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長靴半ズボンU
- 938 :夢見る名無しさん:2016/07/09(土) 20:11:30.18 ID:DldFGdmJj
- 体育服の半袖、短パン、ハイソックス、大長靴で残雪を蹴飛ばしながら下校しようとするA樹とB斗の耳に、C子の怒鳴り声が飛び込んできた。
体育教官室の前で、C子がZZに大声で怒りをぶちまけている。
「どうしてS子にはY男とF子なのに、私にはA樹とB斗なの?」
「B斗の筋力とリズム感、A樹の持久力とスピード、これに勝ってほしかったんだ。C子、お前は持久力がまだまだだ。リズム感ももう少しほしい。」
「私がA樹やB斗に負けているとでも言うの?私がS子より下だとでも言うの?」
すかさずZZの平手打ちがC子の頬に入った。C子は泣きながら走り去って行った。
A樹とB斗は隠れていたし、C子は反対方向に行ったので、C子には見られていないはずだと思った。
A樹とB斗は悲しかった。いつもは悔しさだけだったが、こんなにC子の心が自分たちから離れていたことを思い知らされたのはつらかった。
中学校に入学してから3人は一回も同じクラスにならなかった。それも心が離れる原因の一つかとも思った。
そういえば、C子の態度はどんどん冷淡なものになっていく。雑談もあまりしなくなった。挨拶もそっけなくなってきた。お互いの家にも行かなくなって久しい。
C子はS子にライバル心を抱いている。S子は3人とは別の小学校の出身だ。S子はC子と同じくらい強い。A樹もB斗もS子には、試合でも様々な練習でも負けていて勝ったことがない。
C子にとってはZZがS子に関心を払うことが許せなかったのだ。
C子もあまりはっきりとは気づいていないが、実はC子はZZに恋をしていたのだ。
ZZは中年で妻子もある。C子にも常識はある。
C子はレスリング一筋だった。恋にも遊びにもほとんど関心がなかった。唯一のおしゃれは長靴そのものと、長靴と服装とのコーディネイトだった。同い年の女の子よりそちらの方面に疎かったのかもしれない。
翌日、C子はZZに謝罪し、その件については丸くおさまった。
レスリング部の日常は続いた。
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