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善子「堕天使ヨハネはすごいんだから」

1 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:52:54.81 ID:9cyJnD6i.net
・呼称以外はG's
・地の文多め
・黒澤家の闇ss

2 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:53:23.65 ID:9cyJnD6i.net
自分が本当の自分であること、それは誰にも証明できないことなのかもしれない。

もしかして本当の私は地球じゃないところで生まれた鴨、というやつだ。

生まれた時のことは誰も覚えていない。
本当は全く違う世界で生きるはずだったのに、なにかの間違いでこの世界に連れてこられたのかもしれない。
人は自分の出どころが一生分からないまま死にゆくのだ。

私がそんなことを考え始めたのと、自身を堕天使ヨハネと名乗り始めたのはだいたい同じ頃だっただろうか。

とにかく、私、堕天使ヨハネは、自分という存在を疑いながら生きてきたのである。

3 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:54:35.66 ID:9cyJnD6i.net
善子「ヤバイヤバイ遅刻しちゃう!先週遅刻してダイヤに大目玉食らったばっかりなのに!!」ハァッ ハァッ

7月中旬、早朝、快晴。

善子「どうして今日に限ってバスが遅延してるのよーーー!!!」

バスを全速力で駆け下り、学校へと続く坂道を駆け登る。
走っているうちに見覚えのあるくせっ毛頭が見えてくる。

善子「はっはっはっはぁっ!曜が歩いてるってことは…セーーーフっ!」

曜「おはようヨハネちゃん」

善子「おはよ、う」ゼエゼエ

曜「安心してるみたいだけど、残念、ただいま時刻は8:10、部活は遅刻確定でーす」ヒラヒラ

善子「そ、そんなあ…」ガクッ

4 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:56:10.30 ID:9cyJnD6i.net
曜「今日はバスが遅かったみたいですなあ」

ですなあ、じゃないわよ…はぁ…朝からついてない。
ていうか、なんでこの人はノコノコ歩いてるのよ。
あなただって朝練があるでしょうが。


曜「ん〜?今日は朝練ないと思うよ。1本遅れてもHRには余裕で間に合うから歩いてた」

…この人はときどき心を見透かしたみたいに会話を広げることがある。

善子「そう…リトルデーモンとして良い心がけね」

曜「お、これはトールデーモンに昇格ですか?」

善子「スタバじゃないんだから」

そういえば、この人が歩いて登校する姿ははじめて見る気がする。
いつ見ても駆けずり回っている、馬鹿な柴犬みたいだと誰かが言っていたのを思い出す。
しかし、どうやら、馬鹿なわんこも大人しく散歩する日があるらしい

5 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:56:56.67 ID:9cyJnD6i.net
善子「ところで、どうして今日休みなの?誰もそんなこと言ってなかったと思うけど」

曜「……昨日の夜、果南ちゃんから連絡があったんだよ。
ヨハネちゃんに伝えといてって言われたけど忘れてた!」

オーバーなジェスチャーをしながら元気よく答える。
一瞬、目が泳いで見えたのは気のせいだろうか

善子「忘れてた!じゃないわよ!!私の体力返しなさい!」

曜「えぇ〜体力回復アイテムあったかな〜」ゴソゴソ

全くこの人は…おちゃらけとけば何しても許されるすら思っている気がする。

6 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:57:28.31 ID:9cyJnD6i.net
朝練はなくてもミーティングはあるかもしれないから一応部室に向かう。
時刻はまだ8:15、HRまで20分以上ある。

曜「おはよー」ガラララ

善子「おはよう」

花丸「おはよう。二人とも今日は遅かったね」

千歌「千歌も今来たところだよ〜」

HR開始20分前に到着して遅いと言われるのだから、常日頃なかなかに頑張ってる自分たちを褒めたくなる。

7 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:57:58.62 ID:9cyJnD6i.net
善子「ルビィとダイヤは?」

果南「ダイヤたちは今日こないよ」

鞠莉「明日も来ないでしょうね」

梨子「どうしてですか?」

果南「うーん、ちょっとね」

果南が何かを含んだように笑う。
この人は白黒つけない性格ではあるが、物言いははっきりしている。
言葉を濁らすのは珍しい。
黒澤家でなにかあったのだろうか。

千歌「そうそう、言うの忘れてたけど、明日の放課後はお休みね」

曜「まあ、そうだよね」

…そうだよねって、明日ってなんかあったっけ?

8 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:58:39.58 ID:9cyJnD6i.net
果南「提案なんだけど、ダイヤもルビィもいないし、今日も休みにしない?」

鞠莉「私もそれがいいと思うわ」

千歌「じゃあ、そうしようか。千歌もそうしたいと思ってたんだ」

千歌がスクールバックの縫い目をなぞりながら言う。

梨子「急に休みができちゃうと何したらいいか分からなくなっちゃうな…」

梨子が社畜じみたことを言ったのと同時にHR開始十分前のチャイムが鳴った。

9 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 21:59:33.03 ID:9cyJnD6i.net
千歌「じゃあ、そろそろ解散しようか」

善子「え、もう?」

千歌はいつも、チャイムが鳴っても「まだおしゃべりしたい」と駄々をこねている。
千歌がそう言い出すと、みんなもその場が名残惜しいとギリギリまで部室に残るのだ。

鞠莉「そうね、教室へ戻りましょう。ほら散った散った」

花丸「ヨハネちゃん、一緒に帰るずら〜」

その場にいる全員が、この場を離れたがっている空気を醸し出していた。
いや、この表現は些か正確じゃない。
私ともう1人を除いた全員が、この場から私とその1人を遠ざけようとしていた。

善子(…何かを隠そうとしている?)

