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【ギャルゲ風安価SS】>>3「また一年が始まる」

1 :名無しで叶える物語:2020/10/24(土) 08:13:10.53 ID:J7clgn+M.net
μ's、Aqours、ニジガク
お好きにどうぞ
※ 安価がモアイになったらそこで終了します

873 :名無しで叶える物語:2020/11/21(土) 22:21:53.27 ID:fjA4KJGk.net
いや、9人以上増えたら書き手の負担も増えるし増やさなくていいでしょ
クオリティ高いんだからこのままでヨシ

874 :名無しで叶える物語:2020/11/21(土) 22:25:46.43 ID:IGCosF3Z.net
いや、増やしてくれよ〜遥ちゃんとかさぁ

875 :名無しで叶える物語:2020/11/21(土) 22:55:46.63 ID:8tmy3pIS.net
しずくって歩夢より好感度高いのか

876 :名無しで叶える物語:2020/11/21(土) 23:28:15.93 ID:dR+2KdHD.net
入部拒否したからせつ菜ルートはもう無理やね

877 :名無しで叶える物語:2020/11/22(日) 00:28:19.90 ID:BSqOB5L4.net
かすみん、意外とルートポテンシャル残ってるのね

878 :名無しで叶える物語:2020/11/22(日) 06:20:33.18 ID:0soWYR6Q.net
>>870
EDって各メンバー1つだけなのでしょうか?
また特殊ルート(ギャルゲでいうハーレムルートや男友達ルート)ってありますか?

879 :名無しで叶える物語:2020/11/22(日) 06:31:02.57 ID:C/wYv2mk.net
歩夢が強い

880 :名無しで叶える物語:2020/11/22(日) 14:00:21.54 ID:xsSsyI3e.net
>>872
固有ルートは>>870のまとめにあるキャラから増えません
これ以外のキャラは固有ルートを用意できるほど知らずオリキャラのようになってしまうので。
展開しだいで顔を出すことはあると思います

>>878
EDは各キャラ概ね一つです
それがいわゆるグッドエンドのようなもので、どのグッドエンドにも辿り着けなければマルチエンド?(To Heart(無印)でいうところの「僕たちずっと友達だよね」エンド)のようなものに落ち着く予定です
ハーレムエンドは今のところ想定していませんが、書きながら展開を考えているので絶対に迎えることがないとは言えません

881 :名無しで叶える物語:2020/11/22(日) 14:19:38.87 ID:d2teNuwW.net
なるほど非攻略キャラではあるけど、出番がないわけでは無いのか

彼方と親密になれば遥ちゃんも出るし、愛と仲良くなれば美里さんと会うこともある、菜々と親密になって生徒会に入れば栞子と対立することもある、って感じかな

882 :名無しで叶える物語:2020/11/22(日) 19:20:12.00 ID:iucdmwE+.net
バッドエンドルートは存在しないのね

883 :名無しで叶える物語:2020/11/23(月) 12:34:55.36 ID:L6Bf8nEq.net
誰かのendで終わったらまた1からやってほしい

884 :名無しで叶える物語:2020/11/23(月) 13:19:43.74 ID:YACgJgyl.net
というかゲーム化してほしい
やりたい

885 :名無しで叶える物語:2020/11/23(月) 22:24:52.25 ID:YACgJgyl.net
保守

886 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 07:56:07.01 ID:DQF42Rpb.net
翌朝…





侑「ん…」


今、なんかスマホ鳴った…?

昨日はなかなか寝付けなくて、遅くまで寝返りを繰り返してたような気がする。

今日が土曜日でほんとによかった。

なんとか、このお休みできちんと心に整理をつけなくちゃ──自分の選択の責任をね。


スマホを見る? >>887
1.まだ眠いよ…
2.確認だけしとこう…

887 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 07:56:26.46 ID:QXCcoi0b.net
2

888 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:04:07.54 ID:DQF42Rpb.net
侑「んー…」モゾ


感覚、いつもの時間を過ぎてると思う。

飛び起きて精力的に動き始める気にはなれないけど、時刻も確認しておきたいしね…


侑「…ぉ」


『しずくちゃん:おはようございます』


鳴ったと思ったのはどうやら気のせいじゃなくて、受信ほやほやのしずくちゃんメッセージだった。

すぐに既読へのお返事が来る。


『しずくちゃん:土曜日の朝早くにごめんなさい』

『しずくちゃん:今日、例のオーディションなんです』


侑「!」

889 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:09:00.28 ID:DQF42Rpb.net
オーディションなんて慣れない身だから長い時間をかけて万全の準備を整えて挑むものみたいに考えてたけど、そっか、そもそも公演が今月の下旬だって言ってたもんね。

私には相当縁遠いなぁ。

日にちくらい確認しておくんだった、応援するなんて言っておきながらまだまだ視点が狭いや。


侑『>>890


1.オーディションは何時から?
2.部活は何時まで?
3.頑張ってね!!

