【受動喫煙法案先送り】小宮山洋子「交通事故死の３倍。自民党は受動喫煙による死亡者数の認識を」

イセモル ★＠＼(^o^)／

他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙対策を強化するために、政府が今の国会での成立を目指していた「健康増進法改正案」は、秋の臨時国会に提出が先送りされることになりました。

焦点となっていた例外的に喫煙を認める飲食店の線引きを巡って、厚生労働省と自民党が折り合えなかった、と報じられています。

受動喫煙で、日本では、年間１万５千人が亡くなっています。

このところのオリンピック・パラリンピックは、受動喫煙が防止され、煙のない環境で行われてきています。

その前年２０１９年のラグビー・ワールドカップも、そうした環境で行うべきだと思いますが、今の国会で成立しないと、間に合わない事態になりかねない、ということで、由々しき問題だと思います。

厚生労働省の案では、床面積３０平方メートル以下のバーやスナック以外は原則屋内禁煙で、喫煙には専用室の設置を必要とする法案を作成していました。

この案でも、当初の屋内全面禁煙からは後退していました。

自民党の案では、すべての飲食店を対象に、一定規模以下（客席１００平方メートル以下、厨房５０平方メートル以下、最大延べ床面積１５０平方メートル）の店では「喫煙」などの表示をすることで喫煙ができるようにするものでした。

これでは、とても国際水準の受動喫煙防止にはなりません。

今回見送られるのは、事前審査を行う自民党が受け入れない方針を決めたためです。

自民党の議員たちも、海外に行けば、屋内全面禁煙に従っているのだと思いますが、日本を、国際的なスポーツ大会を機に、国際標準にするチャンスをつぶすことには、もっと声を上げないといけないと思っています。

この受動喫煙対策を巡って、アメリカのハーバード公衆衛生大学院のイチロー・カワチ教授が、新聞に投稿しています。

そのポイントは、
「議論されている「完全禁煙で飲食店の売り上げが減る」という指摘はあたらない。世界保健機関（ＷＨＯ）の付属機関の報告では、屋内全面禁煙に切り替えた国や地域の飲食店などを調べた研究のほとんどで、売り上げは変わらなかった。

売り上げ以前に、毎年１万５千人もの命に影響する問題だと改めて認識すべきだ。
毎年、ハーバードの学生によるジャパントリップという日本への視察旅行がある。ハーバードの学生は、日本の清潔さや健康的な食事を目にして、「世界で最も健康な国」のひとつである日本の暮らしぶりに感心する一方、飲食店に入り、まだ喫煙できることに衝撃を受ける。世界の多くの国の飲食店は全面禁煙が「標準」だからだ。受動喫煙が現代日本の公害とならないためにも、飲食店の全面禁煙を実現するべきだ。」
というものです。

全面的に支持します。

毎年亡くなる１万５千人は、交通事故死の３倍を超す人数であることを、自民党の議員に認識してもらいたいものです。

2017年06月06日 20:16
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