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【SS】璃奈「出来た。押した人が食害になるボタン」

1 :代行(茸):2023/07/19(水) 16:15:25.89 ID:PHLc+3eJ.net
食害:人に食べ物を大量に押し付け、苦しみながらも食べてる様を楽しむ事

璃奈「我ながらくだらない物を作った。でも、開発しようと思ったらついつい完成させて、誰かに使わせたくなる……」

璃奈「取り敢えず放置しておこう、押したくなるように」イソイソ

3 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 16:19:52.74 ID:CLzXwP0Q.net
璃奈「誰が押すかな」(段ボールに隠れてる)

ランジュ「〜♪ おはよう!」ガラッ

璃奈(ランジュさんが来た。一番乗りだと思ってるからか、上機嫌)

ランジュ「ラ? 何かしら、このボタン」

璃奈(気付いた。押すかな?)

ランジュ「クイズ番組のボタンみたいね……よっ」スッ

璃奈(椅子に座った)

4 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 16:20:30.24 ID:CLzXwP0Q.net
ランジュ「問題です。テレンッ、虹ヶ咲学園にいるパーフェクトなスクールアイドルといれば?(裏声)」

璃奈(効果音まで自分でやってる……)

ランジュ「ピコンッ! それはランジュよ!」ポチッ

璃奈(押した。しかも自分の名前挙げた……)

ランジュ「正解です! ランジュさんに100万ポイント!(裏声)」

ランジュ「きゃぁ! アタシがクイズ王よ〜!」

璃奈(凄い、小学生を見てるみたい……)ジー

ランジュ「はぁ、何やってるのかしら。アタシ……」スッ

璃奈(座り直した……悩んでるのかな)

5 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 16:20:33.70 ID:XerMPXqQ.net
从[´・֊・]从

6 :名無しで叶える物語(SIM):2023/07/19(水) 16:23:18.07 ID:glPHlR84.net
ラ虐したいだけの低能は筆折れよ

7 :名無しで叶える物語(しうまい):2023/07/19(水) 16:23:35.02 ID:ojMVWcKV.net
期待

8 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 16:26:04.76 ID:CLzXwP0Q.net
ランジュ「栞子に、謝らなくちゃいけないわよね……」ショボン

璃奈(栞子ちゃんと喧嘩したのかな……話を聞いてあげた方がいいかも)

璃奈「あ、あの」

愛「おっはよー! お、ランジュ!」

ランジュ「あ、愛! 残念だったわね。ランジュが一番乗りよ!」

愛「そっかー、ランジュの方が早かったか〜!」

ランジュ「ふふん。アタシはいつだってパーフェクトだもの、部室に来るのも当然一番よ」キランッ

愛(後ろにりなりーいるけど黙っとこ)

璃奈(愛さんが来たから、私は不要かも……こっそりソファで寝てたことにしよう……)コソコソ

愛「あ、ランジュ。せっかくだし今日は愛さんと練習しない?」

ランジュ「愛と?」

愛「うん。アイトモから聞いたんだけどさ、最近愛さんとランジュのかっぷりんぐ?ってのが流行ってんだって」

ランジュ「へぇ。よくわからないけど、アタシと愛が一緒にいることが望まれてるみたいなのね」

愛「そそ。そうみたいだし、いっちょ見せつけにいってやろうよ」

ランジュ「きゃぁ、いいわね! なら早速行くわよ!」ダッ

愛「おっけー!」タタタ

璃奈(行っちゃった……)

9 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 16:28:56.26 ID:CLzXwP0Q.net
璃奈「それにしても、意外と効果が薄いかも……」

璃奈「愛さんの顔を見た途端に何か食べさせようとする感じはなかった……ホントに出来たのかな」

璃奈「そもそもランジュさんは誰かに何かをあげたがりだし、仮に成功しててもホントかどうかわからない……」ブツブツ

「璃奈さん?」

璃奈「うわ。しずくちゃん、来てたんだ」

しずく「うわ、って……ん。そのボタン、どうしたの? また何か作ったの?」

璃奈「うん。今度は押した人が食害になるボタン」

しずく「前は押した人の食欲が凄いことになるボタンだったっけ……よく作るね」

璃奈「こういうボタン作るの、楽しいから。璃奈ちゃんボード『クハハハハハ』」

10 :名無しで叶える物語(しまむら):2023/07/19(水) 16:32:43.23 ID:C/0F73GT.net
ランジュかわよ

11 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 16:32:57.18 ID:CLzXwP0Q.net
しずく「それで、そのボタンはもう誰かが押しちゃったの?」