890 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:10:18.69 ID:MNb5o6Ga.net
1

891 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:16:45.83 ID:DQF42Rpb.net
『おはよう』

『今日だったんだね。オーディションって何時からなの?』

しずくちゃん『お昼休憩の後なので、13時くらいからだと思います』


侑「13時…」


今は9時前。

確かこの間は10時から部活だったよね。

今日も同じかな。

電車の中でメッセージをくれたんだとしたら、そうかもしれない。


侑「…よし!」

892 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:23:21.01 ID:DQF42Rpb.net
虹ヶ咲学園前駅


侑「しずくちゃん、おはよう!」

しずく「おはようございます、侑先輩」

しずく「お会いできて嬉しいです」

侑「今からオーディションだっていうんだもん、応援しないわけにいかないよ」

侑「少し話しながら歩こうよ。部室棟まで送るからさ」

しずく「いいんですか?ありがとうございますっ」

893 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:33:25.38 ID:DQF42Rpb.net
侑「午前中はいつもの練習?」トコトコ…

しずく「はい。アップは全員でやりますけど、その後は舞台に立つ役者、オーディションを受ける一年生、それ以外に分かれて各自練習に入ります」トコトコ…

侑「オーディションの練習ってどういうことやるの?えっとー…革命家、だったっけ」

しずく「そうです」

しずく「新王の圧政の影響で主人をなくしたことから革命家入りした市民ですが、台本外の情報は全く与えられていないので、その背景は演じる人に任せられるんです。どれだけ彼女に寄り添えるか、それが役への厚みを左右すると思っています」

侑「演劇って、与えられたセリフを言うだけのものじゃないんだね。それってもう、なんだか…」

しずく「一つの物語を考えるみたい、と思いませんか?」

侑「思う。端役って言ってたけど、その彼女だってもちろん生きてるんだもんね」

しずく「役の数だけ…ううん、舞台には立たなくても登場人物は無数にいて、その数だけ物語が、人生があります。その無数の物語が交差するワンシーンを切り取って描くのが演劇という舞台」

しずく「私達が舞台に立つとき、それは誰かの人生を背負うときなんです」

894 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:41:26.28 ID:DQF42Rpb.net
侑「しずくちゃんの中には、もう彼女がしっかりいるの?」

しずく「──はい」コクン

しずく「だから今日の午前中は、彼女と同じ人生を辿って、最も『彼女らしく』当該シーンを迎えられるようにするつもりです」

侑「そうなんだ…!」

侑「彼女がどんな人なのか聞いてみたいけど、それは我慢するね。しずくちゃんの舞台を通して私自身が感じてみたいもん」

しずく「先輩…」

しずく「きっと、舞台の上から届けてみせます」グッ

侑「うん!」

895 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:43:45.14 ID:DQF42Rpb.net
しずく「──侑先輩、少しだけ…まだ、お時間いいですか?」

侑「うん、私は全然大丈夫だよ」

しずく「部活へ行く前に、少しだけ…付き合ってもらえませんか?」

侑「もちろん!なんでも言ってよ!」

しずく「この時間なら…先輩、こっちへ」

侑「? うん」トトト

896 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:47:01.70 ID:DQF42Rpb.net
空き教室


侑「えっと…」


部室棟の傍の空き教室、普段どんな授業で使われる教室かわからないけど、私はしずくちゃんに連れられるままそこに辿り着いた。

──ピシャ

先に入室を譲ってくれたしずくちゃんが、後ろ手に扉を閉める。


侑「しずく、ちゃん?」

しずく「侑先輩」

しずく「ほんの少しの間だけ、私のものになってください」

侑「──!」ドキッ…

897 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:50:16.17 ID:DQF42Rpb.net
演劇のために高校を決めたしずくちゃん。

念願の演劇部に入ることができて、今日は初めての舞台を賭けたオーディションの日。

緊張してないわけがないよね。

私の些細な行動でその緊張をほぐしてあげられるなら。


侑「いいよ、しずくちゃん。おいで──」

しずく「いえ、行きません」ピシャリ

侑「えっ?」

898 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 08:55:39.85 ID:DQF42Rpb.net
不格好に固まる私。


侑「あれ…頭を無でてほしいとか、そういうことかと思ったんだけど…」

しずく「…無でてほしくないと言うとそれは大嘘になりますが」

侑「大嘘になるんだ」

しずく スゥ──

しずく『今の私は、愛しいあなたに触れることは叶いません。なぜならあなたはもう、旅立ってしまったのだから──』

侑「!」

しずく『触れたい。抱き締めたい。あなたを想ってこの腕は毎夜苦しいほどに宙を掻く』

しずく『それでも、この手があなたに届くことはないのです。二度と──もう、二度と…』

しずく『待っていてください。私は、あなたを奪った彼の王を絶対に許しません。その願いを果たすまで、もう少し──もう少し────』

899 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 09:04:16.21 ID:DQF42Rpb.net
しずくちゃんは手を振り、身を翻しながら、私へ決意を語った。

そこには、ただただ愛しいご主人を失った悲しみ、その怒り、そして身を切るような強い意志がありありと描かれていた。

『登場してすぐに撃たれてしまう役』だってしずくちゃんは言ってた。

こんなシーンは台本にはないはずだ。

つまり、これはしずくちゃんが作り上げてきた『彼女』の人生に違いない。

すごい、と思った。

どれだけの情報が台本の上にはあったんだろう。

きっと多くはないそんな情報から、しずくちゃんは一人の人物を作り上げたんだ。

そして今、しずくちゃんはその人を演じている。

瞳に宿る熱に、声に籠もる悲しみに、私ははっきりと『彼女』を感じられた──

900 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 09:10:18.43 ID:DQF42Rpb.net
しずく「────ふう…」

侑「すごい!すごいよ、しずくちゃん!」パチパチパチ

侑「なんていうのかな、今、私も舞台に立ってるみたいだった!セリフもなくて動きもなかったけど、本当に自分のことを想ってくれる奥さんが語りかけてくれてるみたいだったよ!」