10 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:00:55.16 ID:9cyJnD6i.net
『授業中』

先生「じゃあーーー百人一首のページを開いてください。えー53ページ」

先生「では77番をーー国木田さん、読んでください」

花丸「…」ボーッ

先生「国木田さん?……国木田さん!!」

花丸「!? はっはい!」

先生「77番を読んでください」

花丸「えっえっと」アタフタ

花丸「あれっ教科書が…」

先生「…ないなら隣の人に見せてもらいなさい」

「あはははは」「花丸ちゃんが教科書忘れるなんてめずらしー」

花丸「いえ、なくても大丈夫です…」

花丸「…瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」

「おぉ〜!!!」「すっごーい!」
パチパチパチパチ

善子「…」

11 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:02:34.69 ID:9cyJnD6i.net
『昼休憩』

善子「花丸、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

花丸「どうしたの?」

善子「…ルビィたちのことだけど、どうして学校休んでるの?」

花丸「…!」

善子「あなた達の様子がおかしいのと関係があるのよね?」

花丸「…それは」

花丸「…」

12 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:03:07.86 ID:9cyJnD6i.net
善子「い、嫌だったら…別に言わなくていいわよ」

善子「あんたお弁当の準備してないじゃない」

善子「5時限は移動教室よ、はやく食べましょう」

花丸「…」

花丸の顔色は悪いわけじゃない、しかし、ただ一点を見つめて動かない。

善子「ねえ、はなまr「…なの」

花丸「…」

善子「へ…?」

花丸「命日なの」

13 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:03:22.00 ID:9cyJnD6i.net
花丸「ルビィちゃんのお姉ちゃんの、命日なの…明日は」

善子「…ルビィのお姉ちゃん?…それって」

花丸「ううん、ルビィちゃんにはもう一人お姉ちゃんがいたの」

花丸「ルビィちゃんのお姉ちゃんで、ダイヤちゃんの妹…」

花丸「…マルの大好きな友だち」

14 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:06:01.15 ID:9cyJnD6i.net
はじめて出会ったのは、確か、そう4歳の時。
マルが内浦のじっちゃんのお寺に引っ越してきてから初めての冬。

まるの家はお寺だから、毎年お餅つき大会をやるんだ。
内浦の人がいっぱい集まって、ちょっとしたお祭りみたいになるんだよ。

マルは引っ越してきてからずっと、家の中で本を読んだり、ばっちゃんやじっちゃんと遊んだりしてたから
そのお餅つき大会で初めていろんな人に出会ったんだ。

その子と初めて会ったのも、その日だった。

15 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:06:28.40 ID:9cyJnD6i.net
「じゃあルビィがおにね!」

ルビィ「なんびょうかぞえたらいい?」

ちか「30びょー!」

ルビィ「わかったー!いーち、にー」

「ダイヤ!にげるよ!」「まってくださいー!」「ちかと同じところにかくれないでよぉ」「だってかくれる所ないじゃん!」「ほかのへや行けばいいでしょー!」

その時、ルビィちゃんたちはみんなでお寺の中でかくれんぼをしてたんだね。
大人達がお餅つきしてる間は暇だし、外は寒いから。
マルもね、やっぱりお寺の中でひとりで本を読んでいたんだ。

16 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:08:56.87 ID:9cyJnD6i.net
はなまる「…」ペラッ

「ここならぜったいみつからないでしょ!」ガラララ ピシッ

はなまる「!!?」ビクッ

「…あなただれ?ここでなにしてるの?」

はなまる「そ、それはこっちのセリフずら…ここはマルのへやずら…あ、あなただれ?」

「わたし?わたしはサファイア!黒さわサファイア!5さい!」

はなまる「いや、なまえとかじゃなくて」

17 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:10:06.45 ID:9cyJnD6i.net
サファイア「あなたは?」

はなまる「…くにきだはなまる、4さいです」

サファイア「4さい!じゃあわたしのほうがおねえちゃんね。」

「もーいいかーい!??」

サファイア「あっやばい、まーだだよー!」

サファイア「かくれなきゃ、ほらはなまるも!」

はなまる「えっ?えっ?」

サファイア「かくれんぼしらないの?鬼にみつかったらまけるのよ!」

サファイア「ほらはやく、おしいれのなかに入るわよ」グイグイ

はなまる「ま、マルも?」

サファイア「しずかに!みつかっちゃうでしょ!」ヒソヒソ

サファイア「もーいいよー!」

これが、最初。
ふふ、今でも昨日のことみたいに覚えてるよ。
だってはじめてできた友達だもん、忘れるわけないよ。
そのあと?そのあとはすぐにルビィちゃんにみつかっちゃってね、

