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【ギャルゲ風安価SS】侑「また一年が始まる」2

1 :>>1 :2020/11/26(木) 07:27:49.55 ID:L4/YsWRN.net
前スレ
【ギャルゲ風安価SS】侑「また一年が始まる」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1603494790/
※ 安価がついてしまうのでスレタイを一部変更しています

517 :>>1 :2020/12/12(土) 10:12:59.82 ID:6yk9/zgM.net
今日明日もしかしたら更新できないかもしれません、気長にお待ちいただけると。

518 :>>1 :2020/12/12(土) 10:13:52.21 ID:6yk9/zgM.net
>>516
全拡がりを考えてから書き始めたわけではないので展開によっては有り得たと思います

519 :名無しで叶える物語:2020/12/12(土) 10:15:02.16 ID:MpPv7WrH.net
保守はまかせろ

520 :名無しで叶える物語:2020/12/12(土) 20:25:11.35 ID:O0AtmT2g.net
保守

521 :名無しで叶える物語:2020/12/13(日) 07:57:38.73 ID:EIUbuOLV.net


522 :名無しで叶える物語:2020/12/13(日) 19:00:10.45 ID:iXDQUG5G.net
ぽん

523 :>>1 :2020/12/14(月) 07:44:16.21 ID:CZlXaVnw.net
翌朝…


侑「お待たせ〜」タタタ

歩夢「行こっか」

侑「うん!」


今日は少し曇り空。

梅雨にはまだ早いけど、これから曇りや雨の日が増えていくのかなぁ。

朝から雨が降ってれば私だってちゃんとカサ差していくんだよ。

今日はないけど。


歩夢「朝ごはん、じゃがいものお味噌汁だったでしょ」

侑「さっすが歩夢、よくわかったね!」

歩夢「璃奈ちゃん喜んでた?」

侑「おかわりしてたから、たぶん。緊張もしてたみたいだけど」

歩夢「うふふ、そうだよね」

524 :>>1 :2020/12/14(月) 07:54:30.88 ID:CZlXaVnw.net
お昼休み…


お味噌汁に加えて、朝からじゃがバターを食べたのはさすがに驚いた。

じゃがバターって食べる前は重そうであんまり気が進まないんだけど、食べ始めるとやっぱり美味しくてぺろっと食べちゃうんだよね。

あんなに簡単なのにすごいなぁ。


どうしよっかな? >>525
1.教室で食べる
2.中庭で食べる
3.屋上で食べる
4.生徒会室で食べる

525 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 07:58:39.39 ID:DaercXeV.net
4

526 :>>1 :2020/12/14(月) 08:04:41.84 ID:CZlXaVnw.net
今日はどこでお昼ごはん食べようかな〜。

曇ってるけどまだ降りそうでもないし、中庭でもいいよね。

はんぺんと璃奈ちゃん達にも会いたいし…


侑「あ」

歩夢「どうしたの?」ヒョコ

侑「歩夢。今日、菜々ちゃんとお昼ごはん食べない?」

歩夢「…いいよ」

侑「行く前に連絡しとくね」スマスマ

527 :>>1 :2020/12/14(月) 08:08:51.67 ID:CZlXaVnw.net
侑「お弁当もじゃがいもかなぁ」トコトコ

歩夢「どうだろうね。作り立てでほくほくしてるときがやっぱり一番美味しいと思うけど、侑ちゃんのお母さんなら冷めても美味しいお料理を作ってくれそうだよね」トコトコ

侑「だよね。まさかじゃがバターは入ってないと思うけど」

歩夢「ホイル焼きくらいならあるかもね」

侑「台所から香ばしい匂いがしたんだよなぁ。なんだったんだろう」

歩夢「…おせんべい?」

侑「お弁当に!?」

528 :>>1 :2020/12/14(月) 08:13:01.73 ID:CZlXaVnw.net
生徒会室


侑「こんにちは、菜々ちゃん」

歩夢「こんにちは」

菜々「いらっしゃい、と言うのも変ですね。わざわざ来てくださってありがとうございます」

侑「わざわざなんてそんな。私から誘ったんだもん」

歩夢「侑ちゃんがいつも急に誘っちゃってごめんね」

菜々「本当ですよ。もっと計画性を持ってくださいね、何事も」

侑「もー、二人してそういうこと言うのやめてよ。はい、お昼にしよ!お説教終わり!」パン

菜々「まったく…」クス

529 :>>1 :2020/12/14(月) 08:17:07.34 ID:CZlXaVnw.net
「「「いただきます」」」

侑「…見て菜々ちゃん!」

菜々「わ。見事なまでのじゃがいも尽くしですね」

侑「お母さんがいっぱい買ってきちゃってね、昨日からこんな調子なんだよ」

菜々「お母様のことだから張り切ってらしたんでしょうね」

侑「昨日の夜も友達連れて帰ったんだけど、もうすっごく張り切ってたよ!」

菜々「あはは。目に浮かびますよ」

歩夢「ゆ、侑ちゃん。これじゃない?香ばしい匂いがしてたってやつ!」

侑「どれどれ?……これなに?」

菜々「薄焼き…でしょうか」

530 :>>1 :2020/12/14(月) 08:24:52.60 ID:CZlXaVnw.net
侑「薄焼き…も、なに?」

菜々「長野県の郷土料理です。お好み焼きのような生地で季節の野菜や果物を包んで焼いたものだそうですよ」

侑「へー、菜々ちゃん物知りだね!」

歩夢「これはチーズを生地にしてるみたい。カリカリしてて美味しそうだね」

侑「チーズかぁ。歩夢、一つ食べる?菜々ちゃんも」

歩夢「うん、頂こうかな」

菜々「頂いてしまっていいんですか?」

侑「いいよ!美味しいものはみんなで食べたいじゃん」

菜々「で、では遠慮なく…」

歩夢「代わりにお弁当から一番気になったおかずを食べられちゃうから気をつけてね」

侑「トンビみたいに言わないでよー」

歩夢「私の方は…梅ささみがいいよね」ヒョイ

侑「ありがと!さすが、わかってる!」

菜々「ふふっ。私のお弁当からはなにが欲しいですか?」

侑「んー………これ!貰ってもいい?」

菜々「もちろんです。どうぞ」

531 :>>1 :2020/12/14(月) 08:32:43.73 ID:CZlXaVnw.net
カリッ ジャクジャク…


侑「ん!美味しい!」

菜々「不思議な食感ですね」

歩夢「しらすの香りがいいアクセントになってるね」

侑「帰ったらこれなんなのか聞いてみようっと」

侑「もっと偏ったお弁当になってるかと思ったけど全然そんなことないね」

歩夢「そうだね。こっちのはたぶんオイスターソースで、のり塩、食感も味もそれぞれ違って飽きないお弁当になってそうだもん」

菜々「侑のお母様は本当にお料理が上手なんですね」

歩夢「………ん…?」

侑「えへへ〜、いいお母さんを持ってよかったよ」

菜々「そう思えて、しかも素直に口に出せるのは侑のとてもいいところですよね」

侑「そうかな?」テレ

歩夢「……………………………侑?」

532 :>>1 :2020/12/14(月) 08:37:40.98 ID:CZlXaVnw.net
侑「菜々ちゃんのお母さんだって料理上手じゃん。このカツ美味しいよ!」

