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彼方「喫茶店経営、始めました〜」しずく「そこでアルバイトすることになりました」
- 1 :名無しで叶える物語:2021/09/29(水) 23:29:18.47 ID:E5tdDIUx0.net
-
かなしず。
書き溜め無いのでゆっくりまったり書いていきます。
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- 332 :名無しで叶える物語:2021/11/27(土) 23:26:35.88 ID:D9XrDY0v0.net
- 彼方「いやぁ」
彼方「すっっっごく面白かった〜」ニコッ
しずく「ふふっ、よかったです」
彼方「しずくちゃんが出てた演劇以外は見たこと無かったんだけど、学校によって全然雰囲気違ったね」
彼方「それに! 最後の別れのシーン……うるっと来た……」
彼方「演劇って、見ていて楽しいね! 映画とはまた違った雰囲気だった」
しずく「そうなんです。演劇は奥が深いんですよ」
彼方さんと近くのカフェでゆっくりしながら感想を語り合う。
もしかしたら、楽しめないんじゃないかなって気持ちは最初はあったけれど、杞憂だった。
すごく、楽しかった。
桜坂しずくは、やっぱり演劇が大好きなんだって再認識できた。
こうして感想を語り合うのもなんだか懐かしくて、楽しかった。
しずく「そういえば彼方さん? どうして急に演劇を見たくなったんですか?」
彼方「え?」
しずく「予想外過ぎて、正直びっくりしちゃいました」
彼方「ん〜? それはねぇ…」
ニヤニヤしながら彼方さんが私を見つめる。でも、すぐにその表情は可愛らしい笑顔に変わった。
彼方「しずくちゃんと一緒に演劇見るのって、どんな感じなんだろって思ったのと〜」
しずく「と?」
彼方「大好きな子が好きな演劇を、私ももっと知りたいなぁって思ったから!」ニコッ
しずく「!?」
彼方「理由は単純ですぞ〜?」
しずく「な、何言ってるんですか? からかわないでください!」
彼方「からかってないよ〜」
しずく「もう……」
- 333 :名無しで叶える物語:2021/11/27(土) 23:44:54.44 ID:D9XrDY0v0.net
- しずく「……あの、彼方さん」
彼方「なになに〜?」
しずく「なんで……私にそんなこと言ってくれるんですか?」
彼方「え?」
しずく「その……大好きとか、可愛いとか」
彼方「思った事を正直に言ってるだけなんだけど」
しずく「い、いや……なんで、その……そんな風に思ってくれるのか気になって……」
彼方「中々難しい質問しますな〜」
しずく「ご、ごめんなさい」
彼方「ううん。謝ることじゃないよ〜」
彼方「……んー、そうだねぇ」
しずく「……」コクリ
彼方「彼方ちゃんはさ」
彼方「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会で一緒に過ごしてきた皆の事が、大好きなの」
- 334 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 00:39:48.67 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方「高校生の頃、結構忙しかったからさ」
彼方「内心……ちょっぴり疲れてた時もある」
しずく「……」
彼方「けど、ね?」
彼方「皆がいてくれた。彼方ちゃんが大好きな歌を歌えたあの幸せの日々の中で、皆が支えてくれた」
彼方「楽しい時間を、くれた!」
彼方「だから……皆のことが大好きなの」
彼方「皆は彼方ちゃんにとって、大切で大好きな宝物!」
しずく「大切で……大好きな宝物……」
彼方「うん!」
彼方「……そしてね」
彼方「しずくちゃんは、その中でも特に大切なんだよ」
しずく「私が……?」
彼方「うんっ!」
- 335 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 00:45:39.92 ID:tIgR7y0q0.net
- ───────────────
彼方『ふわぁぁ……』スタスタ
彼方『眠い……』
彼方(今日も……アルバイト。その後に家に帰ってご飯作って、今度のテストに向けて勉強しなきゃ)
彼方『……』
彼方『ちょっと……疲れたかも……』
彼方(家族の為でもあるし……勉強は将来役に立つからやらなきゃだけど……)
彼方『……』
彼方(……少し、お昼寝しにいこう)
彼方(お気に入りのスポットにいこ)
スタスタ
- 336 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 00:52:01.73 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方(あそこは静かだからお昼寝に最適なんだよね)
彼方(人もあんまり来ないし)
スタスタ
彼方『ん?』
『─────』
彼方(あれ? 誰か……いる?)
