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【ギャルゲ風安価SS】>>3「また一年が始まる」
- 1 :名無しで叶える物語:2020/10/24(土) 08:13:10.53 ID:J7clgn+M.net
- μ's、Aqours、ニジガク
お好きにどうぞ
※ 安価がモアイになったらそこで終了します
- 367 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 20:56:52.32 ID:q+2CJKgz.net
- 歩夢「侑ちゃん、お昼どうしよっか」ス
侑「外暑いかな?」
歩夢「暑いかもね。教室は窓を開けてれば風が通って気持ちいいけど、日差しも強そうだし…」
侑「お弁当、傷んでないかな」クンクン
歩夢「保冷剤入ってれば大丈夫だと思うよ」
侑「え?」ゴソゴソ…
侑「保冷剤入ってる!なんでわかったの!?」っ保冷剤
歩夢「これくらいの気温だったら侑ちゃんのお母さんは入れてくださるでしょ。昔からずっとそうじゃない」
侑「そうなんだ〜」
- 368 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:01:22.70 ID:q+2CJKgz.net
- 歩夢「今日は教室で食べよっか」
侑「うん…」
歩夢「どこか行きたい?」
侑「ねえ、菜々ちゃん連れてきてもいい?」
歩夢「えっ」
歩夢「えっ、と…」
侑「やだ?」
歩夢「ううん、いやってわけじゃないの。でもなんだか緊張しちゃうから」
侑「そっか…菜々ちゃんってそんなに怖いかな?」
- 369 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:04:44.70 ID:q+2CJKgz.net
- 歩夢「うーん…笑ってお話ししてるところ見たことないからかも。ほら、集会とかで前に立つときもキリッとしてるし、この間だって私達がお昼ごはん食べ終わるまで黙々と机でなにかしてたし…」
侑「なるほど、わかったよ!歩夢!」
歩夢「え、なに?」
侑「菜々ちゃんが笑って話してくれるようになったら歩夢も怖くないよね、そしたら三人でお昼ごはん食べられるようになるじゃん!」
歩夢「え、うん…?」
侑「私が菜々ちゃんと仲良くなって、お話しするとき笑ってくれるようにしてみせるよ!」ガタ
歩夢「ゆ、侑ちゃん?」
侑「今日は菜々ちゃんと仲良くなってくるから!待っててね、歩夢!」タタタ
歩夢「え…ええ〜、侑ちゃん!私、お昼ごはん一人なの〜!?」
歩夢「………行っちゃった…侑ちゃん…」
香「一緒に食べよ、歩夢ちゃん」ポン
歩夢「ありがとう…」グスン
- 370 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:06:41.84 ID:q+2CJKgz.net
- 『生徒会室』
侑「菜々ちゃ──」ハッ
──菜々「自分が自由な入退室を許可されている以外の部屋に入るときはノックをしましょう」
侑「おっといけない、また怒られちゃうとこだったよ」ットト
コンコン
「開いています、どうぞ」
侑「失礼しまーすっ」ガラッ
- 371 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:10:48.53 ID:q+2CJKgz.net
- 菜々「高咲さん」
侑「こんにちは、菜々ちゃん」
菜々「こんにちは。どうかしましたか?」
侑「私がここに来る理由は言ったでしょ、菜々ちゃんとお昼ごはん食べたくてそのお誘いだよ!」
菜々「!」
菜々「………上原さんが、」
侑「今日は私一人だよ」ニコッ
菜々「へ。そ、そうなんですか?」
侑「うん。それとも、今日ももうお昼済ませちゃった?」
菜々「……いえ、今から頂くところです」
侑「だったら…!」
菜々「仕方がありませんね。わざわざこんなところまで来てくださったのに、断るわけにはいかないじゃないですか」フフッ
侑「やったぁ!!」
- 372 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:15:24.25 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「いただきます!」
菜々「いただきます」
菜々「高咲さん、保冷剤を入れてきたんですか。偉いですね」
侑「うん、お母さんが入れてくれたみたい。菜々ちゃん、お弁当手作り?」
菜々「いえ、まさか。母が作ってくれたものですよ」
侑「そっか〜。菜々ちゃんお料理うまそうだよね」
菜々「私も何度か自分で用意すると言ったんですけど、母が頑として首を縦に振らなくて」
侑「そうなの?私がそんなこと言ったらお母さん飛び跳ねて喜ぶと思うよ。高校卒業するまではなんとしても作り続けてもらわなくちゃ!」フンス
菜々「ふふ、なんですかそれは」
侑 (あ、笑ってくれた──)
- 373 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:18:56.55 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「菜々ちゃん、お昼休みはだいたいここにいるって言ってたよね。生徒会長のお仕事ってやっぱり忙しいの?」
菜々「!」
侑「私に手伝えることがあるなら手伝いたいけど、頭よくないからなー。書類並べるとかならできるかもしれないけどね」ヘヘ…
菜々「…」
侑「あ、もしかしてお仕事しながらお昼ごはん食べるタイプとかだった?私、邪魔だったかな!?」
菜々「そっ、そんなことないです!邪魔なんかじゃありませんよ!」
侑「あ、そ、そう?それならいいんだけど…」
- 374 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:21:35.96 ID:7i9z1WPu.net
- 素晴らしいですね!!!!!
