【B○】棋○CP総合スレ【SS】 Part.2

名無し草

金井君が王座のスマホを借りて連盟のサイトを見て、僕のケータイのカレンダーに新しい対局予定を入れてくれようとしたんだけど、一つ二つ入れてくれたらまた眩暈がしちゃったみたいで、
片手で眉間を押さえると電話機を持った手を力なく毛布の上に置いた。
え、あ、大変、もういいよって言おうと思ったら、王座がすぐその様子に気が付いて、金〇君の手から、まるで生まれたての雛でも受け取るような優しい手つきで僕のケータイを受け取ると、
ちゃちゃっと入力を済ませて「どうぞ」って返してくれた。
「うちの師匠もこういうの弱くて」って言いながら。ありがとう。
金〇君が研究会に来なくなったら、これからは王座にこういうことはお願いしよう。やっぱり関東に移籍してきてね。
それから戻って来た誘起君と4人でケーキを食べた。誘起君は本当にごく自然なことのように、後半スピードを落とすこともなく6つ食べ、その様子を王座がげんなりした表情で見ているのが面白かった。
金〇君はゼリーを一つ食べきれなくて、途中でぐったり枕にもたれかかっていた。女神様を誘惑するエンデュミオンだったのに、今はなんか、白菜の漬物みたいになっちゃった。
僕がいると気を使うだろうからお暇することにした。
誘起君、ご馳走様。美味しかった～。王座、データ入力ありがとう。
金〇君、早く良くなって元気になったら、また将棋指しにおいでって言おうとして、あ、または無いんだなって思ったから、「早く良くなって」ってだけ言って。
今度は処方箋忘れないようにちゃんと確認して病室を出た。