叫べ!!
- 1 :神奈川:2021/07/29(木) 10:40:15.08 ID:AxhzlnF26
- 嫌なことを書き込んでください!
ご自由にどうぞ
- 65 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:09:00.05 ID:5WltI3sbk
- 若い盛り
その見本みたいな香りを想像すること
お前は、闇の中に横たわって思い出す
雲のない四月の一日
彼女は小さな小屋にいるお前に会いに来る
粗末な六面体の丸太小屋
高さ 3 メートル
床の広さは 3 平方メートル
二つの小さな光が両側から
色のついた小さな菱形の窓ガラス
その一つ一つに窓台がついている
夏の日曜日、昼食の後、お前の父は、雑誌とクッションを持ってきて、ここで休むのが好きだった
窓台に腰掛け、ズボンのベルトをはずし、彼はページをめくった
お前は、彼の真向かいで脚をぶらぶらさせていた
彼がくっくっと笑えば、お前もくっくっと笑ってみた
彼の笑いが消えかけると、お前のも消えていった
お前がくっくっという笑いを真似ようとするのが好きで、彼はひどく面白がった
そしてお前がくっくっと笑おうとするのを聞きたくて、わざと笑うことさえあった
お前は時々振り返り、窓の向こうを眺める
小さな鼻を押し付け、ばら色に染まった外をくまなく見つめる
年月が過ぎ、あの時と同じ場所で、虹色の光を浴び、目を空虚に向けている
- 66 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:10:44.15 ID:5WltI3sbk
- 彼女は遅い
お前は目を閉じて、体積を計算しようとする
困難な時、お前はわざと、簡単な算数の問題で気を紛らわす
まるで隠れ家に行くように
ついにお前は、およそ七立方メートルまでたどりつく
今でもまだ、闇の中で、時と無関係に、数字はお前を慰める
お前は、心臓の一定のリズムを仮想して、一日何回動悸を打つか計算する
一週間
一月
一年
そして、一人一人の人生の一定時間
最後の動悸までの
しかし、さしあたってまだ百億くらい数えなくてはならないところでやめて、お前は小さな小屋の中で、そ
の容積を数えながら、座っているのだ
約七立方メートル
不思議な理由で、この数字はありえないものに思われ、お前はゼロから計算をやり直す
しかしはじめたかと思うと、たちまち彼女の軽い足音が聞こえてくる
体格の割には軽い音だ
心臓が高鳴り、お前は目を開け、また果てしない時が過ぎ、彼女の顔が窓に現れる
お前の方から見ると、ほとんど顔中真っ青だ
お前の大好きな自然な青白さ、同じように、たぶん彼女から見ればお前も青いはず
というのは、自然な青白さはお前たち二人に共通の特徴だから
- 67 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:13:08.56 ID:5WltI3sbk
- 紫色の唇はお前の微笑に答えない
お前の方から見たこの窓は、お前の目の高さにあり、一方床板は、外の地面とほぼすれすれのところ
にあるので、彼女が膝をついているのではないかとお前は思ってしまう
お前たちの等しい背丈や大きさは等しい部分の合計であることを、経験で知っているから
なぜって、まっすぐ立って、あるいは全身を伸ばして横になって、お前たちが互いに向かい合っていると
き、膝はくっつき、恥骨も髪もからみあうから
だから、座ったせいで背丈が低くなるのと、ひざまずいたせいで低くなるのは同じ、と結論するべきだっ
たか
ここでお前は目をつぶり、脚の裏から膝までと、膝から腰までを、心の中でもっと正確に測り、比較しよ
うとする
お前は目を閉じたまま、しかもすっかり醒めきって、なんと集中していたことか
夜も昼も
この完全な闇で
この影のない光
ただ消えてしまおうとして
あるいは難題に没頭して
1 つの脚が現れる
お前はそこから部分を引き離し、部分を横に並べる
お前が少し予想していた通りだ
高いところが一番長く、結果として、椅子が膝の高さにある場合の方が座ることによって減る長さよりは
大きい
お前はもう断片をうっちゃって、目を開け、お前の前に座っている彼女を見出す
沈黙
真っ赤な唇はお前の微笑に答えない
お前の目は彼女の胸に下りる
それがそんなに豊かなのを見た覚えがない
- 68 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:13:43.64 ID:5WltI3sbk
- 彼女の腹にしても
同じことだ
それは、留め金をはずしたベルトからはみ出たお前の腹とひとつになる
彼女の手にさえ触れなかったのに、妊娠するなんてことがあるだろうか?