菜々「ふふ。昨日油を使っていた様子はないので、恐らくそれは出来合いのお惣菜だと思いますよ」

侑「あ、あれぇ…?」

菜々「先日のお礼も兼ねて、次は夕飯に招待させてください。父がいると気を遣わせてしまうと思うので、母だけの日にでも」

侑「お礼なんていいよ、私もお母さんも楽しかったもん。それよりまた食べにきてね。今日でもいいよ!」

菜々「きょ、今日というのは急過ぎますね…」

歩夢「侑ちゃん」

侑「うん、なに?歩夢」

歩夢 ジッ

侑「歩夢…?」

菜々「?」

533 :>>1 :2020/12/14(月) 08:43:49.65 ID:CZlXaVnw.net
歩夢 パク…

歩夢 …

歩夢 ニコッ…

歩夢「このチーズのやつ、すごく美味しいね。よかったらレシピ教えてほしいなってお母さんに伝えておいてくれない?」

侑「オッケー!歩夢も作れるようになったらいつでも食べられるようになるもんね」

歩夢「誰が侑ちゃんに作ってあげるって言いましたかー?」

侑「え〜っ、作ってよー!食べたいよ!」

歩夢「うふふ…もう、仕方のない侑ちゃん。いいよ」

侑「へへ、やったぁ!」

菜々「歩夢さんもお料理が得意なんですよね、尊敬します」

侑「菜々ちゃん、歩夢に教えてもらったら?」

菜々「えっ」

歩夢「えっ」

534 :>>1 :2020/12/14(月) 08:47:44.41 ID:CZlXaVnw.net
侑「歩夢丁寧だし、料理も上手いし、先生にちょうどいいと思うんだ!」

歩夢「そ、そんな、私まだ人に教えられるようなレベルじゃないから…」

侑「菜々ちゃんも料理できるようになったら、私にもいっぱい作ってほしいなぁ」

菜々「それは…頑張ります…!」

歩夢「…っ」

菜々「お忙しくない日でいいので、歩夢さん、お料理を教えていただけますか…?」

歩夢「う、うん……」

歩夢「いいよ…」

菜々「本当ですか!ありがとうございます!」ペカー

535 :>>1 :2020/12/14(月) 08:54:48.86 ID:CZlXaVnw.net
菜々「というか、侑は教わらないんですか?」

侑「私は食べる専門なんだよね。ほら、誰かのために作る方が捗るって言うしさ!」

菜々「お互いに作り合えばいいと思いますが」

侑「一緒に作るとキッチンが混んじゃうからね」

菜々「合理性を求めた結果ということですか」

侑「そうそう、そういうことなの!」

菜々「なるほど…」

侑「歩夢がお菓子作ってくれてるときは、邪魔にならないようにお手伝いしてるんだよ。ね、歩夢」

歩夢「…」

侑「歩夢?」

歩夢「ぁ、うん、なに?」

侑「ぼーっとして、珍しいね。金曜日だし疲れちゃった?」

歩夢「あはは…そうかも」

侑「今日は早めに帰ろうね」

歩夢「うん、そうしよ」

536 :>>1 :2020/12/14(月) 08:59:31.02 ID:CZlXaVnw.net
「「「ごちそうさまでした」」」

菜々「お二人とご一緒していると、いつもお昼休みがあっという間に終わってしまいますね」

侑「楽しい時間は過ぎるのが早いからね」

菜々「本当にその通りだと実感しますよ」

歩夢「ギリギリまで生徒会室使っちゃってごめんね」

菜々「いえいえ。私が勝手に居着いているだけで、通常お昼休みは誰も使わない部屋ですからね」

歩夢「そろそろ行かなくちゃね」

侑「あ、歩夢ごめん。先に出ててもらえる?」

歩夢「え?」

侑「少しだけ菜々ちゃんと話したいことがあってさ」

歩夢「え?うん…私がいちゃ、だめなこと…?」

侑「ってわけでもないんだけど…えっと…」

歩夢「……わかった。お昼休み終わっちゃうから、早くしてね」

侑「うん、ありがと!」

537 :>>1 :2020/12/14(月) 09:04:18.71 ID:CZlXaVnw.net
…バタン


菜々「どうかしましたか?わざわざ歩夢さんを追い出してまで」

侑「せつ菜さんにお礼を言っとこうと思って」

菜々「! せつ菜に、ですか?」

侑「同好会のみんなに話してくれたんだよね、私と話したこと。そのお礼」

菜々「あ…ああ」

侑「あの後彼方ちゃんと話す機会があったんだけど、せつ菜さんが話しておいてくれたおかげでお互いに受け入れやすかったっていうかさ」

菜々「そのくらい、お礼を言われるようなことではありませんよ。部長として当然に果たすべき責任ですから」

侑「それでも。お礼言いたかったの!」

菜々「…頑固なんですから」クス

538 :>>1 :2020/12/14(月) 09:05:56.02 ID:CZlXaVnw.net
侑「せつ菜さんも同じくらい頑固だよー」

菜々「あ!言いましたね!?」

侑「褒め言葉だよ、褒め言葉。そういうところがせつ菜さんらしいし頼りになるってこと!」

菜々「あなたの中でせつ菜はどんなイメージなんですか、まったく…」

侑「えへへ…」

539 :>>1 :2020/12/14(月) 09:10:59.17 ID:CZlXaVnw.net
侑「ライブ、もう来週だね」

菜々「そう、ですね」

侑「楽しみにしててもいい?」

菜々「…期待に応えたいとは思っています。全員」

侑「…うん」

侑「私、スクールアイドルのライブってまだ観たことないんだよね。生で」

侑「だからすごく楽しみにしてるんだ。大好きな人達がやるんだから、なおさら」

侑「でも無理はしないでね」

菜々「──…!」

侑「たとえ来週ライブができなくても、今回のステージが使えなくなっちゃっても、私はずっと応援してるよ。いつになっても、どこになっても必ず駆けつけて最前席で応援するから!」

侑「だから、みんなが納得できるまで、諦めないでね」

菜々「────」

菜々「…はい、ありがとうございます。その気持ち、部員の皆さんにも伝えておきますね」

侑「うん!」


菜々とお昼ごはんを食べました! ▼

540 :>>1 :2020/12/14(月) 09:11:26.18 ID:CZlXaVnw.net
今朝はこの辺りで。
保守ありがとうございました

541 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 12:09:27.32 ID:VH/9P6Tf.net
おつおつ
侑ちゃん地雷踏みまくりやないかw

