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誰かが能力くれるから学校で戦え

1 :名無しになりきれ:2014/04/14(月) 08:31:35.98 0.net
なぜ落ちたし

2 :名無しになりきれ:2014/04/14(月) 10:04:44.22 0.net
>>1
糞スレ立てんな氏ね

3 :名無しになりきれ:2014/04/14(月) 12:24:42.90 0.net
名もなき者たち(名無し)から【能力】を授かって、7日間にわたる"生徒会戦挙"を生き抜こう。
最後まで勝ち残った生徒は次期生徒会長の座を獲得し、校内における絶大な権限を握ることができるのだ。

前スレ:
誰かが能力くれるから学校で戦え
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1361248412/

【用語】
・生徒会戦挙:【能力】を使って行われる7日間の勝ち残りバトルロワイヤル。最後まで残った者が次期生徒会長となり、絶大な権限を手にする。
・能力:人を超える力。"XXみたいな能力ください"と言うと名無しが考えてくれるかもしれない。前スレにも使われていない能力がたくさんありますよ。

・戦挙管理委員会(戦管):怪我人の搬送や、暴走した生徒の鎮圧など、戦挙を滞りなく進めるための委員会。元生徒会の者たちが自動的に引き継ぐ。
・戦管/鎮圧部隊:暴走生徒の鎮圧を専門にした武闘派集団。現在は戦管を離反し、「能力浄化」を謳う元生徒会長に率いられ、無差別に生徒を襲う。(敵役なので必ず敗れる)
・賢人委員会(ワイズマン):戦管から離反した勢力の穴を埋めるために補充された、生徒会OBたち。他にも別命を帯びている……?
・理事会:学校運営の最高機関。全ての決定は理事会によってなされる。
・保健室:リスポン地点。3ダウンで戦挙への立候補資格を失う。
・能力浄化:【能力】こそが一生徒を暴力へと駆り立てるのだという考え方。元生徒会長が標榜し、彼自身の能力【異能食い】で全生徒から異能を取り去ってしまう計画。

【勢力図】
・戦挙立候補者:同じ立候補者を排して、勝ち残りに注力する勢力。
・戦挙管理委員:基本的に傍観者。立候補者のサポートを行う。能力による暴走者が出た時は立候補者と協力して臨むこともある。
・鎮圧部隊:元戦管属だが、今は敵。立候補者と戦管を襲って【能力】(異能)の排除を目論む。敵役。

4 :黄昏夕日と黎明あけの ◆hqPjKaC066an :2014/04/14(月) 12:34:30.15 0.net
名前:黄昏 夕日(たそがれ ゆうひ)
性別:女
年齢:18歳
身長:172cm
体重:52kg
学年/部活等:高校3年生/生徒会戦挙管理委員会 鎮圧部隊所属
容姿:髪形は背中まであるロング。美人だが、意思の強そうな瞳とピンと伸びた背筋から、ハンサムと言った方がしっくりくる。
能力:
(前スレ)>>80【千子村正】
いつでもどこでも刃渡り90cm程度の一振りの斬れ味が良い長剣を出すことが出来る。
その長剣は軽く感じるので素早く振り回すことが可能な上、剣を持った時に使い方がわかるので達人のように扱える。ただし剣は連続して生成出来ないので基本は一振りだけ。
長剣は力強く振ることで風の刃が巻き起こり、見た目以上のリーチを誇る。上手くすれば炎やら水やらに風の刃をぶつけて斬り裂いて防御に使える。
戦闘不能に陥る覚悟があれば、捨て身の心を持って剣先を向けて刃が射出されるイメージを放てば剣の刃が高速で発射される。
威力は強力であらぬ方向に撃っても当てたい者へ反射して飛んでゆく。ただしこれを放つと剣が使えなくなるので本当に最後の切り札。
要約すると、風のように素早くリーチのある剣をいつでも生成し、それを達人のように扱える能力。欠点は剣を無くすと戦えなくなり、打たれ強さに難があること。名前は無いので命名は能力者に委ねられる。ちなみに、戦いをたくさん経験することで成長する。
人物紹介:
元女子剣道部主将。3年になってからは生徒会役員入りした。凛々しい容姿と性格から女子生徒に人気が高い。
武装は能力名ともなっている【千子村正(せんじむらまさ)】。風を纏う一刀。
後輩・黎明あけのの随伴歩兵として彼女の護衛をするのが主な仕事。

名前:黎明 あけの(れいめい あけの)
性別:女
年齢:17歳
身長:158cm
体重:45kg
学年/部活等:高校2年生/生徒会戦挙管理委員会 鎮圧部隊所属
容姿:桃色の髪をツインテールにしている華奢な女生徒。伏し目がちで引っ込み思案。
能力:
(前スレ)>>107【Machinery Smith<機械生成>】
特定の使用法(指定可能)を持った機械を生成するができる能力。
たとえば土を掘削する機械など。ただし生成を行うと空腹に見舞われる上周囲の金属を無差別に吸収して使用するため被害が甚大というデメリットがある。任意で機械を分解し素材に還元することも可能。
人物紹介:
先輩の黄昏夕日をお姉さまと慕う引っ込み思案な少女。普段はおっかなびっくりだが、お姉さまのためなら体もはるし、命もかける。
能力は周囲の金属を自分の体と融合し、機械(主に兵器)として変容させる。しかし能力の制御は不完全。
過去に、取り込んだ金属の還元がうまくいかず重金属中毒のような症状を起こしたため、外科手術で体内の残金属を摘出したことがある。
最近、自身の能力の影響で、体の一部が半金属化していることに気が付いている。
武装は、四脚のパワードスーツと長距離カノン+ハンドガン(銃器はゴム弾使用)。近距離戦もこなすが機敏には動けない。
四脚のそれぞれに装着されたバンカー(打出し杭)でどんなところにもでも機体を固定でき、またカノンの反動にも耐えることができる。
黄昏夕日が敵の足止めをしている間に狙撃を行うなど、黄昏とコンビで動くことがほとんど。

5 :黄昏夕日と黎明あけの ◆hqPjKaC066an :2014/04/14(月) 12:37:25.91 0.net
前スレ容量オーバーのため、以前の返答レスは既に下記の避難所スレッドへ記載しています。(>>334-335)
お手間かと思いますが、こちらを参照してください。

なりきりネタ板総合避難所・四軒目
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1297944995/334-335

【黄昏夕日と黎明あけの:入江紅牙と交戦中】

6 :黒響 蝦蟇 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/14(月) 14:56:07.18 0.net
獲物を求め校庭を闊歩する黒響。見付けた生徒を片っ端から吹き飛ばすつもりだった。

だったと言うのは、旧校舎の裏庭近くを通った時、『今にも戦闘開始』という感じの生徒を二人見かけたが、黒響は手を出さなかった。

その一人が同じ鎮圧部隊だったからという訳ではない。その一人がまるで野生の獣だっからという訳でもない。
むしろ二人とも黒響には大好物だった。
しかし、二人から漂うただならぬ雰囲気が、黒響の戦闘意欲を削いだ。

「まッ、生き残った方を後で喰っちまえばいい話だ。」
そう自分に言い聞かせるかのように呟いた。それが更に黒響を苛つかせる事となった。


再び獲物を求め闊歩していると、今度は一人の女生徒が目に止まった。
その女は今まで出会った誰とも違う異形な姿をしていた。

ゴーグルの着いたヘッドギア、重々しいバッグパック、脚にはブースターの様な物を付けて、まるで未来からきた兵士の様だ。

「なんだありャ?アンドロイドか何かかァ?」
だが暴れたくて仕方のない黒響にとっては、相手の正体など正直どうでもよかった。

気がつくと黒響は駆け出していた。女生徒の前に黒い巨体が立ちはだかる。

「よォ、てめェ。俺様の獲物になれやァ!」
そう一言だけ言うと、黒響の拳は女生徒:隼鐘悠綺に襲いかかった。

【黒響 蝦蟇:隼鐘 悠綺に素手で襲いかかる。】※黒鐘の能力を使うには対象者の悪意が必要です。殺意・嫌悪感を対象者又は黒響本人がもたない限り使用できません。

7 :比良坂詠未・冥瞳星羅ペア ◆taZqHR8ods :2014/04/14(月) 17:59:39.94 0.net
名前:比良坂詠未(ひらさかよみ)
性別:男
地位:1年
体格:159cm、痩せ形
能力:【鎌獄鼠嵐】
身体の至るところから鎌や穂先を初めとした黒い刃を生やす事ができる能力
この刃には例外なく赤い紋様が刻まれており、他人の血を吸う毎に強化されて行く
この刃を振るえば黒い風が巻き起こり、それに乗って移動力を高めることも可能

更に獣人形態や獣形態に変身する事ができる
元はヤマアラシとイタチを混ぜたような怪物である
一部変身も可能で、変化した部位は獣のごとき身体能力を得る

弱点として、皮膚を突き破って表出する刃は例外なく肌を切り裂くため流血も痛みもあること
そして刃を振るわなければ風も起こせないため、痛みを伴わなければ無能力である
刃によって傷ついた体は刃を仕舞うことによってのみ治るため、常に流血が必要
また力を使うほど理性が少しずつ削られる。その変化は獣の部位を使うと特に顕著である

名前 冥瞳 星羅
性別:女
地位:2年
体格:胸も尻も控えめ、でも細い。慎重は比良坂より3センチほど大きい。
能力:【暗黒酷命】
目を合わせた相手の嫌がる行動のみを強制的に命令出来る
対象がその行動をどれだけ嫌がるかで強制力が変わる
備考:比良坂をいじめてた連中の一人。顔は少し美形だが忌引ほど可愛くない。性格は最悪で、
強い奴には引っ付き、弱い奴はいじめ、引っ付いてるやつが弱くなったと思ったら他の強い奴のほうに乗り換える。

8 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/14(月) 21:22:07.59 0.net
隼鐘 悠綺(はやがね ゆうき)
性別:女
身長:148cm/体重:39kg
学年:1年/部活:未加入

能力:【空想兵器】
あらゆるものを材料として思い描いた兵器を作成する能力
作成には材料を一ヶ所に集め手をかざし、『作成』と唱える必要がある(発声の有無は問わない)
材料には複数のパーツからなるような複雑な物は使用できない
また作成する兵器の性質からほど遠い材質の使用は兵器の性能低下を引き起こす
そして作成時の集中力によって成功率が変動し、失敗した場合は『材料に使えない箱状の物』が出来上がってしまう

主な特徴
額に上げた遮光ゴーグルと小柄な体に比して大きな肩掛け鞄がトレードマークの一年生
基本的に寡黙ではあるが感情は豊か。黒のロングヘアに金色の瞳を持つ
肩掛け鞄の中にはレンチやドライバーなど、工具が満載されている


名前:入江 紅牙
性別:男
身長:178cm/体重:73kg
学年:2年/部活:未所属

【MultiChimeraDevice】
様々な動物のDNAを取り込むことでその動物の性質を得ることができる能力。
得た性質は体の好きな部位に適用することができる。
胸に能力の力で浮かび上がった紋様のそばに近づけるとそのDNAを取り込むことが可能。
能力を使用した場合性質が人間より遠ざかるほど疲労する。

主な特徴
生まれ持った褐色の肌と紅い瞳、色素の抜け落ちた髪は学園内でも目立つ特徴
その性格は自由で凶暴、気に入らないことは押し通す
だが根が無茶苦茶と言うわけでもないため問題行動は比較的少なめ
校則違反だが半ば黙認されている羽織っただけの学ランに襟元のファーがトレードマーク

9 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/14(月) 21:47:47.04 0.net
冥瞳星羅のアジトを出る際に、あの情報屋と再び出くわした。
歯切れ悪く彼が伝えた内容。リフィルはすでに終了している。
......予定変更、まずは薬品の回収が先。ヘッドギアを被りブースターを装着、旧校舎へと翔けた。

―――――――――――――――――――――――――――――

辿り着いた旧校舎。その入り口で足を止める。
別に窓から入ってもかまわないのだが、機体も身体も極力傷つけたくはない。
武装を解除し校舎に入る、その前に彼女に向けて声が響く。

>「よォ、てめェ。俺様の獲物になれやァ!」

あぁ、面倒な。今は先にやる事があるというのに。
武装の強化、薬品の回収。それが終わればいつでも相手でもしてやるのに。
そう言って嘆いていても、咆哮する男はその勢いを緩めないだろう。
頭でそう分かってはいるが、愚痴をこぼすように口をついて言葉が漏れ出す。

「......忙しい、後じゃダメ?」

振りかぶった腕、ゴーグル越しの視覚がそれを捕らえる。
目の前の男のシルエットを赤く浮き立たせ認識、と同時にブースターが唸りをあげる。
ヘッドギアには視界強化や照準のほか、脳からの思考波を増幅、端末に伝える役割もある。
ゆえに避ける、と彼女が決めたとたんに青い炎を背部と脚部から沸かせ、殴打の軌道から彼女を外す。

......近接戦闘用の武装ができれば、試し斬りでも付き合わせてあげるのに。

ふつ、と沸いた黒い感情に、悠綺自身は気づくことはなかった。

10 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/15(火) 00:04:01.39 0.net
振るわれた刀。閃く剣戟。
日の光を受けて宙に軌跡を描いたそれは砂塵を巻き上げ渦と化していく。
風を起こす"チカラ"なのか、単なる達人の剣圧なのか。そこまでは人目では分からない。
ただひとつ言えたのは、「彼女に出来るのはその程度」ということか。
......とはいえ遠距離戦の手段があるわけでもない。刀の使い手は体捌きが鋭く、半端な投擲はよけられて終了だ。
だから煙幕という絶好の機会、奴の不意を突かせてもらう。
カンガルーの跳躍力は垂直にして約4メートル。この高さなら砂煙の上に跳べる。
地面を這いずり回るしかない人間には対処不能の視界不良だが、三次元的に動けばその限りではない。
獣が獣であるが故の非常識を存分に振るい、常に相手の裏を掻く。紅牙が手に入れたチカラの、それが信条であり戦術。

>「これで私が見えるか、入江! だが"我々"には見えているぞッ!」
「『聞こえてる』よ、ハッキリとな......」

相手に無駄に手の内を曝したりはしない。聞こえないようにポツリとつぶやく。
――そう、目の前の戦管のようには。
先に『聞き取った』もう一人の存在。恐らくアイツが"我々"なんだろう。
居る方向なら大方把握している、それ自体は大した情報じゃない。

煙幕を張る。"我々"には見える。
ならば『アイツ』は言わば剣士の第三の目、監視カメラか。そう見当をつけた矢先。

先ほどまで紅牙が立っていた位置で、粉砕され飛散するアスファルト片。
...前言撤回、それは監視カメラなんてチャチな玩具じゃない。そこに居たのは『砲台』だった。
半端な銃撃ではない。当たれば腕の一つや二つ、死すらありえる一撃だ。
舗装された土地を抉り取り露出した土が新たに砂塵を舞い上がらせ、より煙幕を濃厚にしてゆく。

...予定変更。剣士の視界が役に立たない今のうちにレドームを叩く。
一拍遅れて来るだろうリスクは想像したくないが、心理的優位は多いに確保できるだろう。
先の射撃、空薬莢の金属音。方位特定、突撃準備。
宙でその身を縮こまらせた、その身が見る見る変異していく。
さあ、反撃と行こうか。人の形をした獣は、その表情を醜く歪めた。

11 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/15(火) 00:35:58.19 0.net
【MultiChimeraDevice】。俺が与えられた忌むべき血。
生物を喰らいその特性を借り、肉体を獣へと変異させる超常能力。
異常な変異は細胞を破壊し、変異箇所に疲労に似た機能不全を引き起こす。
疲労の度合いは二点に依存。借りる特性がどれだけ人間に近いか、そして変異がどれだけ自然か。
極力突飛さを欠いた特性で状況を打破し、人としての体を生かしリスクを最小限に抑える。それが叩き込まれた『鍵』だった。

この空中から旧校舎まで辿り着くには?...残念ながら『飛行』しかないか。
人の限界を大きく超えた変異は、身体を大きく蝕むこととなるだろう。
だから変異をなるべく自然に。耐え切れなくなった身体が壊れないように。
慣れた思考を一瞬でまわし、紅牙は自らの獣を解放する。

変異箇所は、両手。特性は『飛行』。五指が奇怪に伸びていき、翼の形を形成する。
そして指の間に存在する、進化の名残とも言える皮膜。それを翼膜として流用し、黒く広がる翼を生んだ。
細胞が悲鳴を上げる、それが身体に伝わる前に。翼を羽ばたかせて錐揉み回転しながら狙撃手へ肉薄していく。

――連射可能な砲だったら? ...あれだけの威力をそう何発も打てるとは思えない。
――剣士は飛べる、それを踏まえた煙幕だったら? ...いまだ煙幕の中のアイツが『聞こえる』。その可能性は低いさ。
――"我々"が三人以上を指す言葉なら? ...流石に分が悪い。が、今なら逃避も余裕だろう。

不安要素を心で打ち消しながら、黒の螺旋は砲台へ迫る。
照準を合わせる気配を感じれば、翼の向きを変えれば急な落下で狙いは外せる。
それが無いなら襲撃一閃、勢いのままの蹴りが突き刺さるはずだ。
大きくなる校舎の壁を『聴きながら』、翼に疼く感触を確かめる。
今日は何も持てないだろうな。自分でも驚くほど客観的に現状を把握し、周囲360度を聴き据えた。

12 : ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/15(火) 09:42:10.59 0.net
ちょっと興味があるのでプロフを投下。
好みの能力がいただけたら参戦したいです。

名前:古藤雄也(ことう ゆうや)
性別:男
年齢:18歳
身長:181cm
体重:73kg
学年/部活等:高校3年生/無所属
容姿:長身で大人びた顔つき。寝癖のついた髪や着崩し気味の制服等、ややルーズで自由な雰囲気。
能力:
人物紹介:
生徒会戦挙に立候補した3年生の男子生徒。
異能者の家系に生まれ、自信もまた異能の血を色濃く引き継いでいる。
マイペースで飄々とした性格をしており、趣味は原チャリとヘラブナ釣り。
友人は多いが、揃って掴み所のない男として認識されている。
幼い頃に両親を亡くし、祖父と妹との三人暮らし。
暴力や争い事を好まず、入学以来生徒会の目に付かない「人助け」にのみ能力を使って過ごしてきたが、
妹が昨年度の戦挙に出馬・敗退し、両脚を失ったことを機に、学園や生徒会の在り方に対して疑問を抱くようになる。

13 :白河 蛍 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/15(火) 10:36:13.86 0.net
名前:白河 蛍(シラカワ ケイ)
性別:男子
学年:3年
特長:黒髪のボブヘアーで女性に間違えられる程の端整な顔立ち。だが性格(特に口が)悪く、見た目で告白してきた女子の心をことごとく砕け散らせる。普段はメガネだが、伊達メガネの為、戦闘時にははずす。
前生徒会副会長。1年の戦挙時は鎮圧部隊として不参加だったが、2年時に鎮圧部隊を辞退。後に副会長となるが、任期終了前に辞職し、今回の戦挙に挑む。

能力:【衝撃排出】インパクト リジェクト
相手の攻撃を左手で吸収し、右手でそのまま返す。吸収出来るモノは物理攻撃や衝撃波など、直接ダメージを負うモノに限る。
なので操作系などの間接攻撃は不可。
さらに自身の体を通して相手に返す為、あまりにも強力な攻撃(例えば核爆弾など)は吸収不可。
さらに最大のデメリットはカウンター攻撃の為、自分からの攻撃は出来ない。

【ここまでのあらすじ】
前戦挙において、元生徒会長に敗れた白河は副会長として執行部運営に乗り出した。しかし、生徒会長の能力排除に反旗を翻し、副会長を辞職。新たに戦挙に立候補しつが、その目的は勝つ事ではなく執行部=戦管の暴走を止める事だった。
戦いの中で鶴吹恭・御有楽鈴という二人の少女と出会い、共にする。その後出会った剣疾風・比良坂詠未の力に希望を見出した白河は二人を鍛える事を決めた…。

14 :御有楽 鈴 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/15(火) 17:14:32.11 0.net
名前/御有楽 鈴(みうら すず)
学年/一年生
見た目/身長152cm、体重42kg。童顔でお下げ髪の為、小学生に間違えられる事もしばしば。
性格/おとなしめ、引っ込み思案、人見知りという三拍子揃った、所謂人間関係下手。その為、友達が少なく、いい様に扱われる。

【異物吸出(ギフトキャッチ)】
第一形態…能力によるダメージや、能力を使用した事によるダメージを吸い出す。吸い出せる対象は「能力」による物だけなので、怪我や病気などによるダメージは不可。
第二形態…能力そのものを吸い出す。ということは…?

15 :御有楽 鈴 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/15(火) 17:24:30.33 0.net
【冥瞳アジト前】
剣さんと比良坂さんが鶴吹さんの作った空間の中に入って行くと、アジトには女子だけが残った。
「さてどうするかね。」と言っている冥瞳さんを無視するかのように隼鐘さんが歩き出した。

>「...外、出てくる」
「ダメですよ!一人でなんて…危険です!」
私の静止など聞かずに外に出て行く隼鐘さん。それをただ笑顔で見送る鶴吹さんに「止めなくていいんですか?」と問いかける。
やはりほっておく訳にもいかないので、私は後を追う事にした。

【校庭】
「…はぁはぁ、足…速いよ…。何処に行ったの?」
全速力で走って来たはずなのに、私は隼鐘さんになかなか追いつかなかった。

ふと前方から「ゴォー!!」と言う機会音が聞こえる。その方向には隼鐘さんらしき人影と大柄な男の姿があった。

【御有楽 鈴:隼鐘悠綺と黒響蝦蟇の戦闘を発見】

16 :黄昏夕日と黎明あけの ◆hqPjKaC066an :2014/04/15(火) 17:52:18.72 0.net
【旧校舎/裏庭】
>>11 入江紅牙

ガイィン!

聞き慣れた金属音と銃声。
相棒・黎明あけのの放つ弾丸が、入江紅牙に突き刺さったに違いなかった。
黄昏夕日が自身で巻き起こしたこの砂嵐の中でさえ、あけのの"目"は違わず獲物を貫く。
そう、貫いてきたのだ。どんな悪視界であっても、あけのは確実に標的を屠ってきた。
それは輝かしい彼女の実績が物語っている。

……たった今、このときまでは。

「何ッ!?」

視界のよく利かぬさなか、黒い影が上空へと舞い上がるのを、夕日はその眼で見た。
影の主はたぶん、あの入江紅牙であった。
あのあけのが外したか……?いや、"外された"のか……?
推測の間もなく、黒の旋風は旧校舎の上階へ消えてゆく。
こちらの策を看破し、うまく躱した入江が、それを咎めに行くに違いなかった。
そうとしか考えられない。この旧校舎の、2階窓から奴を狙う黎明あけのを襲うために。


……まずい。


まずいまずいまずいまずいまずいまずい……ッ!


黄昏夕日は鉄の女であった。
例え己の命が絶えうる状況にあっても、心の乱れは微塵もないような、わずかな震えもないような。
如何なる脅威にも動じないような。如何なる恫喝も一笑にふすかのような。
日々の修練で、夕日の肉体は鉄と鍛え上げられ、その精神は鋼の如き強靭さを得るに至ったのだ。

しかし、黎明あけののこととなれば話は別だった。
あの小さな娘の一挙手一投足ほど、夕日の心を乱すものはない。
あの半開きの、間の抜けた唇ほど、夕日の魂を揺さぶるものはなかった。
この戦いに身を投じたのも、元はといえばあの娘を救うためだった。
不完全な能力という呪縛から、救うためだったのに。
ここであけのを傷つけられては、いったい何のための戦いだというのか。
いったい私は、何をしているのか!

黄昏夕日は狼狽した。かつてないほどに、狼狽した。
冷や汗は頬を伝い、動悸はこれでもかと強く胸を打ち続ける。

「ええい、ままよ!」

夕日は砂塵に消えゆく黒い影めがけて、捨身の一撃を放った。
それは【千子村正】の、まさに奥の手。
刀は操者の手を離れ、敵を目がけて一直線。無人の刃が獲物を襲うのだ。

……だが、それは敵の姿が明瞭なるときのことだ。
いまは砂と埃にまみれて、入江の姿は薄ぼんやりとしか映らぬ。
策士策に溺るとはまさに、この眼前にて起こりし果し合いの、行く末のことではなかろうか。
夕日は、その端正な顔に暗い影を落として、下唇を強く噛んだ。

17 :黄昏夕日と黎明あけの ◆hqPjKaC066an :2014/04/15(火) 17:54:51.20 0.net
(>>16の続き)
【旧校舎/旧物理室前】
>>11 入江紅牙
> 翼を羽ばたかせて錐揉み回転しながら狙撃手へ肉薄していく。

FCS(火器管制装置)の指示によって、カノンの銃口がグンと高く持ち上がる。
当初、大地に佇む男子生徒へと向かっていた照準は、今や黎明あけのの眼前、先程までは何もなかったはずの中空を指していた。
誤作動かと思われたが、それは無論、大きな間違いである。

(ロック外された……!)

ロックオンシステムは正確に対象を捉え、その動きに追随し、ターゲットの移動先を予測して銃口の向きを補正する。
しかし、対象の動きがあまりに早かったり、動きの幅があまりに大きい場合は、対象そのものを見失ってしまう。
そして、現在あけのが使っている狙撃用FCSは、遠くから精密な狙撃ができる代わりに、ロックオンの視界範囲が狭いという欠点も併せ持つ。

……覗いているマイクロサイト(照準器)には今、何も映っていない。
だが、FCSが銃口を急激に上へ補正したということは、ロックを失う途中まで、対象の動きをそのようにトレースしていた、ということ。
つまりこれは、対象が裏庭から重力に抗って"高く飛翔した"という事実を示している。
あけのはサイトから素早く目線を外して、目視で窓の外を見た。

――いた。
両腕を黒い翼に変じた、悪魔のような男が……!

あけのは、心底動揺した。
あの黄昏夕日と互角に切り結び、今やこの奇襲を掻い潜ってなお突進するこの男に、かなうはずがないと。
自慢のカノンも、ロックオンシステムの補助なしでは命中を期待できない。
あけのが名射手(シャープシューター)であれば、それは可能だったかもしれない。
しかし、彼女はただの機械職人(マシンリースミス)であった。

このまま目を覆ってしまえば、どれだけ楽になるだろう。恐怖から目を背けることができたら、どれだけ……。
こんなの女の子のすることじゃないよ。

でも。
そんなときにはいつでも、あけのの脳裏にふと、ある人の面影がよぎるのだ。
あの人の顔を思い浮かべるだけで、惧れは勇気に変わり、弱音は気勢に転じた。
あの人の声を思い出すだけで、めぐる寒気はどこかに去って、勇気凛凛。体は熱く燃えて、さらに抗えと猛るのだ。

黎明あけのは普段伏し目がちな目を、かっと見開いた。奥歯をグッと噛みしめて、鈍い音を走らせた。
あけのは奮い立った。
そしてきっと、この戦いが終わるまで、決して諦めることはなかった。

四脚の戦闘機械は、再ロックオンを走らせながら、目視ベースでハンドガンを入江に乱射する。
遠距離用のカノンは最早邪魔でしかない。素早く四脚スーツからパージ(切り離し)。
そして、散弾を放つ大型ショットガンを、今この場で生成する。点でなく、面で攻撃できるショットガンならば、素早い敵にもあるいは……!

あけのの能力【Machinery Smith】は、廊下に置いてあるロッカーや、教室の備品、机のパイプなどの金属部位を、無節操に、半ば乱暴に集め始めた。
それらは彼女の左手に集積し、各々に融合して、不定形な流体金属となる。
しかしこれを一つの機械(ショットガン)に成形するには、未だ時間が必要であった。

「むぅぅっぅわぁぁあぁあぁにぃぃぃぃあぁぁぁああぁあえぇえっぇぇぇっッ!」

あけのは最後に、獣のように慟哭した。

【入江 紅牙】+1pt:"戦闘感覚" 貴方は並外れたバトルセンスを持つ。常に最善の方法を選択し、どんな不利な状況をも突破するのだ。
【黄昏 夕日⇒入江:入江に剣射出攻撃。ただし精度は悪い】
【黎明あけの⇒入江:入江に目視でハンドガンを撃つ。また、カノンをパージ(切り離し)して、ショットガンを生成する】

18 :名無しになりきれ:2014/04/15(火) 18:16:23.58 0.net
>>12
慣れてないけど作ってみました(採用されるかは別ですが)
ちなみに能力の方向性が決まっている場合は、「XX系の能力が欲しい」って宣言すると作ってもらいやすいようですよ

【虚血の王/朱の従者】
自分の血液を操る能力。
・自分の血液をオブジェクト(物体)に変化させる。剣槍などの武器や、鎖、梯子など色々。
 ある程度離れていても変化可能。血を撒いておいて、敵が近づいたらそこに罠を作るなど。
 ただし複雑な機械仕掛けオブジェクトは無理。(銃など)。
 同時に生成可能な物質は1つだけ。剣を出した後に別の場所に罠を作ろうとすると、剣は血液に戻る。
・血液オブジェクトを更に変容させる。
 たとえば、血液で作った鞭で締め上げた後に、鞭から棘を生やしたり、鞭自体を別のものに変えたりできる。
・血圧を操る。
 自分の出血を相手に噴射して目潰しにしたり、その辺に撒いたりできる。
 血圧調整で自分の失血の程度を軽くすることができる(ダメージの軽減)。ただし、自分が能力を使う場合に自分を傷つけた場合は除く。
・作るオブジェクトの体積分の血液が必要なわけではないが、大きいものを作ろうとするほど、血液の消費が激しくなる。
 能力を使いすぎると貧血になる。激しい運動で息切れ>眩暈で倒れる>失血死の段階ペナルティ。
・他人の血を吸収して貧血を解消できる
 戦闘中に使うことはできない。血の提供の意志がある者のみからOK。敵など、抵抗されると吸収できない。

19 :名無しになりきれ:2014/04/15(火) 18:41:17.05 0.net
能力くだちい

20 :御有楽 鈴 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/15(火) 19:15:50.17 0.net
>>9

>「......忙しい、後じゃダメ?」
そう言うと少女は青い炎を背部と脚部から沸かせ、後方へと身を翻した。

大きく振りかぶった拳が空を切った事で黒響はバランスを崩した。しかしバランスを崩しながらも離れていく少女の瞳が黒く輝いたのを黒響は見逃さなかった。

「ァん!?逃げんのかァ?この臆病者がァ!そんな事でこの戦挙を生き残れると思うなよォ!!」

悪態をついた黒響だが、その狙いは少女の戦線離脱を防ぐ事よりも自分に対して怒りや嫌悪感を抱かせる事にあった。
どんなにクールな歴戦の兵士でも、その感情を完全に抑える事は不可能。ほんの小さな感情でも黒響にとっては最高の餌となるのだ。

黒響が異形の少女の抱いた小さな悪意を大きな塊に変えて放とうたした瞬間、少し遠くに小さな少女を見つけた。
それは御有楽 鈴だった。

「てめェが逃げるならあのちっこい女を食うだけだぜ!どうするよォ!?」

人の怒りを買う事を得意としている黒響の直感が、こうする事で異形の少女が戦わざるをえなくなると判断したのだ。

「さァ!どうするよォ!?」

【黒響 蝦蟇:御有楽 鈴を人質に隼鐘悠綺に迫る】

21 :名無しになりきれ:2014/04/15(火) 20:11:17.69 0.net
>>19
【邂逅鍵影】
右手の甲に生えた鍵と左掌に空いた鍵穴を使って異界への扉を開く事ができる
異界とは別の空間や別の星、果ては別の世界から別次元まで自由
ただしこの能力者以外は無機物しか通ることが出来ず、生物などはすり抜けてしまう

また、あらゆる『剣』を『鍵』にすることが出来る
この『鍵』は何も切れないが、代わりに異常な硬さと紋章を刻む力を持つ
この『鍵』で紋章を刻んだものは右手の鍵と左手の鍵穴によって刻んだ物体の時を止めることが出来る
運動エネルギーは保存するため、解錠すれば元のように動き出す
また停止中のエネルギーも加算されるため、自由落下中の物体を殴れば斜め下に落ちてゆくだろう
紋章はそれほど複雑な形ではないがそれなりに面倒

身体能力はそれなり
初期装備は紋章入りの投げナイフ10本と両手剣1本

22 :名無しになりきれ:2014/04/15(火) 20:30:31.96 0.net
>>21
デメリット少なすぎないか?
>>19
ちゃんと方向性決めてからにしてくれ、頼む

23 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/15(火) 20:31:23.94 0.net
>>18
ありがとうございます。
ちょうど汎用性が高くて戦闘にも応用できる能力が欲しかったので、この虚血の王の力を使わせていただこうと思います。

参入の仕方なんですが、夜の校内をぶらついてるとか、屋上に立ってるとかで絡んでくれる人待ちでいいんでしょうか?
反生徒会の思想持ちなので、ゆくゆくは>>13 の白河さんの一団と合流できると楽しそうなのですが…

24 :名無しになりきれ:2014/04/15(火) 21:27:25.48 0.net
>>22
すいません
攻撃的な能力
出来れば火や水、音や光のどれかを使う能力お願いします

25 :名無しになりきれ:2014/04/15(火) 21:50:37.25 0.net
銃のアシスト能力ください

26 :白河 蛍 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/15(火) 22:49:49.58 0.net
>>23

古藤さん、初めまして♪白河は只今、生徒二人の特訓中の為少し留守します(^^;;

代わりに私の他のキャラ(御有楽 鈴、黒響 蝦蟇)や他の方と絡んで下されば、結果的に合流出来ると思います。

絡まれ待ちでもいいですが、ご自分から積極的に絡んで下さっても結構ですよ。

慣れるまではご自分でNPCを作られて、それで練習されてもいいと思います。

27 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/15(火) 23:20:49.64 0.net
>>16-17
遠距離特化は近接に弱い。そのように相場は決まっている。
だが接近中とはいえ未だ距離の空いたこの状況で、欠片の反撃がないとも思ってはいなかった。
構えられる銃。向けられた銃口。高速の鉛弾が容赦なく紅牙に迫る。

ここが地上ならば、照準を外すのはそう難しくない。この距離なら横に少し動くだけで大きく狙いは逸れるだろう。
だがそれは儘ならない。翼があるとはいえ足掛かりのない空中では急激な軌道制御は不可能だ。
故に紅牙にできることは翼を気持ち縮めて飛びながら、銃弾が身体を貫通しないことを祈るのみ。
凶弾の前にあまりに無力。文明を持たない獣の力の、それが抗える限界だった。
幾つかの銃弾が広げた翼膜を押し込め貫く。血の通ったそれは穴を開けつつ紅を流しつつも、なお大空に舞おうとしていた。
行ける、まだ翔べる。安堵も束の間、今度は後方から接近する物体を聞き取る。

「刀、か...!?」

剣士の抵抗は砂煙程度、と高を括っていたがために。その一閃は紅牙を戦慄させる。
あの煙霧から、この投擲。自らの得物をも手放す其が「剣士の抵抗」だったとは。
そんな彼の感情を他所に空を翔る刃は紅牙の遥か右を通りすぎていく。
...苦し紛れか、ビビらせやがって。走る思考は直ぐに掻き消された。

旧校舎の上方の階に突き立てられた刃はそのまま力任せに旧校舎を貫いていく。砕ける旧校舎、飛び散るコンクリ片。
そう、その欠片が。狙撃手へ向かう紅牙の行く手を尽く阻んでいった。
建造物を容易く破壊するその威力、結果生じた行動妨害。...これらはひとえに彼女たちの想いの結果かもしれない。
だが食らった方は堪ったものじゃない。粉塵の中で舌打ちしつつ、聞こえる地理条件を頼りになおも進む。

現れたひときわ大きなコンクリ片。柱一つを切り落としたかのような、そんな石塊。
狙撃手にまっすぐ向かえば押し潰される。かといって勢いも殺せない。
ええい仕方ない。下に逃げるしか道はない。タイミングは紙一重だろうが、下の階のガラスをぶち抜く。
翼の変異を解き、アルマジロのように宙で丸まる。空気抵抗を極限まで下げ、少しでも早く校舎に向かう。

狙撃手の方向も最早気にならない。彼の背後で落ちていく石塊の鉄骨が抜かれ彼女に吸収されてゆく。
落ちきる石塊、上がる砂煙。それが晴れた旧校舎の裏庭に、紅牙の姿は無かった。

28 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/15(火) 23:43:37.53 0.net
>>20

>「ァん!?逃げんのかァ?この臆病者がァ!そんな事でこの戦挙を生き残れると思うなよォ!!」
>「てめェが逃げるならあのちっこい女を食うだけだぜ!どうするよォ!?」
>「さァ!どうするよォ!?」

嗚呼、面倒だ。誰でも良いなら私に声をかけるな。
正直言えば付いてきた少女、彼女がどうなろうがこの状況から脱することができれば構わない。
だがアジトを出る前に制止してきた彼女。きっと私を追ってきたのだろう。
振り回されるのは御免だが、関係が無いわけでもない。微妙な距離感が故の感情が悠綺の苛立ちを加速させる。
鬱陶しい。面倒だ。悠綺は男に五指を広げた手のひらを突きつけて言う。

「......五分。その後なら、相手する」

薬剤の回収は後でもいい。ただ近接武装が欲しい。
そして目の前のこの男を、実験台に切り刻む。
数週間前にはけして無かったであろう残忍な思考を、しかし悠綺は受け止めて。
突き立てた指の間から、男をしかと見据えた。

29 :黒響 蝦蟇 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/15(火) 23:55:12.51 0.net
>>28

>「......五分。その後なら、相手する」
「俺様に待ってろって言うのかァ!?」
黒響の全身に苛々が走る。しかしそれは黒響にとって糧でしかなかった。

「あァ〜!!苛々するぜ!待っててやるからさっさと武器でも何でも持ってきやがれェ!!」
怒りの裏に冷静さを隠し、黒響が吠えた。

30 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/16(水) 00:14:55.85 0.net
>>29
「...どうも」

全く持って腹立たしい。彼の言動一つ一つが悠綺の神経を逆撫でしてゆく。
どうぞ待っていろ、今に切り刻む。無表情の裏にそう決意し、階段を駆け上がっていった。
彼女の背中に大きくひとつ、何か大きなものが落ちるような轟音が響いた。

さて、薬品の回収が後とはいえラインナップは見ておきたい。
比良坂や星羅はすでに幾つかを回収しているらしい、その残りのスペックが如何程のものなのか。
そして薬品庫に辿り着く、棚に並んだ薬物の数々。
―――『隼鐘悠綺』としての意識は、一度そこで手放された。

「あ......うぁ...?」

目は虚ろ、呆けた表情で。薬品庫の真ん中で彼女はうめく。
震える手を棚に添え、崩れそうな身体を支える。もう片方の手で顔を多い、荒く呼吸を繰り返す。
何が起こったのか?...嗚呼、そういうことか。
痙攣もピタリと止んで口元は妖しく歪む。紡がれた言葉に金属棚は手へ吸い込まれ、ガラス瓶が床に落下していく。
種々の薬品、それらの残骸が散乱する中、巨大な鉄爪を両腕に機人は乾いた嗤いを上げた。

張られたガラス窓。邪魔だ、切り裂いてしまおう。
三本の裂傷を刻むのもそこそこに、耐え切れなくなったガラスが音を立てて砕ける。
待っているといった男、その座標に見当を付け。宙からの急襲、鉄爪を振りかぶる。
そしてバックパックの、脚部ブースターの、そして鉄爪のスラスターが青い炎を一際大きく上げ。
彼女自身が弾丸と化し、一直線にその男へと迫った。

31 :黒響 蝦蟇 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/16(水) 00:33:49.21 0.net
旧校舎に響く轟音。
「ァん?黄昏の奴か…派手な遊びをやってんなァ〜。」
羨ましそうにボヤくと、黒響は先程彼女達に構わずココにきた事を後悔していた。
「先にまとめてやっとくべきだったかァ…。」

しかしそんな事を考えたのも束の間、窓ガラスが切り裂かれる音が聞こえた。耳を劈くその音は黒響の神経を逆撫でした。
と、同時に黒い弾丸が黒響に向かって来る。それはより異形と化した先程の少女だった。

「もしかして暴走してやがんのかァ?…いいねェ!いい展開じゃねェかァ!!」
黒響は確信した。彼女の悪意を。
今、自分に向かって来る黒き弾丸は自分を貫く前に燃え尽きる。それほどまでの悪意を感じとった。

直撃ギリギリまで引きつける!振りかぶられた鉄爪が自分の鼻先をかすめるギリギリの距離で『放つ』。

「さァ!きやがれ!」
大きく開けた黒響の口にドス黒い光が集まり出した。

32 :黒響 蝦蟇 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/16(水) 12:52:01.73 0.net
敵キャラ

名前/黒響 蝦蟇(くろびき がま)
性別/男子
年齢/18歳(3年)
見た目/身長180cm、体重80kg。茶髪の天然パーマで、目つきはかなり悪い。
性格/陰険で陰湿。負けず嫌い。他人を見下している。他人を怒らすのが得意で趣味。
設定/白河 蛍と中学の同級生(だが白河は覚えていない)。
昨年の戦挙において、白河に敗北した為に優勝出来なかったと思いこんでいる。その為、執拗に白河を付け狙う。
今戦挙では鎮圧部隊として参加し、戦菅や執行部の排除を率先して行っている。

【悪意咆哮】ダークシャウト
半径500m以内の自分に対する悪意、又は自分が敵対する物への悪意をエネルギーに変えて口から放出する。
エネルギーに変えられた悪意は対象者から消える為、連発は不可能。
さらには悪意のない物(例えば戦いたくはないが仕方なく…など)からはエネルギーを得られない為、使用不可。

補足
現鎮圧部隊の中ではトップクラスの攻撃力と戦闘センスを持つ。但し、相手の悪意を利用するので攻撃力は一定ではない。
頭は悪いが、こと戦闘に関しては別物で、燃える闘争心と凍える冷静さを兼ねもつ。

33 :名無しになりきれ:2014/04/16(水) 18:22:15.25 0.net
光か水か炎か電気を使う能力ください

34 :名無しになりきれ:2014/04/16(水) 18:53:30.14 0.net
>>33
【刃犠焔血】
自他問わず流れた血を操る能力
血をロープのように細く長くして操ったり壁を作ったりすることができる
その気になれば血で満たされた空間を作ることも可能だ
更に状態変化も思いのまま。固体にも気体にも変化させることができる
なおこの能力者は水中(血の中)での行動に一切支障はなく、呼吸に困ることもない

また、自分の血に限り手元から炎上させることが可能
導火線を作って炎を伝播させたり火を着けた血を投げつけることで炎弾を放つことができる
炎はこの能力者の意思や他者の能動的行動によってのみ鎮火する
上記の力と組み合わせれば炎の武器を作成し扱うことも可能だろう

デメリットとしては流血しなければ何の力も無いこと
斬撃に関しては人一倍ダメージを感じるため前準備すら相当な苦痛になる
「流れた血」でなくてはならないため、採血された血液パックなどを持ってきても無意味
さらに固体の血に走った衝撃の1/10が自分の体内にフィードバックされるため無茶な戦い方は身を滅ぼす
武器同士で鍔迫り合いなどしようものなら直ぐに身体にガタがきてしまうだろう

そして炎上している血は鎮火しない限り直接操ることはできない
また他者に鎮火されれば残った血を操ることすら出来なくなる
ロープの先端だけを炎上させ操るなど、間接的になら扱える

35 :名無しになりきれ:2014/04/16(水) 19:46:33.62 0.net
>>34
ありがたいですが別のくれると嬉しいです

36 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/16(水) 19:46:56.84 0.net
いただいた能力を上手く活用する方法を考えていたのですが、
古藤一族は忍者の家系であり、自らの血液硬化能力を様々な道具と織り混ぜて扱う術を確立しているという設定を付けてしまって問題ないでしょうか?
超人的なジツとかを使うわけではないですが、戦力的なアドバンテージになりすぎるということであれば考え直します。

>>26
初めまして!
助言いただきありがとうございます。
では、現在の戦いが落ち着いたタイミングで、ある程度能動的に皆さんに接触させていただきたいと思います。

37 :名無しになりきれ:2014/04/16(水) 21:37:30.74 0.net
>>35
【三元導色】
赤、青、黄の三色の絵の具を用いて火、水、雷の三属性の魔法を繰り出す

随時召喚可能な白紙の魔導書に術式や内容を描いて発動させるのが主な使いかた
また色を混合させることで様々な効果を得ることができる
ピンポイントな術も書き込めば使用できるため汎用性は高い
しかし書き込めば書き込むほど時間がかかり、威力を上げようとすると絵の具を多く消費する

また空中に絵の具を直に出して念じることで単純な魔法なら扱える
火炎放射や氷柱の射出、電撃程度ならこの程度でも十分制御可能
ただし発動の簡易化と引き換えに絵の具の消費量は少し増してしまう

絵の具は各色三本ずつのチューブのみ。使い切ればその属性は使えない
またチューブは召喚できず携帯するしかないので落ちたり奪われたりすれば手も足も出ない
ただしチューブの容量は午前零時に再生する

38 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/16(水) 22:24:46.75 0.net
>>31
私は何をやっている?
空中で意識が芽生える。...戻るといったほうが正しいのか。
黒鋼の爪を男へ向けて、加速装置を吹かして突撃している。この状況がつかめない。

やめるべきでは?...そうではない、殺れ。
無事ですむのか?...何を言う、当然だろう。

思考が上書きされるように、声が、心を、塗りつぶしてゆく。
自分であって自分でない、そんな感覚を違和感無く受け入れろと心のどこかで何かが言う。
...いや、それは心ではないのかもしれない。そんな違和感も些細なものと受け止められるほど、思考は、心は、偏っていく。

と、突き出した右腕が急に引かれる。...いったい何をするつもりだ?
振るわれたのは鋼の尻尾、悠綺の覚えに無い兵器。

「え......?」

無意識の機動には違和感を持たなかった彼女が、困惑と驚愕に僅かに目を見開く。
こんなもの、私は知らない。だとしたら...!?

ふと蘇るひとつの光景。理性を失ったイタチの化け物。飛散する鮮血。赤、あか、アカ。
繰り返すフラッシュバック、急な情報量に耐え切れず脳が頭痛を訴える。

それでも機動は止まらない。兵器はもはや彼女の意思とは関係なくただ目標を排除する。
引かれた鉄爪、付属したスラスター。その動力につられて身体が反転する。
繰り出されるは金属の尾。男を横薙ぎに払う質量体の一撃。

鉄爪を突きつけたのはスラスターの動力を得るため。今現在においてそれは攻撃力ではなかった。
フェイク、と言われればそうかもしれない。...意図せぬ副次効果、という形ではあるが。

鉄爪は重量武器でありながら動力を内蔵することで取り回しを改善、機動力としての役割をも持つ。
さらに手の甲側の装甲は厚く、防御力としても多いに働く。

混濁する意識の中でゴーグルの裏に表記された情報。
本人の意識が知ってか知らずか、それらを確かに悠綺は汲み取り、そして咀嚼していた。

39 :名無しになりきれ:2014/04/16(水) 22:28:05.34 0.net
>>37
何かの属性に特化したのがいいです
何度もワガママ言いすみません

40 :黄昏夕日と黎明あけの ◆hqPjKaC066an :2014/04/16(水) 22:38:39.74 0.net
【旧校舎/裏庭】
>>27 入江紅牙
> 落ちきる石塊、上がる砂煙。それが晴れた旧校舎の裏庭に、紅牙の姿は無かった。

「馬鹿な……」

脆くなっていたのか、旧校舎の一側面は無残にも崩壊した。
二階で踏ん張っていた後輩の黎明あけのも、きっと巻き込まれたことだろう。
そしてこの様子を見るに、決して無事では済むまい。
いや……済むはずがない。

「全て……私のせいなのか……」

黄昏夕日は、壮絶な崩落現場に相対して、茫然と立ち尽くしていた。
対峙していた入江紅牙も、いつの間にか姿を消している。既に勝負はついたのだ、とでも言うように。

ああ。いまにして思えば、全てがおかしかった。何もかもが。
こんな理不尽な戦いに身を投じたことも。何も知らぬ生徒たちを手にかけたことも。
そして何より、自分が救おうとしたあけの自身を、この戦場へと連れ出したことも。

「【能力浄化計画】に協力すれば、黎明あけのより能力を奪い去る。あの危険で不完全な能力を、彼女から一掃してみせる」

生徒会長は囁いた。しかし本当に、解決策はそれだけだったのか?
夕日が戦うとなれば、自分を慕う彼女は必ずついてくる。それは最初から、わかっていたことではないのか?
夕日の能力をもってすれば、彼女を確実に守ってやれる。それは、己が力への過信ではなかったのか?

そうだ。そもそも、私自身が能力を使わずにいれば、おのずから、あけのもその未成熟な能力から身を遠ざけたかもしれない。
……自らの【能力】を厭うなどとんでもない。最も自分の能力に依存し、拘泥していたのは、なんのことはない。夕日自身だったのだ。
そして、その能力と立場を利用して、黎明あけのとつかず離れず居られる大義名分を作りたかったのは、他でもない。
黄昏夕日、自身だったのだ。

「馬鹿な……!」

夕日はその場にがっくりと膝を落として、泣いた。夕日は己の愚かさを呪った。
夕日の心には、己の身勝手で倒してきた生徒たちと、他でもない黎明あけのへの慚愧の念が渦巻いていた。
あんな甘言に乗らなければよかった。こんな戦いなど放っておけばよかった。
能力を使って先輩ぶろうなどとしなければよかった。餌でつって、一緒にいようとなんてしなければよかった。
後輩のためだと、自分を正当化しなければよかった。
最早能力の有無など関係ない。もっと私に勇気があればよかったのに……!

不覚……。黄昏夕日、一生の不覚であった。

ギギギギ……。

今や顔を伏せ、大地に落涙するばかりであった夕日は、なにか鉄が軋むような音を聞いた。

ギギギギ……ガランガシャン!

目の前に聳えるコンクリートの残骸。そのうちの一山が振動し、瓦解していく。
その中からのぞいたのは、見覚えのある四脚パワードスーツの腕部。

「ゲホゲホ、ゲホッ……! お姉さま、無事ですかー!?」

物騒な駆動音を響かせながら、黎明あけのは、埃まみれの顔を覗かせた。
スーツの剛腕はゆっくりと、だが確実に校舎の残骸を自身の周囲から除けてゆく。

黎明あけのの能力【Machinery Smith】は、精密に、綿密に機械を生成する。
狙撃銃を造れば、その命中精度は甚だ高く、強化外骨格を造れば、その頑強さたるや。

41 :黄昏夕日と黎明あけの ◆hqPjKaC066an :2014/04/16(水) 22:40:37.41 0.net
>>40の続き)

――ふたりが去った後、瓦礫の山の上には、所々がひしゃげた四脚のパワードスーツが残されていた。
その無人のスーツの脇には、妙なものが鎮座している。
それは、大型のショットガン……ではなかった。

黎明あけのが造ろうとしていた猟銃は、結局、生成できなかった。
彼女が必死に生成したものは、武器ですらなかったのだ。
だから、あのまま入江が突入に成功していたとしたら、彼女は簡単に無力化されていたことだろう。

そこに放置されていたものは、ある人物の、精巧なメタルフィギュアのようなオブジェだった。
彼女は、体中の勇気を振り絞るためにずっと、この人物のことを考えていたのだった。
だから結局、あの状況下では、黎明あけのはショットガンのみならず、どんな武器さえ作ることはできなかっただろう。
彼女の能力で造られたこのオブジェは、やはり機械仕掛けになっていて、首のボタンを押すとある音声が流れるようになっている。

「あけの、よくやった」

明らかに女性の声だが、やや低音含みの、よく通る声で。

【入江紅牙】 +1pt:"人情鉄風船" 敵役に情けをかけるとは……!
【黄昏夕日と黎明あけの:本戦挙から退場する。ふたりは戦管からの離反を認め、一時理事会によって収監される】
討伐称号:
【Ragnarok Ender(黄昏を終わらせる者)】貴方は戦管一の剣士・黄昏夕日を撃退した。
【Daybreak Shutter(黎明に影さす者)】貴方は戦管一の狙撃手・黎明あけのを撃退した。

42 :名無しになりきれ:2014/04/16(水) 22:45:04.62 0.net
>>39
【炎獄灼凰】
身体から炎を出す能力
腕を高温にしたり拳で爆発を起こす事が可能
身体の各所から炎を噴出させてスラスターとし加速することもできる
ただし身体から炎を切り離すことには向いておらず、炎弾の射出などはできない

かわりに霊糸を張りめぐらせて導火線とし着火する事ができる
霊糸は手のひらから伸び、相手の身体などに括り付けることが可能
この炎は誰かが消さない限り燃え続けるだろう
この糸を自身の身体に巻きつけることで炎をまとうこともできる
そのとき炎をまとった部位は限界まで身体能力を上げることが可能だが数分後には反動で動かなくなる

これらの炎によるダメージは自分には通らないが、ダメージが無いだけで外傷は残る
つまり痛みは感じずとも火傷は負い、それにより行動に支障が出ることもあるだろう
霊糸には断熱の効果もあり、これを駆使することで極力自分にダメージを与えないこともできる
しかし霊糸は細いために張り巡らせるのには時間が掛かり、特に戦闘中に完全な環境を作ることは不可能に近い


デメリット作らなきゃいけないみたいだから面倒

43 :名無しになりきれ:2014/04/16(水) 22:55:48.16 0.net
>>36
設定の色づけは特に問題ないと思いますよ

44 :黒響 蝦蟇 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/16(水) 23:01:29.54 0.net
(ギリギリまで引きつけてから一撃を食らわしてやる!)
そう考えていた黒響に突然違和感が襲った。

(ァん?何だァ?この感じ…奴の爪には悪意がなィ?)
そう思うが早いか、少女は鉄爪ごと己の身を反転させた。と同時に黒響の死角から鋼の鞭が襲う。

完全な死角からの攻撃。間違いなく致命傷になるであろうその鋼の鞭は、黒響の横腹に直撃した。
直撃はしたが、そのまま完全に止まった。黒響が横腹に刺さった鞭を左腕で抱え込んでいた。
多分何故そうなったかは黒響も答えられない。しいて言うなら戦闘経験から来る物でであろう。

「ッ!てェ〜なァ!!!」
黒響の叫びと同時に咆哮が上がる。轟音と同時に黒い塊が少女の右腕を直撃した。

金属の砕ける音、それは少女の右腕から聞こえた。鉄の爪とそれを覆っていた装甲が砕け散る。と同時に少女の身体が後方に舞い飛んだ。

「いいねェ…、いい痛みだァ。おらァ!さっさと立てよォ!まだ殺れんだろうがァ!」
横腹に残った鉄の鞭を抜き取りながら、不気味に微笑む黒響の姿がそこにはあった…。

45 :白河 蛍 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/16(水) 23:31:24.87 0.net
「…眩しい。」
半年振りの外界。暗い異空間の中に居た俺がそう呟くのも当然だろう。
しかし、実際の時間は30分も経ってはいなかった。

剣と比良坂の特訓は、今や俺の手を離れた。故に予定より早く戦挙に舞い戻る事にしたのだ。

「二箇所で戦闘が起こっている…。この感じは戦菅…か?」
後輩の特訓に付き合っていた半年間、俺自身にも変化が起こっていた。
強者だけが持つ戦闘勘という物がより鋭くなっていた。それはまるで高性能な探知機の様に働いていたのだ。

どちらも旧校舎近く、そう感じた俺は既に走り出していた。
新校舎から旧校舎までは普通に走っても5分とかからない。直ぐにどちらかの戦闘と遭遇する。そう感じていた俺のアテは良くか悪くか外れた。

崩壊した旧校舎の一角。膝をつき、崩れ落ちる夕日と重々しいスーツから身を外したばかりのあけのがいた。どうやら敗北したようだ。

「あの二人が負けるとは…な。」白河はゆっくりと二人に近いた。
事の次第を聞いた後、俺は昨日拾った端末で理事会に連絡を入れた。

理事会の迎えが来るまでの間、俺には聞くべき事があった。
「【あの人】は、会長はどこだ?」


二人から答えを聞いた俺は再び走り出していた。目指すは新校舎、視聴覚教室。
俺と【あの人】の思い出の場所。

「今度こそ決着を付ける!」そう硬く誓った俺の前に、激しく戦闘を繰り広げる見慣れた二人の姿があった。

46 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/16(水) 23:50:46.91 0.net
>>43
ありがとうございます。
この設定で行かせていただきます。

47 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/17(木) 00:03:03.42 0.net
>>44
右腕装甲、尾部に損傷。視界が赤く染まり警告音がヘッドギアに響く。
それに気づいたのは宙を舞う最中、吹き飛ばされた少し後だった。
損害によって生じた重量バランスの変化をプログラムが自動修正する。
そして地面につく前にはスラスターを吹かして姿勢を制御し、そして私は地に足を付いた。

能力の暴走。

一言で言えば、現在の私はそういった状態にあるのだろう。
能力が自分の手を離れ、目の前の男を無意識に攻撃してゆく。
だけど、それでも。
今現在の状況において、"能力"と"私"の思考は一致している。
この戦闘中なら、能力に身を委ねてしまっても良いのかもしれない。
少しだけ気を許した刹那、"隼鐘悠綺"としての意識は混沌に塗れて沈んでゆく。

「............。」

無機質な瞳を男に向ける。感情は最早消えうせた。
今の彼女は与えられた指令のままにプログラムを走らせるだけの存在に過ぎなかった。
まだ無事な鉄爪、左手を上に掲げる。蒼の炎が吹き荒れ、鉄爪が宙に浮かぶ。
三本の爪はそれぞれに分割され、三本の刃として飛び交う。
ひとつは黒響に向けて真っ直ぐ、ひとつは彼の周囲を窺うように周り、ひとつはその場で静止する。

遠隔操縦で飛び交う刃。意識は黒響に向かった刃に集中させる。
攻撃は受け流し、防御を見切る。そのための旋回する刃。
それはレーダーとして悠綺に情報を伝え、適切な操作指令を発信してくれる。
平行して開いた右手はバックバックへと伸びる。その側面ラックからひとつの武器が、音も無く手渡された。

48 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/17(木) 00:18:29.79 0.net
>>40-41

「...ぷはぁっ!!ったくよぉ......」

旧校舎の裏側、そこまで雪崩れた瓦礫の中から白髪褐色の男が顔を出す。
ファーの付いた学ランは砂煙に塗れ、その黒を灰で彩っていた。
首を振って立ち上がり、旧校舎の壁に背を預ける。
そして動かなくなった手、右手の平を見つめて呟いた。

「あれは、何だったんだろうな......?」

彼女たちが生徒会の刃なら、彼もまた"彼ら"の刃であった。
目的のために人を手にかけ、一切の私情を挟むことなく。
そうするようにと言われて生まれ、そして彼は常にそう在った。

だが、彼女たちは違ったのだろう。
何が、ときかれると答えられない。なぜそう感じたかも分からない。

ただ、その感情に名づけるとしたら。それは恐らく「憧れ」だったのだろう。

「...柄じゃねーなぁ」

耳の変異は未だ解いてはいない。ゆえに"彼女たち"の会話が逐一彼に届いてくる。
さて、何だったのだろうな。無理やり身体を曲げた影響で全身が酷く気だるさを訴える。
ただひとつ分かったのは。潰す為だと教わった両手で、守ることもできるということ。

今は動かぬ黒い翼は。黄昏に終焉を告げ黎明にひとつの蔭を作り出した。
その暗闇が安寧を生み出したこと、悪くない気分だ。継ぎ接ぎの獣はそう夢想した。

49 :黒響 蝦蟇 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/17(木) 00:47:25.71 0.net
宙を舞った少女が地に足を着く。刹那、彼女の左腕から三本に分かれた鉄爪が少女に変わって宙を舞った。

その一本が自身に襲いかかる。瞬間、彼女から意思が消えたのを黒響は見逃さなかった。

「完全に【能力】に取り込まれたかァ!?これでちったァ歯応えが出るってもんよォ!」
襲いくる爪をギリギリでかわしながら、黒響は三度吠えた。

一つは自身の周りを旋回する爪に、一つは彼女の上で止まる爪に、最後の一つは彼女自身に向かっていく。

三つの咆哮は全て的を外される。しかし彼女と二つの爪が旋回行動をとった瞬間、黒響は自分に襲いかかる爪を左手で掴んだ。

左手の皮が破れ肉が裂ける。骨にあたった鉄爪はそこで動きを止めた。
それを右手で引っぺがし、彼女に向かって投げつける。と同時に自身も彼女に向かって駆け出す。

飛んでくる爪を彼女がよけた時、目の前には黒い巨体があった。

彼女のヘッドギアが黒響を認識した瞬間、徳大の【悪意咆哮】が彼女を襲った。
それは先刻、旧校舎を崩壊させた威力と同じ程だ。
回避不可の咆哮、それは確実に彼女を捉えた。

50 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/17(木) 00:54:08.67 0.net
/待って♪確定リールで死亡不可避とか

51 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/17(木) 00:55:13.59 0.net
>>41 >>45
白河蛍が尋ね人を求めて走り去り、数分が過ぎた頃だった。
「どうりで、派手な音がするわけだね、こりゃあ……」
戦場跡の惨憺たる有り様を前に、一人の男子生徒が佇んでいた。
ゆるめたネクタイに襟の曲がったシャツ、肩口からだらんとぶら下げたような通学バッグが、いかにも締まりのない印象を醸し出しているが、
裏腹にその顔立ちは精悍であり、瓦礫の山を見据える瞳にも、不思議と意志の光のようなものが感じられた。
男子生徒は埃にまみれて直立している「像」に歩み寄ると、その首筋に設けられたスイッチに触れる。

>「あけの、よくやった」

両手を上着のポケットに突っ込み、ふう、と息を吐くと、彼は手頃な大きさの残骸の上に腰を下ろした。
「鎮圧部の黄昏さんに……黎明さん。どっちも相当な使い手じゃないの」
己の目的上、彼は戦挙管理委員会に関する情報は、ある程度率先して仕入れていた。
立候補を検討する段階から危険視していた人間のうち、二人が一夜のうちに消えた。
彼女らを打ち倒した者は、野望に滾り、学園を我が物にせんとする武闘派か、あるいは
「……さて。いずれにせよ、俺もボチボチ動きださないと」
視線を上げて、朧な月を見詰める少年。
その左手には、いつの間にか一振りの小刀が握られていた。

52 :白河 蛍 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/17(木) 01:04:35.21 0.net
>>51
あ!暫しお待ちを!今追加いきますので大丈夫です(^^;;

53 :白河 蛍 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/17(木) 01:18:44.59 0.net
目の前で戦う二人。
一人は半年前(と言っても実際は数分前)に保健室に送り届けた女生徒・隼鐘 悠綺。
もう一人は前回の戦挙で苦戦を強いられた男・黒響 蝦蟇。

対等に戦う二人。
(あの黒響とまともにやり合えるだと?隼鐘はそれ程攻撃タイプではなかったはず…。)

「まさか…【暴走】しているのか?」
俺が言葉を漏らした瞬間、黒響が彼女の目の前で特大の【悪意咆哮】を放った。

「まずい!…間に合え!!」
二人に向かって駆け出していた俺は、左手を精一杯伸ばした。

幸か不幸か巨大過ぎた悪意は、用意に俺の能力範囲に入った。後はこれを受け止められるかどうか…。

「【衝撃(インパクト)】ぉー!!」
全身に激痛が走る。内から外に漏れるエネルギーは血飛沫となって俺の身体から溢れだす。

痛みで震える右手を前に差し出し、体内を巡るエネルギーを黒響に押し返す。
「【排出(リジェクト)】ぉー!!」

その瞬間、黒響は俺の姿を認識した。先程迄のイキイキとした目から、殺意の塊のようなドス黒い目へと変わる。
瞬間、俺が押し返したエネルギーと同等の【悪意】が黒響の口から二度目の咆哮として放たれた。

ぶつかり合う二つのエネルギーが弾け飛び、三人の体を宙に舞い上がらせた。

54 :御有楽 鈴 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/17(木) 01:36:00.40 0.net
>「てめェが逃げるならあのちっこい女を食うだけだぜ!どうするよォ!?」

隼鐘さんを心配して後を追ってきたつもりなのに、逆に足手まといとなってしまった。

私には戦う力はない。あの人が私を攻撃すればひとたまりもない…。足の震えが止まらない…。

>「......五分。その後なら、相手する」
「俺様に待ってろって言うのかァ!?」
「あァ〜!!苛々するぜ!待っててやるからさっさと武器でも何でも持ってきやがれェ!!」

二人の会話から察するに、私は助かったみたい。でもこのままじゃまた邪魔になる。何処かに隠れなきゃ…。

旧校舎横にある倉庫。その裏に隠れた私は離れて二人を見ていた。

急に始まった戦闘は激し過ぎて、正直私には理解出来ない…。
唯一分かった事は二人共『怖い』という事だった。

そこに駆け寄る一つの影。
「あれは…白河先輩!?先輩は特訓してるはずじゃ…」

>「まずい!…間に合え!!」
巨大なエネルギー同士がぶつかり合い、弾け飛んだ。

私の目の前に隼鐘さんが落ちて来た。飛ばされた衝撃でダメージはおっているが、それ以外は何ともなさそう。

(それよりも何だか雰囲気が違う。)
そう思った瞬間、私の意識が遠のいた。

『その【暴走】頂くわ。』
気がつくと私は隼鐘さんから何かを吸い出していた。それはいつもの【異物吸収】とは違っていた。

55 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/17(木) 01:38:11.37 0.net
/フォロー入った早とちった
/もうロールしても良いでしょうか

56 : ◆8HAMY6FOAU :2014/04/17(木) 01:45:54.83 0.net
>>55
三人分なんで時間かけてしまいました…。どうぞ続きお願いします。

57 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/17(木) 01:59:03.32 0.net
【空想兵器】。生まれ持った彼女の力。
ヘッドギアを介して思考波を伝え、思うままに繰る機械武装を生成する能力。
製作に失敗すれば正体不明の白い立方体が出来上がる、少々不可解な能力でもある。

彼女の『能力の暴走』は、それによって引き起こされた。

悠綺の思考波を読み取っていくうちに内包された立方体は人間の思考を学習する。
材料に使えない「立方体」の正体は、金属によく似た組成を構成する単細胞生物の群体であった。
産声を上げたそれらはヘッドギアを介して悠綺に思考を送り込む。要は機械を操作する彼女と逆の行動を起こすのだ。
だが思考を学習するとはいえ覚醒して間もないそれらの精神年齢は赤子に等しい。
故に単純な欲求のままに機械を繰り人を繰る。それが【空想兵器】の真相だった。

...もっとも、悠綺も他の人物もそれを知る由は無いだろう。機械に思考が芽生える、その前提が倒錯的なのだから。
 ギフトキャッチ
【異物吸収】によって吸われた暴走。機械内部の立方体が思考を放棄し沈黙する。
同時に"隼鐘悠綺"としての意識が再び表出し、その眼に光を宿した。

「ん......っ。今は...?」

割れたゴーグルの隙間から周囲を見渡す。
焼け焦げた様な跡の残る壁、地面。側には女、向こうには男が二人。
首を振って起き上がり、横にいる彼女に問いを投げ掛ける。

「今...何してた?」

58 :白河vs黒響 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/17(木) 02:34:08.02 0.net
ぶつかり合った【悪意】によって弾け飛ぶ三人。

「くっ…何という力…。」真っ先に起き上がったのは白河だった。

続いて起き上がった黒響が叫ぶ。
「会いたかったぜェ!白河さんよォ!!!」
既に黒響の頭の中には、先程まで死闘を繰り広げていた少女の姿はなかった。

「てめェは絶対に俺様がコロす…してやる…コロ…ころ…殺す!」
黒響の体内から常人の目にも見える程の巨大な【悪意】が溢れだす。
黒いガスの様なその悪意が黒響を包み込むと、黒響を人間ではない何かに変えてしまった。

【暴走】と呼ぶには優し過ぎるその姿。完全に【能力】に取り込まれてしまったようだ。

「ついに…出てしまったか…。力に取り込まれた犠牲者が。」
力に頼り過ぎる人間が待つ結末。会長から聞かされていた白河はこうなる事を知っていた。

「【あの人】と戦うまではとっておきたかったが…やるしかないな。相棒!力を貸してくれ!」
今度は白河を白い光が包み込む…。その光の中、白河も姿を変えた。二つの尾を持つ狐の様な人。人であって人でない姿に。

「【暴走】が力に負けた結果なら、これは自分の力と共に戦う事。いうなれば【覚醒】だ。」

黒い塊から幾つもの【悪意】が放たれる。それを一つずつ受け止めながら、ゆっくりと全身していく白河。

「コロ…す…てヤる…ころ…」

「お前の【悪意】全て俺が受け止めてやる。共に行こう…。」

白河の姿が黒響だった物と重なり合う。瞬間白い光と黒い光が眩い閃光となって弾け飛ぶ!!