18 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:10:55.66 ID:9cyJnD6i.net
ガララララッ

ルビィ「さっちゃんみっけ!」

サファイア「うぇっどうしてわかったの?」

ルビィ「だってさっちゃん、いっつもここにかくれるから…ピッ!? 」

ルビィ「そのこ、だあれ?」

サファイア「はなまるよ!わたしのともだち」

はなまる「…!」(ともだち…)

19 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:11:17.53 ID:9cyJnD6i.net
ルビィ「はなまるちゃんっていうんだね。ルビィ、黒さわルビィ!5さい!」

ルビィ「じゃあおねいちゃんたちさがしにいこ!」ギュッ

はなまる「お、おらも?」

サファイア「あたりまえでしょ!ほらさっさといくわよ!」

うれしかったなあ。
子どもだから当たり前と言われたら当たり前だけど、出会ってすぐに友だちになって、一緒に遊んで
マルにとってそんなこと生まれて初めてだったから。

あ、うん、そうだよ、ルビィちゃんとサファイアちゃんは双子なんだ。
サファイアちゃんの方がお姉ちゃん。

二卵性だったからあんまり似てなかったけどね。
さっちゃん…サファイアちゃんはどっちかていうとダイヤちゃんに似てたかな。

うん、長いし、言いにくいからみんなさっちゃんって呼んでたずら。

20 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:15:22.61 ID:9cyJnD6i.net
かしこくて、負けず嫌いの子で、あーでも鈍臭かったなあ。
何も無い所でコケたり、溝にハマって抜けなくなったり、怪我と事件に絶えない子でね。
いつも体中傷だらけだったずら。

…だからかな、その日もきっとそうだったんだ。
その日…マルたちが小学2年生になった年の7月。
夜の7時くらいにオラの家に一本の電話がかかってきた。

ジリリリリン! ジリリリリン! ジリリリリン!

花丸婆「はい、もしもし国木田です…あれ黒澤さん…えぇ!!?」

花丸婆「今日はうちには来てないです…えぇ、花丸に聞いてみます」

はなまる「?」

21 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:16:21.65 ID:9cyJnD6i.net
花丸婆「花丸、サファイアちゃんが家に帰っていないそうだよ…

花丸婆「今日サファイアちゃんと会ったかい?サファイアちゃんがどこにいたとか聞いてないかい?」

はなまる「えっ…ぅうん、今日は会ってないよ。さっちゃんがどこにいたのかも知らない…」

花丸婆「本当だね?…もしもし、すみません花丸もなにも知らないそうで…」

花丸婆「警察には?…そうですか、私達も探します。えぇ…」

ばっちゃんはじっちゃんになにか伝えて、二人で飛び出すように家を出ていった。
マルも行きたかった、嫌な予感がしていた。
でも、これ以上迷子を増やすわけにはいかないと、家で留守番しているように言いつけられた。

20時になっても21時になっても、じっちゃん達は帰ってこなかった。
時計の針がてっぺんを回った頃にやっと二人が帰ってきた。
「見つかったの」と聞いてもじっちゃんは首を横に振るだけだった。

22 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:16:47.67 ID:9cyJnD6i.net
次の日も早朝から、サファイアちゃんの捜索が行われた。
警察も大人も子供も町中の人があらゆる場所を探し回っていた。

捜索を開始して1時間もしない内に海にサンダルが浮かんでるのが見つかった。
千歌ちゃんの家の前の海だった。
すぐにサファイアちゃんのお母さんに連絡がいった。
サンダルはサファイアちゃんのだった。

約1週間、狭い海を数隻の船が捜索を続けた。
サファイアちゃんは見つからないまま捜索が打ち切られた。
数週間後、サファイアちゃんの葬儀がマルのじっちゃんの寺で執り行われた。

23 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:17:14.74 ID:9cyJnD6i.net
---

花丸「明日がサファイアちゃんが行方不明になった日…命日なの」

善子「そう、だったのね。だから…」

花丸「…ごめんね、話すぎちゃったね。こんな話しても善子ちゃんは困るだけなのに」

善子「別に、そんなこと」

キーン コーン カーン コーン

花丸「チャイム鳴っちゃったね、お昼ご飯食べ損ねちゃった」

善子「…」

24 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:18:00.62 ID:9cyJnD6i.net
翌朝、部室

善子「…」ガラッ

梨子「よっちゃん、来たんだ」

善子「そっちこそ」

梨子「うん。早起きするの習慣になっちゃったから」

善子「前から思ってたけど、あなた社畜の才能あるわよ」

梨子「えぇ!?」

25 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:18:50.08 ID:9cyJnD6i.net
梨子は千歌たちが部活を休みにした理由をきっと知らないのだろう
野暮なことを聞くタイプでもないし、あの二人が梨子に自ら話すとは思えない。