542 :>>1 :2020/12/14(月) 18:57:10.79 ID:CZlXaVnw.net
放課後…


歩夢「侑ちゃん。帰ろう」

侑「歩夢。待ってね、すぐ片付けるから」ゴソ…

歩夢「今日はまっすぐ帰らない?」

侑「>>543


1.そうしよう
2.どうしよっかな…

543 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 18:57:38.53 ID:x56ULGsx.net
2

544 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 18:59:37.70 ID:Xxk5mQrp.net
歩夢曇らせ隊がおるなw

545 :>>1 :2020/12/14(月) 19:01:39.69 ID:CZlXaVnw.net
侑「あー…」

侑「えっと、」

侑「どうしよっかなぁ」ハハ…

歩夢「…なにか約束でもあるの?」

侑「いや、約束があるわけじゃないんだけどさ」

歩夢「だったらいいじゃない」

歩夢「ねえ、帰ろう?」ズイ

侑「>>546


1.そうだね
2.しずくと話したいんだ
3.菜々と話したいんだ
4.かすみと話したいんだ

546 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 19:05:24.90 ID:Xxk5mQrp.net
3

547 :>>1 :2020/12/14(月) 19:13:42.61 ID:CZlXaVnw.net
侑「菜々ちゃんに確認しときたいことがあるの忘れててさ、ぱっと連絡していい──」

歩夢「だめ」

侑「歩夢…?」

歩夢「なんで?なにを確認するの?さっき二人っきりで話したじゃない。私は外で待ってたのに、楽しそうに笑って…」

侑「あれはその、」チラッ


クラスメイト ワイワイ…


侑 (歩夢に話すのはいいとして、菜々ちゃんがせつ菜さんなのは一応他の子がいないところで話した方がいいよね)

侑「…後で話すよ、だから


バンッ!!!

548 :>>1 :2020/12/14(月) 19:15:51.28 ID:CZlXaVnw.net
シン……


侑「あ、歩夢……?」


「高咲さん、どうかしたの…?」

侑「や、ううん、なんでも…」

侑「どうしたの歩夢、机叩くなんてらしくない──」


歩夢 ポロポロ…


侑「…歩夢!?」ギョッ…

549 :>>1 :2020/12/14(月) 19:22:52.86 ID:CZlXaVnw.net
侑「あ、あゆむ、なん…泣いて……」オロ

歩夢「どうして?」

歩夢「どうして今話してくれないの?」

歩夢「菜々ちゃんとお話しする方が大事なの…?」ポロ…

侑「そんなんじゃないよ!ただここで話すのはちょっとって思っただけで…」

歩夢「だったら場所変えよう。屋上でも家庭科室でも裏庭でもお台場でも、話せるところならどこでも付き合うから」

侑「うん、うん、そうしよっか。他の人がいない方がいいってだけで、どこでもいいんだ。帰りながら話そ?ね?」

歩夢「校門で待ってたらいいの?菜々ちゃんとお話しするのどのくらいかかる?一緒に帰っちゃうんじゃないの?」ポロ…ポロ…

侑「ううん、菜々ちゃんのことはいいよ。帰ったらラインで話すから。待ってなくていい、すぐ帰ろうね」

歩夢 グス…

侑「カバン持つよ。歩ける?」

歩夢 コクン…

侑「びっくりさせてごめんね、みんな。また来週」ノシ

550 :>>1 :2020/12/14(月) 19:25:52.10 ID:CZlXaVnw.net
帰り道


歩夢 トボトボ… スン…スン…

侑 キョロ…

侑「歩夢、一旦座ろっか。あそこ、ね?」

歩夢 コク…

侑「飲み物買ってくるよ。ココアでいい?」


キュ


歩夢「やだ」

歩夢「飲み物なんかいらない。買ってこなくていいから」

歩夢「隣にいて」

侑「………わかったよ」

551 :>>1 :2020/12/14(月) 19:28:02.90 ID:CZlXaVnw.net
歩夢 スン………スン…………

侑 ポン…ポン…

歩夢 ………ヒク……………スン……

侑 ポン…ポン…

歩夢 ………………スン…

侑「落ち着いた?」

歩夢「…うん」

552 :>>1 :2020/12/14(月) 19:31:38.48 ID:CZlXaVnw.net
歩夢「………」

侑「…」

歩夢「………」

侑「…なんか、びっくりさせちゃったかな。私」

侑「歩夢があんな風に泣いちゃうなんて、きっと私なにか変なことしたんだよね。ごめんね」

歩夢「………」

侑「なにがイヤだったか、教えてくれる?」

歩夢「………」

侑「…」

歩夢「……菜々ちゃん、」

歩夢「侑ちゃん、の、こと…」

歩夢「………『侑』って、呼んでた」

侑「…そうだね」

553 :>>1 :2020/12/14(月) 19:35:52.90 ID:CZlXaVnw.net
歩夢「侑ちゃん、あんまり…呼び捨てにされること、ない…のに」