彼方(珍しい……何か、やってる?)
彼方(何か、一人で話してる?)ササッ
彼方『……』
彼方(珍しい光景すぎて隠れちゃった)
彼方『……』ジー
彼方(リボンからして、1年生の子かな? 入学式からまた1週間くらいしか経ってないし、ほかほかの1年生だ〜)
彼方(……楽しい青春が待っているんだろうなぁ)
- 337 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 01:03:15.14 ID:tIgR7y0q0.net
- しずく『明日もまた! 同じ日が来るのだろう……』
しずく『──幸福は一生来ないのだ! けれども……!』
彼方『!!』
彼方(すごっ、迫真だぁ……)
彼方(セリフっぽい言い回しだし、あれかな? 演劇の練習とかかな?)
彼方(あの子……演劇部の子なのかなぁ?)
彼方『……』ジー
しずく『ふぅ……よし、次は……』
しずく『……すぅ……──』
しずく『っ……!』ツー
しずく『ぐす……っ……!』ポロポロ
彼方『!?』
しずく『あぁ……ロミオ……どうして私達は──』
彼方『』ポカーン
彼方『す、すごい……!』
彼方(あれ、演技なのかな!? 涙を流して、セリフを言ってる)
- 338 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 01:11:39.05 ID:tIgR7y0q0.net
- しずく『──よし。こんなもんかな……』
しずく『まだまだ頑張らなきゃ』
しずく『夢である女優になる為に』
彼方『!!』
しずく『あっ……そろそろボイトレの時間だ……』
しずく『行かなきゃ』ササッ
スタスタ
彼方『……』
彼方(夢である……女優になる為に……)
彼方『さっきの子……夢に向かって頑張ってるんだ』
彼方『上手な演技だったのに、夢に向かってもっと努力してるんだ……』
彼方『……』
彼方『ふふっ』ニコニコ
彼方(1年生なのに、すごいなぁ)
彼方『かっこいい』
彼方『……』
彼方(彼方ちゃんも、さっきの子みたいに頑張らないと!)
彼方(なんか、気合い入った!)
彼方『よし、今日も頑張ろ〜』
- 339 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 01:20:56.92 ID:tIgR7y0q0.net
- ───────────────
彼方「いやぁ、ほんと……びっくりしたんだよね」
彼方「まさか彼方ちゃんのお昼寝スポットで演劇の練習をしてたのが」
彼方「後ほど同じ部活の後輩になるだなんて思ってなかったからさ〜」
しずく「そ、そんな事あったんですか!?」
しずく「というか、見てたんですか!?」
彼方「たまたまだけどね〜」
しずく「……」
彼方「私はね、しずくちゃん」
しずく「……」
彼方「あの時、頑張ってたキミを見て……もっと頑張ろうって気持ちになれたんだ」
彼方「スクールアイドルになったのも、好きな歌を頑張りたいなって思ったから。キミの姿を見て、好きな事に向かって頑張ろうって思えたの」
彼方「……夢に向かって頑張るしずくちゃんは」
彼方「彼方ちゃんの憧れの子なの」
しずく「私が……」
彼方「うんっ!」
彼方「彼方ちゃんはあの時から」
彼方「しずくちゃんの大ファンなんだよっ!」
しずく「っ!!////」
- 340 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 01:25:35.80 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方「だから」
彼方「キミは私にとって特別なの」
しずく「……」
彼方「近江彼方は」
彼方「桜坂しずくちゃんの事が」
彼方「大好きなのっ」
しずく「彼方さん……」
- 341 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 02:06:08.85 ID:dm11buh50.net
- ニヤニヤしてしまうぜ…
- 342 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 02:30:48.23 ID:bP19CnR90.net
- ここまで言えば伝わるかな
- 343 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 04:22:49.26 ID:ho4QqWzoM.net
- \早く結婚した方がいいんじゃないか/