しずく「ほ、本当ですか」

侑「うん!演劇をやる人って、みんなこんなに上手なのかなぁ」

しずく「私なんかまだまだですよ。これまで培ってきたのは演劇に関する知識だけ、一年二年と実際に舞台を経験してきた先輩達とは比べるべくもないほどです」

侑「そうなんだ…でも、オーディションで戦うのは一年生の子達なんだよね?だったらこんなに上手なの、きっとしずくちゃんだけだよ!」

しずく「中学にも演劇部がある学校はありますから、なにも私だけなんてことは…」

侑「それでも!」

侑「私は、しずくちゃんの演技がすごく素敵だって思ったよ!」

しずく「侑先輩…」

901 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 09:15:30.57 ID:DQF42Rpb.net
しずく「──ありがとうございます。その言葉が、すごく自信になりました」

しずく「不安だったんです。決して短くない時間をかけて作り上げた『彼女』の想いが、正しいのか」

しずく「でも先輩に向けて想いを吐くことで、愛しい相手に抱く感情を確かに味わえました。この想いは間違ってないと思います」

侑「そうだね。受け取った私も保証するよ」

しずく「うふふ…」

しずく「土曜日なのに付き合ってくださってありがとうございました。そろそろ行かなくちゃいけませんね」

902 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 09:19:32.17 ID:DQF42Rpb.net
鞄を持ち、名残惜しそうに視線を泳がせるしずくちゃん。


侑「…応援、しておく?」スッ…


苦しそうに眉根を寄せて、首を振る。


しずく「…いいえ」

しずく「愛しい相手に触れることができない、この気持ちを抱えていきます」

侑「そっか」


一度だけ深く息を吐いて、しずくちゃんは顔を上げた。


しずく「それじゃ、行ってきます!」

侑「うん、行ってらっしゃい!応援してるからね!」

903 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 09:21:12.49 ID:MOLM7FtK.net
あまりにも好感度が高すぎる

904 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 09:24:39.06 ID:DQF42Rpb.net
晴れやかに駆けていった背中を見送って、私もどこか緊張していた肩が落ちる。


侑「あはは…私が緊張してちゃ世話ないよね」


真剣な人の目って、向かい合う相手も引き上げる力があるよね。

ひたむきに演劇に向き合うしずくちゃん、そんなしずくちゃんの傍にいることで、私も少し成長できたりするのかな。

しずくちゃんが向けてくれる信頼に応えられるような、そんな私に──


──しずく「愛しい相手に触れることができない、この気持ちを抱えていきます」


………信、頼…

905 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 09:25:15.81 ID:4zngdqAG.net
愛しい相手ェ…
朝から甘さたっぷりでありがとうございます

906 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 09:28:56.58 ID:DQF42Rpb.net
侑「…いやいや、役でしょ」


役だよ、ね?

しずくちゃんはあのとき『彼女』で私は『ご主人』だったんだから、そうだよね。

私自身を指して言ったわけじゃ──


侑「…っ」//


な、ないないない!

役にほだされちゃったんだ、私!

あんまりにもしずくちゃんの演技が迫真だったから!


侑「が…頑張れーっ、しずくちゃーん!!」


きっと踏み出してみせてね、夢への一歩目を!


しずくと演劇の練習をしました! ▼

907 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 15:00:13.81 ID:Pbz70oUG.net
これもうぽむ勝ち目無いじゃん

908 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:31:20.44 ID:UI7xkTOu.net
夜…


ごはん終わり、お風呂も終わり!

しずくちゃんのおかげで一日を暗く始めることなく過ごすことができた。

たいしたことはしなかったけど、自発的に課題をやったりした。

歩夢にお尻を叩かれもしないでやるなんてすごいことだよ!

…うん、もしかしてハードルが低いかな?


誰かと話そうかな? >>909
1.歩夢
2.しずく
3.かすみ
4.璃奈
5.今日はいいや。

909 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:32:23.92 ID:bnan/86C.net
かすみで

しずくを選ぶとそろそろルート確定に入ってしまいそうだ

910 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:32:29.48 ID:V8AWkJza.net
4

911 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:37:23.11 ID:UI7xkTOu.net
『トーク履歴 かすみん』


侑「…」


かすみんのトーク履歴は、水族館の日のままで止まっている。

ばいばいした後、簡単なお礼と写真を何枚か。

最後にかすみんがくれたメッセージの文末には可愛い絵文字が揺れる。

話したい。

話したい。

入部しなくてごめんね。

期待させてごめんね。

傷つけて、ごめん。

言いたいことはいっぱいあるけど、そのどれも言えばさらにかすみん傷つけてしまうだけのような気がする。

912 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:41:16.41 ID:UI7xkTOu.net
彼方ちゃんとはどうなった?

ライブの曲はどうすることにしたの?

昨日の今日でなにかが変わったとも思えないそんなことを、ふと指が綴りそうになる。


──かすみ「…いいですよ。侑せんぱいも歩夢せんぱいも、そんなに謝らないでください」

──かすみ「もし同じだけの気持ちでスクールアイドル活動に打ち込めるなら、もちろん仲間に加わってくれたら嬉しかったですけど」

──かすみ「そんなの、無理やりすることじゃないですもん」


怒らなかったな、かすみん。

一昨日の別れ際、あの場で即答できなかった時点で半分くらい諦めてたのかもしれない。

諦めてたのに、昨日、私はもう一回殴ったのかもしれない。


侑「…っ、かすみん…」

913 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:45:55.28 ID:UI7xkTOu.net
なにを言えばかすみんを傷つけてしまうのか、

なにを言ってもかすみんを傷つけてしまうのか、

そんなことにもはっきり答えを──自分の考えも持てないままで、でも、私はかすみんと話したい気持ちを我慢できない。

謝るのがよくないなら。

同好会の話をするのがよくないなら。

なんでもいい、なにか関係ない、明るい話を──


『かすみん、今日はなにしてた?』


そんな当たり障りない一文を投げてから、


『私は朝から演劇部の


次の一文を打つ手を止める。

スクールアイドル同好会がだめなら演劇部、そんな風に見えちゃうかな。

914 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:49:45.37 ID:UI7xkTOu.net
『私は課題を済ませたよ!