戦闘の後には静けさだけが残った…。

完全に意識を失い横たわっている黒響 蝦蟇。その横で意識はあるが動く事が出来ない白河 蛍。

「相棒…行ってしまったか…。」
白河の目から一粒の涙が落ちた。

「俺はここ迄のようだな…。」

この瞬間、二人の男の落戦が確定した。

【隼鐘 悠綺】+2pt 『覚醒の目撃者』
貴方は新しい力をその目に焼き付けた。
『悪鬼散会』貴方は鎮圧部隊最強の男、黒響 蝦蟇を退けた。
『皇帝帰還』貴方は優勝候補筆頭、白河 蛍を落戦させた。

59 :御有楽 鈴 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/17(木) 02:38:53.01 0.net
>「今...何してた?」
隼鐘さんの声で、私は意識を取り戻した。

「…え?私…何かしました?」
問いに問いで返した。正直、何が何だか分からない。

瞬間、辺りを眩い光が包む。
その光が落ち着くと、二人の男子生徒が倒れていた。

「白河先輩!!」
私と隼鐘さんが駆け寄ると、天を仰ぎながら白河先輩が一言だけ呟いた。

>「俺はここ迄のようだな…。」

60 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/17(木) 02:51:00.27 0.net
彼女が何かしたのか?正直わからない、確証など何処にもない。
ただ近くにいたから。それだけの理由でそんなことを口走るあたり、思考がまだ戻りきっていないのかもしれない。
調子を取り戻そうと思考に意識を集中させようとした瞬間、白と黒が視界を塗りつぶしていった。

次に眼に入ったのは、倒れ伏した二人の姿。
一人は私がアジトにつれていった男。もう一人はさっきまで戦っていた男。
...私の知らない間に、何故二人が戦っていた?
真相を確かめる、彼らの状態を診る。二つの目的で近付こうと、ヘッドギアに思考波を送る。

が、帰ってくるのは静寂。悠綺の機械は一切の反応も示すことはなく。
ならば仕方ないと武装を全てパージし、制服姿で彼らに歩み寄る。
駆け寄った御有楽に支えられながら、白河が呟く声。風に乗ってきたそれを瞑目して聞きながら。

61 :黒響 蝦蟇 ◆8HAMY6FOAU :2014/04/17(木) 08:45:01.91 0.net
俺のォォォォォォォォォォォ

デカチンをォォォォォォォォォ

しゃぶれェェェェェェェ

できればカリをなめなめしてくれるとうれしい

62 :黒響、御有楽、白河 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/17(木) 10:00:12.22 0.net
>>61
これは偽物です。なのでトリップを変更します。以後はこちらとなります。

63 :白河・御有楽ペア ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/17(木) 13:03:30.73 0.net
白河蛍と黒響蝦蟇の落戦は直ぐに校内に広がった。直ちに黒響の確保にワイズマンが現れ、理事会の下に収監された。

残された蛍は未だ動けずにいた。
「隼鐘…だったかな。お前は無事か?」

鈴の【異物吸収】を受けているにも関わらず、蛍のダメージは取り除かれなかった。

「御有楽、もういい。このダメージは【能力】によるものではない。故にお前の力では無理だ。それよりも…。」
ゆっくりと体を起こす蛍。鈴がそれを支える。

「隼鐘、お前に話が…頼みがある。」
何かをやり遂げた後のような清々しい顔をして、蛍はゆっくりと語り始めた。

「剣と比良坂の特訓だが、最初の半年間、俺はあの二人に基本となる体術や戦闘技術を叩きこんだ。それは素手で能力者と戦える程の力が必要だったからだ。
今、彼奴らは自分自身と戦っている。自分の【能力】その物とだ。ここに戻ってこれるかは五分五分だろう…。」
悠綺の顔が曇った。しかし蛍は話を続ける。

「もし彼奴らが戻って来なかったら…隼鐘、お前が【あの人】を…会長を倒すんだ!」
自分が執行部に入った経緯、会長の変貌、鎮圧部隊の暴走の真相、蛍は全てを二人に話した。

「俺は【能力】を失ってしまった。今の俺は戦力にはならない。隼鐘、先ずは仲間を集めろ。鎮圧部隊を物ともしない部隊を築きあげるんだ。」

64 :名無しになりきれ:2014/04/17(木) 16:38:38.30 0.net
>>42ありがとうございます
これにさせてもらいます

65 :名無しになりきれ:2014/04/17(木) 18:22:23.04 0.net
戦挙管理委員会になってもいいんですか?

66 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/17(木) 19:32:56.19 0.net
翌朝に時間移動してOKになったら
本格的な登場イベントをやらせていただきます

67 :名無しになりきれ:2014/04/17(木) 19:37:55.38 0.net
名無しの我がお前らに能力を授けよう
好きなものを選ぶといい

「蝶翼の因果律(バタフライ・エフェクト)」
「クイックタイム」
「投擲型爆風弾」
「世界五分前仮説」
「脅威の生命力」

68 :名無しになりきれ:2014/04/17(木) 19:52:21.02 0.net
>>65
そのキャラクターが戦挙管理委員である必然性があれば、なってもいいと思います

ですが、戦挙管理委員は戦挙の主役ではありません
>>3にもありますが、戦管はあくまで戦挙の運営要員で、もちろん次期生徒会長にもなれません
委員の権限を利用し、立候補者(参加しているPC)たちに強制的な命令して「従え!」ということはできません
お話を進めるための語り手とか、第3者的な述懐をする人とか、明確な目的があって陰謀を企てる人とか、一歩引いた立ち回りが得意な立場です

生徒会戦挙の主役、主人公格は立候補生徒たちです

69 :名無しになりきれ:2014/04/17(木) 23:32:53.77 0.net
銃のアシスト能力ください

70 :名無しになりきれ:2014/04/18(金) 00:45:48.91 0.net
>>69
こんなのどうよ
【スローエイム】
十秒間自分の体感時間が十倍に引き伸ばされる
能力を使って体感時間を伸ばしている間は極端に視界狭くなりほぼ正面しか見えなくなる
そして、体感時間が元に戻ると激しい脱力感に見舞われ一時的に身動きが取れなくなる

71 :名無しになりきれ:2014/04/18(金) 01:43:58.13 0.net
銃のアシストをする能力なのか
銃を使うタイプの補助系能力なのか

72 :名無しになりきれ:2014/04/18(金) 08:36:32.15 0.net
能力指定して頼むっていうのスレの趣旨に反してねえか?
他人が決めた設定を自分の裁量で表現するのがここの醍醐味だろう

73 :名無しになりきれ:2014/04/18(金) 18:20:38.97 0.net
>>68
裏方やりたいので全然いいです
なっていいのならならせてもらいます

74 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/18(金) 20:15:24.72 0.net
>>66
他のプレイヤーの方のロールが済み次第になるので、一日進むにはかなり時間がかかります(^^;;
なので、途中でも気にせず絡んで下さいね。

>>73
白河です。もちろん大歓迎です♪
ただ戦管は敵役が基本なんで、その点だけご了承下さい。
ちなみに今後、白河も裏方(進行役)にまわります。

75 :名無しになりきれ:2014/04/18(金) 20:49:56.87 0.net
別に敵じゃない戦管でもいいよ
戦管全てが敵なら、規則にのっとってきちんと仕事をしている戦挙の進行運営係がいなくなる

76 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/18(金) 20:54:06.33 0.net
う〜ん、どうだろう…
現場では現存する戦菅=会長の賛同者なんで、それを排除&スムーズな戦挙運営の為にワイズマンが送り込まれてる設定です。
まぁ鎮圧部隊から逃げ切った戦菅でもいいですが、当初の戦菅の役割は崩壊していると判断して頂いた方が良いと思います。

77 :名無しになりきれ:2014/04/18(金) 21:19:16.91 0.net
>>76
一応反論します

【建前】
会長の賛同者は戦管の一部に過ぎないでしょう(つまり戦管の一部署である鎮圧部隊)
だから離反した彼らは、立候補者も一般の戦管も同時に狙う
少なくともこの設定をしれっと流した私はそのような描写はいれていないつもり

また、全ての戦管業務をワイズマン(生徒会OB)がとってかわるというのも実は不自然
生徒会戦挙は名目上現在の学生自治にのっとって運営されるものと認識してますが、その運営係をOBで全とっかえするくらいの規模で離反が起きたなら、戦挙自体が中止になってもいいくらい
なのにまだ戦挙が続いているということは、学校を牛耳る人たちが、この事件が小規模なもので制御可能であると考えているからでしょう

現在は戦挙という催しが主な舞台となっているので、その前提がくずれてしまうような騒乱にしては実はダメなのでは?

【本音】
きちんとルールを守る戦管、という立場のキャラクターがいても特に問題ないでしょう

78 :名無しになりきれ:2014/04/18(金) 21:54:59.32 0.net
>>72
かといって全く肌に合わない能力もらっても萎えるし
武器使う〜とかメカっぽい〜とかある程度方向性決めてると渡す方も楽だし

79 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/18(金) 22:58:08.06 0.net
>>63
「何とか...ね」

手を軽く振ってみる。動きに支障はない。
あるのは数個の掠り傷のみ。あの戦渦に対し払った犠牲はあまりに小さい。
...正直に言えば戦闘中のこと、ハッキリとは覚えていない。
あるのはこの手で機械を繰った感覚と兵器の機能不全と言う事実だけだった。

そう、交戦の結果として得たものも失ったものも少なすぎる。
払うべき対価は、有る意味最悪と言っていい形で訪れるのだ。

白河蛍、彼の私怨を私が晴らす?
半年間もの修行を経ていまだ力及ばない可能性の有る、そんな事を?
私には人脈も無い、今では戦力さえ鉄屑と化した。その状態で?

無茶苦茶だ、有り得ない。共感する要素も薄い。
それでも無下にしてやるには至らない何かも、また心のうちに感じてはいた。

「......保留」

故に、いまはこの事を考えるのは止めよう。
比良坂詠未、剣疾風。何れかが帰ってくれば任せればいい。
帰ってこなければ。その時はその時で、変化した状況を踏まえて答えをだそう。
兵器の構築、戦力増強。やるべきことはまだあるのだから。

「......能力が、無くても。出来ることはやるべき」

人心掌握なら彼の方が上手だろう。部隊の発足は理念を持った彼が主導であるべきだ。
悠綺に出来ることは一つだけ。電脳を繰り戦場を駆ける。
教室の隅の置物は、前に立てる器ではない。けれどもただの刃としてなら、偶像ですら凶刃を手にすることができる。
だから、協力してもいいと思えたその時に。刃になろうとそっと決めた。

80 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/18(金) 23:14:35.92 0.net
>>74
了解です。
とりあえずもうしばらく待ってみます。
翌朝の登校時にやりたいイベントがあるので……

81 :名無しになりきれ:2014/04/18(金) 23:25:33.77 0.net
とはいえバトルもロールも一段落してるし次の日行っていい感じはある
他の人はここ数日居るのかもわかんないし進めていいんじゃね

82 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/18(金) 23:33:44.82 0.net
万事了解です!みなさんの御意見を真摯に受け止め、第二章完に持って行きましょう。

83 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/19(土) 00:06:46.89 0.net
/んでは、翌朝まで時間を進めてしまいます
/まだやり残した事がある、という方は気にせず夜間の行動を書いてください


翌日。

激戦の一夜が明け、いつものように登校時間がやってきた。
遅刻することなく正門をくぐることができた者達は、皆例外なくその奇妙な光景に直面したことだろう。

いつもなら閑散としているアナログ掲示板前に、不自然にも十数人からなる人だかりができていた。

「コトウってあいつだろ? B組の……」
「ああ、古藤雄也だっけ。よく知らねーけど」
「何これ、果たし状……?」
「なあ、それより黒響さんがやられたってマジなのかよ?」

居並ぶ生徒らは不穏な面持ちで何事かを囁きあっている。
そんな彼らの肩越しに目をやれば、あまり達筆とは言えない筆字で書かれた掲示物がでかでかと見えた。

----------------------------------------------------------
黄昏、黎明、黒響を倒した人を探してます
心当たりのある方は、放課後屋上まで!
生徒会戦挙立候補者
3-B コトウ
----------------------------------------------------------



「……恋のォ〜免停〜♪ 違反者講習ゥ〜♪」

背後から突然聞こえてきた太めの歌声。(昭和歌謡だろうか?)
筆文字を注視していた生徒達は、半ば反射的に振り返り、声の出所を確かめた。

クリーム色のハーフヘルメットを被った男子生徒が、原付を転がしなが校内へと入ってくる。意気揚々と鼻唄を歌いながら。

「あなたと脱線〜♪ 愛の中央分離……おっ! 効果覿面!」

掲示板前の盛況ぶりを見るや、彼は満足げに愛車を停止させ、にっと笑ってみせた。
長身でハンサムといえる類いの顔立ちではあるが、制服の着付けはややだらしがなく、
よく言えば開放的、悪く言えば図太そうな印象を与える青年だった。

84 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/19(土) 00:17:55.75 0.net
【長身の男子生徒】正門脇の掲示板前に出現

85 :白河・御有楽ペア ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/19(土) 00:27:46.21 0.net
>>79

>「......保留」
予想外の答えが返って来た。
「保留…か。ふふ、それもいいだろう。」
「わ、私は、出来る事はします!」
微笑む蛍を見ていた鈴が慌てて肯定した。

>「......能力が、無くても。出来ることはやるべき」
「確かにそうだな。俺も完全に表舞台から去るつもりはないよ。」
(【あの人】を俺の手で止めたいという思いは変わらないしな…。)

「もちろん、俺自身も仲間を集めてまわる。だが隼鐘!お前の力も必要だ。その時は力を貸してくれるか?いや!貸してくれ。」
蛍が深々と頭を下げた。プライドの高い白河副会長を知っている者からすれば信じ難い光景だろう。しかし、その礼節には気品すら溢れていた。

その時、戦挙活動二日目終了のチャイムが鳴った。この二日間で残り立候補者は3分の1まで減ったそうだ。

「取り敢えず今日の所は帰って休むんだな。」
「白河先輩はどうするんですか?」
「俺か?俺は今日も生徒会室に残る。調べたい事もあるしな。」

続々と帰って行く生徒達。明日も非日常が続くというのに、下校の姿は普通の学校と変わらない。そんな違和感が御有楽には憂鬱で仕方なかった。

(私は明日も生き残れるのだろうか…。)

86 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/19(土) 00:44:16.81 0.net
白河を裏方にまわすので、新キャラいきます!

名前/安倍 祥明(あべ よしあき)
年齢/17歳(二年生)
性別/男子
性格/良く言えば冷静、悪く言えば冷酷。
特徴/家は由緒正しい神社。小さな頃から能力を持ち、他人を見下したような所がある。何事も他人事のように扱う為、情がないように感じられる。友達は少なく敵は多い。
能力/前スレ>>524
【折神師】

どこからともなく千代紙を取り出すことができる
それを使って作品を折ればそれらを自由に使役することができる
鳥を折れば空を飛ぶなど、モチーフとなるものの特性を受け継ぐのが特徴だ

また、千代紙に漢字を一文字記入することで作品に特性を付与することができる
「斬」なら切断力を持ち、「巨」なら文字通り巨大化するだろう
「活」などの文字で自我を与えるなど多少複雑なことも可能だが複数の文字の併用はできない

しかしあくまで作品の本質は紙である(特性付与などの例外を除く)
そのため火に弱く、濡れれば脆くなり、引き裂けば簡単に破れるだろう
作品の使役数は無制限であるため数の暴力が期待できる
しかし行動を制御するのは能力者本人であるためあまりに多い併用は難しいだろう
「活」で自我を与えるなど、能力者への負担を軽減する特性付与も重要になるだろう

87 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/19(土) 01:55:09.69 0.net
戦挙三日目。

俺は昨日まで平穏な非日常を過ごしていた。強力な刺客に襲われる事もなく、自分から他人を陥れる事もしなかった。

それは単に他人に興味がなかっただけだ。正直、戦挙にも興味はない。生徒会長の座などどうでもよい。

しかし、生まれ持った負けん気が落戦する事だけは嫌だと告げていた。故に襲い来る者は返り討ちにして来たのだ。

今日一日何処で過ごそうか考えていた俺の目に掲示板がとまった。

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黄昏、黎明、黒響を倒した人を探してます
心当たりのある方は、放課後屋上まで!
生徒会戦挙立候補者
3-B コトウ
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「あの噂は本当だったのか…。」

昨日夕方、校内に広がった噂。戦菅のリーダー的存在で、前会長の右腕とも言われた黄昏夕日と黎明あけのの捕獲。それとほぼ同時刻、暴走した鎮圧部隊の武闘派・黒響蝦蟇と前副会長で今戦挙の優勝候補筆頭・白河 蛍、両名の落戦…。

(異能多きこの学園においてもトップクラスの実力者の敗北。確かに気になる所ではあるが…。)

「まぁ俺には関係ないさ。」

それよりも気になったのは指定された場所だ。新校舎屋上は俺の隠れ家。昨日、一昨日とそこで過ごしていたのだ。

「ん?放課後?授業のない戦挙中にも関わらず放課後指定か。」

可笑しくもあったが丁度良い。放課後迄は空いていると謂う事だ。

「じゃあいつも通り、屋上の倉庫の中で昼寝でもするか。」
俺は教室に入らず屋上に直行した。

【安部 祥明:屋上倉庫内に身を潜める】

88 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/19(土) 04:46:32.32 0.net
寝る前にサブキャラ投下しときます


名前:古藤栞(ことう しおり)
性別:女
年齢:16歳
身長:155cm
体重:44kg
学年/部活等:高校2年生/無所属
容姿:模範的に着こなした制服に、義足を隠すための黒ストッキングを着用。
頭髪は黒髪のストレートロング(本来は癖毛だが、兄のようにだらしなく見られるのが嫌でパーマを当てている)。
能力:無し(昨年度戦挙にて喪失)
人物紹介:
古藤雄也の妹である2年生の女子生徒。
真面目で冗談の通じない優等生タイプ。
元は優秀な能力者であり、ある理想を胸に昨年度の戦挙に出馬するも、無惨にも敗退。両脚の膝から下と能力を失った。
現在は義足を着用し、能力者としての権限を全て剥奪された状態で通学中。
能力喪失以降、周囲の生徒から陰湿ないじめを受けながらも気丈に振る舞っている。

89 :名無しになりきれ:2014/04/19(土) 12:16:19.76 0.net
名前 御笠 春明(みかさはるあき)
性別 男
学年 3年
外見 172cm65kg制服の中にパーカーといういでたち

能力
>>39
【炎獄灼凰】
身体から炎を出す能力
腕を高温にしたり拳で爆発を起こす事が可能
身体の各所から炎を噴出させてスラスターとし加速することもできる
ただし身体から炎を切り離すことには向いておらず、炎弾の射出などはできない

かわりに霊糸を張りめぐらせて導火線とし着火する事ができる
霊糸は手のひらから伸び、相手の身体などに括り付けることが可能
この炎は誰かが消さない限り燃え続けるだろう
この糸を自身の身体に巻きつけることで炎をまとうこともできる
そのとき炎をまとった部位は限界まで身体能力を上げることが可能だが数分後には反動で動かなくなる

これらの炎によるダメージは自分には通らないが、ダメージが無いだけで外傷は残る
つまり痛みは感じずとも火傷は負い、それにより行動に支障が出ることもあるだろう
霊糸には断熱の効果もあり、これを駆使することで極力自分にダメージを与えないこともできる
しかし霊糸は細いために張り巡らせるのには時間が掛かり、特に戦闘中に完全な環境を作ることは不可能に近い

概要
前年度の生徒会役員
それ故自動的に戦挙管理委員会になるが前会長とは生徒会役員の頃から意見が合うことが少なく余りなかは良く無かったが鎮圧部隊の横行によりその亀裂が深まり完全に断絶
以降、鎮圧部隊の暴走、立候補者の暴走を抑え戦挙が速やかに進むように裏で暗躍したりしている
外見に合わず意外と頭も良く頭脳戦も得意であり能力的に肉弾戦も得意である
戦挙ではまともな生徒に勝ち上がって貰いたいため明確かつ不純でない動機での立候補者には協力的である
本来は平等であるべき戦挙であるが鎮圧部隊の横行ゆえもはや平等など言っている場合では無いという考えでの行動である

90 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/19(土) 16:06:56.60 0.net
>>83の「放課後」という記述なんですが、これは無しということでお願いします。

恐らくここと直接関係ないと思われる「誰かが能力くれるからwiki」を参考にしてたので、戦闘は必ず夜行われるものと思ってました。
始業〜終業ベルの間が戦挙期間なんですね……

なので、正しい掲示内容は以下ということで。

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黄昏、黎明、黒響を倒した人を探してます
心当たりのある方は屋上まで!
生徒会戦挙立候補者
3-B コトウ
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91 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/19(土) 16:22:47.69 0.net
>>87

ではそれに合わせて内容を変えます。
…………………………………………………

それよりも気になったのは指定された場所だ。新校舎屋上は俺の隠れ家。昨日、一昨日とそこで過ごしていたのだ。


「じゃあ今日は屋上が煩くなる可能性が高いな…。う〜ん…。まっ、いいか。いつも通り屋上の倉庫で昼寝するか。」

身を潜めるには【能力】を使えばいいだけのコト。俺は教室には入らず屋上な直行した。

屋上倉庫の前で俺は千代紙を取り出し、【鍵】を折った。その裏に【隠】と謂う文字を書き込み、倉庫の内扉に張った。

「これで人は入ってこないはずだ。さっ、今日も一日無事に過ごすか。」

【安部 祥明:屋上倉庫内に身を潜める】

92 :比良坂詠未&【鎌獄鼠嵐】 ◆taZqHR8ods :2014/04/19(土) 16:42:47.93 0.net
…ここはどこだろう……。
異空間に入れられて半年…いや、正確には数時間もたっていないが…、設置されている電子カレンダーは半年過ぎたという旨の表示になっている。
次の修行がいよいよ終盤、確か『能力に認めてもらう』みたいな感じのヤツだったっけかな…?
それは置いといて、その『能力』本人がいな…
「会いたかったよーーーー!!!」
「ぐはっ!」
突然体中に何かが刺さった。それは僕の体を貫いて…
「あ、ごめーん、刺さっちゃったみたいだね、アタシの鎌。いま手当てするからねー、マイダーリン♪」
「…え?」
体中の傷と痛みが一瞬で引いた。
「ここは夢の中…と言っても、起きてることは半分ホントで半分ウソの世界みたいな感じだよ、んで…ここに来たからには、ダーリンがしてほしいこと、
あるんだよ…ね…?」
「なんでそんなに恥らってるんだよ」
「だ、だって…ダーリンからのお願いなんてあの時以来だからさ…キンチョーしちゃって」
「あの時…?ていうかお前、そもそも誰だよ」
「そ、そんな…ダーリン覚えてないの!?あたしのこと!?もうあたしのことはどうでもいいのね!?」
「違うよ!君が誰だか分からないから聞いただけじゃないか!」
「…ぐすん。あたしは【鎌獄鼠嵐】だよ。ダーリンが大大大大大っ嫌いの」
「嫌いじゃないよ別に」
「嘘だ!ダーリンの体であんなことやこんなことしてたら怒ったじゃん!昨日!」
「…お前、【鎌股鼬智】の記憶を持っているのか…?」
「ていうか【鎌股鼬智】から進化したんだし、当然だよ!」
「なんであんな生意気そうなやつがこんな風になったんだよ…」
「ぶー」

93 :比良坂詠未&【鎌獄鼠嵐】 ◆taZqHR8ods :2014/04/19(土) 16:50:16.00 0.net
続き
「まあ、反省してるなら許してやるけど?」
「ほんと!?じゃあ、ダーリンの言うこと何でも聞いたげるね!」
「じゃあ、僕のこと主として認めてくれる?」
「ヤダ!」
…即答かよ。
「なんでさ」
「だって、ダーリンよわっちいもん!雑魚キャラ、永遠のサブ、最初に死ぬ脇役!まさにそれがお似合いなのが、
ダーリンじゃないの!あたしはそんなダーリンのこと好きだよ!」
「ほめてねーだろ」
「けなしてるよ!」
「わかった…。じゃあ力づくで認めてもらうよ」
「え、うそ、ちょ…いきなり?あたしまだ心の準備が…そんな…まあ、ダーリンにされちゃうなら本望だよ…」
「何赤くなってるんだよ、何か勘違いしてない?僕がしたいのは、こっちだよ…っと」
体中の鎌を出す。
「…プッ、アハハハハハハ!ダーリン、ふざけてるでしょ、アハハハ、おっもしろーい!ギャーハハハハ!ヒヒッヒヒッハハハハハ…アーハハハハハ!!!!」
「てんめぇ…!」
思いっきり腕を振る。修行してきたから今までとは速度が違う。
…4倍速くなってる。そう体感した。
「うおっと、あっぶなーい。ダーリン、怒ってるぅ?でもねぇー、能力そのもののあたしには勝てっこないんだよー?だって、その力はあたしそのものなんだから。
自分のことを誰よりもわかっているのは、じ・ぶ・ん♪だーかーらー、ダーリンには申し訳ないけど、ぼっろぼろに打ち負かして、心折っちゃうね♪そしたら、あたしと一緒にずーっとここで暮らそうね♪」
「フッ、俺が勝ったらおとなしくしろよ?そんでもう少し強くなってくれるか?」
「へーえ、いい度胸じゃん。そんな要求してさ。あたし、本気だすよ?」
急に声色が変わった。当然高くなるはずもなく―そもそもめちゃんこ高いが―かなり低くなった。
「グルゥァァアアアアアアア!!!」
「グルァアアアアアウウウウ!!!」
2匹のケモノ…いや、ケダモノが咆哮した。

94 :御笠春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/19(土) 20:37:07.22 0.net
この日投稿した御笠は掲示板を見た
何と鎮圧部隊を倒した奴が居るらしいのだ

是非この人物と接触する必要があると考えた御笠は屋上へ向かった

「古藤か…同じ学年だったな…どんなやつかはよく知らんがこいつとも会う必要がありそうだ…」

屋上

「そうだなぁベタだけどこの上で良いか…」

そう言うと入ってきたドアの上の貯水タンクの置いてあるところに寝転がる

「万が一のため今のうちに巻いとくか…」

掌から霊糸を出し腕をコーティングし始める

【御笠春明 屋上に入るドアの上で寝転がって待機】

95 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/19(土) 22:40:28.64 0.net
自分が貰っている能力が自由度高くてデメリットが薄い系統の能力なので
デメリットの明確化のために設定を増設および曲解しています。
戦闘能力の強化には成りませんので何卒ご了承ください

96 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/19(土) 23:17:51.44 0.net
>>94
御笠が屋上に上がって5分ほどが経った頃、彼の足下でガチャリとドアノブが回る音がした。

「おっ! 掲示見て来てくれた人かな?」

後ろ手に扉を閉めつつ声をかけてきたのは、寝癖頭が冴えない風の一人の男子生徒である。

「はじめまして……でいいのかな? 俺が古藤雄也です。クラスは3-Bね」

一見ボーッとした面構えをしているが、御笠はその影にある剣呑な佇まいに気が付いただろうか。
彼、即ち古藤雄也は死角である頭上に位置する御笠の存在を、屋上に踏み出した瞬間に察知してみせたのである。
どうやら、見た目ほど無警戒というわけではないようである。

「こっち降りてきてさ、名前とか教えてよ。いろいろ話したいことがあるから」

そう言って、古藤は自分の足下をつんつんと指差しながら御笠を誘う。

97 :御笠春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/19(土) 23:31:27.81 0.net
>>96
「あ?おう」

勿論寝転がりながら階段を登って来る音に気づいていたが入ってきた瞬間に気づかれるとは思っていなかったようだ

「ほっ!」

ハシゴは使わず飛び降りる

「よく気づいたな見かけほど間抜けじゃなさそうだ…
俺は3-A、元生徒会の御笠だ…
知ってるよな…去年の役員だしな…
今は戦管だが鎮圧部隊じゃねぇ
安心しな
だけど残念だったな…
俺は鎮圧部隊を倒してない
俺は確かにあんたにも用はあったがお前の掲示板にあった鎮圧部隊を倒したやつに用があって来たんだ」

「さて、こっちの情報は開示した、そっちの情報も喋って貰おうか」

98 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/19(土) 23:58:44.37 0.net
鉄材をかき集め再構成した武装。
前回と同様のバックパックに脚部腰部のブースター、そして鉄爪スラスター。
前のバックパックから取り出したハンドガンはそのまま使用できた。素材が唯一良かったからかもしれない。
他の装備が欲しくなかった訳ではない。イメージが出来ていないために製作時間がかかり、睡眠時間が足りなくなると踏んだのだ。
そうして準備を整え休んだ彼女が登校時に見たのは、掲示板に群がる人々だった。

黄昏、黎明、黒響を倒した人を探しています
心当たりのある方は屋上まで!
生徒会戦挙立候補者
3-B コトウ

...か。
鎮圧部隊の三人もの人数の脱落の知らせだ、それはこうもなるだろう。
それはそうと私は心当たり、というか真相を知っている。黒響、という人物の末路について。
何をしたいのかは知らないが、来訪した地点で討伐者と勘違いされるのは面倒かな。
そう思いながらも事の顛末を伝えるべく、本校舎へと足を進める。
バックパックがたてる金属音を、廊下に階段に響かせながら。

99 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 00:15:46.46 0.net
扉のノブも掴めないほどに疲弊した両手をだらりと下げるしか無かった昨日。
睡眠の回復力は恐ろしいものがあり、死んだように眠りこけたためか翌朝にはすっかり元の挙動を取り戻すことが出来た。
手を握り、そして開く。背中一杯に広がっていた疲労も解れたようだ。
昨日で汚れてしまったファー付きの学ランを羽織り、少し遅れて学園への道についた。

誰とも出会うことの無い、静寂の時間。
普通の生徒は少し前には学校にいてしかるべきなのだ。故にこの時間の校門には沈黙が訪れる。
そんな雰囲気は嫌いではない。だが今日は何故か祭りの跡のような、騒がしさの残り香のようなものを感じた。

「......あれか」

横目に見た掲示板。そこに張られた一枚の紙。
制圧部隊の三人の脱落、それを倒した物を求める。
それ自体は募集であるが、人によっては広報である、その内容。
成る程、道理でだ。これにつられた者たちの空気が俺にこの紙を見せたのだろう。

「黄昏、黎明、か。」

黄昏夕日という剣士を、俺は知っている。昨日死闘を繰り広げた刀の女。
黎明の名に覚えはないが、まああの狙撃手が十中八九そうなのだろう。
倒した、と言えば語弊はあるが。あの戦闘で何かを見つけた二人が身を引いたのは事実だ。
...しかしきっと、校舎が倒壊しなければ突入でも潜入でも狙撃手に打撃を与えただろう。
そうなればあの剣士が取り乱していたのもまず間違いない。
倒したとは言えずとも勝てた試合ではあったはず。ならば俺は該当者なのだろう。

「面倒だなぁ......」

自分の行動を指定される、指図される、制限される。彼にとってそれは苦痛だった。
今回の呼び出しにしてもそうだ。...所詮予定と呼べるものなど無いのだが。
だがまあ他に面白そうなこともない。仕方がないが行ってやるか。
大股に本校舎へと歩みを始め、階段を上り屋上を目指す。
後一階で屋上へ。そんな階段の途中で、ひどく小柄な人影を見つけて。

100 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 00:26:26.09 0.net
>>97
「なるほどね……
聞いたことあるよ。今年の戦管の中でも"あまり仕事熱心じゃない"人だって」

喧嘩を売っているわけではない。
現に、雄也は御笠の名を聞いたことで、幾分警戒を緩めた様子だった。

「俺? いやぁ、俺はそんな大したもんじゃないよ。
入学から今まで生徒会からの褒章歴もなし、戦挙開始から倒した人数もゼロ。
校内に五万といる、フツーの能力者と思ってくれていいよ」

外周のフェンスに体を預けながら、そう言ってのける。
確かに学内では聞かない名であるし、本人にも覇気というものは見られないが……

「ちょうどいいや。尋ね人がいっしょなら、御笠も一緒に待とうよ。
一人で待つとしたら何して暇潰そっかなーって、ちょっと困ってたんだよね」

>>98 >>99
と、階下から何やら鈍い金属音が聞こえてくる。
更に、その音に紛れるように気だるげな靴音。
共に階段を上り、屋上に向かっているらしかった。

「……お二人、みたいだね。今度こそ、お目当ての立候補者さんかな?」

扉をじっと注視する雄也。
あからさまに身構えたり、殺気を立てたりはしていないが、
間近で見る限り、確実に臨戦態勢に移行している。

101 :隼鐘悠綺/入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 00:26:48.34 0.net
機械の少女と獣の男。屋上前の階段で二人は出会した。
互いに張り紙に呼び出された身。校内でも有名なその口上はいまや誰でも知るところとなっている。
故に目のあった二人の思考は、ある一点に収束する。

このチビが、/この男が、
制圧部隊を倒したのか、と。

其ほどまでの実力者、迂闊に手は出せない。
隼鐘悠綺は素より穏健派で、意味のない戦闘は基本的に避ける性質だ。
入江紅牙は武闘派では有るが、勝利に拘り奇手も打つ。大胆かつ慎重な性格だった。
そのため戦火が上がることはなく。まっすぐ延びた階段を、互いの挙動を伺うように。
一歩ずつ、一歩ずつ。自然に合っていく歩調、一際大きくなった足音が閉鎖的な階段に響く。

たどり着いた鉄扉の前。紅牙がちらと横を見れば、一歩後ろに少女がいる。
俺が開けろってか。小さく漏らした舌打ちが反響して増幅されていく。
ここで抵抗しても仕方がないと、紅牙はドアノブに手をかけて。
半ば乱暴な手付きで扉を押し開く。差し込む太陽に目を細め、二つの影が光に歩み寄っていった。

102 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 00:38:35.53 0.net
>>101
「どうも、いらっしゃい!」

扉を開けた二人が見たのは、にこやかに手を挙げて二人を迎える男子生徒の姿だった。

「俺があの貼り紙をした古藤雄也で、こっちが戦艦の三笠……じゃない、戦管の御笠。
どっちも三年生。よろしくね」

勝手に人の分まで自己紹介を済ませると、二人の顔を交互にまじまじと見つめる。
品定めをしているというよりは、純粋に興味深々であるような、そんなそぶりである。

「単刀直入に聞くけどさ。君たちのどっちか、あるいは両方が、
鎮圧部の三人をやっつけた生徒さんってことでいいのかな?」

103 :隼鐘悠綺/入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 00:43:29.88 0.net
>>100
「さあ?どうかな...」

そういって閉じた扉にもたれ掛かる紅牙。責めるような視線を悠綺に送る。
先に言え、という合図。なんとなく読み取ったそのメッセージを受け、悠綺は二人に歩み寄る。
ここで暴れるにしたところで、変なところで反発するのも意味はない。だから素直に従った。
そうして考えを整理しながら、悠綺は彼らに真相を語る。

「制圧部隊の黒響は... 白河蛍が相討ちにした。
 そして今の彼は能力を失っている。......それだけ言いに来た」

ほう、と声をあげた紅牙。これでいいでしょ、と言わんばかりの視線を彼に送る紅牙。
彼女の視線を受けてやれやれといった感じで首を振ると、扉にもたれたまま紅牙も語る。

「似たようなもの、と言っても良いかは分からないが、黄昏とやらは自主退場だ。
 黎明ってのは知らないが、まあソイツと一緒にいたのがそうなら自主退場だな。
 ま、原因を作ったのは俺だと言うか。直前に交戦はしたさ。
 精々売られた喧嘩を買っただけ、だがな」

104 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 00:54:08.64 0.net
今日も憂鬱な一日が始まる。

私はこれからどうしたものか…。あれから比良坂さん達は戻って来たのだろう?やっぱり白河さんと行動を共にするべきなんだろうか…。

そんな事を考えながら登校すると、掲示板の前に人集りがあった。

(これって白河さんのコト…だよね?)

白河さんに知らせるべきか?でもあの人の性格なら行かないよね…。

悩みながらも私の足は屋上に向かっていた。すると階段を登って行く隼鐘さんを見つけた。

「あ!隼鐘さ…、ん?」
声を掛けようかと思った瞬間、隼鐘さんが大柄な男の人と一緒なのが見えた。

(お友達…じゃないよね。)

私は少し様子を見る事にした。

【御有楽 鈴:屋上に続く階段で待機】

105 :御笠 春明 ◆.Unf9dDOVU :2014/04/20(日) 00:55:32.99 0.net
>>100
「只者じゃあなさそうな雰囲気はなってるくせによく言うぜ
あと、今年の戦管のなかじゃ数少ない良心だぜ」

>>103
「なるほど
興味深い・・・
とりあえず戦管の良心としてあいつらを倒してくれたこと、礼を言うよ」

106 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 01:21:13.16 0.net
>>103
下から六行目
×彼に送る紅牙。
○彼に送る悠綺。

です。訂正します

107 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 01:31:47.81 0.net
>>103
互いに牽制しあうような素振りを見せつつも、小柄な少女が先に真相を吐露してくれた。

「……小耳には挟んでたけど、本当だったか……
なるほどね。今の黒響ほどの奴を、誰がどう倒したものかと思えば……」

彼女の言葉を耳にした雄也の表情に、ほんのわずかだが影が差す。
何か展望を失ったような、焦燥のようなものが覗く。

次いで、頼もしげな体躯の少年がぶっきらぼうに話を切り出す。

「……そっか。
まあ、何にせよ君との戦いが、二人を退場に至らしめた、ってわけだ。
経緯は知らないけど、大したもんじゃないの」

フェンスにもたれたまま両腕を組むと、雄也は数秒間沈黙し、目を閉じた。
そして、大きく息を吸うと、改めて扉の前の二人を正面に見据えた。

「まあ、何だ。とりあえず感想を言わせてもらうとね……
あからさまにヤバい奴が来なくて良かったと思ってる。いやあ、まずは一安心」

>>105
「……御笠のことも含めてね」

横目で彼を見据えて、にっと笑いながらそう付け足す。
御笠春明との遭遇は思いがけない僥倖である――そう、目で伝えるかのようだった。

108 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 01:34:05.98 0.net
>>107続き)

「続けざまで悪いんだけど、俺が完全な安心を得るためにも、もう一つ質問させてくれないかな。
ついでってわけじゃないけど、そっちの女の子も聞いてくれると嬉しいな」

飄々とした口ぶりと態度は崩さない。
この古藤雄也という男、どこまでがポーズで、どこからが本気なのかが今一つ読み取り難い。

「君らは何のためにこの戦挙に立候補した?
このバトルロイヤルを勝ちぬいて、学校をどうしたいと思ってる?」

そしてにっこりとほほ笑みかけると、最後にこう付け足す。

「ちなみに返答如何によっては、ここで君たちをぶっ倒さなきゃならないかな」

109 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 01:38:27.94 0.net
/御有楽さんにも気付いて声をかけた方がよかったかな…?

110 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 01:46:34.11 0.net
>>109
大丈夫ですよ♪

111 :隼鐘悠綺/入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 01:58:49.18 0.net
「さぁ?そんなもんねーよ」

先に答えたのは紅牙だった。口元には不敵な笑み。
返答如何で倒すという脅迫じみた宣言をものともせずに続ける。

「言ったろ、売られた喧嘩を買っただけだって。
 戦挙のジャマだー、ってな大義名分なんて無いからな。
 この戦挙だって俺にとっちゃ文化祭や体育祭と変わらない、只のイベントでしかない。
 ...言っとくが、俺は強いぜ?黄昏を終わらせ黎明に影指す、程度にな」

張り詰める空気。お前の番だぜ?と紅牙は悠綺に視線を向ける。
挑戦的な表情に冷ややかな視線を投げ返しながら、悠綺も問いに答える。

「私は...... 分からない。
 黒響という男との戦闘も、巻き込まれただけ。
 ただの...手駒と、して?」

受け取ってはいないが、白河の想いは確かに聞き届けた。
志に共感したわけではない。だが協力も悪くないと思えた。
そんな彼の手駒としてなら、明確な目標が見えるかもしれない。
半分希望的観測にすがったような、ボケたビジョンを曖昧に語る。

112 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 03:48:00.30 0.net
「あの〜、ちょっといいですか?」
私はそっと扉から顔を出した。

「その、白河先輩なんですけど、今お仲間を探してるんです。私の口から詳しくは言えないんですけど、会長さんに対抗する勢力を作るとかで…。」
みんなが私を見てる、どうしよう…やっぱり私には勧誘なんて向いていないよ…。


「と、取り敢えず話を聞いて頂けませんか?多分、白河先輩は生徒会室に居ると思うので…。」

【御有楽 鈴:皆に共闘を持ちかける】

113 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 04:13:15.85 0.net
>>111
二人の返答を聞くと、雄也は両の手をポケットに突っ込み、フェンスに預けていた体を立て直した。

「なるほど。今すぐ叩き潰す、とは言わないことにするけど……残念だな」

そして、制服の襟を煩わしがるように首の後ろをボリボリと掻いて、二人から目を逸らす。

「……バカだと思われるのを承知で、こんな話をするけどさ。
この学校、このままでいいのかって考えたことはないかな?」

雄也の視線は、眼下に広がるグラウンドに移っていた。
戦挙期間とあって体育の授業や部活動は行われておらず、人気はない。
殺伐とした、血腥い風がただ、吹き抜けていく。

「怪我人や、精神に傷を負う人間が毎日ゴロゴロ出てさ。
そういう事態を未然に防ぐための戦管・鎮圧部隊も、もう本来の機能は果たしちゃいない。
大義名分をでっち上げて能力を振りかざすだけの、キナ臭い集団になっちゃってるからね」

傍らには当の戦管の一員がいるのだが、歯に衣着せない物言いである。

(↓続く)

114 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 04:16:27.40 0.net
「そして、ひとたび戦挙ともなれば見ての通りの乱痴気騒ぎ。
勝った奴が正義。強い奴が偉い。
生徒が揃いも揃ってそのルールを受け入れてるからだ。
君たちみたいに、これといった理由なしに戦ってるって奴もいるんだろうけど、
大抵の奴は生徒会長の座……絶対的な権限ってやつを欲しがってる。
好き放題ができる、この学校の王様になりたがってるんだ」

階下で爆発音が響いた。
今日も始まっているのだ。野望を抱く者同士の血で血を洗う戦いが。

「でも俺、思うんだよね。こんな戦挙なんかでなれるのは、せいぜい裸の王様だよ」

吐き捨てるようにそう言うと、雄也は皮肉っぽく笑んでみせた。

「生徒会なんてものがありながら、この学校は何一つ生徒の意志じゃあ動いてないんだ。
絶対権限ってのは、つまるところ学校を運営する大人たち、『理事会』が用意したエサだ。
そいつらが望む強力な能力者を選出するための単なるお題目なんだ。
理事会の意のままに戦わされて、ボロボロになるまで潰しあって、
そうして最後に残った奴が、理事会が許す限りのちっぽけな自由を手に入れる――
それがこの戦挙って行事の実態なのさ」

(↓続く)

115 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 04:18:40.95 0.net
「このまま放っておけば、いずれは一番強いやつが勝ち残って戦挙は終わる。今年もね。
でも、それじゃあ何も変わらないんだ。
力はなくとも、この学校を変えようとしてる人間が、ちゃんといるってのに……」

最後の一言は、消え入るような小さな呟きだった。

>>112
「……っと、君は?」

扉の陰から顔を出したのは、可愛らしい雰囲気の小柄な女子生徒だった。
会話が中断されたことで、雄也はついつい話に熱が入っていた自分を認識し、
ふぅっと小さく息を吐いて首を振った。

すると、彼女の口から思いもよらない言葉が紡がれる。
白河。仲間を探してる。会長に対抗する勢力……?

「それ、本当かい?」

思わず彼女の方に歩み寄りながら、雄也は尋ねる。

116 :名無しになりきれ:2014/04/20(日) 04:38:00.76 0.net
これが後世に伝わる「黄金の生徒会」メンバーが一同に会した瞬間であった。
そして彼らは学園の運命を塗り替えるべく、史上最後の生徒会戦挙に挑むこととなる…

みたいな展開だったら熱い

117 :御笠春明 ◆uTEF7TtyHk :2014/04/20(日) 10:55:04.84 0.net
>>113
いや、いいんだ
あいつらの横行を止めれなかった俺が悪いさ
でも、それをとめるため、そして大志を抱いた奴を勝たせるための俺だ
もはや不正がどうこう言ってる場合じゃあないよな?
次期生徒会役員にはまともな奴にやってもらいたい
だから俺は裏方として精一杯協力させてもらうぜ

>>112
会長に対抗する勢力化
戦管の俺でいいなら協力させてもらうぜ
まぁ、その目的にはよるがな・・・
何のための対抗勢力かってことよ

118 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 11:11:24.20 0.net
>>115
「あ!申し遅れました、私は一年の御有楽 鈴(みうら すず)って言います。昨日の白河先輩と黒響さんって方の戦闘を近くで見ていました。
と言っても凄すぎて、正直何が何だか分からなかったですが…。」
隼鐘さんの方を見て助け舟を求める…。が返答はなかった。

「と、兎に角それで白河先輩が【能力】を失ってしまったみたいで、自分の代わりに会長さん達と戦ってくれる仲間を探してるんです。」
そういやぁ何で【能力】を失ったのだろう…。あの眩しい光の中で何があったのだろうか…。

「もし話だけでも聞いて頂けるなら、一緒に生徒会室に行って貰えませんか?」

【御有楽 鈴:生徒会室への移動を提案】

119 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 11:16:43.35 0.net
何だか外が騒がしい。人が集まっているようだ。屋上入り口付近で話してるらしく、この倉庫の中までは内容まで聞こえてこない。

俺は千代紙で【鶴】を折り、【耳】と書き込んで飛ばした。

>「制圧部隊の黒響は... 白河蛍が相討ちにした。」
外の声が千代紙を通して聞こえてくる。

(白河 蛍?前副会長か…。なるほど納得だな。)

俺はそのまま話を聞く事にした。

【安部 祥明:聞き耳をたてる。※能力を使用している為、他人には認識不可】

120 :御笠 春明 ◆.Unf9dDOVU :2014/04/20(日) 13:56:14.19 0.net
>>118
俺は無視ですか・・・

【ふうとため息をつく】

121 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 15:18:17.23 0.net
>>117
「ありがとう。戦管の一員がそう言ってくれるなら、正直心強いよ」

戦挙管理委員会にも、正常な倫理観と判断力を持った人間がいる。
その確証が持てたことは大きかった。
この御笠という男は、まさしく戦管の良心と言えるのかもしれない。

「今んとこ、俺と君の目的は一致してるみたいだ。白河の話を聞きにいこう。
場合によっては俺たち、同志って奴になれるかも」

>>118
「御有楽さんだね。俺は三年の古藤雄也。よろしく」

腰をかがめて、鈴に目線を合わせて自己紹介をする。
子供扱いをしているように取られたかもしれないが、雄也なりの誠意である。

「白河とは一度話してみたいと思ってたんだ。生徒会室、ご一緒させてもらうよ」

122 :御笠春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/20(日) 16:39:39.25 0.net
>>121
あぁ

それにしても白河か…

123 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/20(日) 20:29:43.53 0.net
【規制くらって待ってたら忍法帳までブッ飛んでやがるだと…!?】

124 : ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/20(日) 20:43:05.03 0.net
>>70
ありがとうございます!!
使わせてもらいます!
名前 : 椿 時代 (つばき ときしろ)
性別: 男
年齢:32歳
身長:176センチ
体重64キロ
学年/部活等:鎮圧隊教師
容姿:細身の筋肉質、能力でやつれている。黒のスーツ着用。
その他:鎮圧用の武器として学校から支給されたベレッタPx4愛用。狙撃用ステアーAUG所持。
能力:【スローエイム】
十秒自分の体感時間が引き伸ばされる。能力使用中は視界が狭くなり正面しか見えなくなる
能力を解除すると脱力感に見舞われ動けなくなる。
こんな感じでよろしいでしょうか?

125 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/20(日) 20:47:40.34 0.net
名前 剣 疾風 (つるぎ はやて)
性別 男
学年 2年
体格 身長173cm 体重56kg
能力【手中即剣】あらゆる物質に『剣』の性質を帯びさせる事ができる能力者
『剣』は鉄の硬度をもち時として悪しき物を切る刃となるもの、
つまりすべての物にそれが適用される 小型のものは縦に長くなる
スポンジだろうが小石だろうが、能力者の手にかかればすべてが『剣』となる
マッチ棒やライターを炎の剣として扱う事が可能とするだろう
性質の解除は任意であるために敵意なきものを斬らないといった事が可能
初期装備は木で出来た盾と剣、切れ味 硬度ともに頼りない
必要に応じてライターを所持している事も可能とする
能力者はそれなりに力が強く 扉を破って剣代わりにする事も可能だ
容姿 少し長めの前髪、運動用にコンタクトをしているが、印象が変わると苦情を受け伊達メガネを使用中
部活 剣道部
備考 あまり真面目ではなく居残り常習者。成績は中の上。超ゲーマー

126 :名無しになりきれ:2014/04/20(日) 20:48:36.24 0.net
>>124
おk

127 :白河&御有楽ペア ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 21:28:04.22 0.net
>>123

剣さん、おかえりなさい♪比良坂さんと共に特訓終ったら出てきて下さいね。

128 :比良坂vs【鎌獄鼠嵐】 ◆taZqHR8ods :2014/04/20(日) 21:49:28.76 0.net
「こいつ…やりやがる」
「だってアタシは【鎌獄鼠嵐】だよ、自分を使いこなせなくってどうするの♪」
「楽しそうだね…全く。こっちは苦労してんのにさァ」
「だって久しぶりに思いっきり自分の本気出せるからさ。ほーら、油断してると…」
刹那、背後に鋭い風が吹いた。
「こうなるよ♪」
「っと!」
慌てて上に飛び上がる。しかしあいつも反応が速い。同じ高度まで一気に上がると、突然こっちに突進してきた。
「なにっ…!?」
「ふふ♪」
そのまま抱き着いてきた。全身に鎌が刺さる。
「鼻の穴を広げるとかさ、耳をピクピク動かすとかそういう感覚で自分の鎌をちょっとばかし動かすんだ。
そうして風を起こす。ちょっと疲れるけど、でもそうすることで空中でも自在に動けるんだ〜。試してごらんよ♪」
「いいのか、ヒントなんて与えてさ」
「いいのいいの♪それより早く名前で呼んでよ」
「うーん、【鎌獄鼠嵐】ってどう呼べばいいの?」
「そうだねぇ、レゴソラ…かな?」
「わかったよ、レゴソラ。んじゃ、続きを始めようかっ!」
思いっきり腕の鎌を背中に刺す。
「ヒギャァ!やったなぁ?」
『俺』の体からレゴソラが離れる。そして――
「食らえー!」
回転し、黒い巨大な嵐が生まれた。
この展開は――トラウマだ。

129 :白河&御有楽ペア ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 22:01:45.36 0.net
生徒会長書庫。膨大な書物の中に【能力】について書かれた一冊の書物があった。

【能力】
常人には持ち得ない人間離れした力。近年の研究において、能力自身が意思を持つ事が確認された。
また能力者には二つの分類に分けられる。

先天性能力者/生まれ持って能力を扱える(自分の中に飼っている)者。

後天性能力者/能力を扱える(飼える)力を持ち、何らかの形で後から能力を授かる者。

【具象化】
能力が人や獣などに形を変え、能力者の前に現れる現象。先天性能力者が新しい力を得る時などに起こる事が多い。
現れ方としては瞑想や睡眠時などに夢の中に現れる事が大多数。

【暴走】
能力に意識を乗っ取られる事。多重人格症状などにおいて他人格と入れ替わる現象と酷似している。
暴走時において、強さの個人差はある物の自身の意識はなくならない。

【憑依】
能力に完全に意識を乗っ取られる事。自身の意識はなくなる。
術者の姿は人間離れし、具象化時の能力に近い形に変貌をとげる。

【覚醒】
憑依とは違い、能力と一つになる事で限界以上の力を手に入れる。
憑依ほどてはないが、人間離れした姿になる事が多い。
また覚醒後には一時的、又は永久的に能力を失う。

130 :名無しになりきれ:2014/04/20(日) 22:28:05.77 0.net
誰かイメージCVを書いてくれないだろうか

131 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/20(日) 22:40:02.16 0.net
この学校でも馬鹿共が能力を悪用している...こんな能力なんて在ってはならない...。
能力者は【始末】しなければ。僕が最後の断罪者になるんだ...
世界中の人を救うために...。(旧校舎屋上から>>133を狙撃)

132 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 22:42:49.71 0.net
>>131
アンカずれてる?

133 :隼鐘悠綺/入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 22:49:31.60 0.net
「なんだ。今すぐじゃないのな。釣れないねぇ」

扉にもたれたままで苦笑する。いつでも準備はできているとでも言うように。
俺が排除対象か。その大口はどこまで信用していいのだろう。
だが如何なる時もあらゆるケースを想定しながら、負ける気は一切感じない。
それが入江紅牙という男の、築き上げられたメンタルだった。

そうして話が一段落済んだのだろうか、ぞろぞろと人が扉を目指してくる。
しょうがない、と道を開け、扉の前から離れてやる。

「行ってらっしゃい。白河とやらに逢いにな」

嘲る様に声を投げる。この一団は何をするつもりなのだろうか?
奴は言った、強いだけの者が勝ち上がる制度は可笑しいと。
また奴は言った、理念を持つものが勝ち上がるべきだと。
まあいい、と紅牙は思う。サポートが無いと勝ちあがれないような烏合の衆なら正面からつぶすのみ。
弱者が掲げる理念なら、それこそ興味は無い。ただ頂上を目指すだけ、得られる地位などどうでもいいのだ。

ふと小柄な少女と目が合う。無機質な瞳で見上げるならば、見える表情もまた無機質。
手駒として、か。そんな台詞は甘えだ。自分の理念が確立していなければ付け入られるのがオチだ。

―――かつての、俺のように。

一瞬苦い表情が顔に出たかもしれない。小柄な少女がほんの僅かに目を見開く。
なんだかバツが悪くなった紅牙は、屋上のフェンスに歩み寄りもたれかかると、追い払うように首を振る。
自分に構うなと、そんなメッセージを暗に秘めて。届かぬ思いを、しかし届けたかったのかもしれない。

134 :隼鐘悠綺/入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 22:50:29.64 0.net
安価スナイプされた。どうするの

135 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/20(日) 22:56:24.36 0.net
>>134
コンマつけるの忘れてました
すみません(-_-;)
再安価しても良いですか?

136 :剣疾風&【手中即剣】 ◆J/oczXnR/E :2014/04/20(日) 22:59:09.41 0.net
かなりの時が流れた。
剣術を極めた…まではいかなくとも、今までよりは格段に上達しているはずだ。

「……後は、能力との対話、そして能力に認めてもらう…か…」
今は第二段階【手中即剣】のままだが、場合によっては進化する可能性もあるだろう。
「……鬼が出るか蛇が出るか…ん?」

……不思議な格好をした男が歩いて来た。
西洋甲冑を来て兜をかぶった…つまり頭は武者、首からしたは騎士…というなんともおかしい格好をした男だ。
「……こうして会うのは初めまして、だな。我が主よ。」
「……へぇ、あんたが【手中即剣】…」
「呼び方は主に任せる、『能力』でも『剣』でも好きな呼び方をすればいい。」
「……どうせ呼ぶなら『相棒』にしておくよ、これからも一緒に戦うんだ、ただの能力って呼ぶのはこっちが嫌だ。」

『相棒』が不敵に笑う。
「……何が可笑しい」
「いや、主は余程の自信家なのだな、と思ってな…」
どういう事だ?と尋ねる。

137 :剣疾風&【手中即剣】 ◆J/oczXnR/E :2014/04/20(日) 23:00:11.63 0.net
かなりの時が流れた。
剣術を極めた…まではいかなくとも、今までよりは格段に上達しているはずだ。

「……後は、能力との対話、そして能力に認めてもらう…か…」
今は第二段階【手中即剣】のままだが、場合によっては進化する可能性もあるだろう。
「……鬼が出るか蛇が出るか…ん?」

……不思議な格好をした男が歩いて来た。
西洋甲冑を来て兜をかぶった…つまり頭は武者、首からしたは騎士…というなんともおかしい格好をした男だ。
「……こうして会うのは初めまして、だな。我が主よ。」
「……へぇ、あんたが【手中即剣】…」
「呼び方は主に任せる、『能力』でも『剣』でも好きな呼び方をすればいい。」
「……どうせ呼ぶなら『相棒』にしておくよ、これからも一緒に戦うんだ、ただの能力って呼ぶのはこっちが嫌だ。」

『相棒』が不敵に笑う。
「……何が可笑しい」
「いや、主は余程の自信家なのだな、と思ってな…」
どういう事だ?と尋ねる。

138 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 23:07:37.06 0.net
>>135
どうぞ。お気になさらず
でも基本的に狙撃能力は察知できない&一方的なのでロールしづらいという点をご了承ください
狙う箇所などを明記、加減などしていただけると以降のろーるも捗りますので

139 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/20(日) 23:09:42.76 0.net
>>138
了解しました
足を狙ったということにしても良いですか?

140 :剣疾風&【手中即剣】 ◇J/oczXnR/E:2014/04/20(日) 23:14:15.21 0.net
(>>137の続き)
「……負けて能力を使えなくなる、等とは考えなかったのか?主よ。」
『相棒』が一瞬光に包まれる。次の瞬間には全身に様々な剣を装備している。
腰には刀、背中には大剣、両足には短剣…まだ隠し持っているかもしれない。
「……ま、戦うんだよな…」
「ふ…ここには剣にするような物は無いぞ?どうやって戦うつもりなのだ?」

痛い所を突かれた、ここには素材が無く、剣が作れない。
「でも、投了はしないぞ?俺は勝って…」

「……守りたい人の為に、その力を貸してもらいに来たんだ。」
そう言った瞬間、『相棒』から殺気が消えた。
見ると『相棒』は微笑んでいる。
「……ふ、それが聞きたかったのだよ、主よ…私はその、愛する者を守るという意思が聞きたかったのだ。」
「……」

『相棒』は語り続ける。
「私は主をずっと視てきた、そう、産まれてから今に至るまで、ずっとだ…」
「私は、主が私利私欲の為に能力を使う者では無いとずっと信じてきた。だが、先日からは上を…強者の座を狙っている様に思えたのだ。」

141 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/20(日) 23:22:49.98 0.net
(>>140の続き…申し訳ない)

……確かにそうかもしれない、詠未と出会ってからは詠未に勝とうと考えている自分がいる。

「…でも、先ほどの言葉を本心で言っているのは主の為になら、力を貸そう。」
少しずつ視界が白く染まっていく…本能的にこの空間から出るのだと感じる。

「しかし、上を目指すのが絶対に悪いわけでは無い…愛する者を守るため、共に高みを目指そうぞ…」
世界が変わる感覚がする…

142 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/20(日) 23:24:17.73 0.net
(>>140の続き…申し訳ない)

……確かにそうかもしれない、詠未と出会ってからは詠未に勝とうと考えている自分がいる。

「…でも、先ほどの言葉を本心で言っているのは主の為になら、力を貸そう。」
少しずつ視界が白く染まっていく…本能的にこの空間から出るのだと感じる。

「しかし、上を目指すのが絶対に悪いわけでは無い…愛する者を守るため、共に高みを目指そうぞ…」
世界が変わる感覚がする…

143 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 23:24:37.29 0.net
>>139
いいですが自分はPC二人いるのでどっちなのか...
というかそのまま俺撃つんですね

144 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/20(日) 23:27:25.94 0.net
なんなんだろう…投稿出来たり出来なかったり…スレ汚し申し訳ない

145 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/20(日) 23:28:38.83 0.net
狙撃は白河さんに会いに行く組が去ってからなのでしょうか?
それとも皆が揃ってる間?

146 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/20(日) 23:43:13.02 0.net
>>145
皆が部屋から出ていって一人になった所を狙撃したということでお願いします
>>143
度々すみません
最初ですので足元の者を狙撃して脅したということにしても良いですか?本当すみません(-_-;)
狙撃は止めて近接戦闘なら大丈夫ですかね?

147 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/20(日) 23:44:53.89 0.net
>>146
追記
>狙撃は止めて近接戦闘なら大丈夫ですかね?
これからの戦闘の時ということです

148 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/20(日) 23:47:26.97 0.net
>>146
戦えるのなら近接戦闘の方がありがたいですがお好きなようにー

149 :名無しになりきれ:2014/04/20(日) 23:50:46.64 0.net
>>130
比良坂:梶裕貴
冥瞳:戸松遥
剣:逢坂良太
入江:中村悠一
早鐘:早見沙織
御有楽:三上枝織
白河:浪川大輔
黄昏:日笠陽子
黎明:門脇舞
古藤:三木晋一郎
御笠:小西克幸

こんな感じ?

150 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/20(日) 23:51:04.89 0.net
>>148
近接戦闘やります
度々すみませんでした(-_-;)

151 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 23:55:49.96 0.net
【生徒会室】
入江さんを除く皆で白河さんに会いに行く事になった。

生徒会室のドアを開けると、何か本を読んでいる白河さんが居た。

「白河先輩、おはようございます。」
「ん?御有楽か?おはよう。と謂う事はもう朝か?」
「え?先輩、もしかして寝てないんですか!?」
「いや、30分程寝たよ。それより後ろの二人は?まぁ知った顔もあるが。」
白河先輩が御笠さんを見て言った。でもその顔には昨日までの尖った表情はなかった。

「隼鐘と御有楽が連れて来たと謂う事は、俺たちの協力者…と考えて良いのかな。」
二人の顔を代わる代わる見ながら白河先輩が落ち着いた声でゆっくりと尋ねた。

「分かった。では、お前達にも会長の計画を話さねばなるまい。戦管の中でも会長派しか知らない事実を。」
そうして白河先輩は事の経緯を話し出した。会長の能力、異能者の能力のみを取り除くと謂う計画…。

「…以上だ。俺は【あの人】を止めたい。その為には力が必要だ。頼む、俺に力を貸してくれ!」
白河先輩が深々と頭を下げた。

152 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/20(日) 23:56:47.82 0.net
>>149白河蛍:石田彰でお願いw

153 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/21(月) 00:09:50.02 0.net
>>150
まあ因縁付けとかなら狙撃でも楽しくロールできますし
お互い楽しめるようにワンサイドゲーにならないように気を付ければおっけーですよ

154 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/21(月) 00:14:59.10 0.net
>>153
ありがとうございます!!

155 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/21(月) 00:18:41.27 0.net
>>149
自分の能力はWOLのイメージで「関 俊彦」さんで…w

156 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/21(月) 00:31:22.94 0.net
>>133

「やれやれ、これで静かになるな。」
一団が去って行き、入江と謂う男だけが屋上に残った。
俺は飛ばした【鶴】を生徒会室に向かった一団に着いて行かせた。事の顛末が気になったからだ。

「しまった!【耳】じゃなく【録】にしとけば昼寝出来たのに…。」
その時!屋上に銃弾の音が鳴り響いた。誰が誰を狙ったのかは分からないが、明らかに着弾した音だった。

俺は慌てて戦闘用の千代紙を幾つか折った。
【安部 祥明:戦闘準備】

157 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/21(月) 00:32:48.33 0.net
>>146
/了解です。

>>151
「能力浄化、ねぇ……」

白河の話が終わると、雄也は椅子の背もたれに肘を預け、姿勢を楽にした。

「まあ……俺としては生徒会長に共感できないこともない。
確かにこの学校をメチャメチャにしてるのは能力の存在だ。
会長の言うように能力さえ絶ってしまえば、平和な、平凡な学校生活って奴が訪れるのかもしれない……」

そこまで離すと、雄也は腰を下ろしたまま大きく伸びをした。
そして、少しの間思案する素振りを見せた後、纏まった考えを言葉にしていく。

「……けどさ、それは『逃げ』じゃないかな。
自分自身の力に向き合うことを諦めて、可能性にフタをしちまう考えだと、俺は思う。
俺達にとって大事なのは、この力で何を為すべきかを考えることなんじゃない?
その答えを見つけることが、俺達能力者が一人前の人間として『自立する』ってことなんじゃないのかな?」

このルーズな佇まいの青年から、一人前だの自立だのという単語が出るのは意外であろうが、
詭弁を繕っているような風でもない。ナチュラルに自らの考えを語っているようだ。

「協力してもいいよ。会長がそういう腹積もりなら、いずれは倒さなきゃならないだろうから。
……それはそうと、俺の願いも聞いてもらっていいかな?
白河たちになら、たぶん共感してもらえると思うんだ」

158 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/21(月) 00:34:13.56 0.net
最終的な行動の把握もかねて狙撃のロールもう一回していただけません?

