【ﾃｸﾉﾎﾟｯﾌﾟﾕﾆｯﾄ】Perfume 3290【ﾒﾄﾛｯｸ大阪大ﾄﾘ】

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明日メトロックに行くオマイラさん達に捧げます。行けない人の気持ち。

■シリーズいなご～時代を追う人々～第47回
ネット初期世代の現在(いま)

2017年初夏、３つの画面を鑑賞する男がいた。佐藤筑前さん(43)。昨年大厄をぬけ、残るは後厄だけだ。
「某掲示板では悪いことしてましたね(笑)あの頃は若かったですから」
自演、ネカマ、煽り、スレ乱立、ニュー速+キャプ乗っ取り、トリップ解析、自己板の荒らし。
ネット悪事に手を染めていたと話す筑前さんは少しさびしげだ。
筑前さんにも本気になるものがある。広島県出身のテクノポップユニットPerfumeの追っかけだ。10年以上走り進み進み進み続けた。
取材中の自由時間も筑前さんは、ライブDVDのP.T.A.DVD VOL.5、Perfume WORLDTOUR2ndとぐるんぐるんをパソコン、スマートフォン、テレビで同時視聴。BGMは”願い”一択。リピートがマストだそうだ。
二番目に好きな曲は、Dream Fighter。挫けそうなとき、いつも支えてくれたと。
「少しでも気をぬくと頭に入ってこないんです。あの光景がよみがえるの」
鑑賞前は座禅とヨガを二時間ずつして集中力を高める。マインドフルネスではダメだった。
●全ての素材はAWSに委託
筑前さんはアマゾンのサーバーを借りている。
「便利です。同時視聴の最高記録はライブDVD4枚です。でもCDまで含むと7枚。ちょうどセブンスヘブンと同じ7枚ですね。ってどんだけ(笑)」
AWSは部屋が同じだった若者に教わった。
「クラウドなんて……あの日止まった時計が、また動きはじめました。ワンダーです」ふりむいた筑前さんは、とろけて消えてしまいそうな笑顔だった。
●いつごろからPerfumeに？
「モノクロームエフェクトくらいから存在は知っていました」
ポリリズムのヒットで、はしゃいだそうだ。自宅の至るところの壁をなぐり、穴を開けたという。
昔の自宅写真を見せてもらった。気持ちが加速して、心が12000回転を超えてしまったのだろうか。
ハニカミの筑前さん「戒めです」と写真は肌身はなさず御守りにしている。
●とは言え、離脱は考えなかったのか？
「ありました。離脱が常に頭をよぎりました。くさい飯を食べてたので、悩みました。ある日、差し入れのDVDを観たんです。かしゆかが野菜食べていました。乗り越えた瞬間でした」
筑前さんは、しみじみと話した。
前の職場では、どの子が好き？と執拗な質問にうんざりしたこともあったという。
「今は書類を提出すれば気兼ねなくライブに行けます。もうこりごりですね」
●準備は大切に
「点呼～！チケットよし、バナナよし、アミノバイタルよし、小銭にPTA身分証よし。確認終了！消灯！」
ソファに置いた装備品を指さしする。よどみない手つきは長年の指導のたまもの。口調は鋭く目つきに隙はない。
「おかげさまで」筑前さんは手で頭をかいて、照れをかくした。アミノバイタルは先輩から５年分譲りうけた。
ライブ前は気持ちを抑えられないという。昨年は点呼を１ヶ月前からはじめ、隣人トラブルに発展した。
「今年は3週間前からにしてます。怒られるのも修行のうち。我慢、我慢です」
●グッズのヘビーユーザー
ヒール投げで有名なPerfume大本彩乃さん(28)が開発に成功した機能的なリュックは筑前さん大のお気に入り。
大本さんが企画するバック類は必ず同じものを３つ購入する。前回の大本さんプロデュース暗黒リュックは、すでに五つ目。面倒みてくれた先輩、おじきへの差し入れ用バックに重宝している。
「リュック頑丈なんです。重く大きなものでも持ち運べるんです」
●Perfumeにはまった理由は？
「あんなに中毒になるとは。あの光景がよみがえるの」
記者の質問に手をふるわせ、窓の外を見て遠い目をする筑前さん。渇望が止まらないという。
今でも禁断症状と戦っている。
最高の旅を求めて、今年も筑前さんとPerfumeの夏がはじまる。

(写真)今も大切なあのファイルをそっと抱えた筑前さん。

2017エンジョイ、夏。