お前は自分に閉じこもる
彼女もお前が気付かぬうちに目を閉じた
お前たちはこうして、小さな小屋の中に座っている
この光の中に
この沈黙
- 69 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:14:49.81 ID:5WltI3sbk
- こんな想像力の濫費でからっぽになり、彼は中止する、そして全てが中止する
また友達が必要になり、彼が決意して聞き手を少なくともMと呼ぶまで
指示を容易にするためだ
自分自身は別の文字
Wで
自分の友達として、自分を含む全てを想像しながら
最後の知らせでは、Mと同じ闇の中で
どんな知らせか、動かないか、動くか、まだ想像されていない
彼は自分について語りながら、またこうも言う
彼が自分自身について最後に語ったとき、それは自分の作り出したものと同じ闇の中に、自分がいる
と言うためだったと
最初予想されたように、別の闇においてではない
同じ闇で
同伴するのにより好都合な闇として
また彼は言う、その上自分の姿勢を想像しなければならなかったと
そして動かないか、または動くか
想像できるあらゆる理由のうち、結局どれが一番退屈させないですむか
長い目で見れば、どんな運動、どんな静止が、一番気を紛らわせてくれることになるのか
そして、同時に、まだ知るのは早すぎても、もう待つのはやめて、後で反故にされるかもしれないことを
一息に言ってしまわないのか、もしたまたまそれが反故にならない場合は
その時は?
もし彼が望ましいと判断すれば、彼が最後に選んだらしい闇から引き上げ、彼が作り出したものから離
れ、全く別の闇の方へ行くことが出きるか
もし今、彼が決心して横になり、しばらくしてそれを後悔することになれば、その時彼は、例えば立ちあ
がったり、壁にもたれたり、あるいは百歩歩いたりできるだろうか
Mは、また自分が揺り椅子の中に想像されることに甘んじるだろうか
彼を助けに行くのは勝手だ
自分を作り出したものと同じ闇の中、そこで彼はこうした困惑にさらされて、友達を台無しにしてしまう
今までも時々したように、世の中の苦しみはいつも同じなのだろうか、と心の奥底で自問しながら
- 70 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:16:04.68 ID:5WltI3sbk
- Mは現在まで、こんなふうにしている
暗いところで仰向けになっていて、形と次元はまだ想像するしかない
断続的な声の聞き手
彼は時々、声が彼にむけて語られているか、それとも同じ状況にある別の人間に向けられているか、
自問する
声が彼の状況を正しく説明していても、この説明は同じ状況にある別の人間に向けられていることもあ
りえるからである
この疑いは、声が四方に霧散するのではなく、彼に向けて押し寄せるにしたがって、徐々に否定される
声がやむとき、唯一の音は自分の呼吸だ
声が長い間やむとき、もうすっかりやんでしまったというかすかな希望
まったくありふれた精神の動き
たまに推理がひらめいても、すぐに消えてしまう
希望と絶望というこの古びた、かろうじて感じ取れるペア
彼の現在の状況がどこから来たかについては、全然手がかりがない
あちらとこちら、かつてと今を連想させることもできない
瞼だけが動いている
目が外と内の闇に退屈したとき、瞼は一つ一つ閉じては開く
他の部分的な、些細な運動の希望もなくなってしまったわけではない
しかし、この点では、今のところ何一つ良好なことはない
あるいは、より高い水準で同伴に有利なのは、例えばあらわな悲しみの仕草、または欲望、または後
悔、または好奇心、または憤怒等々のしぐさ
あるいは、知性のありきたりの行為がうまくいって、例えば自分自身について語りながら、彼は自分に
言い聞かせることができる、考えることができないから諦めるのだと
このスケッチにはまだ付け加えることがある
彼の名付け難さ
Mでさえ消えなくてはならない
こうしてWは、自分の作ったものをこれまで作ってきた通りに回顧する
W?
