【巨人】パーラが母国・ベネズエラ救う…４０トン食料支援「助けるのは自分の使命」 [ひよこ★]

ひよこ ★

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2020年6月16日 5時0分スポーツ報知

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母国ベネズエラで慈善活動を行っていることを明かしたパーラ

　巨人のヘラルド・パーラ外野手（３３）が１５日、母国ベネズエラで慈善活動を行っていることを明かした。約１５００の家庭に食料を調達する初の試み。新型コロナウイルスの影響を受け、さらに悪化する同国の経済状況を救うべく妻からの提案を受けて動いた。１９日からの開幕（対阪神・東京Ｄ）に向け、プレーでも勇気を届ける。

　プレー中と同様、真剣なまなざしでパーラは慈善活動の内容を説明した。ベネズエラで約１５００の家庭に食料を調達する初の試みに取り組んでいることを明かした。「ベネズエラには食料が足りない地域も多い。そういう中で助けるのは自分の使命の一つだと感じました」。食料は４人家族で約１か月まかなえる量。米７キロ、アレパ（トウモロコシ粉から作る薄焼きのパン）４キロ、ホワイトソースやトマトソース、チキンなどの詰め合わせを送っており、支援額は明かさなかったが、合計で４０トンにもなる。現地のテレビでも報道され、話題になっているという。

　これまでも母国の幸せを願い、尽力してきた。毎年クリスマスには子供たちにおもちゃのプレゼントを７年間続けてきた。新型コロナウイルスの影響を受け悪化する経済状況を救うべく、妻からの提案を受けて今回の食料調達を決断した。パーラによると、ベネズエラの労働者の平均月収は「日本円だと２００～１０００円ほど」。激しいインフレにも悩まされているという。「自分も小さい頃に貧しい家庭で育って、周りの人の助けがないと苦しい状況だった。周りに育てられて育ったという背景もあって、神様への感謝をするという意味もあります」

　野球同様、一人の力ではなし得ない。今回の活動は、ベネズエラで約１０００人の子供たちを管轄している団体が現地でサポート。パーラの思いに賛同する仲間が食料を各家庭に届けている。「毎年けがなく、健康に過ごせている感謝の気持ちも込めてやっています」。野球ができる喜びを感じながら、プレーでも母国に勇気を与え続ける存在を目指す。

　この日は休養日のため、自宅で静養に努めた。１４日の日本ハムとの練習試合（東京Ｄ）では来日初の「１番」に座り、３回に先取点につながる二塁打を放った。２日の練習試合再開後は結果に表れない時期もあったが、常に前向きだった。徐々にギアが上がってきた。

　不動の４番・岡本に続く５番を担うことが期待されている新助っ人は「監督が与えてくれたポジションで結果を出すだけです」とフル回転を約束した。１９日からはプロ野球が開幕する。安打を量産し、たくさんの「シャークダンス」を披露すれば、ベネズエラ国民にも希望が届く。（小林　圭太）

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ベネズエラ

　◆ベネズエラの国内事情　失業率は１８年４月時点で３５％と、近隣のコロンビア、ペルー、チリなどより高い。１人当たりのＧＤＰ（国内総生産）は約２７万円で、日本の４３３．７万円（１８年）の約１６分の１だ。食糧事情はトウモロコシや米、ヨーグルト、クッキー、冷凍チキンなどの価格が高騰。多くの世帯が貧困層とされ、国民の平均体重が減少したともいわれている。世界有数の石油産出国で、国の経済は石油による収入に大きく依存している。近年は政治や社会情勢、インフラの悪化などを原因に国民の国外への流出が増加している。

　◆ベネズエラのコロナ事情　国内での新型コロナウイルスの感染者数は２０００人を超えており、うち死者は約２０人。食料不足に拍車がかかっている影響もあり、西部ポルトゥゲサ州グアナレの刑務所では服役中の囚人が暴動を起こし、４０人以上が殺害される事件が発生した。