…だから?

やって当然のこと、しかも学年も違う相手からそんな報告をされてどうすればいいんだって話だ。


『明日は晴れそうだね、


今日の話もしないままに明日の話って。


『またかすみんのコッペパン


…ここでお願い事を重ねるなんて正気?

915 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:51:16.55 ID:UI7xkTOu.net
打って、消して、打って、消して、打って、消して。

ああでもない、こうでもない。

誰かに送るラインの一文をこんなに悩んだことはないってくらい、うんうんと一人で唸る。

唸っている──と、


侑「!」


既読が付いた。

916 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 19:55:31.35 ID:UI7xkTOu.net
やばい、まだ入りの一文しか投げてないのに。

さすが女子高生、なんて感心してる場合じゃなくて──これだけ見たかすみんはどう思うだろう。

待って待って、せめて適当な近況報告をもう一文。

焦って、焦って、でも送信ボタンを押せるようにはなかなかならなくて。


侑「…お返事、ないや…」


そのまま20分経った。

私はメッセージを送れてないし、かすみんからも来ていない。

会話にもならなかった一文が、画面の一番下で私を見上げていた。

917 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 20:05:07.66 ID:UI7xkTOu.net
侑「…」


もう30分も前の時刻、そこに並ぶ『既読』。

今さらどんなメッセージを送るのも白々しい感じがして、私はトーク画面を閉じた。

私には、かすみんにも、まだ早かった。

昨日の今日で急ぎ過ぎたかもしれない。

明日──月曜日──来週──

でも日を置けばそれだけでまた話せるようになる?

私は、また──まだ、かすみんと話したいと思っててもいいのかな。


そのまま眠ってしまい、握り締めたスマホが私を起こしてくれることはなかった。


かすみに連絡してみました… ▼

918 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 20:08:16.66 ID:UI7xkTOu.net
短いですが今日はここで。

919 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 20:31:28.52 ID:Pbz70oUG.net

二人の仲が早く戻りますように…

920 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 22:07:56.20 ID:/IRrHAT6.net
おつ
辛いにゃ……

921 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 22:39:10.56 ID:QswLG1SH.net
時間あるので書きます

922 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 22:39:18.58 ID:QswLG1SH.net
翌朝…


侑「んぇ…」


また寝落ちしてた。

スマホの充電はぎりぎり残ってるから問題ないけど、そろそろ寝落ちするクセ直さなくちゃね…

もちろん新着メッセージはない。

すっきりとは全く違う、それなのに二度寝する気にならない朝。

こんなときは朝ごはんでリセットするしかない。


今日はどうしよっかな? >>923
1.一人で家で過ごす
2.歩夢と過ごす
3.出かける(一人ランチ、公園、買い物から選択)
4.誰かに連絡する(しずく、かすみ、璃奈から選択)

923 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 22:40:39.43 ID:jN/ZnMZH.net
買い物

924 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 22:44:31.52 ID:QswLG1SH.net
侑「お母さんおはよう。わがまま言っていい?」ヒョコ

高咲母「おはよう。朝からなに?」

侑「フレンチトースト食べたいから作って」

高咲母「フレンチトーストねえ。お母さんそんなに得意じゃないんだけど…」

侑「…」

高咲母「ま、いいわよ。侑がそういうこと言うの珍しいもんね」

侑「ありがとう」

高咲母「はいはい。寝癖でも整えてなさい」

侑「…寝癖ついてるんだ、私」ピョコ

925 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 22:50:33.49 ID:QswLG1SH.net
侑「いただきます」

高咲母「いただきます。ちょっと崩れちゃった」

侑 モグ…

侑「…美味しい」

高咲母「そう?味付けは失敗しようがないからね、よかった」モグ

侑「美味しいから形なんか気にならないよ」

高咲母「そうね、お腹に入れちゃえば同じだものね」

侑「フレンチトーストって難しいの?」

高咲母「焼くときにひっくり返すのだけが苦手ね。タイミング間違えるとまだ柔らかくて崩れちゃうのよ」

侑「こんな風に」ツンツン

高咲母「気にならないって言ったじゃない」

侑「気にしてないよ。ここも美味しいよ」モグ

高咲母「侑なんだか今日はちょっとご機嫌ナナメね」

侑「………そうなのかな」

926 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 22:55:45.10 ID:QswLG1SH.net
侑「出かけてくるね」

高咲母「行ってらっしゃい。お皿ありがとう」


美味しかった。

半分でいいと言うお母さんに残りを貰って、トースト一枚半も食べてしまった。

わがままのお礼に引き受けたお皿洗いを済ませて、せっかく天気がいいので出かけることにする。

歩夢に声をかけようか迷うけど…

ううん、今日は一人で気分に任せて歩きたい気分だ。

…お母さんの言う通り、機嫌悪いのかな。

927 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:01:59.90 ID:QswLG1SH.net
商業エリア、メガネショップ


