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宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど

886 :◆tyrQWQQxgU :2020/07/08(水) 21:45:58 ID:QhFDALG00.net
「さて…いつ来るかな」
 ソニック大尉は辺りを見渡した。
 アレキサンドリアの持ち場を離れた彼らは、本部近くの比較的開けた通路に陣取っている。エゥーゴの抑えた地点から考えると、ここを通らなければ本部までは到達出来ない筈である。
『…正直なところ、ここまで敵が到達することがあればもう手遅れね』
 ウィード少佐が溜息をついた。左遷早々に負け戦とはつくづく運のない部隊だ。
「まあな。仮に殲滅したとしても、増援を迎え撃つだけの戦力は残っていないしな」
 変わらず索敵を続けながら応えた。
『だったら早く撤退すべきでは?このまま戦ったって何の意味も…』
 ステム少尉が口を挟む。
「はいどうぞとコンペイトウを明け渡すのか?ここを簡単に取られたらグリプス2の件も情報が渡る。俺達はギリギリ迄粘らんといかんのだ」
『そんなこと言ったって…』
 ステム少尉が言い終わるより早く、レーダーに敵反応。2機。
「来たな…俺が行く。2人はここで待機だ」
『『了解』』
 2人をその場に残し、ソニック大尉は単独で敵を追った。

 まだ本部へ続く通路には気付いていないらしく、近くで右往左往している様子がわかる。大尉は大きく迂回しながら敵の後方へと回り込んだ。
「GM2か。バッタ共はまだ来ていない様だな」
 2つの機影はGM2で違いなかった。遮蔽物を利用しつつ、背後から忍び寄る。
「…遅いんだ」
 敵がこちらに気付いたその時、大尉は先手を打って敵の1機をコックピットから撃ち抜いた。崩れ落ちる機体を盾にして更に接近すると、残る1機へ掴みかかる。頭部を抑えると、そのまま床へと叩きつけた。叩きつけられ這いつくばった敵のコックピットを静かに撃ち抜く。

「…ふむ。近い」
 ゆっくりと立ち上がりながら周囲の反応に気付いた大尉は警戒を続ける。今度は3機ほどまとまっているのを見つけた。
「戻るか?…いや、どの道かち合うなら…これ以上近づかれる前に叩くべきか」
 敵を迎え撃つ判断を下した大尉は、再び遮蔽物に隠れる。熱源反応だけでは敵味方の区別はつくまい。撃破したGM2のそれに紛れて見えるだろう。交戦距離になればこちらから仕掛けるだけのことだ。
 現れた敵は幾らか警戒心が強い様に思えた。的確にルートを選択しながら確実に進んでいる。そのうち1機のGM2が先行しながらこちらへ向かってくる。
「…後ろのやつはマラサイか。みすみす敵に機体まで奪われるとは」
 先行するGM2の後ろにマラサイが見える。識別を見るに占拠された拠点の予備機らしかった。
「!」
 その時、GM2がこちらへ発砲してきた。肩をビームが掠める。
「何故バレた…?」
 すぐにバーニアを吹かすと、敵と一定の距離を取る。敵がこちらを視認していたとは考えづらい。
「…またやつか」
 GM2、マラサイの背後に、月で見た例のレドーム付きのネモがいた。恐らくこの機体の装備でこちらが味方では無いことを判別したのだろう。

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