「ところで、パーティってなにやるの? オーケストラで踊るダンスパーティとか?!」

「いや、音楽できるの梨子ちゃんしかいないから」

「マリィもできるわよ?」

「できてもやりませんから」

「こんなに空に近い場所で、満天の星空だよ。だとしたら、やることは一つしかないでしょ!」

***

64 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:14:01.62 ID:wVDIrwGb.net
***

「ルビィちゃんほらあれ! 大っきく光ってるの! あれが琴座ずら!」

「どれ?! 花丸ちゃん、どの星?!」ピョンピョン

「飛んでも星には近付けないぞ〜」アハハ

「ルビィ。他のより輝いてる星が三つあるでしょう。その三角形のてっぺんにあたるのが琴座ですわ」

「あー、だめだめダイヤ。この中からたった三つの星を探そうとしても、慣れてなきゃ無理だって。それよりほらルビィ、あそこにいるか座があるでしょ? その上のほうにあるやつだよ」

「はあ?! いるか座のほうがよっぽどわかりませんわ! だいたいいるか座だって四つ星なのだから、ほとんど変わらないでしょう!」

「遠い三つを探すより近い四つを探すほうが簡単じゃん。ね、ルビィ」

「え? え? うゆ、えっと…」オロオロ

「果南が星座を知ってるなんて… surprised だよ…」

「梨子ちゃん、星は?」

「私もあんまり。でも、夏の大三角くらいはわかるわ」

「そっか。見付けるコツとかある?」

「そうね…やっぱりダイヤさんが言ってるように、琴座を探すのが一番じゃないかな」

「むむむー……っ、あれ!!」ビシッ

「ふふ、曜ちゃんったら。指を差されたってわからないわ」

「あ…へへ、それもそうだよね」

65 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:15:05.56 ID:wVDIrwGb.net
「ねえ果南、これマリィも一緒に作ったのよ。食べてみて」

「ん、美味しいよ! …でもなんか鞠莉らしくないような」

「どれどれ……うん、美味しいですわね。それに鞠莉さんらしくありませんわ」

「ルビィも〜。……おいしいっ!」

「ちょ…ちょっと、そんな言い方ってないよ。果南を想う気持ちが料理の腕を grate にしたってことでーー」

「あー! これ、『mezzo piAno』のたまごサンド! すごい、まさかこんなところで食べられるなんて!」

「…………ん?」

「…………はい?」

「…………woo」

「なに? 有名なとこのやつなの?」

「有名なんてものじゃないわ! 開店前から交差点の向こうまで行列になるくらい人気のお店で、私も一回しか食べたことないの。はわ〜…幸せ…」

「へー、いいやつなんだ。……うん、美味しいね!」ゞ

「まるもまるも〜! ……美味しいずら! お出汁が入ってるの?」

「さすが花丸ちゃんね。そうよ、このたまごサンドの一番の特徴なんだから」

「鞠莉…」

「鞠莉さん…」

「oh... 間違えたわ、マリィが手伝ったのこっちのお煮しめだったかしら」

66 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:15:47.13 ID:wVDIrwGb.net
ーーだあって果南に誉めてもらいたかったんだも〜〜ん!

ーーだとしても嘘はよくありませんわ!

ーー梨子が余計なこと言うからよー!

ーーええ?! なんですか?! なんの話?!

ーーん〜〜〜っ、おいしーーー!


「…いつでも元気ね、あの人たち」

「あはは…そうだね」

「行かなくていいの? 美味しいサンドイッチがあるみたいよ」

「いーの。サンドイッチならお昼に食べたし、きっとそれより美味しいことないしね」

「あら。超人気店に言うじゃない」

「善子ちゃんだって同じこと言うでしょ」

「まあね」

67 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:16:46.54 ID:wVDIrwGb.net
「ねえ、千歌さん」