159 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/21(月) 00:35:53.17 0.net
>>149
虚血の王(能力)の声は麦人さんです
誰が何と言おうと麦人さんです

160 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/21(月) 00:47:01.89 0.net
>>158
入江がフェンスにもたれかかる⇒椿が脅しの為に入江の足元の地面を撃つ⇒安倍さん気付く⇒椿、近接戦闘のために移動中(いまここ)

161 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/21(月) 01:01:39.72 0.net
>>160
/あっす。ロール返します

フェンスにもたれ掛かり空を見る。今日も同じく快晴の空に雲が流れている。
所詮俺たちがどうあがこうが、不変の物などいくらでも存在する。僅かな虚無感にため息をついた。
今日もいつもと変わらない、只の日々が続いていく。そんな感傷に耽った矢先。
足元のコンクリートが、甲高い音と共に弾け飛んだ。

「なっ......!?」

コンクリ片が前方向に転がっていく。つまり射撃は後ろから。
だが方位が分かっても視認は難しい。慣れた作業で耳を獣化させ超聴力で敵を探る。
銃弾の飛来した方向に意識を集中させ、そして警戒する。
空薬莢の落ちる音、リロード時の作業音、そしてハンマーを起こす音。想い描ける銃の挙動を音に還元し、それらを聞き逃すまいと瞑目する。

だが聞きたくなくとも24時間360度、働き続けるのが聴力だ。溢れる雑踏より近く、紙を折るような音を聞き取る。
乾いた音が耳障りで、遠くの音に集中できない。数多くの足音以外に聴こえるものはなかった。

「...おいソコの。居るんだろ?分かってるぜ。
 何時から居るのかは知らねーが、どういうつもりだ?」

苛立ちから攻撃的な口調になる。抑えようとも思わない。
要は敵か味方かオブザーバーか、それさえ把握できればいいのだ。
結果敵に回ろうが、上手いこと味方に出来ようが、そんなことには興味も関係もない。紅牙はただ今を思考し駆け抜ける。
瞑目したまま、耳を凝らして。継ぎ接ぎの獣の狩りの時間は、刻一刻と迫っていく。

162 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/21(月) 01:05:09.95 0.net
そういや精神と時のへ…じゃない、修行空間を出た俺はどこに出ればいいんだろうか

163 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/21(月) 01:13:58.23 0.net
順当に行くならアジトか生徒会室...かな?
でも人に見られなければ割とどこでも良さそう

164 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/21(月) 08:26:06.17 0.net
>>163

アジトでいいのでは?比良坂さんと一緒に出たら冥瞳さんも居るでしょうし…

165 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/21(月) 08:39:57.98 0.net
登場が白河軍団の修行に間に合わなかったので、
忍者設定を活かしてもともと戦闘訓練を積んでいるという理由で肩を並べていきます

166 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/21(月) 15:58:21.94 0.net
>>161
「どうしたんだい?何かあったのかい?」
笑顔を崩さず入江に近付く。殺意は少しも漏れていない。【教師】という立場を活かし,警戒させないように近付きながら言う。
「君も生徒会立候補者だね?どんな状況でも落ち着くんだ。じゃないと死んでしまうよ...こんなふうにね。」
【持っていたナイフで入江の首を斬りつけようとする】

167 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/21(月) 16:47:14.26 0.net
>>151
「どうも、元副会長」

去年生徒会として共に活動していた白河に挨拶をする

協力者なのか?
その問いに
「あぁ、勿論」
と、返す

そして知る、会長の浄化能力の事を…

「なるほど…大して能力はないように見えたのはそれが原因だったのか…」
生徒会任期中に会長の能力をみたことは無かったのだ
というよりも会長自身が見せないようにしていたのだろう

「戦管の中でまともな神経もってるのは俺と白河、お前くらいだろうな」

>>157
「あぁ、俺も古藤と一部同意見だ、無理に能力を奪って鎮圧しても、根本的な解決にはならねぇと俺も思う、そしてここから別意見。能力奪われたことで平和が訪れる?
そんな事があるはずがない、奪われたことで不満を持った奴が別の手段で暴れるだけだ」
しかしだ
「最終的な結論は同じだ…『会長達の横行を止める』
これに関してはここにいる全員の利害は一致してる…
白河お前の計画、是非俺も参加させて貰うぜ、一生徒として、そして戦管としてな」

そして確認する

「それで古藤、お前の願いってのはなんだ?計画に参加するものとして俺も聞く権利があると思うからな」

168 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/21(月) 19:28:29.99 0.net
>>157-167

>「戦管の中でまともな神経もってるのは俺と白河、お前くらいだろうな」
「正確には俺は戦管ではないがな。お前は知らなかっただろうが、俺は任期満了前に副会長の職を辞した。故に被戦挙権を持って戦挙に挑んださ。」

白河先輩が窓の外を見ながら呟いた。
「…結果、能力を失い落戦したがな。」

「故に今の俺はお前達の足手まといでしかない。先陣を切って戦う力はない。…だが、そこの隼鐘に言われてね。能力を失っても出来る事はある…と。」

隼鐘さんを見て微笑んだ。優しい笑顔。

(この人、こんな顔もするんだ…。)

「だから俺は神輿になる決意をした!何も出来なくても俺がやらなきゃならないんだ!」

>「協力してもいいよ。会長がそういう腹積もりなら、いずれは倒さなきゃならないだろうから。
……それはそうと、俺の願いも聞いてもらっていいかな?
白河たちになら、たぶん共感してもらえると思うんだ」
>「それで古藤、お前の願いってのはなんだ?計画に参加するものとして俺も聞く権利があると思うからな」

「その前に確かめたい事がある。御笠の事は良く知っているが、古藤と言ったな。お前の実力が分からん。少し確かめさせてもらうぞ!」
言い終わるが早いか、白河先輩は目の前の椅子を古藤さんの方に蹴り飛ばした。
と同時に白河先輩が椅子の後ろから古藤さんに突っ込んだ…。様に見えた。しかし気付くと古藤さんの後ろから回し蹴りを放っていた。

【白河 蛍:殺気のみを椅子と同時に飛ばし、古藤の背後から攻撃】

169 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/21(月) 20:07:22.48 0.net
>>167-168
御笠に対し、雄也が己の目的を語ろうとした、その時だった。
正面に座していた白河が、不意に椅子を蹴り飛ばした。

「!」

殺気を後方に従え、顔面目掛けて高速で突っ込んでくる椅子を、雄也はその脚を掴み、左手で受け止めた。
この間0.2秒。反応速度はまずまずであろうが、白河の攻撃の本命はこの椅子ではない。椅子の後ろから飛び込んでくる殺気もまたフェイクである。
疾風のごとき速さで雄也の背後に回り込んでいた白河が、椅子の着弾とほとんど同時に回し蹴りを放つ。
空気を切り裂く鋭い音色と共に、バキッ!! という打撃音が生徒会室に響く。


「……あーびっくりした。
なかなか手荒いじゃない、元副会長」

雄也はといえば、自分の席にかけたまま無傷であった。
左手に掴んだ椅子を、即座に背面に流して防御に用いたのだ。
結果として椅子のフレームは大きくひしゃげ、使い物にならないような状態となってしまった。

「……弁償とかしなくてもいいよね? これ」

【古藤雄也:自らの椅子に腰を下ろしたまま、蹴り飛ばされてきた椅子をキャッチし、回し蹴りを防御。殺気には惑わされなかったようだ】

170 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/21(月) 20:19:13.13 0.net
>>169

「なる程、体術の基礎はあるようだな。それに殺気の使い方も分かっている…っと!」
ひしゃげた椅子のフレームを手で無理やり直しながら白河先輩が言った。

「いいだろう、合格だ。能力を失った俺程度にやられている様では先はないからな。」
曲がった椅子に腰を掛け直した白河先輩。

「で、願いとは何だ?」
【白河 蛍:古藤の戦闘能力を認める】

171 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/21(月) 20:28:44.73 0.net
>>170
「まあ……笑わないで聞いてほしいんだけどさ」

雄也は席を立ち、ゆっくりとした足取りで黒板近くまで移動した。
ここからなら、この生徒会室にいる全員が見渡せる。

「俺、この戦挙って行事の在り方を変えたいんだ。
学校を動かしてく生徒会長が、こんな弱肉強食のルールなんかじゃなく、ちゃんとした理想を持った奴の中から選出されるようにしたい。
理事会の意のままに踊らされて、無意味に血を流すだけの戦いを終わらせたい。
そのための、全く新しい生徒会を作り上げたいんだ。
まあ俺はこんなナリだし、生徒会長なんてやれる柄じゃないんだけどさ……」

自分自身の、めくれ上がった制服の襟元を指してそう言う。

「もし、『こいつだ!』って立候補者がいるなら、そいつを勝たせるために全力を尽くしたい。
この戦挙に勝ち残るのに相応しい奴を、俺は探してるんだ。
ここに集まる奴らなら、あるいは……」

実のところ、その候補の筆頭こそが白河蛍であった。
彼は昨年度の生徒会において、随一の良識派として知られていた。
そして、会長と袂を分かった今こそ、この話を持ちかけるに絶好の機会であるはずだった。
しかし、接触はわずかに遅かった。既に彼は落選し、表舞台を降りていたのだ。
ならばせめて、彼と志を共にする者たちに賭けたかった。

「無理強いはしない。
でも、考えてみてくれないかな?
本当の意味での、生徒の代表としての生徒会を作るってことを。
理事会に操られるまま、悲劇を産み出し続けるこの行事を終わりにするんだ」

革命じみた、雲を掴むような話ではある。
それでも、古藤雄也は成し遂げるつもりなのだろう。
彼の瞳には、強固な意志が感じられる。

172 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/21(月) 20:34:15.00 0.net
>>168-170
(また俺無視かよ〜
てか、白河のやついきなりすぎ…
平静装ってるけどビビるわ…
いや、マジで…)
そして任期満了直前に白河が辞めていたことを聞き

「白河そうだったのか…それで…」

>>171
「古藤、言っちゃ悪いけどよ、そんな当たり前なこと言われても困るんだがな…
無論だ
そのために俺は暗躍しようとしてたんだからな
白河もそれに反対しねぇよ
なぁ?
そんで会長の件だが白河が会長になるのがベストだと俺も思うからな
無能力者がなったらいけねぇなんてルールはねぇし白河、お前まだ3ダウンしてねぇんだろ?
それなら慣れねぇ理由なんざねぇはずだぜ?」

173 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/21(月) 21:38:10.24 0.net
>>166
扉を開く音。そこから現れた男。
薄ら笑いを顔に貼り付けて歩み寄るその様は、それだけで作為的なものを感じさせた。
繰り出された刃。刈り取るような動作の手首を掴みその勢いを殺す。

「銃弾が打ち込まれた屋上に笑顔でのこのこと入ってくるような奴が... 怪しくないなんて思ってねーからさ
 生憎俺の精神はフラットだ。お前の攻撃に対応できる程度には、な」

        チカラ
掴んだ手首に力と能力を込める。類人猿の超握力。
姿かたちに殆ど変化の無いそれが行き渡ると同時に、手首を粉砕しようと襲い掛かるだろう。
この地点ではまだ余裕がある。そう踏んだ紅牙はゆっくりと、察せられぬように能力を右手に拡げる。

「なぜ此処に来た?俺が居ると分かってか?
 そうだろうな。...当ててやろうか。
 お前だろ?俺に銃を撃ったのは」

屋上中に行き渡るように重く響く声で糾弾する。
微笑むのは幸運か不幸か定かではないが、潜む紙屑野郎に声を届けるためだ。
これなら飛び出すタイミングも掴む手がかりになるだろう。戦闘力になるか敵に回るかはこの際別問題だ。
同時に脚はいつものように、跳躍に優れたカンガルー。
人の身で在りながらその能力を極限以上に引き上げた、合成獣が牙を剥く。

「なあ『人間』。その身体で俺に勝とうとは、あまり思わないほうがいいぜ?」

174 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/21(月) 21:46:17.73 0.net
違うんだ、「能力」の所にチカラってルビ振りたかったんだ
脳内補完でよろしくお願いします......

175 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/21(月) 22:21:14.13 0.net
>>173
「あららばれちゃったあ〜?しょうがないなあ〜♪」
表情は崩さない。
「んじゃまあしょうがないかあ〜能力発動♪」
能力を発動し自分の手を握っている手に銃を打ちまくる。
「これフルメタルジャケット弾つってさあ〜どんな物でも貫通させちゃうんだよ〜。まあ痛いけど傷は小さくなるからさ,殺傷力は少ないわけだ。そこで〜この弾、ソフトポイント弾を使うわけさ♪」
※ソフトポイント弾:銃弾を真鍮でカバーしていない破壊力の強い弾
【ソフトポイント弾を入江の肩に撃ち込む】

176 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/21(月) 22:34:51.91 0.net
待ってロールの意味が分からない
手に撃つの肩に撃つの両方なの
手に撃った場合自分の手首も貫通する気がするけど

177 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/21(月) 23:05:38.58 0.net
「…ありがとう。二人の思い、受け取った。」

(白河先輩…本当に嬉しそうだ。多分この人はずっと一人で戦ってたんだろう…。)

>「そんで会長の件だが白河が会長になるのがベストだと俺も思うからな
無能力者がなったらいけねぇなんてルールはねぇし白河、お前まだ3ダウンしてねぇんだろ?
それならなれねぇ理由なんざねぇはずだぜ?」
「…確かに、俺のスタンプは一つも押されてはいないが。」※前スレ参照

「だが、どちらにしろ今のままではダメだ。俺はまだ『置物』になるつもりはない!お前達と同じ『剣』でありた…あ!」
そこまで言うと白河先輩は何かを思い出した様に、隼鐘さんに目を向けた。

「剣と謂えば、剣疾風と比良坂詠未の二人、そろそろ戻ってくるはずだぞ!アジトまで迎えに行ってやれ。」

「それと二人には早速動いてもらいたい。会長は新校舎・視聴覚教室をアジトにしてるみたいだか、今乗り込んでも相手の思う壺だ。
まずは仲間を集める事。それと行方不明になっている木方や他の戦管を探してくれ。御笠なら戦管用の端末を持っているだろう?」
ポケットから携帯の様な物を取り出して、私たちに見せた。

「俺はまだここでやる事がある。悪いが後の事は頼んだ。」

【古藤 雄也・御笠 春明】+1pt『剣と盾と兜』
貴方達は志を共にする共闘者を見つけた。

178 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/21(月) 23:17:56.05 0.net
【目】となった【鶴】を飛ばしながら、大量の【燕】を折り続ける。

>「なぜ此処に来た?俺が居ると分かってか?そうだろうな。...当ててやろうか。お前だろ?俺に銃を撃ったのは」
(これは俺に向かって言ってるのか?まさか…能力で隠れてるのに気付いてるのか?)

気になった俺は【目】を入江の方に向けた。

瞬間!
(やばい!目が合った!気付いてる!しかも何だこの男は!
獣、それも野生の見た事もない猛獣…。

相手は…教師?か?こいつも危なそうだが、入江の比じゃない…。

やばい、俺の【式神】達が暴れ出した…。防衛本能が…抑え…られない…!)

俺は無数の【斬】と書かれた【燕】を二人に向かって飛ばすと同時に、倉庫の中から飛び出した。
手には【銃】と【剣】を持って。

【安部 祥明:戦闘に参加。三つ巴】

179 :名無しになりきれ:2014/04/21(月) 23:22:42.45 0.net
折神師の能力では物体そのものの特性しか発揮できませんので
銃を使用する場合は別途火薬と銃弾が必要なんです... 書き忘れですすみません
銃弾は折紙で代用可能ですが特性付与しなければただの紙な点にご注意を。あと爆発で焼けます

180 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/21(月) 23:33:02.04 0.net
>>179

了解。

では銃→盾に変更で。

181 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/22(火) 00:18:36.57 0.net
>>172
「当たり前、か……
ありがとう。御笠ならそう言ってくれると思ったよ」

この学校には、まだまだ自分達のように、現体制を快く思わない者がいる。
御笠や白河の言葉を聞くと、そんな希望がひしひしと感じられた。

>>177
「ああ、わかった。
俺達は戦管のメンバーを中心に、賛同してくれる奴をなるべく多く集めよう」

善は急げ。
雄也は御笠の肩を叩くと、生徒会室を後にする。

「この際だ。友達100人目指してみるのも悪くないかもね」

一先ずは御笠の持つ端末が、当面の行動の指標になるだろう。

182 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/22(火) 00:53:10.80 0.net
>>176
自分の手を犠牲にして脱出⇒能力発動させてソフトポイント弾リロード⇒撃つ
です すみませんでした(-_-;)

183 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/22(火) 01:27:59.89 0.net
三人ロールだから状況まとめたい

とりあえず時代は自分の手ごと撃ち脱出、離脱して(?)相手の肩に弾丸を撃ち込む
祥明の元からは【斬】のツバメが多数飛来
ここらの前後関係をはっきりさせましょ

184 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/22(火) 02:55:42.74 0.net
>>183

こちらはどのタイミングでも。空いた時で結構です。

185 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/22(火) 20:12:20.29 0.net
今や能力は満ちた。このまま力任せに手首を握り潰してやる。
その矢先に感じた只ならぬ違和感。なにかを見落としてるような、何処かが欠けたそんなイメージ。
瞬間響いた金属音に意識が思考から引き戻される。反応の遅れた紅牙の手と、男の手首を鉛弾が通り抜ける。

「なッ.......ッくぁアあぁ!!?」

撃った?『自分の手首ごと』?緩んだ手から男の手首が抜け落ち、同様にナイフが床に落ちる。
思考を介さず止血する。トカゲの筋収縮能力。尻尾を自切しても血一滴として溢さない力を反射で応急処置に使用する。
垣間見えた男の表情は依然として薄ら笑み。自分の手首に風穴を開けていながら、気味が悪いほど表情変化がない。

そして奴は言った。『能力発動』と。

とっさに身構え、同時に思考する。『能力が発動したのは今だったのか』?
ならば自分に弾丸を撃ち込みながら飄々としているこの状態、あれが奴の自然体だとでも言うのか?
獣足る自分以上にそれは異常。彼は『常人離れ』、いや紅牙と同じく『人間離れ』していると言うべきだろう。
......奴の、能力は何だ?

銃口の向きから射撃方向を予測、そこから逸れるように跳び跳ねる。
だが驚くべきことに男は跳躍した紅牙の軌道を、寸分違わず銃口でなぞっていた。
銃口の延長線上、そこには常に紅牙がいた。直感する、『逃れられない』と。
予測通りと言うべきか、銃声響いた屋上には。右肩口を貫かれ地に三肢で立つ紅牙の姿があった。
抉られた傷跡、筋収縮で血を止める。だが肉が空気に触れる痛みはその力では誤魔化せない。

呼吸を止め歯を食い縛る。普遍的な人間と同じように、そうして痛みに耐えるしか無いのだ。
同時に能力を発動、血液の酸素運搬を効率化しより長く呼吸を止める。
 ブラッド·シフト
『血液流動』。海悽の哺乳類が空気のない水中に居るように、紅牙もまた痛みの海に延々と浸かっていく。
極限環境のなかで耐え忍ぶ、そのなかで生まれた生存能力。それらを存分に生かしながら、目の前の男を見据える。
最早、会話など出来ない。口を開けば漏れるのは呻きのみ。歯を食い縛りながら歯噛みする思いで居るなか、飛び出す白い影を見る。

跳躍、カンガルーの両足。群隊の起動から素早く外れるとフェンスの手前に着地する。
呼吸を止め歯を食い縛っていたことで普段より力が入ってしまったが、行動自体に支障はない。むしろ跳躍のスペックは上昇していた。
此は、意外と使えるかもしれない。汗を額に浮かべながらも、瞳に僅かに獰猛な笑みを浮かべる。
そうしている間にも刃の燕たちは、先ほどまで二人がいた位置を通過していく。白の奔流が、二つの影を隔てていった。

186 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/22(火) 22:30:55.44 0.net
解き放たれ【燕】達は確実に二人を捉えていた…はずであった。しかし二人の間を静かに通過していった。

【折神師】は折った物の特性をそのまま発揮する。燕の飛行速度は役170km。これは水平方向での飛行速度としては鳥類最速とも謂われている。

(その速度をかわした…?)

入江の能力は多分、動物憑依的な物だろう。先程の跳躍を見ればそう推測される。
だが、あの教師は何だ?気がつけば移動していた…?

(瞬間移動…。いや、それだけでは銃弾が入江を捉えている事の説明が出来ない!)

「試してみるか…。宿・陽・動・飛空!」
俺は右手の人差し指と中指を立てて、【燕】を二人の周囲に漂わせた。

(前後左右完全なる包囲。これなら逃げ場ないはず!)

と同時に【風】と書かれた【剣】を二人めがけて交互に振る。疾風が二人を襲う中、【燕】は風の中を泳いでいた。

【安部 祥明:入江・椿を包囲と同時に攻撃】

187 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/22(火) 22:32:19.00 0.net
>>185
(糞...逃げ出す事には成功したが...能力のフィードバックで動けない...。さて,どうするか...。)
表面上は悟られないようにふざけた表情を保っては居るが,能力のフィードバックのために追撃を加える事が出来ない。
(此処は時間稼ぎに徹するか...。)
幸い敵の戦意は少し小さくなっている。
言葉で叩く事で相手に
「自分には勝てない」
という感情を植え付けることが出来ればこれからの戦闘も大部楽になるだろう。

続きます
ここの場面は>>186の少し前です

188 :椿時代 ◆VR1nfgE9C5ER :2014/04/22(火) 23:03:48.14 0.net
>>187
続き
「どうしたんだい?
急に手を離したりして?
まさか【恐怖】しているのかい?
まさかね?でも君,僕の能力がわからないでしょ?
何でいきなり弾丸で撃ち抜かれたのか。わからないでしょ?
そっちの能力は今のでだいたい分かった。身体能力の上昇...いや,変身と言った方が良いかな?
でもそっちの方は僕の能力が分かってない。今,この状態で君が僕に勝てるのかな?」
良し...後少し時間を稼げば動ける...。もう少しだ...。
しかし,ここで予想外の事が起こる
(何っ!!燕!?いや...これは能力か!!囲まれた!!)
今の自分ではどうにも回避出来ない
そう,【自分】では
(もし...入江の戦意が今の挑発で逆に強くなっていれば...!!)
椿の考えた唯一の回避方法,それは
入江に攻撃され吹っ飛ぶ事である。
かなりのダメージは喰らうだろうが最早道はそれしかない。入江の戦意が衰えていない事を祈り,椿は入江をさらに挑発する。
「さぁ!!やってみろ!!お前が俺をにダメージを与えられるのは今だけだ!!今俺は動けない!!お前が俺を倒す最初で最後のチャンスだ!!」
覚悟を決めた,全身全霊の演技。
後は相手が掛かるのを祈るだけだ。
(さぁ...来い!!)

189 :名無しになりきれ:2014/04/22(火) 23:06:03.53 0.net
この殺伐とした空気
なんとも言えないいい感じ

190 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/22(火) 23:41:00.23 0.net
何故手を離したかって?撃たれりゃ離すだろ普通。むしろお前がおかしいよ。
恐怖しているのかだと?まさか、最高に愉しいぜ?傷はちょっと痛むがな。
能力が解らない状況で、俺がお前に勝てるかだと?馬鹿が、こっちから言わせてもらえば『お互い様』だ。
身体を獣へと変える、それだけの情報。そんな程度じゃ俺の能力を把握したことにはならない。
刻まれたのは無数の遺伝子。状況ひとつとっても広がる無限大の選択肢。
人の枷を取り払い別次元の行動を体現する。能力そのものを知られようが、殊に紅牙に限れば優位にたてるわけではないのだ。

紡がれる男の言葉に嘲りの返答を浮かべながら、しかし言葉は返さない。
今口を開き一度喋ろうとすれば。傷口から溢れ出す激痛の奔流にただ飲まれるだけだろう。
視界に白がちらつく。周囲を旋回する無数の鳥の形。
この鳥が何を持っているのかは知らないが、良からぬものだと言うのは間違いないだろう。
この状況での行動を考えあぐねていると、前方の男から思いもよらぬ声がかかる。

能力の反動で動けない。
これが俺に与えられた最後のチャンス、だと。

この情報がフェイクなら。奴は自分の間合いに紅牙を引き込もうとしていることになる。
だが、と紅牙は思う。奴の獲物は見たところ拳銃。このくらいの距離ならむしろベストな間合いだ。
つまり。この情報『自体』は真実。能力は「正確な狙撃と引き換えに一時行動不能に陥る」と言ったところか。

憶測だが十分だ。奴の狙いは解らないが、反動で動けないというのなら仕留めさせてもらおう。
一時の行動不能。生存戦争でそれがどれだけ仇になるか、刻まれた遺伝子が一番よく知っている。
故に紅牙は牙を剥く。両足の筋肉を引き絞り、男に向けて矢のように飛び出す。
迫る風も追い付けぬ速度で一気に加速すると、銃を持った手首を掴み。
跳躍一閃。鳥の一団の向こう側、フェンスの向こう側へと跳躍し、五階以上の高さから身を踊らせる。

相手が動けないなら、抵抗しないなら。この行動は成し遂げられる。
情報自体が誘いなら、罠であったなら。憐れな獣はもがき苦しむだけだ。
当たるも八卦、当たらぬも八卦。獣の賭博の賽の目は、彼を何処に導くだろうか。

191 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/22(火) 23:50:53.93 0.net
>>188-190
一応囲まれているので、飛ばされたり脱出したりする場合は斬られて下さいw

192 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/23(水) 00:13:57.18 0.net
/あれ、書き忘れてた
/追記しますすみません

白の奔流に雪崩れ込む二つの人影。
一つがもう一つを振り回し、燕を打ち落とさんと奮闘する。
空中で質量体を振り回せば、そのまま投げ飛ばしてしまいそうだが、この場合は違った。
全体重を支え枝の一本一本を確実に掴む類人猿の握力。腕一本を離さないことくらい造作もない。

しかしそれは数の暴力、ましてや慣性でのみの打撃。全てを撃墜できるはずもなく。
足に、腹に、肩に、顔に。幾らか斬撃を受けてしまう。
なんとか銃弾が抉った傷は外した。この程度の痛みなら耐えられる。
昂る精神が痛みを誤魔化したこともあって、無呼吸の束縛から紅牙はやっと解放された。

「銃を持った手は俺に掴まれ!足場もない空中で!!
『今、この状態でテメーは俺に勝てんのか』ァ!!!」

放たれた言葉をそっくりそのまま返してやる。後はどう足掻くか、ゆっくり見てやればいい。
翼のない獣と人は重力に囚われ堕ちていく。形勢逆転を確信した獣は、宙で確と吼えた。

193 :名無しになりきれ:2014/04/23(水) 00:25:25.75 0.net
>>190
(よし!!来た!!能力も使える!!完璧なタイミングだ!!)
入江が突撃してくるまさにその瞬間,能力を発動する。
入江はこの攻撃で仕留めに来るだろう。さすがに急所は外さないと危ない。
入江の攻撃を少しずらし,体の力を抜いて思い切り吹っ飛ぶ。
ずらしたとはいえかなりのダメージを喰らう。肋骨の3本位は折れただろう。
しかし,脱出は出来た。燕の攻撃を多少は喰らったがそんな事は気にならない。
上機嫌で入江に別れを告げる。
「Good bye Mr. 入江〜♪一人で燕に攻撃されな!!」
スモークグレネードを投げつけ視界を奪う。
後はあの燕達が入江と戦って弱らせるだろう。万全な状態の奴と戦うのは自殺物だ。戦って弱った能力者達をゆっくり殺していくことにしよう。

194 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/23(水) 00:31:25.82 0.net
>>193
攻撃方法が「掴んでから一緒にダイブ」なんでそれはおかしい

195 :名無しになりきれ:2014/04/23(水) 00:33:44.15 0.net
>>194
読み間違えてました
すみません
書き直した方が良いですね?

196 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/23(水) 00:37:21.12 0.net
>>195
出来れば。まあお好きなように

197 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 00:42:41.97 0.net
>>192と193が噛み合ってませんので、私なりの解釈で


「あいつ…躊躇ねぇな…。」
椿を文字通り『振り回し』、迫る燕を落としていく入江。

もちろん全てを落とす事は出来ずに自身も傷をおっているが、それは振り回されている椿の比ではない。

>「銃を持った手は俺に掴まれ!足場もない空中で!!
『今、この状態でテメーは俺に勝てんのか』ァ!!!」
入江の咆哮と共に落ちてくる二人。と、突然椿の姿が消えた…?いや、また瞬間移動した。と同時に煙幕!

「逃がさん!宿・陽・動、走波!」
【追】の【狼】を逃げた椿に放つ。これで奴が何処に居ても俺には分かる。

「さて、問題はこっちだな…。」
目の前には野生の獣。こちらは紙の獣が88体。これは今の俺が完全にコントロール出来る限界の【式神】だ。

「仕掛けちまった以上、逃がしてはくれないだろうな…。」
【安部 祥明:椿を追尾。入江の様子を伺う。】

198 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/23(水) 00:44:49.09 0.net
待って♪どんどんカオスになる

199 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 00:48:42.72 0.net
あ!ロールしてなかった…194-196見てませんでした…_| ̄|○

暫し待ちます。

200 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/23(水) 01:56:48.21 0.net
俺はイタチ殿と合わせる為に待機しとくかね…

201 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 11:53:39.95 0.net
>>200
先に出て来てもいいと思いますよ。比良坂さんとは後で合流で。

それと敵キャラ出したいんで、【能力】投下して下さい。敵用なんで、デメリット少な目でもOKです。

202 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/23(水) 17:06:30.69 0.net
あんまりキャラやり過ぎても大変ですよ?
それと一人の割合が大きいとストーリーの幅が狭くなりますので
これ以上のロール受け持ちはおすすめしないのです

203 :名無しになりきれ:2014/04/23(水) 17:09:00.19 0.net
>>201

一応

【千手菩薩】第一形態
身体中から無数の手を生やす。生える時には体を突き破る痛みを伴う。
手が一本でも生えている間は本当の腕は動かす事が出来ない。
また生えた手は痛みや熱さなど、本当の腕と同じ様に感じる。

【千手観音菩薩】第二形態
自分の前に千手観音を召喚する。大きさは術者の力量による。召喚している間は術者は動く事が出来ない。

204 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/23(水) 19:13:58.79 0.net
自キャラが死ぬ場合の展開を考えてるんですが、能力の暴走・憑依形態とかって自分で設定しちゃっていいんでしょうか?

205 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/23(水) 19:29:45.39 0.net
便乗して俺の能力の強化版を再募集

206 :名無しになりきれ:2014/04/23(水) 19:51:17.36 0.net
>>204

いいと思いますけど、死なないで下さいw

207 :名無しになりきれ:2014/04/23(水) 19:57:54.27 0.net
>>205
剣さんの能力は元々高性能なんで、後は召喚ぐらいしか思いつかないなぁ。
能力自体を具現化して動かす?ブ○ーチの狛村隊長みたいにw

208 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 20:40:31.15 0.net
>>202
了解です。では暫く様子をみます。ただ、バトルに発展しそうな気配がないので、誰か会長派しませんか?

>>203
ありがとうございます。こちらで預からせてもらっていいですか?

209 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/23(水) 21:01:07.04 0.net
>>207
やっぱそうなりますよねぇ…

>>208
んじゃ、俺会長派行こうかな…
先天型能力のせいで保護施設に入れられたりしてるから…(前スレ参照)

210 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 21:14:02.55 0.net
この状況で剣さんが会長派に行くとややこしいです…むしろ第三派閥を作るとか?

211 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/23(水) 21:23:53.64 0.net
じゃあ悠綺ちゃんが行こうかな
ハッキリと白河派とは言ってないし

212 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/23(水) 21:34:17.23 0.net
そうなると剣君は悠綺ちゃんについていきそうかな…とか脳内シミュレートしてみたり

213 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 21:39:17.67 0.net
確かに行くならセットですね。ちなみに白河は裏方に回る予定なんで、古藤さん&御笠さんの相手になりますよ。

214 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/23(水) 23:03:58.20 0.net
ふむ、俺の端末か
俺の端末に期待されてもな
戦管にまともなやつがいると思えなかったから誰の連絡先も無いんだ
とりあえず戦管共通の場所に連絡をするくらいしかできないな…

鎮圧部隊にも広まっちまうんだがな
どうするよ

【白河がまともなのは知っていたため正確には白河以外の連絡先を持ってないとの意だ】
【連絡を広めるか広め無いかは2人に任せるようだ】

215 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/23(水) 23:05:35.01 0.net
/ひとつ疑問ですが
御笠の能力の霊糸ですが
どの程度の強度でどの程度の速さで出せるか聞きたいです

ぶら下がったりは出来るのかなどが知りたいです

216 :名無しになりきれ:2014/04/23(水) 23:14:30.09 0.net
火出す為の前準備がいるってデメリット付けたかっただけだからな
速度はそんなに速くなく、出来れば導火線以外の使い方はしないで欲しいが任せる

217 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/23(水) 23:22:38.39 0.net
>>216
/了解了解
そうします

218 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/23(水) 23:22:39.22 0.net
とりあえず悠綺ちゃんは疾風か詠未かが戻らないと依頼放棄出来ないので帰ってきてくださいー

219 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 23:29:59.09 0.net
むしろ御有楽 鈴を会長派に回そうかな…能力的にも伏線あるし。

220 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/23(水) 23:33:28.35 0.net
一応此方も張りまくったんだよ伏線... 前スレで

221 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 23:34:08.02 0.net
>>214
前スレで戦管の木方さんが端末を使っていましたが、GPS的な物で同じ戦管ならびに鎮圧部隊の場所を特定出来ます。
但し、相手がオンラインの時に限る。

222 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/23(水) 23:35:05.77 0.net
>>220
ではその辺は流れで行きましょう!

223 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/23(水) 23:43:38.79 0.net
/任務…了解…

どしん!
擬音で表すならまさしくそうだろう、なぜなら…
「っててて…なんで落ちたんだ…って…何故に生徒会室の前…?」

そう、本当に尻から落ちたからだ。低い所からだが廊下の硬い床の上に落ちたんじゃ痛いのは仕方ない。
しかも生徒会室前、ますます理解出来ない。
「なんで詠未のアジトじゃないんだ…?」
正確には星羅のアジトだがこの際どうでも良い。
落下の衝撃で痛む尻をさすりながら立ち上がる。
詠未の姿が見えないが…

「……ま、アイツはアジトに出たのかもな…」
と一人納得して一息つく。

224 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/24(木) 00:07:22.13 0.net
生徒会室、その扉の向こうから異音が聞こえる。
例えるなら、何か重いものが落ちたように鈍い音。
そして続いた声の主に、悠綺は心当たりがあった。

「剣... 疾風」

そう、白河の願望のために修練を受けていた剣疾風。恐らく彼が帰ってきたのだ。
何故此処なのか理由には悩むが、修行場所はあの不思議な空間だったため何処に出ても可笑しくないのかもしれない。
何はともあれ剣疾風の帰還を確認した今、この場所に悠綺は用はない。
悠綺が受けた依頼は、「剣疾風、比良坂詠未両名の帰還が確認できない場合の代行」だったのだから。

「......じゃ」

伏し目がちな表情、白河に視線をやる。約束通りだ、これで文句は無いでしょう?
どんな声が掛かろうとも、彼女を此処に縛り付けるには至らないだろう。密談中の彼らを背に、扉に向けて歩き出す。
無機質なバックパックが鈍色に光る。信念に従い画策する彼らを、まるで嘲笑うかのように。
やりたいことは解らない、でも知りたいことならある。悠綺は悠綺で欲求に従い、自分の道を往くだけだ。

225 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/24(木) 00:33:39.00 0.net
古藤さん、御笠さんが部屋を出て行った。気がつけば隼鐘さんもいない。

(きっと剣さんの所に行ったのね。)

生徒会室には白河先輩と私だけ。その先輩はと言うと、さっきから何やら調べ物のようだ。

「あの…、先輩?私はどうすれば…。」
私の【能力】は攻撃タイプでも補助タイプでもなく、回復タイプ。つまり回復対象者がいないと何も出来ないのだ。

「ん?御有楽か…。すまないが俺は調べたい事が山程あるんだ。少し一人にしておいてくれないか。」

「…はい、分かりました。」
そう言って生徒会を後にした。しかし戦闘能力のない私はこれからどうしたらいいのだろう…。

「恭ちゃん…今朝から会ってないけど、どうしてるんだろう。」
昨日の下校時に鶴吹恭と色々話をし、すっかり打ち解けた。はずだが、今日はまだみかけていない。

「携帯も出ないし…。よし!探しに行こう!怖いけど…。」
【御有楽 鈴:生徒会室を渋々後にする】

226 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/24(木) 00:40:40.86 0.net
【古藤と生徒会室を出てから御笠は重要なことを思い出す】

あ、そうだ!
忘れてた機能があったぜ!
GPS機能!

これがあれば戦管の奴の居場所がわかるぜ!
校内の地図もついてるし
なんで俺はこんな大切なものの存在を忘れてたんだ

古藤、喜べ!これで戦管メンバーの場所がわかるぞ

鎮圧部隊の居場所もわかるから避けることもできるぜ

【かなり興奮した声で古藤に報告する】

227 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/24(木) 00:42:21.86 0.net
何故ここに出たのか等を少ない情報から推測していると、生徒会室から予想外かつ、修行空間にいる間に何度か思い浮かべた人物が現れた。

「悠綺…!」
悠綺からしてみれば別れてあまり時間は経っていないだろう。(現在の日時が分からないが)
しかし、疾風からしてみれば半年ぶりの相方との再会だ。感極まって少し涙がこぼれた。
「……悪い、俺の感覚じゃ久々の再会だからよ…」

取り敢えずは状況の確認だ。
とっくの昔にバッテリーが切れている携帯は使い物にならないが、髪や髭など容姿に関する物は不思議空間の効果か分からないが、悠綺と別れた時のままだ。
「まず、今が何日目の何時だ?それと、何か大きな事件は起きたか?」

228 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/24(木) 00:46:56.01 0.net
/入江・椿・安部の解釈はどうします?

229 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/24(木) 00:55:22.63 0.net
扉を開ける。その先にいたのは予想通りの顔だった。
剣疾風。戦挙初日に行動を共にし、幾らか世話もかけてしまった。
...無論、久々と言うわけではない。先日別れたばかり、見慣れてはいないが特別物珍しさもない。
しかし、「帰ってこないかもしれない」という示唆された一抹の可能性は、悠綺を不安にしていたのかもしれない。

「......疾風」

だから。彼の涙は心に刺さる。
やっぱり、帰ってきてくれたんだ。心のどこかで安堵の息を吐くのが聞こえた気がする。
でも、先ずは彼に状況を伝えよう。聞かれた問いに淀みなく答える。

「今日は戦挙三日目、午前10時27分。...制圧部隊三名が脱落、白河蛍の能力喪失」

...でも、違う。伝えたいのはこんな思いじゃない。
事務的な回答の間は少し伏せていた顔を、疾風に向けて見上げるようにして。
そう、これが伝えたかった言葉。見せたことのない微笑みを湛え、頬に一筋の涙を刻んで。

「.........おかえり。疾風」

230 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/24(木) 00:56:24.64 0.net
うわー帰ってきたらこんな時間になってしまったー

すみません、次にレスできるのは明日の夕方以降なので、
必要とあらば古藤の反応とかは適当に描写して進めてしまってください

231 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/24(木) 00:56:37.31 0.net
>>228
どう考えても時代待ち。気長にいきましょ

232 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/24(木) 01:02:43.11 0.net
と、それでは忍びないので軽くですがレスを…

>>226
「おっ、ナイス! 持つべきものは文明の利器だねぇ」

途方に暮れかけていたところへ、思わぬ行幸であった。
無駄な戦闘を回避し、望みのある戦管達に声をかけて回る。
現時点での立ち回りとしては限りなく順当だろう。

「なら、まず会長の根城の放送室は避けなきゃな。
旧校舎の方もバチバチ戦りあってる連中に巻き込まれそうだし、とりあえず新校舎の無難なところから行こうか?」

233 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/24(木) 01:29:02.24 0.net
>「今日は戦挙三日目、午前10時27分。...制圧部隊三名が脱落、白河蛍の能力喪失」
>「.........おかえり。疾風」

「……っ…」
涙を流しながら微笑み、帰還した自分を迎えてくれる悠綺…
(……ダメだ、これ以上見てたら本気で泣き出しそうだ…俺が。)
水分量が増えてきた目を悠綺に見せない様に背中を向け、涙を拭く。
だが、これだけはちゃんと顔見て言わねば…と思い直し、もう一度振り向き、そして笑顔で…

「……あぁ、ただいま、悠綺」


拭けども拭けども溢れてくる涙を塞き止める事に成功したのは数分後だった。その間ずっと悠綺に背を向けていた。
(振り向いて悠綺の顔を見た瞬間涙が滲むとか…涙腺弱ったのかね…俺…)

「……まぁ、再会を祝いたいんだが…そうもいかんのだろう?」
制圧部隊の脱落はまだしも、白河の能力喪失は正直信じれないが、悠綺が嘘をつくはずがない。素直に信じる。
「そうだな…今年の選挙はイレギュラーばかりなようだな…去年は大きな事件も無く終わったんだがなぁ…」

234 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/24(木) 01:47:13.19 0.net
/おうふ途中送信


ここでふと、悠綺との会話を思い出して気になった事が一つ
「……あれ、悠綺…さっきから俺の事…下で呼んでるよね?」
思い返すまで気づかなかったが、確かに『疾風』と呼んでいる事に気付いた。
これは衝撃だった、これまでモテる事も無く疾風と呼ぶ女性は施設の仲間と涼風位だったのだ

235 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/24(木) 01:58:39.13 0.net
「ん......」

去年は学園に所属していなかったため知らないが、今回の戦挙は事態が複雑らしい。
それもそうか、と思う。毎年こんな事態になっていれば白河たちは切羽詰まってはいないだろう。
目標を最短距離で追いかけるような、そんな危うい感触を。彼らが纏っているはずは無いのだ。

それとは別に、確かめたいことがある。昨日の制圧部隊との戦闘。
過程で生じた記憶と記録の消失、そして機械の機能不全。偶然なのか、それとも...?
その先にある答えを渇望しながら実は知っている、奇妙な感覚の正体をこの目でこの手で確かめたかった。

「昨日、制圧部隊の一人と交戦した。
 途中で白河蛍が仲裁し、彼らは相討ちになった。
 その時起こったこと... 私は確かめたい」

一年もの間、疾風は何を思い孤独に鍛練を重ねたのだろう。
白河蛍の信念か?比良坂詠未への対抗心か?

もし、思いのなかに少しでも。私がいれば嬉しいかな。

だから、悠綺は言葉を重ねる。彼女は『仲間がほしかった』。
白河蛍の一団のように、自分の信念に共感してくれる者。教室の隅で沈んでいた彼女に、それは眩しい存在だった。
信念などと呼べるようなものは確立していない。在るのはぼやけたビジョンと確かな違和感。
たとえ行動理念がそれだけでも、疾風は私に付いてきてくれるだろうか?

「これから... どうする?」

236 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/24(木) 02:07:43.92 0.net
「え?.......ぁ」

今まで彼がいないときは、疾風と呼称していたが。
こうして面と向かってこう呼ぶのは、実は始めてだったかもしれない。
...まるで気付かなかった。指摘されて芽生えた羞恥に顔を赤らめ、視線を反らして弁解する。

「........こっちの方が、呼びやすい」

...無理があった。言い訳も、その状況も。
それがでっち上げた理由だと言うことは、何よりその目と表情が物語っていた。
逢えて嬉しいはずなのに。隠れられるものなら隠れてしまいたい。

「...もういい、話を逸らさないで。...どうする?」

それはお互い様だろう。話を逸らしたかったのは他でもない悠綺自身だ。
念を押すように問いかけを繰り返し、それ以上の追求を許さない。
そして何よりその答えが、彼女のもっとも求めていたものなのだから。今度はちゃんと視線を合わせ、ただただ回答を待った。

237 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/24(木) 02:25:05.79 0.net
>「........こっちの方が、呼びやすい」

「ま、好きな呼び方で呼んでくれよ」
明らかに誤魔化してるがあえて追及しないでおく

>「...もういい、話を逸らさないで。...どうする?」
「……そうだな…」
白河が悠綺を助けてくれて、その時何が起こったか分からないが白河の能力は消えていた…
そして、悠綺はその時何が起きたのかを知りたい…と

……なんだ、答えは一つじゃないか…
「……よし、何が起きたか、調べようか!」
どうしてか、そう聞かれても答えは一つしかない。
「当たり前だろ?俺達、パートナーなんだしよ」

「まず悠綺の目的を最優先で動こう」
「ま、何はともあれ情報集めないと動けないからな…」

238 :御有楽 鈴 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/24(木) 12:04:00.24 0.net
恭ちゃんを探して、私は校内をウロウロしていた。途中、何度か戦闘に出くわしたけど、私は隠れてやり過ごした。

「もう…恭ちゃん、何処なの?」
いっこうに見つからない探し人に疲れ始めた頃、突然目の前が真っ暗になった…。

(え?何…?何も見えない…体が動かない…)

『この女が昨日の戦闘で?』
『あぁ、一年の隼鐘悠綺から【暴走】を奪った。』
『と謂う事は会長と同じ力を…』
『それは分からんが、とにかく会長の元に連れていこう。』

(誰かが遠くで話してる気がする…。でも何も考えられない…。)

そのまま私は気を失った。

【御有楽 鈴:会長一派に拉致される】

239 :名無しになりきれ:2014/04/24(木) 18:30:16.44 0.net
>>231
すいません
忙しくてレス出来ませんでした
しばらくレス出来なさそうなので他の所進めてもらってよろしいでしょうか?

240 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/24(木) 21:14:45.93 0.net
りょーかいす

241 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/24(木) 21:20:29.24 0.net
/戦管メンバーの方居ますか?
古藤、御笠と絡みして頂きたいのですが…

242 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/24(木) 21:55:21.98 0.net
「...ありがとう、はやッ......!」

心の底からの感謝。これは紛れもない自分の感情だった。
そして名前を呼ぶことを指摘されそれを気恥ずかしく思うのもまた、自分の感情であった。
呼び掛けた名前を途中で止め、眉を潜めて横を向く。

「じゃあ、昨日の交戦地点に向かう。着いてきて」

何はともあれ現場検証。戦ったとなれば傷跡は残るはずだ。
自分がつけた痕跡をたどれば、当時の行動が解るかもしれない。
幸い当時持っていた武装は全て補完できている。照らし合わせながらの検証も可能だ。
無意識下での自分の行動。紐解くことでなにかが解るかもしれない。
今いる箇所から階段を降りる、その前に振り返り疾風に声をかけた。

「......こっち」

243 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/24(木) 22:44:45.66 0.net
>「...ありがとう、はやッ......!」

「……呼びたいように呼びゃいいのに…」

取り敢えず悠綺が戦っていた場所に向かう。
道中、仕掛けて来る奴もいくらかいたが、ここまで残っているくせにとても弱い。
……いや、これはこちらが強くなったのだろう
「訓練の成果…早速発揮出来てるな…!」

仕掛けて来る奴を淡々と蹴散らし、移動する。

244 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/25(金) 00:17:21.80 0.net
道行く人、たまに声をかけ絡んでくるもの。
そんな彼らを刹那の内に沈黙させていく疾風。
戦う彼の姿はあまり見たことはない。だがその体捌き、剣閃。一騎当千の迫力があった。
思わず見入ってしまうような、どこか高貴さを感じさせる体術。無機質な瞳はそんな彼の、一挙手一投足を見つめていた。

「...ついた。ここ」

そうこうしている内に旧校舎に辿り着く。やはり残る戦乱の跡。
波動によって捲れ上がったアスファルトに、各所に刻まれた剣戟。
......剣戟?
戦闘に参加したのは悠綺と黒響、白河とついでに御有楽。「剣を持つものは一人もいない」。
それどころか、刃物ですら彼らには見当たらない。唯一存在する刃は...

「これ、か」

右手を少し動かす。展開された鉄の爪を右腕に纏う。
三本あるうちの真ん中の爪だけが少し太くなっている其が、あの戦闘における唯一の刃だったのだ。
傷跡から推測した刃のサイズと鉄爪の大きさを照合する。...一致。ゴーグルの内側に照合結果が表示されていく。
中央の刃で付けられた、そう結果は出ている。だが長さの揃った鉄爪でなぜ真ん中の一本だけの剣戟が残っている?

私の知らない機構が、これらの武装にはあると言うのか?

意識は思考に集中している。今襲撃されれば人溜まりもないだろう。
だが、背中には疾風がいる。ただそれだけで考えることに没頭できるほどの安心感があった。
魂が解を求め、謎が謎を呼ぶ。真実への第一歩は、まだ踏み出されたばかりだ。

245 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/25(金) 00:25:59.81 0.net
「ほうほう…ここか…」

と、言っても当事者ではない疾風には何かを見つける事も出来なければ着眼点も思い付かない。
だが、せめて悠綺が集中して考えれるように周囲の警戒は任せてもらおう。

「……ふぁぁ……っと、悪い…」
少しあくびがもれてしまった。
修行期間中は寝る間も惜しんで特訓していたが、あの不思議空間のおかげか辛くはなかった。
だが、通常空間に出て、さらに落ち着いてくると突然眠気が襲ってきた。
「ホントに悪いな…気にせずに探索してくれ…」

246 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/25(金) 16:50:59.93 0.net
戦管鎮圧部隊キャラつくりたいとおもいます
なんか凶悪な能力とかあったらよろしくお願いします

247 :名無しになりきれ:2014/04/25(金) 17:39:35.83 0.net
>>246
【歪な虚】
命無き何もかもを飲み込む『穴』を生み出す能力。
自身の視界内、自身の向いている方角か逆向きにしか出現させることは出来ない。
同時に出せるのは三つまでであり、また長時間穴を保つことも難しい。
あくまで飲み込むだけであり、吸い寄せたりはしない。
尚、この能力者が命の危機に晒された場合、数や方向の制限が一時的になくなるが、その分生命力を削ることになる。

248 :名無しになりきれ:2014/04/25(金) 19:22:30.64 0.net
>>246
【黒金剛猿】
ゴリラの獣人に変身する能力者
しかしその体躯・パワーは従来のゴリラをケタ違いに超える
体をおおう筋肉も鋼鉄より固く
多少の銃撃をうけてもビクともしない
そのナリはゴリラというよりも『鉄人』というにふさわしく、
強靭な腕で地面を叩けば半径5mの足場をあっという間に壊してしまうだろう
ただしパワーは強力だがスピードはあまりない

249 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/25(金) 19:42:50.37 0.net
三本の刃を持つ爪で、残ったのはひとつの傷跡。
長さの揃った其では、傷跡はどうしても三つ残るはず。
なぜ?と考える悠綺の背後で、疲労感漂う欠伸が聞こえた。

>「ホントに悪いな...気にせずに探索してくれ...」

そうか、と思う。彼がいたのは体感時間にして一年の空間。
身体と異能の能力を使いこなすために、それだけの期間修練を重ねていたのだ。
生徒を撃退する体捌きからは微塵も感じられなかったが、ゆっくり休憩をとった方がいいのかもしれない。

ふ、と気付く。
そう、剣ならば。

三本の刃では傷が三本残るだろう。同様に刃が一本なら傷もまた一本。
そして悠綺以外の三人の力は刃物に一切関わりがなく、彼女自身の力も戦闘中に武器を拵えられる物ではない。
既存の刃、つまりこの鉄爪が。三本の刀になるのだとしたら?
手甲を指でなぞる。目には見えないが指先からは確かに分割線の段差が感じられる。
システムスタート、対象は鉄爪。右手を掲げて呟く。

ディヴァイド
『分離』、と。

そして生まれた三本の剣が悠綺の周囲を旋回する。
腕部の推進力だったスラスターによって一本一本が推力を持ち、安定した軌道を描く。
ただ、斬撃は無理だろう。機首たる切っ先を前に向けた推進しかできないために、刺突しかやることが無い。
...まあ、傷がついた課程自体はもういい。たとえ撥ね飛ばされても剣戟など簡単に残るものだ。
ゴーグル上に表示されたのは周囲の状況。細身の一本の刀がアクティブレーダーとなり索敵と情報収集をこなす。
もう一本はパッシヴレーダー。機械同士の戦闘で無ければ使うことは少ないだろうが、そういったものへの対処は格段に早くなる。

「...なるほど、ね」

もちろんこれは悠綺の設計思想ではない。明らかに別物だ。
つまり武装の製作自体に『別の何者かの意思』が混在していると言うこと。
欲しかった情報は、十二分に取れた。第三者のいない空間で何者かの意志が紛れ込んだ可能性。
ただ、今は。表情には出さずとも疲れきっているであろう疾風にゆっくりくつろいで欲しかった。

「...もう、いいよ。......休む?」

250 :名無しになりきれ:2014/04/25(金) 19:53:19.57 0.net
>>246
【エア・カノン】
空気を圧縮して作り出す空気の塊をの砲弾を発射する
発射した砲弾の弾速は400/km
砲弾は着弾すると同時に圧縮された空気が急激に膨張し爆発を起こす
爆発の威力は鉄骨を軽くへし折る程度
空気を圧縮し始めてから発射するまで約15秒かかる、圧縮してる間は移動することも可能

251 :名無しになりきれ:2014/04/25(金) 19:56:02.27 0.net
>>250微妙に誤字ったスマン
×空気の塊を
〇空気の塊の

252 :名無しになりきれ:2014/04/25(金) 19:58:12.83 0.net
>>250まだ誤字あった
時速50kmだ
50kmだけじゃなんなのかわからねえよ

しばらくROMってる

253 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/25(金) 20:08:23.65 0.net
>「...もう、いいよ。......休む?」

「…ん…もう満足したのか?気になる事は今のうちに調べとけよ?……そろそろ生き残ってる奴等がとんでもなく強くなるだろうし、ゆっくり捜査は出来ないぞ?」
(……休む?…か…)
疲れが少し見えてしまっていたか…と少し後悔する。
心配をかけてしまっただろうか…

「……あ〜…心配は無用だぞ、もうすぐ俺の愉快な幼馴染みさんとエンカウントしそうな予感してるから休めないしよ…」

遠くから『邪魔よ!!』『ぐはっ!』やら『ありがとうございます…!!』やら聞こえる…
「……ま、悠綺がしたいようにしようと思ってるから、追加調査が必要なら移動でも聞き込みでもするぞ?」

254 :御笠 春明 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/25(金) 20:25:31.56 0.net
>>247>>248>>250
皆さんありがとうございます
【黒金剛猿】使わせて頂きます

さて、キャラメイクしてこないと…

255 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/25(金) 20:37:35.00 0.net
やっぱりキャラ少ないですね…。

白河は部屋こもりきりだし、御有楽は拉致られたし、安部はしばらく動けなさそうなので、頂いた【千手菩薩】で敵役作りますね。

256 :名無しになりきれ:2014/04/25(金) 21:02:53.73 0.net
【名前】牛島 剛
【性別】男
【学年・所属】3年戦管鎮圧部隊
【外見】マッチョ 正に脳筋タイプ 武井壮みたいな服装
180/95

【能力】
【黒金剛猿】
ゴリラの獣人に変身する能力者
しかしその体躯・パワーは従来のゴリラをケタ違いに超える
体をおおう筋肉も鋼鉄より固く
多少の銃撃をうけてもビクともしない
そのナリはゴリラというよりも『鉄人』というにふさわしく、
強靭な腕で地面を叩けば半径5mの足場をあっという間に壊してしまうだろう
ただしパワーは強力だがスピードはあまりない

【概要】
前期生徒会役員
鎮圧部隊に所属し会長に従順忠実
単純単細胞な脳筋タイプだが逆に物理攻撃に特化しておりその攻撃力は恐ろしい
能力を使用すると筋肉の膨張で服が破れる
そして全身から黒色の毛が生えるが頭のてっぺんと背中の真ん中は金色の毛が生える

弱点は筋肉が増強されてるとはいえ覆うことのできない間接部や目や男である故大事な部分

こんな感じでいいかな

257 :比良坂&冥瞳 ◆taZqHR8ods :2014/04/25(金) 21:30:04.15 0.net
//ごめんなさい、ちょくちょくしか書き込めなくて…

どれくらいの歳月がたったんだろうね?ダーリン。
ダーリンがここでアタシに会ってから…そうか、もう3年と4か月と、12日…そんでもって3時間17分になるんだね。
アハハ、ずっとここまでアタシと張り合ってきたんだね、そんな頑張り屋さんのダーリンのこと、アタシ大好き。本当に愛してるよ。
――でもね、ここだけは絶対に許せないの。
――対価、払ってね?
「んん…たい……か………?」
「起きたんだね。そう、ダーリンは能力の使用に対する対価を払ってないんだ。具体的に言うと、
ダーリンの能力発動にかかるコストは『出血』『激痛』『精神劣化』の三つなんだ。前の二つは分かるだろうけど、
ダーリンが払っていないのは最後の一つなんだ。これはつまりダーリンの『理性』をアタシがもらうってわけ。
だーかーらー、今ここでもらうね♪」
「僕はどうなるんだい…?」
「ダーリンの『僕』は、
――死ぬよ」
「そう…か……」
「じゃあね、さよならダーリン」
*+☆+*――*+☆+*――*+☆+**+☆+*――*+☆+*――*+☆+*
「詠未!戻ってきたのね…!どうだった?
…ってあれ?どうしたの?ていうかアンタその姿は……」
その姿は、かつてアタイが目にした、『地球上もっとも残忍な』生命体。白い毛並に、赤い紋様。
そして今回のソレは、体中から角にも見える刃を生やしていた。
「ねえ、詠未?よ――」

//続き等ありません!この後冥瞳がどうなったかは想像つくと思います。

258 :情報屋滝山 ◆taZqHR8ods :2014/04/25(金) 21:38:29.77 0.net
「…これは…!!!!」
冥瞳が死んだ。
…死んだ。
ああ、あいつは死んだ。俺には分かる。あいつはもう起き上がらない。俺の能力は見通している。
アイツの体はピクリともせず、あとから来た一般生徒たちに生存確認をされる。のど元に手を触れられ、
脈がないことがわかると、生徒たちは青ざめる。そして、保健室の方へ向かい走り出す。
…そこまで見えた。これはリミットが外れてより遠くまで見通しているということか。
――ああ、俺も死ぬのか。
――なら、せめて最期に、冥瞳だけでも弔ってもらおう――
件名:冥瞳が死んだ
本文:件名のままだ。突如そこに現れた比良坂によって冥瞳は殺される。この未来はもう変えることはできないだろう…。
いや、未来なんかじゃない。これはもうすでに起こってしまったことなんだろう。そして、俺の目は未来をより遠くまで見通すことができてる。
生命力が減っている…いや、死に近づいてるってこったぁ。ハハ、恐らく俺も死ぬだろうぜ。
その前に疾風、お前に二つだけ頼みがあるんだ。聞いてはくれないか?
冥瞳を、弔ってやってほしいんだ。そんで、弔ってくれたら、比良坂を救ってやってくれないか。
比良坂を、止めてくれないか?
頼む。俺の最期のお願いだ。聞いてくれ。報酬は俺の持つ部下全てと俺の持つ機材全て、俺の手に入れた情報が詰まった
USBメモリだ。USBの中には誰が誰と付き合っているだとかそういった事柄からだれがどんな能力を持っているかなどと言った情報まで
様々なことが書き込まれている。きっと役に立つだろう。だからお願いだ。頼むからアイツらを救ってやってくれ。頼む。

259 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/25(金) 22:11:19.02 0.net
「ん...... でも、もう大丈夫」

ここに残ったものからはもう何も得られないだろう。これで十分だ。
分割された三本の刃を鉄爪へと戻し振り返る。やりたいことは終わった、そう伝えるように。
内容は知らないが、きっと過酷な試練だったのだろう。こんなときだからこそ、無茶はしてほしくなかった。

「...逃げる?」

背中のバックパックを少し展開し提案する。これ以上の負担は掛けたくない。
それに.なんだか面白くない... ひどく個人的な思いから、そんなひねくれた意見を出す。
きっと、疾風は彼女と逢うのだろうけど。それでも回避の可能性を見出ださざるを得なかった。

260 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/25(金) 22:13:37.24 0.net
「ん、メール………は?」

メールの内容は疾風には理解出来なかった。
冥瞳…って…星羅の事か?星羅が死んだ?詠未が殺した?そんなバカな、あり得ない。
なのに胸騒ぎがする、これはちゃんと見て、そんなことは無いとはっきり言ってやらなきゃ…アイツらは…アジトかな?

「くそっ…くそっくそっクソッ!!!悠綺!!星羅達のアジトの場所は分かるか!?」
落ち着け…落ち着くんだ…詠未が星羅殺すはずないじゃないか…

261 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/25(金) 22:29:31.29 0.net
敵キャラ

名前/二神 一(ふたがみ はじめ)
年齢/18歳(3年)
性別/男子
体格/178cm 50kg
所属/戦挙管理委員会 鎮圧部隊
性格/冷酷で陰険
特徴/荒くれ者の多い鎮圧部隊の中では珍しい頭脳派。長身で細身なので弱々しく見えるが、実は空手の有段者。(能力を使わない普通の)空手の全国大会出場経験も持つ。
会長の意見に賛同した訳ではないが、能力者がいなくなった後、自分だけが【能力】を残して学校の支配を企む。

能力/【千手菩薩】第一形態
身体中から無数の手を生やす。生える時には体を突き破る痛みを伴う。
手が一本でも生えている間は本当の腕は動かす事が出来ない。
また生えた手は痛みや熱さなど、本当の腕と同じ様に感じる。
【千手観音菩薩】第二形態
自分の前に千手観音を召喚する。大きさは術者の力量による。召喚している間は術者は動く事が出来ない。

262 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/25(金) 22:39:01.42 0.net
>「星羅達のアジトの場所は分かるか!?」

覚えていない。いや、覚えようとしなかったのだ。
休息場所ともなるあのアジトの位置情報を無駄に広めないようにするために。
だが、今回はそれが仇となる。奇襲を喰らったときに助けにいけない、歯痒さに瞑目する。

「分からない。......いや、待って」

ふと思う。私が覚えていなくても、「この機械は」覚えているのか?
可能性は、そう高くない。だが今はその可能性に懸けるしかない。
冥瞳星羅のアジト、そこまでの移動経路。......ヒット。ゴーグルの下にマップが描かれ、赤いラインで経路が示される。

「捕まって。......飛ばす」

脚部ブースターを一部展開して足場を作る。今の拡張性の限界だ。
後は姿勢制御用途もなる鉄爪のスラスターを、行動の障害にならない程度に掴んで貰うしかない。
前方に移動する以上、後ろには乗せられない。高温の青い炎に焼かれるだけだ。
様子からは急を要する案件なのだろう。ブースターが唸り声を上げ、急かすように駆動する。
マップに示された、血のように紅いポイント。目的地を示すアイコンが不気味に点滅していた。

263 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/25(金) 22:51:49.10 0.net
>「捕まって。......飛ばす」
「あぁ、助かる!」

移動しながらメールの内容について話す
訳が分からない、詠未がまた暴走しととしか考えられないが…正直、その可能性は否定したい。
だが、他には何も思い付かない。
(落ち着け…落ち着け…落ち着け…!)
何度も深呼吸を繰り返すが動揺しきった頭は上手く回らない。
「何がどうなってるんだ…っ!!」

焦りを隠す事が出来ない。

264 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/25(金) 23:06:34.45 0.net
もう突入しちゃって良いですか?アジトないでのロール有るならどうぞー

265 :情報屋滝山 ◆taZqHR8ods :2014/04/25(金) 23:06:56.81 0.net
バン、ガラガラガラと音がした。
アジトのドアが壊されたのだろう。
もともとこのドアはマンホールのようなもので階段に蓋をしているだけのもの。
簡単に壊されない強度にはしていたが…彼にはもはやそれも無意味。
メールの返信は…来なかったようだ。
目の前には、得体のしれぬ動物。
そして俺の腹を突き破る、一本の鎌。
グルルルゥと喜びの声を漏らす獣。俺の意識は消えて行った。

266 : ◆taZqHR8ods :2014/04/25(金) 23:07:43.37 0.net
>>264
どうぞー

267 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/25(金) 23:24:48.62 0.net
入り組んだ地下経路を潜り抜け、一つの扉が正面に鎮座するのを確認して。
形振りは構っていられない、空中で反転して手甲で叩き割る。
木がへし折れる音が静閑な地下通路に反響する。土煙も気にせず先へ先へ急ぐ。

此処に...何がある?

思えばリフィルの時もそうか。行動指針はくれるが、何が起こったのかまでは言ってくれない。
単に焦っているだけなのか、まだ信用されていないのか。悠綺は後者では無いことを密かに願った。
そんな折に聞こえてきた、地響きのような唸り声。
獣性の発露とも言っていいそれが地下通路一帯の空気を振動させ、向かうべき道を教えてくれた。

音源探知...完了、ポイントをマップに表示。現れた血のように紅いマーカー。
まだ飛ばすよと声をかけ、一体の機械は地下茎を進行していった。

268 :御笠&牛島 ◆h5Jhlz15JA :2014/04/25(金) 23:33:55.56 0.net
/古藤さんいますか?