- 344 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 07:59:54.99 ID:j1tu4TVHM.net
- jΣミイ˶º ᴗº˶リ💙
- 345 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 18:43:41.53 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方「えへへ〜」
彼方「言っちゃったんだぜ」
しずく「……」
しずく「あ、ありがとうございます……////」
彼方「わぁお、顔真っ赤だね〜」
しずく「し、仕方ないじゃないですか!! もうっ」
彼方「照れてるしずくちゃんも可愛いよ〜」
しずく「そ、そろそろやめてください! 顔熱いですし恥ずかしいです!」
しずく「それに! お、お店の中ですよ!?」
しずく「周りにもお客様がいるのに……」
彼方「え〜? いいじゃん。誰も気にしてないよ〜?」
彼方「しずくちゃんは周りを気にし過ぎだって〜」
しずく「むぅ〜……」プクー
しずく「えいえいっ」チョンチョン
彼方「わぁ!? ちょ、急になぁに〜?」
しずく「ツッツキ攻撃です。時と場所を考えてください」プイッ
彼方「えっ? じゃあ場所を変えたらもっとしずくちゃん大好きって言っていいの〜?」
しずく「……でゅくし」チョコン、チョコン
彼方「わっははっ! ちょ、くすぐったいでば〜。脇はやめて〜」
しずく「知りませんっ」プイッ
彼方(からかうと子供っぽくなるしずくちゃんかわいい〜)
- 346 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 18:53:10.87 ID:tIgR7y0q0.net
- しずく「……」
彼方「ごめんってしずくちゃん。さっ、そろそろお店でよっか?」
しずく「あ、あの! 彼方さん」クイッ
彼方「ん〜?」
しずく「そ…その……」
しずく「わ、私も!」
しずく「……か、彼方さんのこと……」
しずく「だ、大好き……です!///」
彼方「うへぇ!?////」
しずく「そ、そんな変な声出して驚かないでください!」
しずく「……私も自分の気持ちを正直に伝えただけですから」
彼方「」
しずく「か、彼方さん……?」
彼方「……しずくちゃん……」
しずく「な、なんでしょう?」
彼方「……反則だよぉ……////」
しずく「!!」キュン
しずく(彼方さん……顔真っ赤です!!)
しずく「ふふっ、ごめんなさい」ニコッ
彼方「本当に油断出来ない子なんだから……」
しずく「……」
彼方「……」
しずく(彼方さんはかわいいなぁ)
彼方(しずくちゃんはかわいいなぁ)
・
・
・
- 347 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 19:15:51.51 ID:tIgR7y0q0.net
- ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
しずく「──えっ!? じゃあ彼方さん……果林さん達以外の皆さんにお店の事を教えてなかったのは嫌われたくなかったからなんですか!?」
彼方「うん……だってほら、あれじゃん?」
彼方「新しくお店開いたから連絡しただなんて、お店に来てなにか注文してって意味で捉えられそうじゃない……?」
しずく「そんな風に思いませんよ! 絶対皆さん喜びますし来たがります」
彼方「そ、そうかなぁ?」
しずく「そうですよ」
しずく「早速かすみさん達に教えて、同窓会でも開きましょう」
彼方「ちょ、大丈夫だから! それは私がやるから〜!」
彼方「ほら、もう目的地に着くよ?」
あの後お店を出た私達は、とある場所に向かっていた。
今日は彼方さんの為のデートだったけれど、私が行きたい場所に行こうと提案したんだ。
そこで、夢について彼方さんに伝えたかったから。
もうすぐ、辿り着く。
場所は──
彼方「わぁ、懐かしいねぇここ。エマちゃんのMV撮影の時にも来たよね〜」
しずく「はい。懐かしいです。私もよくここに来てたんですよ?」
彼方「もちろん、知ってるよ〜?」
彼方「落ち着けるし良い所だよね」
しずく「はいっ」
──水の広場公園。
正面に見える海と大きな観覧車には、夕日が綺麗な色を差し掛かり、幻想的な風景を生み出している。
彼方「綺麗だね〜。もうすぐ夜になっちゃうね」
しずく「そうですね。時間が経つの、早いです」
彼方「だね〜」
