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コロナのせいで警備員に転職した人のスレ

155 :名無しさん@引く手あまた:2020/06/25(木) 22:22:17 ID:qBurcK+Y0.net
コロナ大不況で警備の仕事を失った俺は、
役所から渡された地図を頼りに簡易宿泊所へと向かった。
宿泊所は6畳一間の個室で月額12万と割高ではあったが、
どうせ生活保護費だし朝・昼・晩の食事つき。
きっと優しいおばさんが「お帰りぃ〜」って温かい賄い飯で迎えてくれる・・・
そんな宿泊所だと期待していた。

「おうっ!テメェかっ!今日から入居するって迷惑な新人は!」

ボロボロの宿泊所の入り口に着くなりいきなりの罵声、上半身スっ裸の男だった。
「はい・・・役所の紹介でここを訪ねるようにと。名前は佐藤と・・・」
「ウルセーんだよっ!さっさと入れっ!オメェの部屋はそこだ!文句は言うな!」
男が指さしたのは、ビール缶が散乱したゴミ屋敷のような6畳間。
役所で紹介された個室ではなく、この部屋を2人共同で使うらしい。
エアコンもなく壊れた扇風機が1台。部屋の隅に1畳ほどの畳の見えるスペースがあり、
どうやらここが俺の寝床ということか・・・男が俺に言った。

「とりあえず朝起きたら便所の掃除だ。終わったら風呂場の掃除な。
メシ?メシはその辺にカップ麺が転がってんだろ!めんど臭ぇハゲだな!」
「・・・・」
明らかに不満そうな顔をしてる俺を、ニヤニヤと見ているスっ裸の男。
「ここが嫌なら出てってもいいんだぜ。まっ、行き場があればの話だがなwww」
俺は出ていくのをあきらめ、ここで眠るしかなかった・・・


「おいっ!起きろ!交代だよ、いつまで寝てんだよ!新人!」

俺は黄ばんだマスクの小汚いハゲ警備員に起こされ目が覚めた。すべては夢だったのだ。
いや、夢なんかじゃない。俺はきっと1年後の未来を見て来たに違いない。

俺はその日、警備を辞めた。

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