- 375 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:23:25.88 ID:q+2CJKgz.net
- 菜々「…今日は、どうして上原さんとご一緒じゃないんですか?」
侑「え。あー…」
侑「私が菜々ちゃん誘おうって言ったら、緊張しちゃうって言うから…」
侑「あ、でも違うんだよ。歩夢前から人見知りなところがあって、菜々ちゃんが特別どうとかってわけじゃなくてね──」
菜々「そういうこと、なんですよ」
侑「え…?」
菜々「私がいると、周りの人達はみんな緊張してしまうようなんです。授業中も、休み時間も、もちろんお昼休みも」
菜々「せっかくの和気藹々としたお弁当の時間が、近くにお堅い生徒会長がいると窮屈になってしまうんです。だから、私は皆さんと別々でお昼ごはんを取るようにしているんですよ。幸い、生徒会室という打ってつけの場所がありましたから」
- 376 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:28:04.91 ID:q+2CJKgz.net
- 菜々「どこかのグループに加われば緊張させてしまうし、かといって誰の輪にも加わらず一人でいては気を遣わせてしまいます」
菜々「でもお昼休みは生徒会室で過ごすので、と言えば皆さんどこかほっとしたような表情になるんです。生徒会の用事があるなら仕方ないよね、とでもいわんばかりに」
菜々「そうするのが皆さんにとっても私にとっても一番いいとわかってからは、ずっとこうしているんですよ──」
侑「………」
菜々「──って、すみません私ったら。こんな、愚痴のようなことを言いたかったわけではなくて。高咲さんは話しやすいので、ついこんなことを…」
菜々「だからですね、その、上原さんの感覚は間違っていないというか、当然の反応なので正しいのは上原さんで…」
侑「私、菜々ちゃんといて緊張するとか思ったことなんかないよ?」キョトン
菜々「ぁ…」
- 377 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:30:47.01 ID:q+2CJKgz.net
- 菜々「……………ぷっ」
菜々「くくっ……はは、あははは………!」
侑「え?え?どうしたの?宇宙人でもいた?」キョロキョロ
菜々「あはははははっ、なんですかそれは…!」
侑「な、なに?わかんないよ、なんで突然笑うの!?」
菜々「あはは………本当に、高咲さんは…不思議な人ですね」
侑「そ、そう…?」
- 378 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:34:10.19 ID:q+2CJKgz.net
- 菜々「はぁ…はぁ………久し振りにこんな風に笑いました」
侑「も、もういいじゃん。なにがそんなに面白かったの?」
菜々「本当にわからないという調子で反応なさったことが、面白くて。いえ──嬉しくて」
侑「…?」
菜々「高咲さん、私と話すのは緊張しませんか?」
侑「ううん、全然」
侑「歩夢がそんなこと言ってたけど、わかんなかったんだよね。だって、えっとー…菜々ちゃんだって私と話すの緊張する?しないでしょ?」
菜々「…はい。全くもってしませんね」
侑「だ、だよね!そういうことなんだよ!」
菜々「ふふっ」
侑「ま…また笑ったー!」
- 379 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:38:01.28 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「でも、菜々ちゃんもっと笑ったらいいのにっては思ったよ」
菜々「笑ったら?」
侑「うん。歩夢は生徒会長としてハキハキ話す菜々ちゃんしか印象にないからどこか緊張しちゃってるんだと思うんだ」
侑「菜々ちゃん、笑ったらすっごく可愛いのにね」
菜々「かゎ………っ!」
菜々「な、なにを言うんですか。からかわないでくださいよ」プイッ
侑「マンガの話してくれたときとか、とってもキラキラした笑顔だったもん。歩夢も変なマンガ好きだから、そういう話ができたら緊張なんてしなくなると思うよ!」
菜々「…そうかもしれませんね」
- 380 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:46:37.59 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「あ!そう、菜々ちゃんが勧めてくれて買ったやつ!めちゃくちゃ面白かったよ!二回も読んじゃった!」
菜々「わ、わかりますか!あのよさが!」
侑「わかるわかる!一巻の最後で撃つシーンとかさ、『本当にこれが正しいことなのか』って迷ってるのがひしひし伝わってきて苦しくなっちゃったよ!」
菜々「そ──そうなんですよ!あそこはマンガ特有の表現ですよね!あえて主人公の顔を描かず、銃口だけが鈍く光るあの構図は小説では絶対に成し得ない表現です!そこまでの葛藤をきちんと理解していなければ描くことのできないあのコマは一巻の中でも屈指のひとコマです!最初にそこを思い出すとは、やりますね高咲さん!!」
侑「菜々ちゃん知ってる?去年アニメやったんだって!」
菜々「ふっふっふ、当然観たに決まってるじゃないですか!」
侑「えーっ、いいなあ!」
菜々「四周しました!!」ドヤッ
侑「すごい!」
- 381 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:50:57.72 ID:q+2CJKgz.net
- 菜々「実は間もなくブルーレイボックスが出るのですが、うちは親がなかなか厳しいので買うわけにいかず…くっ、ボックス特典のミニドラマを聴かないことには死んでも死にきれません…!!」
侑「ブルーレイボックスかぁ」
菜々 …………ハッ
菜々 コホン
菜々「す、少し熱くなってしまいましたね。まあその、機会があれば高咲さんもぜひアニメを観て、ついでにノベルも読んで、ドラマCDも聴いてゲームもやって…」
侑「私買おっかな」ボソ
菜々「ぶっぶぶぶぶブルーレイボックスですか!?」
侑「うん。そんなに楽しそうに語られちゃったら気になるもん!」
菜々「は……はぁぁあ…………はわわ……!」
侑「買ったら菜々ちゃんも一緒に観ようね」
菜々「ぜ──ぜひっっっ!!!」
菜々とお昼ごはんを食べました! ▼
- 382 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 21:51:35.34 ID:NXRmkko9.net
- 急に早口になってそう(かわいい)
- 383 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:01:17.43 ID:9yu8bmR7.net
- 菜々ちゃんかわいいねぇ
- 384 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:02:16.63 ID:q+2CJKgz.net
- 放課後…
授業が終わる頃には日差しも随分弱まって涼しくなってきた。
よかった、あの日差しの中を歩いて帰らなくちゃいけないと思うとちょっと億劫だったもん。
これならいつもくらいの気候だし、どこにでも寄り道して帰れるよね!
これからどうしようかな? >>385
1.まっすぐ帰る
2.寄り道して帰る(屋上、公園、部室棟、お台場から選択)
- 385 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:03:47.91 ID:RlRr8muF.net
- 部室
- 386 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:07:47.20 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「歩夢、帰ろ!」
歩夢「生徒会長と帰らないの?」ツーン
侑「帰らないよ〜、歩夢と帰りたいんだもん」
歩夢「じゃあいいけど…」チョローン
歩夢「生徒会長とは仲良くなれそう?」
侑「うん!明日は三人でお昼ごはん食べられるかな!?」
歩夢「あ、明日はまだ…心の準備が…」
侑「菜々ちゃん怖くないってば〜」
- 387 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:13:11.54 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「歩夢が好きな変なマンガあるじゃん?菜々ちゃんにあれの話とかしたら仲良くなれると思うんだよね」ウンウン
歩夢「変なマンガって言った?」
歩夢「そう、生徒会長マンガ好きなんだ。ちょっと意外だね」
侑「そうかな?でもマンガの話してるときの菜々ちゃん、すっごく可愛いんだよ。子供みたいに目を輝かせてさ!」
歩夢「可愛いって言った?」
侑「集会で話すときちょっとマンガのこととか話してみたらいいのにね。そしたらみんな菜々ちゃんのこと好きになるのに!」
歩夢「好きって言った?」
侑「………ん?あれって…」
エマ トコトコ…
侑「エマ先輩だー!」ワー
歩夢「あっ侑ちゃん!?」
- 388 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:18:58.73 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「エーマ先輩っ」
エマ「侑ちゃん」
歩夢「エマ先輩、こんにちは」タタタ
エマ「歩夢ちゃんも。こんにちは〜」
侑「帰るとこですか?途中まで一緒に──って、寮なんでしたね」
エマ「うん、住んでるのは寮だよ。でも今日はまだ帰らないの」
歩夢「実習とかですか?」
エマ「ううん、部活だよ」
侑「……部活!」
- 389 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:39:07.83 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「エマ先輩、スクールアイドル部でしたよね!」
エマ「そうだよ〜」
侑「今から部活なんですよね!?」
エマ「そうだよ〜」
侑 キラキラ…
歩夢「!」
エマ「一緒に来る?」
侑「い──行きます!」
歩夢「侑ちゃんってば、仮入部ごっこはこの間やったでしょ!」
侑「今週はまだやってないよ!」
歩夢「一週間に一回じゃないの!」
- 390 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:40:39.63 ID:VvJj5YXY.net
- ついにかすみが登場か
- 391 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:43:59.01 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「ねえ歩夢〜、いいでしょ〜。あと一回だけ〜」
歩夢「す…すぐそうやって甘えるんだから!部活の邪魔になっちゃうからだめだよ」
エマ「邪魔じゃないと思うよ?」
侑「!」パァ
歩夢「え、エマ先輩〜…」
どうしよう? >>392
1.部活に参加したい!