善子「…二人だけだとなんにもやることないわね」

梨子「そうだn「Good morning〜!」ガラッ

梨子「!?」

鞠莉「部活は休みなのに、朝早くから登校なんて二人とも勤勉ねえ。Good girl!」

善子「それ言うならマリーもじゃない…」

鞠莉「後輩が睡眠返上で登校してるのに、先輩は家でぬくぬく眠ってるなんてカッコ悪いじゃない!」

26 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:19:25.05 ID:9cyJnD6i.net
梨子「私たちがいるって知っていたの…?」

鞠莉「ええ、マリーはなんでもお見通しなんだから」

善子「なんでもねぇ…」

鞠莉「来ないと思ってたでしょ?」

善子「!」

鞠莉「マリーは辛気臭いのは苦手なの。さあ、ちょうどギルキスが揃ってるし、新曲について話し合いましょ!」

その後の話し合いはそれは大いに盛り上がった。

マリーがギターを全面に取り入れたいと言い出し、
私は目新しさが必要だと言い、
梨子がそれならロックらしくない楽器も取り入れたいと、か細い声で意見する。

ああでもない、こうでもないと言い合う内にHR開始前のチャイムが鳴り、
話はまとまらないまま解散ということになった。

27 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:19:46.78 ID:9cyJnD6i.net
ー教室ー

善子「おはよー」

「おはよ〜」

花丸「おはよう善子ちゃん」

善子「あ、おはよう」

善子(来たんだ…)

花丸はいつもと同じようにクラスメイトと挨拶を交わしている。
違うのは登校時間だけで、昨日の放心状態が嘘みたいだ

善子(ルビィはやっぱり来てないのね…)

28 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:21:10.13 ID:9cyJnD6i.net
ー黒澤家ー

ルビィ「へくちっ」

ダイヤ「あら…夏風邪ですか?」

ルビィ「ぅう、きっと誰かがルビィのこと噂してるんだ」

ダイヤ「はぁ…しっかりなさい。ほら早くしないと置いていかれるわよ」

ルビィ「わかってるよぉ」

「車出したぞ〜早く来なさい」

ダイルビ「はーい!」

29 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:21:34.57 ID:9cyJnD6i.net
車内

ルビィ「お水かけるのはルビィの係だからね」

ダイヤ「掃除に精を出すのはいいけど、お水をかけすぎないでよ」

ルビィ「墓石が痛むからーーでしょ。分かってるよもう耳タコだもん」

ダイヤ「本当に分かってるのかしら…」

ダイパパ「まあいいじゃないか。サファイアもお水いっぱい貰ってきっと喜ぶよ」

ルビィ「ほら!」

ダイママ「ルビィ?」
- [ ]
ルビィ「ごめんなさい」

ダイヤ(変わり身の速さだけは一流ね)

ダイパパ「もう着くぞ、降りる準備をしなさい」

30 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:22:50.52 ID:9cyJnD6i.net
ルビィ「さっちゃん、今年もルビィがやってきたよ」

ルビィ「お墓のお掃除してあげるからね」

31 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:23:21.31 ID:9cyJnD6i.net
見てくれてる人いるのかな、寝ます

32 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:25:39.54 ID:A97s8wXp.net
期待でつ

33 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:27:56.87 ID:zpjalEds.net
見てるぞ

34 :みんなで叶える名無し:2018/05/20(日) 22:29:15.27 ID:JUb/ub3Z.net
おもしろい…!

35 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:43:42.67 ID:sw5I7XOM.net
堕天使ヨハネSSはハズレ無し

36 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:48:21.36 ID:J8xRp/wF.net
`¶cリ˘ヮ˚)| いつもお前を見ているぞクックックッ

37 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 22:55:10.98 ID:M54DFOux.net
しょっぱなの銀閣空耳で内容が入ってこない

38 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 23:10:51.28 ID:ZVkWrizc.net
つまんね

39 :名無しで叶える物語:2018/05/20(日) 23:53:43.54 ID:sEhobeQ7.net
続け

40 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 00:44:17.07 ID:Lzkt7aZF.net
期待

41 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 02:32:10.19 ID:F7viQd1z.net
これは期待

42 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 04:06:32.33 ID:Pjo6/slC.net
ほしゅ

43 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 05:55:11.68 ID:Upn3XIVP.net
見てるぞ

44 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 06:51:48.20 ID:Ukgcdg6w.net
期待

45 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 08:00:47.68 ID:q6t5q0Xe.net
|c||^.- ^|| 支援ですわ

46 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 08:11:31.58 ID:6hP4ytwh.net
最後まで書けよ

47 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 12:44:58.77 ID:2F85Q8rN.net
`¶cリ˘ヮ˘)|すごいんだから

48 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 12:51:43.74 ID:BHgYyqUB.net
逃げるなよ

49 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 19:44:45.48 ID:paYmgCdi.net


