鹿島灘特産のハマグリ　ルール違反の採取相次ぐ　茨城海保、パトロール強化 [ひよこ★]

ひよこ ★

https://mainichi.jp/articles/20200501/k00/00m/040/075000c
毎日新聞2020年5月1日 11時22分(最終更新 5月1日 11時23分)

https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/05/01/20200501k0000m040074000p/9.jpg
茨城海上保安部の職員による3月のパトロールの様子。規則違反とみられる道具を使った男性に声をかけている＝大洗サンビーチで

　鹿島灘特産のハマグリを規則に反した道具で採取する事例が後を絶たない。新型コロナウイルス対策で自治体が潮干狩りの自粛を求めた4月中旬以降も相次ぎ、うち数件を茨城海上保安部は検挙。規則違反の採取は個体の減少につながりかねず、海保はパトロールを強化している。【小林杏花】

　「なぜ声をかけられたのか分かりますか」。4月下旬、大洗サンビーチ（茨城県大洗町）でハマグリを採取していた男性に海保の職員が言った。職員は、道具の柄が規定より長いことを確認。県海面漁業調整規則違反の疑いで男性を書類送検する方針だ。

　鹿嶋市の下津海水浴場では29日、潮干狩りが認められていない区域で規則違反の道具を使ったとして、漁業法違反などの疑いで40代男性が検挙された。こうした違反が疑われる事例が、鹿島灘沿岸では4月中旬以降にも相次いでいる。大きな道具を使うのは、多くの貝を楽に採取するためで、過去には転売目的のケースもあったという。

　大きな道具を使えば成長途中の稚貝まで採れてしまうため、県海面漁業調整規則は資源保護の観点から、道具の柄の長さは50センチ未満、爪の長さは5センチ未満などと規定。大きさ3センチ以下の稚貝の採取は禁じており、違反した場合には罰則もある。

　県によると、鹿島灘では天然のハマグリが採れる。県は1995年に「鹿島灘はまぐり」と命名してブランド化を図った。7～12センチと大玉で、うまみ成分のコハク酸が多く含まれ、調理しても柔らかいのが特徴だ。

https://cdn.mainichi.jp/vol1/2020/05/01/20200501k0000m040073000p/9.jpg
鹿島灘特産のハマグリ＝茨城県漁政課提供

　ただ、2014年の漁獲量は80トンで、ピーク時の93年の1751トンのわずか4・5％にまで落ち込んだ。稚貝が激減したことが要因だが、減った理由は特定できていないという。

　稚貝は、潮干狩り客が多い波打ち際に多く生息し、5年以上かけて成長する。稚貝の減少に危機感を強めた県などは18年以降、潮干狩りの場所を鹿嶋市、鉾田市、神栖市、大洗町の四つの海水浴場に限定した。

　海保は、多くの潮干狩り客が訪れる春～初夏を中心に24時間態勢で巡回。4市町沿岸での同規則違反や漁業法違反による検挙は16年に91件、17年は121件、18年は31件、19年は19件となっている。

　漁業者の男性は「貴重な資源なのでルールを守って」と訴える。県の担当者は「今は感染防止のため潮干狩りの自粛を求めている。規則違反の採取方法はもちろん、潮干狩り自体を控えてもらいたい」と話している。

鹿島灘特産のハマグリ ルール違反の採取相次ぐ 茨城海保、パトロール強化 [ひよこ★]

鹿島灘特産のハマグリ　ルール違反の採取相次ぐ　茨城海保、パトロール強化 [ひよこ★]