しかし彼もまた作られたものだ
幻影
- 71 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:17:01.70 ID:5WltI3sbk
- それゆえ、さらにもう一人
彼については何もない
自分の無を和らげる為に、幻影を生み出して
そっとしておこう
少し時がたち、また心の中でうろたえ
そっと、そっとしておこう
- 72 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:18:03.53 ID:5WltI3sbk
- 全てを自分の友達として想像する、想像された、想像するもの
自分が作り出した他の幻影達と同じ、幻影のような闇の中で
どんな姿勢で?
もう決まりきった姿勢をした聞き手のようには、まだ決まっていない?
一人じっとしているだけではいけないか
こんな気慰みを倍にしていっていったい何になる?
それなら彼は動けばいい
控えめに
四つんばいで
控えめな這い歩き
胴体は地面からちゃんと離れ、警戒する目は歩みの方角に
それが何もしないよりましでないとしたら、やめてしまうこと、可能ならば
そしてまた見出された空虚の中で、別の動作
あるいは何もしない
それなら一番好都合な姿勢を想像するしかない
しかしさしあたっては這うがいい
這って歩き、転ぶ
また這っては、また転ぶ
自分の作った他の幻影達と同じように、幻影のような幻の中で
- 73 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:19:09.43 ID:5WltI3sbk
- まるで道に迷ったように、長いことさまよったあげく、声は自分の場所と自分のどうしようもない弱さを見
出す
その場所はどこか
慎重に想像すること
- 74 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:19:56.38 ID:5WltI3sbk
- 仰向いた顔の上
後頭部に対して垂直に
だから、声の放つ光に、1 つの口が浮かび上がるとしても、彼にはそれが見えない
絶望して、彼が目を右往左往させても
床とすれすれのところ?
- 75 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:20:58.49 ID:5WltI3sbk
- 腕の先
力?
かすか
後ろから、ゆりかごの枕もとに身体を傾ける母の声のように
母は、父に見えるように離れる
今度は父が赤ん坊につぶやく
いつもの気の抜けた調子
愛のしるしはない
- 76 :夢見る名無しさん:2022/01/15(土) 16:21:59.87 ID:5WltI3sbk
- お前は、ポプラの下に横たわっている
その震える影の中にいる
彼女は、肘をついて身体を直角に曲げて横になっている
お前のつむった目は、彼女の目の中をのぞきこんでいたところだ
闇の中で、お前はまたのぞきこむ
もう一度
お前は自分の顔の上で、彼女の長く黒い髪の端が、静かな空気の中に動いているのを感じる
髪の束の下にお前達の顔が隠れる
彼女はつぶやく、葉の音を聞いて
お前達は見つめあい、葉のすれる音を聞く
その震える影の中で
- 77 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:16:33.54 ID:aRVkA6vx6
- そういうわけで、這っては、転び
また這っては、また転び
もしそれが何の足しにもならないなら、いつでも彼は転んで、終わりにすることができる
もう決して膝で立ちあがらなかった、ということもありうる
このような這い歩きが、いったいどうなふうに、声とは反対に、場所の配置を掴むのに役立つか、想像
すること
まず這い歩きの単位とは何か
歩くときの一またぎに当たるものは
彼は四足で立ち、発進の用意をする
手と膝は、80 センチほどで、幅が任意の、長方形の角をなす
結局、右膝はおよそ 20 センチだけ進み、こうして右手との距離を四分の一減らす
手の方も、同じだけ進む
こうして私達の長方形は、菱形に変形する
しかし、左の膝と手が同じ事をする為に必要な時間だけだ
そうしてまた長方形に戻る
こんなふうに、彼が転ぶまで続く