50 :書きだめしてません:2018/05/21(月) 21:12:09.94 ID:WhJUTmwL.net
『…似てないね』

「ルビィちゃん達って姉妹なのに全然似てないね」

ルビィ「そうかな?」

千歌「そうだよ」

千歌、8歳。ルビィ、7歳。
7月中旬、午前、快晴。

ルビィ「でもルビィとおねいちゃんは目の色がいっしょだし。おねいちゃんとさっちゃんは髪の色と目の形が似てるよ」

千歌「さっちゃんとルビィちゃんは?」

ルビィ「さっちゃんとルビィは…」

51 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 21:46:12.60 ID:WhJUTmwL.net
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「ビィ…ルビィ!」

ダイヤ「ルビィ、気分悪いの?」

ルビィ「え?」

ダイヤ「さっきからぼーっとして…車に戻る?」

ルビィ「ううん、大丈夫だよ。考え事してただけだから」

私はこの日になると、いろんなことを思い出します。
そして最後には、いつも同じことを思い出すのです。
さっちゃんと最期に交わした言葉を、最期の姿を
昨日あったことのように鮮明に思い出すのです。

52 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 21:57:54.01 ID:WhJUTmwL.net
サファイア「ルビィは昨日私より1個多く食べたでしょ!」

ルビィ「さっちゃんだってこの前ルビィより1個多かったもん!」

当時、7歳の私たちの目の前には1つの飴玉が転がっていました。


サファイア「私の方がお姉ちゃんなのよ!姉の言うことを聞きなさいよ!!」

ルビィ「そうやって、そうやって、こういうときばっかりお姉ちゃんにならないでよ!」

ルビィ「それにおねいちゃんはそんなこと言わないもん!」

サファイア「ダイヤはルビィに甘すぎるのよ!」

ルビィ「そんなことない…ない、もん。うん」

サファイア「そこは言い切りなさいよ」

53 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 22:14:01.47 ID:WhJUTmwL.net
ルビィ「とにかく、あめはルビィが食べるの!」

サファイア「私!」

ルビィ「ルビィが食べるんだもん!ルビィがっヒック…ルビィがぁぁぁグスッ」

ルビィ「うわあああああんおねいちゃぁぁぁぁ」

サファイア「そうやって、すぐにダイヤ呼ぶのやめてよ!」

ルビィ「うるさいぃ…もうさっちゃんなんかお姉ちゃんじゃな"い"も"ん"!」

サファイア「はぁ?」

ルビィ「だって見た目も性格も全然似てないもん、さっちゃんは別の家の子だから似てないんだよ、」

ルビィ「別の家の子だからすぐにケンカになるんだよ!!!」

サファイア「そんなわけないでしょ!!怒るわよ!!!」

ルビィ「もう怒ってるもん!出てって!!!!」

サファイア「言われなくてもそうするわよ!!!あんたなんか知らない、ずっとそうしときなさい!!!!」




ルビィ「うわぁぁぁぁん…さっちゃんのばかぁぁぁぁ!!!」

54 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 22:34:47.44 ID:WhJUTmwL.net
昔のルビィはわがままでした。
困ったことがあったら、すぐにおねいちゃんを呼んで、泣いて、みんなを困らせていました。

そんなルビィを人1倍強く叱ってくれていたのがさっちゃんでした。

さっちゃんがルビィを叱ると、必ずケンカになりました。
ケンカといっても、そこまで酷いものではなく
『軽い言い合いをして、いつの間にか仲直り』
というのがいつものパターンでした。

しかし、この日は違いました。
ルビィがさっちゃんに酷いことを言って傷つけました。
仲直りしないまま、さっちゃんを追い出しました。

馬鹿なルビィは、さっちゃんが帰って来たら仲直りすればいいと思っていました。

しかし、さっちゃんは帰って来ませんでした。

門限をすぎても、蛍の光が流れても、時計の針がてっぺんを指しても、鶏が鳴いても、
100人の警察官が町をうろついても、見たことない船が内浦にやってきても、警察官と船がいなくなっても、
お盆がきても、クリスマスが来ても、小学3年生になっても、何ヶ月たっても、何年たっても

さっちゃんは帰って来ませんでした。

55 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 22:44:32.10 ID:WhJUTmwL.net
ーーーー

ルビィ「どうしてあんな酷いこと言っちゃったのかな…」

ダイヤ「…なにか言いましたか?」

ルビィ「ううん、ただのひとりごと」

ルビィ(ごめんね、酷いこと言ってごめんね)

ルビィ(…さっちゃん、)

ルビィ(どうか私を許さないで)

56 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 22:45:36.01 ID:WhJUTmwL.net
少なくてごめんなさい、今日は寝ます

57 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 22:48:42.03 ID:F7viQd1z.net
期待

58 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 23:14:28.42 ID:WND7fcYe.net
`¶cリ˘ヮ˚)|

59 :名無しで叶える物語:2018/05/21(月) 23:16:23.45 ID:x7KWqZuU.net
よっちゃんがさっちゃん

60 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 00:31:08.46 ID:5078yBps.net
ええんやで

61 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 00:42:22.59 ID:nxnpDcUu.net


62 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 04:45:09.54 ID:/aOQgaN1.net
ほしゅ

63 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 07:53:56.53 ID:+Z8ojWBl.net
面白いな

64 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 08:30:45.62 ID:Wg9UB4q8.net
起きた?

