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【IDあり】別館★羽生結弦&オタオチスレpart48

206 :名無し草:2022/11/02(水) 17:40:01.53 ID:dk6OPVIB.net
>>205
 彼は、彼自身の目指す芸術作品の完成を目指した。

 もちろん結果も目指したのは当然だが、作品の完成を目指すことと採点の結果を望むこと、そのどちらが優れているとか上下の問題ではなく、羽生結弦にとって北京五輪とは、これまでのアスリート人生すべてを内包した「芸術表現」の場だった。

 そして、羽生結弦という「オリンピックの子」は、オリンピックの枠には収まらなくなっていた。


スポーツ競技の枠を超えた芸術という「文化」の継承

 文学的な話をするなら「記録」だけでは「伝説」とはならない。記録と伝説はイコールではない。「時代の人」=時代の申し子として、その時代を体現して初めて「伝説の人」=レジェンドと呼ばれるようになる。男性バレエダンサーなら自身の跳躍と振付で20世紀バレエの幕開けを告げたヴァーツラフ・ニジンスキーや、1961年にソ連から亡命して欧州バレエの世界に大きな影響を及ぼしたルドルフ・ヌレエフだろうか。この二人は「時代」の子であった。そして歴史上の「伝説」でもある。

 後述する内容のためにあえてバレエ芸術に例えたが、いまや羽生結弦のスケートは単なるスポーツの枠を超えた芸術となった。

 こうした古き良きロシアバレエと同様、ロシアのフィギュアスケートもアレクセイ・ウルマノフ(1994リレハンメル・金)、イリヤ・クーリック(1998長野・金)、アレクセイ・ヤグディン(2002ソルトレイク・金)、そしてエフゲニー・プルシェンコ(2006トリノ・金)がそうであったように、高い芸術性と叙情性が単なる点取り合戦の枠を、ともすればスポーツの枠をも超えてきた。

 ちなみに五輪メダリストではなく贔屓目で申し訳ないが、これにロシアのフィギュアスケート選手に限ればアレクサンドル・アブト(2002ソルトレイク代表)も加えたい。芸術性なら彼もまた引けを取らない。とくにアブトのキャメル、本当に美しかった。女子ならマリア・ブッテルスカヤ(1998長野、2002ソルトレイク代表)だろうか。バレエ芸術の極み、叙情性を秘めた美しい演舞、とくに指先が本当に綺麗だった(たかが指先ではない、大変に重要である)。この伝統的な芸術はエリザベータ・トゥクタミシェワ(2015年世界選手権・金)に受け継がれている。トゥクタミシェワの存在そのものが芸術であり、彼女のトリプルアクセルは文学である。

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