璃奈「ランジュさんが押したけど、効果が出たかどうかはわからない。今は愛さんと一緒に練習行っちゃった」

しずく「そっか。それじゃあ、私も押してみてもいいかな」

璃奈「しずくちゃんが押すの?」

しずく「被験者が多い方が、ボタンの効果の真偽もわかりやすいでしょ?」ポチッ

璃奈「それもそうだけど……どう? 何か変わった?」

しずく「……うーん。特に、何か変わったところはない……かな?」

璃奈「やっぱり、失敗だったのかな」

しずく「遅効性なのかもしれないし、お喋りでもしながら待ってようよ。もしかしたら、急に現れるかもしれないよ?」

璃奈「……そうだね。それじゃあ、せっかくだからこれを片手にお話ししよう」

しずく「──それは?」

璃奈「部室に来る途中、焼き菓子同好会から貰った。皆で食べて、って全員分だからちょっと重かった」

しずく「……」ブツブツ

璃奈「……しずくちゃん?」

12 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/19(水) 16:47:39.52 ID:GTU0Cihj.net
しずく「ねぇ、璃奈さん。ソレ、食べさせてあげるね」

璃奈「え? あ、ありがとう……」

しずく「はい、あーん」

璃奈「あーん……はむっ。んむ……美味しい」

しずく「はい、あーん」

璃奈「あ、あーん……」パク

しずく「はい、あーん」

璃奈「自分のペースで食べるよ。それに、しずくちゃんの分なくなっちゃ──むぐっ」ガボッ

しずく「ふふっ。私はいいの。璃奈さんが美味しく食べてくれれば、それで」

璃奈「ん……けほっ、でも、せっかくしずくちゃんに見た目寄せて作ってくれたものを私が食べちゃ──むぐ」

しずく「いいのいいの。誰がどれを食べたかなんてわからないし、私は璃奈さんが食べてるところを見たいの」グググ

璃奈「もがっ、むぐ……」

璃奈(もしかして、ボタンの効果が現れた……!? なんで、今になって……)

しずく「ほら、璃奈さん。お口開けて」ニコニコ

璃奈「し、しずくちゃん。これ以上食べたら練習参加出来なくなっちゃ──むぐっ」

しずく「なら、ちょっぴりサボっちゃおう? 大丈夫。私が上手いこと言うから」グイッ

璃奈「ま、待っ……むぐっ、んっ……」グイ、ガボッ

13 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/19(水) 16:50:09.86 ID:GTU0Cihj.net
しずく「ダメだよ。璃奈さん、ボードで塞ごうとしたら。食べられないでしょ?」グイッ

璃奈「し、しず──むぐっ、ごぼっ……」ジタバタ

しずく「暴れちゃダ〜メ♡ ちゃ〜んと食べてね」グイッ、グイッ

璃奈「むぐっ、んっ……」

璃奈(愛さん、助けて……)

14 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/19(水) 16:56:26.42 ID:GTU0Cihj.net
しずく「あ、もう私のも璃奈さんのもなくなっちゃったね」

璃奈(よかった、解放される……)

しずく「あっ、あったぁ。鞄の中に、かすみさんから貰ったコッペパン」

璃奈(!?)