269 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/25(金) 23:34:15.51 0.net
あれ、道中でメールの内容について話した描写入れてる…

270 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/25(金) 23:37:32.52 0.net
あー...見落としてた
ぶっちゃけ文字数稼ぎみたいな描写だったし脳内スルーでお願いします

271 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/26(土) 00:56:51.85 0.net
「グルルゥゥゥ…」
まだ言葉を発することができないなぁ。おかしいな、頭の中ではなんていえばいいかをわかっているのに…
そうか、言語を発する練習をしたことがないのか。そうだなぁ、赤ん坊らしくパパママから始めて見るか。
「パ…」
あ、ダーリンの記憶漁ればそういったデータ参考にできるか。
「パパママ…よし、っと。あっという間に言語上達しちゃったよ」
声帯が男の声色をしていないのは、変身の時カラダをアタシ好みに弄ったから。
そして外見も少しばかり…女には寄せてある。ただ、引っ込まないものもあるけど。
「そんな恥ずかしいところが露わになることなんて一切ないし…まあ、あの気に食わない女をぶっ殺したし、
殆ど満足なんだけど…ここに入ってきた奴がいるなぁ。誰だろう?
――まあ、返り討ちにするけどね」
何なら待ち伏せてやろう、そう思いアタシは潜むことにした。
フフ、やっぱり生身のカラダっていいなぁ…一度ほしかったんだよねぇ、自分のカラダ♪

272 : ◆taZqHR8ods :2014/04/26(土) 00:58:25.78 0.net
もらった能力を勝手に弄って能力本人の力っていう感じにするのはアリですか?
こう能力のアナザー版みたいなものをやってみたいのですが

273 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/26(土) 01:21:38.14 0.net
「どーせならこんな狭いとこじゃなくて、少し広いとこで戦いたいなー。
どこかないかなっと…」
記憶を漁る。おお、あったあった。多目的スペースみたいな微妙に広いところ。
ここに行けばまともな戦いはできなくもないかな?
「ここで待ち伏せるかー。さあて、来てくれるかなぁ?」
不安と、期待でいっぱいだった。先にさっき殺したあんちゃんのとこ行ったりしないよね?
待つのだけは、アタシ大っ嫌いなんだよね…まあ、待ち伏せもほんとは大っ嫌いなんだけどね…!
【多目的スペースで相手を待つ】

274 :名無しになりきれ:2014/04/26(土) 01:29:01.21 0.net
授与者に許可を求めているなら面白そうだからいいよ
皆さんの意見が聞きたいなら知らん

275 :古藤雄也 ◆Kw/r5K4AnU :2014/04/26(土) 02:04:27.07 0.net
>>268
今帰ったぜーヒャッハー
明日も仕事です…

276 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/26(土) 11:31:50.71 0.net
冥瞳星羅のアジトは、知る人ぞ知る秘境と言っていい場所だった。
その筈が、今や外的要因に蹂躙されている。内部に犯人がいた、と言うことで間違いないだろう。
学校の地下に秘密基地、と言う発送が突飛なものであり、悠綺自身も此処にくるまではそのような可能性を考えもしなかったのだから。
先日此処に来た際は時空転移手段を用いたわけだし、発見され駆逐されたのだとも思いがたい。
そして此処に違和感無く存在し、尚且つ反逆の可能性がある人物は。そう多くはない筈だ。

...だが、何故かその先に辿り着かない。証拠は完全には揃いきっていないが、それでも絞れるはずなのに。
辿り着くその先、可能性に対して。心のどこかがそれを忌避しているかのように。
ならば、今は考えまい。高速をもって飛翔する移動手段としての責務を全うすればいい。
何かをやっていれば、思考は紛れる。靄のかかったような頭を払拭すべく、ゴーグルの下のマップを中止する。
そうだ。忘れないうちに渡しておこう。

「......これ、使って」

右と左、それぞれの鉄爪から分離した二振りの細身の刀。
アクティブレーダーとしての性質を持つそれは、疾風の近接戦闘の中で敵をとらえる手段となる。
さらに探索の際に二手に別れることになっても、疾風側の情報は把握できるのだ。
...こんなことなら、通信機でも作っておけばよかったかな?後悔するももう遅い。
雑念が入り込むような精神状態で、【空想兵器】は作れない。危機が目の前に迫ったときには、手持ちで何とかするしかない。
スラスターから、ブースターから。高温の蒼い炎が噴出していく。
僅かに積もった埃を焼き払いながら、その起動に少しの白煙を残しながら。人型の金属塊は地下を疾駆していった。

/もう詠未と戦うか、先に滝山の元に行くか。
/行き先、そこでのロール含めて疾風先輩にお任せします

277 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/26(土) 17:25:02.60 0.net
>「......これ、使って」
「え…あぁ、分かった、借りるぞ。」

受け取ってから考える、これからどうするべきか…
「取り敢えず今聞こえた音を追おう…道中…アイツらを見付けたら合流しよう…」
まだ生きていると思い続け、落ち着こうとするが、心の奥ではもうダメだと言う声が聞こえる。
星羅はもう死んだんだ、諦めろ。と言う声が聞こえる。
あり得ない、そんなはずはない。と否定する声もする。
詠未が暴走して皆を殺したんだ…と…

「……ここで止めてくれ、ここからは俺一人で行く。悠綺は皆を探してくれ。」
予感がする、気配がする、行ってはいけないと本能が伝える。
「……俺は多目的ホールに向かう。何か予感がするんだ…」
だからこそ、そこに行く、後輩…好敵手…いや、友を止める為。

「……絶対に敵に会っても仕掛けるな。全速力で皆を回収して逃げろ。絶対に、絶対に死ぬな…!!」
悠綺からの答えを聞かずに走りだす、悠綺を危険な場所には連れて行きたくない。
しかし、これでいいのか、とも思う。
悠綺を傷付けたかもしれない。信頼してくれないと傷付けたかもしれない。
悠綺に嫌われたかもしれない。勝手に走って行って嫌われたかもしれない。
だが、悠綺が生きれば、悠綺が安全なら…と思う。

【多目的ホールに向かって全力疾走】

278 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/26(土) 20:46:51.94 0.net
「...わかった。生存者は回収し避難させる」

疾風は一人で戦うつもりだ。誰ともわからない襲撃者と。
...大体、見当は付くけど。あまり考えたくはない可能性ではあるが。
もしそうだとしたら、疾風と同じ期間の修練を経てなお敵わぬ相手。一対一は分が悪い。
きっと疾風なりの気遣いなのだろう。私を危険にさらすまいという。
だが、今に限ってはその気遣いは障害だった。私だって戦える、私だって強くあれる。

「終わったら、すぐ行くから」

走り出した疾風の背中に返答を返す。その声は届いただろうか。
彼に持たせたアクティブレーダーから、索敵も位置情報の特定も可能だ。終わればすぐに追い付ける。

「すぐに... 行くから」

システムスタート、各種機動ユニットのスタンバイを確認。
先程の位置を把握しそこに目掛けて進む。スラスターを起動すれば噴出する蒼い炎。

「だから、待ってて。...私も行くから」

生あるものは避難させ、亡きものはそこに眠らせておく。
今現在は一刻を争う。祈りを捧げようと涙を流そうと、状況は待ってはくれないのだ。
そこからの惨状による加害者の特定も出来る。疾風に届けることは出来ないが、私が行けば伝えられる。

冥瞳星羅。生きているだろうか。あのメールには死亡を明示する文章が書かれていたが。
シャワーを快く貸してくれ、いつでも来ていいよと微笑んだあの顔が。見られなくなると思うとたまらなく悲しい。
でも、そんな彼女だからこそ先に行けといってくれる筈だ。ならば、私は私で出来ることをしよう。
星羅の生存を半ば諦めつつも切に願いながら、スラスターを全開にして地下通路を翔ていく。
たどり着いたその先に、まだ光があると信じて。

279 :追憶の星羅 ◆taZqHR8ods :2014/04/26(土) 21:25:36.64 0.net
あれ…ここはどこだろう…?
アタイは今何を…?
「やめろ!菜々実をいじめるな!」
「はあ?アンタなんなの?こいつの彼氏ィ?」
「違う!僕は菜々実の兄だ!」
「そうですかぁ〜、はぁ〜ん。じゃあ、こいつの代わりにアンタがアタイ達に詫びなよ」
…あの頃の記憶。こんな些細なきっかけのせいで。あいつは。あいつは――
「アハハハ、ざまぁねーよアハハハハ!見て見て、トイレに首突っ込んでるよこいつ、アッハッハッハッハッハッハ!」
これはアタイの悪友。おもにコイツのせいでアタイは詠未をいじめるのに加担してしまったといっても過言ではない。
そして、いつの間にやらアタイが主犯格になっていた――
「ほぉら、アタイのプリント返すときだけいっつも雑なの謝りなさいよぉ?」
「い、いやだ!……ごっ…ごめんなっ…さ……い……!」
「よぉ〜くできましたぁ〜ハハハハハ!」
ひっどい女だ。こいつ、生きる価値あるのかな?…まあ、これアタイなんだけど。
アタイはこんなひどいことをしてきたんだ。そうだ。アタイは死ぬべき人間だったんだ。
「死にたいか?」
「死にたいよ」
「本当に?」
「……うん」
「好きな男に殺されるなら本望ってか?ハハハ、実に愉快だねぇ。俺の姫様はこんなにも愉快な方だったとは。
世の中、突然今までそこにあったはずのことに気付いてびっくりすることあるんだねぇ」
「好きな…?そうか、今までのもやもやは…恥じらいは、全部『好き』っていうキモチだったんだ。
アタイは詠未のこと…好きだったんだ。ずっとずっと…そうか、そうだったんだ」
「いきなり泣き出してどうしたの?今更君は生きたいっていうの?」
「…うん」
「もう、遅いよ」
「そうだよね……。ねえ、せめてアタイのこの気持ち、伝えられないかな…?」
「出来るさ。君の目は今も開いているままだろう?あとは誰か来れば俺が君の最期の生命力全部使って
砂に文字を書かせることくらいちょちょいのちょいさ」
「そっか、分かった。後は…お願いね。アタイはもう寝るよ。きっと二度と起きないけど、せめてアタイの思いだけでも…伝えてほしい。
誰かに…誰かでいい。誰かに聞いてほしいんだ、この心の中を。お願い…お願い、【暗黒酷命】…!!」
「承知したぜ、お嬢様」
あぁ…、よかった――
アタイはそうして目を閉じた。そうしたら、あっという間に眠気がやってきた。眠気が喜んでアタイの体をむさぼり喰うように。
心が、魂が、消えてゆく…
そうして、ほんの少しの、魂の残滓を残して、2年生・1組(田中級)『冥瞳星羅』は死亡した。

280 : ◆taZqHR8ods :2014/04/26(土) 21:39:31.90 0.net
レゴソラ本人の能力(詠未の能力のアナザー版というか敵バージョンみたいな感じ)↓
【レゴソラ】
身体の至るところから黒い鎌を生やす事ができる能力。
この鎌と体中には赤い紋様が刻まれており、その紋様が他人の血を吸う毎に能力のすべてのステータスは強化されて行く。
この鎌を振るえば黒い風が巻き起こる。この風はとても切れ味が鋭く、ダイアモンドですら粉にすることができるほどの切れ味。

また、この鎌は飛ばしたり、飛ばした鎌をビットのように操作できる。

ただし、そもそも肉体の変形(男子には再現できない胸や喉の無理やりな変形)に処理能力の半分を使っているため、鎌を飛ばすことは不可能に近い。
その上、処理能力が通常の半分しかないため、威力はそのままであっても持続時間に限界が生じる。

持続時間限界を迎えた場合肉体は崩壊し死に至る。

281 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/27(日) 01:17:36.70 0.net
悠綺が何か言っているが、全くと言っていいほど聞こえない。
俺を励ましているのか、それとも罵っているのか…見当もつかない。
「……絶対に合流しような」

悠綺と離れている期間は長かったが、一度再会してすぐに別れるとなると少し寂しさが込み上げてくる。
が、今はそんなことを考えている暇は無い。
悠綺から受け取った二本の刃、うち一本を握りホールに向かって駆け抜ける。

282 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/27(日) 01:43:37.49 0.net
駆けつけた先で仰向けに倒れた人影。それはあの情報屋のなれの果てであった。
荒々しく粉砕されたドアの向こうで、腹部を貫かれて。
目を見開いたまま息絶えた彼の瞼をそっと下ろし瞑目する。
大丈夫、敵はきっととる。心のうちでそう言い残し、次の微かな熱源反応の元へ駆ける。

いくつかの人間を見てきた。何れも目を開き倒れ伏す無惨な姿だった。
あまり時間は取れないが、命を無下にはしたくない。目を閉じてやり黙祷を捧げ、次の行動へ写る。
半ば機械的と化してきたその行為の中で、見覚えのある顔を見つけた。

彼女の名は、冥瞳星羅。

彼女の身体だけは被害状況が異なっていた。傷があまりにも多すぎる。
今までは一突きで息の根を止められていたが、星羅の身体にはいたぶるように付けられた無数の傷が残っていた。
傷つけられ血にまみれた顔。だがそんな状態でも星羅だとわかった。
私に微笑んでくれたあの表情は、もう見られない。そう思うと抑えようとしても涙と嗚咽が込み上げて止まらない。
傷だらけの冷えた手をとる。氷のように冷たくて、温かな彼女の面影は残っていなくて、それでもずっしりと重みがあって。だけどその命は失われていて。

瞑目し黙祷を捧げる。ヘッドギアが音をたてる。
彼女は何を想い命を絶ったのだろうか。それを思うだけで祈りを捧げる時間は自然と多くなっていく。
どうか、彼女の最期に救いがありますように。彼女が悔いのない最期を遂げられますように。
そうして目を開ければ、砂に描かれた彼女の想いが飛び込んできた。

ああ、彼女は気付いていなかったんだな。内に秘めた自分の想いに。
ああ、彼女は後悔したんだろうな。その想いを手ずから伝えられなかったことに。
ああ、彼女は託したのだな。この想いを誰かが届けてくれる、そんな未来に向けた想いを。

「大丈夫。確かに、受け取った」

気付けた想いは、私が伝える。
それが彼女の、最後の願いなのだから。
その為にも、比良坂詠未を。全力で止めてみせる。
彼が人を傷つけるのを、これ以上見るのは彼女も嫌だろうから。
だから、安心して。あなたがやり残したことは、私がしっかりやり遂げてみせる。
立ち上がった悠綺の瞳には、想いを託された光が宿っていた。

283 :古の魔女(21) ◆taZqHR8ods :2014/04/27(日) 09:47:00.38 0.net
「おっ、中に誰か入ってきてるのかな?」
足音が聞こえる。階段を駆け下りる音が二人分。
一つはこっちに向かってきているかのような音だ。もう一つは階段を駆け上がる音に変わったようだ。
「死亡確認と、あとは遊び相手かなぁ?フフ、どいつもこいつも大して強くない…アリ以下の連中ばっかだったから、楽しみだなー♪
この学校には【能なし】はいないと聞いたけど、能力あってもポンコツって奴ばっかりで退屈してたんだよね〜。
さーて、どんな奴が出てくるかなぁ?うはー、楽しみだなー♪」
アタシは今、とても愉快な気分だ。ここまで来れる…まっすぐこちらに来れる奴はそうそう居ない。
そもそもこのアジトはダーリンとあのクソアマと、ヒョロヒョロメール野郎と…ダーリンの知り合い数人しか知らないはず。
そして知り合い以外は全員殺した。しかもその知り合いの連中がまた…結構強いみたい。ダーリンでも初戦でズッタズタにされたみたいだ。
今のうちに誰がどんな能力か記憶を見ておこう…

まず、剣野郎。
持っているものを剣にできる、っていう能力ね。これはある意味恐ろしい。世界全てが『自分の武器』になりうるから。

次に、機械女。
コイツは素材さえあれば大抵の物を作れるみたい。でも機械限定?まあ、銃とか作っているあたりそういう類のものしか作れないんだろうけど。

その次、吸収男。
相手の攻撃を吸収してるのね、これ。そもそもの戦闘スキルが高いから、仮にこいつが【能なし】でも十分能力使いと渡り合えるのに…
相手の能力を使うことができるっていうのは、なかなか面白そうじゃん。

その次は…空間操作の人。
この双剣みたいなもので空間操作ができる…とな?異空間を生み出したり何でもできちゃう…能力に評価をつけるとしたらA+クラスかな。
まあ、今のアタシはAA+クラスには最低でもいると思うけど。

…多分絶対来ないのが、校長。
無敵…そのままの意味だよね。これはAAA+++とかつけたくなるレベル。さすがに本人が出てくることはないでしょうけど…
ワイズマンとかもきちゃったら困るなぁ。無敵を付与されてるしなぁ。
まあ、来ないか。

後は補助系のやつが一人いたな。まあ…そんな感じか。
どいつが来るか楽しみ〜♪

284 : ◆taZqHR8ods :2014/04/27(日) 09:48:53.90 0.net
またやってしまった…すみません、他スレで使った名前がブラウザバックで反映されてしまった
>>283はレゴソラです

285 :名無しになりきれ:2014/04/27(日) 10:17:21.32 0.net
よければ疾風くんに

【斬掌皆刃】
手にしたものを刀身とし、斬ったものの特性を透いとり刃とする能力

この能力者の手にしたものは任意で刀剣に変化させることができる
変化には一定の動作と発声が必要になる
ある程度の範囲で自由なリーチと鋼のごとき切れ味の他、元となった物質の特性を色濃く受ける
例えばマッチ棒なら発火、スポンジなら柔軟、といった具合である

また、刀で斬り付けたものの特性をコピーし憑依させる
剣が能力産であろうとなかろうと、また斬ったものが能力産であろうとなかろうと発動する
ただし剣から何かを射出するなど、その特性が剣そのものの特性から外れる場合は適応されない
これらの特性は上書きではなく、すべて累積し重複する。柔軟と硬質のように相反する特性も容赦なく重複する
任意のタイミングで特性のリセットは可能だが直後は極一般的な刀剣に戻る

デメリットはこれら特性適応における全ての能力が常動型だということ
すなわち特定の特性だけを選り好みすることは不可能である
また、変化させた刀剣が手から離れた場合にはもとの物質に一瞬で戻る。刀の投擲などはもとが刃物でなければならない
さらに射撃系の能力は付加出来ないため中〜遠距離の攻撃手段に乏しい

286 :名無しになりきれ:2014/04/27(日) 11:37:21.60 0.net
なんかくれ

287 :名無しになりきれ:2014/04/27(日) 12:09:14.60 0.net
>>286
肌に合わなかったら方向性沿えて言ってくれな

【微子欠損】ブランクトン
目に見えるか見えないか程度の大きさの生物を無数に召喚する能力
それらを操り様々なものを構成できるが、完成したものは必ずどこかに欠陥を持つ
たとえばある一点への衝撃に極めて脆かったり、暴発の危険性があったりなどである
欠陥の該当部位は非常に僅かに淡く光っており、この能力者はそれに必ず気が付く
ただ欠陥のある部位がわかるだけであって、どんな欠陥なのかは起こるまで不明である

また、これらの微生物は触れたものに付着する習性を持つ
そして付着した物体のごく一部を食い荒らし欠陥を発生させる
能力由来のものにも効果があるが、生物に影響はない

本来これら微生物は水中を住処とするため、二分ほどで乾いて機能停止してしまう
そうなれば構成したものはだんだんと崩れ落ちていき、欠陥部位も広がっていくだろう
当然他の物質を食い荒らす力も失われるし、触れたものに付着すらしなくなる
だが水を与えれば微生物は再び活性化し、召喚直後と同様のポテンシャルを発揮する

288 :名無しになりきれ:2014/04/27(日) 13:23:30.47 0.net
>>287
いいね!気に入った!
貰うぜ!

289 :名無しになりきれ:2014/04/27(日) 14:06:37.30 0.net
書き忘れたけど付着→侵食で発生した欠損でも同様に微妙に光ります
この能力者なら確実に気づきますが別に一般人でもよくよく見れば気付ける程度
あと欠損の部位とかも指定できません。付着したところの近くというだけで

290 : ◆J/oczXnR/E :2014/04/27(日) 17:05:36.43 0.net
>>285
おお、これはいいですね!

前スレ>368【手中皆刃】
手にした物体を触媒に任意の形状の剣を呼び寄せる能力
日本刀やナイフ、両手剣やレイピアまで剣と呼ばれるものなら何でも良い
この剣は未知の丈夫な金属でできており、密度が一様なためサイズと重量は比例する
また本来の形が剣に近いほど手に馴染むだろう

更にライターなら炎を纏いスポンジなら柔らかい、といった属性付与も可能
この属性をパージして身体に鎧のような形で纏うことも出来る
ただし属性鎧と属性剣の併用は不可

との二択ですね…考えます

291 :名無しになりきれ:2014/04/27(日) 17:51:06.67 0.net
前スレのも候補かよ
どっちも俺産だしゆっくり考えてくれ
統合する気はないです

292 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/27(日) 19:54:14.73 0.net
生徒会室書庫。膨大な書物の中に【能力】について書かれた一冊の書物があった。

【憑依状態からの解放】
もっとも有効な手段は【能力者】を死亡させる事である。一度【憑依】されれば、気絶した程度では【憑依】が解ける事はない。死して始めて人間の姿に戻る。
しかし、その他にも方法がない訳ではない。【憑依】と【暴走】の一番の違いは【能力者】の意識があるかと謂う点だ。
つまり【能力者】の意識を取り戻せれば、【暴走】状態まで落ち着かせる事が出来る。
その為にはまず対象者の意識を失わせ、効果的な呼びかけ等で【能力者】の心に直接訴えかける必要がある。
効果的な方法は個人差がある為断言は出来ないが、【能力者】に最も近しい者の言葉が有効であろう。

【覚醒からの能力喪失】
…………が…………さ……あや……
※本が読めなくなっている。

293 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/27(日) 21:21:49.91 0.net
「……ここだな…」

多目的ホールに入る扉の前に到着。
そのまま突入しようかとも考えたが、罠も警戒せず真正面から突入するなど愚の骨頂だ。
だが、他に入る場所は知らない。調べる事もできるが、そんなことに時間を使いたくない。
そこで思い付いた方法は、『悠綺から貰った刃を剣化させ、それを使って遠くからゆっくり開ける』…という、単純明快で臆病方法だった。
「……どうしたのだ主よ、今までの勢いはどこにいったのだ」
「ッ…!?お前…俺に話し掛けれるのかよ…」

突如脳内に響いた声に驚いたが、その声は既知であり、信頼を置く人物の声であると分かり安心する。
「……む?私の声が届くのか?主よ。」
「え?」
「いや…今まで届いていなかったのでな…もしかすると極度の緊張状態だからかもしれないな。」
「……そうか…まぁ、少し楽になった。相棒の声が聞けてよかったよ」
「うむ、私が出来る事は少ないが、陰ながら応援しているぞ。主よ」
「……あぁ、任せろ」

頭から声が聞こえなくなる。
相棒が黙ってくれたのか、それとも緊張が解けたのか。
「……よし、行くぞ…!」
覚悟を決め、扉を開ける

294 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/27(日) 21:46:08.10 0.net
ギィィィィ、とドアが音を立てる。
アタシは部屋の真ん中に堂々と突っ立っている。相手を…獲物を、待ち構えるように。
「おはよーさん、チャレンジャー君。名前を聞こうか?
…その前にアタシが名乗るのが礼儀だね。アタシの名前はレゴソラっていうんだ、レ・ゴ・ソ・ラ。よろしくね♪
じゃあさっそく……始めようか」
名前を言えと言っておきながら先制攻撃を仕掛ける。まずは両肩の鎌を飛ばす。
やろうと思えば鎌を全部飛ばして囲って八つ裂きも可能だけど、それじゃつまらない。
それに、処理能力が足りないし…
「これを避けられたらちょっぴりすごいね、うーん…ミミズレベルかなぁ?」
鎌は鎌そのものが発生する風には耐えられるようにできている。だから、風を使って鎌の速度を上げることも可能。
「それっ!」
少し腕を動かす。鎌にも神経が通っているかのようなごく小さな動作だけど、それでもアタシは確実に風を起こせる。
そして鎌の速度はライフル程度の速度に上がった――

295 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/27(日) 23:03:45.82 0.net
「……レゴソラ…!?」

予想外な展開に一瞬反応が遅れ、左肩を鎌が掠める。
「……ッ…!?」
攻撃の手段は詠未と同じ…いや、詠未より強力だ。
相手と自分の力量差を読んで対策を練るのが得意な疾風としては即座に退却、体制を建て直したいが…

「は…はは…逃げれる訳ねぇだろ…!!」
自分を鼓舞し、部屋に転がりこむ。
その後、距離を計りつつ襲撃者と対峙する。

「………一応答える、俺は剣疾風。…レゴソラと言ったか、貴様は…何者だ」
呼吸を整えつつ静かに問う。

296 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/27(日) 23:15:56.48 0.net
>「………一応答える、俺は剣疾風。…レゴソラと言ったか、貴様は…何者だ」
「アタシ?アタシはねぇ、ダーリン…もとい比良坂詠未の能力…【鎌獄鼠嵐】だよ。
だけど、アタシは勝ったの。ダーリンに勝ったの。そんで、ダーリンには『対価』を払ってもらった。
アタシを使うための対価。それは理性…ダーリンの心だよ。アタシはダーリンの心を独り占めしたの♪
ダーリンはアタシのもの。誰にも渡さない」
アタシはそう言って天井に張り付いた。鎌を微妙に動かし感じないほどの針のような風を送る。
当たれば皮膚は削れる…

297 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/27(日) 23:29:55.99 0.net
熱源感知。疾風が何者かに接触したようだ。
とはいえ襲撃者という確証は無い。生存者か、はたまた生温い亡骸かも知れない。
生存者なら自律して行動し非難するだろう。死亡者なら疾風が長時間留まる理由は無い。
すなわち疾風の滞在時間と相手の動きが襲撃者か否かを判断するキーとなるのだ。

それには、もちろん付随するデメリットもある。
第一に、疾風の消耗。襲撃者だった場合にはその間攻撃が降り注ぐ。
第二に、探索の停滞。疾風の側はいいとして、悠綺の探索行動の一切が制限される。
第三に、状況把握の欠如。モニターを注視している間は周囲への注意が散漫になり、敵が来た場合の付け入る隙となる。

それでも、悠綺はモニターを凝視し続けた。
彼は、交戦している。確証の無いデータの中で、確信に似た気持ちがあった。
本当なら今すぐにブースターを吹かして追いついてしまいたい。だけどそれはダメだ。
心配だからと追ってきたところで、疾風はきっと喜ばないから。

目を閉じれば、焼きついた光景が浮かぶ。
青白く変色した指が砂に描いた、ひとつの一途な想い。
届けなければ。一刻も早く。
だが逸る気持ちを悠綺は抑え、カウントダウンを開始する。

カウントは、30秒。
それ以上の停滞、熱源の移動傾向。それらを鑑みて状況判断を下す。
握り締めた鉄爪の裏の拳に想いを託し。駆動音唸る推進ユニットが船出の刻を待ちわびていた。

298 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/28(月) 07:03:36.66 0.net
>「アタシ?アタシはねぇ、ダーリン…もとい比良坂詠未の能力…【鎌獄鼠嵐】だよ。
>だけど、アタシは勝ったの。ダーリンに勝ったの。そんで、ダーリンには『対価』を払ってもらった。
「……何…!?」

詠未が…負けた?
……流石に能力を貰ったばかりのアイツには早かったのか…!?

>アタシを使うための対価。それは理性…ダーリンの心だよ。アタシはダーリンの心を独り占めしたの♪
>ダーリンはアタシのもの。誰にも渡さない」
「……貴様…!」

……確信した、星羅はもうこの世には居ないだろう。
そして、殺ったのはコイツだ…
そう理解した瞬間に怒りが込み上げる。

「……そう…か…やっぱり…」
一瞬の予感を信じ横にズレる、風が横切った。
「……俺も殺す気なんだな。」

一気に集中する、これまでよりも、意識を研ぎ澄ます。
相手と向き合う、詠未の能力と言っていた…なら、対処法は詠未と同じか。
「レゴソラ…一応確認する。お前は、星羅を殺したんだよな…?」
集中を切らさず問いかける。

299 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/28(月) 20:56:41.95 0.net
>一瞬の予感を信じ横にズレる、風が横切った。
「…チッ」
さすがにこの程度のちょっかいは効かないか。当たれば皮膚は溶けるかのごとく消えてゆくくらいの威力はあったけど
相手は剣道部のエース…いや、もはや彼は剣士か。
>「……俺も殺す気なんだな。」
「フフ、ごめいとぉ〜う♪アタシの前に出てきた奴はなんであろうとコ・ロ・ス☆つもりだよ♪」
特に君は脅威になりかねないからさ…今のうちに倒しておかないとね。
>「レゴソラ…一応確認する。お前は、星羅を殺したんだよな…?」
「ああ、あいつね…。そうだね、アイツはアタシのダーリンをアタシから奪おうとしたからね、
当然の報いだよ。ダーリンはアタシのもの。アタシだけのもの。あんな貧弱なやつにダーリンは渡せないさ。
さぁて、もう君も怒り死にそうになってるんでしょぉ?フフ、そんくらい顔をゆがめてくれると嬉しいなぁ。
殺し甲斐があるっていうかさ♪さぁて、じゃあ…死んでもらおっか♪」
そして羽をはばたかせるかのように鎌を細動させる。瞬時に背後へ回り、そのまま流れるように周囲を回る。
回りながら、鎌を撃つ。維持がかなり難しいけど、頑張って頭上にも鎌を配置している。…ガタガタしてるけど。
左腕が溶けそうだ…痛い。

300 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/28(月) 21:47:27.21 0.net
カウントが15を越えた辺りで、にわかにバックパックが騒ぎ出す。
何事かと思って横目で見れば、出てきたのは一枚の紙片。
表を向ければ描かれていたのは、砂に書かれた冥瞳星羅の想い。一文字一文字に魂のこもったメッセージ。
その光景を、この機械は現像したのだ。操縦者たる悠綺の命令なしに。

プリントの機能なんてあったのか。それも驚愕だが考える点は別にある。
なぜ、この光景を現像した?
悠綺が見た景色と全く変わらない、同じ目線からの一枚。ヘッドギアのカメラからの画像だろう。
そしてヘッドギアは思考を読み取り指令とする機能を持つ。彼女の決意に呼応したのか、それとも...

カウントが警告音を発し出すと、そこで思考は切り替わる。五秒前の通告音。
4。そろそろ確定と言っていい。システムに異常がないかモニターに目を走らせる。
3。上から下まで、システムオールグリーン。大丈夫、いつでも出発できる。
2。両腕の推進力を行かすべく構えをとる。...おっと、この写真はブレザーの裏にでも仕舞っておこう。
1。今度こそ準備完了。全ての推進力を後方に向け、一直線に前進する時の反動に流されないよう精神を統一し。

0。蒼い炎を軌道に描き、地下経路に一つの鉄塊が舞った。

301 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/28(月) 21:47:57.27 0.net
>「ああ、あいつね…。そうだね、アイツはアタシのダーリンをアタシから奪おうとしたからね、
当然の報いだよ。ダーリンはアタシのもの。アタシだけのもの。あんな貧弱なやつにダーリンは渡せないさ。

「当然…詠未はあたしの物…か…」
怒りがどんどん込み上げる。これは怒りを超越し、殺意となった。
「……悪い相棒、今回ばかりは怒りが抑えれそうにない…!」
剣化していなかったもう片方の刃を剣化する。

「お前だけは…お前だけは許さねぇ!!覚悟しろクソ野郎ォォォォォ!!!!」
瞬間、思考が加速する。
相手の動きから予測し、レゴソラの回転と逆方向に回転し、鎌をもろともせず斬りかかる。
同時に軸移動し頭上からの攻撃を避ける。
(いけない…ここまでの殺意は集中していると強力だが、一瞬でも意識がずれると一気に危うくなる…諸刃の剣だ…主…落ち着くのだ主よ…!)

「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
鎌で斬られるの気にせず、捨て身で斬りかかる

302 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/28(月) 22:37:04.65 0.net
【????】

『蛍…、蛍よ…、我の声が聴こえぬか?御主が育てようとした希望が二つ、今燃え尽きようとしている…。
蛍よ、まだ我の声は届かぬか?我は消えてはおらぬ。
蛍よ…、行くのだ。御主は今行かねば為らぬ。誰の為でもない、御主自身の為に。
蛍…、蛍よ…。』

303 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/28(月) 23:32:34.36 0.net
>「お前だけは…お前だけは許さねぇ!!覚悟しろクソ野郎ォォォォォ!!!!」
「ハハハッ、いいねぇ〜、そう来なくっちゃねェ!!!」
思いっきり斬りかかられる。左腕に少し損傷が来たが、気にせず腹部の鎌を射出。
同時に操作中だった天井付近の鎌の操作を解除、ついでに少しバストサイズを縮めて処理能力の向上を図る。
「さすがにBカップで我慢してくれるよね…?」
千切れそうになってる左腕を無理やりかぎづめ型の鎌で刺し、つなぐ。そして鎌を引っ張り、腕をくっつけると、
小さな鎌によって無理やり接合。後は肉体の変形と同じ要領で動かせば自然治癒する…けど、そんなの待ってらんないよね。
「食らえ…【鎌獄領域-Field of blade&dead-】!」
体中から鎌を出す。隙間なく出す。そして、接合に使っている鎌以外のすべての鎌を射出。
これを撃った後はディレイがあって鎌が出せないけど、アタシの身体能力はそれをカバーできる。
射出後、すぐさま奥の壁に飛びつく。ディレイは30秒。その間逃げ続ければこちらの勝ち…かな?
逃げ続けることができなければ…なんて考えない。だってアタシと、ダーリンの体の性能を信じてるから。
ダーリンの足の速さならきっと何とかなるよね☆

304 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/28(月) 23:37:02.32 0.net
この次のレゴソラのロールの後に乱入します。あらかじめ

305 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/28(月) 23:47:37.97 0.net
私も様子見て乱入するか決めます!

306 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/29(火) 11:49:35.51 0.net
ちょっと組んでるロールの前提が崩れそうなのでご遠慮いただきたいです...ごめんなさい

307 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/29(火) 13:28:55.62 0.net
了解です。では終わってから次の展開で考えます。何分、なにもする事ないので…

308 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/29(火) 13:37:03.17 0.net
屋上のロールも止まってるしなー。そっち進めます?

309 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/04/29(火) 14:04:28.02 0.net
>「食らえ…【鎌獄領域-Field of blade&dead-】!」
「………!」
大量の鎌が飛んでくるが、その一本一本の動きが見え、対応出来る。
(許さん許さん殺す殺す殺す…!!!)
極限の殺意と究極の集中、そして修行の成果がここまでの反応を可能にする。
両手に持った剣で全ての鎌を受け流しつつ、少しずつレゴソラに向かって前進する。

「おぉ…おおおおおおおおお!!!!!」

310 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/29(火) 18:32:00.39 0.net
>>308
そうですね。安部の解釈でよければ進められますが、椿さんをどうするかですね。

311 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/29(火) 20:04:45.31 0.net
椿の能力って瞬間移動が出来るものでも無いからあの解釈で進めるのはちょっと
相手がいない以上掴むんじゃなくて殴ったことにして思惑通り吹っ飛んで貰いましょう
その後で戦闘なり対話なりロールっすね

312 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/29(火) 21:19:36.83 0.net
>両手に持った剣で全ての鎌を受け流しつつ、少しずつレゴソラに向かって前進する。
「へぇ…やるじゃん。でも、そろそろかな」
腕をつなぎとめていた鎌をすべて外す。すると腕が少しグリンと回転し、元のむきに戻った。
腕はすでにくっついていた。
「ふう、もう10秒くらいか。じゃあ、逃げますかね」
反対側の壁へ一瞬で移動する。さすがダーリン、このくらいはお茶の子さいさいって感じかな?
…実際はアタシの身体能力も絡んでるんだけど。風が出せればもっと早くいけそうだけど、そんなことしたら時間巻き戻りながら体がバラバラになっちゃいそうだし…
怖いね。
「さあ、ついてきなよ?君にアタシのスピードに追い付けるくらいの脚力があるならねぇ!?」
ステージは少し狭めなんだけど、正直こっちのアドバンテージのほうがでかい。

313 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/29(火) 21:38:12.29 0.net
>>311
ではその辺の微調整を…


「あいつ…躊躇ねぇな…。」
椿を文字通り『振り回し』、迫る燕を落としていく入江。

もちろん全てを落とす事は出来ずに自身も傷をおっているが、それは振り回されている椿の比ではない。

>「銃を持った手は俺に掴まれ!足場もない空中で!!
『今、この状態でテメーは俺に勝てんのか』ァ!!!」
入江の咆哮と共に落ちてくる二人。落下の瞬間、入江の一撃より吹き飛ばされる椿。いや、わざと飛ばれさと謂う方が正しいようだ。
>「Good bye Mr. 入江〜♪一人で燕に攻撃されな!!」
捨て台詞と煙幕をばら撒いて戦闘から離脱していく椿。

「逃がさん!宿・陽・動、走波!」
【追】の【狼】を逃げた椿に放つ。これで奴が何処に居ても俺には分かる。

「さて、問題はこっちだな…。」
目の前には野生の獣。こちらは紙の獣が88体。これは今の俺が完全にコントロール出来る限界の【式神】だ。

「仕掛けちまった以上、逃がしてはくれないだろうな…。」
【安部 祥明:椿を追尾。入江の様子を伺う。】

314 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/29(火) 22:30:20.59 0.net
飛ばしに飛ばしてたどり着いた一本の通路。多目的ホールへと続く扉の曲がりくねった通路だった。
もう少し距離があると言うのに、悠綺はそこで足を止める。おもむろにライフルを構えると、ゴーグルの下にターゲットサインが浮かぶ。
そう、悠綺はこの通路からの狙撃を試みると言うのだ。何がそうさせたのかは、最早誰にもわからない。
だが自身の姿を晒すよりも、姿なき恐怖を植え付ける。情報の不足は不安を生み出し精神的優位を作り出す。

だが、そこには障害があった。多目的ホールまでは一本道ではないのだ。
ならばどう狙撃する?決まっている、ゴム弾であるが故の戦術。すなわち『跳弾』だった。
悠綺の手が本人も預かり知らぬところで僅かに震える。失敗の可能性。外れはあれど、疾風に当てるわけにはいかない。

代わろうか?と心が囁く。きっとうまくやってのける、と。
悠綺は逃れたかった。狙撃を外す可能性から。
悠綺は逃れたかった。押し潰されるような責任感から。
悠綺は逃れたかった。自分の手で疾風を撃ち抜く、その可能性から。
だからぎゅっと目を瞑り、心に心を委ねていった。

 シ ス テ ム・エ ス
『System-Es』の文字と共に、ゴーグルの裏のモニターが青く染まる。
無造作に構えられた長銃の、引き金が容赦なく引かれる。
火薬の爆発、押し出された銃弾。一瞬で緻密に計算された予測弾道を違えることなく反射する。
そして扉を突き破り。硬質ゴム弾は剣士と鎌獣の相対する空間へと飛び込んでいった。

315 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/29(火) 22:41:34.45 0.net
打撃の瞬間、ずらされる重心。
そう言うことか。気付いたときには行動が止まるような状況ではなかった。
奴の思惑通りに一つの人の体は吹き飛ばされていく。不快な囀りを残して彼は消えていった。

「......で、次はお前か」

右に左に前に後ろに、飛び交い蔓延る白の流動。
数えることなどしたくはないが、100体ほどは居るんじゃないか?
全く、面倒だ。何よりコイツらの使い手が表に出てこない所が。
音は聞こえた。だがその方向が、何かに隠されたようにまるで把握できなかった。

「...ったくよォ、おい紙クズ使いィ!ビビってないで出てきたらどーだ」

軽く挑発。易々と乗ってくれるとは思わないが。
奴が何らかのアクションを起こせば、今度こそ位置が特定できるかもしれない。
まあ上空になにもない以上、倉庫かタンクの影か下の階、位しか選択肢は無いが。

変わらず耳を澄まし、音の反射を読み取る。
全方位を飛び交う鳥の、位置情報を的確に把握する。
彼の戦闘形態の基本。前方に閉ざされた視覚に頼らず、聴覚と嗅覚での情報収集だ。
...どちらも行うのは疲れるし面倒だから、彼は普段は聴覚の方しか使わないのだが。

「言っとくが俺に死角は無いぜ?降参するなら今のうちだ......!」

316 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/29(火) 22:56:28.20 0.net
>「...ったくよォ、おい紙クズ使いィ!ビビってないで出てきたらどーだ」

(別にビビってる訳じゃないんだけどなぁ…。)

俺の【能力】は中長距離タイプの操作系。
もちろん近接用の【護符】もあるが、超近接攻撃型の入江相手には分が悪い。

>「言っとくが俺に死角は無いぜ?降参するなら今のうちだ......!」

「別に隠れてるつもりはないんだがな。」
倉庫の扉から出て、一度全ての【燕】を手元に戻す。

「こっちは昼寝してるだけだったんだか、お前らが騒ぐから俺の【式神】が勝手に暴れただけだ。」
本音半分といった所か…。殺れるならここで殺るにこしたことはなかった。

「で、どうする?俺とも殺りあうのかい?出来るなら御免蒙りたいが。」
念の為、近接用の【護符】を懐に用意し、俺は入江に問いかけた。

317 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/29(火) 23:34:59.29 0.net
倉庫の扉が開き一人の男が出てくる。
そしてその口から吐き出されたのは何とも張り合いのない台詞だった。
張り詰めた空気が一転し気の抜けたものになる。なんだか肩透かしを食らった気分だ。

「張り紙の奴の刺客、って訳でも無さそーだな。
 ったく、テメーの管理不行き届きだぜ?要らねー気ィ使わせやがって...
 出来ることなら殺り合いたかったが、テメーには萎えた。放っとけよ」

ハァ、とため息をついて言う。全くなんなんだ本当に。
まあ気分は悪いが無駄な力を使わずに済んだ、とでも思っておこう。
紅牙はフェンスに再び身を寄せ、空を青いで座り込んだ。

318 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/29(火) 23:52:39.11 0.net
>「張り紙の奴の刺客、って訳でも無さそーだな。
 ったく、テメーの管理不行き届きだぜ?要らねー気ィ使わせやがって...
 出来ることなら殺り合いたかったが、テメーには萎えた。放っとけよ」

正直ホッとした。この化け物を相手にするには準備不足だった。

「あぁ、すまなかったな。所であんたは確か二年の入江紅牙だな?俺も二年だ。安部祥明(あべよしあき)。
あんた、何で教師に狙われてるんだ?てか、あの椿って教師は何者だ?」

319 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/30(水) 00:06:00.51 0.net
俺のことを知っているか。成る程な。
欠席の多い紅牙の名前は其ほど知れ渡ることは基本ない。
さらにこの戦挙の二日目まで学園に居なかったため、存在を覚えているものは少ないだろう。
それを少し見ただけで俺の名前を出した。そこそこの情報通と見ていいだろう。
もっとも、能力を知っているか否かは別問題だが。

「あの教師か?知るかよ、こっちが訊きたいぜ。
 今日初めて見たし、恨まれる理由も多分ねーよ。
 何だか知らねーが急に撃ってきた。それだけの面倒な奴だ」

そして二つの風穴を開けられた、と。
今はトカゲの再生能力で何とか傷を塞ぎつつある。骨まで行くと復旧できないが今回は助かった。
とはいえ再生は戦闘中に出来る事でもない。今のうちにゆっくり傷を癒しておこう。
特にそのあとに言葉を紡ぐことなく、紅牙は息を長く長く吐いた。

320 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/30(水) 00:23:18.79 0.net
>「あの教師か?知るかよ、こっちが訊きたいぜ。
 今日初めて見たし、恨まれる理由も多分ねーよ。
 何だか知らねーが急に撃ってきた。それだけの面倒な奴だ」
「成る程…つまりは快楽犯ってとこか。会長派って訳でもなさそうだしな。」

大きな溜息をつく入江に言葉を投げ掛けた。
「さっきの古藤と御笠は白河との共闘を決めたようだぞ。所謂、反会長派と謂うやつだ。お前は興味ないんだろうけどな。」

【耳】を通して伝わる情報を話す。

「お前もある意味あの教師と同じなのかもな。自分の力を試したいのだろ?なら視聴覚教室にでも行ってみたらどうだ?会長がいるらしいぞ。」

321 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/30(水) 00:35:11.96 0.net
剣の攻撃を8割かわしつつ、ひょいひょいと動き回り弄んでいたそんな時だった。
バキィィィン!!!と音を立て、左肩の鎌が突然割れた。
「ウッ…いったいなぁ、もう…」
破片が顔に刺さる。変形の容量で破片を押し出し、原因を探す。
目の前には、弾丸が一発落ちている。
「これかぁ…ほいっと」
攻撃をかわしつつ、弾を拾い上げると気づいた。硬い中にほんの少し弾力を感じる。これは…
「ちく…じゃないね、ゴム弾かぁ。なーるほど、そうなるとこれは…どうやってここに来たんだ?」
一瞬、思考をそっちに傾けたせいであやうく攻撃を食らいそうになる。
「うおっとぉ…あっぶなーい。…ん?あのドア穴あいてるなぁ。
鎌を突き破ってやっと壁に跳ね返ったくらいだから、相当な威力があるね。そしたら…」
こうなりゃやけだ。鎌を3枚飛ばす。それらを操作し、ゴム弾で少しだけヘコんだ痕の通りに動かし…そしてすこし通路を進んだところで鎌を止める。
「ここだなぁ…?」
鎌を無理やり回転させる。不規則に回転する鎌は、ダイヤモントすら一瞬で粉とする風を辺り一面に巻き起こす。
…さすがに現状じゃそこまでの威力は出ないけど、鎌一個だけ操作とかにすればそれくらいは可能…かな?
通路を通り越して、壁からも風が漏れる。
と、ここで異変が起きた。
「…ッ!ガハッ!」
吐血した。なぜ…?吐血は止まらない。ゲホゲホと血を吐き続けるその手は、『溶け始め』ていた。
「もうじき限界…かぁ。仕方がないなぁ、鎌の操作止めて肉体の変形を解除するかぁ」
胸はしぼみ、男子らしい胸の大きさに。顔も中性的な顔から少し凛々しさを感じる本来の顔に。
声も少し高い今どきの女子中学生くらいのトーンから急に少し優しい感じの男子高校生のトーンに。
「止まらないなぁ、とけるの…まあ、ダーリンと一緒に死ねるのは本望だけどね、ハハハ…」
そろそろ、ヤバいなぁ。

322 :レゴソラ ◆taZqHR8ods :2014/04/30(水) 00:39:14.47 0.net
>ゲホゲホと血を吐き続けるその手は
手から血は吐きませんwwwすみません、誤字です。

ゲホゲホと吐き続けられる血を受け止めるその手は
↑こっちと置き換えてくださいw

323 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/30(水) 01:55:14.12 0.net
銃弾によって生まれた傷はもちろんのこと銃弾サイズでしかない。
さらに全方位から新たな細胞が傷を埋めるため、トカゲの尻尾とは比べ物にならない速さで再生していく。
もっとも、再生部位は疲労困憊だ。傷がピンポイントなお陰で難を逃れたが、神経にでも行くと不味いだろうな。

「『試したい』訳じゃねーよ。力の使い方なんざもう十分解ってる
 俺はただ頂点に登り詰めるだけだ。それが与えられた本能で、目的だからな。
 ......それと、お前さっきから会長会長って何なんだ?派閥にゃ興味無いがしつこいぞ?」

断っておくが俺は力に溺れて争っている訳ではない。
彼らと俺の違いは、その力を扱っているか力に扱われているか。
溢れる力に興奮を抑えられない等と言う低次元な存在では断じてないと言い切ろう。

会長派だろうが反体制派だろうがどうでもいい。俺はただ登り詰めるだけ。
目的はあれど目標などない。そんなものは俺には要らないと深層意識にまで刷り込まれてきた。
俺は刃だ。刃は道具だ。道具に意思など必要ない。使いたいように動ければそれでいい。

だけれども。そうして意思をもって集う存在は、少し紅牙には眩しかった。
理想のために力を寄せあうその姿に、憧れを見いだしていたのかもしれない。
そんな事には露ほども気づかず、紅牙はフェンスに身を預け傷を癒す。
全く、便利なものだ。自嘲気味に少し笑って、変わらず空を仰ぎ続ける。

324 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/30(水) 02:13:05.81 0.net
再び、意思を預けてしまった。
その状態を現すならば、『暴走』に他ならないだろう。

開かれた無機質な瞳に、躊躇いなど存在しない。
ブースターを前回にし、うねる通路を迷いなく突き進む。
突如やって来た向かい風にも『それ』は怯むことはなく。
進むにつれて斬撃の力を帯びた風に人肌が切り刻まれようとも、機械的に進行していった。

体を半身に、バックパックを盾に。
いや、それは中央にある人体を守る行為ではなかった。
振りかぶった右手から、構えた左腕から。鉄爪が分離し三本の刃となり。
その刀身に無数の傷を付けながら風の中を猛進していく。

ブースターの損傷。推進力が消失する。
だが慣性の付いた刃は既に止まることはなく。
辿り着くころには十数個の鉄片と化したそれらは、それでも鎌の元へと飛来し。そのすべてを壁に縫い付けた。

再びドアを粉砕し、今度は機人が飛び出した。
熱源感知、生体は二つ。狂気の機械人形は右手の鉄鋼の一つ刃で手前の人影に斬りかかる。
彼、いや彼女か...?狙われたのは風を繰る鎌の獣。なんのことはない乱数での目標決定だが、疾風には助けが入ったと見えるだろう。
だがそうではない。『隼鐘悠綺の能力』は最早無差別に人を傷付けるのみ。近付くものは容赦なく斬り、逃げ出すものは容赦なく撃つ。

切り裂かれたブレザーの胸元から、一枚の紙片が僅かに覗く。
その端々には無数の傷が付いていたが、「彼女」の思いの文字列だけははっきりと残っていた。

325 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/30(水) 10:01:25.11 0.net
>>323

>「『試したい』訳じゃねーよ。力の使い方なんざもう十分解ってる
 俺はただ頂点に登り詰めるだけだ。それが与えられた本能で、目的だからな。」

確固たる目標…、自分には無い物だ。

(俺は何の為に闘っている?降りかかる火の粉を振り払う為?なら戦挙に立候補しなければよかっただけの事…。)

>「......それと、お前さっきから会長会長って何なんだ?派閥にゃ興味無いがしつこいぞ?」

悪態をついているが、入江の顔に人末の寂しさが見えた。彼もまた一人で戦ってきたのだろう。

「派閥か…。確かに俺も興味はないな。」
入江の様に自分の力に自信を持っているから出た言葉ではない。むしろ逆…

俺は鞄の中から白装束を取り出し、袖を通した。

「すまん、さっきの言葉は取り消す。御免蒙りたいと言ったが、あんたに興味が出てきた。」

俺の『殺る気』に呼応して、88枚の【式神】達が臨戦体制に入る。

「改めて名乗る!安部家13代目当主・安部祥明(あべのしょうめい)!入江殿、お手合わせ願う!」

【安部 祥明:入江 紅牙に手合わせを申し出る】

326 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/30(水) 22:12:26.83 0.net
「あぁ?何だその面妖な服は... っと」

正装へと着替える祥明の行動は、紅牙には奇怪に写った。
と同時に彼の繰る紙の獣が展開され、ざっと100の影が蠢く。
成る程、これがコイツの臨戦態勢って訳か。上げた口角の隙間から白い牙が覗く。

「手合わせ、ねぇ。構わねーがちょっと待ってくれ。
 まさか手負いの俺と戦って潰したいって訳でも無いだろ?治らないうちはフェアじゃない」

平行して此方も臨戦態勢だ。コウモリの耳、カンガルーの足。ゆっくりとその体が変貌してゆく。
そうして変わりきった体をグッと伸ばし、二、三回軽くジャンプして。
腕を動かし傷の修復具合を確かめると、良し、と息を吐いて宣言する。

「良いぜ。テメーの挑戦受けてやる。
 加減は無しだ、精々死なねー様に頑張れよォ?」

327 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/04/30(水) 22:55:57.14 0.net
>>326

>「良いぜ。テメーの挑戦受けてやる。
 加減は無しだ、精々死なねー様に頑張れよォ?」

「では…参る!!」
先ずは小手調べ。【牙】の狼を15体、入江の周囲を包囲。
一斉に飛び掛からせると同時に、空から10体の燕を落下。【斬】の中に【爆】を1体紛らわせる。

(触れれば爆発。さてどう対処する?)

【安部 祥明:入江の様子を伺いながら、自分の周囲には罠の蝶を展開。】

328 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/04/30(水) 23:21:05.26 0.net
周囲を囲む狼、上空には燕の雨、自身には蝶を侍らせる。全く抜け目のない奴だ。
狼を、燕を、蝶を、そして祥明を。聴覚で捉え360度の情報を把握する。
上から来る燕に突っ込むのは愚策だ。翼を持ち宙を自由に翔る彼らに空中では勝てないだろう。
ならば当然、包囲網を力付くで突破する。紙であるが故か図体の小さな狼ごとき、空に比べたら障害ではない。
紅牙はその場に立ったまま、行動のプランを練った。

すれ違い様に指先のみを獣化、その爪を伸ばす。
そして狼の横腹を抉るように引っ掻いて、そのまま狼の頭上を通過していく。
なんのことはない、彼らの強度を調べたいだけだ。よって攻撃の成否には執着せず離脱を重視する。

勿論、燕の驚異がこれで去ったわけではない。本体攻撃もまだ危うい。
燕が地面に激突するようなら、そんな心配も杞憂となるのだが。
だから追尾してきたなら、引き付けて跳躍を繰り返す。
そして祥明の体を盾にするように立ち回り、型が崩れたところを狙う。

状況を把握した後の一瞬でそれだけ行動指針を決めた。
後は状況を見ながら実行し、イレギュラーが有れば変えていく。

「さぁ、楽しませてくれよ?」

継ぎ接ぎの獣が牙を剥き、そのまま大きく跳躍した。

329 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 00:00:19.14 0.net
>>328

狼の群れの中から跳躍して来る獣。すれ違いざまに6匹の狼が獣の爪によって紙と化した。そのまま迷う事なく此方に向かって来る。

(何と謂う判断力!あの一瞬で最小限のダメージで最大限の攻撃方法を思いついたのか!?)

獣の後ろから追尾して来る燕。入江の狙いは俺を盾に燕と狼の回避だろう。

(ならば相手の虚を付く事が有効!入江は俺が中長距離を保ちたいと思っているはず。ならば此方から接近戦を望めばどうなる?)

蝶に書かれた文字の1つは【遅】。鱗粉が入江にかかれば動きを遅く出来る。
左手に取り出したのは【雷】と書かれた護符。安部家に代々伝わってきた護符には魔除けや除霊の効果がある。これを千代紙で作りあげたのが俺の最大の武器だ。

右手には先程の【風】の剣。入江に向かって駆け出しながら剣を振り下ろした。吹き荒れる疾風が入江に襲いかかる!

330 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 00:29:02.94 0.net
成る程、な。強度は所詮紙程度か。
狼は目立った抵抗もなく紙片と化していった。この調子なら余裕だな。
これで大分戦いやすくなった。もう少し戦い方を見極めさせて貰うとしよう。

そう思ってるうちに剣を手にした祥明が刃を降り下ろし、一陣の風を生み出した。
護衛を付けておきながら、自ら接近戦を挑む?倒錯した事象に一瞬着いていけなくなる。
が、状況は把握した。迫る風に瞼を綴じる。...いや、それは瞼ではない。
水中にいる魚が水を目に触れさせないように、透明の幕を薄く張ったのだ。目が乾く事も汚れが入り痛むこともない。

状況が改善したわけではない。式神使いは悠々と接近している。
ならば此方も、虚を突いてみるか。即ち自ら中遠距離を保っていく。
後方に宙返りしながら大きくジャンプ。さらに腕には体毛を変化させたハリネズミの棘。

戦いの中で能力は見せた。それは即ち『獣化』である。
引き裂く、噛みつく、飛び掛かる。野性的な攻撃方法はどれも近距離専門だ。射撃を行う動物は少ない。
そうした事実は常識となり人々の意識に浸透していくだろう。そして思うのだ、獣化した者に遠距離攻撃手段は無いと。

だが。動物の特性を人が繰れば、同じものでも全く異なる。
ハリネズミの体毛は敵に刺した後、簡単に抜けるようになっている。
後は大きく腕を振ってやれば、幾つもの針が真っ直ぐ飛んでいく。
そして、耐久性が紙ほどならば、それらを容易く貫くことができる。

「もっと見せてもらうぜ... お前の『能力』をな!!」

翼も無しに宙を舞い、獣は人の言葉で咆哮をあげる。
目の前の相手が己の腹に納まるのか、それを見極めるかのように。

331 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 00:49:21.53 0.net
>>330

「なっ!?」
虚をついた此方の行動に虚を突き返すかのような後方への跳躍。後ろから迫る燕が数羽、入江の体を切り裂いて此方に戻ってくる。

と、同時に入江の腕から無数の針が飛ばされた。残った燕が串刺しになり、地面に落ちる。もちろん此方にも飛んでくる針。

慌てず【返】の蝶を1匹羽ばたかせる。鱗粉が触れた針がそのまま入江に戻る。が数本の針が白装束の袖を、横腹を掠め、肩に、足に刺さる。

しかしそれは入江も同じ事。戻った針と後ろから飛び掛かる狼の【牙】が同時に襲う。

(この気を逃せない!)

痛む足を前に、前に、前に!

332 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 01:09:38.17 0.net
背後からの狼の急襲、その気配と挙動ははっきり聞こえていた。
そして前方から迫るカウンターの針も確りと視認した。
だが此処は空中。体を捻ることはできても重心は定められた放物線を描くしかない。
そんな状況でしかし紅牙は、ニタリと表情を歪める。

まず前方の針の処理。はっきりいって『捨て置けばいい』。
そもそも針と言うのは、片側だけが鋭利に出来ている。ハリネズミの場合、返しのついた棘部分と丸みを帯びた毛根部分、と言うわけだ。
そしてその丸みを帯びた側を向けて迫る針など驚異ではない。目にさえ当たらなければ良し、そうなればすぐに気づく。

次に背後の狼の処理。これは少し面倒か?
文字通りの紙耐久と言うこと以外は不明。攻撃力は驚異になるかもしれない。
だが飛びかかってきている以上、射撃はしては来ないだろう。ならば近づく前に無力化すればいい。

学ランの背中を突き破り、再びハリネズミの針を具現化させる。
先程とは打って代わって今度は長めの針だ。逆立ったそれらは飛び掛かる狼を待ち構えるように揺らめく。
弾丸でも吐かない限り、紙耐久の狼に串刺し以外の道は無いだろう。これで驚異は消し去った。

後は両の足で立ち、奴本体の動きを捉える。そこまで出来ればプラン通りだ。
奴の蝶。攻撃を跳ね返す力を持っていた。
他の蝶もそうなのか、あるいは別の力があるのか。まだ手を出すには早いか。
行動に困ったら地上を這うように跳躍する。高速での撹乱でペースを崩そうと試みるのだ。

/あれ爆発は?
/あと蝶の数は結構重要なので決めておいてほしい。後出しで沸きまくられても困るし

333 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 01:27:22.37 0.net
針と狼が無力化し、地に足がついた獣。
25体の式神が不発に終わった。残りは8匹の蝶を含む63体…。

同時に操れるのが88体と謂う事は、ここで新たに千代紙から式神を作る事も可能だ。…折る隙があればだが。

変わらず距離をとる入江。
(…ならば!)

白装束の背中に【羽】を付け宙に【飛】ぶ。と、同時に投げ出したとっておきの式神・龍。書かれた文字は【活】。
これは式神自身が意思を持ち行動する高等技術。今の俺にはこの3体が限界。8匹の蝶、3体の龍、1人の術師が空から迫る!

/【爆】の燕は針により無効化です。対象者に触れた時のみ爆発なので。

334 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 01:35:56.81 0.net
/補足
羽の文字は【付】で背中にくっ付いています。
龍の攻撃方法は牙と爪です。火は吐きません。
椿の追跡に狼を1体使用しているので、正しくは残り62体でした。

335 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 01:50:34.26 0.net
背中から針をパージすると、串刺しになった狼がバラバラと落ちていく。
そして翼を付けた式神使いが空を行く様を目で追い耳で追う。
...アイツ、飛ぶのか。出来れば此方は翼を生やしたくはないが。
あの翼も、紙耐久なら。一本でも針を通せば堕ちてくるだろうか?

奴の蝶は8匹。うち1匹はカウンター持ち。
そして新手、強さの象徴とも言える幻獣がこっちは三匹。
長い肢体をくねらせながら空中を滑るようにして此方に向かってくる。一目で違和感を感じた。
燕が追ってくる時のような、ぎこちない直線的な動きとは違う。まるで意思を持ったかのように、活き活きと動いているのだ。

こっちが奴の本領か。燕だと動けないのか、あれは腕前を下に見せるフェイクだったのか。
とにもかくにも面倒だ。先に術者だけでも堕として仕舞いたい。
空中戦は、分が悪いからな。自由に飛べる相手とはさ。

「さーて、此処からが本番ってとこかァ!?」

とは言っても足場のない空中では地上より小回りが聞かないのは確実だろう。
迫る彼らの軌道から逃れるように飛び回り、祥明の死角を取ったときに羽根目掛けて針を撃つ。
だがそれは龍に付け入られる隙を産み出すだろう。さっきの狼のように、引き付けて串刺しに出来るだろうか?
火でも吐かれれば厄介だが、文字通り紙ならそれはないと信じたい。
そうした一僂の望みに賭ける、狼と同じ迎撃をすることに決めた。

残る問題は、奴の周囲を旋回する蝶か。
八匹全てにアプローチする余裕はきっと生まれないだろう。
一匹がカウンターなら、他の蝶も防御的な特性の可能性が高い。
それが解るまで迂闊に仕掛けられない、もどかしさの中で地を蹴り跳ねた。

/りょーかいす

336 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 01:52:19.27 0.net
/ロール投下してから補足見たらロール中で触れたことに結構言及されてた

337 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 02:08:36.81 0.net
宙に舞い、先ずは針を抜く。背中から【癒】の蝶の鱗粉が傷を塞ぐ。

(相手は野生の獣。羽を生やした所で身体能力では勝ち目はない。ならば…)

【速】の蝶の鱗粉が俺と残りの蝶に降りかかる。

獣が地を蹴り宙に舞い上がる!龍が襲いかかるのを見計らい、先程までの3倍の速度で入江の横をすり抜ける。すれ違いざまに【遅】の鱗粉を振りかけて。

これで手の内を見せた蝶は4匹。再び距離を保ちながら、龍の牙が爪が獣の針の間に喰らい付くのを確認した。

338 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 02:31:04.11 0.net
/ごめん書き方が悪かった
/跳ねるって言うのはあくまで地上を二次元的に高速で移動するってことっす
/あと背中じゃなくて羽根狙ったんで外れたなら外れたげなロールしてください

急襲。有り得ない速度で式神使いが迫る。
その間際に使った蝶か。補助的な効果も混じっているらしい。
そして今度は別のを俺にプレゼントと言うわけか。誰が易々と受け取るもんか。
すれ違い様に接近した一匹の蝶へ、伸ばした爪を引っ掻ける。元より機動性は高くない虫、形が性能を示すなら確実に微塵切りだ。

針の密度が甘かったか、龍の牙が爪が皮膚に刺さる。流れる紅を横目に見る。
大丈夫、この程度なら。止血する必要すらない。竜だった紙片は血を吸って紅の塊となって落ちていく。
...そうか、血か。本質が紙なら血を吸わせれば......?
それはまだ先だな。リスクが大きすぎる。思い描いたビジョンを頭の片隅に押し込んだ。

再び距離を取った式神使い。一瞬の交錯が思わぬ被害を生んだ。
だが、次はそうはさせない。爪を伸ばした拳を握り、やはり小さく表情を歪めた。

339 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 04:23:54.50 0.net
距離を保って羽に違和感。高速移動の際に針をよけ切れず、掠めたようだ。

(…大丈夫、まだ飛べる。でも次がラスト!)

本人は気付いていないかも知れないが、【遅】の蝶が撒いた鱗粉で入江の速度は1/3になっている。
しかし、所詮は鱗粉。払われてしまえば効果はなくなる。蝶が叩き落とされた今、これがラストチャンス!

再び獣目掛けて急降下!足に【止】のクナイが命中!

入江の動きが完全に止まった。が、このままでは足から針でも出されかねない。なので、本命はこっち!

正面に回ると、能力【封】の護符を貼り付けた!これで獣は唯の人間に戻った。

バサッと音を立てて落ちる羽。しかし今は気にしてられない!千載一遇のチャンス!

「雷帝招来!」
【雷】の護符を入江に貼り付ける。電流が入江の体を襲う。同時にクナイと護符が焼け落ちる。

「…これでダメなら打つ手なしだ。」

/指摘された箇所はロールに組み込んでます。
/【封】の護符は落雷と同時に焼け落ちてます。

340 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 04:27:24.63 0.net
/あ、後クナイ刺さってますが、【止】効果で出血も止まってます。なので血は吸いません。

341 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 09:04:44.93 0.net
さっきから矢鱈と確定リール多くないっすか?
それもこっちの行動の自由度や勝敗に直結するようなものばかり

342 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 11:33:31.92 0.net
/やり過ぎてましたか…すみません。
では一部補足を。

通常の雷は200万〜1億Vですが、【雷】の護符はせいぜいスタンガンに毛が生えた程度だとお考え下さい。
ただ、護符は燃え落ちますので、発動と同時に【封】は解けてます。

手を出し尽くした安部は入江の前に棒立ちです。力を使い切った為、動けていません。

343 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 12:45:12.56 0.net
確定で行動縛って一方的に攻撃とかやりすぎ以外の何物でもないぜ
それと祥明の能力はあくまで作品に属性付与するものだろ・・・

344 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 13:32:39.37 0.net
/ではどうしましょ?どこかまで巻き戻しますか?

345 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 13:55:06.22 0.net
お好きなように

346 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 14:47:28.13 0.net
/ではやり直すとややこしくなるので、雷に耐えて安部を吹き飛ばしてください。

347 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 21:50:19.45 0.net
勘違いされたくないのは勝ちたいから苦情入れてるんじゃないってことっす
お互い楽しくロールするために極端に行動を縛るロールはご遠慮願いたいってこと

348 :入江紅牙  ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 22:18:35.23 0.net
一本の刃物が脚に飛んでくる。最低限の動作でかわそうと動けば、僅かに皮膚を裂き床に刺さるにとどまった。
こんなもの、何の障害でもない。だが足を動かそうとしても身体は一向に反応しない。
何だ、毒か?...いや、回りが速すぎる。能力に囚われたか。
指一本動かせないまま肩口に張られた札。『封』の刻印を持つそれは紅牙の獣化を尽く解いていく。

>「雷帝招来!」

そんな掛け声と共に繰り出される札。最早対処法は無いのか...?
いや、まだだ。獣化とはいえ人の枠の中で伸ばした爪だけはその能力を失っていない。
そしてこの技に安直なネーミングをした者に今回ばかりは感謝する。俺はまだやれる...!!

一つ、皮膚の湿度を下げる。それだけで抵抗値は上昇し、雷撃のダメージを和らげる。
二つ、脂肪の膜を張る。皮膚の裏に絶縁体を纏うことで体内へのダメージを防ぐ。
三つ、後は気合で耐える。さあ来いと腹を括り、歯を食いしばり電流を堪える...!

すでに傷の目立つ学生服が、更に傷つき焦げる音。
付着したクナイと御札が、弾ける音と共に火を散らす。
そうした一瞬の光景のあと。紅牙は確かにそこに立っていた。

「っしゃ、覚悟はいいかァ式神使い!!」

右手に握った拳、何の変哲も無い人の手で。
目の前で同じく立っていた男の胸に貫くような拳を突き出した。

349 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 22:47:09.38 0.net
/重ね重ねすみません…。こちらとしては負ける前提の手合わせで、どんな事が出来るか試してみたかっただけなんですが。以後気を付けます!
ではロール行きます。

350 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 23:00:32.99 0.net
焼け焦げた匂い。手応えは合った。
が、獣の目から光は消えていなかった。

「ま…マジかよ…。」

>「っしゃ、覚悟はいいかァ式神使い!!」
咆哮と共に繰り出される拳!

(マズイ!大技の連発で体に力が入らない!)

胸に当たった拳は熊か、はたまたゴリラか!だが予想に反して拳は人のままだった。

しかし俺は敗北をイメージしてしまっていた。身【代】わりの蝶が一匹砕け落ちる。

【折神師】はイメージが一番大事。それは攻撃にも防御にも『こうなるだろう』とイメージする事で式神や護符が生まれるからだ。

(しまった!生身の拳なら耐えれたはずなのに…。)

ダメージはないが、後方に吹き飛ばされた事に変わりはない。そのまま屋上のフェンスに激突。…直後!二度目の予想外な事が起こった!

ガタっと謂う音と共にフェンスが外れ、俺の体ごと階下に落下!

(な…これは!即死!?)

二階の渡り廊下の屋根に激突して二匹目の【代】蝶が、そのまま地面に落下して最後の【代】蝶が砕け落ちた。

一瞬気を失っていた俺の目の前には【蘇】生の蝶の鱗粉がヒラヒラ舞っていた。

(今の衝撃で式神を殆ど落としちまったか…。残っているのは…。)

校庭から屋上に向かって白い鶴が舞い上がる。屋上のフェンスより高くなった鶴は白い【旗】に変わった…。

351 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 23:12:18.54 0.net
あくまで個人的な意見でしたが理解いただけたら幸いっす
他の人がなぜか消えたな... ロールしますー

352 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 23:22:41.77 0.net
っと、コレは想定外だ。
思いの外吹き飛んだ男の身体はフェンス共に屋上から雪崩れ落ちてゆく。
...ったく、死なないように気をつけろって俺は言ったからな?そんな悪態を心の内に。
フェンス越しに白旗が浮かぶのが見える。奴は生きていて、それで降参か。
じゃあちょっと手合わせ料でも払ってもらうとするかな。カンガルーの跳躍でフェンスの向こうへと跳び立つ。
宙に浮かんだ白旗を掴んで握りつぶし、そのまま地上へと落ちてゆく。

もちろん生身の人間が屋上から落ちれば唯では済まない。
落下中の姿勢制御、衝撃吸収。猫の特性を身に纏いながら風を受け加速する。
そして祥明の近く、5メートルほど後方に降り立つと首を鳴らして立ち上がる。

「...っと。俺の勝ちってことでいいんだな?
 じゃあ何か飲み物でも寄越せ。テメーのせいで喉も肌もカラカラだぜ...」

くしゃくしゃになった白旗を握り締めながらそんな要求を出し。
戦闘終了の確認と共に、張り詰めた精神を一気に緩ませた。

353 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/01(木) 23:37:17.58 0.net
「…完全に負けた、か。」
感慨に耽っていると、上空から巨体が舞い降りて来た。

>「...っと。俺の勝ちってことでいいんだな?じゃあ何か飲み物でも寄越せ。テメーのせいで喉も肌もカラカラだぜ...」

「んじゃコーラでいいか?ちょっと待ってな。」
千代紙を取り出し、猿を折る。そこに【使】と書き込み小銭を持たせる。

「あんた、やっぱり強いな。それにとても参考になった。あんたは体の一部を獣に変える【能力】だろ?
俺は紙の獣を扱う【能力】だからなぁ。戦い方が少し分かった気がする。」

猿がコーラと珈琲を持って帰って来た。

「ほらよっと!」
見えない角度でシェイクしまくったコーラを入江に渡した。

354 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/01(木) 23:52:05.84 0.net
「あ?買ってくるんなら勝手に決めんな...」

抗議空しく紙の獣は行ってしまった。
まあこの際どうでもいい。とにかく何か飲みたくて仕方が無かった。

「はいはい。何を思って挑んだか知らねーがな。
 獣同士仲良くやろうってんならお断りだ。俺はそんなに薄っぺらくないぜ?」

そんな軽口を叩いていると、使いにやった猿が戻ってきた。
なにやら影でこそこそしている様に見えたが、釣り銭でも回収しているのだろうと気にも留めない。
そして放られたペットボトルを片手で受け取り、赤いキャップを勢いよく捻る。

「炭酸はあんまり好きじゃな......ッあぁ!?」

勢いよく飛び出した褐色の液体は紅牙の顔に面白いように掛かる。
炭酸は抜けた。肌も潤った。でも問題はそんな所じゃない。
とりあえず渇いた喉に砂糖水を流し込む。空のペットボトルを手に目をぎらつかせ。

「てめぇ... フザけんじゃねーぞぉおおァ!!!」

勢いよく振りかぶったボトルを式神使いに投げつける。
......流石に能力までは、使わなかったがな。

355 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/02(金) 00:01:48.13 0.net
>「てめぇ... フザけんじゃねーぞぉおおァ!!!」
「ぷっ!あはははは!あんたでもそんな顔するんだな。ホラよっと!」
手に持っていた珈琲を入江に投げつける。

「これで勘弁な。あ〜スッキリした。」
体を起こして入江を見る。

「仲良くやろうなんて思っちゃいないが、さっき言った様にあんたに興味があったんだ。」
話をしながら【癒】の蝶を入江に向ける。

「あんたなら必要ないかもしれないが、一応。なっ。」

「さてッと。今の俺ではあんたには勝てない。てな訳で今日は早退だ。少し鍛え直して、今度は死闘を挑ませてもらうよ。それまで落戦するんじゃねーぞ。」
千代紙で大きな飛行機を作り【乗】と書き込む。

356 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/02(金) 00:21:43.02 0.net
「あぁ、要らねーな。それよりタオルを寄越せ」

全く、砂糖水で紙も学ランもベタベタになってしまう。
早いとこ洗わなきゃいけないな。面倒事増やしやがって...
まあ、貰ったからには使わせてもらおう。折られた蝶を広げ一枚の紙にすると、それで紙をがしがしと拭く。

「次もやんのか?構わねーが死なないようにやれよ。
 何とも思ってなかったところで手を汚すなんざ御免だからな」

渡されたコーヒーのプルタブを開け、ゆっくりと口をつける。
...少し、甘いかな。そんな悪態を吐かずにはいられない。そんな液体を一気に飲み干し。
立ち去る式神使いを横目に、なんの言葉もかけず見送る。
近くにゴミ箱が無いじゃねーか。既に空になった缶を、空を行く紙飛行機へと投げつけながら。

357 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/02(金) 19:27:37.28 0.net
溶け始めた体から刃を生やした獣、殺意の奔流にのまれた剣士…そして荒れ狂う機械技師。
そんな三人の光景をじっと見つめるものがいた。
「…なるほど、彼らの能力は見当がついた…。さて、偵察は終了。次のとこへ行くか」
眼には紫色の炎をともした少女は、その場を去った。

名前:泣沢女 落奈(なきさわめ らくな)
性別:女
年齢:17歳
身長:159cm
体重:43kg
学年:第二学年、山寺級(3組)
容姿:少し改造した制服(スカートを短くしたりして動きやすく)を着用、茶色のポニーテールに暗い茶色の瞳。全体的に痩せすぎ。
備考:今は廃れたとある神社で一人生まれたという過去を持つ少女。彼女が名乗る苗字もその神社の名からとったもの。過酷な自然の環境で育ったゆえ、身体能力が非常に高く、忍者のような身のこなしを見せる。
垂直どころか手前に傾いてすらいる壁をも歩きで上ることが可能(スパイク着用時)なほど運動能力は高く、2年のスポーツテストの上位1~3位はほとんど彼女が総なめしている。

能力の要望:かなり注文多いので箇条書きにします
・基本的には情報を読み取る能力がいいです
・発動時には目が紫色になったりとか目に紫色の炎が宿ったり(ブラック★○ックシューターのような感じ)とかのエフェクトがほしいです
・デメリットは運動能力に支障をきたすもの(足が遅くなる・全体的に筋力が落ちる・反応速度が鈍るetc)がいいです
・情報を読み取る、と言いましたができればそれだけではなく星羅のような「目を合わせたら何か起こる」も追加でほしいです
例えば「目を合わせたら相手の目が此方を向き続け、こちらが目を逸らすまで相手はこちらを見続ける(某メカ○シ団員風?)」とか、
やりすぎでもいいのであれば「目を合わせた相手の動きを止める(メデューサ的な)」などがいいです。
・もたらす効果は追加効果を含めて2個まで
(能力によってもたらされる力が情報を読み取る+アルファした場合2個以上(情報読み取り+敵静止+敵こちら向き続けetc)には絶対にならないということがいいたいのです)

こんな感じでお願いします。要望が多すぎというのであれば要望を減らしたうえもう一度お願いをします!
あくまでスレの趣旨は守りたいので、皆さんに考えていただきたいのです(レゴソラは能力そのものだから例外としてください!(´・ω・`))

358 :名無しになりきれ:2014/05/02(金) 19:50:06.02 0.net
>>357
【紫外閃師】(シガイセンシ)
目から紫色のスキャン光線を放つ事ができる能力
光線は直線状ではなく、拡散して発射され光が当たった部分の物質構造や、
生物であれば心拍数や身体能力まで分析する事ができる。
この光は厚さ 30cmの壁の向こうにもギリギリ届くほどの貫通力を持ち 分厚い金庫の中身も解析が可能となる
基本的に発射される光線は淡く、見るものにとっては能力者の目が紫色に光る程度にしか認識されないが
光は視界より浴びると特殊な催眠系の幻覚を見せる効果も持ち、相手の動きを一時的に制限する事ができる。

359 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/02(金) 20:46:32.77 0.net
申し訳ない、私用によりしばらく出れなかった。

360 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/03(土) 17:05:14.23 0.net
名前:泣沢女 落奈(なきさわめ らくな)
性別:女
年齢:17歳
身長:159cm
体重:43kg
学年:第二学年、山寺級(3組)
容姿:少し改造した制服(スカートを短くしたりして動きやすく)を着用、茶色のポニーテールに暗い茶色の瞳。全体的に痩せすぎ。
備考:今は廃れたとある神社で一人生まれたという過去を持つ少女。彼女が名乗る苗字もその神社の名からとったもの。過酷な自然の環境で育ったゆえ、身体能力が非常に高く、忍者のような身のこなしを見せる。
垂直どころか手前に傾いてすらいる壁をも歩きで上ることが可能(スパイク着用時)なほど運動能力は高く、2年のスポーツテストの上位1~3位はほとんど彼女が総なめしている。
能力:【紫外閃師】(シガイセンシ)
目から紫色のスキャン光線を放つ事ができる能力
光線は直線状ではなく、拡散して発射され光が当たった部分の物質構造や、
生物であれば心拍数や身体能力まで分析する事ができる。
この光は厚さ 30cmの壁の向こうにもギリギリ届くほどの貫通力を持ち、分厚い金庫の中身も解析が可能となる
基本的に発射される光線は淡く、見るものにとっては能力者の目が紫色に光る程度にしか認識されないが
光は視界より浴びると特殊な催眠系の幻覚を見せる効果も持ち、相手の動きを一時的に制限する事ができる。

361 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/04(日) 00:04:57.69 0.net
/新キャラも良いですが現行進めましょう...