このとき這って歩くものは、いわゆる側対歩(※)を行うのだ
これはおそらくあらゆる方法のうちでも、一番珍しい進み方だ
それゆえ、たぶん一番気晴らしになる
※ 馬術で馬が片側の二つの脚を同時にあげて進む歩き方
- 78 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:18:21.77 ID:aRVkA6vx6
- 這い歩きしながら、心の中で計算する
頭の中で ひとつふたつみっつよっつひとつ
膝、手、膝、手、ふたつ 1 つの足
たぶん、いつつで彼がころぶまで
そして遅かれ早かれ、ゼロからまた前進
ひとつふたつみっつよっつひとつ
膝、手、膝、手、ふたつ
むっつ
たぶん、こんなふうに続く
できるだけまっすぐに
ちっとも障害に出会わないので、がっかりして道を引き返すその時まで
ゼロからやり直し
あるいはまったく別の方向に向かう
できるかぎり一直線に
それでもまだ、苦労した割に終点につかないので、結局諦め、向きを変える
暗闇がどんなに道を誤らせるか、ちゃんとわきまえながら、あるいはほとんどそんなことは思わずに
心臓が原因の左回り
まるで地獄に来たよう
あるいは熟考されただ円を直線に変えてしまう
とにかく、どんなに元気に這っても、彼はまだちっとも終点近くについたわけではない
膝、手、膝、手
果てしない闇
- 79 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:19:19.57 ID:aRVkA6vx6
- 聞き手が、完全な心理停止状態にあると想像するのは、理にかなったことか
彼が聞いているときをのぞいて
つまり、声が聞こえている時をのぞいて
なぜなら、声と自分自身の呼吸以外に、いったい彼に何が聞こえているというのか
ああ
這い歩き?
彼に這い歩きが聞こえるか
転倒が?
這い歩きの音を聞くことができたら、どんなに友達として役に立つだろう
転倒
四つんばいに戻る
また這い歩き
こんな物音にいったい何の意味があるか、首を傾げながら
もっと後もっと空しいときのためにとっておけばいい
そしてこの音のほかに、何が彼の心に活気を与えることができよう
見えるもの?
見えるものなど何もないと、どうしてはっきり言わずにいられよう
しかしさしあたっては遅すぎる
目を開け、また閉じるとき、彼は闇の変化を感じるからだ
そしてとにかく、声が放つかすかな光を、想像した通りに感じるからだ
性急に想像したのだった
確かに、極端に弱い光だ、ほとんどつぶやきでしかない
今突然それが見えても、 目は閉じてしまう
この瞬間、開いていたと仮定して
- 80 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:20:53.13 ID:aRVkA6vx6
- だから、しまいにはかろうじて存在しているあの光は、せいぜい瞬きの半分ほどの間しか感知されない
味?
口の中の味?
ずっと以前から鈍っている
床が彼の骨格にのしかかる?
端から端まで、踵から、後頭部の突起まで
動こうとすれば、彼の無気力がかきたてられないか
脇腹を下にひっくり返す?
または腹を下に
変化をつけるために
- 81 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:21:25.40 ID:aRVkA6vx6
- 最小限の欲求が彼に与えられるように
そして同時に、彼が思いのまま、ただ身を捩じらせることができた時代は終わったと知ることの安らぎ
嗅覚?
彼自身の臭い?
ずっと前から彼のもの
そして、他の臭いに対する壁、他の臭いがあるとしての話だが
例えば、ある時はずっと前に死んだ鼠の臭い
あるいは他の腐った死骸の臭い
さらに想像しなくてはならない
ただし這い歩きする奴が臭うとして
ああ
這い歩きする創造者
這いながら、創造者が臭うなどと想像することは、正気の沙汰だろうか
自分の作ったものよりもっと臭いなんて
そして、驚きに対してはひどく無関心なこの精神を、驚かすなんて
このむかむかするような息は、いったい誰の、何の?
もし自分が創造したものが臭うとすれば、どんなにか友達としては好都合だろう
彼が創造者の臭いを嗅ぐことができさえすれば
第六感という奴か?