璃奈「っ、や、やだ……」ヨチヨチ

しずく「あっ。璃奈さん、逃げちゃダメだよ? ほら、食べて」グイッ

璃奈「や、やだ……」

しずく「た・べ・て♡」グイッ

璃奈「んぶっ、んんっ、んぐっ……んっ、んぐぅっ……」ジタバタ

しずく「暴れちゃダメ♡ かすみさんが作ってくれたパンなんだから、ちゃんと食べないと」グイグイ、グググ

璃奈(これは、変なものを作った私への罰なのかな……苦しい……)

璃奈(もう、無理……)ガクッ

しずく「あはっ。意識トンじゃったんだね、璃奈さん♡お腹パンパンだね、可愛い♡」

15 :名無しで叶える物語(しうまい):2023/07/19(水) 16:57:35.13 ID:ojMVWcKV.net
jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ

16 :名無しで叶える物語(しうまい):2023/07/19(水) 16:59:44.21 ID:Gt09Lcbh.net
マッドサイエンティストが成敗されててよかった(粉蜜柑)

17 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/19(水) 17:00:22.72 ID:GTU0Cihj.net
しずく「……」

しずく「──え?」

しずく「なっ、え……えぇっ……? わ、私……璃奈さんに、今……」

しずく「り、璃奈さん! お、起きて! 起きて!」ユサユサ

璃奈「……」(ショックで気絶&大量の炭水化物の摂取による血糖値フィーバーが訪れ、睡眠) 

しずく「……起きない……私、いったいなんてことを……! ううっ、こんな、軽はずみに……」グスッ、シクシク

18 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/19(水) 17:09:46.06 ID:GTU0Cihj.net
────

璃奈「ん……寝てた……」ムクリ

栞子「璃奈さん。大丈夫でしたか?」

璃奈「栞子ちゃん……あ、毛布、かけてくれたんだ。ありがとう」

栞子「床で寝ていましたが、寝不足ですか?」

璃奈「ううん、そんなに寝てないわけじゃないけど……ちょっと、思い出せない」

栞子「そうですか……ところで、起きたら聞こうと思っていたのですが、こちらの机にあるボタンはなんですか?」

璃奈「あ。このボタンは、押した人が食害になるボタン」

栞子「食害?」

璃奈「ええと、食害っていうのは……」

栞子「恐ろしいボタンですね……もう、誰かが押してしまったのですか?」

璃奈「えぇと、確か──っ、あ……」

栞子「璃奈さん?」

璃奈(そうだ、私……しずくちゃんに……)

璃奈「っ、栞子ちゃん! しずくちゃん見なかった!?」

栞子「いっ、いえ……あの、しずくさんがどうかなさったのですか……?」

璃奈「しずくちゃんが、このボタンを押して……食害になって、私を気絶させたの」

栞子「それは……緊急事態ですね……」

璃奈「しずくちゃんがいない……もしかしたら、しずくちゃんは誰かに食害をしちゃってるかもしれない」

栞子「それは、まずいですね……なら、探しにいきましょう!」タッ

璃奈「うん……! けど、その前にちょっとトイレに……」ヨロヨロ

栞子「あ、ついていきますね……」スタスタ

19 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/19(水) 17:15:57.35 ID:GTU0Cihj.net
璃奈「……あれは……」タッタッタッタッ

せつ菜「……」チーン

栞子「せつ菜さん!?」

璃奈「……気絶してる。足元に、スプーンが転がってる……」

栞子「もしかすると、しずくさんにやられたのでしょうか」

璃奈「ボタンの効果が切れてないんだ……」

栞子「ボタンの効果を切れさせる方法はないんですか?」

璃奈「食べ物がなくなるか、相手が気絶したりすると一時的に元に戻る。けど、根本的な解決じゃない……根本からどうにかするには、食害自身が負けを認めること」

栞子「負けを認める……なら、エマさんを探して、しずくさんにぶつけましょう。エマさんには大食いの適性があります」タッタッタッタッ

璃奈「……名案。なら、先にエマさんを探そう」タッタッタッタッ

20 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 17:25:09.90 ID:XerMPXqQ.net
😨

21 :名無しで叶える物語(茸):2023/07/19(水) 17:42:57.97 ID:iWC4nHiW.net
エマさん草

22 :名無しで叶える物語(たこやき):2023/07/19(水) 17:48:24.82 ID:oxuVVYO+.net
食害しずくとか危険すぎるだろ

23 :名無しで叶える物語(しまむら):2023/07/19(水) 18:00:18.44 ID:OGGVumrr.net
なんか栞子に草

24 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 18:30:06.62 ID:XerMPXqQ.net
支援

