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【特務機関:怪人運用支援局TRPG】その3
- 1 :名無しになりきれ:2015/12/11(金) 14:33:57.69 0.net
- ジャンル:バトル、現代ファンタジー
コンセプト:超能力なし、最大の武器は己の肉体
期間(目安):特になし
GM:あり
決定リール:相談の上で計画的に
○日ルール:5日。相談の上で延長可
版権・越境:なし
敵役参加:なし
避難所の有無:http://jbbs.shitaraba.net/internet/21967/
テンプレ
名前:
性別:
年齢:
性格:
外見:(容姿や服装など)
戦闘方法:(どんな戦い方をしますか)
志望理由:(なんで支援局に就職したの?)
備考:(その他のアピールポイントはこちら)
- 2 : ◆PyxLODlk6. :2015/12/11(金) 14:35:13.44 0.net
- 主な設定
怪人について:
怪人は、見た目はただの人間です。
しかしその遺伝子配列は同一の個体であっても検査の度に変化しているなど、明らかに人間とは異なります。
何故彼らが誕生したのかは不明です。ウィルスや放射能による突然変異だと推測されていますが、確証はありません。
彼らは身体の組成を意のままに操る能力を持っています。
怪人運用支援局について:
怪人運用支援局は怪人の適切な運用方法を示し、社会にとって(常人と同程度に)安全かつ有益である事を証明する為の特務機関です。
表向きは怪人の能力を様々な分野に転用する研究をしていたり、犯罪への対処や災害救助に使用している、という事になっています。
ですが裏では、常人と怪人の対立を極端に深めかねない危険人物や組織を事前に排除するなどの暗躍もしています。
れっきとした行政機関の一部なので、望みもしない人を実働部隊に配属したりはしません。
ただし出世や待遇に関して露骨に言及されたりはするかもしれません。
怪人の能力について:
怪人は『肉体強化』『肉体変化』『性質変化』の三つの能力を持っています。誰もが持っています。
肉体強化を極めた場合、あなたは100mを走り抜けるのに三秒とかかりません。
筋肉の部位や感覚など、更に特化した強化も可能です。
が、肉体の強度の変更は肉体変化の範疇だという事を忘れるとひどい事になるでしょう。
肉体変化を極めた場合、あなたの身体はまさしく変幻自在となります。
タングステン鋼のドリルをマッサージ器代わりに使えるくらい固くなる事も可能です。
ですが、変化するのはあくまで構造や硬度であって、あなたは生身のままです。つまり燃えたり、感電したり、薬物の影響を受けたりします。
性質変化を極めた場合、あなたの身体は現代科学を超越します。
青酸カリをドリンク代わりに飲用し、プルトニウムを主食にして、胃の中で核分裂を起こす事だって出来るでしょう。
ただし、その際に生じるエネルギーに身体が耐えられる事は期待しない方がいいでしょう。
三つ全てを極める事は出来ません。
一つの能力を極める為に必要なリソースが10だとすれば、一人の怪人が持っているリソースも同じく10です。
特化型かバランス型か二極型か、それらは本人の気質と訓練によって変わってきます。
例えば炎を放つ能力が欲しければ、肉体に燃料のような性質を持たせ、更に液化させたり、噴射、着火する為の機構を作る必要があります。
そこまでした場合、もう肉体強化には多くのリソースを割く事は出来なくなるでしょう。
それに燃料を噴射するという事は、つまり肉体の一部を自ら切り離しているという事です。
当然、ただ肉体を強化して攻撃するよりも燃費は悪くなるでしょう。
またスポーツ選手がどんなスポーツでも一流の腕前でこなせる訳ではないように、怪人の能力も万能ではありません。
身体を燃料に変えて、十分な威力を発揮する為にはそれなりの訓練が必要です。その他どんな変化でもそれは同じです。
つまり、あまり多様な変化を全て実用化する事は怪人には困難という事です。
硬くなる変化を好む怪人は、軟化したり有機的な物に化ける事を苦手とするでしょう。逆も然りです。
怪人は常人よりも多くのエネルギーを体内に蓄える事が出来ます。
また彼らの回復力は常人とは比べ物にならないほど強力です。
しかし決して、どちらも無限大ではありません。
- 3 :流川市香:2015/12/11(金) 14:35:42.48 0.net
- 音速域での一騎打ち。
視線すら介入不可能なその戦いを制したのは向路だった。
意識ごとぶっ飛ばされて床に転がる感城から視線を切らず、市香は注意深く肉体を回収、服を着直して駆け寄った。
ねぎらいもそこそこに、バックパックから折りたたみ式の枷を取り出して感城へと嵌める。
この程度で彼を止められるわけではないが、少なくとも四肢を封じた上で三人に囲まれたら抵抗は不可能だろう。
手早く尋問するならこれで十分だった。
気絶した感城に水をぶっかけて鳩尾に蹴りを入れ頬を叩いて無理やり起こす。
彼はしばらく眼を白黒させていたが、やがて己の四肢の戒めを見て諦念したようだった。
>「約束だ。不動の居場所、ゲスト用の隠し通路の位置、どちらも教えよう」
感城から得た情報は以下のとおり。
鳥籠の顧客達は偽装されたゲストルームに匿われていること。
さらにその奥に隠し通路があるため、そこを通れば裏側から奇襲できること。
不動は三階で大鳳達を待ち構えていること。
「いいんですか、そんなことべらべら喋っちゃって。羽持ちさんに怒られるんじゃ?」
実際はまあ怒られて済むわけないし、そもそも感城が真実を言っているとは限らない。
しかし裏を取るのも3階に行くだけなら至極簡単で、これが虚偽の証言ならあまりにもお粗末。
感城は賢明で冷静な幹部だ。自分の持つ情報の重要度を理解し、取捨選択ができる。
これは感城にとって話しても良い情報で、だから嘘ではないのだろう。
つまりこういうことだ。『知られたところで構わない』。羽持ちという最強のケツ持ちがいるからである。
>「……伏見さんを奪還して、そのまま下まで強襲か。中々、ハードな道程だね」
「しかも制限時間付きですよ。喝堂隊長におっつかれてドヤ顔されたくないし」
>「(略) 奴の体質は『筋肉』……奴は全身が筋肉と同じ性質を持っている」
>「つまり傷つければ傷つけるほど、より強く再生する。忘れない事だな」
「なんですかそのサイヤ人みたいな体質……」
不動と対峙したことのない市香であるが、あの大鳳が敗れたと聞いて只者ではないことは理解していたつもりだ。
この出鱈目な怪人特性は、支援局の隊長格にも通ずるところがあると思う。
バトルジャンキーと、戦うだけ際限なく強くなる特性、その相乗効果は想像するまでもなく凶悪だ。
>「忠告まで丁寧にありがとう。……さて、僕らは進もうか」
「了解です。感城さんどうします?」
- 4 :流川市香:2015/12/11(金) 14:36:43.56 0.net
- 市香の問いに、向路は貫手を見せて返答とした。
なるほど生かしておくにはあまりにも厄介な感城の能力、後顧の憂いを断つならサクッと殺ってしまったほうが良い。
感城には特に恨みがあるわけじゃないが、伏見の血を見世物にした怒りが消えたわけでもないのだ。
達磨にしておいても爆風で飛び上がって噛みつくぐらいのことはできるだろう。
……しかしそれは、今この瞬間でも同じなのでは?
「なーんか最後っ屁喰らわされそうでオススメできないですね」
感城は羽持ちに篤く忠義を尽くしている。羽持ちの為に捨て身で特攻ぐらいはやるだろう。
巻き込み自爆をされない為には、感城にも『当面生きておく理由』が必要だ。
「感城さん。あなたを生かしておきます。一応無力化はしますけど。
不動さんとあんまり仲良くないんですよね。彼がわたし達の前に跪くところ、見たくないですか?」
選択の吉凶、それはきっと遠からず分かる。
- 5 :流川市香:2015/12/11(金) 14:37:54.61 0.net
- * * *
味方先行部隊が戦端を開く中、市香達は三階を進む。
敵の巣窟を味方の援護で切り開きながら、やがて不動の所在、調理場へとたどり着いた。
そこには戦場のど真ん中で千を数える指立て伏せを平然と果たす巨漢の姿。
不動だ。情報通りの見た目と言動、そして何より大鳳の反応がそれを確たるものにしている。
>「よう……今度は早かったな。まだレッグレイズとブリッジもやっときたかったんだが」
指立ての勢いだけで跳躍。あの指先でどれだけの重量を受け止めたのか想像するのも恐ろしい。
束ねた電話帳を引きちぎるぐらい造作も無さそうな膂力、大鳳を降したという前評判に偽りなど疑いようもない。
自然体にしていても薫香のように漂う威圧感が、まるで足首に括りつけられた重石のように市香の肩を押さえつける。
>「先に言っとくぜ。少しでも手を抜いたら殺す。おめーじゃねえぞ。そこのなよついた雑魚と小便臭えガキを殺す。
おめーがどんだけソイツらを守ろうとしても一切合切無視してまずはソイツらを殺す」
「言われてますよ向路さん」
>「……ほー」
市香は自身への言及をさらりと躱して向路になすりつけた。
支援局に来てから随分と肝が太くなったなあと自分でも思う。
殺すという安っぽい脅しは、もちろん真実なのだろうが、多分本質はもっと別のところにある。
不動もきっとそれを分かって発言しているのだ。
(大鳳さんに全力出させる為、ですか)
大鳳勇という戦闘者は、傍にいる誰かを護る時にこそ最大の力を発揮する。
それは怪人特性や体質ではなく、彼女という人物の精神性、信念に基づくものだ。
不動のやっていることは、突き詰めればプロレスの試合前のマイクパフォーマンスと同じこと。
そうして本気でかかってくる相手を真っ向から上回る為の、これは儀式なのだろう。
――不動の行動を市香はそう分析し、だから不必要に怯え恐れることはしなかった。
この戦いは大鳳がつけるべき決着、自分は援護に回っていれば良いと思っていた。
不動が大鳳に握手を求めるまでは。
不意を打つように放り投げられたのは、人間の手首だった。
白く、細い、女性の手。市香が見まごうはずもない。何度も差し伸べてもらった、伏見の手だ。
何か言いようもない灼熱感が、背筋から頭のてっぺんまで駆け抜けていき、髪がぶわりと持ち上がるのを感じた。
「お、ま、ええええぇぇぇぇえええ――ッ!!」
眼の虹彩がぐっと開き、視界が白く染まって頭の奥がじんじんする。
不動。戦闘中毒者。戦う為に、ここまでするか。
怒りは悪手だと、わかっていた。激昂は墓穴だと、理解はしていた。
だが、大切な先輩をここまでされて頭にこない後輩はいない。
市香も結局は、そういう平凡な大多数の後輩だったというだけだ。
腰から鉄パイプを抜き放つ。
何度も共に死線をくぐり抜けてきた無骨な感触が、全身を駆け巡る怒りに付和雷同で頷いた。
蒸気噴射で一気に距離を詰め、加速した唐竹割りの一撃を喰らわせる。
もう大鳳の因縁とか関係ない、とにかくその小岩みたいな顔面をぶん殴る。
後のことは何も考えずに、ただ怒りにまかせて、市香は打擲した。
【挑発に乗って吶喊】
- 6 :名無しになりきれ:2015/12/11(金) 18:09:52.22 0.net
- やってやるよ?
- 7 :名無しになりきれ:2015/12/11(金) 19:26:56.71 0.net
- ,.:―――‐‐.、 あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
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l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
(l () () .l 奇想天外 自己挿入
l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
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l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
l () () l ツウ販デカッタ
l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
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- 8 :マラえもん:2015/12/11(金) 19:37:38.54 0.net
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腰から鉄バイブを抜き放つ。
何度も共に死線をくぐり抜けてきた無骨なマラえもんが、全身を駆け巡る怒りに付和雷同で頷いた。
蒸気射精で一気に距離を伸ばし、加速した絶頂の一撃を喰らわせる。
もう大鳳との因縁とか関係ない、とにかくその小岩みたいな流川の膣内をかきまわす。
後のことは何も考えずに、ただ怒りにまかせて、マラえもんは射精した。
- 9 :名無しになりきれ:2015/12/12(土) 08:27:38.92 0.net
- おわってる
- 10 :名無しになりきれ:2015/12/13(日) 03:15:37.38 0.net
- ほしゅ
- 11 :名無しになりきれ:2015/12/14(月) 00:55:37.58 0.net
- ほ
- 12 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2015/12/14(月) 19:58:18.24 0.net
- >「まだ……なんだろう?」
大鳳が投擲したナイフを、感城はその腕で受け止める。
彼の特性上、腕の一つを奪ったところで有効打にならないのはわかりきっている。
だが、それでも確実に意識はこちらに分散させることができた。
その隙を縫うように、向路が走る。
そうして、結果だけ言ってしまえば感城は向路の一撃を受け地に伏した。
即ちそれは三人の勝利。
先は言葉にしてしまえば呆気なく、時間に換算しても極数瞬。
しかしてそれは向路と流川の機転と意地によって到達したかけがえのない勝利だ。
大鳳がもっと前に出ていれば多少なれども効率的に戦えた。
だがそれを良しとせずに、温存させてくれたこと。
それでもなお勝利を掴んだ彼らに、大鳳は感謝の念と共に敬意を抱かずにいられなかった。
「二人共……ありがとうございます」
だが、今その思いをべらべらと話している時間はない。
幾重の意味が篭ったたった一言の「ありがとう」だけを残して、流川に叩き起こされた感城へと向き直る。
「さあ、話してもらいますわ」
>「約束だ。不動の居場所、ゲスト用の隠し通路の位置、どちらも教えよう」
そうして感城は口を割る。隠し通路のこと……そして不動の居場所を。
>「不動は三階だ。北に食用人間の展示場と、調理場がある。
奴はあの殺人鬼と共にそこにいる」
>「私には分かるぞ。お前たちは是が非でも奴と対決しようとしている。
だが……羽持ち様はそれを好しと思っていない。だから聞け。
奴の体質は『筋肉』……奴は全身が筋肉と同じ性質を持っている」
>「つまり傷つければ傷つけるほど、より強く再生する。忘れない事だな」
「上等ですわ。それくらいのこと承知の上で挑んでますもの」
感城に言われずとも、そもそも不動と一度戦っている大鳳にとってそれは周知の事実。
絶望的に相性が悪いとさえ言えるその性質を前にしてなお、勝機があるから挑むのだ。
>「忠告まで丁寧にありがとう。……さて、僕らは進もうか」
「ええ、早くしないと部下思いの隊長殿が駆けつけてしまいますわ」
>「了解です。感城さんどうします?」
そうして進もうとしたとき、流川が感城の処遇について問いを投げかける。
「市香に任せます。この現場においては貴方が隊長でしょう?」
少し調子を取り戻してきたかのように、冗談めかして流川に応えた。
それに対して彼女が心底疲れたかのような顔をしていたが、どうにもそれが心地よく思えた。
- 13 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2015/12/14(月) 19:59:29.85 0.net
- 未だ戦火激しい三階へと足を踏み込み、周囲に警戒しつつも調理場へと歩を進めると、
大きな人影が目の前に現れる。言うまでもない、不動だ。
胸に湧き上がる熱い衝動を抑えるように拳を握り込み、距離を詰めていくと、
不動もこちらに気づいたらしく筋トレを中断して転身、こちらへと向き直る。
>「よう……今度は早かったな。まだレッグレイズとブリッジもやっときたかったんだが」
「ご機嫌よう。そちらは相変わらずのようで安心ですわ」
>「先に言っとくぜ。少しでも手を抜いたら殺す。おめーじゃねえぞ。
そこのなよついた雑魚と小便臭えガキを殺す。
おめーがどんだけソイツらを守ろうとしても一切合切無視してまずはソイツらを殺す」
「あら、それは大変ですわね。そうならないように用心するとします」
不動のそれが本気だとわかっているが、そんなことを心配するつもりはない。
彼らは既に大鳳が守らないといけない弱者ではないからだ。
>「さぁ、やろうぜ……と思ったが」
戦闘態勢を取った不動が、不意に拳を下ろす。」
>「おめーはなかなか歯応えのある奴だったからな。握手をしようぜ、握手。
死んじまってからじゃ出来ねえだろ……いや、出来るにゃ出来るがイマイチピンと来ねえからな」
「いきなり何を……ッッ!」
そうやって投げられたモノを、難なく掴み、そして確認する。
それが人間の手首であり、伏見の一部だということはすぐに理解できた。
不動の嘲るような笑い声がやけにクリアに頭の中を駆け巡り、
今すぐにでも激情に駆られたい衝動に襲われたが、それは辛くも抑えられた。
>「お、ま、ええええぇぇぇぇえええ――ッ!!」
「市香ッ!?」
調理場に響き渡るほどの絶叫が、流川の怒りが木霊する。
考えてみれば当然だ。この中で一番伏見の世話になっているのは流川だ。
不動は大鳳を挑発する目的でこれを投げたと思われるが、それが流川に刺さった。
だからこそ不用意に大鳳が突貫することは防がれたものの、これが良い流れとは言い辛い。
故に、ここで下手な真似は打てない。だが、流川をいたずらに消耗させるわけにもいかない。
「全く、先ほどの発言はすぐ反故してしまいますわ……!!」
だが、事態は何も最悪というわけではない。挑発する為にとはいえ、これが伏見の手首だというのならば……。
無論罠の可能性もある、だがそうであったとしてもこの状況を好転させるためには賭けも必要だった。
(勝つために、何でも使わせてもらいますわ)
すぐさま伏見の手首をひと齧りした後、コートへと仕舞い込むと、
流川をカバーする為、低い大勢で不動へと走る。まずは全力で不動を、転ばせる。そして流川を一旦引かせるのだ。
【流川のフォローの為に突出、不動の隙をついて一旦距離をとる】
- 14 :名無しになりきれ:2015/12/15(火) 07:22:08.15 0.net
- ―――‐‐.、 あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
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l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
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- 15 :名無しになりきれ:2015/12/16(水) 05:38:15.95 0.net
- ほ
- 16 :名無しになりきれ:2015/12/16(水) 07:17:11.54 0.net
- 腰から鉄バイブを抜き放つ。
何度も共に死線をくぐり抜けてきた無骨なマラえもんが、全身を駆け巡る怒りに付和雷同で頷いた。
蒸気射精で一気に距離を伸ばし、加速した絶頂の一撃を喰らわせる。
もう大鳳との因縁とか関係ない、とにかくその小岩みたいな流川の膣内をかきまわす。
後のことは何も考えずに、ただ怒りにまかせて、マラえもんは射精した。
- 17 :名無しになりきれ:2015/12/19(土) 05:56:55.03 0.net
- ほ
- 18 : ◆PyxLODlk6. :2015/12/19(土) 21:59:24.24 0.net
- >「お、ま、ええええぇぇぇぇえええ――ッ!!」
激昂任せの咆哮――だがそれは大鳳のものではなかった。
叫んだのは不動が小便臭いガキと称した小娘――流川市香だ。
不動は露骨に目を細めて眉根を寄せ、口を半開きにさせて不満気な表情を浮かべた。
しかし彼女が鉄パイプを抜き放った時、不動は既に右の拳を握り固めていた。
蒸気加速による初動を取った時には、その拳は完全に振り被られていた。
不動は大鳳との戦いに備えて、三階の戦況全てに気を配り、五感を酷使し続けていた。
彼の視聴覚は既にそれぞれの特化型にも勝るほどに研ぎ澄まされている。
流川の大振りの唐竹割りが、不動には完全に見えていた。
狙いとはやや違った結果にはなったが――これはこれで悪くない。
不動の拳はあと一瞬もしない内に流川の頭部を粉砕出来る。
そうなれば大鳳は激昂するだろう。
その結果彼女が全身全霊で自分に掛かって来るのなら、殺す順番は些細な事だった。
だが――流川よりも更に速く、不動へと迫る影があった。
大鳳勇だ。先走った流川をフォローするかのように、彼女は不動の前へと躍り出た。
「あっ、てめえ!嘘つきやが……」
流川の粉砕にタイミングを合わせていた不動は、その動きへの反応が一瞬遅れた。
大鳳の右手が不動の喉元を掴む。同時に左手は振り被った右腕を制している。
振り被っているという事は、局所的に後ろに傾いているという事だ。
つまり、倒れやすい。
大鳳の右脚が、不動の右膝の裏に絡んでいた。
その状態から突き飛ばされれば――相手は体勢を維持する為の動きが取れない。
上体から後方へ倒れ込む。
しかし――不動も隊長格に匹敵する実力者だ。
ただで転びはしない。
大鳳による「崩し」を仕掛けられた瞬間、彼は自分から右へ体を捩った。
そして――倒れ込む事による姿勢の変化を利用して死角からの上段蹴りを放つ。
(おっ、かなりいい角度だぞ。もしかして当たっちまうんじゃねえかぁ?これ。
参ったな、また骨折なんてしたらマジでキレっぞ俺。
まぁ万が一そうなったら仕方ねえ。雑魚二匹だけ甚振り殺して――)
だがその瞬間、彼の眼にすら影しか残さず懐へ飛び込んでくる何かがいた――向路深先だ。
彼は待っていたのだ。大鳳が動き、初撃を仕掛ける瞬間を。
そしてその時はすぐに訪れ――体勢の崩れた不動に、彼は打ち下ろしの右拳を叩き込んだ。
その衝撃は常日頃から鍛え抜いている筈の腹筋をいとも容易く貫き、彼の内蔵を強打した。
胃袋が潰れる事による強烈な悪寒。久しく感じた事のなかった感覚に、不動の表情が歪む。
その歪んだ顔に、唐竹割りの鉄パイプがめり込む。
不動の巨体が床から離れ、血飛沫の放物線を描きながら吹っ飛んだ。
高度の肉体強化型怪人二人の援護による即席の連携は、完璧に不動を捉えた。
不動は床に仰向けに倒れ伏して、動かない。
「……いっ……てええええええええええ!クッソ痛え!マジで痛え!