2.部室見るだけ!
3.おとなしく帰る…
- 392 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:44:57.23 ID:Z4XzML8k.net
- 1
- 393 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:45:13.15 ID:NXRmkko9.net
- 2
- 394 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:48:36.70 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「歩夢、エマ先輩だってこう言ってることだし!ここは私の顔を立てると思って!」
歩夢「日本語めちゃくちゃだよ侑ちゃん」
エマ「そうそう〜」
歩夢「エマ先輩わかってませんよね?」
歩夢 ハァ…
歩夢「もう、邪魔になっちゃいそうだったらすぐに帰るんだからね?」
侑「やったー!歩夢だいすきーっ!」ギューッ
歩夢「ゆゆゆ侑ちゃん…!!」
エマ「それじゃ行こっか」
- 395 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:51:13.89 ID:q+2CJKgz.net
- 『スクールアイドル同好会』
エマ「ここだよ」
侑「あれ?同好会なんですね、部じゃないんだ」
エマ「部と同好会は違うの?」
侑 チラッ
歩夢「わ、私に振らないで!」
侑「同じようなものですよ!」
エマ「やっぱりそうなんだね。果林ちゃんもそう言ってたもん」
侑「果林先輩がそう言ってたんならそうだよね」
歩夢「そうなの…?」
エマ「こんにちはー」ガチャ
- 396 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:55:39.43 ID:q+2CJKgz.net
- スクールアイドル同好会、部室
??「エマせんぱいってば遅いですよー!」
エマ「ごめんね、人と会ってお話ししてたの」
??「お友達ですか?」
エマ「そうだよ〜。ほら、侑ちゃんと歩夢ちゃん」
??「え?連れてきちゃったんですか?」
侑「あ、こんにちは。スクールアイドルに興味があって見学させてもらいたくて、来ちゃいました」
??「なんだー、かすみんのファンの方ですかあ?それならそうと言ってくださいよー、もう!」
侑「かすみん?」
かすみ「この最高に可愛いスクールアイドル、かすみんこと、中須かすみのことですよ♡」
侑「かすみんだって!アイドルみたい!」
かすみ「だからアイドルですってばー!」
- 397 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 22:58:35.93 ID:q+2CJKgz.net
- 侑「中須かすみちゃんがかすみんなら、エマ先輩は…エマみん?」
エマ「エマみん!可愛いね、気に入っちゃった」
かすみ「な、なんですか…このおとぼけな人は…」
歩夢 ソワソワ
かすみ「あなたもー、かすみんのファンですかあ?」
歩夢「えっ!?あ、いえ、違いますっ!」
かすみ「そんなに強く否定しなくていいじゃないですか…」ズーン…
歩夢「あ、ご、ごめんなさい…」オロオロ
- 398 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 23:03:25.73 ID:q+2CJKgz.net
- かすみ「もーーーっ、かすみんのファンでもない人を連れてこないでください!」プンプン
エマ「だめだった?」
かすみ「だめですよ!ファンじゃないのにスクールアイドルに興味があるなんて、敵の内通者かもしれないじゃないですか!はっ、まさかかすみんの可愛さの秘密を盗みに…!?」ガクガク
侑「あんまり歓迎されてないみたいだね」
歩夢「言ったでしょ。ひやかしで部活を見にこられたら迷惑だって」
エマ「そんなことないんだけどな」
侑「うーん…じゃあ私、かすみんのファンになるよ!」
かすみ「へ?」
歩夢「え?」
侑「ファンならここにいてもいいんでしょ?」
かすみ「それはまあ、ファンの方に冷たくするようなスクールアイドルなんていませんから…」
- 399 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 23:07:36.21 ID:q+2CJKgz.net
- かすみ「でも、その、ほんとにかすみんのファンになってくれるんですか?」
侑「うん、なるなる!なっちゃう!」
かすみ「かすみんのこと、世界で一番応援したいって思いますか?」
侑「思う思う!最前列で応援するよ!」
かすみ「そ」
かすみ「そこまで言うなら、仕方ありませんねえ、かすみんのファンとして認めてあげてもいいですよ。メロメロになっちゃって他のことに集中できなくなっちゃっても知らない──」
侑「エマ先輩もスクールアイドルですよね。エマ先輩のファンにもなろうっと!」
かすみ「…」
エマ「ほんとに?嬉しいなあ」
侑「他には?他にもスクールアイドルやってる人がいるなら私ファンになっちゃうよ!」
エマ「他にもいるよ〜。えっとねぇ…」
かすみ「や…やっぱりひやかしじゃないですかー!帰ってくださーーーいっ!!」ンモーーーッ
かすみに追い返されてしまいました… ▼
- 400 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 23:08:05.69 ID:q+2CJKgz.net
- 今日はここまで。
明日は遅くなるか更新できないかもしれません
- 401 :名無しで叶える物語:2020/11/04(水) 23:55:58.90 ID:+zfeWk67.net
- チョローン
- 402 :名無しで叶える物語:2020/11/05(木) 00:48:01.38 ID:5BFmsfEV.net
- あれ、歩夢がコッペパン貰った後輩はかすみんではなかったのか?
- 403 :名無しで叶える物語:2020/11/05(木) 04:24:58.88 ID:hElTVhmO.net
- >>387
この歩夢ヤバい(確信)
- 404 :名無しで叶える物語:2020/11/05(木) 06:10:13.59 ID:VTcDAfJy.net
- >>402
かすみです
すみません、歩夢がかすみからコッペパン買ったこと自体すっかり忘れてました
次に二人が会うシーンででも補完してみます
- 405 :名無しで叶える物語:2020/11/05(木) 14:48:15.12 ID:/1tRtrEf.net
- ほしゅう
- 406 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 04:50:30.66 ID:v6XXwaon.net
- 保守
- 407 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 17:44:58.60 ID:dKQEoMWT.net
- 翌朝…
侑「お待たせ〜」タタタ
歩夢「行こっか」
侑「うん!」
背中を押されてかすみんに部室から追い出された後、諦められなくてすぐに部室を覗いたらもう一回押し出された。
その後も三回部室を覗いたけど、「帰ってくださいって言いましたよねえ!」って三回とも押し返されちゃった…
歩夢が「これ以上は」ってあんまり真剣に引き止めるからその顔に免じて諦めたけど、次こそ必ず私が勝ってみせるからね、かすみん!