25 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 18:32:28.39 ID:+ZyajGOo.net
璃奈「エマさん、どこに……」タッタッタッタッ

栞子「あちらに果林さんがいます。もしかするとエマさんの居場所を知っているかもしれません」

果林「……」フラフラ

璃奈「果林さん!」

果林「……あら、璃奈ちゃんに栞子ちゃんじゃない……」フラフラ

栞子「果林さん、そのお腹と口元は……まさか!」

璃奈「しず」

果林「ランジュに……物凄く、お肉を食べさせられたの……」

栞子「えっ」

璃奈「あっ、そういえばランジュさんもボタン押してた……」

果林「愛が、必死に食い止めてくれてるけど……直に限界が来るわ……私はなんとか逃げてきたけど……愛は、もうダメよ……」ヨロッドサッ

栞子「……っ、果林さん! エマさんは、エマさんがどこにいるか知りませんか!?」

果林「こっちが、聞きたいわよ……」チーン

璃奈「最悪の状況……いくらエマさんでも、食害を2人まとめて相手にするのは無理。もう一人、強力な大食い生徒を連れてこないと……」

26 :名無しで叶える物語(SB-iPhone):2023/07/19(水) 18:38:07.51 ID:PYfdQnhj.net
ᴗ ˆ˵リ

27 :名無しで叶える物語(たこやき):2023/07/19(水) 18:46:00.62 ID:caxDf9bu.net
バケモンにはバケモンをぶつけるんだよ!
2人を遭遇させるんだ

28 :名無しで叶える物語(たこやき):2023/07/19(水) 18:53:37.75 ID:sYhSI3VH.net
>>26
大食い同好会影のエース

29 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 18:57:56.03 ID:+ZyajGOo.net
栞子「一度、やることを整理しましょう」

璃奈「うん、わかった」

栞子「せつ菜さんや果林さん等の被害者は副会長や何故かいた綾小路さんに介抱していただいています」

璃奈「うん。だから私たちはランジュさんとしずくちゃんを止めることを最優先にする」

栞子「ので、確実にどちらかを止めることが出来るのはエマさんです」

璃奈「……うん」

栞子「まずは被害を減らすことが最優先です。故に、エマさんを見つけてからは、接敵した方にぶつけましょう」

璃奈「わかった。なら、エマさんを探そう」

栞子「それなのですが……冷静に考えたら、まずはエマさんに電話をかけてみればよいのでは?」

璃奈「……単純すぎて、忘れてた。やってみる」ピポパポ

prrrrrr

エマ『チャオ! 璃奈ちゃん、どうしたの?』

璃奈「エマさん。緊急事態だから、今すぐ来て欲しい。私たちは今彼方さんのお昼寝スポットにいる」

エマ『何か凄い事みたいだね……わかった、急ぐよ! でも、彼方ちゃんをおんぶしてるからちょっと遅れちゃうかも!』

璃奈「彼方さんをおんぶ……?」

エマ『食べ過ぎでお腹が苦しいみたい。だから、胃薬を探してたんだぁ。でも、璃奈ちゃんがそこにいるなら助かるよ。璃奈ちゃんなら持ってるよね?』

璃奈「……うん、持ってる。じゃあ、一旦切るね」

エマ『バイバ〜イ』ピッ

栞子「これは……マズいですね、まさか彼方さんまでやられているとは……」

30 :名無しで叶える物語(たこやき):2023/07/19(水) 19:09:29.22 ID:sYhSI3VH.net
なぜかいる日本草

31 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/19(水) 19:37:51.13 ID:5b0pEiJU.net


32 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 20:04:36.58 ID:+ZyajGOo.net
エマ「来たよ〜」