侑「…」

歩夢「……菜々ちゃん、前まで『侑さん』だったのに」

歩夢「今日は、『侑』って」

侑「だね。知らないうちに変わってたから驚かせたんだよね、ごめん」

歩夢「…………菜々ちゃん、」

歩夢 …ッ

歩夢「…菜々、ちゃん…と、」

歩夢「なにか………あった、…の?」

侑「ないよ。なんにもない」

554 :>>1 :2020/12/14(月) 19:39:33.71 ID:CZlXaVnw.net
歩夢「だっ

侑「お母さんが呼び捨てにしちゃえって煽ったんだよ、菜々ちゃんに」

歩夢「……っ、お母さんが…?」

侑「うん。ほら、週末菜々ちゃん来てたって言ったでしょ?あのときにね、同い年なのに敬語だったりさん付けだったりしてるのが面白かったみたいでさ」

侑「菜々ちゃんもまじめだから真に受けちゃって、私が口を挟むひまもないまま呼び捨てに変わっちゃったんだよ」

歩夢「…じゃあ…」

侑「うん。なんにもないよ」

侑「私と菜々ちゃんの関係性が変わったとか、そういうことは全くないから」

侑「驚かせてごめんね」

555 :>>1 :2020/12/14(月) 19:47:12.04 ID:CZlXaVnw.net
歩夢「……じゃあ…」

歩夢「じゃあ、お昼のは?私に聞かせないようにして、二人でなんの話をしてたの?」

侑「同好会のことだよ。スクールアイドル同好会」

侑「菜々ちゃんがうちに来たときにせつ菜さんともお話ししたんだけどさ、そのときのこと、すぐに同好会のみんなに共有してくれてたみたいなんだ。月曜日の放課後にね」

侑「その後彼方ちゃんと話したんだけど、せつ菜さんがその話をしてくれてたおかげで、お互いに変な気を遣わなくて済んだからさ」

侑「そのお礼を、ちゃんと言っておきたかったんだ」

歩夢「…」

侑「歩夢は菜々ちゃんがせつ菜さんだってわかってたみたいだけど、私達の間ではっきりその話ってしてないじゃん?だから、一応二人きりで話す方がいいかなと思って」

侑「余計な心配かけちゃったよね。ごめんね」

556 :>>1 :2020/12/14(月) 19:50:47.13 ID:CZlXaVnw.net
歩夢「…」

侑「さっき確認し忘れたって言ったのは、アニメのことでね」

侑「菜々ちゃんのブルーレイボックス預かってるって話したでしょ?あれ、明日璃奈ちゃんに貸してもいいかなーと思って、聞いときたくてさ。璃奈ちゃんも興味あるみたいだったから、せっかく明日会うんだしって」

侑「でも別にラインで話せばよかったよね。歩夢を放ったらかしてわざわざ直接話すようなことでもなかったよ」

侑「気が回らなくてごめんね」

557 :>>1 :2020/12/14(月) 19:53:00.96 ID:CZlXaVnw.net
歩夢「………」

侑「私が話しておかなくちゃいけないことは、これくらいかな」

侑「他に思い出せてないことあったらごめん、なにか気になってること、ある?」

歩夢「…………ううん、ない」

侑「そっか。よかった」ニコッ

558 :>>1 :2020/12/14(月) 19:56:51.84 ID:CZlXaVnw.net
歩夢「…………ごめん、なさい…」

侑「え?なんで歩夢が謝るの?」

歩夢「……私、侑ちゃんの話もちゃんと聞かないまま、一人で勝手に怒ったりして…」

侑「ううん、私がきちんと話してなかったからだよ。歩夢は悪くない」

歩夢「…クラスのみんなにも、心配かけちゃった…」

侑「あはは。それは月曜日にちゃんと謝ろうね。私も一緒に謝るからさ」

歩夢「………うん」

559 :>>1 :2020/12/14(月) 20:06:03.09 ID:CZlXaVnw.net
歩夢「…………」


それきり、歩夢は押し黙ってしまった。

たぶん、色々なことを考えてるんだ──この間ベランダで話したこととか。

歩夢は私のことをすごく大切に、特別に想ってくれてる。

だから、私との関係が変わっちゃいそうになると不安になるみたい。

クラスにすごく仲のいい友達ができたりしたときに、これまでにも二回こんなことがあった。

そのたびに歩夢が不安に思ってることを話してもらって、私は自分のよくなかったところを反省する。

そうして私達は今まで変わらない関係を──ううん、絆を強くしてきたんだよね。

560 :>>1 :2020/12/14(月) 20:15:47.71 ID:CZlXaVnw.net
今回は一気にたくさんの新しい友達ができて、歩夢もいっぱいいっぱいになっちゃったんだと思う。

いつも支えてもらってるのに、やっぱり私は歩夢を不安にさせちゃうんだ。

起こしてもらったり、話を聞いてもらったり、お菓子を作ってもらったり、無駄遣いを止めてもらったり、勉強を見てもらったり──

他にもたくさん、たくさん支えてもらってる。

私は歩夢なしじゃだめなんだ。

私の一番はずっと歩夢だった。

これからもそれは変わらない。

歩夢との関係が変わっちゃうなんて、私の方からお断りだもんね。


侑「歩夢」

侑「私はずっと、歩夢の一番傍にいるからね」


その言葉が、決意が、

──────私の首を絞めることになるなんて、想像できてなかったんだ。


歩夢と帰りました! ▼

561 :>>1 :2020/12/14(月) 20:16:00.37 ID:CZlXaVnw.net
こんなところで。

562 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 20:20:00.17 ID:yi8y3E0Y.net
これ歩夢ルート一直線になりそう

563 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 20:28:59.47 ID:DaercXeV.net
共依存かぁ…
脱却させな他ルート厳しいな

564 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 20:30:35.52 ID:3HNCl2pa.net
観劇後が楽しみやね(ニッコリ)

565 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 20:31:16.44 ID:Xxk5mQrp.net
歩夢はかわいいなぁ

566 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 20:36:22.53 ID:6Q6vu0es.net
とんでもない√入ってしまった気がするね笑
いずれにせよ楽しみだけど!
しかし、少なくとも昼ごはんは生徒会室よしといた方が良さそうね…

567 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 21:12:16.51 ID:vOXyX4e/.net
侑の依存っぷりも結構ひどい

568 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 21:44:09.06 ID:TYql6H1k.net
なんか最初から歩夢になるように進んでるような気がするのは気のせい……?

569 :名無しで叶える物語:2020/12/14(月) 21:44:18.49 ID:sBZuitUI.net
いっそA・ZU・NAルートを開拓するしかないな?

570 :>>1 :2020/12/15(火) 07:50:59.55 ID:Qyx4yZ2o.net
夜…


侑「…」


浴槽に口元まで沈んで、右手をぼんやり眺める。

いつからだっけ、歩夢と歩くときに手を繋がなくなったのは。

手を引いたり引かれたりすることはあっても、固く繋ぎ合うことなんかもうここ数年なかったよね。

明日は笑顔。

そう約束してくれた代わりに、帰るまで歩夢は無言で、ただなにかを伝えるみたいに強く私の手を握ってた。


侑 ブクブクブク…


いつまでもこうしちゃいそうだな。

あがろうっと。

571 :>>1 :2020/12/15(火) 07:57:10.08 ID:Qyx4yZ2o.net
部屋に戻ると、暗い部屋に緑の点滅。

見ると、


侑「!」


『しずくちゃん:侑先輩』


侑「しずくちゃんだ…!」パァ


『しずくちゃん:この声が届いていますか?』

『しずくちゃん:私の声が』


どうしようかな? >>572
1.メッセージを返す
2.電話をかける
3.反応しない

572 :名無しで叶える物語:2020/12/15(火) 07:58:31.69 ID:9ibUl6VX.net
2

573 :>>1 :2020/12/15(火) 08:07:07.14 ID:Qyx4yZ2o.net
ごはんとお風呂と済ませてる間に、メッセージを受信してからそれなりの時間が経っちゃってる。

もう家に着いちゃうくらいかもしれない。


侑「…」

侑 スッ


──♪………


しずく『は、はいっ。桜坂しずくです!』

侑「…ぷっ。しずくちゃん、電話に出るときフルネーム名乗るの?」

しずく『そんなことないですけど、先輩が…急に…』

侑「もしもし、高咲侑でーす。今いいですか?」

しずく『も…もうっ、からかわないでください!』

侑「あはは、ごめんごめん」

574 :>>1 :2020/12/15(火) 08:10:10.25 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「今平気だった?電車の中とかじゃない?」