- 348 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 19:25:30.84 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方「やっぱりお台場はいい所だよね〜」
しずく「……」
彼方さんの顔が、夕日に照らされる。
──本当に綺麗。
しずく「彼方さん」
彼方「ん?」
しずく「私、夢が決まりました」
彼方「……」
ちょっとだけ驚いた表情の彼方さん。
でも、すぐに優しく微笑んでくれる。
彼方さんは、いつも優しく微笑んでくれる。
彼方「聞かせてくれる?」ニコッ
しずく「はいっ」ニコッ
- 349 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:03:20.46 ID:tIgR7y0q0.net
- しずく「彼方さん」
しずく「私」
彼方「うん」
しずく「女優になりたいです」
彼方「うん」
しずく「また、女優を目指します」
しずく「もう、見失ったりしません」
しずく「これが──私の想いです!」
彼方「……」
しずく「あれ? 彼方さん」
彼方「ふふふ…」ニヤニヤ
しずく「へ?」
彼方さんが突然にやにやと笑い、海に近づく。
しずく「か、彼方さん?」
彼方「すぅー……」
──そして、彼女の声が響き渡る。
彼方「しずくちゃんなら!!」
彼方「絶対に、女優になれるよ───────!!」
しずく「!?」ビクッ
私が今まで聞いてきた彼方さんの声の中で、一番大きい声だった。
- 350 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:17:10.26 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方「はぁ、はぁ」
しずく「か、彼方さん!? 急にどうしたんですか……?」
彼方「この声の大きさくらい!」
彼方「彼方ちゃんはしずくちゃんが女優になれるって信じてる!」
しずく「!!」
彼方「応援してる」
彼方「何かあったら、なんでも言って? すぐに相談に乗るから」
しずく「彼方さん……」
しずく「……」スタスタ
彼方「おっ? しずくちゃんどうし──」
しずく「すぅ……」
しずく「私は!!」
しずく「絶対に、女優になりま───────す!!」
彼方「!?」ビクッ
しずく「はぁ、はぁ」
しずく「あははっ」ニコッ
しずく「これ、気持ちいいですね! 彼方さん」
彼方「うん! 私もそう思ったよ〜」ニコッ
- 351 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:20:49.20 ID:bP19CnR90.net
- デュクシしてるしずくちゃん可愛すぎる
- 352 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:25:33.95 ID:tIgR7y0q0.net
- しずく「彼方さん」
しずく「やっぱり、私の夢はこれしかありません」
しずく「今日の演劇を見て、そう思いました」
しずく「やっぱり私、演技をすることも演劇も、大好きなんですっ」ニコッ
しずく「だから、それをお仕事にしたい」
しずく「私のように、女優を目指す子達に……夢を与えたい!」
しずく「才能が無いかもしれないけれど、夢を叶えたいんです!」
彼方「それでこそ、しずくちゃんだよ」
彼方「……ただ、ね? しずくちゃん?」
しずく「?」
彼方「しずくちゃんはすごい才能で溢れてるよ?」
彼方「それに」
彼方「何かをずっと好きでいられるのは、立派な才能だよ!」
しずく「!! 彼方さん……!」
彼方「本当に、応援してる」
彼方「しずくちゃんの大ファンである私が、ずっと支える!」
彼方「だから……」
彼方「自分のやりたいようにやるんだよ! しずくちゃんっ!」
しずく「──はいっ!」
しずく「彼方さん」
しずく「ありがとうっ」ニコッ
- 353 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:30:23.13 ID:tMULWlvA0.net
- いい話だなぁ
- 354 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:36:01.69 ID:tIgR7y0q0.net
- ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
彼方「ありがとうございました〜!」