彼方「うぅ……お腹痛い……」

璃奈「はい、胃薬」

彼方「助かるよ〜……」フラフラ、ゴク

エマ「それで、緊急事態ってどうしたの?」

璃奈「……しずくちゃんと、ランジュさんが私の作ったボタンのせいで暴走を始めちゃったの。食害になっちゃって」

栞子「エマさん。あなたには大食いの適性が大いにあります」

エマ「えぇと、つまり?」

璃奈「ランジュさんかしずくちゃんのどっちかと出会ったら、きっと沢山ご飯を食べさせられそうになるから、エマさんは思いっきり食べ続けて欲しい」

エマ「んんと、よくわからないけどご飯を沢山食べればいいんだね。今日はお腹ペコペコだから、任せて!」

栞子「まずは、第一目標は達成しましたね」

璃奈「うん。次は大食いの出来る子を連れてこないと……同好会メンバーで、今動けそうなのって誰だろう」

栞子「現状が不明なのはかすみさん、歩夢さん、侑さん、ミアさんですね」

璃奈「なら、かすみちゃんに声かけしてみようと思う。かすみちゃんも中々にやる子だし」ピポパポ

prrrrrr……

『もしも〜し♡』

33 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 20:15:01.55 ID:+ZyajGOo.net
璃奈「!?」

『ん〜? りな子〜? どうしたの〜?』

璃奈「……食害になったからか、演技が下手じゃないかな。しずくちゃん」

しずく『バレちゃいましたか』

璃奈「どうして、しずくちゃんがかすみちゃんへの電話に出てるの?」

しずく『簡単ですよ。今、かすみさんと一緒にいるんです♡あ、見ますか? 今、かすみさんが必死に悶えながらパンを頬張ってるんです♡世界一可愛いかすみさんが、泣きながら、だぁいすきな美味しいパンを頬張って、顔を歪めてるんです♡この様子が最高に可愛いんです♡』

璃奈「……食害になって、変な癖も目覚めた? どこかの神父様みたいだよ、しずくちゃん」

しずく『失礼ですね、元からですよ♡』

璃奈「うわ……もういいや、かすみちゃんがダメなら仕方ないや」ピッ

栞子「先回りされていましたか」

璃奈「仕方ない。けど、今すぐに電話をかければ、まだ」ピポパポ

prrrrrr……

ミア『hey、璃奈。どうしたんだい?』

璃奈「ミアちゃん、今すぐここまで来れる? 助けて欲しい」

ミア『璃奈のお願いなら、すぐにでも飛んで行くよ。何を頼みたいんだい』

璃奈「……大食いを、して欲しい」

ミア『……悪いね、璃奈。さっきの言葉は訂正させてくれ。それは無理だ』

璃奈「どうして?」

ミア『ついさっき、ふざけた態度でバーガーを沢山押し付けて来るベイビーちゃんを相手にしたんだ。ソレを潰すのに、ちょっと手間取った。おかげで少し腹痛気味なんだ』

璃奈「……そう、なんだ。後で特性の胃薬を届けるよ」

ミア『すまないね……力になれないどころか、助けられちゃって』

璃奈「……うん。お大事に」ピッ

栞子「ミアさんもダメでしたか」

璃奈「うん……ついでに、侑さんも私が気絶している間にボタンを押しちゃってたみたい。ただ、ミアちゃんが潰してくれたって」

栞子「流石、ミアさんですね……アメリカ出身は伊達じゃないです」

34 :名無しで叶える物語(しまむら):2023/07/19(水) 20:19:50.07 ID:OGGVumrr.net
侑ちゃん…

35 :名無しで叶える物語(しうまい):2023/07/19(水) 20:20:01.08 ID:ojMVWcKV.net
スイッチ押してもクソザコで草

36 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 20:24:48.63 ID:+ZyajGOo.net
璃奈「……残りは歩夢さん。歩夢さんでダメなら、一旦他の手を考える」ピポパポ