差し迫った不幸の言い難い予感
はい、それともいいえ?
いいえ
純粋理性?
経験以下
神は愛
はい、それともいいえ?
いいえ
- 82 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:21:58.40 ID:aRVkA6vx6
- 自分の被造物と同じ創造された闇の中を這う創造者は、這いながらも創造する事ができるだろうか
これが、二回の這い歩きの間で、横になって彼が自分に問うた問題
そして、明らかな答えはすぐやってきても、一番有利な答えはなかなかやってこない
そして、このことについて想像力を持てるまでには、何度も繰り返し這い歩きしなければならず、同じく
らいの数、意気消沈しなくてはならなかった
同時に一息に、心の中で、彼の考えるどんな答えも絶対ではない、と自信なく付け加えながら
なるようになれ
彼が、けりをつけるためにあえてした答えは、否定的であった
いや、彼にそんなことはできない
闇の中を、さっき想像したような仕方で這うなんて、たとえ虚無の断片を物体化するような活動であれ、
とにかく他のどんな活動もできなくなってしまうだろう
彼は単に、あまりに性急に想像されたあの特殊なやり方で移動しなければならないだけでなく、おまけ
に可能なかぎり、直線上を進まなくてはならない
しかも、進みながら、半歩ごとに足し算し、既に計算したものの、常に変化していく和を記憶に留めなけ
ればならない
そしてついには、場所の特徴に関するほんの些細な手がかりに対して、目も耳も警戒状態に保ってお
かなくてはならない
この場所に、彼は想像力によって、たぶんあまりにも急に閉じ込められたのだ
だから理性によってこんなに損なわれた想像力をかこちながら、同時に、どんな高揚もかりそめである
ことを忘れずに、彼は結局、いや、それはできない、と答えることができるだけだ
自分の被造物と同じく創造された闇の中を這いながら、理性的に創造することなどできないと
- 83 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:22:38.17 ID:aRVkA6vx6
- 砂浜
夕方
光は死に絶える
すっかりなくなって、やがて光はもう死に絶えることもない
いや
光がないなら、もうこんなことさえない
光は夜明けまで死んでいき、もう決して死ぬことはない
お前は海を背にして立っている
ただ海のざわめきがあるだけ
とても静かに遠ざかりながら、絶えず弱まっていく
とても静かに、それが戻ってくるときまで
お前は長い杖にもたれかかる
杖の柄に手を置き、その上に頭を置く
お前の目がたまたま開いたら、まず、最後の明かりで遠くに、お前の上着の裾と、砂に埋もれたお前の
編み上げ靴の胴が見えるだろう
それから、砂の上の棒の影だけが、それが消えていく間、見えるだろう
お前の視野から影が消える
月も星もない夜
もしお前の目がたまたま開いていたら、闇が輝くのに
- 84 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:23:49.33 ID:aRVkA6vx6
- 這って、転ぶ
横になる
闇の中で目を閉じ、息をつく
またやり直す
物理的に、そして何にもならないのに、また這って歩いたことを失望する
いったいなんで這って歩くのか、とたぶん一人ごちながら
なぜただ闇の中に目をつむって、横たわり、全てを放棄してしまわないのか
みんな終わりにすること
気違いじみた這い歩きと、空しい幻影も
しかしこんなふうに勇気を失ってしまうことがあるにしても、それは決して長い間は続かない
なぜなら、ぐったりした彼の心に、また少しずつ友達の欲求が生まれるからだ
あるいは自分自身との同伴を逃れようとする欲求が
もう一度あの声を聞きたくなる
それが再びこう言っているのに過ぎないにしても
お前は闇の中で、仰向けになっている
あるいはさらに、お前はこれこれの日、日の目を見た
よく聞くために目を閉じて、あの広がる光を見ようとする欲求
あるいは、何らかの人間的弱さが加わり、聞き手をましな奴にしようという欲求
例えば、手の届かないところの痒さ、あるいはもっといいのは、麻痺した手に届くところの痒さ
かくことのできない痒さ
それは友達として、なんと好都合か
あるいは自分について語りながら、自分が横になっていることを漠然と暗示することによって、彼はいっ
たい何を意味しているのか、という問いが最後の楽しみにとってある
- 85 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:25:02.23 ID:aRVkA6vx6
- 言いかえれば、無数の横たわり方のうち、長い目で見ると、どれが一番好ましいか?
