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約束を破るスキル持ちの物語

1 :名無しになりきれ :2024/05/10(金) 21:25:50.06 ID:D9gUm1ca0.net
これの続きをリレーで作ってる欲しいー
初スレ立てですが、よろしくお願いします!

2 :名無しになりきれ:2024/05/21(火) 23:40:31.68 ID:6gy+DMOfj
俺は時空間を自由自在に行き来できるスキルを持っている。
過去に戻ったり未来に行ったりして都合のいい運命に変えることができる。
このスキルは人を殺さないという制約のもと、時の精霊から与えられた能力だ。
今まで、自分に都合の悪いことは何でも捻じ曲げてきた。
そう、愛する女が俺を振ったときも。俺はどこで見誤ったんだ…?
スキル発動!タイムリープ、スリーマンスアゴウ!

俺は彼女と最後に食事をした3ヶ月前に飛び、彼女の心境に異変がないか探ることにした。

「カオリ、最近なんか近況とか、どうだ?」
「なに?いきなり(笑)なんもないけど…」
「おぉ、そうか。なんか疲れた顔してるなって思って」
「そんなことないよー、仕事で疲れてるだけ」
「そうか?相談とかあったら言えよ?何でも聞くから」
「うん、ありがとう」

彼女に特段変わったところはない。いつも通りだ、この時は。じゃあ何が原因だ?
もう一回俺に惚れさせることはできないのか?

「はぁー、お腹いっぱい!この店すっごく美味しかったねー!」
「あぁ、そうだな」

俺たちは食事を終え、俺は彼女を送るためタクシーを拾おうとしていた。

「あ、タツヤ、今日送ってくれなくて大丈夫だよ?私この後用事があって…」
「え、用事?こんな時間にか?」
「う、うん、ちょっと職場から連絡来て、今すぐ来れないかって」
「まじかよ!?」

夜勤勤めの彼女は時折、職場の人手不足を埋めるべく、急に仕事に行くことが多かった。
この日も運悪く、そういう日に被ってしまったようだった。
バツの悪そうな顔で、ごめんね!また、連れてって!と言い残し、彼女は走り去った。
彼女の勤務先近くの店にしといてよかった、と思いながら、俺は久々の彼女とのデートにうつつを抜かしていた。
そういえば、これが彼女との最後の食事デートだった気がする。
俺は、ふと足を止め、本来の目的を思い出した。彼女に、本当に異変はなかったのか?
気がつけば俺は、彼女が走り去った方向に走り出していた。
勤務先の場所は知っている。今から追えば、後ろ姿くらいは見届けられるだろう。
俺は必死に走った。死物狂いで、彼女の行方を探し彷徨った。
つい、さっき別れたばかりなのにまったく見つからない。そんなに足速かったっけ。
俺は、もう職場に着いたのだろうと思い、引き返して家へ帰ることにした、その時。
脇道に逸れた薄暗いラブホテルへ入っていく若い男女の姿が見えた。
ガラの悪そうな男が引き連れている片方は見慣れた女の顔。
「カオリ…?」
あの日、カオリは急な呼び出しで職場へ向かったはずではないのか?
それが、なぜ、今、知らない男と二人で手を繋いでいるのか。
俺に嘘をついてまで、仕事を言い訳に他の男と不倫するのか。

俺は、今この目の前の光景を信じられず、初めて自分の能力の代償を痛感した。
時空を好きに行き来できるのは良いことばかりではないと。
知らなくてもいいことまで知ってしまった男の末路は、理性を失い、精霊との制約をも決裂させてしまう。
俺は未来を変えるために過去へきた。だが、こんな過去どうやって変えればいいんだ。
いつからそんな男とつるんでいたんだ!
果てしがない。今までの彼女との思い出をやり直す前にあの男が生まれてこないように過去を改ざんせねばならない。
そうでないと、未来の俺に示しがつかない。
だが、冷静に考えていた間に俺はその若い男女へどんどん近づき、無意識に男をなぶり◯しにした。
気がつけば、パトカーに連行され、彼女がどんな顔をしていたかなど見ておらず、記憶が飛んでいる。
精霊との制約は保たれず、俺のスキルは消滅した。
やり直そうと思っても、もう俺は時空を飛べない。
彼女との関係をやり直せないまま、俺は罪を犯し、二度と消えることのない犯罪者という烙印を押された。

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