「なあに?」

「今日の中で、なにが一番楽しかった?」

「あー! それチカが聞こうと思ってたやつ!」

「こういうのは先に思い出した者勝ちの早い者勝ちよ」

「ぶー。…みんな楽しかったなー。果南ちゃんとは遊べなかったけど、こっちの準備してくれてたってことだよね」

「そうでしょうね。いつ思い付いたのか知らないけど」

「そーいえば、なんで果南ちゃんだって思ったの?」

「ほんとに勘なんだけど…強いて言うなら、メールを受け取ったときのマリの表情かしら。仕事のメールにしては、随分嬉しそうに読んでたから」

「それだけ?!」

「あとは、あなたもマリもセンパイを『遊びたがり』だって言うのがどうも引っ掛かってて…メールのタイミング的にもそうかなって」

「ほえー…善子ちゃんは騙せないなー」

「騙す予定でもあるわけ? …ってえ、わかったんだからね私!」ガバッ

「えっ、な、なに?!」

「曜のとこに行くとき、あなたが『答えは変わらないと思う』って言った理由よ! みかん攻めにするつもりだったからでしょ!」

「ああ。うん、そーだよ」ニヘッ

「悪びれず認めるなーーーっ!」ウガーーーッ

68 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:17:18.61 ID:wVDIrwGb.net
「ね、善子ちゃん」

「なによ」ムスッ

「今日、なにが一番楽しかった?」

「まだその話するの?」

「だって結局聞いてないもん」

「あ、そうだっけ」

「そーだよー!」

「…そうね。私は琴の練習が意外と楽しかったかも」

「わかる! 楽しかったよね! また弾きたいな〜」

「日課や義務になったら違うんでしょうけどね」

「またダイヤさんとこ遊びにいこうね!」

「ええ、必ずね」

69 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:17:52.49 ID:wVDIrwGb.net
「でもね、千歌さん」

「うん。なーに?」

「こうして友達の声を聞きながら星を眺める時間も、悪くないわ」

「…そーだね」

「ねえ、千歌さん。これからも、たくさん遊びましょうね」


「みんなともいいけど、やっぱりたまには二人きりでーーね」



終わり

70 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:19:05.71 ID:wVDIrwGb.net
以上、茶房菊泉…の近くのコーヒーショップからお送りしました。
よしちかというよりは、善子と千歌とみんな? だったかも

71 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:19:45.97 ID:wVDIrwGb.net
>>15
いつも読みにきてくださる方かな
ありがとう〜

72 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:21:52.03 ID:wVDIrwGb.net
>>35
投下し始めておきながらふらふら離席して申し訳なかった
おかげで今回の要所はみんな回れたよ!

73 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:23:14.99 ID:wVDIrwGb.net
>>36
そうだよね、立ってるの見つけた
たまに覗かせてもらってるよ
ただね…そろそろお察しかもしれないけど、おれほんとに日常の延長線にあるものしか書けないから…
そういうので良さそうなのがあったら書いてみるね

74 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:24:02.50 ID:wVDIrwGb.net
>>37
今回は「嫉妬」という感情を世界から排除してみた
その甲斐あって誰もが優しかった

75 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:24:45.53 ID:wVDIrwGb.net
>>54
最後まで読んでくれたあとに感想が変わってることを祈るよ!

76 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:25:19.04 ID:wVDIrwGb.net
>>55
最後まで読んでくれたあとに感想が変わってないことを祈るよ!

77 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 15:26:20.35 ID:wVDIrwGb.net
>>56
この間どなたかが書いてみてってリクエストを下さったので書いてみた!
ご満足いただけるとよいのだが!

78 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 17:56:42.36 ID:ef68TlkC.net
いちおつでした |c||^.- ^||
こうやってみんなでワイワイするお話好きですよ

79 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 18:04:50.28 ID:/YDypfYn.net
>>78
ありがとう
みんなを均等に出そうと思うけど、なかなか難しいね

80 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 18:19:14.19 ID:Az3Vlq3x.net
これは…ゆっくり読ませてもらいます!
ちかよしいいよねすき

81 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 18:30:08.30 ID:/YDypfYn.net
>>80
ありがとう
楽しんでもらえるといいな!

82 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 19:20:05.76 ID:GLoGbNZk.net
|c||^.- ^||👍

83 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 19:48:38.19 ID:fP7PWg40.net
ぬしくんありがとやで

84 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 19:51:23.02 ID:/ugPDntA.net
>>83
よしちかの要望を下さったカボスさんかな
こんなものでよしちか欲が満たされたか分からないけど、楽しんでもらえたのなら!

85 :名無しで叶える物語:2018/04/26(木) 23:12:47.25 ID:EocebTMG.net
ちかよしの親友感堪らん
ほかのメンバーともほのぼのしてて最高や

86 :名無しで叶える物語:2018/04/27(金) 00:22:09.09 ID:NgSEigBZ.net
>>85
ありがと〜
前回ブラックなもの書いたから、今回はほっこり系を書くことにしたんだ

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