65 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 14:24:27.35 ID:3++jXk5r.net
保守

66 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 18:28:36.68 ID:cbUQbx1s.net
|c||^.- ^||

67 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 19:22:14.25 ID:+/rCISUC.net
ー浦の星女学院ー

1時限目が終わり、ひとりでトイレに向かう途中のことだった。
窓の外から誰かの声が聞こえてきた。

「だからさ、もう泣きやみなよ」

「分かってる…わかってるよぉ」グスン

「ほら、ティッシュ」

善子(この声って…)

68 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 19:23:23.68 ID:+/rCISUC.net
ー保健室ー

ガラッ

善子「3人ともどうしたの?」

果南「あ、ヨハネちゃん…曜がちょっとね。ヨハネちゃんはどうしたの?」

善子「トイレに行く途中、3人の声が聞こえてたから、」

果南「あー、窓開けてたから、2階からも聞こえたんだね」

ガラッ

そう言うと果南は保健室の窓を全部閉めた。

曜「ヨハネちゃっグスッどうしたの…」

目と顔を真っ赤にした曜が、嗚咽を漏らしながら聞く。

69 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 19:24:33.28 ID:+/rCISUC.net
善子「あなたの泣き声が聞こえたから来たのよ。どうしたの?」

曜「よ、ようはッ、大丈夫だから…グズッ」

千歌「大丈夫なら泣きやみなよ…もう、この日になったら毎年泣くのやめようよ〜」

曜「分かってる、分かってるよぉ…」

曜「分かってるんだけど…」

曜の目から大粒の涙がこぼれる。

千歌「泣いたら泣くだけ悲しくなっちゃうじゃん…」

千歌「千歌だって、泣いて気が晴れるなら泣きた、い、グスッ」

千歌「あ、ぁ、うわぁぁぁぁぁん」ポロポロ

曜「ざっち"ゃん"っぁぁぁぁぁん」ギュッ

善子「ちょ、曜?」

曜が私の服を両手で掴みながら泣く。

善子「…」ギュッ

私は曜を抱きしめた。
こうするのが正解だとなんとなく思ったからだ。
曜はさらに大きな声をあげて泣いた。
授業開始のチャイムが鳴っても二人は泣き続けた。

70 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 19:26:53.42 ID:+/rCISUC.net
ーーーーー

果南「…ごめんねヨハネちゃん」

善子「別に大丈夫よ。保健室の先生が教科担に全部伝えてくれてるし」

善子「むしろ授業受けずにすんで、ラッキーよ」

ラッキー、自分で言っておきながら、似合わない言葉だと思った。
曜と千歌は穏やかな寝息をたてて寝ている

善子「泣くだけ泣いて、疲れたら寝るって…小学生か」

果南「ははは…」

善子「毎年こうなの?…その、サファイアさんの命日は」

果南「!…知ってたんだ」

果南「そうだよ、毎年そう」

善子「…」

果南「でも、今年はいつもより激しかったな」

善子「それは…」

果南「…似てるんだよ」



果南「ヨハネちゃんと、サファイアが」

71 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 19:48:51.62 ID:+/rCISUC.net
深夜に続きします

72 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 19:58:38.03 ID:vVA6ZZwI.net
wkwk

73 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 20:01:33.22 ID:l66AbKbk.net
dkdk

74 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 20:44:11.06 ID:UtDSNkLT.net
まさかヨハネって…イヤイヤまさかなww

75 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 21:14:33.98 ID:zLf5BIev.net
読めてたけどこの後に期待

76 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:43:49.23 ID:+/rCISUC.net
善子「似てる…?」

果南「…すっごく似てるんだよ、最初一目見た時からずっと思ってた」

果南「サファイアが成長したら、こんなかんじだったのかなって」

果南「だから、曜も千歌も思い出しちゃったんだろうね」

果南「ヨハネちゃんを見て」

善子「…なによ、それ」

果南「ごめんね、ヨハネちゃん…勝手にこんなこと思って」

善子「…まあ?堕天使ヨハネにとってはそんなの何てことないことだし?」

善子「ぜんっぜん気にしてないけどね!」

善子「ギガントマキアを乗り越えてきたヨハネにとっては、人間風情がなんと思っていようが関係ないわ」

果南「そっか、ありがとう」クスッ

77 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:45:51.77 ID:+/rCISUC.net
曜「うーん…」ゴソッ

曜「ヨハネちゃ…そんな急がなくてもお弁当は逃げないよ」ムニャ

善子「あんたはなに失礼な夢見てるのよ…ん?」

よく見たら曜の両腕に1冊のノートが抱かれている。

善子「果南、曜が抱きしめてるのなに?」

果南「あぁ、あれは曜とサファイアの約束ノートだよ」

78 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:47:24.19 ID:+/rCISUC.net
ーーーーー