歩夢「なんだかよくないこと考えてるでしょ」ジッ
侑「そ、そんなことないよ」
歩夢「人に迷惑かけることしちゃだめだからね」
侑「わかってるよ」フスーフスー
歩夢「口笛吹けてないよ」
- 408 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 17:49:50.78 ID:dKQEoMWT.net
- お昼休み…
私は今日、お母さんが作ってくれたお弁当を持ってきている。
それはいつも通りで特別なことじゃないけど、なんだか最近、それ以外のものをお昼ごはんに食べる機会がちょっと多いような気がする。
美味しいものを食べると「美味しい!」って思うけど、やっぱりふとお母さんの料理を思い出すんだ。
これって幸せなことだよね。
今日のお昼はどうしようかな? >>409
1.教室で食べる
2.中庭で食べる
3.裏庭で食べる
4.生徒会室で食べる
- 409 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 17:50:52.57 ID:XD7kD5dk.net
- 1
- 410 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 17:58:27.87 ID:dKQEoMWT.net
- 歩夢「侑ちゃん、お昼ごはん食べよ」
中学の頃、「お母さんの料理がヘタクソ、キライ」って言ってる友達がいたんだよね。
そんなの考えたこともなかったからびっくりしてお昼休みにお弁当を見せてもらったら、なんてことない美味しそうなお弁当で。
歩夢「…?」
試しに交換してみようって提案したら本当にすごく喜んで、私のお弁当ぺろっと食べちゃった。
私はその子のお弁当を食べてみて、別に美味しくないとは思わなかったけど、「あ、お母さんの料理って美味しいんだ」って感じたのを覚えてる。
ガタガタ…
それからたまにお弁当を交換しようって言われるようになって、でも私はなんとなくその提案を受け入れられなくて、そんなやり取りを何回か交わすうちに段々疎遠になっちゃったんだよね。
あれからだと思う。私が「お母さんの料理は美味しい」ってはっきり思うようになったのは──
- 411 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:00:43.26 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「──ん?」
ふと気づくと、適当な机が寄せられていて、歩夢がにこにこと向かいに座ってた。
侑「あれ、机が班になってる」
歩夢「侑ちゃん考え事してるみたいだったから机寄せちゃった。教室でいいよね?」
侑「わ、やらせちゃってごめん、ありがとう!片付けは私がやるね!」
歩夢「うん。食べよ」
侑「うん!」
「「いただきます──」」
「あーー!侑、みーっけ!!」
侑「ん?」
- 412 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:02:32.84 ID:3ILc7G0Y.net
- 愛さんか
- 413 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:06:20.71 ID:dKQEoMWT.net
- 愛「やっほー!」
侑「愛ちゃん!」パァ
歩夢「宮下さんだ」
愛「そっかそっか、ここだったんだね。やっと会えたよー」トコトコ
侑「もしかして探してくれてたの?」
愛「モチ!友達とお昼の約束ない日にね、ちょいちょいクラス覗いてたんだよ。でも教室に侑がいたことなくてさ、もしかして科とか学年聞き間違えたかなーなんて思ってたとこ」
侑「わ、ごめん。私校内のあちこちでお昼ごはん食べること多いから、すれ違っちゃってたのかも」
愛「まあウチ広いもんね。でもこーやって会えたんだからよしってことで!愛さんも一緒に食べてい?」
侑「もちろんだよ!一緒に食べよ!」
- 414 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:07:40.23 ID:RGsBPgy/.net
- @cメ*◉ _ ◉リ は?
- 415 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:11:14.69 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「歩夢、紹介するね。こちら愛ちゃん!」
愛「チッス!情報処理学科の宮下愛です、タメだし気軽に愛って呼んでよね」
侑「でこっちが私の幼馴染みの歩夢だよ」
歩夢「こ、こんにちは」ペコッ
愛「歩夢ね、よろしく!」
侑「よーし、愛ちゃんも加わったことだし改めていただきまーす!」
愛「いただきまーす!」
歩夢「い、いただきます」
- 416 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:16:19.44 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「ところで歩夢、愛ちゃんのこともしかして知ってた?」モグモグ
愛「え、そーなん?話したことあったっけ」
歩夢「ううん、お話ししたことはないけど、宮下さんって有名だから」
侑「そうなの?」
歩夢「知らない?よく運動部の助っ人してるんだって、たまに名前聞くことあるよ」
侑「有名人だ!」
愛「あはは、そんな言うほどじゃないって。たまたま暇な日に遊ばせてもらってるだけだよ」ケラケラ
愛「ってゆーか、そんな堅いのやめてさ。アタシも歩夢って呼ぶから名前で呼んでよ。ね?」
歩夢「あ、愛…ちゃん?」
愛「うんうん。これでもう友達だね!」
侑「だねー!」
歩夢「なんだか意気投合してる…」
- 417 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:24:50.91 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「ほら、この前家族でごはん食べにいった日あるでしょ?そのとき行ったお店で知り合ったんだよ」
愛「侑ってば愛さんがもんじゃ焼いてるの見て自分もやりたがったんだけどさ、」
侑「あ…愛ちゃん!」
愛「うまく周り盛れてなかったから生地が流れちゃって薄焼きみたいになったんだよ!」アハハ
侑「な、なんで言っちゃうのー!恥ずかしいから歩夢には言ってなかったのに!」
愛「あはは、ごめんごめん。またドリンク奢るから許してよ〜」
侑「えっほんと!?じゃあ許す許す!聞いて歩夢、愛ちゃんの特製ドリンクすっごく美味しいんだよ!ランチもやってるらしいから今度行こうね!」
歩夢「う、うん」
愛「いつでも来て来て。お得意様顔負けってくらいオマケしちゃうよ!」
侑「…………オマケだけに!」ハッ!
愛「そーゆーこと!」
歩夢「ふ、二人で盛り上がっちゃやだ!私にももっと話聞かせてよ〜…!」
愛と歩夢とお昼ごはんを食べました! ▼
- 418 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:31:15.32 ID:dKQEoMWT.net
- 放課後…
もう金曜日の放課後だって!
毎日楽しいからあっという間に一週間が終わっちゃうな。
今日はやっと校内で愛ちゃんに会えたし、来週もなにか楽しいことが起こるかな。
今からわくわくしちゃうよ!