しずく『電車の中だったら出ませんよ。平気です』

侑「お返事遅くなっちゃってごめんね」

しずく『いえ、全然。お忙しかったりしたんじゃないですか?』

侑「お風呂入ったりしてたからスマホ見てなかっただけだよ」

しずく『そうでしたか』

575 :>>1 :2020/12/15(火) 08:16:21.14 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「もう駅には着いたの?」

しずく『はい、ちょうど降りたところでした。アナウンスが聞こえませんか?』アルキナガラノ スマートフォンノ ゴリヨウハ ホカノ オキャクサマノ ゴメイワクニモ ナリマスノデ………

侑「うん、すごく聞こえる」

しずく『うるさいですよね。もうすぐ改札を出るので待ってくださいね』

侑「聞こえるけど、話すのに影響ないくらいだから大丈夫だよ」

侑「ここからお家までどのくらい?」

しずく『歩くと結構かかってしまいますけど、迎えにきてもらうので──……』

侑「…しずくちゃん?」

しずく『やっぱり迎えにきてもらうのやめます』

576 :>>1 :2020/12/15(火) 08:18:16.80 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「え、なんで?」

しずく『ふふ』

しずく『侑先輩とお話ししながら帰りたいからですよ』

侑 ドキッ…

侑「そ、そうなの?遅くまで練習して疲れてるだろうから、迎えにきてもらったらいいのに」

しずく『早く通話を終わらせろということですか?』

侑「そういうわけじゃないよ…!私からかけたんだし!」

しずく『うふふ、冗談ですよ』

しずく『私なら平気ですから、侑先輩さえよければ家に着くまで付き合ってください』

侑「うん、ぜひ」

577 :>>1 :2020/12/15(火) 08:28:47.17 ID:Qyx4yZ2o.net
しずく『それにしても、まさか先輩の方から電話を下さるとは思いませんでした』

侑「どうしようかなと思ったんだけどね、なんだか声聞きたくてさ」

しずく『…… …私もです』

侑「…?」

侑「演劇はもういよいよ大詰めってところだよね」

しずく『そうですね。今日も通し練習を一度やっただけで、それ以外は各自の練習になりました』

侑「慌ただしい?」

しずく『舞台に立たせてもらう役者は案外そうでもないですよ。それよりも裏方をしてくださる方々が会場の下見に設備の確認にと大忙しです』

侑「私も知識があれば手伝ったのになぁ」

しずく『だめですよ。侑先輩には私達が描き上げる物語を誰よりも純粋に見てもらわなくちゃいけないんですから。観劇者以外の立場で関わられては困ります』

侑「困られるんだ。それじゃまずいね」

578 :>>1 :2020/12/15(火) 08:33:16.19 ID:Qyx4yZ2o.net
しずく『公演の時間と場所ってお伝えしましたっけ?』

侑「見学に行った日に部の人から教えてもらったよ。講堂で11時からだよね?」

しずく『よかった。明日じゃなくて明後日なので、間違えないでくださいね』

侑「間違えないよ〜」

侑「しずくちゃんは明日も練習やるんだよね」

しずく『はい。時間はいつもより短めに、最終調整という側面が強くなりますけどね』

侑「なにか手伝えること……」


…は、一つだけ。

しっかりと言われたもんね。


侑「ううん、なんでもない」

しずく『? そうですか』

579 :>>1 :2020/12/15(火) 08:40:57.47 ID:Qyx4yZ2o.net
しずく『侑先輩は、明日はなにをされるんですか?』

侑「人の家を片付けにいくよ」

しずく『え、どういうことですか?』

侑「あはは、そうなるよね」

侑「そのままなんだけど。三年生の先輩がいてね、いらない洋服とかが多くて片付けに困ってるって言うから、手伝うことになったんだ」

しずく『優しいですね』

侑「そうかな?」

しずく『先輩、部活動されてませんよね。私が言うのもなんですけど、三年生にもお知り合いがいるなんて交友関係が広いんですね』

侑「うんー。その先輩は今年度になってから知り合ったんだけどね。歩夢とクラス替えを見てたら話しかけられてって感じで」

しずく『不思議な出会い方をしますね』

侑「しずくちゃんがそれ言う?わざとぶつかってこられたんだよ?」

しずく『私は演技の練習でしたから!』

侑「え〜、なんかずるいなぁ」

580 :>>1 :2020/12/15(火) 08:54:45.84 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「今日は?どんな一日だったの?」

しずく『そうですね、言語の成り立ちの授業があったんですけど、それがとても興味深かったです!』

侑「言語って英語?」

しずく『いえ、日本語です。中国由来の言語が渡ってきたことでそれまでの言語がどのように変遷していったかというもので、なんだか急に自分の使っている日本語の存在が輪郭を失ったようでした』

しずく『一つ確固として枠組まれたものだと思っていたのに、蓋を開けてみると何度も変化を繰り返してきた、小さな言語の集合体のようで』

しずく『どこまでが日本語で、どこからが日本語なのか』

しずく『そんなことを考えていたせいかもしれません』

侑「せい?」

しずく『私の言葉は周りの人に正しく届いているんだろうか?と、不安になったんです。口に出した言葉はその通りに届いているのかな、と』

しずく『それであんなラインを送ってしまったんだと思います』

侑「ああ…!」

581 :>>1 :2020/12/15(火) 09:00:50.50 ID:Qyx4yZ2o.net
しずく『おかしいですよね』

しずく『文章は言葉と違いますもん。書いたら書いた形がはっきりと残って、誰の目にも同じように映るのはわかりきってます。形や音をしっかりと確認できない言葉とは違うのに』

しずく『それでも、なんだか怖くて…』

侑「届いてるよ、しずくちゃんの声。しずくちゃんの言葉」

しずく『!』

侑「文章でも言葉でも同じだよ。しずくちゃんが思ったこと、考えたこと、伝えようとしたこと。それを音や形にしてくれたら、私は必ず受け取るから」

侑「正しく伝わってるかわかんなくて不安だったら、何度でも確かめようよ。いっぱい話してさ」

侑「私の声だって、届いてるでしょ?」

しずく『──はい。届いてますっ』

582 :>>1 :2020/12/15(火) 09:07:29.47 ID:Qyx4yZ2o.net
しずく『侑先輩はどんな一日でしたか?』

侑「そうだなー、私の方は特に変わったこともなかったかなぁ」

しずく『そうなんですか?』

侑「お弁当がじゃがいも尽くしだったことくらいかな」

しずく『うふふ、なんですか、それ』

侑「いや、ほんとに!おかずみんなじゃがいもだったんだよ。でもチーズのガレットってやつが入っててね、すごく美味しかったなぁ」

しずく『じゃがいもとチーズのガレットですか。それは食べたことがないです』

侑「またお母さんに作ってもらうから、一緒に食べようよ」

しずく『ぜひ!』

583 :>>1 :2020/12/15(火) 09:11:13.98 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「他には──………」