もし特定のやり方で這って転ぶとすれば、当然顔は地面に向いているだろう
このときの疲労と落胆の度合いを考えれば、これ以外はほとんど不可能だ
しかし一度すっかり脱力すれば、当然、彼はどちらかの脇腹を下にして、あるいはたった 1 つの背中を
下にして、ひっくり返ることができるはずだ
そして、これらの三つの姿勢のうちどれかが、他のどれかより気晴らしになるとして、とにかく横になる
はずだ
背中を下にした姿勢は魅力的だが、既に聞き手に採用されているので、結局は斥けられる
横腹については、一目見て駄目と分かる
それなら、虚脱状態しかないか
しかしどんなふうに?
どんなふうにして虚脱状態になるのか?
足はどんなふうに置けばいいか
腕は?
頭は?
闇の中で虚脱して彼は、どうしたら、うまい具合に虚脱していられるか賢明に知ろうとする
どんなふうに、虚脱して自分に同伴するか
- 86 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:26:03.60 ID:aRVkA6vx6
- 聞き手のイメージをはっきりすること
いろんなやり方のうち、どんなふうに仰向けになるのが、一番人を退屈させないか
虚脱し、目を閉じ、闇の中にかっと見開き、しまいに彼はぼんやりと見始める
それにしてもまず裸で?
あるいは何かを纏って?
ただの布切れでも
裸
声の放つ光に幽霊のように浮かぶ、骨のように白いこの肉体が友達
前述した喉頭部の突起にほぼ支えられた頭
こわばった形に組まれた両足
直角に開かれた足の裏
見えない手錠で恥丘の上に交差させられた手
必要に応じて、別の細かいこともあるだろう
さしあたって、彼をそのまま放っておこう
- 87 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:28:10.61 ID:aRVkA6vx6
- まったくお似合いの災いに打ちのめされ、それでもお前は、頭を手の支えから上げ、また目を見開く
お前は、自分のいる場所から動かずに、頭の上の光を灯す
お前の目は、目の前の腕時計を見る
しかし夜の時間を確かめるかわりに、目は秒針の回転を追う
その影は、針の先を行ったり、針を追いかけたりする
何時間もたつと、やがてこんなふうに感じられる
60 秒と 30 秒で、影は針の下に消える
60 秒から 30 秒まで、影は針の先を行くが、その間の距離は、60 のときゼロで、15 で最大値に達する
そこから、今度は 30 の所でまたゼロにまで減少する
30 秒から 60 秒まで、影は針を追いかけ、その間の距離は、30 のときゼロで、45 で最大値に達し 60
でまたゼロに減少する
今お前が、光か時計かをどちらかに移動させて、光を斜めに腕時計に当てると、影はまったく違う点、
例えば、50 と 20 で針の下に消える
また、傾斜の角度によってこの 2 点は、まったく違うところに移る
しかし傾斜がどんなふうでも、また、影がゼロになる点が、最初の場合と新たな場合でどれほど隔たっ
ていても、ふたつの点の間の開きは、いつも 30 秒だ
影は、回転しながらどこであろうと、針の下から現れて、30 秒間針を追いかけ、あるいは針の先を行く
それから、1 秒を計算できないほど小さく割った瞬間だけまた消えて、またあらわれ、針の先を行き、あ
るいは針を追いかける
これが絶え間なく続く
- 88 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:28:37.03 ID:aRVkA6vx6
- 見たところ、これだけが唯一、一定している
なぜなら、針とその影の間の距離そのものもまた、傾斜の度合いにしたがって変る
しかし、その距離がいくらであろうと、相変わらず 15 秒間ゼロから最大値まで増加し、また 15 秒間に
そのつどゼロまで減少する
これが絶え間なく続く
これがおそらく、二番目に一定している
この秒針とその影が、一見絶えず平行して文字盤を回転する様子を、お前はもっと観察することができ
ただろう
この回転からの他の変数、定数が取り出され、今まで感じてきたことに含まれていた誤謬が、訂正され
たかもしれない
しかし、それ以上のことはできずに、お前は頭をもとのところに下ろし、目を閉じて、お前にお似合いの
災いに戻っていく
明け方、お前のいつもの姿勢が光にさらされる
海側の窓から、低い太陽がお前を照らし、床にお前の影を投げ、頭の上にいつも灯っている明かりや、
さらに他のものの影を投げる
- 89 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:29:13.02 ID:aRVkA6vx6
- 光の闇の中には、何が見えるのか
誰がそう叫んでいるのか
誰が、誰が叫んでいると問うのか
光も影も、影を落とさぬ闇の中に、何が見えるのか
さらにまた別の誰か?