放課後はなにをしようかな? >>419
1.まっすぐ帰る
2.寄り道して帰る(中庭、部室棟、屋上、公園、お台場から選択)
- 419 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:31:56.89 ID:YD5wYc5+.net
- 中庭行こうぜ!
- 420 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:36:03.87 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「歩夢」ズイ
歩夢「な、なに?侑ちゃん」
侑「金曜日だよ。放課後だよ」
歩夢「そ、そうだね」
侑「このまま帰るのは惜しいと思わない?」
歩夢「どこか寄り道して帰る…?」
侑「猫探そう!!」
歩夢「猫…?」
侑「中庭で!!」
歩夢「また引っかかれても知らないよ!?」
- 421 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:39:06.85 ID:dKQEoMWT.net
- 中庭
侑「こっちの方に逃げてったはずだよね、確か」キョロキョロ
歩夢「侑ちゃん、引っかかれちゃったのもう忘れたの?」
侑「忘れてないけどさ、あの子だって私達と遊びたがってると思うんだよね」
歩夢「どこから来る自信なの…」
侑「猫の巣を見つけられたらいつでも会えるんだよ、ね?」
歩夢「いつでも引っかかれちゃうだけだよ」
ニャー
侑「! 猫の声だ!」
歩夢「聞いてないし」
- 422 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:40:43.04 ID:5Ywdl31m.net
- りなりーくるか?
- 423 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:45:23.12 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「う〜ん、こっちから聞こえたと思うんだけどなぁ」ガサガサ
歩夢「絆創膏用意しとくね」ゴソゴソ
シュタタタ
侑「ん!?」
侑「今、あっちの方で動いたかも!」ササッ
歩夢 (侑ちゃんは外で遊んでるときすごくイキイキしてるなぁ)
侑「………そこかーっ!」ガサ
??「っ!」ビクッ
侑「うわっ!」
侑「わ、と、と……っ」ヨロ
侑「うわーっ!」ドテッ
歩夢「え?」
コツゼン…
歩夢「あ、あれ!?侑ちゃん!?どこ行っちゃったの!?」
- 424 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:48:53.51 ID:dKQEoMWT.net
- 歩夢「侑ちゃ〜ん」タタタ
侑「いてて…」
侑「ぁ…歩夢、こっちこっち〜…」
歩夢「転んじゃったの?大丈夫?」ガサ
侑「私は大丈夫だけど、えっと、ケガしなかった?」
歩夢「ぶつかっちゃったの!?」
??「してない。ぶつからなかった」
侑「よかった…」ホッ
??「あなたこそ大丈夫?派手に転んだ」
侑「私は平気だよ、心配してくれてありがとう」
??「そう」
- 425 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:51:52.39 ID:dKQEoMWT.net
- 歩夢「何事もなかったみたいでよかった…」
侑「いやー、茂みの奥に女の子がいるなんて驚いちゃったよ」タハハ
??「茂みの向こうから女の子が飛び込んできたのもなかなか驚いた」
侑「確かに、それは驚くよね」ウンウン
歩夢「侑ちゃん、危ないことしちゃだめって言ってるでしょ!一歩間違えば二人ともケガしてたかもしれないんだよ?」
侑「わ、ごめんなさい!」
- 426 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:56:29.52 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「私、普通科二年の高咲侑。あなたは?」
璃奈「天王寺璃奈。一年生」
侑「璃奈ちゃん、驚かせちゃってごめんね」
璃奈「大丈夫」フルフル
璃奈「それより、なにしてたの?」
侑「あー…猫を追いかけてて、こっちの方に行ったかなって思ったんだけど」
璃奈「猫?」
歩夢「この前から何回か見かけた白猫なんだけど、侑ちゃんが会いたがっちゃって。…あ、私は二年生の上原歩夢っていいます。よろしくね、璃奈ちゃん」
璃奈「よろしく。です」
- 427 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 18:59:32.92 ID:dKQEoMWT.net
- 璃奈「中庭で白猫っていったら、たぶんあの子のことだと思う。ます」
侑「璃奈ちゃんわかるの!?」
璃奈「うん。今もエサあげにいく、いきます、ところ」
侑「私もついていっていい!?」パァ
璃奈「いいよ」
侑「あ、璃奈ちゃん、無理に敬語使おうとしなくていいよ。私そういうの気にしないからさ、話しやすいようにしててよ」
璃奈「………ありがとう」コクン
璃奈「こっち」
侑「……!…!」
歩夢「わかったわかった、落ち着いてついていこうね」ヨシヨシ
- 428 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:02:54.99 ID:dKQEoMWT.net
- ガサ
璃奈「はんぺん、ごはんだよ」
猫「…」
侑「はんぺん?」
璃奈「この子の名前。白くてやわらかいから、はんぺん」
侑「か、可愛い…!」
歩夢 (可愛い…)
猫 モキュモキュ…
璃奈 ナデナデ
侑「な、撫でてるぅ…!」フラ…
歩夢「侑ちゃん、近づいたら怖がらせちゃうよ。せっかく安心してごはん食べてるのに」ガシ
侑「そんなぁ…私も撫でたいよぅ…」
歩夢「我慢しなさい」メッ
猫 モキュモキュ…
璃奈 ナデナデ
- 429 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:05:31.02 ID:dKQEoMWT.net
- 猫 …ケフ
猫 モゾモゾ
猫 ゴロン…
璃奈「お腹いっぱいになって寝るみたい」
歩夢「こんなところにお家があったんだね」
璃奈「くぼみになってて雨も降り込みにくいから」
歩夢「戻ろっか」
侑「うん………………」ジーーー
歩夢「戻るよ」ポン
侑「はぁい…」シュン
- 430 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:10:47.49 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「はんぺん、璃奈ちゃんに懐いてたね」
璃奈「そう?」
侑「うん。近づいても撫でても全然怖がってなかったもん、羨ましいなあ」
璃奈「よくごはんあげてるからかな」
侑「私も今度ごはんあげる!そしたら懐いてくれるかな」
歩夢「あんまりあげ過ぎちゃうのもよくないんじゃないかな?」
侑「う、それもそっか…」
璃奈「だったら、私がごはんあげるとき一緒に行こう。そしたらはんぺんもあなたに慣れるかも」
侑「いいの?」
璃奈「うん」
侑「やった!ありがとう、璃奈ちゃん!」
璃奈「うん」
璃奈とはんぺんにごはんをあげました! ▼
- 431 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:17:37.39 ID:dKQEoMWT.net
- 翌朝…
侑「………あれ?」パチ…
床だ、ここ。
私のベッドはソファも兼ねた形をしてるから、寝相によっては転がり落ちちゃうことがある。
お母さんが「侑は寝てるときおとなしいから大丈夫よ」って言うから信じたのに、たまに落ちてるんだよなぁ…しかも落ちたのに気づかないでちゃんといつもの時間まで寝てるし。
ベッドから落ちたときくらい目を覚ませばいいのに、私。
今日はなにをしようかな? >>432
1.一人でのんびり過ごす
2.歩夢と過ごす
3.お買い物に出かける
- 432 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:17:57.70 ID:8WKQJLfq.net
- 3
- 433 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:27:51.52 ID:dKQEoMWT.net
- お台場
朝ごはんを済ませて、ふらふらと外に出た。
新刊はこの前買ったし、文房具も足りてる。
特に目的はないけど時間があるとこうして商業エリアに来てしまう。
今頃歩夢はちゃんと課題やってるんだろうな。
毎週毎週偉いなぁ、ほんと。
侑「今日は変なもの買わない!買わないよ!見るだけ!」
そう心に決めておけば滅多な買い物はしないはずだ。
それでも買ってしまうものがあったら、きっとそれは本当に欲しかったり必要だったりするものだよね。
よーし、ウインドウショッピングだー!