362 : ◆taZqHR8ods :2014/05/04(日) 02:20:21.70 0.net
//あとは剣さん達側の攻撃を待つのみですよ、こっちは

363 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/04(日) 03:52:53.91 0.net
「……勝機…!!」
レゴソラの一瞬の隙を見極め周囲の鎌を叩き落とし、距離を詰める。
「お前だけは許さ…なっ…詠未!?」
レゴソラが詠未の能力と分かっていながらなぜ分からなかったのか、たった今レゴソラの体が詠未の物だと知る。
そして、その詠未を斬ろうとする者の姿を見る。
「…クソが…ッ!!」
斬りかかろうと駆けた勢いそのままにレゴソラに近付き、その体を掴んで、引っ張った。
当然、レゴソラと剣の位置関係は入れ替わる。
「がぁっ…くぅ…!!」

そう、レゴソラを…いや、レゴソラの使う詠未の体を庇ったのだ。
背中を斬られ、膝から崩れ落ちる。
倒れた顔の横に一枚の写真がある。
「これ…は…!」

その写真を掴み、レゴソラに向かって投げる。
そして残りの力を振り絞り叫ぶ。
「詠未!!その写真を見ろ!!正気を取り戻せ…!お前は、自分の能力なんかに負けたまんまでいいのか!?悔しいなら抗え!もう一度立ってみせろ…!!!」

364 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/04(日) 08:06:16.17 0.net
ああ、そういうことか...
自分としてはレゴソラに対するアクションでロールしたので... すみません
>>363の次のロールはお先にお願いします。展開的に

365 :レゴソラ/比良坂詠未 ◆taZqHR8ods :2014/05/04(日) 13:22:29.46 0.net
>斬りかかろうと駆けた勢いそのままにレゴソラに近付き、その体を掴んで、引っ張った。
「!?」
思いっきり引っ張られ、位置関係が入れ替わった。
引っ張られる力が強すぎたのか、もとより接合がもろかった左腕が今度は溶け落ちる。
>背中を斬られ、膝から崩れ落ちる。
「君、面白いじゃないか…アタシがダーリンの体を借りているということを思い出した途端にこれか…
滑稽なものだ…ゲホゲホッ」
びしゃびしゃっ、と音がする。そして床には大量の血。
>「詠未!!その写真を見ろ!!正気を取り戻せ…!お前は、自分の能力なんかに負けたまんまでいいのか!?悔しいなら抗え!もう一度立ってみせろ…!!!」
投げられた写真は、ひらひらとその場を舞った。しかし、【体】はそれを求め、手を伸ばした。
そしてこの【体】はそれを握り、そして片手だけの力で何とか開いた。
そこに描き出されていた文字。それは【彼女】の死を再び思い起こさせるものだった。

*+☆+*――*+☆+*――*+☆+**+☆+*――*+☆+*――*+☆+*
――僕は、何をしていたんだろうか。
――どうして、こんなことになったんだろうか。
――僕は、再びこの体を奪い返さなければならない。
――せめて、彼女のためにもう一度僕はこいつに勝たなければならない。
「……う…うう………うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
僕は理性を奪い返した。奴が僕から体を奪ったように。
僕は体を変形した。奴が体を女に似せたように。
変形された体は殻のような形で、内部に沢山の刃を宿していた。
そして体は収縮する。刃が刺さる。それは全身を貫き、溶解を促進させた。
「僕はどちらにしろ溶けて死んでしまうだろう。それでも僕は…せめて彼女に、大切な人に…
謝らなければならない。償わなければならない。大切だった彼女をこの手で殺めてしまったことを、
大切な友を裏切り、殺めようとしていたことを。それらは死をもって償えるものではないのかもしれない。
でも、僕の体は言うことを聞かないんだ…。止まれと思っても溶け続ける。だから、僕は決めたんだ。
せめて最期は…自分の手で終わらせようって。もとは僕の中にあった一つの【欲望】が生み出したもう一人の僕がすべての原因だったのだから。
全てを壊しつくしたいという【欲望】がさ。だったら、責任を取るのは僕だ。勝手に自然消滅で終わらせてなるものか…ッ!
これが僕の答えだ、聞いてるんだろ、レゴソラ!いや…【俺】!!」
一息置いたところで、俺が口を開いた。
「フフ、やっぱりダーリンはかっこいいね。そんでもって、最初からわかってたんじゃん、アタシが誰か。なんだよ、だったらこんな風に暴れることなかったのに。
ごめんね、って言っても許してはくれないよね。でも、アタシはただダーリンを一人占めしたかったんだ。アタシというものは【独占欲】、アタシでもダーリンでもないものは【破壊欲】だったのさ。
アタシたちは欲望そのもの、人の心に眠る闇なんだ。それはきっと君たちも同じだろう…?君たちの中にも眠っているはずだ、とってもとっても我の強い【欲望】がさ…。
ダーリンはただそれにのまれただけなんだ。だからダーリンを悪く思わないでほしい。アタシだって本当はこういう時ダーリンには戦ってほしいと思ってるさ。でももう体が持たない…
さすがにしゃべりすぎだね、アハハ。
…最後にお願い、するよ。せめてダーリンのこと、覚えててほしい。ダーリンと星羅ちゃんのこと、覚えててほしい。お願い。二人がここではない世界でも永遠に一緒にいられるように――」
異形の魔物は人の姿に戻った。しかし、それは人と呼べるような姿ではなく…
皮膚は溶け落ち、筋肉はズタボロ、とても見ていられるようなものではなく、血のにおいを漂わせ、

一年二組、比良坂詠未は没した。

366 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/04(日) 13:29:26.90 0.net
「…」
目の前には敵がいる。こちらを圧倒しようとさっそく能力をちらつかせている。
――馬鹿か?
能力をちらつかせるということは、イコール自分の能力をばらしていることだ。
つまりコイツは、自分から手の内をさらしている。透視するまでもない…
けど、一応、ね?
「…スキャン」
ピィィンという音を鳴らし、目は紫色の光を灯した。
いや、正しくは『発した』というべきか。その光は拡散し、対象のすべてを正確に読み取った。
奴の能力は戦闘補助系統。強力な魔物の力を拳に宿せる。
…なんだ、それだけか。
距離、50m。この程度の距離なら一瞬だな。
刹那、落奈は相手の背後に回った。
相手は膝をつき、手を付き、吐血し、倒れた。
「…弱い」
落奈は歩いて行った。
【現在:校舎裏付近】

367 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/04(日) 16:08:33.24 0.net
斬撃。吹き出した血が無表情の頬に散る。
続く呻き声。背を切られた男の、疾風の声が空間に響く。
その声に引っ張られ、能力に振り回されていた「隼鐘悠綺」としての自我が復旧する。
目にした光景は傷を刻んだ疾風の背中と、片腕を失った人型。...そして自らの右腕の、血に濡れた刃。

「え......?」

違う、こんな筈じゃなかった。
この中の誰も、傷つけたくはなかった。
星羅の想いを伝え、それで終わる筈だった。

それが、現実はどうだ。
比良坂は人の形を喪いかけ、息も絶え絶えで。
疾風は背に大きな切り傷を付けて倒れ伏し。
此では誰も救われないではないか。此で誰が喜べると言うのだろうか。

比良坂詠未の最期の言の葉。茫然自失のまま言葉は身体をすり抜けていく。
だが、不思議とその思いだけは心の底へ落ち着いていく。
内に眠る欲求が二人を引き離した。能力は欲求を研ぎ澄まされた刃へと変え、二人を傷つけていった。
そうして二人は存在すら危うい、蜃気楼のような次世界での幸せを虚ろに願う以外に無くなってしまった。

涙が頬を伝い、疾風の血を少しだけ掻き消す。床に落ちた涙は血と混じりあい見えなくなってしまった。

368 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/04(日) 16:23:12.99 0.net
ふと、喪われていた思い出が蘇る。
運動場で倒れた疾風と重なったフラッシュバック。
タイル張りの部屋で、私は一人の人間を撃ち殺した。
子供心の無邪気な思い、一緒に遊んでほしいと言う承認欲求。
本来ならば微笑ましいだけのそれが能力を受けて刃と化し、人の命を奪っていった。

思えばあの頃から。私は能力を持っていて。
一時の力の暴走に、大切な人を喪った。
暴力的な哀しみに心と記憶を封印し、そうして今日まで私の世界は平和だった。
そして、今はどうだ。
あのときの惨劇を、私はまた繰り返そうとしていた。
能力に身体を委ねたばかりに、再び大切な人を失おうとしていた。

思えば、最初から。能力への恐怖が残っていたのかもしれない。
最初に遭遇した比良坂詠未の能力の暴走。それに倒れた疾風の姿。
フラッシュバックを皮切りに、比良坂の能力への恐怖が潜在的にちらついていた。
暴走の危険性。それに対する過剰な危惧。きっと、私は知っていた。これが惨劇をもたらすことを。

止めどなく溢れる涙。地に膝をつき虚空を見上げ。
鉄の棺桶に収められ、倒れ伏すことも出来ないままに。
哀しみに喘ぎながら、もう二度とこんな悲しみを味わいたくないと願った。

能力なんて、なくなってしまえばいい。異能が散らした命を前に、そう願った。

369 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/04(日) 23:32:02.33 0.net
やっべ…こんな展開アツいナーって思った通り展開したら疾風君死にそう…w
これどうしよっかね…一応案はあるんだけど…

1.涼風にPC交代
2.能力【手中即剣】がその身を犠牲に奇跡を起こす
自分には決められないんですみませんが皆さんの意見が聞きたいです

370 : ◆taZqHR8ods :2014/05/04(日) 23:38:49.51 0.net
剣キャラ続けるのがつらいなら1
まだこのキャラでやれる!っていうなら2で…
一応剣くんはもう2を取った後でもやっていけるほど体術剣術優れているので2でもいいかなと

371 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/04(日) 23:39:32.53 0.net
個人的に黄昏・黎明ペアと剣・隼鐘ペアがいい感じに対比になってるので死んでいただきたくない

372 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/04(日) 23:41:29.93 0.net
「…?」
歩いた先で見つけたのは、動く水。
水が動く…?いや、もはやこれは水たまりが動いてるようなものだ。
何だこれは…?そう思っていたら、その水たまりが話しかけてきた。
「お前、ここの生徒か。新しいからだがほしいんだが、ちょうどいいのはないかね?」
「あっち、行ったとこ…死体、点在する」
「あんがとさん」
水たまりは去って行った。
…なんだったんだ今のは?

373 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/04(日) 23:46:09.92 0.net
よし、2でいこう。
ちょっくら書いてくる

374 :剣疾風@生死の境界線 ◆J/oczXnR/E :2014/05/05(月) 00:27:04.34 0.net
「……るじ…っかり…のだ…主…」

誰かの声が聞こえる。
……声が聞こえる以外は何も無い。何も見えない、何も触れない、何も感じない。

……俺は死んだのか?

声は出ていなかった、だが何者かの声が答える。
「主よ…なたはしなな…わた…なせない…」
途切れ途切れだが不思議と理解できる。
この声は信頼出来ると理解できる。

「……きるのだ…るじよ…起きるのだ、主よッ!!」
声がはっきりすると同時に世界に色が戻る。
そして感覚が戻る。確認するまでもない、これは自分の体だ。
だが、今いる場所は意識が途切れる前にいた場所ではないようだ…見える物全てがぼやけている。

「ここは…どこだ?」
「ここは所謂三途の川…生と死の境目だ」

声は思わぬ所から聞こえた。
真横…いつの間にか横にいた。
「さ…主よ、アナタを待つ人がいる。アナタはこちらに来てはならぬ…」
今度は背後にいた。
「……主、私は本当に最初から見ていた。アナタの最初からだ…」

ゆっくりと、『相棒』が背中を優しく押す。
「出来ることなら最後まで見ていたかった…だが、ここは最後ではないのだ。さぁ…引き返してくれ。」
「……っ…相棒…!」
「主よ、私よりも大切にすべき者がいるだろう!?」

色々な人物の顔が脳裏に浮かぶが…誰だっただろうか…
「ッ…!これ以上ここにいてはいけない!アナタの精神が溶けてしまう!」
精神が…溶ける…
耳慣れない単語に首を傾げる……あれ、首を傾げるのってどうやるっけ…
「まだアナタにはやらねばならぬ事がある!アナタが死ぬ事で、隼鐘悠綺がどれ程悲しむと思っているのだ!!」
隼鐘悠綺…その名を聞いた瞬間に意識が覚醒する。
溶けかけていた精神が集まり、剣疾風という魂を形成する。
視界がはっきりとし、今まで見えていなかった風景が見える。

「三途の川…って、綺麗だな」
「……あぁ。だが…アナタがここに来るのはまだ早い…さぁ、引き返してくれ」
「そう…だな、ありがとよ、相棒」
「礼には及ばないさ…」
「……またな」
「あぁ…また会おう。主…いや、我が相棒よ。」
お互いに微笑み返し、そこでまた意識は途切れた。

375 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/05(月) 00:55:18.99 0.net
突然、疾風の体が光に包まれる。

『……隼鐘悠綺よ…私の唯一無二の友、剣疾風をよろしく頼む…』
その声が消えると共に剣の体からも光が消え、傷の消えた疾風が座っていた。
「……えぇと…その…ただいま?」
気の抜けた声が多目的ホールに反響する。

376 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/05(月) 01:20:21.33 0.net
突如、柔らかな光が血の滲む空間を優しく照らす。
光を失った悠綺の目が、徐々に生気を取り戻し。ぼやけた光景の焦点が合ってゆく。
視線の終息した先に居たのは。最も失いたくないと願った人物の姿。

「ぁ... はや、て......?」

気付いたときには、体が動いていた。
四肢を覆う装甲も気にせず、金属音を響かせながら。
もう一度見たいと思った、その姿へと飛び込んでゆく。

「はやてぇ、良かった...... よかったよぉ......!」

その胸に顔を埋めて泣きじゃくる。一切の思考の余地は無かった。
ただ彼がそこにいると言うだけで、喪失感とは違う涙が止めどなく流れてゆく。
伝えたい思いすらその口から紡げない。しかしその気持ちは十二分に彼に伝わることだろう。

生きてまた会えた。本当に、良かったと。

...そして、その感情は彼女に羞恥すら介入する余地を与えなかった。
駆動補助を得て初めてまともに動く機械部品は、もちろんのこと重量があり。
飛び込んだ衝撃と共にのし掛かるそれを、気づいたばかりの彼が支えられないであろうと言うことに。
歓喜に溺れた悠綺は、そんな思考をする余裕など到底持ち合わせては居なかった。

377 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/05(月) 01:42:48.38 0.net
>>369

遅くなったけど一応…
私の中で剣君は主人公なんで、死なれたら困りますw
流れ的に会長派に行きそうなんで、それなら白河の再戦挙も考えられるので。

378 : ◆taZqHR8ods :2014/05/05(月) 01:46:35.36 0.net
これ、戦挙開始何日目だ?w
3日目は過ぎたから…
4日目かな?5日目?

379 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/05(月) 01:51:50.87 0.net
>「ぁ... はや、て......?」
「え?まぁ…そうだけdうわらば!?」

装甲を着けたままの為、衝撃は増え、重量もはねあがったまま抱きついてきて思いっきり押し倒される。
>「はやてぇ、良かった...... よかったよぉ......!」
「……あぁ、俺も戻ってこれるとは思わなかったよ…良かった…」

とてつもない重量なのは我慢して泣きじゃくる悠綺そのまま抱き締め、頭を撫でる。
「ほら…今度も俺は生きてる。泣き止んでくれよ…こんなとこ詠未にでも見られたら………」
そこまで言ったのに続きが出ない。
何か…心の奥底がそこから先を認識するのを拒むかのように。

「詠未に…詠未に……詠未………」
悠綺を抱き締めたまま首を動かす。
動かした先のただの肉片と化した今までで一番の好敵手の姿を見て自然と涙が浮かんでくる。

「……っ…悠綺…こんなタイミングで悪いが…頼みがある…」
付き合いは短かったが、最大最高の好敵手だった者の亡骸を示し、
「…星羅のいるところへ…案内してくれ」

380 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/05(月) 01:54:05.89 0.net
>>377
主人公…ですと!?
なら今流行りのチーレムというものに挑戦してm【自主規制】

>>378
……四日目?

381 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/05(月) 02:09:14.96 0.net
疾風の目に浮かんだ涙。それをみて現状を思い出す。
散った、二つの命があった。想いを遂げられず引き裂かれた二人がいた。
そう、異能に踊らされて。そして二人は土へと還っていった。

ゆっくりと疾風の身体から起き上がる。やることは当然決まっていた。
二度と、二人のような惨劇を起こさせない。それを二人の散った命に誓おう。
だから、今は一人の異能としてではなく。ただの人間として疾風と共に歩きたかった。

「疾風..... 手、繋いでいこ?」

382 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/05(月) 02:22:27.93 0.net
>「疾風..... 手、繋いでいこ?」
「えっ…あ…あぁ…分かった…」

悠綺と手を繋ぎ、もう片方の空いてる手で友を抱き上げる。
「さぁ…二人をもう一度会わせてやろう…」

ゆっくりと手を繋いで歩くが、今までろくに交際などしたことの無い疾風は、話題を作ることは困難だった。
(……何か喋らないとなぁ…こんな状況じゃなきゃ何かしらふざけたり出来たけど…)
悠綺をチラ見しつつ無言で歩を進める

383 :初代校長 ◆taZqHR8ods :2014/05/05(月) 02:35:20.34 0.net
「これはこれは…一般生徒の死体か。今年も出てしまったか…死人が。
ああ、なんていうことだ…」
液体は、土の中に埋もれていた一人の男子生徒の亡骸にそう話しかけた。
そして液体は、亡骸に浸透し、亡骸は起き上がった。
「まだ新鮮な肉体で助かったわ。こいつの体をちょちょっと再生すればぁ〜っと」
腐食していた部分やすでになくなっていた部分、傷などがすべて治った。
「さぁて、生徒の振りでもして校長に近づくかね」
かつて男子生徒だったもの、そして今はかつて校長だったそれはゆっくりと校長室へ歩き出した。

384 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/05(月) 02:43:28.15 0.net
>>378
初日、剣と比良坂出会う。

二日目、剣と比良坂修行。

三日目、修行終えて現世にてバトル←イマココ

385 :情報屋の手下 ◆taZqHR8ods :2014/05/05(月) 02:46:29.63 0.net
「いたいた、剣さん、隼鐘さん!」
探していた二人を見つけ、走り出す。
「こちら、まだ少し早いですが…比良坂詠未を止めてくれたのでいいかなと思いまして。
報酬のUSBになります…。滝山さんら何人もの生徒が亡くなっ…た……のは…、悲しい…こと……ですが……、
これを…せめて受け取ってぐだざい…グスン」
震える手に握られているのは、全校生徒の情報が詰まったUSB。
生年月日から何から、すべてが網羅されているある種のチートアイテムというべきか。
ただし、こいつを読み取る機械は能力によってしか生み出すことはできない。
ただのUSBと違って自家製の特殊な端子を用いてるため、市販の機械ではまず端子が合わず読み取ることは不可能。
しかし、ここにはその読み取り機を生み出せる能力者がいる。
「あなたなら、いいや、あなたたちならきっとこんな意味のない殺し合いを終わらせてくれる…
そう、信じてますから。頑張ってください」
USBを手渡した後、手下は去って行った。

386 : ◆taZqHR8ods :2014/05/05(月) 02:47:40.16 0.net
>>380>>384
なるほど、ということは今は3日目だから…
放置されていたロールも解消したし、ここで一区切りにしませんか?
第二章完結!ってことで!

387 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/05(月) 02:50:12.62 0.net
「疾風... どう思う?」

疾風が時折視線を向けるのにも気づかず、ただ前へと歩みを進める。
そんな道中、ポツリと言葉が零れ落ちるように、悠綺は口を開いた。

「能力の暴走。それだけで二人は死んだ」

そう、それだけの理由だった。
過去の私と同じ。無邪気な感情に悪戯に力が宿ったために。
無邪気さは時に残酷だ。能力は時に感情そのものの権化として顕れる。
故に、一時の気の迷いから。ある日突然牙を剥き、人生を崩壊させていく。

そして、悠綺自身もそうだった。
大切な人と触れ合いたい。その思いはかつて人を殺めた。
重圧から逃れてしまいたい。その思いが先程まで人を殺めようとしていた。
いくら記憶がそれを拒絶しても。それは永劫繰り返すだろう。
すべてを忘れていた今回ですら、惨禍のループに囚われようとしていたのだから。

388 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/05(月) 02:53:24.53 0.net
「繰り返したくないよ。こんなこと
 だから、私は――能力なんていらない」

何を思っての言葉だったか。きっと、疾風にわかってほしかった。
疾風を傷つけたくなかった。疾風に知ってほしかった。
だから、これから自分が能力に囚われてしまわぬように。
まだない二人の墓標に、誓いの言葉を刻み付けよう。

「そうすれば二人は、笑って暮らせたのかな......?」

きっと、彼らもそう願っている。悠綺はこれからたどる道がきっと、平和な日々につながると信じていた。

389 : ◆hqPjKaC066an :2014/05/05(月) 05:00:09.10 0.net
【幕間】

3人の人間が話をしている。
恰幅のよい中年男性と、スラリと背の高い女性と、そしてどこかガラの悪い男。
話の内容は決まっていた。つまり、裏切り者の元生徒会長のことであった。

「今の彼は"NULL(ヌル)"です」

「どういうことかね」

「謂わば、"虚ろ"のようなものです。見掛けは普通でも、中身が空っぽというか……」

「剥製みてぇなもんか」

「そんなところね」

「だが普通、飾ってある剥製が動いたり、話したりすることはないだろう?彼は現在でも、特段変わりなく行動しているようだが」

「剥製というのは、ものの例えに過ぎませんよ。彼にはちゃんと脳みそも、内臓も備わっていますからね。
 彼が剥製のように失ったのは、臓物ではなくて、魂とか、意志とか、存在とか、そういう類のものです」

「オカルトかよ」

「率直な感想ね。じゃあ聞くけど、貴方、彼の名前を覚えてる?」

「……」

「彼は私たちの間でも、散々話題に上ってきた生徒だわ。
 でも、なぜだか彼の名前を言うことができない。私だって例外じゃないの。
 必死で思い出そうとしても、なんだか靄がかかったようになって……。顔も曖昧だし、彼が何をしゃべったのか、どこで何をしたのかなんてのもてんでダメ」

「確かに、彼が"生徒会長であった"という事実以外は、全く不明瞭になってきているね……不思議な話だ」

「ええ、これは初めてのケースですわ」

「で、善後策は?」

「暫く様子を見るのはどうでしょう」

「悪くはないね」

「あぁ? こんな得体のしれねぇもんを放置して、なんか得があんのかよ。実際、既にかなりの生徒がアイツに【能力】を喰われてる」

「……戦挙は異能斡旋事業最大の見本市だ。各界の注目度も高い。中止はあり得ん。それに大事になると、学校の管理責任を問われる可能性がある」

「そうなると、政府からの援助が細くなりかねませんものね」

「ああ」

「で、結論は? 俺らはどう動けばいい」

「この件について、戦挙中は静観。のちに内々で処理することにする」

「……いい腐りっぷりだぜ。ま、嫌いじゃねぇが」

「言うわね。対外的なことを差し置いても、今後同じようなことがあった場合の参考になるのよ。レアな標本はとっておくに越したことはない」

「経営も、研究も。一筋縄ではいかないのだ。――それに、いざという時は君に動いてもらうから、そのつもりで頼むよ」

「まぁ、"奨学金"分は働かせてもらうよ」

390 : ◆hqPjKaC066an :2014/05/05(月) 05:01:15.89 0.net
(>>389の続き)

どうやら、3人の話は終わったようだった。

「ここは学校の体裁をこそとってはいるが、既に教育機関という枠からはずれつつある。
 ……いうなれば、能力者の管理機関としての役割を期待されている」

「あら。異能の研究機関の間違いでは?」

「奴隷市場かと思ってたぜ」

3人は各々、闇に消えた。

391 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/05(月) 18:59:43.36 0.net
>「繰り返したくないよ。こんなこと
 だから、私は――能力なんていらない」
>「そうすれば二人は、笑って暮らせたのかな......?」

「どうだろうな…」
自分も元は能力に苦しめられた身だ、思うところはある。
だが、能力全てが悪いというつもりは無い。
ごく少数ではあるが、異能を持っている英雄もいる。
「……ま、少なくともあの二人は幸せだったかもな…」

だが、ここでふと立ち止まる。
「………本当に幸せなのは皆に等しく能力がある世界なのか、何も無い世界なのか…悠綺、君は…どっちがいいと思う?」

392 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/05(月) 22:34:27.21 0.net
「...皆に等しく力があっても、それじゃ何も変わらない」

能力者と一般人、そんなケースは考えたくもない。異能の内なる衝動に、力なきものは喘ぐしかない。
だが、皆に力があっても。現に何も変わらなかったではないか。
星羅にだって、力はあった。それでも凶刃に倒れなければならなかった。

能力が、無くても。心と心のすれ違いはおこるものだ。
だけど、能力が存在するから。只のすれ違いは鋭利な刃となり相手に襲いかかる。
近づきすぎれば、傷つけてしまう。ヤマアラシのジレンマ、という言葉がふと脳裏を過った。

「制御できない力なんて、必要ないよ。
 能力が欲求の権化なら、制御できない力なら。無い方がずっといい。
 ...もう、大切な人を傷付けたくないから」

立ち止まった疾風に振り向きながら。彼女は心情を吐き出していく。
全身を鋭い刃に包まれながら、それでも彼女は認めてくれる人を必要としていた。
そうして来てくれる人を悪戯に刻むだけの刃なら。いっそ壊れてしまえばいい。
だから彼女は、己を囚える鉄条網の鳥籠を。打ち破りたいと思ったのだ。

393 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/05(月) 23:56:49.45 0.net
>「...皆に等しく力があっても、それじゃ何も変わらない」
>「制御できない力なんて、必要ないよ。
>能力が欲求の権化なら、制御できない力なら。無い方がずっといい。
>...もう、大切な人を傷付けたくないから」

「そう…か…」
大切な人…というのが少し気になったが、悠綺の意見は正しい…そう思えた。
「……了解、悠綺の意見が聞けて良かったよ…俺は…」
大切な人を守れ、そう相棒は言い残した。
ならば、何があろうと大切な友を、絶対に失いたくない悠綺を、守り抜いてみせる。

「絶対に大切な人を…悠綺を失いたくない!……あ…」
考えていたことが声に出てしまった。恥ずかしい。
顔を真っ赤にしながら床をゴロゴロとのたうち回るが、少しして落ち着き、
「……あぁもう!口から出たしもういい!俺は悠綺を何があっても守る!絶対だ!」
そう言い切った。

394 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 00:27:42.38 0.net
>「絶対に大切な人を...悠綺を失いたくない!......あ...」

疾風から発せられた言葉に思考が停止する。
頭がゆっくりと文字列を分解し咀嚼し、その意味を読み取ると同時にみるみる顔が赤く染まっていった。
紅潮した頬を伝う涙。あぁ、今自分は心の底から嬉しいんだ。
一度でも傷付けた大切な人が、こうして笑って今の自分を心から受け入れてくれることが。

同じ様に頬を赤らめた疾風の胸に、今度はゆっくりと寄り掛かる。
彼のこの温かさを。二度と自分の手に掛けるような真似はしたくない。
だから、全部捨ててしまおう。そうして只の人間として、彼と歩いて居たかった。
疾風の制服をきゅっと握り、顔を見上げて意志を紡ぐ。

「戦いを止めたい。力なんて捨てたい。
 これからも一緒に居たいから、だから私はその為に戦う。
 その間の少しだけ...... 私を私から守って欲しい。
 例えこの先に、何があったとしても......」

能力に振り回される定めなど、全て捨て去ってしまおう。
そうして散っていった二つの命が、願ったであろう結末のために。
涙で潤んだ悠綺の瞳は、確かに能力の無い明日を見据えていた。

395 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/06(火) 00:39:18.25 0.net
能力を貰うスレで能力を消す流れ…あれ?まぁいいや最後まで面白く繋げたら

396 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/06(火) 00:49:42.84 0.net
>「戦いを止めたい。力なんて捨てたい。
 これからも一緒に居たいから、だから私はその為に戦う。
 その間の少しだけ...... 私を私から守って欲しい。
 例えこの先に、何があったとしても......」

「当たり前だ!守り抜いてやるさ!」
上がったテンションと勢いでそのまま言い切る。
後で冷静に思い返し、恥ずかしすぎて死ぬかと思うのは、また別の話。
(……守り抜くさ…必ずな)

それから少しすると、星羅の眠る場所に到着した。
「……っ…星羅…!」
無惨な死に方また涙が込み上げる、だが今は泣くのを我慢する。

目頭の涙を拭き、笑顔を向けて。
「……さ、二人共、あっちで仲良く幸せに暮らせよ!」
星羅の横に詠未を並べて寝かした。
「こっちの事は任せろよ、詠未。…お前は強かった、本当にな…また、会おうな…」

397 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 00:57:53.45 0.net
PLとPCは別物だから、うん
弔ってキリがいいので日にち進めておk?

398 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/06(火) 01:03:20.33 0.net
俺はおk、第二部完って事で

399 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 01:11:25.42 0.net
勝った!第三日完!!

400 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/06(火) 01:18:09.53 0.net
特に意味は無いが400を拐う

401 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/06(火) 01:26:48.02 0.net
/これで剣&隼鐘ペアは会長派もしくは会長と同じ意見やね?古藤&御笠ペアが帰ってくれば面白くなるな。

402 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 01:41:46.09 0.net
なんとか軌道制御完了です... 対立構造が出来ると物語は面白くなるし楽しみ

403 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/06(火) 01:53:28.57 0.net
アーッ

強化案貰ったのに使えてねぇ!

404 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 01:56:56.52 0.net
まあ三日目は蘇っただけだし、使ったら変わってたでも良い気はする

405 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/06(火) 02:03:43.13 0.net
/う〜ん…御有楽を会長派にするつもりだったけど、白河先に戻すかぁ…

406 : ◆taZqHR8ods :2014/05/06(火) 02:52:09.05 0.net
俺詠未が死ぬシーン書くときほんと泣きそうだった(
いやぁ、こっから面白くなりそうだ…!w

407 : ◆taZqHR8ods :2014/05/06(火) 02:59:22.96 0.net
とりあえず>>385のUSBを使ってくれると嬉しいかなって

408 :生徒会長 ◆hqPjKaC066an :2014/05/06(火) 06:44:30.14 0.net
【幕間】

多くを奪い、多くを得た者は、その対価として多くを失う。

――この世界に一定の秩序を保つ天秤があるとしたら、その操手は律儀にも、私をその秤から漏らすことはなかった。
一介の学生たる私をさえも。
私は、【異能食い】と呼ばれる力で、他人から様々な【能力】を手に入れることができた。
だがそのぶんだけ、"私"の存在そのものが薄まっていくのだ。

【能力】とはそも、名も無き者たちの強力な想いだ。
そして彼らは、その想いを我々に託すのだ。
【異能食い】で多くの【能力】を喰った私は、それをありありと感じている。

それは彼らの希望であり、
それは彼らの願望であり、
それは彼らの欲望であり、
そしてそれは、彼らの野望でもあるということを。

私が【能力】を奪うにつれて、【能力】は私を浸食した。
【能力】にこめられた想いが強ければ強いほど、"私"の存在は押しのけられて、薄まっていった。
ただ幸いなことに、私の、たったひとつの強力な執念だけは、想いの混淆をもってしても漂白されることはなかったのだが。

「もし、会長はいるかね!」

唐突に教室のドアがひらく。聞こえてきたのは、よく通り物怖じを知らぬ声。
そして勢いよく私の前に歩みよってきた男は、短く刈りそろえた黒髪に、燃えるような瞳をもつ、白ラン姿の男子生徒だった。

この男は、名前を天照太陽(あまてる たいよう)という。
鬼の如き風紀委員っぷりを評価され、去年、生徒会の擁する暴力装置となった武闘派の生徒だ。
背筋は伸びて姿勢よく、育ちのよさを感じさせる。
だが、きつく腕を組んで、口をへの字に結んだその厳つい表情は、いかにも頑固一徹。彼の融通の利かなさをよく体現していた。

「なにやら顔色が優れぬようだが……貴様、もしやこの計画の遂行を躊躇しているのではあるまいな!」

409 :生徒会長 ◆hqPjKaC066an :2014/05/06(火) 06:48:20.38 0.net
>>408の続き)

彼の言う計画とは、【能力浄化】計画のことだ。
発起人は私だった。
もはや暴力と利権の温床となった【能力】を生徒から奪い去り、普通人としての未来を取り戻す。そんな内容の。

実現可能性は……ふふ、あまり言及したくないな。
だからといって無論、その意志を今更翻すつもりもなかった。

「そうこなくては! 貴様が弛んでいては、御輿を担ぐこちらも意気があがらんからな!」

やる気満々というわけか。お前は気持ちのいい馬鹿だな。悪くない。
二三、言葉を交わし、揚々と立ち去る天照の後ろ姿を見送る。

……なんだ、私の人心掌握術も結構なものじゃないか。
この計画を動かすために、つまり人を動員するために、これでいろいろと腐心したのだ。
その全てがうまくいったという訳ではないが、多少なりとも成果はあったようだ。
計画の参加に際して、ある者には金を用意した。
ある者には、(皮肉なことだが)際限のない暴力を許可したし、ある者には、大切な者を救済すると約束した。

そしてあの天照には……一体何を駆け引きの道具にしたのだったか。

――意識の混濁が酷い。
もう暫く異能を喰い続ければ、きっと"私"という存在は潰えるだろう。
あたかも空気のように見えなくなってしまうのだろう。

だが私には確信があった。
例え"私"が居なくなっても、残った私の"妄執"が、事を運ぶだろうということを。
曖昧になる認識の中でさえ、確かに息づいているのだ。心の奥底に、しっかりと根を張っているのだ。

計画の成就を願う、他ならない"この私の想い"が。

410 : ◆hqPjKaC066an :2014/05/06(火) 06:56:38.97 0.net
(敵役2名)
名前:生徒会長
性別:男
年齢:18歳
身長:177cm
体重:60kg
学年/部活等:高校3年生/生徒会戦挙管理委員会 委員長(元生徒会長)
容姿:
能力:
>>【Abillity Eater<異能食い>】
・対象相手の能力を喰う。
 対象が無力化状態のときのみ可能。(気を失っている/深く眠っている/抵抗する意思がない、など)
 抵抗の意志がある場合は、即座に失敗する。つまり、"わざと奪われようとする場面"を除き、基本的に他PCの能力を奪うことはできない。 喰われた対象は異能を失い、普通人へと戻る。
・喰った能力は自分の能力として使用することができる。
 (※これはギミックとして、このスレ中の「せっかく名無しが考えてくれたのに使われなかった能力」を使える、ということを意味する)
 しかし、能力を複数同時に扱うことはできない。別の能力の特性を維持したまま別の能力を使うことはできない。 能力Aを発動したまま能力Bを使う場合、能力Bが発現した瞬間、能力Aの効果は即座に消失する。発現する能力は常に1つ。
人物紹介:
「能力浄化」を掲げ、戦管委の一部を離反させた張本人。
生徒会長の仕事に携わる内、生徒会長戦挙がもはや異能の品評会と化しており、学校運営(理事会)が異能斡旋事業の一助としている事実を知る。
そういった理由で学友たる生徒同士が対峙し、血を流しているという状況に深い憤りを感じた彼は、学校への復讐をたくらむ。
「能力浄化」は校内の異能を一掃し、その能力を全て奪い、最後に自分の能力を自分の能力で消し去ることで完了する。
異能がなくなれば、戦挙も学校の事業も、その意味を失うと信じている。

……しかし、戦挙前後に"異能喰い"で多くの能力を取り込んだ結果、彼は"異能の塊"とも呼べる存在に変じている。自身の存在は、喰った異能の存在に浸食され、限りなく薄く引き伸ばされている。
その証拠に、彼の本当の名前を憶えている者はもはや存在せず、自他ともに「(元)生徒会長」というアイコンでしか認識できない。
外面は強い意志を持った人間のように振る舞っているが、既に論理的自我は失われており、「能力浄化」への激しい妄念が脊髄反射的に彼を突き動かしているにすぎない。異能の亡霊。ボス候補1。
このキャラクターは最終的に必ず敗北し、破滅する。融和や和睦はない。彼はすでに亡霊である。


名前:天照 太陽(あまてる たいよう)
性別:男
年齢:18歳
身長:173cm
体重:60kg
学年/部活等:高校3年生/生徒会戦挙管理委員会 鎮圧部隊所属
容姿:黒髪短髪に白ランを着込んだ気真面目そうな男子。目つき鋭く、口元はだいたいへの字に曲がっている。
能力:
前スレ>>434【龍成鯉人】
龍人へと変身する能力者
しかし変身するには条件が必要であり、『何かに抗いそこをくぐり抜ける』必要がある。
滝でもよし、拳の嵐でもよし、火の海でもよし。精神がもつ限りであれば、体に眠る龍の血が命を留まらせ強力な龍人へと変身できる。
龍人がもつ能力は『くぐりぬけた』存在に依存し、滝であれば強力な放水を行えるし、火の海なら炎を召喚し、
拳の嵐なら 格闘能力が格段に向上し 強力な連打をお見舞いできるだろう。
実質的に上限のない 成長能力だが、ここから成長するにはさらにもっと過酷な何かに抗う必要があり、
精神力を必然的に鍛えられてしまうだろう。龍人から人間に戻っても龍人時のパワーはリセットされないが、変身の条件はより過酷になるので注意する事
人物紹介:
元風紀委員・副委員長。3年になってから生徒会役員入りした。
決して悪い人間ではないが、思い込んだら一直線、頑固で融通の利かない風紀委員っぷりから"風紀の鬼"の異名を持つ。
武装は徒手空拳(素手)。風紀を乱し抗う者に対して、全てを受け止めてから鉄拳制裁してきた経緯から、天照の【龍成鯉人】は驚異的なタフネスを中心に成長している。
また、その鋼の肉体から繰り出される拳骨は、岩をも砕くという。

411 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 09:31:54.91 0.net
/木方先輩のいない間に結構いろいろ進めちゃいましたが大丈夫ですか?
/設定とか踏み荒らしてたらごめんなさい

412 : ◆hqPjKaC066an :2014/05/06(火) 20:03:29.52 0.net
>>411
お気遣いありがとうございます。ですが、私のことは特に気にせず進めてください。

PCの価値観に転換があったとしても、その目的の達成方法にはいろいろな形があるはずですし、
その中で更に協力したり、やっぱり対立したりといったこともあるかと思います。
その辺りは、勢力というか思想が一方に偏りすぎないようにこちらも意識します。

413 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 20:36:26.55 0.net
分かりました。では此のままで行きます

舞台設定とか本当にありがとうございますね。お陰でロールが楽しいっす
時に、紅牙を理事会側の人間と言うことにしたいのですがよろしいですか?
立場がそうってだけで個人の思想はまた別に設定しようと思ってますが

414 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 20:53:25.58 0.net
二人を弔ったあと、駆け付けた一人の生徒。
彼によって手渡されたのは、特殊な形状の情報端末だった。
一般にはまずないであろう、見たこともない端子。
アプローチを禁じられた端末に眠る情報を、しかし私は閲覧することができる。

夜の帳が落ちる頃、端末を手にしてとある空間に立つ。
製作した外付けのドライブにメモリを差し込み、内包された0と1を自身の兵器に流し込む。
生徒一人一人の顔と名前、生年月日に家族構成... そして、その能力が映し出されていく。
異常が起きないかだけを確認しながらそれらの情報を流し見る。暫くするとその作業も終演を迎えた。

最終頁。「No Name」と記されたデータ。
役職は、生徒会長。彼の情報だけは、各所に不備があった。
経歴、備考。それらに目を通しているうちに、一個の単語が飛び込んでくる。
『能力浄化計画』。これが私の目指す世界か。こんなにも近くに生まれようとしている。

この計画なら、きっと私達を救ってくれる。一辺の曇りもなくそう信じた。
夜の帳が開ける頃。機械仕掛けの少女は見えた希望に手を伸ばす。
散った二人と傍らの青年、誰もが夢見る理想と信じて。

415 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/06(火) 21:37:54.94 0.net
駆け付けた滝山の部下はメモリを渡すと足早に去っていった。
そのメモリを観察するが、見たことのない端子だった。

「……?この端子は知らねぇな…悠綺、これ使えるか?なら預かっててくれ」


そして久々に帰る自宅。
修行空間にいたこともあって部屋が汚れているな…と思ってしまったが、通常空間の時間はあまり過ぎていない事を思い出し、安堵する。
「ふぅ…ただい…ま…?」
「っ!?は…疾風…も…もう帰ったのね…あは…ははは…」

エプロンを着けた涼風がテーブルにカレーを並べていた。
「……あー、どういう事だ?」
「う…うぅ…疾風が帰ってくる前に支度して帰ろうと思ってたのに…!!」

涼風曰く、「作りすぎたカレーを持ってきただけなんだから!別に昨日から用意してた訳じゃないんだから!」らしい。

「はぁ…ほら、もうお前も食ってけよ…いちいち戻って食うのもダルいし、お互い一人はつまんねぇだろ?」
「う…うん…」

その後しばらく会えなかった理由を問い詰められ、正直に答えると蹴り飛ばされた。
幼馴染みとの夜は長い。

416 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/06(火) 21:47:21.71 0.net
一部の生徒が帰路に着いたころ、落奈は影でこっそりといろんな噂を耳に入れていた。
どうやら、初日から3日目まで、実に様々なことがあったらしい。

まず、初日は鼬男の暴走。
これはどうやら1年のとある男子生徒が起こしたものらしい。かの剣道部主将の足を切り落とす一歩手前まで追い詰めたそうだ。
2日目もかなりの騒乱があったらしいが、情報が錯そうしている。
そして問題は3日目だ。
ココで、一気に確認できただけで12人の生徒が死亡したらしい。
一部の生徒を除きそのすべての生徒が『喉を刃渡りの大きい何か』で一突きされていたらしいが、
例外が二人。
一人は『皮膚がなく、筋肉がズタボロ』の状態、
もう一人は『全身に深い切り傷』を負った状態だったらしい。
…この学校は、ひょっとしたら…いや、ひょっとしなくても野生の世界で暮らすよりもはるかに暮らしづらいのだろう。
「…」
この沈黙は、疑問の沈黙である。
果たして自分は、こんな場所で生きていけるのだろうか。
こんな『無いにも等しい』とても他の人のそれと比べて能力と呼べるのかすら分からないほど小さな能力で…

大丈夫、今まで散々山や川や森で殺されかけてきたじゃないか。
熊に、山猫に、カラスに、猿に、イノシシに…
そうして自然と身についた人間のものとは思えない…忍者のような身体能力があれば、きっと何とかなる。
そう自分に言い聞かせた。

417 :比良坂家 ◆taZqHR8ods :2014/05/06(火) 21:50:47.05 0.net
「比良坂さんのお宅ですか?」
突然、男の人がインターホンから声をかける。
「はい、そうですが?」
一応、返した。
「比良坂詠未さんの件でお伝えしたいことがあります」
「…はい、兄がどうかしましたか?」
「これを…」
封筒をインターホンのカメラにかざす教師のような男。
私は扉を開けた。すると、男は封筒を渡す。
中には、【死亡通知書】という文字。
「…兄は、どうなったんですか…?」
「比良坂詠未さんは…悔しいことですが…亡くなりました。
原因は自身の能力の暴走です…」
「そんな………
……………いえ、覚悟は…できてました」
涙をこらえ、そう話した。
男はかえっていった。

私は、一日中泣き叫んだ。

418 : ◆hqPjKaC066an :2014/05/06(火) 21:59:52.53 0.net
>>413
問題ないと思います。

419 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 22:07:05.48 0.net
>>418
ありがとうございます。

420 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/06(火) 22:36:48.30 0.net
ポケットの携帯端末がLEDを点滅させて震える。
ディスプレイに映ったのは見慣れた無味乾燥な差出人表示。
...何か、させようって言うのか。気に食わないが命が下れば仕方がない。
続く文字の羅列に、面白くなさそうに目を走らせる。

先天型でも後天型でもない、俺の持つ『第三の能力体系』。
『人工型』とでも言うべきそれの、この学園は言わば実戦訓練場だった。
『彼ら』にとって庭でしかなかったそこに、発生したイレギュラー。
行動を起こすのはまだ早い。現行の生徒会および戦挙管理委員会の監視。
それが今の俺に与えられた役割か。ため息をついてディスプレイを消す。

暗躍、か。その生徒会の奴らは俺より確固たる理念をもって動いているのだろうな。
俺には与えられた欲求と定められた使命しかない。人間としては抜け殻だ。
故に、その意志が羨ましい。自身も気づかないうちに、そんな思いが心の片隅に芽生える。
月明かりの下、縦に伸びた瞳孔を空に向け。孤独な獣は無機質にループする明日を見据えた。

421 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/06(火) 23:39:03.99 0.net
【三日目夜】

二つの新しい墓…墓石も墓標もない簡素な物。

「…比良坂。すまない、お前を巻き込んだのは俺だ。」
何故ここに墓がある事が分かったのか…。俺自身にも分からない。何処かで声が聞こえた。俺を呼ぶ声が…。

「あれはお前だったのか?助けを求めていたのか?」
もちろん答えなど帰ってくるはずがなかった。

線香代わりにランプに火を灯す。その前に座りこみ異空間での修行を思い出していた。

剣と違い戦闘技術の未熟だった比良坂だが、能力の扱いには長けていた。もし彼が【憑依】したと謂うのなら、それは心を鍛えられなかった俺のミスだ。

「…確かに今ならあんたの言った意味が分かるよ。こうならない為に【能力】は必要ないって言うんだろ。」
左手の甲を右手で掴み、空を仰ぐ。

「…でもな、【能力】が悪い訳じゃない。その扱い方を、いや、付き合い方を知らない事が問題なんだ。」
今度は左手を空に翳し、その先を見つめる。

「少なくとも俺の相棒はそうだった…。【能力】とは自分自身。それを喪うのは体を、心を半分切り裂かれるような物。そんな悲劇、繰り返させる訳にはいかないんだ!」

おもむろに立ち上がり、二人の墓に背を向ける。

「比良坂、俺は行くよ…。お前達の様な悲劇は繰り返させない!俺は彼奴を倒す!待ってろ…○○!」

会長の名前を口に出す。しかし上手く言葉にならない。殆どの生徒は会長の名前を忘れてしまった。
しかし俺は忘れない…忘れる訳にはいかない!会長としてではなく、彼個人を慕い、敬い、そして友として認め認められた人だから。

冬眠していた白き狐は再び表舞台に向かって駆け出した。

『…主よ、我は常にお主の側に…。』
空高くもう一人の友の声が響いた。

422 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/07(水) 11:07:06.18 0.net
白河の能力回復の為に、【衝撃排出】の強化Ver.を募集!但し、常に強化版を使用するのではなく、【覚醒】時のみの使用とします。【覚醒】にも時間制限や回数制限ありにします。


以下、現状の能力
【衝撃排出】インパクト リジェクト
相手の攻撃を左手で吸収し、右手でそのまま返す。吸収出来るモノは物理攻撃や衝撃波など、直接ダメージを負うモノに限る。
なので操作系などの間接攻撃は不可。
さらに自身の体を通して相手に返す為、あまりにも強力な攻撃(例えば核爆弾など)は吸収不可。
最大のデメリットはカウンター攻撃の為、自分からの攻撃は出来ない。
同じ攻撃であれば複数回ストックが可能だが、別の攻撃を吸収すればストックはリセットされる。
吸収出来る攻撃には限度(キャパ)があり、キャパオーバーを起こすと体内から暴発しダメージを受ける。

423 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/07(水) 16:12:37.00 0.net
「ばっかもーーーん!!!」
じいちゃんの鉄拳が頭の真上から振り下ろされる。
「…っ痛ぇ〜!!何すんだよぉ!」
この痛み…入江より強いんじゃないか、このじいさんは…。
「やかましい!それでもお前は当代か!負けておめおめと帰って来よって!」
「そんな事言ったって、マジで強かったんだぜ?ありゃ間違いなく優勝候補だな。」
頭を摩りながらボヤく。
「お前の戦い方が悪いだけじゃ。大業に頼りよって…。式神は限界の半分、操作系の護符や武器はここぞって時以外は使わない。
力6分で戦い、常に次の手を考えるのが本当の陰陽師の戦い方じゃ。」
(だってバンバン護符使った方が陰陽師っポイじゃん。)「っ痛ぇ!!」
ここで二発目の拳骨…。身代わり蝶を用意しとくべきだった。
「聞こえとるぞぉ!!まったく…。祥明、明日から北斗を連れて行け。」
「え!?じいちゃん、それは勘弁!!」
北斗とは昔からうちに住んでいる黒猫だが、じいちゃんに【喋】鈴を付けられているお目付役の様なヤツだ。
「そんなに私が嫌かぃ?嬉しいねぇ♪」
黒い肢体が窓からクルッと舞い降りる。
「あんたの父さんは優秀だったんだけどねぇ。どうやったらこんな問題児が産まれるんだか。」
この黒猫、俺が産まれる前からうちに住んでいる…いったい何歳なんだろう。
「さあ北斗も来たことじゃ。祥明よ!修行をつけてやろう!」
「えぇ〜!!もう勘弁してよぉ〜!!」
安部家の夜は長いようだ…。

424 :名無しになりきれ:2014/05/07(水) 19:40:21.40 0.net
>>422
【吸収掌口】バキューム ハンド
左手の手のひらに穴が生成されて
そこからあらゆるものを吸い込むことを可能とする能力
攻撃だけではなく、静止している物体なども吸い込む事を可能とする。
吸い込む力は最大で、10m先の大木を根こそぎ吸い取るほどにまでなる。
応用すれば地面を吸い取って穴を開けたり、
天井に吸い付いて相手の攻撃を躱す事もできる。
手のひらの穴は異次元に通じているためにキャパは存在せず、
右手からは吸い込んだものを凝縮して打ち出す事が可能であり、
最大威力はコンクリートに出来た壁に直径10mの穴を開けるほど強力
ただし連射はできず最低でも10秒間のインターバルが必要になる

425 :名無しになりきれ:2014/05/07(水) 22:27:40.83 0.net
>>422
【判遮真勁】リジェクトリアクト
相手の挙動から正確に行動を把握し、同一の動作をもって反撃する能力
一度見た攻撃なら動作の瞬間に次の行動が解るため一種の未来視とも取れる
この反射攻撃は能力による変異や攻撃も正確にコピーすることが可能
相手より一瞬先を見据えて行動できるため、奇襲能力は高い
行動の瞬間を見ていれば波動の射出や銃弾なども即座にトレースし反撃することができる
もちろん能力や攻撃手段をトレースしなくても、回避など他の手段を取ることもできる

ただし、前述の通り未知の攻撃の予測は難しい。普通の体術なら百発百中だが能力を用いた応用形ならば正確に反撃するには学習の必要がある
また、行動開始時の微細な動きから予測するため、急な行動の変更に対処しづらい。巧妙なフェイントも同様
そして行動開始時の相手を観察していなければ予測は出来ない。さらに特性上反撃手段も限られる

426 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/08(木) 00:02:01.56 0.net
「…」
先ほどこっそりと覗いていた戦闘が行われていたステージへと再び足を踏み入れる。
血にまみれたこの場所は気味が悪い。寝床には使えないだろう。
「ハァ…」
ため息をつき、下に降りた。そこには目を閉じ血を流した男が椅子に座っていた。
「…!……!!………!!!」
少し慌てて上の階へ駆け上った。…心臓に悪かったようだ。動悸が止まらない。
しばらく探索するとシャワールームらしきものを発見した。ここはまだ使えそうだ。
近くにはタオルもあったし、ここにしばらく居つくことに決めた。

シャワーを浴び、服を着て、そしてそのまま隣の牢獄のような部屋で寝ることにした。
他の部屋は壊されていたり気味が悪かったりととても寝れるような場所ではなかったからだ。
…はあ、家はあるけど帰るのめんどくさいしなあ…。

実は電車通学のため毎日帰るのが面倒臭かったりする、そんな落奈であった。

427 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/08(木) 01:30:08.63 0.net
昨日の一件の後、すっかり空虚な空間と化したであろう冥瞳星羅のアジト。
その機密性を生かし、何より彼女の想いを忘れないために。此処を拠点にしようと決めた。
「アジトで待つ」とだけ疾風にメールを送り、地下への階段を降りて行く。
途中命を絶った生徒の亡骸を簡易的ながら弔いつつ、奥へ奥へと足を進める。

ふと、ある場所が気になった。
冥瞳星羅と二人で言葉を交わした、あのシャワールーム。
覚えないようにしていたとは言え、道を見てしまえば記憶は甦ってきてしまう。
あの場所を、もう一度。悠綺の足は自然にそこへ向かっていく。

誰も居ないシャワールーム。タイル張りの一室に水音が響く。
あの場所に彼女は立っていて。笑顔で私を受け入れてくれた。
あの時は、私も彼女もこんな未来の可能性を予測すらできていなかっただろう。
失ったものの大きさに、軽く唇を噛み締める。

...違和感を、感じた。

さっきの水音。誰も居ないはずの此処に、何故?
聞こえた先の個室を見れば、壁一面に付いた水滴。
水も乾かぬつい先程まで、「此処には何者かがいた」と言うことか。

生徒の生き残りか?...考えにくい。あの時私は此処を一通りは探索していたはずだ。
完全な部外者...の線は薄いか。此処はやはり機密性の高い場所であるはずだ。
ならば昨日の一件の、黒幕的存在か?その可能性に本能が警鐘を鳴らす。もしそうなら危険だ、と。

手に滑らせたピストル。親指でハンマーを上げる。
左右の鉄爪のアクティブレーダーを展開させながら、両手で小銃を構えた。

428 :名無しになりきれ:2014/05/08(木) 16:47:50.27 0.net
>>422
【皇帝空間】エンペラー ルーム
左手から半径10mの結界を作りだす。その結界内での攻撃はダメージを受けず、結界に蓄積される。
一度結界に閉じ込められると解除する以外の出入りは不可。
結界発生後10分経過、または任意で結界を小さな球体に変え、右手に宿す。
この球体は結界内でのダメージが全て凝縮されており、触れると全てのダメージを一度に受ける。
球体は飛ばす事も可能で、遠隔操作も出来る。
尚、一度結界を解くと次に結界を発生させるのに一日のインターバルが必要。
またその間【衝撃排出】の使用も不可。

429 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/08(木) 20:29:31.46 0.net
「!?」
何だこれは。隣の部屋に入った途端にびっくりした。
明らかに自分の胸のサイズとは合わないであろう(大きすぎて)ブラジャーや、
きっとぶかぶかであろうパンツなどが散乱していた。
…この状況でどう寝ろと。
「はぁ…」
またしてもため息をついた。片づけをしなければ。そんな時だった。
遠くで物音がしたのは。
「!?…!、……!!」
思わず焦る。焦ると無言になる―普段からほとんど言葉を話さない、いや、話せないのだが―のは彼女の癖だ。
「?……??」
自分を指す言葉が見当たらない。思いつかない。なぜなら彼女は居候先(親戚)が見つかるまではずっと森や山を転々としていた
生粋の野生児…いや、野生動物そのもの。日本語など、正直必要なかったのだ。
小さいころのほうが達者にしゃべれていたに違いない。そう、内心思った。
「ぜ、善良…無害…無味無臭…?」
自分は攻撃する意思がない、ということを伝えたいが、うまく言葉が出ない。
「睡眠…安眠、要求…助け、必要…部屋、汚染…?」
汚染で合っているのだろうか。ただ物が散乱しているだけなのに…
あ、「散乱」!
「部屋、散乱…助けて?」
多分、伝わった…のならいいけど。
ていうかこれ、相手が幽霊だったらどうしよう…
そう考えると、思わず身震いしてしまった。
やっぱ帰ればよかった…と、泣きそうになる。

430 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/08(木) 20:37:50.89 0.net
泣きそうになっていたそんな時、心の底から語りかけてくる声が聞こえた。
「まったく、落奈はきょどきょどしすぎなんだよ」
「せ、センちゃん…グスン」
「泣くなよ、相手が敵かどうかも分からないのにさ」
「理由…語彙不足…伝達…困難……」
「僕の言うとおりに言葉を発するのは、できるかい?」
「可能…」
「なら、これからは僕の言うとおりにしゃべるんだ。
少なくともこの戦挙とかいう変な事が行われている間はね」
「…了解、はぁ…」
「まったくもう、落奈は僕がついてないとダメなんだから」
「センちゃん、好き」
「それ、自分を好きって言ってるようなもんだよ?」
「結婚、希望」
「自分と結婚したいのかい?ナルシストが過ぎるよ、まったく…
まあ、うれしいけど」
「…照れてる?」
「うっさい」
そんなどうでもいい会話をしていたら今の状況を忘れていた。
「…ハッ、現在、不明な人物との会話中…完全に忘却して…た!」
センちゃんこと【紫外閃師】から語彙の情報を少し共有されているため、
若干言葉が出やすくなった。なんで最初からこれをしてくれなかったんだろうか。
…最初からっていうかこれができるんなら居候先探しの時とかにやってほしかったなあ。
今更そんなことを思った。

431 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/08(木) 20:56:06.41 0.net
/やべぇ…

長い間これなかったぁ…

まだ古藤さんいるかなぁ…

432 :名無しになりきれ:2014/05/08(木) 21:05:46.40 0.net
>>422
【黒色巨星】ターヘイシン
自分の頭頂部より30m高いところを中心に半径15mの巨大な黒い球体を出現させる。
出現した球体は1秒間に50cmずつ縮小しながら半径150m圏内に存在する任意の物質を吸収できる。
ターヘイシンを召喚した後は最低40℃の発熱、強烈な頭痛、もしくは強烈な腹痛により保健室や病院等に行かざるを得なくなる。
まさに『奥の手』。


ついでになぜ読み方が中国語なのかというと響きがかっこいいから(

433 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/08(木) 21:37:06.25 0.net
銃を向けた先にいたのは一人の少女だった。
明らかに動転した様子で片言で何かを伝えようとしているらしい。
断片的なその言葉からは、上手くその意図を読み取れない。「たすけて」というワードは聞き取ったが。

まだこの少女が、何者なのか確証できない。
そんな状態では銃を降ろせない。片言だろうが意思伝達する気はあるのが救いか。
生徒会の人間か白河派の人間か、はたまた別の勢力か何も知らない一生徒か。それを問いただそうとすると、少女は一人つぶやき始めた。

「...話す気があるの?」

同じ言語を使っているのになんとももどかしい意思伝達に軽く苛立ちを覚える。
何があったかは知らないが、彼女は少し普通じゃないと思って掛かったほうが良いだろう。
銃口を向けたまま気を取り直して、聞きたかったことを問う。

「......何者だ?」

434 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/08(木) 21:47:58.68 0.net
>「...話す気があるの?」
「…!、!!」
うなずく。必死にうなずく。
…怒ってるようにしか見えないよ…、助けてセンちゃん。
>「......何者だ?」
(今から指示するからね。ちゃんというとおりにしてね)
言われたとおりにこたえる。
「私は体から刃を生やした見たことない獣を見つけたので、気になってここへついてきたら
戦闘が始まってしまっていて…観察していた者です。そのあとは一度外に出たのですが、家も遠いので
今は恐らく空家状態になっているであろうこの部屋で生活を一時的に行おうとしたのですが、この部屋が
いろんなものであふれかえっていてまともに寝ることができません。そのため、片付けの手伝いを依頼したいと思っています。
私が何者か、ということですが、私は幼いころに両親を亡くし、それからずっと山や森で暮らしてきました。
そのため一般の生徒と比べて語彙情報がほとんどなく、自分の能力でもある【紫外閃師】の補助なしでは
会話を成立させることも困難です。会話をする気はありますし、現状で戦闘を行う気はないのでご安心ください。
…伝達、完了…?」
自分が思っていたことをどこから仕入れてきたのかとても豊富な語彙情報を駆使した文章で相手に正確に伝達できる文章を
うまいこと作ってくれたようだ。変なところは多分…ない。
ただ少し発音とかいうものとかがダメだったり何度か噛みそうになったりと、言葉はやはり難しいな、とそう思った。

435 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/08(木) 22:09:47.17 0.net
>「私は体から刃を生やした見たことない獣を見つけたので、気になってここへついてきたら
>戦闘が始まってしまっていて…観察していた者です。そのあとは一度外に出たのですが、家も遠いので
>今は恐らく空家状態になっているであろうこの部屋で生活を一時的に行おうとしたのですが、この部屋が
>いろんなものであふれかえっていてまともに寝ることができません。そのため、片付けの手伝いを依頼したいと思っています。
>私が何者か、ということですが、私は幼いころに両親を亡くし、それからずっと山や森で暮らしてきました。
>そのため一般の生徒と比べて語彙情報がほとんどなく、自分の能力でもある【紫外閃師】の補助なしでは
>会話を成立させることも困難です。会話をする気はありますし、現状で戦闘を行う気はないのでご安心ください。
>…伝達、完了…?」

「......!?」

てっきり言語が不自由だ、そう思っていたために流れ出す言葉に驚く。
だがよく聴けば何のことは無い、能力のアシストを受けたからだという。
思考を伝達するシステムが、彼女の能力なのだろうか。
そしてひとしきり喋り元の口調に戻った彼女に、伝達完了の意思と共に頷いてやる。

暴走状態の比良坂詠未が彼女をここに導いたのか。
このアジトの機密性も、今回の一軒で若干損なわれているのかもしれない。
...もう少し、聞いてみよう。一応銃を構えたままで更に問いを重ねる。

「『能力浄化』『白河蛍』『暴走』。聞き覚えのあるワードは在るか?
 貴女以外に、刃物付きの獣を見かけた人物はいたか?
 そして、貴女の能力【紫外閃師】の詳細を開示せよ。...それで、此処の使用を認める」

436 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/08(木) 22:25:52.43 0.net
>「『能力浄化』『白河蛍』『暴走』。聞き覚えのあるワードは在るか?
 貴女以外に、刃物付きの獣を見かけた人物はいたか?
 そして、貴女の能力【紫外閃師】の詳細を開示せよ。...それで、此処の使用を認める」
「あなたの挙げた3つのワードに該当するものは私の記憶にはありません。
他についてきている人は数人いましたし、獣の存在も噂を聞いたので探してみようと思い捜索を開始してすぐに発見できたので
校内ではかなり有名だと思われます。
そして私の能力…いえ、僕は紫外閃師といいます。僕はこのダメご主人…こら!今のは意味…通じた!」
思わず口を止める。センちゃん…?言うことはないの?
え?続けろって?ったくもう…。
「ご主人の言語能力が幼稚園児以下なため、そのアシストを行うこともしばしばあります。しかし、本来の能力は主人の目から
特殊な光線を放ち、光線に触れた物質や生命体の詳細な情報を入手することにあります。ただ、この光線を直接見てしまった場合…
対象はこちらが送信したイメージ…俗にいう『幻覚』を見せる催眠術のような効果を発揮することも可能です。
そもそも主人の身体能力は人間どころか猿…こらぁ!センちゃん、ふざけるの、禁止…!はいはい、承知…
人間を大きくかけ離れているものがあるので、基本的には戦闘は彼女の身体能力だけで行います。ただし、まれにうまくいけば幻覚を発動させることができますので、
これにより一時的な恐怖を与え、その隙に後ろから攻撃を浴びせることも可能となります。
…こんな感じ?あ、それと質問。
…ここ、もしかして誰かの家?私、去るべき…?でも、家遠い…出来れば、此処、立ち入り禁止ならばいい睡眠場所の紹介を要求。
眠い…ふあぁ〜ぁ」
大きな欠伸が出てしまった。細い体はその場に座り込む。
「もうこのままでいい…?眠い…。睡眠、激しく要求…」
目もうつろで、まぶたも半分閉じ始めて開かない…。

437 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/08(木) 22:31:34.29 0.net
>>424
>>425
>>428
>>432
皆さん、有難う御座います。
色々頂きましたが、この能力が【覚醒】とも相性良さそうなんで、これにしたいと思います。


【皇帝空間】エンペラー ルーム
左手から半径10mの結界を作りだす。その結界内での攻撃はダメージを受けず、結界に蓄積される。
一度結界に閉じ込められると解除する以外の出入りは不可。
結界発生後10分経過、または任意で結界を小さな球体に変え、右手に宿す。
この球体は結界内でのダメージが全て凝縮されており、触れると全てのダメージを一度に受ける。
球体は飛ばす事も可能で、遠隔操作も出来る。
尚、一度結界を解くと次に結界を発生させるのに一日のインターバルが必要。
またその間【衝撃排出】の使用も不可。

438 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/08(木) 22:48:02.83 0.net
ワードは知らないという。目立った反応も無かった。
なるほど、彼女はどのサイドにも所属しない一生徒でしかないのだろう。
この地点では問題は無い。問題は次の返答にあった。
どうやら比良坂詠未は随分と派手に暴れてくれたようだ。ここの機密性は砂上の楼閣といって良いだろう。
...シャワー、あるのにな。名残惜しいが拠点にするには不安が多い。

と、ここで少女の言葉が乱れる。

>そして私の能力…いえ、僕は紫外閃師といいます。僕はこのダメご主人…こら!今のは意味…通じた!」
>「ご主人の言語能力が幼稚園児以下なため、そのアシストを行うこともしばしばあります。しかし、本来の能力は主人の目から......