やるじゃねえかおめーら!雑魚とか言っちまって悪かったなオイ!」
しかし彼はすぐに首から上だけを起こして君達を見て、そう声を上げた。
- 19 : ◆PyxLODlk6. :2015/12/19(土) 22:00:38.18 0.net
- 「気に入った!『超人』キレさせるくらいにしか使えねえと思ってたけど、気が変わったぜ!
今日、おめーらの内誰か一人だけは生きて帰らせてやるよ!誰が生き残っても面白そうだ!」
不動は先ほどの連撃を受けて、しかしまるで堪えていないようだった。
にも関わらず、未だに立ち上がろうとする素振りを見せない。
だがそれは怠慢ではない――れっきとした『技術』だった。
中国には地功拳という拳法がある。
最大の特徴はその技術体系の中に、地面を転げ回るようなものがいくつもある事だ。
地面に置かれたサッカーボールに中段突きを当てられる武術家はいない。
地に伏しているという事は、敵の攻め筋を限定出来るという事だ。
そして人体には言うまでもなく、サッカーボールと違い手足がある。
無闇に攻めれば、その瞬間に四肢を掴まれて「丸め込まれる」。
ただ寝転んでいるだけの不動は、しかし絵面に見合わない驚異的な威容を発していた。
その状態で、不動は深く息を吸い込んだ。
極まった肉体強化による肺活量をもって吸気を溜め込み――それを一瞬間で吐き出し、叫んだ。
戦車砲の如き咆哮だった。咄嗟に防御が出来なければ、鼓膜が破れる事すらあり得るだろう。
そしてその瞬間、不動は体を跳ね起こす。
起き上がった彼は――『構え』を取っていた。
両手は体の正面で三角形を描くように――空手の前羽の構えに近い。
下半身は膝を僅かに曲げた状態で、摺り足のように君達へとにじり寄る。
「出し惜しみはしないぜ。『本気』でやってやる」
瞬間、不動が床を蹴った。
膝を曲げ、摺り足の姿勢からの跳躍は初動が極めて見抜きにくい。
「だから俺に『全力』を出させてくれよ、なっ、頼むぜ」
狙いは――向路深先だ。
彼の先ほどの俊敏性を見た上で、見たからこそ、不動は彼に仕掛けた。
大鳳との戦いは言うまでもなく甘美だが――こちらも、面白そうだ。彼は欲張りな男だった。
そして放たれるのは左拳――ジャブだ。
威力は大砲の如く強烈、急所にまともに貰えば熟練した肉体変化型の怪人であっても命の保証はない。
それでいてその回転速度は機関銃さながら。
更に技術的にも申し分ない――不動のジャブは縦拳で放たれている。
ジャブは本来横拳で放つもの。
しかし人体の筋骨格の構造上、打撃とは縦拳の方がより速く繰り出せるのだ。
その分「捻り」による威力は損なわれるが、不動の膂力ならば縦拳であっても敵の殺傷は十分に可能。
向路の超瞬発に対して、不動は不完全ながらも反応、追従を見せるだろう。
何故か――先ほど流川にかち割られた頭部の傷が塞がっている。
敵を前にして、立てなくなる程の、脳への重篤なダメージの治癒。
『超回復』が起きたのだ。
損なわれていた脳機能が、更なる強化を得て復活した。
また豪雨のようなジャブを掻い潜り、或いは止められたとしても、油断は出来ない。
不動は右手を、その甲を顎に添える形で待機させている。
それは防御には勿論、迎撃にも用いる事が出来る。
【これから暫く、高い頻度で行動判定を挟みます。
理由は不動がガチガチの肉弾戦派で、複数人にアクションを配ろうとすると大味になってしまうからです
つまり不動は疑似的に1ターンに三回行動する事になるかもしれませんが、どうかご容赦を】
- 20 :マラえもん:2015/12/19(土) 22:40:25.85 0.net
- ―――‐‐.、 あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
(l () () .l 奇想天外 自己挿入
l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
l () l
l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
l () () l ツウ販デカッタ
l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
>>◆PyxLODlk6.
しかし彼女が自分の膣内から鉄バイブを抜き放った時、不動は既に右のキンタマを握り固めていた。
蒸気加速によるピストンを取った時には、その拳は完全に振り被られていた。
だがしかし、その鉄バイブは、マラえもんだった・・・
不動は大鳳ちゃんとのセックスに備えて、体位全てに気を配り、股間を酷使し続けていた。
- 21 :名無しになりきれ:2015/12/20(日) 16:18:13.60 0.net
- マラえもん噴くからやめれw
- 22 :名無しになりきれ:2015/12/23(水) 01:29:45.35 0.net
- もうマラえもんだけでいいよ
- 23 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2015/12/25(金) 02:29:28.64 0.net
- >「いきなり何を……ッッ!」
>「お、ま、ええええぇぇぇぇえええ――ッ!!」
>「市香ッ!?」
激昂の叫びと共に流川が不動へ向かって行く。
その勢いは強烈。だが、その素直すぎる軌道は肉体強化型相手には愚行。
しかし向路にこれを止める術は無い。
向路と流川で大鳳を挟んでいた都合、超瞬発を使おうと一瞬大鳳の前を塞ぐことになる。それは避けるべきだ。
流川に先んじて向路が不動に一撃くれてやり迎撃されるのを防ぐことも出来なくはないかもしれない。
が、それも大鳳との連携を考えると動線を防ぎかねない為に取りにくい。
>「全く、先ほどの発言はすぐ反故してしまいますわ……!!」
なによりも、向路がそんなことを考えるより早く大鳳勇が飛び出していた。
仲間を救う為に進むその背中に一切の迷いはなく、見事に不動の攻撃モーションを潰してみせる。
だが、同時にその動きには一切の保身が無い。
大鳳の崩しに耐えられる敵など限られる上に、それをされても辻褄を合わせられるのが大鳳だ。
とはいえ、相手が相手だ。少々分が悪い。
事実すぐさま不動は迎撃に入る。しかしその一瞬のうちに、向路が超瞬発によって不動を強襲していた。
大鳳の攻撃が成されたことで動線問題も解決し、取り敢えずゴングも鳴ったことになる。
不動の無警戒の腹部に超瞬発の勢いを乗せた拳を放つ。
殺傷力が高いのは貫手だが、そのまま殺し切れなかった場合非常に危うい状況になりかねない故に、スクリュー気味の拳を叩き込んだ。
ここで流川のフルスイングがやってくる。腹部への衝撃で反射的に不動の背中が丸まり、剥き出しになった顔面を鉄パイプが捉え、ぶっ飛ばした。
- 24 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2015/12/25(金) 02:31:47.44 0.net
- >「……いっ……てええええええええええ!(略)雑魚とか言っちまって悪かったなオイ!」
「……流川、あの通りアイツはタフだ。
じっくり骨まで後悔させてやろうよ。僕らの伏見さんに手を出したことをさ」
ここまで激情を露わにした流川を見たのは初めてだ。それだけ伏見のことを好いていたとは知らなかった。
何かと気さくで世話焼きな伏見だ、流川も以前の任務でなにかと助けられたのだろう。
向路も助けられた経験が多く、その気持ちはよく分かる。
……故に、連続殺人鬼という看板の恐ろしさを強く感じてしまうのだが。
しかし、伏見を恐れているからと言って向路が伏見を悪く思っているわけではない。
死刑囚であり不死身だからといって、不動の、感城の行いが許されるとは思わない。
何故なら、伏見狂華は支援局の……向路の仲間である。仲間を害する者を、その行いを見過ごすなど出来はしない。
閑話休題、伏見のことで頭にきているのはここにいる全員だと主張することで、ヒートアップした流川を抑えようとしつつ不動を見やる。
しかし本当にタフだな。あの勢いで打ち込まれて尚大声で叫ぶ余裕があるか。
脳震盪くらいは起きると思ったが、尋常ならざる耐久性能だ。
右手をぷらぷらと振りながら向路は内心で歯噛みする。超瞬発からの攻撃は効かなかったわけではないが、致命傷足り得なかった。
肉体変化による硬化を用いている訳でもないだろうに文字通り鋼のような肉体だ。
>「気に入った!(略)誰が生き残っても面白そうだ!」
倒れたまま起きてこないが、不動はグラウンドポジションでの戦い方も熟知しているのだろう、その威圧感は全く衰えない。
大鳳はともかく、向路がここで不動に突っ込むのは自殺行為にしかならない。
「残念、間違ってるな。死ぬのが一人で、それはお前だ」
不動を注視しながら挑発の啖呵を切る。
と、その分厚い胸板から腹部にかけてが急激に膨らむ。
咄嗟に向路は耳に手を当てる。
「ッ耳塞げ!」
果たしてその叫びが届いたかはわからない、床を震わせるほどの咆哮が空間を染める。
- 25 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2015/12/25(金) 02:33:29.17 0.net
- >「出し惜しみはしないぜ。『本気』でやってやる」
前菜に選ばれたということか、向路へと不動が迫る。唐突なほどに突然の、ほぼノーモーションからの突進。
不動を注視していた向路はソレをしっかりと捉えていた。
が、先程の咆哮によって姿勢が崩されたことに加え、不動の巧みな立ち回りに隙を見い出せない。
初動に合わせてカウンターを決めたかったところだが、流石にそれを許してくれる敵ではなかった。
>「だから俺に『全力』を出させてくれよ、なっ、頼むぜ」
鋭く突き出される不動の鉄拳。ヘッドスリップで一撃目をかわし……二撃目はバックステップで距離を取る。
後退は切るべきカードではないが、それをせざるを得なかった。させられた、と言ってもいいだろう。
目前を過ぎた拳の圧に、紙一重で避けることに対する恐怖を持ってしまったからだ。
同じ肉体を武器として戦う怪人だからこそ覚えてしまった恐怖。
それは単純な殺傷力だけでなく、不動の至った領域に対する畏怖、そして劣等感を向路が覚えてしまったが為だ。
「…………畜生がッ……!」
だが、その恐怖が向路を闘争へ駆り立てる。
3発目を敢えて前に踏み込み、潜るようにして回避する。
そこから一撃を頭部に見舞いしてやろうとするが……、4発目が追い付いてくる。
(ッ ! ? )
不動が自身の動きを見えている。出なければ、この段階でここに拳を持ってくることはない筈だ。
筋肉体質により、全てのダメージを超回復によって自身の力へ替える怪人特性。
先程流川によって与えられた頭部への痛打によって、脳周りのどこかが強化再生されたか。
(……どうする、下手に攻撃してもコイツを強化するだけだ。
一撃で殺せなきゃじり貧だが……ッ!)
驟雨のようなジャブをショート超瞬発の高速ステップでかわしながら隙を伺うが流石に堅い。
細かく牽制のジャブを打ってみるも全く効く気配がない。
いつまでもこうしてもいられない。膠着しているようで流れは始めから不動へと傾いてる。遠くないうちに力業で命ごと持って行かれるだろう。
だからここで跳び込んで行く。リスクを背負う覚悟がなければ、獲られるモノなどなにもない。
……そのリスクが0どころかプラスになる不動はとんだクソ野郎だ、羨ましい。
「……付き合ってやるさ」
不動のジャブに合わせ前に踏み込みながらその拳を外側へ弾く。
新免にしたように攻撃を無力化するまではいかなくとも、一瞬あればそれでいい。
強く踏み込み更に一歩、潜り込むように前へ出る。右手のガードが怖いが、意識は顔面の急所に行っている。
不動は打たれることで強くなるという特性故に、敵の攻撃に対して無頓着だ。慣れ過ぎているほどに意に介さない。
(超回復による強化が起きるより速く、打ち続けるッ!)
これだけ肉薄すれば秒間何発打てるだろうか。
一撃の重さは開戦の一撃よりも大きく劣るが、狙うのはここで釘付けになること。
不動を確実に殺すのならば打撃一辺倒の自分よりも2人の方が向いているだろう。
【左右の連続貫手ボディブロー。
少しずつ肉を抉って回復を阻害しつつ不動の隙を作りたい。
なお、向路は不動の再生力・我慢強さがどこまで高いかをまだ理解しきっていない】
- 26 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2015/12/26(土) 02:23:03.72 0.net
- 無謀無慮にも程がある、流川市香の吶喊。
結果だけ見れば当たり前だが、不動はそこへ正確にカウンターを合わせてきた。
もともとの防御力の低さに加え、一切の保身を慮外としていた市香にとって、それは正しく致死の一撃。
己のやらかした失態に気づいた時には、既に小岩ほどもあろうかという不動の拳が迫っていた。
>「全く、先ほどの発言はすぐ反故してしまいますわ……!!」
だが、後輩の無駄死にを黙って見過ごす喝堂隊の二人ではない。
市香を追い越すようにして肉迫した大鳳が不動の喉元を掴み、迎撃態勢を巧みに利用した大外刈を仕掛ける。
わずかにだが、不動の身体が開いた――そこへ間髪入れずに叩きこまれた向路の超瞬発、残像尾を引くスクリューブロー!
抜け目なく繰り出されていた不動の上段蹴りが市香のうなじを擦過していく。
肉弾特化型同士の高速域での攻防がそこまで経過してようやく、振りかぶっていた市香の鉄パイプが振り下ろされた。
(入った――脳漿炸裂コース!!)
パイプの手元、市香の両手には不動の顔面を粉砕する感触がしっかりと伝わった。
これまでの任務で幾度と無く経験した、怪人の脳天をカチ割る感覚、必殺の手応え!
赤黒い軌跡を引きながら巨漢は床へと沈んだ。
「ふーっ、ふーっ……」
腹の裡に溜まった熱を吐き出すように、浅く呻くような息をした。
怒りで視野の狭まった市香は、自身の攻撃の成功を疑わない。
止めを刺すべく鉄パイプを握り直し、踏み込もうとする市香を向路が抑えた。
何を、と先輩に真意を問いただす前に、不動が首だけ起き上がってこちらを見た。
>「……いっ……てええええええええええ!クッソ痛え!マジで痛え!
やるじゃねえかおめーら!雑魚とか言っちまって悪かったなオイ!」
「うそ、確かに頭蓋骨を粉砕したのに……」
並の強化型であれば甲殻ごと砕ける一撃を受けて、不動はまったくの無傷であった。
いや、血と脳漿の飛沫で汚れているから、確かに傷を負っているのだ。
それを感じさせないほどに素早く再生している。
もしも市香が追撃に飛び込んでいれば、今度こそカウンターを食らって身体をぶち抜かれていた。
ほんの皮一枚で落命を免れたことに、いまさらながらゾッとする。
>「……流川、あの通りアイツはタフだ。じっくり骨まで後悔させてやろうよ。僕らの伏見さんに手を出したことをさ」
「………………すみません」
市香は不動から視線を切らずに向路に答えた。いつもの軽口は出なかった。
肝の冷えるような思いをして、皮肉なことにようやく頭も冷えてきた。
向路とて、そして大鳳とて仲間の尊厳をドブに捨てられてクールでいられはしないだろう。
それでも先輩二人は冷静さを保ち、怒りにかられて飛び込んだ市香のフォローまでやってのけた。
本当に叫び喚きたいのは付き合いの長い彼らの方なのかもしれないのに。
だからここは『すみません』なのだ。わかりましたでもありがとうでもなく。
(クールにならなきゃ……怒りを忘れるんじゃなく、怒りを『成立させる』為に)
ぶッ殺すと、言ってのけるのは簡単だ。
殺したいほど憎んでいると、怒っていると、伝え、鼓舞し、あるいは脅す為に言葉を使っているだけだ。
そこに殺意はない。"殺したいほど"という程度の表現に過ぎない。
それじゃ人は殺せない。
- 27 :名無しになりきれ:2015/12/26(土) 02:25:43.21 0.net
- >「気に入った!『超人』キレさせるくらいにしか使えねえと思ってたけど、気が変わったぜ!
今日、おめーらの内誰か一人だけは生きて帰らせてやるよ!誰が生き残っても面白そうだ!」
>「残念、間違ってるな。死ぬのが一人で、それはお前だ」
不動と向路の言葉の応酬にこそ、真実の殺意があると市香は考える。
殺すという言葉を、死なせるという意味を、感情表現でなく意志の表明として使える者。
それが真に人を殺せる人間で、だから市香も口を開いた。
伏見の仇だからじゃない。残虐な外道だからじゃない。
「貴方を殺します、不動さん。――敵だから」
不動は未だ仰向けに寝そべったままだ。
しかし無防備に腹を見せているようでいて、それは畜生のするような降伏のポーズとは明確に異なる。
この態勢が、不動にとっての理想的な迎撃状態なのだ。
かつてプロレスラーとボクサーの異種格闘技戦の場において考案され、賛否と議論が席巻した構えがある。
床を背にして寝転がり、相手の足元に直蹴りを入れまくる戦法――いわゆる猪木アリ状態と呼ばれる構図である。
これはボクサー相手にレスラーが自分の土俵で戦うため編み出した戦術であるが、
機動力の問題で立技に重きをおく向路や大鳳にとっては鬼門となる態勢だ。
一見ダウンしたまま起き上がれない滑稽にさえ思える構え。
その実、投げることもできないし屈まなければ拳も届かない、攻撃者にとって攻め筋の限定された状態なのだ。
当然背後も取れず、警戒視野も限定され、速度で翻弄することも難しい。
まあ機動力が削がれるのは寝そべってる方もなので、この状態を打開する一番の策は距離をおいて放置することなのだが――
戦って、倒し、打破しなければならない今この場のような状況においては非常に有効な一手であった。
攻めあぐねる市香たち、そうして稼ぎだした時間を、不動は呼吸に充てた。
岩肌のような胸板が拡張する。まるで風船のように、不死身の男の肺腑が広がっていく。
その現象の――"予備動作"の意味するところを察して向路が鋭く警告を飛ばす。
>「ッ耳塞げ!」
弾かれるように市香は鉄パイプを捨てて耳を塞いだ。
間一髪。不動の咆哮に対する防御が間に合った。尋常ならざる肺活量をすべて放出した『大音声』。
それはフロア全体を揺らがし、床を震わせ、明確な衝撃の波が放射状に空間を伝播する。
咄嗟に鼓膜を護った市香であったが、身体全体に叩きつけられる音の波濤には為す術もなかった。
「あっが……っ!」
言うまでもなく液体は非常に良く音を伝える媒体だ。
クジラの鳴き声は海中を伝播して数海里も先まで届き、水道管は建屋の隅から隅まで異音を響かせる。
人間の肉体を構成する水分は70%、しかし流川市香は残りの30%も液体に近い性質を有している。
『音』の影響を人一倍受けるのだ――!