侑「サングラスかぁ」カチャ

侑 キョロキョロ…

侑 スチャ

侑「…うん。なかなか似合ってる」

侑 フッ イェイ キラーン

侑「エージェントになれちゃうな、私」


エージェントがなにかは知らないけど。

928 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:05:38.44 ID:QswLG1SH.net
帽子のショップ


侑「しばらく帽子って被ってないなー」


キャスケット、キャップ、最近はベレー帽を私服に合わせてる子もたまに見かけるかも。

麦わら帽子…を被るのは勇気がいるな。


侑「これなんか色合い可愛いなぁ」ヒョイ

侑 ス…

侑「…ツインテールが邪魔で被れないな?」

侑 ンー…

侑「帽子は諦めるしかないみたいだね」ソッ


今度歩夢を連れてきて色々被らせようっと。

929 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:08:28.57 ID:xZjnkaqS.net
なんか……"灰色"だな

930 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:08:44.49 ID:b+ghgl6D.net
やっぱり1人で行動してるときに思い浮かぶのは歩夢なのか

931 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:13:47.58 ID:QswLG1SH.net
アクセサリーショップ


侑「へー、誕生石のアクセサリーか〜」

侑「確か歩夢の誕生石はアクアマリンだったよね。えっとー…あった」ヒョイ

侑「でも水色かぁ。歩夢にはピンクとか着けてほしいんだよね。水色だと…しずくちゃんとか似合いそうだな」

侑「…これなんの宝石だろ?」ヒョイ

侑「……へえ、サンゴ!こんな風に加工してあるのあんまり見たことないから新鮮だなぁ」

侑「鮮やかな赤と薄いピンクとあるんだ。こっちなんか歩夢に似合いそうだけど」

侑「でもまあ、高校生が気軽に買える金額じゃないよねー」ハハ…


買えたら買っちゃうかもしれないから、セーフ!

932 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:20:20.27 ID:QswLG1SH.net
シューズショップ


侑「私、そういえばこの靴ずっと履いてるや」


そもそもファッションにすごく敏感な方じゃないから、使い勝手のいいアイテムを買っちゃうといつもそればっかりになるんだよね。


侑「靴くらいはシーンに合わせて使い分ける用のを買っといてもいいかもなぁ」ンー


ブーツっぽい形のパンプス。

履いた感じは軽いのに見た目がシックでいいな。

薄手のフラットシューズ。

これから暑くなってくることを思うといいかも。

明るめのローヒール。

シルエットと色のバランスがちょっと難易度高め?


侑「うん、色んな靴があって楽しかった」


さ、次はなにを見よっかな。

933 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:33:16.34 ID:QswLG1SH.net
メンズファッションショップ


男物のジャケットもいいよね。

果林先輩みたいなすらっとしたスタイルの人なんかは、むしろ丈のあるパリッとしたメンズの方が似合っちゃうのかもしれない。

この前会ったときにしてたベルトなんか、たぶんメンズだよね。

それ以外はレディースだったから組合せが大事ってことなのかな。

もう少し初心者にも優しくコーディネートしてくれるなら、またお願いしたいなぁ…

こんなにサイズの大きいベストとユニセックスのアウターで『着られてる感』の璃奈ちゃんっていうのも可愛いだろうな。

下は短めのキュロットスカートとカラータイツでガーリーにまとめて上下のアンバランスとか…


侑「璃奈ちゃんいないかな?」ソワソワ


いなかった。

934 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:38:29.48 ID:QswLG1SH.net
ハワイアン雑貨ショップ


侑「うおおおお……!!」


サーフィンしてるサンタさんの置き物を見つけた。

ハワイアン雑貨特有の重くてざらっとした、なんていうのかわかんないあの素材の置き物だ。

使いどころも、家のどこに置けば見栄えするのかも検討がつかない。

欲しい…欲しいなぁ。


侑「ん?待てよ、これ…」


背中に穴が空いてる…

ボールペンを立てられるんだ…!

全然いらない付加価値だなぁ、欲しいなぁ!!

935 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:45:09.85 ID:QswLG1SH.net
気の向くままショッピングモールを渡り歩いているうちに、すっかり昼下がりになっていた。

横目に混雑してたレストランエリアからもお客さんが引きつつある。

すごくお腹空いてるわけでもないし、適当にコッペパンでも買って食べようかな。

あ、でも私あそこのコッペパンで満足できるかな。


侑「…でもコッペパンは食べたいかも」


血の涙と引換えで棚に戻したサンタさんが浮かせてくれた分のお小遣いでコッペパンを買おう。

936 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:48:06.32 ID:QswLG1SH.net
お惣菜系とデザート系を一つずつ買ってベンチに落ち着く。


侑「いただきます」ムシャ…


美味しい。

中学生の頃から何度も食べてきた安心の味だ。


侑 モグモグ…

937 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:52:52.08 ID:QswLG1SH.net
誰かに会うかと思った。

本屋で菜々ちゃんに、公園で彼方ちゃんに、ゲームセンターで璃奈ちゃんに、お買い物中に果林先輩に、もんじゃ屋さんで愛ちゃんに会ったみたいに、今日も誰かに会うと思ったけど。

一人で過ごす時間もキライじゃない。

でも、


侑「やっぱり誰かと過ごす時間の方が楽しいな」


同じウインドウショッピングをするにしても、きっと誰かと一緒なら全然違うものになったんだろうな。

次は誰と来ようかな──


一人でのんびりと過ごしました! ▼

938 :名無しで叶える物語:2020/11/24(火) 23:53:10.26 ID:QswLG1SH.net
今度こそ、今日はここで失礼します

939 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 00:07:27.24 ID:h4F7UwGe.net
乙です ボールペン…