彼方「またのご来店を、お待ちしてま〜す」ニコッ
カランカラン
彼方「……」
彼方「んー、今日のお仕事も疲れた〜」ノビー
彼方「さて、締め作業に移ろっと」
彼方(昨日、しずくちゃんとのデート……楽しかったなぁ)
彼方「……」
彼方「はぁ……」
彼方(楽しかった分、寂しさもある)
彼方(しずくちゃんともっと一緒にいたいなぁ……)
彼方「……」
彼方「ん!」パシッ
彼方「わがままはダメ。切り替えよっと」
カランカラン
彼方「へ? あの、今日はもう閉店──」
彼方「──って、へ?」
しずく「こんばんは、彼方さん」ニコッ
彼方「し、しずくちゃん!?」
彼方「どうしたの!?」
しずく「彼方さんとお話したくて、来ちゃいました」
しずく「急でごめんなさい。ちょっとドタバタしていたもので」
彼方「う、ううん! いいよ。待ってて、今お茶出すから」
しずく「大丈夫です。お構いなく」
- 355 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:43:36.01 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方「そ、そう?」
彼方「というか、本当にどうしたのこんな時間に」
彼方「会えて嬉しいけど」
しずく「本当ですか? ありがとうございますっ」
しずく「伝えたい事があったんです」
彼方「伝えたい事?」
しずく「はい」コクリ
彼方「どーしたの?」
しずく「彼方さん」
しずく「出来たらで大丈夫なんですけれど、もっとシフトを増やして頂けませんか?」
彼方「へ? シフト?」
しずく「はい」ニコッ
- 356 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:55:15.52 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方「それは別に大丈夫だけど……」
彼方「学校行きながらだと大変じゃない?」
しずく「大学は休学しました」
彼方「……へ?」
しずく「両親に相談して、認めてもらって学校側への手続きも完了しました」
彼方「え、えぇ!?」
彼方「大丈夫なの!? それ……」
しずく「中途半端になるよりも、女優を目指す事を集中することにしたんです」
しずく「これでダメだったら、諦めてまた学校に行きますっ!」
彼方「そ、そっか。まぁ、しずくちゃんが決めたんだもんね。彼方ちゃんは応援するよ」
しずく「はい!」
しずく「これは、私が決めた事です」
しずく「もう、迷いませんっ」
- 357 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 20:58:15.48 ID:bP19CnR90.net
- ずいぶん思い切ったね
- 358 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:12:27.53 ID:tIgR7y0q0.net
- しずく「空いた時間を使って、ボイトレ等にもまた通って鍛え直します」
しずく「オーディションにも受けて、何がダメか考えながら努力します」
彼方「……」
しずく「ただ、その……親への負担は減らしたいので……お金は自分で出すつもりなんです」
しずく「だから、もっとアルバイトがしたいんです」
しずく「このお仕事、好きですし……それに!」
しずく「──彼方さんと、もっと一緒にいたいから」
彼方「!!」
しずく「いい、ですか?」
彼方「何卒よろしくお願いいたします!!」
しずく「な、何卒!?」
彼方「もう、大歓迎〜!」
彼方「なんならもうウチに住んじゃいなよ〜!」ギュッ
しずく「す、住む!?」
彼方「やったー! しずくちゃんともっと一緒にいられる〜!」ニコニコ
しずく「ちょ、彼方さん!? 喜びすぎですよ!?」
彼方「だって嬉しいんだも〜ん!」
しずく「も、もう……本当に元気な方ですね」
彼方「えへへ〜」ニコッ
- 359 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:23:18.03 ID:tIgR7y0q0.net
- しずく「彼方さん」
彼方「なぁに〜?」ニコニコ
しずく「私」
しずく「あの日彼方さんに電話して良かった」
彼方「!!」
しずく「あの日から、彼方さんと過ごす日常がまた始まって」
しずく「私は、前を向く事ができました」
彼方「……」
しずく「彼方さん」
しずく「本当に──ありがとうっ」ニコッ