曜、小学2年生。海難事故の約一年前

曜「なんでみんな遊んでくれないんだろ…」グスン

サファイア「なに泣いてるの?」

曜「私は野球とかサッカーがしたいのに、みんなおままごとばっかやりたがるんだよ」グズッ

サファイア「しょうがないわよ、うちの学校51人しかいないのよ」

サファイア「しかも2年生は4人よ4人」

サファイア「4人だけじゃ手打ち野球もできないじゃない」

曜「でも…他の学年の子も入れたらできるもん」

サファイア「野球が苦手な子もいるんだから、がまんするしかないわ」

曜「なんでようだけ、がまんしなきゃいけないの?なんでっ、よう、いつも、グスッ」

サファイア「あーーーーもうめんどくさいわね、泣かないの!」

曜「うわぁぁぁぁぁぁん」ポロポロ

サファイア「わかった!わかったから!!ちょっと待ってなさい!」

曜「ぁ…?」

79 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:48:28.09 ID:+/rCISUC.net
サファイア「ほら!」スッ

曜「なにこれ、ノート?」

サファイア「これにやりたいこと全部書いてって、毎日ひとつずつクリアしていくの」

サファイア「そしたら、曜も毎日やりたいことができるでしょ?」

曜「なるほど、かしこい!!」

サファイア「これは私とあなたの約束よ。そうね、約束ノートと名付けましょ」

曜「かっこいい!!」

80 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:49:55.76 ID:+/rCISUC.net
サファイア「さっそく書いていきましょ。野球でしょサッカーでしょ、あとは?」カキカキ

曜「えっとねー、ラグビーでしょ、テニスでしょ、あとセミ取り、スイカ割り、あっ水族館にも行きたい!」

曜「そうだ、さっちゃんの願いごとも書こうよ。さっちゃんは何がしたい?」

サファイア「私?そうね…遊園地に行くとか?」

曜「遊園地いいね!あとはあとは?」

サファイア「あとはねーーーーー」

81 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:53:12.82 ID:+/rCISUC.net
ーーーー

果南「曜は今でも毎日持ち歩いてるんだよ。もう15冊目になるって言ってた」

善子「すごいわね…そんな何年も前の約束を」

果南「…曜の時はずっと止まってるんだよ」

果南「ううん、曜だけじゃない、千歌もそう、ダイヤもそう、私だってそう」

果南「何年も何年もサファイアを弔い続けてる」

善子「でも…昔を忘れないのも大事なことよ」

82 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:54:00.14 ID:+/rCISUC.net
果南「忘れないだけならよかった。でも違うんだよ、
いつもいつも心のどこかでサファイアを思い出しながら、後悔しながら悲しみながら生活してる」

果南「私がなんで毎日ダイビングしてるか知ってる?」

果南「サファイアが死んですぐの頃にね、ダイヤが、海に毎日通うようになったの」

果南「学校が終わったら、習い事も宿題も全部投げ出して、真っ直ぐに海に行って、
泳ぐわけでも遊ぶわけでもなく、ずっとずっと海を眺めてるの」

果南「大人達は『妹を探しているんだろう、気の毒だ』って噂してて」

果南「ダイヤのお母さんもルビィもすごく心配しててね」

果南「だからね、私聞いたんだ。『なにしてるの?』って」

83 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:54:49.32 ID:+/rCISUC.net
果南「そしたらね、ダイヤがこう言うんだよ『サファイアが寂しくないように、毎日会いに来てるの』って」

果南「もう私、なんて言ったらいいか分かんなくてさ…」

果南「でも、このままじゃいけないってことだけは分かってた。だからこう言ったんだ」


果南『お母さんも、ルビィも心配してるよ、もうやめなよ。代わりに私がサファイアと遊んであげるから』


果南「ダイヤもしぶしぶ承諾してくれて、私は毎日ダイビングするようになって」

果南「それがずっと続いてる」

果南「ずっと…」

善子「…」

84 :名無しで叶える物語:2018/05/22(火) 23:55:52.88 ID:+/rCISUC.net
とりあえずここまで

85 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 00:00:57.79 ID:ZhDJ9Ei/.net
続きが凄く気になる

86 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 00:12:27.07 ID:jPVgnpZn.net
よきよき

87 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 02:08:43.55 ID:8s0QW24Z.net
ダイヤさん…

88 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 07:50:33.47 ID:xtRR9vwT.net
果南…

89 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 18:05:51.19 ID:YEelyRm1.net


90 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:00:45.13 ID:0QSLiw6U.net
ー昼休憩、空き教室ー

鞠莉「どうしたの?こんなところに呼び出して。もしかして愛の告白?」

善子「んなわけないでしょ!」

善子「相談があるの、」

鞠莉「相談?」

善子「花丸と果南から聞いたの、8年前の事故の話」

善子「サファイアさんが私に似てるってことも、みんなの時が8年間止まってることも」

鞠莉「Huh…それで?」

善子「私、なんとかしたいの。みんなの時を動かしたい。だから…協力して」

91 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:01:22.17 ID:0QSLiw6U.net
鞠莉「みんなの時を動かす、ねえ…」