940 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 00:35:03.34 ID:Frox3HJH.net
ふぉぉ、乙です……

941 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:01:23.01 ID:oFk/rCpq.net
翌朝…


侑「お待たせ〜」タタタ

歩夢「行こっか」

侑「うん!」


歩夢の電話で目を覚まして、ほんの一、二言会話して、またこうして話しながら学校に行く。

何気ないこんなことが今日はなんだかとっても嬉しい。

えへへ…


歩夢「侑ちゃん、にこにこしてなにかあった?」

侑「んー?歩夢だーって思うと、なんか嬉しくて」

歩夢「なにそれ。私はいつでも歩夢だよ」

侑「そーなんだけどさ。今日も歩夢だーっ」ギュ

歩夢「わわっ、ゆゆゆ侑ちゃん…!?」//

942 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:09:49.95 ID:oFk/rCpq.net
お昼休み…


そういえば、中学の頃、お弁当におでんを持ってきてる子がいたっけ。

魔法瓶の太い土管みたいなお弁当箱におつゆたっぷりのおでんが入ってて、教室に満ちた出汁の匂いに騒然となったんだよね。

あんまりにもみんなで珍しがったからか、それきり持ってこなくなっちゃって、一回食べてみたかったなぁ…


侑「さー、お昼ごはんお昼ごはん………あれ?」


ふと廊下を見ると、なにやら見慣れた人影が。

あれは、菜々ちゃんだ…


どうする? >>943
1.菜々に話しかける
2.菜々をお昼ごはんに誘う
3.今日は歩夢と二人の日!

943 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:11:32.63 ID:CMxse578.net
2

944 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:13:37.96 ID:oFk/rCpq.net
歩夢「侑ちゃん、お昼ごはん…」

侑「ごめん歩夢、ちょっと待っててね!」ガタ

歩夢「え!?」

侑 トトト…

945 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:17:29.70 ID:oFk/rCpq.net
侑「菜々ちゃん」

菜々「高咲さん」ホッ…

侑「もしかして私のこと探してた?」

菜々「あ…はい。よくわかりましたね」

侑「なんとなく、目が合ったような気がして」

侑「どうかしたの?」

菜々「そうですね、たいした用件があって来たわけではないのですが…昨日の今日という感もありますし…」

侑「え、なに?」

菜々「いっいえ!その、少しお話ししたいと思ったというか…」ゴニョ

侑「…!」パァァ

946 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:22:54.53 ID:oFk/rCpq.net
侑「じゃあ一緒にお昼ごはん食べようよ!ね、お話ししながらさ!」

菜々「え!?は、はい…それは嬉しい、の、ですが…」チラッ

クラスメイト達 ソワ…

歩夢「…」ジッ

菜々「高咲さん──」

侑「久し振りの生徒会室ランチだー!」イェイッ

侑「あーゆむっ、菜々ちゃんと一緒にお昼食べない?」

歩夢「生徒会長がいいなら…」

菜々「私は、はい、お断りするような立場じゃないですし、上原さんともお話ししてみたいので、ぜひ」

歩夢「それじゃ…行こっかな」

侑「やったー!」

947 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:27:15.22 ID:oFk/rCpq.net
生徒会室


「「「いただきます」」」

侑「でも菜々ちゃんから会いにきてくれるなんて嬉しいなぁ」

菜々「た、ただ会いにいったわけでは」

侑「あれ?そういえばお話があるって言ったっけ?」

菜々「そうですね、そのつもりだったんですけど…」

歩夢「私がいると話しづらいことでしたか?」

菜々「決してそういうことでは。ただ高咲さんとの個人的な話なので、せっかく三人でいるときにすることでもないかと思います」

歩夢「侑ちゃんとの、個人的な話…?」ピクッ

侑「えーなんだろ、気になるよー」

菜々「急ぐものではありませんから」

侑「むー」

948 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:34:32.09 ID:oFk/rCpq.net
侑「せっかくなら三人で共通する話か。なにがあるかなぁ」ンー

歩夢「勉強のこととか?」

侑「えっ」

菜々「お二人とも普通科ですよね。であれば範囲も進捗も同程度でしょうし、多少は力になれるかもしれません」

侑「え、いやいや…なんで勉強の話を…」

歩夢「生徒会長、英語は得意ですか?さっきの授業で少し引っかかったところがあって」

菜々「どこでしょう。少し先の分まで予習しているので恐らく答えられるかと──」

侑「待った待った!お昼ごはん中に勉強の話なんて始めないでよ!えっとあー、そうだ!勉強といえばね、今週は一人で課題やったんだよ!」

菜々「それは普通のことなのでは?」

侑「うっ!違うの、歩夢の手を借りずにやったってことでね…」

菜々「普段は上原さんに甘えているということですか?」

侑「うううっ」ギクッ

949 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:36:36.85 ID:oFk/rCpq.net
菜々 ジー

侑 タジ…

菜々 ジーー

侑 タジタジ…

菜々 ジジジーーー

侑「…っ、なんで歩夢菜々ちゃんに敬語なの!?呼び方も『生徒会長』なんて硬いよ!」

歩夢「あ、話逸らした」

侑「逸らしてないもん!」

950 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:40:44.51 ID:oFk/rCpq.net
菜々「勉強のことは追々お話しするとして」

