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手塚治虫総合 63 モモンガの63(ムサ)

528 :愛蔵版名無しさん:2020/07/14(火) 02:10:30.09 ID:BiGvO13i.net
手塚治虫のエッセイ集を読めば、彼が過去あるいは当時の漫画の有り様とその
興隆や没落を踏まえた上で、如何に漫画家として生き残るかについて常日頃から
注意を払っていたことが文章からも良くわかる。
 多くの大人漫画の「大家」は権威の上にあぐらを描いて、つまらないもの
を描いていても、平気だと感じていたんだろうとかわかる。
 また、何かの作品があたって大人気作家になってもそれが長くは続かなかったり、
固定イメージが付いて、いったん飽きられると後が悪いことなども良くわかっていた。
だから、ずっと漫画家をし続ける・業界で生き残ることを第一として戦い、滅びるの
を避けるためには、様々な分野に先行して手を出しておいて、どれがダメになったり
雑誌が休刊や出版社が倒産しても、それだけでアウトにならない様に手広く作品を
手がける。新しい傾向の漫画が流行ったら、下らないと頭ごなしに否定して目も
くれないというのではなくて、その人気の理由を調べたり、受けている要素を
取り入れて試してみる、ただし丸パクりはしない、などで常に脱皮を繰り返し
続けなければ、留まっていると時代遅れになるということを知っていた。
「時間よ止まれ、今のなんと素晴らしいことか」と叫んでしまうと、
そこで終わりだということを知っていた。時計の針を手で押し戻しても
時間は進んでいく、所詮漫画は大衆娯楽なので、大衆から支持されなければ
居場所はなくなるんだということを肝に銘じていた。だからどうしても
読者層や世間に迎合する要素が入るが、それが本人の本心や信念と必ずしも
並行とは限らない。作家は基本的に嘘つきが商売なんだから。

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