- 434 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:30:13.08 ID:dKQEoMWT.net
- 「1,320円です」
チーン
侑「変なもの買っちゃったなー」ビヨヨヨ
薄紫色のヘビをもてあそんでみる。
見た目を裏切ってしなやかな動きが愛嬌たっぷりで可愛い。
歩夢こういう動物系のアイテム好きだけど、あげたら喜ぶかな?
いや、怒られるかな…
- 435 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:31:46.25 ID:nbh9uWi2.net
- サスケぇ…w
- 436 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:34:57.41 ID:dKQEoMWT.net
- 手持ち無沙汰をごまかしてくれるヘビをお供に、適当に商業エリアを散歩する。
さすがにこの子がいればこれ以上余計な買い物はしない。
お昼時に向けて少しずつ人が増えていく様子を見ながら歩くのってなんだか楽しいよね。
街が『出来上がっていく』のを眺めてる感じ。
侑「あ、あの服可愛いなー」ビヨヨヨ
「ふうん、ああいうのが好みなの?」
侑「ぅえっ!?」
果林「あら、そんな反応されると悲しいわね」クス
侑「か…果林先輩!いきなり話しかけられたらそりゃびっくりしますよ!」
果林「うふふ、ごめんなさいね」
- 437 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:40:16.19 ID:hFJ7Ijr+.net
- 一通り遭遇したけど、ここからどうなっていくんだろ
ギャルゲらしく誰かを攻略していくのかな?
ほぼ一緒にいる歩夢が強敵だがw
- 438 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:40:28.23 ID:dKQEoMWT.net
- 果林「知った姿が見えたから、つい声かけちゃった」
侑「なにもあんな背後からじゃなくても…」
侑「って果林先輩、それ私服ですか…!?」
果林「ん?」
少し落ち着いて果林先輩に目をやると、その服装に思わずそんなことを呟いてしまった。
胸元が広く開いた黒のワンピーススカートに存在感のあるレザーのベルトでスタイルがいやと言うほど強調され、かと思えば肩から羽織って流した薄手のジャケットがもどかしい気持ちにさせてくれる。
とてもちょっと買い物にきた格好ではない、ように見える。
果林「ああ、ふふ。似合ってるでしょう?」ヒラ
侑「と、とっても。デート…とか、ですか?」ドキドキ
- 439 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:42:58.44 ID:dKQEoMWT.net
- 果林「んー」
すらりとした人差し指を口元にあてがって視線を漂わせる、そんな些細な動きすらも見とれてしまうくらい様になってる。
そわそわしてしまうのを堪えながら返事を待っていると、
果林「どうかしらね?」
侑「な…っ」
あまりにも生殺しなウィンクを返された。
- 440 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:46:21.43 ID:dKQEoMWT.net
- 果林「…なんてね、デートなんかじゃないわよ。そんな相手いないもの」
侑「そ、そうなんですか…」
果林「キミをドキっとさせちゃったかしら?だったら私もまだまだ上を目指せるわね」
侑「ドキっとしましたよー、もう。デートじゃないってことは、それが普段着…」
果林「ということではなくって」
果林「言ったかしら?言ってないかな。私、読者モデルやってるのよ。今朝その撮影をしてて、今はその帰り」
侑「ど…読者モデルですか!?」
果林「駆け出しだけどね。普段からいちいちこんな格好してるんじゃ気軽に出歩けないじゃない」フフッ
侑「そ、そうですよねー」ハハ…
- 441 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:51:21.01 ID:dKQEoMWT.net
- 侑「…ん、ってことはやっぱりあれって…」
果林「なに?」
侑「この間、海辺の方で撮影とかしてましたか?」
果林「海辺の…?ああ、したわね。放課後でしょ?見てたの?」
侑「やっぱり果林先輩だったんだ!遠くから見かけただけなんですけど、見慣れない光景だったから印象的だったんですよ」
果林「ふふ、そう。春から夏にかけてファッションも変わるから、色々な服を着られて楽しいのよね。そのときはどんな格好してたんだったかしら」
侑「あ!果林先輩が言ってた『個人的な活動』って読者モデルのことだったんですね!」
果林「あら、よくそんな会話の端を覚えてるわね。もしかして私のファンだったりする?なんてね」
侑「えへへ…こんなにキレイな姿を見かけたら、ファンになっちゃいそうですよ」
- 442 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:55:23.82 ID:dKQEoMWT.net
- 果林「ふうん…」
侑「私なんか家の近くだからってこんな気の抜けた格好で来ちゃうから、眩しくて直視できないくらいです」
果林「…ねえ、今って暇?暇よね」
侑「え?はい、別に用事はありませんけど」
果林「決めた。今から侑とデートしようっと」
侑「え……えええ!?」
果林「デートにぴったりの格好だと思うんでしょう?いいじゃない、付き合ってよね」
侑「や、私、こんな格好、とても隣を歩くなんて」アワワ
果林「面白いことを言うわね」フフ
果林「あなたをコーディネートするデートなんだから、ビフォーアフターを活かすのに最適な格好だわ。さ、行くわよ!」グイ
侑「え………うわーーーー!」ズルズルズル…
果林に連れ回されました! ▼
- 443 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 19:56:58.75 ID:dKQEoMWT.net
- 今日はこんなところで。
明日、朝七時くらいから更新できるかもしれません
それができなければ次は月曜の夜になると思います
- 444 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 20:28:33.75 ID:nbh9uWi2.net
- 乙ん
今の好感度とか設定あるのかな?