しずく『…』

侑「…うん、やっぱりじゃがいもが一番の事件だったよ」

しずく『じゃがいもごろごろ事件ですね』

侑「あはは、それじゃ具だくさんカレーみたい!」

しずく『本当。嬉しいお話になっちゃいますね』

584 :>>1 :2020/12/15(火) 09:15:21.27 ID:Qyx4yZ2o.net
しずく『そろそろ家に着きそうです』

侑「わ、早かったね」

しずく『はい。侑先輩とお話ししながらだとあっという間でした』

侑「明日と明後日に備えてゆっくり休まないとね」

しずく『先輩も。お片付けのお手伝いに備えてゆっくり休んでください』

侑「そうだった。私も勝負の日なんだったよ〜」

しずく『腕の見せどころですね!』

侑「頑張りまーす」

585 :>>1 :2020/12/15(火) 09:16:45.94 ID:Qyx4yZ2o.net
しずく『…』

侑「…」

しずく『…侑先輩』

侑「…うん」

しずく『…』

侑「…しずくちゃん」

しずく『…はい』

侑「…」

しずく『…』

586 :>>1 :2020/12/15(火) 09:18:47.26 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「……また、ね」

しずく『…はい。また』

侑「お休みなさい」

しずく『お休みなさい。侑先輩、』

侑「素敵な夜をね、しずくちゃん」

しずく『あっ…』

しずく『もう、先輩ったら…』

侑「えへへ。いい挨拶だなーと思ってね」

しずく『そうですよね。侑先輩も、素敵な夜を』

侑「──うん」


しずくと電話しました! ▼

587 :>>1 :2020/12/15(火) 09:18:59.58 ID:Qyx4yZ2o.net
今朝はここまでです。

588 :名無しで叶える物語:2020/12/15(火) 09:32:02.15 ID:xTYtP3Fd.net
おつです
やっぱりこの雰囲気好きだなぁ

589 :名無しで叶える物語:2020/12/15(火) 09:38:34.29 ID:uMVLDd9R.net
このしずくちゃん本当可愛い

590 :>>1 :2020/12/15(火) 19:28:35.41 ID:Qyx4yZ2o.net
翌朝…


侑「お待たせ〜」タタタ

歩夢「行こっか」

侑「うん!」


まるで平日みたいなやり取り。

今日は土曜日だけど一階に出かけるから、いつもと同じようにエントランスで待ち合わせ。

歩夢は──うん、笑顔だ。


侑「土曜日にこうしてるの、なんだか変な感じだね」

歩夢「そうだね。私服だしね」

侑「確かに〜!授業もないし最高だよ!」

歩夢「うふふ、授業がないのなんて当たり前じゃない。おかしな侑ちゃん」

侑「なんでも幸せな方が人生楽しくなるよ、歩夢」

歩夢「わ。それは…そうかも…」ムム

591 :>>1 :2020/12/15(火) 19:35:20.80 ID:Qyx4yZ2o.net
歩夢「結局フリマアプリ使えなかったんだよね?」

侑「うん、私はね。銀行ないし」

歩夢「わかんなかったら調べればいいよね。銀行の問題さえなければ簡単そうだから、果林先輩もすぐにできちゃうかもしれないもんね」

侑「だねー」

侑「でもほら、今日は強力な助っ人を依頼したからさ」

歩夢「璃奈ちゃん、機械に強いんだね。全然知らなかったよ」

侑「私も。かすみんのスマホ直してあげたとか言っててさ、私も壊れちゃったら璃奈ちゃんに見てもらおうっと」

歩夢「落として画面割っちゃったのは対象外なんじゃない?」

侑「お…落とさないもん!」

歩夢「どうだか〜」クスクス


※ 璃奈を誘ったことを歩夢に話すシーンを描写し損ねました。この件で歩夢が感情を大きく揺さぶられることはなかった(≒ルートに大きな影響のある会話シーンにはならなかった)ので、このまま進めさせてください。

592 :>>1 :2020/12/15(火) 19:37:54.87 ID:Qyx4yZ2o.net
歩夢「璃奈ちゃんのお家、有明の方だって言ってたよね。お家まで迎えにいくの?」

侑「ううん、家じゃないんだ。璃奈ちゃんは用事があるから先に出てるってことだったから、途中で合流してから果林先輩のお部屋に行くよ」

歩夢「用事?土曜日の朝から?」

侑「毎週の日課なんだってさ。あれ、週課?」

歩夢「ふうん。どこで合流することになってるの?」

侑 ニッ…

侑「ゲームセンターだよ!」

593 :>>1 :2020/12/15(火) 19:40:53.19 ID:Qyx4yZ2o.net
ゲームセンター


ガヤガヤ…


歩夢「久し振りに来たけど、うう…耳が痛いよぉ」

侑「平気?合流したらすぐに連れてくるから、表で待っててもいいよ」

歩夢「ううん、大丈夫」フル

歩夢「侑ちゃん、目を離したらゲームし始めちゃいそうだもん」

侑「あ、あはは…」

歩夢「どこにいるのかな?」

侑「たぶんこっちだよ」

594 :>>1 :2020/12/15(火) 19:47:15.63 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「どこかなー」キョロ…

歩夢「あ、あれじゃない?」

侑「ほんとだ。璃奈ちゃーん、おはよ〜!」ノシ

璃奈「!」

璃奈「おはよう」テクテク

歩夢「おはよう、璃奈ちゃん」

侑「やっぱりクレーンゲームのコーナーだったね」

璃奈「これをやらないと、私の週末は始まらない」

歩夢「そこまでの日課なんだ…」

侑「──っていうか璃奈ちゃん、それ!」


璃奈 っパッケージと ギュ…


璃奈「さっき取った。お徳用チョコ30本パック」

歩夢「ええっ、すごいね」

侑「す…すごいよ、さすが師匠!いくらで取れたの!?」

璃奈「ざっと600円」

侑「すっごーーーい!!」

歩夢「………あれ…?それ、一本10円のやつじゃ…?」

595 :>>1 :2020/12/15(火) 19:50:57.79 ID:Qyx4yZ2o.net
歩夢「でもちょうど取れたところだったなんてタイミングよかったね。それじゃ行こっか……」

璃奈「まだだめ」

歩夢「え?」

璃奈「これは自分用に取った分だから」

璃奈「人のお家に行くのに、お土産を持っていかないのは失礼だと思う」

歩夢「それはそうかもしれないけど、遊びにいくっていうんじゃなくてお手伝いだから気にしなくていいと思うよ」

璃奈「だめ」

侑 ──ハッ

侑「ま、まさか…師匠……!」ゴクリ…

璃奈 コクン

璃奈「うまい棒を、手土産にする」ザッ…!!