全てを自分の友達として想像しながら
それは、友達としてどんなに役に立つことか
さらにまた別の者が、全てを自分の友達として想像する
そっと、そっとしておこう
- 90 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:30:15.73 ID:aRVkA6vx6
- 是が非でも、なんとか、始末をつけるため、もう外出できなくなった時、お前は闇の中にしゃがんでいた
最初の歩みから約三万里、およそ地球を三周
決してお前の家から半径一理以上離れたことはない
お前のすみか
ここには窓がない
お前が目を開けると、闇が輝いている
だからお前は闇の中で仰向けになっているが、昔はここでしゃがんでいたものだ
お前の身体は、もう外出することができない、とお前に告げた
田舎の小道のつづら折りや、その間の、群れでにぎわう、あるいは空っぽの牧場を歩くことはもうでき
ないのだ
お前の脇には、長い年月、日雇いのぼろ服を着た父の影があった、それから長い間一人だった
一歩一歩、既にした歩みの、絶えず増えていく合計に、お前の歩みを付け加え
時々、一番最後の合計を勘定する為、うなだれて立ち止まり
またゼロから前進し
お前はうずくまって、もう一人ではないと想像しようとする、そんな想像を可能にするものは何も生き延
びてはいないことを知りながら
それでも事態は、いわばその愚かしさによって和らげられ進行する
一つ一つの言葉を、一人でつぶやくのは止めろ、私は、私のすることが水の泡と分かっているが、それ
でも続ける
違う
なぜなら、一人称単数は、ついでに複数は尚更、お前の語彙には決して存在しなかった
しかし、こうしてお前は、黙ったまま、自分を観察するのだ
時々、お前は身体を伸ばす
同時に、様々な部分が揺さぶられる
腕は膝から離れる
頭が起きあがる
足は伸びる
胴は後ろにのけぞる
そして、他の数え切れないものと一緒に、それらは一つ一つの移動を、もう不可能になるまで続け、そ
して一緒に滞る
- 91 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:30:56.45 ID:aRVkA6vx6
- 伸びる動作を中止したところで、今仰向けになって、お前は作り話を続ける
そして、逆の動きがまた中止するまで、お前は続ける
こんなふうに、闇の中にうずくまり、あるいは仰向けになり、お前は無駄な骨折りを続ける
そして、最初の姿勢から次の姿勢への移行が、時に連れて簡単に、より自発的になるように、その反
対はやはり反対になる
だから、たまたまくつろいでいただけだったのに、身体を伸ばすことは習慣となり、しまいには規則とな
る
今闇の中で仰向けになったお前は、もう両腕で足を抱えて、ぎりぎりまで頭を低くして座るということも
ないだろう
やむをえず、顔をのけぞらせ、お前は空しく作り話をいじりまわす
言葉が終わりに達したらしいとついに悟ってしまうまで
空虚な言葉を重ねるたび、お前は最後の言葉に近づいていく
作り話も
お前と一緒に闇の中にいる他人についての作り話
闇の中にお前と一緒にいる他人についての作り話をするお前についての作り話
そういうわけで、要するに、徒労の方がましで、おまえは相変わらず
- 92 :夢見る名無しさん:2022/01/16(日) 13:31:53.14 ID:aRVkA6vx6
- ただ一人
- 93 :名無し:2022/01/17(月) 20:08:47.77 ID:qEWw9aJdc
- 何だろう心の中だと孤独なんだよ寂しいな
- 94 :夢見る名無しさん:2022/01/20(木) 19:03:04.59 ID:l6AT53ox3
- 2ちゃんねる、5ちゃんねるとは、何か。
アホ
- 95 :夢見る名無しさん:2022/01/24(月) 04:32:47.99 ID:kpCEGrJoz