- 445 :名無しで叶える物語:2020/11/06(金) 20:39:25.45 ID:hFJ7Ijr+.net
- しずくとの演劇デート前に果林とのデートも来たか
平和なSSで安心するな、約一名曇りそうだけどw
- 446 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 05:58:27.75 ID:5b6FP5AS.net
- 全員に出会ってしまったか…
ここからどうなるか更に期待深まる
- 447 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:17:28.87 ID:/q0rUiGk.net
- 翌朝…
高咲母「侑、ケータイ鳴ってるわよ」
侑「アラーム!止めといてー」
高咲母「はいはい」
念のために掛けておいたアラームが鳴った頃、私はすでに朝ごはんも済ませて歯を磨いていた。
高咲母「日曜日にアラームまで掛けるなんて、随分用意がいいわね」
侑「んー」グチュグチュ…ペ
侑「だって絶対寝坊なんかできないんだもん!」
今日はしずくちゃんと演劇を観にいく日!
- 448 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:24:33.49 ID:/q0rUiGk.net
- 侑「行ってきます!」
気軽に出かけるときはお気に入りのリュックを持っていくんだけど…去年のお年玉で少し背伸びして買った可愛いカバンを提げていく。
駅までの慣れた道を歩くだけでもどこかドキドキしてしまうのは、うん、あの人のせいだ。
私、どこか変じゃないかな。
ふとガラスに姿が映るたびに横目でさっと全身を眺め、ほっとして脚を進める。
うう、一日こんな気持ちで過ごすのかな。
早く慣れちゃいたいよ…
- 449 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:29:05.97 ID:/q0rUiGk.net
- 『新橋、新橋に到着です。お忘れ物のないようお気をつけください…』
流れる人混みに身を任せて電車を降りる。
ここからJRの駅までも、一番人が多い群れについていくだけでいい。
ピ──
定期圏内の移動がほとんどの毎日だからICカードの残高が足りないかもしれない、ってちょっとだけ心配したけど、大丈夫だった。
でも帰りの分は足りなさそうだからどこかのタイミングでチャージしておかなくちゃ。
- 450 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:32:46.18 ID:/q0rUiGk.net
- 『ドア、閉まります…』
侑「ふう」
ここからは乗換もなしで40分。
起こしてくれる歩夢はいないから、寝過ごすのにだけは気をつけないとね。
ぼーっと流れる景色を目で追いながら、ふと。
侑 スマスマ…
『おはよう。今新橋で電車に乗ったよ』
『楽しみにしてるね!』
こういう日の振る舞いには慣れてないんだけど、これで合ってるよね?
- 451 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:36:30.30 ID:/q0rUiGk.net
- しずくちゃんから返信があったのはほとんど目的駅に到着する直前だった。
『しずくちゃん:おはようございます』
『しずくちゃん:私も楽しみです』
『しずくちゃんがスタンプを送信しました』
傘を差した女の子の可愛いスタンプ。
大きな雨の雫がひと粒あしらわれたそれは、しずくちゃんによく似合ってるように感じた。
- 452 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:38:48.59 ID:/q0rUiGk.net
- しずく「侑先輩、お待たせしました!」タタタ…
侑「しずくちゃん、おはよう」
しずく「おはようございます。すみません、私の方が近いのにお待たせしてしまって」
侑「全然気にしなくていいよ。私こういうの遅刻が怖くて早く着くようにしちゃうんだよね」
しずく「そうなんですか。素敵な心がけですね」
侑「いやあ、それでよく怒られたからさ…」
しずく「…それにしても」チラチラ
侑「ん?」
- 453 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:42:29.46 ID:/q0rUiGk.net
- しずく「なんだか、その、とても素敵な格好ですね」
侑「ああ…」
どこか照れたように視線をくれるしずくちゃん、その言葉で忘れていたことを思い出す。
今日の私は、ちょっとお台場で遊ぶのとはもちろん、約束をして出かけるときにだって滅多にしないようなオシャレをしてるんだった。
これはひとえに──
しずく「制服姿でしかお会いしたことがないのですごく新鮮です。そんな風に着こなせるなんて、羨ましい…」
侑「いや、違うのこれ!私のセンスじゃなくて!」
しずく「え?」
侑「昨日、ちょっとした知り合いに着せ替え人形にされた名残というか………」
しずく「はあ…」
- 454 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:48:32.68 ID:/q0rUiGk.net
- 昨日、この服を見たお母さんは大はしゃぎで、すぐに引ったくられたかと思ったら今朝にはアイロンまでかけて枕元に置いてあった。
使い慣れたリュックもいつの間にか隠されていて、大切にしまってたはずのカバンが代わりに出されていて。
こんなことならしずくちゃんとお出かけすること報告しなきゃよかったかなぁ、なんて思ったけど。
しずく「とってもお似合いですよ。隣を歩くのにこんな格好で、気後れしてしまいます」
こうやって微笑んでくれる様子を見たら、案外悪くなかったな、って思っちゃう。
我ながら単純だなぁ。
侑「そんなことないよ、しずくちゃんの服だってすごく可愛いよ!」
しずく「あ、ありがとうございます…」//
侑「行こっか!」
- 455 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 07:55:12.97 ID:/q0rUiGk.net
- 侑「私この辺初めて来たよ。結構栄えてるんだね」
しずく「そうですね。近いですし、簡単なお買い物はここまで出てくればだいたい済んでしまいます」
侑「鎌倉に住んでるんだよね。通学大変じゃない?」
しずく「時間はかかりますが、自分で選んだことなので。色んなことに集中するいい時間だと思うようにしてるんです」
侑「偉いなぁ、私なんか家から近いし幼馴染みも行くからって理由で決めちゃったよ」
しずく「それだって合理的でいいじゃないですか」
侑「そうかな?」
- 456 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:05:50.68 ID:/q0rUiGk.net
- 侑「ニジガクに行くこと自体はまあ変わらなかったと思うんだけどさ、せっかくなら普通科じゃなくて他の科にしてみてもよかったかなーって思うんだよね」
しずく「例えば何科ですか?」
侑「そうだなー、音楽科とか?」
しずく「侑先輩、音楽が得意なんですか」
侑「ううん、全然。でも他にできそうな分野もないし、音楽ならなんとなく面白いかなーって」
しずく「ふふ、なんですか。それ」
侑「えへへ…しずくちゃんは国際交流学科だよね。どういうことするの?」
しずく「私は英語とオランダ語を専攻しているんですけど、今はまだ読み書きやOCばかりですが、秋頃には映画を観たり文学作品の翻訳をしたり、ニ年次には大学の方々と交流を取る課外学習なんかもあるみたいです」
侑「うへ〜、大変そうだね…」
しずく「興味があると楽しく感じますよ」ニコッ
