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長靴半ズボンU

716 :夢見る名無しさん:2015/08/28(金) 18:41:55.90 ID:PdyNLJsMV
大人たちが主役の祭りは続くが、B斗はもう帰りたくなった。
A樹と連れ立って帰る気もしなかった。平気な顔ですごせるとは思えなかったからだ。
C子に投げられて擦りむいた尻と太腿の裏は歩くとやはり痛い。

B斗は終わってから気づいたのだが、5年生の部の子ども相撲は昨年同様、C子が優勝した。
B斗がとぼとぼと神社を後にしようとすると、長靴で走る足音が聞こえてきた。
音でわかる。C子だ。
いつもならすぐ振り返るのだが、その日はそんな気になれなかった。
B斗はC子に肩をたたかれた。

「B斗、怪我は大丈夫?」「うん、大丈夫だよ。それより今年も優勝おめでとう。」
「ありがとう。ごめんね。」「いいよ。気にしなくて。僕よりもC子のほうが強かっただけなんだから。」
「B斗も強かったよ。あのまま負けちゃうんじゃないかと焦って、かっとなっちゃったんだ。」「やっぱ、C子は強いよ。僕もC子のように強くなりたいよ。」
「B斗、来年も出る?」「もちろん! 来年は負けないよ。」
「私だって負けないわ。お互いに頑張りましょう。」「うん。」
「それじゃあね。」「じゃあね。」

B斗とC子はそれぞれ別れた。

角を二つくらい曲がり、C子に見られない確信を持つと、B斗は急に立ち止まった。
N祭を行った神社より小さな神社があった。人通りがないため、参道には雪が積もっていた。
B斗はその神社の参道を奥へ奥へと進み、手水舎の屋根の下に来た。そこだけは雪が積もってなかった。

B斗はしゃがみこんでしまった。長靴のゴムが太腿の裏に当たった。
怪我をしたほうの脚は痛かった。反対の脚は気持ちよかった。B斗は股間を意識した。
頬を目からでた暖かい液体が伝った。涙は長靴に当たった。
B斗は両膝を地面についた。体が前にに伸びた。両手を地面について四つんばいとなった。
目から涙が地面に落ちていく。B斗は手で目を押さえざるを得なくなった。
B斗は両方の前腕を地面につけて顔を抑えた。半ズボンの尻が高く上がった。
B斗は泣き出してしまった。

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