藤井聡太七段がＷタイトル挑戦王手　棋聖に続き王位でも決定戦進出 [ひよこ★]

ひよこ ★

https://hochi.news/articles/20200613-OHT1T50254.html
2020年6月14日 6時0分スポーツ報知

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阿部健治郎七段（右）を破った藤井聡太七段（左）（代表撮影・日本将棋連盟）

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第６１期王位戦挑戦者決定リーグ

　ダブルタイトル挑戦に王手―。将棋の第６１期王位戦挑戦者決定リーグ最終一斉対局が１３日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、藤井聡太七段（１７）が阿部健治郎七段（３１）に後手の６４手で勝ち、白組５戦全勝で挑戦者決定戦に進出した。奇襲策に動じず、冷静な指し手を貫いた。棋聖戦挑戦者決定戦に続いて永瀬拓矢２冠（２７）＝叡王、王座＝と２３日に対戦し、木村一基王位（４６）への挑戦権獲得を目指す。

　見たことのない局面と出会う時、藤井はうれしそうな顔をする。序盤から長考を強いられる展開を「激しく踏み込まれて（自玉の守備が）薄い形で戦いになったので自信はなかった」と振り返ったが、一時的にマスクを外して将棋盤を見つめる姿は、明らかに楽しそうだった。

　不動たる山のような指し回しだった。先手の阿部が奇襲攻撃を仕掛け、飛車と角が密集する危険な局地戦となったが、冷静さは失わず。ミスをすれば一気に形勢を握られる展開に耐え続け、逆に阿部が指した悪手に乗じて確実に勝利を手繰り寄せた。

　６４手での終局は２０８戦目で７番目の短手数で、勝負の激しさを物語っている。屈した阿部は「うまく対応されました。私の力では局面のバランスを取れず、中盤で競り負けてしまった」と力なく振り返った。

　王位リーグは各６人の紅・白組に分かれ、各組優勝者同士で挑戦者決定戦を戦う。今期が初のリーグ入りだった藤井だが、初戦でレジェンドの羽生善治九段（４９）を破った勢いのままに、５人のうち３人が順位戦Ａ級に在籍する難関を無敗でくぐり抜けた。「どの対局も一手一手難しい将棋で、苦しい場面もあったので結果を残せて良かったです」

　過酷な日程の中で重要局が続く。今月は１３日間で５局目。愛知から東京・大阪へ東奔西走の日々で、鉄道での総移動距離は２４００キロを超えている。１０日の王座戦２次予選決勝では珍しく悪手を指して同期の大橋貴洸六段（２７）に敗れ、連勝が１０で止まったが、悪い流れに乗るほどもろくはなかった。「経験したことのないスケジュールで大変なところはありますけど、次の対局まで１週間空くので」

　現在、史上最年少タイトル獲得を目指す棋聖戦５番勝負では渡辺明棋聖（３６）＝棋王、王将＝に先勝。王位戦でも挑戦者となると同時進行するダブルタイトル戦に臨むことになるが、挑戦者決定戦は４日の棋聖戦挑決で激闘を繰り広げた永瀬との再戦になる。「強さを感じた経験を生かして、参考にするというより反省してつなげたいです」。２冠を持つ男は必ず牙をむく。再びの名勝負になるだろう。（北野　新太）

　○…永瀬２冠は隣室で行われた対局で本田奎五段（２２）を破り、貫禄の５戦全勝。藤井との再戦となり「棋聖戦に続いて王位戦挑戦者決定戦という大舞台で当たることに、やりがいを感じています」と抱負を述べ「対局させていただくことに感謝しかなく、結果が出ればさらにうれしいです」と誓った。「軍曹」の異名を持つ男がダブルタイトルホルダーとしてのプライドを胸に臨むリマッチになる。

藤井聡太七段がＷタイトル挑戦王手 棋聖に続き王位でも決定戦進出 [ひよこ★]

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