市香は膝をついた。皮膚から内蔵からびりびりと跳ねまわり、頭のなかがぐわんぐわんと歪みうねる。
隙をつくようにして不動が起き上がった。背筋だけで跳躍し、二本の脚で着地する。
>「出し惜しみはしないぜ。『本気』でやってやる」
致命的な行動不能、しかし屈する市香を無視して不動は向路へと肉迫した。
取るに足らない、いつでも殺せる雑魚と判断されたのだろう。正解だ。現にこうして動けない。
一人で不動を相手取る羽目になった向路は悪態をつきながら豪雨のようなジャブをくぐっていく。
>「…………畜生がッ……!」
- 28 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2015/12/26(土) 02:27:28.38 0.net
- ジリ貧は火を見るよりも確定的に明らかだった。
市香は震える膝を何度も殴りながら鉄パイプを拾い、どうにか上体を起こす。
不動は市香を脅威と見なしていない。軽んじていると言っても良い。
それはこの上なく正しいし、戦術的にも理に適っているが――だからこそ、掬える足元がある。
歴戦の経験があり、戦闘センスの塊のような不動相手に安直な油断や慢心は望めないだろう。
だからいつも通りだ。相手の特性を考察し、それを無力化できる搦め手を考える。
流川市香には、この戦い方しかできない。
『もう一度、不動の頭をカチ割ります。うまく割れたら大鳳さん、眼とか脳とか盗れるものをギって下さい』
無線で仲間に伝えながら、市香は考える。
破壊された箇所を強化再生するのが不動の特性だ。
非常に強力な再生能力は、脳のような高度で複雑な器官さえも即時に修復してしまう出鱈目振りだ。
だが、例えば再生すべき場所を破壊するのではなく丸ごと切除したらどうだろう。
再生できるにしても複雑な体組織を再現する材料が必要だ。
別の箇所の肉を神経細胞などに変換するのまでは即時だろうか。
仮に即時に他から組織を補填できるとして、質量保存の法則は絶対だ。盗んだ分の質量は必ず失われる。
盗んで盗んで盗みまくって、いつか枯渇させることができるなら、奴はもう不死身ではない。
『向路さん、お肉ガンガンえぐって行きましょう。手伝いますよ』
市香は上体を再び前へ傾け、脚を一歩前へ踏み出した。
同時に液状化、瞬間的に再構成――肉体だけが服を染み抜けて、走り出した後には制服が形を保った状態で残った。
セミの抜け殻の如く、その場に衣服を残すことで踏み込んだ彼我の距離を幻惑する変わり身の術の応用だ。
(忍法、空蝉――!)
そうして稼ぎ出した一瞬の幻を盾に、市香は距離を詰める。
腰だめに構えるのはいつもの鉄パイプ。
芸の無い話ではあるが、これもまた市香の精一杯だ。
不動と向路の攻防のさなかへ、側面から突っ込んで行く。
ダメージにより力を増すという特性上、不動は迎撃することはあっても攻撃を避けるということは殆ど無い。
彼にとって受傷は自分を強化する原義でのリソースであるし、攻撃を受けても殴り返して相手を殺す自身があるのだ。
つまり、迎撃さえどうにかできれば市香でも不動に攻撃を届かせることは可能。
ちょうど先ほどの攻防のようにだ。
全裸の市香は跳躍した。
左のジャブで向路を牽制する不動、右拳は依然として引き絞られ射出の時を待っている。
不動の制空権に入った瞬間、拳が巨大化したとさえ錯覚するほどの圧を以って、右の迎撃砲が放たれた。
拳による対空砲火は、狙い過たず市香の胸、心臓を穿つ――水音と共に背中側へと突き抜ける。
予め重要臓器を液化させて退避し、胴体をスカスカのハリボテ状態にしていたのだ。
左胸から脇腹にかけてを千切れ飛ばされながら、そうして市香は不動の懐に入り込んだ。
下段からかち上げた鉄パイプ、予め鋭利に研ぎ澄まして形成したその切っ先を、不動の右眼に思いっきり突き刺した。
間髪入れず、高圧蒸気を送り込む。
注ぎ込まれた大気の1700倍の内圧は、不動の頭蓋を汚い花火に変えるだろう。
ブッ殺すと、口に出すのは簡単だ。
だから市香は改めて、己の殺意を吐き出した。
「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」
【不動の右眼に鉄パイプを刺して蒸気注入】
- 29 :名無しになりきれ:2015/12/26(土) 15:18:03.83 0.net
- ―――‐‐.、 あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
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l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)==
- 30 :マラえもん:2015/12/26(土) 15:21:55.45 0.net
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〈:..... .....:〉
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〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
>>24向路深先 ◆qwXY9mi/bQ
「残念、間違ってるな。死ぬのが一人で、それはお前だ」
不動を注視しながら挑発の啖呵を切る。
と、その分厚い胸板から腹部にかけてが急激に膨らむ。
咄嗟に向路は耳に手を当てる。
「ッ耳塞げ!」 ←これ何? 文章としておかしくない?
>>流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI
注ぎ込まれた大気の1700倍の内圧は、不動の頭蓋を汚い花火に変えるだろう。
ブッ殺すと、口に出すのは簡単だ。
だから市香は改めて、己の殺意を吐き出した。
「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」 ←汚い花火とか、この部分とか、小学生ですか?
もっと文章工夫しましょうえもん
- 31 :マラえもん:2015/12/26(土) 15:24:57.94 0.net
- ―――‐‐.、 あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
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l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
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\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
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〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
左上から右下にかけてを千切れ飛ばされながら、そうしてマラえもんは不動の懐に入り込んだ。
下段からかち上げた鉄バイブ、予め卑猥に研ぎ澄まして形成したその切っ先を、不動の右ケツに思いっきり突き刺した。
間髪入れず、高圧精液を送り込む。
注ぎ込まれた精子の1700倍の内圧は、不動のケツを汚い花火に変えるだろう。
ブッ殺すと、口に出すのは簡単だ。
だからマラえもんは改めて、己の欲望を吐き出した。
「――ホンワカパッパ ホンワカパッパ マラえもんッ!!」
【不動の右ケツに鉄バイブを刺して精液注入】
- 32 : ◆PyxLODlk6. :2015/12/26(土) 21:31:02.08 0.net
- 【行動判定】
向路が仕掛けてきたインファイトに対して、不動はまるで怯まなかった。
それどころか顎に添えていた右腕を肩口ほどまで振り被り、そこで静止。
防御を開き、攻撃を招き入れる構えを取った。
そして彼を襲うのは――超瞬発による無数の貫手だ。
打撃には重みこそないが、その分鋭い――皮膚を、肉を、その回復が追いつかない程の速度で抉り続ける。
「っ……いいぞ!考えたじゃねえか!」
それでも、不動は怯まない。
むしろ向路の挑戦に応えるかのように、攻撃手段を両腕による小刻みなフックに切り替えた。
暴風さながらの必殺の拳は、その回転率を二倍にして向路に襲いかかる。
左右から絶え間なく放たれる死神の大鎌の如き連打――当たらない。
「……おっ?」
フックを放つ動作に欺瞞して、上下からの打撃の予備動作を織り交ぜる。
反応速度と瞬発力だけでは躱せない。
判断を誤ればその瞬間にアッパーカットとチョッピングブローが向路の首を刎ね飛ばす。
無論――当たれば、の話だが。
「おっ……!」
上下左右の連携に加えて、再度ジャブを打ち放つ。
最早「正しい判断を下す事」すら遅い。
戦闘者としての経験に裏付けられた勘がなければ、避け切れはしない。
「おぉおっ!」
そして――不動が、感嘆の声を上げた。
「すげえすげえ!マジですげえ!当てらんねーんだけど!こんなんアイツとやった時以来だぜ!」
『本気』の連撃を繰り出してなおも向路を捉えられない事に、不動は心から歓喜していた。
「かー、やっべえなこれ!めちゃくちゃ楽しい!なぁ!お前も楽しくねーか!?」
そう言いながら、不動は一瞬、大鳳へと視線を向けた。
自分は今隙だらけだ。彼女がその状態を見過ごす訳がない。
きっと何かを仕掛けてきてくれる――不動の視線には、期待の熱が篭っていた。
しかし――そこに視界外から流川が飛び掛かった。
「……あぁ?いや、お前は違うだろ……」
明らかに気落ちした声と共に、不動は無造作に右拳を放った。
拳は狙いを過たず流川の腹部を捉え――抉り抜いた。
流川が「中身」を撒き散らせる――超回復した不動の視覚は、その様を鮮明に捉えていた。
本来ある筈の臓器が見えず、僅かな血液と肉片だけが飛び散っていく様を。
「おっ……」
直後、不動の右目に、彼自身の右腕をブラインドにする形で、鉄パイプが突き刺された。
- 33 : ◆PyxLODlk6. :2015/12/26(土) 21:32:20.02 0.net
- 「やるじゃんおま――」
>「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」
間髪入れず、不動の眼窩から頭蓋へと、高圧の蒸気が打ち込まれた。
爆薬による発破と比較して何ら遜色ないその一撃は――しかし不動の頭部を完全に吹き飛ばすに至らなかった。
何故か――眼窩に鉄パイプを突き刺された直後、不動はそれを左手で掴んでいた。
怪人由来とは言え鉄パイプなど彼にとっては虫食いになった木の枝同然。
容易く、それを半ばから握り潰し――故に蒸気の流入は不完全だった。
それは、不動自身も意図せずに起きた出来事。
その事が――奇しくも、戦況が流川達にとって致命的に成り果てるのを阻んでいた。
蒸気流入が完全に成立していれば、不動の頭部は間違いなく吹き飛んでいただろう。
脳が完全に原形を失い――絶命していた。
つまり向路が超接近戦を挑み、流川も即時離脱が不可能で、
大鳳勇が予期し得ず万全の準備を整えられていないだろう状態で――不動の『全力』が解き放たれていた。
「お、おー、あっぶねー……今のはヤバかった。
こんなに早く終わっちまったら……勿体ねーなんてもんじゃねえからな……」
不動は鉄パイプを引き抜き、流川もろとも投げ捨てる。
だが、その様相は決して万全とは言えなかった。
右目は完全に潰れ、両耳からは脳漿交じりの血液が流れ出ている。
頭皮も右側頭部は吹き飛び、割れた頭蓋とシェイク気味の脳みそが露わになっている。
どれも既に超回復の兆しは生じているが、まだ完治には至っていない。
そして彼はよろめき――その場に倒れ込んだ。
不動が唯一残った左眼で、大鳳を見据えた。
「来いよ、『超人』。どっちがすげえか勝負しようぜ」
そう呼びかける声色は――まるで親友にでも語り掛けるかのように、弾んでいた。
無論、向路と流川が負わせた手傷は不動を放置すれば短時間で治癒してしまう。
逆説――向路の連打を受け続けていた不動の傷の治りは、流川に頭をかち割られた時に比べて幾分か遅い。
彼の誘いを受けないという選択肢は――戦況を悪化させるものと言えるだろう。
- 34 :マラえもん:2015/12/26(土) 22:22:42.94 0.net
- 不動は鉄バイブを引き抜き、流川もろとも投げ捨てる。
だが、その尻穴は決して万全とは言えなかった。(むしろ血まみれ)
右尻は完全に潰れ、尻穴からは精液交じりの血液が流れ出ている。
頭皮も右側頭部は吹き飛び、割れた頭蓋とシェイク気味の脳みそが露わになっている。
どれも既に超回復の兆しは生じているが、まだ完治には至っていない。
そして彼はよろめき――そので射精した。
―――‐‐.、 あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
(l () () .l 奇想天外 自己挿入
l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
l () l
l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
l () () l ツウ販デカッタ
l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
>「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」
>「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」
w
- 35 :名無しになりきれ:2016/01/05(火) 09:44:27.68 0.net
- 従士いわく
「早くしろよゴミ」
- 36 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/01/09(土) 05:36:06.99 0.net
- 不動の体勢を崩し一旦距離を離そうとする大鳳に不動の蹴りが放たれる。
それは避けるには察知するのが遅れており、かと言って不用意に防御しようものなら
防御の上から持っていかれるの明白だ。
(……ッ!流石に一筋縄ではいかないですわね、たかが転ばせるだけで一苦労……!!)
それを加味した上での大鳳の決断は――静観だ。
何故なら、今回は一人ではない。大鳳は流川をフォローする為に突出した。
だがその行動をフォローしてくれる男が控えていることを彼女は知っている。
「貴方なら何とかしてくれると思ってましたわ、深先」
向路は彼女の期待通り不動の動きを止める一撃を放つ。
それによって出来た明らかな隙は、流川の攻撃を完遂させる為に充分過ぎた。
流川の唐竹割りを顔面に直撃した不動は仰向けに倒れた。
普通の怪人であればこれで終わり、殺しきれなくとも絶対的有利な状況が確約されるのだろう。
>「……いっ……てええええええええええ!クッソ痛え!マジで痛え!
やるじゃねえかおめーら!雑魚とか言っちまって悪かったなオイ!」
だが、相手はあの『不動』なのだ。
彼が相手なれば、これは終わりではなく開幕の景気づけに過ぎない。
>「気に入った!『超人』キレさせるくらいにしか使えねえと思ってたけど、気が変わったぜ!
今日、おめーらの内誰か一人だけは生きて帰らせてやるよ!誰が生き残っても面白そうだ!」
体は伏せ、首だけを起こしながら喜々として叫ぶ不動に対し、大鳳は冷静に状況を観察する。
このままマウントと取って制圧できれば言うことはないのだが
そんなことを許すほど不動の力は衰えているわけではない。
だからこそ、次の一手を打ち出すために、大鳳は注意深く不動の動向を探った。
そして気づく、不動の呼吸と、不自然なまでに膨らんでいく胸部。
そこから導き出される結論は――――。
「耳を塞ぎなさい!」
>「ッ耳塞げ!」
向路とほぼ同時に叫びを上げると、彼女自身も両手で耳を塞ぐ。
重低音と呼ぶには無理がある咆哮が響き渡り、そのタイミングで不動が跳ね起き、構えを取った。
流川が膝をついているが、この際それは無視する。
先の言動と不動の性格を考えるならば、彼はこんな牽制でモロに隙を見せた相手を狙うよりは
これに対応できた方を狙うほうが確率は高いと考えたからだ。
- 37 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/01/09(土) 05:36:41.22 0.net
- >「だから俺に『全力』を出させてくれよ、なっ、頼むぜ」
「開幕の祝砲にしては、少々野蛮が過ぎるのではなくて?」
音の衝撃を緩和した直後、不動に遅れて大鳳も構えを取る。
左腕を前に突き出し、半歩体を後ろにずらすように、不動から右腕を見えなくなるよう配置する。
(さあ、どこからでもかかってきなさい)
>「だから俺に『全力』を出させてくれよ、なっ、頼むぜ」
大鳳は不動がどんな攻撃をしようとも、対応できるように構えていた。
だがそれに反して不動が仕掛けたの向路だった。
「チッ……そうきましたかッ!!」
この状況、不動が大鳳を狙わず向路を狙うというのは彼女自身の想定にも入っていた。
だからこそ彼女は動けない。
向路と不動がタイマンの状態になれば、そこで発生するのは超高速戦闘だ。
オールラウンダーの大鳳に対して向路は速度一点特化。
向路が大鳳に合わせることは容易だろうが、その逆――高速戦闘に大鳳が割り込むのははっきり言って厳しいのだ。
リソースをつぎ込めば短時間の間追従することは可能だろうが、それでは後に支障を来たしてしまう。
何より、何度でも言うがこの戦い、一体一でもなければ一対二でもない、一対三なのだ。
故に、大鳳は待った。決定的な瞬間、確実にダメージを与えられる機会の為に。
そしてその機会は程なくして訪れようとしていた。
>『もう一度、不動の頭をカチ割ります。うまく割れたら大鳳さん、眼とか脳とか盗れるものをギって下さい』
『頼みますわ』
向路の攻撃を受け続けている不動へ流川が走る。
一見無謀にも見えるが、先ほどの吶喊とは違いカチ割ると宣言した彼女は冷静さを取り戻している。
だが、その吶喊を見逃す不動ではない。
>「……あぁ?いや、お前は違うだろ……」
その声からは明らかな失望が混じっていた。
彼にとってはここで大鳳が何かしらのアクションを起こすことを期待していたのだ。
それに比べていかにも搦手で仕掛けてきそうな女がまるでさっきと変わらない攻撃を仕掛けてきた。
彼が落胆するには充分な理由だ。だが、だからこそ付け入る隙がある。
流川を打ち払おうと無造作に払った一撃は、見せかけの胴体を突き破るだけに終わり、
彼女のカウンター――鉄パイプが不動の眼孔に突き刺さると、そこから暴風の如き蒸気が流れ込む。
>「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」
このような一撃を受けてなお、それでも不動は生きている。
彼にとっては、突き刺さったパイプを引き抜くためにそれを握ったことにより
蒸気の流入が不完全に終わったからだ。
攻撃を受けきった不動が、鉄パイプを引き抜き無造作に流川を投げると
さしもの彼も回復が間に合ってないのか、その場に倒れ込んだのだ。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
- 38 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/01/09(土) 05:38:23.42 0.net
- >「お、おー、あっぶねー……今のはヤバかった。
こんなに早く終わっちまったら……勿体ねーなんてもんじゃねえからな……」
大鳳たちは知る由もないが、不動が段階を踏まずに全力までステップアップすることを阻めたのは幸運ほかならない。
「あんなものを食らってなお生きてるなんて、本当に常識外れにもほどがありますわね」
冷静を保ちつつ、構えたままジリジリと不動へと詰め寄っていく大鳳へ、不動がぎょろりと左目を向ける。
>「来いよ、『超人』。どっちがすげえか勝負しようぜ」
「言ってくれますわね……ですが、望むところです」
もう待つ必要はない。むしろ待てば待つほど不動の傷は回復し、その分強化される。
向路と流川、両者の攻撃を受けて回復まで時間がかかる今を逃す手は無い。
(それに、試したいこともあります)
「二人共、フォローは任せましたわ」
治癒が完了しておらず、未だ倒れ込んだままの不動に対して大鳳が地面を蹴り上げ一気に距離を詰める。
構えていた左手で残った左目の視界を覆うように、あわよくばその眼球を抉るように狙う。
同時に大鳳はあるものを握りこんだ右掌を、不動の失われた右目に埋め込もうと突き入れる。
――不動の超回復、あらゆる傷を瞬時に回復し、筋肉の性質を持った肉体は傷つけば傷つくほど強化される。
ならば、その傷に不純物、異物を埋め込んだらどうなるのか。
不純物は筋肉に押されて外部に出て行くのか、異物を埋め込んだまま回復するのか。
その疑問を解消するのが、握りこまれたもの――鉄菱だ。
本来足止めなどの目的で使用される鉄菱だが、その形状は極悪極まりない。
尖りに尖った三角錐、一旦埋め込まれてしまえば、それを外部に排出するのにも時間がかかるのは必然。
いたずらに攻撃をしてしまえば更に強化される不動の対策として必要なのは、不用意に殺さず、傷をつけないこと、そして回復を阻害することだ。
そしてこの鉄菱が回復阻害の有効手段として使えるのならば、大鳳の策は芽吹き始める。
【不動の眼孔に異物混入させて回復阻害を試みる。】
- 39 :名無しになりきれ:2016/01/09(土) 11:23:35.17 0.net
- あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
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l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
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〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
左上から右下にかけてを千切れ飛ばされながら、そうしてマラえもんは不動の懐に入り込んだ。
下段からかち上げた鉄バイブ、予め卑猥に研ぎ澄まして形成したその切っ先を、不動の右ケツに思いっきり突き刺した。
間髪入れず、高圧精液を送り込む。
注ぎ込まれた精子の1700倍の内圧は、不動のケツを汚い花火に変えるだろう。
ブッ殺すと、口に出すのは簡単だ。
だからマラえもんは改めて、己の欲望を吐き出した。
「――ホンワカパッパ ホンワカパッパ マラえもんッ!!」
【不動の右ケツに鉄バイブを刺して精液注入】
- 40 :名無しになりきれ:2016/01/09(土) 11:24:05.79 0.net
- ああ
- 41 :名無しになりきれ:2016/01/10(日) 09:36:26.55 0.net
- またマラえもんか
- 42 : ◆PyxLODlk6. :2016/01/14(木) 01:10:02.17 0.net
- 「グラウンドポジションで待ち構える敵」に対して有効な戦術は複数ある。
例えば単純に寝技の誘いに応じて、その上で相手に対して有利な体勢を取るだけでもいい。
武術の心得がある大鳳ならば、それを実行し、実現する事は難しくない。
だが「グラウンドポジションで待ち構える不動」に対して、その戦術は決して有効ではない。
怪人という括りの中でも規格外の膂力を持つ彼に密着し、組み合うのは自殺行為だ。
その丸太のような両脚に挟み込まれたら、それだけで胴が潰れ死に至る。
他にも、相手の脚部や頭部などを蹴る、踏み付けるなどする戦法。
しかしこれも不動相手には難しい
致命傷になり得ないダメージを蓄積させても彼は超回復してしまうだけだ。
その上、彼は技巧に長けていない訳ではない。
蹴りを防がれ、捕まってしまえば待っているのは紙屑のように丸め込まれる未来だ。
それを恐れて脚部への蹴りを行っても、軸足への反撃は回避困難である。
(さぁて……どう攻めてくる?)