第一。自分を『能力そのものである』 と名乗ったこと。
第二。それに対し少女が抗議の言葉を放ったこと。
第三。意思伝達は彼女の能力の本質ではないということ。

問題は無い。だが理解はできなかった。
彼女は明らかに『自我を持った能力』と共に在り、それを受け入れていた。
自分の能力は。何も語らずただ傷つけるだけだった。
故に彼女の『能力たる自我』に対して、並々ならぬ懐疑心が自然に芽生えてしまう。

「...おやすみ」

とはいえ交換条件ではある。銃を下ろし睡眠の許可を出す。
能力そのものが彼女の第二人格でしかないなら、睡眠時には意思疎通は不可能なはず。
逆に能力が独立した自我を持っているなら、たとえ能力者が意識を失えど会話が可能だろう。
だから、彼女が寝静まった頃を見計らい。起こさない程度の声量でその能力に語りかけるのだ。

「【紫外閃師】...... 聞いてる?」と。

439 :紫外閃師 ◆taZqHR8ods :2014/05/08(木) 23:12:34.57 0.net
>「【紫外閃師】...... 聞いてる?」
「はいはーい、お呼びですかな?…寝てる間に話しかけられたことなんて初めてでびっくりしたよ。
まあ、僕はこいつでもあるわけだし?こいつの体は僕の体同然だからね。寝てる間におしゃべりして一夜を明かしても問題ないわけで」
思わずペラペラとしゃべる。はは、得体のしれない相手に対して…いや、得体は知ってるけど素性は知らない。
「そういえば僕は生命体の身体能力とか所持している能力の有無やその性能などを図ることもできる訳だけど、
対象が何者でどんな組織に所属してるだとか、名前だとかそういったことは分からないんだ。
君のことも教えてはくれないか?物づくりのお得意な御嬢さん?」
彼女の能力は物を作ること。生成に失敗することで能力によって生まれるよくわからない廃棄物が生成されるらしいが…
恐らく彼女の武装からして、すでに能力の使い方になれたため失敗が起きることはまずないだろう。
「そうだなあ、教えてくれるついでにこの靴をスパイクにしてほしいなあ。
今までご主人が履いてたスパイク、サイズが合わないから…できればスパイク部分が金属製だと壁を貫けるからうれしいんだけど…だめかい?
その代りに君たちに協力する…とかでいいのであれば頼みたいのだけれど」
一応、主のことも気遣う。仲間がいればある程度は連携もとれて戦闘もしやすいだろう。
…個人的な戦闘能力がそもそも高いのだけれど。

440 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/08(木) 23:30:30.60 0.net
>>431
/古藤さんも長い事見ていません…。
しかし敵対勢力も出来てしまったので、御笠さん一人でも動いて貰えると助かります。

441 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/08(木) 23:35:00.89 0.net
確定。【紫外閃師】は同じ身体を借りただけの別自我だ。
今彼女は、ある意味『能力に身体を委ねた』状態といっていいだろう。
悠綺にとってそれは畏怖の象徴。共存など信じられなかった。
そしてそれは自身の能力で解析を行った後、交渉まで持ち出してきたのだ。
比良坂詠未、隼鐘悠綺。二者の『本能の具現』とはまた違う、【紫外閃師】は独立した知性体であったのだ。

「私の能力では、既存の物体に付加することは不可能。新規作成が必要」

私のことを教えるように。そんな指図を取り敢えずは無視し、出された要求に対する返答を重ねる。
昨日の戦禍の残骸であるコンクリート片を拾い集めながら、作成条件について答えてやった。

「私が作るのは基本的に機械。だからフレームは金属が基調。
 当然重いし履き心地も違う。馴染むかもわからなければ機能も詳細不明。それでよければ...... ほら」

会話を一旦区切って集中し、広げた手には一対の靴。
完成したそれを手渡しはせず床に置く。無用な干渉を控えるように。

「隼鐘悠綺。それ以外の情報開示を断るなら、どうする?」

言われたことは果たした。交渉の立場上は優位に立ったはずだ。
よって若干威圧的に言葉を放つ。『能力に乗っ取られる』という不確定要素をうかうかと招く訳には行かない。
地下の一室で、疾風を待ちながら。異能そのものとの干渉し、思考を巡らせていた。

442 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/08(木) 23:54:57.14 0.net
分析系の能力もいることだし、ロールの原点となっている設定を投下します
劇中の人物の行動理念と直接は関係ないですが、ロールする上で参考にしていただければ幸いです

能力:【空想兵器】
あらゆるものを材料として思い描いた兵器を作成する能力
作成には材料を一ヶ所に集め手をかざし、『作成』と唱える必要がある(発声の有無は問わない)
材料には複数のパーツからなるような複雑な物は使用できない
また作成する兵器の性質からほど遠い材質の使用は兵器の性能低下を引き起こす
そして作成時の集中力によって成功率が変動し、失敗した場合は『材料に使えない箱状の物』が出来上がってしまう

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

これら兵器群は頭部に装着したゴーグル状のヘッドギアを介した思考波によって操作する。
銃などの末端の端末類は例外であるが、基本的に操作は思考波制御である

完成した兵器群には例外なく『休眠状態の知性体』が練りこまれた状態である
これらが思考波を読み取ることで兵器群の操作が可能となっている
しかし思考波を受け続けるうちに知性体には自我が芽生える。これが暴走の引き金となる
自我が芽生えたばかりの知性体はいわば赤ん坊程度の理性しか持ち合わせておらず、その挙動は本能の具現ともとれるだろう

知性体の情動は、思考波を読み取り成長する性質上使用者の感情などに大きく左右される
だが兵器である以上感情表現の方法に乏しく、行動は必然的に暴走じみた挙動をとることになるだろう
成長により普遍的な人間程度の理性を得ることも不可能ではないが、多大な時間と効果的な情操教育、なによりその間の暴走のリスクを負うことが必要

作成失敗時に生じる立方体にも同様に知性体が存在するが、思考波を受けないため自我に目覚めることは無い
また、立方体には金属類と知性体が混在しており、これが素材に使用できない原因となる
これは作成に成功した兵器群にも共通した特性である。よって新規特性の付加は難しく作成した機械には拡張性が見込めない

443 :紫外閃師 ◆taZqHR8ods :2014/05/09(金) 00:03:57.24 0.net
>「私の能力では、既存の物体に付加することは不可能。新規作成が必要」
「ほうほう…」
等と言ってみている間にブツが仕上がっていたみたいだ。
履き心地などはまぁ『慣れ』だろう、それは主人自身が野生の生活を行ってきたうえで恐らく
一番わかっているはずだろう。慣れればまあ問題はない。
>「隼鐘悠綺。それ以外の情報開示を断るなら、どうする?」
「どうもしないさ…君をココで敵に回したって意味なんてないし…そもそも貸りがある相手に仇を返すのはよくないしね。
少なくとも僕は気味を同行するつもりはないから安心してね。…まあ、いざとなればすぐにでも逃げるけどね。この靴は後で履かせてもらうよ」
とりあえず靴を眺めて見る。
「サイズもぴったり、戦挙期間中はこれでもちそうだ。ありがとう、御嬢さん…いや、隼鐘さん。
多分ご主人も感謝すると思うよ。ご主人が一番ほしがってたからね、新しいスパイクシューズ。だって、ツルツルの壁上るのは
結構難しいようで何度か失敗していたみたいだし。岩とかならちょっと手前に傾いてるかなーくらいなら余裕みたいだけど」
一応警戒心は溶けてないらしいが、それは当然のことだろう。
まあ、少しでも親近感を持ってくれたらうれしいかな、そう思い生い立ちを話す。
「そうだなぁ、話すこともないから寝る前に一つ、僕の生い立ちについて語ろうと思うよ。
僕が生まれたのはいつだったか…僕の目が覚めた時にはどこからかすすり泣く声が聞こえたんだ。
その声はどんなに歩いても歩いてもまったく近づかない。それで思い切って大声を出してみたんだ。『おーい、大丈夫かーい?』ってね。
そしたらなんて返ってきたと思う?普通は気味悪がるはずなのにそいつ、『心配するなら友達になってよ』って言ったんだよ?笑えるよね。
それがまあ、ご主人なんだけど…」
懐かしい。そんなこともあったなぁ…などと思いながら続きを話す。
「きっとその時なんだろうね。僕が発現したのも。それまでご主人はずっと一人だったんだ。
神社の一人娘として生まれた彼女は、物心ついた時には母も父も死んでたんだ。なぜかって?
…そりゃ、分かんないさ。ただ、神社に二つ死体が転がってただけ。それだけの話さ…
そしてご主人は神社から出た。最初は近くの森を探索し始めたんだけど、そしたら帰れなくなってしまったらしく…
後にも引けないからってご主人はその森で暮らすことにしたらしいんだけど、そうして森を進むうちに他の山や森などに到達してしまったりして…
最後に行きついたのは小さな村だった。そこでご主人は自分の名前を思い出し、服をもらい、そして親戚を発見したんだ。
今はここから少し離れたところの親戚の家に居候というか住まわせてもらっているのさ。それまで…14歳くらいまではずっと山や森を転々としていたかな。
ご主人が言いたいこととかはニュアンスで伝わるし…というかそもそも僕はご主人と同じ存在のようなものだし…二人で行動する分には問題がなかったんだ。
ただ、問題はほかにあって…10年近く人と会話したことがなかった彼女、いつの間にか言葉を忘れていたんだ。
一応少しだけご主人の小さいころの記憶を覗いたりして一部の語彙データを得ることはできたけど、それでも足りなかった。
だから残りの語彙データは村や親戚の人、町などで入手したんだ。それをご主人に教えたりして…その成果もあってご主人の言語能力は少しはまともになったんだけど…
いまだに小学校1年の国語のテストを受けても10点取れないくらいの頭の悪さをキープしてるんだよね…。
体育だけは取り柄なんだけどね…。スポーツテストだと剣疾風っていうやつに戦闘力を図るところで僅かな差で負けてしまって2位に転落した以外は
全部学年1位だったよ。もしかしたら全校生徒でも10位以内には入ってるんじゃないかな?
…結構長くなってしまったね。まあ、いいか。僕とご主人の経歴はこんな感じさ。
何が言いたいかっていうと、警戒心を解けってことじゃない。警戒するのは本能としてあたりまえなことで…
ただ、ここまで情報を開示したってことはつまりわかるはずさ…僕に敵意はないよ。そしてそれはご主人も同じさ。だからまあ、仲良くしてあげてほしい。
僕がついてなきゃご主人はまともに会話すらできないダメ人間だけど、基本はかわいい奴だからさ。どうか、よろしくお願いします」
頭を下げる。ご主人はあの時心から友人を欲していた。もう二度とあんな思いはさせたくない。
「じゃあ僕も寝るよ…話聞いてくれたり靴作ってくれたり、いろいろありがとうね。おやすみ」
そして僕は寝た。

444 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/09(金) 00:10:41.71 0.net
/確認ですが、比良坂&冥瞳の墓はアジトですか?それとも外ですか?
アジトならば白河もそこにいる事になるのですが…

445 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 00:12:02.00 0.net
「ちょっ…ここで寝るな涼風!」
「えー…もう帰るのダルいのよ…」

お互いにふざけあって幼馴染みとの久々の長い夜を過ごす中、ケータイのメール受信音が鳴る。
「疾風…まだその着メロ使ってんの?」
「ほっとけ。……何?」
「悠綺ちゃんからでしょー」
「良く分かったな」
「……で、何って?」
涼風の声が少し不機嫌になるが、疾風は気にしない。

「それがな…」
隠しても意味は無いので、正直に内容を伝える。
「……というわけなんだ」

すると涼風は、おもむろに疾風の木刀を持ってきてくれた。
「ほら…どうせすぐ行くんでしょ?アンタの事なんてすぐ分かるんだから…」
「……悪いな、本当にいつも、感謝してるよ」
「そう思うならちゃちゃとあのスイーツ屋さんにつれてきなさいよ」
「分かってる。んじゃ、行ってくるよ」
「えぇ…行ってらっしゃい、留守は任せといて!」
「あぁ…頼む」

木刀と最小限の荷物だけを持って学校に向かって駆ける。

446 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 00:13:09.14 0.net
「ちょっ…ここで寝るな涼風!」
「えー…もう帰るのダルいのよ…」

お互いにふざけあって幼馴染みとの久々の長い夜を過ごす中、ケータイのメール受信音が鳴る。
「疾風…まだその着メロ使ってんの?」
「ほっとけ。……何?」
「悠綺ちゃんからでしょー」
「良く分かったな」
「……で、何って?」
涼風の声が少し不機嫌になるが、疾風は気にしない。

「それがな…」
隠しても意味は無いので、正直に内容を伝える。
「……というわけなんだ」

すると涼風は、おもむろに疾風の木刀を持ってきてくれた。
「ほら…どうせすぐ行くんでしょ?アンタの事なんてすぐ分かるんだから…」
「……悪いな、本当にいつも、感謝してるよ」
「そう思うならちゃちゃとあのスイーツ屋さんにつれてきなさいよ」
「分かってる。んじゃ、行ってくるよ」
「えぇ…行ってらっしゃい、留守は任せといて!」
「あぁ…頼む」

木刀と最小限の荷物だけを持って学校に向かって駆ける。

447 : ◆taZqHR8ods :2014/05/09(金) 00:14:52.08 0.net
//俺の中では星羅が殺されたのは外なので、
もしその場で埋めたのであれば外になりますね。
それに詠未の死体を運び出す描写もあったので外かと

448 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 00:15:24.87 0.net
/弔った≠お墓を作ったですからねー
/直接的な描写が無い以上、好きなところでいいと思います

449 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 00:16:47.18 0.net
謎の多重投稿…

墓はアジト近くのスペースに作った…って事にしといてもらっていいですかね?

450 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/09(金) 00:23:07.09 0.net
>>447-449
了解です。では白河はこのまま生徒会室に帰ります。

451 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 00:25:36.67 0.net
私を敵に回したりはしない。だからどうすると言う事も無い。
そう言ってのけた『彼』は、暇だからと唐突に語りだす。
それは一つの物語。一人の少女とその能力との、馴れ初めのストーリーだった。

彼女自身に対して、敵対心は無い。むしろ脅威なのは『自我を持つ能力』の方だった。
だが彼はそんな思い込みを跳ね除けるように、ただ自身の主人を思い遣っていた。
ただ力を振り回すだけの、私の能力との違いは何だ?何が祟って私は今こんな思いをしている?
寵愛を持った能力の存在に、八つ当たり気味に腹が立つ。同時に今の自分がたまらなく悲しくもあった。

「......おやすみ」

心なしか沈んだ声で、悠綺は睡眠を促した。
他者の能力との対話。それは嘆くべき悠綺の立場を浮き彫りにして終焉を迎えた。
私の力は、なぜこう在れなかったのだろう?思考波を介した問いに、されど能力は答えない。
広がる虚ろな空間に、問いかけは反響することも無く。暗く広がる心のように、すべてを無へと飲み込もうとしていた。

452 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 00:33:51.44 0.net
「ぜぇ…ぜぇ…着い…た…」
なんだろう、修行で増えたはずの体力がまた少し減っている気がする…
少し疑問に思いながらもフェンスを乗り越え、楽々学校に入る。

そのままアジトまで走り、中に入った所で声を出す。
「……おーい悠綺!どこだー?俺は迷いそうだから入り口まで迎えに来てくれー!」

我ながら情けないとは思う、だがしかし、本当の事だから仕方ない。

453 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 00:34:42.43 0.net
「ぜぇ…ぜぇ…着い…た…」
なんだろう、修行で増えたはずの体力がまた少し減っている気がする…
少し疑問に思いながらもフェンスを乗り越え、楽々学校に入る。

そのままアジトまで走り、中に入った所で声を出す。
「……おーい悠綺!どこだー?俺は迷いそうだから入り口まで迎えに来てくれー!」

我ながら情けないとは思う、だがしかし、本当の事だから仕方ない。

454 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 00:37:35.98 0.net
また多重か…スレ汚し申し訳ない

ふと思ったんだが、今の時間帯はいつ頃の認識?

455 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 00:40:11.71 0.net
空虚さに飲み込まれそうになるとき、疾風の声が響いてきた。
...何で大声を上げようと思ったのだろう。メールしてくれればいいのに。
なぜだか気恥ずかしくなって、声の聞こえたほうへ足早に移動を始めた。

――――――――――――――――――――――――――

思えば私は機械のアシストを受けてはじめてこの構内を把握することができた。
アジトで待つといっても、ナビゲートの無い疾風が迷うのも無理はない。
少し、考えが浅かった。...まあ此処を本拠地にはできなくなったし、別に関係ないことにしておこう。
そんな考えを巡らせるうちに入り口付近まで辿り着く。待っていた疾風の姿に少しだけ安堵を感じた。

「これからの行動指針を決めた。......生徒会に接触する」

開口一番、特別級の爆弾を投下して。

456 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/09(金) 00:41:23.38 0.net
>>454
三日目夜間の認識ですが?

457 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 00:43:04.06 0.net
>>451
だよね、ズレて無いかと不安だったわ

458 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 00:45:29.80 0.net
/マジか、俺だけ四日目朝でやってたわ...
/「昨日」とかの表現は脳内で修正するか、午前零時を超えたという認識でお願いします... すみません

459 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 00:50:15.92 0.net
「おお、悠綺…悪いな…」
>「これからの行動指針を決めた。......生徒会に接触する」

「……は?」
突如として出された新たな行動指針。
予想外過ぎて理解するのに時間がかかった。

「……本気、なんだよな?」
一応確認をとる、だが答えを待たずに続ける。
「悠綺がそうしたいって言うなら俺は異論は無いよ、何があっても悠綺は守り抜くと決めたしな…」
かっこつけて言ってみるが、やはり恥ずかしく顔が赤くなる。

460 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 01:01:15.26 0.net
「能力浄化計画。これで私の能力を破棄する」

決まりきった指針だった。疾風さえ賛同してくれるなら、他の誰を敵に回しても構わなかった。
そして彼の同意が得られた今、悠綺を止めるものは何一つとして存在しなかった。

「疾風... ありがとう」

無骨な兵器群に包まれながら、柔らかな表情を浮かべる。
彼を傷つけずに供に居られるなら、他にはなにも要らないと思えた。
白河蛍の話とUSBメモリから、現生徒会の暗躍の拠点は大方つかんでいた。
後はそこへ向かい、計画に荷担する旨を伝えるのみ。

ふと、先の会話を思い出した。
確固とした自我と人格をもった、そんな能力の存在。
彼らを抹消することは殺人と何ら変わりないではないか。その罪に、自分は耐えられるのか?
だが、とも思う。少なくとも私の能力は、傷つける以外に何も生まないだろう。
消されて然るべき、そんな力なのだ。それらを抹消することに躊躇いはない。

「じゃあ、行こう...」

そんな決意を胸に、悠綺は足を進めていく。
今校内を暗躍する改革の。新たな刃となるべく。

461 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 01:08:24.27 0.net
あれ、「行こう」ってのは「夜中だぞ」って突っ込んでいいやつ?ミス?

462 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 01:11:24.24 0.net
あーノリで書いちゃった... 無視していただいて構わないっす

463 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 01:15:46.23 0.net
「気にすんなよ、パートナーだろ?」
安心したように表情を柔らかくする悠綺の頭を撫で、手をおろしてから自分が何をしたのか気付き、顔を赤らめる。

「……あ…あ〜…うん、こ、今夜はどうすんだ?ここに泊まるのか?」
一応持ってきた荷物を軽く背負い直しながら尋ねる。

464 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 01:20:02.94 0.net
疾風の大きな手が私の頭を撫でてくれている。
そんな感覚に惚けていると、慌てた様に疾風が声をかけてきた。
...そのつもりだったけど、此処はもう安全じゃない。宿泊など不可能だ。

「ん...... 帰る」

何だか名残惜しい気もするが... っと、何を考えているんだ私は。
一瞬浮かんだ光景を首を振って追い払う。若干赤らんだ顔を背けて疾風に言う。

「...また、明日ね」

465 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 01:26:59.40 0.net
「そうか…んじゃ、家まで送るよ。こんな夜中に一人で歩かせる訳にはな…」

むしろ一人で歩いてる悠綺を狙った不審者が怪我しそうだ…とは口が裂けても言えない。

「何も無いとは思うけどさ、一応よ。」

466 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 01:35:12.22 0.net
「...じゃあ、お願い」

遠慮がちに手を伸ばす。「手を繋ごう」と言うサイン。
このまま一分一秒でも長く、疾風と一緒に居たかった。
けれどもこの幸せな時間もいつか終わり、次回を待つのみの時間がやって来るのだろう。

それでも、傷つき傷つけ合って次回が訪れないよりは、ずっとずっと良いことなのだ。
その次回を迎えられるように、そう思っての決断だった。
もう、後悔はしない。覚悟は決めたのだ。
すっと伸ばした手に吹いた冷たい風が、火照った悠綺の肌を撫でて通り抜けていった。

467 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 01:43:05.62 0.net
伸ばされた手の意味を考え、すぐに気が付きこちらも手を伸ばす。

悠綺といつまでも居れたらいいな…と考えるが、ふと思い出す。
「あ…やっべ…涼風心配してんのかね…しゃあない、一回メールしとくか…」
何か緊急事態が起きたかの様に出てきてしまった為、心配しているかもしれない。
現状を説明するメールを送っておこう…

468 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 02:08:49.48 0.net
「......?」

伸ばして直ぐに引っ込められた手の真意を理解しかねる。
すると疾風は携帯を手に何やら入力し出した。気になってその画面を除きこむ。
表示された宛先。...ああ、あの疾風の幼馴染みか。
何だか面白くない気分になって、ジトつく視線で疾風に抗議する。

...もう、いい。疾風の手を待っていた、自分の手を引っ込めて。
足早に自宅へ向けて。真っ直ぐ帰路を歩いていく。

469 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 16:38:30.43 0.net
素早くメールを打ち込み、よしと悠綺を見ると何故か既に動き出している。
「あ…ちょっ…待ってくれよ!」

さっさと追い付くが、表情が怖い。
「あー…悠綺サン?何か怒ってらっしゃる…?」
恐る恐る尋ねてみる。

470 : ◆taZqHR8ods :2014/05/09(金) 20:10:23.73 0.net
次の隼鐘ロール終わったら4日目朝に進めてもよろしいですか?

471 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 21:06:27.74 0.net
自分はおけっすよ~

472 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/09(金) 21:27:57.07 0.net
どうぞ!

473 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/09(金) 21:34:51.66 0.net
>「あー...悠綺サン?何か怒ってらっしゃる...?」

「...別に」

まるで何かに怯えるように、縮こまった疾風が訊ねてくる。
その様子が何故だかとても面白く、だが不機嫌な表情を崩さずに言葉を返す。
そして疾風を取り残すように、バックパックの金属音を鳴らして駆け出した。
その表情を、しかめっ面から清々しい笑顔に変えて。

474 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 21:57:26.23 0.net
>そして疾風を取り残すように、バックパックの金属音を鳴らして駆け出した。
「あっ…だから置いてかないでくれって!」

駆け出した悠綺を追いかけ、疾風も夜の街を駆ける。
(こんな楽しい生活が続けれるなら…守る力を失うのも…仕方ないか…)

475 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/09(金) 21:57:51.46 0.net
よし、四日目行こう。

476 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/09(金) 22:02:01.79 0.net
「ふあぁ〜あ…起床…」
近くに置いてあった時計を見る…が、どうやら壊れていて止まっている。これじゃ使い物にならないだろう。
「現在時刻…何時?」
時計がないから時間が分からない。
…とりあえず、片付けから始めるか。時計のことはあきらめ、黙々と片づけを始める。
片づけは意外とあっさり終わった。使えそうな衣服はしまい、それ以外は別の場所にしまった。
そして下にあった男性の死体を椅子ごと外に運び出し、椅子ごと土に埋めた。
…決して死体に触りたくなかったからとかじゃない。断じて違う。
「任務…完了!」
(任務じゃないだろ…)
「い、いいの!」
(まあいいか…そういえば下に金属製の靴があっただろう?あのスパイクシューズは隼鐘さんが作ったんだよ)
「スパイク…!スパイク、必要…!」
そして見つけたスパイクは完全に金属製だった。
「履き心地悪そう…」
とか言って履いてみたらサイズはぴったり。動きやすい。それでもってなかなか脱げない…完璧だった。
一つ欠点があり、履くのに苦労するということであった。
「うん、跳躍可能!」
(彼女には貸しを作ってしまったね)
「どうせ、睡眠中の会話…したんでしょ?」
(珍しい、日本語らしい日本語だ…!)
「うるさい…沈黙を要求!」
(はいはい〜、あいつに勝手にペラペラしゃべってごめんなさいね〜っと)
「ぶぅ〜」
くだらない会話を交わしながら少女はとりあえず校庭のほうに行った。
さすがに初日ほど戦闘は行われてはいない。なぜならたいていの人間がここまでで倒されたり…
…殺されたりしたからである。
「動物、探索…食料、探索…!」
(買えばいいのに)
「一文無し…」
(全く、どうして君はおこづかいをすぐに使ってしまうんだい?馬鹿なのかい?)
「食料は自然界に存在している…その気になればあの花もあの草も飲食可能!」
(飲食とは言わないんじゃないか?)
「ぶぅ〜」
おなかを鳴らしながら校庭の隅っこに座ることにした。

477 :御有楽&二神 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/09(金) 22:14:51.33 0.net
【視聴覚教室】

「…分かりました。以後、仰せのままに。」少女の目には光がなく、暗い闇だけが映っていた。

先日まで白河と共に行動していた御有楽 鈴の姿はそこにはなかった。
彼女の【能力】に目を付けた会長一派が、彼女を拉致・洗脳したのだ。

御有楽の【異物吸収(ギフトキャッチ)】は第三形態へと進化していた。【能力】を封じる力へと…。

「で、私が彼女のお守役と謂う訳ですか…。」
彼の名は二神 一(ふたがみ はじめ)。残り少なくなった鎮圧部隊のメンバーだ。

「あまり乗り気はしませんが、いいでしょう。会長の命とあれば致し方ありません。」
(それに彼女の【能力】を利用すれば…。)

彼もまたある想いを持って鎮圧部隊に参加したのだ。野望と謂う想いを。

「では、残った強き者達の力を封じ、ここに連れて参ります。行くぞ御有楽君。」

戦挙の終わりが近い…。そんな予感の四日目が始まった。

478 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/09(金) 22:18:11.31 0.net
/敵役に回る御有楽の【能力】ですが、能力封じ的な力を募集します!
ちなみに第一形態は能力によるダメージを取り除く。第二形態は能力そのものをすいだし、暴走を抑えるでした。

479 :名無しになりきれ:2014/05/09(金) 22:51:11.67 0.net
>>478
【能力捕鎖】(アビリティプリズナー)
背中から特殊な鎖を放ち 操る能力
これは生物の体をすり抜け『能力』に絡みつき封印しようとする
鎖で締め上げる力が強ければ強いほど能力は封じ込められる
操れる鎖の本数は最大で20本であり
理論上は20人の能力を同時に封じ込める事ができる
ただし 能力の抗う力が強ければ封印を振りほどかれる危険性もある
鎖は何も1人につき1本でなく 2本以上に絡みつける事が可能

480 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/10(土) 00:34:35.26 0.net
「ふぁぁ…よく…は寝れてないかな」

悠綺の家は疾風の家からは遠く、あまり寝れなかった。
「おはよ、疾風。朝は牛乳だったよね」
「おう、流石涼風だよく分かってる……え!?お前まだいたのか!?」
キッチンに向かうと既に制服に着替えた涼風が居た。
どうやら涼風は結局泊まっていたらしい。覚えてない位すぐに寝たのか…

「ほらほら疾風、さっさとしないと遅刻するよ?」
「へいへい…着替えてから食うよ」
「早くしなよー」

素早く着替え、朝食を食べ終えてから共に学校へ向かう。
部屋から出る所をお隣さんに見られていぶかしげな視線を向けられるが、涼風は気にせず歩きだす。
(今度会ったら誤解とかなきゃなぁ…)

「おっ、お前さん達。一緒に学校に行くの久しぶりじゃねぇか?」
話し掛けてきたのは近所の八百屋の店主。
昔から何かとお世話になっている。

「あ、おはようございます。」
「おう!仲のいいお二人さんにはこれをやるよ!」
店主がりんごを二つ、投げ渡してきた。

「いいんですか?」
「いいっていいって!んじゃ、頑張んなよ!」
「はい!行ってきます!」

その後、お互いのの行動指針等を伝えあいつつ学校に移動する。
生徒会長に接触する…という話は伏せておいた。

481 :名無しになりきれ:2014/05/10(土) 02:35:24.94 0.net
>>478
【凛廻制封】
現在発動している能力を封じ込める能力
効果を付与したり発揮させている部位に触れることでその効果を打ち消し封じる
これは実体の無いものも同様。実質的に能力産の波動による遠距離攻撃は触れた瞬間に無効化できる

ただし無効化できるのは能力による効果のみであることに注意するべし
具体的にはバットに炎を纏わせた場合は無効化できるのは炎のみ。バットが能力の産物なら封じることができる
物質生成系の能力は「完成した地点で普遍的な物体となる」場合は無効化不能。任意で召喚可能なものなどは「能力そのものが武装」と言えるため封印可能

さらに、封じたものと別の能力の使用は封じることができない
先の具体例でバットに炎を纏わせることを禁じた場合、他の物に炎を纏わせたりそのバットに氷を纏わせることは可能
能力そのものを封じるのではなく、能力によって生じる現象を封じるものなので相手の能力使用に先手を打って対処することは不可能
但し術者が解除するか一定時間の間は封じた能力は使用できない。いかに効率よく封じ込められるかが鍵となる

482 :御有楽&二神 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/10(土) 08:55:21.07 0.net
>>479
>>481

有難う御座います。ではこちらでいきます。

【能力捕鎖】(アビリティプリズナー)
背中から特殊な鎖を放ち 操る能力
これは生物の体をすり抜け『能力』に絡みつき封印しようとする
鎖で締め上げる力が強ければ強いほど能力は封じ込められる
操れる鎖の本数は最大で20本であり
理論上は20人の能力を同時に封じ込める事ができる
ただし 能力の抗う力が強ければ封印を振りほどかれる危険性もある
鎖は何も1人につき1本でなく 2本以上に絡みつける事が可能

483 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/10(土) 11:25:52.72 0.net
能力浄化計画。それは光だった。
能力に振り回され、多くを失ってきた私にとっては。
能力が独り立ちし惨禍を生んだ、その光景を見た私にとっては。

だがある人物たちにとっては、それは影だった。
白河蛍をはじめとする、現生徒会に対するレジスタンス勢力。
昨日の少女のように、能力と助け合って生きるもの。
疾風のように能力を制御しきった者にとっても、それは影なのかもしれない。

それでも、私にとっては。それは光だった。
垣間見えた希望に吸い寄せられるように、私は理想に手を伸ばそうとしていた。
何故だろう、これからの生徒会との接触を前に手が震える。
だが、もう引き返さない。希望を掴むまでは止まらないと、そう決めたのだ。


途中、昨日の少女の様子が気になって星羅のアジトへ足を運んだ。
シャワールーム近くの空間までたどり着くと、広がっていたのは無人の空間。
そして整頓されたスペース。あの後彼女が起きて掃除でもしたのだろう。
荒らされた形跡もなく、とりあえず無事そうで何よりだ。アジトをでて粗末な墓碑へと向かう。

並んだ二つの標。名前もないそれを前に瞑目する。
彼らの無念を、求めたであろう世界を。私が晴らす、私が創る。
もう、傷付けるための者だけじゃない。一人の人間として、理想の礎を築くのだ。
そのためなら私は、他のなにも要らない。
閉じた瞳の奥に想いを宿らせる。雲の切れ間から差し込んだ光が柔らかく悠綺を照らしていった。

484 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/10(土) 11:55:51.90 0.net
ロールのご参考に。メモ書きをば

名前:入江 紅牙
性別:男
身長:178cm/体重:73kg
学年:2年/部活:未所属

【MultiChimeraDevice】
様々な動物のDNAを取り込むことでその動物の性質を得ることができる能力。
得た性質は体の好きな部位に適用することができる。
胸に能力の力で浮かび上がった紋様のそばに近づけるとそのDNAを取り込むことが可能。
能力を使用した場合性質や変異が人間より遠ざかるほど疲労する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【MultiChimeraDevice】は学園を利用して能力の構造を解析した理事会による、『試作型人工能力』である。
そのため能力に自我や意識は無く、対話も不可能なら暴走も覚醒も起こりえない。まさに己の手足の延長である
しかし細胞の変異において拒絶反応は存在するため、使用するごとに細胞がダメージを受ける
結果としてそれは疲労に似た倦怠感という形で発現する。行き過ぎなければ十分な休息による回復は見込めるレベルである
ちなみに他の能力と比べて人工的な名称はこの経緯によるものである

人工能力は刺客を目的として作成され、紅牙もまたその一人である
そのため自身の能力の応用や戦闘技術についてはレクチャーを受けており、その実践教育として学園に編入した
その際に大方の生物は取り込んだために取れる手段は非常に多い

今回の戦挙における異変を感じた理事会が彼に現在生徒会の偵察指令を与えている
だが紅牙自身は理事会に対して反発心を持っており、また自分の意思で動くものたちに無意識に羨望を覚えている

485 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/10(土) 18:30:11.47 0.net
涼風と別れ、どうしようかと考えた結果。

「……とりあえず、詠未と星羅に会いに行こうかな…」
そう思い立ち、足早に移動する。
校内を歩く生徒はかなり減ってきた、参加していても怪我をしている者も多い。

「……これは…?」
校舎の壁にいくつか血痕がある事に気付いた。
「……まさか…な…」
頭に浮かんだ悪い予感を振り払う様に首を振る。

ようやく詠未達の墓に着くと、先客が居た。
「あ…ゆうっ…」
名前を呼ぼうとしたか、空気を読んで、静かに近付く事にする。
そして、隣まで近付いてから肩を叩く。

「よっ、悠綺…おはよう」

486 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/10(土) 21:44:29.96 0.net
思いもよらぬ来客。唐突に置かれた手。
驚きに肩を跳ねさせて声の主を見ると、そこには疾風の姿があった。
必要以上に驚いてしまったことが、何だか気恥ずかしい。
しかし最早見慣れた顔が近くにあるというだけで、そこには安心感があった。
ほっと息をついてから、かけられた声に答える。

「おはよう...」

疾風には、酷なことを頼んでいるのかもしれない。
彼が光に包まれ一命を取りとめたとき、確かに何かの声が聞こえた。
あれはきっと疾風の内包された力。『能力』の声だったのだろう。
そうして生きてきた一種の相棒を、私の我儘のために抹消するに等しい。

だけど、こうして朝声を掛け合えたように。夕もまた声を掛け合えるように。
そうして日を巡らせて次の朝も声を掛け合えるように。私は理想を追い求めたかった。
だから、ついてきてくれている疾風に。迷う姿は見せられはしない。
さっと背を向け先を急ぐとでも言うように、生徒会の待つであろう一室へと足を進める。

「......じゃあ、行こっか」

487 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/10(土) 22:00:34.93 0.net
【生徒会室】
この部屋で迎える四日目の朝。昨日一日を使い、ありとあらゆる文献を漁ったが、結局失った【能力】を取り戻す術は見つからなかった…。

だがこれ以上の時間を費やす訳にはいかない。多分、残っている生徒もかなり少なくなっているはず。

鶴吹、剣、隼鐘、古藤、御笠、それに御有楽…。自分と共に戦ってくれた、または共闘を約束してくれた者達。果たして何人が残っているのか…。

それにそろそろ会長一派が本格的に動き出す頃。例え自分一人になろうともやらなければならない。

「ふっ…。元はと謂えば俺は一人だったはず!何を躊躇しているのだか…。」
仲間の存在が自分の心を弱くさせた。そう感じたのは、仲間以外にも失った者があったからだろう。

会長のデスクの右隣。副会長として自分が使っていたデスクを片付けると、そこには一本の小さな鎌だけが残っていた。

「比良坂…今の俺には力がない。お前の力を貸してくれ。」
その鎌に鎖を取り付け、所謂【鎖鎌】を一つ手に、一匹狼ならぬ一匹狐は戦場へと歩き出した。

488 :牛島 ◆hcuE9sjb3fzm :2014/05/10(土) 23:34:01.42 0.net
>>487
【生徒会室の近くの天井に能力による筋力補正で張り付いていた牛島は白河が生徒会室から出てくるのを待っていた】

【生徒会室に白河がいるのは選管の持っている端末のGPS機能により知っていた故の待ち伏せだ…】

生徒会室からやっと出てきたなぁ…

へへへへへ…白河ぁ〜
【不気味な笑みを浮かべながら呟く…】

今からこの両手でぶっ潰してやるよぉ〜…


喰らえ!白河ぁぁぁあ!!!


【能力で腕をゴリラ化させ天井から襲いかかる】
【ゴリラと表現したがゴリラの腕よりも一回り大きな腕である】
【「鉄人」の異名はまさに牛島のためにあるようなものであろう】
【凄まじき剛腕が白河に向かい振り下ろされた…】

489 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/10(土) 23:53:56.97 0.net
>>488
部屋を出ようとドアノブに手を掛けた瞬間、一瞬の殺気を感じた。人と謂うよりは獣に近い殺気。

俺はこの獣を知っている…。会長に飼い慣らされているこの獣を。

「この感じは牛島。やはり本格的に動き出したか。」

今迄動いていた鎮圧部隊とは違い、会長に近しい者が動き出したと謂う事だ。

(ならば天照や二神も…。一筋縄ではいかない奴らか。)

先程用意した鎖鎌。その斬れ味を試すには丁度良い相手かもしれない。

「比良坂…試させてもらうよ。」

ドアを開け、何事もなく足を踏み出す。案の定、頭上から殺意が降って来る!

しかし慌てる事なく、獣の腕目掛けて鎌を投げ付ける。と同時に自身は前方に転がった。

【白河 蛍:頭上の牛島 剛に向かい、回避行動を取りながら鎖鎌で攻撃。】

490 :牛島 ◆hcuE9sjb3fzm :2014/05/11(日) 00:54:38.69 0.net
鎖鎌ぁ…

【鎖鎌は牛島の鋼鉄の腕に弾き飛ばされる】

粋な真似?…洒落た真似…
なんだぁ…まぁいいや…

鬱陶しいことしてくれたけど俺のこの鋼鉄の腕にはそんなもん効かねえんだよぉお

お前には本気で行ってやるよぉぉお

うぉぉおおおおお

【牛島の体が膨れ上がりタンクトップが張り裂ける…】
【そして全身がゴリラのそれに変わる】

ふふふふふ…
見ろ、この美しき肉体美を…
この鋼の体は銃弾すらも通さん

そんな鎖鎌なんざ屁の役?ちがった…糞の役にも立たないんだよぉぉお

【鈍重…しかしぶつかれば一溜まりもないような勢いのタックルを叫びながら繰り出した】
【白河に向かい一直線に進んでいく】

491 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 01:15:35.26 0.net
前転から立ち上がると、鎌が弾き返されて戻って来る。鎖を手繰り寄せ、鎌の刃を確認。刃こぼれはなし。

「流石は比良坂の鎌だな。」
比良坂の墓から頂戴(拝借)したこの鎌は、【能力】産。その辺の刀よりも斬れ味や強度は良いようだ。

等と確認していると、牛島が真っ直ぐ突っ込んでくる!正に闘牛…いや、この場合は闘猿か。

直撃手前で牛島の頭に手を掛け、その反動で宙に舞う。

空中から再び鎌を投げ付ける。今度は脚の関節を狙って。

492 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 01:28:58.53 0.net
学ランを風に靡かせる、屋上にひとつの影。
襟元のファーが頬を擽る感覚を無視し、手すりにすがって周囲を見渡す。
その目は、鷹の目。三次元機動における狩猟行動を可能とする高い視力と空間把握能力。
全方位渡せる聴覚も良いが、こと広範囲での探し物となるとやはり視力が物を言う。

「......ったく、面倒くせぇ...」

開いた画面に写る顔。彼の今回のターゲット。
今回生徒会が見せた過激な運動、とある生徒の拉致行為。
その被害者である御有楽鈴の発見および監視が目的だった。

紅牙個人は今回の任務自体にはなんの興味もなかった。
故に口を開けば出てくるのは面倒事への恨み節。
それでもまあ、任を疎かにするわけにはいかない。目を見開き遠くを見据える。

遥か遠くで動く影。地を這う鷹の目は全てを見通すだろう。
結果によっては計画との邂逅、その火蓋が切って落とされるのだ。

493 :牛島 ◆hcuE9sjb3fzm :2014/05/11(日) 01:42:34.06 0.net
>>491
チッ…

【足の関節に目掛け投げられた釜を手で弾く…しかしそれは関節が弱点だというのを露見させるようものであった】

小賢しい真似してないで来いよオラァ
ご自慢の能力をつかってよぉぉお
あれぇぇえ?今は使えなかったかなぁぁあー!?

【少し速度は緩んだがしかしそのまま突進してくる】

494 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 01:52:31.72 0.net
「ったく…何で俺が…。」
肩に黒猫を乗せて祥明がぼやきながら登校してきた。

「あんたも往生際が悪いねぇ〜。諦めなさいって。」
黒猫が凛とした表情で祥明に言い返す。

「はぁ〜。俺の自由な戦挙期間が…。」
サボる気満々で立候補した祥明にとって、お目付役の北斗の存在は邪魔以外の何物でもなかった。
昨日の戦闘ですら偶然の産物。本来なら祥明にとっては避けるべき物だった。

「私がいる限りはサボれないからねぇ〜。覚悟しなさいよぉ…。ん?」
校門をくぐった途端、北斗の表情が険しくなった。

「どうした北斗?」
(猫の険しい表情ってのも面白い物だなぁ。)

「しょうもない事を考えてる場合じゃないよ。あんた、見られてるよ。」
「そらそうだろう。戦挙も終盤。残ってる生徒を見張るのも不思議じゃないよ。」
「違うね…。この感じは、人と謂うよりは野生の鷹のような感じだね。屋上の方からだねぇ。」
(野生の…入江か?)

「ならそいつは俺を探してる訳じゃないさ。何か別の物を探してるんじゃないか?」
そう、入江ならばわざわざ俺なんかを探す訳がない。

(そんな事より、今日一日をどうやり過ごすかが問題だ…。)

「祥明!取り敢えず屋上に向かいなさい!」
「え〜!やだよ!めんどくさ…っ痛て!!」
北斗に耳を噛まれた。

「グダグダ言うなら反対も噛むよ!」
「はいはい、分かりましたよ…行けばいいんでしょ?行けば…。」
文句を言いながら、今日も屋上に向かう事になった一人と一匹だった。

495 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 01:58:48.84 0.net
>>493

今度は素手で弾かれた鎌。

(関節を嫌がった?やはり鍛えられない場所もあると謂う事か。)

>「小賢しい真似してないで来いよオラァ
ご自慢の能力をつかってよぉぉお
あれぇぇえ?今は使えなかったかなぁぁあー!?」

「ふっ。お前如き三下に【能力】など使う必要はないさ。こいつで十分…だ!」

再び向かって来る牛島に、今度は分銅の付いた鎖を巻き付けるように投げ付ける。
自身は壁を蹴り、天井を蹴り、向かって来る牛島の背後に周る。

496 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 08:34:16.30 0.net
(あれは、昨日の......)

探し物の途中、見覚えの有る人物をとらえた。
昨日はいなかったであろう黒猫を肩に乗せ、一人で何やら喚いている様子が映る。
...何だあれは?まるでアイツを唆すように猫は耳に噛みついた。

此方に、来るか。別に構わないが邪魔はしないでほしい。
とはいえ猫のあの様子はまた倉庫に籠りに来たんじゃあ無さそうだ。
まあ、それを確かめるためだけに聴覚を使うのも疲れる。来たら来たで今は後回しだ。
存在を確認しながらそれを認識の外に追いやり、猛禽の目は学園を見渡した。

497 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 09:19:49.57 0.net
屋上のドアを開けると、そこには体格の良い男が一人。

「やっぱり入江か。何か探し物か?あ!待て、今日はやる気はないよ。」
両手を横に広げて敵ではないアピール。

「探し物なら手伝うぜ。昨日の敵は今日の友ってね。」
ゆっくりと入江に向かって歩き出すと、黒猫が頭の上に座り直した。

「ほぅほぅ、この男かぃ?昨日あんたが負けたのは。…なるほど、確かに祥明にはちょっと荷が重いようだねぇ。」
何故か嬉しそうに話し出す北斗。

「だがねぇ、今の祥明は昨日の祥明と同じじゃないよ。いつまでもやられっぱなしじゃね。」
「だからやらないって!少なくとも今はまだ…。俺にも戦挙でやりたい事が出来たし…。ともかく、何か手伝うぜ?」

498 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 09:46:21.08 0.net
背後で扉を開く音が聞こえる。
かけられた声に振り向かず手だけ挙げて応える。

「俺もやる気はねーよ。第一昨日のはお前の気まぐれだったしな...」

耳障りな声、そして喋る猫。特に驚きはなかった。そういうのも居るのだろう。
何故か上から目線じみた口調で話す猫の声が中途半端に集中を阻害する。
それにしても、手伝うと来たか。面倒事を全部押し付けてしまいたくなったが、流石に部外者に任せるのは不味い。
下手に他人を巻き込んではいつどこでイレギュラーが有るのか分からない。叩き込まれた教訓が腹の底で喚く。

「で、なんだそのよく鳴く猫は。ペットでも連れてきたか?
 気が散るから其処からでも放り投げてくれ。...気が散る」

499 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 10:17:20.04 0.net
入江は相変わらず無愛想だった。こちらを振り向かずに探し物に没頭の様子。

>「で、なんだそのよく鳴く猫は。ペットでも連れてきたか?
 気が散るから其処からでも放り投げてくれ。...気が散る」
「出来るなら俺もそうしたいよ…。」
本音だ。

「まっ、あんたの事だ。何か理由があっての探し物だろ?事情は聞かないが、困った時は言ってくれ。
俺も学校のあちこちに【目】と【耳】を仕掛けてあるからな。」
そう言うと二匹の紙兎を入江の側に走らせる。【口】と【耳】だ。

「あんたには必要ないかもしれないが、通信用の兎だ。何かあったら言ってくれよ。」

「邪魔したな。俺は強そうな奴でも探しに行くよ。」
そう言って屋上を去ろうとする。

「祥明、何かあてはあるのかい?」
「ん?そうだなぁ…昨日一年の女子を拐ってた戦管でも退治しに行くか。」

500 :牛島 ◆hcuE9sjb3fzm :2014/05/11(日) 10:39:26.61 0.net
舐めやがって!

【鎖など意にかえさぬようにそのまま突進する】
【鎖が巻きつくが勢いは殆ど衰えるはない】
【しかし白河は華麗に避け牛島は壁に激突し大穴を開けた】

なんだこの鎖…ただの鎖じゃねぇな?

【牛島であれば普通の鎖なら引きちぎってしまっていただろう…】
【しかしこの鎖は簡単には引きちぎれなかったのだ…それも当然なのだが】

ふん、まぁいいお前を潰してからゆっくりと引きちぎるとしよう

501 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 10:51:49.69 0.net
壁に向かって突進し、穴を開けた牛島。その体には鎖が巻き付いていた。

「今の俺では少々荷が重いが、こいつの性格では引いてはくれないだろうな。」

鎖を握る手に力を入れ、一気にこっちに引っ張る!

502 :牛島 ◆hcuE9sjb3fzm :2014/05/11(日) 13:23:32.26 0.net
俺と力勝負しようってかぁ!?

【両足で踏ん張りながら身体を突っ張り引きずられないようにする】

【しかし手を使えないのはやはり厳しいらしく少しずつではあるが白河の方へズズッ、ズズッと引き寄せられて行く】

チッ…手が使えないのは厳しいなぁ…

503 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 13:45:50.51 0.net
鎖を手繰り寄せながら、自らも一歩ずつ牛島に近づく。

「なるほど…今の俺なら戦菅きってのパワー馬鹿のお前とも張り合えるって事か。」

鶴吹の作り出した異空間での修行。その大半を比良坂の体術指導に費やした。それが自らの大幅な体術向上に繋がったようだ。

ゆっくりと鎖を手繰り寄せながら、一歩一歩近づく。二人の距離が手の届く範囲になった。

【能力】を失っている今の俺は、素手で手練れ達と渡りあわなければならない。
今の自分の格闘技術がどれだけの物か…。それを試すには牛島はもってこいの相手だ。

「さて…。俺はお前の弱点を知っている訳だが。」
右足で牛島の膝関節を蹴り飛ばしにかかると同時に、左手刀を牛島の目に放つ。

504 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 13:55:43.19 0.net
>俺も学校のあちこちに【目】と【耳】を仕掛けてあるからな。」

成る程、探し物には打って付けの人材と言うわけだ。
少なくとも能力を無理矢理運用している俺よりも索敵能力は上だろう。
しかし、学校中に自分の視覚と聴覚があるというのは... 俺だったら間違いなく混乱するね。
目は閉じられるだろうが、四六時中学校中の音が聞こえるのだ。こうしてアイツが会話できているのが不思議でたまらない。
...実際は違うから、話せているのだろうがな。無駄な思考に気をとられてしまった。

「...ま、受け取っておくさ。耳替わりにな」

受け取り即座に通信を起動する。別にアイツの声が聞きたい訳じゃあない。
こうすれば能力を使うことなく索敵手段が増加するのだ。使わない手はない。
耳障りな声も、少しどころでなく混じるだろうが。贅沢は言ってられない。

>「祥明、何かあてはあるのかい?」
>「ん?そうだなぁ...昨日一年の女子を拐ってた戦管でも退治しにいくか。」

流石は文字通り『壁に耳あり障子に目あり』と言ったところか。
表沙汰にはされていないであろう生徒会による誘拐事件。それをこうも早く知っている。
これは視覚より通信に気を付けた方が良いかも知れないな。何も言わず手だけ振って祥明に送る。
まあ、俺に任されたのは監視だが。俺から手を出すなとは言われたが、他のやつらが手を出すのを止める筋合いもない。

さぁて、どう転ぶかな。ウサギから聞こえる耳障りなBGMに顔をしかめつつ、それでも獣は視覚をもって対象を探す。

505 :牛島 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/11(日) 14:08:32.20 0.net
調子に乗るなよ…
俺は今両足を使ってないことをちゃんと差し引いとけよ

【左脚は捨て、目を守るため右脚で白河の左手に蹴りかかる】
【足より目の方が大切だとの判断故の行動だ…】

506 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/11(日) 14:22:20.65 0.net
>「......じゃあ、行こっか」

「おうよ!」
元気良く返事をする。

能力浄化計画…詳しくは知らないが、要するに能力を消す計画なのであろう。
自分を救う為に自ら消えてくれた『相棒』には申し訳ないが、これも愛する人を守る為だ…と思えば許してくれるだろう。

「……そういや…俺、能力無いし…悠綺を守れるのかな…」
ぼそっ…と呟く。
本来なら能力を持っていない二年など居てはいけないのだ。
一年は進級までに能力を貰う。
二年は能力を使いこなす。
三年は能力を進化させる。

それが各学年の基本的な目的だ。
現在の疾風は能力を持っておらず、ただ単に『役立たず』なのだ。
ちゃんと守れるか…不安になる。

507 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 14:36:11.27 0.net
>>505

左脚を捨て、目を守る牛島。
(良い判断だな。)

白河の右足が的確に牛島の左膝関節にヒットする。

白河の強さは【能力】による物ではない。カウンター前提の【衝撃排出】は、文字通り後手に回る。故に普段の戦闘では体術のみで切り抜けてきた。その体術も半年の特訓で向上している。

普通の人間ならば音を立てて砕ける所だが、流石はゴリラの脚だ。多分折れたではあろうが、動けない程ではなさそうだ。

左脚を折られても尚、右脚で左手に蹴りかかる牛島。白河は目を狙っていた横向きの手刀を90度回転させ、牛島の脚を掴みにかかった。

508 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 14:43:23.08 0.net
「......そうだ」

あることを疾風に伝えるのを忘れていた。
昨日の一件。探索の際に意思疏通ができなかったのが不便だと感じた。
それを教訓に作り上げた通信端末。なんの事はない音声通信機だ。

チョーカー状のそれを疾風の首に巻こうと背伸びする。
だが小柄な彼女の背丈ではそれは叶わない。それに気づくと悠綺は背伸びを止めた。
若干顔を赤らめながら、疾風から目をそらしながら。

「頭、下げて」

両手にチョーカーを持って、気恥ずかしそうにそう言った。

509 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/11(日) 14:50:34.58 0.net
>チョーカー状のそれを疾風の首に巻こうと背伸びする。
>若干顔を赤らめながら、疾風から目をそらしながら。
>「頭、下げて」

(ん…んんん?これって…もしかしてききき…!?)
恋人居ない歴=年齢の男子…しかもアニメやゲームが大好きな奴が勘違いしない訳がない。
チョーカーは見事に視界からシャットアウトされていた。

「お…おう…」
妙に緊張しながら中腰になる。

510 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 15:00:24.40 0.net
「で、その拐われた少女ってのは何処にいるんだい?」
屋上から降りる階段の途中で黒猫が尋ねる。

「多分視聴覚教室だと思う。ただ、教室内にはスキがなさ過ぎて【鶴】を侵入させられないんだ。」

昨日、白河副会長に会いに行った一団を追わせていた【耳】の式神。その後、他のやつらは散り散りになったが副会長は部屋に籠ったままだった。
仕方ないので部屋を出た少女の後を追跡させていた式神がたまたま拉致事件に出くわし、後を追って行った先が視聴覚教室と謂う訳だ。

「昨日から見張らせて(この場合は耳張らせてか…)るけど、犯人達は出て来てない。…あ!」
「どうした祥明?」
黒猫が頭の上から顔を覗き込む。

「しっ!静かに…。誰か出て来た。」
俺は足を止めて、その場で聞き耳を立てた。

511 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 15:00:28.69 0.net
目の前まで降りてきた、疾風の顔に。
何故だか緊張してしまい、鼓動が早くなる。
出来るだけ彼の顔を見ないようにして首に手を回し。
カチャ、と首の後ろで無機質な音が響く。

「それで、通信できるから...」

間違いなく顔が赤くなっている。そんな顔を見せないように。
すぐに振り返り顔を背けると、先行して歩き出す。
目指す先の一室、そこからが本当の戦いなのだから。
髪に受けた疾風の吐息の感覚を思い出しながら、俯き気味に歩いていった。

512 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/11(日) 15:13:39.92 0.net
目を閉じ、少し期待しながら待っていると、首に何かを巻き付けられた。

>「それで、通信できるから...」
「え?……あぁ、そういうことか…」
首に巻き付けられたそれは、某名探偵の蝶ネクタイのようなイメージの代物なのであろう。
明らかに落胆しながら悠綺を追いかける。

「……はぁ…ま、重要な件の前にキスとか…死亡フラグだしな…」
一人呟き、近付く目的地で何があっても対応出来るように、木刀の包みをほどく。

513 :御有楽&二神 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 15:15:45.17 0.net
【視聴覚教室前廊下】
「さて、私達の目的は三人。一人目は先日忌々しい黒響を倒してくれた白河と隼鐘悠綺という一年女子。」
二神の口から笑みが溢れる。綿密に計画を立てる二神にとって、大雑把な黒響は邪魔で仕方なかったようだ。

「白河の方は牛島が向かっているから、こいつがやられた後で十分です。あの脳筋男が元副会長に勝てるとも思えませんしね。」
同じく牛島も目障りだと感じている二神にとって共倒れが理想的だが、実力的にそれはないだろうとの予想だ。


「二人目は入江紅牙という二年男子。黄昏達を失職させた、今や優勝候補の男子です。ただ、理事会側との繋がりも噂されてますので、これは天照に任せる事にします。」
理事会側との接触はまだ望む所ではない。会長の首を差し出す、その瞬間が理想的なのだ。

「で、三人目ですが、剣疾風という二年男子。【憑依】された比良坂という一年を倒した事で一躍有名人ですね。
隼鐘も彼と行動しているようなので、先ずは彼等二人に接触し、抵抗する様なら【能力】を封じると謂う事です。」

「…はい。仰せのままに。」
目に光のない御有楽が機械の様に答える。

「まったく、気味が悪い…。嫌な役目ですよ。」
文句を言いながら駆け出した二神とその後を追う御有楽。
二人の行き先は昨日、死闘が行われたあの隠し空間であった。

514 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 15:36:41.00 0.net
「…入江が狙われている!?」

(教えるべきか?いや、例え教えた所で俺の言う事を素直に聞くとも思えない…。それにもしかしたら今の会話を聞いているかもしれないし…)

「っ痛てぇ〜!!」
考え事をしている俺の頭に爪を突き立てる黒猫。

「どんな会話か分かる様に私にも教えなさいよ!」
「あ〜!分かった!分かったから爪を引っ込めて!」


「…と謂う訳だ。三組の生徒が生徒会側から狙われると。」
「で、あんたはどうするつもりだぃ?」

そう聞かれて固まる祥明。強い奴と戦って戦挙を乗り切る!それしか考えていなかった祥明にとって、この対立構造に身の置き場を失ってしまった…。

「そうだな、んじゃ俺は…。」

515 :牛島 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/11(日) 15:49:43.19 0.net
【蹴りを入れられた左脚が音をたてて折れる】

【その苦痛に顔を歪めながらも手を弾こうとする…】

【しかし白河の手は90度転回し右脚も掴まれる】

関節を狙ってくるとは…
流石副会長だ…
だがな、簡単に俺の脚を掴めると思うなよ

【そう、彼は「鉄人」…彼の脚を砕いただけでもたいしたものだがタダでさえ脳筋な牛島が能力により筋力補正されているのだ】
【殴れば周囲5mにヒビをいれるその力がこのまま脚をつかもうとするとその手に襲いかかるだろう…】

516 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 16:11:54.45 0.net
通信を起動したウサギから漏れる声が、情報を逐一俺に授けてくれた。
お陰で奴等の行動指針は掴めた。ベラベラ喋ってくれて楽になったな。
俺の立場が割れかけているのが問題と言えば問題だが、奴等にとっては優先度の低い事項らしい。
後は祥明が追ってくれるか調査するかを待ってるだけで、巻き込むことなく任務をこなせるというわけだ。

「だいぶ楽になってくれて助かったぜ...」

鷹の目を解除。ちょっと目が疲れたかな。
こういうときに目薬でもあればいいのだが、あいにく持ち合わせてなどいなかった。
よって両の目頭を抑え強く目を瞑る事となる。力を使うとこれだからいけない。
ふと気づく。祥明の奴にも立場が割れかけていることに。
気付かれたら気付かれたで別にどうということも無いが。面倒事は避けたかった。

そんな思考に浸っていると、俄にウサギが騒ぎ出した。
あの猫か。ったく、一々騒がしいっての。
屋上で一人悪態を吐きながら、フェンスに寄りかかり昨日と同じように空を見上げた。
薄暗く厚い雲の切れ間から、太陽の光が除いている。
今日は、荒れるかもしれないな。差し込む光に目を閉じ、フッと笑みを漏らした。

517 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 16:54:44.85 0.net
左手で牛島の脚を掴んだ。瞬間!腕に激痛が走る!

痛みから逃れるようにそのまま右に吹き飛ぶ。廊下の壁に激突し、その場に崩れ落ちる。

(反射的に左手を出してしまった…。)

そう、いつもなら左手で【衝撃】を吸収し、そのまま右手で【排出】すれば牛島を倒せた。はずだった…。

だが今は【能力】を使えなかった。それを忘れていた訳ではない。反射的に左手が出てしまったのだ。

(やばい…蹴られたダメージは飛んだ事で殆どないが、壁に激突したダメージが…。)

『…蛍…よ…我が…主…よ…。』

(…痛みで幻聴まで聞こえだしたか。)

砕けた壁の骨組みを掴みながら、やっとの事で立ち上がる。

(脚は…動く。腕は…問題ない。)

「ふっ…、今のは少し効いた…かな。どうした?…もう、終わり…か?」

518 :レゴソラ/泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 17:06:34.29 0.net
ん…誰だろう、私たちの墓を漁る者がいるようだ…
撃退するほどの力もないし、そもそもアタシはただの亡霊だからどうこうするつもりはないけど…
そうして傍観していたら、その男は死体の左腕の付け根部分から生えていた鎌を抜き取った。
そしてその男は墓をもとのように戻し、去って行った…

…面白いじゃん。アタシを使おうっていうのかなぁ?じゃあ、少しだけ…あの鎌に【憑依】してやろうか。
鎌に描かれた美しい紋様が紅く光った。
*+☆+*――*+☆+*――*+☆+**+☆+*――*+☆+*――*+☆+*
「ど、どうも…」
これで何回目だろうか。おなかをすかしているとはいえ、27個もおにぎり食べられないよ…
落奈の体は少し痩せすぎているようにも見えるほど痩せている。それがお腹がすいているように見えたのか、
はたまた儚げな少女だだのなんだのといったイメージを与えたのか(つまり好かれたいのか)、通りかかる男子生徒の4割が
何かしらの食糧を恵んでくれていた。
…しかし、そうして貯めていたらいつの間にか27個もおにぎりがたまってしまった…
「食べられるかなぁ?」
(食べないと失礼でしょ?)
「…承知済み」
校庭の隅っこで、一人黙々とおにぎり大食い大会を始めた。

519 :レゴソラの魂 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 17:12:41.33 0.net
>>517
紅い紋様が一層紅く紅く光る。
そして、使用者に語りかける。
『ねえ君、こんな暴れ馬なアタシを持っていくなんていい度胸じゃん。その気になれば君に憑依しちゃうことだってできなくもないんだよ?
フフ、アタシが過去に何をしたかは知らないはずがないよね。だって昨日のことだもん。まあ、反省はしてるけどさぁ?
…墓を荒らす君も君でどうかと思うんだよねー、だから契約しない?君はアタシのために何かできることはある?
例えばそうだなぁ、ダーリンと星羅ちゃんの遺体を火葬する手続きとかさ、もしくは…』
そういうと紋様は点滅した。
『この紋様に定期的に血を垂らしてくれれば、アタシはそれでも構わないよ。そうすればアタシは100%に近い力を出せると思う。
少なくとも、ゴリラの頭一個はね飛ばすくらいの風は出るよ?フフ、どうするよ?』
まるで悪魔のささやき…でも、アタシは面白い奴が好き。最悪鎌を自壊させるだけで事は済むし…
後はこいつの答え次第かな♪なんて心の中でつぶやいた。

520 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 17:38:18.45 0.net
おにぎりを食べながら暇なのできょろきょろしていたところで、折り紙のようなものを見つけた。
「…わっついずでぃす?」
(でぃすいずあぺーぱー…ってなんで英語?)
「…なんとなく?」
(まあいいや。でもこれはただの折り紙じゃあなさそうだね。もしただの折り紙ならわざわざこんな置き方しないだろうし)
「…スキャン」
ピィィィンとモスキート音にも似た音を立て、目が紫色を灯す。
構造は単純な紙ならばそのように見えるが、中がよく見えない。
…この見えにくさは能力産の物体特有のものだ。ということは……
「形状…恐らく目。材質…紙に近い何か。詳細…不明。判定…この物質を能力に由来するものと断定。
調査を続行…」
しばらく見つめていると、思いっきり目があった。
…多分さっきから目が合っていたのだろうけど。
「…!!…驚愕」
(ハハハ、今更目が合ってたことに気が付いてやーんのアハハハハ)
「…沈黙を要求」
すると、この物質から何か電波のようなものが飛んでいるような…何か知らないけれど。
「…この物体、通信機?」
(だとすると使用者に何かを送信しているんだろうね…形状的にはカメラ的な役割を果たすわけだ)
「こうしたら目、逸らすかな?」
おもむろにおしりを向ける。改造された短いスカートは、少しお尻を向けるだけで簡単に中にはいているものをさらけ出した。
(な、なにしてんのさ!)
「…どうせ、スパッツ…」
(この変質者)
「色気も大事…?」
(君がそんなことしても誰も興奮しないよ)
「す、するもん!する人だっているもん!…多分」
(いないいないって)
「じゃあ、そういうセンちゃんはどうなの?」
(そ、そりゃぁ…)
「ムフフ〜、触りたいなら触って…いいよ?」
(触れるわけないでしょ?怒らせたいの?)
「ご、ごめんなさい…」
目のことなどもはや気にしていなかった。

521 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 17:56:38.28 0.net
「俺は…、わぁ!!」
校庭に飛ばしていた目にスカートの中身が映りこむ。

「どうしたんだぃ?祥明。顔が真っ赤だよ?」
「な、な、な、何でもない!と、と、取り敢えず校庭に行こう!回収しなきゃダメな式神が出来た。」

足速に階段を駆け降り【目】があった場所へと向かう。

「ちょっと…バタバタしないの!落ちちゃうでしょうが!」

黒猫の苦情を無視して、校庭に到着。すると一人の少女が大量のおにぎりを方張りながら、独り言をぶつぶつ言っていた。

「あの…その折り紙、俺のなんだ。返してもらえる?」

【安部 祥明:泣沢女 落奈と接触】

522 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 18:03:43.05 0.net
「.........チッ」

あの馬鹿。密談聞いといてそっちのけで何をするというんだ?
そこは追跡か調査が妥当だろう。自分本意な思考ではあったが見えない相手に腹が立つ。
でもまあ、場所がわかったからいいか。祥明の口から出ていた視聴覚教室のワード。
そこが見える位置まで移動するか。校舎の屋上から飛び降りる。
猫の特性で着地を決めれば、聳え立つ校舎の影からターゲットの姿が買いまみえた。

...ミッションスタート。遠々距離から対象を見詰め、感づかれないよう追跡を開始。

523 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/11(日) 18:36:30.20 0.net
移動しつつ剣化を試みるが、やはり出来ない。
能力はもう使えない…という認識でいいだろう。

「……クソッ…」
能力が使えない自分が、ここまで残っている猛者と対等に渡り合う事が可能なのか、実に不安である。
でも、その不安を隠し、悠綺と接する。

「悠綺…俺用になんかギミック付きの剣…作れたりしないか?」

524 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 18:58:02.16 0.net
「ギミック付きの、剣...?」

もちろん作ることは可能だ。可能ではあるが。
そのためには素材が必要だ。できれば良質の金属が。
機能面、耐久性、取り回し。どれをとっても素材の質が影響する。
...昨日のスパイクシューズはコンクリートで適当に作ったが。

それに、具体的な性能を訊かないと要望通りには作れない。
もっとも、隠された機能はこの鉄爪のようになぜか仕込まれるのだろうが。
それを御しきれるだけの思考波制御機能も作らなければいけない。
私の能力はただの機械生成。一度作れば能力の枠から外れ、指令が無ければ動かない鉄塊となる。

確かに、これから始まるであろう激戦を前に装備は整えたい。
素材探しのために行き先をアジトへ変えながら疾風に問う。
アジトは内部で不自由しないだけの設備がある。いけばなにかあるだろう。

「...どんなのがいい?」

525 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 18:59:07.95 0.net
>「あの…その折り紙、俺のなんだ。返してもらえる?」
「能力者…発見」
慌てて走って来たらしく、少し呼吸が乱れ気味だ。
…ここで少しちょっかい出してみるか。
「触りたいなら…どうz」
そこまで言いかけたところで、突然目の前に巨大な怪獣が現れる。
「うわおっと…センちゃん…?」
(そういうのクセになる前に辞めさせないとダメだと思ったんだよ)
「ぶぅ…あ、これ忘れてた…盗撮、よくない…」
そういって紙製のメンタマを差し出す。
「あ、そうだ…おひとつ、いかが?」
鮭おにぎりを差し出す。同じものをいくつか食べたが、塩加減がなかなかに絶妙でかなり気に入っている品だ。
…説明するまでもないが。
「これ、鮭おにぎり…おいしい、よ?」
ぐいぐいと勧める。

526 :??? ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 19:04:20.96 0.net
四日目。これから裏と表が入り混じろうとしている…激戦が予想される、いわば『本戦』という雰囲気の中、
地下室のとある機材が信号を発した。
それはかつて優れた情報屋として様々な者に実に多種多様な情報を発信し、そして実に様々なことを知りえた者の所持していた
とある特殊な機械。
それは恐らく何かを計る計測機器のようだが、電源が切れかかっているのか小さな音でビープ音を鳴らす。
しかし、そこには誰もいない――
かつての住人は死んだ。腹部を一突き。割とあっさりと死んでしまった。
…しかし、彼が守り抜いたとある物体Xは、未だにその力を温存し、地下深くにずっとずっと眠っている…

そんなとある物体Xが今、目を覚まそうとしていた――

527 :名無しになりきれ:2014/05/11(日) 19:07:11.96 0.net
時間操作と空間操作の両方が扱える能力下さい
デメリット付きで、そんでもってデメリットはメチャ高いのでお願いします

時間操作はできれば時間そのものを巻き戻して過去に行ったり未来に行ったりできるのがいいです
空間操作はテレポーテーションとかができるように空間を弄り回すとかそんな感じのがいいです
デメリットは大技に見合うかなり危険なモノでお願いします

528 :名無しになりきれ:2014/05/11(日) 19:14:47.07 0.net
それ貰ってロールしたとして楽しい?
巻き込まれる側はたまったもんじゃないけど

529 :名無しになりきれ:2014/05/11(日) 19:16:54.73 0.net
すぐ出てきてすぐ消えられるようなキャラを望んでおります

530 : ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 19:18:10.67 0.net
戦闘能力をアシストできる能力を下さい〜

531 :名無しになりきれ:2014/05/11(日) 19:44:46.86 0.net
>>530
他人の?自分の?