- 457 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:10:03.21 ID:/q0rUiGk.net
- 侑「国際交流学科ってオランダ語も選べるんだね」
しずく「はい。人気が高いのは中国語とイタリア語みたいですが、珍しいところだとスコッツ語なんかもあるそうですよ」
侑「スコッツ語?」
しずく「スコットランド語、ですね」
侑「適当に思い浮かぶものすらない国だ…」
しずく「バグパイプとかでしょうか?」
侑「スカートで演奏するやつだ!」
しずく「それです!」
- 458 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:13:51.32 ID:/q0rUiGk.net
- 劇場
しずく「ちょうどいい時間ですね」
侑「文化ホールっていうのかな。こういうところも小学生のときに行事で来た以来だな」
しずく「私的に来るのは珍しいかもしれませんね。文化的な用途でしか使われることがない場所ですから」
侑「私には文化的な趣味がないってことだね…」
しずく「ええっ、そんなつもりで言ったわけじゃ!」アワアワ
- 459 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:20:17.63 ID:/q0rUiGk.net
- しずく「客席の入口はこっちですね。お手洗いを済ませておきましょうか」ススス
侑「あれ、そういえばチケットはどこで買うの?」
しずく「私が持っているので買う必要はありませんよ。前売分が完売しなかったら入口で当日券を売っているのですが、この様子を見ると完売したみたいですね」
侑「えっ、待って、チケット代出してもらっちゃったの!?ごめん、いくらだった?」サッ
しずく「あ、いいんです。私きっと二回行くだろうと思って、この回の分と日時指定のないものと一枚ずつ持っていたので、改めて買ったわけじゃないんですよ」
侑「それって結局私が観る分もしずくちゃんが払ったってことだよ」
しずく「それは、そういうことになりますが…」
しずく「そ、それなら、ランチをご馳走になってもいいですか?私、行ってみたかったお店がこの近くにあるんです!」
侑「うん、うん、ぜひ行こう!食べたいものみんな頼んでね!」
しずく「はいっ」
- 460 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:28:08.82 ID:/q0rUiGk.net
- しずく「間もなくですね」
侑「なんか緊張するな…」
しずく「開演前のこの空気、独特ですよね」
しずく「会場にいる全員がこれから始まる物語に対してそれぞれの想いを、あるいは願いを抱いて待つ時間」
しずく「今からここで出会う物語が、未来の自分を作ってくれるのか。はたまた過去の自分を解き放ってくれるのか。ほんの一時間ばかり『誰かの人生』を歩もうとする、現実と境界線を越えた向こう側への旅支度の時間」
しずく「難しいことを考える必要はないと思います」
しずく「ただ目の前で繰り広げられる物語を、感じるままに感じてください。悲劇ならば共に悲しみ、喜劇ならば共に笑ってください。それだけがただ一つ、演劇を観るためのルールだと私は思っています」
侑「………わかったよ。ありがとう」
しずく ニコッ──
しずくちゃんが優しく、美しく微笑むと同時に、人生の始まりを告げる低いブザーが会場を包んだ──
- 461 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:36:19.39 ID:/q0rUiGk.net
- 『ノスタルジア』
脚本・演出、大瀬夢見。
深い森の奥に二人きりで暮らすリョウと娘のハナ。
ある日、奔放な母がアンドロイドのユウを連れ帰るところから物語は始まる。
『その辺で拾った』というユウのお世話をするようにとリョウから言いつけられるも、自身の気難しい性格とアンドロイドの素直な複雑さに奮闘するハナ。
ようやくユウとの生活に慣れてきた頃、ハナは──最愛の母もまたアンドロイドであったことを知る。
ユウは、自身の躯体が長くないことを悟ったリョウがハナのために遺したものだった。
三者の感情が大きく入り乱れ、すれ違い、絡み合い、物語は悲しくも優しい終焉を迎えた…
- 462 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:40:52.05 ID:/q0rUiGk.net
- ワァァァァァ…
侑 ────ハッ
大きなブザーも聞き逃した私を呼び戻したのは、会場に満ちる拍手だった。
見ればお客さんはそれぞれに笑顔や涙を浮かべて、はちきれんばかりに両手を叩いて称賛の声を送っていた。
演劇というものを初めて観た私には衝撃的なことが多すぎて、上手く褒めることだってままならない。
それでも自然と両手は動いて、ついに客席の全員が拍手と喝采を送ることになった。
その光景が、今の演劇がどういうものだったのかを教えてくれたような気がした。
- 463 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:43:56.43 ID:/q0rUiGk.net
- 侑「──よかったね!!」
まだどこか放心気味だった(らしい)私は、しずくちゃんに手を引かれて例のお店に連れられた。
お水を飲んだところでやっとしっかり呼吸ができるようになって、そんな第一声が店内の雰囲気にそぐわない大きさで飛び出した。
周りから視線が刺さったように感じたけど、しずくちゃんはそんなこと気にもしないで微笑んで頷いてくれた。
しずく「はい、とっても」コクン
- 464 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:51:23.27 ID:/q0rUiGk.net
- しずく「たった三人きりの世界でああも濃密な物語が描き出されるなんて、やっぱり大瀬夢見の作品は素晴らしいものです。もしくはたった三人だからこそだったのでしょうか」
侑「そうかもしれないね。なんていうのかな、他になにも邪魔するものがないから三人の気持ちがダイレクトにぶつかり合うっていうか!」
しずく「あのシンプルな舞台演出も、それをより濃く活かすためのものだったのかもしれませんね」
侑「あれってやっぱりシンプルなんだ?」
しずく「プロ劇団のステージであれだけ大道具が少ないのは相当珍しいことです。音響も最低限に留められていて、役者の表現力を絶対的に信頼した演出になっていましたね」
侑「うう、そうなんだ。そういう部分も噛み締められるようになったら、きっともっと面白いんだろうなあ!」
しずく「そうですね。でも一番大切なこと、今日覗かせてもらったあの方々の人生は──侑先輩の心を豊かにしてくれましたか?」
侑「──もちろん!!」
しずく「よかったです♡」
- 465 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:55:25.51 ID:/q0rUiGk.net
- 侑「あのね、私が一番印象的だったのは、リョウがユウに自分を解体するように命令したところで、照明が消えてユウが…!」
「お待たせしました」
侑「あっ…」
しずく「うふふ。興奮冷めやらぬうちにたくさん語り合いたいのは私も同じですけど、まずはお料理冷めやらぬうちにランチを頂くことにしませんか?」
侑「は、はい…」
侑「ここ、雰囲気もいいしお料理も美味しそうだね。一緒に来られてよかったよ」
しずく「私もです。チケット二枚持っててよかった」
侑「え、どういうこと?」
しずく「ぁ……」
- 466 :名無しで叶える物語:2020/11/07(土) 08:56:36.41 ID:gup+qdyJ.net
- まぁ悲しいのは侑はあゆかすせつ以外はなんとも思ってなさそうなのがな
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