彼方「っ……」
しずく「へ? か、彼方さん!?」
彼方「ぅう……ぐすっ……!」ポロポロ
彼方「こちらこそ、だよぉ……!」
彼方「あの日、私に電話して来てくれて……相談してくれて……」
彼方「ありがとう……!!」ポロポロ
しずく「か、彼方さん……」ッー
ギュッ
彼方「私、応援するから……!」
しずく「……彼方さん」
しずく「本当にありがとう」
しずく「──大好きです」
彼方「うん……!」
彼方「私も……彼方ちゃんも」
彼方「しずくちゃんが、大好き……!」
- 360 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:28:22.79 ID:tIgR7y0q0.net
- 人生とは何なんだろう。ふと、考えてしまう瞬間がある。
私は幼稚園の頃は、お姫様になるのが夢でした。
小学生の頃は、小さい時にお母さんに連れて行ってもらった演劇に影響を受け、大女優になりたかった。
中学生の頃は、本格的に“大女優”を目指す為に努力した。
高校生の頃もそれは変わらなかった。私は“女優”を目指しつつ、スクールアイドルとして学園生活での幸せの日々を過ごしていた。
幸せだった。あの時の煌めいていた青春は、本当にいい思い出として心に残っている。すごく楽しかった。
そして今は──また女優を目指す事を決めました。
幸せだった。あの時の煌めいていた青春が──また始まった。
- 361 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:38:32.93 ID:tIgR7y0q0.net
- ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
〜3年後〜
「では、本日の取材はこちら! 今や映えるおいっしー! 料理で、SNSや雑誌にて注目の的になっている喫茶店! 『眠れる森』〜!」
「今回は特別企画という事で、ゲストの方も一緒にリポートしていき、お話を聞いていきたいと思います」
「今、大ブレイク中の若手女優──桜坂しずくさんです!」
しずく「こんにちは。桜坂しずくですっ」ニコッ
しずく「本日はよろしくお願いいたします」
「うーん……美人……テレビ映えするわ〜」
しずく「り、リポーターさん?」
「あっ、ご、ごめんなさい! では、本題に移りましょ〜!」
「店長さんの、登場です!」
しずく「……」ニコニコ
彼方「どもども〜。店長の近江彼方です」
彼方「本日はよろしくお願いします」ニコッ
- 362 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:48:32.86 ID:tIgR7y0q0.net
- 「店長さんである近江彼方さんとしずくさんは同じ高校でスクールアイドルをやっていて」
「しずくさんはここでバイトしていたとお聞きしています」
しずく「はい」
しずく「ここは、私の思い出の場所であって」
しずく「夢へ向かって再び歩き出すことができたきっかけの場所なんです」
彼方「……」
しずく「素晴らしい、このお店の為に」
しずく「今日はたっくさんリポートして、視聴者の方々にアピールしちゃいますっ」
彼方「な、なんか恥ずかしいなぁ〜……」
しずく「どうです? リポーターさん。恥ずかしがってる彼方さんとっても愛おしくないですか?」
彼方「ちょっとしずくちゃん!? 全国放送されるんだよねこれ!? 恥ずかしいからやめてよ〜!」
「大丈夫です。カットはしませんから」
彼方「えぇ……」
- 363 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:54:05.36 ID:tIgR7y0q0.net
- 「とまぁ、本題に戻りましょう」
「今日はしずくさんの思い出でもあるこのお店の特集をしつつ、どういった経緯があったのかを語った頂きたいんです!」
彼方「ほーほー」
しずく「色々ありましたから、たくさん語れますね」
しずく「ねっ? 店長」ニコッ
彼方「うん。そうだね〜」ニコッ
「では、おふたりに順を追って話して頂ければと思います! よろしくお願いしますー!」
しずく「はい。かしこまりました」
彼方「うーん、そうだね〜」
彼方「じゃあ、経緯を話していこっか」
彼方「しずくちゃんっ」
しずく「はいっ! 彼方さん」
彼方「まずはね〜──」
- 364 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:54:49.80 ID:tIgR7y0q0.net