不動は、大鳳の攻め筋を全く読めていなかった。
当然である。自分でも攻め落とされる術が分かっているような防御など、彼が取る訳がない。
破られる訳がない――だからこそ、彼は大鳳の動きが楽しみで堪らなかった。
大鳳が、じりじりと距離を詰めてくる。
(……まどろっこしいな。待ってたら回復しちまうぞ、俺。
さっさと勝負を仕掛けてこねえって事は……頭の方に回り込んでくるか?)
彼女の出方から不動はそう予測を立て、体勢を微妙に変化させる。
膝をやや立て、上体を僅かに起こす。
回り込まれてのローキックを受け止め、即座に捕らえられる体勢。
不動がその姿勢を取ろうとした瞬間――大鳳が動いた。
「げっ」
体勢を変えようとした、無防備な一瞬を突く初動。
大鳳の怪人特性は、あらゆる部位への一点特化が可能な肉体強化。
つまり彼女は――極めて高度な視覚で敵の動きを見抜いてから、極めて高度な脚力で動作を開始する事が出来る。
そしてそのまま――極めて高度な腕力をもって、攻撃を仕掛けられるのだ。
大鳳の左手が、不動の左眼を抉る。
眼球だけではない。皮膚も、肉も、頭蓋さえも纏めて、特化された握力が真砂を掬うかのように抉り取った。
更に半壊状態の右目の眼窩に、続けざまに右の拳が叩き込まれる。
頭部の右半分が砕け、飛び散った。
だが彼は左眼を抉られたが、損傷は左脳にまでは至っていない。
不動の右手が大鳳の首根っこへと素早く伸びて――しかし空を掴む。
彼女は既に離脱していた。
「おー、おー……やるじゃねえか。真正面から俺の不意を突ける奴ぁ、なかなかいねえ。
だが……なに退いてんだよ。それじゃ駄目だろ、それじゃ俺はもっと強く……あん?」
不動はグラウンドポジションを取ったまま、顔を顰める。右眼を細めたり、逆に大きく見開いたりを繰り返している。
「なんだぁ?右眼が……」
そして彼は、自分の右眼窩に指を突っ込み、眼球を引き抜いた。
そのまま口に放り込み、咀嚼――がり、と何かを噛んだ音が、彼の口内で響く。
その何かを右手のひらに吐き出す。
- 43 : ◆PyxLODlk6. :2016/01/14(木) 01:10:29.15 0.net
- 噛み潰された眼球の中に、僅かに歪んだ鉄菱が埋まっていた。
大鳳の疑問に対する回答は示された。
再生は異物を巻き込んで行われ――しかしその機能は十全には戻らない。
加えるなら、昨日、彼女が不動を死に至らしめた貫手。
あれも、もう一つの回答だ。
巨大な異物が埋め込まれ、再生力でそれが押し返せなければ、再生は阻害され続ける。
「……はーん、なるほどね」
不動はゆっくりと何度か頷いて――立ち上がった。
「こういうやり方か」
そして再び構えを取る。
深く重心を落とし、両腕は軽く曲げ、体の前面に、両手を開いた状態で――レスリングの構えだ。
「いいぜ、いい戦術だ。今までも何度か、そういう事をしようとする奴はいたぜ。
だが、それを実行出来た奴は……一人だけだな。まっ、ソイツも俺を仕留めるには至らなかったけどな」
だがその気配は――まるで波一つ立たない水面のような静謐さを秘めていた。
「俺ぁこの戦い、100%本気でやってた!それは間違いねえ!
だが……こっからは更に!本気で、真面目にやってやる。殺されるかもしれねえって気持ちでな」
直後――不動は向路へとタックルを仕掛けた。
抱きつき、捕らえる事が目的ではない。
反撃させて、それを捕らえる事を狙いとしたタックルだ。
打たれる事を承知で仕掛けてくる不動の耐久力はまさしく怪物級だ。
生半可な反撃では――逆に死という運命を決定付けるものになってしまうだろう。
- 44 :名無しになりきれ:2016/01/14(木) 16:40:03.52 0.net
- >>42
お前誰だよ
- 45 :名無しになりきれ:2016/01/14(木) 21:48:38.37 0.net
- 俺はなマラえもんの活躍に
一番期待してるわ
- 46 :名無しになりきれ:2016/01/15(金) 10:41:16.82 0.net
- オペラ座の怪人は
凄いらしい
- 47 :名無しになりきれ:2016/01/19(火) 19:27:37.18 0.net
- 誰だよっての従士
- 48 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2016/01/23(土) 11:40:11.88 0.net
- >「っ……いいぞ!考えたじゃねえか!」
向路が不動に対してインファイトを選択したのは力を削ぎ、足を止める為だけではない。
強烈に鍛え上げられた岩塊の如き筋肉は驚異だが、そこにこそ付け入る隙があるからだ。
>「……おっ?」
>『もう一度、不動の頭をカチ割ります。うまく割れたら大鳳さん、眼とか脳とか盗れるものをギって下さい』
筋肉はあくまで人体を動かすための器官。その芯には骨……つまり骨格がある。
怪人にとってはその限りではないが、基本的に骨格は人体構造の基礎であり、ヒトに共通するフォーマットだ。
フォーマットの再現に大小の個人差はあれど、人形を成す以上は構造的に共通の可動限界が存在する。
>「おっ……!」
>『頼みますわ』
>「おぉおっ!」
更にそんな骨格による限界に加えてもう一つ。
不動のパンプアップされた筋肉は彼の身体を覆う鎧にしてエンジンであり、鍛えるほどに隙無く、より強くなるように見える。
しかし先程書いたように人体には骨格があるのだ。
不動の筋肉が厚く、大きくなるほどに間接への妨げとなり内側へ向く動作は僅かにだがとりにくくなっていく。
>『向路さん、お肉ガンガンえぐって行きましょう。手伝いますよ』
向路には2人の仲間がおり、《不動》は1人だ。故に取る戦術が違う。
止めを仲間に任せ、自身はその為の繋ぎとして戦う向路に対し、《不動》は一撃一撃に必殺の威力を込めている。
先程までの距離ならば、《不動》は隙の小さな高速ジャブですら十分それに足る威力を持っていた。
しかし、今の向路のように肉薄した相手はそれでは足りない。拳を走らせるには距離が短すぎる。
その距離を脚で作ることが出来ないのなら、体や拳に捻りを加え無理矢理に距離を作ることで威力を上乗せすることは出来る。
威力は増す。が、モーションの重さも増す。
重さは、遅さに繋がる。
>「すげえすげえ!マジですげえ!当てらんねーんだけど!こんなんアイツとやった時以来だぜ!」
ここまでに上げた欠点など通常欠点足り得ない、どころか懐に入る選択すら取らせない程に《不動》は強い。
それなのに向路がその懐で戦えるのは、実力の一端を見せたことで《不動》の興味を引いたことによる、彼の慢心とすら思える貪欲さからだ。
この削り合いの中でも未だ、《不動》は向路がどれ位面白い敵かを探ろうとしている。
どこまでも《不動》は底知れない。パワーテクニック経験怪人特性どれを取っても向路を上回って果てしない。
このまま続けて、際限ない成長率を持つ《不動》に向路が勝てる確率は万に一つあるかも分からない。
だが、たった一つ、今この瞬間ならば……疾さだけは────負けられない。
- 49 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2016/01/23(土) 11:41:09.21 0.net
- >「かー、やっべえなこれ!めちゃくちゃ楽しい!なぁ!お前も楽しくねーか!?」
頭上で《不動》が何か言っているが内容など頭に入ってこない。
先程流川も何か言っていたが内容を噛み砕く余裕もない。
四肢がブチ切れるのではないかと思えるほどの攻防、それの終わりは流川が持ってきた。
>「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」
流川が蒸気を噴出すると同時に向路は後方へ跳び退く。致死クラスの追撃が来たこのタイミングで一旦体勢を立て直すつもりだ。
触れるだけで死にかねない拳の暴風雨は徐々に向路にタイミングを合わせつつあった。
動きを止めた向路を息を荒げながら、膝に手首をついて身体を支えるようにする。
生死の渕を彷徨ってからたった1日、更に奥の手を使用しての感城戦を経てそこに《不動》とのインファイトだ。
ハード的にはほぼ限界のない《不動》と違い、向路は消耗し続ける。
肉体面・精神面でかなりの疲労を抱えたが、《不動》を殺せたのなら妥当な対価だ……!
>「お、おー、あっぶねー……今のはヤバかった。…(略)…勿体ねーなんてもんじゃねえからな……」
>「あんなものを食らってなお生きてるなんて、本当に常識外れにもほどがありますわね」
「はッ……化け物が……っ」
……そこには未だ覇気の衰えない《不動》がいた。
あんな状態で生きていていいのは雨場と伏見だけだと思っていたが……認識を改める必要があるようだ。
>「来いよ、『超人』。どっちがすげえか勝負しようぜ」
>「言ってくれますわね……ですが、望むところです」
そして、尚も化け物は獲物を求め、いよいよメインディッシュへと手を伸ばす。
>「二人共、フォローは任せましたわ」
「了解、です」
大鳳は数瞬動きを止めていたが、不動が動くと同時に即座に攻撃を畳み掛ける。
完璧な間の取り方と判断力。《不動》相手に劣らない戦闘センスは流石だ。
>「げっ」
大鳳の手が《不動》の顔面に沈む。
血肉と骨片を散らしながら振り抜かれた拳は壮絶にして熾烈、即死であろう。……普通なら。
>「おー、おー……やるじゃねえか。(略)それじゃ駄目だろ、それじゃ俺はもっと強く……あん?」
あれだけの損傷をしながら全く焦る様子を見せないサマに、《不動》をガス欠に陥れるのは無理があるのでは無いかと思えてきた。
そもそも物理的な損傷が殆ど意味を為さないのなら、どうすれば殺すことが出来るのか。
>「なんだぁ?右眼が……」
向路の中で《不動》が殺せば死ぬ怪人なのかどうかを測りかねている最中、不意に生じた《不動》の肉体の不和。
自ら目を抉り、噛み潰す光景は狂ってるとしか言えないが、それをさせたのは大鳳勇の策によるものだ。
異物による回復阻害、それが《不動》の殺し方ということか。
>「いいぜ、いい戦術だ。(略)まっ、ソイツも俺を仕留めるには至らなかったけどな」
攻略法は指し示されたが、しかし《不動》はまたも立ち上がる。
肉体を削る、異物を埋め込む。これらをどこまで続けるのか……、考えると頭が痛くなりそうだ。
- 50 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2016/01/23(土) 11:42:35.21 0.net
- >「俺ぁこの戦い、100%本気でやってた!(略)殺されるかもしれねえって気持ちでな」
レスリング系のスタンスから、再び向路へと突撃する《不動》。
いわゆるタックルだ。前後への回避は難しく、左右へも逃げがたい。
そもそも、ただ逃げる為だけの行動は恐らく取るべきではないだろう。
しかし、向路が正面から《不動》を抑え込むことはほぼ不可能だ。力での勝負になれば間違いなく死ぬ。
「──……!」
攻撃する。攻撃範囲から逃げる。どちらも行いたいのなら、結局少しくらいは無理をしなくてはならない。
ギリギリまで《不動》を引き付け、残り数瞬まで耐え……向路は超瞬発を用いて跳んだ。上へ向かってだ。
身体を抱え込みながら両腕は万歳の姿勢で天井に到達し、こちらも超瞬発を発揮し、その手で思い切り天井を突く。
つまりこれは、タックル回避とほぼ同時に死角からのスタンプキックをかますというものだ。
《不動》の背中に靴痕を残すつもりだが、果たして回避されないとは限らない。
そして、もしそのときには、
(…………考えたくもないな)
- 51 :マラえもん:2016/01/23(土) 13:03:36.37 0.net
- あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
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l () l
l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
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l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
>>48 向路深先 ◆qwXY9mi/bQ
更にそんなバイブによる限界に加えてもう一つ。
マラえもんのパンプアップされた陰茎は彼の身体を覆う鎧にしてエンジンであり、鍛えるほどに隙無く、より強くなるように見える。
しかし先程書いたようにペニスには骨格があるのだ。
マラえもんの筋肉が厚く、大きくなるほどに間接への妨げとなり内側へ向くピストンは僅かにだがとりにくくなっていく。
>『向路さん、お肉棒ガンガンえぐって行きましょう。手伝いますよ』
向路には2人の仲間がおり、《マラえもん》は1人だ。故に取る戦術が違う。
止めを仲間に任せ、自身はその為の繋ぎとして戦う向路に対し、《マラえもん》は一撃一撃に必殺の射精力を込めている。
先程までの距離ならば、《マラえもん》は隙の小さな高速ピストンですら十分それに足る威力を持っていた。
しかし、今の向路のように肉棒大きな相手はそれでは足りない。ピストンを走らせるには距離が短すぎる。
その距離をペニスで作ることが出来ないのなら、棒やタマに捻りを加え無理矢理に距離を作ることで射精力を上乗せすることは出来る。
ピストン速度は増す。が、ローションの重さも増す。
重さは、ピストンの遅さに繋がる。
- 52 :名無しになりきれ:2016/01/23(土) 13:04:32.95 0.net
- 44 :
名無しになりきれ
2016/01/14(木) 16:40:03.52 0
>>42
お前誰だよ
45 :
名無しになりきれ
2016/01/14(木) 21:48:38.37 0
俺はなマラえもんの活躍に
一番期待してるわ
46 :
名無しになりきれ
2016/01/15(金) 10:41:16.82 0
オペラ座の怪人は
凄いらしい
47 :
名無しになりきれ
2016/01/19(火) 19:27:37.18 0
誰だよっての従士
あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
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(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
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〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
<キンギョウキテレツマカフシギ ハッソウテンガイシシャゴヌウ…
- 53 :名無しになりきれ:2016/01/24(日) 16:35:53.97 0.net
- 22 :
名無しになりきれ
2016/01/24(日) 07:29:14.72 0
9 名前:ジェラルド ◆VZciP4pMwA [sage] 投稿日:2015/12/26(土) 21:58:52.38 0
名前:ジェラルド
年齢:62
性別:男
身長:174
体重:60
スリーサイズ:
職業:ガンマン(レジェンド)
性格:口よりも威圧感で何とかするタイプ
主武器:M249ミニミ軽機関銃(5.56mm)75/300発
副武器:ソーコムピストル(45口径)12発
特殊武器:手榴弾×2
防具:防弾チョッキ型ジャケット
特技:軽快なアクション
その他所持品:スモーク弾、迫撃砲、60式自走無反動砲など
容姿の特徴・風貌:白髪でチョビ髭の男
最近気になること:可愛い孫について
将来の夢(目標):銃を死ぬまで撃ちまくること
簡単なキャラ解説:銃が大好きなおじさん。レジェンドのガンマンといわれているが、要は無職。
23 :
名無しになりきれ
2016/01/24(日) 07:31:13.06 0
11 名前:アクション ◆D6aePwzjD. [sage] 投稿日:2016/01/22(金) 12:14:21.85 0
名前:アクション・ガンボイルドガン・エクストラハードガンコンwwwwww
コードネーム:痛切のアクションwwwwww
年齢:35wwwww
性別:男wwwww
身長:177wwwww
体重:62wwwww
スリーサイズ:
国籍:ガンボールド傀儡帝国wwwww
職業:ガンマンwwwww
性格:ハードボイルドwwwww
利き手:両方(片方がダメになっても使えるよう訓練されている)wwwww
特殊能力:回転撃ち(銃にスナップや回転をかければかけるほど貫通力や精度が増す)wwwww
武器:M&M−34FX−Mk2(装弾数:12)wwwww
所持品:リロード用のタマwwwww
容姿の特徴・風貌:テンガロンハットを被ってジャケットのハードボイルド風wwwww
趣味:銃wwwww
座右の銘:壁に耳あり、障子にメアリースーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
簡単なキャラ解説:銃撃戦を楽しんでいる男。wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
キャラから一言!:あァ〜、銃撃ちてぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
12 名前:アクション ◆D6aePwzjD. [sage] 投稿日:2016/01/22(金) 12:15:51.73 0
タマぁ撃ちてぇwwwwwwwwwwwwwww
誰かストーリーとか挿入してくれんもんかねぇwwwwwwwwww(ハードボイルド風にチラ見wwwwwwwwww) 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:9368c25c0e1fcb4c3420acd807713d27)
- 54 : ◆PyxLODlk6. :2016/01/25(月) 04:27:38.88 0.net
- 【行動判定】
向路深先の跳躍は、完璧だった。
鍛錬に鍛錬を重ね、鍛え抜かれた肉体と、磨き上げられたセンスと体質。
どれが欠けても成立し得なかった回避運動――タイミング、速度共にこれ以上なく完璧だった。
その完璧な跳躍を、不動の視線が追っていた。
同時に彼は転倒するかの如き勢いで全身を反転。
天井から超高速で迫り来る向路を、体の正面に捉えた。
「マジ……か……!」
そして――向路の両足が、不動の腹部に突き刺さる。
腹筋が千切れ、内臓が潰れる感覚を、彼の足は確かに感じるだろう。
だが――不動は怯んでいなかった。
向路は強い。彼はその事を知っている。
どうにかして躱してくる、あまつさえ反撃してくる――そんなのは「容易く予想出来る事」なのだ。
「だが俺の方が強え」
瞬間、不動は千切れた腹筋への「力み」を操作した。
武術の達人は、己の手の上に乗せた鳥を飛び立たせず、留め続ける事が出来る。
鳥が飛び立とうとする瞬間に手を精妙に動かす事で、
飛び立つ為の力――足元を蹴る反動を与えないという芸当が可能なのだ。
絵面だけを見ればただの大道芸だが、その肝要は「武術の達人は対象の呼吸を読み、その拍子を乱す事が出来る」という事だ。
不動は、それを向路に対して行ったのだ。
本来ならば彼は不動を強烈に蹴りつけ、その反動をもって再び跳躍、離脱を果たすつもりだった筈だ。
だが腹筋への精妙なる力加減によって――向路が逃げる為の跳躍を成す拍子を外したのだ。
結果――彼は不動から満足に距離が取れない。
不十分な跳躍を強いられる――その滞空時間は、必然的に長くなる。
不動が、まるでその全身が怪物の顎門であるかのように、向路へと飛び掛かった。
- 55 :名無しになりきれ:2016/01/25(月) 08:13:13.64 0.net
- あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
(l () () .l 奇想天外 自己挿入
l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
l () l
l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
l () () l ツウ販デカッタ
l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
<キンギョウキテレツマカフシギ ハッソウテンガイシシャゴヌウ…
【行動判定】
マラえもんの跳躍は、完璧だった。
鍛錬に鍛錬を重ねたマラは、鍛え抜かれた陰茎と、磨き上げられた硬さとピストン。
どれが欠けても成立し得なかった前後運動――タイミング、速度共にこれ以上なく完璧だった。
その完璧な跳躍を、不動の視線が追っていた。
同時に彼は射精するかの如き勢いで尻穴を反転。
天井から超高速で迫り来るマラえもんを、股間の正面に捉えた。
「マラ……か……!」
- 56 :マラえもん:2016/01/27(水) 15:11:52.87 0.net
- マラえもんが質問に答えるよ!
あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
(l () () .l 奇想天外 自己挿入
l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
l () l
l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
l () () l ツウ販デカッタ
l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
ぼくマラえもんです!
- 57 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2016/01/28(木) 18:34:14.34 0.net
- 突き立てた鉄パイプからの高圧蒸気注入。
不動の頭部は狙い通りに内側から弾け飛んだ――しかし、全損とはいかなかった。
>「お、おー、あっぶねー……今のはヤバかった。こんなに早く終わっちまったら……勿体ねーなんてもんじゃねえからな……」
「……化物ってよく言われません?」
市香は乾いた声でそう呟いた。
不動はその頭蓋の右半分を破壊され、脳を剥き出しにしながらも生きていた。
半壊に終わった理由は単純、蒸気が十分に撃ち込めなかったから。間一髪、不動は鉄パイプを握り潰していた。
そのまま市香ごと放り投げられる。咄嗟に受け身を取って床の上で反転し、立ち上がった。
>「あんなものを食らってなお生きてるなんて、本当に常識外れにもほどがありますわね」
大鳳が唖然として零すが、まったくもって市香も同意だった。
頭を半分潰されて生きてるだけでも非常識だが、不動はまだまだ戦えるといった風情だ。
そして口ぶりからするに、不動にはまだ『先』がある。彼はまだ奥の手を出していないのだ。
(奥の手を切ってないのはこっちも同じだけど……)
向路の連続超瞬発も、大鳳の瞬間超強化も、市香の気化熱冷凍も、不動に対する決定打とはなりにくい。
そして奥の手にはリスクがある。肉体への負担を考えれば連発は不可能だ。
不動の底がまだ見えていないこの段階で切り札を切ってしまうことへの不安は拭えない。
現在、不動は四肢に刻まれた向路による刳傷が無数、頭部右側には大穴と致命傷に近い重傷を負っている。
流石に姿勢の維持が困難になったのか再び床に――今度はうつ伏せに倒れこんでいるが、やはりこれも猪木アリ状態だ。
こちらの追撃を的確に防御する態勢である。
>「来いよ、『超人』。どっちがすげえか勝負しようぜ」
>「言ってくれますわね……ですが、望むところです」
不動の挑発に大鳳が言葉を返す。市香は後ろに下がりながら戦場を見回した。
同条件からのよーいドンで市香が不動に勝てる要素はない。
不動の不死身染みた特性とそれに裏打ちされた戦闘経験は、研ぎ抜かれた剣に似ている。
相手の土俵で真っ向からぶつかり合えば叩き斬られるのはこちらだ。
『実力』と『経験』――不動を支えるその鋭利な刃を砕くには、横合いからへし折るしかない。
>「二人共、フォローは任せましたわ」
>「了解、です」
「任されました」
とは言ったが、一旦大鳳達が戦闘速度に入ってしまえば市香が介入することは難しい。
連携補助と言う意味でのフォローは向路の専門分野、そちらに一任するのが吉だろう。
市香に求められているのは、もっと別の支援だ。これからそれを探さなくちゃならない。
周囲に目を走らせる。何か、不動を出し抜けるような糸口はないか――。
>「げっ」
大鳳と不動が激突する。
掬い上げるように放たれた左の一撃が不動の左顔面をえぐり飛ばし、残った眼球が吹っ飛ぶ。
同時に頭部の右半分にも突きこまれた右拳が再構築されつつあった組織を再び挫滅させる。
――いまこのとき、不動の両眼はともに潰され彼は瞬間的に盲目となった
市香はその瞬間を見逃さなかった。踵を返し、不動とは逆方向へと走りだす。
不動は治りかけだった右眼に違和感を訴えている。何か外因的な理由で再生がうまくいっていないのだ。
おそらく大鳳が何かをしたのだろうが、とにかくそのおかげで時間が稼げた。
- 58 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2016/01/28(木) 18:35:36.45 0.net
- 先ほど確認しておいた部屋の隅へと極力足音を立てないように忍び寄る。
ここがショッピングモールを改装した施設であるなら、消防法で義務付けられた消火栓があるはずだ。
果たして壁際に設置されていたそれに飛びついたところで、不動が右眼の不調の正体に気付いたようだった。
バレないように引き返し、不動を遠巻きに狙う位置へと復帰する。
>「いいぜ、いい戦術だ。今までも何度か、そういう事をしようとする奴はいたぜ。
だが、それを実行出来た奴は……一人だけだな。まっ、ソイツも俺を仕留めるには至らなかったけどな」
不動は掌の残骸を再生した左目で眺めてにんまりと笑った。
やはり大鳳は、不動の不死身を打破する何かに気付きつつある――そしてそれは向路にも伝わっているようだ。
不動はいよいよ楽しくなってきたと言わんばかりに気炎を吐く。
>「俺ぁこの戦い、100%本気でやってた!それは間違いねえ!
だが……こっからは更に!本気で、真面目にやってやる。殺されるかもしれねえって気持ちでな」
「本気がインフレしてるんですけお……」
不動の頭の悪そうな発言はともかく、大鳳の打った策が不動に『死』を意識させたことは確かだ。
彼はかつて同じ手を使った者が『仕留めるには至らなかった』と言った。
不動を殺しうる手だったが、それ以外の地力が足りなくて策が完成する前に返り討ちに遭ってしまったのか。
それとも単純にただ異物を挿入するだけでは不動を殺しきれないのか。
いずれにせよはっきりしているのは、不動が大鳳を明確に警戒し始めたということだ。
故に不動は――次は仕留める為の確実な一手を打ってくる。
ついに再生を終えたぎらぎらと艶めく不動の相貌が、向路を捉えた。
前傾の姿勢でありながらまったくの予備動作なしに、まるで発破にかけたように不動の巨躯が疾駆する。
小岩のような肉体は、ぶつかればそれだけでトラックに撥ねられるぐらいの威力をもたらすだろう。
しかしそれで撥ねられても逝き先は異世界転生じゃなく冥土インジャパニーズだ。
>「──……!」
紙一枚とも思える寸隙を隘路として、向路が超瞬発を発動。垂直跳びで不動を真上に飛び越える。
間髪入れずに二度目の超瞬発――まるで高速逆再生のように天井をバウンドした向路のスタンプキックが不動を襲う。
強化型怪人が十分な発射台をもって打ち出した一撃だ。まともに喰らえば不動の胴だってぶち抜ける。
だが不動もさる者、それを読んでいたのか地面にフルバンクしながら反転し、降ってくる向路を迎え撃つ。
交差は一瞬――!
>「マジ……か……!」
「貫いた――!」
向路の蹴りが僅かにだが不動の迎撃を上回った。
槍と化した蹴り足が不動の胴体を濡れた和紙のように引き裂き、穿ち、貫いた。
土手っ腹にこれだけ大きな穴が開けば、如何に不動と言えども再生しながらの格闘行動はとれまい。
殺しきれなくとも、無力化はできるはずだ――市香が勝機を確認したその瞬間。
- 59 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2016/01/28(木) 18:35:53.01 0.net
- >「だが俺の方が強え」
蹴りの反動によって離脱できるはずの向路が、その場を動けずにいた。
まるでサッカーで飛んできたパスを脱力した脚に当てて勢いを殺すように、向路というボールをトラップしているのだ。
腹筋でそれをやってのける技術も、致命傷に近いダメージを受けてなお勝利の為に立ち回れる胆力も尋常じゃない。
まるで食虫植物に囚われたように動けない向路を、不動という花弁が捕食しにかかった――
「させません……!」
刹那、市香は仕込みを起動した。
モールのような商業施設には、消火栓の他にもいくつか設置義務のある防災設備がある。
その一つが、天井に備え付けられたスプリンクラーだ。
天井の板を突き破って、埋め込まれていたスプリンクラーが配管ごと不動と向路との間に落ちてきた。
無論それは流川市香の蒸気圧による現象だ。
市香はグラッチ戦でやったように低密度な自身のハリボテを戦場に置き、本体は消火栓の配管を経由して天井に潜んでいた。
そのまま奇襲のタイミングを伺っていたところに向路のピンチが発生し、潜伏した配管を蒸気加速して天井を破り介入したのである。
そして落ちてきた配管の先端から、市香の本体がにゅるりと半身だけ飛び出した。
「掴まって下さい!」
向路が動けないのは唯一の足場である不動の肉体が巧妙にクッショニングしてくるからである。
トランポリンの上で全力でジャンプしても足場が変形してまともな反作用が得られないように。
だからそこから向路を助けるには、別の足場を用意してやればいい。
配管の根本は天井から生えている。掴んで怪人の膂力で引っ張ればグラッチのように上方向へ跳躍できるはずだ。
そして市香は言うまでもなく、向路の救助の為だけに不動の目の前へ出てくるリスクを冒したわけじゃない。
攻撃するためだ。
(奥の手は――惜しんでる場合じゃないよね!)
向路を捕食せんと襲いかかる不動を迎え入れるように、びしゃっと水音、液体市香が降りかかった。
振り払われるより早く相転移を発動、肉体を気体へと一気に性質変化させる。
気化熱の放出により、不動の肉体から急速に体温が奪われていった。
流川市香の奥の手、気化熱冷凍(省エネ版)。
フルスターリのように凍り付かせるまで気化熱を放出するのは肉体に負担が掛かり過ぎる。
だから市香は今回不動の持つ体温を、具体的には『筋肉の熱』を奪うことに特化させた。
強度の高い運動をする前に、準備運動などでウォーミングアップをすることは半ば一般常識だ。
筋や関節を柔軟にすることで怪我を防止するのが本来の目的だが、アスリートにとって最も重要な要素は別にある。
バンプアップと呼ばれる、一時的な筋肥大現象。
血管が拡張することによって大量の血液が流入し、熱を持ち、筋肉が膨らんだ状態である。
筋肉が稼働する為に必要なエネルギーは血液を通して供給される。
故にバンプアップ状態にある筋肉は血流が増えたことにより同じ時間でより多くのエネルギーを獲得することができる。
運動を開始すればたくさんのエネルギーが必要になる為肉体が自然とバンプアップするわけだが、
この状態を運動初期から作り出すために準備運動、すなわちウォームアップを行うのである。
市香は不動の身体を冷やすことで、適度にウォームアップされ高いパフォーマンスを発揮している筋肉をリセットしようと考えた。
強制的なクールダウンにより、血管は収縮し酸素とエネルギーが十分に供給されなくなる。
不動は戦闘前に入念な準備運動を行っていた。『筋肉』という体質……彼は肉体全体が、筋肉と同じ性質を持っている。
アスリートが最も嫌う、身体を冷やすという状態。不動の運動能力も無視できない影響を受けるはずだ。
「大鳳さん!」
メイン盾にしてメイン火力の存在を、市香は叫んだ。
【スプリンクラーから奇襲、向路に足場を提供、奥の手により不動をアイシング】
- 60 : ◆PyxLODlk6. :2016/01/30(土) 00:09:23.51 0.net
- 緊急回避を阻害された向路へ、不動が迫る。
その動きには一切の技術が存在しない。
渾身の力で飛び付き、両手両足を以って抱き締めるだけ。
たったそれだけの動作ですら、不動が行えば必殺の一撃と化す。
だが、その行為には確かに意味があった。
ただ相手を殺すだけならば、抱き締める必要などない。
無作為に殴りつけても、蹴りつけても、頭突きでも、何でも良かった。
にも関わらず抱擁という行為を彼が選んだのは――殆ど無意識の内の、感謝の現れなのだ。
不動と相まみえて「戦いの体裁」を保てる者はそうそういない。
大抵の敵は適当に耐えて、適当に近寄って、適当に攻撃したら死んでしまう。
それは最早戦闘ではないし、面白みもなにもない。
故に、抱擁なのだ。
自分と「戦って」くれてありがとうという感謝を込めて。
そして――あわよくば、決して最善とは言えないその攻撃を捌き、生き残ってくれという願いを込めて。
果たして――その願いは成就した。
天井から降り注ぐスプリンクラーの配水管。
それは向路深先を生存させるには十分過ぎる援護だった。
その立役者は――先ほど不動の頭部を半壊せしめた少女、流川市香だ。
>「掴まって下さい!」
「お前ら……っ!」
不動の声は震えていた。
怒りによってではない。感動と、感謝によってだ。
流川がスプリンクラーの放水口から現れて、不動へと落下してくる。
不動は――両腕を更に大きく広げて、それを受け入れるような姿勢を取った。
「お前ら……マジで愛してるぜ」
不動は、流川に対して一切の防御行動を取らなかった。
たとえ彼女が液化していたとしても、彼が全力で腕を振り回せばその体積を大きく吹き飛ばせた筈なのに。
それは――彼なりの敬意の表し方なのだ。
不動にとってしてみれば、流川など敵にすらならない。
殆ど常人と変わらないとさえ言えるだろう。
反応さえ出来ない速度で近寄ってぶん殴れば、常人も流川も等しく死ぬし、
不動が本気で警戒すれば常人であれ流川であれ、彼の不意を突く事など出来る訳がない。
その「不動的には常人と大差ない流川」が、それでも機知を凝らして不動と「戦おう」としているのだ。
それは不動にとって尊敬に値する行為で――尊重すべき事だった。
怪人が常人を縊り殺す事を、戦いとは言わない。卑劣で、陰湿な行いだ。
不動が流川を本気で意識して封殺する事は、彼からすれば最早卑怯とすら呼べる行為だ。
決して油断や慢心ではない。「彼女を警戒しない事」こそが、彼の流川への最も真摯な在り方なのだ。
「こんなナメクジみてーにすっとろいクソ雑魚が、いっちょまえに俺に挑んできやがってよ……」
液化して自分の肉体に張り付く流川を抱き締めるように、腕を体の前で交差させる。
そして――気化熱冷却が始まった。
- 61 : ◆PyxLODlk6. :2016/01/30(土) 00:10:32.76 0.net
- 「お、お、おぉおおおお……!」
体温が急激に奪われていく。
万全の状態にあった筋肉が、クールダウンしていくのを不動は感じていた。
それでも両腕は離さない。気化して、少しずつ腕の隙間からすり抜けていく流川を、不動は抱き締め続けた。
>「太鳳さん!」
不動の腕から完全に離脱した流川が叫んだ。
不動は緩やかな動きで、大鳳へと振り返る。
腹部に穿たれた風穴はまだ塞がっていない。
にも関わらず、彼は直立の体勢を保てていた。
「あぁ……お前ら、マジで強えな……俺は、本気で、真面目に戦ってた。
嘘じゃねえ。マジのマジでやってた。が……こっからは更に、セコい小技も使っちまうぜ」
腹筋が完全に断裂しているのもかかわらず、姿勢を維持出来る理由。
それは彼の『体質』によるものだった。
彼は全身の細胞が筋肉と同じ性質を持っている。
つまり皮膚も、骨格も、やろうと思えばまるで筋肉のような振る舞いをさせる事が可能だった。
不動が構えを取る。
大鳳へ向けて長弓を引くような、ナックルアローの構え。
一見すれば隙だらけ――だが彼が体質を適切に利用すれば、その隙は一転罠と化す。
皮膚さえもが筋肉のように振る舞えるという事は、
敵と接触した瞬間に、微動だにしないまま、相手の動きに干渉出来るという事だ。
つまり――向路に対して行ったような、動作の阻害さえもが可能だ。
並大抵の技量では、攻撃を仕掛けた瞬間に姿勢を崩され、そしてぶん殴られる事になる。
不動は今、門と化していた。
彼という門を叩き、潜り抜ける事が出来るのは、今この瞬間――たった一人しかいない。
- 62 :名無しになりきれ:2016/01/30(土) 00:29:03.88 0.net
- >>57-61
下手くそ
消えていいぞ
- 63 :名無しになりきれ:2016/01/30(土) 11:16:56.81 0.net
- あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
(l () () .l 奇想天外 自己挿入
l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
l () l
l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
l () () l ツウ販デカッタ
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〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
左上から右下にかけてを千切れ飛ばされながら、そうしてマラえもんは不動の懐に入り込んだ。
下段からかち上げた鉄バイブ、予め卑猥に研ぎ澄まして形成したその切っ先を、不動の右ケツに思いっきり突き刺した。
間髪入れず、高圧精液を送り込む。
注ぎ込まれた精子の1700倍の内圧は、不動のケツを汚い花火に変えるだろう。
ブッ殺すと、口に出すのは簡単だ。
だからマラえもんは改めて、己の欲望を吐き出した。
「――ホンワカパッパ ホンワカパッパ マラえもんッ!!」
【向路の右ケツに鉄バイブを刺して精液注入】
- 64 :名無しになりきれ:2016/02/01(月) 21:06:21.49 0.net
- よう従士
なんやて従士
糞従士
- 65 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/02/06(土) 05:05:07.08 0.net
- 向路の飛び蹴りが不動の腹部へと決まり、不動はくぐもった唸り声を上げた。
だがそれは決して怯んだからではなく、むしろ自身へ気合を入れるような、まさに狂戦士のそれだ。
不動は向路の蹴りを受けきり、そしてそれに真っ向から仕掛けを行ったのだ。
その証拠に、すぐにその場から離脱するはずの向路の跳躍には、彼の売りであるはずの俊敏さが明らかに欠けていた。
空中で緩慢な動きを取らざるをえなくなった向路相手に、不動の巨躯が迫る。
恐らくその豪腕で抱擁するかのごとく向路を圧殺するつもりなのだろう。
>「掴まって下さい!」
だがそれは流川の果敢なる行動によって阻まれる。
配管ごと落下してきた彼女を足場として、向路は難を逃れた
そしてそのまま、流れるように彼女は不動へと攻勢をかける。
>「お前ら……マジで愛してるぜ」
そう思うからこそ、不動は流川の攻撃を甘んじて受けているのだろう。
相手に敬意を払い、それを全身全霊で正面から受けて立ち、その上で相手をねじ伏せる。
それが不動の『戦い』なのだ。
その心境は大鳳自身もよくわかっている、だからこそとある感情が心の奥に芽生えてきた。
>「こんなナメクジみてーにすっとろいクソ雑魚が、いっちょまえに俺に挑んできやがってよ……」
液体と化した流川が不動の体へと降り注ぎ、そのまま流川が気体へと変容していくと
不動の困惑、そしてそれ以上の歓喜の声が戦場へと響く。
>「お、お、おぉおおおお……!」
>「太鳳さん!」
同時に気体とかして離脱した流川が叫ぶ、今が攻撃の瞬間だと伝えるように。
今の不動は、腹に風穴を開け、全身の筋肉のコンディションも衰えている。
絶好の攻撃の機会だ。だというのに、不動は大鳳へと振り返り、直立を保っている。
>「あぁ……お前ら、マジで強えな……俺は、本気で、真面目に戦ってた。
嘘じゃねえ。マジのマジでやってた。が……こっからは更に、セコい小技も使っちまうぜ」
「知ってはいましたがやはり力に頼るだけの暴走特急とは違いますわね……」
呆れとも賞賛ともとれる言葉を贈りつつ、不動を見据える。
相対する男は全身が筋肉であるならば腹筋が千切ようと、未だ繋がった骨や臓器ですら、腹筋の代替として用いることができるのだろう。
そして、今彼がしている構え、片腕を前に突き出し、もう一方は引いている。
「なかなか、攻めにくい構えを取ってくれるじゃありませんか……」
その構えを前にして、大鳳は動けない。
下手に動けば、自分が物言わぬ肉塊になることが理解できてしまったからだ。
言うなればあの構えは攻防一体、カウンター特化とでもいうべき構えだ。
伸ばした腕で先ほど向路の動きを阻害したように相手の攻めを止め、
その隙にもう一方が渾身の一撃を放ち、仕留める。一見して隙だらけなその構えだが
不動に限っていえば必殺の構え、こと肉弾戦においては危険極まりない代物だった。
- 66 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/02/06(土) 05:07:20.40 0.net
- かと言って時間をかけている暇はない。このまま硬直状態になれば不動は回復し、更に強靭さを増すばかりだ。
それに何より、後輩が自分の名を叫んだのだ。答えなければ先輩風の一つすら吹かせない。
「本当に、本当に厄介ですわ。この戦いを経てなお生きていたら、スカウトしたいくらいに」
不動が自身の能力に頼るのみで技術を磨かない男であったら、もっと楽だったろうに……。
心の中でぼやきながら、こちらも仕掛ける。
今の不動は言うなれば全身が緩衝材のようなものだ。
たとえ突き出された腕に触れずとも並大抵の拳では、打撃の瞬間を見事に捉えられ威力を削られるのは必定。
故に、必要なのは一点突破の研ぎ澄まれた鋭利なる一撃。
もしくは、干渉されてなお一定上の有効打を与えられる攻撃。
前回不動を一度死に追いやった貫手であれば、前者が可能だ。
だが、あの時のように自身の奥の手を使うことができない。
前回は緊急事態であり、使わざるを得ない状況であった。だが今回は違う。
明確に不動の後に更に苛烈な戦闘が待っているのだ、流川や向路の奥の手と違い、
本当の意味で一度きりのブーストを、中盤戦で使用するわけには行かない。
なによりあれだけでは倒せないことはわかっている。
幸いにも、向路が不動の体に風穴を、文字通り弱点を作り出し、
流川が相手の動きを制限してくれた。今なら、奥の手を使わずとも、有効打を与えることは可能だ。
不動から見えないように片腕をコートの中へ隠し、あるものを片手に握りこむ。
目を強化する必要はない、必要なのは相手の懐に入り込む速度。
だからこそ、リソースの9割を足腰に、残った一割を隠された腕へと配分。
重心を出来るだけ下方に寄せ、片腕を隠したままのひどく不格好な体勢で走る。
そうして不動の懐に潜り込むその瞬間、大鳳は不動の突き出された腕に、敢えて拳をあてがう。
それで十分だ、その腕を払う必要はない。いくら干渉され、原則されようとも必要な加速は既に残っている。
そして、大鳳は隠されたもう片方の腕に全リソースを集中、まるで居合の如き速度で傷ついたままの腹部へと向かわせる。
だが、それは打撃目当ての一撃ではない、握りこんだあるものを、撃ち込む為のもの。
それは超人の、肉体に全幅を信頼を置くはずの大鳳が持つには似つかわしくない一品。
FP-45、通称リベレーターと呼ばれる拳銃。元が粗悪と名高い拳銃だが、管理局によりある程度の改良は成されている。
いくら改良されたところで命中精度もしれているが、ここまで至近距離であれば心配する必要はない。
こういった状況に限っていれば、大鳳が拳銃を持つことは言ってみれば二段加速するようなものだ。
そして、装填されているのはダムダム弾。
本来の不動ならば、こんなものに頼っても鋼のような筋肉に阻まれ本来人体を内部から破壊する凶弾も通りはしないだろう。
だが、未だ傷癒えない腹部からであるならば、十分効果が期待できる。
乾いた銃声と共に放たれた銃弾は内部で弾け、不動の胴体をズタズタにするだろう。
- 67 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/02/06(土) 05:09:10.72 0.net
- (超人という肩書きに拘って勝てるほど、甘くはないのは承知の上。今必要なのは、確実に勝利するということ……!)
