みんなで桜坂しずくのSSを書くスレ

昨日、私はあの人とケンカした。

きっかけは些細なこと。

売り言葉に買い言葉になってしまってつい思ってもいないことも……。

私が悪いとはいえ、

大好きなあの人に嫌われてしまったらどうしよう。

あの人の声が聞きたい。

あの人と話したい。

だから私は"ごめんねの一言"を何度も送ろうとしたけど、

そんなことはないと頭では分かってはいても、

無視されるかもしれない、

そう思うと……手が止まる。

こういう時、うじうじと悩んでしまうのは、きっと私の悪い癖。

そしてケンカしても尚、私の頭はあの人の事でいっぱい。

そんな風にずっとあの人の事を考えていたらもう日が昇る時間。

久しぶりに徹夜なんてしてしまったから、

今日は授業にならないんだろうな……。

それに、きっと──。

いや、絶対にあの人のことを考えてしまうだろうから───。

その時、私のスマートフォンが鳴った。

──昨日はごめんね。

こんな時間なのに。きっとあの人も私の事を……。

そう思って、私は通話ボタンを思わず押してしまった。

あの人はすぐに出てくれた。

「──私こそ昨日は、ごめんなさい。」

さよなら、昨日までの気にしいの私。

そしておはよう、いつも通りの日常。

こうして私の一日が、あの人の一日が始まる。