532 : ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 19:49:56.18 0.net
>>531
説明不足ですみません!
自分の戦闘能力です。
例えば、脚力を一時的に増加とか腕力を一時的に(ryとかそんな感じです。

533 :牛島 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/11(日) 19:53:21.38 0.net
>>517
ハハハ
ギブアップ?
するわけないだろう
むしろアドレナリンが出て興奮してきたぞ

【左脚は関節部分から折られてしまい使い物にならない…】
【だが、本人がいったようにアドレナリンが分泌され、痛みは抑えられ気分は高揚している】

俺は左脚…お前は左手…
能力があったら俺の負けだったろうが…
残念だったなぁ…白河ぁぁぁあ

さぁて、そろそろ終わらそうぜぇ
お前の死を持ってなぁ!

【そう言うと右脚一本で地面を思い切り蹴り飛んできた】

/覚醒させるならさせちゃって下さい
させなくても倒しちゃって結構です

534 :名無しになりきれ:2014/05/11(日) 20:14:45.49 0.net
>>532
【足手纏い】
手と足に特殊なオーラを纏う能力
これらのオーラは併用することも可能

手には『足として使用できるオーラ』を纏う
これにより通常の走行より速い四足歩行やバランスの崩れない倒立が可能
倒立回転なども簡単にこなせるため行動の幅が拡がるだろう
また、腕よりも強力な脚の力でパンチ力を約3倍程度にまで引き上げることも出来る

足には『手として使用できるオーラ』を纏う
これにより足付近で武器や道具を保持することが出来る
両手両足に武器を装備しての四刀流も可能
糸を結ぶ、暗証番号を入力するなどの細やかな動作も通常通り出来るほどには器用だ

ただしオーラを纏うには準備時間またはクールダウンの時間が必要
つまり手のオーラを纏えば手が、足のオーラを纏えば足が使えない時間を直前か直後に用意する必要がある
そうして何もしない時間を設け、その時間に応じてオーラを纏える時間が変わる
前払い時は最高1分、後払い時は最高30秒までオーラを纏うことができる
手のオーラを纏う場合、何も持たず力も込めない状態が適応される
足のオーラを使う場合は足を動かさない「ただ座っているか立っている」状態が適応される

535 : ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 20:24:26.15 0.net
>>534
デメリットもちょうどいい感じで汎用性も高い能力ありがとうございます!
ぜひ使わせていただきます!!

536 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/11(日) 20:25:16.75 0.net
「そうだなぁ…」

ギミック付きの剣を…と頼んだのはいいが、肝心のギミックが思い付かない。
今まで見たゲームやアニメの武器を思い出してみる。

「ん〜…鞭みたいに伸びる剣、とか…切っ先から弾が出るとか…他には…分離して二本になる、とか!」
後半は段々テンションが上がってきて過去の病を再発しそうになったが、あったら便利そうだな…と思うギミックはこんな感じだ。
これ以上つけると制御が難しいか、作成自体失敗してしまうだろう…既に作成が困難にも思えるが。

「まぁ、悠綺が作れる範囲で頼むよ」
幸い、そこまで急ぐ案件も無い。
生徒会長との接触は最悪、彼らが動き出してからでも間に合うと思う。
「急ぐ必要もないさ、俺はこの木刀でも悠綺を守るから…」

537 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 20:35:54.75 0.net
息を切らしながら駆け寄ると、小柄な細い少女が一人座っていた。

>「ぶぅ…あ、これ忘れてた…盗撮、よくない…」
「あ、ありがとう。」
式神を受け取ると、元の千代紙へと戻す。

>「あ、そうだ…おひとつ、いかが?」
そう言っておにぎりを差し出す少女。しかし今は戦挙中。見知らぬ者から食べ物を貰うなど言語道断!

>「これ、鮭おにぎり…おいしい、よ?」
「なに!?鮭?食べるぅ〜!!」
頭から飛び降りた黒猫が美味しそうにおにぎりを方張る…。
どうやら毒の類はないようだ。

「じゃあ俺も一つ…。」
手に取ったおにぎりは梅干しだった。種を口から吹き出し、目の前の少女に問いかけた。

「で、君は何をしてるの?」

538 : ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 20:46:38.79 0.net
新キャラ投下します
名前:滝山 紫亜
性別:女
学年:2年
体格:身長はおよそ150cm、体重は40kgほど。とても小柄。そして痩せてる。
能力:【足手纏い】
手と足に特殊なオーラを纏う能力
これらのオーラは併用することも可能

手には『足として使用できるオーラ』を纏う
これにより通常の走行より速い四足歩行やバランスの崩れない倒立が可能
倒立回転なども簡単にこなせるため行動の幅が拡がるだろう
また、腕よりも強力な脚の力でパンチ力を約3倍程度にまで引き上げることも出来る

足には『手として使用できるオーラ』を纏う
これにより足付近で武器や道具を保持することが出来る
両手両足に武器を装備しての四刀流も可能
糸を結ぶ、暗証番号を入力するなどの細やかな動作も通常通り出来るほどには器用だ

ただしオーラを纏うには準備時間またはクールダウンの時間が必要
つまり手のオーラを纏えば手が、足のオーラを纏えば足が使えない時間を直前か直後に用意する必要がある
そうして何もしない時間を設け、その時間に応じてオーラを纏える時間が変わる
前払い時は最高1分、後払い時は最高30秒までオーラを纏うことができる
手のオーラを纏う場合、何も持たず力も込めない状態が適応される
足のオーラを使う場合は足を動かさない「ただ座っているか立っている」状態が適応される

備考:滝山の妹。とある事故がきっかけで異能に目覚めた。その事故によって右腕は動かなくなっている。
泣沢女とは実は古い付き合いらしいが…詳細は不明。
なぜか地下室の特殊なコールドスリープマシンで保管されていたが、突如装置に送られている電力が低下し、コールドスリープ機能が停止、
室温が上昇を始めたため計器類がビープ音を鳴らすも所有者はすでに死亡、目覚めた彼女は自らの手で扉を開け、地下室から脱出。
今に至る。

539 :白川 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 20:51:31.55 0.net
>「ハハハ、ギブアップ?するわけないだろう。むしろアドレナリンが出て興奮してきたぞ」
強がってみたものの、かなりフラフラしている…。

>『ねえ君、こんな暴れ馬なアタシを持っていくなんていい度胸じゃん。その気になれば君に憑依しちゃうことだってできなくもないんだよ?
フフ、アタシが過去に何をしたかは知らないはずがないよね。だって昨日のことだもん。まあ、反省はしてるけどさぁ?
…墓を荒らす君も君でどうかと思うんだよねー、だから契約しない?君はアタシのために何かできることはある?
例えばそうだなぁ、ダーリンと星羅ちゃんの遺体を火葬する手続きとかさ、もしくは…』
頭の中に声が響く。どうやら鎌から発せられるようだ。比良坂の【能力】の残思念か…。

(心配しなかてもあの二人は戦挙が終わり次第、丁重に供養するさ。)

>『この紋様に定期的に血を垂らしてくれれば、アタシはそれでも構わないよ。そうすればアタシは100%に近い力を出せると思う。
少なくとも、ゴリラの頭一個はね飛ばすくらいの風は出るよ?フフ、どうするよ?』
(今の俺には有難い申し出だな。だが今はまだ必要ない!この程度の相手、自分で何とか出来ないようでは、これから先生き残れない!)

>「俺は左脚…お前は左手…。能力があったら俺の負けだったろうが…、残念だったなぁ…白河ぁぁぁあ。
さぁて、そろそろ終わらそうぜぇ、お前の死を持ってなぁ!」

(確かにこのままでは…)

そう思った瞬間、新たに頭の中に声が聞こえた。

『蛍よ、力が欲しいか?我は常に御主の側にいるぞ。』

懐かしい声…。常に側にいて、常に共に戦い、常に感情を分け合ってきた友の声。

「待たせやがって…相棒!」

右脚一歩で蹴り飛んで来た牛島。その突進力を左手で吸収し、右手から排出する!
精一杯の声を上げて!

「お前の力をお前に返すぜ!【衝撃排出】ぉ〜!!!」
そう叫ぶ白河の目には薄っすら涙が浮かんでいた…。

540 :泣沢女 落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 20:58:29.03 0.net
>「なに!?鮭?食べるぅ〜!!」
「その猫、可愛い…」
しゃべる猫という見たことのない動物に興味津々な様子。
(…全く、落奈はすぐそうやって…)
>「じゃあ俺も一つ…。」
「その梅干し、種あり…」
とか言ってる間に種を飛ばしていた。心配は無用だったようだ。
(君じゃないんだから種をかみ砕いたりしないよ)
「うるさい」
>「で、君は何をしてるの?」
「あ、えっと…確か空腹で…そこに座っていて…そしたら道行く人たちがおにぎりを分けてくれて…
食べきれなくて…暇だったからその辺見渡しながらおにぎり食べてて…そしたらメンタマが落ちてた?」
(よくできました!ぱちぱち〜)
「センちゃん、沈黙を要求。あ、そうだ…やることがない…あ、いや…やることがないから、何かやること、ない…?」
そう言いながら瞳の色は紫色へ変色した。幻はあの猫に見せておこう…どうやら、何か放置しておくと危なそう。
きっちり能力をスキャン。なるほど、紙を使役し様々なことを行える能力…か?
少し厄介かな…。

541 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 21:04:23.15 0.net
「ん......」

楽しげに構想を話す疾風に微笑ましさすら覚える。
ふわりと笑ってその話を聞き、同時に頭の中でイメージを作り上げる。
彼女の能力は【空想兵器】。自身のイメージを物体に昇華する。
よってイメージ無くして完成はしない。...が、いかんせん難しい。

伸びる刃はどうすればいいだろう。まさか金属を随時引き伸ばせるはずも無い。
銃と剣の融合はどうだろう。刀身と銃身を同一のものにすると変形して機能不全を起こしそうだが。
剣の分解はまあ簡単な方かな。構想が頭の中でどんどんと形になっていく。

それでも、急ぐ必要は無いという。今日ゆっくり考えればいいと。
笑って木刀を掲げて見せた疾風が、とても頼もしく見える。
だからこそ、早く作りたい。私が作る彼のための刃を。
アジトに向かう悠綺の足は、気持ち早くなっていった。

542 :レゴソラの魂 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 21:12:41.90 0.net
>(心配しなかてもあの二人は戦挙が終わり次第、丁重に供養するさ。)
『そうかい、なら心配はいらないね…』
>(今の俺には有難い申し出だな。だが今はまだ必要ない!この程度の相手、自分で何とか出来ないようでは、これから先生き残れない!)
『フッ、君は中々いいセンスじゃない?じゃあアタシはおとなしく成仏するとしようかね。ひとつ忠告してるけど、
今後一切墓荒らしなんてしないでね?今度やったら…ムフフ、アタシのお友達連れてくるから☆
んじゃ、また今度ね♪頑張れよ〜』
アイツは優秀な戦士だね。あんなのも学生なんだ。へー、この学校やっぱ面白いわ。うん。ウフフ、帰ってダーリンに報告報告っと♪

543 :白川 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 21:24:18.98 0.net
/御笠さん、牛島とのバトルが終わったら白河と合流しませんか?
剣君や二神とのバトルも今後想定されますので…。

544 :牛島 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/11(日) 21:25:38.40 0.net
>>539
そ、そんな…
(これはハッタリだ…)

【あれは白河の能力である衝撃排出を発動する構え】

(いやいや、さっきは発動してなかったじゃねぇか…)
(大丈夫だ!)

喰らえや!白河ぁぁぁあ!

【しかしこの後牛島の意識は途絶えることになる】
【そう、白河の衝撃排出が発動し牛島は牛島自身のパンチの衝撃をモロに受けたのだ】
【死ぬ…ということは無かったがしばらく目は覚めないだろう…】
【しかしあの衝撃を受け死ななかったというのは流石と言うべきだろう…】

【牛島も実は被害者なのだ…牛島は会長にそそのかされ口車に乗せられていただけなのだから…】
【考えればわかるであろう…ここまで単純で真っ直ぐなやつが何かなければこんなことはしない…と】

545 :白川 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 21:39:49.27 0.net
>>540

>「あ、えっと…確か空腹で…そこに座っていて…そしたら道行く人たちがおにぎりを分けてくれて…
食べきれなくて…暇だったからその辺見渡しながらおにぎり食べてて…そしたらメンタマが落ちてた?」
「メンタマって…一応【目】の付いた鶴なんだけどね。」

>「センちゃん、沈黙を要求。あ、そうだ…やることがない…あ、いや…やることがないから、何かやること、ない…?」
(センちゃん?そういやぁさっきから誰かと喋ってる様な…。まさか自分の【能力】とか?)

何て事を考えていると、北斗がヨダレを垂らしたしだ。
(こいつ、起きたまま夢でも見てんのか?)

「やる事ねぇ…。正直俺も昨日までは無事に戦挙期間をサボる事しか考えてなかったからなぁ。」

「今日だって強い奴と戦う!しか考えてなかったし…。昨日かなり強い奴と戦ってな。かなり楽しかったんだ。」
「結局、惨敗したみたいだけどな。」
「煩い!お前は起きたまま夢でも見てろ…痛い痛い!!いちいち噛むなよぉ〜。」
噛まれた首筋を摩りながら少女を見つめる。

「そうだ!あんた俺と一緒にやる事探さないか?」

546 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 21:40:55.34 0.net
/あ!ごめんなさい!>>545は白河ではなく安部祥明です!

547 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 21:41:49.26 0.net
猫に見せる幻を考えている頃だった。背後に何かがカサカサと…そう、壁を這っているような…
「…誰?」
後ろを向いてそいつに幻を見せる。幻の内容は簡潔に、大きな獣が吼えるというもの。
しかしその女はびくともしなかった。
「あなたは…紫亜!?」
思わず目を疑う。
「紫亜…会いたかったよおおおおお!あ、そうだ、おにぎり…あるよ?」
思いっきり抱き着こうと思って、まだ手に10個ほど抱えているおにぎりを勧める。
3人いればきっと食べ切れるだろう。
*+☆+*――*+☆+*――*+☆+**+☆+*――*+☆+*――*+☆+*
目が覚めれば、そこは棺のような場所だった。氷が張っているような場所だ。とりあえず出て見よう。
ふたを開ければそこは崩れかけた地下道。とりあえず、上に出よう。そこは血痕のある小さな部屋だった。
「このにおい…お兄ちゃんのだ。お兄ちゃん、死んじゃったんだね…」
とっくに枯れ果てたにおいがする。とりあえず、服着ようかな。
「この部屋だけ妙にきれいだ…うん?この片付けの癖は…落奈かな?」
見おぼえるのある片付け方。何か月も二人と一つの3人で生きてきた私にはわかる。
下着から何から新しいものに着替える。何から何までサイズがぴったりだ。…なんでだろ?
「よし、外に出るか………………」
その場に1分間ほど座り込み、そして能力を発動する。
「オーラ起動」
ヴオン、という音を立てて手に不思議な何かが纏われている。
今や私は4足歩行の動物。
さて、どこに行こうか…と、外に出てしばらく歩けばそこには懐かしいあの娘の姿が。
「あれは…!よし、ちょっと脅かしてあげよっと」
後ろに回った。

548 : ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 21:43:37.88 0.net
だあああ、リログ忘れたあああああああ!
見せる幻を考えている頃じゃなくて、沢山の食べ物を目の前に出すという幻を見せている頃
に脳内変換してください!すみませんホント

549 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 21:54:53.00 0.net
>「そうだ!あんた俺と一緒にやる事探さないか?」
「いまきたこの子も一緒でいいなら…悪い子じゃ、ないから…それに、仲間は多いほうがいい、でしょ?」
隣で紫亜もうんうんと大きくうなずいている。
「紫亜は大賛成、なの?」
「うんうんうん!友達増えるの嬉しいんだー!うふふ、もっと友達多いと嬉しいなー…
でもでも、一番の友達はぁ〜…」
紫亜がこっちの顔を見ながら顔を赤らめる。
「ウフフ♪」
「も、もう…紫亜…」
なんか、違う意味を感じて思わず顔を赤くしてしまう。

550 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 22:09:14.07 0.net
突如現れた小柄な少女。どうやらおにぎり娘と友達のようだ。

>「いまきたこの子も一緒でいいなら…悪い子じゃ、ないから…それに、仲間は多いほうがいい、でしょ?」
「確かに!それに可愛い子は多い方が…っ痛て!!」
耳に噛み付く北斗。

「いいのかい祥明…得体の知れない者だよ?」
「別に構わないさ。それに悪い子でもなさそうだし。」
耳元で小さな声で話す。
(敵になるようなら倒せばいいだけだしね…。)

「そうと決まれば自己紹介だ!俺は二年の安部祥明(あべよしあき)。で、こいつは黒猫の北斗(ほくと)。宜しくね。」
両手を前に差し出し、握手を求める。

/脳内変換、りょーかいですw

551 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/11(日) 22:09:14.37 0.net
「あぁー…そうだな、炎が出る剣とかもカッコいいよなぁ…」

結局、過去の忌まわしき病を発症し妄想をだだ漏らしながらアジトに向かう。
するとアジトの近くに人影が見える。
「……何だ?アイツら…アジトの近くにいる…偶然だといいが…警戒して行こうか…」

まだ敵とも決まっていないので、いつでも対応出来る様に木刀を下段で構えつつ移動する。

552 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 22:19:58.61 0.net
//リログじゃねぇリロードだ今気づいたwwww

>「そうと決まれば自己紹介だ!俺は二年の安部祥明(あべよしあき)。で、こいつは黒猫の北斗(ほくと)。宜しくね。」
「わたしは、泣沢女…落奈…、よろしく」
「私は滝山紫亜っていうんだ。よろしくね〜」
「あ、紫亜、あなたのお兄ちゃんのことなんだけど…」
「うん、察しついてる。…弔ってくれたの?」
「うん、ちゃんと埋めたよ」
「ありがとね♪後でご褒美上げるよ〜」
「ご褒美…ごくっ」
思わず唾をのむ。そしてむせてしまった。
「ゲホゲホ…それはいいとして、どこ、行く?」

553 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 22:22:09.20 0.net
>>551
/このアジト近くにいるのは二神達でいいですか?

554 :牛島 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/11(日) 22:26:30.06 0.net
>>543
/今見ましたごめんなさい
了解しました
牛島の奴は保健室にでも運んでその帰りに登校した御笠と昇降口で合流みたいな流れでどうですか?

555 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/11(日) 22:27:49.19 0.net
>>553
あ〜…涙沢女チームの方にしようと思ったけど…二神とエンカウントしたほうが面白そうだな…そうしよう

556 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 22:29:49.90 0.net
>>552


>「ゲホゲホ…それはいいとして、どこ、行く?」
「そうだなぁ…。なんだか世間では会長派と副会長派と理事会派に別れてるみたいなんだけど、正直俺にはどうでもいいんだ。
そんな派閥より、せっかく戦挙するなら頂天目指してみないかい?」

割れながら大胆発言だと思う。昨日までサボる事しか考えてなかった。だが入江と出会って考えが変わった!
あんな強い奴もいる。自分も強くなりたい!それには強敵と戦い、勝って勝って勝ちまくって、最終的には入江を倒して優勝するんだ!

「多分、今残ってる生徒はそれなりに強い奴だろう。そいつらを倒すか仲間にするかしながら第四の派閥を作って、最終的には俺等の中から優勝者を出すってのはどうだい?」

557 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 22:37:26.97 0.net
>>544
>>554

牛島の衝撃を牛島自身に真上から叩きつける。

「ふぅ〜、対したもんだなこいつのパワーは。」
自身の衝撃をモロに受けた牛島は、床に埋れて動けなくなった。流石に死んではなさそうだが、これを自分が喰らった事を想像するとゾッとする…。

「だがお陰で力が戻ったよ。これで…彼奴とも戦える。」

背後から駆け寄る足跡…。新手に備えて戦闘体制を取る!が現れたのは見知った顔だった。

/こんな登場でいかがですか?w

558 :御有楽&二神 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 22:47:44.56 0.net
>>551
>>555

昨日の戦闘があった隠し部屋近くで待ち伏せしていると、剣と隼鐘が現れた。

「おやおや、かなり警戒されていますね。君は此処で待っていなさい。」
両手を上に挙げて二人に近づく二神。

「剣君と隼鐘君ですね?私は会長の使いで来ました二神 一(ふたがみ はじめ)と申します。今日はお二人を迎えに参りました。
会長のお考えはもうご存知ですよね?ましてや昨日の惨劇を経験したお二人…。
どうですか?一度会長のお話を聞いてみませんか?」

559 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/11(日) 22:50:01.35 0.net
>せっかく戦挙するなら頂天目指してみないかい?
その言葉に最初に反応したのは落奈だった。
根っからの野生児…いや、野生動物としての性格が、正に一番欲していたもの…それは当然頂点。
「…賛成」
思わずにやける。
「落奈がいいなら…私も目指してみたいなぁ〜」
次に紫亜も賛同。どうやら決まりのようだ。
「みんなで、がんばろ〜!」
紫亜が掛け声を発する。
「…おー」
落奈が少し小さめの声でそれに応じた。
>最終的には俺等の中から(ry
「いいんじゃない?私の場合なら全部落奈に譲るけどね〜」
「もう、紫亜ったら…わたしも、賛成」
「決定、でいいんだよね〜?じゃさっそく行動しようか!」
「おー」
勝手に二人で話を進めていいのかと、紫外閃師は突込みを入れるタイミングを逃してしまったようだ。

560 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/11(日) 22:55:42.82 0.net
【生徒会室の方から凄い音がした…】

なんだ…この衝撃音は…
まさか白河の奴じゃねぇよな…

【生徒会室に向かう…念の為霊糸を腕に巻きつけながら…】

【戦闘態勢に入りながら生徒会室前の廊下へ出る角を曲がる】

【ゴリラ?が倒れていてそのそばに白河が立っている…】

【やはり白河だったが倒れていたのが白河でなくて良かった…】

【そして背後から白河に近づいて行った】


/いい感じです

561 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 23:10:11.35 0.net
/疾風先輩先にロールお願いします

562 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/11(日) 23:42:33.17 0.net
>「剣君と隼鐘君ですね?私は会長の使いで来ました二神 一(ふたがみ はじめ)と申します。今日はお二人を迎えに参りました。
>会長のお考えはもうご存知ですよね?ましてや昨日の惨劇を経験したお二人…。
>どうですか?一度会長のお話を聞いてみませんか?」

会長の話を聞く…こちらの目的でもあるので、それは好都合だ。だが…
「……怪しい…」

どうにも相手…二神と言ったか、奴の纏う空気が不信感を呼ぶ。
(罠の可能性がある…慎重にいこう)
「……悪いな悠綺…ちょっと慎重にやる。」

一言悠綺にことわってから、相手に声をかける。
「すまないな、今は状況が状況だ、俺達にも考える時間をくれるか?」

装備を整える時間を含め、奴についていくのが正しいか考える時間を要求する。

563 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 23:52:15.10 0.net
>>559

何だか分からないが、二人で盛り上がってしまった…。

「ゴホっん!で、何処に行く?生徒の多そうな所がいいんだけど、もう殆ど残ってないからなぁ…。」
屋上に行けばラスボスみたいなのが居てるが、あれは最後だ…。

「二人とも、何かあてでもないかい?」

564 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/11(日) 23:56:38.97 0.net
「...了解」

向こうから接触を試みてきたか。好都合ではあるが。
なにやらきな臭い雰囲気を感じるのもまた事実。疾風の言う通り慎重にことを進めるべきだ。
だが、即時交戦となれば武装が危ういは痛い。
よって戦闘を極力避けつつ事実確認、もしくは適当に受け流す。
相手がこちらの目標を自称している以上、下手に手は出せなかった。

565 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/11(日) 23:57:00.69 0.net
>>560

「何だ、御笠か。お前の友達がそこに埋れているぞ。」
警戒を解く。冗談を言う余裕も出てきた。

「ん?今日は一人か?古藤はどうした?」
先程、一人でも戦う決意をした白河にとっては、例え一人でも心強かった。

「そうか、なら仕方ないな。俺は今から視聴覚教室へ向かう。お前も来てくれないか?」

566 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/12(月) 00:01:04.34 0.net
>「二人とも、何かあてでもないかい?」
「……」
落奈は何も言わない。何も言えないのだろうが。
「会長派と副会長派と理事会派に別れてるって言ったよね?そしたら、理事長室とか生徒会室とかにいるんじゃない?
…多分そういうとこを拠点にしてそうだから…」
「紫亜、名案!」
「へっへーん」
二人でハイタッチ。確かに誰かしらはいそうだな、と落奈も納得。
「ということで、生徒会室なんてどう?」
紫亜がそう質問で返した。

567 :御有楽&二神 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/12(月) 00:03:39.02 0.net
>>562
>>564

「結構ですよ、こちらの時間はたっぷりありますから。」
そう言いながら二人を観察する二神。

(剣 疾風だったか…。なかなかの体捌き。かなりの体術を持っているようだな。資料以上か。)

(隼鐘 悠綺。能力は具現化だったな。自身の戦闘力はそう高くないようだ。)

ゆっくりと御有楽に近づくと耳元で囁いた。
「変な動きがあれば隼鐘の能力を封じなさい。」

その後、剣に近づく。
「良い体格をしていますね。確か剣道部でしたっけ?ただ剣道で培った体捌きではないですが…。」

568 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/12(月) 00:04:38.77 0.net
友達ってお前も冗談がキツイ…
でもこいつ、会長派だったとはねぇ
そんな奴じゃ無かったけどなぁ

古藤の奴とは夜になったから別れたよ

視聴覚室か…
いいけどよ…

はぁ、やっぱり嫌だね戦挙は
終始緊張してないといけないってのは疲れるよ
糸が切れればやられるしねぇ…

まぁいいや…
行こうか

569 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/12(月) 00:20:31.98 0.net
>「良い体格をしていますね。確か剣道部でしたっけ?ただ剣道で培った体捌きではないですが…。」

「……悠綺、少し下がれ。後ろの奴の様子がおかしい…二神共々、攻撃の動作をしたら容赦なく撃て、いいか?」
悠綺に指示してから自らは前に出る。

「ほう、それが分かるとは貴様もなかなかな実力者と見た。それならこちらの力量も分かるはず、ここは一度お互いに手を引かないか?」
交渉、疾風の得意分野の一つだ。
言葉巧みに逃げるのは朝飯前。

(相手側の殺気が読めない…どう仕掛けてくる…?)
切っ先を下に向けたままの木刀を手に二神に近付く。

570 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/12(月) 00:24:34.98 0.net
>>566

>「ということで、生徒会室なんてどう?」
「生徒会室か…確か今は副会長が寝ぐらにしてるはず。」
副会長と言えば会長の次に強いはず!確かに相手にとって不足なしか。

「OK!行ってみよう!」

571 :御有楽&二神 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/12(月) 00:34:40.85 0.net
>>569

>「ほう、それが分かるとは貴様もなかなかな実力者と見た。それならこちらの力量も分かるはず、ここは一度お互いに手を引かないか?」
身構える剣。

「おやおや、勘違いしないで下さいよ。私はやりあう気はありません。大切なゲストを傷付ける訳にもいきませんし。」
再び両手を上に挙げる二神。

「そうだ!紹介がまだでしたね。御有楽君、こっちに来なさい。」
そう促されて歩いてくる少女。暗い闇に囚われた少女は剣・隼鐘が良く知る少女だった。

572 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/12(月) 00:35:18.06 0.net
今度は何も言わず後ろに下がる。
いつでも撃てるように、といいたいが今怪しい動きをとるのはまずいだろう。
交渉の際は相手に不信感を与えないことが大事。そのくらいは解る。
よって両の手をだらりと提げたまま前を見る。

そして気付いた。前に立つ少女。
白河蛍と行動していた、見覚えのある顔。
バックパックから送られた顔認証結果。パーソナルネーム:御有楽鈴。
...一体、どうなっている?混濁しだした思考に溺れそうになるところをぐっとこらえる。

二組はまだまだであったばかりだ。何がどう転ぶか、解ったものではない。

573 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/12(月) 00:37:50.17 0.net
/ロール被っちゃいましたねw 後は剣君に任せます。

574 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/12(月) 00:45:33.55 0.net
>>568

>「はぁ、やっぱり嫌だね戦挙は。終始緊張してないといけないってのは疲れるよ。
糸が切れればやられるしねぇ…。」

「相変わらずお前は悲観的だな。心配しなくてもお前は強いよ。少なくともそこに埋れているお前の友達よりは遥かに、な。」

そう、この男も戦管。鎮圧部隊ではないにしろ、執行部から戦菅に選ばれるぐらいだから相当の手練れではある。

「さあ、行くか!」
果たして二人で戦えるのか…。相手はどれほど残っているのか…。不安を言えばキリがない。

「…大丈夫だ。俺たちなら勝てる。」
不安を払拭するように言葉を漏らす白河。『俺たち』の意味する所は御笠なのか、自身の【能力】なのかは本人にも分からなかった。

575 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/12(月) 00:56:53.88 0.net
「……!お前は…!」

二神に集中していたせいで気付かなかったが、後ろにいたのは疾風も顔を見たことがある人物だった。
(どういう事だ…!?コイツは白河一派の奴だったはず…!!)

混乱し始める思考を一度切り捨て、このままじゃ状況は動かないと悟り相手に提案する。
「……とりあえずそちらの連絡先を教えて貰おうか。接触する時はこちらから連絡する。どうだ?」
構えは解かずに提案する。

576 :御有楽&二神 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/12(月) 01:03:53.84 0.net
>>575

>「……とりあえずそちらの連絡先を教えて貰おうか。接触する時はこちらから連絡する。どうだ?」

「警戒してますねぇ。まあいいでしょう。そちらの要求をのみます。」

連絡先を交換して二人と別れる。

「あの二人…こちらに靡きそうですね。一度部屋に戻って様子を見ますか。」

577 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/12(月) 01:32:49.37 0.net
>「警戒してますねぇ。まあいいでしょう。そちらの要求をのみます。」

「……ふぅぅ…」
相手側二人が見えなくなったり安心して溜めていた息を吐き出す。
「あ〜…怖かった…今仕掛けられたら勝てる気がしなかったよ…」
純粋な安堵から弱音が漏れる。
現状武器が無い以上、剣が戦うのに使えるのは訓練してきた体術と棒きれに等しい木刀のみだ。
この木刀は昔から使ってるある意味の相棒だが…能力と戦うには心許ない。

「……悪いな、お前を信じれなくてな…」
木刀を掲げ、呟く。すると…

『……気にするでない…』
「…?」
今…相棒の声が聞こえたような…気のせいか。

「思わぬ邪魔が入ったな…んじゃ、行こうか」

578 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/12(月) 01:38:46.46 0.net
「ん......」

疾風ほどではないとはいえ、自分もそれなりに緊張していた。
ふぅ、と一息ついてからかけられた声にこくんと頷く。
じゃ、今から疾風の剣を作ってしまおう。さっきの接触からして早ければ早いほど良いだろう。
このような事態にいつ巻き込まれるかわからないのだ。不確定要素に衝突したときはなるべく抗える方がいい。

「...アジトから金属素材を探す。その後剣の生成を開始する」

579 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/12(月) 01:50:33.41 0.net
>「...アジトから金属素材を探す。その後剣の生成を開始する」
「おっけ!んじゃ、ちゃっちゃとあのダンジョンに潜るか!」

アジトの内部は正直疾風一人で探索するのは厳しい。素材を探すのも一苦労しそうだ。
と、いう訳で、結局のところ悠綺について歩くしかないのである。
「生存者…は居ないだろうし、何かいるとしたら侵入者か…出来れば星羅達が過ごした場所を汚さないで欲しいんだがなぁ…」

580 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/12(月) 01:58:26.91 0.net
「......片付いてはいたけどね」

ぼやく疾風の声に、ポツリと返す。
その声は彼に届く前に風に掻き消えてしまった。
さて、何度か歩いたアジトのマップは大体把握している。
そこにはあまり金属部品は無かったようだから、今度は知らない空間を探してみよう。

ふと、違和感を感じた。
威勢よく行こうといった疾風が、何故か先行せず私の背中を追うことしかしない。
...そうか。彼はまだアジトのマップをあまり理解していないんだっけ。
少しだけ優越感を覚えた悠綺は、少し背伸びした調子で振り返って言う。

「じゃ、ついてきて?」

581 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/12(月) 02:07:26.60 0.net
>「じゃ、ついてきて?」

少し偉そうに…と言ったら言い方が悪いが、そんな感じの言い方だが、今は不服は言えない。
「ぐぬぬ…よろしくたのむ…」

一応何が現れても対応出来る様に、いつもの下段の構えで悠綺について行く。

「……新しい剣、かぁ…今まで能力で剣化させた物しか持ったことないからなぁ…実剣の重さで訓練しないとなぁ…」
少し残念そうに呟く。
悠綺の作ってくれる剣は嬉しいが、実剣は持った事が無いので使い勝手が分からない。
そして、人を斬るための剣を持つ、現代にはほぼあり得ないであろう本当の剣士になる事に対する不安…
色々な感情が入り交じった、その表情は少し暗かった。

582 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/12(月) 02:25:11.32 0.net
>>574
はぁ、早く戦挙終わらないかねぇ
んで?どの道が一番近いっけ
視聴覚室まで…
えっと…
あぁ、こっちねぇ…はいはい

じゃあ、とっとと行くぜ白河

583 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/12(月) 02:38:52.88 0.net
そんな会話を交わしがなら、たどり着いた一室。
そこには明らかに解る異変があった。
ぺたぺたと付いた人間の足跡。昨日、いや今朝まではなかったもの。

「...何か、あるね」

驚くべきことにその足跡は「奥の方から外に続いていた」。
即ち気づかない何処かに何者かが潜伏していたということ。
足跡は外に向かっている。よって今は中にはいないはず。
なのだが、未知との遭遇はやはり何処か恐ろしい。拳銃を手に滑らせてゆっくりと奥へ進む。
その先で出会うのは鬼か蛇か、はたまた別の何かか。
奥に奥に通じる暗がりの虚ろが、全てを吸い込みそうなほどに暗く見えた。

584 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/12(月) 02:50:01.89 0.net
>「...何か、あるね」
「…あぁ、確実に何か居たな…」

悠綺とほぼ同時に足跡に気付く。
それと同時に思考を展開していく。

(どういう事だ…!?昨日の戦闘を見ていた者か……いや、究極的な理論としては、レゴソラ…いや詠未の暴走を引き起こした奴の可能性も…)
今ある情報でで素早く仮説を組み立てつつ悠綺について行く、が
「……悠綺、俺が前に出る。指示頼む」

まだ何か居るかもしれない、自分が前衛の方が何かと都合がいい。
背後から強襲された場合は、悠綺を信じる事にする。

585 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/12(月) 03:02:55.84 0.net
「了解...」

ピストルをそのままに疾風の後ろに下がる。
暗視カメラを表示、そのままヘッドギアから網膜に投影し司会を確保。
遠距離に何かがあっても、恐らく疾風より先に気づける。このまま歩みを進めていく。

疾風にも、こんなヘッドギアが必要かもしれない。
思考波で制御できる多機能装備は実際使い勝手がいい。
今回はレアなケースだと思うが、装備が充実していた方がこの先も楽だろう。

だが、彼女は気づいていなかった。
この考えが惨禍を広げかねないと言うことに。
思考波を受けて自我を持った兵器群は、同じく思考波によって精神を誘導する。
如何に意思の強いものでも。いや、意思の強いものならなおさら。自身の思考には抗いにくい。
思考そのものを同調させ誘導する、その手法こそが暴走の引き金を引くのだと。

586 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/12(月) 03:47:27.24 0.net
(殺気は感じない…何か生物がいる気配も感じないな…)

修行期間で重点的に鍛えた分野の一つ、気配や殺気を制御したり感じたりする技術。
人によっては『第六感』とも言うであろうその感覚は、熟練者だと殺気を自分ではないところから発したり出来るようになる。
もっとも、疾風はそんな高等技術は習得出来なかったが。

しかしそれでも、気配を察知出来るのは役立つ。こういう状況なら…
「……奥から少し機械が動いた気がする。進んでみよう」

精神を研ぎ澄ますと少しの動きや音で察知、判断、対応出来る。
これは近接戦闘がメインの疾風にとってはとても大きい利益だった。

(白河…貴様のおかげで強くなれた、感謝はしている。だが…悠綺の道を阻むのなら、今度こそ貴様を斬る…!!)

587 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/12(月) 21:20:57.06 0.net
「ピピッ…」
地下のコールドスリープがエラーを発したせいで、いくつかの機械に電源が入ってしまったらしい。
この『地下室内完全探知熱量センサー』も同様である。
略してちかたんと呼ばれていたこのセンサーは、内部の生命体が発する熱を測定し、それらが一定距離近づくと反応する。
そしてちかたんは音声を発した。
「端子にキーをセットしてください」
不気味ともとれる機械音声とともに、ガシャコンと音を立てながら差込口のついた箱が現れる。
その箱は光の線が描かれていて、何本ものその線が収束する先に差込口があるといった構造だ。
その端子は市販されている形状のものにはない特殊な形状をした、特定の人物しか持ち得ない端子を接続する部分のようだ。

588 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/12(月) 22:07:02.14 0.net
>「端子にキーをセットしてください」

突如として通路に響いた無機質な声に肩をはねさせる。
こちらの熱源感知には何も引っかからなかった。声質からも疾風の言うとおり機械なのだろう。
何者かが起動した、という可能性も捨てきれないが。その可能性はきわめて低いと考える。

「疾風、どうする?」

キーが何か分からない以上、迂闊に近づくのは危険かもしれない。
かといって放置していいものか?それでも危険がある可能性は捨てきれない。
ゆえに、此処は疾風に委ねる。自分では決め切れなかった。
まだ銃を片手に、網膜投影の映像を頼りに。暗がりの中を遠く見据えた。

589 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/12(月) 22:46:16.83 0.net
「……生物の気配は無いな、何かしらの侵入者撃退用の装置…の可能性は低そうだが…」

少し考える、この状況で最善の手は…

「……よし、様子を見てから、あれぶっ壊して素材手に入れよう」
単純にして大胆な、作戦とも言えない様な策だが、とりあえず疾風の武器が無いことには始まらない。
多少のリスクは覚悟の上だ。

「さ、そうと決まればちゃっちゃと確認してみよう。俺が先行する」
機械の駆動音が聞こえる方に迷い無く進む。
侵入者用の罠なら滝山が先に教えてくれそうだ。その線は薄いだろう。

「……この機械だな…」
たどり着いた先にあったのは、光の線を描いた箱が出ている。
「この箱が端子かな…んん?この形…」

その端子の特殊な形状には見覚えがあった。
「……悠綺、滝山の部下に貰ったアレ、持ってるか?」

590 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/12(月) 22:54:04.47 0.net
「持ってるけど......?」

データは大方読み取った。今の悠綺の装備は全生徒の情報を詰め込んだ検索装置と言っていい。
だが、メモリの果たした役目はそこまでのはず。今更何の用があるのだろう。
疾風の影に隠れた箱状の物体。首を傾けてそれを見ると、その意味がわかった。

情報屋から預かったこの端末。それこそが解除キーなのだろう。
この規格は恐らくどこにも存在しない、彼オリジナルのものだ。これがキーでなくて何なのだろうか。
確信を持った悠綺に迷いはない。銃をメモリに持ちかえて構える。

「じゃあ、行くよ?」

端子にメモリを差し込む。輝く光と駆動音が空間を占める、そんな光景を幻視した。

591 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/13(火) 00:27:20.73 0.net
>>582

生徒会室を出て、旧校舎にある視聴覚室へと向かう。

校内は昨日迄とは打って変わって静かな物だ。もう残っている生徒も少ないのだろう。

そんな静かな校庭に賑やかな声が聞こえる。前方から三人の男女(と一匹の黒猫)が歩いてくる。

四日目まで残っているからには相当な手練れだろうが…そんな感じは微塵もしない。

それに今は一般の生徒に構っている暇はない!一刻も早く視聴覚室へと向かいたいのだ。

【白河&御笠ペア:安部達と遭遇】

592 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/13(火) 00:36:02.37 0.net
>端子にメモリを差し込む。
「キー情報を確認……確認完了。正しいキーがセットされました。これより開錠シークエンスを開始します」
機械音声がそう発した直後、大きな駆動音を立ててギミックが動き出す。その際にUSBメモリは排出――機械が長らく動いてなかったため調子が悪いらしく
射出という形になってしまっているが――され、派手な音を立てて扉は開く。
開いたそこは強烈なライトに照らされている真っ白な空間。
…しかし、そこは入口だけだった。
壁面についているガイド用のライトが蒼く光る。そしてそれがずっと奥まで伸びている。
だがしかし、その奥がよく見えない。どうやらそこはずっと暗闇が広がる場所のようで、奥には長方形のようにも見える
巨大な箱のようなものと、その蓋らしきものが見える。そのそばには様々な計器類、少し離れたところにもいろいろな装置が見られる。
そしてその箱のそばに、『総合データベース』と書いてある装置があった。
何者かの手によってマスターロックが解除されていたのか、画面は写っている。そこには『武器在庫データ』という文字が大きめに表示されくるくると回っているのが
遠くからでもよく見える。
そして最後に機械音声が一言。
「おかえりなさいませ、滝山様。どうぞごゆっくり」
今は亡き主人の名を呼ぶ、冷たい音声がこだました。

593 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/13(火) 01:03:48.99 0.net
>そんな静かな校庭に賑やかな声が聞こえる。前方から三人の男女(と一匹の黒猫)が歩いてくる。
「ちょっとちょっとそこの君ー、すとーーーーーっぷう!」
紫亜がどうやらちょうどいい男子生徒を発見した模様。
「ちょっとお話してかない?」
とか言いながら紫亜は落奈にアイコンタクトを送っていた。そして何か月も共に過ごしてきた落奈はその意味を完全に理解し、行動に移した。
「…スキャン」
紫亜が声をかけたほうとは違う方に幻覚を見せた状態で二人をスキャンする。
今回の幻覚は『突如足元から大量の昆虫サイズの異形の生命体が湧き出てきて囲まれてしまう』という軽いグロ的なものだ。
心臓が弱い人はこれだけで泡を吹いて倒れてしまうだろう。
…スキャン結果。
まず、幻覚を掛けてる方。
>>89ね、なるほどなるほど…要するに炎を扱えるってこと、か…
次に、声を掛けられた方。
これは…>>13というデータは出たけど…まだ何かありそう。怪しい…
相手の攻撃を吸収し返す能力…それに本人の身体能力もかなり高い。一般人とは思えない…わたしにも引けを取らないほどのものを感じる。
…引けを取らないだけで、ずっと野生生活してきたわたしには勝てないだろうけど。
「…以上。留意、必須。特に、紫亜が声をかけたほう。コイツ何か、秘匿してる」
「あいあいさー。ほんとその能力役立つよねー」
と言いながら紫亜も手の力を抜いて動かさない。…何をするつもりなんだろう?
「さあーて、おっぱじめるとしますぅ?安部君に任せるよーん」
「紫亜が任せるなら…わたしも」
判断をゆだねるつもりだ。…お前ら、たまには自分で考えなよ…と、紫外閃師は心の中でつぶやいた。

594 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/13(火) 01:22:30.02 0.net
暗い空間に差し込む光。その眩しさに悠綺は目を瞑り顔を背ける。
足元でなにかが落ちたような乾いた音が聞こえる。薄目を開ければそれは先程の端末だった。
目が光に慣れ出したところで端末を拾い上げ中を見る。
そこには種々の機械で埋め尽くされた空間が広がっていた。

>「おかえりなさいませ、滝山様。どうぞごゆっくり」

もうこの世にはいない者の名を、冷たく読み上げる機械音声。
あの情報屋はいったいここに何を隠したのか。そして何を思い私たちに託したのだろう。
認証はすんだ。あの情報屋としてログインしている以上、中に危険もないのだろう。
疾風の意見も聞かず、青いライトが照らす通路へ向けて一歩、また一歩と踏み出す。

くるくると回る「武器在庫データ」の文字。
折角彼のために武器を作れると思ったのに、ここに手っ取り早く武器があったりするのだろうか。
それはそれで楽ではあるが... 面白くない。
わずかに頬を膨らませて機械の中を進む。幻想近未来的な未知の空間を、今悠綺は委ねられた。

595 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/13(火) 16:30:36.42 0.net
(視聴覚室とか…いくのめんどくせぇ〜)

【などと考えていると前から3人歩いてくるのが見えた】

(へぇ〜この時期にまだ残ってるなんてやるじゃん…)

【すると3人のうちの1人が白河に喋りかけた…また御笠は無視されたわけである】

(はいはい、またまた俺のことは無視ですよね…虫だけに…って虫!?!?)

な!?なんだこの気持ち悪りぃの!?
これは…能力!?

(これはやべぇな…気持ち悪りぃ…でも虫みたいだな…燃えっかな?)

爆発(バースト)!食らえ!

【御笠は周りから湧いて出てきた異形の生命体に殴りかかり爆破を行った…それを幻覚とは咄嗟には気づかずに…】
【しかし爆破の威力はそこは流石前役員…筋金入りであるデータから想像したもの以上の威力ではあったであろう…】

596 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/13(火) 18:02:58.54 0.net
>「じゃあ、行くよ?」
「おうよ」

短く返事をし、何か起きても大丈夫な様に構える。
>「キー情報を確認……確認完了。正しいキーがセットされました。これより開錠シークエンスを開始します」
「お、開くのか…っと…なんて勢いで飛び出すんだ…」

射出されたメモリを咄嗟に回避して、前を見る。
「……これ…は…?」
奥に見える『武器在庫データ』の文字、それを見た瞬間に疾風は走りだした。

「おおおおお…なんだこれ…なんでこんな武器を隠してたんだ…」
刀や拳銃は勿論、どうやって入手したのか分からない武器だらけだった。
とりあえず刀がある所を調べてそこにダッシュする。

「ほぉ〜…こりゃすげぇ!」
どうやって集めたのかは分からないが、かなりの業物だった。
近くには似たような刀が数本あった。それを抱えて悠綺の所に走る。

「悠綺!こんなに刀があったぞ!これを使えば悠綺を守れる剣を作れる!何本か試せそうか?」

597 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/13(火) 19:35:14.21 0.net
生徒会室に向かって歩いてる間も、前の二人は楽しそうに会話している。

「なんで女子って二人以上だと喋り続けるんだろう…。」
「なに?あんたも会話に入りたいのかぃ?」
北斗が意地悪そうな顔を覗かせる。

「ちげーよ、別に。ただ…あ!」
煩いだけだと言おうとした時、前から二人の男子が駆けて来るのが見えた。

瞬間駆け寄る女子二人…。
>「ちょっとちょっとそこの君ー、すとーーーーーっぷう!」
何だか話をしてる模様。

>「爆発(バースト)!食らえ!」
突然、目の前の地面を爆発させる男子生徒。
「何だ突然!やる気か!?」
懐から護符を取り出し、身構える。

>「さあーて、おっぱじめるとしますぅ?安部君に任せるよーん」
>「紫亜が任せるなら…わたしも」

「いやいや、任せられても…。」

愚痴を言いながらも二人の様子を伺う。爆発させた男は放出系能力か?しかも属性は火だろう。俺との相性は最悪…。

もう一人の男は…見るからに強い。入江と同じで立ち姿から自信と信念を感じる。

さて、どちらを相手にした物か…。
【安部&滝山&泣沢女:白河&御笠との戦闘に備える】

/安部は相性考えると白河とやる事になりますが、展開の幅を考えるとどうしましょ?

598 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/13(火) 20:13:48.02 0.net
>「爆発(バースト)!食らえ!」
「…かかった」
どうやら見事に幻覚攻撃が成功した模様。とっさに幻覚を切り替える。…しかし、そこで落奈の目に異変が起きた。
「うっ…うう…あっ…」
この目には裏の顔がある。…本人たちですら知りえないデメリット。それは名もなき者たちですら見落としていたものであった。
光線を発し続けると一時的に目と頭に激痛が走る。およそ10秒間と言ったところか。その間は目以外のものを使って行動しなければならない。
しかしそこはさすが野生児、嗅覚と聴覚と触覚だけで後ろへ移動した。
「いづづ…」
「大丈夫?落奈〜、すごく痛そうだけど…また発作?」
「…みたい」
発作と名付けられたそれは一時的にスキャンを中断させるどころかしばらくの間光線を発することすら不可能としてしまう。
後は勘しかないか…と、落奈は異能の力によるアシストをあきらめた。
「わたしは、爆発クンと戦闘を…希望。…カウンター、食らったことない…恐怖、未知…」
「じゃぁ〜私も爆発クンね!面白そうだしぃ〜」
と、紫亜は腰から四本のナイフを取り出した。
「オーラ起動!」
ヴオン、と音を立て足に不思議な何かが纏われた。
そして紫亜はナイフを2本落とす。そしてそれを足でつかむと…紫亜は両手にもナイフを持った。
「フッフーン、私の能力はすっごーく器用なんだ〜」
「紫亜、能力…いつの間に…」
「さーてね、ひ・み・つ♪」
「ま、いっか…」
二人は戦闘準備を完了させた。

/能力の割にデメリットがなかったので勝手につけさせていただきました、すみません…
それとこんな感じでやればうまい感じかなと このペア(紫亜&落奈)じゃどうなるか俺も分かりませんが…w

599 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/13(火) 20:59:21.03 0.net
>本人たちですら知りえないデメリット
本人たちですら詳しく知らないデメリット の間違いです、すみません…

600 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/13(火) 21:00:08.70 0.net
>>598
/これ、幻覚は消えたってことで良いのですか?

601 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/13(火) 21:22:53.51 0.net
>>600
600お(・∀・)め(・∀・)で(・∀・)と(・∀・)う!です!
幻覚は消えました〜

602 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/13(火) 21:29:47.30 0.net
「付加合成は出来ない。...分解の必要がある」

そう、彼女の能力の特性上既存の武器を混ぜ合わせることは出来ない。
彼が持ってきた刀なら鍔と柄、刀身に分割する必要がある。
拳銃なども同じ。シリンダーや弾薬、フレームなどに分けなければならない。
...とはいえこれだけの材料だ。複数の武器を生成するには十分だろう。

「だから、分解する。手伝って?」

刀に使用される鋼材は鍛え上げられた最高級の鋼だ。素材としては申し分ない。
他の武器だってそれには劣るだろうが、十二分に働いてくれるだろう。
それに、まだ彼のために武器を作れる。それだけで堪らなく嬉しかった。

603 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/13(火) 21:34:20.36 0.net
疾風が刀を数本持ち出してきたところで、唐突にブザー音が鳴り響く。
「コールドスリープ装置の異常を確認しました。ただちにコールドスリープ装置の点検及び修理を行ってください。
繰り返します。コールドスリープ装置内の温度の上昇を確認しました。また、装置内に複製元の生命体が存在していません。
ただちに装置の点検、修理を行ってください」
コールドスリープからはすでに何者かが飛び出していった。
そして最奥の扉が開く。その先には怪しく光る巨大な円柱の形をした水槽が大量に並んでいた。
半透明の蛍光色の水色…のような色合いの光る液体がそれらの中には満たされていて、その水槽の内部にはどれも同じ顔をした少女の肉体が入っていた。
そしてその水槽の根元にある端末のパネルには、どれも『DIED』の文字が記されている。
その奥には特殊なUSBの差込口。ほかでは見たことがない、特徴的な形の穴だ。
そしてそのそばには扉。扉の上には『クローン管理室』と書いてある。
滝山という男は何物だったのだろうか…なぜ同じ顔をしたクローンがこんなにたくさん水槽の中にいるのだろうか。
そして、DIEDが表わす意味とはなんなのだろうか…

604 : ◆taZqHR8ods :2014/05/13(火) 21:38:26.53 0.net
あー、リロード忘れてた…
数本持ち出してきたところ
ではなく、
分解を始めようとしたところ
に脳内変換してくださいオナシャス(´・ω・`)

605 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/13(火) 22:15:11.68 0.net
【いつの間にか異形の生命体は消えていた】

げん…かく?
(クッ、ハメられた…)

ちっ、やっぱ能力だったのか…

【しかしあまりに幻覚が消えるのがはやかった…幻覚が本質の能力ならこんなに早くは幻覚から解放されるだろうか…】

(答えは否…別の能力もあると考えた方が良いかもな…それに2人いるし…2:3はキツイなぁ…)

【そう考えながら再び臨戦態勢に入る…一応糸を再び腕に巻きつけながら】

君らさ…襲う相手は考えなよ…
1年なら知らないかもだけどこれでも去年の役員で今年戦管やってるんだ…

立候補者でもないし俺を相手にするメリットはあんまりないよ?

それでも良いなら相手になるよ…

来な

/>>597
それで良いです安倍さんは白河さんと、俺は女子2人で良いですかね

606 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/13(火) 22:36:19.73 0.net
危険はないと弛緩しきった思考に響くブザー音。
開いた最奥の扉に駆け寄れば、そこに見えたのは薄く淡く緑に光る円筒だった。
無数にあるその中に、それぞれ少女が浮かんでいる。下には赤く「DIED」の文字。
彼女たちは、生命活動を停止しているのか?何故こんなものがある?
色々と考えることはあるが、まずこの光景をあまり疾風に見せたくなかった。
...多分、刺激が強い。

「来ちゃ、ダメ」

そう言って奥へと進む。再び見つけた端子の差し込み口。
さっきのと、同じ形状。キーも同じと見て良いだろう。
これらの手懸かり、もしくは解を得るために。奥に進む必要がある。
しばし迷った後で、悠綺は端末を差し込んだ。

607 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/13(火) 22:55:41.69 0.net
「あいよ!楽しみだなぁ…新しい剣…!」

新しい剣について妄想しながら、剣の分解を開始しようとした。その時、

>「コールドスリープ装置の異常を確認しました。ただちにコールドスリープ装置の点検及び修理を行ってください。
>繰り返します。コールドスリープ装置内の温度の上昇を確認しました。また、装置内に複製元の生命体が存在していません。
>ただちに装置の点検、修理を行ってください」

「コールドスリープ…?複製元の生命体…?……ちょっと待てよそれって…!」
立ち上がり、開いた扉に走る。
そして、目の前に広がる光景に衝撃を受けた。

「なんだよ…これ…クローン…!?」
どうやって作ったのか、それ以前にクローンなど実在したのか、様々な疑問が巻き起こる。
だが、まずは複製元…つまりオリジナルの人物を探すべきであろう。

「……怖いな、こんな風に並んでると…」

608 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/13(火) 22:56:43.25 0.net
おうふ、リロードミスェ…

一度書き直しますのぅ

609 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/13(火) 23:14:27.71 0.net
突如鳴り出すブザー音、そん音に少し怯んで出遅れた。
「あ…っと…」

立ち上がり、駆け寄ろうとすると…
>「来ちゃ、ダメ」

「?…なんでだ……おおっと理解したよ…」
少し近付いて中を覗く、そして瞬時に引っ込む。

悠綺を待っている間、する事が無い。
少し実剣で素振りでもするか…と思っても、クローン達が視界に入り集中出来ない。
「ぐぬぅ…精神統一…」
結果、禅を組む事にした。

610 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/13(火) 23:34:31.58 0.net
>しばし迷った後で、悠綺は端末を差し込んだ。
「ピピッ」
一般的なスキャン音のような音声を発し、端末の差込みが緩む。そして、閉ざされた禁忌の扉が開かれた……

そこには10枚ものモニターが横に5枚、縦に2枚ずつならんでいる。
そしてそれらにはクローンの管理情報などが乗っている。しかし…そのすべてには『死亡』の2文字が紅く光っていた。
心拍数と思しきグラフは直線。その右側に記されている数値はすべて0。
画面にはそれぞれ対応したクローンの管理情報が記されているようだ。
左上から『SIA-T01』『SIA-T02』『SIA-T03』などといったように番号がT01~T10まで割り振られている。
そしてグラフの下には『再現率』と表記されている。何かのパーセンテージを表しているようだが、その数値はどれも45%以下だ。
モニターの下にはキーボードとマウス、そして小さな記録媒体が置いてあった。
その小さな記録媒体は、今まで見てきたすべての端子とも異なる、滝山の残したUSBともまた異なる形の端子を保有していた。
そのUSBのような記録媒体には『能力者クローン製造計画』と書かれたラベルが貼られていた……

611 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/13(火) 23:36:26.66 0.net
>>598
>>605
/了解です。では自分vs自分でいきますw

612 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/13(火) 23:48:41.02 0.net
最奥の扉が開く。灯された十の赤い文字。
それらの全てが、死亡。ハートマークの上に書かれた数字はゼロ。
平坦なラインが右から左へ延々と流れていく。彼女たちに鼓動はない、と言うことか。

「SIA-T01」「SIA-T02」とネーミングされたシリンダーの中の少女。
SIA、は恐らく彼女の名前。Tはtrial、つまり被検体の事だろうか?
表示された謎の「再現率」、半分を切っている。なんの数値だろうか?
視線を下げた先の端末、『能力者クローン製造計画』。その文字列が悠綺にひとつの仮説を与えた。

即ち、能力の再現率。

情報屋はなぜ此処への鍵を託した?このメモリは何を語ろうとしている?
解らない。ただひとつわかるのは、『クローン計画』のメモリには隠された情報があると言うこと。
情報屋は、何を遺したのだろうか。この少女は一体何者なのか。
思考をぐるぐると巡らせながら、シリンダーの彼女の顔から該当データを生徒情報から漁ってみる。
その手に、『クローン計画』のメモリを握りしめて。

613 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/14(水) 00:24:09.07 0.net
>君らさ…襲う相手は考えなよ…
>1年なら知らないかもだけどこれでも去年の役員で今年戦管やってるんだ…
「セン…カン?」
(この学校の生徒で結成された自治団体のような組織のことだね。今じゃそのシステムの根底から全部おかしくなっているみたいだけど…)
「…なるほど、理解不能」
「はは、落奈には難しいとおもうよ?まあ、私もずっと引きこもってたからよく知らないんだけど」
「でも相手に、不足は…なし」
「そうだね、むしろ十分すぎる」
>立候補者でもないし俺を相手にするメリットはあんまりないよ?
>それでも良いなら相手になるよ…
>来な
「いざ…尋常に、参る!」
目の痛みが少し残る中、光線が出せるか確認。…まだ出せないようだ。なら仕方ない、か。
アイコンタクトを取る。紫亜は正面から相手をひきつけ、その間に落奈は後ろへ回る。
「さあ〜さあ、まずは私が相手だよ〜?」
素足の指にダガーを挟んでいる。両手の二刀も含めて四刀流とでもいうべきか。
「私の剣術はね、落奈が唯一恐れるんだよ?うふふ、なめてかかると、いったーい目、見るよぉ?そぉれっ!」
思いっきり飛び上がる。両手を使って地面から思いっきり飛び上がるかのように軽々しく。
そして上から両手のダガーを両肩めがけて投げる。そして相手から向って右側に着地。
そして逆立ちをした状態で大きく開脚した。
「逆羅刹ぅ〜!なんてね」
両手を使って回転しながら御坂に向かって進む。足は綺麗に水平に開いているので範囲はそれなりに大きい。
そしてそちらに注目している間に光線の発射は可能になった。落奈は素早く紫亜の反対側に移動する。
「…!」
後ろから首めがけて思いっきり蹴りを入れる。と言っても、一般的な同年代の女子の3倍ほどの威力はあるが、
能力的なアシストは一切ない。なぜなら、自然という厳しくつらい環境が彼女を育てたからである。
逃げ場はほぼ、塞がれた――

614 : ◆taZqHR8ods :2014/05/14(水) 00:25:52.27 0.net
>>611
俺は今日はもう寝ますが、頑張ってください!w

615 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/14(水) 00:39:20.25 0.net
とりあえず、此処からわかる情報はもう無いだろう。
被検体「SIA-TXX」が何者なのか、その糸口は掴めなかった。
そして新たな端子のデバイス。この情報を読み取る手段も必要になった。

それらの算段を、疾風に伝えにいく。
シリンダーを潜り抜け、疾風のいる空間に辿り着く。
扉を手動で閉めた後、何故か座禅を組んでいる疾風に話しかける。

「ただいま。......何してるの?」

616 :安部vs白河 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/14(水) 00:51:30.85 0.net
>>598

>「わたしは、爆発クンと戦闘を…希望。…カウンター、食らったことない…恐怖、未知…」
「じゃぁ〜私も爆発クンね!面白そうだしぃ〜」
それは安部にとっても好都合だった。

「りょ〜かい!んじゃ俺はこっちの兄さんね。」
数体の式神を展開させる安部。

「俺は二年の安部祥明!いざ、参る!」
無数の【斬】の燕が白河に襲いかかる。それをギリギリでかわしながら様子を見る白河。

「俺達は急いでるんだ。出来るならお前達の相手はしたくないんだがな。」
そう言いながら一羽ずつ燕を落としていく白河。

(おかしい…何故斬られない?)

それもそのはず。ただの紙燕ではないと判断した白河は、左手一本で燕を落としていた。故に斬撃は吸収されていたのだ。

(ならば、これはどうだ!)

【斬】の中に【爆】の燕を紛らわせる。白河がその燕に触れた瞬間、爆発が起きる…はずだった。

「なるほど。一羽毎に違う属性も纏えるのか。」
衝撃吸収時にその属性を判断出来る【衝撃排出】と白河の戦闘経験が瞬時に安部の能力を看破した。

「ゆっくり相手してやる暇はがないんでね。一気にいくぞ!」
安部が身構えるより早く、白河は安部の目の前に現れた。

白河の右手から先ほどの【爆】発が放出される。衝撃で後ろに吹き飛ぶ安部。身【代】わり蝶のおかげでダメージはないものの、自分に何が起きたかを判断するには数秒の時間を要した。

「…速い。見えなかった。このままでは勝てない…か。」
そう呟く安部。しかしその顔には不安ではなく期待感が満ち溢れていた。

617 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/14(水) 01:55:31.36 0.net
>>613
…はぁ、まったくめんどくさい

くるなら容赦はしないよ…

【と言ってるうちに2本のダガーが肩に向かい飛んでくる】

ぐっ…

【肩でダガーを受け止める】

【そして四刀流が右、幻覚使いが左に移動e四刀流が後ろから首をめがけ蹴りを入れてくる】

(動きが単調だね…まだあの厄介な幻覚は使われてないし位置とタイミングはわかった…)

【四刀流の蹴りが首に当たるかと思ったその瞬間…首から高温の炎が噴射し熱と炎が足を襲う】
【そう、御笠は能力を発動させたのだ】
【そしてこれはカウンターだけが目的ではない…その推力をつかい前進、挟み撃ちの状態から脱したのだ】

618 :安部vs白河 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/14(水) 10:52:26.16 0.net
>>618

「おやおや、ピンチかい?祥明。」
「煩い…って言いたいとこだけど、ピンチだな。」
身【代】わり蝶は残り3匹。4度目の致命傷は即ゲームオーバーだ。

「北斗…悪い、力貸してくれるかい?」
「ったく仕方ないねぇ。ちょっとだけだよ。」
安部か祖父特性の【人】化の護符を黒猫に貼る。するとみるみる半人半猫の姿へと変わった。

「ちょっと時間稼いでくれ!その間にとっておきの式神を作るから。」
安部がそう言うが早いか、北斗は白河に襲いかかった。

常人の目には止まらない攻防が一人と一匹の間で繰り広げられる。
地を舞い、宙を踊りながら両爪で攻まる北斗。それを時には避け、時には左手で受けながら両脚で反撃する白河。

白河の右蹴りが北斗を捉え、後方に吹き飛ばした時、安部の声が響いた。

「離れろ北斗!『四宿召喚・朱雀』」
いつの間にか白装束に着替えた安部から発せられたのは、【炎】に包まれた巨大な鳳凰。

「な!この炎は…面白い!受けてやろう!」
自身を襲う火の鳥を左手一本で受け止める白河。しかしその炎は不死鳥の様に吸収してもまた燃え上がる。

(この炎の量は…不味いな。一度排出するか!)
右手から溜まった炎を安部に向かって吐き出す。式神の操作に集中する為、動けない安部に炎が直撃する。二匹目の【蝶】が燃え落ちるが、安部にダメージはない。

(効かない?さっきの爆発もそうだが、自分の能力ではダメージを受けないのか?それとも…。)

「…ならば!」
新たに右手に炎を纏い、その拳で式神を弾き飛ばす。と同時に安部に向かって駆け出す白河。

「能力に頼った戦い方の貴様に、本当の闘いを見せてやろう!」

619 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/14(水) 21:31:06.21 0.net
>「ただいま。……何してるの?」
「悠綺がいながら他の女子を見てしまうなんて…何をやってるんだ俺は……はっ!?悠綺い…いつの間に!?」

雑念を消そうとブツブツ言いながら禅を組んでいると悠綺が帰ってきた。
ちなみに座禅はブツブツ言いながらするものではない。

「え…え〜っと…そ、そう集中力!集中力を鍛えてたんだ!」
禅を組ながらも無意識の内に刀を分解しており、既に複数バラバラになっている。

「さ…さぁ!また敵がいつ来るか分からないし、剣を作ろう!」
所々声が裏返っているが、クローン室から逃げるように早足で移動する。


とりあえず落ち着ける場所を見つけ、そこに分解した刀を抱えて座り込む。
「で、だ。どんな感じの剣がいいか考えてみたんだが…」

分解した刀を種類ごとに並べながら考えた事を話す。

「まず伸びる剣だが…多分悠綺が想像してる物とは違うな。スネークブレードって知ってるか?」

刀身が複数に別れ、それぞれをワイヤー等で繋げた物、それがスネークブレードだ。

「だから、これは射撃機構との両立は難しそうだが…いけるか?」


「次に射撃機構だ。コイツは緊急手段とか、牽制とか不意打ちとか、そういう用途で使いたい。次に分離機構だが…これは双剣に即座に別れる事が出来るなら任せる」

ここで一度言葉を切り、少し考える仕草をする。

「……無茶な願いだとは思う。無理なら出来ないでいい、俺はそんな武器に頼らなくてもお前を守る、だからゆっくり考えて、いい武器を頼む。」

それから見張りに行くと告げ、一本残しておいた一番質の悪い刀を持って立ち上がる。

620 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/14(水) 22:01:53.50 0.net
「? ...そう」

何やら焦っているようにも映るが、今はそれは重要ではない。
先のような非常事態に備えた剣、そして手にしたメモリの内容。思考はそれらで埋まっていた。
足早に移動する疾風のあとに続き、ある程度広い空間にちょこんと座る。
疾風の武器構想のレクチャーが始まる。一字一句聴き逃さないよう、そして出来るだけ実現できるよう。集中して耳を傾ける。
......そして、会話が途切れる。

「了解。きっと重量が厳しいけど、フォローできる。がんばる」

うん、多分期待に応えられる。ついでと言っては何だが、疾風がポツリといった「発火能力」に近いものも搭載可能だろう。
組み上がった既存のデザインに脳内で改良を加え、最終解を打ち出した。
そして刀を提げ離れていく疾風。集中できるようにとの気遣いだろう。
まずは剣を、次にメモリを読み取るドライブを。製作してここを出よう。
一人になった空間で、宣言する声が響く。

「『作成』を、開始する」

621 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/14(水) 22:25:21.99 0.net
かなり真面目な表情で動きだした疾風だが、ある程度悠綺から離れると表情が緩んだ。

「やっべぇ…ワクワクする…」
元々中学二年生的思考の持ち主が、自分の理想の剣が手に入りそうになって興奮しない訳がない。
そもそも、能力の剣はいつでも出せるのは強みだが、特殊な機能は使いづらかった。

(やっぱ何か特殊機能がある方が主人公っぽいよなぁ…)
そう思ってから、はっ…となる。

(……これは俺の事を助けてくれていた相棒に失礼か…)
『そんな事はない…気にするな』
「……気のせいか……?」

622 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/14(水) 22:27:50.81 0.net
悠綺の設計した機械剣。それ自体が複数の機械剣からなる重厚な一振り。
双剣時の持ち手となる二ヶ所のみが色の違う熱伝導性の低い素材で構成されている。
複雑に組み合わさった刃は全長およそ1.5m。巨大な刃は付随するブースターによって素早く繰り出すことができる。
新たに作る疾風の分のヘッドギアからの思考波制御で、その即応性と柔軟性は最高レベルにまで引き上げられるだろう。

その一、伸縮する刃。
組み合わさった機械剣を分離、電磁力によって一定の距離で繋ぎ止めることで擬似的な伸縮を可能にした。
その二、射出機構。
これは単純、電磁力の束縛を解けば切り離された機械剣は射撃武器となる。
無論、個々に搭載されたブースターによって推進力は実用レベルに上昇可能だ。余地があれば軌道修正すらできる。
流石に銃のような構造は組み込めなかったが、遠々距離は悠綺のサポートファイアが入る。問題は少ないと判断した。
その三、双剣形態。
説明するまでもなく分離自体は手動でも可能だ。だが即応性を高めるために電磁気の反発を利用する。
これにより中央で即座に分割され、分厚い刃は細身の双剣となる。
計六本の機械剣からなる構造を自由に組み替えることで、好みの長さにしたり残りを浮遊させたりすることもできる。
余った分の制御の余裕がない場合は、悠綺側に操縦権を委託することも可能だ。
そして最後に発炎機構。
なんのことはない、ブースターの熱量を利用したまでだ。
だが使用を続けるにつれ蒼の炎によって刀身は熱を帯びる。切れるものの範囲も自ずと変わってくるだろう。
最も、オーバーヒートさせた場合は一定時間の動作は保証できない。あくまで超高温下での使用は一種の切り札だ。

明確なビジョンをもって『作成』のワードを声に出して唱える。分解された六の刃が光を放つ。
...構想通り。十分な集中と構想を前提にした製作はそのビジョンを正確に形にした。
まずは報告、そのあとで疾風のヘッドギアとドライブを作り『クローン計画』の謎を紐解こう。
自ら作成した機械剣の柄を握り、そのまま持ち上げようとする。が......