だが、これはあくまで布石に過ぎない。
本命は、既に不動の腕から離れていたもう片方の腕。
不動としても想定外の超人が拳銃を使うという事態は、彼の目を引きつけるのに十分な役割を果たす。
大鳳がここで不動と決着をつけることを選択せず、更に弱体化させることを選択したと思わせる。
それこそが真の目的、奥の手を使えないこの状況においてできる作戦。
「ぉぉおおおおッッッ!!」
この瞬間、大鳳は空いた腕に全リソースを注ぐ。一点突破、不動の胸を狙う貫手。
流川が筋肉をクールダウンさせたからこそ、貫ける。
貫いてからは、もはや根比べだ。不動が完全に、生命活動を停止するまで、腕を抜かずに耐える。
投げ渡された伏見の手首が本物であるならば、あれを齧っている大鳳に分はある。
貫手を防がれたら、あの手首が伏見のものではなかったら、そういった不安要素はあれど、敢えて無視する。
こちらも奥の手を使わずに勝つなどという苦しい戦いを強いられているのだ。
リスクを背負わねば、この男に勝つことは出来ない。
【陽動兼回復阻害のダムダム弾からの心臓ぶち抜きを狙う。貫けたらそのまま耐久】
- 68 :名無しになりきれ:2016/02/06(土) 13:53:54.26 0.net
- あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
(l () () .l 奇想天外 自己挿入
l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
l () l
l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
l () () l ツウ販デカッタ
l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
ダムダムはそのまま大豊の尻を貫いた
、
、
、
- 69 :名無しになりきれ:2016/02/06(土) 17:28:42.93 0.net
- 相変わらずだな
- 70 :名無しになりきれ:2016/02/10(水) 11:19:57.50 0.net
- 従士がほぼ鎮圧されたみたいで安心した
これでこの板も平和になるな
- 71 : ◆PyxLODlk6. :2016/02/12(金) 21:54:47.33 0.net
- 大鳳が構えを取る。
重心を落とし、姿勢は半身――格闘技の構えではない。
半身の姿勢は急所や片腕を隠す事が出来る――故に武器術において多用される。
短刀術か、と不動は予測する。
だが短刀程度では不動の命は奪えない。
命どころか――身動きさえも制限出来ないだろう。
(……やめだやめだ。この期に及んで、アイツが俺に読めるような手ぇ使ってくるかよ。
本気だ。俺はただ、本気で、真面目に、迎え打ちゃいい。
余計な事考えてつまんねーミスしたら……それこそ本気でかかってくるアイツに顔向け出来ねー)
不動はそれ以上の思考を打ち切り――殆ど同時に、大鳳が動いた。
半身の姿勢は崩さないまま、一足飛びに不動の懐へと飛び込んでくる。
不動の左腕と、大鳳の右拳が接触する。
威力の宿っていない右拳――故に崩せない。
(なるほど、俺の左腕を制したって訳だ!
この状況、先に俺が左腕を動かしゃ逆に動きを崩される。
これで……お互い使える腕は一本のみ!さぁどう来る『超人』!)
不動が振り被った右腕を打ち放つ。
やはり殆ど同時に、大鳳も動いた。
素の筋力は不動が上。肉体強化も――不動が勝る。
だが大鳳には技術がある。
前進の勢いをそのまま下半身から腰にかけての捻転に変え、上半身を加速。
更に左腕への限定強化が――不動の拳を上回る速度を生んだ。
そして――炸裂音が、響いた。
「なっ……あぁ?」
大鳳の左手が選んだ『武器』は、拳銃だった。
FP-45『リベレーター』。その――支援局カスタム。
対怪人への使用を想定して弾丸の口径は最早45口径ではなく、
短い銃身による初速の不足は炸薬量を大幅に増量した強装弾によって補われ、
強度も怪人由来の素材を用いる事で向上させ、本来は施工されていなかったライフリングも備わっている。
そこから放たれた銃弾は――回復しつつあった不動の腹筋を再度破壊し、それだけには留まらない。
体内で分裂した弾丸は彼の筋肉を、内臓を、骨格を、縦横無尽に荒らし回る。
上半身を支える「筋肉」を著しく破壊されて、不動の上体が揺らぐ。
放たれた右拳の軌道が外側に流れ、大鳳を捉え損ね――彼女が次の構えを取っているのを、不動は見た。
そこでようやく、彼は気づいた。
大鳳の本命は武器術ではない。
右の手刀を目一杯に振り被るその構えは――決して武器術のものではない。
「そうきやがったかッ!『超人』ッ!」
右拳を振り抜いた不動にカウンターを合わせる形で、大鳳の貫手が彼の胸を捉える。
皮膚も、分厚い胸筋も、胸骨も突き抜けて――心臓を、貫いた。
「超……人……テメェ……」
心臓を貫かれて、しかしなおも不動は声を絞り出す。
- 72 : ◆PyxLODlk6. :2016/02/12(金) 21:55:25.62 0.net
- 「卑怯な真似……しやがって……それでも『超人』かよ……」
恨み言のような台詞。
だが彼の声には憎悪の色など宿ってはおらず――むしろ穏やかだった。
大鳳への愛おしさが、滲み出るような声音だった。
『超人』と呼ばれた彼女が、銃を使ったのだ。
彼女ほどの強者が、不動と戦う為に、不動に勝つ為に、手段を選ばないという手段を取ったのだ。
それは彼にとって――例えようもないほどの愛情表現に等しかった。
「……愛してるぜ」
その囁きと同時、不動は彼女を抱き締めた。
渾身の力で。
彼女の骨が軋み、へし折れる感覚が、不動の両腕に伝わる。
純粋な破壊力勝負をすれば彼が負ける訳がない。
不動自身も、そう思っていた。
しかし暫くして――彼は違和感を覚えた。
(へし折った骨が――再生してねえか?これ)
そして直後に思い出す。
自身が戦闘の直前、彼女達に本気を出させる為に用いた『小道具』の存在を。
(あー……アレ、使いやがったのか……マジかよ超人。
めちゃくちゃズルいじゃねえか……そこまでして俺に……勝ちたかったのかよ……)
不動の腕の力が、僅かにだが、弱まっていく。
それでも彼は抱擁をやめない。
大鳳の腕をへし折り引き千切るなり、突き飛ばすなり、自分の状況を好転させつつ攻撃する術は幾らでもあるにも関わらずだ。
(コイツは……俺の『全力』を知ってる……俺が死んだら……そのまま完全に殺し切ってくる。
心臓を止め続けたまま……俺が『超回復』不可能なくらいにまで徹底的に肉体を破壊してくる。
俺の特性と、俺の弱点だ……そうなる事は俺が一番よく分かってる……)
不動は――己の状況が絶体絶命である事を悟った。
(まじい……な……意識が朦朧としてきやがった……。
畜生……まさか、負けんのか?この俺が……いやいや、なんかあるだろ……。
コイツらはマジで最高だった。そりゃ間違いねえ……だが……)
だとしても、抱擁を解く気にはなれなかった。
理由などない。深い考えなどない。
彼にとって、それは判断するという次元にすらない「当たり前」なのだ。
(最高は、コイツらだけじゃねえ……きっとコイツらの仲間も、めちゃくちゃ強えんだ……。
ソイツらと……『アイツ』と戦わないまま……ここで死ぬのか?あり得……ねえ……だろ……!)
望まざる死を目前にして――しかし不動の表情は、なおも笑みを保っていた。
ただしそれは恋人に向けるような微笑みではなく――獣が牙を剥くが如き、獰猛な笑み。
この瞬間、不動は『挑戦者』なのだ。
自分よりも優位に立つ者に挑む。負け戦をひっくり返す。
もう随分と長い間なかった事、とうの昔に忘れてしまった感覚――戦いの醍醐味。
- 73 : ◆PyxLODlk6. :2016/02/12(金) 21:56:06.24 0.net
- そして、
「あぁ、クソ……オメーら……強えな……」
不動の腕から、全身から力が失われた。
彼に抱擁されている大鳳の状態からは、彼の瞳孔反応は確認出来ない。
だが少なくとも、もう大鳳を排除する力は彼には残されていないのは確かだ。
後は死亡状態からの『超回復』が起きても問題ないくらい、彼の体を破壊するだけだ。
それだけで、大鳳達の勝利が確定する――
「――だが俺の方が強え」
その勝利を掻き消すかのように、不動の声が厳然と響いた。
彼の体は――拍動していた。
全身が、まるで心臓のように。
人間は心臓が止まれば死ぬ。
何故か――血流が止まり、脳に酸素が供給されなくなり、脳に不可逆な破壊が生じるからだ。
逆説――血流が止まらず、脳に酸素が届きさえすれば、心臓が止まっても死にはしない。
全身のあらゆる組織が筋肉同様の振る舞いが出来て、
それらを、血管や心臓以外の臓器をも任意に動かし、
血流を生み出すポンプのように働かせられるのなら――心臓が完全に破壊されていても、死にはしないのだ。
不動は死の淵で、半ば本能的に、己の生き延びる術を見つけ出したのだ。
大鳳が突き飛ばされる。
胸に五指を触れさせて、ほんの僅かに押し込む動作をするだけ。
ただそれだけで、彼女は不動から距離を離す事を強制された。
不動の皮膚が紅く染まっている。
極度の肉体強化による血流、体温、代謝の向上から生じる紅潮。
それが意味するのは――不動の『全力』。
「……と言いてえところだが」
だけではない。
「こりゃ、俺の負けだ」
彼の全力が解き放たれたという事は、不動は確かに一度死んだという事だ。
だが彼の言葉は、何もそんな事が理由で発せられた訳ではない。
「……足が動かねえ」
一度死んだという事は、脳に破壊が生じたという事でもある。
『死』からの超回復という大規模な特性発揮が行われた直後で、
更に肉体にはなおも向路と大鳳に穿たれた風穴が残っている。
死に至った脳細胞は、まだ完全には回復出来ていなかった。
大鳳を突き飛ばした時も、彼は加減をした訳ではない。
ただ渾身の力で殴りつける事が出来なかっただけなのだ。
- 74 : ◆PyxLODlk6. :2016/02/12(金) 21:56:57.32 0.net
- つまり――彼は今、流川達が何をしようとも止める事が出来ない。
迎え討つ事は出来てもだ。
例え彼女達が伏見を探し出し、連れ出そうとしても、止められない。
「……あの殺人鬼ならそこの奥の厨房だ。さっさと持って行っちまえよ」
敵が目的を達成し、逃亡するのを止められない。
それは紛れもない敗北だ。
「まぁ……まだやるって言うなら、勿論大歓迎だけどよぉ」
彼に今出来るのは、せめてもの挑発だけだ。
とは言え――彼の『超回復』は確かに弱まっている。
今が彼を仕留める好機であるのもまた紛れもない事だ。
もっとも――彼は手負いだが、全力だ。
もし彼を殺めんとするのなら、その戦いは最早出し惜しみをして生き残れる次元にはないだろう。
仮に戦略的な勝利を選ぶのなら、それを掴むのは容易だ。
伏見は全身を空洞の槍に貫かれた状態で、厨房の奥に逆さ吊りにされている。
首も切り裂かれており、その下には流れ落ちた血を溜める容器があった。
血抜きされた彼女の体はとても軽い。
君達が激情に我を忘れなければ、彼女の傷口に何かが差し込まれているのが分かる。
凶器の類ではない。白を基調にした可愛らしい封筒と便箋だ。
伏見の血で汚れた便箋には、しかし確かにこう記されている。
「次は私と遊びましょ」と。
【二択】
- 75 :名無しになりきれ:2016/02/12(金) 21:58:58.61 0.net
- 下手糞
終了
- 76 :名無しになりきれ:2016/02/12(金) 23:48:06.06 0.net
- 二択ってなんだよ
日本語不自由なんだろうな
- 77 :名無しになりきれ:2016/02/14(日) 09:29:56.66 0.net
- 元々常識とかないからな
「終幕」とかアホなんだよこいつは
- 78 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2016/02/18(木) 20:11:03.72 0.net
- >「マジ……か……!」
>「貫いた――!」
ここまでの差し合いで底上げされた《不動》の眼力は向路の跳躍の瞬間を確実に捉えたのだろう、その身体を翻す。
だが、それだけだ。それでは防御は成り得ない。
向路の両足は《不動》を捕らえ、遺憾なく衝撃を腹へと叩き込む。
>「だが俺の方が強え」
蹴り脚の反動で離脱を成そうとして、出来なかった。
向路の回避は足を細やかな砂地に捕らわれたかのように緩慢な跳躍となり、不敵に笑う《不動》と目が合う。
体を反転させたのは向路の動きを視る為。そして攻撃後に隙を作り出し反撃を確実なものにする為だったのだ。
《不動》にとって、向路の狙いが見えているのならいくらか身を切ることになろうとカウンターを叩き込むチャンスでしかない。
ある意味光栄だが、大ピンチである。
>「させません……!」
>「掴まって下さい!」
「貸して貰う!」
窮地に舞い降りた液状の天使の助けを借り、向路は懸垂の要領で身体を引き上げ緊急回避を成立させる。
戦場にあわせて柔軟に戦法を変える流川の能力は味方にいてくれて良かったと心から思える。
>「お前ら……マジで愛してるぜ」
>「こんなナメクジみてーにすっとろいクソ雑魚が、いっちょまえに俺に挑んできやがってよ……」
向路が懸垂の反動を利用して後方へ下がる瞬間、冷えた空気を顔に受ける。
《不動》の全身に降りかかった流川が急激に気化し体温を奪うことで筋肉体質を鈍らせ、際限ない超再生へ待ったをかけつつ戦力を削ごうというのだろう。
奇策を練り、奇襲を成し、怪物へ果敢に挑み続ける彼女の強さは眩しく妬ましく、頼もしい。
支援局の女性は恐ろしい人ばかりである。
- 79 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2016/02/18(木) 20:11:54.21 0.net
- >「お、お、おぉおおおお……!」
>「大鳳さん!」
《不動》の全身を冷やしきった流川が攻撃圏内から離脱し、いよいよ大鳳が詰みへ持っていくターンとなる。
だが、《不動》は全身を凍えさせ、腹をぶち破られても尚立ち続ける。
>「あぁ……お前ら、マジで強えな…(略)…こっからは更に、セコい小技も使っちまうぜ」
>「知ってはいましたがやはり力に頼るだけの暴走特急とは違いますわね……」
>「なかなか、攻めにくい構えを取ってくれるじゃありませんか……」
先程向路が御されたことが幸か不幸かあの構えの意味を伝えてくる。
下手に触れれば容赦無く動きを制圧され、カウンターを貰うのは必至。
彼の全身が筋肉として機能する体質はその肉体を高めるだけではない。一流の技術とセンスによってなにより恐ろしい武器となっている。
>「本当に、本当に厄介ですわ。この戦いを経てなお生きていたら、スカウトしたいくらいに」
しかし、怯まない。
大鳳勇は前を見据え突き進む。
向路は信じてその背を見送るのみだ。
>「なっ……あぁ?」
技術と技術が合わせられた互いの手は相克となり、大鳳はすかさずもう一方の手を奔らせる。
発せられた轟音。武人として、怪人としてではなく、倒すべき敵として認めているからこその一撃。
打撃音とは明らかに異なる、『超人』に似合わぬソレはしかし間違いなく《不動》の意表をつき、肉体を貫いた。
>「ぉぉおおおおッッッ!!」
>「そうきやがったかッ!『超人』ッ!」
一瞬の中で崩れた相克を見逃さず、大鳳の手が《不動》の手を越えその心臓へ届く。
脳を半壊しようと、腹をぶち抜かれようと止まらぬ怪物を止めるには文字通り心臓を止めるしか無いということだろう。
>「卑怯な真似……しやがって……それでも『超人』かよ……」
>「……愛してるぜ」
不平を言いながらも愛してるなどと宣う《不動》。
先程向路にし損ね、流川に届かなかった死の抱擁が大鳳を包み、耳を塞ぎたくなる破砕音が響いた。
だが大鳳は崩れない。戦闘開始直後、伏見も手首を一口齧り取っていたのが向路には見えていたとはいえ心臓に悪い。
果たして死を越えた先の根比べに水を差すことも出来ず、数秒先か数時間先かも分からぬ終わりをただ待つばかりだ。
- 80 :向路深先 ◆qwXY9mi/bQ :2016/02/18(木) 20:13:20.36 0.net
- >「あぁ、クソ……オメーら……強えな……」
根比べの終わりは呆気無く、《不動》の腕がだらりと落ちる。
ここまでどんな欠損を負おうと満ちていた力が抜け落ちたようであった。
「大鳳さん、お見ご──」
>「――だが俺の方が強え」
「っ大鳳さん!」
向路が一息つきながら大鳳の元へ足を進めようとしたそのとき、俄に《不動》の腕が跳ねるように動き出し大鳳を突き飛ばす。
大鳳の背を受け止めながら向路が一歩前へ踏み込もうとした次の瞬間に再び《不動》の口が開かれる。
>「……と言いてえところだが」
>「こりゃ、俺の負けだ」
>「……足が動かねえ」
それは、《不動》のギブアップ宣言だった。
だがこれを勝利と捉えていいものか、向路には判断が出来なかった。
何故なら眼前の《不動》が今までのどの瞬間よりも大きく見えてしまう。
自ら足が動かないなどと言っているにも関わらず今の《不動》が一番恐ろしい。
紅く染まったその身体と体形から、自然と鬼が連想された。
>「……あの殺人鬼ならそこの奥の厨房だ。さっさと持って行っちまえよ」
そう、伏見の奪還という目的を果たす上では勝利で間違いないのだ。
《不動》にそれを止める手段が無い以上は、彼が言う通りさっさと取り戻すに限る。
「……流川、悪いけど伏見さんの方頼めるかな?