- 毎回毎回、メンタル壊して、ホントウザい。
薄っぺらい家族ごっこに、付き合わされるの迷惑。
自己満足tweetも、嘘多すぎて不気味。頭悪すぎ。
さっさと大人になれよ。
- 96 :神戸優兵:2022/01/24(月) 10:15:04.31
- kanbe-y@makichie.biz.ezweb.ne.jp
kanbe-y@makichie.co.jp
070-3627-4583
- 97 :夢見る名無しさん:2022/01/29(土) 23:54:38.70 ID:UaN+lOt7J
- ( º дº)<キエェェェエエェェェ
- 98 :夢魔王:2022/02/05(土) 09:58:45.12 ID:KQ9Wd7NnO
- 夜見たITが夢に出てきてITダンスしてたから飛びかかったら⚫んでた
- 99 :夢見る名無しさん:2022/02/08(火) 13:09:08.90 ID:fuLUzW1NB
- ねむいーーーー!!!
- 100 :夢見る名無しさん:2022/02/14(月) 06:38:34.39 ID:+9su8HsfH
- 体調が回復しますように。
- 101 :夢見る名無しさん:2022/02/20(日) 08:23:20.97 ID:9X+8bHxKu
- 寒いー!!
- 102 :誰です?:2022/04/01(金) 16:27:37.59 ID:tNhZ+Q+m+
- 勉強
- 103 :夢見る名無しさん:2022/04/02(土) 01:02:15.49 ID:B73uxsdv2
- あああああ!?
- 104 :名無し:2022/04/02(土) 01:02:47.52 ID:B73uxsdv2
- あああああ!?
- 105 :夢見る名無しさん:2022/06/11(土) 20:27:46.56 ID:8ClIwBgPp
- 「諸君らが愛してくれた地球は死んだ、何故だ!」
「地球温暖化だからさ」
- 106 :夢見る名無しさん:2022/06/15(水) 17:33:59.01 ID:0/+bofq+d
- 俺「おかえりんこ」
嫁「ただいま◯…こ、ちょっとー!」
かわええ
- 107 :夢見る名無しさん:2022/06/15(水) 17:40:28.49 ID:0/+bofq+d
- 俺「おかえりんこ」
嫁「ただいま◯…こ、ちょっとー!」
かわええ
- 108 :夢見る名無しさん:2022/06/16(木) 11:38:07.15 ID:hsB9WxAPO
- https://x.z-z.jp/?versusyou
- 109 :夢見る名無しさん:2022/06/21(火) 03:08:27.65 ID:jwmmdHwCe
- 体育会系がめんどくせえぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
- 110 :夢見る名無しさん:2022/06/26(日) 13:59:15.80 ID:OTHLdrlB9
- 明日月曜日やんけ
- 111 :夢見る名無しさん:2022/06/26(日) 14:00:59.11 ID:OTHLdrlB9
- 明日月曜日やんけ
- 112 :夢見る名無しさん:2022/09/20(火) 00:03:05.18 ID:Bp6cnvuCJ
- 不正改造車の使用者は、社会のゴミ
- 113 :夢見る名無しさん:2022/09/25(日) 22:49:44.76 ID:Ce+rILbSE
- うるせえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
- 114 :夢見る名無しさん:2022/10/14(金) 07:24:16.11 ID:IWNruf9h0
- 子供たちよ
日本は民主主義の皮をかぶった独裁国家だ
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