栞子「それしかないですね……一応、私の方でもダメ元で頼ってみます」ピポパポ

prrrrrr……

歩夢『もしもし、璃奈ちゃん? どうしたの?』

璃奈「歩夢さん。ちょっと緊急のお願いなんだけど、いいかな」

歩夢『何? 私に出来ることなら、やってみるけど……』

璃奈「大食いって……できる?」

歩夢『お、大食い? な、なんで?』

璃奈「かくかくしかじかで」

歩夢『そうなんだ……わかった、今からそっちに──璃奈ちゃん、ごめん』ピッ

璃奈「えっ?」ツー、ツー……

璃奈「……切れた」




栞子「ですから、姉さんに大食いの適性はありません。ですが、一刻を争う緊急時なんです。妹と生徒のためを思うのなら行動できませんか?」

『いや、マジで休ませて……今、胃とか色々荒れてるからさ……7000km運転するために色々ボロボロになったとこに、大食いって……アタシ壊れちゃうから……』

栞子「そこを何とかお願いします、紫苑女学院の元スクールアイドルとしての意地を見せてください」

『スクールアイドルの意地って、そういうトコに使わんでしょ……もう、無理な物は無理だから……ごめんって』ピッ

栞子「……」ツー、ツー

栞子「あとで姉さんのバイクにAHONDARAって落書きしますか」チッ

37 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 20:25:13.41 ID:+ZyajGOo.net
璃奈「栞子ちゃん、どうだった?」

栞子「ダメでした。体がボロボロなので無理だと」

璃奈「そっか……こっちも、よくわからない内に切れちゃった。もしかしたら、しずくちゃんと接敵したのかもしれない」

栞子「そうですか……なら、エマさんをランジュの所にぶつけましょう」

エマ「よ〜しよしよしよし」ナデナデ

彼方「にゃぁ〜……」ゴロゴロ

栞子「エマさん、出番です。あなたの相手が決まりました」

エマ「! ……ランジュちゃんと、なんだね?」

栞子「はい。ランジュを、お願いします」ペコッ

璃奈「お願いします」ペコッ

エマ「任せて。お友達の暴走は、私が止めてみせるよ!」キリッ

38 :名無しで叶える物語(SB-iPhone):2023/07/19(水) 20:30:13.68 ID:xPTqbQv+.net
一応まだ生存してるかすみん見捨てられてて笑う

39 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 21:46:41.75 ID:+ZyajGOo.net
璃奈「それじゃあ、ランジュさんに電話をかけるね」

栞子「はい、お願いします」

璃奈「うん」ピポパポ

prrrrrr……

ランジュ『你好! 璃奈!』

璃奈「ランジュさん。今、どこにいるの? 愛さんは?」

ランジュ『今は食堂よ! アタシが呼んだシェフの作った肉料理のフルコースで、愛にお礼を伝えてるのよ!』

璃奈「……本当は?」

ランジュ『愛が頑張って、必死に肉を食べてるところを眺めて楽しんでるの♡』

璃奈「そう……なら、もうやめて」

ランジュ『ラ? どうしてかしら? これがアタシのやりたいことよ?』

璃奈「ランジュさんのやりたいことは、友達を傷つけることなの?」

ランジュ『……』

璃奈「私たちの手で、やめさせてみせる。元のランジュさんに、戻す」

ランジュ『そう。なら、おいで。愛の続きを味わわせてあげるわ』ピッ

璃奈「……」ツー、ツー

栞子「どうでしたか、璃奈さん」

璃奈「食堂に行こう、そこにランジュさんと愛さんがいる」

エマ「急いで行かないと!」

彼方「いってらっしゃ〜い」フリフリ

栞子「えぇと、彼方さんは……」

彼方「ここで寝てる〜」

璃奈「ん、わかった。じゃあ急ごう」タッタッタッ

40 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 22:01:30.22 ID:+ZyajGOo.net
璃奈「愛さんっ」バァン

栞子「ランジュっ!」バァン

愛「り、なりー……」チーン

ランジュ「あら、随分早かったわね。おかげで、愛もまだ意識があるわ」

璃奈「愛さん、これ飲んで。胃薬」

愛「ありが、と……」ゴク

栞子(おびただしいほどの量の皿……二十枚は超えていますね。愛さんと果林さんがこれほど食べても、ランジュは満足しなかったのですか)