鞠莉「具体的に何をしようと思ってるの?」

善子「それは…」

鞠莉「…はぁ、私はね、そんなこと不可能だと思ってるわ。他人がどうこうできる話じゃない」

鞠莉「泣き止むまで、落ち着くまで、待つしかないのよ。こればっかりはね」

善子「でも…」

鞠莉「ヨハネ、あなたは優しい子よ。自分を見てみんなが泣くから、自分がなんとかしなくちゃと思ってる」

鞠莉「違う?」

善子「…」

鞠莉「でもね、みんなあなたを見て泣いてるんじゃない。あなたを通してサファイアを見て泣いてるの」

鞠莉「そうしたら、どうしようもないの。わかるでしょ?」

善子「…うん」

鞠莉「つらいでしょうけど、黙って見守るしかないの」

鞠莉「ほんと…困った話だわ」


そういう鞠莉の表情は、困ったというより悲しいといった方が適切なように思えた。

鞠莉も、私と同じようになんとかしようと思っていたことがあったのだろうか。

なんとなく、そう思わせるような表情をしていた。

92 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:01:49.39 ID:0QSLiw6U.net
ー墓地ー

ルビィ「それでね〜千歌ちゃんがね」モグモグ

ダイママ「ルビィ、ちゃんと飲み込んでから話しなさい」

ダイパパ「ダイヤは弁当食べなくていいのか」

ルビィ「おねいちゃんはさっちゃんとお話するから後でいいって」モグモグ

ダイママ「ルビィ」

ルビィ「ゴクン はーい」

93 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:02:14.10 ID:0QSLiw6U.net
ーーーーー

ダイヤ「そうそう、私、スクールアイドル始めたのよ」

ダイヤ「学校の部活動でアイドルをするのよ、しかも私が。おかしな話でしょう?」

ダイヤ「千歌が言い出しっぺで、次に果南が巻き込まれて、ルビィやマルちゃんも曜ちゃんも鞠莉まで引き込んだのよ」

ダイヤ「それに沼津や東京からきた都会の子も」

ダイヤ「私は最初反対してたのよ。なのにいつの間にかフリフリヒラヒラの服を着て踊ってる」

ダイヤ「…ここだけの話、案外楽しいんですよ」

ダイヤ「サファイアともスクールアイドル、やってみたかったわ」

ダイヤ「そう、スクールアイドルといえば、メンバーの中にヨハネちゃんって子がいてね…」

94 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:02:53.43 ID:0QSLiw6U.net
ー浦の星、昼休憩ー

果南「おかえり〜どこいってたの?」

鞠莉「ヨハネちゃんに呼ばれてね」

果南「…やっぱり、困らせちゃったか」

鞠莉「やっぱりってねえ…自覚あるんだったら最初からするんじゃありません」

果南「うん、ごめんね」

鞠莉「私じゃなくてヨハネに謝りなさい」

果南「ううん、鞠莉も心配かけちゃってごめんね」

鞠莉「…私、果南のそういうところ嫌いだわ」ハァ

果南「えぇ〜どうしてー」

鞠莉「どうしてもよ」

95 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:03:20.51 ID:0QSLiw6U.net
鞠莉「しょうがないわね…ヨハネと梨子に連絡しましょう」

『放課後部室集合〜こなかったら後日パイ投げしま〜す』

鞠莉「これでよし」

96 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:03:53.13 ID:0QSLiw6U.net
ー放課後、部室ー

鞠莉「ヨハネ、梨子、よく来てくれたわ」

善子「…」

梨子「あの、私、なんで呼ばれたのか未だによく分かってなくて…」

鞠莉「それは今から説明するわ。私の要件はただひとつ…」



鞠莉「夏休みのホームパ〜リィどうする!?!?」


.

97 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:04:21.30 ID:0QSLiw6U.net
よしりこ「…」

善子「びっくりしたわ!!!」

善子「ラインで集合かけられてやって来てみたら、神妙な面持ちで腕組んで座ってるから、事件でも起きたのかなって思っちゃったじゃない!!!!」

善子「びっくりしたわ!!!!」

鞠莉「Oh〜落ち着いて、2回驚くほどのことじゃないわ」

善子「しかも夏休みにパーティやるとか初耳だわ!!」

鞠莉「だって3時間前に決めたもの」

善子「アメリカ人そういうとこ!そういうとこよ!!!!」

鞠莉「ごはんとスィーツはmustとして、サプライズで派手なことやりたくない?」

善子「聞きなさいよ!」

98 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:04:45.04 ID:0QSLiw6U.net
梨子「鞠莉ちゃんの家でやるの?」ワクワク

鞠莉「Off course!」

鞠莉「マリーは小原家を全面的に幽霊屋敷にするのなんかいいと思うんだけど〜」

善子「宿泊客とパパの気持ちもうちょっと考えてあげて」

鞠莉「もー文句ばっかね!」プンプン

鞠莉「いいわ!何するかはショッピングしながら考えましょ」

鞠莉「Let's go!!」

善子「人の都合ぐらい聞きなさいよ〜!!!」

99 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:06:02.27 ID:0QSLiw6U.net
ここまで

100 :名無しで叶える物語:2018/05/23(水) 19:09:01.97 ID:ZhDJ9Ei/.net
ここからどうなるんや……

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