侑「しなくていいよ。忘れよ?菜々ちゃん」

菜々「敬語かどうかは私も同様なのでなしにしてほしいとは言いませんが、そうですね、上原さんに抵抗がなければ名前で呼んでくださると嬉しいです」

歩夢「菜々、ちゃん?」

菜々「はい。菜々です」ニコッ

歩夢「それなら、菜々ちゃんも私のこと名前で呼んでほしいな」

菜々「えと…歩夢さん…?」

歩夢「はい。歩夢です」ニコッ

菜々「…」// テレテレ

歩夢「…」// テレテレ

トントン

菜々「?」

951 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:45:33.48 ID:oFk/rCpq.net
侑「さっきも高咲さんって言ったよね」ニコッ

菜々「そ、そうでしたね…」

菜々 コホン

菜々「侑さん」

侑「よくできましたっ」

侑「これでみんな仲良しだね。歩夢、もう菜々ちゃんのこと怖くないでしょ?」

歩夢「ゆ、侑ちゃん…!」

菜々「平気ですよ、昔からそう思われることは多かったので慣れっこです。それよりも、今──」

歩夢「怖くないよ、菜々ちゃん。お話ししてて楽しい。もっと前から仲良くなっておけばよかった」

菜々「──今、そう思ってもらえているのなら、こんなに嬉しいことはありません」

952 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 08:57:11.03 ID:oFk/rCpq.net
侑「…」

──菜々「侑さん」

侑「……」

──「────侑さん」

侑 ム…

菜々「howを用いて感嘆文を作るときには、主語となる名詞を表せなくなるんですよ。主語を強調した文にしたければwhatを用いる必要がありますね」

歩夢「whatだと、……………ってことだよね?」

菜々「そうですね」

歩夢「なるほど!わかったよ、ありがとう」

菜々「いえいえ。このくらいでよければお安い御用です」

侑「…勉強の話は終わりましたかー?」

歩夢「侑ちゃん、感嘆文は理解できてる?」

侑「簡単文…?」

菜々「これは個別の指導が必要かもしれませんね」

歩夢「そうですね」

侑「え……えええーーーっ!?」ガーンッ

953 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 09:05:12.88 ID:oFk/rCpq.net
「「「ごちそうさまでした」」」

菜々「お話ししながらお昼ごはんを食べていると、あっという間にお昼休みが終わりますね」

侑「わ、ほんとだ。もうあとちょっとじゃん!」

歩夢「あんまりのんびりしてられないね」

菜々「私は職員室に寄らなければならないので、そろそろ出ましょうか」

歩夢「うん」

954 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 09:08:58.89 ID:oFk/rCpq.net
侑「──あ、菜々ちゃん。これ」っ紙

菜々「これは?」


『ラインID: xxxxxx』カサ…


菜々「…!」

侑「私、もっと菜々ちゃんと仲良くなりたいからさ。個人的な話っていうのも気になるしね!いつでも連絡してよ」

菜々「はい…ありがとうございます」

侑「くれなかったら拗ねちゃうからね」

菜々「わかりましたよ」クス

歩夢「侑ちゃん、菜々ちゃん。行かないの?」

侑「行ーくー!」タタタ

菜々「すぐに行きますよ」


菜々とお昼ごはんを食べました!
菜々に連絡先を渡しました!   ▼

955 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 09:09:08.18 ID:oFk/rCpq.net
今朝はここで。

956 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 11:20:33.93 ID:zb/YvQ2S.net
おつおつ
菜々ちゃん、侑ちゃんの事心配だったんやろなあ…

957 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 12:29:45.99 ID:9D1cxSd0.net
各メンバーの攻略難易度ってどんな感じなんだろうね
歩夢はゆるゆるなのはわかるけど

958 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 18:38:08.93 ID:oFk/rCpq.net
放課後…


ちょっぴりうとうとしちゃった。

その間に五時間目と六時間目が丸々終わってたことには驚くしかないや。

えっとー…そもそもなんの授業だったっけ?


どうしよっかな? >>959
1.一人で帰る
2.歩夢と帰る
3.しずくに連絡する
4.寄り道して帰る(同好会、運動場、お台場から選択)

959 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 18:39:13.52 ID:/drs/+AO.net
運動場

960 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 18:39:40.37 ID:Ft3rRIfn.net
3

961 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 18:39:48.58 ID:yicI5JLs.net
運動場って誰だろ
助っ人中の愛さん?

962 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 18:51:04.77 ID:oFk/rCpq.net
侑「ふう…」

歩夢「侑ちゃん、帰らない?」

侑「あ、うん。帰ろっか」

歩夢「なんだか疲れ気味だね」

侑「一日室内にいたからかな、ちょっと息が詰まる感じがしちゃって…大丈夫だよ」

歩夢「それなら、校舎の周りぐるっとして行こうよ。普段見ない景色を見たら気持ちもすっきりするかも」

侑「いいの?」

歩夢「もちろんいいよ。侑ちゃんが疲れてるのに放っておけないもん」

侑「ありがと、歩夢。それじゃ付き合ってもらおっかな」

歩夢「うん」

963 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 18:54:20.45 ID:oFk/rCpq.net
歩夢「今日は中でお昼ごはん食べたからかな」トコトコ

侑「そうかな?」トコトコ

歩夢「かな。週明けはいつも外で食べてるもんね」

侑「え、そうだっけ?」

歩夢「そうだよ。侑ちゃん、週明けはほとんど外に行きたがるもん」

侑「へー、そうなんだ」

歩夢「自分のことですよ?」

侑「私のことは私より歩夢の方が詳しいでしょ!」

歩夢「私のことは?」

侑「それはもちろん歩夢の方が詳しいに決まってるじゃん」

歩夢「なにが決まってるのかなぁ、それ」

964 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 18:58:13.76 ID:oFk/rCpq.net
……ワー…