ランジュ「さぁ、次は誰がアタシに愉悦を感じさせてくれるのかしら?」

エマ「私だよ」

ランジュ「エマ。あなたも沢山食べるのよね。なら、最初からクライマックスで行くわよ」パチンッ

ズラァーッ

璃奈「見るだけでお腹いっぱいになりそうな量の肉料理……」

愛「エマっち……気を付けて……コレ、洒落にならない奴だから……っぷ、うぅ……」

栞子「愛さん、こちらへ……」ズルズル

エマ「大丈夫だよ。私、今日はいつもよりお腹空いてるから!」ムシャァームシャシャシャー

ランジュ「ふふっ。どれだけ食べるのかしら♡」

41 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/19(水) 22:21:55.48 ID:+ZyajGOo.net
エマ「お肉は冷めちゃうと美味しくなくなっちゃうから、急いで食べないと」ムシャァームシャシャシャー

エマ「ん〜っ、ボ〜ノ〜!」カンッ

ランジュ「流石ね。愛が一時間かけた量を10分で平らげるなんて」

ランジュ「さ、もっと持って来て! エマ、あなたのその笑顔が歪むまで食べさせてあげるわ!」

エマ「Eccellente. Vieni da me, ragazza cinese」

璃奈「日本語でおk」

栞子「おそらく、かかって来い……みたいなニュアンスだと思います」

ランジュ「さぁ、追加はさっきの倍よ! 好きなだけ食べなさい! 食べられなくなったら、アタシがいくらでも食べさせてあげるわ」

エマ「まだまだ……!」パクーパクククー、パァクゥクゥー

ランジュ「……やるわね。でも、まだまだ追加よ!」

栞子「! エマさん、まだ五皿目を食べてる途中なのに……」

璃奈「これが食害……食害は相手のペースなんて考えない、ひたすらに食べさせることしか考えてないから」

ランジュ「さぁ、エマ。もっともーっと食べなさい♡ステーキ以外がいいなら、別で食べさせてあげるわ!」

エマ「ふぅ……なら、ブラートヴルストを出してくれるかな?」

ランジュ「いいわよ。作れるわね?」

ランジュの呼んだシェフ「え、えぇ……今からとなりますと……」

ランジュ「あら。出来ないとは言わせないわよ? 報酬の件、忘れたとは言わせないわ♡ アタシと寝られるのよ♡」

ランジュの呼んだシェフ「きゅぅ……わ、わかりました……!」ダダダダダ

栞子「ランジュ……!」ギリッ

璃奈「栞子ちゃん……?」

エマ「栞子ちゃん、抑えて。全部は、食べ終わってからだよ」キッ

ランジュ「さぁ、どんどん食べて、エマ。アタシの欲を満たして見せて頂戴」

ランジュ「ん。来たみたいね。やれば出来る子だわ」チュッ

ランジュの呼んだシェフ「な、投げキッス……きゅぅ……もう今日が命日でもいいや」キュンッ

璃奈(熱烈すぎる……)

42 :名無しで叶える物語(SB-iPhone):2023/07/19(水) 22:55:34.42 ID:UYouzAVw.net
素直に羨ましい

43 :名無しで叶える物語(しうまい):2023/07/19(水) 22:57:53.47 ID:9HzeuTRs.net
パァクゥクゥー可愛い

44 :名無しで叶える物語(たこやき):2023/07/19(水) 23:00:22.32 ID:oxuVVYO+.net
エッッッッッ

45 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2023/07/19(水) 23:44:03.54 ID:4Z/EHw0P.net
つよい

46 :名無しで叶える物語(らっかせい):2023/07/19(水) 23:54:57.03 ID:+sXEIyAX.net
全て璃奈のせいなのにもういいや、かすみちゃんがダメなら仕方ないやって人の心が無さすぎる

47 :名無しで叶える物語(えびふりゃー):2023/07/20(木) 00:14:35.62 ID:k1EO/Rbz.net
姉は…根性無しでした…

48 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/20(木) 07:45:01.47 ID:Ot8Lgr+D.net
────

エマ「はぐ……むぐ……」グググ

璃奈「……エマさんの顔から笑顔が消えた」

栞子「食べるペースも、落ちています……既に30以上の皿を平らげているので、当然のはずですが……」

ランジュ「あら? エマ。手が止まってるみたいね、アタシが食べさせてあげるわ、ほら」グイッ

エマ「っ……ありがとう。ランジュちゃん、でも大丈夫だよ。絶対に食べきるから」バク、パパパク

エマ(お腹が苦しい……もう既にお腹いっぱいなんて通り越してる……けど、私は3年生で、皆のお姉ちゃんだから……負けられないよ!)