「......重い」

十分な筋力と駆動系によるアシストを前提に作られた剣。非力な少女が素で持ち運ぶには重すぎる。
よって機械剣をその場において、疾風がいるであろう所まで駆けていく。
...動作確認、よろしく。そう伝えに。

623 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/14(水) 22:54:24.56 0.net
「……ふへへ…へへ…」

見張ると言いつつ、特に周囲を警戒する事もなくただただ妄想の世界に浸る疾風を、悠綺の足音が現実に引き戻した。

「お…出来たか、分かったよ」


「……はぁ〜…こりゃまたデカイな…」

出来上がった剣は1.5m、ジャンルは完全に大剣だ。
だが、いい素材を使い、悠綺が集中して作ってくれた剣だ、刀身に曇りは無い。
力を込め、大剣を持ち上げ、構える。
「……いい剣だ、素晴らしいな…」

その大剣を床に刺し、悠綺を抱き締める。
「ありがとう…能力を失った俺に、戦う手段をくれて…」

少し涙が溢れる、だが、感謝の言葉は止まらない。
「ありがとう…こんな素晴らしい剣を作ってくれて…ありがとう…俺何もかも揃えてくれて…本当に、ありがとう…」

涙を堪えつつ、抱き締め続ける。

少しして、落ち着いた疾風は離れる。
「……よし!この剣の名前を思い付いたぞ!」

その名前は単純で、かといって雑でもなく…

    ギミックソード
「……『機構剣 ハヤガネ』でどうだ?」

彼の感謝の思いを、表現した名だった。

624 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/14(水) 22:57:01.52 0.net
誤字

× 俺何もかんも揃えてくれて…

○俺なんかの為に、ちゃんと揃えてくれて…

脳内変換オナシャス

625 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/14(水) 23:05:10.74 0.net
...なんだか気味の悪い笑みを浮かべていた気がする疾風を連れて戻る。
大剣を掲げてしげしげと眺める疾風を、悠綺はまた見つめていた。
私が作った、彼のための刃。これから私がたどる道を切り開く草薙の剣。
これで、彼も喜んでくれる。これで、まだ一緒にいられる。
疾風は感謝の心持ちを、悠綺の意表を突く形で返してくれた。

「ぁ...。 うん、がんばったよ」

きつく強く抱擁を続ける彼の腕の中で、ゆっくりと目を閉じその胸に顔を埋める。
疾風を導く、私の武器だ。そして私を導く、疾風の武器だ。
この剣と共に、私達は何処までも歩いて行ける。確かな温もりの中でそう信じた。

そして離れていく暖かさに、若干の名残惜しさを感じながら。
彼の口から発せられた、二人のための剣の名前に。
精一杯の頷きと共に、満面の笑みで返した。

626 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/14(水) 23:35:37.34 0.net
突如、暗くなっているホールに光がさした。
いや、ただ天井のライトがすべて点灯しただけなのだが…
この基地の装置の能力も、すこしづつ回復していき機能不全を起こしている部分がほとんどなくなって行った。

そして、今まで暗くなっていてほとんど見えなかった部屋のすべてが照らされた。
ふたの外れたコールドスリープ装置、そしてその周りに設置されていた様々な機械。
装置内の温度を測定する機械、装置内の監視カメラの映像を映し出すモニター、そして操作を行うためのキーボード。

ホールの中心の床には突起も現れた。そして、その突起からホログラムが突然映し出される。
しかしそれはただの長ったらしい文章だった。
機械音声がそれを黙々と読み上げる。
「この研究所で使われている特殊な端子を保有しているUSBは、滝山によって作られたものだ。
彼は情報屋として入手した豊富な情報を自ら扱うことにも長けていて、様々な事柄に精通している。
それは機械工学だって同じことだ。
彼は、独学で世界中のどこにも存在しない規格のUSBを作り上げることに成功した。
そして彼はそれを読み取るための機械をほんの数個ほどだけ作り、それを研究所内に配置した。
しかし、彼が唯一データを入力しただけで出力することができない状態の規格があった。
…その規格は『Cタイプ』と彼が名づけた物である。
Cは3番目に作られたからCという意味合いもあるが、CloneのCという意味合いもある。
さて、なぜCloneという単語が出てきたのか。これには深い理由がある。
かつて本校の理事会で一度だけ議題に上がった計画がある。当時はその名を『能力者複製計画』と言った。
今は『能力者クローン計画』と名前を変えているが、その内容はさして変わりはない。
しかしこの計画には大きな問題が二つあった。第一にクローンを製造することは重大な禁忌であること。
そして、協力してくれる能力者がそもそもいなかったことである。
…そんな経緯があり一度は消え去ろうとしたこの計画であったが、滝山の妹である『タキヤマ シア』がとある山奥で倒れていたのが発見されたことにより
その計画は息を吹き返した。
なぜなら、彼女は死亡寸前であったからだ。そう、言い換えれば何をしてもよい、という都合のいい解釈もできる。

627 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/14(水) 23:49:58.07 0.net
*―゚+.。o○*☆*○o。.+゚―*続き*―゚+.。o○*☆*○o。.+゚―*

そのこともあってか、彼女は選ばれてしまった。彼女は特設された研究所に収容された。
そしてその研究所に設置されている特殊なコールドスリープ装置に入れられた。
そのコールドスリープ装置は能力によって製造されたもので、内部の生命体を転写することができる。
そしてその転写の度合いを人間が調整することにより、より完璧な…最強の兵を大量に製造することも可能だ。
もし、そんなことができるようになれば……一般人は兵役という責務から逃れられる。そんな希望を抱いていた人間たちであったが、
実際はそううまくはいかなかった。
そもそもが能力によって製造された機械を、人間が調整・改良することなど不可能に近かったのである。
結果的にクローンとしての形はできているものの、クローンの中身は空っぽ…能力の再現率が低いという重大な壁にぶち当たってしまったのである。
こうしてこの計画は実質凍結された。タキヤマ シアもコールドスリープ装置で眠り続けることとなってしまった……
そして今、滝山は豊富な情報ルートを駆使してこの研究所の改造・増築を行い、さらに特殊な密輸ルートを用いて入手した刀剣や銃器、果ては機動装甲と呼ばれるような類のものまで集めた。
彼は一人で研究をつづけ、最初は12%を下回っていた再現率も今では最高53%まで上昇した。
…しかし、通常で100%が出なければ意味がない。そのため彼は不完全なまま誕生しそのまま生存したクローンを開放し、
能力を特殊な方法により廃棄、通常の人間として武器を持たせ戦わせようとした。
しかし、能力を破棄できる存在が唯一○○(生徒会長の名前)の能力だということが判明してからは彼はクローン製造をあきらめた。
そして滝山という男は最後にその計画の始まりと終わりをここに記した。
…CタイプのUSBを読み取ることができるのはこの文章を表示させているこのホログラム装置のみである
最後に、一つだけ。これを読んでいる者たちに告げる。シアを、よろしく頼む。」

最後の一文が読まれた後、ホログラム装置はコールドスリープ装置の存在する方向へ向けた矢印を表示した。
画面はそれで止まったようだ…

しかし、そのコールドスリープ装置はすでにふたが開いており、中には誰もおらず、そしてそこからは足跡のようなものが外へ向けて続いていた。

628 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/15(木) 00:08:15.65 0.net
流れ出したホログラム、読み上げられる文章。
唐突に明るさを増した部屋に、そんな異質な光景が浮かぶ。
語られたクローン計画の顛末、少女『SIA』の正体。
大方の、謎は解けた。ドライブの製作を始めようかと思っていたが、それは徒労なようだ。

能力の兵器転用。最も醜悪な能力利用。
能力で大切なものを失う以前に、能力を持つものから人権を奪う所業。
産み出されたクローンには、自由の権限はない。ただ支配者に従い無機質に動くためだけの存在だろう。
やはり、能力とは。惨劇を生むキーなのだと再認識した。

「...ヘッドギアを作ったあとで、このメモリを解析する」

能力の抹消者として。知らなければならない。
これからの決意と、これ迄の答えあわせのために。
滝山が託した存在は、既に虚ろに消えていた。
彼が何を思い、何を託したのか。そんな問いに答えは出さぬまま、ただ己の道が正しいと信じたかった。

629 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/15(木) 07:25:32.14 0.net
>【四刀流の蹴りが首に当たるかと思ったその瞬間…首から高温の炎が噴射し熱と炎が足を襲う】
「ぐっ…あっついなぁー…」
紫亜が足に炎をモロに食らったらしい。足に少しやけどがある。落奈も危うく食らいそうになるが、
蹴りのタイミングがずれていたので被害はなかった。
>その推力をつかい前進、挟み撃ちの状態から脱した
「…逃がさない」
「逃がすかァッ!!」
落奈はそばにある校舎の壁に飛びつき、そのまま壁を思いっきり蹴って御坂の前方に移動。
紫亜は足のナイフを拾い、一つだけ投擲する。一本は右手に握ったままだ。と、同時に足にかかっていた手のオーラが切れる。
「仕方ないかぁ」
と言い、紫亜はその場で棒立ちを始めた。
「突っ立ってないで…戦う」
「能力発動のために必要なの!1分私を守ってくれればそれでい」
「紫亜を守る…?当たり前でしょ、わたしの大切な友達なんだから、簡単には死なせないよ…っ!」
前方から思いっきり蹴りを浴びせたが、かわされてしまった。
そのまま蹴りの勢いで紫亜の前まで飛び、体勢を立て直す。

630 :戦挙”管理”委員会・広報部 ◆hqPjKaC066an :2014/05/15(木) 19:33:56.44 0.net
※スピーカー越しの声。事務的で、あまり抑揚のない声。


"ピンポンパンポーン↑"(機械音)


"おはようございます。こちらは戦挙管理委員会・広報部です"


"生徒会戦挙も正念場の中盤戦となり、それにともなって校内での戦いも熾烈を極めています"


"特に現在まで、軽傷から重症含め怪我人が多数でており、人数としては過去最悪の状況となっています"


"立候補者の皆さんには、無理な戦闘や戦意喪失者への攻撃は控えるようお願いします"


"また、具合の悪い人や怪我人を見つけたら保健室に連れていくか、最寄りの戦管へ連絡してください"


"無事に戦挙を終えることができるよう、皆さんのご協力をお願い致します"


"以上、戦挙管理委員会・広報部からのお知らせでした"


"ピンポンパンポーン↓"(機械音)

631 :暮六夜風 ◆hqPjKaC066an :2014/05/15(木) 19:41:21.69 0.net
「これはなんだろう」

戦挙管理委員会・広報部の暮六 夜風(くれむつ よかぜ)は、奇妙なものを発見した。
それは、戦挙中に怪我や病気で動けなくなった生徒がいないかどうか、校内を隈なく見回っている最中のことであった。
特に今回の戦挙は激戦で、公への発表は控えているが既に死者もでている。
負傷者放置による被害を未然に防ぐためにも念入りに捜索するように、というのが戦挙管理委員会……いや理事会の意向であった。
なぜなら、戦管は既に機能不全に陥っているのだから。トップである元生徒会長の離反によって。

「墓標……?」

眼前には、簡易的な造りの2つのオブジェクト。なんとなくではあるが、そう言った風に見えなくもない。
およそ学内には似つかわしくない発見に、夜風は疑念を深めた。
これは私的に設置されたものである、と。

戦挙中に関わらず、自らの【能力】で校舎に私的な部屋を作ってしまう、というのは、ままあることであった。
空間を操作する能力で、知らぬうちに教室が増設されていたという事例も、実は少なくない。
このようなことは基本的に校則違反であり、それに留まらず建築基準法に抵触する可能性もあるため、看過することはできない。
それに、隠された空間にトラブルを抱えた生徒がいる場合、発見できぬ間に不測の事態へ発展することも大いにあり得る。

夜風が周囲をよく探ると、近くにマンホールを見つけた。
マンホール自体はくすんだ鈍色で、使い古しのよくある風合いだった。
だが、その付近は靴底の跡で踏み固められていた。まだ新しく、明らかに複数人のものだ。

「……こんな校庭の端に人の出入りがあるのか」

そしてよくよく見れば、校庭から歩いてきたのであろう足跡は、マンホールの近くで不自然に途切れている。
これはつまり……。

夜風は取っ手に力を込めると、金属の丸蓋を持ち上げるように試みた。

【暮六夜風:剣・隼鐘のいるアジトの扉を開けようとする】

632 :暮六夜風 ◆hqPjKaC066an :2014/05/15(木) 19:43:41.89 0.net
(敵役)
名前:暮六 夜風(くれむつ よかぜ)
性別:女
年齢:17歳
身長:163cm
体重:49kg
学年/部活等:高校2年生/戦挙管理委員会 広報部所属
容姿:黒髪癖毛のショートカット。前髪のヘアピンがトレードマーク。目はいつも座っているかのような半眼で、一見冷静に見えるが実は激情家。
体の凹凸は少なく、容姿も声も中性的で、少女というよりはどこか少年然としている。
能力:
前スレ【>>115 具現声器】
擬音を媒介に魔法を放つスピーカー
「ボォオーー」と叫べばスピーカーからは炎を発射し
「バリバリバリッ」と叫べばスピーカーから放電が放たれる
動物の鳴き声を真似すれば動物を召喚する事も可能
ただし擬音以外には全く反応しない
人物紹介:
放送委員会の2年生。現在は戦挙管理委員会の特設広報部所属。
放送機材の調整、アナウンス、広報誌の作成など関係業務に広く精通する。
取材行脚と機材運搬で鍛えた身体能力は、比較的高めに位置する。
数年前の戦挙で兄を亡くしていることもあり、【能力】をとても厭わしいものだと思っている。
広報部所属ということで、【能力浄化】計画の戦況把握のために生徒会長に引き抜かれた。
武装は能力名ともなっている【具現声器】という中型スピーカー。
ベルトに付属させた専用ヒップホルスターにスピーカーをさして携行している。

633 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/15(木) 19:47:09.42 0.net
「……ひでぇ話だな、兵器転用だとか、失敗すりゃ捨てるとか」

静かに怒る。
身勝手な話だ、兵器転用しようとクローンを作り、失敗したから放置…

「……任せる、俺は機動装甲とやらを見てくる」

機構剣を分離させ、肩に担いで移動する。

634 : ◆J/oczXnR/E :2014/05/15(木) 19:52:52.31 0.net
機構剣について質問

・刀身の形状について
両刃の西洋大剣なのか、片刃の太刀に近い物なのか

・分離機構について
刀身が縦に割れて片刃の剣が2つになるのか、薄い剣2つになるのか

635 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/15(木) 21:34:23.20 0.net
A1.組み替えによってどちらにでもなり得ます
 個々の機械剣自体は4つが片刃、色違いの柄を持つ2つが両刃とします

A2.前者を想定しています
 個々の機械剣自体がそれなりの分厚さなので薄刃にはなりません

636 : ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/15(木) 21:42:06.64 0.net
追記:身体に機械剣を固定するパーツがあれば剣を移動補助の加速装置として使用できます

637 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/15(木) 22:03:37.91 0.net
「...待って」

歩いていく疾風を後ろから追いかける。今の彼では機構剣のポテンシャルを十分に発揮できない。
悠綺の製作した機械類は基本的に思考波制御である。素でも使えないことはないが、即応性と取り回しが格段に違う。
彼の持っていた最後の一振り、その刀身部分。顎部プロテクターを兼ねたヘッドギアへと変化させる。
頬に張り出したパーツからは目に光線が送られ、網膜に映像を投影する機能も付随している。
これで剣を自在に扱い、なおかつ情報を即座に共有できる。全生徒の情報を吸った悠綺のユニットとの相性は抜群だ。

「...これを」

それを疾風に手渡す。旅立つ相手に御守りを預ける、そんな情景。
だがそれは望みをただ託したものではない。確実に刃をとり、自ら立ち向かうための力だ。
ヘッドギアが悠綺の手から離れれば、彼女は彼に送る言葉をかけるだろう。

気を付けて、いってらっしゃい。

638 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/15(木) 22:06:25.64 0.net
……ガコン

物音が遠くから聞こえた、例えるなら鉄板を枠にはめるような音。
「別の入り口でもあったのか…?…ありそうだな…」


慎重に音の聞こえた方向に進む。
今は双剣に分けているが、大剣がとてつもなく重い。
(……でも、この重さは…)

敵か、もしくは興味で入った未関係者か。
何者かは分からないが、敵なら容赦はしない。
そして音がしたと思われる辺りに着く。

「……何者か、誰かいるのか?」
声をかける。

639 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/15(木) 22:07:33.01 0.net
またしてもリロードミスッ!

ちょい追加の文を書きまする

640 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/15(木) 22:14:45.07 0.net
>>638の前に


「おぉ…これを付けたらいいのか…ありがとう、役に立つよ」
悠綺から手渡されたヘッドギア、これを使うと思考波制御出来るらしい。
……詳しい仕組みはよくわからない。機械にはそこそこ強い方だが、これは完全に専門外だ。

「ん…サイズもいい感じだ、網膜投影…だったか、その映像もバッチリだよ。んじゃ…行ってくる」

目指すは新しい戦力になりそうな、機動装甲のエリアだ。

……そう、物音がするまでは、そこを目指していた。

641 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/15(木) 22:49:40.75 0.net
マンホール型の入り口に触れられてしまったようだ。
どうやらここの位置ももはや完全に露見してしまったらしい。
…しかし、ここはかつて理事会の命令によって建造された施設である。つまり、校則の適用外になる。
なぜなら、この学校において理事会の命令は絶対だからである。…そう、たとえ『死にかけの人間のクローンを作れ』という命令であっても、だ。

そもそも、本来ここはマスターキーを持つ滝山と理事会の関係者のみが立ち入っていい場所。それ以外のものが侵入を試みようとすれば、防衛を行うのは当然のことである。
それが例えば、このようなクローン製造施設などという人類の最大の禁忌を犯すための施設と武器や装備など兵器を保管する施設とが隣接している危険な場所ならなおのこと防衛システムは必要である。
この研究所の防衛システムは地下一階の居住区と地下二階以下のすべての階層とを仕切る壁を展開。これは能力による力でもよほどのパワータイプのものでない限り破ることは難しい。
そして第二に、研究室と兵器庫の前に合計80個ものタレットを配置、そして扉には100重もの電子ロックを掛ける。

「緊急警報。侵入者を確認いたしました。これより、防衛システムを展開いたします」

機械音声はそう告げた。…しかし、この研究室は長らく機能していなかった。タレットは合計でたった8個しか配置できず、他のシステムと言えば扉の電子ロック70重程度だった。階層を仕切る壁は展開すらできず、容易に侵入者の侵入を許してしまう作りになってしまった。
中から開錠することはできるが、かなり時間はかかるだろう…。
【中に入れないように防衛システムが起動するも、うまく機能していないようだ…入り口前までなら侵入は可能なようだ】

642 :安部vs白河 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/15(木) 23:48:36.47 0.net
>>618

全力で突っ込んでいく白河。それに対して安部は鉄甲ならぬ紙甲を装着して応戦。右手の紙甲には【速】と書かれていた。

白河の攻撃より速く、安部がプロボクサー並の右ジャブで迎え撃つ。
紙一重でかわす白河。その背後から【遅】の蝶が鱗粉を撒き散らす。それを浴びた白河の動きが遅くなる。

「なん…だ、急に…体…が…。」
白河の動きが鈍くなったのを見逃さず、安部の左ストレートが襲いかかる!その紙甲には【剛】と書かれていた。

「ぐはっ!!」
たまらず吹き飛ぶ白河。その瞬間、自分や安部の周りを飛んでいる蝶に気付く。

「カラクリの正体はこいつらか!」
白河の右手から火炎放射器の様に炎が噴き出す。その炎が全ての蝶や安部の紙甲を燃やした。

「あちっ!!…しまった!」
安部が気付いた頃には既に遅かった。白河の右脚が安部の側頭部を襲う。

二回、三回、回転しながら転がっていく安部。
「祥明!大丈夫!?…ダメだ、意識が…。」

薄れ行く意識の中で、安部は何か声が聞こえた気がした…。

『小僧、力が欲しいか?ならば貸してやろう!その変わりお前の体を我に渡せ…。』

643 :安部vs白河 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/16(金) 00:36:59.02 0.net
/>「祥明!大丈夫!?…ダメだ、意識が…。」←これは黒猫・北斗の台詞です。

644 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/16(金) 00:46:30.19 0.net
【安部の意識の中】
(…ここは、どこだ?…あれ?俺、死んだのか?)

真っ暗闇の中で目を覚ました。辺り一面闇の中。ふと黄色い光が浮かびあがり、此方に近付いて来る。

『小僧よ、力が欲しいか?』
黄色い光が形を変え、馬の様な不思議な姿になった。まるで麒麟のようだ。

「誰だお前?確かに力は欲しいけど…。」

『我はお前だ。それにお前は元々力を持っている。その使い方を知らないだけだ。』

「なんだそれ?じゃあ俺が下手くそみたいじゃんか。」

『その通りだ小僧。お前に力の使い方を教えてやる。少し体を我に渡すのだ。』

「はぁ!?やなこった!俺は俺だ!誰がお前なんかに…。」

『言ったはずだ、我はお前だど。つべこべ言わず、少し黙って見ていろ。』
突然、体の自由が効かなくなった…。そして目を覚ますと、そこは先程までの戦場だった。

645 :安部vs白河 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/16(金) 01:09:07.09 0.net
「勝ったな…。っ!!」
白河の左肩に激痛が走る。

「パワー馬鹿にやられた所か。……なっ!?」
驚愕の表情の白河。その視線の先には人から人外の物へと姿を変えていく安部がいた。

「オォォーーーン!!!」
麒麟へと変貌を遂げた安部が吠える。すると校内の至る所に仕掛けられていた【式神】達が突如暴れ出した!

校内のあちらこちらから生徒の悲鳴が聞こえる。暴れ出した式神が誰彼構わず襲っているようだ。

「これは…【暴走】か!?」
白河が再び身構える。刹那、麒麟から無数の刃が発射される。残りストックの炎を全て右手から噴出させる白河。しかし、刃は燃え尽きる事なく白河の肩に脚に突き刺さる。その刃には【封】と書かれていた。

「何だこれは!…抜けない!」
足掻く白河を先程まで宙で待機していた朱雀が襲いかかる。

朱雀の突撃を左手で受け止めようとする白河。しかし何かがおかしい…能力が発動しない。

「しまった!この刃は能力封じか!」
気付くのが少し遅かった。白河の体を朱雀の炎が包み込んだのだ。

土の上を転がりながら、何とか消火した白河。突き刺さった刃は抜けたものの、かなりのダメージを負ってしまった。

「これは…不味いな…。」
困惑する白河に向かって、麒麟は再度咆哮をあげた。

646 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/16(金) 01:26:28.18 0.net
燃えるような擬音と共に通信が途切れる。
それきり肩に乗せたウサギは沈黙以外の音を発しなくなってしまった。
先の戦闘で理解していた。能力産とはいえ所詮紙だということ。
きっと燃やされでもしたのだろう。早とちってヘマをしたか、あるいは...

「...ま、取り敢えず十分かな」

音声通信から十分な情報は手に入った。
ターゲットの御有楽鈴の尾行も気付かれずに済んだようだ。
当面の目標は果たした。これだけ揃えば後は自由にしても文句はないだろう。
もとより俺の情報を期待しているとも思えない。奴等の興味は俺という存在、人工異能にしか無いのだろうから。
そんな折、周囲から悲鳴が聞こえる。廊下のガラスから式神がちらりと垣間見えた。

「...あのバカ、どうなってるんだ?」

敵に操られでもしたか?気でもおかしくなったか?
もしそうで無いとすれば。もうひとつ、最悪の可能性。
...全く、世話の焼ける。気付いたときには身体が動いていた。
目指す先は生徒会室前。通信の断片から聞き取った、最後の位置情報だった。

647 :暮六夜風 ◆hqPjKaC066an :2014/05/16(金) 04:07:36.32 0.net
>>641

ブゥゥン。

マンホールを持ちあげたときに感じた、僅かな振動音。

――自分の行動が切欠で、何かの"システム"に通電した。暮六夜風はそう直感した。
それは放送室でミキサーのスイッチを入れたときの、まるで電気の波が全身をさらっていくような感じだった。
沈黙するマシンに見えない血液が循環して、スリープ(休眠状態)からアクティブ(起動状態)に遷移する、目覚めの感覚だった。
夜風は、慎重に体を律しながら梯子を伝って、とうとうマンホール下の通路に降り立った。

「……」

立地から、下水道の空きスペースを使った野戦キャンプのような簡易拠点を想像していたのだが、それは全く違っていた。
通路の周囲には下水を通る〇型パイプも、水音も、不快な臭いのひとつさえも、一切無かった。
つまりここは下水道ではなかった。
潤沢な資金と確たる思想をもって設計された、ひとつの施設だった。

進路を誘導するように設置された照明の先には、電子ロックを備えた重厚な扉が見える。

(この建築規模だと、個人の資産でどうこうするには無理があるな)

ということは、学校側――つまり理事会――が一枚噛んでいる、ということであった。
目の前のコレは、違法な隠し部屋ではなく、正式な手順をふんで建設された"なにか"である可能性が高い。

理事会は学校の闇だ。
能力者を集めて教導しようというのも、そもそもこの"戦挙"とかいう枠組みを作ったのも、彼らだ。
元々生徒の自治など存在しない。
そしてそれを可能とするのは、彼らには強大な後ろだて……金や、権力や、暴力があるからこそだ。
だから、今回の蜂起の目標は彼らではなく、自分たちの【能力】そのものなのだ。
学校への直接の反逆は、強大な敵への対峙は、最後の手段なのだ。

しかし夜風は、そこから一歩踏み込むことに躊躇はなかった。
学校の掌で踊るのも、能力に溺れる者たちを眺めるのも、もう厭き厭きとしていた。だからこそ、この【計画】に乗ったのだ。

"こちら戦挙管理委員会です。この建築物、およびここで生活、企てを行うことは校則に違反する可能性があります"

紋切型の戦線布告。ホルスターから引き抜いた拡声器【具現声器】が、夜風の声をこれでもかと増幅させる。
そして数秒の間の後、続けた。

"……反応なし。戦管権限で強制的に立ち入る"

そんな権限などあるものか。なかば自嘲気味に笑うと、暮六夜風は、手持ちのスピーカーに向かって擬音を立て始めた。

"バリバリバリッ!"

【具現声器】からの強烈な放電。紫の稲妻が入口扉の電子ロックを直撃する。
どこまで厳重なロックなのかは分からないが、"システム"はそれを感知して、何らかの反応を示す。
この行動に対して、現代的な安全装置は必ずなんらかの挙動を示すと、夜風は確信していた。
全てはそこからだ。
内部に人がいるのか、それは誰で、何をしているのか……情報を得られれば御の字だった。

【暮六夜風:アジトの入口扉に能力で放電し、システムの異常を狙う。
      また、この行動に対する内部の反応を見て情報を得ようとする】

648 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/16(金) 06:40:20.18 0.net
二人だけだった静寂に、突如割って入った誰かの声。
それは侵入者の存在を告げる警報。曰く、防衛装置が作動したらしい。
目の届く範囲にあったひとつの扉が、固く固く閉ざされる。
...これは、出られるのか?一抹の疑問が頭を過った。

次に僅かに聞こえたのは同じく電子的な音声。
自らを戦挙管理委員だと名乗る声は、あろうことかこの場所にいること自体を糾弾し始めた。
企て、か。そう言われれば肯定なのだろう。彼らと同一の目的ではあるが。
それに、私達は此処の所有者ではない。探索のために立ち寄ったに過ぎないのだ。

強制侵入を宣言する声が遠く聞こえる。そんなことは一向に構わない。
分厚いロックで届かないこちらの声が、どうか聞こえる位置まで来るといい。
『生徒会派』とは本日二度目の接触となるか。最も、両者が同一の組織であるかは不明だが。
だが好都合。両者の関係性も含めて、この際全てを聞いてしまおう。
...戦闘になる可能性も、否定はできないが。

紫電が閃く空間。システムから異音も聞き取れるようになってきた。
扉の向こうの光景を見据えながら、悠綺は静かに拳銃を手にした。

649 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/16(金) 06:41:19.12 0.net
>>646
/安部達の戦闘場所は新校舎と旧校舎の間、校庭です。念の為

650 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/16(金) 15:42:56.62 0.net
「侵入者だって分かってるから俺が偵察してんのに…わざわざ扉を閉めるのね…防衛システムさん…」

多重にロックされた扉を前に一人呟く。
現在、音のした方を偵察中だった疾風は、固い扉で悠綺とも分断されていた。

「…アイツの能力は声に関連するものか…」
現在、出てはいるものの故障して完全に動かないタレットにもたれて相手の動きを見ている。
破壊しようとしているのか、能力によるものであろう雷撃を放っている。

「さぁ…てっと…こっちから仕掛けるのは気が引けるしな…あ、そうだ通信機…」

首に巻いた通信機を起動し、通信を開始しようとするが
「……あれ、やり方とか色々聞いてないな…周波数の設定とかいるのかね…」

結局、悠綺の動きを待ってからにしよう…それからでも奇襲には遅くない。
そう判断した。

【謎の侵入者(夜風)の様子を見つつ待機】

651 :滝山の遺物たち ◆taZqHR8ods :2014/05/16(金) 19:40:16.42 0.net
>紫の稲妻が入口扉の電子ロックを直撃する。
「ゲートロックシステム・バージョン1.8.09283aの強制シャットダウンを開始します」
突如、パスワード入力画面などに写っている文字が消え、扉の開錠手段はなくなった。
…しかし、この扉は先ほどの放電でかなりのダメージを負っているらしく、紫電を食らった場合もってあと2発だろう…

兵器庫のシステムにもどうやら影響があったらしい。
「緊急警報、緊急警報。研究室入口のロックシステムがシャットダウンされました。室内にいる研究員は、至急機動装甲に搭乗し
原因の究明および原因の排除を行い、システムを再起動してください。繰り返します…」
そして兵器庫と研究室をつなぐ扉と、兵器庫の入り口の扉が開いた。
兵器庫の中にはさらに二つの大きな部屋があり、【武器庫】と書かれた部屋ともう一つ、
【機動兵装室】と書かれた部屋がある。

中には大量の機動装甲が配備されていた。
装甲、と名のついている通りどうやらロボットの中でもアニメにあるような巨大な物とはまた違ったタイプのようだ。
機体の胴体部分に位置する場所にはコクピットを覆うものがなく、ただ椅子のようなものといくつかのレバーとボタンが配置されていた。
機体の大きさはそこまで大きいものではなく、恐らく1~2メートルくらいだろうか。
両足のパーツは人間でいうくるぶしのあたりまではしなやかに動きそうな見た目だが、くるぶしより下の部分はタイヤになっている。
両手のようなパーツにはミニガンを二つ縦にくっつけたかのようなマシンガンが握られている。
そして、これらすべてが全体的に子供たちの熱い心をくすぐるような見た目になっている。…恐らく、見た目も考慮しているのだろう。
コクピット背面にはドリルのようなものがついている。恐らくブースターか何かだろうか。このような近未来の技術はきっと能力によるものか…
もしくは、本当にここまで技術が発展しているのだろうか。
そしてこの機体、どうやら乗れそうだ。乗るための階段のようなものが横に設置されている。
恐らく、これに乗れ、ということなのだろうか。

652 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/16(金) 20:20:56.45 0.net
>>645

「祥明!しっかりしなさい!ダメ…完全に暴走してる…。このままじゃ孝明と…あの子の父親と同じ事に…。」
狼狽える半獣人の北斗。

「人化の効果もそう長くない…。あんた!私が援護するから、祥明を気絶させて!いいわね!」

白河の返事を待たず、北斗は四肢を揃え力を込める。筋肉が膨れ上がり、倍ほどの大きさになった時、爆発した様に地から飛び出した。

一掻きで麒麟の横を通過。数発の爪撃を加えるが、さしてダメージはなし。

「オォォォーン!!!」
咆哮と共に麒麟から雷を纏った白き虎と冷気を吐き出す青き龍が飛び出し、黒猫を襲う。
白河の方には龍の首を持つ大きな亀が、朱雀と共に襲いかかる。

「こいつ!四獣を全て同時に出せるの!?」
青龍と白虎に応戦するも、半身を凍らされた上に電撃を浴び、後退する黒猫。

一方の白河は飛び出した朱雀の攻撃を吸収しようとした瞬間、玄武の強烈な振動に吹き飛ばされた。

四獣を自分の近くへと戻し、周りを警戒するように…、いや、力を見せ付ける様に吠える麒麟。二人はなす術なく距離を保っていた。

653 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/16(金) 20:29:46.73 0.net
二人の持つチョーカーは通信機。前方で声帯の振動を微弱なものまで読み取り、後方で頚椎に直接音を流し込む。
声を潜めて対話することで、なかなかに機密性の高い会話ができる代物だった。
右側に唯一ついたボタン、少しの間だけ押し続ける。

「こちら扉の裏側。......聞こえる?」

小さな小さな電子音の後で通信機の向こうの疾風に話しかける。
...そういえば、使い方を言っていなかった。付けるのだけで精一杯だったから。
この事態への対処法の相談ついでにこの際伝えておく。

「通信開始はボタンをホールド、通信終了はボタンを二回。それで、使えるから」

さて、このロックのかかった多重扉を一体どうしてくれようか。
相手は戦挙管理委員と名乗った。下手に刺激しては元も子もない。
攻略兵器の使用は様子見、ましてや不意打ちなど論外だ。友好的に話し合える環境を築きたかった。
とはいえこの扉、生半可な攻撃では開くことはないだろう。

「内面から解除方法を探す。通信を付けたまま対象に接触してほしい」

だからまず、内部にいる人間が敵対的だという先入観を解除する。
話も聞けない相手なら一時的にでも黙らせればいい。最後の最後の手段にしたいが、疾風なら可能だろう。
手段は任せる。求められるのは結果だ。
ディスプレイの落ちた機械群の前に座り、再起動を試みた。

654 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/16(金) 20:33:44.84 0.net
「ぬお?なんだなんだ…機動装甲?なんだ、探してる物も出てきたじゃん、ラッキー…っと!」

システムの指令と共に開いた扉に全力疾走する。機構剣の重さでふらふらしてるが。
そして、機動装甲の前に立ち、目を輝かせながら見上げる。

「いいねいいねぇ!これは機動戦士っつぅより動く棺桶か!くぅぅ!!燃えるねぇ!!!」

奇襲するために静かにしていた事などとうに忘れ、ハイテンションで独り言を続ける。
そして、何の躊躇いもなく乗り込みマニュアルを探す。

「マニュアルは…お、あったあった…ふむふむこれが起動スイッチで…」

見付けたマニュアルをかなり集中して読み始める。

【機動装甲コックピット内でマニュアルを読むのに意識は集中、隙だらけ】

655 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/16(金) 20:41:51.92 0.net
/リロードミスぅぅぅぅぅぅぅぅ

「こうしてこうすりゃ…おお!コイツ…動くぞ!」

悠綺からの通信も半分聞き流しつつ重要な所は聞き流さなかった。

「えっと操作は…こうか、あーあーテステス…OK?よし、俺は今機動装甲を確保した、いや、趣味じゃないよ?強そうだからだよ。……信じて?」

どう考えても趣味七割。

「んで…奴と接触するんだっけか、んじゃ機動装甲から降りるかぁ…っと、機構剣も近くに置いとくぞ」

そろそろ音に気付いて近付いてくるだろう。来ないならこっちから行けばいい。
機構剣を装甲が壁になるように床に刺し、少し移動する。

656 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/16(金) 20:42:56.57 0.net
実際のところ、彼らは最後に口にした一から少し離れて交戦していたようだ。
それでも方向は間違ってはいない。そして近づけばその激戦は嫌でも目にはいる。
背の高い校舎越しに閃く稲光。初めはそれを式神使いの一撃だとは思いもしなかったが。

「...何だあれは?奥の手、ってほど上等なモンじゃ無さそうだな」

話には何度も聞いた。能力が自我を持ち暴れだす、即ち暴走。
感情の欠片も持ち合わせていない紅牙のそれとは違い、能力は時に鍛えられ時に暴れだす。
その結果が、あの姿か。遠目から鷹の目で状況を見据え、素早く対処法を練る。

一匹の麒麟を中心に蠢く四体の神獣。
アイツの能力である限り、それはきっと所詮紙製だ。
捉えられてはいないであろう遠方で、ヤマアラシの針をその手に握る。
咆哮、その隙に。四体の神獣に向けて、幾本かの針が前触れもなく降りかかる。

657 :安部vs白河・北斗 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/16(金) 21:22:03.83 0.net
>>656

突如、空から幾本かの針が四獣の体に突き刺さる。しかしある物は燃え尽き、ある物は電撃で焦げ付き、ある物は凍り砕け、ある物は振動で曲がり折れた。

「何処からかの援護攻撃か?」
白河が辺りを見渡す。それらしき恰幅の良い生徒を見つける。

「あれじゃダメ…四獣は強力な属性を持ってるから、普通の紙の式神みたいに燃やしたり破ったりは出来ないわ。
その上【暴走】状態…実体に近いと考えた方がいいわね。」

応戦するかの様に、麒麟から数百の【鉄】と書かれた針が周囲一体に飛ばされる。

必死に弾く白河と北斗。その二人を雷と炎が襲う。

「にゃ!しまった!」
【人】の護符を燃やされ、黒猫に戻った北斗。

雷を受け、膝を落とす白河。
「くそ!まるで無敵じゃないか!何か…何か手はないのか!」

「オォォォーン!!!」
勝ち誇った様に吠える麒麟。

しかし次の瞬間、三本の鎖が麒麟を捉えた!

「おやおや、大苦戦ですね。副会長さん。」

「き、貴様は!?」

658 :入江紅牙 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/16(金) 21:39:32.80 0.net
弾かれたか。暴走すると面倒なことになるものだな。
まあ、確かに本質が紙程度であればそこまで苦戦することもないだろう。
深刻そうな彼らの表情から、予測はできた結果だった。
ヤマアラシの針は生半可な貫通力ではないが、刺さる前に無効化されては意味がない。
となれば式神への攻撃は効果を示さない。止めるには本体たる幻獣を叩けと言うことか。

「出来れば、近づきたくは無いな...」

途中、ちらりとこちらを見る者が一人いた。
自身は戦闘中だというのに全く呑気なものだ。
白河蛍。ある意味最大級の要注意人物。警戒されるのは避けたい。
この距離では視力を強化するかスコープでも使わない限り顔は見えないだろうが。

そんな折、勝利の雄叫びをあげる麒麟に異変が走る。
影から顔を出した人物を、遠々距離から視認する。
−それは、見覚えのある顔。先程まで尾行していた調査対象とその付き人だった。

659 :暮六夜風 ◆hqPjKaC066an :2014/05/17(土) 02:44:31.86 0.net
>>653 隼鐘悠綺
>>651
> 「ゲートロックシステム・バージョン1.8.09283aの強制シャットダウンを開始します」

とりあえずここまでは予想通りだ。
電子錠に過負荷がかかれば、安全装置(フェイルセーフ)によって扉は正常な挙動を失うだろう。
――つまり、開かなくなるだろう。
そうなれば、内側からの手動操作でロックを解除するか、外部へ連絡して保安要員を呼ぶ(あるいは自動で呼ばれる)しかない。

そして暫く、時が流れた。

何らかの動きを期待し、そこから情報を得ようとしていた夜風であったが、しかし依然として、目の前の扉は沈黙を保ったままであった。
もしかしたら、この扉には強固な耐電対策が施されていて、なまなかな電流では負荷にすらなっていないのかもしれない。。
そうであれば、仮にドアの内側に人間がいたとしても、夜風の行動が何の障害にもなっていない可能性すらある。

(これ以上待つのは無駄だろうか)

諦観めいた考えが夜風の脳裏をよぎった。

……いや。
一度物事を始めたのなら、手をつくして実行すべきであろう。
学校関係者に咎めを受けたのなら、そこではじめて諦めればよい。
今は戦管として、負傷者の発見などという大義名分があり、それは理事会の直接の意向でもある。

やってやるか。

電子ロックは動作を停止したが、先程の放電の衝撃のせいか、扉の建て付けはややガタついて見える。
進入の手立てがあるとすれば、ここを突くしかない。
様子見は終わり。システムのハックはもういい。次は力づくだ。

"ドンッ! ドンドンドンドンッ!"

夜風の発した破裂音は、【具現声器】から超圧力の空気弾となって飛び出した。
ヒシャげる扉。そして扉を固定する蝶番は、着弾のたびに軋みをあげて、本体と壁の隙間を押し広げてゆく。
ドアによる遮蔽が緩くなると、そこから奥の空間がわずかに見えるようになった。

閉じられていた空間が繋がり、内外の空気の交合する。
ともに流れ込むそれは、人の気配。

――誰かがいる。

それは、きっと人間だった。
この学校の制服の端が見えている。
体のパーツは大きくはなくて、むしろ小柄といっていい。女子生徒だろうか。
しかし、分かるのはその程度の情報だけだ。開けた視界はあまりにも狭い。

「ねぇ、聞こえてるでしょ」

夜風は攻撃を止めた。
扉は既に、部屋を密室たらしむことを諦めていたが、完全なる開放と言うには程遠かった。
彼は未だ閾(しきい)の一部となって、生徒2名の邂逅を妨げている。

「私は戦管の暮六夜風。貴方の名前を聞いてもいい?」

顔は見えない。だが声だけは届く。
崩れゆく一枚の壁を隔てて、ふたりの異能者は既に対峙していたのだった。

【暮六夜風:半端に開いた扉の隙間から、内部の隼鐘に話しかける】

660 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/17(土) 03:08:50.46 0.net
>>657

「…二神!」
最大級のピンチに現れたのは、見知った顔、出来れば見たくない顔だった。

「ざまあないですね、白河。牛島ごときに傷を負い、下級生相手に敗北しかけるとは。」
選菅・鎮圧部隊の中でも白河が最も忌み嫌う男。残忍で残虐、卑怯で陰湿、頭も切れるが格闘センスも高い。それが二神 一だ。

「別に貴方を助けた訳ではないんですがね。折角の強者暴走なんで、頂に来ました。」

鎖に巻かれた麒麟は、既に人の姿へと戻っている。倒れたまま動かない安部の横に立っていたのは小さな女生徒だった。

「…御有楽?お前、何をしてるんだ?」

「そういやぁ副会長さんはお知り合いでしたね。彼女は今や戦管の一人ですよ。さぁ、御有楽くん。白河副会長にご挨拶なさい。」

「…はい。」
御有楽の背中から三本の鎖が伸び、白河を捕らえようとする。

「何をする!御有楽!」
反射的に後方に飛び、鎖を避ける。

「何があった!目を覚ますんだ、御有楽!」
しかし御有楽からの返答はない。冷たい瞳が此方を見つめるだけだ。

「二神ぃ!!貴様等、御有楽に何をしたぁ!!」
二神に殴りかかる。が、その拳は二神の三本目の手に寄って掴まれた。

「あはは!此れがあの白河ですか!まったく、なってませんよ!」
二神の四〜六本目の腕が体に減り込む。

「孤高の白き閃光が聞いて呆れますね。そんなにこの少女が大事ですか?残念ながら彼女は既に会長の物です。意味は分かりますね?」
嫌らしい笑みで見下す二神。

「ゆる…さんぞ!二神!!」
怒りで我を忘れそうになりながら、目の前の二神を睨み付けた。

661 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/17(土) 12:13:38.86 0.net
「まさか来ない…とはな…」

結局疾風は、先程から扉を破壊しようとしている人物に自ら接近しなければならなかった。

>「ねぇ、聞こえてるでしょ?」
>「私は戦管の暮六夜風。貴方の名前を聞いてもいい?」

不味い、悠綺と接触しかけている、これは早く止めなければ。

「おーい、そこのあんた、夜風…でいいか?戦管なんだってな、んで、戦管さんが何の用?」

出来る限り警戒心を生まないようにフレンドリーに接触を試みる。

その後、他人には分からないように通信機を使い喋る。
「……悪い悠綺…遅くなった…顔を見られんように隠れててくれ…」

662 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/17(土) 12:54:38.55 0.net
強大な破裂音と共に、鉄扉が変形する。
垣間見えた肌色のパーツ。扉の向こうに居るのが、人間らしいと言う以上の情報は得られない。
だが、人間がいると言う情報だけで十二分に対話の糸口となり得る。

『...いや、いい』

通信を使い疾風に話しかける。対話から始まれば方法はいくらでもある。
相手はそれほど好戦的でないようだ。急に戦闘にならなくてよかった。
存在が割れれば、沈黙は敵対とも取られかねない。早急に名前を明かすのがいいだろう。
すこし距離の開きすぎた扉の向こうへと、それでも確りと声を届ける。

「隼鐘悠綺。...ここから出たい」

扉は一部欠損し変形している。たとえシステムが解除できても何処かで引っ掛かってしまうだろう。
それではここから出られない。既に破壊以外の選択肢はほとんど消えたといっていい。
...そして、中には1人幽閉された人がいる。この情報を伝えればとりあえず私を傷つけない開け方を模索してくれるだろう。
客観的にはどうあれ、現状私たちも謎のシステムに巻き込まれた被害者なのだから。

少しとはいえ、声を普段より張り上げるのは疲れる。
そのため疾風との通信による仲介をしたかったが、ここで機械の存在を知られると不味いだろうか。
この施設と関連付けられ、あらぬ疑いを掛けられかねない。
...もっとも、それは扉が開いたあとも同じ。悠綺の機械兵装は懐疑の的になるだろう。
だからそれまでに敵意がない、施設とは関係がないと言うことを印象づけなければならない。

『疾風、お願い』

内側にいる、機械まみれの悠綺ではそれは出来ない。
私の存在、此処との関連性。武装を解いた疾風なら、その説得の糸口足り得る。
最早システムロックを諦めた悠綺は、落ちたディスプレイの前から立ち上がり扉を見据えた。

663 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/17(土) 14:31:27.98 0.net
『え…いいって…』
悠綺が普通に答える、慌てて出てきたのは意味なかったようだ。
『りょーかい…任せときな…』

(さぁ…剣君お得意の対話の時間だ、しくじるなよ…)
「……あぁ、悪いな…悠綺を助けてくれてたのか、いや何、俺達もここに迷い込んでなぁ…あ、別の入り口だからかね?システムは作動しなかったんだが…」

かなり饒舌にこちらの情報を渡す。
嘘と本当の半々の情報を流すのがコツだ。

「そうだなぁ…何か武器を探してくれないかい?俺の能力は武器を上手く扱う能力なんだ…夜風の能力は声を扱う物なんだね?」
雑談に偽情報を混ぜ、相手の情報を集める。
「あぁ、悠綺の能力は色々な武器を作ったり出来る能力なんだ、だからコンビを組んでるんだよね」

悠綺の能力についても誤魔化す。
武器を作る能力…ものは言い様だが、これで悠綺の持っている装備についても説明出来るだろう。

664 :安部 祥明 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/17(土) 21:47:02.00 0.net
(なんだ!?体が勝手に動いてる?)

意識は取り戻したが、自分の体が自分の物ではない感覚。

『オォォォーン!!!』
自分の口から出た声だとは思えなかった。

無数の刃が白河を襲い、朱雀により吹き飛ばされる白河。

「祥明!しっかりしなさい!ダメ…完全に暴走してる…。このままじゃ孝明と…あの子の父親と同じ事に…。」

(北斗…ダメなんだ!体が、いう事をきかない!)

北斗が襲いくる!俺を気絶させる気だ。だが残念な事にダメージは与えられない。

四獣の同時召喚。全方位攻撃。どれも自分では到底出来ない攻撃…。

(強い…これが俺なのか?)

『そうだ。これこそが我等の力。さあ、全ての者を葬り去ろうではないか。』

(俺はそんな事、望んじゃいない!ただ強く…強くなりたいだけなんだ。)

『強さとは力だ。力ある物はそれを誇示しなければならぬ。出来ぬと言うなら、小僧!お前は何の為に力を求めるのだ!』

ガシャン!!

何処からか伸びてきた鎖が体に巻き付く。そこで一度意識が途切れた…。

「…明…祥…!…祥明!よかった、気が付いた。」
目を開けると黒猫に戻った北斗が顔の前で騒いでいた。

まだ体の自由がきかない…。上を見上げると一人の少女がいた。自分の体に巻き付く鎖は彼女から出ているようだ。

「君は誰?俺を助けてくれたの?」

「…………。」
問いには答えてくれない。目には光がなく、顔には温もりがない。まるで操られているようだ。

「祥明、こいつら何かやばいよ!どす黒い感じがする…。早くここを離れなきゃ!」
耳元で北斗が囁く。その声は何かに怯えているようだ。

「そうは言うけど体が動かないんだ…。」
暴走の性か鎖の力か、俺は立つことすら出来ずにいた。

665 :暮六夜風 ◆hqPjKaC066an :2014/05/18(日) 05:05:22.25 0.net
>>662 隼鐘悠綺
> 「隼鐘悠綺。...ここから出たい」

素直な回答だった。
特に言い淀むでもなく、此処に居ることに後ろめたさを感じているわけではなさそうだ。
しかし、他にも彼女に聞きたいことはたくさんある。
夜風がこの状況を作った詫びと、更なる質問に口を開きかけたそのとき、隼鐘悠綺とはまた別の、男の声が夜風の耳に入った。

>>663 剣疾風
暗闇から男が歩み寄ってくる。
内部への入口は目の前の扉だけなのだと思っていたが、どうやら違ったらしい。
謂わば例のマンホールそのものが、この建物への入口だったということだろうか。
夜風が降り立ったこの通路は、四方八方に位置する各部屋を連絡するスペースなのかもしれなかった。

> おーい、そこのあんた、夜風…でいいか?戦管なんだってな、んで、戦管さんが何の用?

「人通りの少ないエリアで傷病者が放置されていないか、見回っていたんですよ。
 特にこの空間は、学校の用地や施設としては登録されていないものでしたから、立ち入りました」

暮六夜風は男の問いに、率直に答えた。これは、今年は激戦だから……という理由で戦管に要請があった仕事だった。

「実際は"死体さらい"といったところですがね……昨日の【事件】の」

しかし、理事会がこのタイミングで負傷者の捜索指令を出したのには、まず間違いなく、昨日の【能力暴走事件】が関連しているはずだ。
その名の通り、能力を暴走させた生徒が何人かの生徒を殺害して、結局その生徒自身も死亡してしまった事件だ。
この件は、関係生徒の身内や職員、戦管のような一部の生徒に対してしか知らされいないし、彼らに対しても緘口令がしかれていた。

理事会は恐れているのだ。"被害者"が不意に発見されて、学内の不祥事として無暗に騒ぎ立てられることを。
だから夜風は、戦管がこのような"死体さらい"をさせられることになったと思っている。
だが見方を変えれば、【能力浄化計画】の目として、いろいろな場所を探索できる大義名分ができるということだ。
そう考えれば、そこまで悪いことではないように思えた。

>そうだなぁ…何か武器を探してくれないかい?俺の能力は武器を上手く扱う能力なんだ…夜風の能力は声を扱う物なんだね?

「戦管は基本的に中立でなければなりません。特定の候補者を有利に導くような手伝いや肩入れをしてはいけません。
 ……もし貴方に武器があれば、閉じ込められた隼鐘さんを安全に助けられるというなら、話は別ですが」

半壊した扉を見つめながら、夜風は言った。なんにせよ、今の最優先事項は、彼女の救出で間違いないだろう。

「私の【能力】を使えば、このままドアを吹き飛ばすこともできるかもしれません。
 ですが、私は緻密な力の制御ができませんから、吹き飛ばしたドアで中の隼鐘さんを傷つけてしまうかも」

夜風は冷静に考えて、そう言った。

「扉の蝶番を捩じ切るか、ドアノブの周囲を切断できるような工具か機械があればいいのですが。
 あるいは、私の戦管仲間に助けを求めるか……なにか手立てはないものですかね」

夜風は剣を横目に、懐からスマホを取り出すと、細くしなやかな指でそれを弄びはじめた。

【暮六夜風→隼鐘悠綺:扉越しに様子を見る。隼鐘自身に脱出の案があれば、考慮する】
【暮六夜風→剣疾風  :安全な隼鐘救出の手段がないか問う。あればそれを促す。なければ、スマホで戦管仲間の救援を要請する】

666 :隼鐘悠綺 ◆WavOJ.wdWQ :2014/05/18(日) 08:38:24.90 0.net
よし、いい調子だ。通信越しに対話を聴きながら悠綺はそう思った。
と言うのも、早速機械兵装について誤魔化しが効きそうだと感じたからだ。
戦管から垣間見えた侵入目的も大きな収穫だ。危害を加えられることの無い今、ゆっくりとその真意を考えられる。

『死体拐い』。彼女はそう言った。
簡単に考えても、それは死体が残っていては不利益があると言うことに間違いないだろう。
つまり、比良坂詠未の能力暴走事件。その真相と結末を闇に葬りたいと言うこと。
一方悠綺と疾風はその事件の一部始終を知る唯一といっていい人間である。この事実は十二分に交渉材料になりそうだ。
戦管の彼女がお堅い人間であればあるほど、上の意向を無視することはしないだろう。
これを切っ掛けに取り入る事だって可能だ。...焦るべきではないが。

そして私の救出を名目に機構剣および機動装甲の持ち出しが可能になったことも嬉しい。
内部にある兵器群の使用許可を彼女が出したと言うことは、『ここにある武器は使用してよい』と深層意識で感じているということ。
つまり機械的な武器を持っていてもそれを『使用可能武器』という以上の認識で見ないと思っていいだろう。
追求される可能性が低いとなれば、下手に隠す必要も無くなったわけである。

悠綺が内側から何もできないという現状は、変わったわけではない。
しかし確実に対話における流れは此方に来ている。確信を持っていた。
対話の全てを彼に委ねつつ、誤解を招かぬよう拳銃をバックパックに収納し瞑目する。
大丈夫、きっとできる。感じた安心感を吐息にのせて吐き出した。

667 :岡辺鬼羅:2014/05/18(日) 14:03:49.54 0.net
前スレで勝手に入っていつの間にか消えてた者ですが、
再び参戦させてもよろしいでしょうか?
もし参戦させていただけるのであれば状況説明をお願いできますか?

668 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/18(日) 14:34:30.09 0.net
>>629
【投げられたナイフは肩に刺さっているナイフのうちの一本を抜き弾く】
【肩のナイフは事前に着ていた霊糸の防刃ベストでダメージはほとんどない】

(死なせやしないって…)

「おいおい、勘違いしてないか?僕は君らに敵意は無いし殺すつもりなんてないんだぜ?それに、そっちからしかけてきたのに死なせやしないっておかしくないかい?」

【喋って時間を稼ぎながら霊糸を張り巡らせる】

669 : ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/18(日) 14:41:16.31 0.net
>>667

前スレ>>412の岡部さんですね?確か入江さんと共闘してたんでしたっけ?

只今、戦挙四日目です。大きな事件としては、会長派vs反会長派の争いと比良坂・冥瞳の死かな。

670 :滝山紫亜&泣沢女落奈 ◆taZqHR8ods :2014/05/18(日) 19:16:41.13 0.net
>「おいおい、勘違いしてないか?僕は君らに敵意は無いし殺すつもりなんてないんだぜ?それに、そっちからしかけてきたのに死なせやしないっておかしくないかい?」
「その言葉は、紫亜へ向けた……発言。しかし、わたしは……昨日の獣のように、
人の命を……消し去ること、しない……けれど、わたしたしは……頂点を、目指す者たち……その野望の、ために……戦闘、不可避……!」
痛みも完全に引いた目を使って再び光線を放つ。どうやら先ほどの紫亜の攻撃によるダメージはほとんど発生していないらしい。
そして、彼の手から何か糸のような細いものが張り巡らされていくのがよく見える。彼の能力によるものだろう。
センちゃん、次の幻覚は思いっきりでかいのやっちゃってね……!
そう心の中でつぶやいた、その時であった。
>「オォォーーーン!!!」
「あれは……なっ!」
大量の刃が降り注ぐ。
「一時休戦を要求!生存、最優先!」
「準備終わったよ〜。……オーラ発動!」
紫亜の両手に、足の形をした不思議な色合いの光が纏われた。そして――
「うおおおおおおお!!!」
御笠と落奈と紫亜の3人に向けて降り注がれた刃を両手で『蹴り落とし』ているようだ。
しかし、一本だけ紫亜の脇腹に刃が刺さってしまったらしい。
「ぐっ……こんのっ……!って、あれ……?」
能力が、発動しなかった……仕方ない、避けるか……と、心の中でつぶやいた落奈も行動を始めた。
「脇腹に……被弾。激痛……!」
弱音を吐いてる場合じゃない、分かっている。でも、今は仕方ないじゃん……!
軽いからだと素早い身のこなしをフル活用して刃と刃の狭い隙間に滑り込んだり、落ちている刃を投げてはじいたり。
様々な手段で全員に降り注ぐ刃を避けつづけた。そして刃が降り注ぎ終わった後、今度は……巨大な四体の獣が現れた。
「あれは……?」
脇腹の刃を抜き取り、痛みに耐えながらもその巨大な神々しい四体の獣に見とれていた。
「落奈避けてええええ!!!」
「……え?」
流れ弾……いや、流れ雷が落奈に直接命中した。
「うわあああああああああああああああああ!!!!!」
絶叫し、落奈はその場に倒れた。
「落奈あああああああああああああああああああ!!!!!!
……てんめぇ…………よくも落奈をおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
紫亜は怒り狂い、咆哮した。
と、突然巨大な獣たちの中心にいる麒麟のような生き物に鎖が巻きつかれた。
麒麟がみるみる小さくなり、そして人の形になった……
「テメェ、裏切ったのか……私だけならまだしも、落奈を……落奈を……!!よくも!よくもおお!!!!」
「い……い、おちつ…………い、て………こっち……を、み…………て………し……あ」
「落奈!落奈ああああ!!!大丈夫!?無事っ……」
紫亜はその場に倒れた。落奈の幻覚が発動したのだ。
「静かに……ねむ………ろ………?」
そして、落奈は瞳を閉じた。

/*隣ですごいことが起きていたので御笠さんも戻ってきたことだしつじつま合わせをさせていただきました
落奈たちはまだ死んでませんが、気絶しています*/

671 : ◆taZqHR8ods :2014/05/18(日) 20:00:01.78 0.net
>けれど、わたしたしは……
けれど、わたしたちは……
の間違いです、すみませんでした

672 :白河 蛍 ◆4opLrBa4Yp/f :2014/05/18(日) 20:46:58.28 0.net
>>660

『落ち着け蛍!相手のペースにのまれてどうする!』
心の声で我に返る。

「御笠!?無事か?」
周りを見渡す。麒麟は少年に戻り、黒猫が側にいる。
御笠と戦っていた少女達は倒れてはいるが、死んではなさそうだ。

「他人の心配をしている余裕はあるのですか?ほら!」
二神の腕達が殴りかかってくる。今度は落ち着いて躱しながら、数発を吸収しそのまま跳ね返す。
堪らず後方に飛ぶ二神。

「その手には乗らん!御有楽の事は気になるが、お前はさっき『強者を頂に来た』と言った。ならば目的は式神使いの拉致だろう?」
深く息を吐き、呼吸を整え構え直す。

「意図は分からんが、思い通りにはさせん!御笠!無事なら手を貸せ!」

>>670
/お気遣いありがとうございます。

673 :剣疾風 ◆J/oczXnR/E :2014/05/18(日) 20:59:27.07 0.net
「おぉ、助ける事なら出来るぞ!俺の能力は武器を扱う能力、武器さえありゃいいんだよ!」

そう言うが早いか、機動装甲まで走る。
そして、機構剣を回収してから機動装甲に乗り込み、また来た道を戻る。

「おっしゃぁ!コイツ使ってみようぜ!」
マニュアルを読んだだけとは思えない操縦技術を披露する。
サイズ的に合うと思い、機構剣は持たせてある。

「どうよ!かっけぇよな!?これスゲェわ…」
子供のように目を輝かせながら自慢する疾風。
別に自分が作ったわけでもないのだが。

「んじゃま、とりあえずコイツで斬ろうと思うんだけど、大丈夫かな?」

【扉の破壊方法を提案】

674 :滝山紫亜 ◆taZqHR8ods :2014/05/18(日) 21:14:23.00 0.net
「……ここは…………?」
広い広い、ただ何もない空間。一面真っ黒で、かといって暗いわけではない。そんな不思議な空間に紫亜は立っていた。
『アンタには守りたいものがあるかい?』
「当たり前だろ!?でなきゃあんなに怒り狂ったりしないよ」
『ハハ、そーかい。本当なら手助けしてやりたいところだけど……アタイはご覧のとおり、ただの亡霊だからさ』
「お兄ちゃんは死んじゃったの?」
『みたいだねぇ。どうやら詠未のやつ、手加減もなしに思いっきりぶっさしちゃったらしいね、お腹に鎌を』
「まあ、私はあいにく悲しいっていうキモチが足りてないらしくて。泣くこともできないよ、ハハ」
『でも、悲しいっていう感情が少し足りないってだけで悲しみは感じてるんでしょ?ならいいじゃん』
「まあ、ね。んでさ、死んじゃった人がこんな死にぞこないの私に何か用でもあるの?」
『うーんとね、アンタん家に誰か侵入してるみたいだよ。いや、アタイん家でもあるか』
「勝手に人の家に住むなよ……んで、誰が?」
『アタイの友達と、誰か知らないけど戦管が一人』
「へ〜え、ところで戦管って?」
『このくだらない戦いを仕切ってる連中のことだよ』
「ふーん……まあいいや。どーせ盗られて困るもんって言ったらクローン計画の情報の入ったUSBとそれから…
機動装甲と開発段階の刀剣くらいだし、まあ大したもんじゃないでしょ。あ、あと見られちゃまずいものならたくさんあるわ」
『急いで戻ったほうがいいんじゃない?』
「どーやってもどるの?」
『アハハ、そうだったね。今気絶中なんだっけ?』
「まあいいよ。どーせ【鞭刀】なんて使えるやついないんだし。私のクローンの中でも誰一人扱えなかったっていうし」
『アンタのクローンって、生きてたやついたの?生まれてアンタくらいの年になったところでみんな死んじゃったって聞くけど?』
「そーだね、15人に一人はなんとか生命を維持できるくらいの完成度の奴は生まれるんだけど、すんごい短命らしくて……もって1週間でパタリらしいよ」
『ふーん……いまはクローン作ってんの?』
「オリジナルがここにいるのにどーやって作るのよ」
『それもそうね、ハハハ。おっと、そろそろアンタも起きる時間よ。さ、愛するもののために戦いなさいね〜』
「こ、こらぁ〜!……まあ、愛してはいるけどさ」
と、黒い空間が白色で満たされた――
「ん………んん〜〜……」
一人起き上がる。どうやらさほど時間はかかっていないらしく、どうやら戦っている最中らしい。
「さーて、まずは落奈の安全を確保しなきゃなっと……」
落奈を校庭の隅に運ぶ。

675 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/18(日) 22:05:28.61 0.net
>>670
「だから君もわからない奴だ…さっきからいってるだろ?僕は戦管。
戦挙の状況の把握、暴走したものの拘束こそすれ何もしない奴にわざわざ手はださない…っ!?」

【言いかけている時だった…降り注ぐ刃】
【おびただしい量だ…】

「スラスター!!」

【背中からさっきの容量で炎を噴射、刃の雨の範囲外へ逃れようとする】

「ちっ、数がいささか多すぎるね…消耗が激しいからあんまりやりたくないんだけど…バースト!」

【スラスターとバーストの併用…個々で使うよりも体力を消耗する技だ…が、この状況では仕方が無いのだ…】
【背中の噴射による移動を行いつつ腕や落ちてきた場所での小さな爆発で刃を弾いていき、なんとか範囲から逃げ切る】

「今のはちょっと危なかったかな…」

【しかし元いた場所では例の2人が重傷を負っていた…】

「おい!お前ら!大丈夫か!?」

【攻撃が止み次第助けに行けるよう、御笠さまずは態勢をととのえたのだった】

676 :御笠 ◆h5Jhlz15JA :2014/05/18(日) 22:13:58.12 0.net
/やべ、見落としてた…
>>672
【咄嗟の出来事に気を取られていて白河の声にすぐには気づかなかった…】
【2回目の呼ぶ声にやっと気づく】

「白河っ!」

【御笠はもう一度2人を見る…重傷を負ってはいるもののなんとかなりそうである…少なくとも遠目からはそう見えたのだ…そう判断し白河の援護に行くことに決めた】

「僕は無事だ!今そっちに行く…でも少し糸を巻きたいんだ…巻きながら行くから少し時間がかかる…少し耐えてくれ!」

【しかしこれは嘘だ…糸のベストはまだ十分使える状態だ…腕に巻いているボクシンググローブ状の糸もまだ使える…これは戦闘を有利に運ぶ為糸を張り巡らせるための味方をも騙す嘘である…白河の実力を信じ糸を張り巡らせながら白河の方へ歩き始めた】

677 :名無しになりきれ:2014/05/18(日) 22:27:59.54 0.net
>>669
やっぱりやめます。超展開過ぎてついていけないので…

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