閉店しそうなアピタ・ピアゴ（ユニー）

おかいものさん

ユニー・ファミリーマートホールディングス（ＨＤ）発足から約３カ月が経過した。傘下でスーパー事業を担うユニーの佐古則男社長は13日、今後の事業方針について、2019年度（20年２月期）以降に本格出店を再開する意向を明らかにした。
食品売り場に特化した業態を中心に出店する方針。今後２年間（17～18年度）は不採算店の閉鎖など既存店舗の競争力強化に注力し、まず17年度（18年２月期）に最終損益で黒字化を目指す。
ユニーは店舗網の整理が進んだ19年度ごろから新規出店に本腰をいれる。佐古社長は「スーパーマーケット業態を軸に食品の品ぞろえをメーンに据える」と述べ、成長軌道を模索する考えを示した。具体的な出店先や店舗数は今後詰める。
19年２月期までは経営体力の回復期と位置付け、「アピタ」「ピアゴ」など総合スーパー事業で不採算店舗の整理に力を注ぐ。赤字店を中心に計36店を閉鎖する計画で「上積みはしない」（佐古社長）。この間は新規出店を抑制し、
既存店の体質改善に力を入れる。
閉鎖対象の店舗は関東や関西、中部など多岐にわたり、「特定のエリアでの集中閉店は考えていない」（佐古社長）。17年２月期はすでに３店を閉鎖した。今後も本社を置く愛知県を含めて閉じていく方針だ。
足元の17年２月期の最終損益は491億円の赤字（前年同期は25億円の黒字）になる見込み。店舗閉鎖などによる特別損失の計上が響く。来期は店舗運営の効率化や売り上げ増などで黒字化を目指す考えだ。
店舗削減の間も、都市部の住宅地などで総菜や生鮮を強化した新業態の小型店を出店する計画。面積は通常の総合スーパーより小さい約１千平方メートルを想定。店舗の人員を絞り、総菜は加工センターで調理するなどして運営コストを抑える。
「都市部の高齢者などの買い物需要を取り込む」（佐古社長）狙いで、改良を重ねて出店数を増やす。
既存の総合スーパーの改装にも本腰を入れる。衣料品など物販が伸び悩むなか、体験型のサービス「コト消費」に着目。売り場整理で空いたスペースに「家電や家具専門店を誘致したり、直営で生活に直結した体験型の施設を導入したりする」
（佐古社長）。９月には旗艦店に初めて直営のカルチャーセンターを導入しており、今後利用状況を見ながら導入店を拡大する。来期以降もゲームセンターの拡充などを検討している。（高橋そら）
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