ランジュ「そろそろかしら? エマ。顔にも仕草にも余裕がなくなってきたみたいね♡」

エマ「っ、む、ぐ……ぐ、ヴっ……う……」プルプル

栞子「エマさん!」

璃奈「っ、もう無理しちゃダメだよ。エマさん、ごめんなさい……」

エマ「わ、私こそ……ごめん」ドサリ

ランジュ「きゃぁ。気絶したわ! これがドカ食い気絶ってやつね! 果林や愛でも見られなかったから、とーっても頑張ったのね、エマ!」

49 :名無しで叶える物語(もんじゃ):2023/07/20(木) 07:51:15.51 ID:Ot8Lgr+D.net
ランジュ「さぁ、次は誰にしようかしら。歩夢? それともミア……誰に振舞うかワクワクが止まらないわ」

璃奈(……ボタンの効果が一時的にすら切れてない……きっと、まだ食べ物がある状況だからなのかな……)

ランジュの呼んだシェフ「あ、あの、ランジュ様……報酬の件は──」

ランジュ「いいわよ。夜、アタシの部屋に来なさい。可愛がってあげるわ」

ランジュの呼んだシェフ「きゃーっ、ありがとうございます、ありがとうございます!」

栞子「……ランジュ。その方は……」

ランジュ「あぁ、ライフデザイン学科のフードデザイン専攻クラスの子よ。アタシのファンみたいだから、付き合って貰ったの。
報酬に、アタシと一晩過ごせるって条件を付けたら、今みたいに頑張ってくれた、と〜ってもいい子よ」ナデナデ

ランジュの呼んだシェフ「きゅぅ……ありがたき幸せです……」

栞子「っ……ランジュ……!」ギリッ、ギリギリギリ

璃奈(栞子ちゃん……今まで見たことないくらい怖い顔……歯ぎしりが凄い……)

ランジュ「あら? 何かしら、栞子。後悔でもしてるの?」

栞子「……しています。私が、どうしてエマさんを連れてくればあなたをどうにかできると思ったのかを」スッ

ランジュ「……へぇ、あなたが食べるのね。大丈夫かしら? 栞子じゃエマの半分も──」

栞子「食べられないでしょうね。ですが、私はあなたに挑まなければなりません」

ランジュ「……」

栞子「些細なこととは言えど、あなたと言い合いつかみ合いの喧嘩をした上に、私はあなたに『もう友達じゃない』なんて、酷い言葉をかけてしまいました……」

璃奈「あっ……」

──

ランジュ『栞子に、謝らなくちゃいけないわよね……』ショボン

──

栞子「手前味噌ですが、私はあなたの一番の親友でした。なのに、それが突然『友達じゃない』なんて言えば、ランジュの心に穴が空くのは当然でした」

ランジュ「……」

栞子「だから、あなたは食害になったことを含めて自分の心を満たそうとした……でも、満たされない。空いた穴の形と違うピースは、ハマらない」

ランジュ「……そうよ、栞子。もうあなたとは友達じゃなくなっちゃった。だから、これで楽しもうとした……それの、何が悪いの?」

栞子「いえ。否定するつもりはありません……ですが、お願いします。ランジュ。私に謝る機会と、もう一度友達になる機会をください」

ランジュ「っ……しお──」

栞子「いきます」スッ、パクーッ

50 :名無しで叶える物語(SB-iPhone):2023/07/20(木) 08:47:14.79 ID:c+2zShl3.net
栞子が歯軋りしたら欠けそう

51 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/20(木) 11:30:12.63 ID:C1xi1GsB.net
食害という性癖は初めて知ったが、中々唆るものがあるね
知見

52 :名無しで叶える物語(SB-Android):2023/07/20(木) 11:43:43.08 ID:UTtmgOTB.net
>>51
性癖って言うのかはわかんにゃい
元々はゾムって人のお遊びみたいな奴だったから

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