- 彼方「喫茶店経営、始めました〜」
しずく「そこでアルバイトすることになりました」
- 365 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:54:57.66 ID:tIgR7y0q0.net
- おしまい。
- 366 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 21:58:35.48 ID:skLRipWd0.net
- おつ。ありがとう、心が洗われたよ。ありがとう
- 367 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 22:14:44.23 ID:6xjiONIpp.net
- すごい面白かった
お疲れ様でした
- 368 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 22:16:48.80 ID:h6Oj3T/+0.net
- お疲れ様です
とても面白かったです
- 369 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 22:17:19.36 ID:tIgR7y0q0.net
- 完結までかなり長い時間かかってしまい申し訳なかったです。色々な意見もあり、勉強しなければいけないなとも思いました。
読んでくれたり保守してくれた方々
本当にありがとうございました!!
- 370 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 22:34:36.35 ID:bP19CnR90.net
- おつです。全体通してほんわか優しい雰囲気でとてもよかった
- 371 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 22:55:09.75 ID:sUS065prd.net
- 最高や!
- 372 :名無しで叶える物語:2021/11/28(日) 23:18:32.89 ID:pPDB1bAq0.net
- 乙です!
やはりかなしずはいい…
- 373 :名無しで叶える物語:2021/11/29(月) 00:43:21.82 ID:dAB2IrPP0.net
- 最後まで書いてくれてありがとう
他作品も読んでるけど盛り上げ方がやっぱ好き
- 374 :名無しで叶える物語:2021/11/29(月) 04:13:45.93 ID:6KqLqwas0.net
- 脳に皺が増えた
- 375 :名無しで叶える物語:2021/11/29(月) 06:21:59.04 ID:KLbYXcbEM.net
- 素晴らしいです!
- 376 :>>1:2021/11/29(月) 09:18:57.86 ID:Mi0RN4XLd.net
- >>30 誤字修正。
× → 中川なな
〇 → 中川菜々
>>347 誤字修正。
× → 正面に見える海と大きな観覧車には、夕日が綺麗な色を差し掛かり、幻想的な風景を生み出している。
〇 → 正面に見える海と大きな観覧車には、綺麗な色の夕日が差し掛かり、幻想的な風景を生み出している。
- 377 :名無しで叶える物語:2021/11/29(月) 22:43:29.62 ID:ee+ZU7m8a.net
- 乙です。とても面白かった
- 378 :名無しで叶える物語:2021/11/30(火) 01:34:44.63 ID:b/GgCdPH0.net
- タイトル回収が上手すぎる
- 379 :名無しで叶える物語:2021/11/30(火) 19:06:12.04 ID:wkNewuSF0.net
- 面白かったです!!!
- 380 :名無しで叶える物語:2021/12/01(水) 17:41:36.60 ID:ukGmLusJr.net
- 乙でした
かなしずは昔から色々あるけど、また素晴らしい作品に出会えて良かった
いつもこんな大作書けるのはちょっと尊敬するわ
- 381 :名無しで叶える物語:2021/12/01(水) 22:59:46.13 ID:a8Y08+gn0.net
- 乙
彼方ちゃんが少しずつしずくちゃんの心を解していく様子が尊かった…
しずくちゃんも夢を叶えられてよかった
そしてまさかの公式が追いついてくる神展開(あっちはレストランだったけど
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