侑「うわあああああっ、また璃奈ちゃんのクレーン捌きが見られるんだー!」

歩夢「え、ええ……」

596 :>>1 :2020/12/15(火) 19:54:16.67 ID:Qyx4yZ2o.net
璃奈「こういう大きな景品は──」

侑「バウンド!だよね!」

璃奈「そう」コクン

歩夢「侑ちゃんが得意げになっちゃうから、あんまりクレーンゲームの知識を与えないでほしいな…」


チャリーン

ウィィィン…

グイ…


歩夢「わ…!」


ベシ


歩夢「ああ…」

597 :>>1 :2020/12/15(火) 19:56:45.42 ID:Qyx4yZ2o.net
歩夢「惜しかったね。持ち上がったのに、すぐに落ちちゃった」

侑「ちっちっち…歩夢、一回で取れるような設定にはなってないんだよ、クレーンゲームって。璃奈ちゃんは今のでアームの力と反応速度を確認したんだから」

侑「ねっ!」

璃奈「そう。本番はここから」チャリーン

歩夢「あ、そうなんだ。そろそろ約束の時間になっちゃうから早くしてね」

侑「いけーっ、師匠ー!」

598 :>>1 :2020/12/15(火) 20:00:21.86 ID:Qyx4yZ2o.net
チャリーン…


チャリーン……


チャリーン………


…ポト


璃奈「!」

侑「と……取れたーーーーっ!!」ワーーイッ

璃奈「なかなか設定がきつい台だった」

侑「でも取れたよ、さすが璃奈ちゃん!」

璃奈「朝飯前」

歩夢「終わった?」ヒョコ

599 :>>1 :2020/12/15(火) 20:03:49.38 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「こっち私が持つよ。果林先輩にいいお土産ができちゃったね」

璃奈「これで安心して行ける」

侑「だねー」

歩夢「果林先輩、うまい棒って食べるのかなぁ」

侑「ぅ、確かに…」

璃奈「うまい棒、キライな人なの?」

侑「読者モデルやってる人なんだよね。それで毎日お弁当サラダだけとかなんだ…」

璃奈「だったら大丈夫。それ、サラダ味だから」

侑「────………!!」

歩夢「大丈夫かなぁ」

600 :>>1 :2020/12/15(火) 20:10:52.98 ID:Qyx4yZ2o.net
璃奈「ここから近いの?」トコトコ

侑「うん。歩いて十分くらいかな」トコトコ

歩夢「学生寮なんだって。一人暮らしなんてすごいよね」トコトコ

侑「私なんかお母さん達に甘えっ放しだもんなぁ」

璃奈「…」

歩夢「大学に行ったら一人暮らしするんじゃなかったの?」

侑「できるかな〜〜」ウゥ…

歩夢「大学生になったら一人で起きられる?」

侑「無理!」

歩夢「即答しないで…」

侑「起きる努力はするけど、ちゃんと起こしてほしい!」

歩夢「もう、仕方ないなぁ」

601 :>>1 :2020/12/15(火) 20:14:32.23 ID:Qyx4yZ2o.net
璃奈「…」トコトコ…

歩夢「璃奈ちゃん、緊張してる?」

璃奈「え?」

侑「緊張?なんで?」

歩夢「なんでって、璃奈ちゃんにとっては初対面の相手なんだよ。いくら私達と一緒だって緊張しちゃうよ。ね?」

璃奈「あ、うん」

侑「そっかー。でも果林先輩優しいから大丈夫だよ。背が高くて美人だから迫力はあるけど、落ち着いてて大人だもんね」

歩夢「そうだね。侑ちゃんが変なこと言っても笑って聞いててくれるもんね」

侑「へ、変なことなんか言ったことないよ!」

歩夢「へ〜。後で果林先輩に聞いてみよっか」

侑「う、それは……」タジ…

602 :>>1 :2020/12/15(火) 20:18:31.48 ID:Qyx4yZ2o.net
璃奈「……私…」

歩夢「うん、なあに?」

璃奈「侑さん達と一緒だから、全然緊張してなかった、けど」

璃奈「………考えたら、…怖くなってきた……」

歩夢「璃奈ちゃん…」

璃奈「私、こんなだから、果林、先輩、のこと、不快にさせるかもしれない…」

璃奈「…そしたら、侑さん達まで、…変な風に思われちゃう、かも…」ブル…ッ


侑「大丈夫だよ」ポン


璃奈「…!」

歩夢「怖くないよ。心配しないで」ソッ

603 :>>1 :2020/12/15(火) 20:23:21.23 ID:Qyx4yZ2o.net
侑「私達は璃奈ちゃんがいい子だってちゃんとわかってるから。もし果林先輩が勘違いしちゃっても、わかってもらえるまで何度だって話すよ」

侑「璃奈ちゃんが、どんなにいい子なのかって」

璃奈「…」

歩夢「果林先輩、いつでも笑顔でいる人じゃないけど、私達と一緒にいるときはいつも優しく見守ってくれるの。璃奈ちゃんのこともきっと可愛く思ってくれるよ」

歩夢「こんなに一生懸命で可愛いんだもん」

璃奈「……」

ゆうぽむ「「だから、怖がらなくて平気だよ」」

璃奈「………わかった」

璃奈「ありがとう、侑さん。歩夢さん」

璃奈「二人とも、優しい。すき」

侑「へへっ、やったね!」ニコッ

歩夢「私達も好きだよ!」ニコッ


璃奈と合流しました! ▼

604 :>>1 :2020/12/15(火) 20:24:14.04 ID:Qyx4yZ2o.net
璃奈を誘うシーンも描写を省いてしまったので、少し唐突な感じが出てしまいました。ご容赦ください
今日はこの辺で終わります

605 :名無しで叶える物語:2020/12/15(火) 20:42:56.73 ID:Bb0brfA3.net


606 :名無しで叶える物語:2020/12/15(火) 22:42:15.02 ID:+yJfdjAZ.net
おつ
歩夢から8人それぞれへの警戒度とか気になってくるなぁ

