自民党・大西英男議員を「人間失格」糾弾した野田佳彦に「民進党が言えるのか」声出る理由とは

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自民党の大西英男議員が5月15日の厚生労働部会で「働かなければいいんだよ！」と発言していたことについて、民進党の野田佳彦幹事長が「人間失格」と表現した点が話題になっているようです。

野田幹事長「人間失格だと思います」

野田幹事長は5月22日の会見で「信じられないですね、政治家としてというより人間として」と呆れ「人間として許される発言じゃない」「議員の資格なしというより人間失格」と厳しく批判していました。大西議員の発言について意見を求められた野田幹事長の発言。

野田「一言で言うとですね、信じられないですね。政治家としてというより、人間として。どなたも、ご自身の関係者の中で、ガンを患ってる方、戦ってる方、ご存じの方たくさんいらっしゃるんじゃないんですか。そういう皆さん、誰だってこれ傷つきますよ。ご本人患者さんのみならず、関係者の皆さん。これ人間として、許される発言じゃないですよね。あのーこの人、前もやってますね失言。2回生、いかがなものかと思いますねぇ自民党もね。あのーこれはもう、酷すぎるとしかいいようがありません。議員の資格なしというより人間失格だと思います（頷く）」

大西議員は5月22日午後、自身のFacebookを再び更新し発言の真意についてこう説明しています。

大西「今回の発言は、飲食店における従業員の方の受動喫煙の議論をするなかで、「（喫煙可能の店で無理して）働かなくていいのではないか」との趣旨で発言をいたしました。」

「ガン患者は働かなければいいんだよ！」ではなく「喫煙可能な店で無理して働かなければいいんだよ！」という意図だったと説明した形ですが説得力に欠けるとして大西議員のFacebookには「辞職すべき」などの厳しい指摘を含む多数の批判が殺到しています。

またもブーメラン？旧民主党時代に

しかし、大西議員を「人間失格」という表現で非難した野田幹事長への支持が集まっているかと言えば、必ずしもそうであるとは言えないようです。

というのも集団的自衛権解釈の見直しに尽力した当時の内閣法制局長官・小松一郎氏が末期ガンを治療しながら国会で答弁を続けた際、旧民主党議員が心無いヤジなどで批判を浴びたという過去があるためです。

小松氏について2016年2月に取り上げた産経新聞の記事にはこう書かれています。

「「自分の残りの人生をかけて、この責任を全うさせてください」。余命いくばくもないことを悟った内閣法制局長官、小松一郎は見舞いに訪れた首相の安倍晋三に訴えた。安倍は小松の願いを受け入れた。1カ月後に退院した小松は、抗がん剤と化学治療を受けながら国会で答弁に立ち続けた。野党議員からは心ないヤジも浴びた。しかし、小松は「重要なことだから、きちんと説明しないといけないんだ」と腹を固めていた。」

また2014年3月には「がん患者は『職務不能なのか』」として小松氏を批判した旧民主党議員に反発の声が上がっているとの記事が掲載されていました。これは「キャリコネ」冒頭の一節。

「がん治療を理由に3月31日午前の予算委員会を欠席した小松内閣法制局長に対し、民主党の尾立源幸議員が「職務を果たしていない」と批判した。しかし小松長官の治療計画は、あらかじめ「毎週月曜日」と決まっていたもの。通院治療をしながら働く権利を擁護する人たちからは、尾立議員は「人として思いやりがない」「これがリベラル政党のやることか？」と反発している。」

こうした経緯を知る人々からは、大西英男議員の発言については擁護しようがない、とはしながらも野田幹事長に「人間失格」という言葉を使ってまで一方的に糾弾する資格があるのか、として「民進党はまたブーメランではないのか」といった声も聞かれています。