手が必要なら呼んでくれ。行けたら行く」
恐らく何らかの拷問にあっているであろう伏見の回収を流川に頼むのは酷かとも思うが、ここに彼女がいる方がマズい。
もし《不動》が回復し再び戦闘になってしまったとして、今の彼は未知数過ぎる。
最悪の場合は最年少の愛すべき後輩にだけでも生き残ってもらわなければ。
>「まぁ……まだやるって言うなら、勿論大歓迎だけどよぉ」
強がりかもしれないが、嘘、でも無いだろう。
やはり《不動》は決して戦闘では負けていなかった。互いの任務上での決着がついただけだ。
こんな怪物との戦闘が避けられるのなら避けたいが、生かして返すリスクも計り兼ねない。
向路としては拘束が望ましく思うがそもそも可能なのだろうか。
「大鳳さん……どうします?」
悩んだ時は相談だ。
こうしている間にも《不動》の超回復は行われるのだから、あまり時間も取ってられないことだろう。
- 81 :名無しになりきれ:2016/02/18(木) 23:35:33.95 0.net
- もう永遠にギブアップでいいよ
- 82 :名無しになりきれ:2016/02/19(金) 15:54:28.58 0.net
- 不動は鉄バイブを引き抜き、流川もろとも投げ捨てる。
だが、その尻穴は決して万全とは言えなかった。(むしろ血まみれ)
右尻は完全に潰れ、尻穴からは精液交じりの血液が流れ出ている。
頭皮も右側頭部は吹き飛び、割れた頭蓋とシェイク気味の脳みそが露わになっている。
どれも既に超回復の兆しは生じているが、まだ完治には至っていない。
そして彼はよろめき――そので射精した。
―――‐‐.、 あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
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l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
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l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
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l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
>「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」
>「――脳みそ食いしばれぇぇぇぇええええッ!!」
w
- 83 :名無しになりきれ:2016/02/23(火) 00:54:37.60 0.net
- 糞して寝ろ
- 84 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2016/02/27(土) 00:17:35.71 0.net
- 蒸気と化した市香そのものである『暗幕』を分け入るように、大鳳は不動の眼前へと飛び出した。
重心を極端に下げた、摺り足に近い挙動は全速力を振り向けて敵の懐へ潜り込む為の姿勢。
向路の強烈な蹴撃で腹部に大穴ぶち開けた不動に迎撃させる余裕は与えない。
否、たとえ迎え撃たれようとも、大鳳勇という女は止まらない。
(あれは――)
霧状になったままの眼で、市香は大鳳の手の中にあるものを見た。
拳銃だ。グリップの先端に短小な銃身が生えているだけといった冗談のような見た目のそれは、FP-45『リベレーター』。
かつての中欧侵攻において資金に乏しい反乱軍の武装として開発された単発・単装の拳銃である。
最大の特徴は撃発機構にグリップを直付けしただけの安直さで、遠足のおやつ代より安く作れる銃器としては異例の低コスト。
単純簡素な構造ゆえにコピー品が作りやすく、高校時代市香も何度か抗争で眼にしたことがある。
一発打つごとに手動で排莢装填しなきゃならなかったり、弾がまともに飛ばなかったりと酷い有様だったが、
なるほどサイズを活かし手の中に隠して至近距離から強襲するなら何ら問題はない、実に大鳳向きな暗器へと変貌する。
>「そうきやがったかッ!『超人』ッ!」
そして――無論、それが大鳳の切り札であるはずがない。
怪人に対して銃撃の効果が薄いことはもはや常識、では何故大鳳がここでリベレーターの投入を選んだか。
答えは既に示されていた。音速超過のコントレイルを引いて、大鳳の右腕が躍動する。
形は貫手。銃弾よりも速く刀剣よりも鋭利な刃と化した右手が不動の心臓を穿ち貫き撃ち破る!
これが答えだ。全てはこの一撃の為に。大鳳の特性は局所集中型の肉体強化。
全リソースを右の貫手へと注ぎ込む為に、強化を用いぬリベレーターを使ったのだ。
それはこの世にあまねく全ての怪人の中で、武器術と強化の両輪を極めた大鳳勇だけが成立させ得る前人未到の二連撃。
胸の正面へ貫手を叩きこまれた不動は、背中から血液と臓物を翼のように吹き出して膝を折った。
勝負あった――市香の確信は、しかし現実のものとはならなかった。
>「……愛してるぜ」
不動はまだ生きていた。
倒れこむ方向は目の前の大鳳、蒼白となった両腕で彼女の両肩を抱擁する。
「――!大鳳さん、退避を!」
市香の警告は、絶望的に手遅れだった。
不動の末期の叫びにも似た筋肉の膨張が、その凶悪な威力を大鳳の背骨を鯖折りにするべく躍動する。
リソースの全てを貫手に振った大鳳にそれを脱するだけの力は残されていない。
人間の骨格がひしゃげる致命的な快音がモールに木霊する――
市香は思わず眼を覆う。しかし、覚悟していた大鳳の断末魔は待てども一向に聞こえない。
「あ……れ……?」
- 85 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2016/02/27(土) 00:18:43.23 0.net
- 大鳳は生きていた。
背骨をこれ以上ないほどに破壊され上体を不自然に折り曲げながらも、その双眸から命の光は消えなかった。
追いかけるように市香の脳にも理解の電撃が奔る。
この戦闘の最初に、不動が大鳳へと投げ渡したのは一体何だったか。
「あ、はは……こんなになっても守ってくれてたんですね、伏見さん」
伏見狂華の特性、不死身の伝染――大鳳は戦闘開始直後に伏見の手首を摂取し、不死身を獲得していたのだ。
なんという抜け目のなさであろうか、大鳳勇。
リベレータを使った連撃と言い、彼女は掛け値なく、持てる物全てを動員してこの戦いに勝利したのである。
>「あぁ、クソ……オメーら……強えな……」
不動もそれに気付いていたのだろう。『オメーら』の中には確かに伏見も入っていたのだ。
偉丈夫の腕から力が抜け、熱を失った巨躯は死体のそれへと急速に風化していく。
ゆっくりと冷えていくだけとなった肉の塊から、骨格を修復した大鳳が抜けだした。
>「大鳳さん、お見ご──」
>「――だが俺の方が強え」
向路と共にこの戦いのMVPへ駆け寄らんとする市香の背後、死体があるのみの場所から声がした。
背中に氷を滑り入れられたような悪寒と共に総毛立ち、信じたくたい気持ちを必死に押さえつけて振り返る。
不動が、確かに心臓を破壊され死亡したはずの男が命を取り戻していた。
「う、そ……」
血の気を失っていた四肢には再び熱が漲り、陽炎のように背後の空間を歪めている。
しかし胸にぽっかりと空いた穴からは今も破壊された心臓の残骸が見えている。
どういうカラクリかはわからないが、不動は心臓なしで生存しているのだ。
>「っ大鳳さん!」
向路の警告が大鳳に届くより先に、彼女は不動の眼前から突き飛ばされた。
不動の腕が動いている。大鳳を受け止めた向路と共に、市香はその絶望的な事実を目の当たりにした。
つまり、まだ彼は戦えるということだ。
(これが……不動さんの全力!)
巨躯はいま、全身に赤を纏っていた。
その容貌は大鳳の奥の手を発動した姿にも似ている。
不動の奥の手もまた同系統の能力だとすれば、『あの大鳳』と同レベルの敵をこれから相手取らなければならないということ。
かつての船上で、グラッチがどういう末路を辿ったか知っている市香の頭から血の気が一目散に逃げていく。
それでも。戦わなければここから先へは進めない。物理的にも、精神的にもだ。
「上等です……!今度こそあの世から帰ってこないよう厳重梱包してあげますよ」
市香は鉄パイプを構えて大鳳の前へと出た。
全力の不動を前に市香は何秒生きていられるだろうか。
とは言えこの期に及んで市香にできるのはもうデコイぐらいしかない。
彼女が前線で不動を挑発して、決定力のある向路と大鳳に背後から突いてもらう、これだ。
絶望を前にして、それでもなんとか不動を出し抜くべく頭を回転させ始める。
>「……と言いてえところだが」
>「こりゃ、俺の負けだ」
「…………はっ?」
>「……足が動かねえ」
- 86 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2016/02/27(土) 00:19:19.02 0.net
- 不動の突然の敗北宣言にかつてないペースで市香の頭に疑問符が増殖していく。
生きているにはいるが、戦えるほどではないと、不動自らそう言っているのだ。
>「……あの殺人鬼ならそこの奥の厨房だ。さっさと持って行っちまえよ」
「それを信じるとでも……」
噛み付いたは良いが、市香は最後まで威勢よく言い切れなかった。
発言の信ぴょう性など今から直に確かめればいいだけだ。
不動の動けないという言葉がブラフかどうかもそれでわかる。
>「まぁ……まだやるって言うなら、勿論大歓迎だけどよぉ」
なにより、少なくない犠牲を更に払って不動と決着をつけるメリットは市香たちには薄いのだ。
もちろん、大切な同僚を傷つけられたという恨みはあるが、個人の感傷は後回しにすべきだ。
>「……流川、悪いけど伏見さんの方頼めるかな?手が必要なら呼んでくれ。行けたら行く」
「……了解です。でも、気をつけてください」
市香には不動が何を考えているのかまるで読めずに得も言われぬ不気味さを感じていた。
とにかく主たる目的は不動の殺害ではなく伏見の救出と鳥籠の打倒であることを思い出し、不動を背にして走る。
厨房の扉を開くと、むっとするような血臭が立ち込めていた。
その中央に伏見がいた。
「伏見さん!」
伏見は天井からまるで枝肉のように逆さに吊るされていた。
四肢は(手首含めて)残っているが、顔は真っ白で血の気がない。
首の動脈が大きく切り裂かれて、下の容器に血液を流し取られていた。
「伏見さん!伏見さん!」
急いで拘束を解いて床に横たえると、紫色になった唇が震えて伏見は浅く呼吸を返した。
「ん……流川ちゃん……?ごめんちょっと血が足んなくてよく見えないわ……」
無理もない、不死身と言えども肉体の質量は有限だ。
血を抜かれ続ければ当然身体から水分は失われ、眼球が皺だらけになってまともに像を結べない。
こんな状態で喋れるだけでも大概人間離れというか生き物離れしている。
「助けに来ました。ここにはいませんが大鳳さんと向路さんも一緒です」
市香は努めて冷静にそう言った。
本当は怒りに任せて怒鳴り散らしたい気分だった。
(鳥籠……絶対潰す……!)
伏見にボトルの水をゆっくり飲ませながら、怒りに震える腕を抑えるのに必死だった。
感城の持っていたあの血液は、こうやって得たものだったのだ。
そこに人間としての尊厳など微塵もない、本当に『家畜』として扱われている。
- 87 :流川市香 ◆S2.yZpBpBOYI :2016/02/27(土) 00:20:19.84 0.net
- 「……ごふっ、ごふっ!」
「伏見さん、大丈夫ですか!?」
水を嚥下した伏見がうまく飲み込めなかったらしく激しく噎せる。
その背中を擦りながら、市香は彼女の首に違和感を覚えた。
「これは……」
首に刻まれた傷口に、白いなにかが垣間見えた。
最初骨だと思っていたそれは、どうやら別の異物であるらしく、これで喉がつっかえて伏見は噎せたのだ。
すみません、と伏見に一言謝って、市香は傷口を指で検めた。硬質な手触りをつまみ、ゆっくりと引きずり出す。
埋め込まれていたのは血に濡れた白い便箋だった。
中には直筆でこう書かれていた。
>「次は私と遊びましょ」
「………………!!」
ばきりと口の中で奥歯が砕けるのを感じた。
退避していた血の気が一気に頭へと駆け上ってきて、視界が真っ赤に染まっていく。
だが、ここで我を忘れれば先ほどの二の舞いだ。
市香は大きく息を吐いて無理やり心の均整を保つ。
これは誰からのメッセージなのか。決まっている、羽持ちだ。
「伏見さん、この封筒はいつ入れられたかわかりますか?」
どの段階で封筒を傷口に入れられたのかによって羽持ちの動向がつかめるかもしれない。
不動に伏見を引き渡す前に入れたのであれば、羽持ちは初めから不動が敗北すると予見していたことになる。
不動が敗北した段階で封筒を入れたとすれば、事態はもっと凶悪だ。
羽持ちは市香たちの誰にも気付かれずこの厨房に出入りし、不動との戦いの一部始終を見ていたことになるのだ。
市香は伏見に肩を貸しながら厨房を出て、向路と大鳳へこのことを伝えるだろう。
そして不動が生きていれば、羽持ちの所在について問う。
場合によっては伏見を抱えて脱出の相談もしなくてはならないだろう。
【伏見を確保、メッセージを確認しいつ仕込まれたのかを伏見に問う】
- 88 :マラえもん:2016/02/27(土) 08:15:28.18 0.net
- ボッキりと口の中でマラが砕けるのを感じた。
退避していた海綿体の気が一気に亀頭へと駆け上ってきて、先っぽが真っ赤に染まっていく。
だが、ここで理性を忘れればジャイアンの二の舞いだ。
マラえもんは大きく息を吐いて無理やり心のリビドーを保つ。
これは市香からのメッセージなのか。決まっている、向路だ。
―――‐‐.、 あたまテッカテカ 濡れてピッカピカ
/ , - 、, - 、 ヽ それがどうした 僕マ○えもん
/ ,.-‐'l 。 ,! 。 l―.ヽ
l l ヽ` - ○- ' ‐ i l 大人の世界の 電動ロボット
l l - `ー┴―' ‐ l.,! どんなもんだい 僕○ラえもん
\ヽ' `./
ヽ===(テ)=="l 奇妙奇天烈 摩訶不思議
(l () () .l 奇想天外 自己挿入
l () l) 悶エ迅速 男ハ不要
l () l
l () l) マ○えもん(ウィンウィン)
(l () l ○ラえもん(ウィンウィン)
l () () l ツウ販デカッタ
l () l) 通ハンデ買ッタ
〔liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil〕 マ○えもん
〈:..... .....:〉
〈:..... .....:〉
〈 .〉
l`ー―――‐‐'l
- 89 :名無しになりきれ:2016/03/01(火) 15:18:54.20 0.net
- 言うまでもないが
このスレまともな社会生活送れてる奴一人もいないから
- 90 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/03/01(火) 20:20:55.11 0.net
- >「卑怯な真似……しやがって……それでも『超人』かよ……」
「ええ、勝つため為に必要ならば、『超人』などという肩書きに拘っている余裕はありませんもの」
戦闘中とは思えない不動の穏やかな声色に、大鳳も静かな口調で返す。
不動が大鳳にある種の愛情を抱いているように、大鳳も不動に対して――肉体強化型の怪人として敬意を抱いているからこそ
自然にそういった感情が言葉に出てしまうのだ。
>「……愛してるぜ」
>「――!大鳳さん、退避を!」
その言葉と共に、大鳳は不動の全身全霊の力によって抱き締めあげる。
流川が警告の叫びをあげるも、その時には既に骨が折れる感触と痛みが体を駆け巡る。
いくら大鳳が肉体強化型の怪人だったとしても、持てるリソースを腕一本に注いだ今の状況で不動の力に抗うことなど無理なことであり
そのまま大鳳を屠れると不動に思わせるには充分すぎた。
だが、彼女の顔には余裕とも取れる笑みが浮かんでいた。
(どうやら、賭けには勝ったようですわね……!!)
締め上げられ、骨が折れ肉が千切れかけたはずの大鳳の体は、徐々に再生を始めていた。
それは先頭寸前に齧った手首が、伏見のものであるという証拠であり
大鳳が一時的に不死身と化しているという確固たる事実だ。
再生する大鳳と、心臓を潰され力が弱まり続ける不動。もはや勝敗は決したと言っても過言ではなかった。
>「あぁ、クソ……オメーら……強えな……」
「……さて、二人共最後の後始末を――――ッッ!?」
そして、その言葉とともに不動の力が失われたことを直に確認し、
この状態から離れるわけにはいかない大鳳は仲間達に最後のトドメを刺すように言葉を発しようとした。
だが、その言葉は不意の殺気にかき消されることになった。
- 91 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/03/01(火) 20:21:26.50 0.net
- >「――だが俺の方が強え」
「冗談にも程というものありますのよッッ!?」
未だ密着している大鳳には、何故不動が未だ言葉を話せるか、死に体の男がここまでの殺気を放てるのかが理解できた。
つまるところ、心臓の代わりに全身の筋肉を、臓器を、血管を、皮膚を鼓動させているのだ。
確かに理論上それができれば心臓は急所足りえない、だがそんなことができる怪人など見たことがない。
仮に大鳳が全てのリミッターを解除して同じことをやろうとしても、ものの数秒しか持たないだろう。
そのまま不動の五指を胸に押し込まれると、大鳳の体は軽々と吹き飛ばされ
向路に受け止められなければそのまま壁へと激突してしまっていただろう。
そして、吹き飛ばされる瞬間に大鳳の目は不動の身体が赤く変色していることを……。
即ち、不動の『全力』が解き放たれたということをだ。
「やはり……貴方の方が確実に格上ですわね……!」
そんな法外の秘術を、ある意味でいえば肉体強化型の最高到達地点とも言える技術を目の当たりにして
絶体絶命の状況ともいえるのに、大鳳は賛美の言葉を投げかけざるを得なかった。
とはいえ、この状況が非常にまずいということに変わりはない。
いくら3対1とはいえ、相手は正真正銘の全力、こうなってしまえば大鳳も全力を出し切らねばならない。
不死身の特性を得ていることが救いといえば救いだが、そうであっても厳しいことには変わりはない。
だが、やらなければ先に進めないというのであれば――――。
>「上等です……!今度こそあの世から帰ってこないよう厳重梱包してあげますよ」
流川もやる気を見せている。味方の士気は未だ充分、ならばやることは一つ。
そうやって覚悟を決めて臨戦態勢を取り直す大鳳に、予想外の言葉が不動から放たれた。
>「……と言いてえところだが」
「……?」
>「こりゃ、俺の負けだ」
「…………はい?」
>「……足が動かねえ」
「……………………はいぃ?」
まさかの不動から敗北宣言に、さしもの大鳳も素っ頓狂な声を出しまう程に困惑していた。
不動が負けを宣言して、油断した私たちを背後から襲うなどということは考えにくい、というよりも有り得ない。
そんなことをするくらいならばたとえ不利でも真正面からぶつかり合うのが不動だ。
つまりこれは、嘘偽りのない言葉。
一旦落ち着いて、不動の体をよく見てみれば、未だ完全に回復しておらず、一度死んだことによる体の不全も頷ける。
そこまで観察して、やっと合点が言ったように大鳳は肩の力を落とした。
- 92 :大鳳勇 ◆GK5cYgPwtw :2016/03/01(火) 20:22:08.55 0.net
- >「……あの殺人鬼ならそこの奥の厨房だ。さっさと持って行っちまえよ」
>「……流川、悪いけど伏見さんの方頼めるかな?