侑「なんかあっち騒がしいね」

歩夢「運動場があるからだと思うよ」

侑「あれ、あっちだっけ?」

歩夢「あっちのは私達が普段使わない方だね」

侑「運動場って一つじゃないんだ」

歩夢「同好会だけで百個以上あるらしいから…」

侑「だったね…」

侑「覗いてっていい?」

歩夢「うん、行ってみよっか」

965 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 19:07:49.99 ID:oFk/rCpq.net
運動場


侑「おー、こっちって来たことないのかな。新鮮だね」

歩夢「一年生のときは何回かこっちで授業したこともあると思うけど、こうして色んな部活が活動してるのを見ると壮観だね」

侑「ほんと、色んな部があるんだなぁ」

歩夢「あれなんていうんだっけ、陸上部だよね」

侑「タータントラックだったかな。すごいや、あんなのまであるんだ。うちの陸上部」

歩夢「数が多いとは言っても、やっぱり人気の部活が多いほど設備も豪華なのかな」

侑「かなー」

侑「……ん?ねえ歩夢、あそこ、トラックの向こう側にいるのって愛ちゃんじゃない?」

歩夢「えっ?……ほんとだね、愛ちゃんだ」

侑「走るのかな!?行ってみよ!」

歩夢「え、えええ〜…いいのかなぁ…」

966 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 19:15:35.45 ID:oFk/rCpq.net
「位置について、よーい!」


ピッ


ピストルの代わりが鋭く笛が鳴って、バトンを持った子が走り出す。

走りづらそうなカーブを物ともせずにぐんぐん加速して、終わりで待っていた子にバトンをパスする。

二人の距離が開き始める直前でバトンは渡り、次の走者が加速に乗る。

今度はレーンがまっすぐなだけにその速さがよくわかる。

あっという間にバトンは、カーブの始まりで待つ愛ちゃんの元へ届く。


愛「…」グ…


タンッ!!


愛ちゃんがレーンを蹴った。

967 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 19:16:31.26 ID:oFk/rCpq.net
>>966
訂正

×ピストルの代わりが鋭く笛が鳴って、バトンを持った子が走り出す。

○ピストルの代わりに鋭く笛が鳴って、バトンを持った子が走り出す。

968 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 19:24:05.13 ID:oFk/rCpq.net
一瞬、ひやっとした。

愛ちゃんが走り出すのが早かったんじゃないかと思った。

わからないけど、走り出すのが早くても遅くてもバトンパスって上手くいかないような気がする。

でも、そんな心配はいらなかったみたいで。

愛ちゃんがぴんと伸ばした手にバトンが勢いよく滑り込む。

手に吸い付いたバトンが空中を赤く切るたび、どんどん速くなっていくみたいで。

ちょうど最後のまっすぐゾーンの脇で見てた私にふと愛ちゃんが視線をくれて、ぱちりと目が合った。

にっ、と笑ったような気がした。


侑「────!」


気づくと隣をすごいスピードで走り抜ける子がいて、私の髪を小さくたなびかせた。

969 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 19:26:41.76 ID:oFk/rCpq.net
後ろで聞こえる、お〜という喜びの声。

でもそんな声はほとんど聞こえてなくて、


愛「…っし!」ノシシシ ブンブン


嬉しそうに手を振る愛ちゃんの晴れやかな笑顔だけが運動場にあった。

970 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 19:31:42.85 ID:oFk/rCpq.net
愛「見た?愛さん速かったっしょ」ポン

侑 …ハッ

侑「う、うん。速かった。すごかった!」

愛「あはは、小学生みたいな感想だねー。しょーかしょーか、クセになりそうかい?なんつって!」

侑「しょーか、クセ………ぷっ」

侑「あはははは……っ、それ…それ最高だよ!愛ちゃん…!走ったばっかりでそんなダジャレ言えちゃうなんてすごいよぉ……!」ヒィヒィ

歩夢「!?」

歩夢「い、今ので笑ったの!?っていうかダジャレだったの!?」

愛「あー、歩夢ってばひどいなー。愛さんのダジャレ面白くなかった?」

歩夢「面白くないというか、ごめん、気づかなかった…」

愛「ちぇーっ」

971 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 19:35:46.56 ID:oFk/rCpq.net
「愛ー、こっち来てよー!いい記録出たよー!」

愛「お、だってさ。侑達もおいでよ」

歩夢「邪魔にならない?」

愛「ヘーキヘーキ、いい記録出たときの陸部メンほどご機嫌な人もこの世にいないって!」

歩夢「そうなんだ。ほら侑ちゃん、行くよ」グイ

侑「ひぃひぃ…ぉ、お腹いたい…」ズルズル

972 :名無しで叶える物語:2020/11/25(水) 19:43:43.09 ID:oFk/rCpq.net
『51" 22』


「なかなかだね〜」

愛「アタシ、バトンパスちょいミスったからなー。それなかったら50秒台いったよね」

侑「えっ」

「全然ミスってないよ!めっちゃやりやすかったって!」

歩夢「侑ちゃん?」

侑「や、ううん、ミスしたなんて全然わからなかったなって…すごくキレイなパスに見えたよ」

愛「いやー、まだまだ。なんとか落とさなかったって感じだよ」

侑「そうなの…?」

「いやいや、正規メンじゃないんだから完璧にできるわけないし!代理で入ってくれてアンダーできるだけでもすごいことだよ!」

侑「やっぱりすごいんだ!」

愛「誉め過ぎだって〜」

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