607 :>>1 :2020/12/16(水) 08:02:25.58 ID:MkwL5rSO.net
寮、果林の部屋…


ゆうぽむ「「お邪魔しまーす」」

果林「どうぞ」

侑「果林先輩、こちら、話した璃奈ちゃんです」

果林「!」

璃奈「は…初めまし、て。天王寺璃奈、です」

果林「初めまして。朝香果林よ」

果林 ジーッ

璃奈「…」ソワソワ

侑「ほら璃奈ちゃん、渡すものがあるよね」ヒソ

璃奈「う…うん」

608 :>>1 :2020/12/16(水) 08:06:52.88 ID:MkwL5rSO.net
璃奈「あ、あの」

果林「なに?」

璃奈「こ…これ、どうぞ」っパッケージ ズイッ

果林「…うまい棒?貰ってもいいの?」

璃奈「どうぞ、お土産、です」

果林「…ふっ」

果林「ふふ…うふふっ。面白い子ね、あなた。お土産にうまい棒をくれるなんて」ククッ

璃奈「美味しいし、いっぱい入ってる、ので」

果林「ええ、ええ、知ってるわ。そうね、美味しいしこれだけあったらたくさん食べられるわ」

侑「それ、クレーンゲームで果林先輩にって取ったんですよ。璃奈ちゃんすごく上手なんだよねー」

果林「そうだったの。わざわざありがとう、璃奈ちゃん。ありがたく頂くわね」ガサ

璃奈 ホッ…

609 :>>1 :2020/12/16(水) 08:13:05.37 ID:MkwL5rSO.net
果林「そっちのチョコレートもお土産なの?」ス

璃奈「これは私の。一週間のおやつ」

果林「あらそう。それじゃ貰っちゃうわけにいかないわね」

侑「果林先輩、うまい棒って食べますか?取った後になって、もしかしてそういうのあんまり食べないかなーとか思ったんですけど」

果林「たまにはお菓子だって食べるわよ。なにも毎日三食サラダばっかりなわけないでしょう?」

侑「よかった!それもサラダ味だから、お昼ごはんにできますよ!」

果林「……こういうお菓子の『サラダ味』って、サラダ油を使ってるってことよ」

侑「…えっ」

果林「別にトマトやカボチャの味なんかしないでしょ?味付けはたぶんほとんど塩だと思うし」

侑「野菜ってことじゃないんだ…!?」

歩夢「野菜だと思ってたの…?」

610 :>>1 :2020/12/16(水) 08:16:55.74 ID:MkwL5rSO.net
果林「立たせっ放しでごめんなさいね。さ、上がってちょうだい」

歩夢「失礼します」

璃奈 …クイクイ

果林「? どうかしたの?」

璃奈 ゴソゴソ…

璃奈「あげる」っチョコバー

果林「いいの?あなたのおやつが減っちゃうわよ?」

璃奈「チョコ、好きみたいだから。食べてください、です」

果林「…」

611 :>>1 :2020/12/16(水) 08:20:26.96 ID:MkwL5rSO.net
果林 ゴソゴソ

果林「それじゃ、私もこれあげる」っうまい棒

果林「お土産に貰ったものを返すようで悪いけど、交換っこしましょう。これならあなたのおやつも減らないし、私もチョコが食べられる」

果林「ウィンウィンでしょ?」

璃奈「……ありがとう」

果林「こちらこそ」ニコッ

612 :>>1 :2020/12/16(水) 08:26:31.19 ID:MkwL5rSO.net
服の山 コンモリ…


侑「これ、全部ですか…?」

果林「ええ。着るものは取り上げてクローゼットにしまってあるから、これはみんな処分しちゃっていい分よ」

璃奈「すごい量」

歩夢「そうだね…こんなにあったらファッションショーができちゃいそう」

果林「欲しいものがあったら持っていっていいわよ。合うサイズのものがあればね」

侑「うーん…」ヒョイ

侑「どう?」スッ

歩夢「裾が引いちゃいそうだね」

璃奈 ヒョイ スッ

侑「短めのワンピースみたいになってるよ」

歩夢「普通のシャツなのにね…」

璃奈「合うもの、なさそう」

613 :>>1 :2020/12/16(水) 08:31:26.13 ID:MkwL5rSO.net
歩夢「まずはアイテムごとに仕分けしよっか。それからまとめて処分を考えよう」

侑「璃奈ちゃん、フリマアプリの使い方ってわかった?」

璃奈「完璧」コクン

侑「さっすが!それじゃ、璃奈ちゃんは果林先輩にフリマアプリの使い方を教えててもらってもいい?私と歩夢で服の仕分けやっちゃうからさ」

璃奈「わかった」

果林「あなた、アプリとか得意なの?」

璃奈「それなりに、わかる」

侑「璃奈ちゃんスマホとか直せちゃうんですよ。も〜〜、最強の助っ人です!なんたって情報処理学科だもんね!」

歩夢「学科がどうこうってレベルの話かなぁ」

果林「へえ。それなら私より詳しくて当たり前よね。気兼ねなく教えてもらえるわ」

614 :>>1 :2020/12/16(水) 08:36:11.97 ID:MkwL5rSO.net
侑「それで、これどうやって分けたらいい?」

歩夢「まずはトップスとボトムスに分けちゃおっか。それからそれぞれの量を見てさらに細かく種類分けしよ」

侑「と、トップス…?ボトムス…??」

歩夢「上に着る服がトップスで、下に穿くものがボトムスだよ。ズボンとかスカートとか」

侑「こういうワンピースみたいなのは?」

歩夢「うーん…別枠にしておこっか。見た感じそれ系はあんまり多くなさそうだね」

侑「じゃあ私はワンピースみたいのとポップスを中心に集めていくね!」

歩夢「うん、お願い。あとトップスね」

615 :>>1 :2020/12/16(水) 08:40:36.50 ID:MkwL5rSO.net
ワイワイ…


果林「歩夢がいるから向こうは大丈夫そうね」

璃奈「AndroidとiPhone、どっちです、か?」

果林「スマホの種類よね?えっと…スマートフォンよ」

璃奈「…」

果林「…」

璃奈「見せて」

果林「はい」っスマホ

璃奈「アプリを落とすから、プレイストアを開いて」

果林「うん。落とすのね?スマホを?」

璃奈「…」

果林「…」

璃奈「触ってもいい?」

果林「どうぞ」

616 :>>1 :2020/12/16(水) 08:47:39.70 ID:MkwL5rSO.net
璃奈 スマスマスマスマ…

果林「へえ、さすが情報処理学科。慣れたものね」

璃奈「ここ、入力してください」スッ

果林「振込先口座を指定するのね。えーっと」スマスマ…

璃奈「読者モデル、なんですか」

果林「そうよ。侑達に聞いた?」

璃奈「はい」

璃奈「楽しい?」

果林 …ピタ

果林「どうかしらね」

果林「楽しい、と思う瞬間があるのは確かね。よりベストな角度を見つけたときとか、納得のいく写真を撮ってもらったときとか」

璃奈「…そう、ですか」

果林「はい、入力できたわ」

果林「興味があるの?」

璃奈「…わかんない、です」

果林「…そう」

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