手が必要なら呼んでくれ。行けたら行く」
呆気に取られていた大鳳の代わりに向路が流川に指示を飛ばすと
流川は伏見がいるであろう奥の厨房へと走っていった。
>「まぁ……まだやるって言うなら、勿論大歓迎だけどよぉ」
>「大鳳さん……どうします?」
弱った不動から放たれる挑発ともとれるその発言は、大鳳からしたら魅力的な発言であった。
確かに全力ではあるが、今の不動なら殺しきれる芽はある。
一度敗北したという汚点をそそぐ為にならば、今こそその最大の好機であるのは言うまでもない。
向路からも指示を促されている。悩んでいる時間は少ない……、ならば。
「捨て置きますわよ。私たちの目標は凶華と鳥かごの壊滅ですから」
「下手に拘束しようとして暴れられたら無駄な力を使いますもの」
大鳳は、不動と戦わないことを選択した。
若干だが、寂しそうな顔を浮かべつつも彼女は言葉を続けていく。
「確かにここで倒すことができれば大きな利点になるでしょう。ですがそれは釣り合ってませんもの。
それに、不動がこの場で私を襲うことはよっぽど無いでしょう。
彼からしたら手負いや片手間の私たちを倒しても面白くもなんともないでしょうから」
もっともらしい理由を、建前をつらつらと並べていくがその本音は別のところにあった。
できることならばもう一度、タイマンを張って不動と戦い、その上で彼を倒し、自分の元に引き入れたい。
そんな思いが大鳳の胸中には隠されていた。
その為には、これから不動が支援局の後詰から逃れて、再起を図るという途方もなく薄い目を引かなければならない。
もっとも、それならそれで良い。不動がそれまでの男だったということだ。
だが、叶うのであれば大鳳が今より力を増した後、お互いの十全の力をぶつけ合いたいのだ。
そんな到底向路には聞かせられない本音を隠しつつ、流川が伏見をつれて戻るのを待つ。
未だ先は長い、ここまでやっと半分といったところなのだろうから。
【不動はそのまま、流川が来たら不動に羽持ちの所在を聞きつつ手早く相談】
- 93 :名無しになりきれ:2016/03/03(木) 22:20:13.71 0.net
- こいつて、下手くそ意識しとんの
- 94 :名無しになりきれ:2016/03/04(金) 12:07:18.36 0.net
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- 95 :名無しになりきれ:2016/03/04(金) 23:29:40.71 0.net
- 避難所に書き込むんじゃねーよ
禿げ
- 96 : ◆PyxLODlk6. :2016/03/05(土) 06:01:54.69 0.net
- >「伏見さん、この封筒はいつ入れられたかわかりますか?」
「封筒?……あぁ……アレ封筒だったの。それなら……げほっ……
ここらが……騒がしくなった頃かな……あのアバズレ……
「伝言よろしくねぇ。不動ちゃんは、きっと勝てないから」って……私は郵便ポストかっての……」
似つかわしくない冗談を吐きながら、伏見は口端を微かに釣り上げた。
彼女は殺人鬼だが、同時に人として正常な共感能力を持ち合わせている。
自分の後輩が、自分の為に抑え切れない怒りを抱いている事が、彼女には分かっている。
故に、笑おうとした。
釣られて笑うには、その表情は余りにも力なく、衰弱の色が強く浮かび過ぎている。
だが流川は聡い。そんな出来損ないの笑みを自分が作ろうとした理由を、察してくれるだろうと。
一方、厨房の外で――不動はその場に胡座を掻いて座り込んでいた。
一度だけ、思いついたように床材を指で抉り取って大鳳をちらりと一瞥したが、
すぐに溜息と共に首を横に振り、床材の礫を指先で砕いた。
それきり何の敵対行動も取ろうとしていない。
「……俺の方が格上、かぁ」
不動が、ぽつりと呟いた。
「寂しい事言うんじゃねえよ……クソッ」
それは混じりけなしの独り言だ。
大鳳達に聞かせるつもりも、聞かせないつもりもない。
そんな声色だった。
不動は今もなお『全力』の状態を保っている。
だが戦闘者としての気迫は、既に完全に消え失せていた。
不意打ちに対する警戒すらろくにしていない。
「不意打ちを受けたところで回復出来るから」と言った様子ではない。
完全に、燃え尽きてしまっているようだった。
その変化は丁度、大鳳が「その言葉」を口にした時から始まった。
「貴方の方が格上だ」と言った時から。
>「大鳳さん……どうします?」
>「捨て置きますわよ。私たちの目標は凶華と鳥かごの壊滅ですから」
「下手に拘束しようとして暴れられたら無駄な力を使いますもの」
不動は大鳳達のやり取りに何の反応も示さない。
だが――それは彼が戦闘続行の意思を放棄したから、ではない。
肉体の代謝能力に強化を集中する事で――傷の治癒を早めているのだ。
不動にとって「戦い」とは――どちらが勝つか分からないから面白いのだ。
だから彼は常人や、流川のような賢しさを強みとする怪人と戦う事は滅多にしない。
だがそれでも敵対し、殺す事はある。
自分の方が「格上」なら、最早戦う必要はない。
「次」など、必要ない。
「戦い」ではなくただの「作業」としての戦闘を、彼は始めようとしていた。
- 97 : ◆PyxLODlk6. :2016/03/05(土) 06:03:24.71 0.net
- >「それに、不動がこの場で私を襲うことはよっぽど無いでしょう。
彼からしたら手負いや片手間の私たちを倒しても面白くもなんともないでしょうから」
けれども、そう続いた大鳳の言葉に、不動ははたと、床に向けていた顔を上げた。
そして大鳳の表情を見る。
平静を取り繕った――だが微かに寂しげな表情を。
彼女は――既に「次」を見据えていた。
不動の方が格上であるという現状を認識した上で、彼に追いつき、追い抜こうという気概を既に燃やし始めている。
「先手を取られた」――と言わんばかりに、不動が獰猛な笑みを零した。
そして厨房から流川が帰ってくる。
彼女は不動に羽持ちの動向を訪ね――
「あぁ?アイツがどこ行ったかだぁ?お前それを俺に聞いてどうすんだよ。
俺ぁ敵だぜ、お前らの敵。俺が嘘ついたらどうすんだよ……ったくよぉ。
まぁ俺様は今機嫌がいいからな!特別に嘘つかずに答えてやんよ!」
不動は甚く上機嫌で彼女の問いに反応した。
そして、こう答える。
「変に勘繰らずにただ追いかけろ。アイツはぜってえ待ってる」
それから、大鳳を指差して更に続ける。
「おい『超人』……いや、テメェら。勘違いするんじゃねえぞ。
この戦いは……テメェらの勝ちなんだ。痛み分けとか、そんなんじゃねえ。
俺は、俺の戦い方で、テメェらに負けたんだ」
その表情には――「次」への期待に昂ぶる闘志がありありと浮かんでいた。
「次、俺とやり合うまで……そこらのカスに負けんじゃねえぞ。
いや、羽持ちにだって負けんなよ。もしくたばってみろ。
テメェらの代わりが見つかるまで、テメェらの仲間をぶち殺してやる」
流川達が羽持ちを追うに当たって、最も妥当な追跡ルートは「地下道」だ。
一階南東のゲストルームに入り口のある隠し通路。
それは今、来賓の退避に使われている。
上客の護衛という観点から見ても、その先に羽持ちがいる公算は確かに高い。
ゲストルームは訓練された構成員によって強固な防衛線が展開されている。
だが――所詮は多勢に無勢だ。ほんの僅かな亀裂が生じるだけで、その防壁は打ち砕かれる。
その亀裂は「疲労」でもいいし――「奇襲」でもいい。
地下道の掘削はエレベーターの空洞を利用して行われた。
その空洞は今でも壁の奥に残っている。
つまり上層階からゲストルームへの侵入が可能だという事だ。
「……見事だった」
三階まで連れてこられて床に転がされていた感城が、君達にそう声をかけた。
- 98 : ◆PyxLODlk6. :2016/03/05(土) 06:07:14.09 0.net
- 「お前達は……確かに強い、「怪人」だったようだ。
……私の襟元にあるバッジを持っていけ。羽持ち様の親衛隊の証だ」
彼の襟元には白い羽を模したバッジがあった。
金属でもプラスチックでも陶器でもない何かでそれは出来ていた。
「私を倒したとなれば……羽持ち様はお前達に興味を持つ。
お前達は、羽持ち様を引き止められる。損はあるまい」
一見しただけでは本物の羽と見紛うほど精巧な造形。
しかし極めて強靭で、生半可な力では破壊出来そうにない頑丈さを秘めていた。
『鳥籠の構成員と顧客はその地下道から逃走したと思われる。
象谷隊員によると内部は怪人由来の建材によって反響定位による探査が困難らしい。
よって各班、罠や待ち伏せに警戒しつつ内部を探索しろ』
無線機から鳴上の声が聞こえる。
強襲課の隊員達は四名前後の班を組み、地下道の探索を始めていく。
だが君達は――少し、出遅れる事になるだろう。
「……向路先輩」
一体どういう経緯かは知る由もないが、地下道には既に新免岩男がいた。
その様相は、共生派の隠れる山を下り、別れた時とは、僅かにだが異なっている。
外見的にだけでなく――外見から垣間見える精神面も。
「……昨日は、青二才が知ったような口を利いてすみませんでした!
俺の見識が浅かったです!向路先輩は俺なんかよりもよっぽど正義に……
いえ、職務に忠実で、真摯に向き合っていたんだと気付かされました!」
彼は向路の姿を見るなり深々と頭を下げて、そう言った。
しかしすぐに姿勢を直立に戻すと、更に言葉を続ける。
「……今のは、ただの俺の自己満足です。
だけどもう……伏見、先輩に怒られるつもりはありません。行きましょう」
彼は精神の不安定を理由に班から除外された身だ。
だが無線機から制止の声は聞こえない――黙認されている、という事だ。
彼は既に自分なりの答えを得ていて――それにこの状況で、彼の持つ「技能」は有用だ。
「……『痕跡を見つけるんだ』」
己が憧れた存在に近付こうと、彼が学び、培ってきたものは。
結局彼は己の憧れになる事は出来なかったが――それでも、確かに今、役に立つ。
- 99 : ◆PyxLODlk6. :2016/03/05(土) 06:07:44.88 0.net
- 「なんて昨日は言ったけど……難しいな。流石に相手も追跡される事を警戒してこの地下道を作った筈だ。
ほら……散水器が設置されてる。かなり沢山だ。
これじゃ足跡は残らないし、僅かな足音も聞こえなくなる。逃げる時に落ちた毛髪や血液も全部洗い流されてるだろう」
だが、と岩男は続ける。
「鳥籠の構成員が全員、この地下道の構造を理解しているとは考えにくい。
つまり……何か目印がある筈だ。それを探すんだ……」
そう言って彼は床や壁、散水器などを探り始める。
「暗いな……床や壁を確認しながらじゃろくに進めない……となると、天井か……?」
そして天上を見上げて――
「――羽?」
そう零した。
天井に設置された照明の中に、極めて薄い影が浮き出ていた。
注視しなければ気付けないであろう――しかし偶然ではない、紛れもない目印が。
岩男が君達を振り返る。
彼は無線機を持っていない。他の部隊への伝達を頼みたいという事だろう。
『……ご苦労だった。鳴上隊、喝堂隊は班を維持したまま目印を追い地下を進め。
GPSビーコンをオンにしておけよ。他の部隊は地下道から撤収、
GPS情報を元に地上と空から鳥籠を急襲する』
君達が地下道を進んでいくと――目印の三つ付いた照明に行き当たった。
分岐路、という事だろう。
「……じゃあ、俺と蜂谷と……小林もこっち来るっス。左は三人で進むっスよ」
「俺と洞泉、工条は右を行こう。流川君、向路、大鳳さんは正面へ」
そして――君達は月明かりの差し込む出口を見つける。
上から敵の気配はしない。
まず岩男が梯子を登り――彼は敵がいるとは言わなかった。
いないとも、言わなかった。
だが手招きをする仕草を見せている。
少なくとも即座に攻撃される危険性は低いと判断したようだ。
君達が地下道から地上、どこか分からない森の中へ上がると――目の前に、白い庭園があった。
月明かりを受けて煌めく純白の「何か」で構築された、羽を織り上げたような、局所的な花畑。
小さな丸テーブルに、曲線的な造形の椅子と、それらを覆う天蓋。
その中央に、「彼女」はいた。
淡い長めの金髪に白磁のような肌、星空を宿したような瞳、口元には微笑み。
白いワンピースを身に纏った、少女のような姿をした――怪物が。
『羽持ち』が、ティーカップを片手に君達を見ていた。
だが――果たして君達が彼女を注視出来るのかは分からない。
何故なら庭園の周囲には、数十の死体が転がっているからだ。
- 100 : ◆PyxLODlk6. :2016/03/05(土) 06:09:54.65 0.net
- 服装はその殆どが礼服やドレス――彼らは鳥籠の顧客だった怪人達だ。
彼らは皆、怪人の、悪党の、上流階級に位置していた。
戦闘経験は浅くとも――優れた素質を秘めた者が多々いた筈なのだ。
殺されているのは顧客だけではない。
上下共に黒で揃えた、警備然とした服装の者も殺されている。
彼らも、鳥籠の上客の護衛として選出された少数精鋭だった。
だが羽持ちは手傷一つ、負っているようには見えない。
中には変形などの特性を発揮したままの状態で死んでいる者もいる。
無抵抗で殺された、という訳でもない。
そして庭園内の天蓋には、何者かの死体が逆さに吊るされていた。
警備然とした服装――その襟元には、白い羽が飾られている。
彼は羽持ちの親衛隊だった。死に顔は何故だか、満足気だった。
彼の首筋からは少しずつ血が流れ――羽持ちの手にするカップへと滴り落ちている。
羽持ちが、そのカップを口元に運んだ。
「――もう、来るのが遅いんだから。私、待ちくたびれちゃったゾ」
そして唇を小さく尖らせて、君達を指差してそう言った。
「本当、すっごく長い間待ってたのよ。
共生派の皆が、支援局が、私を、鳥籠を、倒しに来るのを。
私、すっごくすっごく、待ってたの」
羽持ちが両手を左右に大きく広げる。
「『これ』は頑張ってここまで来てくれたあなた達へのささやかなお礼。
中にはまだ生きてるのもいるから、持って帰れば貴重な情報源の出来上がりだゾ。勿論……」
手放されたカップは、宙に浮いていた。
「私を満足させられなかったら……あなた達もこれの仲間入りだけどね。えいっ」
瞬間、君達の肩に、背中に、「何か」が触れた。
上から下へと、凄まじい力で押し潰すかのように。
それは掴み取る事は決して出来ないだろう。
だが弾いたり、その場から飛び退いて逃れる事は可能だ。
羽持ちは庭園の椅子に腰掛けたまま、満面の笑みを浮かべて君達を見ている。
待ち侘びているのだ。
君達が、自身が「怪人」である事を示す瞬間を。
【不可視の圧力】
- 101 :名無しになりきれ:2016/03/05(土) 10:41:40.97 0.net
- ヨロイハーブはマジで文章見辛いから
気をつけたほうがいいゾ
- 102 :名無しになりきれ:2016/03/05(土) 11:47:58.96 0.net
- 人
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「――もう、来るのが遅いんだから。私、待ちくたびれちゃったゾ」
「――もう、来るのが遅いんだから。私、待ちくたびれちゃったゾ」
うーん、童貞臭い文章なんやな
「私を満足させられなかったら……あなた達もこれの仲間入りだけどね。えいっ」
「私を満足させられなかったら……あなた達もこれの仲間入りだけどね。えいっ」
こりゃあかんて・・・ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
- 103 :名無しになりきれ:2016/03/05(土) 11:49:15.93 0.net
- >>101
【不可視の圧力】
↑
これが全てを表してるよな
剣魔にいるゴミとかハーブの特徴
- 104 :名無しになりきれ:2016/03/05(土) 23:51:50.80 0.net
- しになりきれ
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彡, ミ(_,人_)彡ミ
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ここ
ゴミしかおらんの
- 105 :名無しになりきれ:2016/03/06(日) 18:14:40.31 0.net
- ◆◇◆ 重 要 告 知 ◆◇◆
なりきりネタ板TOPの板ルールに
http://tamae.2ch.net/charaneta2/
>この板はキャラクターになりきり、レスのやり取りを行うための掲示板です。
>なりきり形式ではない創作の投稿は創作発表板でどうぞ。
創作の投稿は創作発表板向けとルールが明記されました。
なりきり行為より創作の意味合いが強いTRPGはこの板ではなく創作発表板向けのスレということになります。
従って板のルールに沿い、今後は創作発表板に場を移してお願いします。
創作発表板
http://hayabusa6.2ch.net/mitemite/
- 106 : ◆CFwoAEJ66. :2016/03/06(日) 21:11:27.36 0.net
- >>105
雑談所でルールに関する騒ぎを大きくしたことは申し訳ございませんでした。
雑談所にて報告した通りでございますが、
【TRPG】ギルドアドベンチャー part3 [無断転載禁止]©2ch.net
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1457265419/
規則に従ったスレを立てることで私の誠意とします。
- 107 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 00:17:32.22 0.net
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- 108 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 00:18:04.54 0.net
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- 109 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 01:06:28.59 0.net
- >>106
お前誰だよ?
お前の指示なんてこのスレの誰も聞かないぞ
どっからその鳥の奴が沸いた?
- 110 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 02:15:57.70 0.net
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- 111 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 02:17:07.38 0.net
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- 112 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 05:17:18.74 0.net
- 何故か荒らされない怪人
- 113 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 06:17:40.54 0.net
- 少し上のレスも見えねーのか
- 114 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 08:21:11.16 0.net
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- 115 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 08:21:39.85 0.net
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- 118 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 08:23:30.72 0.net
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- 119 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 08:24:16.37 0.net
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- 121 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 08:25:21.63 0.net
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- 164 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 09:11:34.24 0.net
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- 165 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 09:12:49.91 0.net
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- 166 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 09:13:21.66 0.net
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- 167 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 09:13:49.68 0.net
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- 168 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 09:14:31.37 O.net
- 言われたから急に荒らすマン
- 169 :名無しになりきれ:2016/03/07(月) 09:14:32.72 0.net
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